お前ら大好きだろ
そんなわけで頼んだ
魔王「たいむ!たいむだっ!」
勇者「たいむなしっ」ポカポカ
魔王「ちがっ……たいむだっ!」
勇者「なさけむようっ!」ポカポカ
魔王「たいむだって……かたいとこ、あたったもん……」グスッ
勇者「……えっ?」
魔王「うぅ、いたいよ……たんこぶできたもん……」グスッ
女戦士「あ~ぁ、勇者が泣~かした~っと」
女魔法使い「女の子泣かすなんて酷いわね」
女僧侶「皆さん、ようかんのおかわりはいかがですか?」
勇者「ぼ、ぼくはわるくないもん!まおうがむらをおそうからいけないだもん!」
魔王「ひぐっ……ひぐっ……わ、わたしだってすきでおそってないもん!ままがそうしろっていったんだもん!」
戦士「せ~んせ~に、いった~ろ~」 ケラケラ
魔法使い「とりあえず魔王、話し合いをしましょう?」
僧侶「ココアどうぞ、落ち着きますよ」コトッ
乗っ取りいいですか?
魔法使い「で、あなたは村を襲う気は無いのね?」
魔王「……」 コクッ
勇者「しんじられるかーっ!」
魔王「……っ」 ビクッ
魔法使い「こらっ!魔王を怖気さしたらいけないでしょ!」
勇者「……うぅ」 ショボン
戦士「わ~、怒られてやんの~」 ケラケラ
僧侶「……戦士ちゃん、黙ってましょうね?」 ニコッ
戦士「……うっす」 ガクブル
魔王「わたし、おかあさんがやれーっていうからやってるの……」
魔法使い「……成る程、あなたは単にお母さんの話を聞いただけなのね」
勇者「でも、まおーはわるいやつだってママがいってた!」
魔法使い「確かに、魔族は人間と相対する存在だからね……」
勇者「だからたおさなくちゃ!」 エイヤッ
魔王「いっ……いたいよぉ……」 グスッ
魔法使い「……勇者、魔王は倒さなくてもいいのっ!」
勇者「で、でも……」
魔法使い「でもなんてない!ダメなの!」
勇者「で、でもぉ……ひぐっ……う、うわぁぁああん!」 ウェーン
魔法使い「」
魔勇「うわぁぁああん!」 ウェーン
魔法使い「どうしてこうなった」
僧侶「鎮静剤、使いますか?」 ニコッ
魔法使い「怖いって」
魔法使い「ふ、ふたりとも!泣き止んで?ね?」
魔勇「うぅ……ひぐ、ひぐっ」 ヒグッ
戦士「泣く子は鬼に殺されるって話もあるしな~」 ケラケラ
勇者「な、ないてなんかないもん!」
魔王「そ、そうだもん!」
魔法使い「……どうやら泣き止んだようね」
僧侶「こちらの睡眠薬はどうですか?」
魔法使い「僧侶、その話は終わったよ」
魔法使い「と・り・あ・え・ず、私たちは魔王を倒さなくちゃいけない。魔王がどうであろうと、実際村は壊されてるわけだし」
魔王「……わたしを、イヂめるの?」 ウル
戦士「イジメはよくないんだ~」 ケラケラ
僧侶「……」 ニコッ
戦士「いや、あのっ、すいませんでした~!」 ガクブル
魔法使い「……私達も出来ればあなたのような娘を倒したくないの。まだこんなに小さいのに……」
僧侶「ちなみに魔法使いはレズビアンです」 ニコッ
魔法使い「れれれれれレズビアンちゃうわ!」
魔法使い「つまり、あなたが無条件降伏するなら私も手を出さないってことよ!」
魔王「むじょーけんこーふく?」
勇者「なにもしないよー、わたしのまけだよーってことだよ!」
魔法使い「……どうする?」
魔王「……わかった、むじょーけんこーふくする……」
魔法使い「そう、よかった……ロリータが救われて……」 ムネナデオロシ
魔王「……あ、さっきからまちがわれてるけど、わたしおとこだよ?」
魔法使い「……ん?なんて言った、貴様」
魔王「わたし、ロリータじゃないよぉ……おとこのこだもん」
勇者「それだとぼくとキャラがかぶるじゃないか!やめてよ、スレタイにはんするぞ!」
魔法使い「……ロリータじゃないのね?」
魔王「……」 コクリ
魔法使い「……勇者、やっちゃって」
勇者「逢瀬のままに」
勇者は自分の汗で取っ手が滑りやすくなった剣を両手でしっかりと握った
くそっ……こんなことならドンキさんでグリップテープを買うんだった
……しかし、剣が滑りやすくなっていても勇者は勝機があった
……もし、もし本当にやばくなれば股間を思いっきり蹴ればいい
それが勇者の最期の希望である
「うううおりゃあああああ!!!」
血だ……血が欲しい……魔王の、魔王の血ガァ!
たびの途中、僧侶の薬剤(?)のモルモットになった勇者には、もはや明るい未来など無い
ここは実力の世界……強くなければ殺される
勇者は幼いながらも、自分の身を守るために剣を魔王に振りかざした
魔王は勇者の激しい性格の変わり様に戸惑っていた
先程までの幼い勇者は消え、残ったのは悪魔……
しかし、自分とて魔王だ
いざとなれば股間を思いっきり蹴ればいい
魔王は勝利を確信し、勇者から振りかざされた剣を避けた
勇者にとっては、この一瞬が賭けであった
状況を上手く把握できてない魔王に一太刀浴びせる……
これが失敗すれば負けるだろう
しかし、魔王は簡単に勇者の剣を避けた
さすがは魔王……状況判断も大阪府民並だ
勇者は、自分の剣を避けられた事により確信した
奴を倒すには最終兵器を使うしかない
魔王は薄々感じていた
勇者を倒しても三人残っている
できればここで魔力は使いたくない
残っている三人は勇者よりも強そうだし
……ならば、あれを使うしかないか
魔勇(あいつの股間を思いっきり蹴る!)
幼い二人に何があったのだろう
彼らは人の急所を知り、そこを迷わず蹴ろうとする
パンチじゃダメなんですか?なんで蹴りなんですか!
誰もがそう思う中、彼らはお互いに向かって走り出した
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