吸血鬼と悪魔 (60)

第一回「任務」

「今回、君の任務はジンジャー地区の輸送会社
から強奪されたトラックの回収だ。」

「回収、か。」

「回収とはいってもトラック自体の破壊でも構
わない。だが、条件としてトラックの中身の兵器を破壊して欲しいとのことだ。」

「いったいどうして私が民間向きのシゴトをす
るんだ?こんなシゴトなら私達のような半公
半民のような業者じゃないくて民間の飢えた
奴らまわすはずだろ。」

「問題はトラックの回収や破壊、その中身の破
壊じゃないんだ。」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1457960877


「というと?」

「トラックを強奪した連中はghostの可能性が
ある。それと、輸送会社が強奪されたことを
内密にして欲しいそうだ。」

「なるほど。だからうちみたく能力的に十分対
処できて、公の力があるから内密にできるっ
てことね。」
「期限は?」

「12時間だ。」

「十分な時間はあるな。」

「君ならそう言ってくれると思ったよ。
J、君は人にはないその「特別な能力」使って
任務を遂行してくれ!」

「Q、私の任務達成率は知ってるよな。」

「100%、perfectだ。」





ghost、吸血鬼のみの集団で構成された
武装特殊能力集団。
A級テロリストとして危険視されている。

ここで語らなければならないのは現在、
人間と吸血鬼はghost及びほかのテロリストを除き、対立していない。

共存し、お互いに尊重して生活している。
吸血鬼の腕力、頑強さは特別な人間、いわゆる
超人や亜人を除き人間をはるかに超えている。
しかし、吸血鬼にとって人間は大切な生命線、
人間は滅ぼされることはなく、むしろお互いに好感情を持つような交易対象だった。

それが50年前、共存する道を選び一つの国となった。

それから、この国が建国されたのを皮切りに多くの既存の国も吸血鬼、または人間と共存し始めた。

しかし、それをよく思わない人間や吸血鬼がいる。

多くは吸血鬼の武装集団。

また、世界には吸血鬼のみの国もあり、人間が家畜以下の奴隷として扱われている国もある。



(今回のトラック強奪に連中が絡んでいるとすれば、連中は中身を知った上で兵器をアジトに運んでいるのだろう。)

(連中を尾行しながらアジトを叩くという手もある。)

(いや、きっと奴等は周囲に何も人もいない道を確保しながら移動するだろう。早期に潰すほかないか。)





外からみたら廃墟のようなガーリック地区外れのビル。その地下は立体駐車場になっていて数台の車しか停まっていない。

コツコツ、コツコツ。

ビッ!

スーツ姿のJは黒いスポーツカータイプの改造車のロックを開けエンジンをかける。

Jには任務の時とこの車に乗るときは黒のスーツというポリシーがある。

腕時計で時間を確認し、アクセルを踏み出した。

車内には30㎜ライフルやその他重火器が積まれている。

キュルキュルと音を立てながら車はトラックの元へ向かった。


ザザッザザッ

「あーあー、こちら♣︎、聞こえてますか?」

J「聞こえている、トラックの現在位置は
わかったか?」

♣︎「強奪から8時間、休憩を摂りながら
北へ向かってるようだ。」

J「位置を教えてくれ。」

♣︎「ああ今から言うよ、輸送会社から300キロ
北に離れたクラウド地区に今滞在してい
る。」

J「了解。」

ザザッザザ



「あー、こちらJ、出動から2時間が経った。
現時点で標的は私からどれぐらい離れてい
る?」

「こちら♠︎、今から5分前にシュガー地区境界線
を越えた模様、そこからは約40キロ程離れて
いる。」

J「了解、任務は予定通りの手筈で進める。」

♣︎「了解。無事を祈る。」

J「そろそろだな。ブースターは満タン。
5分で終わらせてやる。」




J「あ、トラックだ。」

J「こちらJ、トラックを確認。警戒される前に
仕掛ける。」

J「ブースター点火!」

Jの黒い車はブースターを点火させスピードが爆発的に上がる。

ガッガッ!

スピードの上がり具合に合わせ、最高のタイミングでJはギアを上げる。

トラックとの距離はもうほとんどないところまで縮まり、トラックを追い越す。

トラックと距離を開けたところで黒い車から
円盤が落ちる。

そして、トラックから大きく離れたところで車はスライドさせながらブレーキをかける。

その様は有名なアニメの主人公のバイクのようだ。


Jはドアをあけ、例のライフルを抱える。

J「装填済み、照準合致。」

Jはトリガーに指をかける。

J「BANG!」ガチッ!

ドンっと大きな音を立て巨大な弾頭はトラックの車体の下を目がける。

トラックのすぐ下の地面に着弾した時、
弾頭は大きく爆発したように見えた。

弾頭が爆発したのではなかった。
先程トラックの前に投下した、円盤。
地雷に着弾したのだ。


トラックは爆発で傾き転がる。


J「さぁ、どう出てくる。」

爆発に生じた煙から黒い人影が4つ程見える。

「アッアッ、敵を補足。戦闘、フェイズに、
移行、するッ」

黒い影のうち3体がJに襲いかかる。

J「なんだよ、zombieかよ、しかもたったのlv2
が三体ぽっち。」


Jはスーツの中の特殊大口径のシングルアクションのリボルバーでゾンビの頭を撃ち抜く。





「やってくれるじゃないか。中々の腕前だ。」

煙から頭にバンダナを巻いた肌の浅黒い大男が出てくる。

身長はおよそ2m程だろうか。

J「ほう?わかるかね私の強さが。」

「貴様が十分強いのはわかるがね。たった一人
で吸血鬼と闘おうとするのは愚かだ。」

J「一人?さあどうかな。」

「ハッタリはよせ。スナイパーもヒーラーもステルス兵もいないのはわかっている。」

J「試してみるがいいさ、来いよ。ほら。」

「遠慮なくやらせてもらおうッ‼︎」


大男がJにジャブを仕掛ける。

それをJは目で捉え隙を見せずに躱していく。

J「大口叩いてた割に遅いじゃないかッ。
もっと速く来いよッ。」

「ハァッ‼︎」

大男はジャブを速く仕掛けるがそれでもJに当たらない。

J「隙が大きいんだよッ」

ドスッ‼︎
Jのカウンターストレートが大男の顔面にクリーンヒットする。

「ハッ」グンッ!

しかし、クリーンヒットにもかかわらず大男もJにストレートを当てる。


大男「ウッ!」



大男はカウンターの衝撃から崩れ落ちる。

J(ストレートのダメージが軽い。それに俺のカウンターに対するダメージの反応が遅かった?)


J「貴様、遠隔操作か?」

大男「ハアハア、なぜ、そう思う?」

J「大柄な割には拳が軽いし、ダメージを受けた
際に反応が遅い。他人の体で戦っているよう
だ。」

「とてもじゃないが本体と闘っている
気がしない。」

Jの拳から炎が湯気のように流れ出る。

大男「あんた、その青白い炎はJ、””切り札””だな?」

「道理で、この体では
敵うはずがないわけだ。」



「この体が、燃やされる前に、ひとつ、
言っておきたいことがある。」



大男「私の所属しているグループは
Red Forest。」
「対吸血鬼の吸血鬼による部隊だ。」

「人間との共存を目的としてる。
お前らの敵じゃない、味方だ。」

「この体の持ち主は確かにghostのメンバー
だ。zombieもghostの奴らが用意したもの。
トラックを奪っていく連中の体を乗っ取って
奴らのアジトを見つけるつもりだった。」


J「その話を、俺に信じろと?」

大男「こいつが証拠と思ってもらっていい。」

大男はJに金のペンダントを渡した。

大男「その中には我々の活動拠点の座標が組み込まれてる。どうだ、我々の連中への奇襲に協力してくれないか?」


大男「もちろん、今すぐとは言わない。トラックの中身から連中のアジトの位置はわかったし、あんたも上に報告して決めてもらって構わない。考えてみてくれないか。」

J「 嘘はついてないようだな。
いいだろう。考えてやる。」


pppppppppp!

「こちらJ、標的と交戦、標的はghostのメンバーの体を乗っ取ったRed Forestの隊員だそうだ。それから………」




J「私は一度内地に戻る。お前もアジトに戻って、装備を整いといてくれ。」

「交渉成立だ。」

大男「報酬はちゃんと用意する幾らかは次会うときにいってくれ。」




大男「それと、この体は捨てることになるから、
次会うときは別の体だ。
私のコードはsilver、覚えておいてく
れ。」

すると、大男は倒れこみその首筋には荊が巻きついてあった。

こんな感じで厨二心全開で行きます↑

文才には目をつむってクレメンス

第二回「帰還」

「久しぶりだな、James。二週間ぶりか?」

「そうだな。
ここに来るのはそれぐらいになる。
Walter、俺はどうしたらいい?」

「正直まだ僕を頼るのは感心しないなあ。
吸血鬼に協力するか、
悩んでいるんだろう。」

「………」


「確かに僕を含めた22人を殺した
吸血鬼という人種、
James、君は憎いかもしれない。
だけどね、James。
僕達が恨み、報復する権利のを
実行するその矛先と君を頼っている
吸血鬼が殲滅しようとしている相手はきっと
近い存在にあるだろう。
彼らに協力することが
近道だと僕は思うね。」

「君はいつでも僕達を切り離すことはできる。
人間に戻ることは君が願えば可能なんだ。
気負うことはないんだよ。」





ガーリック地区の外れのビル。

「J、J、起きろ。」コンコン

J「ハッ。なんだQか。
すまない眠っていたようだ。」

Q「また、”牢獄”に入っていたのか。」

J「ああ、だが大したことはない。」
「報告する。本社で待っててくれ。」

Q「わかった。」


本社。

Q「首に荊?」

J「ああ、おそらくその荊で
操っていたんだろう。
可視化されていたがオーラで出来ていた。」

Q「何色だ。」

J「黒と赤、若干緑も混在していた。
合成された色ではなかったが。」


サイキッカー、超能力、気功、魔法など様々な呼ばれ方があるがそれらが解明された時、
呼ばれ方は違えど本質的な面ではどれも同じであることが90年前判明した。

それからそれらの名前はスキルなどと呼ばれるようになり、それらを扱うものを能力者や使い手、車でいうガソリンに当たるものをオーラと呼ぶようになった。

また魔法や気功がまやかしではないことがわかった後、それらは世間から信用を得るようになり、特段珍しいものではなくなった。

オーラには色があり人間のオーラは透明が基本で、性質によって色々な他の色と混ざる。
逆に吸血鬼や悪魔に近いとオーラは黒がベースとなる。


J「おそらく、吸血鬼の中でも
手練れの方だろう。
操作された体は弱かったが闘っている場所と
本体の場所はだいぶ離れているよう
に思えたからな。」

Q「約束の場所へは一人で行くつもりか?」

J「そうだ。俺一人で十分だ。」

Q「死ぬなよ。」

J「まさか、死ぬわけがなかろう。
報酬の話をしよう。」

Q「報酬は、言い値だそうだな。
500万ゴル、これで交渉してくれ。
2割、引かせてもらう。
その代わり、君へのバックアップ
は万全にする。
オペレーターを1人つける。」

J「それで構わない。」


Q「帰ってきたらレストランでも行こう。」

J「別れた女房とか?」

Q「私の気持ちは変わっていない
ということだよ。」

J、James=Walker。

通称”魔王”

身長196㎝
体重126キロ

不死身、22回殺してもう一度殺さなければ死なない。

能力は青い炎による身体能力の爆発的向上、
加速、物質のつながりを燃やしてもろくするなど。

Qとは元夫婦。

Qは犬派、Jは兎派だったため価値観が合わず離婚した。

ここまでで。

なんか最初jackだった気もするけど忘れてクレメンス。

後読んでくれる人いて嬉しい。

第三回「再会」

あれから3日が経った。
約束の日だ。
ペンダントを解析するとRed Forestのアジトが確かに記してあった。
ペンダントには近くの時計塔で落ち合うよう書いてあった。


J「ふー、これから何日かかるかなぁ。」

時計塔でJamesはタバコを吹かしながら車中で
宙を見ていた。

コンコン、

フードを被った男が窓を叩いた。

「James Walker氏ですね、
前の装甲車についてきてください。」

Jamesは頷いた。




しばらく走ったところでトンネルを抜けると
テントが多数張ってある場所に出た。

駐車場らしき場所に装甲車が駐車したので
車を停める。

「BOSSのところに連れて行きます、
Jamesさん荷物をお持ちします。」

「あ、武器は持っていて構いません、
Jamesさんはお客様なので。」

やけに丁寧な対応はJamesに敵対心を持たせないためなのだろうか。

「こちらです。」

緑色の大きなテントに通される。


J「すまない、silverというのは
どの人物かわかるか?」

「ハッ、silverはBOSSのコードです。」

J「そうだったか。手間が省けたよ。」

あの時戦ったのは大将か、
かなり戦力として弱っているんじゃないか?
Jamesはそう思った。


「では、失礼します。」

J「silver、約束通り3日後に来た。
まずは顔を見してほしい。」

椅子に座ってJamesはこっちと反対を向いている椅子に話した。

「その節はどうもと言ったらいいかしら。
James Walker、私達に協力していただき
感謝するわ。」

振り向いたのは男ではなく、女性だった。
それも美人な。

頭髪は銀、目は赤という吸血鬼の純血を思わせる容姿の女性だった。


J「驚いたな、まさか女性だとは。
てっきりごついおっさんかと思っていた。」

「あら、そう。
まあ遠隔操作じゃあ顔は分からないものね。
名乗らせてもらうわ、
私の名前はAlice Silver。
ここの部隊の長をやってる。」


J「私のことはよくわかってるだろうから、
省かせていただく。
まず、報酬の話から
入らせていただきたい。」

Alice(以下A「ええ、構わないわ。」

J「希望額は500万ゴルA「構わないわ。」

即決だった。

A「ごねると思ってたかしら。
私達今、戦力がほしいの。
そのためなら金に糸目はつけないわ。」

J「こいつでこじれなくてよかった、
そう思ってる。」


A「それじゃ、計画の説明をさせていただくわ。
例のアジトまでここから5時間かかる。
私達はあなたを合わせて18人で行きます。
装甲車1台に6人、2台。
通信車に4人1台。戦闘ヘリ1機に2人。
あなたには私と装甲車に
乗ってもらうわ。」

J「それで結構だ。」

A「それから、アジトに行くまでに
旧都市部を通るの。
ここでおそらくゾンビとの戦闘になるわ。」

旧都市部は過去に吸血鬼に襲撃され廃墟化された
区画だ。
国境を超えているため未だに放置されている。

J「Ok。敵のアジトの規模は?」

A「偵察隊によると、ここより少し
小さいぐらい。
でもここと違って全員が
武装兵と思ってもらったほうがいいわ。
大体100人くらいかしら。」


J「そんな大群によく挑もうと思ったな。」

A「だから今まで妨害しかできなかったのよ。
だけど今回はあなたという味方がいるわ。
それに奇襲をかければ
1/5は削れるはずよ。」

J「わかった。出発は?」

A「明日、急だけどごめんなさいね。
新月に仕掛けた方が成功率
上がるでしょう。」

J「私のことは考えなくていい。」

A「あらそう。気が楽だわ。」


J「ここには民間人もいるのか?」

A「ええ、そっちの方が多いわ。
大体80人くらい。」

J「こいつが終わったら、
都市部で生活できないか打診してやろうか」

A「本当?是非ともお願いしたいわ。
彼らの中には吸血鬼に迫害されて
逃げてきた人もいるの。
都市部に住めるのなら彼らも喜ぶ。」

J「その代わり、条件として私達の会社で
働いてもらいたい。」

A「というと?」

J「今こいつとは別に治安悪化を止めるために
犯罪吸血鬼と犯罪人間を包囲する
プロジェクトが進められてる。
感知タイプ、事務員が圧倒的に
少ないんだ。
是非とも手伝ってほしい。」
「勿論、待遇はそれなりに用意する。」

A「ええ、感謝するわ。」


A「それと、あなたの心の中、
一度見させてもらっていいかしら。」

J「心の中?」

A「私の能力は荊をケーブル代わりにして
対象の精神干渉する”通信”の能力なの。
操ろうなんて考えてないわ。
むしろあなたを操るなんて到底できないし、
ただ心の中を見してほしいの。
簡単に言えば能力が知りたい。」

J「……、構わないが、後悔するなよ。」

A「ええ?じゃあ見させてもらうわ。」

Aliceの手から荊が伸びてJamesの首に刺さる。

ズオオオオオオッ

AliceはJamesの牢獄のような心を見た。
それは今までAliceが見てきた精神の中でも
一番険しく暗いものだった。


A「ハアハア…深すぎる。
あなたの心、深すぎるわよ。」

J「そりゃそうさ、俺は人じゃない、悪魔だ。
悪魔は存在しているだけの浮翌遊物、
存在が全てなんだ。
物質がない代わりに精神は今見たみたいに
複雑化され暗号化されている。
魂を暗号化しているんだ。」

J「悪魔はそれぐらい不安定なものなんだ。
実体がないからな。」


J「君には直接言葉で能力を
伝えたらいいだろう。
私の能力は炎をベースにした、
”加速”と”破壊”だ。
加速によって身体能力を向上させ、
破壊によって物質をもろくする
と言えばいいだろう。」ボッボッボボッ

左手からJamesは青い炎を出し、タバコをつける。

J「これでどうかね。
あとは、フー、直に見るがいい。」スパー

A「ええ、あとは実戦で
見せてもらうことにするわ。」

J「じゃあ私は車の中にいる、
何か用があったら言ってくれ。」灰皿グリグリ

A「それなら部下に用意させるわよ。」

J「いいんだ、自分の車が一番落ち着く。」

A「わかったわ。」




翌日、午後4時になるとキャンプの吸血鬼は
出撃の準備を終えていた。

「James、Ccloudだ。よろしく。」

J「こちらこそ、よろしく。」

戦闘ヘリ1機、装甲車二台、通信車1台は動き出した。

今日はここまで。

いつも乙してくる人ありがとう。

Jamesはドウェインジョンソンみたいな感じです。http://i.imgur.com/9Qxl4gF.jpg
http://i.imgur.com/bgbFjD2.jpg

「驚いたな、」

「ああ、Cloud。私はとんでもないやつを
呼び寄せてしまったかもしれない。」

A「まさか旧都市一区画のzombieを、それも
level4~8全てを燃やしてしまうなんて。」

炎の塊に包まれている
zombieから大男が現れる。

J「すまん待たせたな。これで進もう。」

A「い、いやこんなにも
早く終わるとは思ってなかったわ。」

C「James、内地には君より
強い人間はいるのか?」


J「いないだろうな。俺が切り札だ。
だから俺のコードはjoker、もしくはjack
だ。」

A「君の会社はトランプの役が
コードなのかしら。」

J「ああ、今は♢と♠︎が欠番だがな。」

C「とんでもないな、
当たりを引いた気分だ。」

J「大船に乗った気分で
いてくれて構わないぜ」






ghostのアジトは砂漠にピラミッドのような形で鏡のような素材で構築されていた。

C「これどうやって入ったらいいですかね。」

A「あまり気づかれたくないな。」

Aliceが不可視状態にしてある装甲車から飛び出し、警備兵の元へ歩いていく。

警備兵「ん?なんだあれは。
侵入者らしきものを発見、
警戒フェイズに移行する。」

J「あいつ何考えてるんだ?警戒されてるぞ。」

C「大丈夫だ。あれが隊長の戦法だ。」

警備兵「貴様っ!止まれ!止まるんだ!」

警備兵が叫んだ瞬間、Aliceは弧を描くように
警備兵へ急接近し、脇腹から荊をだす。

A「干渉(ジャック)開始!」

荊は警備兵を突き刺し、
血管を通って侵入する。

警備兵は目を上にし、口をだらんと開けたままにする。

A「干渉終了。」

警備兵「問題なし。
通常フェイズに移行する。」

C「終わったみたいだな。」
「ほら、問題なく終わったろ?」

Cloudは隣にいたはずのJamesを見るが
その姿はない。

J「フンッ!」

ドンッバキバキバキッ

Jamesはピラミッドに向かってタックルをかまし、壁に穴を開けた。


J「通路に繋がってるようだな。」

ウーウーウーウー

サイレンが鳴り響く、

J「10分で片付けてやる。」

Jamesは不敵に笑う。

A「は?何やってんの?」

C「あいつバカだ。」

ピラミッドから悲鳴がこだまする。





J「めぼしいやつはいないな。」ドンッ!バタ

あらかた吸血鬼を片付けたJに
大口径の銃弾が飛んでくる。

J「骨のあるのがきたようだな」ムクリ


「たまげたなぁ、貴様は人間か?」

J「いいや違うね、」

「じゃあ同族か?」

J「いいや違うなあ。」

「悪魔、そうか貴様は魔王だな。」

「手合わせ願おうッ!」

J「来いよ、地獄を見してやる。」

「ハハハハ、」ドンドンドンドン

J「フンッ」ビシビシビシビシ

Jは銃弾を食らいながら距離を縮める。

「近距離に持ち込むつもりかッ」

Jはジャブを放つ、
青い炎によってコーティングされたジャブは
光線のような軌道を魅せる。

「わが能力を見してやるッ」

細かいネジのようなものを掌から出現させる。

Jの鋭いジャブはネジに触れる、
その瞬間ネジは拳に突き刺さる。

J「ッ?」

ジャブは男に当たることなく止まったまま。

J「う、動かない。」

Jの腕は動かなくなっていた。

「そうだろォ、動かないダロォ、貴様は俺に触れることはできないんだヨォッ」



J「さぁ、どうかな?」ザンッ、ドス

Jは腰のナイフで左腕を落とす。

首の血管を斬ってJはしぬ。

J「さぁ、第二ラウンド開始だ。」ギイィン!

瞬間、
男は顎を砕かれ倒れていた。
いや、死んでいた。

J「ジェイコフ ジーン、か。」

男の胸にあったネームタグを見てつぶやく。




「確かに500万ゴルいただいた。」
「お前らの内地でのグリーンカード
は2日後届くはずだ。」

C「あんたとんでもねえ奴だよ。
おれらは結局何もできなかった。」

J「今回は、な。
お前らが弱いんじゃないんだ。
俺が強い、それだけだ。」

「それと、Alice、お前には欠番の♢
になって欲しい。」

「君のその能力は偵察にぴったりだ。」

A「ええ、その話受けさせてもらうわ。」

「ここを出たら職なしプータローだもの。」

J「2日後グリーンカードは部下が持ってくる。
そしたらここの住所に来るといい。」ペラ

A「世話になるわ。」

J「じゃあな。」カチッシュボッ

Jはタバコを吸いながらエンジンをかけ、
車を走らせる。



ピラミッドだった場所ーー

「ああ、かわいそうに弟よ、
こんな姿になっちまって。
許せねえ、必ず殺してやる、
たとえ相手が魔王でも!!」

謎の男は血涙を流し、叫ぶ。


第1編 「魔王という男」

「デスクワークは慣れたかね、Cloud。」

C「ぼちぼちといったところだ。」

J「もう一ヶ月か、」

C「ブラインドタッチ?これが難しいなあ。」

J「ハハハハ、
あそこじゃ考えられなかっただろう。」

C「どうだ、今夜飲みにでも行こうか?」

J「いや、別れた女房とデートなんだ。」

C「そいつぁ複雑だな、」

J「まぁ相手はQなんだがな。」

C「もうわけがわからんよ。」

Q「なあもう一度よりを戻さないか、」

J「それはできない、君は猫が好きかもしれんが
おれはウサギが好きだ。
その価値観は変えられないし、
変えるつもりもない。」

Q「ぬ、つれないなぁ」

J「こうやってたまにデートに
行くぐらいが丁度いいんだよ。」

Q「わかったよ。」

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