【艦これ】提督「ホワイトデー……?」 (30)
日曜夕方6時、睦月型・朝潮型・暁型・不知火のみんなはテレビアニメにお熱だった。
TV「ホワイトデーのお返しには意味があって、マシュマロはあなたの思いに応えられない。クッキーは友達でいましょう。アメは私も好きです。なんだって」
睦月「にゃしぃ……!」
朝潮「……」ゴクリ
暁「そ、そんな子供みたいな事、暁は信じないんだから!ワクワク」
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そして数時間後、提督執務室にて。
鳳翔「提督も大変ですね。沢山もらったらもらったでお返しが」
提督「お返し?」
鳳翔「いえ、あの……私は無くてかまわないんですよ?催促してるみたいになっちゃいましたけど……」
提督「えっと、話の流れがよくわからないんですけど」
鳳翔「提督ったら何言ってるんですか♪明日はホワイトデーじゃないですか」
提督「ホワイトデー……?」
鳳翔「子供たちはすごく楽しみにしてましたけど……え?まさか……?
提督「ど、どどど、どうしよう……」
提督「とりあえずコンビニに行ってきたんだが」
鳳翔「困りましたね……こんな少しじゃ全然……」
提督「14日ってなんだよ!15日にならないと給料入らんのだが!」
鳳翔「駆逐艦の子達だけでも……と言いたいところですけど、これじゃ足りませんよね」
提督「止むを得ん、綾波や吹雪達みたいな聞き分けのいい子には1日待ってもらうよ」
鳳翔「駆逐艦以外の皆さんには私からそれとなく伝えておきますね」
提督「とりあえず睦月幼稚園と朝潮小学校、あとレディーの所を優先するか」
提督「にしてもお返しがマシュマロとアメを一粒づつとか怒るだろうなぁ……」
伊良湖「あのー……」
提督「およ?伊良湖ちゃんが来るなんて珍しい。入るがよいぞ、よいぞ」
伊良湖「し、失礼します。実は鳳翔さんからお話を聞いて、私でよろしければお力になれないかと」
提督「伊良湖ちゃんが?」
伊良湖「うちならお菓子の材料もありますし、クッキーなんて焼いてみたら皆さん喜ぶかなって……」
提督「焼きます!焼かせてください!」
伊良湖「では手伝いますので一緒に作りましょう」
間宮(伊良湖……ホワイトデーを口実に提督を連れ込むなんて成長したのね……!)
ホワイトデー当日
提督「クッキーも結構焼けたし駆逐艦全員いけるかもだな。……おっ、あれは。おーい」
暁「な、なによいきなり!今日は何かあったかしら?そわそわ」
雷「どうしたの司令官?もしかして何か渡したいものがあるの?」
電「はわわ、心の準備がまだできていないのです……」
響「ハラショー」
提督(さて、何を渡そうか)
提督(やはり無難にクッキー?しかし何か違和感が……ああ、そうか響か)
響(ヴェールヌイだよ)
提督(この子は時々俺の脳内に語りかけてきてちょっと怖い)
提督(クッキーと言えば洋菓子。とくれば紅茶……紅茶×クッキー=英国で生まれた帰国子女の金剛)
提督(響はロシアな感じだから色が白くてフワフワしててマシュマロを彷彿とさせるな)
暁「早くしてよね!これから運動場で鬼ごっこの訓練をするんだから!」
提督(鬼ごっこか。アメを口に入れたまま走り回って喉に詰めたら大変だ。やはりマシュマロにしておこう)
提督「はい、これはバレンタインのお返しだ。今はお金が無いからとりあえずこれで勘弁してくれ」
暁「なっ、なっ……なっ!なふっ……!」
雷「う、うわあぁぁぁぁん!司令官のバカ~!!」ダッ
提督「ええっ?どうしたのいきなり!?ちょっと待って!」
電「さすがにこれは……ちょっとひどいのです」
提督「電まで!?」
暁「あ、暁は義理チョコだったから……だから気持ちに応えてくれなくても、へっちゃらだし……」
提督「めちゃくちゃ泣いてるし……響、いったいどうなってるんだ?」
響「アリーヴェデルチ。さよならだ」
提督「響はイタリア艦じゃないよね?」
リベ「アリーヴェデルチ!リベだよ!」
提督「ちょっと後にして!」
提督「理由は分からないがみんなを悲しませてしまった……」
提督「マシュマロはトレンドでは無かったのか?」
朝潮「司令官、おはようございます!」
満潮「ったく、朝っぱらからなんて顔してんのよ」
提督「ああ、実はバレンタインのお返しを配ってたんだけど」
提督(とりあえずマシュマロは避けてアメを渡しておくか)
提督「はい、これ。アメだけで悪いけど。給料出たら改めて渡すから他の朝潮型にも渡しておいてくれるか?」
朝潮「こ、これは……!ありがとうございます!朝潮、このプレゼントは一生大切にします!」
提督(アメとマシュマロ、どうしてここまで差ができたのか……)
満潮「フンッ、どうせこんなアメみんなに配ってるんでしょ」
提督「まぁ配ってはいるがアメは(今のところ)お前達だけだよ。暁型にはマシュマロをあげたからな」
満潮「へ、へー、あっそ。マシュマロをあげたんだ」
提督「満潮はマシュマロが良かったか?まだあるからこっちにする?」
満潮「い、いいわよアメで!朝潮、もう行きましょ!」
朝潮「司令官、これからもこの朝潮、粉骨砕身の覚悟でお仕えいたします!では失礼します!」
提督「2人ともかわいいなあ」
睦月型の部屋
提督(ここはクッキーだな。なんか睦月型はクッキーが似合う気がするんだ)
提督「これバレンタインのお返しだ。クッキー焼いたから食べてもらうと思ってな」
睦月「クッキーにゃしぃ?うーん……如月ちゃん、どう思う?」
如月「そうねぇ……提督が私達にアメを渡したら犯罪のにおいもするしクッキーくらいが妥当じゃないかしら?」
提督「アメを渡しただけで!?」
睦月「そうだね。という事でありがたく受け取らせていただきますにゃ」
提督「良かっ」
卯月「はむっ!はむっ!はむっ!」
提督「ああっ!うーちゃん、ちょっと食べ過ぎ!まだ他にも配る予定だからね!」
弥生「あむあむ……」
文月「ふみふみ」
提督「……」
提督はほっぺた一杯にクッキーを頬張る睦月型のみんなが可愛すぎてもうどうでもよくなった
提督「結局全部食われてしまった。仕方ない、マシュマロは不人気だったし他のみんなには少し待ってもらうか」
陽炎「あら司令、こんな所で何してるの?」
提督「ちょうどいい所に。実はバレンタインのお返」
陽炎「もー♪お返しなんてそんな気使わなくて良いのに!」
提督「あ、いや、あの、お返しを配ってたんだけど、みんなの分」
陽炎「ちょっと待ってて!今みんなを読んでくるわね!」
提督「ちょっとー、おーい」
陽炎「司令、みんなを連れてきたわよ!」
提督「連れてきちゃったか」
黒潮「なんやなんや?なんかええもんくれるんかいな?」
提督「良いものって言うかマシュマロしか無いんだけど」
陽炎「マシュマロ?なんだかありきたりねぇ」
不知火「!」
黒潮「まぁこう言うのは気持ちの問題やん。うちはそれでええよ。おおきに、司令はん」
初風「仕方ないわね。もらっといてあげるわ」
提督(よかった。許されたみたいだ)
提督「はいよ、数も丁度だったか」
舞風「ありがと!じゃあ一緒に踊ろうよ!」
陽炎「ちょっと不知火ー、あんたもそんな部屋の隅にいないで早く貰っちゃいなさーい」
不知火「不知火はそんな物いりません」
黒潮「何言うてんねん。貧乏な司令はんがなけなしの小遣いはたいて買うてくれたマシュマロやで?貰わなバチあたるやん」
不知火「いりません!」むっすぅ
陽炎「何拗ねてるのかしら?」
提督「まいったな。不知火はまだ受け取って無かったのか……今のでマシュマロは最後だったんだが」
提督「そうだ、みんなと1人だけ別になっちゃうけどアメでも良かっ」
不知火「いただいておきます」ぬいっ
提督「さっきの態度を見る感じ、マシュマロは不人気でアメが人気なのか。暁達には悪い事しちゃったな」
提督「まだ少しあるし次に会ったら」
暁「ぎゃっ、司令官!?」
提督「ああ、丁度よかった!鬼ごっこはもう終わったのか?」
響「何もかも終わったよ」
提督「さっきは悪かった!そんな事(マシュマロよりアメが流行っていた事)なんて知らなくてさ。だから改めてこのアメを受け取ってくれ」
電「司令官さん……!」
雷「司令官……!じゃあこのマシュマロは返すわね!」
提督「えっ、食べてなかったのか?」
雷「こんなの食べれるわけ無いじゃない。司令官が受け取らないなら捨てちゃうんだから!」
提督(最近の子はマシュマロがそんなに嫌いなのか。陽炎達にも悪い事したな)
暁「このアメは大切に宝箱に入れておくわね!」
提督(そして俺の知らない間にアメの評価がここまでうなぎ登りしていたなんて)
提督(お返しはアメで決まりだな)
翌日、提督はアメを買いみんなに配り歩いたが大して喜ばれなかった。
終わり
ここまでありがとうございました。
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ふみふみ