東方不敗project (42)

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霊夢「…酷い霧。これはもう明らかな異変ね」

霊夢「霧の影響か、人里でも体調を崩している人間もいる」

霊夢「早いとこ解決したいけど…」




霊夢「…本当に貴方も行くんですか?先生」




東方不敗「無論よ。平穏な幻想郷に訪れし異常を前に、この東方不敗、黙って見ておるほど腑抜けておらぬわ!!」



霊夢「まあ、貴方が名のある拳法家だったというのは聞きましたが」

霊夢「異変はそういった次元じゃないレベルの話だから安静にしていた方が…」

東方不敗「まだ年端も行かぬ少女に心配される様な鍛え方はしておらぬ!!」

東方不敗「前提として、女子供のみに厄介事を押し付けるのを黙視出来るわけが無かろう!」

霊夢「お気持ちだけ受け取っておきますから。そもそも飛べないで…」

東方不敗「もうよい!わしは我慢弱いのだ!!」

東方不敗「怪しげな者を倒して行けば元凶も見つかるであろう!先に行くぞ!」

東方不敗「とああーーーー!!!」ピョーン



霊夢「………」

霊夢「飛べるの!?ちょっと待って!先生!!」シューン

~1面~


ルーミア「あーあ。最近めっきり人を見なくなっちゃったわ」

ルーミア「この霧のせいね。人間が外に出なくなったのは。いい迷惑だわ」

ルーミア「力は上がってる気はするけど、使う機会が無いから本末転倒じゃない」

ルーミア「…ん?」

東方不敗「だだだだだだ!!」バババババ

ルーミア「………」

ルーミア「上半身を全くブラさないで凄い勢いで走って行った…」

ルーミア「一瞬人間かと思ったけど、あれは妖怪ね。おっさんの妖怪に違いない絶対そうよ…」ブツブツ


センセー!ドコニイッタンデスカー!?


ルーミア「…おっ。紅白カラーの巫女!これはまともな人間っぽいわね。久々に襲ってやるわ!」

~2面~


東方不敗「ぬぅ!?湖か…」

東方不敗「霧が多少濃いが、関係あるまい!」



チルノ「ちょっと待ちなさい!」



東方不敗「何奴!!?」バッ

チルノ「こっちの台詞よ、おっさん!ここいらはあたいの縄張りよ。勝手に入らないで欲しいわ!」

東方不敗「ふん!縄張りなど、この東方不敗には無意味!」

東方不敗「このわしのいる場所こそ、わしの縄張りと化すのよ!!」

チルノ「…ん???」

東方不敗「幼子よ、もう用事は済んだか?わしは急がねばならぬのだ」

チルノ「あ、うん…。どうぞ?」

東方不敗「ではさらばだ!」

東方不敗「とりゃあーーー!!」ザババババ

チルノ「…水の上を走れるのね、最近のおっさんは」

チルノ「それよりも、ここの縄張りは…おっさんのなの?あたいのなの?」


センセー!コノサキハミズウミガアリマスヨ!


チルノ「…ああもう面倒くさいわ!おいそこの赤白!あたいとおっさんの縄張りに入って来るんじゃない!」

~3面~


東方不敗「む!この禍々しい赤き館。この館に元凶が潜んでいると見て間違いあるまい!」

東方不敗「…そうであろう?拳法家よ」



美鈴「…ただの門番ですよ」



東方不敗「ふん。ならば門番よ。わしはこの先に行きたいのだ。通せ」

美鈴「お嬢様の許可を無くして紅魔館には入れません。お引き取りを」

東方不敗「フッ。互いの意見が違うならば、やることは一つよ!」

美鈴「成程。ならばお相手仕りましょう」

東方不敗「弾幕ファイトォォーーーー!!」

美鈴「…え、え?何!?」

東方不敗「レディィィィィィ…ゴーーー!!!」シュバッ

美鈴「え」

東方不敗「たりゃあ!!!」ドゴッ!

美鈴「ぐえぇっ!!?」

美鈴「…きゅう」バタリ

東方不敗「この愚か者が!武闘家とは常に気を張り巡らせておくもの!」

東方不敗「隙だらけの格好を晒しておきながら門番を名乗るとは、片腹痛いわ!!」

東方不敗「そこで反省しているがよい!!うわーっはっはっはっは!!!」ガチャリ

美鈴「…い、イテテ…な、なんだったのあのおじさん…」

美鈴「めっちゃくちゃ強いし…あぁ、しかも侵入させちゃったから怒られる…」


センセー!ソッチニイッタラヤバイデスッテ!


美鈴「む!さっきのおじさんのお仲間かしら?」

美鈴「ここで止めてポイント稼ぎしないとお給料が減らされる…意地でも止めて見せる!」

美鈴「紅白カラーの巫女!背水の陣だ!」

~4面~

バァン!

東方不敗「ここか、騒動の元凶はぁ!!」



パチュリー「騒動を言うなら貴方が一番の騒動よ。図書館ではお静かに」



東方不敗「ぬぅ!?貴様は誰ぞ!?」

パチュリー「読書家よ。それよりも、人の蔵書に勝手に入って来ないで欲しいわね」

東方不敗「ほう。それは済まぬが、一つ問おう。読書家よ、貴様が幻想郷に霧をもたらしたのか、どうなのだ?」

パチュリー「その答えはNOよ。私はただ本を読むだけ」

東方不敗「ならば!誰がこの異変をもたらしたのか知っておるか!?」

パチュリー「(一々怒鳴らないで欲しい…)まあね。私の友人よ」

東方不敗「何を!?貴様、友人の間違った行動を知りつつ、それを黙って見ておったのかぁ!!」

パチュリー「…アレの我儘は私がどう言っても聞かないわ」

パチュリー「止めるなら止めていいわ。私は関係ない」

東方不敗「ぬぅぅ…その他人に無関心な態度、いつか身を滅ぼすことに繋がるぞ」

パチュリー「はいはい。ご忠告どうもね」

東方不敗「ふん!それで、その友人はどこにおるのだ?」

パチュリー「上の階よ。遠回りになっちゃったわね。さっさと戻っ…」

東方不敗「たりゃあぁぁーーーー!!!」ピョーン バコン!

パチュリー「…天井壊して行くな!」

パチュリー「なんなのあのおっさんは!読書の邪魔するだけ邪魔して、壊して…!」

パチュリー「咲夜辺りにとっちめられたらいいわ!」


センセー!マタナニカコワシタンデスカ!?


パチュリー「…また呼んでもいない客が…」イライライラ

パチュリー「もうなんでもいいわ!憂さ晴らしさせてもらう!」

パチュリー「そこの!少し私と遊んで貰うわ!」

~5面~

東方不敗「…何やら、怪しげな雰囲気があるな」

東方不敗「誰かに狙われておるよう」

シュパパパパ

東方不敗「な…!!?」シュバッ

ドドドドド!

東方不敗「ぬぅぅ!目の前に急に刃物が現れおっただと!?誰ぞ!?何のまやかしぞ!?」



咲夜「あらら。避けられちゃいましたか」



東方不敗「む!?貴様か小娘、この東方不敗・マスターアジアに舐めた事をした愚か者は!!」

咲夜「はい。私ですわ。紅魔館に無断で侵入した愚か者を退治するために舐めたことを致しましたのは」

東方不敗「貴様ぁ!!舐めよってからに!!」

咲夜「お嬢様はお忙しい様子。ここでお帰り願いますわ。さもなくば…」

東方不敗「さもなくば…わしをどうすると言うのだ?」

咲夜「少々、痛い目に会って頂きますわ!」

東方不敗「やって見せい、この虚けがぁ!!」


ドーン


咲夜「とまあ、茶番はここまでにして、すぐに終わりにしましょう」

咲夜「先ほどは避けられましたが、止められた時の中で前後左右から同時に襲い来るナイフは流石に避けられないでしょう?」

咲夜「…時は動き出す」カチッ

東方不敗「!!!」

東方不敗「だりゃりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」バシバシバシバシバシ

咲夜「え」

東方不敗「そこかぁ!!」バキィッ

咲夜「ぐっはぁ!!?」

東方不敗「やはり子供よの…一度成功した作戦に拘り続ける」

東方不敗「この東方不敗に同じ手が二度通ずるとでも思ったか、この馬鹿者がぁ!!」

東方不敗「恐らくは時でも止めたのであろうが、その様な子供騙し!!あの馬鹿弟子でも見抜けるわ!!」

東方不敗「悔しければ精進せい!!はーっはっはっはっは!!!」


咲夜「…時でも止めたって、何で分かるのよ」

咲夜「理不尽よ畜生」


センセー!チラバッテルナイフハナンナンデスカ!?


咲夜「うぐ、また変な奴が侵入してきた…」

咲夜「あ、でもまだ理不尽が無さそうな女の子。あれなら勝てそうね」

咲夜「そこの女の子。種無し手品でも見て行きませんか?」

~6面~

東方不敗「ここかぁーーっ!!!」バァン!



レミリア「あらあら。仰々しいわね。ドアはノックしてから静かに開けるものよ?」



東方不敗「貴様か!この異変の元凶は!」

レミリア「その通り。この吸血鬼、レミリア・スカーレットが起こした物よ」

東方不敗「何故か様なことを仕出かしたか、言い訳をしてみせい!!」

レミリア「言い訳も何も、吸血鬼は太陽が嫌いなのよ。だから霧で覆った」

レミリア「それだけの事よ。他に説明が必要かしら?」

東方不敗「…生命の源たる太陽を遮ると言う、自然に対する冒涜」

東方不敗「この東方不敗が、それを許すと思うたか!!!」

レミリア「許しを請うわけではないわ。気に入らないなら、私を倒せばいい」

レミリア「出来るわけがないでしょうけどね」フフフ

東方不敗「うわはははは!!この東方不敗に不可能など有り得ぬ!!」

東方不敗「増してや貴様の様な小娘一人倒せぬなどと言う、その減らず口を叩き折ってくれるわ!!!」

レミリア「ククク…いいだろう。吸血鬼の力、目に焼き付けて恐怖しろ!」

東方不敗「東方不敗・マスターアジアの力、存分に味あわせてくれるわ!」

ゴゴゴゴゴゴ・・・

レミリア「こんなに月が紅いから」

東方不敗「弾幕ファイトォォーーーー!!」

レミリア「暑い…え?」

東方不敗「レディィィィィィ…ゴーーー!!!」シュバッ

レミリア「え」

東方不敗「たりゃあ!!!」ドゴッ!

レミリア「ぐえぇっ!!?」

レミリア「くっ…いきなり一撃入れるとは、やるわね人間!!」バッ

東方不敗「逃さあぁぁぁん!!!」バシバシバシバシ

レミリア「ぐはぁ!?」

東方不敗「とおぅりゃあ!!」バキィッ!

レミリア「ぎゃん!こ、この!本気にさせたな!」

レミリア「神槍『スピア・ザ・グングニル』!!」ブンッ

東方不敗「ぬぅ?!槍か!!ならば!!」シュルシュル

レミリア「ははははは!そんな布切れを巻きつけて槍状になっただけの代物に何が出来る!!」

東方不敗「ちゃりゃあああ!!」

ガキィン!

東方不敗「ぐ、おお!!」

レミリア「…チッ。相討ちか…!」

レミリア「………」

レミリア「え!?相討ち!!?布と!!?」

レミリア「し、しかし!隙あり!」バッ

東方不敗「フン!甘いわ!」

シュルルルル

レミリア「な、むぐ!?(切れた筈の布が顔に巻き付いて…)」

レミリア「むぐぐー!ふぉんなむぉの!!」バリバリ

レミリア「ぷはぁ!…!!?」

東方不敗「ほぉれいっ!」バキャ!

レミリア「ぶべらっ!?」

東方不敗「止めよ!ダークネス…!!」ガシィ

レミリア「ひっ…!」

東方不敗「フィンガーーーーッ!!!!」ゴォォォ!

レミリア「ぎゃーーーーーー!!」

レミリア「ぐぐぅ…」

東方不敗「さあ、赤き霧を解いて貰おうぞ」

レミリア「わ、分かったわよ…なんつーおっさんだ…」

東方不敗「む、妖気とやらが収まるのを感じておる。どうやら異変は終わったようだな」

レミリア「はぁ…所でおじ様、本名は何て言うのかしら?」

東方不敗「我が名は東方不敗・マスターアジアよ!心に刻んでおくがよい!!」

レミリア「…それは、本名かしら?」

東方不敗「…名は体を表すというもの。なれば、この名こそわしに相応しい」

東方不敗「親に付けられた名を捨てはせぬが、名乗るならば此方よ」

東方不敗「そう、このわしは東方不敗!!そしてゆくゆくは!!」



東方不敗「東西南北中央不敗・スーパーアジアとなってくれるわぁ!!うわーっははははは!!!」



                         ~完~

フランドール「…あのおっさん超怖い」

霊夢「何もしなかった…」

魔理沙「出番すらなかった…」

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