桐生一馬「やれピカチュウ、究極の極みだ!」ピカチュウ「ビガァァ!!」 (551)

注意
・龍が如く×ポケモン(初代)のクロス
・時系列は龍が如く5の後
・アニメ版とゲーム版の要素を取り入れます
・独自の設定あり
・カオスな展開あり


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1451212087

【相沢戦後、街中で】

桐生「ぜぇぜぇ…帰るんだ。みんなの元へ」フラフラ

桐生「……」

遥「おじさん!」グスッ

桐生「はる…か…?」

桐生「これは…夢…なのか…」

遥「違うよ。私はここにいるよ」ボロボロ

桐生「……」

桐生(眩しい…光に包まれていく…)

遥「ん?」クルッ

遥(何かうしろから凄い光が…)

『君達を導いてあげる』

桐生「……声?」

『さあ、行ってくるといい』

――
――――
――――――――

――――――――
――――
――

桐生「……ん」パチッ

桐生「ここは…」

桐生(傷が癒えている。包帯も新しい物に変えられている)サスサス

「おおー目覚めたようだね」

桐生「アンタは?」

オーキド「私の名はオーキド・ユキナリ。ここでポケモンの研究などをしておるポケモン博士だ」

桐生「そうかオーキドの爺さん。おれは桐生一馬だ」

桐生(あ、しまった…今は鈴木太一で通してたんだっけな。迂闊だ)

桐生「所でポケモンとは何だ」

オーキド「なんだねキリュウ。この世界ならポケモンくらい一般常識だろう」

桐生「??」

オーキド「それより傷の方はどうかね」

桐生「ああ、もうだいぶ癒えた」

オーキド「そうかそうか!酷い傷じゃったが癒えて良かった」

桐生「ありがとう爺さん。感謝するぜ」

桐生「……所で、16歳位の女の子もココにいるか?」

オーキド「女の子?いや、いないな」

桐生「……」

オーキド「それよりもキミ、ポケモンは持っていないのかね」

桐生「こうしちゃ居られねぇ、早く探さねぇと」

桐生「世話になった。俺は神室町に向かう」

オーキド「ちょ…待ちたまえ!」

【ポケモン研究所前】

ガヤガヤ

桐生「なんだこの人だかりは」

シゲル応援団「イイゾ、イイゾ!シ・ゲ・ル!」

シゲル「みんな有難う!それじゃ行って来ます!」

桐生「……」

シゲル応援団「ひっ…うしろからマッチョな半裸の男が…!?」

シゲル「おや?アナタはお爺さまが連れて来た龍の客人じゃないか。酷い傷だったのにもう目覚めたのかい?」

桐生「お前は何者だ」

シゲル「僕はシゲル。オーキド博士の孫で、今日からポケモンマスターを目指すポケモントレーナーさ!」

桐生「なあ、ポケモンって何なんだ?」

シゲル「へ?ははは!それは一体なんのジョークだい?」

シゲル「あ、寝すぎて寝ぼけてるのかな?」

桐生「いや、俺はまじめに…」

シゲル「それじゃ僕はそろそろ旅立つので!この辺で!」

ガヤガヤ

シゲル応援団「ファイトファイト!シ・ゲ・ル!」

桐生「ふん、キザなガキだったな。それより旅って…」

オーキド「む、どうやらシゲルは行ったようだな」

桐生「爺さん」

オーキド「キミ、手持ちのポケモンが居ないようだが大丈夫かね?」

桐生「なあ爺さん、まじめに質問する。何なんだそのポケモンってのは」

オーキド「まだそんな事を言ってるのかねキミは。まあいい、ポケモンとは…」

~~~~

オーキド「……っという訳だ」

桐生「つまり不思議な生き物をペットとして飼ったり、一緒に仕事したり、バトルさせたりしてるんだな」

オーキド「うむ。そしてここはマサラタウン。ポケモントレーナーの旅立ちは常にココからが出発点とされる。私はそのポケモンを研究し、さらにポケモントレーナーのサポートをしているのじゃ」

桐生「そうか」

桐生「……」

桐生(マサラタウンだと?そんな場所あったか?)

桐生「爺さん。ここは東京の何区に入るんだ。神室町までどれ位かかる」

オーキド「トーキョー?カムロチョウ?何を言ってるんだキミは」

オーキド「そんな地名、聞いた事無いぞ」

桐生「……」

桐生「なんだと!?」

オーキド「それよりもキミ、背中になかなかカッコいいペイントが塗られているようじゃな」

桐生「これはペイントじゃなくて刺青なんだが……その、俺は元筋モンでな」

オーキド「スジモン?なんだそれは、新種のポケモンかな?ってキミはそういえばポケモン自体を知らないんだったな」

桐生「……」

オーキド「それにしても見事な龍の絵。こんなカッコいいポケモンがいつか見つけられると良い物じゃな」

桐生(信じられないが…もしかしたら俺はあの時、あの光に包まれた時)

桐生(異世界に来てしまったようだ)

桐生(……いや、連れて来られたと言うべきか。何者かの手によって)

桐生(あの光に包まれたのは俺だけじゃない。遥もいた)

桐生「……」テクテク

オーキド「ちょ、待ちたまえ!」ガシッ

桐生「俺は知り合いを探しに行く。邪魔しないでくれ」

オーキド「一人で旅立つのは危険だ!ポケモンを授けるから着いて来なさい」

桐生「……」

桐生(この世界に馴染む為にも、一応いう事を聞くか)

【施設内】

オーキド「元々は手元に3匹のポケモンがおったんじゃが…すでに他のトレーナーに取られてしまっている」

オーキド「すまぬが問題児で我慢してくれ」

桐生「問題児?」

オーキド「こいピカチュウ!」

ポンッ

ピカチュウ「ピッカチュウ」

桐生「ほう、可愛らしいじゃないか」ススッ

オーキド「っ!!いかん、迂闊に触れてはならん!」

バリバリバリ!

桐生「ぐぁぁ!?」

オーキド「このピカチュウは他のポケモンと比べて、なかなか人に馴染まない頑固者じゃ」

桐生「げほげほ…なるほど。よくしつけしておかないとな」

オーキド「それでキミも旅に出るのかね?」

桐生「ああ、御生憎ポケモンマスターとやらを目指してる訳じゃないが…」

桐生「この世界で生き抜くためにポケモンが必要ならば、俺もトレーナーとして旅をする」

オーキド「そうか、ならばポケモン図鑑とモンスターボール、キズグスリ、お小遣いなどと言った冒険に必要な物を渡そう」

桐生「ありがとう。アンタには世話になりっぱなしだ」

キリュウはオーキドからぼうけんにひつようなものをもらった!

オーキド「それからいつまでも半裸じゃ寒いだろ。そこのハンガーラックから適当に選んでくれ」

桐生「それなら…」

キリュウはグレーのジャケットと、レッドカラーのシャツをもらった!

桐生「……やっぱりこの格好が落ち着くぜ」

桐生「それじゃ俺はこの辺で」

オーキド「たまには遊びに来たまえ」

桐生「ああ。世話になった手前、仁義は果たす。ポケモンも捕まえるし、ピカチュウも立派に育てる」

ppppp

オーキド「む、電話か」

オーキド「はい、オーキドだ…おお!グレンジムのリーダー・カツラじゃないか」

オーキド「なに?そっちの島で旅に出たがっている者がいるだって?」

オーキド「そうか、そっちで船をだしてマサラタウンまで送ってくれるのか」

オーキド「待っておるぞ。そうなると渡して置くべきポケモンを用意せねばな。旅立つトレーナーの為にも」

オーキド「え?もう既にポケモンを渡してあるって?そうか」

オーキド「では旅に必要なものだけを私から渡すとしよう」

オーキド「それで?コチラに来るそのトレーナーの名前は」

オーキド「ふむ○○○だな。待ってるぞ」

【道中】

ピカチュウ「ピーカー」ズルズル

桐生「どうしてポケモンに紐をつけて、連れていかなければならないんだ。これじゃまるで犬じゃねぇか」

桐生「おいピカチュウ、いい加減自分の意思で歩け。それかモンスターボールに戻れ」

ピカチュウ「ピカッ」プイッ

桐生「チッ、先が思いやられるぜ」

ポッポ「ポッ」

桐生「む、あれは…ポケモン図鑑で確認を」

『ポッポ。空のポケモン。空を飛ぶポケモンの中では一番優しく、捕まえやすい』

桐生「そうか。いけピカチュウ、でんきショックだ」

ピカチュウ「チュー」プイッ

桐生「おい、無視するな!」

ピカチュウ「……」ツーン

桐生「もういい。モンスターボールを直接投げるしかない」ポイッ

ポンッ!

ポッポ「ポォォ!?」

桐生「やったか!?」

ポンッ

ポッポ「ポォォ」バサバサ

桐生「ちっ、やっぱり弱らせてからじゃないと厳しいようだな」

ピカチュウ「ピピピピ、ピッカァ!」ケラケラ

桐生「笑うな!」

桐生「もういい、一先ず捕まえるのは止めだ。先を急ごう」

桐生「腹も減ったし弁当でも食うか」ゴソッ

オニスズメ「キェェ」バシッ

桐生「なっ…しまった、弁当を落としてしまった」

オニスズメ「キェッ…パクパク」

桐生「参ったぜ…ん?カバンにオニギリも入ってる。助かった」

オニスズメ2「キェェ!」パクッ

桐生「っ!」

オニスズメ1・2「キェェ…パクパク…」

桐生「……」

桐生(しょうがない、飯抜きで行くか)

ピカチュウ「ピカッ!?」

桐生「ん?」

オニスズメ1・2「キェェ!!」バシバシッ

ピカチュウ「ピッピカ~!」

にひきのオニスズメはピカチュウに、つつくでこうげきする

桐生「テメエら…」

『オニスズメは、人間やポケモンを襲う習性がある。特に人に飼われているポケモンには敵意を抱きやすい』

桐生「覚悟しろ」

オニスズメ「キェェェ!」

[ことりポケモン・オニスズメ]

キリュウはイシコロをひろった

桐生「いい加減にしやがれ!」ブンッ

きりゅうはすごいはやさでイシコロをなげつけた!

オニスズメ1・2「キェェェ!?」

きゅうしょにあたった!

桐生「よし」

オニスズメ1・2「キェ…キェェェ!!!」

バサバサバサッ

桐生「ん?」

オニスズメ軍団「キェェェェ!!!」

桐生「チッ、仲間を大量に呼びやがった」

ピカチュウ「ピ、ピカ…」ガクガク

桐生「いいぜ、そのカチコミ。受けて立つ」

ピカチュウ「!?」

桐生「ピカチュウ。あの数じゃ分が悪い。お前は俺の後ろに隠れてろ」

キリュウはイシコロをひろった
すごいはやさでイシコロをなげつけた!

桐生「オラオラ!!」ブンッ

オニスズメ軍団「キェェェ!?」

きゅうしょにあたった!

桐生「オラオラオラオラ!」

ヒートゲージがまんたんになる!
キリュウは、あおじろいオーラをはなつ!

桐生「せいやっ!!」

キリュウはてんけいわざの、キョウガクのキワミをしかける!

ピカチュウ「」

【数分後】

桐生「よし、半分以上は片付いたな…」

オニスズメ軍団「キェェェ!!!」

桐生「くっ…腹を突くな!」

桐生「なかなか厄介だぜ。さすが野生ポケモン。あんな群れで来られると対処がキツイ」

桐生「古傷も開いちまった…血が…」ボタボタ

ピカチュウ「ピカ!」バリバリ

桐生「ピカチュウ!?」

ピカチュウ「ピーカーチューウー!」

バリバリバリ!

ピカチュウはオニスズメぐんだんにでんきショック!
きゅうしょにあたった!

オニスズメ軍団「ギエェ!!?」ガクッ

キリュウとピカチュウは、オニスズメぐんだんをたおした!

桐生「助かったぜピカチュウ」

ピカチュウ「ピ…ピカ…」フラフラ

桐生「大丈夫か?ダメージを受けすぎたか…」

桐生「しょうがねぇな、次の街まで俺が運んでやる」

ピカチュウ「ピカ…」ズシッ

桐生「ぐっ…自分の止血もしないとな」ボタボタ

【翌日・トキワシティのポケモンセンター】

桐生「……ピカチュウを頼む」

ナース「ええ。アナタもこっちに来て」

桐生「いや俺は人間だ、いく必要が無い」

ナース「酷い傷じゃない。ここはポケモン専用の病院だけど人間の治療だって少しは出来る。一緒に来なさい」

桐生「……」

~~~~~

桐生「すまないな」

ナース「いいえ、これくらい」

ナース「……それにしても、アナタ凄い体つきね」

桐生「体力には自信がある方でな」

ナース「そう、ふふふ」

ナース(でも持ってるポケモンがピカチュウって…不釣合いすぎるわ)

ビー!ビー!

桐生「なんだ?」

ナース「警報が鳴ってる!?」

『警告。この町に怪しい者達の侵入があったとの報告あり。ポケモン誘拐団が来た恐れがあります』

桐生「ポケモン誘拐団だと?」

ナース「ええ、手持ちポケモンの強奪し、誘拐を狙うならず者がいるのよ」

桐生「筋の通らねぇ話だ」

ナース「ええ、そしてその正体はロケット団の可能性があるって噂なの」

桐生「ロケット団?」

バリーン!!

ナース「キャッ!!」

桐生「っ!?天井のガラス窓を突き破って…モンスターボールが落ちてきた」

ポンッ

アーボ「シャーボッ!」

ドガース「ドガース」

桐生「気味の悪いポケモンが出てきやがった…何なんだ一体」

「何だかんだと聞かれたら」

「答えてあげるが世の情け」

「世界の破壊を防ぐため」

「世界の平和を守るため」

「愛と真実の悪を貫く」

「ラブリー・チャーミーな敵役」

ムサシ「ムサシ!」

コジロウ「コジロウ!」

ムサシ「銀河をかけるロケット団のふたりには」

コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」


ニャース「にゃーんてな」

ナース「ロ、ロケット団…」ガクガク

桐生「……そうか、要するにテメエらはこの世界の筋モンか」

コジロウ「俺達はスジモンなどという聞いた事も無いポケモンの名前ではない」

ムサシ「さっきの話聞いてた?あたしたちはロケット団!」

桐生「テメェら。極道ならカタギに迷惑かけてんじゃねぇ」

コジロウ「さっきから何を言っているんだあのマッチョは」

ムサシ「ゴクドウとか言う聞いた事の無いポケモンじゃない。あたしたちはロケット団」

ニャース「ニャニャ!」

ムサシ「さあ、この施設内にいるポケモンたちを根こそぎ奪うわよ!」

コジロウ「覚悟するんだな!」

桐生「ふん…ドコの世界に行ってもゴロツキはいるもんだな」

桐生「この施設にいるポケモンたちも、俺のピカチュウもお前達には渡さん」

ムサシ・コジロウ「行けドガース!アーボ!」

桐生「覚悟しろテメェら…」ダダッ

[ロケット団・ヘビポケモンのアーボ&どくガスポケモンのドガース]

ナース「え、ちょっと!?危ないわキリュウさん!」

ムサシ「あの男バカだわ、自分から突っ込んできてるわよ?」

アーボ「シャーッ!」

ドガース「ドガース」

モクモクモク…

桐生「ゲホゲホ…ドガースとか言う奴から噴き出てくるガス攻撃がクセェ…邪魔だテメェら!」

ボンッ!

キリュウはドガースをけりとばした!
けりとばされたドガースはアーボにめいちゅうした!

アーボ&ドガース「ゴォッ!?」

ムサシ・コジロウ「!!?」

桐生「おい、そこのバラ持ってるキザ野朗」ガシッ

コジロウ「ふごぉ!?」

[ロケット団構成員・コジロウ]

ミシミシ…ミシミシ…

桐生「……」

キリュウはコジロウのがんめんをつかんで、かたてでもちあげた!

コジロウ「ぐ、ぐるじい…顔が壊れる…!!」

ニャース「にゃにゃ!?コジロウ!!」

ムサシ「ちょ、半裸のおっさん!?アンタなにやってんのよ!ポケモントレーナーならポケモンで勝負しなさいよ!人間に暴力なんて反則よ!」

ニャース「トレーナーに手を出すなんて卑怯極まり無いニャ!キチガイだニャ!」

桐生「テメェらこそ何考えてんだ?カタギに迷惑かけてんじゃねぇよ…」ギリギリ

キリュウのヒートゲージがまんたんになった

ムサシ「」

ニャース「ニャンだあの男…体から青白いオーラが出てるニャ…」ガクガク

桐生「俺のピカチュウは治療中なんだよ…万全に戦える状態じゃねぇ」

桐生「だから俺が自ら挑んでやる。俺のポケモンには指一本触れさせない」

桐生「これ以上痛い目に合いたくなければ、責任もって今すぐポケモンに武装解除を指示し俺達に詫びを入れろ」

コジロウ「ググ…痛い…離して…」ガクガク

ニャース「コジロウを離すにゃ!」

桐生「喋るポケモンか…珍しい。トレーナーが心配か?見上げた忠誠心だ」

桐生「だが本当にトレーナーを想うなら今すぐ降伏するんだな」

ニュース「お断りニャ!」ダダッ

桐生「いいだろう。まずはテメェから潰す。覚悟しろ!」

[ロケット団・ばけねこポケモンのニャース]

ムサシ「ニャース!まず手始めにひっかくで行きなさい!」

ニャース「ニャニャ!ひっかくだニャー!」

桐生「おら、テメェらのパートナーを返すぜ」ポイッ

コジロウ「うわぁぁ!?」

ドガッ

ニュース「フンギャ!」

桐生「どうしたニャース。人間をぶつけられた程度でくたばりはしないだろうな?」

ニャース「ぐっ…まだまだニャー!」

今日はここまで
本当は来年に投下する予定のSSだったけど、想像以上に執筆が進んだので投下しました

久々に違うジャンルのSSを書くので、描写などに不慣れな点もありますが暇な時に読んでってください。
では

投下します
最初の3レスほどは訂正文を投下します

>>13

桐生「助かったぜピカチュウ」

ピカチュウ「ピ…ピカ…」フラフラ

桐生「大丈夫か?ダメージを受けすぎたか…」

桐生「しょうがねぇな、次の街まで俺が運んでやる」

ピカチュウ「ピカ…」ズシッ

桐生「ぐっ…自分の止血もしないとな」ボタボタ

【翌日・トキワシティのポケモンセンター】

桐生「……ピカチュウを頼む」

ジョーイ「ええ。アナタもこっちに来て」

桐生「いや俺は人間だ、いく必要が無い」

ジョーイ「酷い傷じゃない。ここはポケモン専用の病院だけど人間の治療だって少しは出来る。一緒に来なさい」

桐生「……」

~~~~~

桐生「すまないな」

ジョーイ「いいえ、これくらい」

ジョーイ「……それにしても、アナタ凄い体つきね」

桐生「体力には自信がある方でな」

ジョーイ「そう、ふふふ」

ジョーイ(でも持ってるポケモンがピカチュウって…不釣合いすぎるわ)

>>14

ビー!ビー!

桐生「なんだ?」

ジョーイ「警報が鳴ってる!?」

『警告。この町に怪しい者達の侵入があったとの報告あり。ポケモン誘拐団が来た恐れがあります』

桐生「ポケモン誘拐団だと?」

ジョーイ「ええ、手持ちポケモンの強奪し、誘拐を狙うならず者がいるのよ」

桐生「筋の通らねぇ話だ」

ジョーイ「ええ、そしてその正体はロケット団の可能性があるって噂なの」

桐生「ロケット団?」

バリーン!!

ジョーイ「キャッ!!」

桐生「っ!?天井のガラス窓を突き破って…モンスターボールが落ちてきた」

ポンッ

アーボ「シャーボッ!」

ドガース「ドガース」

桐生「気味の悪いポケモンが出てきやがった…何なんだ一体」

「何だかんだと聞かれたら」

「答えてあげるが世の情け」

「世界の破壊を防ぐため」

「世界の平和を守るため」

「愛と真実の悪を貫く」

「ラブリー・チャーミーな敵役」

ムサシ「ムサシ!」

コジロウ「コジロウ!」

ムサシ「銀河をかけるロケット団のふたりには」

コジロウ「ホワイトホール、白い明日が待ってるぜ!」

ニャース「ニャーンてな」

ジョーイ「ロ、ロケット団…」ガクガク

桐生「……そうか、要するにテメエらはこの世界の筋モンか」

コジロウ「俺達はスジモンなどという聞いた事も無いポケモンの名前ではない」

ムサシ「さっきの話聞いてた?あたしたちはロケット団!」

>>15

桐生「テメェら。極道ならカタギに迷惑かけてんじゃねぇ」

コジロウ「さっきから何を言っているんだあのマッチョは」

ムサシ「ゴクドウとか言う聞いた事の無いポケモンじゃない。あたしたちはロケット団」

ニャース「ニャニャ!」

ムサシ「さあ、この施設内にいるポケモンたちを根こそぎ奪うわよ!」

コジロウ「覚悟するんだな!」

桐生「ふん…ドコの世界に行ってもゴロツキはいるもんだな」

桐生「この施設にいるポケモンたちも、俺のピカチュウもお前達には渡さん」

ムサシ・コジロウ「行けドガース!アーボ!」

桐生「覚悟しろテメェら…」ダダッ

[ロケット団・ヘビポケモンのアーボ&どくガスポケモンのドガース]

ジョーイ「え、ちょっと!?危ないわキリュウさん!」

ムサシ「あの男バカだわ、自分から突っ込んできてるわよ?」

アーボ「シャーッ!」

ドガース「ドガース」

モクモクモク…

桐生「ゲホゲホ…ドガースとか言う奴から噴き出てくるガス攻撃がクセェ…邪魔だテメェら!」

ボンッ!

キリュウはドガースをけりとばした!
けりとばされたドガースはアーボにめいちゅうした!

アーボ&ドガース「ゴォッ!?」

ムサシ・コジロウ「!!?」

桐生「おい、そこのバラ持ってるキザ野朗」ガシッ

コジロウ「ふごぉ!?」

[ロケット団構成員・コジロウ]

ミシミシ…ミシミシ…

桐生「……」

キリュウはコジロウのがんめんをつかんで、かたてでもちあげた!

コジロウ「ぐ、ぐるじい…顔が壊れる…!!」

ニャース「ニャニャ!?コジロウ!!」

では本編投下します

ニャース「覚悟するニャー!」

ニャースはキリュウにひっかくをくりだす!

桐生「っ!?早い…一気に俺の懐まで飛び込んで来やがった」

ザシュッ

桐生「ぐっ!!」

キリュウは古傷がひらき、しゅっけつをおこした!

桐生「さすがポケモンだ。身のこなしが軽いぜ」ボタボタ

ニャース「ニャニャニャ!お腹の傷が痛そうだなニャー!」

桐生「チッ、笑いやがって…」

ニャース「さあもう一回行くニャー!」ダダッ

桐生「そう何回も同じ手には引っかからないぜ」

キリュウはうしろにスウェイしてよけた!
そのままニャースのあたまをつかむ

桐生「ふん!」ガシッ

ニャース「ンニャ!?」

桐生「オラァァァ!!」

キリュウはニャースのあたまをつかんだまま、いきおいよく、じめんにたたきつけた!

ドゴォォォン!!メキメキメキ…!

ニャース「ンニャアアァァァ!!」

ジョーイ「っ!?地面に大きなひび割れが…!?」

桐生「……ふん」

ニャース「」グッタリ

こうかはばつぐんだ!ニャースはきぜつした!

ムサシ・コジロウ「」

コジロウ「ポ、ポケモンを一撃で倒す人間なんて初めて見たぞ…」ガクガク

ムサシ「ば、バケモノだわ」

桐生「ぐっ!痛ェ…」ボタボタ

コジロウ「だがニャースの一撃も結構大きかったようだ!」

ムサシ「ドガース!アーボ!トドメをさしておしまい!」

ドガース「ドガ~ス」

アーボ「シャーボッ!」

アーボはキリュウにまきつくをしかける!

桐生「ぐっ!」

キリュウはみうごきがとれない

ドガース「ドガ~ス」

モクモクモク…

桐生「くっ…図に乗るなよ…」

桐生「この程度の力じゃ俺を抑えつけるのは不可能だ」

桐生「ふん!」

アーボ「シャッ!?」

キリュウはアーボのまきつくをふりほどいた!

桐生「ぜぇぜぇ…」

コジロウ「あのバケモノめ、アーボのまきつくを強引に回避するとは…だが、だいぶ体力を消耗してる。ドガース、体当たりでトドメをさせ!」

ムサシ「アーボ!噛み付くよ!」

ドガース「ドガ~ス」

アーボ「シャーボッ!」

桐生「しつこい奴らだぜ…」

ガチャッ

ピカチュウ「ピ、ピカ…」フラフラ

桐生「ピカチュウ!?」

ジョーイ「ピカチュウ!まだ安静にしてないと…」

ピカチュウ「ピ!ピカッピ!」

桐生「……」

ピカチュウ「ピッピカチュウー!」

桐生「そうか。闘える位には回復したから、お前も闘いたいのか」

ピカチュウ「ピカ!」

桐生「よし、行くぞ!」

アーボ「シャーッ」ガブッ

アーボはキリュウのうでにかみついた!

アーボ「ガブガブ…」

桐生「ふん、この程度の噛み付き…真島の兄さんのドスに比べれば大した事ないな」ガシッ

キリュウはアーボのしっぽをつかむ!アーボをひきはがし、そのままじめんにたたきつける

アーボ「シャッ!?」

ビタン!ビタン!ビタン!ビタン!

じめんに何度もたたきつける!

桐生「オラオラオラ!!」

ビタン!ビタン!ビタン!ビタン!

さらにたたきつける!

桐生「寝てろ!」ブンッ

ドゴォォ!!

キリュウはアーボをかべになげつける!そのままかべにめがけてパンチをくりだす!
こうかはばつぐんだ!

アーボ「」ガクッ

アーボはきぜつした!

ムサシ「」

ピカチュウ「……」

ピカチュウ「ピカッ!」ピコン!

ドガース「ドガース!」

ドガースはたいあたりをしかてくる!

ピカチュウ「ピカッ!」ササッ

ピカチュウはスウェイしてよけた!

コジロウ「チッ!ピカチュウは動きが素早いからやっかいだ!」

ピカチュウ「ピ…ピカ…」バチバチバチ

ピカチュウは全身に帯電をおこす!

桐生「よしピカチュウ、でんきショックだ!」

ピカチュウ「ピカ」ブンブン

桐生「なに?でんきショックはやらないだと?」

ピカチュウ「ピッピカ!」

桐生「ほう…試したい技があるのか。いいだろう、見届けてやる」

ピカチュウ「……」バチバチ

コジロウ「ドガース!ガス攻撃の後に、体当たりだ!」

ドガース「ドガース」

モクモクモク…

ドガース「ドガース!」

ドガースはガスをまきちらし、たいあたりをしかける!

ピカチュウ「……っ!」バチバチ

ピカチュウは、たいあたりをしかけてくるドガースへつっこむ!

コジロウ「バカめ!自ら飛び込んできたな!」

ピカチュウ「ビ~ガ~ジュゥゥゥ!!」バチバチ

ズバァァァン!!!

桐生「!?」

ムサシ・コジロウ「な、なんだ今の!?」

ドガース「」ドサッ

こうかはばつぐんだ!

ドガースはたおれた!

桐生「体全身に帯電を起こしながら、電撃を込めたパンチを繰り出した…」

ジョーイ「今のは『かみなりパンチ』ね」

桐生「かみなりパンチ?」

ジョーイ「あなたの闘いを見て、真似したみたい」

桐生「俺は帯電しながらパンチなんて打てないんだがな…」

ムサシ「ええい!お、覚えてなさい!」

コジロウ「逃げるぞ!アーボ、ドガース!」

ニャース「こ、こんにょ~キリュウ!次は倍に返してやるニャ~!」

桐生「ふん」

~~~~

ジョーイ「ありがとうございます。傷だらけだというのに…」

桐生「闘う事には慣れてる。気にするな」

ピカチュウ「ピッピカ!」

桐生「お前もまだ治療が終わってないのに駆けつけてくれて助かった」ナデナデ

ピカチュウ「チャ~」スリスリ

ジョーイ「アナタもピカチュウも傷が酷いから、明日は安静にした方がいいわ」

桐生「……分かった。出発は明後日にしよう」

~ロケット団逃避中~

ムサシ「それにしてもあのピカチュウ…まるで身のこなしが格闘ポケモンみたいだったわ」

コジロウ「確かにでんきタイプっぽくなかった。かみなりパンチを繰り出すピカチュウなんて初めて見た」

ニャース「あのピカチュウはそこらのピカチュウと少し違うのかもしれないニャ!」

コジロウ「でも俺、もうあの人外と関わりたくないんだけど。なんか怖いし」ガクガク

ムサシ「バカ!なに言ってんのもう!次こそあのバケモノからピカチュウを奪うのよ!」

【2日後・トキワのもり】

桐生(そういえばオーキドの爺さんに近況の報告とかしてないな)

桐生(義理もあるしニビシティについたら連絡しないとな)

桐生「よし、とっととこの森を抜けるぞ」

虫取り少年「そこの厳ついおじさん、僕と勝負だ!」

桐生「いいぜ…その勝負、受けて立つ!」

ピカチュウ「ピカッ!」バチバチ

虫取り少年「うわ!このピカチュウ初っ端から帯電起こしてるよ…手ごわそうだ」

虫取り少年「行けキャタピー!体当たりだ!」

[VSポケモントレーナー・虫取り少年]

~戦闘終了後~

虫取り少年「うう…6匹全部のポケモンをピカチュウ一匹に負けた…」グスッ

桐生「しっかり鍛えなおすんだな」

虫取り少年「それにしても動きが格闘ポケモンみたいな感じだね。ピカチュウっぽくないよ」

桐生「よく言われるが、そんなに本来のピカチュウと違うのか?」

虫取り「うん。まるでワンリキーとかを相手にしてるみたい」

【ニビシティ・ポケモンセンター】

桐生「おお、オーキドの爺さん。俺だ」

『おおキリュウ!どうじゃその後は』

桐生「今は、ニビシティにいる。ピカチュウも懐いてきたし」

『そうかそうか!それはよかった!』

桐生「戦闘面もなかなかだぜ。この間、かみなりパンチってのを覚えた」

『か、かみなりパンチじゃと!?ピカチュウが!?』

桐生「ああ」

『うむ…今までピカチュウが、かみなりパンチを覚えたという報告を聞いた事が無いから驚いたわ』

桐生「そんなに珍しい事なのか?でんきタイプなのにか」

『ああ。仮に覚えられる可能性があるとしたら、戦闘レベルをポケモンリーグに出場できる実力まで上げるとか、技マシンを使ったりなどしないと出来んわ』

桐生「そうか。俺のピカチュウはやはり特殊なんだな」

『時に桐生よ、ポケモンはその後どれくらい集めたのじゃ』

桐生「いや、まだ一匹も。トキワの森ではピカチュウの修行に努めた」

『な、なんじゃと!?もっとしっかり集めないとダメじゃぞ!』

桐生「すまない」

『もうウチの孫なんて10匹以上は集めてるぞ!』

桐生「アンタの孫…シゲルか」

『うむ。育てるのも重要じゃが、もっとポケモンを集めるのも大事じゃ!』

桐生「わかった」

『さて…ニビシティといえば、ジムリーダーのタケシがおるな』

桐生「ああ」

『……桐生よ。人とは挫折を乗り越えてこそ成長する物じゃ』

『そのためには、ポケモン同士の相性の勉強もしておく事じゃ』

桐生「……?何が言いたい」

『行ってみればわかる。育てた自慢のピカチュウで挑むといい』

桐生「わかった。それじゃあ」

『健闘を祈る』

桐生「さて行くか」

【ポケモン研究所】

オーキド「キリュウも頑張ってるようじゃな…」

ppppp

オーキド「む、また電話じゃ」

オーキド「おお!○○○じゃないか」

オーキド「ふむ…順調にポケモンを集めてるようじゃな」

オーキド「だがしっかりと鍛えないとニビシティのジムトレーナーに負けてしまうぞ」

オーキド「トキワの森で少し立ち止り、ポケモンを強化したらどうじゃ?」

オーキド「うむ、健闘を祈る」

pppppp

オーキド「今度は誰じゃ?今日はよく電話が鳴る」

オーキド「はいもしもし…ポケモントレーナーを熱願する志望者が2人?」

オーキド「ヤマブキシティから?ヤマブキシティの道場主のカラテおう・タケノリに助けられ、今から鳥ポケモンを使ってコチラに飛んでくると…」

オーキド「分かった。待っておる」

桐生「さて、ニビシティのジムに行くか…」

シゲル「あ、キミはお爺様の所にいた龍の客人じゃないか!」

桐生「シゲルか…俺の名は桐生だ」

シゲル「そういえば名前を聞いてなかったね。ごめんごめん。キリュウもポケモンマスターを目指してるんだね」

桐生「いや、俺は別に…俺の一番の目的は人探しだ」

シゲル「そうだ!折角だからさ、僕と勝負しないかい?」

桐生「勝負だと?」

シゲル「ああ!」

桐生「……」ウズウズ

桐生「いいぜ。その勝負、受けて立つ」

[VSポケモントレーナー・シゲル]

シゲル「いくよカメール!」

カメール「カメェェ!」

桐生「カメール…ポケモン図鑑を見るか」

『カメール。ゼニガメの進化形態』

桐生「もうそんなレベルまで育て上げたのか…」

シゲル「そうさ。そして僕は既に、ニビジムのバッジもゲットしているのさ!」

桐生「なるほど、油断ならねぇな」

桐生「いけピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

[VSかめポケモン・カメール]

今日はここまで

桐生「ピカチュウ、まずはでんきショックだ!」

ピカチュウ「ピカッ!」バチチッ

ピカチュウはでんきショックをはなつ!

シゲル「カメール、からにこもるだ!」

カメール「カメェ!」ススッ

カメールはからにこもった
ピカチュウのでんきショックの効果はいまひとつだ

シゲル「よし、もう甲羅から出て来い。そのまま出る勢いでみずてっぽうだ!」

カメール「カメェ」シュバッ

カメール「ヒュッ!」

ビュンッ…ズドォォン

ピカチュウ「ピカッ!?」

桐生「なんだあの水攻撃は!?まるで弾丸並みの威力じゃねぇか!」

シゲル「ただの水鉄砲と一緒にしないでほしいね!」

桐生「なるほど、かなり洗練されてる」

桐生(だがもっと驚くべき事は、カメールが殆んどダメージを受けてない所だ。でんきタイプのピカチュウにとって明らかに相性はいい筈なんだが)

桐生(いくら甲羅に篭もって防御したとはいえ、多少の電流は体内へ流れ込んでるハズだ。しかし…)

カメール「カメェ!!」

桐生(カメールはまだまだ元気だ)

ピカチュウ「ピ…ピカ…」フラフラ

シゲル「ピカチュウはふらついてるぞ!カメール!たいあたりだ!」

桐生「ピカチュウ!こっちもでんこうせっかでいけ!」

ピカチュウ「ピ…ピカ!」ダダッ

ズドォォン!

カメールとピカチュウはたがいのからだをぶつけあう!

シゲル「なるほど、さすがピカチュウ…素早い対応だ。一気にコチラまで間合いを詰めた

シゲル「でも僕のカメールの方が威力は上だ。カメール、押し返せ!」

カメール「カメェェ!」ググッ

ピカチュウ「ピカッ!?」

桐生「な…ピカチュウが押し返された…!」

シゲル「カメール!そのままピカチュウにかみつくだ!」

カメール「カメェ!」ガブッ

ピカチュウ「ピッ…!!」

桐生「っ!!まずい…」

桐生「ピカチュウ、かみなりパンチだ!」

ピカチュウ「ピカッ!」バチバチ

ズドォォン!

カメール「っ!?」

こうかはばつぐんだ!

シゲル「!?かみなりパンチだと…カメール、いったん離れるんだ!」

カメール「カメェ!」シュバッ

シゲル「距離を取ったらみずてっぽうだ!」

カメール「ヒュッ!」

桐生「ピカチュウ、避けろ!」

ピカチュウ「ピ、ピカ…」フラフラ

桐生(まずい、ダメージのせいで上手く動けない)

ビュンッ…ズドォォン

ピカチュウ「ピッ!?」

シゲル「そのままみずてっぽうを乱射するんだ!」

ビュンッ…ズドォォン

ビュンッ…ズドォォン

ピカチュウ「ピカァァ!」

桐生「まずい、キズグスリを…」

シゲル「おっと回復はさせないよ」

シゲル「たいあたりでトドメをさすんだ!」

カメール「カメェェ!」

ズドォォン!

ピカチュウ「っ!!」

カメールはたいあたりをしかけた
こうかはばつぐんだ

ピカチュウ「ピ、ピカ…」ドサッ

ピカチュウはたおれた

桐生「ピカチュウ!」

桐生「参ったぜシゲル」

シゲル「ハハハハ!ピカチュウのかみなりパンチは驚いたけど、まだまだだね」

シゲル「っていうかキミ、ピカチュウ以外にポケモンいないの?」

桐生「ああ、だから俺達の負けだ」

シゲル「そっか。それじゃ試合する前から勝敗はハッキリしてたんだね」

桐生「…?どういう意味だ」

シゲル「僕はカメールのほかに、5匹のポケモンを連れている。しかも残り5匹ともちゃんとレベルをあげて進化させている」

桐生「……」

シゲル「次に僕と闘う時までに、もっとポケモンを集め、レベルをしっかり上げておくんだね」

シゲル「それじゃ!」

桐生「……」

桐生「戦力を増やすのも大事だな」

桐生「まあいい、今はポケモンセンターへ向かおう」

【ニビジム前】

桐生「さて、ピカチュウも回復させた事だし、さっそくジムへ行こう」

桐生「ピカチュウ…さっきの闘いは残念だったな。だがいつまでも落ち込んでないで気持ちを切り替えろ」

ピカチュウ「ピ、ピカ…」

ガチャッ

桐生「勝負を挑みにきた。ジムリーダーはいるか?」

「挑戦者か」

桐生「ああ、ポケモントレーナーの桐生だ」

タケシ「おれはタケシ。ここのジムリーダーだ」

桐生「お前一人か」

タケシ「前はもっと前座のトレーナーがいたんだがな」

桐生「そうか。手間が省けてよかったぜ…俺と勝負しろ!タケシ!」

タケシ「それは構わないが、ポケモンはピカチュウのみ?」

桐生「ああそうだ」

タケシ「ならやめておくべきだ」

桐生「なに?」

タケシ「お前じゃ俺には勝てない」

桐生「なぜそう言いきれる」

タケシ「わかるさ。そっちはでんきタイプのポケモン一匹しかいない…負ける姿が目に浮かぶ」

タケシ「ここまで勝敗が分かりきっているのも珍しい。今日は止めておいたほうがいい」

桐生「……そこまでコケにされて、黙って引き下がるほど俺は物分りは良い方ではない」

タケシ「そうか…どうやら、痛い目に合わなければ分からないようだな」

タケシ「ふんっ」バッ

タケシは上着をぬいだ!

タケシ「かかってくるがいい」

桐生「……ふんっ!」バッ

キリュウも上着を脱いだ!

[VSニビジムノージムリーダー・タケシ]

タケシ「凄い体つきだ…ポケモントレーナーとしては未熟だが」

桐生「未熟かどうかは闘って判断しろ」

桐生「いけピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

タケシ「いけイワーク!」

イワーク「グウォォォォォ!!」

[VSいわへびポケモン・イワーク]

桐生「で、でかいぜ…」

ピカチュウ「ピカァ~…」ガクガク

桐生「怯むなピカチュウ!」

ピカチュウ「ピ、ピカ…」ガクガク

タケシ「いけ、たいあたりだ!」

イワーク「グウォォォォ!!」

ドガァァン!

ピカチュウ「チャ、チャァァ~」

イワークのたいあたり!しかしピカチュウはよけた

タケシ「逃がすな!しめつけろ!」

イワーク「グゥオッ!!」ガシッ

イワークはピカチュウをしめつける!ピカチュウは身動きがとれない!

桐生「まずいな。あれじゃかみなりパンチも打てない…ならば!」

桐生「ピカチュウ、でんきショックだ!」

ピカチュウ「ピッ…ピカァァ…!」バチバチ

イワーク「……」

ピカチュウはでんきショックをはなつ!しかしまったくこうかがない!

シゲル「その程度の電撃じゃダメージは与えられない」

桐生「チッ…ピカチュウ!なんとかして振りほどけ!」

ピカチュウ「ピッ…ピカ…チュウ…」ギュギュッ

イワーク「グウォォォォ!!」メキメキ

ピカチュウ「チャ~」グッタリ

桐生「……!ここまでか」

シゲル「試合を放棄するか?」

桐生「……」

【ポケモンセンター】

ジョーイ「ニビジムノーポケモンセンターに来るのも二度目ね」

桐生「ああ」

ジョーイ「随分と強いトレーナーとバトルしてるのね」

桐生「……」

ジョーイ「では、治療してくるわね」

桐生「頼む」

ピカチュウ「チャ~」

桐生「……」

タケシ「お、アンタは」

桐生「タケシ、なぜここに」

タケシ「ポケモンフードを買いに。それと昔捕まえたポケモンたちを引き取りに」

桐生「そうか…ん?」

桐生(買い物袋の中に大量の食材が)

タケシ「ああ…ウチは大家族なんだ。食材も買い込んでて」

桐生「そうか。割と苦労してるみたいだな」

タケシ「もう慣れてるさ」

タケシ「そうだ、良かったら今晩はうちで夕食を」

桐生「いいのか?ただでさえ大家族だというのに」

タケシ「ここであったのも何かの縁だ。さあ付いてきてくれ」

【タケシ宅】

ワイワイ、ガヤガヤ

妹「ねーねーゴハンまだ~?」

タケシ「もうすぐだよ」

弟「はやくー」

桐生「……」

弟2「おじさーん、もう一回大富豪やろう」

桐生「ああ、もうすぐ夕飯らしいから食後にな」

桐生(しかし母親はこれだけの子供を残して家出か…)

桐生(父親はポケモントレーナーを目指して出て行ったきり音信不通……良くも悪くも、伊達さんや花屋みたいなのはどの世界にもいるんだな)

タケシ「すまないキリュウさん、兄弟達の相手をしてもらって」

桐生「これくらいかまわん」

タケシ「随分、子供との相手になれてるんだな」

桐生「ああ。俺もかつては、お前と似たような生き方をしていたからな」

タケシ「……」

タケシ「キリュウさんはなぜポケモントレーナーに?」

桐生「それは…」

~~~~

タケシ「オーキド博士に助けられて…その後は義理を果たす為に、もらったピカチュウを育てポケモンを集める旅に…でも、本当の目的は人探しか」

桐生「ああ、大事な奴なんだ」

タケシ「そうか…じゃあ、本当にポケモントレーナーになりたくてなった訳ではないのか」

桐生「あくまで義理を果たすだけだ」

タケシ「俺も実はジムのトレーナーになりたい訳じゃなかったんだ」

桐生「なに?」

タケシ「ポケモンブリーダーになりたいんだ。闘わせる事より育てる事に生きがいを感じるんだ」

桐生「ポケモンブリーダー…」

タケシ「ああ、だが俺には幼い兄弟がいるからここから出られないんだ。旅を出来るキリュウさんが羨ましいよ」

桐生「そうか。まあ俺は好きで旅してるわけじゃないが」

タケシ「……キリュウさんは義理やその探してる人にこだわってるけど、ポケモンはどうなんだ?」

タケシ「ピカチュウは大事に想ってるのか?」

桐生「ああ、勿論だ」

タケシ「そうか、なら安心した。好きでもないのにポケモントレーナーを志すのは間違ってるしな」

桐生「次は必ずお前に勝つ。絶対だ」

タケシ「期待して待ってる。ただ…」

桐生「なんだ?」

タケシ「分かっただろ?ピカチュウじゃ岩タイプのポケモンと相性が悪すぎるんだ」

桐生「……」

タケシ「一匹のポケモンにばかり負担をかけては、それはポケモントレーナーとして未熟だ」

タケシ「相手との相性を考慮し、前もってよく作戦を練ることも大事だ…キリュウさんは闘うんじゃなくて指揮する側なんだから」

桐生「……指揮する側、か」

【ポケモンセンター】

ジョーイ「はい。ピカチュウはすっかり元気になったわ」

桐生「ありがとう」

ピカチュウ「チャー」ギュッ

桐生「……」ナデナデ

桐生(次の闘いでは…ピカチュウは使わないほうが良いのだろうか?)

「お困りのようだな」

桐生「?誰だアンタ」

ムノー「ワシはムノー。ここらで石などを売ってる」

桐生「その石屋が俺になんのようだ」

ムノー「お前さんがニビジムに入るのを見かけてな」

ムノー「その後、悲しい顔してピカチュウを抱えてる姿をワシは見ていた」

ムノー「ああ、そういえばニビジムに行く前に他のトレーナーと闘って敗戦した姿も見たな」

桐生「かっこ悪い姿ばかり見られてたようだな」

ムノー「負けること事体は仕方ない。よくある話さ」

ムノー「だがピカチュウでニビジムを突破するのは不可能に近い」

桐生「……」

ピカチュウ「ピ…」

ムノー「お前にコレをやる」

キリュウはつりざおを手に入れた!

桐生「釣竿…?」

ムノー「それで水タイプのポケモンを捕まえ、育てるといい」

ムノー「そうすればタケシを撃破できるだろう」

桐生「なんでアンタ、俺にこんな物を」

ムノー「ワシもかつてポケモントレーナーだった。もう使ってない釣竿だし、何となく背中を押したくなっただけの話だ」

桐生「……」

【川岸】

桐生「……ピカチュウ」

ピカチュウ「ピカ?」

桐生「シゲルとの勝負は…カメールとレベル差があったのも事実だが、シゲルの指示も的確だった」

桐生「だがタケシとの勝負はそれだけじゃない。相性が悪すぎた」

ピカチュウ「……」

桐生「俺も指揮官として、お前には無理をさせる訳にはいかない」

桐生「次は…水ポケモンを使う」

ピカチュウ「ピカっ!?」

桐生「すまない。勝つためなんだ」

桐生「いまから俺は…みずタイプを捕まえるべく」

桐生「この釣竿で」

ガシッ

ピカチュウ「ピカッ!」

桐生「ピカチュウ離してくれ。釣りができない」

ピカチュウ「ピカ、ピカピカ!!」ブンブン

桐生「……」

ピカチュウ「ピカ…ピカチュウ!」シュッシュッ

桐生「……?」

ピカチュウ「ピカッ!ピカチュウ~!」シュッシュッ

桐生「シャドウボクシングなんてやり始めてどうした」

ピカチュウ「ピカッ!ピカッ!チュゥゥ!」シュッシュッ

桐生「……」

桐生「電気が効きにくいなら、格闘技を極めたい…っと言いたいのか?」

ピカチュウ「ピカピカッ」コクコク

桐生「……そうか。どうしてもおまえ自身の手でタケシを撃破したいんだな。たとえ相手が岩タイプでも」

ピカチュウ「ピカ、ピカチュウ!」

桐生「鉄でも岩でも砕いてみせる…か」

桐生「………」

桐生「わかった。なら俺のやり方でお前を強くしてやる。覚悟しろピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカッ!!」

話ぶっちぎるが、シゲルのカメールがピカチュウに体当たりして効果抜群になってるがこれなんぞ?

【翌日の朝】

タケシ「あれ、キリュウさん」

桐生「おう」

タケシ「これからドコへ」

桐生「しばらくオツキミ山に篭もろうと思う」

タケシ「そうか。あの辺りは、俺を倒したトレーナーも居るかも知れないから、注意が必要だ」

桐生「ああ。しばらくピカチュウにポケモンとの戦闘をさせるつもりはない」

タケシ「は?戦闘をさせない…?」

桐生「ああ、ポケモンとの戦闘はな。もし変なトレーナーに絡まれても俺が上手く対処する」

桐生「それじゃ」

タケシ「……?」

~~~~

桐生「……」テクテク

桐生「……」ピタッ

ムノー「……」

桐生「アンタは昨日の」

ムノー「結局、みずタイプは確保しないのか」

桐生「ああ、せっかくもらったのに悪いな」

ムノー「これからどうするんだ」

桐生「山篭りをする。力を付けたらまたニビジムへ向かう」

ムノー「そうか…あえて相性の悪いタイプのポケモンで勝つ為の特訓、という選択を選んだか」

桐生「ああ。俺はトレーナーとしての戦略より、ポケモンのプライドを尊重した」

ムノー「ふむ、ならいつか見せてくれ。その成果を」

桐生「アンタはこの辺にいるんだよな?修行が終わったら声をかける」

ムノー「うむ」

桐生「……そうだ。そういえばアンタに頼みがある」

ムノー「なんだ?」

桐生「あとで大きめの岩石を俺に売ってくれないか?」

ムノー「かまわんが…一体なにを?」

桐生「ちょっとな」

>>59

>>49の最後の所かな?
カメールがたいあたりで攻撃して、瀕死のピカチュウにトドメをさしたって意味だけど…何かおかしな点があったかな?

いや、電気タイプにノーマル技で効果抜群でなんぞって感じで、いつの間に体当たりは地面タイプになったのかな~って思って。

>>62
相性や地の分の表現的な問題か。すまん
ややこしいと思うから後で訂正文書いて投下しとく

一応ポケモン原作やりなおしたり、ポケモンwikiとか見たりはしてるんだが色々忘れてる所も多いので…

とりあえず続き投下します

【オツキミやま前】

悪いトレーナー「この使えないポケモンめ!」ゲシッ

コイキング「ボォッ!」

桐生「ん?」

悪いトレーナー「なんで言うとおりに出来ねぇんだよ!このクズ!」ゲシッ

コイキング「ォォ…」ウルウル

桐生「その辺にしておけ」ガシッ

ピカチュウ「ピカッ!」

悪いトレーナー「あ?なんだお前は」

桐生「しつけにしてもやりすぎだ」

悪いトレーナー「アンタには関係ないだろ!」

桐生「だとしても黙って見過ごせない」

悪いトレーナー「ふん、善人気取りかよ。元はと言えばこのクズポケモンが弱すぎるからいけないんだよ!」

コイキング「オォ…」ボロボロ

桐生(泣いている…)

悪いトレーナー「そんなに庇いたきゃこのコイキング、もういらないから買ってくれよ!500円で!」

桐生「……」

桐生「いいだろう」

悪いトレーナー「へ?」

桐生「俺がコイツを立派に育て上げてみせる」

悪いトレーナー「は…ははは…」

悪いトレーナー(マジかよ!このクズポケモン、その気になればいくらでも釣れるのによ!)

桐生「ほら500円だ」

悪いトレーナー「へへへ…毎度」

悪いトレーナー(バカで良かった)

桐生「コイキングは俺のポケモンになる訳だが…500円を払ったんだ。約束しろ」

悪いトレーナー「へ、約束?」

桐生「お前のようなクズはポケモンを育てる資格は無い。もう二度とポケモンと関らない事だな」

悪いトレーナー「あ?何だお前?」

桐生「それじゃ、おれはオツキミやまへ向かう」

悪いトレーナー「待てよテメエ!」ガシッ

桐生「ん?」

悪いトレーナー「誰がクズだって?おい…誰に向かって口聞いてんだゴラァ!ぶっ飛ばされたいのかゴラァ!」ブンッ

桐生「どうやら痛い目に合いたいようだな」サッ

[VSわるいトレーナー]

桐生「ふんっ!」ボゴォ

悪いトレーナー「ごがぉ…!?」ガクッ

桐生「口ほどにもならねぇな」

桐生「さて」

ピカチュウ「ピッカピカ!」

桐生「ピカチュウ、お前も新しい仲間が増えて嬉しいんだな」

ピカチュウ「チャ~」

コイキング「ボォォ…」ウルウル

桐生「もう泣くなコイキング。これからは俺がお前のトレーナーだ」ナデナデ

桐生(みずタイプは捕まる予定無かったんだが…思わぬ収穫だな)

桐生「さてコイキングをゲットした訳だが」

桐生「……鯉(こい)か。今は亡き幼馴染を思い出す」

桐生「……」

桐生「鯉は滝を登りきると龍になる…」

桐生「そんなお前に期待をこめて、ニックネームを付ける」

コイキング「ボォォッ」

桐生「今日からお前の名前は『ニシキ』だ!」

ニシキ「ボォォッ!」

ニシキ(コイキング)がパーティーに加わった!

【オツキミやまの内部】

桐生「……よし、この辺でいいだろう」

桐生(途中、色んなポケモントレーナーに絡まれたが睨みながら断ったら、意外にもあっさり納得してくれた)

桐生「まずは…ニシキ!」

ニシキ(コイキング)「ボォォ!」

桐生「壁に向かってたいあたりの練習だ!」

ニシキ「ボォォッ!」ピョンピョン

ニシキは跳ねた!

桐生「……先が思いやられるぜ」

ニシキ「ボォォッ!」ピョンピョン

ニシキはさらに跳ねた!

ピカチュウ「ピカ!ピカ!」

桐生「ああ、わかってるピカチュウ」

桐生「お前にこれから課す修行だが…」

桐生「60kg以上の岩石上げを1万回、走りこみ100キロ」

ピカチュウ「ピ、ピカァ!?」

桐生「本当は腕立てや腹筋も入れたいが、お前は手足が極端に短いからな。だから岩石上げと走りこみだけを徹底させる」

桐生「重さに慣れたら、さらに重い岩石を用意する」

ピカチュウ「ピッ!ピカピカ!ピ~カ~?」

桐生「地味な筋トレじゃなくて、もっと凄い技とかを教えて欲しい?それは基礎的な力が出来あがってからだ」

桐生「俺は今からムノーの爺さんから、60キロの岩石を買いに行ってくる。お前はその間、迷子にならない程度にこの辺を走り込みしてろ」

【数時間後】

ピカチュウ「ピカピ~カ~…」グッタリ

桐生「頑張ってるか?」

ピカチュウ「ピカッ!」

桐生「その様子だとサボらず、走りこんでたんだな。偉いぞ」ナデナデ

ピカチュウ「チャ~」

桐生「で、60キロの岩石を買ってきた」

ドスンッ!

ピカチュウ「」

桐生「さあ、さっそく持ち上げてみろ」

ピカチュウ「ピ…ピ~カ~…」ググッ

桐生「なんだ。ポケモンだからもっと力持ちだと思ったが全然上がらない…意外と非力なんだな」

ピカチュウ「ピカ~…」

桐生「しょうがねぇな…オラァァ!!」

ボゴォォン!!

ピカチュウ「」

桐生「これで30キロ位にはなっただろう。持ち上げてみろ」

ピカチュウ「ピ、ピカァァ…」ググッ

桐生「30キロをギリギリ持ち上げられる程度か…こっちも先が思いやられるな」

「キキキキ!」

桐生「ん?」

ピカチュウ「ピカ?」

ニシキ「ボォォ?」

桐生「あれは…ポケモン図鑑で」

『ズバット・こうもりポケモン。くらいどうくつに生息し、あまり外にはでない』

ズバット達「キキキキ!」

桐生「群れで来てやがる…やっかいだな。オニスズメの時と同じパターンだ」

桐生「ニシキはいったんボールに戻れ!お前はまだ闘えない」

ニシキ「ボォォ」ヒュンッ

桐生「本当は戦わせるつもりは無かったんだが止む終えない…ピカチュウ、でんきショックだ」

ピカチュウ「ピカ!」バチバチ

桐生「俺は石ころでも投げて応戦するか」ビュン

[こうもりポケモン・ズバット]

~~~~

ズバット達「キキキキ」

桐生「よし、逃げて行ったな」

ズバット「キキキキ!」

桐生「ん?まだ一匹だけ残ってるな」

ズバット「キキキキ!」ヨロヨロ

桐生「たった一匹になっても、なお俺達に立ち向かうその意志…他のズバットと違って、度胸も力もあるようだな」

桐生「体力はだいぶ消耗してるようだが…いまここで倒すのは惜しい」

桐生「……」

桐生「よし、捕まえてみよう」

桐生「オラッ!」ポイッ

ズバット「キィ!」

ポンッ

桐生「よし…あとは、モンスターボールの光の点滅が消えれば…」

ピピ…ピピ…ピィー

桐生「よし、点滅が消えた!」

キリュウはズバットをゲットした!

桐生「もう出てきていいぞニシキ」

ニシキ「ボォォ」

桐生「喜べ、新しい仲間だ!」

ピカチュウ「ピッピカッ!!」

ニシキ「ボォォ!!」

桐生「さて…こうもりポケモンか…」

桐生「コウモリといえば…コウモリの刺青をした男を、俺は2人知っている…」

桐生「もうあれから24年以上経つか…俺とかつて共闘した立華不動産」

桐生「お前にはニックネームをつける…」ポイッ

ズバット「キキー」

桐生「ズバット、お前は今日から…タチバナだ!」

タチバナ「キキキキー!」

――それから桐生一馬とそのポケモンたちは、誰もやったことの無い特訓方法で力を付けていった

【2ヵ月後】

ピカチュウ「ピカッ!ピカッ!ピカッ!」ググッ

桐生「ピカチュウも必死の特訓のおかげで、70キロ以上の岩石も持ち上られるようになったな」

ニシキ「ボォォッ!」ピョンピョン

桐生「……ニシキは未だ、たいあたりすら出来ないが、いつかは屈強な龍になると信じよう」

タチバナ(ズバット)「キキキキー!」

桐生「タチバナはたまに近寄ってくる、どうくつ内のポケモンたちと戦わせてきた…今の所、イワークとイシツブテ、サンド以外なら勝てる」

桐生「さて…俺も鍛えるか」

桐生「まずはあの岩でも砕いてみるか…オラァァ!!」ボゴォォ

【その頃・ポケモン研究所】

ppppp

オーキド「おお、シゲルか!元気じゃったか」

オーキド「そうか、もうナツメを倒してゴールドバッジをゲットしたのか!」

オーキド「そうなるとバッジもあと二つじゃな!」

オーキド「ところで…最近キリュウから連絡が無いんじゃが、見かけておらんかね?」

オーキド「ふむ、そうか…見かけたらたまには連絡するように伝えてくれないか?」

オーキド「では」ガチャッ

オーキド「シゲルは今の所、わしの知るトレーナーの中では一番ハイペースに旅が進んどるな」

オーキド「ヒトカゲとフシギダネを手にしたトレーナー2人…そのあとにキリュウがピカチュウを手にして…」

オーキド「さらにそのあとも、数人のトレーナーがワシの元に現れて…」

オーキド「さて、これからどうなる事やら」

今日はここまで

投下します
訂正文を先に1つ投下します

>>49(訂正文)

シゲル「カメール!そのままピカチュウにかみつくだ!」

カメール「カメェ!」ガブッ

ピカチュウ「ピッ…!!」

桐生「っ!!まずい…」

桐生「ピカチュウ、かみなりパンチだ!」

ピカチュウ「ピカッ!」バチバチ

ズドォォン!

カメール「っ!?」

こうかはばつぐんだ!

シゲル「!?かみなりパンチだと…カメール、いったん離れるんだ!」

カメール「カメェ!」シュバッ

シゲル「距離を取ったらみずてっぽうだ!」

カメール「ヒュッ!」

桐生「ピカチュウ、避けろ!」

ピカチュウ「ピ、ピカ…」フラフラ

桐生(まずい、ダメージのせいで上手く動けない)

ビュンッ…ズドォォン

ピカチュウ「ピッ!?」

シゲル「そのままみずてっぽうを乱射するんだ!」

ビュンッ…ズドォォン

ビュンッ…ズドォォン

ピカチュウ「ピカァァ!」

桐生「まずい、キズグスリを…」

シゲル「おっと回復はさせないよ」

シゲル「たいあたりでトドメをさすんだ!」

カメール「カメェェ!」

ズドォォン!

ピカチュウ「っ!!」

カメールはたいあたりをしかけた!

ピカチュウ「ピ、ピカ…」ドサッ

ピカチュウはたおれた

桐生「ピカチュウ!」

【さらに3ヶ月後】

桐生「さすがポケモンだ。人間よりもパワーアップする期間が早い」

桐生「スピードもパワーも段違いに上がったな。今じゃ200キロ以上の岩石も持ち上げられる」

ピカチュウ「ピカッ!!」

桐生「基礎特訓はこれで終わりだ。そして…」

桐生「お前にはこれから闘い方を教えてやる。俺の天啓技を、古牧の爺さんから教わった技を」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「……っとはいえ、お前は手足が極端に短い。教えられる技は限られてくるな」

桐生「ポールダンスの極みなんかは教えられる訳も無い。教えられる天啓技も限られてくるな」

桐生「まあいい…ではまず」

桐生「お前にはこの技を教えてやる!」ググッ

ピカチュウ「…っ!!」

――それから技を教えつつ、俺とバトルをしたり、タチバナ(ズバット)とバトルしたり、他のどうくつ内部にいるポケモンと戦わせたりして技を磨いていった

【そして1ヶ月後・ニビジム】

タケシ「あれから半年…キリュウさんこないな…」

タケシ「風のウワサでは、たまにオツキミ山から出てきて、ポケモンセンターやショップで買い物はしてたみたいだが」

ガチャッ…

タケシ「む、挑戦者か」

桐生「よお、しばらくぶりだな」

タケシ「キリュウさん…!」

桐生「修行から帰ってきた」

タケシ「半年振りですね」

桐生「ああ」

タケシ「俺を倒した為だけに半年も費やす人、多分あなたが初めてだ」

桐生「だろうな。普通は水ポケモンで対策を練るからな」

タケシ「……まさか水ポケモン無しで挑みに来るとわ」

タケシ「いいでしょう。あなたのトレーナーとしての生き様、見せてもらいます」

タケシ「今回俺が使用するポケモンは二匹。全員に勝てたらバッジゲットです」

タケシ「さあ…こいキリュウ!」バッ

タケシは上着をぬいだ!

桐生「ああ、行くぞタケシ!」バッ

キリュウも上着をぬいだ!

[VSニビジムジムリーダー・タケシ]

タケシ「行って来いイシツブテ!」

イシツブテ「オゥゥ!」

桐生「まずはタチバナ、お前からだ」

タチバナ(ズバット)「キキキキ」

タケシ「まずは小手調べできたか、だがズバットでイシツブテを攻略できるか?」

桐生「タチバナ、かみつくだ」

タチバナ「キキキ!」

タケシ(イシツブテの体は岩で出来ている。嚙めるわけない…)

ゴリッ

イシツブテ「オゥ!?」

タケシ「なっ!?」

ゴリ…ゴリ…

タチバナはイシツブテのからだをかみくだいている!

タケシ「バカな!?いったいどれだけ硬い歯を…屈強なアゴをしてるんだ!」

桐生「そいつの強さはアゴと牙だけじゃない」

桐生「どんな相手であろうと死を恐れない強さがある」

タケシ「イシツブテ!なんとか振りほどけ!」

イシツブテ「ウォォォ!」ブンブン

タチバナ「ガッ!!」

イシツブテはズバットをふりほどいた!

タケシ「イシツブテ、たいあたりだ!」

イシツブテ「ウォ!」ボゴォ

タチバナ「キィ!?」

イシツブテはたいあたりをしかけた!

桐生「半年の特訓で屈強なアゴと牙を手に入れたんだが…やはりどうくつにいるイシツブテとはレベルが違う」

イシツブテ「オォ!!」

ドス!ドガ!

イシツブテはなんどもたいあたりする!

タチバナ「っ!!」

桐生「タチバナが追い詰められていく…」

タケシ「そろそろ交換したらどうだ?」

桐生「いや、まだ交換しない。そいつは戦意が残っている」

タケシ「なに?」

タチバナ「……」グッタリ

タケシ「ボロボロじゃないか、一体あのズバットのドコに戦意が…」

イシツブテ「オォォ」ドヤガオ

タチバナ「……」

タチバナ「……キッ」ニヤッ

イシツブテ「!?」

タケシ「なっ…」

タチバナ「キッキッキッ…」ヘラヘラ

タチバナはイシツブテをちょうはつしている!

タケシ「あのズバット、イシツブテを煽っている…あんなにボロボロなのに…まるで全然効いてないとアピールするように」

イシツブテ「オォォ…!」ピキピキ

イシツブテ「グォ!」

イシツブテは怒りのままに、たいあたりをしかける!

桐生「よしズバット、かみつくだ!」

タチバナ「キキ!」

~~~~

タケシ「……所詮、ズバットじゃイシツブテは倒せなかったな」

桐生「よくがんばったな、戻れタチバナ」ビュン

タチバナ「……キッ」ニヘラ

イシツブテ「……!!」ピキピキ

タケシ(笑って挑発してる…まだ意識が残っていたのか。いずれにせよしぶといポケモンだった)

桐生「さあ行けピカチュウ、修行の成果を見せ付けろ」

タケシ「やっと本命を出したか、見た目は変わってないが本当に強くなったのか?」

タケシ「イシツブテ、たいあたりだ!」

イシツブテ「オゥ!」

桐生「ピカチュウ、でんこうせっかだ」

ピカチュウ「ピカ!」

ピカチュウとイシツブテのからだが激突しあう!

タケシ「っ!?なんだあのスピードは…」

ドゴォォン!!

イシツブテ「オゥ!?」

タケシ「押し返された、しかも余裕で!」

イシツブテ「」

タケシ「ズバット戦後とはいえ…でんこうせっかの一撃で倒すとは…たしかに凄いダッシュ力ではあったが」

タケシ「次はイワーク!油断するなよ!」

イワーク「グォォォォ!!!」ダダッ

桐生「出たな…」

ピカチュウ「……」バチバチ

ピカチュウはぜんしんから、帯電をおこす!
ピカチュウのヒートゲージがたまっていく!

タケシ「イワーク!しめつけるだ!」

イワーク「グォォォ!!」ググッ

イワークはピカチュウをしめつける

ピカチュウ「……」バチバチ

ピカチュウはよゆうそうだ!

タケシ「なぜだ…全然苦しんでない…」

ピカチュウ「……」バチバチ

イワーク「グォォォ…!!」ググッ

イワークはひっしにしめつける!しかしこうかはいまいちだ!

ピカチュウ「ヂュゥゥゥ!!」バッ

ピカチュウはイワークのしめつけをふりほどく!

タケシ「なっ…!?」

イワーク「グォ!?」

ピカチュウ「ピ~カ~…!」

タケシ「イワーク、たいあたりだ!」

イワーク「グオォォォ!!」ダダッ

桐生「ピカチュウ、メガトンパンチだ」

ピカチュウ「ヂュゥゥ!!」ブンッ

ドゴォォン!!

イワーク「っ!!?」

ピカチュウは、たいあたりをしかけたイワークを、メガトンパンチでかるくふきとばす!

タケシ「イワークの体重が一体いくつあると思ってるんだ…なぜあんな軽々と吹き飛ばせる…」

桐生「ピカチュウ!追い詰めろ!」

ピカチュウ「ピー…カー…!!」バチバチ

勝機!

桐生「人柱戯でいけ!!」

ピカチュウ「……」ガシッ

ブンッ

イワーク「っ!!!」

ピカチュウはイワークをつかみ、真上にとばす!
おちてくるイワークにでんげきをこめてドロップキック!ピカチュウの人柱戯だ!

ピカチュウ「ヂュウゥゥ!!!」ダッ

ドゴォォォ!!!

イワーク「グォォォォ!!!」

タケシ「イワーク!!!」

イワーク「」

イワークはたおれた!

タケシ「負けたよ…凄い成長だ。あんなズバットやピカチュウ、初めてだ。それに見たこと無い技までだして…」

タケシ「グレーバッジだ、受け取ってくれ」

桐生「ああ」

グレーバッジを手に入れた!

タケシ「これからもがんばれよ!期待している!」

桐生「お前も…がんばれよ」

タケシ「ああ。俺もいつか兄弟達が立派に成長したら…ポケモンブリーダーになるべく、旅に出る」

ムノー「見事だ」

タケシ「む…?」

桐生「あんたは石屋の爺さん」

ムノー「ちょっと気になってな…見させてもらった」

タケシ「……アンタも挑戦者か?」

ムノー「いや…その…」

ムノー「ただの見学人だ」

タケシ「そうか」

桐生「それじゃタケシ、俺はいく」

タケシ「ああ、たまには遊びに来てくれ!」

桐生「ああ」

ムノー「……」

ムノー(キリュウカズマ…たしか大切な人を探して旅に出ているらしいな)

ムノー(自分もいつまでも正体を隠してる訳にはいかないな…)

ムノー(いつか…タケシに自分が父親である事を打ち明けよう。そしてタケシを自由に…)

桐生「さあピカチュウ、次の町へ目指すぞ」ナデナデ

ピカチュウ「チャー!」

――その後、おつきみ山にいるポケモンやポケモントレーナー達をなぎ倒して桐生たちは、ハナダシティ前まで辿り着く

【4番道路】

ガサガサ…ガサガサ…

桐生「ん?野生のポケモンか」

野生のアーボ「アーボッ!」

桐生「こいつか、しかしコイツを見るたびにあのロケット団を思い出す」

桐生「よしタチバナ、行って来い!きゅうけつだ!」

タチバナ(ズバット)「キキ!」

ピカチュウ「ピ~カ~」クイクイ

桐生「お前はさっきから連戦続きだ。少し休め」

タチバナはきゅうけつをしかける!

タチバナ「ガブッ」

野生のアーボ「!!」

タチバナはどんどん血をすっていく!

野生のアーボ「シャーボッ!ガブッ!」

アーボもかみつく!
たがいにかみつきあう!

~~~~~

タチバナ・野生のアーボ「ガブブブ…!」

桐生「なかなかしぶとい。他のアーボと比べても負け嫌いというか…頑固な奴だ」

桐生「決めた。俺はこのアーボをゲットする」

桐生「タチバナ、離れろ!」

タチバナ「キキッ!」バッ

桐生「ふん!」ポイッ

桐生は野生のアーボにモンスターボールを投げた!

ポンッ…シュゥゥゥ…

野生のアーボ「っ!!」

ピコン…ピコン…ピー!

キリュウは野生のアーボをゲットした!

桐生「よし!」

桐生「出て来いアーボ」ポンッ

桐生のアーボ「シャーボッ!」

桐生「さてニックネームでもつけるか」

桐生「アーボか。これは蛇だよな、蛇と言えば…」

桐生「……沖縄には弟分がいた。シンジにも似ていた琉道一家の熱い男……背中にはハブの刺青」

桐生「今日からお前の名前は……リキヤだ!」

リキヤ(アーボ)「シャーボッ!」

桐生「お前達、新たな仲間を歓迎しろ!」ポンッ

ピカチュウ「ピカピカ!」

ニシキ(コイキング)「オォォ!」

タチバナ(ズバット)「キキキッ!」

桐生「よし、ハナダシティへ行くぞ!」

今日はここまで
次回あたりからジム戦も、早めに終わったり省略される所出てくるかも
逆にニビシティ編の様にみっちり長くやるパートもあります(ヤマブキシティはかなり長くやる予定)

ハナダシティは省略はしないけどニビシティほど長くありません
では


【ハナダシティ・とある民家の前】

桐生「ん?なんだ…民家の前に人だかりが」

住人「ううぅぅ…」グス

桐生「家に穴が開いてやがる…おいアンタ、一体なにがあったんだ」

住人「ロケット団がいきなりやってきて技マシンを盗んでいったんだ…この穴はポケモンを利用して壊していった物だ」ボロボロ

住人「なんて奴らだ…」

桐生「……」


コジロウ「おい、あれは!」

ムサシ「お、やっと見つけたわ!キリュウのピカチュウ!」

ニャース「ニャニャ!、今度こそ隙を見てゲットするニャ!」

桐生「……」

桐生「多分、近くにアイツらがいるはずだ」

ピカチュウ「ピカッ!」


コジロウ「ドガース!ガス攻撃だ!」

ドガース「ドガース」

モクモクモク…

ピカチュウ「ピカ……」

桐生「やはり来たな」

コジロウ「よし、いつもの奴いくぞ」

ムサシ「ええ…何だかんだと聞かれたら」

コジロウ「答えてあげるが世の情け」

桐生「……」コツコツ

ムサシ「世界の破壊を防ぐため」

桐生「おい」ガシッ

コジロウ「世界の平和を守…ゴォッ!?」

キリュウはコジロウのがんめんをつかんだ!

桐生「テメェらか、カタギの家を襲って技マシンを強奪したのは」

メキメキ…

コジロウ「痛い!痛いって!離して!頭が潰れちゃうって!」

ムサシ「ちょ、アンタまた人間に暴力振るって!」

ニャース「決め台詞くらい言わせて欲しいニャ!」

桐生「カタギに迷惑かけてるテメェらが俺を注意する資格はねぇ」

メキメキ

コジロウ「痛いって!離してよまだ何もしてないでしょ!」

桐生「とぼけるな。そこの民家で暴れたのはお前らだろ」

ムサシ「え、民家で暴れる?」

ニャース「にゃんの事かニャ?」

桐生「とぼけるな!そこの民家に穴を開け、技マシンを強奪したのはテメェらだろ!」ギリギリ

コジロウ「痛い痛い痛い!ほんとに!頭が割れちゃうよ!」

ニャース「それはきっとニャーたちとは違うニャ」

桐生「なに?」

ムサシ「大体、私達はついさっきここに来たばかりなんだから」

桐生「そうか、すまなかったな」パッ

コジロウ「痛たた……やっと離してくれた」

ニャース「ニャーたちの今回の狙いはあくまでピカチュウだにゃ!」

桐生「まだ俺のピカチュウにこだわるのか。凝りねぇ野朗たちだ」

桐生「いいぜ、相手になってやる」

ピカチュウ「ピカッ!」

桐生「ピカチュウ、お前が出る幕じゃない」

ピカチュウ「ピカ?」

桐生「行って来い!タチバナ(ズバット)!リキヤ(アーボ)!」

タチバナ「キキキキ!」

リキヤ「シャーボッ!」

ムサシ「な…キリュウまでアーボを!」

コジロウ「ふん、この際だ。そこの二匹も頂くとしよう!」

[VSロケット団構成員・ムサシ&コジロウ]

【数分後】

ムサシ「嘘でしょ…」

コジロウ「なんだあのアーボとズバット…狂気に満ちた戦闘スタイル…」

ドガース・アーボ「」グッタリ

タチバナ「キキキキ!」

リキヤ「シャーボッ!」

ムサシ「キリュウのリキヤと呼んでたアーボ…一度噛み付いたらウチのアーボが音をあげるまで嚙み続けた。凄いアゴの力をしてる」

コジロウ「ウチのドガースなんか皮膚が硬いのに、体中が歯型だらけになってるし…ガスを喰らっても全然逃げようともしない…」

桐生「ピカチュウ、ニャースにでんきショックだ!」

ピカチュウ「ピ~カ~チュウ!」バチバチ

ニャース「フンギャァァ!」

桐生「さあ、俺達の勝ちだ。今日は諦めるんだな」

桐生「正々堂々と闘いに挑んできたのは褒めてやる」

ムサシ(本当はドガースがガスを放出している隙に、ピカチュウを強奪する予定だったのに…)

コジロウ(キリュウが俺の顔面をつかんで脅してくるから、予定が狂ってしまった)

ニャース「ニャニャ…次はもっと隠密に行動をするニャ…」

ムサシ「それじゃ、今日の所は引き上げましょう」

コジロウ「ああ。せーの」

ムサシ・コジロウ・ニャース「やーなかーんじー!」

桐生「……さて。奴らが犯人じゃないのなら、別のロケット団員が悪さをしてるのだろうな。まだ近くにいるはずだ」


ガサゴソ

ムサシ(さて、逃げた振りして実はまだ諦めてない作戦大成功)

ニャース(この草むらの茂みに隠れて、今度こそピカチュウと他2匹をゲットだニャ!)

コジロウ(……正直、今日はもう撤退したい)

【民家の裏庭】

桐生「……」テクテク

ムサシ(キリュウが言ってた荒らされた民家ってここね)

コジロウ(あ、見ろ!同胞がいるぞ!)

ロケット団員「ん?こら、人の家の庭にはいるなよ!」

桐生「テメェは何者だ」

ロケット団員「え、おれ?ただの通りすがりだよ。ぜーんぜん、あやしくないよ?」

桐生「……」

ボゴォォォン!!

ロケット団員「ゴハァァ!!」

[VSロケット団構成員]

キリュウはむごんで怒りの腹パンを決めた!

桐生「テメェだな?カタギの家に穴を開けて、わざマシンを強奪したってのは」

ロケット団員「な…なんの事だか…さっぱり」ピクピク

桐生「オラァ!!」

ボゴォォン!!!

ロケット団員「ガァァ…!!」ガクッ

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「ニャニャ…!?なんて卑劣な奴ニャ!」

桐生「……」

ロケット団員「ちょ、待ってくれよ!文句があるならポケモンで勝負しようぜ!」

桐生「フン!!」

ボゴォォ!

ロケット団員「ギャアア!!」

キリュウはいかりのままに、たおれてるロケット団構成員のあたまをふみつける!

桐生「ポケモンバトルはケジメをつけてからだ」ギリギリ

ロケット団員「お前…人間に暴力振るうなんてどうかしてるぜ…ポケモンバトルで…勝負を…」

桐生「どうやら何を言っても無駄なようだな。その体に教え込ませてやる」

桐生「寝てろ!!」

ボゴォォン!!

ロケット団員「」ガクッ

キリュウはロケットだんいんをたおした!

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「」

ムサシ「……やっぱ今日は引き上げましょう」

コジロウ「うん、そのほうがいい」

ニャース「奴は暴力ポケモントレーナーだニャ」

住人「ありがとうございます!」

桐生「気にするな」

住人「もしよければこのわざマシン、つかってください」

桐生「それはアンタのわざマシンだ。家に穴が開いてるのにそんな物は受け取れない」

住人「いえいえ、これはお礼です。どうか受け取ってください」

桐生「……なら借りるって形でも良いか?」

住人「勿論!」

桐生「それじゃ早速…アーボなら覚えられるのか」

桐生「よし…リキヤ!行くぞ!」

リキヤ(アーボ)「シャーボッ!」

リキヤはあなをほるをおぼえた!

桐生「……俺も覚えられるだろうか。試してみるか」

ピピピッ!

桐生「うおぉぉぉぉ…天啓が!来たぁぁ!」

キリュウもあなをほるをおぼえた!

桐生「ありがとう。返すぜ」

桐生(まさか俺まであなをほるを覚えられるとはな)

住民「はい。必要になったらまた来てください!」

桐生「よし次は…あの奇妙は場所に行ってみるか」

【マサキの家】

桐生「……なんだここは」

マサキ「あ、そこの客人!ちょっと頼みが!」

桐生「っ!?ポケモンが喋った…こいつもニャースみたいな奴なのか」

マサキ「いや、実は僕は人間なんや!」

桐生「なに?」

マサキ「いまから手順を教えるから、僕を元の姿に戻す協力をしてほしいんや!」

桐生「あ、ああ…?」

~~~~

マサキ「いや~助かったわ!ほんま有難うな!」

桐生「ああ。俺は桐生だ。お前は何者だ」

マサキ「ここでポケモン預かりシステム管理人をしているポケモンマニアや!」

桐生「ほう」

マサキ「キリュウはここへ何をしにきたんや。ウチの見学?それとも僕とポケモン談義?」

桐生「ちょっとな、妙な建物だったから気になって」

マサキ「そうかそうか。ではゆっくりしていくとえぇ」

桐生「……」

桐生「いきなり変な事を言うかもしれないが…」

マサキ「?」

桐生「お前が俺をこの世界に連れてきたのか?」

マサキ「は?どうゆう事かいな」

桐生「……その反応を見る限り。お前が犯人ではなさそうだな」

マサキ「何を言うとるんや?」

桐生「ああ、実はな…」

マサキ「異世界から来たって?」

桐生「ああ」

マサキ「にわかに信じがたいわな」

桐生「別に無理に信じろとは言わない」

桐生「俺は元の世界に戻るためのついでにポケモントレーナーをやっている」

桐生「そして、遥という少女をさがしてる」

マサキ「ハルカ?」

桐生「ああ、年齢は15か16歳位だ」

マサキ「むむむ、ハルカと言う名前に…15か16の少女なんていくらでもおるしな…」

マサキ「ウチに遊びに来た客人もこれまで大勢おる。せやからわからんわ」

桐生「そうか」

マサキ「すまんのう」

【ハナダジム前】

桐生「色々と寄り道をしていたが、そろそろジムに行くとしよう」

桐生「……ただの屋内プールにしか見えないが、一応ジムらしいな」

桐生「今回は多分、水タイプのポケモンが来そうだ。だがピカチュウ、油断するなよ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「そして…今回は」ポイッ

ポンッ!

ニシキ(コイキング)「ボォォ」

桐生「ニシキ、お前も行くぜ」

ニシキ「ボォォ」ピチピチ

【ジム内】

桐生「……」テクテク

アヤメ「ねえサクラ姉さん、あの人みて」

サクラ「え?」チラッ

桐生「……」

サクラ「カッコいい…///」

アヤメ「なにあの人、私達のファン!?///」

ボタン「ねぇそこのダンディなおじさま!///」

桐生「ん?」

ボタン「もしかして私達のシンクロを見に来てくれたの?」

桐生「シンクロ?いやおれは…」

サクラ「ごめんさいね~今日はもうシンクロタイム終わっちゃったの~」

サクラ「でもおじ様カッコいいから~どう?ハナダ美人三姉妹の私達とお茶でもどうかしら?///」

桐生「いや、だから俺は」

ボタン「いこ!おじさま!///」

桐生「待ってくれ。美人の誘いは嬉しいが、今はそんな事をしてる場合じゃない」

アヤメ・ボタン「美人だなんて…///」

サクラ「あら残念…何か急ぎの用事でも…?」

桐生「ここがポケモンジムと聞いてな。カチコm…バトルをしに来た」

サクラ「あ~なるほど~」

アヤメ「でも私、おじ様と闘いたくないわ~」ギュッ

桐生「おい、離してくれ」ドキッ

ボタン「バッジならタダであげるから~私達とお茶しましょう?」ギュッ

桐生「そういう訳には」

サクラ「行きましょうおじ様///」

桐生「頼むからここのジムリーダーを呼んでくれ」

「ちょっと何やってるのよ姉さん達!」

桐生「ん?」

ボタン「も~これからおじ様とお茶をしに行くのに邪魔しないでよカスミ~」

カスミ「その人はポケモンバトルしに来たのよ!姉さん達は茶化さないこと!っていうか前座としてバトルしないとダメでしょ!」

桐生「お前がジムリーダーのカスミか。俺は桐生だ」

カスミ「ええそうよ。キリュウさん付いてきて!」

桐生「ここはプールじゃねぇか」

カスミ「ええそうよ。ここで勝負をするわ!」

サクラ・アヤメ・ボタン「キリュウさんガンバってー!」

カスミ「ちょっと!姉さん達なんで挑戦者を応援してるの!!」

桐生「お前はあの姉達と性格がだいぶ違うようだな。かなり気が強そうだ」

カスミ「気が強くて悪かったわね!」

桐生「……気が強い女は嫌いじゃないぜ」

カスミ「っ!?闘う前に変な事言わないで!///」

カスミ「もう!いくわよキリュウさん!」バッ

桐生「っ!?」

カスミは上着のジャージをぬいだ!

桐生「……ビックリしたぜ。ちゃんと水着を着てたんだな」

カスミ「当たり前でしょう!何考えてんの!?」

桐生「さて…それじゃ俺も…」バッ

キリュウも上着をぬいだ!

サクラ・アヤメ・ボタン「キャー!凄いマッチョ!!」

カスミ「」

桐生「さあ行くぞ!!」

カスミ(なんか色々な意味で濃いなこの人…)

[VSハナダジム・ジムリーダー・カスミ]

今日はここまで

カスミ「いっけぇ!マイステディ!」ポンッ

ヒトデマン「シュワッ!」

[VSほしがたポケモン・ヒトデマン]

桐生「行け!ニシキ!」

ニシキ(コイキング)「ボォォ」

カスミ「こ、コイキング!?」

ニシキ「ォ、ォォ!」

カスミ「ちょっとアナタ!いくらなんでもなめすぎよ!」

桐生「なに?」

カスミ「コイキングでジムを突破できる訳ないでしょ!」

桐生「闘う前からそんな事を言っている時点で、お前の方が余程バトルをなめていると思うがな」

カスミ「っ!!どうなってもしらないわよ!」

カスミ「ヒトデマン!みずてっぽうよ!」

ヒトデマン「シュワッ!!」

ビシュッ!!バチッ!

ニシキ「オォォ!?」

ヒトデマンのみずてっぽう!ニシキは、はやくも重傷だ!

カスミ「ほら見なさい!コイキングじゃ何もできないわよ!」

桐生「……」

カスミ「とどめをさしなさいヒトデマン!たいあたりよ!」

ヒトデマン「シュワッ!」ダダッ

ヒトデマンはたいあたりをしかける!

桐生「ニシキ!避けろ!」

ニシキ「ォォ」ササッ

ニシキは水中ににげこんだ!

カスミ「ヒトデマン!追いかけなさい!」

ヒトデマン「シュワッ!」

ニシキ「ォ…ォォ!」

ヒトデマン「シュワッ!」

ニシキはひっしに逃げる!だがヒトデマンにおいつかれそうだ!

カスミ「そのままたいあたりをしなさい!」

ヒトデマン「シュワッ!」ドンッ

ニシキ「ォォ!?」

ニシキはプールサイドへふきとばされる!

ニシキ「」

カスミ「ほら見なさい!もう戦闘不能よ!」

桐生「……いや、まだ終わっちゃいない」

カスミ「え?」

ニシキ「ォ…ォォ…」ガクガク

カスミ「まだ意識があったのね。そこらへんのコイキングよりかは打たれ強いようね」

桐生「だてに半年間、飛び跳ねてばかりいた訳じゃないからな」

カスミ「結局とびはねる事しか出来ないんじゃない!?」

カスミ「もういい!ヒトデマン、みずてっぽうで今度こそ息の根を止めなさい!」

ヒトデマン「シュワッ!」

ビシュッ!!

ニシキ「……」ササッ

ニシキはかろやかにみず攻撃をよけた

カスミ「なっ…嘘でしょ!?コイキングが回避した!?」

桐生「よくやったニシキ。そのままなんでも、やぶれかぶれで攻撃してみろ」

カスミ「なによその指示。メチャクチャね。そんな指示じゃポケモンだってどうすれば良いか分からないじゃない!」

ニシキ「ゴォォ!!」ダダッ

カスミ「え」

ニシキはたいあたりをしかける!

ドンッ

ヒトデマン「シュワァァ!?」

ヒトデマンはふきとばされる!

桐生「言ったはずだ。だてに半年間飛び跳ねてた訳じゃないと」

ニシキ「ォ…ォォ…」ヘロヘロ

カスミ「確かに良く育ててるようね…そのコイキング、末恐ろしいわ」

カスミ「でもそのコイキングが覚醒するのは今じゃない。現にフラフラしてるじゃない」

桐生「……良く頑張った。戻れニシキ」ポンッ

ニシキ「ォォ…」

桐生「行って来い!リキヤ!」

リキヤ(アーボ)「シャーボッ!」

カスミ「ヒトデマン!たいあたりよ!」

ヒトデマン「シュワッ!」

桐生「リキヤ、かみつくだ」

リキヤ「シャー!ガブッ!!」

カスミ「っ!!動きが早いわね…」

ヒトデマン「シュワッ!?」

桐生「早いだけじゃない…そいつは普通のアーボと違う、リキヤが得物に噛み付いたら、その得物は最後の最後まで噛み付かれる」

リキヤ「ガブブブ…!」

ミチミチ…!

カスミ「ヒトデマン!水中に入って振りほどきなさい!」

ヒトデマン「シュワ!」

バシャッ!

ヒトデマンはリキヤに噛み付かれたまま、すいちゅうにもぐる
すいちゅうで必死におよいでふりほどく!

~数分後~

プカァァ…

桐生「……水中で激しい攻防が繰り広げられていたようだな」

カスミ「でも勝負が付いたようね。負けたアーボが浮かんでくるわよ」

桐生「いや、リキヤは負けちゃいない」

カスミ「え?」

リキヤ「」

ヒトデマン「」

水面にうかびあがってきたのは、きぜつしたヒトデマンと、噛み付きながら気をうしなったリキヤだ!

カスミ「ひ、引き分け…何なのあのアーボ、執念深いにも程があるわ」

カスミ「でもまだもう一匹いるわ!行ってきなさいスターミー!」

スターミー「フゥゥゥ」

[VSなぞのポケモン・スターミー]

桐生「ピカチュウ、相手はみずタイプだが油断するなよ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

桐生「ピカチュウ、まずはでんきショックだ」

ピカチュウ「ピカッ!」バチバチ

スターミー「~~~ッ!!」

ピカチュウのでんきショック!しかしスターミーは耐えている!

桐生「なに!?」

カスミ「電気技だからって倒せるとは限らないわよ、ウチのスターミーは優秀なんだから!」

カスミ「スターミー!みずてっぽうよ!」

スターミー「フゥゥゥ!」

ビシャァァ!!ズドォォン!

桐生「あいかわらず『みずてっぽう』ってのは、すげぇ威力だ。だがその程度じゃ今のピカチュウに傷1つ付けられないぜ」

ピカチュウ「……」ググッ

カスミ「ガードして耐えてるわね…」

カスミ(それにしてもガードするピカチュウなんてはじめて見たわ。あの身のこなし…まるで格闘ポケモンみたい)

桐生「ピカチュウ!より強力なでんきショックを撃て!」

ピカチュウ「ピ~カ~チュゥゥ!」バチバチ!

カスミ「っ!?あれは…」

スターミー「――――――っ!?」ビクビクビク!

桐生「これはなかなか…今までのでんきショックと威力の規模が違う」

ピッ!

桐生「ポケモン図鑑が反応をしている…」パカッ

『10まんボルト。でんきタイプがとくいとするワザ。つよいでんげきをあびせ、あいてをマヒさせることがある』

桐生「なるほど。コレは10万ボルトなのか」

スターミー「フゥゥ…」ガクガク

スターミーはかろうじていしきをたもっている!

桐生「やるじゃねぇか。そのスターミー…だがもう終わりだ」

桐生「ピカチュウ!かみなりパンチでトドメをさせ!」

ピカチュウ「チュウ!」バチバチ

ピカチュウの全身からたいでんがおこる!そのままとっしんして重傷のスターミーにかみなりパンチをしかける!

カスミ「スターミーよけて!」

バチバチ…ズドォォォン!!!

ピカチュウ「ビガァァ!!」

カスミ「スターミー!!」

スターミー「」

カスミ「なかなか特殊なポケモン達だったわ」

桐生「お前のみずポケモンたちも良く鍛えられているな」

カスミ「はい、ブルーバッジ」

キリュウはブルーバッジをゲットした

カスミ「アナタのコイキングも良く鍛えられていて驚いたわ」

桐生「ああ、だてに半年間跳ねてた訳じゃないからな」

カスミ「ところで…なんでニックネームがニシキなの?」

桐生「……俺の親友の名前だ。今はもういないがな」

カスミ「……そう」

桐生「……」

カスミ「せっかくだし良い事を教えてあげる」

桐生「え?」

カスミ「コイキングはね。進化するととんでもなく強くなるらしいのよ。特にそのコイキングはよく育てられてるから末恐ろしいわね」

桐生「鯉が滝を登りきると、強くなるという事だな」

カスミ「ただそのかわり、かなり凶暴になるらしいから気をつけてね。コイキングの進化形態ギャラドスを手懐けるのは難しいって聞くわ」

桐生「出世した後に凶暴になる…アイツと一緒じゃねぇか」ボソッ

カスミ「その親友さんも…悪者になっちゃったの?」

桐生「……ニシキ、いや錦山は男気、任侠あふれる自慢の親友だ」

桐生「だからアイツのように強く育ててみせる。俺から言えるのはそれだけだ」

カスミ「そっか…その親友みたいに強くなる事を願ってるわ」

桐生「それじゃ俺はこの辺で…」

サクラ「ねー待ってキリュウさーん」

アヤメ「私達とデートは?」

ボタン「カスミの相手ばかりしてずるーい!」

カスミ「誤解を招くような事いうなー!」

桐生「いや、すまん。俺は次の場所へいかないと」

ボタン「もー!私達のような美女に囲まれてなんで、旅を優先するの?」

アヤメ「もしかしてホモ?」

桐生「違う!!!」

桐生「俺は、遥を探しているんだ」

全員「ハルカ?」

桐生「ああ…歳は15か16位だ」

カスミ「ん~ハルカなんて名前ありふれてるし…会った事あるような、無いような…」

ボタン「もしかして桐生さん、ロリコン?」

桐生「違う!!!」

サクラ「じゃあ、別に彼女がいるとか?」

桐生「……今はいない」

サクラ・アヤメ・ボタン「……いまは?って事は」

桐生「それじゃ、おれは…」

サクラ「どんな人と付き合ってたの!?」グイグイ

桐生(しつこい…しょうがない、ここは正直に言うか)

桐生「彼女とはそれぞれの目的を果たす為に一旦別れた。それで目的を果たしつくした時、もしも互いに感情が残ってるなら一緒になろうと約束した」

全員「おおお…なんてプラトニック…」

サクラ「それで、どんな人だったの?」

桐生「かなり強引で…だが正義感に満ち溢れていて…それで…」

桐生「……分かりやすく言うとカスミみたいな奴だった」

カスミ「え、えええ!?///」

桐生「俺から言えるのはそれだけだ。それじゃ次のジムへ向かう」

カスミ「///」プシュウゥゥゥ

ボタン「あ、ちょっと待ってよキリュウさん!」

ボタン「良いなカスミ~あんた脈アリだよきっと」

サクラ「また遊びに来てねキリュウさん!」

桐生(さて、次はヤマブキシティかクチバシティだったか?)

キリュウはくどいてるじかくなし!

【クチバシティ】

桐生「ヤマブキシティに行こうとしたら通行止めを喰らった…なにやら必死に通さないようにしていたな」

桐生「理由が気になるがヤマブキシティはまたあとにしよう」

桐生「それで遠回りしてここまで来た訳だが…」

桐生「ここがクチバジムの敷地か…なにやら門の前にデカイ木があるな」

挑戦者1「よいしょ…よいしょ…ぜぇぜぇ」

挑戦者2「このデカイ木はどうにか成らないのか…邪魔すぎる…」

桐生「挑戦者はみな、木をよじ登ってやがる」

桐生(ここのジムトレーナーは土地の管理がまるでなってねぇな)

~~~~

桐生「挑戦者全員この木を乗り越えたな。よし、この木をどうにかするか」

ピカチュウ「ピカピカッ!」

桐生「まてピカチュウ。ここは俺に任せろ」

ピカチュウ「ピカッ?」

桐生「そのかわり、頼みがある」

桐生「さっき道端で拾ったこの鉄パイプを、電熱で剣に変えてくれないか?」

ピカチュウ「ピッピカ!」

バチバチ!!

ピカチュウの電熱により、鉄パイプが剣へと形を変えた!

桐生「ありがとう…よし」ゴゴゴゴ

キリュウはぜんしんから青白いオーラをはなつ!

桐生「うおぉぉぉ…!!」

秘剣・荒れ牛(いあいぎり)を起こす!

ズバッ…ドォォン!!

木は真っ二つになり地に落ちる!

ピカチュウ「」

桐生「これでスッキリしたぜ。いくぞピカチュウ!」

【クチバジム・マチス戦にて】

マチス「ユーが次の挑戦者か?」

桐生「ああ」

マチス「ふん!ピカチュウじゃウチのライチュウに勝てないネ!」

桐生「どうかな。ウチのピカチュウはそこらのピカチュウと違うぜ」

マチス「ほう、では実力を見せてもらおうカ!」バッ

桐生「おう!!」バッ

マチスとキリュウは上着を脱いだ!

[VSクチバジム・ジムリーダー・マチス]

マチス「ゴー!ライチュウ!かみなりで攻めロ!」

ライチュウ「ライライ!チュー!!」バチバチ

ボゴォォン!!!

桐生(かみなりか…前に10万ボルトを覚えたばかりだ。でんき対決じゃ敵わん)

ピカチュウ「っ!!」

ピカチュウは、ライチュウのかみなりにちょくげきする!

ピカチュウ「ケホケホ…ピッピカ…」フラフラ

桐生「同じでんき系統であるにも関らず、でんきワザでピカチュウにこれだけのダメージ…なかなかやるぜ」

マチス「HAHAHA!どうした、他のピカチュウとは違うんじゃないのカ?」

桐生「ああそうだ。ピカチュウ!目に物をみせてやれ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

バチバチ…バチバチ…

ピカチュウはぜんしんから帯電をおこす!

ピカチュウ「……」ススッ

桐生「ん?ピカチュウ…」

マチス「ホワッツ??」

ピカチュウは人差し指を立てる

ピカチュウ「ピッ、ピカチュウ(一発だ。キミを一発でたおしてみせる)」

ライチュウ「ラ、ライ!?(な、なに!?)」

ピカチュウ「ピカピカ、チャー(さあ覚悟するんだ、ライチュウ)」

ライチュウ「ライラー!!チュー!!(なめやがって!!下位互換のくそガキがぁぁ!!)」

マチス「オー…たしかにそこらのピカチュウと違うネ。イッツ、クレイジー!」

桐生「一発Ko宣言とは…そういや俺も前にそんな事をやったな」

マチス「ライチュウ!そのクレイジーベイビーにメガトンパンチでお仕置きネ!」

ライチュウ「ライ!!ラァァイ!(死にさらせ!!下位互換のクソガキ!!)」

ピカチュウ「ピィ~カァァ~…!」

バチバチ!バチバチ!

ピカチュウの全身から凄まじい帯電が起こる!
ピカチュウのヒートゲージはマックスだ!

桐生「やれピカチュウ、究極の極みだ!」

ライチュウ「ライラー!!!」ブンッ

全身に帯電を起こしたライチュウは、いかりのメガトンパンチをしかける!

ピカチュウ「ビガァァ!!」

ピカチュウは究極の極みを起こす!

[VSねずみポケモン・ライチュウ]

ライチュウ「ライラー!!!」

ピカチュウ「ビガァァ!!!」

――拳がぶつかり合うその刹那、激しい電撃が辺りいったいを襲う
光に包まれて激しいぶつかり合いは両者のトレーナーには見えない

激しい雷の音が室内中に轟く

やがて光が消えると一匹のポケモンの悲鳴が響く

ライチュウ「ライラァァー!!(ぐあああぁぁ!!)」

ズドォォン!!

ライチュウと呼ばれたピカチュウの進化形態は、いきおいよく壁まで吹き飛ばされ、そのまま激しく壁にめり込む

ライチュウ「ライ…(下位互換の分際で…)」グッタリ

ピカチュウ「ピカッ(弱いじゃないか、上位互換)」

極!

桐生「成長したな、ピカチュウ」

ピカチュウ「チャー(キリュウの兄貴のおかげだよ)」

桐生「マチス、俺の勝ちだな」

マチス「……」

桐生「さあ、バッジをよこせ」

マチス「ノー、まだ闘いは終わってないネ」

桐生「なに?」

マチス「ミーとバトル!キリュウ!」

桐生「……」

桐生「ふん、いいだろう」

桐生「ピカチュウ、あとリキヤとタチバナ。あとの事は任せた」

ピカチュウ「ピカッ!」

マチス「ゴートゥーヘル!!キリュウゥゥゥ!!!」

桐生「うおおおお!!!」

~~~

ドス!ドガ!バキ!

ムサシ「ね、ねぇ…あの二人、何やってるの?」コソコソ

桐生「オラァァ!!」

ドス!

マチス「ヘイ!!カモォンベイベェェ!!」

ドゴォ!

コジロウ「さ、さあ…」

ニャース「ピカチュウを今日こそ奪おうかと思ったら、珍しくライチュウと戦ってるからつい夢中になって観戦してたら…」

コジロウ「ピカチュウが究極奥義とやらを出して…」

ムサシ「勝ったと思ったら今度はポケモントレーナー同士が肉弾戦をおっぱじめる始末ニャ…」

マチス「オラ!!」

桐生「せいや!!」

ドス!ドガ!バキ!

~~~

ライチュウ「」グッタリ

ピカチュウ「ピカピカ(兄貴とマチスが戦っている間に、ボクたちが上位互換をポケモンセンターへ連れいていこう)」

リキヤ(アーボ)「シャーボ!(キリュウの兄貴とマチスのバトル、見たかったぜ!)」

タチバナ(ズバット)「キキキキィ(ライチュウさん完全に気絶してますね。ピクリとも動きません)」

【10分後】

マチス「ゼェゼェ…キリュウ…ベリーストロング…」

桐生「俺の勝ちのようだな、さあバッジを寄こせ」

マチス「オーケー…オレンジバッジネ…」

キリュウはオレンジバッジをゲットした!

桐生「お前のライチュウは既にポケモンセンターに連れて行っている。安心しろ」

マチス「セ、センキュー…」

桐生「それじゃあな」

マチス「またいつか、リベンジしたいネ…キリュウと二つの意味デ」

桐生「そうか、いつかまた遊びにきてやる」

マチス「約束ネ…」

マチス「」ガクッ

マチスはきぜつした!

トレーナー達「オーノー!ボスゥゥ!!」

桐生「さて、ポケモンセンターに行ってピカチュウたちを迎えに行くか」

【港・サントアンヌ号まえ】

桐生「船か…俺にとって船の思い出は、闘った記憶しかないな」

ピカチュウ「ピカピカッ!(兄貴!遊びに行こうよ!)」

桐生「そうしたい所だが、あいにくチケットも無いし、買う余裕も無い」

ピカチュウ「チャー…」グスッ

桐生「すまんな」

桐生「だが俺はこの船にようがある」

ピカチュウ「ピカッ?」

~~~

桐生「桐生と言うものだが、アンタは船の受付係か?」

受付「はい。キリュウ様はこの船をご利用に?」

桐生「残念だが客ではない」

受付「はぁ、ご用件は?」

桐生「この船はいつからこの港に停泊している」

受付「2週間です」

桐生「随分と長く停泊しているんだな。それでもう1つ聞きたいことがある」

桐生「ここの客に澤村遥という少女は来ていないか?俺は保護者なんだが…」

受付「少々お待ちください」

~~~

受付「お待たせしました」

桐生「それでそうだった?」

受付「はい。記録によりますと、サワムラハルカ様が宿泊した記録がありました」

桐生「っ!!?本当か!!」

受付「ただ…サワムラハルカ様は1泊だけして、その後すぐに出て行ってしまいました」

桐生「……」

桐生(遥…やっぱりこの世界に…)

桐生「ドコへ向かったか分かるか?」

受付「申し訳ございませんが、分かりかねます」

桐生「……そうか。ありがとう」

桐生(すれ違いか…残念だ)

桐生(一先ず、次の目的地へ行くとするか)

今日はここまで

――シオンタウンでポケモンタワーの内部を少し見学した後、桐生たちはタマムシシティへ向かう

【タマムシシティ】

桐生「ここがタマムシシティか、なかなか都会的な場所だ」

桐生「バトルだけじゃなくてここで色々と用をたせそうだ」

桐生「だがまずはジムリーダーの所へ行こう」

【タマムシシティ】

おとなのおねえさん「あら~いらっしゃい」

ガールスカウト「なかなかハンサムの人が来たわね!」

エリートトレーナー「色男は歓迎するけど、手加減しないわ」

桐生「……」

桐生(前のハナダジムと良い、このジムまで女ばかりいるな。どうも調子が狂うぜ…こういうのは飲み屋だけにしてほしい)

桐生(そういやこの世界には、キャバクラや風俗店といった女性がサービスする店が全然ないな…恐ろしいほど健全だな)

桐生「ポケモンバトルを申し込みに来た。エリカと会わせてくれ」

おとなのおねえさん「あら、ではその前に」

ガールスカウト「私達の相手をしなさい!」

エリートトレーナー「格の違いを見せてあげるわ!」

桐生「ああ。ではこちらも全力で立ち向かうとしよう」

桐生(ハナダジムの時みたいに逆ナンパされなくて助かった)

【ジムトレーナー戦後】

桐生「お前達、ご苦労だったな」

タチバナ(ズバット)「ゼェゼェ……キ、キキキ…(くさタイプの血、いや養分はマズイです)」

リキヤ(アーボ)「シャーボッ(ハッパカッター地味に痛いっス)」

ニシキ(コイキング)「」グッタリ

桐生「皆、疲弊しきっているが特にニシキは一番つらそうだな」

桐生「だが動きのキレが良くなって来ている。もう少しで進化するかもな」

おとなのおねえさん「あら、結構なお手前」

ガールスカウト「でもエリカさんは簡単には倒せないわよ」

桐生「わかってるさ。よしピカチュウ、最期はお前がいけ」

ピカチュウ「ピカピカッ」

~~~~

エリカ「すぴー…すぴー…」

桐生「……」

エリカ「…ん、寝てしまってましたわ」パチッ

エリカ「わたくしはタマムシジムのエリカと申します…あら、とても男前な殿方だこと。挑戦者ですか?」

桐生「ああ桐生だ。勝負しろエリカ」

エリカ「わかりました。でもわたくし、負けませんわよ」

桐生「……」バッ

キリュウは上着をぬいだ!

おとなのおねえさん「まあ!///」

ガールスカウト「すごいからだ…///」

エリートトレーナー「……///」ゴクリ

桐生「さあいくぞピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピカ!」

エリカ「キャッ!?」ビクッ

桐生「あ…すまん、つい癖で脱いでしまった…今上着を羽織りなおす…」

エリカ「……なるほど、それが今の流行なのですね」

桐生「え?」

エリカ「わたくしの無知、どうかお許しください」ペコッ

桐生「いや、別に流行とかじゃないが」

エリカ「ではわたくしも脱ぎましょう」

桐生「おい!?」

エリカ「せい」バッ

エリカの上着がはだける!

桐生「ビックリしたぜ。ちゃんとサラシを巻いていたんだな」

桐生(あの格好でチンチロリンとかやらせたら筋モンに見えなくも無いな)

桐生「一応、俺も腹にサラシを巻いておくとしよう」ススッ

エリカ「さあキリュウさん、勝負です」

[VSタマムシジム・ジムリーダー・エリカ]

エリカ「いきなさいラフレシア」

ラフレシア「ラッフラフ~」

[VSフラワーポケモン]

エリカ「ラフレシア、まずはしびれごな!」

ラフレシア「ラフラフ~」

パァァァァ

桐生「……粉?」

ピカチュウ「……っ!!」ビクッ

ラフレシアのしびれごなで、ピカチュウのからだがしびれてしまった
ピカチュウは自由にうごけない!

ピカチュウ「ピ…ピピ…」ガクガク

桐生「チッ…動きを封じられた…」

エリカ「ラフレシア、今度はいあいぎり!」

ラフレシア「ラフ!」

ズバッ!

ピカチュウ「ッ!!!」

ラフレシアのいあいぎりがかなり効いている!

エリカ「次はねむりごなよ!」

ラフレシア「ラフラフ~」

パァァァァ

ピカチュウ「チャ~……」バタッ

ピカチュウは寝てしまった!

桐生「チッ…マズイ、完全に向こうのペースだ」

エリカ「こんどはがっぱカッターよ」

ラフレシア「ラフッ!」

ズバッ!

ピカチュウ「ピカッ!?」

寝ているピカチュウに、ラフレシアははっぱカッター!

ピカチュウ「ピ~カ~」

桐生「今の攻撃で目は覚めたようだな」

エリカ「もう一度ねむりごなよ!」

桐生「何度も同じ手にはひっかかるわけにはいかん」

ピカチュウ「ピ、ピカ…」ガクガク

桐生「まだ痺れが残っているようだが耐えろ。フラッシュでラフレシアの動きを止めろ!」

ピカチュウ「ピカッ!!」バチバチ

カッ!

ラフレシア「っ!!」ビクッ

ピカチュウのフラッシュ!ラフレシアはしびれごなを出せず、まぶしさのあまり怯む!

桐生「一瞬ひるんだな…よしピカチュウ。でんこうせっかだ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

ピカチュウは全身がしびれながらも、でんこうせっかをきめる!

ドゴォォ!

ラフレシア「ラフッ!?」

エリカ「ラフレシアが凄い勢い壁まで…まだ状態異常が続いているのに。少なくとも力は半減されているはず」

エリカ(見た目はあんなに可愛らしいピカチュウなのに…まるで格闘ポケモンと同じような力を…)

桐生「ピカチュウ、ラフレシアの体をつかんで10万ボルトだ」

ピカチュウ「ピカッ!」バチバチ

ガシッ

ラフレシア「ラッ!!」ビクッ

桐生「その状態で大きくジャンプしろ。トドメにパイルドライバーだ!」

ピカチュウ「ピカピカ~」ピョン

ラフレシア「!?」

ピカチュウ「ビガァァ!!」

ドゴォォン!

ピカチュウはラフレシアをつかみながら10まんボルト!そのじょうたいでジャンプしてパイルドライバーをきめる!

ラフレシア「」

ラフレシアはきぜつした!

エリカ「ラフレシア!……どうやら普通のピカチュウでは無いようですわね」

桐生「俺のピカチュウはそこらのポケモンと鍛え方が違う」

エリカ「では次は…ウツボット!お願いします!」

ん?アニポケって状態異常重複したっけ?

――その後もエリカの的確な指示、洗練された草タイプに翻弄されながらも、桐生のピカチュウは辛うじて勝利をつかむ

桐生「よくやったピカチュウ」

ピカチュウ「チャ、チャ~…」バタッ

ピカチュウは疲労のあまりたおれる

エリカ「お見事ですわ。それほどの疲労を溜め込みながら…」

エリカ「ではレインボーバッジを差し上げます。それとわざマシン21を」

桐生「ありがとう」

キリュウはレインボーバッジとわざマシン21をてにいれた!

桐生「わざマシン21…メガドレイン。覚えられるのはズバットとアーボ…」

桐生「よしいくぞ」

タチバナ(ズバット)「キキキ!」

リキヤ(アーボ)「シャーッ!」

タチバナとアーボはメガドレインをおぼえた!

桐生「……俺も覚えられるだろうか」

ブブー!

桐生「……」

キリュウはメガドレインを覚えられない!

ジムトレーナー達「クスクス」

エリカ「あらあら、キリュウさんは面白いお方ですわね」

桐生(大恥をかいた…)

>>143
すまん、これはウチのSSの独自設定でやってる(>>1に明記)
わざマシンが2回以上使用できたり、ワザが5つ以上使用できるのもそれが理由

【タマムシシティ】

桐生「ポケモンセンターでピカチュウたちも回復させた事だし…この町で遊んでいくか」

桐生「もしかしたら遥もみつけられるかも知れないしな」

桐生「しかしこの世界は本当に健全だな…風俗店が全然ない。シンジには向きそうにない世界だが」

桐生「ん、あれはゲームコーナー…?」

【ゲームコーナー】

桐生「……スロットか。どうやら賭博の様な物は存在するようだな」

店員「いらっしゃいませ」

桐生「なあ、景品はどんなのがあるんだ?」

店員「景品は以下の物になります」スッ

桐生「ふむ、色々あるんだな」

桐生「……ん?」

・わざマシン23(りゅうのいかり)…コイン3300枚

桐生「」

桐生(りゅうの…いかり…だと!?なんだこのいかにも強そうな名前のワザは…!)

桐生「他には何か」

桐生「なっ…!!」

・ミニリュウ…コイン2800枚

桐生「」

桐生「ミニ…リュウ…」

桐生「……龍、か」

桐生「……」ウズウズ

[サブストーリー:金をかせげ!]

【タマムシジム】

エリカ「あらキリュウさん。どうされましたの?何かお忘れ物でも」

桐生「いや…実はアルバイトをしようと思って」

エリカ「アルバイト?」

桐生「この街にはゲームコーナーがあるだろ?どうしても景品があった」

エリカ「まあ、それほどまでに欲しい物が」

桐生「だが手元にある小遣いだけじゃ多分、すって終わるだろう」

桐生「ポケモンの為とは言え、これ以上オーキドの爺さんに金をたかるのも良心が痛む」

桐生「できれば日給制が良い。何か良いバイトはないか?」

エリカ「そうですわね…では付いてきて下さいませ」

~~~

桐生「ここは…」

エリカ「わたくしのお父様がオーナーで経営している、喫茶店ですわ」

桐生「喫茶店…なかなかキレイで品のある内装だな」

エリカ「ここでウェイターとして働くのはどうでしょうか?」

桐生「ああ、わかった。感謝する」

エリカ「因みに店員ですが、タマムシジムにいたトレーナーの子達が働いてますわ」

桐生「あのジムトレーナーの奴らか」

エリカ「わたくしもときどき手伝ったりするのですが…ちょっと困った事が」

桐生「どうした」

エリカ「お父様が最近、他の事業で忙しくてなかなかコチラに顔が出せないという事と」

エリカ「店長だったお方だ最近、体調不良で入院中なのです」

エリカ「その影響でしょうか、最近は喫茶店も売り上げが悪くて」

桐生「……」

桐生(……なんだろうかこの流れ。デジャブか)

エリカ「だから…その…」

エリカ「もしキリュウさんさえ良ければ…経営の方も任せてもらえないかと…」

桐生「……要するに単なるウェイターだけでなく、代理店長をやってほしいって事か」

エリカ「……やっぱりこんなの出来ないですわよね?普通のウェイターとしての方が」

桐生「良いだろう。ウェイター兼任で代理店長を引き受けよう」

エリカ「え、本当ですか!?」

桐生「一応、過去に似たようなことをした事がある」

エリカ「前職はどんなことを…?」

桐生「東城会という極d…いや何でもない。離島で養護施設、その後はタクシードライバーだ。たまに飲み屋の手伝いもしていた」

エリカ「まあ、経験豊富なのですね」

桐生「それじゃ…早速、売り上げをあげるために色々と提案をしようと思うが…」

桐生「元はエリカの親父さんの店だ。お前も相談とかに乗ってもらえないか」

エリカ「勿論ですわ」

桐生「まずは店員の制服だが…ごく一般的なウェイターとウェイトレスの格好のようだが…」

エリカ「何か問題が…?」

桐生「いや、問題はないが…なにか個性に欠けてるかもしれん」

桐生「お前がいつも来ている着物を着てみるとか、あるいは…」

エリカ「あるいは…?」

桐生「……」

桐生(そういえば俺がいた世界では、メイド喫茶とか言うのも流行ってたな)

桐生「う~ん、だがしかし…何かやっては成らない気が…」

エリカ「キリュウさん、悩んでいる様ですが、何か案があるのなら何でも仰ってくださいませ」

桐生「…メイド服なんてどうだ」

エリカ「メイド服…」

桐生「あ、いや。やっぱり忘れてくれ。和服の方が良いにきま」

エリカ「良いですわねメイド服!ぜひ取り入れましょう!」

桐生「お、おう」

エリカ「それで店内の内装はどういたしましょう?」

桐生「そうだな…タマムシジムの様に、自然をテーマにした内装を…」

【数日後・タマムシ喫茶店】

ワイワイ、ガヤガヤ

エリカ「凄いですわキリュウさん!お客様が沢山きてますわ!」

桐生「ああ」

ピカチュウ「チャ~(さすが兄貴)」

桐生(女性スタッフの制服はメイド服、内装はわびさびを感じさせる落ち着きある物に変えた)

桐生(他にも接客の対応を一から指導した事もあって、スタッフ達の心遣いも随分改善した)

桐生(だが注文したメイド服だが…心なしか、スカートが短すぎる気がする)

女性客(あの人カッコイ…///)

女性客「あのーすいません」

桐生「はい、いま参ります」

桐生(女性スタッフは男の客に、俺は女の客の対応する事になった)

桐生(因みに男性スタッフの格好は普通のウェイター用の制服だ)

~~~

エリカ「今日もお勤めご苦労様です」

桐生「ああ」

エリカ「今日のお給料ですわ」

キリュウは給料を手に入れた!

桐生「で、あしたは非番で良いんだよな?」

エリカ「ええ、ゆっくり休んでください」

桐生「……ゆっくりしている暇などないがな」

桐生「エリカ、悪いがピカチュウを預かってもらえないか?明日はずっとゲームコーナーにいる」

エリカ「ええ、構いませんわ」

ピカチュウ「ピカピカ~(兄貴がんばって~)」

【休日・ゲームコーナー】

桐生「……」

ジャラジャラ…

店員「あ、あのお客凄いな…さっきから当たりを出しまくっている…」

店員2「てか集中力がすごすぎでしょ、とても声をかけられる雰囲気じゃない」

ロケット団員1「ん?」

店員1「どうしました?」

ロケット団員1「あれは…もしかして暴力ポケモントレーナーのキリュウじゃ」

店員全員「え!?」

ロケット団員1「ええっと…ウチの本部で写真つきの手配書が届いてるんだ」

ロケット団員1「ああやっぱり!俺達の同胞を散々と痛めつけてきた極悪非道の男だ!」

ロケット団員1「おい!アイツをたたき出せ!」

店員1「いやいや!無理ですから!」

店員2「凄い集中してるし、声かけづらいですから!」

ロケット団員1「チッ…しょうがねぇな」

ロケット団員1「おい、お前…暴力ポケモントレーナーのキリュウだな?」

桐生「……」

ジャラジャラ

ロケット団員1「よくも俺達の同胞を傷つけたな!人間に暴力なんて頭がどうかしてるぜ!」

桐生「……」

ジャラジャラ

ロケット団員1「おい聞いてるのか!」

ロケット団員1「お前のようなこの世界のオキテを守れないような奴は、この店での利用を禁止する!出て行け!」

桐生「……」

ジャラジャラ

ロケット団員1「無視してないで早く出て行け!ここは俺達ロケット団が運営しているんだ!」

桐生「……」ピタッ

桐生「……」ガタッ

ロケット団員1「ったく…初めから素直にいう事を聞け。さっさと出て行け」

桐生「……」ブンッ

ドォォン!!

キリュウは無言でロケット団員に壁ドンをする!

ロケット団員1「」

桐生「いま良い所なんだ。邪魔をしないでくれ」ギロッ

ロケット団員1「は、はい…」ヘナヘナ

店員全員(あの客に逆らうのだけはよそう…)

今日はここまで
ちょっとアンケートをとります

※桐生さんがゲットする予定の、ミニリュウのニックネームは何が良い?

① 桐生さんの今は亡き弟分・田中シンジ

② 元近江連合の幹部・ラスボスの郷田龍司

亡くなった仲間キャラで統一するつもりでしたが、龍司という線もありだな~と思ってました
決まったニックネーム次第で、キャラの性格と、エンディングの内容を変えていこうと思います

ちなみに最後の6匹目はどのポケモンにして、誰の名前にするか決めてます

締め切りは2月1日の深夜0時

アンケートありがとう
投下します

【数週間後】

ドサッ!!

桐生「ほら、6100枚のコインだ」

店員「」

ロケット団員「」

桐生「景品のわざマシンとミニリュウをくれ」

店員「ど、どうぞ…」

桐生「……」

ロケット団員「チックショー!覚えてろ!」

桐生「金を払ったんだ。文句を言われる義理はない」

桐生(しかし賭博やる場所にゴロツキが関っているのはどの世界も変わらないモンだな)

桐生「ともあれ…わざマシンと…」

桐生「ミニリュウ!ゲットだぜ!!」

桐生「でてこい!ミニリュウ!」ポンッ

ミニリュウ「リュゥゥ」

桐生「今日から俺がお前のトレーナーだ。よろしくな」

ミニリュウ「リュウ!」

桐生「さて…恒例のニックネーム決めだが…」

桐生「龍の刺青を入れているスジモンは数多くいる」

桐生「渋澤は絶対に無いとして。まあ郷田龍司でも良いんだがな…うーん…」

桐生「……」

桐生「俺の背中を追って東城会に入門した奴がいた。今はもうこの世にいない…大事な弟分だった男…」

桐生「今日からお前の名前は…シンジだ!」

シンジ(ミニリュウ)「リュウウゥゥゥ」

シンジ(ミニリュウ)がなかまになった!

桐生「さて、わざマシンでさっそく技を覚えさせるか」

桐生「いくぞ!」

シンジ「リュウウゥ!」

ピコン!

シンジはりゅうのいかりをおぼえた!

桐生「……まだあと数回は使えそうだ」

桐生「よし俺も…!」

ピ…ピ…ピ…ピ…

桐生「……閃いた!」

桐生「天啓が!来た!」

ピコン!

キリュウもりゅうのいかりをおぼえた!

桐生「よし!!!」グッ

【タマムシジム】

桐生「ん、なんだ…?」

ジムトレーナー達「うぅぅ…ぐす…」ボロボロ

エリカ「酷いですわ…」ボロボロ

桐生「お前達どうした。なぜ泣いている」

エリカ「実はついさっき、一般の挑戦者に変装してたロケット団が襲撃にきまして…」

エリカ「掃除機のような機械で、ピカチュウや私達のモンスターボールを吸い込み、盗まれてしまいましたの…」

桐生「アイツら…」グッ

エリカ「今から通報をしようと思います」

桐生「その必要はねぇ。いま俺が取り返しに行く」ダダッ

エリカ「え…?」

【ゲームコーナー】

ロケット団員「今度は何のようだ。またスロットしにきたのか?」

桐生「違う。お前ら、俺とエリカたちのポケモンをどこに隠した?」

ロケット団員「さぁ~?なんの事だからサッパリだ」メソラシ

桐生「正直に吐け」ガシッ

ロケット団員「ちょ…待てよ!胸ぐら掴むなよ!」

桐生「どこへ隠したんだ」

ロケット団員「俺は何もやってない。やったのはムサシとコジロウ達だ」

桐生「やはりアイツらか。ドコにいる」

ロケット団員「教えて欲しければポケモンバトルだ!」

桐生「ふん!!」

ボゴォォン!!

ロケット団員「ゴハァァ!?」ガクッ

キリュウはハラパンをきめる!

桐生「ポケモンバトルはこの一件にケジメをつけてからだ。早く吐け」

ロケット団員「ウワサ通りの…暴力主義だな…」

桐生「これ以上痛い目に合いたくなければ教えろ」

ロケット団員「ちっ!わかったよ…地下室にいるよ!」

桐生「そうか」

【地下室・廊下】

ピカチュウ「ピカピカ!(キリュウの兄貴!)」

桐生「ピカチュウ!流石だな…自力で脱獄したんだな」

ピカチュウ「チャー(でもモンスターボールの場所がわからないんだ)」

桐生「そうか、ならこの地下室内部を片っ端から…」

コジロウ「そこまでだ」

桐生「む、来たな」

ムサシ「そこのピカチュウは私達ロケット団のものよ!」

桐生「……」コツコツ

ムサシ「何だかんだと聞かれたら」

桐生「……」ダダッ

コジロウ「答えてあげるが世の情け」

桐生「情けは無用だ、オラァァ!!」

ドゴォォン!!

コジロウ「ゴハァァ!!?」

キリュウは本気のハラパンをきめる!

コジロウ「なんでいつも…オレ…だけ…」

バタッ

ムサシ「!?」

ニャース「お前いい加減にしろニャ!どうしてポケモンバトルで事を決しないニャ!」

桐生「ふんっ!!」ガシッ

ドゴォォン!!

キリュウはニャースの顔面をつかみ地面にたたきつける!

ニャース「フンギャ!」

桐生「バトルなら受けて立つ。ただしポケモンバトルはケジメを終えてからだ」

ピカチュウ「ピカピカ!(ケジメをつけろ、ロケット団!)」バチバチ

ムサシ「ひぃぃぃ!ピカチュウのでんき攻撃がぁぁ!」ガクガク

桐生「待て、ピカチュウ。コイツは俺が処理する」ギロッ

ピカチュウ「ピカッ」

ムサシ「ひぃぃ!?しょ、処理ですって!?」ガクガク

桐生「……」テクテク

ムサシ「やだ!来ないで…」ガクガク

桐生「……」ポンッ

ムサシ「イヤーーッ!!……あれ?」

桐生「お前らいつまでこんな事を繰り返す気だ?」

ムサシ(何もしてこない…?)

ムサシ(ていうか今まで、私だけには手を出さなかったわね…)

桐生「もうこんな事やめろ」

ムサシ「止めろと言われて止めるなら、とっくにやめてるわよ」

桐生「物分りの悪い奴だ…せっかくの美人が台無しだぜ」

ムサシ「は?…はぁぁぁ!?///」

桐生「この地下室のドコかにモンスターボールがあるんだよな?あとは俺達が探す。コジロウとニャースはお前が持ち帰れ」

桐生「じゃあな」テクテク

ムサシ「……」

ムサシ「な、なによアイツ!かっこつけて…バッカじゃないの!!///」カァァ

【タマムシジム】

エリカ「喫茶店の経営建て直しだけでなく、わたくしたちのポケモンまで取り返しに来てくれるなんて…なんとお礼を言ったらいいのか」

桐生「気にするな」

桐生「ついさっき、おれはゲームコーナーで欲しかった景品を手に入れてきた」

桐生「明日は別れの挨拶のために出勤して、明後日には次の町に出発しよう思う」

エリカ「キリュウさん、本当にありがとうがざいます」

桐生「ところで次の町のヤマブキシティに行きたいんだが、なぜかずっと通行禁止になっているんだ」

エリカ「そういえばいま、ヤマブキシティには入れないというウワサをわたくしもお聞きしましたわ」

桐生「どうすればヤマブキシティに行けるか分かるか?」

エリカ「そうですわね、わたくしにはどうすれば良いか…」

桐生「そうか」

エリカ「もうしわけございません…力になれなくて」

桐生「いや良いんだ」

【その日の夜】

ピカチュウ「ピカッ!」

桐生「ん?どうした」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「なに?お前も『りゅうのいかり』を覚えたいのか」

桐生「だがお前はどうみても覚えられそうにないんだが…」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「まあダメもとでやってみるか」

わざマシンをきどうする!

ピカチュウ「……」

ブー!

ピカチュウ「チャ~…」ガクッ

桐生「やはりダメだったか」

ブーー!ピ、ピピ…ピピ…

桐生「え?」

ピコ、ピコ…ピンポン!

ピカチュウ「ピカッ!!」

奇跡的が起きた!ピカチュウもりゅうのいかりを覚えた!

桐生「不思議な事もおきる物だな」

――2日後、桐生はエリカたちと別れタマムシシティをあとにする
ミニリュウの歓迎会を盛大に開いたあと数日間、ヤマブキシティに行く為の情報の収集に各地を放浪した

その果てに辿り着いた先がシオンタウンだった

【シオンタウン】

桐生「またここに来ちまったぜ…ポケモンタワーは前にほんの少し見学したしな…」

桐生「ここにいる住人達に聞いて回るしかないか。どうすればヤマブキシティに行けるか」

桐生「ん?」チラッ

ピカチュウ「ピッ!?ピカ!!」

桐生「ああ、ロケット団員たちが大量に倒れていやがる」

ロケット団員達「」グッタリ

桐生「いったい何があったんだ?」

住人1「ロケット団たちは奴を怒らせてしまったのさ」

桐生「……奴?誰の事だ」

住人1「まあ我々にとっては都合がいい」

桐生「誰なんだ、その奴とは」

住人1「すぐに分かるさ。まだこの辺で暴れまわっているはずだ」

ギャアアアアア!!!

桐生「今の悲鳴は…」

コジロウ「早く逃げろ!!殺される!!」

ムサシ「ひぃぃ!!」

ニャース「ンニャー!!」

ドンッ!!

コジロウ「あ、すいませーん…ってキリュウ!?」

桐生「またお前らか」

コジロウ「うわぁぁ!!今度はキリュウだ!どうすればいいんだ…おれ、死んじゃうよ…」

桐生「おいどういうことだ。別に俺は何もしないぞ」

コジロウ「え?」

桐生「少なくとも今のオレに、お前を殴る理由は無い」

コジロウ「アンタ…俺達を襲わないのか…」

桐生「それよりもお前どうしたんだ…頬とわき腹に切り傷があるぞ」

コジロウ「さっき刃物で襲われたんだ……たのむ!助けてくれキリュウ!!」

コジロウ「このままだとオレたち殺されてしまうんだ!」

桐生「わかった。今回は仕方なく助けてやる」

桐生「で、一体誰なんだ?お前達を殺そうとしている奴は」

コジロウ「そ、それが…頭おかしいんだアイツ!」

ニャース「キリュウなんか比にならない位、危ない奴ニャ」

ムサシ「あれは真性のキチガイよ」

桐生「なぜそいつはお前達を襲う」

コジロウ「実はウワサで、キリュウのピカチュウ以上に力のあるポケモンがいるって聞いて」

桐生「オレのピカチュウ以上に…強いのか」

ニャース「そのポケモンとは、奴のゲンガーらしいにゃ」

桐生「ゲンガー?そいつがウチのピカチュウより強いのか」

ムサシ「顔の特長や名前の情報を入手したから、さっそくあたし達は同胞達をたくさん引き連れて、例の男からゲンガーを奪う予定だったんだけど…」

ニャース「そいつがとんでもないバケモノで…」ガクブル

コツコツ…

ムサシ・コジロウ・ニャース「ひぃぃぃ!!きたああ!!」

「オレのポケモンを盗もうとしてタダで済むとおもうなよ。なあコジロウ」

コジロウ「だから何でいつも俺ばかり狙われるの~!!」

コジロウ「た、助けてキリュウさーん!」

桐生「ああ、わかった」

桐生「おいそこのお前、もうこの辺で許して…」

桐生「…………え?」

「ん?おどれは…」

「お?おお!?おおおおぉぉぉぉ!!?」

桐生「なっ…!!?」

ピカチュウ「チャー?(キリュウの兄貴?)」

コジロウ「な、なんだ?二人の様子が…」

ムサシ「なにこの空気…」

「フ…フフフ…」

「はは…はははは…」

「ヒャーッハハハハハハ!!!イーッヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!」

ムサシ・コジロウ・ニャース「っ!!?」

桐生「兄さん…」

ムサシ・コジロウ「え!?」

ニャース「ンニャ!?」

真島「久しぶりやのう……桐生ちゃん!!!」

ムサシ「二人は知り合いなの!?」

コジロウ「どういうことだキリュウさん!……ってあれ、キリュウさん?」

桐生「……」ツーッ

ニャース「ニャ、泣いてるニャ…」

桐生「ラジオでアンタの死を聞かされたとき…俺は体の震えが止まらなかった…」

ムサシ「死!?どういうこと!」

コジロウ「もしかして幽霊!?さすがシオンタウンだ…」

真島「ちゃうわドアホ!んな訳あるかいな!」

桐生「生きていて良かったぜ…」

真島「なんや桐生ちゃん、あんなの手の込んだデマに決まってるやろ」

真島「大体あのラジオでデマ報道のあと、テレビじゃ訂正するように、ミレニアムタワーで俺が人質になったいうニュースが報道されてたやろ?」

桐生「そういえばそうだったな…」グシッ

真島「湿っぽいのはやめや。らしくないで桐生ちゃ~ん」ツーッ

桐生「アンタだって泣いてるじゃねぇか」

真島「あぁ?……あ、ほんまや」ボロボロ

ムサシ「なんかよく分からない…これは無事で済みそう?」ヒソヒソ

コジロウ「謎の感動だな、色んな意味で」

桐生「兄さん…コジロウ達にはオレも手を焼いてるが…今回は見逃してやってくれ」

真島「ああ、もうそんなのどうでもええわ…桐生ちゃんとも会えたしのう」

真島「もっとも桐生ちゃんが現れなかったら、とっ捕まえてロケット団全員に見せしめとして、指詰めてやろうかと思っとったけどな」

コジロウ「指詰め?」

真島「なんやスジモンの癖に意味しらんのか。おどれらの組長から教わらなかったんかいな。小指を切り落とすって意味や」

コジロウ「ひぃぃぃ!?」

ムサシ「そんな風習はウチにはないから!」

ニャース「マジマの組織は頭がおかしいニャ!」

真島「おどれらがあまりにしつこく、オレのポケモンを奪おうとするからやろ…ま、暴れるのは好きやから構わんが」

真島「次ぎやったら、本気で命ないで?」

桐生「だそうだ。気をつけろよ」

コジロウ「は、はい…肝に命じます」

真島「さて桐生ちゃん」

桐生「おう」

真島「互いに積もる話、仰山あると思うがのう」

真島「一先ず恒例の『アレ』やろうか」

桐生「……ああ、そうだな。俺達はいつもそうだった」

真島「イーッヒヒヒヒ!んじゃ『ご挨拶』しようや」

桐生「ああ、『挨拶』をしよう」

コジロウ「挨拶?」

桐生「お前ら、危ないから離れてろ」

真島「せや、はよどこへでも消えろや」

ムサシ・コジロウ「??」

ニャース「挨拶…と言う感じには見えないニャ…」

真島「さあ…楽しい楽しい挨拶の時間や!」

桐生「でもこの世界での挨拶の仕方もあるだろ」

真島「わかっとるわ。メインディッシュは最後にとっておくから安心せい」

桐生・真島「……」

桐生「まずは…ピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

真島「それが桐生ちゃんの所のエースか?桐生ちゃんには似合わず可愛いのう。ならオレもエースを出そうやないか」

ニャース「っ!!ついにマジマのゲンガーがお披露目ニャ!」

真島「行けやニシタニ!」ポンッ

ニシタニ(ゲンガー)「ケヒヒヒヒヒヒ!!(まかしときマジマ君!)」

桐生「ピカチュウ!カミナリパンチだ!」

ピカチュウ「ピカッ!!」

真島「ニシタニ!!かいりきや!!」

ニシタニ(ゲンガー)「ゲヒヒヒヒ!」

ドゴォォォン!!!

おたがいの攻撃がぶつかりあい、周囲に衝撃がほとばしる!

ピカチュウ「ジュウゥゥゥ!!」

ニシタニ「ゲヘヘヘヘ!!」

ドス!ドガ!バキ!ドゴォン!!

真島「桐生ちゃん、いま手持で何匹おるんや」

桐生「5匹だ」

真島「奇遇やのう。オレも5匹」

真島「もう面倒や、全匹まとめてだせや!」

桐生「なに?」

真島「俺はな、はよメインディッシュを始めたいんや!!とっとと余興は終わりにしようや!」

桐生「ふん、いいぜ」

桐生「行って来い!ニシキ!タチバナ!リキヤ!シンジ!」ポンッ

真島「コイキングの錦山かいな…なるほど。他の連中もそういうことか」

真島「んじゃコッチの戦力もお披露目や!」

真島「いけや!オコリザル、フーディン、リザードン…」

オコリザル「ブォォォ!!」

フーディン「フゥゥゥ」

リザードン「ゴォォォ!!」

真島「そして…リー(カイリキー)!」

リー(カイリキー)「フン!」

真島「そうや桐生ちゃん、1つ言い忘れてたわ」

真島「俺はもうすでに、ジムのバッジを全てゲットしとるわ」

桐生「なに!?道理で強そうなポケモンな訳だ」

【数分後】

真島「……まあ。よう持った方やのう。まだ進化前やっちゅうのに」

桐生「凄すぎて言葉が出ねぇ…」

ニシキ・タチバナ・リキヤ・ミニリュウ「」グッタリ

真島「それにしてもあのコイキング、いやニシキは一応は闘えるんやな。覚醒の時まであともう一息かのう」

真島「そしてあのピカチュウだけはまだ立っておるわ。見かけによらずごっついのう」

ピカチュウ「ピ…チュー…」

真島「せやけど、もう限界そうやな。仮にニシタニを倒してもあと4匹おる」

ニシタニ(ゲンガー)「ゲヒヒヒヒヒ!!(どしたピカチュウ君、もう終わりかいな!)」

フーディン・オコリザル・リザードン・リー(カイリキー)「…………」

ピカチュウ「チャー…」

桐生「オレの負けだ。兄さん…完敗だ」

コジロウ「強い…本当にウワサ通りだ」

ムサシ「でもピカチュウもよく、あのツワモノ5匹相手に立っていられたわね」

ニャース「やっぱりあのピカチュウも強いニャ」

桐生「ピカチュウ、あの屈強なポケモン5匹を相手によく踏ん張った」ナデナデ

ピカチュウ「チャー」スリスリ

真島「さあ桐生ちゃん。メインディッシュの時間や」

桐生「ああ、分かってる」

コジロウ「メインディッシュって…もうポケモンバトルは終わったんじゃ…?」

真島「アホ、俺達の『挨拶』はこれからが本番や。今のバトルは前座や」ススッ

マジマはドスを引き抜いた!

ムサシ・コジロウ・ニャース「!!?」

桐生「ああ、その通りだ」バッ

キリュウは上着を脱いだ!

真島「さあ…始めようや」バッ

マジマも上着も脱いだ!

ムサシ「ひっ…なにあの背中…般若!?」

コジロウ「キリュウさんも良く見ると背中に龍のペイントが…」

真島「いくでぇぇ!!桐生ちゃん!!!」

桐生「うおおおおおぉぉぉ!!!」

[VS東城会直系真島組組長・真島吾郎]

桐生「オラァ!」

ドス!!ドガ!!バキ!!

真島「ヒャーッハハハ!」

ドス!!ドガ!!バキ!!

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「!?」

真島「遠慮しないで死ねや!」

マジマのドスこうげきが炸裂する!

桐生「ぐっ…!!オラァァ!」ズドン

キリュウは虎落とし(カウンター技)をしかける!

真島「ごぉぉ!?ガハァ…!」

真島はいきおいよく吐血する!

コジロウ「あ、アンタら何やってんの!?」

コジロウ「友達なんだろ!?なに殺しあってるの!?」

桐生「うおぉぉぉぉぉぉ!!」

真島「せいや!!アチョーー!!オラオラオラ!!!」

ドス!!ドガ!!バキ!!

コジロウ「ちょっと、おい止めr」

桐生・真島「邪魔だ(や)!!!」

コジロウ「」

桐生「オレの新しい天啓を見せてやる。おら!!」

キリュウはりゅうのいかりを発動!
すさまじい衝撃波がマジマを襲う!

真島「ごがぁぁ!!衝撃波とはやるのう…流石や」

真島「ならオレの新技もお見せしようやないか」

真島「真島直伝!分身の術!!ヒャッアアァァァ!!!」

ブゥン…

桐生「なっ…影姿の兄さんが…複数いる!?」

影真島1「どや桐生ちゃん」

影真島2「凄いやろ!」

影真島3「まあ冴島の兄弟にはお披露目したんやけどな」

影真島4「桐生ちゃんは俺達を倒せるかぁ?」

影真島5「倒してみいや!桐生ちゃん!」

桐生「そうか。ならばオレも…もう1つの新たな天啓を見せよう」

桐生「いくぞ!!」

ザクザクザクザク…!

影真島1~5「なっ!!」

キリュウはあなをほる!!

ザクザクザクザク…

今日はここまで

投下します

【前回までの軽いあらすじ】
再会、ポケモンバトル、堂島の龍VS嶋野の狂犬、真島は影分身、桐生はあなをほる

影真島達「桐生チャン、ドコへ消えよったんや!」

ゴゴゴゴゴ…ボゴォン!

桐生「ウラァァ!!」

影真島1「がふっ!」

キリュウが地中から飛び出してくる!そのまま影真島にアッパーをくりだす!

影真島1「」シュゥゥ

桐生「攻撃したら姿が消えた…そうか、ようするに全部なぎ倒せば本物が出てくる訳だな」

ザクザクザク…

影真島2「……」

桐生「ウラァァ!!」

影真島2「アチョォォ!!」

桐生「ぐっ…!!」

マジマは地中からでてきたキリュウの顔面をなぐる!
キリュウは鼻血をだす

影真島2「ヒャーッハハハハ!!今のは効いたやろう?」

桐生「くそ!!」

ザクザクザク…

影真島2「さあ、モグラ叩き成らぬドラゴン叩きの始まりや」

ゴゴゴゴ…ボゴォン!

影真島2「来た来た来たぁぁぁ!」ブンッ

スカッ

影真島2「あら、空振りした?」

ゴゴゴゴゴ…ボゴォン!

桐生「フェイントだ」

影真島3「ゴハァ!?」シュゥゥ

影真島2「ち、やられたわ!」

桐生「ぜぇぜぇ…しかし、あなをほるは体力の消耗がはげしいな」

桐生「ここからは、あなをほるはやめよう」

桐生「まずはタマムシシティのデパートで購入した、スタミナンロイヤルを飲んで…」ゴクゴク

キリュウの体力とヒートゲージが回復した!

影真島2&4「ほないくで桐生チャン!」

カゲマジマはキリュウを挟み撃ちする

桐生(ここはティッシュ配りの女を見習って覚えたあの技でいくか)

桐生「天啓・驚愕の極み…!!」ヒュンッ

ドス!バキ!

キリュウは目にも留まらぬ速さで、影真島にこうげきする!

影真島2&4「ぐっ…!!」シュウゥゥ

真島「俺の分身をなぎ倒すとは、流石は桐生チャンやで!」

本体があらわれる!

真島「そろそろ決着つけようかのう」

桐生「ああ」

真島「ヒャッアアアァァァ!!」

マジマの連続ドスこうげき!

桐生「……」サッ

キリュウは華麗にかわす!

桐生「ふん!」ガシッ

キリュウはドスの刃を素手でつかむ!

真島「なっ…!」

勝機!

桐生「おおおぉぉぉぉ…!!!」

ゴゴゴゴゴ

桐生「せいや!!!」

ボゴォォン!!

キリュウの右ストレートが炸裂!
マジマの顔面を力強く殴る!

ドサッ

マジマはたおれた!

真島「フフフ…フフ…ハハハハハ…」

真島「ほんまごついで桐生チャン」

桐生「アンタもな」

真島「」ガクッ

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「ポケモンバトルより凄い物を見てしまったニャ…」

桐生「……」

ピカチュウ「ピカピカッ!(さすが兄貴!)」スリスリ

桐生「フン」ナデナデ

コジロウ「で、どうするのその人?」

真島「」

桐生「心配いらない。あと5分くらいしたら意識を取り戻すだろうな」

コジロウ「あれだけの攻撃を受けておいて5分で起き上がれるのかよ…」

ニャース「バケモノニャ」

桐生「お前達はどうするんだ」

コジロウ「と、とりあえず近くにある新しい本部帰ろうと思います」

ムサシ「んじゃ、おいとましまーす」

ニャース「今日は散々だったニャ、早く本部に帰るニャ」

桐生「そうか」

桐生「……」

桐生(ん?近くにある新しい本部?)

【数分後】

真島「あぁぁ…まだ痛むのう…」ムクッ

桐生「目覚めたか」

真島「久しぶりの挨拶、なかなか楽しかったで」

桐生「フ、楽しんでもらえて何よりだ」

桐生「ここで話すのもなんだ、ゆっくり話せるところでも行くか」

真島「せやな」

【ポケモンタワー・喫煙所】

真島「ほれ煙草」

桐生「悪いな。スーッ…ハァ」

桐生「兄さん、ひとまず無事で何よりだったぜ」

真島「桐生チャンもな。まあ相沢ごときに桐生チャンは乗り越えられる訳ないやろ」

桐生「大吾は?」

真島「ああ、今はもう現場に復帰しとるわ」

桐生「良かった…」

真島「あの一件では六代目も相当な労力を積み重ねたからのう。見直したわ」

桐生「冴島は?」

真島「北の刑務所に戻ったわ。馬場チャン言うのと仲良くやってるようや」

桐生「馬場…そうか。品田はどうした」

真島「誰や」

桐生「……そういえばアンタはしらなかったな」

桐生「一緒に闘ってくれた男だ」

真島「ほう。桐生ちゃんが秋山と共闘してたのは後でテレビで見たがのう」

桐生「あと…もう1つ聞きたいことが」

真島「お嬢ちゃんの事やろ?」

桐生「あの日、遥はドームでデビューライブだったはずだ。だがあの世界からココに来る前日、つまり相沢を倒したあと…俺は遥にあった」

桐生「仮にライブが終わったあとにしても俺の元まで来るには余りに早すぎる」

真島「……」

真島「その件やけどな、お嬢ちゃん本人から聞いたほうがええわ」

真島「俺も全てを知っとるわけやない。憶測ふくめてあることない事いうより、お嬢ちゃん本人から聞くの一番や」

桐生「……そうか」

真島「桐生チャンはこれからどないするんや」

桐生「遥に会いにいく。そしてこの世界に俺や遥を導いた奴に会いに行く」

真島「俺はジョウト地方に行ってライコウ言うポケモンを捕まえて来ようと思ってたんやけどな…ま、最終的な目標は一緒やな」

桐生「ただちょっと困った事が」

真島「なんや」

桐生「ヤマブキジムに行きたいんだが、交通規制がかかっていて街に入れないんだ」

桐生「どうしても行きたいのに通らせてくれなくてな…何か良い方法は無いかと思ってな。各地を放浪していた」

真島「ああ、あの交通規制。ロケット団が原因や」

桐生「なに?」

真島「ロケット団がヤマブキシティのシルフカンパニーっちゅうデカいビルを占拠。あの街を我が物顔で好き放題やっとるらしいのう」

桐生「……」

桐生(そういえば新しい本部がどうとかって言ってたな)

桐生「そうか。ならばヤマブキシティの秩序を取り戻さないとな」

真島「ククク…ヒヒヒヒ!言うと思ったで桐生チャン」

真島「俺もちょうど暴れたかったんや。ええ口実が見つかったラッキーや」

桐生「もう迷いはない」

桐生「俺のやり方で交通規制を壁を乗り越える」

桐生「いくぞピカチュウ」ナデナデ

ピカチュウ「チャー」スリスリ

【8ばんどうろ】

桐生「ここを通させてもらう」

ピカチュウ「ピカピーカ!」

警備員「あ、ちょっと待って!今ココから先は入れないから」

桐生「ヤマブキシティがロケット団に占拠されているからか?」

警備員「っ!!なぜそのことを」

桐生「俺たちは今からロケット団を潰しに行く」

真島「そういう事やから通さんかい」

警備員「潰すって…何を意味のわからない事を、とにかく今はダメだ」

桐生「……」コツコツ

警備員「な、なんだよ…」

桐生「……」ブンッ

ドォォン!!

キリュウは無言で警備員に壁ドンをしかける!

警備員「」

桐生「絶対に迷惑はかけねぇ、ここを通してくれ」

警備員「か、かしこまりました」ヘナヘナ

桐生「怖い思いさせて悪かった。ほらスタミナンXだ」

警備員「あ、これ前から飲んでみたかったんだよ!ありがとう!」

真島「アメにムチ作戦成功やな!」

急遽、外食する事になりました。1時間ほどしたらかえってきます

再開します

【道中】

桐生「兄さんはいつからこの世界に?」

真島「俺は桐生チャンとお嬢チャンが失踪して…少し経った後、六代目が現場復帰した直後やな」

桐生「ここに来た時間に、俺とそこまで大差はないんだな」

真島「せやな…いずれにせよ、桐生チャンに会えなくて寂しかったわ~」

桐生「アンタがこの街でバッジをゲットした時は平和だったんだよな?」

真島「まあな。あ、そうや桐生チャン。ええこと教え足るわ」

真島「ここのヤマブキジムのジムリーダー・ナツメの嬢ちゃんやけど、めっちゃ美人なんやで!」

桐生「ほう。それは楽しみだが…兄さんの場合はエリカの方がタイプなんじゃないか?」

真島「な…なな、なんで分かるんや」ドキッ

桐生「さあ、なんとなくだ」

桐生「それよりも…話してるうちについたぜ」

真島「ああ」

【ヤマブキシティ】

桐生「なかなかデカい街だな。こんな都会を奴らに占拠されるとはな」

ロケット団員「……」テクテク

真島「あちこちにロケット団の奴らがおるわ」

桐生「全員殴り倒してもいいが…ここはひとまずシルフカンパニーを目指すか」

真島「せやな、街で暴れるより室内でのカチコミの方が燃えるで!」

桐生「ん?あれは…」

真島「おお、ヤマブキジムや。せっかくやから挨拶でもしようかのう」

ガチャッ

真島「お、あっちから扉を開けてきよった」

ナツメ「待っていたわ。マジマさんにキリュウさん」

桐生「っ!?なぜ俺の名を」

ナツメ「有名じゃない。アナタ達二人は…暴力ポケモントレーナー・キリュウに狂犬・マジマと言う名でね」

桐生「……」

真島「能力で俺らが来るタイミングを読んでたんやな。んで、俺らを待ってたっちゅうのはどういう事や?」

ナツメ「ちょっと付いてきて」

~~~

桐生「ここは駐車場?」

ナツメ「そこにトラックがあるでしょ?父が使っている車だけどあげるわ。父からの了承も得てる」

桐生「なに?」

真島「ほう…」

ナツメ「それと、『修理費』としてこれを授けるわ」

ドンッ

桐生「トランク?」

ガチャッ

桐生「なっ…なんだこの大金!?」

真島「修理費って言うのはこの金で、トラックを修理せいって意味かいな?」

ナツメ「違うわ。そのトラックの状態は完璧よ」

真島「ほなら、この金はいったい」

ナツメ「言ったでしょ?修理費だって」

桐生・真島「……」

桐生「ああ…そういうことか」

真島「なるほど。要するにお嬢ちゃんは俺達に協力してくれるって事やな」

ナツメ「ええ…でもごめんなさい。本来なら私も共に闘わなければならないのだけど、ジムを奴らから守るのが精一杯で」

ナツメ「すでにジムの半分以上のトレーナー達が、ポケモンを奪われている状態なの」

真島「別にええ。むしろこういうのは俺たちの役目や…だいたいアンタは本来、荒っぽいのは苦手だと言ってたやろ」

桐生「感謝するぜ。必ず街の平和を取り戻して、バッジをかけた闘いに挑みに行く」

ナツメ「ええ、待ってるわ」

桐生「作戦決行はいつにするか?」

真島「いますぐ!と言いたいところやが、腹減ったわ」

桐生「飯を食ってから行くか」

真島「せやな」

桐生「ん?」

真島「どないしたん」

桐生「空からポケモンが…それと背中に誰かが乗っている」

真島「……」

バサ…バサ…

真島「ポケモンはカモネギか…んで背中にいるのは」

桐生「っ!?あれは…」

秋山「お、やっぱり桐生さんと真島さんだ」

品田「お久しぶりっス桐生さーん!」

桐生「お前達も来ていたのか…」

秋山「あの黒澤一派との闘いのあと、桐生さんが失踪したと聞いて心配してましたが…まさかこんな所にいたとは」

品田「せっかくの祝勝会も俺と秋山さんだけだったんですよ!冴島さんと、俺がボコった馬場はムショに戻っちゃうし」

真島「コイツが品田っちゅーやつか」

品田「えーと、アンタだれ?」

真島「東城会の真島や」

品田「堂島くんの友達ですか!どうも品田っす!」

真島「……思い出したわ。お前確か野球賭博のアレとかで永久追放された元プロ野球の」

品田「覚えててくれました?たはは…まあアレは実際にはやってないんですけどね」

秋山「ああ、そうだ桐生さん。真島さんに会っているという事は、既にご存知かも知れませんが、その…遥ちゃんの事なんですが…」

桐生「その件だが俺は遥本人にちゃんと会って聞こうと思う」

秋山「……そうですか」

「なあ」

桐生「ん?」

「話盛り上がっているところ悪いがよ、いい加減オレの存在にも気付いてくれよ」

桐生「お前は何者だ」

高杉「やっと反応してくれたか。おれは高杉っていうしがない闇金のモンだ。んで品田の連れ」

品田「ほんと高杉さんは、どこまでもオレに付きまとってきますよね。もう金は返したのに」

品田「なんで桐生さんがここに?」

桐生「俺が聞きたいくらいだ」

桐生「闘いを終えたあと、おれは街で遥にあった。それから謎の光に包まれて」

品田「俺と高杉さんと一緒のパターンだ」

秋山「オレも不機嫌だった花ちゃんをなだめるために買い物してた時、いきなり光に包まれて…気がついたらここにいたって所です」

高杉「オレと品田が酒を飲んでた時にあの言葉を発したのがいけなかったのかな」

品田「あの言葉?」

高杉「ほらあの日たしか」

~回想・品田の借家~

品田「ねえ高杉さん、仕事は?」

高杉「もう終わった」

品田「やけに早かったですね」

高杉「最近、どいつもこいつも順調に返済するからよ…やることねぇんだ」

品田「んでオレの部屋で酒浸りですか」

高杉「なーんかよ、つまんねぇんだよ。お前と一緒にいることぐらいしか楽しみが無い」

品田「あんたホモ?」

高杉「バッキャロー!んな訳あるか!気持ちわりぃ事いってんじゃねぇ」ドガッ

品田「痛っ!」

高杉「あーあ…闇金なんて辞めちまおうかな。新しい生きがいって奴、見つけたいぜ」

品田「わかります。その気持ち」

品田「オレもあの一件が終わってから…裏切られた時とは全く別の意味で虚脱状態っていうか。借金を完済したからかな…」

高杉「お前は東城会の六代目に頭下げれば野球界復帰もできるんだろ?」

品田「……堂島君とは協力関係だったけど、彼と一度殴りあいした手前、いまさら言うのもなぁ」

高杉「もったいね。ただ頭を下げれば済む話だ。風俗ライターなんかよりよっぽどいいだろ」

品田「……オレも見つけたいんですよ」

品田「野球でも風俗ライターでもない。新しい何かを」

パァァ

~回想終了~

品田「それから急に部屋の中が明るくなって、気がついたらここにいました」

桐生「……ココに来た原因は皆、光に包まれたというのは共通点はあるが、導かれる直前の会話はバラバラだな」

真島「俺は酒を飲みながら桐生チャンの名前を叫んどったら、この世界に連れて来られたわ」

秋山「ところで…この街、ちょっと不穏じゃないですか?」

桐生「ああ、実はこの街はロケット団に占拠されてしまってな」

品田「だから交通規制がかかってたんですね!しかたないからオレのカモネギでここまで来ましたが」

秋山「俺と品田にポケモンをくれた、格闘道場に久しぶりに挨拶に来たんですが…あの道場も大丈夫かな」

真島「なあ品田、お前闘えるんやろ?」

品田「ええ喧嘩は得意です」

真島「……決まりやな」

品田「え?」

桐生「実はこれからオレと兄さんは、カチコミをしかける所だったんだ」

品田「カチコミって…うわー…いかにもその筋の人が使う言葉」

品田「でも良いっスよ!オレもこの街には恩がある!闘いましょう!」

秋山「勿論自分も行きますよ?オレはカタギだけどね」

高杉「あー…盛り上がってるところ悪いんだけどよ、俺はどうすればいいんだ?」

真島「おどれも闇金の端くれなら、喧嘩ぐらいできるやろ?」

高杉「……」ブルブル

秋山「どうしたんですか高杉さん、震えちゃって。寒いんですか?」

高杉「あ、いやそうじゃなくてだな」ブルブル

品田「もしかして闘うのが怖いんですか?」

高杉「バッキャロー!!ちげぇぇよ!」ドガッ

品田「痛っ!」

高杉「品田、それに秋山…この二人がどれほどの大物なのかわかってんのか?」

秋山「ええ、勿論」

品田「えと…堂島君の友達?」

高杉「ボケが!!」ドガッ

品田「痛いって!蹴らないで!」

高杉「桐生一馬に真島吾郎って言ったらな、裏社会でその名を知らない奴はいねぇ…伝説的な存在だ」

高杉「堂島の龍と嶋野の狂犬…オレの様なただの闇金が一緒にカチコミなんてよ…恐れ多いんだよ」

品田「へ~そんなに凄い人達だったんですね!」

桐生「高杉、そんなにかしこまる必要ないぜ。オレなんか大した事は無い」

高杉「アンタがたいしたこと無いなら、この世の人類の9割がミジンコだ」

桐生「まあ最終的に一緒にカチコミに参加をどうするかは任せる」

秋山「高杉さん行きましょうよ。アンタが品田の大ファンだったように、桐生さんと真島さんも雲の上のような存在だったんでしょ?」

高杉「……」

品田「行きましょう高杉さん!」

高杉「……いっとくが俺は、この中じゃ喧嘩は最弱だ」

高杉「それでもオレに期待してくれるなら…是非一緒に闘いてぇ」

桐生「ああ。でも無茶はするなよ」

高杉「へ、光栄だね。夢を見てるみたいだぜ」

~昼食後~

真島「ハァー食った食った…やっぱりホルモンはええな」

桐生「兄さん、なんでホルモンばっかり食べてるんだ」

真島「兄弟の影響や」

桐生「ピカチュウ、腹いっぱいになったか?」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「それは良かった」ナデナデ

桐生「そういえば高杉は?さっきまでいたはずだが」

真島「武器調達の交渉にいったらしいで」

ガチャっ

高杉「おー悪いな、全員受け取ってくれ。工事現場の親父から買い取った」

桐生「これは鉄パイプじゃねぇか」

高杉「カチコミといえばやっぱ武器だよな…で、秋山はいらないんだっけ?」

秋山「ええ。オレには足技があるし。それに相棒のサワムラーもいますから」

サワムラー「シャーデイデイ!!」

品田「さて焼肉も食い終えたことだし、行きましょう!」

秋山「あ、勘定を済ませる前にちょっとお話が」

真島「なんや」

秋山「えーと、せっかくのカチコミなんだし、台詞とか考えましょうよ」

桐生「台詞?」

品田「あー良いっスね!なんか戦隊物っぽくて」

桐生「いや、別に台詞なんて…」

真島「ええやろ。ほならオレと桐生チャンで台詞を考えようか」

桐生「……」

~店を出た後。トラックの中にて~

真島「桐生チャン、秋山たちはコンテナの中に入ったかいな?」

桐生「ああ、準備は大丈夫だ」

キキキキ…ブルゥゥン

真島「さあ、いくで」

真島「シートベルト、しっかりやっとけや」

桐生「……」カチャッ

桐生「ピカチュウ、俺にしっかり捕まってろ」

ピカチュウ「ピカピカッ!」

真島「スゥゥゥ…ハァァァ…」

ブロロロロロ!!!

真島「ヒャッアァァァァァァ!!!」

【シルフカンパニー・エントランス】

ドゴォォォォン!!!!

ロケット団員達「っ!!?」

ロケット団員1「な…なんだ!?」

ガチャッ

真島「イーッヒヒヒヒヒ!!ヒャーッハハハハハハ!!」

桐生「……」コツコツ

秋山「あーあーせっかく素敵な玄関がメチャクチャだ」

品田「トラックでの移動にこだわるから、何かと思ったらこういう事だったんだですね」

高杉「やっぱカチコミはこうじゃないと」

ロケット団員2「何者だ!!」

真島「なんやかんやと聞かれたら」

桐生「答えてやるのが世の情け」

秋山「秩序の破壊を防ぐため」

品田「街の平和を守るため!」

桐生「義理人情と言う名の仁義(じんぎ)をつらぬく」

真島「一般世間の敵役(かたきやく)」

秋山「アキヤマ!」

品田「シナダ!」

真島「マジマ!」

桐生「キリュウ!」

高杉「おまけのタカスギ」

秋山「任侠あふれるネオ東城会の5人には」

桐生「ブラックホール、黒い明日が待ってるぜ」

真島「なーんてな!」

ロケット団員達「ネオ東城会だと…!?」

ムサシ「」

コジロウ「」

ニャース「」

今日はここまで

【11階】

pppppp

サカキ「私だ」ガチャッ

サカキ「何!?ネオ東城会と名乗る組織が襲撃に来ただと!?」

サカキ「……しかもメンバーはあの大問題トレーナー、キリュウにマジマ」

サカキ「他にも3人ほどいるのか」

サカキ「総員に次ぐ。奴らは相手が人間だろうとポケモンだろうと容赦しない」

サカキ「この世界の誰もが守っている掟、ポケモン勝負で全ての事を決するという概念はない。奴らは文字とおり力づくだ」

サカキ「我々もその覚悟で闘いに望め!さもなくば命が無いぞ」

ガチャッ

サカキ「さて私も、命のやり取りをする覚悟を決めておこうか」

【1階】

桐生「テメェらは一線を越えちまった…テメェらがスジモンで悪党なのはわかる。そういう生き方もある」

桐生「だがな、テメェらはやりすぎちまったんだよ…」

秋山「君達のやってること、ちょっとしたテロだよ?あ、俺たちもか」

品田「よくもオレと秋山さんと高杉さんを親切にしてくれたこの街を占領したな!許さん!」

真島「これが俺らの大儀や、つーわけで覚悟せいや…おどれらの組長、サカキはどこや」

ロケット団員1「だ、だれが教えるか!」

高杉「ま、普通は最上階にいるわな」

桐生「サカキをココに呼べ。そうすればこれ以上何もしない」

ロケット団員1「呼ぶと思ってるのか?」

ロケット団員2「お前達、このビルに何人いると思ってんだ…お前達に勝ち目などない!」

桐生「ふん、いいぜ。覚悟しろお前ら」

桐生「行け!ピカチュウ、ニシキ、タチバナ、リキヤ、シンジ!」

ピカチュウ「ピカピカッ!」

ニシキ「ボォォ」

タチバナ「キキキキキ」

リキヤ「シャーッ」

シンジ「リュウゥゥゥ」

真島「よっしゃ出てこいや!ニシタニ(ゲンガー)!リー(カイリキー)!オコリザル!フーディン!リザードン!」

ニシタニ(ゲンガー)「ゲヒ!ヒヒヒ!!(あーカチコミや!興奮してきたでぇぇ!)」

秋山「さて、オレも出すとするか」

秋山「いけサワムラー!ラッキー!ピッピ!プリン!イーブイ!」

サワムラー「シャァァァレイ!!」

ラッキー「ラッキー」

品田「俺もいきますよ!」

品田「いけエビワラー!カモネギ!サイホーン!カビゴン!カイリュー♀!」

エビワラー「シュッシュッ!」

高杉「みんなポケモンが華やかだねぇ。んじゃオレも」

高杉「いけコラッタ」

コラッタ「チチチチ」

桐生「……そんなポケモンで大丈夫か?」

高杉「こう見えて強いんだぜ。意図的に進化を止めてるだけで」

高杉「コイツ一匹でジムリーダーのエリカまでは撃破した」

桐生「意図的に進化を止める…そんな方法もあるのか」

高杉「いかついのはオレだけで充分なのさ」

真島「さあ、ポケモンと人間が入り乱れたカチコミ開始や!!」

桐生「全員!!行けぇぇ!!!」

ロケット団員1「俺たちもポケモンを…」ススッ

真島「させないで」ヒュンッ

ロケット団員1「っ!?瞬間移動してきた!?」

真島「ちゃう、お前の肉眼では捕らえ切れない速さで走っただけや」

真島「ホワタァァァ!!!」ズドォォン

ロケット団員1「ゴハァ!?」ガクッ

マジマのこうそくいどうとメガトンパンチ!ロケット団員はモンスターボールを投げれず倒れる!

ロケット団員2「ひっ…!」

秋山「おっと、よそ見してて良いのかな?」

ロケット団員2「え」

秋山「フンッ!」ハイキック

ボォォン

ロケット団員2「ゴフッ!」ガクッ

アキヤマのハイキックがきまる!

ロケット団員3「助太刀に来たぞ!」

品田「助っ人潰しのスラッガー・品田登場!」ブンッ

ロケット団員3「ガッ!!」

シナダは鉄パイプをフルスイング!ロケット団員は気絶する

桐生「よし、上に向かうぞ!」ダダッ

【2階】

ビビー!

秋山「む、この先はカードキーがないと進めないようですね。探しましょうか?」

高杉「ロケット団を脅して通す方法もあるぜ」

桐生「その必要はない」

真島「ああ、せやな」

秋山・高杉「え?」

桐生「オラァァ!!」

真島「ホワチャァァァ!!!」

ボゴォォン!!

キリュウとマジマは、ロックされていたドアを蹴り壊す!

桐生「道は自分達の手で切り開くもんだ」

品田「荒っぽいな~」

秋山「ま、修理費はジムリーダーから貰っているんだしいいんじゃない?」

桐生「ここにはサカキはいないようだ」

コツコツコツ!!

秋山「でも増援が来るみたいですよ」

ロケット団員達「覚悟しろネオ東城会!」ポイッ

ロケット団員達はモンスターボールを投げる!

真島「イーッヒヒヒヒ!ポケモンもそのトレーナーも皆殺しじゃ!!ヒャッアア!!」

桐生「うおおおお!!!」

――それからネオ東城会ことキリュウたちは、トレーナーもポケモンもなぎ倒して、最上階まであと少しの所まで辿り着く

【9階】

桐生「ここが9階か」

秋山「あともう少しで最上階です」

品田「カチコミもいよいよ最終回の9回裏ってわけですね!」

コジロウ「残念ながら9回裏じゃ終わらない。同点にて延長戦突入だ!」

桐生「ついにきたか…」

ムサシ「っていうかさっきのアレはなに!?」

ニャース「ニャーたちのパクリだニャ!」

真島「ごちゃごちゃ言ってないではよ闘わんかい」

コジロウ「ご、ごほん…それじゃ。こんかいの挨拶は後回しにして…」

コジロウ「いけマタドガス!」

マタドガス「マタドガース」

ムサシ「いけアーボック!」

アーボック「アーボック!」

桐生「っ!!進化させてきやがったか」

桐生「いけ!タチバナ!リキヤ!」

タチバナ(ズバット)「キキキキキ!」

リキヤ(アーボ)「シャーッ!」

ドス、ドガ、バキ!!

コジロウ「ゴ、ゴホン。それじゃ改めていつもの」

ムサシ「ええ、いくわよ」

ムサシ「なんだかんだと聞かれたら」

コジロウ「答えてあげるが世の情け」

高杉「そうか、ならオレも期待に答えないとな」コツコツ

高杉「オラァ!!」ブンッ

タカスギはコジロウに目がけて鉄パイプで殴りかかる!

コジロウ「う、うわぁぁ!?危ないなぁアンタ!」

高杉「ここはもう戦場だぜ兄ちゃん?ポケモンだろうと人間だろうと関係ねぇのさ」

高杉「男、見せてみろや…オラァァ!!」ブンッ

コジロウ「待って!台詞くらい言わせて!」

高杉「時は金なりってな。時間は待ってくれないよ?分かったら闘わんかボケが!!」ブンブン

ムサシ「ちょっ…あんた卑怯よ!」

秋山「おっと、そこの美人なお姉さん。ロケット団なんかやめてオレとお茶しない?」

ムサシ「ハ、ハァァ!?///」

アキヤマはムサシをナンパする!

秋山「美人なのに勿体無い…こんな悪の組織にいるなんて」

秋山「あと髪型おかしいから変えた方が良いよ?下ろせば良いのに」

ムサシ「うっさい!!てか離しなさい!」

秋山「キミを離さない」キリッ

ムサシ「……///」

ニャース「ニャニャ!?二人が色んな意味で危ないニャ!」

桐生「よそ見している場合かニャース?いけシンジ、たたきつけるだ!」

シンジ(ミニリュウ)「リュウゥゥゥ!」バシッ

ニャース「フンギャ!」

シンジはニャースにたたきつける!
しっぽで何度もたたく!

バシ!バシ!バシ!

ニャース「こうなったらひっかくだニャ」ブンッ

シンジ「……」ピョンッ

ニャース「ニャ!?」

ニャースのひっかく!しかしシンジはかわす!

桐生「よしそのまま、まきつくだ!」

シンジ「リュウゥゥ!」

ググッ

ニャース「ぐ、ぐるじいニャ…」ググッ

コジロウ「ゼェゼェ…」ダダッ

高杉「待たんかこんガキャ!!」

コジロウ「ゼェゼェ…ムサシは敵に籠絡されかけてるし…」

秋山「んで、どこ行きたい?」

ムサシ「え?じゃあ…タマムシシティでお買い物とか///」

秋山「良いね良いね!あ、カチコミが終わってからね?」

コジロウ「こうなったら俺が逃げながら指示するしかない!」

コジロウ「アーボックはようかいえき!マタドガスはたいあたり!」

アーボック「アーボック!ビュッ!!」

ジュゥゥゥ…

アーボッくはようかいえきを吐く!

リキヤ(アーボ)「っ!!」

リキヤは一瞬ひるむ!が、すぐに戦意をむき出しにかみつく!

桐生「リキヤ!そのままメガドレインだ!」

リキヤ「シャーーッ!!」ガブガブ

コジロウ「しまった…ムサシのアーボックはまだメガドレインを覚えていない」

コジロウ「アーボック!かみつくで対処しろ!」

アーボック「アーボック!!」ガブッ

リキヤはアーボックにメガドレイン!
アーボックもリキヤにかみつく!

リキヤ「フシュゥゥゥ…!!」ガブガブ

アーボック「シャ、シャー…」ヘナヘナ

アーボックは弱ってきている!

コジロウ「バカな!?アーボックは上位互換のはず!?」

品田「メガドレインはダメージを与えるだけじゃなくて、相手の体力を吸い取るからね!」

桐生「よし…あとは、タチナバ!マタドガスにメガドレインだ!」

タチバナ「キキキキ!」ガブッ

コジロウ(ズバット)「マタドガス!どくガスだ!」

マタドガス「マタドガース」モクモク

タチバナはマタドガスに嚙み付いてメガドレイン!
対するマタドガスはどくガス!
しかしタチバナにはあまりきいてない!

タチバナ「ギギギギィィ!!」

マタドガス「マタドガース」ブンブン

マタドガスは振りほどこうとする!しかしタチバナは離さない

桐生「タチバナとリキヤの怖いところはな、ワザは少ないが、一度噛み付いたら絶対に離さない所だ」

コジロウ「くそ!」

桐生「そしてもう1つ…忘れている事があるぜ」

コジロウ「え?」

桐生「いまは単なるポケモンバトルじゃねぇ…人間もポケモンも入り乱れた、カチコミだ」

桐生「タチナバ!マタドガスから離れろ!」

タチバナ「キキキキ!」

桐生「オラァァ!!」ブンッ

ガキィィィン!!!

タチバナがマタドガスから離れると同時に、桐生はマタドガスに鉄パイプでなぐる!

マタドガス「ドガッ!?」

コジロウ「ふんぎゃ!」

鉄パイプで殴られたマタドガスはコジロウにぶつかる!

アーボック「アー…ボ…」ピクピク

ドサッ

リキヤ「シャーボッ!!」

リキヤはアーボックのたいりょくを吸い尽くす!

ニャース「ニャ、ニャーの負けニャ…」ドサッ

シンジ「リュウゥゥゥ!!」

シンジのまきつくに耐え切れず倒れるニャース!

コジロウ「くそ…!俺たちの戦力が…」

高杉「つーかまーえた」

コジロウ「ひっ!!」

高杉「覚悟しろやぁぁ!!」ボゴォォ

コジロウ「ゴハァァ!!」

タカスギの鉄パイプのフルスイングが、コジロウの腹にヒットする!

品田「しかし進化前のポケモンが、よく進化後のポケモンに勝てましたね」

桐生「フ、コイツらは普通のアーボとズバットとは違うんだよ」

タチバナ「……」ピクピク

リキヤ「……」ピクピク

タチバナとリキヤのようすが…?

桐生「おい、どうしたおまえら」

シンジ「……」ピクピク

桐生「シンジまで…!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

真島「とうとう来たようやな」

桐生「え?」

秋山「進化ですよ桐生さん」

桐生「進化…」

パァァァ

タチバナ(ゴルバット)「ギギギギギギ!!」

リキヤ(アーボック)「シャーボック!!」

シンジ(ハクリュー)「リュウゥゥゥ!!」

タチバナ、リキヤ、シンジは進化した!!

桐生「これが…進化」

ピカチュウ「ピカピカ!(みんなおめでとう!)」

ニシキ「……」

桐生「よし、そろそろ先をいそぐか」

真島「ああ、この階の制圧は完了や」

スピアー「ブブブブ!!」

生き残り「いけスピアー!」

真島「まーだ生き残りがおるのぅ」

真島「真島直伝!こうそくいどう!ホワタァァ!!」

ザシュッ!!

スピアー「っ!?」ドサッ

マジマのこうそくいどう、そしてドスこうげき!

真島「奥義!回転斬り!」クルクル

ザシュザシュ!!

生き残り「なんだあの動きは!?スピアーが全然スピードについていけず、避け切れなかった…」

スピアー「」

生き残り「スピアー!!」

真島「可愛そうにのぉ…死んだフリでもしてればええものを」

真島「ダンサーモード!!ウィンドミルこうげき!!」ガンッ

生き残り「ゴガァァ…!!」

真島「さあ、今度こそ次の階へ行こうや!」

秋山「あ、それじゃまたカチコミが終わったら!」

ムサシ「あ、はい///」

コジロウ「お、おい…おまえ…」

ムサシ「え…ってうわぁぁ!?コジロウなんでそんなにボロボロなの!?」

コジロウ「お前がアキヤマって奴にメロメロにされてる時、俺はボコボコにされてたんだよ!」

ニャース「オマケにキリュウのポケモンたちが進化しやがったニャ!」

ムサシ「え、マジ!?」

コジロウ「俺たちの手持ちポケモンも全部やられた。ニャースもボロボロ」

ムサシ「えと…私達どうしよう…」

コジロウ「……俺はいく」

ムサシ・ニャース「は!?」

コジロウ「だってアイツら止めないと…ロケット団が潰されちまうんだぞ!」

コジロウ「こうなったら俺1人で…」ダダッ

コジロウ「痛っ…」ズコッ

ムサシ「ちょっと!そんなボロボロで何ができるのよ!」

コジロウ「うるさい!俺も男だ!いつまでもビクビクしてられるか」ダダッ

ムサシ「ちょっと待ちなさい!」

【10階】

品田「次の階がいよいよ最上階です!」

桐生「ああ」

わるいトレーナー「ん?テメェはあの時の」

桐生「……お前こそ久しぶりだな」

秋山「誰ですか?」

桐生「コイキング…いやニシキをオレに売った男だ」

秋山「へぇ…で、いまはロケット団に入ったと」

わるいトレーナー「ああ、俺はあれからロケット団に入った!そして強力なポケモンもゲットした!」

わるいトレーナー「あの時のトレーナー。随分と有名になったな…まだあの使えないコイキングを育ててんのか?」

桐生「使えないコイキングは俺持ってない。使えるコイキングならあるが」

わるいトレーナー「ほぉ…なら、今ここでその実力、見せてくれよ」

桐生「ああいいぜ。悪いがみんな、ここはサシで勝負させてくれ」

桐生「いけニシキ!!」

ニシキ「ボォォ」

わるいトレーナー「やっちまえサンドパン!!」

サンドパン「コォォォ!」

桐生「ニシキ、たいあたりだ!」

ニシキ「ボォォ!」

ニシキはたいあたりをしかける!

サンドパン「……」

しかしあまり効いていない

わるいトレーナー「サンドパン、きりさくだ!」

サンドパン「コォォォ!」ザシュッ

サンドパンのきりさく!

ニシキ「ォ…ォォォ…」グッタリ

ニシキは重症だ!

桐生「くっ…」

わるいトレーナー「ほら見ろ、しょせんそいつはクズなんだよ!」

ニシキ「」ピクッ

真島「残念やけど桐生ちゃん。このサシの勝負、この辺にしとこうか」

秋山「いま俺たちがやってるのはただのポケモンバトルじゃない、カチコミですから」

桐生「すまん…ニシキ、荷が重かったか」

ニシキ「」ピクピク

ピカチュウ「ピカピカ!(兄弟!あとは僕達にまかせて休んで!)」

ニシキ「」ピクピクピク

わるいトレーナー「あまりに哀れでみんな同情してるぜ…ったく、クソの役にも立たないポケモン、はじめから出すなよな。張り合いがねぇぜ」

ニシキ「ボォォ(だれが役に立たないって?)」ブチッ

桐生「え?」

サンドパン「コォォ?」ビクッ

わるいトレーナー「……?なんだ、急に雰囲気が…」

ピカチュウ「ピカッ!?」

ニシキ「ボォォォ…!?(誰がクズだって…!?)」

ニシキの口から光が溜まって行く!

全員「!?」

ニシキ「ゴォォォ!!」

ボォォォォン!!!

ニシキの口から、はかいこうせんが放たれる!

サンドパン「」

ドサッ

サンドパンは一撃で倒れた!

わるいトレーナー「な…バカな!?こんな事が…ありえん…」

ニシキ「……」ゴゴゴゴゴ

桐生「ニシキ…お前まさか…」

ニシキ「ゴォォォォォ!!!」

ニシキを中心に眩い光が放たれる。そして…

ゴゴゴゴゴ…!!

品田「でか!!」

秋山「ほうこれが」

真島「ええなぁ、オレも欲しいわぁ」

桐生「ついに滝を登りきったか…」

ニシキ(ギャラドス)「ゴォォォォォ!!!」

ニシキはコイキングからギャラドスへと進化した!

ニシキ「……」ギロッ

サンドパン「」

ニシキ「ゴォォォ!!!」

ドゴォォン!!

ニシキはあばれる!倒れているサンドパンを頭突きする!

ドゴォォン!!

わるいトレーナー「おい…もうウチのサンドパンは気絶してるぞ…」ガクガク

ニシキ「ゴォォォォ!!」

ドゴォォン!!

わるいトレーナーにも頭突きする!

わるいトレーナー「ゴガァァ!?」

ニシキ「……ゴォォォォ!!!!」

ドゴォォン!!ドゴォォン!!ドゴォォン!!ドゴォォン!!

ニシキはあばれる!わるいトレーナーとサンドパンは廊下にめり込む!

ドゴォォン!!ドゴォォン!!ドゴォォン!!ドゴォォン!!

秋山「まずい!!廊下が破壊される…!!」

ドゴォォン!!ガラガラ…

全員「!?」

廊下が破壊され、全員10階から9階へ落ちる!

~~~~

品田「痛!着地失敗した~」

真島「どえらいあばれっぷりやのう、惚れ惚れするわ~」

秋山「まさか廊下を破壊するとは…」

ニシキ「ゴォォォォ!!!」

高杉「まだ暴れたりないみたいだぜ」

サンドパン・わるいトレーナー「」

ニシキ「ゴォォォォォ!!(ぶっ殺してやる!!!)」

桐生「ニシキ!!!」

ニシキ「」ビクッ

桐生「……そいつらはもう気絶している。それ以上はダメだ」

桐生「それよりも最上階を目指そう」

ニシキ「ゴォォ…(キリュウ…)」

ピカチュウ「ピカピカッ!(兄弟!進化おめでとう!)」

ニシキ「ゴォォォォ(ありがとよ兄弟。もう俺は弱くない)」

桐生「さあ行くぞ!!」

ニシキ「ゴォォ!(ああ!ガンガン行こうぜキリュウ!)」

今日はここまで
今回はカットが多かったです
壊し屋モードの桐生さんが洋式トイレを引っこ抜いて暴れたり、真島の兄さんが蛇口の水をポケモンに気絶させるまで飲ませたりする描写…etc

次回、VSサカキ

(チーム・ネオ東城会構成員の手持ちポケモン一覧)

会長・桐生
ピカチュウ・ニシキ(ギャラドス)・タチバナ(ゴルバット)・シンジ(アーボック)・シンジ(ハクリュー)

若頭・真島
ニシタニ(ゲンガー)・リー(カイリキー)、リザードン、オコリザル、フーディン

若頭補佐・秋山
サワムラー・ラッキー・ピッピ・プリン・イーブイ

構成員・品田
エビワラー・カモネギ・サイホーン・カビゴン・カイリュー♀

構成員・高杉
コラッタ(進化止めのレベル30)

>>252(訂正)
(チーム・ネオ東城会構成員の手持ちポケモン一覧)

会長・桐生
ピカチュウ・ニシキ(ギャラドス)・タチバナ(ゴルバット)・リキヤ(アーボック)・シンジ(ハクリュー)

若頭・真島
ニシタニ(ゲンガー)・リー(カイリキー)、リザードン、オコリザル、フーディン

若頭補佐・秋山
サワムラー・ラッキー・ピッピ・プリン・イーブイ

構成員・品田
エビワラー・カモネギ・サイホーン・カビゴン・カイリュー♀

構成員・高杉
コラッタ(進化止めのレベル30)

乙です。
命のやりとりですむかね?ところでコジロウ(ズバット)て何?

>>260

>>241のこれは誤字です
他にも誤字あるかもしれないけど、あまりに気になるのは後で訂正文投下します

【最上階】

桐生「いよいよここまで来たか」

品田「この奥の部屋にサカキがいるんだな」

真島「桐生チャン、はよこの扉をブチ破ろうや」

桐生「分かってる」

コジロウ「待てぇぇ!!」

桐生「またお前か」

コジロウ「ここからさきは通さないぞ!」

秋山「ほう…で?手持ちはないようだけど」

コジロウ「ああそうだよ!もう闘えるポケモンはいない!」

真島「それでおどれはどうしたいんや」

コジロウ「……お」ガクガク

コジロウ「お、おお…おおお、俺が!相手になってやる!!」ガクガク

品田「思いっきり足震えてんじゃん…」

桐生「……」テクテク

コジロウ「か、かか、かくごしろーー!」

桐生「フン!!」

ドゴォォン!

キリュウはコジロウに壁ドンをしかける!

コジロウ「」

桐生「お前じゃ相手にならねぇよ…ふん!!」

ドゴォォン

ロックが掛かっている扉がへこむ!

桐生「どけコジロウ…喧嘩の相手なら、また後でな」

コジロウ「ハ、ハイ…」ガクガク

桐生「部屋に入るぜ…オラァァ!!」

【社長室】

ドゴォォン!!

キリュウはドアを蹴り破る!

サカキ「……」

コツコツ…

真島「おどれがロケット団の頭か」

サカキ「ウワサ通り、本当に荒っぽい連中だ」

桐生「サカキ、今すぐこの街とシルフカンパニーから撤退しろ」

サカキ「フン…ネオ東城会といったな?君達が変わりにこの街を占拠でもする気か?」

品田「バッキャロー!そんなんじゃねぇ!この街の平和を守りに来たんだ!」

高杉「サカキさんよぉ、いくらなんでもやりすぎだって思わねぇのかい?この街にどれだけのカタギがいると思ってんの?」

秋山「一線越えちゃってるよねどう考えても」

サカキ「……」

桐生「どうしてもここに居座るってんなら、痛い目に合ってもらうぜ」

サカキ「ふん…それはコチラの台詞だ」

サカキ「お前達、でてこい!」

ゾロゾロ…

ロケット団構成員達「…」

サカキ「ざっと20人はいる。手持ちポケモンも6匹まで持っている闘いのエキスパートの連中ばかりだ」

サカキ「果たして勝てるかな?」

桐生「オラァァ!!」ドスッ

ロケット団構成員1「ゴハァァ!?」ドサッ

桐生「……気絶させた。これでポケモンも出せない。残りはお前を除いて19人」

真島「ヒャーッハハハハ!ええで桐生チャン!」

サカキ「つくづく荒っぽい奴らだ」

サカキ「ではポケモンを出す前に…おい、そこのお前」

ロケット団構成員2「はい?」

サカキ「飾りでおかれている刀、私に渡せ」

ロケット団構成員2「っ!?まさかボスも直々に闘う気ですか!?」

サカキ「ああ。コイツらはポケモンバトルのみで事を決しようなどという考えはない」

サカキ「フン!」バッ

サカキは上着を脱いだ!

桐生「……」バッ

キリュウも上着を脱いだ!

ロケット団構成員2「ボス…刀です。お受け取り下さい」ススッ

サカキ「うむ」

サカキ「……さあ、私も闘おう。命をかけて」チャキッ

サカキは抜刀する!
さらにモンスターボールをとりだす!

サカキ「君達はポケモンバトルをしに来たのではない…相手がポケモンだろうと何だろうと容赦ない襲撃にきた。そうだろ?」

桐生「ああ」

真島「せや」

サカキ「まずはいけ!ニドリーノ!」

ニドリーノ「ギャォォ!」

桐生「よし、いけピカチュウ!」

ピカチュウ「チャー!」

サカキ「では私も…覚悟しろ!ネオ東城会!!」ダダッ

サカキは刀を握ってキリュウに立ち向かう!

桐生「サカキィィィ!!」ダダッ

キリュウも鉄パイプを持って、サカキに立ち向かう!

ガキィィン!!

桐生・サカキ「ウオォォォォ!!!」

[VSロケット団リーダー・サカキ]

桐生「せい!」

キィン!キィィン!

サカキ「フン!」

真島「どれ、そろそろ俺たちも暴れようや」

真島「いけやニシタニ!リー!」

ニシタニ(ゲンガー)「ゲヒヒヒヒ!」

リー(カイリキー)「ウォォォ!」

秋山「行ってこい!サワムラー!」

サワムラー「デイデイ!」

品田「いけ!エビワラー!」

高杉「行ってこいコラッタ!」

ロケット団構成員達「俺たちも行くぞ!!」

各自が手持ちのポケモンをとりだす!

ロケット団構成員2「まずはキリュウのピカチュウを狙え!ウツボット!」

ロケット団構成員3「キリュウのピカチュウは、普通のピカチュウと違うとのウワサだ…程よく痛めつけて、生け捕りにしろ!ゴウリキー!」

ロケット団構成員4「イワーク!キリュウのピカチュウにしめつけるだ!」

ロケット団構成員5「ベトベタン!へどろこうげきだ!」

真島「おーおー桐生チャンのピカチュウは人気者やのう」

ピカチュウ「ピカピカ…チュー!(手加減はしないよ、死にたい奴だけ…掛かって来い!)」

バチバチバチ!!

ピカチュウは全身に激しい帯電をおこす!

サカキ「フン!オラァ!」

ガキィン!キィン!

桐生「ほう、やるじゃねぇか」

サカキ「私は組織のトップなのでね。武術にも長けていないと」

桐生「そうか」

ガキィン!キィン!

桐生「だがそれでも、おまえじゃオレには勝てねぇよ」

キリュウは大きく後退して、サカキと距離を置く

サカキ「そう言う割には、私から距離を置いてるようだが…虚勢でも張っているのか?」

桐生「フン!」

キリュウは鉄パイプをサカキに投げつける

サカキ「フン…何をするかと思えば、そんな攻撃くらい私なら何てことない」ササッ

サカキは冷静に鉄パイプを避ける

桐生「そうか。ならこれならどうだ……ふん!!」ガシッ

サカキ「なっ…」

キリュウは大理石テーブルを持ち上げる!

サカキ「バカな…大理石テーブルを!しかもかなり重量だぞ!?」

桐生「オラァァァ!!」ブンッ

ボゴォォン…パリィィン

サカキ「ゴガァァ!!」

キリュウは大理石テーブルを振り下ろす!
サカキの刀と頭部をかち割る!

サカキ「ぐっ…ぅぅ…」フラフラ

ロケット団構成員6「ボス!!」

ロケット団構成員6「くそ…大理石テーブルで人を殴るなんてどうかしてるぜ!」

秋山「他人の心配している場合かな?」

秋山「いくぜ相棒!オレとお前のダブルハイキックだ!」ブンッ

サワムラー「シャー!!」ブンッ

ボゴォォン!

ロケット団構成員6「グアァァ!?」ドサッ

桐生「ピカチュウ、そっちはどうだ?」

ピカチュウ「ピカピカ!(ほとんどたおしたよ!)」

桐生「そうか」

品田「まあこれだけポケモンも人間も戦力が揃ってれば、問題ないでしょ!」

サカキ「ぐっ…部下もそのポケモンも、そして私のニドリーノもやられてしまったか…」フラフラ

サカキ「だがまだ終わっていないぞ!行ってこいサイホーン!」ポンッ

サイホーン「ゴォォォ!!」

サカキ「サイホーン、まずはこわいかおだ!威嚇してピカチュウの素早さをさげろ!」

サイホーン「ゴォォ!!!」

サイホーンはこわいかおで、ピカチュウを威嚇する!

ピカチュウ「……」

ピカチュウ「ビガァァァ!!!」

しかしピカチュウには効かない!

ピカチュウのすばやさは下がらず、逆に闘志をさらに燃やす!

サカキ「っ!?全くひるみもしない…」

サカキ「ええい!つのドリルだ!」

サイホーン「ゴォォォ!!!」ダダッ

真島「あかん…つのドリルは一撃必殺の技や」

秋山「まずい!」

桐生「フン、当たらなければ良いだけだ」

桐生「ピカチュウ、闘い方は任せる。上手く回避しろ」

ピカチュウ「ピカピカ!」

サイホーン「ゴォォォ!!!」ダダッ

サイホーンはつのドリルをしかける!
つのを回転させながら、ピカチュウに向かってとっしんしていく!

ピカチュウ「ピ~カ~!!」ググッ

ピカチュウは回転する角をつかみ回転を止め、突っ込んできたサイホーンの動きを止める

サイホーン「!!?」

サカキ「なっ!?」

ピカチュウ「ピカ…ジュゥゥゥゥ!!!」バチバチ

ピカチュウは帯電を起こしながら、拳に力をこめる

サカキ「フン…サイホーンは地面と岩タイプだ!ピカチュウにとって相性は悪いはずだ!」

ピカチュウ「ビガァァァ!!!」

ズドォォォン!!!

サイホーン「っ!!?」

ピカチュウのかみなりパンチ!
その勢いのまま、サイホーンは壁にめり込む!

サイホーン「」グッタリ

サカキ「バ、バカな!!こんなのデタラメだ!!」

桐生「デタラメだと?オレとピカチュウは何も不正なんてしていない」

桐生「いまある結果が全てだ。それと周りを良く見ろ」

サカキが辺りを見回すと、ロケット団構成員もそのポケモン達も全員が倒れ、壊滅させられていた

桐生「お前らの戦力はみな壊滅状態だ」

桐生「さあ、サカキ」ガシッ

サカキ「ぐっ…!!」

キリュウはサカキの顔面をつかむ!

桐生「オレとお前の喧嘩はまだ終わってねぇ」

桐生「フン!!」

サカキ「ぐっ…!!」

ボゴォォン!!

キリュウはサカキの顔面を、強化ガラスにたたきつける!

桐生「フン!!」

ボゴォォン!!

サカキ「ガフ…!」

サカキの顔面を、強化ガラスにたたきつける!

桐生「オラァ!!」

ボゴォォン!!

サカキ「ゴボォ!」

さらにたたきつける!
強化ガラスにひび割れがおこる

桐生「オラァァ!!」

ボゴォォン!!

サカキ「ゴガァァ…!」

さらにたたきつける!!
ひびが大きくなる!

桐生「寝てろ!!」

バリィィィン!!

サカキをガラスにたたきつける!
衝撃で強化ガラスが割れる!

サカキ「」

桐生「終わりだサカキ。今すぐ撤退をしろ」

ドサッ

サカキ「」

キリュウはつかんでいたサカキを後ろへと放り投げる!

真島「なんや桐生チャン。そのまま顔面離してしまえばええのに」

品田「離したら落下して死んじゃうでしょ!?」

秋山「ま、それは流石にやり過ぎだしね。殺人になってしまう」

コジロウ「バカヤロウ!もうすでに殺人未遂だ!!」

秋山「あれ、やっぱ来たの?」

コジロウ「アンタらやりすぎだ!ボスを殺す気か!」

桐生「大丈夫だ。あの程度の攻撃で死ぬタマじゃねぇよ」

ムサシ「普通は死ぬわよ!頭おかしいんじゃないの!?」

サカキ「ぐ…ぅぅ…」

血まみれのサカキは、ゆっくりと立ち上がる

ムサシ・コジロウ「ボス!!」

ニャース「良かった!生きてたニャ!」

サカキ「……危うくあの世に行くところだった」

桐生「ふん、それだけ打たれ強いんじゃ、これからも簡単にはあの世にいかないと思うぜ」

サカキ「……」

桐生「サカキ、おれはお前を殺すつもりはない。今すぐこの街から撤退しろ」

パラパラパラパラ…

秋山「ん?なにか聞こえるぞ…」

真島「この音…ヘリやな」

サカキ「桐生…キミは確かに強い。そして優秀なトレーナーだ。しかし、よく言われないか?」

サカキ「『最後のつめが甘い』と」

バラバラバラ…!

構成員「大丈夫ですかボス!」

サカキ「ああ、危うく死に掛けたがな」ヒョイッ

サカキは壊れた強化ガラスを飛び越えて、ヘリに乗り込む

サカキ「サイホーンにニドリーノ!お前達もボールに戻れ!」ヒュンッ

サカキ「ネオ東城会…そして桐生。私はこの土地から去る。しばらくは元の拠点に戻り潜伏しようと思う」

サカキ「またいずれ会おう…さらばだ!」

サカキはヘリで逃げていった!

桐生「……」

品田「チッ!逃げられた」

秋山「ま…良いんじゃない?この街から去るんなら」

真島「桐生チャンも甘いのぉ~甘々や!あのままビルから突き飛ばしてやれば、片付いた物の」

高杉「ま、そんな事したらオレたちはムショ行き確定だけどな」

チーム・ネオ東城会はそれぞれの手持ちポケモンをボールに戻すと、後ろに振り返りこの場を立ち去ろうとする

コジロウ「待てアンタら!」

桐生「どうした」

コジロウ「……今回の一件で、ロケット団は壊滅的な被害を受けた」

コジロウ「アンタらに恐怖して、ロケット団を辞めていく同胞も間違いなく出てくる」

桐生「……」

コジロウ「だが俺たちは絶対にロケット団をやめないからな!」

コジロウ「次に会うときは…覚悟しろよ!キリュウさん!」

桐生「ふん、いいぜ。いつでも掛かって来い」

ムサシ「……っと言うわけで。今日はこの辺で」

ニャース「コジロウ、行くニャ」

コジロウ「……」

ムサシ・コジロウ・ニャース「やーなかーんじー!!」ダダッ

社長「このたびはシルフカンパニー及びヤマブキシティを守っていただき、心から感謝申し上げます」

桐生「いや…あんたらも無事でよかったぜ」

社長「ネオ東城会とは一体いかなる組織で?」

秋山「あー…なに?あれは気合を入れるためにノリで作ったグループ名だからあまりお気になさらず」

社長「そ、そうですか?まあとにかく助かりました」

社長「しかも、修理費までくれるなんて…」

桐生「礼ならジムトレーナーのナツメに言ってくれ。その金はアイツからのだ」

秋山「ま、このビルの扉やら備品やらを破壊しまくったのは、俺達な訳ですし」

真島「あーでもなんや。どうせ修理費を払うんやったらもっと暴れておけばよかったわぁ」

品田「あんたまだ暴れ足りないんですか」

――シルフカンパニーやら街の人々に一通り感謝されたあと、チーム・ネオ東城会はファミレスにて祝勝会を開く事になった

真島「桐生チャンはこれからナツメの嬢ちゃんに闘いに挑むんやな?」

桐生「ああ。今日はポケモンセンターにピカチュウたちを預けている…明日からだな」

桐生「真島の兄さんはたしか…ライコウだっけか?そんな名前のポケモンを捕まえるためにジョウト地方に行くと言っていたが」

真島「せや」

桐生「なぜそのポケモンにこだわる」

真島「虎っぽいポケモンを探しておってのう」

真島「オーキドのおっさんやポケモン大好きマサキから聞いた話やと、ジョウト地方に行けば、ライコウいう虎に似たポケモンに会えると聞いたからや」

桐生「虎…まさか」

真島「まああれや。冴島の兄弟へのプレゼントや。俺が元の世界に戻って、兄弟がシャバに出てきた頃にプレゼントでもしようとおもってのう」

桐生「名前は嶋野とかするのか?」

真島「それだけは絶対無いわ。島野の親父もたしかに虎やけど…あの人はどちらかと言うとマルマインやろ」

桐生「秋山たちはどうするんだ?」

秋山「この世界に来た時に世話になった格闘道場へ挨拶をしにいって、その道場でアルバイトでもしようとおもって」

桐生「金に困っているのか?」

秋山「じつは俺と品田、高杉さんで毎日の様にサファリゾーンで遊びまくってて…それで金が無くなってしまって」

桐生「サファリザーン?」

品田「セキチクシティにあるんスよ!面白いから今度行ってみてください!」

真島「懐かしいのうサファリゾーン…俺は出禁になってもうたが」

桐生「あんた何をしたんだ」

真島「俺とポケモン、どっちが強いか暴れまわってたんや」

桐生「ポケモンじゃなくてあんた自身がポケモンとバトルをしたのか。そのサファリゾーンで」

真島「ごつい奴らばかりで、おもろかったのに…残念や。もっかい行きたいわ~」

品田「真島さん。サファリゾーンでの目的を履き違えてますよ…」

【翌日】

真島「ほんじゃ桐生チャン、俺はナツメの嬢ちゃんから貰ったこのトラックで、ジョウト地方まで旅するわ」

真島「俺は既にバッジを全部ゲットし取るわ。桐生チャンがポケモンリーグに行き着く頃を見計らって、俺もカントー地方に戻ってくるつもりや」

桐生「兄さん、達者でな」

真島「ああ…それと、俺からのアドバイスや」

真島「桐生チャンのピカチュウは既にほぼ完成しとる。俺の予測やけどレベルにして約60やな」

桐生「……それは喜んで良いのか?それともまだダメなのか?」

真島「いや、ヤマブキシティの時点で約60%まで育ててれば充分や。強すぎる位や」

真島「ピカチュウだけみれば、今すぐにでもポケモンリーグへ出場できるやろ」

真島「だが俺のゲンガーのニシタニには敵わん。奴は俺の予想だとレベル70はある」

真島「この世界にいる間にレベル100まで育てきれるか分からんが…この俺を越えたければ、全ポケモンのレベルを平均60~70以上まで育てる必要がある」

桐生「……」

真島「特に桐生チャンの手持ちポケモンは、レベルの格差が激しいからのう。ピカチュウ以外のポケモンは、ナツメ戦でギリギリ闘えるかどうかって所やろ」

桐生「……兄さんの予想で良いが、ニシキのレベルはどれ位なんだ?」

真島「ギャラドスの錦山は大体20位やな」

桐生「……」

品田「大丈夫ですよ桐生さん!ギャラドスは元々強いからレベルに差があろうと、大した問題じゃないですよ」

桐生「……だがいずれ兄さんを超える為には、なんとしてもピカチュウに負けないくらいに鍛えなおさないとな」

真島「ほんじゃ桐生チャン、頑張れや」

真島「次に会うときは、もっと強くなっとるで。ポケモンも…そして俺自身もな」

桐生「ああ、楽しみにしてるぜ」

マジマと別れた!

【格闘道場】

品田「ウッス!!」

秋山「おじゃましまーす」

タケノリ「久しぶりっス!アキヤマさん、タカスギさん、シナダさん!」

門下生1「聞きました!あのロケット団を追い払ったのは3人とその仲間たちだと!」

品田「いや~おれなんか大した事やってないっスよ~」

高杉「俺なんかもっとダメだ。バケモノ4人組みに囲まれながら俺だけ常人としての闘いしか出来なかった」

秋山「今日は俺たちよりもさらに強い人をお連れしました」

タケノリ「なに!?あのシナダさんとアキヤマさんよりも強い人がいるだと!?」

秋山「紹介します。俺たちチーム・ネオ東城会の会長、桐生一馬さんです」

桐生「桐生だ」

タケノリ「むむ!!初めまして」

品田「桐生さんは俺たちの数倍強い人ですよ」

タケノリ「」

タケノリ(あの二人と手合わせして、歯が立たなかったというのに…あの二人よりも数倍!?)

桐生「一応聞くがここはジムではなく、あくまでただの道場なんだな?」

タケノリ「ええ。前にポケモンリーグ公認ジムの座をかけて闘った事もあったんですが、負けてしまって」

桐生「ほう…だとすると、ナツメは相当強いんだな」

タケノリ「ええ、彼女はエスパータイプを使ってきます。厄介な相手なので注意してください!」

秋山「桐生さん。おれと高杉さんと品田は、金が溜まるまでこの道場の師範としてアルバイトをする事にしました」

高杉「俺は二人と違ってバケモノじゃないが、一応黒帯を持てるくらいの実力はあるらしい」

品田「金が溜まったらまた旅をするつもりです!」

桐生「そうか。いつかポケモンリーグで会えると良いな」

秋山「ええ。まあ俺と高杉さんはポケモンリーグに出るか分かりませんが、少なくとも品田は出るでしょう」

桐生「そうか」

品田「桐生さん…俺、ポケモンが大好きなんですよ!」

品田「俺にとって人生の生きがいといえば、野球と風俗しか無かったけど…この世界にきてポケモンと出会って…いま、人生で一番充実してるんっス!」

品田「ゆくゆくはオーキド博士と同じポケモン研究家になりたいです!」

桐生「……そうか。それじゃお前はこの世界に残るんだな」

品田「え?」

桐生「俺は遥を見つけて、ポケモンリーグを制覇したら、この世界に送った奴を探し出し、元の世界に帰るつもりだ」

秋山「俺もそのつもりです」

品田「……」

高杉「安心しろや品田。おれはお前のそばにいるぜ」ポンッ

品田「高杉さん…」

桐生「まあ、夢を持つのは良いが、よく考えておくんだな」

品田「……」

桐生「それじゃ、またポケモンリーグで会おうぜ」

品田「ウッス。また会いましょう」

シナダとアキヤマ、タカスギと別れた!

【ポケモンセンター】

桐生「ピカチュウ、元気になったか」ナデナデ

ピカチュウ「チャー!」

桐生「そうか、元気になってよかった」

桐生「……」

桐生(そういえば最近、オーキドの爺さんに連絡を取ってなかったな)

桐生「電話するか」

ppppp

『キリュウか!久しぶりじゃのう』

桐生「ああ、一時期はオツキミ山で山篭りしてたからな」

『山篭り!?そうか、だから連絡が取れなかったのか』

『それにしても凄いじゃないか。あのロケット団を追い払うなんて』

桐生「協力者もいたおかげで、カチコミは成功したぜ」

『……ところでキミが謎の組織・ネオトージョー会の会長というのは本当なのかね?』

桐生「え」

『謎の組織・ネオトージョー会がロケット団を追い払ったと聞いておる。一体ネオトージョー会とは』

桐生「……あれはその場のノリで決めたチーム名みたいなもんだ。気にしないでくれ」

『そ、そうか?ならいいのだが…』

『それよりポケモンは何匹捕まえたんじゃ?』

桐生「5匹…進化した分も含めると9匹だ」

『な、なんだって~!?まだ9匹しか捕まえておらんのか!』

桐生「……」

『もっと積極的に捕まえんとダメじゃぞ!そんな事ではポケモンマスターの道のりは遠いぞ』

『カントー地方だけで151匹いると言われておる。もっと頑張らねばダメだ!』

『シナダくんなんか、既に100匹捕まえておるぞ!』

桐生(品田の奴、もうカントー地方のポケモンを半分以上ゲットしたのか…)

桐生「……なあオーキドの爺さん」

『なんじゃ』

桐生「俺は前にも話したが、別にポケモンマスターを目指してる訳じゃない。ある人間を探している」

桐生「ポケモントレーナーをしてるのは、人探しのついでだ」

『じゃがしかし…』

桐生「アンタには助けてもらった恩義がある。その義理を返すためにポケモンもわずか4匹だが捕まえてきたし、ピカチュウだってちゃんと育ててきた」

桐生「……だが近頃、これ以上ポケモンを捕まえたくないとも思っている」

『……?それはどういう意味じゃ』

桐生「手持ちポケモンは6匹までだ」

桐生「つまりあと一匹捕まえればいっぱいになり、7匹目以降はオーキドの爺さんの研究所まで飛ばされてしまう」

桐生「おれはな、どんなポケモンも一度捕まえたからにはキッチリ育てるつもりだ」

桐生「…だが、おれは今現在の手持ちのポケモンに愛情を注ぎすぎた」

桐生「俺は手持ちのポケモンたちと離れたくは無い。だからこそ…次に捕まえる6匹目のポケモンを最後の仲間にしようと思う」

『ふむ…ポケモンに対して情が移り過ぎてしまったのか』

桐生「すまん。俺は出来ることならコイツらと離れたくはない。コイツらが俺と別な生き方を望むなら話は別だが…」

『……分かった!ならばキミのトレーナーとしての生き様…最後まで見届けさせてもらおう』

桐生「すまねぇな」

『気にするな。ポケモンマスターになる事だけが全てじゃない』

桐生「その代わり俺が生涯最後にゲットするポケモンは…凄いポケモンを捕まえるつもりだ」

『うむ、期待して待っておる!』

桐生「ああ、それじゃあ」

~~~~

桐生「……」

桐生(凄いポケモンを捕まえると約束してしまった以上、俺も気合をいれないとな)

桐生「だがまずは目の前にある壁…ヤマブキジムでナツメとの決闘だ」

今日はここまで
ヤマブキシティ編も終盤、物語も間も無く後半

ただナツメ戦、その次のキョウ戦はサクッとやるつもりです

嶋野「おう、お前ら!ドッカンドッカン爆発したれや!」
マルマイン「「「「へい!」」」」

【ヤマブキジム】

ナツメ「待っていたわ」

桐生「よお」

ナツメ「この街を守ってくれてありがとう」

桐生「こっちこそ色々と協力してもらって助かった」

ナツメ「でも勝負に情けはかけないわ」

桐生「それでいい」

ナツメ「……わたし、争いはすきじゃないけど、アナタが望むなら力を見せてあげる」スッ

ブゥゥン

桐生「!?」

ナツメは上着をテレポートさせる!

桐生「ビックリしたぜ…」

ナツメ「上着は能力を使って飛ばしただけ。水着姿なら問題ないでしょ?」

桐生「あ、ああ」

ナツメ「最近のトレーナーは気合を入れるため、バトル直前に脱ぐと聞いたから、礼儀としてね」

桐生「そうか、ならば俺も」バッ

桐生は上着を脱いだ!

桐生「いくぞ!」

ナツメ「かかってきなさい!」

[VSヤマブキジム・ジムリーダー・ナツメ]

桐生「よし…ニシキ!お前の力を見せてくれ!」ポンッ

ニシキ(ギャラドス)「ゴォォォ!(まかせろキリュウ!)」

ナツメ「バリヤード、力の差を見せ付けてあげなさい」ポンッ

バリヤード「バリバリ!」

桐生「ニシキ!まずはにらみつけるだ!」

ニシキ「ゴォ!」ギロッ

バリヤード「っ!!」ビクッ

バリヤードのぼうぎょが下がった!

ナツメ「怯えないでバリヤード、ねんりきよ!」

バリヤード「バリバリ!」

………

ニシキ「?」

桐生「?」

ズドォォン

ニシキ「ゴォォ!?」

桐生「なっ…いきなり衝撃が…」

バリヤードのねんりき!
ニシキはこんらん状態になる!

ニシキ「グオォォォォ~~!!」

ニシキはみずからの体を壁や床にたたきつける!

桐生「おちつけニシキ!」

ナツメ「無駄よ。こんらんになるとしばらく自傷し続ける」

ナツメ「さあバリヤード、かみなりよ!」

バリヤード「バリバーリ!」

ボォォォン!!!

ニシキ「ゴォォォ!?」

バリヤードのかみなりがニシキに直撃する!

桐生「ニシキィィ!!」

ニシキ「」グッタリ

桐生「まずいな…もうギブアップか?」

ニシキ「ゴォォォ…(まだだキリュウ)」ピクッ

桐生「ニシキ…!」

ニシキ「ゴォォォ…!(勝負はこれからだ…!)」

ニシキはこんらん状態が解かれる!

桐生「よく立ち上がったニシキ、スタミナンXを飲ませてやる」

ニシキ「ゴォォォ!(恩にきるぜ!)」ゴクゴク

ニシキのHPとPPが回復した!

ナツメ「フン…状態異常が解かれても、またこんらんさせれば良いだけ」

ナツメ「バリヤード!ねんりきよ!」

バリヤード「バリバリ!」

ニシキ「ゴォ、ゴォォ!!(攻撃はさせねぇ、オラァァ!!)」

ニシキはりゅうのいかりを発動!
衝撃波がバリヤードを襲う!

ズドォォン!!

バリヤード「バリィィ!?」

ナツメ「な…!」

桐生「ニシキ!好きに暴れろ!」

ニシキ「ゴォォォ!!」

ニシキの口からはかいこうせんが放たれる!

バリヤード「バリ!?」

ボォォォン!!

ニシキ「ゴォォォ!!」

立て続けにニシキは、口からハイドロポンプ!

ズドォォン!!

バリヤード「……っ!!」

さらにニシキはかみつく!
バリヤードの体から全く離れず、ひたすらかみくだく!

ニシキ「グゥゥゥ!!」ガブガブ

バリヤード「」ガクッ

桐生「もういいニシキ。バリヤードは気を失っている」

ニシキ「ゴォォ(おっと、やりすぎちまった)」

ニシキの牙がバリヤードを離す

ドサッ

バリヤード「」

ナツメ「バリヤード、戻って」ヒュンッ

ナツメ「では次は…フーディン!」

フーディン「フゥゥ!」

桐生「ニシキ戻れ!」ヒュンッ

桐生「いってこいピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

ナツメ「フーディン、かなしばりよ!」

ピカチュウ「っ!?」ビクッ

フーディンのかなしばり!ピカチュウは動きを封じられる!

桐生「チッ…厄介だぜ。エスパーってのは」

ナツメ「フフ、昔の公認ジムを賭けて闘った格闘道場のトレーナーもそんな事を言っていたわ」ススッ

ナツメはポケットからスプーンを取り出す

ナツメ「……」グニャッ

そして手のひらにおくと、スプーンがいきなりグニャリと曲がる

桐生「……」

ナツメ「エスパータイプはそれだけ強いという証拠よ」

桐生「……」ゴソゴソ

桐生もポケットからマイスプーンを取り出す

桐生「……ならあの格闘道場の連中の無念を晴らすべく」

桐生「格闘ワザで決めてやる」ググッ

バキィィン…カララン

桐生は親指の力でスプーンを真っ二つにへし折る

ナツメ「いいわ、物理か超能力か…決着をつけましょう」

ナツメ「でも知らないの?格闘攻撃はエスパータイプに効果が少ないことを」

桐生「俺のピカチュウは、そこらの格闘タイプよりも何倍も洗練されている。甘く見ないほうが良いぜ」

ナツメ「そのピカチュウはピンチのようだけど?」

ピカチュウ「~~~ッ!!」ググッ

ナツメ「さあフーディン、サイコキネシスを連発しなさい」

フーディン「フゥゥ!!」

フーディンのサイコキネシス!

桐生「っ!!なんだ…蜃気楼?視界が歪む…」

ズドォォン!!

ピカチュウ「………!」

ピカチュウの全身に衝撃がはしる

桐生「なっ…!」

ナツメ「さあ、そのまま一気に畳み掛けて息の根を止めるのよ!」

ズドォォン!!ズドォォン!!

ピカチュウ「……!」

ズドォォン!!ズドォォン!!

フーディンのサイコキネシスの猛攻が続く!

ズドォォン!!ズドォォン!!

~~~~

フーディン「ゼェゼェ…」

ナツメ「あら、力を使い果たしてしまったのね…でもピカチュウはもう」

フーディンのサイコキネシスのPPが底を尽きる

ピカチュウ「ピ…ピカ…」ムクリ

ナツメ「なっ…!?まだ体力が残っているの!?」

桐生「ふぅ…少しヒヤヒヤしたぜ」

ピカチュウ「ビガァァ!!」バリバリ

ピカチュウは全身に帯電を起こす!

フーディン「」ビクッ

ナツメ「フーディン!サイコキネシスは使えなくても、まだ他の技が残っているわ!」

ナツメ「まずはもう一度、かなしばりを…」

ピカチュウ「ピカッ!!」ダダッ

ナツメがフーディンに命令する前に、ピカチュウはこうそくいどうで、一気にフーディンの目の前まで突進する

フーディン「っ!!」

桐生「ピカチュウ、張り手アッパーだ!」

ピカッ!!

バシンッ!

フーディン「グゥッ!?」

桐生「その勢いで、おうふくビンタだ!」

ピカチュウ「ビガッ!!」

バシン!!バシン!!

フーディン「ゴボッ!?」

ピカチュウの電撃を込めたおうふくビンタ!
一発一発フーディンの顔面を叩くたびに、フーディンの顔がはげしくゆがむ!

バシン!!バシン!!

フーディン「」ガクッ

ナツメ「フーディン…嘘でしょ」

桐生「言っただろ。俺のピカチュウは鍛え方が違うと」

ナツメ「くやしいけど私の負けよ」

桐生「フッ…エスパータイプってのも、なかなか凄い物だった」

ナツメ「バッジよ、受け取って」

桐生「ああ…」スッ

桐生「ヤマブキジムのバッジ、ゲットだぜ!!」

キリュウはゴールドバッジをゲットした!

ナツメ「次はセキチクジムに行くのね。頑張って」

桐生「ああ。それで聞きたいことがあるんだが」

ナツメ「聞きたいこと?」

桐生「こう…凄いポケモンがいる場所とか知らないか?」

ナツメ「凄いポケモン?随分と抽象的な言い回しね」

桐生「強力かつ珍しいポケモンだ、ドコにいるか分からないか?」

ナツメ「ふむ…それならまず、むじんはつでんしょに行くと良いわ」

桐生「むじんはつでんしょ?」

ナツメ「無人と言ってもトレーナーはいるだろうし、多くのポケモンが住み着いてるわ…そして噂では、伝説のポケモンの一匹が住み着いてるとの話だわ」

桐生「伝説の…ポケモン…」

ナツメ「ただ仮に発見できても捕まえるのは難しいと思うわ。そこは覚悟して」

桐生「ああ、肝に銘じておく」

――それから桐生は手持ちのポケモン達を、道中のトレーナーや野生ポケモンと闘わせつつも数日をかけて、むじんはつでんしょに到着する

【むじんはつでんしょ】

桐生「無人発電所にきて随分と歩き回った…」

桐生「隅々まで歩き回ったつもりだが、その伝説と思われるポケモンは見付からなかった」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「ああ、あくまでも噂だもんな」

桐生「……あるいは住処を変えたか、誰かがもう捕まえたのか」

桐生「何にしてもこれ以上の長居は無用だ。セキチクシティへ向かおう」

【さらに数日後・セキチクシティ・サファリゾーン】

桐生「セキチクシティに到着して、さっそくサファリゾーンに来てしまった」

桐生「珍しいポケモンはいないか…」ガサガサッ

~~~~

桐生「珍しいポケモンは大勢いた。ポケモン大好きの品田がこのサファリゾーンでハマッてしまう気持ちも分からんでもない」

桐生「だがしかし、オレの心を本気で躍らせてくれるポケモンには巡り合えなかった…」

桐生「……」

桐生「ポケモン探しは中断するか、ジムリーダーのキョウに会いに行こう」

【セキチクジム】

キョウ「ファファファ!貴様がキリュウか」

桐生「ああ、そうだ」

キョウ「見かけによらず、随分と可愛らしいポケモンを引き連れているんだな」

桐生「こいつを見た目で判断しない方が良いぜ」

ピカチュウ「ピカピカ!」

キョウ「ほう、伊達にここまで来た訳じゃなさそうだ」

桐生「もっとも、今回はピカチュウは出さないがな」

キョウ「なに?そいつがエースじゃないのか」

桐生「ピカチュウはウチのエースだが…他のやつらのレベルアップを図りたい」

キョウ「ほう…随分と余裕だな」

桐生「他の連中だって強いって事を思い知らせてやるさ」バッ

キリュウは上着を脱いだ!

キョウ「ふむ…では忍びの技のごくい、受けてみるが良い!」バッ

キョウの上着がはだける!

キョウ「いくぞ!」

桐生「おう!」

[VSセキチクジム・ジムリーダー・キョウ]

桐生「よし、いけシンジ!」

シンジ(ハクリュー)「リュウゥゥゥ(まかせてください兄貴)」

キョウ「む、また珍しいポケモンを」

キョウ「ではこちらは…マタドガス!」

マタドガス「マタドガース」

桐生(マタドガスか。まあコイツとの闘いはロケット団で慣れているが…実力が間違いなく、奴らよりはるか上だ)

桐生「シンジ!りゅうのいかりだ!」

シンジ「リュウゥ!」

シンジのりゅうのいかり!
凄まじい衝撃がマタドガスを襲う!

ズドォォン!

マタドガス「ゥゥ!!」

キョウ「先手を取ってきたか…だが負けん。マタドガス!スモッグを放て!」

マタドガス「マタドガース!」

モクモクモク

シンジ「っ!!」ビク

マタドガスのスモッグ!
シンジはどく状態になる!

シンジ「リュ、リュゥゥ…」ビクビク

桐生「くっ…負けるなシンジ!まきつくだ!」

シンジ「リュゥゥ!!」ガシッ

マタドガス「!?」

ギュゥゥゥ

シンジはマタドガスにまきつく!

キョウ「むっ!あれは厄介だ…」

キョウ「マタドガス!どうにかして振りほどけ!」

マタドガス「マタドガース!」ブンブン

マタドガスは必死にシンジを振りほどこうとするが、ぜんぜん離れない!

キョウ「くっ…」

桐生「俺の手持ちポケモンはこういう系統の技、一度巻き込まれたら、俺が指示するか瀕死になるまでずっと粘着し続けるぜ」

シンジ「リュゥゥゥ!!(往生しろや!マタドガス!)」

ギュゥゥゥ

マタドガス「ゥゥ…!」ジタバタ

シンジはまきつくで、マタドガスにさらにダメージを与えていく!

キョウ「ふむ…なら、やむ終えないか」

キョウ「すまないマタドガス!だいばくはつだ!」

桐生「なに!?」

マタドガス「っ!!マタドガーース!!」

ボゴォォォォン!!!

桐生「シンジーー!!」

シンジ「」

キョウ「すまん…あとでポケモンセンターに連れて行く。戻れマタドガス」ヒュンッ

マタドガス「」

桐生「フン…痛みわけか。なら次は」

桐生「タチバナ!いってこい!」

タチバナ(ゴルバット)「ギギギギ!!」

キョウ「ほう、おぬしもどくタイプを…なら、こちらも」

キョウ「行け!ベトベトン!」

ベトベトン「べトォォン」

キョウ「ベトベトン!かえんほうしゃだ!」

ベトベトン「ベトォォ!!」

ゴゴゴゴゴ!!

タチバナ「!?」

桐生「なっ…あの見るからにわかるどくタイプのポケモンが、かえんほうしゃだと!?」

キョウ「わざマシンを使えばこれぐらい可能なのだ」

タチバナ「ギギ…ギ…ギギ…」バサバサッ

キョウ「しかしなかなかしぶとい」

桐生「タチバナ!かみつくだ!」

タチバナ「キキキキ!」

キョウ「ベトベトン!ちいさくなるだ!」

ベトベトン「ベトォォン」シュゥゥゥ

タチバナ「!?」ガキン

ベトベトンはちいさくなる!
タチバナは攻撃をはずす!

タチバナ「ギギ!ギギ!」

ガキン!ガキン!

タチバナは小さくなったベトベトンに嚙み付こうとするも、小さくてなかなか噛めない!

キョウ「よし、かえんほうしゃだ!」

ベトベトン「ベトォォォォ!!」

ゴゴゴゴゴ!!

タチバナ「」ドサッ

桐生「タチバナーー!」

タチバナ「……ギ…ギギ…」バサバサッ

キョウ「む、仕留め損ねたか。だが虫の息だな」

瀕死の重症をおいながらもタチバナは最後のちからをふりしぼる!

タチバナ「ギギ…(まだ、まだ倒れるわけには行きません…)」

桐生「タチバナ…」

タチバナ「ギギ…(桐生さん、ご指示を)」

桐生「タチバナ!ちょうおんぱだ!」

タチバナ「ギギ…ギギ…(わかりました。でもその前に…)」

桐生「?」

タチバナ「ギギ…ギギギギギギ!!!」ニヤニヤ

タチバナは煽りかけるように笑う。ベトベトンにちょうはつをする!

ベトベトン「ベトォォォ!!」

怒ったベトベトンはかえんほうしゃを連発する!

ゴゴゴゴゴ!!

タチバナ「……」ササッ

タチバナは華麗に避けていく

桐生「いまだ!ちょうおんぱだ!」

タチバナ「ギギギギーーー!!」

キィィィィィィィィィン

ベトベトン「!!」

ベトベトン「ベト!ベト!オォォォン!!??」

ベトベトンはこんらんする!
思わず、かえんほうしゃを真上に大量にふく!

キョウ「いかん!真上に火なんかふいたら…!」

ゴゴゴゴゴ!!

ベトベトン「オォォォォ!!?」

ベトベトンの自分が吐きだした炎が、無情にも体にふりそそぐ!

ベトベトン「オォォォォ!」

キョウ「ベトベトン!」

ベトベトン「」ドサッ

ベトベトンはたおれる!

タチバナ「ケ…ケケ…ケケケ…(愚かな奴です…自らの攻撃で…)」

タチバナ(しかし私もボロボロ。だがまだ倒れるわけにはいかない…まだだ…)

キョウ「むむ…やるなお主、私の負けだ」

タチバナ(言った…いま、確かに負けたと言った…)

タチバナ(役目は果たしましたよ、桐生さん)

ドサッ

タチバナもたおれた!

タチバナ「」

キョウ「そら受け取れ!ピンクバッジだ!」

桐生「ああ」パシッ

桐生「セキチクジムのバッジ、ゲットだぜ!!」

キリュウはピンクバッジをゲットした!

タチバナ「」

ピカチュウ「ピカピカ!(タチバナ!しっかり!)」

桐生「ひでぇぇ火傷だ。早くポケモンセンターへ連れて行かないとな」

【ポケモンセンター】

桐生「こんかいの勝負は割とギリギリだった…油断したらアンタに負けてたぜ」

キョウ「うむ、だがお主もしっかり戦術を考えて闘っておった」

桐生「フッ、少し前までは戦術など考えず、むしろ効率の悪い戦闘ばかりさせてたんだがな…」

キョウ「さてところで」

桐生「ん?」

キョウ「お主の体つきをみて思った…相当な強者と見る」

桐生「……」

キョウ「私も忍者の端くれ…ぜひ手合わせ願う」

桐生「……わかった。それならここじゃマズイ。表に出てくれ」

【15分後】

桐生「オラァァァ!!ポールダンスの極みだ!」ガシッ

キョウ「ぐわぁあ!?」ドサッ

桐生「ぜぇぜぇ…まだ続ける気か?」

キョウ「いや…もうよそう。私の負けだ。これ以上闘い続けると死んでしまう」

桐生「賢明な判断だ。俺もこのままだとアンタを殺してしまう」

キョウ「しかしなんだお主の身体能力は…怪物じゃないか。ポケモンすら倒せそうな勢いだ」

桐生「修羅場はそれなりに潜ってきたからな」

キョウ「……今夜はジムに泊まっていかないか?ポケモンたちも明日になるまで治療は終わらんだろ」

桐生「だろうな。お互いかなりの負傷だ」

桐生「……」

桐生「聞きたいことがある」

キョウ「ん?」

桐生「この辺に…凄いポケモンとかいないか?」

キョウ「凄いポケモン?」

桐生「ああ。ちなみに、無人発電所とサファリゾーンには立ち寄った」

キョウ「ふむ、そこにはお主の心を揺れ動かすポケモンがいなかったと」

桐生「ああ」

キョウ「……」

キョウ「1つ、心当たりがある」

桐生「どこだ」

キョウ「ふたごじまだ」

桐生「ふたごじま?」

キョウ「そこには伝説のポケモンが潜んでいるとの噂だ」

桐生「また伝説のポケモンか…」

キョウ「伝説や幻と言われているポケモンは複数いる」

キョウ「ミュウ、ミュウツー…ファイヤーにサンダー…そしてフリーザー」

キョウ「ふたごじまにいるのはフリーザーだと言われている」

桐生「フリーザー…」

キョウ「ふたごじまへ行くのか?」

桐生「ああ。どの道、グレン島にも行かなければならないしな」

キョウ「そうか。グレン島は暑いが、ふたごじまは寒い。暖かい格好していくといい」

桐生「わかった。ありがとう」

――翌日、ポケモンセンターに向かい手持ちのポケモンを引き取り終えると、桐生は防寒具を購入する
そして海岸沿いに立つ

【19ばん水道前】

桐生「ふたごじまは寒いと聞いた。さっそく購入した、青いダウンジャケットとブーツを履いておくか…」バサッ

桐生「出て来い!ニシキ!」ポンッ

ニシキ「ゴォォォ!!」

桐生「おれたちをふたご島まで乗せていってくれ」

ニシキ「ゴォォォ!(任せとけ!)」

桐生「……」

ニシキ「ォォ?(どうした?)」

桐生「誰だ…さっきから後ろでコソコソと、出てきやがれ!」

コジロウ「げ…!ばれてた…」

桐生「またお前らか。こりねぇ奴らだ」

ムサシ「と、とと、とりあえずいつものやつやるよ!」

コジロウ「おう!」

ムサシ「なんだかんだと聞かれたら」

コジロウ「答えてあげるが世の情け」

桐生「お前ら、それどうしてもやらないと気が治まらないんだな」

~以下略~

コジロウ「あー…久しぶりにマトモに決め台詞が言えた…!」

ムサシ「やっぱあたし達はこれを言わないと気合入らないわよね!」

ニャース「全くだニャ!」

桐生「……」

桐生「で、お前ら何のようだ。まだピカチュウを狙ってるのか」

ピカチュウ「ピカピカ!(いい加減しつこい!)」

コジロウ「まあピカチュウもあわよくばゲットしたいところだけど…今回の目的は違う!」

桐生「なに?」

ムサシ「あたし達~昨日の話を聞いちゃったー!」

ニャース「伝説のポケモンが、ふたごじまにいるらしいじゃニャいか!」

桐生「それで俺が捕まえたあと、卑怯な手を使って横取りしようと企んでいた訳か」

コジロウ「ああそうだよ!でもその前に見付かっちゃったんだよ!」

桐生「……覚悟できてんだろうな」パキパキ、ボキベキ

コジロウ「ああ…!殴らないで…!!」ビクビク

桐生「フン、じゃあ強奪は諦めるんだな」

ムサシ「はぁぁ…流石にキリュウと殴り合いじゃ敵わないし…」

ニャース「ポケモンバトルでも歯が立たないニャ…」

桐生「……」

桐生「お前達も来るか?」

コジロウ「え?」

桐生「お前達が強奪ではなく、俺と伝説ポケモンの取り合いをするというなら話は別だ」

桐生「どちらがポケモンをゲットできるか…勝負しようぜ」

コジロウ「しょ、勝負…」

桐生「ああ、正々堂々と勝負して…それなら恨みっこないだろう」

コジロウ「……」

桐生「ただ相手は伝説だ。簡単には捕まえられないだろう」

ムサシ「えっと…んじゃ?行く?」

コジロウ「ああ、いこう」

ニャース「ニャニャ!?本気かニャ!?」

コジロウ「このまま親指くわえて悔しがって終わる位なら…俺もふたごじまに行って、キリュウさんより先にゲットしてやる!」

桐生「フン、言っておくが俺も負けないぜ」

桐生「よし…出て来いシンジ!」

シンジ(ハクリュー)「リュゥゥ!」

桐生「俺はニシキに乗る。お前らはシンジに乗れ」

コジロウ・ムサシ「しつれーしまーす」

ニャース「むむむ…まさかキリュウのポケモンに乗るハメにニャるとは」

【ふたごじま】

桐生「到着だ」

コジロウ「さむ!本当にさむ!」ブルブル

桐生「ああ、雪が降ってやがる」

桐生「……雪が振っている時は、大抵なにかしらのトラブルに巻き込まれてたっけな。今日はどうなるんだろうか」

ピカチュウ「ピ…ピ~カ~…」ブルブル

ムサシ「厚着しても寒いわ!」

ニャース「ネコはコタツで丸くなりたいニャ!」

桐生「ここに…伝説のポケモンがいるかもしれないのか…」

ニシキ「ォ…ォォ…(この寒さ、骨まで染みるぜ…)」

シンジ「リュゥゥ…(兄貴!寒いからモンスターボールの中に戻してください!)」

桐生「悪い、お前らモンスターボールに戻れ」ヒュンッ

桐生「よし…ふたご島の内部へいくぞ!」

ピカチュウ「ピッピカチュウ!」

今日はここまで

【ふたごじま内部】

桐生「……内部に入って随分経つが、一向に伝説のポケモンとやらが見付からないな」

コジロウ「さ、さぶいぃぃ…」

ムサシ「ぅぅ…野生のポケモンばかりね…」

コジロウ「それなりに強力そうなポケモンたちではあるけど…俺たちの目的は伝説のポケモンだし…」

桐生「出来るだけ野生ポケモンとの闘いは控えておけ…逃げるのは好きじゃないが、体力をできるだけ温存しておこう」

コジロウ「そ、そうですね…」ブルブル

ムサシ「あ~ピカチュウ暖かい~」スリスリ

ピカチュウ「ピカピカ!(離せ!)」ジタバタ

【ふたごじま・地下4階】

桐生「む、ここは水路になっているな」

桐生「出てこいニシキ」ポンッ

ニシキ「ゴォォ!!」

桐生「ニシキ、この水路を泳いでもらえるか?」

ニシキ「ゴォ、ォォォ…(水の流れが早過ぎてキツイゼ…)」

桐生「そうか…なら水の流れを緩めれば良いんだな」

ニャース「あの辺のせまい水路を何かで防げば、海流も治まると思うニャ」

桐生「なるほど、よし」

桐生「この落ちている岩を使って流れを緩めよう」

ニャース「ニャニャ!?そんな重そうな岩をあの水路まで飛ばすなんて無理ニャ!」

桐生「オラァァ!!」

ドガァァ!!ドガァァ!

キリュウはおもたい岩を水路まで蹴り飛ばす!

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「あのどでかい岩を…」

ピカチュウ「ピカピカ(いい加減、兄貴の怪力ぶりに慣れなよ)」

桐生「よし、水の流れが治まった。行けるかニシキ」

ニシキ「ゴォォォ(ああ、これならいけそうだ!)

桐生「しかしこの中は本当に広いな…」

ムサシ「なんか下の階に下りるたびに、風景が神秘的になって行くわよね~」

コジロウ「寒いけどね」ブルブル

桐生「……」

ニシキ「ゴォォ(キリュウ、陸が見えてきたぜ)」

桐生「ああ」

~~~

桐生「到着したぜ」

コジロウ「ねえ桐生さん。もうここ探索してダメなら帰らない?」

桐生「ああ。もう大体探索し尽くしたしな。このエリアにいなければ諦めた方が良さそうだ」

ムサシ「でもここまで来て寒い思いをして、伝説のポケモンに会えないのもねぇ~ハックシュン!」

ピカチュウ「……っ!!」ビクッ

ムサシ「ん?どしたのピカチュウ」

ピカチュウ「……」

ニャース「何かいるニャ」

コジロウ「なんだよニャースまで」

桐生「……この辺だけやけに冷気が凄いぜ」

コジロウ「たしかに…」

ニシキ「ゴォォォォ!!(おい、誰かいるのなら返事しろ!!)」

バサバサッ

「……」

桐生「っ!!」

コジロウ「なんだ……鳥?」

ムサシ「キレイ…神秘的だわ…」

桐生「ポケモン図鑑を…」ゴソゴソ

『フリーザー。ゆきやまで しにそうなときに めのまえにあらわれる でんせつの れいとうポケモン』

ムサシ・コジロウ・ニャース「!!?」

桐生「そうかお前が…伝説のポケモンか」

桐生「……」

フリーザー「……」

コジロウ「おお…なんて神々しい…」

フリーザー「……」

ムサシ「別に襲ってくる訳でもなく、でも反応を示しもしないわね」

桐生「お前がフリーザーか」

フリーザー「……」

桐生「ポケモン図鑑の説明では、人が凍え死に絶える寸前に拝めるポケモンのようだが…俺たちはまだ生きている」

フリーザー「……クォォ」

ニャース「ええっと…『観光に来た訳でも無さそうだな』と言ってるニャ」

桐生「ああ、俺はお前をゲットしに来た」

フリーザー「コォォ(そうか)」

桐生「ああ」

コジロウ(何だ…この淡々とした会話は)

フリーザー「……」

フリーザーは特に何もしない!

桐生「それじゃ…俺の仲間になってくれ」

キリュウはモンスターボールをとりだす

桐生「いくぞ」ポイッ

フリーザー「……」バシッ

ポチャン

フリーザーは翼でボールを弾く!
モンスターボールは海水に落ち流れにのみこまれる!

フリーザー「……」

桐生「お断り…か」

ピカチュウ「ピ、ピカ…(襲ってくる訳でもないし、どうすれば良いか分からないよ…)」

フリーザー「コォォ(俺に会えただけでも褒めてやる、早く家に帰れ)」

桐生「そういうわけにいかねぇな。俺はトレーナーとして、お前をゲットしたい」

コジロウ「そ、そうだ!おれだってお前をゲットした!」

フリーザー「……」

ニャース「おい!何か言えニャ!」

フリーザー「コォォ(俺は随分と長生きをした…俺のような余生があまりない生き物を捕まえて何になる)」

桐生「寿命なんて関係ねぇ。俺はお前をゲットしたいだけだ」

フリーザー「……」

フリーザー「コォォ(俺はその昔、戦闘狂だった)」

ニャース「ニャニャ!?戦闘狂!?全然そんな風に見えないニャ!」

フリーザー「クォォ(世界中にいる強いポケモンと闘うのが日課だった)」

フリーザー「クォォ(だが年老いて、身も心もすっかり衰えた)」

フリーザー「クォォ(俺はもう、バトルには興味が湧かない。ここで静かに、穏やかに暮らしたい)」

ニャース「ニャニャ、若い頃に暴れすぎて、気持ちが萎えきってるニャ」

桐生「……」

桐生「そうか」

ムサシ・コジロウ・ニャース「え?」

桐生「穏やかな余生の暮らし、邪魔して悪かった」

フリーザー「……」

桐生「さあ、撤収だ」

コジロウ「ええ!?ここまできて~!?」

ムサシ「せっかく寒い想いをしたのに!?」

桐生「アイツにはアイツの暮らしがある。それに、あそこまで穏やかに説得させられたら…退くしかないだろ」

ピカチュウ「ピカ(じゃあね伝説ポケモン)」

フリーザー「……」

バサバサ

フリーザー「……」ストッ

帰ろうとする桐生たちの前にフリーザーが立つ!

ムサシ・コジロウ・ニャース「え?」

桐生「……」

桐生「……どうした」

フリーザー「クォォ(確かに穏やかに暮らしたいのは事実だが…お前達の気持ちは良く分かる)」

桐生「……」

フリーザー「クォォ(若い頃は野心に燃えてなんぼだ。俺もそうだった。強い奴をみると血が騒ぐ。どうしようもなくな)」

フリーザー「クォォ(だからお前らにもチャンスをやる。俺が若い頃は暴れまわっていたようにな)」

桐生「なるほど」

コジロウ「えっと…じゃあ!まだゲットできるチャンスがあるんだな!」

フリーザー「……」バサバサ

フリーザーは洞窟内で高く飛ぶ!

フリーザー「クォォ(この俺を捕まえられるのならな)」

コジロウ「よーし!いけマタドガス!」ポンッ

マタドガス「マタドガース」

桐生「いけピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

フリーザー「……クォォ」

ニャース「ニャニャ!?」

ムサシ「どうしたのニャース?」

ニャース「アイツ…『一匹や二匹では生ぬるい、手持ちを全部だして掛かって来い』って言ってるニャ!!」

ムサシ「はぁぁ!?」

桐生「さすが伝説のポケモンだな。なかなかいうじゃねぇか」

フリーザー「クォォ(数年ぶりの闘いだ、どうせやるなら派手にやろうぜ。遠慮はいらん)」

桐生「そこまで言うなら、お望み通り全ての戦力を投入してやる」ポンッ

ニシキ「ゴオォォォォ!!」

シンジ「リュゥゥゥゥ!!」

タチバナ「ギギギギギ!!」

リキヤ「シャーボック!!」

ピカチュウ「ピカピカ!!」

ムサシ「後悔するわよフリーザー!いけアーボック!」

アーボック「アーボック!」

ニャース「ニャースも行くニャ!」

フリーザー「……」

フリーザー「クォォ(さあ行くぞ。夢追いの若僧たちが)」

バサ…バサ…

フリーザー「クォォォォォ!!!」

フリーザーは雄叫びをあげる!

桐生「行くぞぉぉぉ!!!」

[VSでんせつのれいとうポケモン・フリーザー]

ムサシ「行けアーボック!ようかいえきよ!」

コジロウ「マタドガス!どくガスだ!」

アーボック「アーボック!」ビュッ

マタドガス「マタドガース」モワモワ

フリーザー「……」ススッ

フリーザーはかげぶんしんをおこなう!
かいひりつがあがる!

ムサシ「チッ!溶解液があたらないじゃない!」

フリーザー「……」バサバサッ

ビュゥゥゥ…!

フリーザーはかぜおこし をくりだす!
マタドガスの どくガスをかき消す!

コジロウ「くそ!ガスが…」

フリーザー「コォォ(闘う事は了承したが、この澄み切った洞窟内を汚染するんじゃねぇよ)」

フリーザー「コォ(毒ガス野朗、ケジメをつけろ)」

ビュゥゥゥ…

フリーザーはれいとうビームを連発!

パキィィン

アーボック・マタドガス「」ドサッ

アーボックとマタドガスは倒れる!

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「」ガクガク

桐生「これが伝説の力か…」

桐生「お前ら!いまは動きを封じ込める事に集中しろ」

リキヤ「シャー!!(タチバナの旦那!一緒にメガドレインだ!あの伝説野朗を噛み付くぜ!)」シュバッ

タチバナ「ギギギ(ええ、私達で抑えましょう)」シュバッ

ガブッ

フリーザー「……!」

リキヤとタチバナがフリーザーにかみつく!そしてそのままメガドレイン!
たいりょくを吸収していく!

リキヤ・タチバナ「ガブブブ…!」ギュゥゥ

フリーザー「クォ(強力なアゴをしてる。俺でも振りほどけん)」

バサバサ!バサバサ!

フリーザー「クォォ(だがその長所が仇となる)」

フゥゥゥゥ…

コジロウ「……?なんだ、冷気が濃くなった…」

桐生「っ!?まずい避けろ!!」ガシッ

ムサシ・コジロウ「キャァァ!?いきなり引きずらないで!」ズルズル

ピカチュウ「(みんな!フリーザーから離れて!)」ガシッ

ニャース「ニャニャニャ!?ニャンだピカチュウ!?」バッ

ニシキ・シンジ「……!!」シュバッ

ヒュウゥゥゥゥ…

リキヤ・タチバナ「……??」ガブガブ

パキィィィン

リキヤ・タチバナ「」ドサッ

フリーザーの ぜったいれいど!
リキヤとタチバナはたおれる!

コジロウ「な、なんだ!?何もしてないのに凍り付けに…!?」

フリーザー「コォォ(あの技は体力をつかう。昔みたいに何発も発動できんが…あのまま体力を吸われるよりマシだ)」

桐生「ニシキ!だいもんじを放て!!」

ニシキ「ゴォォォ!(任せろ!)」シュボッ

ニシキのだいもんじ!
口から大と書かれた大きな炎をはく!

シュボォ!!

フリーザー「……」ササッ

フリーザーは軽やかに避ける!

桐生「立て続けに放て!」

ニシキ「ゴォォ!」

ニシキのだいもんじの こうげきは続く!
何発も炎を吐く!

ゴゴゴゴゴ!!!

フリーザー「……コォォ(熱いな、体がだるいぜ)」

桐生「ピカチュウ!かみなりだ!」

ピカチュウ「ビガァァァ!!」

ズドォォン!!

フリーザー「っ!!!」

フリーザーに直撃!
さらにマヒ状態になる!

ドサッ

フリーザー「」ピクピク

桐生「よし、行くぞ!」ポンッ

キリュウはモンスターボールを投げる!

ポンッ!シュゥゥゥ

ゴト…ゴトゴト…

桐生「ヒヤヒヤしたぜ…すげぇぇ力だ」

コジロウ「あ~あ…キリュウさんのものか」

ムサシ「ま、さすがにマヒ状態にさせたら、いくら伝説でも脱出不能でしょ」

ゴト…ゴトゴト…

桐生「だがそれにしても粘ってやがる…」

ピカチュウ「ピカピカ(おかしいな、かみなりで体はもう動けないのに…)」

ゴト…ポンッ!シュゥゥゥ

全員「!!?」

フリーザー「クォォォォ!!!」

フリーザーはゲットできず!

桐生「嘘だろ…」

桐生「脱出しやがった」

フリーザー「クォォ(たしかに俺は氷だが、あんなマヒ状態はすぐに解除できるさ)」

桐生「アイツ…まさか、モンスターボールの中で回復してたのか…」

ニシキ「ゴ、ゴォォ…(デタラメだぜあんなの…)」

フリーザー「クォォ(俺を伝説だ何だと言うがな、その気になり探せばフリーザーなんてのは幾らでもいる。世界中に)」

フリーザー「クォォ(俺はその中でもトップにいた。最強だった。いまじゃ衰えてしまったがな)」

フリーザー「クォ(さて、血気盛んなギャラドス)」

ニシキ「!!」

フリーザー「クォォ(この美しい洞窟をよくも燃やしてくれたな…)

ゴゴゴゴゴ

フリーザー「クォォ(ケジメつけろ)」

ビュゥゥゥ…

桐生「っ!!ニシキ!!はかいこうせんだ!」

ニシキ「ゴォォォ!!」シュボッ

ボォォォン!!!

ニシキのはかいこうせんと、フリーザーのれいとうビームがぶつかる!
互いの威力で相殺し合う!

桐生「シンジ!りゅうのいかりだ!」

シンジ「リュゥゥゥ!(助太刀します!)」

シンジはりゅうのいかりをはつどう!
衝撃波がフリーザーを襲う!

ズドォォン!!

フリーザー「ゴォォ!?」

桐生「よし怯んだ!ピカチュウ!かみなりパンチだ!」

ピカチュウ「ピカッ!!」バチバチ

ズドォォン!!

フリーザー「ォォ…!!」

ピカチュウのかみなりパンチ!

フリーザー「……」バサバサッ

フリーザーはマヒ状態!しかし辛うじて翼をぎこちなく動かす!

桐生「マヒ状態なのに翼を動かしてやがる…」

フリーザー「……」フラフラ

フリーザー「」ドサッ

フリーザーゆっくりと倒れ伏す!

桐生「よし、モンスターボールを…」

ニシキ「ゴォォ!(待て!まだ動くかもしれない!)」

シンジ「リュウゥゥゥ!(トドメをさしましょう!)」

桐生「オイ待て!」

ニシキ「ゴォォ(いくぞ!!)」

シンジ「リュゥゥ(トドメだ!)」

ニシキはかみつく!シンジはまきつく!

フゥゥゥゥ…

コジロウ「燃えていた洞窟内の炎が消えた…」

ムサシ「また濃い冷気が…」

フゥゥゥゥ…

桐生「逃げろぉぉ!!」

パキィィン

ニシキ・シンジ「」ドサッ

フリーザーの ぜったいれいど!
ニシキとシンジは倒れる!

フリーザー「…クォ…クォォ…」フラフラ

フリーザー「クォ…(そのピカチュウはやるな。二度も俺の絶対零度の『範囲外』まで回避した)」

桐生「フン、お前も随分とフラフラじゃねぇか。降参したらどうだ?」

フリーザー「クォォ?オォォォ!!(降参だと?笑わせるな!!)」

フリーザーは こうそくいどう!
一瞬でピカチュウの目のまで辿り着く

フリーザー「クォォ!」

フリーザーはくちばしで ついばむ!

ザシュッ!ザシュッ!

ピカチュウ「ピカッ!?」

ザシュッ!ザシュッ!

さらに追い詰める!

ピカチュウ「ピカッ!」ガシッ

ピカチュウはフリーザーのくちばしを両手で抑える!

フリーザー「っ!!」

ピカチュウ「ピカッ(もう絶対零度は放つ体力は残ってないはず)」

フリーザー「クォォォ!!(だからどうした!!)」

フリーザーは口から ふぶきをおこす!

ピカチュウ「!!」

パキィィン

ピカチュウは氷漬けにされる!

桐生「そ、そんな…なんて事だ」ガクッ

キリュウはその場でヒザを崩す

ニャース「まだニャーがいるニャー!」

フリーザー「……」ゲシッ

ニャース「フンギャー!!」

ニャースは蹴られて、壁まで吹き飛ばされる!

コジロウ「おらぁぁ!」ポイッ

フリーザー「!!」

コジロウはモンスターボールを投げつける!

ポンッ…シュゥゥゥ…

ムサシ「いくら余裕ぶっこいてても、もう実際はフラフラのハズでしょ?」

コジロウ「流石に捕まるだろ…」

ポンッ!!

ムサシ・コジロウ「!?」

フリーザー「クォォォォ!!!」

ニャース「し、しぶといニャー…」

フリーザーはボールから脱出する!

桐生「もう…限界か」

ピキ…ピキピキ…

桐生「ん?」

フリーザー「……?」チラッ

パリィィン!!

フリーザー「……!!」

ピカチュウ「ピカッ!」

氷漬けにされていたピカチュウは氷を自力でうちやぶる!

ピカチュウ「ピカッ!!」シュバッ

桐生「ピカチュウ…流石だぜ!」

ピカチュウはこうそくいどうで、いっきにフリーザーの目の前まで移動!
そしてフリーザーのくちばしを掴む!

ガシッ

フリーザー「……!!ォォ!!(…!!なんだこいつの握力!!)」

ピカチュウ「ビガァァァ!!」バリバリ

ピカチュウのじゅうまんボルト!

フリーザー「……っ!!!」ビクビク

バリバリバリ!

ピカチュウのじゅうまんボルトは更に続く!

バリバリバリ!

桐生「よし、チャンスだ!!」ポンッ

キリュウはモンスターボールを投げる!

フリーザー「っ!!」

ポンッ…シュゥゥゥ

桐生「……」

ゴト…ゴトゴト…

ピカチュウ「……」

ゴト…ゴト…ピピー!

キリュウは、フリーザーをゲットした!

桐生「……」

桐生「伝説のポケモン・フリーザー!!ゲットだぜ!!」

キリュウは高々とフリーザーが入っているモンスターボールを持ち上げる

ピカチュウ「チャー!」

【ふたごじま・出口】

桐生「やったなピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピカ!」

ムサシ「チェ、結局ダメだった…やなかんじー」

コジロウ「また出直しか…」

ニャース「もうニャース帰りたいニャ」

桐生「あ」

コジロウ「ん、どうしたんすか」

桐生「……なみのりができるポケモン、全員氷漬けにされていた」

全員「」

コジロウ「!?じゃあどうするの!?」

桐生「仕方がねぇ…解凍を待つのも難だしな、泳いで行く」

ムサシ「アンタが出来てもアタシたちは無理!」

桐生「ポケモンセンターで回復させたあと迎えに行く」

コジロウ(馬鹿げた発想だけどこの人ならやりかねない)

ゴト…ゴトゴト…

桐生「ん?フリーザーのモンスターボールが動いている?呼んでるのか」

ポンッ

フリーザー「ク、クォォ…(お、俺なら…そらをとぶで…)」フラフラ

桐生「フラフラじゃねぇか」

フリーザー「クォ(なにか…回復できるものを…)」

桐生「……それならスタミナンロイヤルが残っている」

桐生(元々は帰りの事を考えて、ニシキかシンジに飲ませる予定だったが、氷漬けにされてるからな…)

桐生「飲め」

フリーザー「……」ゴクゴク

フリーザー「クォォ(生き返った)」

桐生「よし」

コジロウ「やっと帰れる」

フリーザー「クォ(定員は1人までだ)」

ムサシ・コジロウ「」

ニャース「」

桐生「……お前ら、スタミナン3日分置いておく。ちょっと待っててくれ」

ムサシ・コジロウ「やーなかーんじー!!」

ニャース「あ、スタミナンけっこう美味しいニャ」ゴクゴク

――グレン島に到着すると即座にポケモンセンターへ行く桐生
回復後、またすぐにロケット団を迎えへに行く。グレン島にまた戻ると船が来ていたのでムサシ、コジロウ、ニャースは船にのる

【数日後・グレン島】

桐生「あばよ」

ムサシ「あーつかれた」

コジロウ「臨時本部のトキワジムに帰ろうか」

ニャース「とりあえずお決まりの台詞を言うニャ」

ムサシ・コジロウ・ニャース「やーなかーんじー!」

桐生「散々だったな」

コジロウ「キリュウさん!世話してくれたのは感謝してるけど、悪いが恩を仇で返させてもらうからな!」

桐生「フン、いつでもかかってこい」

【グレンタウン・食堂】

桐生「この島には、ポケモン屋敷と言うものもあるんだな…後で寄ってみるか」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「ああ、わかっている」

桐生「それじゃ…新しい仲間の歓迎会だ。乾杯」

ニシキ「ゴォォ!」

シンジ「リュゥゥ!」

タチバナ「ギギギギ!」

リキヤ「シャーボック!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「さあ食え、フリーザー」

フリーザー「クォォ(ポケモンフードなんて初めて食べるな)」モグモグ

桐生「さて、俺も何か食うか…メニュー表は…」

桐生「よし。ここの気温は暑いし涼しい物でも」

桐生「フン、この食べ物を見ているとあの人を思い出す」

~数分後~

店員「お待たせしました」ゴトッ

桐生「ありがとう」

フリーザー「……」ジーッ

桐生「どうした?」

フリーザー「クォ(美味そうだな)」

桐生「ああ…この冷麺がか?」

フリーザー「クォォ(食べさせてくれ)」

桐生「え」

フリーザー「クォォ(気になる、食べさせてくれ)」

桐生「……仕方ない。お前の歓迎会だしな」

桐生「すまない、冷麺さらに大盛2人前くれ」

店員「かしこまりました」

桐生(念のために大盛2人前頼んでおこう)

~~~

店員「お待たせしました。冷麺の大盛2人前です」

ゴトッ

フリーザー「……」ゴクリッ

フリーザー「……」ズルズル

桐生「どうだ?」

フリーザー「……」ボロボロ

桐生「!?」

フリーザーは涙をながした!

フリーザー「クォォォォ(長生きしてきたが、こんな美味い物を食べたのは初めてだ)」ズルズル

桐生「……」

桐生「ん?」

フリーザー「クォォ?」

桐生「お前…その顔面の傷あとは…」

フリーザー「クォォ(昔、ミュウツーというバケモノと闘った時に出来た傷跡だ。あの時は生死をさ迷った)」

桐生「……」

桐生「そういえばお前のニックネーム、まだ付けてなかったな」

フリーザー「クォォ?(ニックネーム?)」

桐生「お前のニックネームは…カシワギだ!」

フリーザー「クォォ(カシワギ?)」

桐生「柏木さん…今は亡き、俺の大先輩の名前だ」

桐生「性格から傷跡、好きな食べものまで…何から何まであの人にそっくりだからな。お前は」

フリーザー「……」

桐生「だから今日からお前はカシワギだ」

フリーザー「……コォォ(そうか)」

カシワギ(フリーザー)「コォォォ。クォォォ(今日から俺はカシワギだ。ヨロシクな)」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「ああ、ヨロシクな」

カシワギが仲間になった!

今日はここまで

――ポケモンやしきを探索後、キリュウは寄り道をせずにジムへ向かう

【グレンジム】

ガチャッ

キリュウはグレンジムの扉のロックを解除する!

桐生「ポケモンやしきで奇妙なカギを見つけたが、まさかここのカギとはな」

~クイズ全問正解後~

カツラ「うおおーす!わしは燃える男・カツラ。貴様がキリュウだな!」

桐生「ああ」

カツラ「噂を聞いておる!時に人に暴力行為を、時に街のヒーローとなるとな!」

桐生「ただの暴力行為じゃねぇ、正当防衛だ」

カツラ「ふん、噂通り変わり者のようだな」

桐生「アンタも変わりモンだと聞いたんだが」

カツラ「うおおーす!ならばどっちが最強の変わり者か!勝負だ!」

桐生「変わり者のレッテルはイヤだが、勝負は受けさせてもらう」

カツラ「うおおー!!」バッ

桐生「ふん!」バッ

カツラとキリュウは、上着を脱いだ!

カツラ「ではいくぞ!やけどなおしの用意はいいか!」

[VSグレンジム・ジムリーダー・カツラ]

カツラ「行ってこいブーバー!」

ブーバー「ブゥゥバァァ!!」

桐生「よし、行けカシワギ!」

カツラ「カシワギ?何だ聞いた事ない名前だ…知り合いのおじさんかな?」

ポンッ

カシワギ(フリーザー)「クォォ!」

桐生「闘い方はまかせる。勝利を信じてるぜ」

カシワギ「……」コクッ

カツラ「なっ!?伝説のポケモンじゃない!!?」

ブーバー「っ!!?」

ブーバーはうろたえる!

ブーバー「ブ…ブーバー!!」ガクガク

カツラ「なに?あの顔面に傷のあるフリーザーには、過去に半殺しにされただと!?」

ブーバー「ブーバー!」コクッ

桐生「知り合いのようだな」

カシワギ「クォ(さあ、覚えてねぇな)」

カツラ「だがお前はほのおポケモン!こおりタイプは相性が良いはずだ!」

ブーバー「ブー…バー…」ガクガク

カツラ「殺されかけて何年たってるが知らんが、お前だって成長しているハズだ。決して恐れる相手ではない!」

ブーバー「……」ガクガク

ブーバーはカシワギに恐れている!

カシワギ「クォォ」ゴロン

カシワギはその場で寝る!

カツラ「なっ…」

カシワギ「クォォォ(闘う気がねぇなら、それもアリだ)」

カシワギ「クォ(こんな雑魚とは戦う価値もねぇよ)」

カシワギ「zzz」

カシワギはねている!

カツラ「ムムム…なめおって!いまだブーバー!フリーザーを倒せ!」

ブーバー「ブーバー!!」

カシワギの態度にブーバーも怒る!

カツラ「よし!まずは手始めに、ほのおのパンチだ!」

ブーバー「ブゥゥ…!」ダダッ

ブーバーはカシワギの元まで走る!

カシワギ「zzz…」

ブーバー「バァァァ!!!」ブンッ

ブーバーの ほのおのパンチ!

桐生「カシワギ!」

カシワギ「……」パチッ

ヒュゥゥゥゥ…

カツラ「む、辺り急に濃い冷気が…」

パキィィィン…

カツラ「っ!?」

カシワギの ぜったいれいど!

ブーバー「」ドサッ

ブーバーは氷漬けにされ、たおれる!

カツラ「ブーバー!!くそ、さすが伝説ポケモン…」

ミシ…ミシミシ…

パリィィン!!

ブーバー「ゼェゼェ…」

氷を打ち破る!
ブーバーは こらえた!

フリーザー「クォ(ほう、俺の一撃必殺でノックダウンしないのか)」

ブーバー「ブゥゥ…バァァ…」フラフラ

カツラ「むむ…しかし体力が、ごっそりと持っていかれたな…」

カツラ「ブーバー!こんどは かえんほうしゃだ!」

ブーバー「ブーバー!」

カシワギ「……」

カシワギ「クォォォ!!!」

カシワギは ほえる!

ブーバー「……!!」ビクッ

カシワギ「……」ジロッ

カシワギは更にブーバーを にらむ!

ブーバー「……」ガクガク

~回想(数十年前・とある火口にて)~

ブーバー「ブゥゥバァァ!(ここは俺たちの縄張りだ!出ていきな!)」

フリーザー「クォォォ(縄張り自体に興味はねぇ。お前達と闘いたいだけだ)」

ブーバー「バァァ!!(俺の組織は総勢50匹の同胞がいるぜ)」

フリーザー「クォォォォ(上等だ、俺だけで全員ブチのめしてやるよ)」
――戦闘後

ブーバー「ァァ…カァァ…」ピクピク

フリーザー「クォォ(最後に残ったのはお前だけだ)」

フリーザー「クォ(冥土への土産に、アイスキャンディをプレゼントしてやる)」スゥゥ

フリーザ「クォォォ(れいとうビームだ)」

ブーバー「っ!!!」

~回想終わり~

ブーバー「」ガクガク

ブーバー「ブーバー…(お、俺の負けだ…)」ガクガク

カツラ「なっ…」

ブーバーはトラウマにより敗北宣言!

カツラ「戻れブーバー!」

桐生「よくやったカシワギ!戻れ!」

カシワギ「クォォ!」

桐生「さて…次は」

桐生「出て来い!シンジ!」

シンジ(ハクリュー)「リュウゥゥ!!」

カツラ「む、これもまた珍しいポケモンが」

カツラ「ではこちらは…リザードン!でてこい!」

リザードン「ゴォォォ!!」

桐生「む…これはなかなか強力そうだ。シンジで倒せるか?」

シンジ「リュウ!リュウゥゥ!(兄貴!俺にまかせてください!)」

桐生「そうかわかった」

カツラ「リザードン!まずはかえんほうしゃだ!」

リザードン「オオォォォォ!!」シュボッ

リザードンの かえんほうしゃ!

シンジ「っ!!」ササッ

シンジは軽やかに避ける!

桐生「シンジ!まきつくだ!」

シンジ「リュウゥゥゥ!」

リザードン「ゴォォ!!?」

ギュゥゥ

シンジはリザードンの首に まきつく!

カツラ「しまった…!」

シンジ「リュウゥゥゥ!」

ギュゥゥゥ

リザードン「~~~ッ!!!」ジタバタ

リザードンは 苦しみもがく!

カツラ「リザードン!なんでも!ふりほどけ!」

リザードン「~~ッ!!」シュボッ

リザードンは真上に向かって かえんほうしゃ!

ゴゴゴゴゴ!

リザードン「……」

シンジ「ッ!!?」ジュゥゥ

リザードンとシンジの頭上から炎の塊が落ちてくる!

リザードンは耐えるが、シンジは耐え切れずリザードンから離れる!

カツラ「よくやった!次はきりさくだ!」

リザードン「オオォォ!!」ザシュッ

リザードンの きりさく!
やけど状態のシンジをおいつめる!

シンジ「リュウゥ~~!!」

カツラ「そのまま立て続けにきりさくだ!」

ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!

リザードンは鋭いツメで一心不乱にシンジを きりさく!

シンジ「」

桐生「まずい…交代させるべきか。しかしどうにか勝たせてやりてぇ」

ピカチュウ「ピカ…ピカピー!(シンジ…男、見せてよ!)」

シンジ「」ピクッ

シンジ「リュウゥゥ…(ピカチュウの兄貴…)」ムクリ

カツラ「とどめだ!」

リザードン「ゴォォ!!」ググッ

リザードンは力を込め、大きく腕をふりあげる!

シンジ「リュウゥゥ!」

シンジの体が突如、眩い光を放つ

ゴゴゴゴゴ…!!

リザードン「!?」

カツラ「なっ…この闘いの中で、進化を…!!」

シンジ「ゴォォォォ!!!」

シンジは ハクリューからカイリューに進化した!

桐生「これが…シンジの最終形態」

カツラ「リザードン!進化したといっても既に虫の息だ!きりさけ!!」

リザードン「オォォ!」ブンッ

シンジ(カイリュー)「……」ガシッ

シンジはリザードンの腕をつかむ!

リザードン「!?」

カツラ「なっ…」

桐生「シンジ!進化した事でどんな技が使えそうだ?」

シンジ「ゴォォォ!!(ニシキの叔父貴が使っているワザなら大体できそうです!)」

桐生「そうか、それならまずはりゅうのいかりだ!」

シンジ「ゴォォォ!!」ブンッ

ズドォォォン!!

リザードン「ゴッ…オォォ!?」ガクッ

リザードンにゼロ距離からの りゅうのいかり!

カツラ「リザードン!距離をとれ!」

リザードン「オオォォ!」バサバサ

リザードンはシンジから距離をとる!

カツラ「かえんほうしゃだ!」

リザードン「ゴォォォ!!」

ゴゴゴゴゴ!

桐生「シンジ!はかいこうせんだ!」

ボォォォォン!!

リザードンとシンジのはかいこうせんがぶつかり合う!

ボォォォォン!!

カツラ「なっ…ほのおが掻き消されていく…!!」

リザードン「!?」

シンジの はかいこうせんの威力が勝る!
リザードンは はかいこうせんを直撃する!

リザードン「」

ドサッ

リザードンはたおれる!

桐生「シンジ…たしかに男、見せてもらったぜ」

カツラ「わしはもえつきた!このバッジはお前にこそふさわしい…うけとれ!」

桐生「ああ」

桐生「グレンジムのバッジ、ゲットだぜ!!」

キリュウはクリムゾンバッジをゲットした!

カツラ「なかなか良い闘いが出来た」

桐生「ああ、そうだな」

カツラ「しかし近頃は優秀なトレーナーが多いな…もしかしたら今年のポケモンリーグは、四天王を倒すトレーナーが続出するかもしれん」

桐生「ほう…そんなに豊作なのか」

カツラ「ああ、キリュウも覚悟をしておくといい」

カツラ「ワシが旅の門出を見送ったトレーナーも実は、今日ポケモンリーグに参戦している」

桐生「ほう…近い内にあうかもな」

桐生(優秀なトレーナーとは恐らく真島の兄さんか、品田のことだろう。秋山はバッジは全て集めるが、ポケモンリーグには出ないとか言ってた気がするし)

桐生(……そしてシゲルも会場にいるだろう。あの傲慢で礼儀知らずガキに、今度こそリベンジを果たさないとな)

【ポケモンセンターで回復後・海岸沿い】

桐生「あの向こう側にはマサラタウンがあるんだな」

桐生「懐かしいぜ」

桐生「ゆっくり船でマサラタウンに帰っても良いが、ここはせっかくだしな…」

桐生「シンジ!」

シンジ(カイリュー)「ゴォォ!」

桐生「そらをとぶで、俺をマサラタウンまで送ってくれ!」

シンジ「ゴォォ!(了解です兄貴!)」

バサ…バサ…バサバサ!

桐生「……」

桐生「残るバッジは1つか」

【マサラタウン・オーキド研究所】

オーキド「キリュウ!よく帰ってきたな!」

桐生「ああ、久しぶりだな」

オーキド「どうじゃ。ポケモンはあれからゲットしたかのう」

桐生「まず、俺のシンジがハクリューからカイリューに進化した」

オーキド「ほう。ハクリューも珍しいがカイリューは更に珍しい」

桐生「そして…最後の6匹目にゲットしたのはコイツだ」

桐生「出て来いカシワギ!」ポンッ

カシワギ(フリーザー)「クォォォ!」

オーキド「」

桐生「どうだ?なかなかだろ」

オーキド「これは…フリーザーじゃないか!!?よく捕まえたな!!」

~~~

オーキド「しかしポケモントレーナーとして成長したな。キリュウよ」

桐生「ありがとう」

ピカチュウ「ピカピカ!」

オーキド「ピカチュウも初めはあれだけ反抗的だったのに、いまではすっかりキリュウに懐いておる」

桐生「オーキドの爺さん。おれはこれからトキワジムに行って最後のバッジをゲットしたいんだが」

桐生「アンタには義理がある。せっかくマサラタウンに帰ってきたんだ。仁義を通す為にアンタのポケモン研究の手伝いがしたい」

オーキド「そうか。ならばキリュウの手持ちポケモンを、一週間ほど私に預けてくれないか」

桐生「一週間ポケモンを預ける?」

オーキド「ああ。私はいま、ポケモンの個体差などを研究している」

オーキド「キミのポケモンのステータスを調べておきたい」

桐生「そうか。他になにか手伝えないか?」

オーキド「それなら…」

~研究所の庭~

桐生「これが…庭?」

オーキド「いかにも」

桐生「これじゃ巨大な牧場じゃねぇか。そこらの牧場より何倍も広いぜ」

オーキド「ここで全国のトレーナー達が預けているポケモンたちを、定期的に放し飼いしておる」

桐生「なるほど。ずっとボールの中じゃ困るもんな」

オーキド「ここでの飼育を手伝ってもらいたい」

桐生「分かった」

【一週間後】

桐生「あれから一週間たったが、どうだ?」

オーキド「ふむ、面白いデータがたくさん取れた」

桐生「面白い?」

オーキド「まず、ゴルバットとアーボックじゃが」

桐生「タチバナとリキヤか」

オーキド「一般的なゴルバットとアーボックに比べて、アゴと歯が強力でな。鉄をも砕いておった」

桐生「アイツらのちからは俺がよく知っている」

オーキド「次にギャラドス…いやニシキだが」

オーキド「これまたどのギャラドスよりも屈強に育っておる」

桐生「フッ、アイツは進化する前から、はかいこうせんとか撃ってたくらいだしな」

オーキド「シンジことカイリューも、平均値よりも高いデータがとれた」

オーキド「ただ」

桐生「なんだ?」

オーキド「その…やたら色んなメスのポケモンと戯れていたのは気になったがのう…違う種族にまで手をだして…」

桐生「……」

~~~

オーキド「それでカシワギことフリーザー…」

桐生「どうだ?」

オーキド「このフリーザーはもう年老いてしまったのか、他のポケモンと違って成長がストップしておる」

オーキド「若いポケモンなら大してバトルをしなくても日々、体は成長していく物じゃ」

オーキド「それ所か日々フリーザーは、僅かながら力が衰えてきておる」

桐生「……」

オーキド「勿論、2日3日じゃほとんど変わらないだろうが…1ヵ月もすると、その衰えが目に見えて分かってくるはずじゃ」

カシワギ「……クォォ(すまん)」

桐生「気にするな。老いは誰にも訪れる事だ」

オーキド「ただ幸いにも、他のポケモンたちよりも圧倒的な力…ステータスを誇っておる」

オーキド「多少、力が衰えた程度でそこまで問題にはならん」

カシワギ「クォォ(俺の余生、持てる力の全てを出し尽くす。お前の為にな)」

桐生「カシワギ…」

オーキド「その顔面の傷跡が、よく似合うのう」

オーキド「そういえば新しい事が分かったのじゃが」

桐生「ん?」

オーキド「フリーザーの好物じゃがな。ポケモンフードや魚介類よりも、冷麺を好む事がわかった」

桐生「…………」

オーキド「で、最後にピカチュウ」

オーキド「私も長い事ポケモンの研究をしてきたが、このピカチュウほど特殊な存在はいなかった」

桐生「みんな口を揃えて言うぜ」

オーキド「電撃…素早さ…腕力…防御…その全てのステータスが一般的なピカチュウの力のレベルを凌駕(りょうが)しておる」

オーキド「本来ピカチュウは、でんきタイプじゃが……+かくとうタイプを付け加えても良いレベルじゃ」

オーキド「戦闘スタイルも見たこと無い闘い方をする時がある」

オーキド「そもそも、なぜピカチュウが『りゅうのいかり』を覚えておるんじゃ!?」

オーキド「とにかく、キミのピカチュウは新しいタイプとして良いデータが取れた」

桐生「それは良かったぜ」

桐生「これでアンタには仁義を果たした」

オーキド「おっと、キミの旅はまだ終わってないじゃろ?」

桐生「……ああ。トキワジムを撃破して、ポケモンリーグに参戦する」

オーキド「そういえばキミは、人を探していると言ったな」

桐生「ああ、むしろそっちがメインなんだがな」

オーキド「名前は…えーっとなんだっけ?」

桐生「遥だ」

オーキド「ああ、なんだハルカか。それならこれからこの研究所に来るぞ」

桐生「なに!?」

ピンポーン

オーキド「おお、きたきた」

桐生「……!!」ダダッ

オーキド「あ…ちょっと待ちたまえ!」

ガチャッ

桐生「遥ぁぁぁ!!!!」

ハルカ「ヒィィ!!?」

桐生「あれ、遥がいない…?」

ハルカ「あの…私がハルカだけど…」ガクガク

桐生「なに?」

ハルカ(な、なにこの人…デカイし怖い…)ガクガク

オーキド「紹介しよう、ハルカだ」

ハルカ「ホウエン地方からカントー地方に来たハルカでーす!」

桐生「桐生だ」

オーキド「人違いだったとはな」

ハルカ「あははは、びっくりしちゃった」

桐生「同じ名前だったとはな。早とちりしちまったぜ」

ハルカ「あははは!」

桐生(最初はドン引きされたが、今は割りと落ち着いてるな)

ハルカ「ん?」ジッ

桐生「どうした?」

ハルカ「あの、もしかしてキリュウさんって…カントーの龍?」

桐生「え?」

ハルカ「グレーのスーツに、赤いジャケット…間違いない!カントーの龍だ!」

桐生「カントーの龍?」

ハルカ「こっちでも有名だよ。キリュウカズマさん。ポケモンと暴力で、ロケット団を街から追い払ったって」

桐生「いつの間にかそんなあだ名を」

オーキド「初めは、暴力ポケモントレーナーなどと呼ばれておったがのう」

桐生「……」

ハルカ「たしか背中にドラゴンの絵が描かれてるんだよね?」

桐生「これは絵じゃないんだが」

ハルカ「謎の組織、ネオトージョー会が出てきたおかげで、全国の悪の組織達はみな震え上がってるよ」

桐生「ネオトージョー会は組織ってより、ノリで名づけたチーム名みたいなもんだ。大した事はしてねぇ…」

桐生「そうするとハルカはこれから、カントー地方で旅をするのか」

ハルカ「うん。キリュウさんは?」

桐生「トキワジムを撃破して、ポケモンリーグに出る。そのあとは人探しだ」

ハルカ「私と同じ名前の人を探すんだね」

桐生「ああ」

オーキド「そうそう。今日はもう一人ゲストが来るぞ」

ハルカ「だれだれ?」

オーキド「カロス地方から来る、セレナと言うトレーナーじゃ。年齢的にはハルカに近いぞ!」

ハルカ「ふーん、せっかくだし挨拶しようかな!」

桐生「……セレナ」ビクッ

オーキド「なんじゃ知り合いか?」

桐生「いや…俺が通っていた居酒屋と同じ名前でな」

ハルカ「ふーん」

オーキド「はて、そんな名前の居酒屋あったかのう?どこの町じゃ」

桐生「……」

オーキド「そういえば、キミの生い立ちについては全然きいてなかったな。どこの町の出身なんじゃ」

桐生「……言うつもりはなかった。だがあんたには世話になったし話しておくか」

桐生「信じられないかもしれないが、じつは」

ハルカ・オーキド「元は悪の組織の構成員で、異世界の住人!?」

桐生「無理に信じろとは言わねぇさ」

オーキド「むむむ。だがそういう経緯なら、上半身裸でボロボロになって倒れていたのも頷けるな…悪の組織特有のトラブルにでも巻き込まれたというか…」

ハルカ「たしかに。元はトージョー会?ゴクドウ?っていう悪の組織の構成員ってのも頷けるかも」

桐生「言っておくがもう数年前にはカタギになってるからな」

ハルカ「カタギ?」

桐生「要するにもう俺は一般人ってわけだ」

オーキド「だが正直、悪人には見えんのだが」

桐生「どの世界、どの組織にも色んな人間がいるって事だ」

オーキド「……前から気になってたが、キミがポケモンに妙なニックネームを名づけるのも」

桐生「ああ。俺の仲間や舎弟、先輩だった人の名前からとった」

オーキド「そうかそうか、いつかその人達にもポケモンの存在を教えてあげられると良いな」

桐生「……」

オーキド「……?」

ハルカ(なんだろう。いま一瞬、悲しそうな表情で)

桐生「……」

桐生「オーキドの爺さん、一週間泊めてもらって助かったぜ」

オーキド「ああ、気にするでない」

桐生「俺はそろそろ行く…そして、これがアンタと俺の別れになるかもしれん」

オーキド「もし、キミの探している人が見付からなかったらどうするのじゃ?」

桐生「どこまでも探すさ。ハルカが遠路はるばるとこのカントー地方に来たように。俺は遥を探し続ける」

オーキド「そうか。まあポケモンリーグの試合の際は見に行こうとは思っておる。シゲルも出るしのう」

オーキド「また会えるじゃろう」

ハルカ「私も見学しに行くからね!」

桐生「そうか。なら恥ずかしくない試合にして見せるぜ」

【1番どうろ】

桐生「この道中も懐かしいぜ」

オニスズメ軍団「キェェェェ!!!」バサバサッ

桐生「こいつらも懐かしいな」

ピカチュウ「ピカピカ!(またお前達か!)」

桐生「仕方ねぇな。ピカチュウ、いまのお前の敵じゃねぇが…でんじはでも起こして、マヒさせておけ」

ピカチュウ「ピカッ!」

ゴトゴト…!ゴトゴト…!

桐生「ん?まてピカチュウ…モンスターボールが激しく動いている」

ピカチュウ「ピカ?」

桐生「どうしたお前ら、出て来い」ポンッ

リキヤ「シャー!!(なんだテメェら、誰に喧嘩売ってんだゴラァァ!!)」

タチバナ「ギギギ(くくく、身の程を知らない雑魚共ですね)」

ニシキ「グォォォ?(おいキリュウ、コイツらのケジメはどうする?)」

シンジ「ゴオォォ(このオニスズメを全員、エンコしましょうよ兄貴)」

カシワギ「クォォォォ(エンコなんかじゃ生ぬりぃ。俺が一匹残らず凍らせて、海に沈めてやるよ)」

ピカチュウ「」

桐生「……お前ら落ち着け」

オニスズメ軍団「」

オニスズメ軍団「キ、キェ……」ガクガク

バサバサ!バサバサ!

オニスズメ軍団は全員恐怖する!
一匹残らず逃げ去った!

リキヤ「シャーボック!(カチコミし掛けておいて逃げやがった!)」

カシワギ「クォ(張り合いがねぇな。闘う価値もねぇ)」

ニシキ「ゴォォ!(ちったぁ男、見せろオニスズメ!)」

ピカチュウ「ピカ…(みんな怖いよ…)」

桐生「お前ら、こんな事にいちいちボールから出る必要はねぇ」

桐生「それにトキワジムまでもう少しだ」

今日はここまで

すいませんちょっとアンケートを
コメントにもあったけどタチバナの今後について選んでください

・桐生さんになついてるし、クロバットに進化
・ゴルバットのままで良い

はじめの注意書きでは、闘うポケモンは初代って事だったので、若干の変更をしても良いのか気になりました
締め切りは明日の昼12時まで


※ サトシについて
ネタバレですがサトシは出てきます
元は謎キャラっぽく、名前も『??』表記にしよかと思ってたけど止めました

しかし手持ちのポケモンは無くて、アニメ版のサトシとかなり印象が違うので注意ね
(例えるなら、龍が如く0の狂犬になる前の真島と、龍が如く1の狂犬真島くらい違う)

ただ最終的にあることをキッカケにサトシが変わっていきます
因みにセレナとハルカは、初期の構想段階から出すつもりでした。マサトはお留守番

もうポケモンの鳴き声も意味を成さないんだから負担を減らすために鳴き声を無くしたら?
必要な時だけ鳴き声も一緒に描けば良いと思うよ。俺も以前ポケモンSS書いてたから・・・

アンケートありがとう
いま執筆してるけど、別なのも書いてるから時間かかるかも

すまぬ、金銀編はやりません(やりたいけどgdる未来しか見えん)

>>379
必要な事だけ意識して書いてはいたけど、台詞なしの鳴声だけというのもありましたね
バトルの時なんか特に、もう少し臨機応変に意識して書いていきます

投下します
初めの数レスは訂正文を

>>356(訂正)

オーキド「紹介しよう、ハルカだ」

ハルカ「ホウエン地方からカントー地方に来たハルカでーす!」

桐生「桐生だ」

オーキド「人違いだったとはな」

ハルカ「あははは、びっくりしちゃったかも!」

桐生「同じ名前だったとはな。早とちりしちまったぜ」

ハルカ「あははは!」

桐生(最初はドン引きされたが、今は割りと落ち着いてるな)

ハルカ「ん?」ジッ

桐生「どうした?」

ハルカ「あれ、もしかしてカントーの龍の人かも…?」

桐生「え?」

ハルカ「グレーのスーツに、赤いジャケット…間違いない!カントーの龍だ!」

桐生「カントーの龍?」

ハルカ「こっちでも有名だよ。キリュウカズマさん。ポケモンと暴力で、ロケット団を街から追い払ったって」

桐生「いつの間にかそんなあだ名を」

オーキド「初めは、暴力ポケモントレーナーなどと呼ばれておったがのう」

桐生「……」

ハルカ「たしか背中にドラゴンの絵が描かれてるんだよね?」

桐生「これは絵じゃないんだが」

ハルカ「謎の組織、ネオトージョー会が出てきたおかげで、全国の悪の組織達はみな震え上がってるって噂かも!」

桐生「ネオトージョー会は組織ってより、ノリで名づけたチーム名みたいなもんだ。大した事はしてねぇ…」

>>358(訂正文)

ハルカ・オーキド「元は悪の組織の構成員で、異世界の住人!?」

桐生「無理に信じろとは言わねぇさ」

オーキド「むむむ。だがそういう経緯なら、上半身裸でボロボロになって倒れていたのも頷けるな…悪の組織特有のトラブルにでも巻き込まれたというか…」

ハルカ「たしかに。元はトージョー会?ゴクドウ?っていう悪の組織の構成員ってのも頷けるかも」

桐生「言っておくがもう数年前にはカタギになってるからな」

ハルカ「カタギ?」

桐生「要するにもう俺は一般人ってわけだ」

オーキド「だが正直、悪人には見えんのだが」

桐生「どの世界、どの組織にも色んな人間がいるって事だ」

オーキド「……前から気になってたが、キミがポケモンに妙なニックネームを名づけるのも」

桐生「ああ。俺の仲間や舎弟、先輩だった人の名前からとった」

オーキド「そうかそうか、いつかその人達にもポケモンの存在を教えてあげられると良いな」

桐生「……」

オーキド「……?」

ハルカ(なんだろう。いま一瞬、悲しそうな表情だったかも)

桐生「……」

桐生「オーキドの爺さん、一週間泊めてもらって助かったぜ」

オーキド「ああ、気にするでない」

桐生「俺はそろそろ行く…そして、これがアンタと俺の別れになるかもしれん」

オーキド「もし、キミの探している人が見付からなかったらどうするのじゃ?」

桐生「どこまでも探すさ。ハルカが遠路はるばるとこのカントー地方に来たように。俺は遥を探し続ける」

オーキド「そうか。まあポケモンリーグの試合の際は見に行こうとは思っておる。シゲルも出るしのう」

オーキド「また会えるじゃろう」

ハルカ「私も見学しに行くかも!」

桐生「そうか。なら恥ずかしくない試合にして見せるぜ」

では続きです

【トキワジム】

桐生「……まさかお前が最後のジムリーダーとはな」

桐生(良く見ると、見知った顔もいる)

ムサシ・コジロウ「……」

桐生「ロケット団の頭…サカキ」

サカキ「フフフ、久しぶりだな」

サカキ「ジムリーダーと言っても、少し前までは代行に権限を渡していたのだがな」

桐生「ジムリーダー代行?ああ、そうか…お前は経営に奔走していて、ここで闘っている余裕も無かったという訳か」

サカキ「今はここを拠点とし体制を立て直している。だからついでにジムリーダーも復活したわけだ」

サカキ「……そういえばジムリーダー代行が、君の事を知っていたぞ」

桐生「なに?一体誰だ」

サカキ「それは私に勝ってから教えてやる」

桐生「……」

サカキ「そうそう。前回ビルで闘った時だが…あれはベストメンバーではなかった」

桐生「ほう。それじゃ今日のポケモンはお前の自慢と言う訳か」

サカキ「ああ。今度は手加減なしだ」

サカキ「最強のトレーナー…サカキの腕前を見よ!」バッ

サカキは上着を脱いだ!

桐生「お前が最強なら、越えるまでだ」バッ

キリュウも上着を脱いだ!

サカキ「こい!キリュウ!!」

[VSトキワジム・ジムリーダー・ロケット団のサカキ]

ロケット団員1「……いよいよ始まったか」

ロケット団員2「キリュウとの闘いに全力を尽くすって、リーダーは気合いれてたよな」

ムサシ「とうとうここまで来たのね」

コジロウ「今日の闘いだけは静観させて頂こうか」

ニャース「そうだニャ」

サカキ「まずは私のペルシアン」

ペルシアン「ニャォォ!」

桐生「ほう、いきなりお前のお気に入りか」

桐生「なら俺は…いけ、リキヤ!」

リキヤ「シャー!!(まかせろ兄貴!)」

ペルシアン「……」ギロッ

リキヤ「……」ジッ

ペルシアンとリキヤは互いににらみ合う!

桐生「リキヤ、かみつくだ!」

サカキ「ペルシアン、かげぶんしんだ」

ペルシアンの かげぶんしん!かいひりつ が上がる!
同時にリキヤの かみつく が外れる!

リキヤ「シャッ!?(ヤベッ!?)」

リキヤ「シャーボック!(つぎこそ!)」

リキヤはやみくもに突撃を繰り返す!しかしペルシアンに攻撃が当たらない!

桐生「まずいな…猪突猛進で、全然あたらねぇな」

サカキ「さあペルシアン。10まんボルトだ」

バチバチバチ!!

ペルシアンの 10まんボルト!
リキヤに直撃する!

リキヤ「ッ!!?」

桐生「なに…あのポケモンも10まんボルトが使えるのか」

サカキ「わざマシンがあれば、不可能ではない」

ペルシアン「ニャォォォ(俺の10まんボルトはなかなか効くだろ?)」

リキヤ「シャ…(全然きかねぇよ)」

ペルシアン「ニャォォォ(また強がりを、フラフラじゃないか)」

リキヤ「…シャァァ(…俺は正直、チーム・キリュウの中じゃ最弱だ)」

桐生「リキヤ、俺はそんな風に」

リキヤ「シャー(良いんですよ兄貴、情けはいらねぇ)」

リキヤ「シャー(野生のポケモン時代は、地元で最強だったのによ…)」

ペルシアン「ニャオォォ(ふん、圧倒的な敵を前にネガティブになったか?)」

リキヤ「シャー(違う)」

リキヤ「シャー!シャーボック!(他のメンツがデタラメ過ぎるんだよ!テメェみたいな雑魚は俺1人で充分って意味だ!)」

ペルシアン「……!!」ブチッ

サカキ「ペルシアン、いあいぎりだ!」

桐生「リキヤ、ようかいえきだ!」

リキヤ「シャァァァ!(見せてやるぜ。チーム・キリュウ最弱の意地をな!)」

ジュウ…ジュウ…!

リキヤは ようかいえき を吐き出す!

ペルシアン「……!」ササッ

しかしペルシアンには当たらない!
怒りのペルシアンはその勢いのまま いあいぎり!

ザシュッ!!

リキヤ「ジャァァ!(ぐっ!)」

ザシュッ!ザシュッ!ザシュッ!

ペルシアンの いあいぎりは止まらない!
しかしそれでもリキヤは ようかいえきを吐き続ける!

桐生「リキヤ!一先ず、避ける事に専念しろ!」

リキヤ「……!」ササッ

リキヤは避けようとするが、ペルシアンに追いつかれてしまう!

桐生「チッ、なんて機動力だ…!」

サカキ「ペルシアン、フラッシュだ」

パァァ…!

ペルシアンのフラッシュ!

サカキ「フフフ…これで目潰しにはなっただろう」

ガブッ

サカキ「え」

ペルシアン「ニャァァァ!?(バカな!?)」

リキヤはペルシアンにかみついていた!

サカキ「バカな…どうなっている!?」

リキヤ(そんな目潰し程度で俺の動きを止めれると思ったか?甘いんだよ!)

リキヤは怯まなかった!

リキヤ(ああ…でも目がいてぇ。とっととかみ殺して、ポケセンで治療してもらわないといけねぇや)

ガブガブ!ガブガブ!

ペルシアン「ニャォォ!!!(離れろ!!)」

振りほどこうとするも、ペルシアンの体をガッチリ噛み付いて離れない!

桐生「リキヤ、そのままメガドレインだ!」

リキヤ「~~~~ッ!!」

リキヤの メガドレイン!
ペルシアンの体力が奪われていく!

ペルシアン「ニャ…ニャォ…(お前の性能も充分デタラメ染みてる…)」

ドサッ

ペルシアンは倒れた!

サカキ「……よくも私の可愛いペルシアンをいたぶってくれたな」

桐生「これはバトルだ。こうなる覚悟はあって当然だ」

サカキ「ふん、ならば次はゴローニャ!行け」ポンッ

ゴローニャ「ニュオォォ!」

桐生「リキヤ!良く頑張った戻れ」ヒュンッ

桐生「次はタチバナ!行ってこい!」

タチバナ「ギギギギ!(お任せを)」

サカキ「フフフ、キミは馬鹿なのか?」

桐生「何が言いたい」

サカキ「ゴルバットにとって、ゴローニャの相性は最悪だ。流石に気合でどうにか成るレベルではない」

桐生「そういう能書きは勝ってからいえ」

サカキ「ふん…ゴローニャ!たいあたりだ!」

桐生「タチバナ!ちょうおんぱだ!」

タチバナ「~~~~~ッ」

キィィィィィン

タチバナの ちょうおんぱ!
ゴローニャは こんらんする!

ゴローニャ「~~~~!!!」ジタバタ

サカキ「……ふん、なんでもなおしだ」シュゥゥ

サカキがゴローニャに なんでもなおし をかける!
ゴローニャは こんらんが なおる!

桐生「アイテムか…これからはああいうのも使いこなさないと、リーグ制覇は出来ないな」

桐生「タチバナ!気を取り直してメガドレインだ!」

ガブッ
メキメキ…バキバキ

タチバナはゴローニャにかみついて メガドレイン!
石で出来た体を砕きながら、体力をうばっていく!


サカキ「っ!?どうなっているんだアイツの牙は!!」

ゴローニャ「ニュォォ!!(たかがこうもりの分際で、なぜ噛み付くことができる!!)」

タチバナ「ギギギギ(ククク、これだから相性悪いポケモンを相手に闘うのは面白い。相性の良いはずの私に負けて悔しがるといい)」

サカキ「ゴローニャ!ころがるだ!」

ゴローニャ「ニュォ!!(死ね!!)」

ゴロゴロ…!!

タチバナ「ッ……!!」

ゴローニャの ころがる!
噛み付いているタチバナは潰されていく!

桐生「タチバナ!」

ゴロゴロ!ゴロゴロ!

ゴローニャの ころがる は続く!

桐生「タチバナ!このままじゃ危ない!いったん離れろ!」

タチバナ「……」ガブガブ

しかしタチバナはゴローニャから離れない!
タチバナも引き続き メガドレイン をつづける!

桐生「タチバナ…お前…」

タチバナ(すいません…桐生さんを勝たせるには、私が男を見せるしかありません)

タチバナ(この程度で、くたばってはリーグ制覇も出来ない。そして仁義を果たすことも出来ません)ググッ

ゴゴゴゴゴ…

桐生「ん?」

タチバナから眩い光が放たれる!

ゴゴゴゴゴ…!!

タチバナは、ゴルバットからクロバットへと進化した!

サカキ「なにぃ!?」

桐生「デケェな…まだ進化が出来たのか、凄いぜタチバナ」

サカキ「くっ…!!こうなったら、だいばくはつで道連れだ!!」

ゴローニャ「ッ!!」

タチバナ「……」

ボォォォン!!

ゴローニャは だいばくはつ をおこす!

桐生「くっ…!!凄い爆発だ!」

桐生「この規模の爆発じゃさすがに、タチバナも巻き込まれてしまったか…」

タチバナ(クロバット)「ギギギギギ(私ならここにいますよ)」

桐生「なっ…!!」

タチバナ(クロバット)は桐生の真後ろまで退避していた!

桐生「進化した事で素早さが上がったのか…それにしても」

桐生(だとしてもあの爆風に巻き込まれなかったのは、凄い回避力だ)

サカキ「クソ…まさかいまの大爆発を回避するとは」

タチバナ「ケケケケケ!(フフ、無駄死にですね)」

サカキ「では次で最後だ!出て来いサイドン!」

サイドン「サイドォォン!」

桐生「いけピカチュウ!」

ピカチュウ「ピカッ!」

サカキ「またしても相性の悪いポケモンを…キミはどこまで私をコケにすれば気が済むのだ」

桐生「ふん、怖気付いたか?」

サカキ「なめるなよ?いけサイドン!とっしんだ!」

桐生「ピカチュウ、でんこうせっかだ!」

ドドドッ!!

サイドンは凄い勢いで走りぬけ とっしん を仕掛ける!
一方ピカチュウは、でんこうせっか!

ズドォォン!!

サイドン「サイドォォン!!(場違いなんだよチビ!!)」

ピカチュウ「ビガァァァ!!(小さいからってなめるなよ!!)」

サイドンとピカチュウが激突する!

サカキ「サイドン!かいりきだ!」

桐生「ピカチュウ!メガトンパンチで応戦だ!」

サイドンは かいりき を起こす!」

サイドンの腕からボゴォ!っと音がなると同時に腕が太くなる
そのままサイドンの硬い拳がピカチュウを襲う

しかしピカチュウも負けじと メガトンパンチ
互いの拳がぶつかり合う!

ピカチュウ「ビガァァ!!」

ズドォォン!!!

サイドン「ッ!!?」

サイドンの かいりき が力負けして、後ろへと滑るように後退していく

桐生「ピカチュウ、こうそくいどうだ!」

その隙をピカチュウは逃さない
ピカチュウの こうそくいどう!

サカキ「前回のサイホーンの時は、あっさりやられてしまったが…今回はそうはいかん。サイホーンの進化形態だ」

サカキ「サイドン!すなあらしだ!!」

ゴゴゴゴゴゴゴ…ビュォォォォ…!!

ピカチュウ「……ッ!!」

サイドンの すなあらし!
ピカチュウに砂粒のダメージを与えるだけでなく、視界をも遮る!

サカキ「ピカチュウは怯んでいる!つのドリルで、一気に息の根を止めろ!」

サイドン「サイ…ドォォン!!(死ね!ピカチュウ!!)」

サイドンは角を、鋭く回転させながら走り出す
サイドンの つのドリル!

ピカチュウ「……」

桐生「くっ…前がみえん。ピカチュウ!かみなりパンチで応戦しろ!」

ピカチュウ「……」

バチバチ…バチバチ…

ドゴォォォン!!!

すなあらしが舞う中、凄まじい轟音が鳴り響く
それと同時に嵐の中から、大きくて鋭い角が空中で舞っていた

サカキ「なっ…あれは、サイドンの角!?」

ズドォォン!バチバチ!
ズドォォン!バチバチ!

轟音はまだ止まらない。それどころか電撃が迸る音までする

バチバチ…ズドォォン!!!

やがて今日一番の轟音が鳴り響くと、すなあらしが止み始める

~~~~

嵐が完全に止んだあと、目に映ったのは角が破壊され気絶しているサイドンと、電撃を全身にまとったピカチュウだった

サイドン「」

ピカチュウ「ビガァァァァ!!」バチバチ

サカキ「……」

桐生「この勝負、俺の勝ちだな」

サカキ「……認めたくないが、キミが力あるトレーナーだという事はわかった」

桐生「……」

サカキ「キミはこのあと、ポケモンリーグに挑むのだろ?」

桐生「ああ。お前はどうすんだ」

サカキ「私はここで体制を整える」

桐生「……」

サカキ「私を止めないのか?」

桐生「俺はいずれこの世界からいなくなる」

サカキ「フン、何を言っている」

桐生「……」

サカキ「キミは私を止めたいんだろ?」

桐生「……お前のような悪党がいるように、世の中にはその悪党を排除する奴らもいる」

桐生「俺がいなくなっっても、いずれお前達は潰されるだろう」

サカキ「ふん、そうか」

桐生「ヤマブキでの一件以来、まともなアクションを起こしてないお前らだ」

桐生「まだ何もしてないお前らに手をだす理由はない」

桐生「……だが明確に何かを起こすって言うなら…ここで、殴り飛ばしておく必要がある」

サカキ「ふん。そうか」

サカキ「ならば私も…今回は逃げずに立ち向かおうじゃないか」

桐生「ほう…」

サカキ「お前に敗北をしてから…私は毎日鍛えた」

サカキ「もう一度言う。逃げも隠れもしない…バッジを手にしたければ、この私を倒すがいい」

桐生「ああ…行くぞ!!」

――サカキと桐生のサシの勝負は、15分に渡った
だが桐生の圧倒的な力の前に、サカキはただ粘る事しか出来ずにいた

そして…決着はついた

ドサッ

サカキ「」

桐生「ペッ」

キリュウは顔を横に向けて、口から血の混じった唾を吐く

桐生「なかなかしぶとい奴だったぜ。だがもう終わりだ」

ロケット団員全員「リーダー!」

サカキ「ぜぇぜぇ…本当に、バケモノ染みた強さだ…」

桐生「サカキ…カントー地方の人間に迷惑かけるな」

サカキ「……」

サカキ「キミとシルフで闘った時、私はキミに殺されてもおかしくない状況だった」

サカキ「そしていまも、その状況は一緒だ」

桐生「……」

サカキ「だがキミは私にトドメを差さない…既に状況的に死んでもおかしくなこの私を」

桐生「殺しはしない。安心しろ」

サカキ「フッ…」

サカキ「仕方あるまい。私も腹をくくろう」

サカキ「今日限りで…ロケット団は解散だ!」

ロケット団全員「!!?」

ムサシ・コジロウ「……へ?」

ニャース「!?」

サカキ「私はいちから、1人のポケモントレーナーとしてやり直すつもりだ」

サカキ「最弱の手持ちポケモン1匹だけ引き連れて…私は旅に出る」

サカキ「ではこれは受け取りたまえ」フラフラ

桐生「フラフラだが大丈夫か?」

サカキ「辛うじて体を動かす余裕はある。ほら、バッジだ」

桐生「……」

桐生「トキワジムのグリーンバッジ!ゲットだぜ!!」

キリュウはグリーンバッジを手に入れた!

サカキ「さて、そろそろ紹介するとしよう」

桐生「俺を知っているという、元代行ジムリーダーか?」

サカキ「ああ…もっともこれからはトキワジムの、新しいジムリーダーへと昇格するわけだが」

「俺をお呼びかい、リーダーさんよ」

桐生「お前が俺を知っている男だと?」

「ああ…って言っても、俺とお前は初対面だけどな」

桐生「何者だ」

「……20年以上前に、俺はこの世界にきた」

桐生「20年以上前だと?」

「……『カラの一坪』の件、覚えてるよな?」

桐生「!?」

「当時オレは…近江連合にいた」

桐生「近江連合だと!?」

「桐生。お前はたしか…堂島組を抜けて立華不動産にいたな。その後はまた組に戻ったみたいだが」

桐生「なぜそこまで知っている」

「ちょっと前に知り合いと再会してよ…色々教えてもらったんだよ」

桐生「……」

「さて、そろそろ教えてやるか」

佐川「オレはな…近江の元佐川組の頭…佐川ってもんだ」

桐生「近江の大物が、なぜこんな所に」

佐川「コッチが聞きてぇよ」

佐川「まあなんだ、オレはあの真島ちゃんと知り合いでな」

桐生「真島の兄さんと!?」

佐川「んでオレは『カラの一坪』の件で、色々と責任を取らされる破目になって」

~回想・1988年~

真島「アンタは何があっても諦めへん…執着心の塊のような男や」

真島「諦めんことの重要さを知ったわ…俺も執着するで、真島吾郎という生き方に」

真島「ほな、またな」

佐川「……あの世で待っているぜ。真島ちゃん」

ヤクザ1「……」ポンッ

佐川「はぁぁ…随分、早いお迎えだね」

佐川「さて、俺も行くか……な?」

パァァン

佐川「」ドサッ

ヤクザ1「電話ボックスがそこにある。連絡しておけ」

ヤクザ2「へい」

ppppp

ヤクザ2「もしもし…はい佐川は始末しました」

ヤクザ2「これから山にいって…はい、死体は液体で溶かしてから…では」ガチャッ

ヤクザ1「早く車のトランクにつめるぞ」

佐川「かぁ…」ピクッ

ヤクザ1・2「!!?」

佐川(せめて、嶋野の兄弟に遺言くらい…コイツらに伝言で)

ヤクザ1「こいつ…脳天をぶち抜かれておいて…なんで生きてんだ!」

佐川「なあ…東城会…しま…の…でん…ご…」

ヤクゼ2「なに意味のわかんねぇことを!」

ヤクザ1「蜂の巣にしちまえ!!」

パァンパァン!パァン!

佐川「」

ヤクザ1「ぜぇぜぇ…どうなってんだコイツの生命力」

佐川(……次は同じ組織でな、嶋野の兄弟。もうこんなオチは勘弁だからさぁ)

パァァァ

佐川(……ぁぁ、眩しい。迎えがきたのか?はっ、俺みたいな…はみ出しモンにも手を差し伸べてくれるとはねぇ)

ヤクザ1・2「な、なんだこの光は!?」

~回想終了~

佐川「ま、謎の光につつまれて。気が付いたらここに」

桐生「また謎の光か…」

佐川「当然オレは、生死をさまよった」

佐川「気が付いたらポケセンで、半年間こん睡状態だったぜ」

桐生「……」

佐川「しかも…この通り、俺は片足が動かなくなっちまった」

桐生「杖を使って歩いてるのか…風間の親っさんと一緒じゃねぇか」

佐川「蜂の巣にされた時、片足を集中的に撃たれてな」

バサバサッ

桐生「ん?あれはピジョット…」

佐川「おお…マメタロウ。今日も元気そうだな」

マメタロウ「ピジョォォォ」

桐生「お前のポケモンか?」

佐川「ああ。俺と一番付き合いの長いポケモンだ…で、ニックネームは俺がガキのころに飼ってた鳥の名前だ」

佐川「オレはコイツと共に、第二の人生を歩む事にした」

佐川「最強のトレーナーを目指して旅をしていた」

佐川「んで、サカキちゃんとの出会いだが」

~回想~

佐川「マメタロウ、オレはトイレに行って来る」

佐川「その間、ポケモンフードでも食べててくれ」

マメタロウ(当時ポッポ)「ポポポ」

佐川「ぅぅ~腹が~」



佐川「ただいまぁ。もう食い終えたか?」

マメタロウ「」

佐川「!?マメタロウしっかりしろ!!」

佐川「誰がこんな…ん?」

ニャース「バクバク、モグモグ」

佐川「」ブチッ

佐川「テメェ…なにウチのマメに手ぇだしてんだよ…何でテメェが飯くってんだよ…」

サガワは拳銃を構える!

佐川「覚悟できてんだろうな!ゴラァァ!!」

パァンパァン!

ニャース「!?」ビクッ

佐川「なんでウチのポケモンに手ェ出してんだよ…なあ!?なあ!!」

パァンパァン!

ニャース「ニャ、ニャー!!」

ニャースは逃げた!

パァンパァン!

~回想終了~

佐川「それからオレは、予備弾薬も含めて全弾乱射した」

桐生「……」

佐川「だがオレはニャースを殺す事ができなかった」

桐生「情が移って外したのか」

佐川「…あの時思ったよ。俺も甘くなったとな。殺そうと思えば余裕で出来たものの」

佐川「もはや、元極道の名を名乗る資格もねぇな」

佐川「こんなメルヘンな世界に来ちまったせいでな…俺の頭は完全におかしくなっちまった」

桐生「……」

佐川「ガキの頃ですらもっと非道だった…俺がネコ1匹殺せねぇとは…」

佐川「それからしばらくして、オレはサカキちゃんと出会った」

佐川「サカキちゃんのとなりにペルシアンがいた。俺を見るなり当時そのペルシアンはビビッてたよ」

佐川「すぐに確信したね。あの時のニャースが進化したんだってね」

佐川「事の経緯を話すと、ペルシアンを可愛がってたサカキちゃんが、仇をとるとか言い出してよ。まあポケモンバトルを始めたわけだが」

佐川「闘いの果てに…奇妙な友情が出来てな」

佐川「その後、おれは長い事このジムで、専属ジムトレーナーとして多くの挑戦者と戦ってきた」

サカキ「アナタをロケット団に…それも幹部として誘った事も何回もあったな」

佐川「こんな牙を失っちまった状態で、ロケット団の幹部なんかやってもねぇ」

佐川「俺がまだギラギラしてた頃じゃないと…幹部なんかやっても意味ないっしょ」

佐川「それに余生は穏やかに生きたい。純粋にポケモンを愛するトレーナーとして生きてぇのさ…だからオレは断った」

サカキ「アナタが望むなら、無条件でロケット団3代目リーダーを任せても良かったんですがね」

佐川「よしてよサカキちゃん。もう俺は頭がおかしくなっちまったんだ。昔みたいな鋭い牙は無くなっちゃったんだよ」

サカキ「サガワさんがギラギラしてた頃を、一度で良いから見てみたかった」

【トキワジム前】

佐川「んじゃたしかに、アンタのポケモンは預かった。達者でな」

サカキ「ああ。またいずれ会おう」

桐生「ロケット団解散まであっと言う間だったな」

佐川「覚悟もあったんじゃねぇの?いずれ桐生一馬がココに来て、自分を倒してしまうかも知れないというその覚悟が」

桐生「それで今からアンタが、このジムのリーダーか」

佐川「ま、そうなるな」

桐生「……それじゃ、オレもそろそろ」

佐川「あ、待てよ。土産やるよ」

桐生「これは?」

キリュウはコインロッカーのカギが大量に入った箱をもらった!

桐生「コインロッカーのカギ?しかもこんなに沢山」

佐川「俺がかき集めたアイテムが入っている。場所は…大都会のタマムシシティだ」

佐川「中にはわざマシンやら、ひでんマシンが入ってるぜ」

桐生「ありがたくいただく」

桐生「だがなぜ俺に。真島の兄さんに渡すべきじゃ」

佐川「真島ちゃんは俺がかき集めた物をアイテム全部、自分で調達してやがったよ…全く本当すごい奴だよ」

ロケット団員「ロケット団が解散…そんな…」

コジロウ「……」

ムサシ「……」

ニャース「……」

ムサシ「ねぇ」

コジロウ「なに?」

ムサシ「これからどうしよう」

コジロウ「……」

【タマムシシティ・コインロッカー前】

ガチャッ

桐生「ふぅ。大量にゲットしたぜ」

桐生「あとはワザをポケモンに覚えさせるだけだな」

桐生「……新しい天啓が覚えたいから、おれ自身にも使うか」

【16ばんどうろ】

桐生「さて、この辺で使うとするか…」

シゲル「おやキミは!キリュウじゃないか!」

桐生「お前は…シゲル」

シゲル応援団「イイゾ!イイゾ!シ・ゲ・ル!」

桐生(相変わらず女を侍らせてるな…ガキのクセにませたことを)

シゲル「調子はどうだい」

桐生「バッジは全部ゲットした」

シゲル「ふーん、それはすごいねー」

シゲル「ま、ボクは既にポケモンリーグを制覇したんだけどね」

桐生「なに?」

桐生(シゲルは既に四天王を撃破済みか…生意気だがやはり実力は確かだな)

シゲル「……っとはいえ、今年は豊作と呼ばれていて。四天王を撃破したトレーナーが他にもいる」

シゲル「近日中に、四天王を撃破したトレーナー同士でトーナメントがあるんだ!ポケモンリーグ開催の場所でね!」

シゲル「今度開催されるポケモンリーグで、四天王を撃破した者が出たら…その者は、トーナメントの覇者と闘えることになっている」

桐生「なるほど、そこで真の最強のトレーナーを決めるんだな」

今日はここまで

文章はポケモン原作の説明文などをイメージして書いてました
ただ途中から、ひらがな表記だけだとキツク感じて漢字表記も多くいれました
(とはいえ元々文章力が上手い方ではないのですが)

投下します

シゲル「キリュウはここで何を?」

桐生「ポケモンリーグへ行く前に、アイテムを集めていた」

シゲル「ふーん」

桐生「お前は?」

シゲル「ボク?ボクは束の間の休日さ」

シゲル応援団「ガンバレ!ガンバレ!シ・ゲ・ル!」

桐生(しかしこの応援団…このタイミングでエールを送るのはおかしい)

シゲル「所でキリュウ。キミの噂は聞いてるよ。大活躍らしいね」

桐生「大した事はしてないさ」

シゲル「お、余裕だね?でもキミじゃボクには勝てないね」

シゲル「大体キミはピカチュウでポケモンリーグを制覇できると本気で思ってるのかい?」

シゲル「君達もそう思うよね?」

シゲル応援団「キャーシゲルー!」

桐生「……」

桐生(ガキの頃の大吾がマシに見えるほどの傲慢ぶりだな)

シゲル「あ!そうだ!」

桐生「ん?」

シゲル「キミがどれだけ強くなったか気になる…勝負しないか?」

桐生「……」

桐生(相手は四天王を撃破した男だ…とは言え、勝負を避けるわけにもいかねぇ)

ゴトゴト、ゴトゴト…!

桐生「ん?」

キリュウのモンスターボールが激しく動いている!

桐生「お前らどうした」ポンッ

リキヤ「シャ!シャァァ!(さっきからテメェの態度は何だ?おう、喧嘩売ってんのかゴラァァ!!)」

タチバナ「ギギギギ(どうやらブチ殺されたいようですね)」

シンジ「グォォォ!(ピカチュウの兄貴を馬鹿にした事を後悔させてやる)」

ニシキ「ゴォォ(ピカチュウの兄弟だけじゃね、キリュウの事を馬鹿にしたこともゆるせねぇな)」

カシワギ「クォォ(このクソガキは少し頭冷やした方がいいな。俺の冷凍ビームでな)

シゲル応援団「」

シゲル「キ、キミのポケモン…随分と気性が荒そうだね」

ピカチュウ「ピカ(みんな落ち着いて!)」

ピカチュウ「ピッピカ!(まだカチコミは早いよ)」

シンジ「(ピカチュウの兄貴…)」

ピカチュウ「ピカピカ!(ポケモンリーグで決着をつけるべきだと思う…そうだよね?桐生の兄貴)」

桐生「ああ、そうだな。物事には順序ってもんがある」

シゲル「フッ、それもそうか」

ピカチュウ「ピカピカッ(……でもリベンジがしたいのも事実)」

ピカチュウ「ピカピカ(みんなには悪いけど、個人的な決着をつけたい…でてこい!カメール)」

桐生「どうやらピカチュウは、お前のカメールにリベンジがしたいらしい…前回はお前との勝負で負けたからな」

シゲル「いいだろう!その勝負受けてたとうじゃないか」

シゲル「でも残念ながらウチにカメールはいないよ。いるのは進化したカメックスだけだ!」ポンッ

カメックス「ガメェ(まだ小さいままなんだなピカチュウ。勝負になるのか?)」

ピカチュウ「ピカ(目に物をみせてやる)」

[VSこうらポケモン・カメックス]

シゲル「カメックス!まずは、かげぶんしんだ!」

桐生「ピカチュウ。こっちも、かげぶんしんだ」

両者は かげぶんしん を行う!
激しく動く事で、回避率をあげる!

シゲル「カメックス!ハイドロポンプだ!」

ドバッ…ズドォォン!

ピカチュウ「ッ!!」

ピカチュウは間一髪避ける
真後ろにあった木がへし折れる

桐生「前に闘った時よりも、攻撃力が跳ね上がっているな」

シゲル「そりゃそうさ!水てっぽうとハイドロポンプじゃ雲泥の差だ!」

カメックス「ガメェェ!(よそ見してると、痛い目見るぜ!)」

ピカチュウ「ッ!!」

ドバッ…ズドォォン!!
ドバッ…ズドォォン!!

ピカチュウは油断し、ハイドロポンプを直撃する!

シゲル「あらら?もう終わりかな…期待はずれだ」

桐生「……まだ終わってないぜ」

シゲル「なに?」

ピカチュウ「……」ググッ

ピカチュウは短い両腕でガードし、水の衝撃に耐えた!

カメックス「ッ!?」

シゲル「ほぅ…」

ピカチュウ「ピカピカ(今の衝撃、なかなか効いたよ。ガードを貫通して利く)」

ピカチュウ「ピカッ!(でもその程度じゃぼくは倒せない!)」

桐生「ピカチュウ!でんこうせっかだ!」

ピカチュウの でんこうせっか!

シゲル「カメックス!続けてハイドロポンプを打ち続けるんだ!」

ズドォォン!!ズドォォン!!ズドォォン!!

カメックスは素早く動きピカチュウにめがけて ハイドロポンプ を乱射!
しかしピカチュウは華麗に避け当たらない!

シゲル「くっ、ピカチュウが目の前まで…!」

カメックスの前まで一気に距離を詰める!

シゲル「カメックス!今度はかいりきだ!」

カメックスは かいりき を発動!

目の前に飛び掛ってくるピカチュウの額を、拳に力を込めて殴りつける!

ドゴォォン!

ピカチュウ「っ!」

カメックス「ガメェ(終わりだ)」

ツー…ポタポタ…

ピカチュウの動きは止まり、額から血を流す!

桐生「ピカチュウ!」

シゲル「ありゃりゃ、アレは痛そうだな…ちょっとやり過ぎちゃったかな?」

ピカチュウ「……」

バチバチ!バチバチ!

シゲル「なっ…!」

カメックス「ガメェ!?(なに!?)」

ピカチュウの全身から激しい放電が起こる!

ピカチュウ「ビガッ!!」

ピカチュウの張り手アッパーが炸裂!

バシィィン

カメックス「ガァッ!?」

桐生「よし、そのままおうふくビンタだ!」

ピカチュウは小さな体を小刻みにジャンプさせながら おうふくビンタ!

バシン!バシン!バシン!バシン!

カメックスの頬を叩くたびに、その顔面が激しくゆがむ!

桐生「よし、トドメにかみなりパンチを打ち込め!」

ズドォォン!!

ピカチュウの かみなりパンチ!
カメックスの腹部に炸裂!

カメックス「ガ…ガガ…」

悶絶するカメックス!そのまま膝を付く

カメックス「ゼェゼェ…」ガクッ

桐生「辛うじて体力が残っているようだが、限界のようだな」

シゲル「ぐっ…!戻れカメックス!」

シゲル(衝撃が甲羅を越えて伝わるとは…)

桐生「よくやったピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピカッ!」

シンジ「ゴォォォ!(ピカチュウの兄貴…男、見せてもらいました!)」

シゲル「……」

シゲル応援団「シゲル…悲しまないで」グスッ

シゲル「どうやらキミを見くびっていたようだ」

桐生「フン、続きはポケモンリーグでのトーナメントでお前が勝ち残ったらな」

シゲル「僕は必ず勝ち残って見せるよ…今年は猛者ぞろいだけどね」

シゲル「所でキリュウ、キミちゃっかり伝説のポケモンをゲットしていたんだね」

桐生「ああ。ウチのフリーザーか。コイツはカシワギだ」

カシワギ「……」

シゲル「実は僕も、伝説のポケモンを一匹ゲットしてるんだよね」

桐生「なに?」

シゲル「出て来い!ファイヤー!」

ファイヤー「ギャーオ!!」

ピィン

『でんせつの とりポケモンの 1ぴき。ファイヤーが すがたを みせると はるが おとずれると いわれている』

桐生「……!コイツがファイヤーか」

カシワギ「クォォ(カントー地方にいるファイヤーだな)」

桐生「知り合いか」

カシワギ「クォォ(ああ)」

シゲル「キミが力のあるトレーナーである事は認める。でも強いピカチュウと伝説ポケモンをパーティーに入れてるからと言って、絶対に優勝できるとは限らないからね」

桐生「フン、いずれにせよ。闘ってみなきゃわからない事だ」

桐生「それじゃ、オレはセキエイこうげんに向かう」

ファイヤー「ギャォォ(あれ、バトルしないの?戦闘狂だったキミが)」

カシワギ「クォォ(もう昔みたいに私情では闘わん)」

カシワギ「クォォ(身も心も衰えたオレは、仁義を果たす事だけで精一杯なんでな。無駄な戦闘はやらん)」

シゲル「さあファイヤー。僕たちも行くぞ」

ファイヤー「ギャオォ?ギャーォォ!!(衰えただと?年寄りになったからなってクヨクヨすんなよ!!お前昔を思い出せよ昔を!体は冷たくも心は燃え上がっていただろ!)」

ファイヤー「ギャーォォ!!!(もっと、熱くなれよぉぉぉ!!!)」

桐生「……なかなか濃い奴だな」

シゲル「ウチのファイヤーは情熱的なのさ」

カシワギ「クォォ(歳とっても変わらねぇな、カントーのファイヤー)」

【翌日・ポケモンリーグ付近の道中にて】

桐生「なんだ…沢山のポケモンたちが倒れている」

桐生(コラッタやポッポ、ニドランといった小さなポケモンばかりだが…新しいトレーナーがレベルを上げる為に、バトルをしてるのか?)

ピカチュウ「ピカッ!(兄貴、あれ!)」

桐生「ん?」

ピチュー「ピチュピチュ!(ぼくこそがさいきょうだ!)」

ピカチュウ「ピカピー(あれは下位互換だ)」

ピチュー「ピチュ!(おまえもたおす!)」

ピカチュウ「……」

ドス!ドガ!バキ!

~~~

ピチュー「」

ピカチュウ「ピカ?(どうする?)」

桐生「もうポケモンは捕まえないと誓って、モンスターボールも全部売り飛ばしちまったしな…」

桐生「しかしまだこんな小さいのに、たった1匹でこれほどの実力…末恐ろしいぜ」

桐生「見逃すのも勿体無い…よし。出て来いシンジ!」

シンジ「ゴォォ(ヘイ!)」

桐生「空を飛ぶで、今からマサラタウンに戻るぞ」

【マサラタウン・オーキド研究所】

オーキド「どうしたキリュウ。セキエイこうげんに向かったのでは」

桐生「途中でピチューと出会ってな…コイツがたった一匹で多くの野生ポケモンをなぎ倒していた」

桐生「勿論、ウチのピカチュウは負けはしなかったが…ここで見逃すのも勿体無い気がしてな」

オーキド「既にポケモンを集めるのを止めたから、私に捕まえて欲しいと?」

桐生「ああ、このピチューは他の個体よりもステータスが高いとみる」

桐生「有望な未来のポケモントレーナーに託してやってくれ」

オーキド「わざわざそのために戻って来たとは…本当に律儀と言うか何というか」

オーキド「わかった。ではそのピチューをゲットさせてもらおう!」

ポンッ

~~~~

桐生「さて、それじゃオレは」

「だーかーら!オレは行かないって!」

「10歳になったら一緒にポケモンマスター目指そうって約束したじゃない!」

桐生「ん?なんだ」

オーキド「むむ、まだ喧嘩しておったのか」

ハルカ「あ、キリュウさん帰ってきたの?ちょっとタイミング悪いかも…」

桐生「一体どうした」

ハルカ「ほら、オーキド博士が話してたセレナが研究所に来ててね」

桐生(ああ…そういえば言ってたな)

ハルカ「それでマサラタウンのサトシも強引に連れて来たみたいなんだけど」

桐生「サトシ?」

サトシ「やっぱ気が乗らないんだ。放っておいてくれよ」

サトシ「おれ帰るから」

セレナ「サトシ…」

桐生「……」

セレナ「はぁぁ…どうしてあんな風に…」

セレナ「ってうわぁぁ!?だれ!?」ビクッ

桐生「桐生だ。お前がセレナか」

セレナ(お、おっきぃ…)ビクビク

ハルカ「あの強面に体格じゃ、やっぱりみんな怖がるかも」

~~~

セレナ「へーそれじゃおじさんが、カントーのリュウなのね!」

桐生「そう呼ばれてるみたいだな」

セレナ「それにしても私とおなじ名前の居酒屋に通ってたなんて、なんか面白い」

桐生「……ああ、全くだな」

桐生「それより、お前ら何を言い争ってたんだ?」

セレナ「実はね、私はいまはカロス地方に住んでるんだけど、小さい頃にサマーキャンプに参加してサトシと出会って」

セレナ「困ってた時にサトシに助けてもらった事があってね…それから10歳になったらポケモンマスター目指して一緒に旅に出ようって約束したの」

桐生(まだ10歳のガキが旅だなんて俺のいた世界じゃありえないな。約束とは言え、まだ精神的にも幼いだろうし…)

桐生「悔しいかもしれないが、アイツは旅に出たくないと言っていた…無理に行かせるのもどうかと思うが」

セレナ「でも私、それでもサトシと一緒に…その…」モジモジ

桐生(ん?)

セレナ「……」モジモジ

桐生(……ああそういうことか)

桐生「セレナ、1つ聞かせてくれ。お前ポケモンは好きなんだよな」

セレナ「勿論よ。私も立派なポケモントレーナーになりたい!」

桐生「なら良いだろう…協力してやる。俺もサトシになんとか説得してみせる」

セレナ「え、本当!?」

桐生「ああ。しかしなぜサトシが旅に出たがらないのか。まずそのワケを突き止めるべきだ」

セレナ「……ワケ?」

ハルカ「うーん、確かに何かワケありかも」

セレナ「……昔のサトシは、あんなに拗ねてなかったの。いつだって元気で諦めを知らない男の子だったのに」

桐生「ほう。今の卑屈な感じとは正反対だったんだな」

セレナ「うん。昔、サトシは私に勇気も希望もくれた。それなのに…」

オーキド「多分それはワシの孫のシゲルが原因じゃろうな」

桐生「シゲルが?」

オーキド「シゲルは自慢の孫じゃ…女の子にもモテるし、何やらせても才能に溢れていてな」

オーキド「じゃがいささか、慢心を抱きやすく…人を見下しがちじゃなんじゃ」

オーキド「サトシはそんなシゲルの幼馴染で、いつも見下されてきた物じゃからのう…」

桐生「時間と共に、シゲルと自分の違いを何度も見せ付けられて、心が折れてしまったのか」

オーキド「そんな所じゃろ。ワシはシゲルには注意はしてたんじゃが、シゲルもやはりまだまだ子供でのう」

桐生「……オーキドの爺さん。サトシはポケモンに対する想いはどうなんだ?」

オーキド「おそらく本心は嫌いではないと思うぞ」

セレナ「サトシは旅に出たくないって言ってるけど、本当はポケモン大好きなの!」

セレナ「だってサトシの部屋、ポケモンのぬいぐるみでいっぱいだし!」

セレナ「……それに昔は、ポケモンマスターになるって口癖みたいに言ってたし」

桐生「よし、サトシの家にいって説得しに良くか」

セレナ「え、今から!?」

【サトシの部屋】

桐生「本当にポケモンのぬいぐるみがたくさんあるぜ」

サトシ「なんだよ。オレはテレビゲームやるんだ」

サトシ「あ、ゲームやるなら別に参加しても良いけど」

セレナ「え?じゃあ私もやろっかな!」

サトシ「はいコントローラー。おじさんもやるの?」

桐生「ああ…俺も参加するから、ゲームしながら聞いてくれ」

サトシ「お説教はかんべんしてくれよ」

サトシ「カントーのリュウだかなんだか知らないけど、オレはポケモントレーナーなんかなりたくないんだ」

サトシ「オレはシゲルとは違う生き方をするって決めたんだ」

桐生「サトシ、お前の人生だからな。旅に出るも出ないもお前が決めることだ」

サトシ「ああそうだよ。道はオレがきめる」

桐生「だがお前は若い。若い頃に色んな体験をしないと後悔することもあるぜ」

サトシ「普通にいきてれば後悔なんてないんじゃない?」

桐生「いや、後悔するさ。あの時、やっておけばやっておけば良かった…ってな」

サトシ「……」

桐生「人生ってのは、生きてりゃ判断を誤って失敗する事もある…あんな事しなければよかったってな」

桐生「でも何もしなければしないで、後悔もするはずだ」

サトシ「説教なんてやめてって言ったじゃんか。子供の俺にジジくさい事いうのやめてくれよ」

桐生「……ジジ臭い説教か。ああそうかもな。でも聞いてくれ」

サトシ「あーもうセレナ。耳栓とってよー」

セレナ「お願いサトシ、キリュウさんのお話を聞いて」

サトシ「ちぇっ…早くお話おわりにしてくれよな」

桐生「……」

桐生「長いこと暗い道を歩いてると、この先もずっと暗いもんだと思っちまう。前に進むことがイヤになる」

サトシ「うっ」ビクッ

桐生「自分の道がこの先どうなってるか、分かってるやつなんてこの世にひとりもいねえ」

桐生「そんなお前にできるのは…立ち止まって泣くか、一歩でも前に進むかのふたつだけだ」

サトシ「……」

桐生「まずはポケモンリーグを観戦してみろ。ポケモントレーナーへの道は俺が案内してやる。そのあと旅に出るか否かは、お前が決めろ」

サトシ「はぁぁ分かったよ。龍のおじさんの悟りきった説教聞くのはもうウンザリだ」

サトシ「んじゃそのポケモンリーグを観戦して考えるよ」

セレナ「え、本当!?」

サトシ「言っておくけどまだ旅に出るって、決まった訳じゃないからな!」

~セキエイこうげんの門の前~

オーキド「それじゃワシらはここで。安全なルートで観客席に移動してくる」

サトシ「終わったらさっさと家に帰るからね」

セレナ・ハルカ「がんばってねキリュウさん!」

オーキド「ここからの道中は長い。気をつけるのじゃぞ」

桐生「ああ」

桐生「……」

桐生(それにしても最近、ガキと関る機会が多いな。ポケサーやってたときと感覚が似てるぜ。あの子供らも今じゃ大きくなってるなぁ…)

桐生(子供と話すのもなかなか良いモンだ。童心に戻った気持ちになるぜ。元の世界に帰ったらまたポケサーでもやるかな)

桐生(……アサガオのみんなも元気にしてるだろうか)

桐生「ココを通してくれ」

警備員1「バッジを持ってますね。どうぞ」

ガチャッ…ギィィィ

桐生「しかし会場までの道のりが長すぎるぜ…まずはチャンピオンロードとやらに行かないとな」

警備員2「む、バッジを持っているね。先をどうぞ」

桐生「ああ」

桐生「……」

桐生「あ、そうだ。わざマシンやひでんマシンで、ポケモンを強化していかないとな」

桐生「よし」

~強化終了後~

桐生「よし、こんなもんだな」

桐生「……最後はオレ自身を強化だ」ススッ

キリュウはわざマシン26を頭にかざす!

桐生「わざマシン26…これは『じしん』を覚えられる」

桐生「以前、冴島と殴りあった時に、アイツは地面を叩いて衝撃波を起こしていた…」

桐生「……冴島にできるんだ。俺に出来ない道理はない」

ピ…ピ…ピ…ピ…

桐生「閃いた!」

桐生「天啓が!来た!」

ピコン!

キリュウは『じしん』をおぼえた!

桐生「フッ」

ピカチュウ「ピカピカ!」

桐生「ん?」

桐生「……」

桐生「ピカチュウにはオレからも多くの技を覚えさせた。とはいえ、本来ピカチュウが『じしん』を覚えるはずないが…」

桐生「このピカチュウには、あらゆる可能性を秘めている」

桐生「丁度あと一回分残っているしな。物は試しだ」

ピ…ピ…ピ…ピコン!

ピカチュウも『じしん』を覚えた!

桐生「やったぜ」

ピカチュウ「ピカッ!」

ピカチュウもじしんをおぼえた!

桐生「さあ、先を急ごう」

テクテク…

警備員3「む、バッジをもっているね。どうぞ」

桐生「ああ」

テクテク…

桐生「お、4人目の警備員だ」

テクテク…

「む、バッジを持っているね」

桐生「ああ」

「では実力を見せてもらおうか!桐生チャン!」

桐生「え」

桐生(なんだ。4人目からはバトルをしなければならないのか)

桐生「……ん?いま桐生チャンって」

真島「またまた久しぶりやのう~!」

桐生「っ!?兄さんじゃねぇか!」

真島「ヒャーハハッ!どや、驚いたやろ」

桐生「わざわざ警備員にコスプレまでして…フッ、懐かしい事をしてくれるぜ」

真島「ああ、ほんま懐かしいのう…桐生チャンの出所直後の騒動。あんときは桐生チャンを追っかけ回してたわ」

桐生「懐かしいと言えば、アンタの知り合いにあったぞ」

真島「ああ佐川はんか。再会した時は…人生で一番驚いたで。桐生チャンと会った時よりもな」

桐生「そういえば、お目当てをポケモンはゲットしたのか」

真島「ああ。ライコウをゲットしたで!」

桐生「そうか。オレも伝説といわれるポケモンをゲットした」

桐生「出て来い!カシワギ!」

カシワギ(フリーザー)「クォォ!」

真島「ほう!フリーザーかいな!」

真島「しかも名前がカシワギて…まあ言いたい事はわかるけどな」

真島「あのおっさんもあー見えて、若い頃はメッチャ強かったのう…バケモンやった」

桐生「あの兄さんを苦しめるほどの実力者だからなあの人は」

真島「桐生チャンはこれから四天王に会いに行くところかいな?」

桐生「ああ。兄さんもだろ?」

真島「何を言うとるんや。もうとーっくに四天王なんぞ倒してもうたわ」

桐生「なに!!?」

真島「だからここで桐生チャンをずっと待っとったんや。えらい遅かったのう」

桐生「しかし…さすがと言うか何と言うか…」

真島「さて桐生チャン」

桐生「ああ、分かってる」

真島「いつものアレ、やろうか」

桐生「んじゃ、まずは前座だな」

真島「あーその前座なんやけど、もう面倒やから、お互いのエースの一騎打ちでどうや?」

桐生「それでも構わない」

真島「よし…いけやニシタニ!」

ニシタニ(ゲンガー)「ゲヒヒヒヒ!(久しぶりやのうピカチュウくん!)」

ピカチュウ「ピカピカ!(でたなニシタニ!)」

桐生(たしかゴーストタイプは…ノーマル技、かくとう技が効かないんだよな。やっかいだ)

桐生「スピードと電撃技で乗り越えろ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

――それからピカチュウとニシタニのし烈な闘いが繰り広げられた

(戦闘終了後)

ピカチュウ「」

ニシタニ「」

桐生「……引き分けか。実力はほぼ拮抗してたな」

真島「桐生チャンのピカチュウも成長したのう」

桐生「ほらスタミナンロイヤルだ。飲め」

ピカチュウ「ゴク…ピカッ!」

真島「ほら、お前にもスタミナンロイヤル飲ましたる」

ニシタニ「ゴク…ヒッ…ゲヒヒヒ」

真島「……さあ桐生チャン」

桐生「ああ」

真島「今度は俺らや」

真島「ヒヒヒ、楽しみやで」バッ

桐生「……」バッ

マジマとキリュウは、上着を脱いだ

真島「さあ覚悟しろや」チャキッ

マジマはドスを引き抜く!

桐生「アンタもな。オレの新しい天啓…とくと味合わせてやるよ」

真島「ほう?」

桐生「いくぞ!!」

真島「こいや!!桐生チャン!!」

[VS東城会直系真島組組長・真島吾郎]

桐生「オラァ!」

ドス!!ドガ!!バキ!!

真島「ヒャーッハハハ!」

ドス!!ドガ!!バキ!!

真島「真島直伝!!分身の術!!」

桐生「出たな分身技…」

影真島1~5「さらに…真島直伝!!回転切り!!」

ヒュンヒュンヒュンヒュン!

桐生「なんだありゃ…兄さん達がドス持って、ベーゴマみたいに回転してやがる…」

ヒュンヒュンヒュンヒュン!

影真島1~5「ヒャーッハハハハ!!!」

桐生「まずいな…囲まれた」

桐生「よし行くぞ。俺の新技」

桐生「フン!!!」

ドゴォォォン!!!

影真島1~5「っ!?ゴハァァ…!!」」

キリュウは地面を叩き、じしん をおこす!
周囲の地面から凄まじい衝撃波を起こす!

今日はここまで

投下します
四天王戦も投下しますが、かなり描写カットしてラスボスまで行くので注意ね

真島「ゲホッ…驚いたで。たった一発の攻撃でオレの分身をなぎ倒すとはのう」

真島「冴島の兄弟も似たような技を出しとったわ」

真島「ほなら…オレもできるハズや」ググッ

桐生「むっ!まさか!?」

真島「兄弟直伝!猛虎・地裂の極みぃぃ!」

真島「オォォォォリャァァァ!!!」

ドゴォォォン!!!

桐生「ゴハァァ…!!」」

マジマは地面を叩き、じしん をおこす!
周囲の地面から凄まじい衝撃波を起こし、桐生を宙に浮き体が1回転する!

桐生「ゲホゲホ…!」

真島「お次は、でんこうせっかや!」ヒュンッ

マジマの でんこうせっか!
ドスを両手でしっかり持って、桐生の目の前まで突撃する!

桐生「おっと…串刺しにはされないぜ」

桐生「オラァァ!虎落としだ!」

ズドン!

真島「ゴボォ!?」

キリュウの 虎落とし!
マジマは吐血する!

ガシッ

キリュウは、マジマのドスを片手でつかむ!
その片手からは血が滲む

桐生「おらぁ!!」

ドゴォォン!

真島「ごほぉぉ!!」

キリュウはマジマの腹部に、強烈なパンチを入れる

桐生「おらぁぁ!!」

ドゴォォン!!

そらに猛一発!

真島「ぐぅぅ…!」

桐生「これで終わりだ…!!」

真島「ごがぁぁ…!」

桐生はゼロ距離からの りゅうのいかり を起こす!
真島の腹部に強烈な衝撃波が襲い、いきおいよく吐血する!

真島「ぐぅ…ぅぅ…」ガクッ

真島「また強くなったの…桐生チャン…」ガクッ

マジマは倒れた!


【15分後・チャンピオンロード】

真島「む…」

桐生「お、意識が戻ったようだな」

桐生「気絶した兄さんを背負って、とうとうチャンピオンロードまで来ちまったぜ」

真島「そうかいな。おんぶとは悪いのう」

桐生「フッ、気にするな…警備員に言い訳するのは苦労したがな」

コジロウ「待て!」

桐生「……」

真島「本当、懲りない奴らやのう」

コジロウ「いつものやるぞ」

ムサシ「ねぇコジロウ…もうロケット団は解散しちゃったんだし、こういうのやめない?」

ニャース「しばらくは何もする気が起きないニャ」

コジロウ「……」

桐生「ロケット団が今更なんのようだ」

コジロウ「ロケット団が解散したなら…また作ってやるさ」

コジロウ「俺たちの手で!」

ニャース・ムサシ「!?」

桐生「なぜそこまでロケット団にこだわる」

コジロウ「オレは…自由になりたい。だからロケット団に入団した。ロケット団こそオレの居場所だ」

コジロウ「良いか!俺たちはな!アンタみたいに単純な信念と暴力だけでのし上がってきた訳じゃない!」

コジロウ「どうせアンタの事だ。その恵まれた肉体のおかげで…これまで悲しみも、苦労も、挫折も味わってこなかったはずだ!」

桐生「……」

真島「おい」

桐生「待つんだ兄さん」

真島「……」

コジロウ「良く聞け…ムサシもニャースも!そしてオレも!世の理不尽を感じて、このロケット団にいるんだ!」

コジロウ「ムサシ、ニャース…お前らからも何か言ってやってくれよ」

桐生「……聞かせてもらおうか。その過去とやらを」

ムサシ「アタシはね……」

ムサシ「昔から何やっても上手くいかなくてね。家は貧乏で母さんも小さい頃にドコか行っちゃって…ポケモンゼミの受験に落ちて、アイドルのオーディションに落選して…それが原因で辛い失恋も経験したわ」

ニャース「ニャーも昔は貧しい暮らしをしてたニャ。貧しさに耐え切れなくて都会で野良猫チームと生活する中で恋をしたニャ。その子は『人間だったら好きになる』って言ってたから、気に入られたくて努力したニャ」

ニャース「その結果2本足で立ったり、人の言葉を話せるようになったニャ。でもそれでも振られたニャ。『ポケモンなのに人間の言葉を話したり、立って歩くなんてキモチ悪い』と酷い言われようだったニャ」

ニャース「そしてニャーは誰よりもワルになってやるって誓ったニャ」

コジロウ「最後はオレだ。オレは財閥の息子で…誰もが羨む大金持ちだ。だが反面、家の仕来たりが異様に厳しくて、異常な英才教育を強いられた。許嫁も性格が酷くて何かと押し付けてくるし…正直しんどい生活だった」

コジロウ「オレはそんな生活に嫌気がさして家を飛び出した」

桐生「その果てに、見つけた居場所がロケット団か」

コジロウ「そうだ!ロケット団こそが俺たちがらしくあれる居場所だったんだ!」

コジロウ「アンタみたいに信念と暴力だけでのし上がれる連中ばかりじゃないんだ」

コジロウ「俺たちはな!悲しみも、苦労も、挫折も味わって来たんだ!アンタとは違う!」

桐生「……」

コジロウ「キリュウさん…オレはアンタを倒して!ピカチュウを奪う!」バッ

コジロウは上着を脱いだ!

桐生「ほう…華奢のようで、意外と鍛えているようだな」

ムサシ「え、アイツあんなにムキムキだったっけ!?」

ニャース「痩せマッチョって感じニャ!」

コジロウ「オレはアンタと出会ってから…いつかこんな日が来るかも知れないと思い。毎晩鍛えてたんだ!」

ムサシ「知らなかったんだけど…」

コジロウ「今のオレなら!ムサシに腕相撲で勝てる!」

ニャース「ニャニャ!?あのムサシに!?」

ムサシ「そこ驚くところ!?てかアタシに勝っても全然自慢にならないわよ!」

桐生「……」

コジロウ「行くぞキリュウ!!!」

桐生「ふん。いいだろう…オレをたしてみろ」

[vs元ロケット団構成員・コジロウ]

(5分後)

桐生「お前にしては良くやった方だ。随分粘ったな」

コジロウ「ぐ…うぅ…ぐぐ…」

桐生「確かにお前らの言う通りだ。オレは拳と信念で壁を越えてきた」

桐生「……それと、協力してくれた人間のおかげでな」

桐生「お前達が苦労してきたのも良く分かった…だが、それを理由に好き勝手悪さするのも違う。見逃していい理由もない」

コジロウ「くそぉ……」

桐生「じゃあなお前ら。オレにまた挑みたいなら受けて立ってやりたいが」

桐生「もう、会うことも無いかもしれない」

桐生「行こうぜ兄さん」

真島「……桐生チャン。ちょっとばかり一服したいんや。下ろしてくれへんか」

真島「先に行って待っとれや」

桐生「……ああ。でもコイツラには」スッ

真島「わかっとる。別に何もせえへん」

桐生「それじゃ先に」

コツコツコツ…

真島「スーッ…ハァァー…」

コジロウ「な、なんだよアンタ…煙草吸う為にだけに残った訳じゃないんだろ?」

真島「本来な、こんな事言うの柄じゃないんやけど」

真島「桐生チャンに勝手なレッテル貼るのが許せへんから残ったんや」

コジロウ「勝手なレッテルって…事実だろ?」

コジロウ「キリュウさんだって言ってたじゃないか。信念と拳だけで乗り越えてきたって」

真島「どアホ、協力してくれた人間もいたって言ってたやろ」

コジロウ「そ、それが何だってんだ…どっちにしてもあの人が、バケモノであることに変わりないだろ」

真島「おどれら桐生チャンのピカチュウ以外の、手持ちポケモンの名前に違和感を覚えた事ないかのう」

ムサシ「そういえば…なんか変なニックネームが多いわね」

ニャース「人間の本名みたいなニックネームをしてるニャ」

真島「あのニックネームは元となった人物がおった。桐生チャンの二人の舎弟、共闘した不動産会社の社長、大先輩…そして親友や」

コジロウ「それが何だってんだ」

真島「もう全員、この世にはおらん」

コジロウ・ムサシ・ニャース「え…」

真島「桐生チャンが何よりも大事に想い、守りたかった連中や…でも守りきれなかった」

コジロウ・ムサシ・ニャース「……」

真島「これ以上の深い事を言うのは野暮やから口を閉ざすが、桐生チャンに勝手なレッテルを貼った事、あとで頭下げろや」

真島「ほな、オレはこの辺で」

コジロウ「……」

ムサシ「ねぇ、そういえばアンタのポケモンにもニックネームがあったけど」

真島「……」

真島「桐生チャンや兄弟と同じ位、心底惚れ込んだ連中の名前をつけただけや。ほな」

コツコツコツ…

ムサシ「行っちゃった…これからどうする?」

ニャース「ここまで来たんだニャ、キリュウのポケモンリーグでのバトル、見届けるニャ」

コジロウ「……」

【ポケモンリーグ本部内部】

真島「待たせたのう」

桐生「おお、帰ってきたか」

真島「手続きは済んだかのう」

桐生「ああ。いまはポケモンたちをポケモンセンターに預けて、オレは買い物中だ」

真島「そうか…ほな。オレも手続きせんとな」

桐生「手続き?また四天王に挑むのか」

真島「ちゃうちゃう。四天王を倒したトレーナー同士でトーナメントをするんや」

桐生「そういえばそんな事を聞いたな」

品田「桐生さーん!真島さーん!」

桐生「品田…それに秋山、高杉も」

秋山「お久しぶりです。あ、オレは四天王倒してないからトーナメントには出ませんよ?」

高杉「隣と同じく」

桐生「お前は四天王に挑戦しないのか?」

秋山「まあバッジは全部ゲットしましたけど、もう後は元の世界に帰る事しか考えてません」

高杉「んで、その前に品田のポケモンバトルを見届けようと思ってな」

桐生「そうか」

真島「品田、負けへんで」

品田「ええ、こちらも全力でいかせてもらいます!」

秋山「それじゃオレと高杉さんは、観客席にいるんで」

桐生「ああ」

【ポケモンリーグ・本番・四天王一人目】

カンナ「ようこそポケモンリーグへ!」

桐生「お前が最初の四天王か」

カンナ「ええそうよ。私はこおりタイプを使うわ」

桐生「ほう、そういえばこのフィールドも氷と水で出来ているな。カシワギが好きそうな場所だ」

カンナ「ではまず、いま流行のバトル前の礼儀を尽くしましょう」バッ

カンナは上着を脱いだ!水着姿が露わになる!

男性観客「オオォォォォォ…!!」

桐生(なかなかのグラマーだな)ゴクリ

桐生(……ん?オレは4回も着脱を繰り返すのか)

桐生「脱ぐのは4人目の時だけにしよう」

【VS四天王・カンナ】

~~~~~~~

桐生「ピカチュウ!かみなりパンチだ!」

ピカチュウ「ビガァァ!!」

ズドォォン!!

カンナ「ラプラス!」

ラプラス「クゥゥゥ…」ドサッ

カンナ「私の5匹のポケモン、全て倒したわね」

カンナ「おめでとう、次のステージへ進むへ!」

桐生「ああ」

カンナ「……所でアナタ、噂ではワザと相性の悪いポケモンと闘わせると聞いたんだけど」

カンナ「今回はピカチュウとフリーザーをメインに戦わせてわね」

桐生「一度、四天王に挑むと4人撃破するまではポケモンセンターに行けないと聞いてるからな。アイテムや金だって無限にあるわけじゃない」

桐生「ポケモンたちの意思を尊重して、基本的に相性の悪い連中ばかり戦わせてきた。だが今回はそうはいかない…四天王は強いからな」

カンナ「なるほど」

【四天王・二人目】

シバ「良く来たな!カントーのリュウ!」

桐生「お前がシバか」

シバ「人もポケモンも鍛えれば鍛えるほど強くなる…噂では、貴様はポケモンと山篭りの修行をしてたそうじゃないか」

桐生「ああ。ココまで来るのに努力を惜しまなかったからな」

桐生「それにしても…既に半裸か。本当は4人目のときに脱ぐつもりだったが」

桐生「そこまで気合を入れているじゃ、オレも脱ぐしかないようだな」バッ

キリュウは仕方なく上着を脱いだ!

観客達「おおお…アレがうわさの背中に描かれた龍のペイント…!」

シバ「ハハハ!貴様とは気が合いそうだ。ではオレの実力、とくと見るがいい」

シバ「ウー!ハァァーッ!!!」

【VS四天王・シバ】

~~~~~~~~

桐生「ピカチュウ!電撃・虎落としだ!」

ピカチュウ「ビガォォ!!」

ズドォォン!

エビワラー「」ドサッ

シバ「……!!見事なカウンターだ」

桐生「ピカチュウ、次の闘いは休んでいろ。ゴーストタイプは別な奴をメインに闘わせる」

ピカチュウ「ピカッ!」

シバ「次のステージに行く前に、頼みがある」

桐生「ん?」

シバ「アンタ、ポケモンを素手で倒してしまうほどの男と聞いている…是非、手合わせ願いたい」

桐生「……審判、そこらへんどうなんだ?」

審判「駄目に決まってます!」

桐生「……だ、そうだ」

観客1「おい審判!水臭いこといってんじゃねーよ!」ポイッ

観客2「四天王シバとカントーのリュウの喧嘩をみせろ!!」ポイッ

ブーーー!ブーーー!

審判「うわぁ!ちょ、ゴミを投げないで!」

桐生「……どうやら客を喜ばせないと、このブーイングは止まらないようだな」

観客全員「バ・ト・ル!!バ・ト・ル!!バ・ト・ル!!バ・ト・ル!!」

シバ「行くぞ!!!」ダダッ

桐生「こい!!!」

~~~~~~

桐生「勝機!超追討ちの極み……」

桐生「床地獄!!」

バキ!グキ!ボキ!

シバ「ぐあぁぁ…!!」

観客「おおおぉぉぉ!!」

桐生「ぜぇぜぇ…そろそろ終わりにしようぜ」

シバ「まだだ…まだ終わってない!!」ブンッ

桐生「ふん!!」

ボゴォォ!

キリュウの 虎落とし が炸裂!

シバ「ごぉ!!ぐ…ぅぅ…こんなバケモノと闘ったの、初めてだ…」

シバ「見事だ。次のステージへ行くといい」

シバ「審判、マイクを貸してくれ」

審判「え?」

シバ「キリュウカズマに盛大は拍手を送ってやってくれ!」

観客「ヒューヒュー!」

パチパチパチパチ…!

桐生「さて、上着を着なおすか…」キュッ

【四天王三人目】

キクコ「アンタがキリュウかい…なかなか男前だね」

桐生「フッ、おせじはいらないぜ」

キクコ「オーキドの爺さんも昔は良い男だったのに、見る影もなくなっちまったよ」

キクコ「ま、私はまだまだ若いけどねぇ!」バッ

キクコは上着を脱いだ!水着姿が露わになる!

男性観客「ブーー!ブーー!」

キクコ「アンタら!私が脱ぐたびにブーイングするんじゃないよ!これでも昔はモテたんだよ!」

桐生(時間の流れってのは残酷なもんだな…)

キクコ「ほら!アンタも早く脱がないかい!」

桐生「悪いが脱ぐ気分にはなれねぇ。色々な意味でな」

キクコ「それじゃ…アンタを負かして身ぐるみ剥がしてやるわ!」

【VS四天王・キクコ】

~~~~~~

桐生「ニシキ!だいもんじだ!」

ニシキ「ゴォォォ!!(ガンガン燃やすぜ!!)」

ボォォォ!!

キクコ「ゲンガー!」

ゲンガー「」

桐生「さすが四天王と言いたい所だが、真島の兄さんのゲンガーのほうが強かったぜ」

キクコ「ああ、マジマね…アイツも良い男だった。今頃、別の会場でトーナメントやってんだろうね」

桐生(果たしてトーナメントを制するのは誰だろうか…兄さんか、品田、それともシゲルか…)

【四天王四人目】

ワタル「キミがカントーのリュウ・キリュウカズマか!」

桐生「ああ。お前が最強の四天王ワタルか」

ワタル「ああそうだ!そしてオレはドラゴン使いだ!」バッ

ワタルは上着を脱いだ!

桐生「ドラゴン使い…フッ、気が合いそうだ」

キリュウはクルッと、ワタルに背中を向ける

ワタル「?」

桐生「お前はドラゴン使い…そしてオレは」バッ

キリュウは上着を脱いだ!

桐生「オレは龍そのものだ」

ワタル(本当に龍の絵が描かれている…)

ワタル「それはつまり、ドラゴン使いのオレに敵わないと言いたいのか?」

桐生「違う。龍たるおれが、お前を越えるという意味だ」

ワタル「そうか、ならば越えてみろ!キリュウカズマ!」

桐生「よし…この闘いに勝てば、ポケモンセンターにいける…相性の良し悪しは考える必要も無い」

桐生「全力で行くぞぉぉぉ!!」

【VS四天王ワタル】

~~~~~

桐生「シンジ!りゅうのいかりだ!」

シンジ(カイリュー)「グォォォ!(オラァァ!!)」

ズドォォン!!

カイリュー「グゥゥ…!!」ガクッ

ワタル「……っ!!くっ、もう手持ちのポケモンがいない…」

桐生「さすが最後の四天王だ。一戦一戦ヒヤヒヤしたぜ」ギュッ

ワタル「キミのポケモンも1匹1匹がとにかく強い。完敗だ」ギュッ

二人は熱い握手を交わした!

ワタル「所で」

桐生「ん?」

ワタル「その背中のペイント…誰に塗ってもらったんだ?」

桐生「なんだ、お前も彫ってほしいのか?」

ワタル「彫る…?ああ、とにかくオレもそんな風になりたいんだが」

桐生「……生憎、彫ってくれる奴は簡単には見付からん。諦めろ」

ワタル「はぁぁ…オレもキリュウと同じ背中に…」ガックリ

オーキド「キリュウ!四天王撃破おめでとう!」

桐生「オーキドの爺さん…」

オーキド「じゃが、分かっておるな?」

桐生「ああ。最近、四天王を撃破した猛者同士でトーナメントをやってたんだろ」

オーキド「そうじゃ。そして決着もついた」

オーキド「今日の四天王撃破した者と、今日のトーナメント覇者は、明日に試合が行なわれる」

桐生「明日か…所で、いったい誰が勝ったんだ?」

オーキド「ハハハ、それはお楽しみじゃ」

桐生「……そうか」

桐生(一先ず、ポケモンセンターに行って預けてくるか…)

~~~~~

シゲル「あ…」

桐生「ん、シゲルか」

シゲル「……」

シゲル「ごめんキリュウ」

桐生「え」

シゲル「僕、トーナメント決勝で負けちゃったよ」

シゲル応援団「元気だしてシゲル…」グスッ

桐生「……そうか。大健闘したのに残念だったな」

桐生(シゲルがトーナメント覇者ではない…)

桐生「一回戦は誰と戦ったんだ」

シゲル「一回戦はシナダというトレーナーと戦ったよ」

桐生(品田か…という事は、トーナメント覇者は兄さんか)

シゲル「あ、トーナメント覇者は周りから言うなってキツく注意されてるから。お楽しみにしててくれ」

桐生「ああ」

桐生(フッ、兄さんめ。そんなにオレとの闘いを直前まで秘密にしたいのか)

シゲル「明日はキミの事を応援するよ。みんなもキリュウに応援を頼む」

シゲル応援団「ファイトファイト!キリュウ!」

桐生「フン、それなら期待に答えるバトルをしないとな」

【翌日・試合会場】

実況「本日はポケモンリーグにお越し頂きまことにありがとうございます!」

観客「ウォォォォ!!!」

実況「それでは選手入場です…昨日、四天王を撃破した…カントーのリュウと呼ばれている男…」

実況「キリュゥゥゥ!カズマー!!」

パチパチパチパチ!

桐生「……」テクテク

[カントーのリュウ・桐生一馬]ドンドン

桐生(凄い盛り上がりだ、地下闘技場を思い出すぜ)

ゴトゴト…ゴトゴト…

桐生「ん、モンスターボールが…おい、出番はまだだぞ」

ピカチュウ「ピカピー(みんな、直接みたいんじゃない?)」

桐生「そうなのか?まあいい」ポンッ

ニシキ「ゴォォォ(決勝の闘い位、直に見させてくれ!)」

桐生「フッ、まあそうなるか」

タチバナ「ギギギィ(皆さんの力で、キリュウさんを真の男に昇華させましょう)」

シンジ「グオォォォ(そのためには俺たちが男を見せなければならねぇな)」

リキヤ「シャーッ!!(チーム・キリュウの意地、見せてやるぜ!)」

カシワギ「クォォォ(キリュウ、オレが命に代えてでもお前を真の男にしてやる)」

桐生「みんな…」

ピカチュウ「ピカ?(あれ?)」

桐生「どうしたピカチュウ」

ピカチュウ「ピカピー(観客席にマジマの兄貴が)」

桐生「なに!!?」クルッ

真島「桐生チャーン!オレの分までがんばりーや!!」

桐生「なんで兄さんがあそこに…それじゃこの勝負、一体誰が」

品田「お、そろそろ来ますよ」

実況「さあ!続いては!トーナメント覇者のこの方です!」

男性観客「ウオォォォォォォ!!!」

パチパチパチパチパチ!!

桐生「すげぇ人気だな」

シゲル「残念だけど、ボクよりも異性のファンが多そうだ」

秋山「さあ桐生さん。果たしてあのトレーナーに勝てるかな?」

桐生「……」

男性観客「―――!!―――!!」

桐生「え」

――観客席から聞こえてきたのは桐生自身の良く知っている人物の名前だった

桐生「まさか…オレの対戦者は…」

「久しぶりだね、おじさん」

桐生「……!!!」

実況「澤村…遥ぁぁぁぁ!!!」

男性観客「ウオォォォォォォ!!!」

遥「会いたかったよ」

[最強のポケモントレーナー・澤村遥]ドンドン

桐生「お前が最強のポケモントレーナーだったとは…」

遥「おじさん、色々と積もる話たくさんあると思う」

桐生「ああ」

遥「でもいまは…ポケモンバトルを精一杯楽しもう!」

桐生「そのつもりだ!」

遥「おじさんのポケモンたち強そうだね。おじさんにぴったり…ピカチュウは似合わないけど」

桐生「オレのピカチュウを舐めない方がいいぜ」

遥「分かってるよ」

遥「それじゃせっかくだし、私のポケモンも見せてあげる」

遥「みんな!出ておいで!」ポンッ

イーブイ「ブイ!」

シャワーズ「シャワー!」

ブースター「フゥゥゥ」

エーフィ「エーフィィ」

桐生「遥らしいな」

遥「あ、弱そうとか思ったでしょ!私のポケモンは弱くないよ!」

桐生「わかってる。弱かったらココにいないもんな」

桐生「で、残りに二匹はどうした」

遥「えへへ、残り二匹はお楽しみ!」

桐生「そうか…凄いポケモンがいるんだな」

遥「もちろん!」

遥「それじゃ…えい!」バッ

遥は上着を脱いだ!水着姿が露わになる!

遥「えへへ、がんばって早脱ぎの練習したんだよ!」

桐生「ふん!」バッ

キリュウも上着を脱いだ!

遥「おじさん…私、ポケモントレーナーになるって決意した時から、おじさんに言ってみたかった事があるんだ」

桐生「ほう、なんだ」

遥「その言葉が闘いの合図になるから、よく聞いててね」

桐生「わかった」

遥「スーッ…ハァァ」

遥は大きく深呼吸をすると、やがて何かを決意したようにキリュウの方を向く

遥「……」

遥「行くぞぉぉ!!キリュウゥゥゥゥ!!!」

桐生「来い!!ハルカァァ!!!」

遥・桐生「うおおぉぉぉぉ!!!」

[VS最強のポケモントレーナー・澤村遥]

今日はここまで
最後のバトルが幕を開ける

【報告】
もう五月だと…(驚愕)

更新が止まってて申し訳ない
納得がいかず編集を繰り返したり、疲れて積みアニメ消化してたらこんなに時がたってしまった

仕舞いには足踏みしてた掛け持ちSSがいつの間にかエタってた。まだ期限内なのに
つい発狂してしまったけれど、これを機にまたこのSS一本に集中する事にしました

バトル描写についてだけど、四天王戦の時みたいに短めに書こうと考えてますがいかがでしょうか?
(細かく書くとレスがとんでもない量になるので)
その代わり重要な場面(特にピカチュウとカシワギ辺り)はガッツリ書いていこうと考えてます

いつ投下するかはまだハッキリ言えませんが、皆さんの意見を聞きながら、出来るだけ早く投下できるようにしたいです
リハビリ含めラスボス戦は、三回分位に分けて投下を考えてます

前回までのあらすじ
・四天王撃破
・手持ちポケモンをボールから出して、最後の闘いを共に見届ける
・ラスボスは遥。4匹の手持ちだけ公開する

桐生「まずはリキヤ!行ってこい!」

リキヤ(アーボック)「シャーボッ!(うす!)」

遥「まずはイーブイ!キミに決めた!」

イーブイ「ブイ!(頑張ってくるねハルカ!)」

リキヤ「……」

リキヤ(最後の闘い、どんなバケモノが出てくるかと思ったらイーブイかよ)

リキヤ(……なんか拍子抜けしちまうぜ、あんなナリじゃ全力を出す気にもなれねぇ)

リキヤ(だけど相手トレーナーが兄貴にとって大切な人みたいだし…まあ最低限、失礼のない程度に7割程度の力で挑んでやるか)

桐生「リキヤ!いやなおとで防御を下げろ!」

リキヤ「~~~ッ!!」

リキヤの いやなおと!
イーブイは不快な表情だ!防御が下がる!

イーブイ「……っ」

リキヤ(おいおい…そんなナリで困った表情されたら、7割の力すら出すき失せるぜ)

遥「イーブイ!かげぶんしん!」

イーブイの かげぶんしん!
素早さがあがり回避率があがる!

リキヤ(小さな体でよく頑張るじゃねぇか。)

イーブイ「……」ヒュンヒュン

桐生「リキヤ!次は攻めろ!ようかいえきだ!」

リキヤ「シャー!(あいよ!)」ビュッ

リキヤの ようかいえき!
イーブイにめがけて吐いていく!

イーブイ「……」ヒュンヒュン

しかしイーブイは軽やかに避けていく!

リキヤ(チッ、ただでさえ小さいのに…当たりづれぇ)

遥「次はすなかけ!」

ザザザッ!

リキヤ「っ!!」

イーブイの すなかけ!
リキヤの視界が悪くなる!

リキヤ(小ざかしいぜ。だがこの程度でじゃやられねぇ)

桐生「リキヤ!ふんばって、ようかいえきを吐き続けろ!」

遥「イーブイ!攻撃が当たらないように、接近して」

イーブイはようかいえきを避けつつリキヤに突進する

遥「今だ、アイアンテールだよ!」

リキヤ(む、くるか。まあどうせ大した攻撃じゃないんだろうな)

イーブイ「ブイ!!」ブンッ

ボゴォォン!!

桐生「さっきのすなかけのせいで、フィールド一帯に砂ぼこりが舞ってやがる」

桐生「これじゃ状況がわからねぇな」

ボゴォォン!!

桐生「っ!?なんだ今の轟音は」

ゴンッ

桐生「ぐっ…!?」

キリュウの顔面に何か硬いもの飛んできた

桐生「なんだ今のは…石か?」スッ

ピカチュウ「ピカッ(これ…まさか…)」

桐生「っ!?石じゃなくて牙だと!!」

驚愕すると同時に、フィールドの視界が鮮明になっていく
桐生が目をやると、何かが地面にめり込んでいた

リキヤ「」

桐生「なに!?」

遥「よし!」

イーブイ「ブイ!」

リキヤ(な、なにが起きたんだ…頭と口内が痛ぇ…)

桐生「リキヤ!しっかりしろ!」

リキヤ「シャー…(う、うす…)」

実況「おおっとイーブイ!アーボックの巨体を地面にたたきつけた!」

観客「ウオォォォ!」

遥「ガンガン攻めるよイーブイ!もう一度アイアンテール!」

桐生「リキヤ!のしかかりで対応しろ!」

イーブイは アイアンテール! リキヤは のしかかり!
イーブイの尻尾と、リキヤの巨体が激しくぶつかり合う!

ボゴォォン!!

桐生「なっ…!!」

リキヤ「」

イーブイのアイアンテールに打ち負ける!
リキヤの体が宙に舞う!

遥「まだ闘いは終わってないよ!次はシャドーボール!!」

イーブイの シャドーボール!
尻尾から出てきた黒い塊がリキヤを襲う!

ボォォン!

リキヤ「……っ!!」

ドサッ

リキヤは力なく地面に落ちる!

リキヤ(完全に舐めていた…こんなに強ぇなんて…)

リキヤ(だけど負けるわけにはいかないんだよ)

遥「もうアーボックはボロボロだよ!すてみタックルでトドメだ!」

イーブイ「ブイ!(まかせて!)」ダダッ

イーブイの すてみタックル!

桐生(……!!駄目だ回復できる隙がない)

桐生「立てリキヤ!どくばりだ!」

リキヤ「……」ムクッ

リキヤ(冗談じゃねぇ、このまま負けてたまるか)

リキヤ「シャーボッ!(見た目弱そうだけど、実はバケモノなんてオチはな!ピカチュウの兄貴だけで充分なんだよ!)」

ピカチュウ「ピカッ?(え?)」

イーブイは物凄い速さで一気にリキヤの懐までとっしんする

ゴォォン

リキヤ「っ!!」

ガブッ

イーブイ「ブイ!?」

リキヤの腹部に すてみタックル を決めると同時に、リキヤはイーブイの体を毒液が垂れている牙で嚙みつく!

イーブイはどく状態になる!

遥「まずい…解毒しないと!でもアーボックがなかなか離れようとしない」

リキヤ(オレに嚙まれて逃げ切れたのはカシワギさんだけだ。テメェごときじゃ回避できねぇ)

リキヤ(オレの勝ちだ…!)ガブガブ

桐生「リキヤ、そのままメガドレインだ!」

リキヤの メガドレイン!
イーブイの体力を奪っていく!

リキヤ(ついでに体力も回復させてもらうぜ)ガブガブ

遥「諦めないでイーブイ!もう一度すてみタックルだよ!」

イーブイ「……」ググッ

リキヤ「っ!?」

リキヤ(なんだ…体が宙に浮いて…)

イーブイの すてみタックル!
噛み付くリキヤの体を持ち上げつつ、フィールドの壁に目がけて突進する!

ボゴォォン!!

リキヤ「シャッ!?」

壁に激突した衝撃で、リキヤはほんの一瞬だけ口を開いてしまう

遥「いまだ!アイアンテールだよ!」

ブンッ…ボゴォォ!!

リキヤ「」バタッ

桐生「リキヤ!!」

リキヤ「……」ムクッ

実況「おおっと、まだ立ち上がるアーボック!」

リキヤ「……」フラフラ

桐生「今しかない…リキヤ!受け取れ!」

キリュウはリキヤにスタミナンロイヤルを投げ渡す
尻尾でキャッチするリキヤ

リキヤ「…………」

リキヤ「……」ポイッ

桐生「なっ…」パシッ

キリュウにスタミナンロイヤルを返してしまう!

リキヤ「シャーボック(それを受け取る事は出来ません)」

桐生「なに?」

リキヤ「シャーボック(すんません。こんな大舞台なのにオレ、油断してました)」

桐生「……もういい、ここからまだ巻き返していけば良い」

リキヤ「シャー(いや、おれはケジメをつけます)」

桐生「……」

リキヤ「シャーボック(初めから本気を出してればこんな無様な結果にならずに済んだかもしれません)」

桐生「おいリキヤ!お前まさか」

リキヤ「シャーボック(おれは所詮、チームの中じゃ最弱です)」

リキヤ「シャーボック(回復アイテムは全て、兄貴達の為にとっておいて下さい)」

リキヤ「シャーボック!(勝手なことしてすんません。おれ、ケジメつけますから)」ダダッ

リキヤは大きな口を開けて、イーブイに突進する!

遥「イーブイ!とっしんでトドメだ!」

イーブイ「ブイ!」

ボゴォォン!

リキヤ「」バタッ

桐生「……」

リキヤは倒れた!

遥「イーブイ!良く頑張ったね!」ナデナデ

イーブイ「ブイ!」

遥「はい、どくけしスプレー。それとすごいキズグスリも」シュゥゥ

イーブイは解毒される!さらに体力が大幅に回復する!

リキヤ「シャァァァ!!(良く聞けチビ!!)」

イーブイ「ブイ!?」ビクッ

リキヤ「シャァァァ!!(残り五匹は本物のバケモノだからな!首洗って待ってろ!)」

リキヤ「」ガクッ

桐生「……」

カシワギ「クォォ(残念な結果ではあるが、アイテムは温存しておいた方が良いな)」

ニシキ「ゴォォ(確かに。それに未公開の残り二匹がやけに不気味に感じるしな)」

シンジ「グォォ(いずれにしても、油断大敵っスね)」

ピカチュウ「ピカッ(リキヤのケジメを無駄にできないね!)」

タチバナ(クロバット)「ギィィィ?(次は私でもよろしいですか?)」

桐生「ああ、まかせたぜ」

タチバナ「ギギギ(ではリキヤさんの仇を討ちましょう)」

桐生「ああ」

桐生(イーブイであの強さ…進化した残り3匹はもっと手ごわいハズだ)

タチバナ「ギィィィ(では行きますよ。覚悟してください)」バサバサッ

イーブイ「ブイ(今度は見た目に反して、礼儀正しそうなポケモンだなぁ)」

遥「イーブイ!でんこうせっかだ!」

イーブイの でんこうせっか!

桐生「避けろタチバナ!」

イーブイ「イーブイ(あれ?)」スカッ

タチバナへと凄まじいスピードで突進するが、上手く決まらない!

遥「避けられた…!」

タチバナ「ギギギィィ(こちらですよ)」

イーブイ「ブイ!?(いつの間にあんなに高いところまで飛んでたの!?)」

タチバナ「ケケケケ!」

タチバナはイーブイを嘲笑し挑発する

イーブイ「ブイ!(舐めるな!)」

タチバナ「ギィィ(ええ舐めはしませんよ)」

桐生「タチバナ!ギガドレインだ!」

タチバナ「ギィィ(噛み付きますけどね)」ビュン

ガブッ!!

イーブイ「っ!!」

ついさっきまで空高く飛んでいたタチバナは、凄い速さで一気に降下して、イーブイの体に嚙みつく

~数分後~

イーブイ「」ドサッ

遥「イーブイ!!」

イーブイはタチバナ相手に翻弄されていた

タチバナの牙から脱出できず、もがいてすてみタックルで壁に激突を試みるも、そのたびに回避される
そしてまた嚙みつかれる…と行ったパターンを繰り返す

シンプルにしてジワジワと攻める戦法に苦しめられ力尽きるイーブイ

桐生「よくやったタチバナ」

タチバナ「ギギィィ(これでリキヤさんの仇はとれましたね)」

遥「それじゃ次は…ブースター!」

ブースター「ブースター!(丸焼きにしてやる!)」

タチバナ「ギギィィ(面白い。なら私は全ての血を吸い取ってあげますよ)」

~~~~

ブースターはタチバナのスピードと互角だった

遥「でんこうせっかだよ!」

ブースター「フゥゥ!」

タチバナ「……!!」

体中が燃え盛りながらタチバナをひたすら追尾し、『かえんほうしゃ』や『だいもんじ』でタチバナをジリジリと追い詰めていく

ゴゴゴゴ…!!

タチバナ「ギィ!?(ぐっ…熱っ…!?)」

メンバーの中で誰よりも耐え忍ぶタチバナは、最後まで必死に戦った

桐生「まずい…このままだと」

桐生「タチバナこっちへこい!スタミナンと火傷治しを…」

タチバナ「……」

桐生「おいタチバナ…」

タチバナ「ギギ…ギィィ(私がもっと強ければ…無念ですが、私もケジメをつけましょう)」

タチバナ「ギィィィ!!(最後はせめて次に繋げれるように…)」バサバサッ

タチバナ「~~~~~~!!!!」

タチバナの ちょうおんぱ!
ブースターはこんらんする!

ブースター「~~!!!?!!?」ジタバタ

遥「ブースター!駄目だ…暴れてて近づけない…」

ブースターは混乱して、口からメチャクチャに火を吹きまくる!

タチバナ「ギギギ(これは危なくて近づけられない)」

タチバナ「ギギィィ(でも覚悟を決めるしかありませんね)」

ブースターのまわりには激しい炎に包まれていたが、タチバナはヤケドしつつもブースターにかみつき、ギガドレインを行う

体力を奪うも、それ以上にヤケドのダメージが大きく、あっと言う間に倒れてしまう

審判「いったんストップ!クロバット戦闘不能!すぐに消火を」

桐生「タチバナァァ!!」

タチバナ「」

桐生「次はシンジ!頼むぜ!」

シンジ(カイリュー)「グォォ!(いってきます兄貴!)」

ブースター「~~!!!?!!」

ブースターはまだ混乱している!

遥「待ってて!今なんでもなおしで…」

シンジ「グォォ(おっと、悪いがそうはさせないぜ)」

桐生「シンジ、れいとうビームだ!」

ビュゥゥゥ…パキィィン

ブースター「」ドサッ

遥「ブースター!」

~~~~

凍り付けにされたブースターは、解凍後も戦闘の出来る状態ではなかった
遥は止む無く次のポケモンを選択する

遥「行っておいてシャワーズ!」

シャワーズ「シャワー!」

シンジ「……」

シンジ(なるほど、これは確かに油断したくなるな。もし一番手がリキヤじゃなくてオレだったら油断してた所だ)

シンジ(これは闘いだ。非情に徹しないと駄目だな)

桐生「シンジ!そらをとぶだ!」

シンジは空高く飛んでいく

シャワーズ「……」

そして一気に降下し、シャワーズを踏みつけようとする!

遥「シャワーズ!ハイドロポンプだよ」

ドバッ…ズドォォン!

降下してくるカイリューに ハイドロポンプ が直撃!
しかし大したダメージはなく、そのままシャワーズを踏みつける

ズドォォン!!

シャワーズ「ッ!!」

シンジ「グォォ(オレの巨体に高いところから踏みつけられて、ギリギリ耐えてやがる…やっぱり油断できねぇな)」

桐生(妙だ…なぜ回避せずハイドロポンプなんて撃ったんだ)

遥「シャワーズ!次はれいとうビームだよ!」

シンジ「っ!?」

桐生「体が濡れた状態で、れいとうビーム…コレが狙いだったのか!」

ビュゥゥゥ…パキィィン

シンジ「」

桐生「こおりなおしで解凍しねぇと…」

シンジ「」

ミシミシ…ピキ…パリィィン!

桐生「シンジ!」

シンジ「……ゼェゼェ」

シンジは自力で解凍する!

遥「さすがカイリューだね。この程度じゃ負けないね」

シンジ「……」ガクッ

遥「でもダメージは大きかったみたいだね!」


桐生「シンジ、スタミナンを投げるぞ!」

シンジ「……」パシッ

シンジ「……」ポイッ

桐生「シンジ…お前まで」パシッ

シンジ「グォォ(大丈夫ですよ。何てったって俺はドラゴンですから)」

シンジ「……グォォ(……そのアイテムは兄貴達に渡してください)」

遥「よそ見してる場合かな?シャワーズ!ふぶき!」

シャワーズ「シャワー!」

シンジ「グォ!?(やべっ!?)」

ビュゥゥゥ…パキィィン

シンジ「」

ミシミシ…ピキ…パリィィン!

シンジ「……ゼェゼェ」ガクッ

桐生「まずい…シンジ!いったん飛んで離れろ!」

シンジ「……」バサバサ

遥「シャワーズ!カイリューに目がけてひたすらふぶきだよ!」

シャワーズ「シャワー(ああ、凍り付けにしてやる)」

シンジ「グォォォ(寒さに弱い事を知ってて、こおりタイプの攻撃ばかりしやがって)」バサバサッ

桐生「シンジ!はかいこうせんだ!」

シンジ「グォォォ!!(ぶっ殺すぞゴラァァ!!)」

ボォォォォン!!

シンジの はかいこうせん!
シャワーズは回避しきれず直撃する!

シャワーズ「」ドサッ

シャワーズ「……」ムクッ

実況「凄い破壊力だったはかいこうせんを耐え抜いた!!」

シンジ「グォォォ!(あの一発で終わったらそれこそ興ざめだっつーの!)」

ドゴォォン!!

シャワーズ「!?」

シンジは空から降下し、一気にシャワーズを踏みつける!

遥「シャワーズ…おつかれさま」ナデナデ

シャワーズ「」

シンジ「……」フラフラ

桐生「シンジ…やはり回復をしたほうが」

シンジ「グォォ(いいえ、受け取る訳には行きません)」

桐生「……」

遥「次は…エーフィ!がんばって!」

エーフィ「エーフィィ(まかせてよ)」

シンジ「グォォ(次はエスパーか…)」フラフラ

シンジ「グォ…(ウッ…)」ガクッ

遥「ヒザをついてるよ!チャンスだよ、アイアンテールだ!」

エーフィ「エーフィ!」ダダッ

シンジ(……!!マズイ来る…回避を…)ムクッ

ズドォォン!!!

シンジ「……!!!」

エーフィの アイアンテール!
シンジの頭部に直撃するも、仁王立ちしながら耐える!

エーフィ「エーフィ!?(なんだコイツ!?)」

シンジ「グォォ…(結構効いたぜ今の…)」

ポタポタ…

シンジの頭部から出血が起こる

桐生「シンジ、いあいぎりだ!」

シンジ「グォォォ!!!」

ザシュッ!!

エーフィ「ッ!!」

いあいぎり で切り裂かれたエーフィは勢いよく吹き飛んでいく!

シンジ「ゼェゼェ…」ガクッ

遥「相手は虫の息だよ!エーフィ、サイコキネシスを!」

エーフィ「エーフィ!!」

エーフィの サイコキネシス!
辺りの視界が歪み、どこからともなくシンジの体に衝撃がとどく!

ズドォォン!

シンジ「グォォ…!」

シンジは体が上手く動かない!
しかし必死に攻撃を耐えている!

ズドォォン!ズドォォン!ズドォォン!

エーフィのサイコキネシスのラッシュが止まらない

シンジ「……!!」ググッ

桐生「シンジ!りゅうのいかりだ!」

シンジ「グォォォ!!!」ブンッ

ズドォォン!!

シンジの りゅうのいかり!
衝撃波がエーフィを襲う!

エーフィ「……ッ!!」

シンジ「……」

ドサッ

シンジ「」

シンジは力尽きて倒れた!

桐生「シンジ…良く頑張ったな」

桐生「次はニシキ、お前に決めた!」

ニシキ(ギャラドス)「ゴォォ!(ガンガン行くぜ!)」

エーフィ「ゼェゼェ…」

ニシキ「ゴォォ…(せっかく暴れようと思ったのに、もう体力が限界じゃねぇか)」

遥「エーフィ!すごいキズぐすりだよ!」シュッ

エーフィにすごいキズぐすり!
エーフィの体力が大幅に回復する!

ニシキ「ゴォォ(へへ、それでこそ暴れがいがあるってもんだ)」

桐生「フン、よっぽど暴れたいようだなニシキ」

ニシキ「ゴォォ(そりゃお前、ポケモン図鑑でもオレは凶暴って言われてる位だしな)」

桐生「よし分かった。オレから指示する時以外は好きに暴れて良いぞ」

ニシキ「ゴォ!(了解!)」

エーフィ「エーフィ(すぐに動けなくしてみせる)」

ニシキ「ゴォォ、ゴォォォ!!(上等だ、テメェも覚悟しろぉ!!)」

遥「エーフィ!かげぶんしんで相手をかく乱させながらサイコキネシスだよ!」

エーフィ「エーフィ!(わかった!)」

ニシキ「スゥー…ゴォォォ!!」

ボォォォン!!ボォォン!!

ニシキはひたすら あばれる!
はかいこうせんを乱発する!!

――エーフィはニシキの凶暴な攻撃を避けながら立ち向かっていく
しかしニシキの攻撃力の高さに、徐々に翻弄されていく

ニシキ「ゴォォォ!!」

ニシキの はかいこうせん!
エーフィに直撃する!

エーフィ「……!!」ガクッ

ニシキ「ゴォォォォ!!」

ニシキは ほえる!

エーフィ「」ビクッ

遥「エーフィ!負けないで!」

エーフィ「エーフィ!」

ニシキ「ゴォォォォ(へへ、これじゃオレが悪役みたいじゃねぇか)」

遥(体力が限界であまり動けない…そしてギャラドスは猪突猛進に立ち向かってくる。それなら得意のエスパー攻撃で)

遥「エーフィ!サイコキネシスだ!」

エーフィ「エーフィ!」

エーフィのサイコキネシス!
辺りの視界が歪むと同時に、ニシキの全身に衝撃が走る!

スドォォン!ズドォォン!

ニシキ「ゴォォッ…!」

桐生「負けるなニシキ!相手もだいぶへばって来てる。トドメにかえんほうしゃだ!」

ニシキ「ゴォォォ!(了解、ガンガンいくぜ!)」

ゴゴゴゴゴ…!!

エーフィ「!!」

体力が限界だったエーフィは回避できず、そのまま炎の渦に巻き込まれていく

遥「はぁぁ…とうとうイーブイ軍団が全滅しちゃった…」

桐生「ニシキ、良く頑張ったな」

ニシキ「ゴォォ(おう)」

桐生「……」ゴソゴソ

桐生「好きに暴れて良いとは言ったが、指示があるときは聞けとも言った」

キリュウはスタミナンロイヤルをニシキに渡す

ニシキ「……」

桐生「皆が頑張ってとって置いてくれたアイテムだ。受け取れ」

ニシキ「グォォ…ゴォォ(ここで受け取らないと筋通らないしな…1本だけな)」

ニシキはスタミナンロイヤルを飲む
ニシキの体力が大幅に回復する

ニシキ「ゴォォ!(生き返ったぜ!)」

ピカチュウ「ピカピカ(それにしても残り二匹、なにが出てくるんだろ)」

ニシキ「ゴォォォ(確かに、不気味でしょうがねぇぜ)」

遥「……さすが桐生のおじさん、強いポケモンばかりだ」

遥「でも私のイーブイ軍団もとっても強かったでしょ?」

桐生「ああ、よくあそこまで育て上げたな」

遥「うん、あの子達は一番付き合い長いポケモン達だからね」

遥「あの子達が頑張ってくれたお陰で、私は残り2匹のすごいポケモンをゲットできたの」

桐生「……」

遥「いくよ」

遥「出てきて、サンダー!」

ポンッ

サンダー「ギャーオォ!!」

桐生「あれは…ポケモン図鑑で調べてみよう」パカッ

『サンダー。でんげきポケモン。くもの うえから きょだいな いなずまを おとしながら あらわれる でんせつの とりポケモンである』

実況「おおっと!ここで伝説のポケモンの登場だ!!」

観客「オオォォォ!!!」

桐生「そうか、無人発電所で先にゲットしていたのは遥だったのか」

ニシキ(おいおい…やっぱりとんでもないのが来ちまったぜ)ブルッ

桐生「フッ、どうしたニシキ。凶暴と言われたお前にも怖い物があるのか?」

ニシキ「……ゴォォ(……正直、カシワギさん級のバケモノに勝てるかどうか不安はある)」

桐生「大丈夫だ。お前だって充分バケモノだ」

ニシキ「グォ、ゴォォォ(おう、やるからには負けるつもりはない。全力で立ち向かうさ)」

ピカチュウ「ピカ…(伝説のポケモン…)」

カシワギ「………」

遥「サンダー!まかせたよ!」

サンダー「ギャォォ(おう)」

バチバチ…バチバチ…!

サンダーの全身から激しく電撃がほとばしる

ニシキ「ゴォォ(んじゃ、いって来る)」

桐生「ああ、まかせたぜニシキ!」

今日はここまで
遅くなってすまない

今日の夕方か夜には更新できるかも
で、ついでにもしかしたら半年前から考えてた新作を投下するかもしれない

ただその後の投下の優先順位は、以下の通りです↓

①当SS
②掛け持ちSS
③半年前から考えてた新作

本当はこのSSが終結させると同時に投下を考えてました
しかし早く投下したいという気持ちのせいで、作業に集中できずにいた
(軽くプロットだけ書いてたつもりが、気が付いたら長々と本編を執筆)

現在、滞っている掛け持ちSSの方を楽しみにしてる人にも申し訳ないので、一応報告とその理由だけ説明しました
少なくともこの作品は意地でも完結させるのでご安心ください

なお新作は龍が如くと、ある作品をクロスさせた物です
好みが分かれる内容かも知れませんが、もし興味あったら読んでってください

続き投下します

遥「サンダー!まずはそらをとぶ!」

遥「対水タイプ戦の戦法でいくよ!」

桐生「対水タイプ戦法だと…?」

ニシキ「…?」

サンダーは そらをとぶ!
高々と天高くまで飛ぶと、サンダーは空中でバサッと翼を大きく広げる

サンダー「ギャォォォ!(死ねギャラドス!)」

天から凶暴で攻撃的な鳴き声が響き、サンダーのまわりには暗雲が集まり始め、サンダーの姿が見えなくなる

桐生「急に雲色が悪くなった…雨でも降らすのか?」

ニシキ「ゴォォ(何が起こるんだ…)」

バチ…バチバチ…

暗雲から火花がたち込める

ズドォォン!

ニシキ「っ!!!?」

一瞬の出来事だった
激しい閃光がニシキに目がけて一直線に降り注ぐ

桐生「かみなりだと!?まさか、対水タイプ戦法は…!」

ズドォォン!!ズドォォン!ズドォォン!

激しい雷が容赦なくニシキを襲う!

ニシキ「」ドサッ

ニシキは倒れた!

桐生「ニシキ!!」

サンダー(なんだ、もう終わりか)

ニシキ「ゴォォォ!!(まだ勝負は始まったばかりだろうが!)」ムクッ

桐生「ニシキ!良かった…まだ闘えるか!?」

ニシキ「ゴォォ、ゴォォ!(当たり前だ、それより指示をくれ!)」

桐生(相手は遠距離戦法で勝負を決めるつもりだ。だがニシキは空をとべない。なら取るべき策は)

桐生「ニシキ!まずはたつまきだ!」

ゴゴゴゴ…!

ニシキの たつまき!
周囲から激しい暴風が起こり、その威力は天まで届く

サンダー「!!」

ニシキ「ゴォ…!(見えた…!)」

暴風でかき消した暗雲の隙間から、サンダーの姿がチラッと見える

桐生「ニシキ!はかいこうせんだ!」

ニシキ「ゴォォ!!(おう!!)」

ボォォォン!ボォォォン!

サンダーにめがけて はかいこうせん!
しかしサンダーは軽やかに避けていく!

ニシキ「ゴォ!ゴォォォ!(遠距離でちょこまかと…それでも伝説か!男見せろ!)」

サンダー「ギャォォ(黙れ青二才)」

ズドォォン!ズドォォン!

分散した暗雲の中、サンダーは尚かみなりを放つ
こんどは、大きくジグザグにかみなりを放つ為、回避が難しくなる

桐生「っ!?なんだこれは…動きが読めねぇ…!!」

ニシキ「ゴォォ!?」

またしてもその稲妻はニシキに何度もヒットする

ニシキ「」ガクッ

桐生「ここまでか…」

暗雲の中からサンダーが飛び出してきて、遥の元へと帰っていく

遥「サンダー!良く頑張ったね!」

サンダー「ギャォォ(たいしたこと無かった)」

ガシッ

遥「!?」

サンダー「ギャォ!?」

勝利の喜びをお互いに噛みしめていた最中、突如サンダーの首に何かが絡まる

桐生「ニシキ!まだ動けるのか!?」

ニシキ「ゴォォォ…!!(このときを待っていたんだよ…!!)」

ギュゥゥゥ!!

サンダーの首を締め付けるニシキ

必死に振りほどこうとするが全く離れない

だがニシキの様子がおかしかった

桐生「……?ニシキの目が虚ろだ…!」

ニシキ(ヤバイ…もう…限界だ)

桐生「やはり限界のようだ…ニシキ、いったん攻撃を止めろ!」

桐生「いまスタミナンを渡す!早くこっちに来い!」

ニシキ「……」

ニシキは黙って首を横に振る

ニシキ「ゴォォ(相手が伝説とは言え、オレが弱かったのも事実)」

ニシキ「ゴォォ(ケジメはしっかりとるぜ)」

桐生「ニシキ!!」

ニシキ「ゴォォ(運が良ければ…俺はこの伝説に勝てるかもな)」


ギュゥゥゥ

ニシキはひたすらサンダーの首を締め付ける!

サンダー「ギャオォォ!!!」

遥「サンダー!どうにか振りほどいて!」

もがき苦しむサンダーは再び天へと羽ばたく
散らばった暗雲は、サンダーが空高くまで辿り着くと、サンダーの周りを闇で囲むよう集まる

バチバチ…バチバチ…バチ…!

激しい火花は暗雲の中でたち込める
その闇の中でどんな闘いが繰り広げられているのか、2匹のポケモン以外誰もわからない

ゴォォォォ…!!!

桐生「これは…」

ギャォォォ…!!!

遥「ポケモンたちの鳴き声…」

2匹の攻撃的な鳴き声が天から響く

ズドォォン!ズドォォン!

やがてカミナリが乱れるようにあちこちに降り注ぐ

激しく降り注ぐ稲妻と、獰猛で攻撃的な鳴き声は、会場中に鳴り響いて数分が経過した

やがてカミナリは鳴り止み、鳴き声が聞こえなくなくなると暗雲から一匹のポケモンが落ちてくる

ドサッ

ニシキ「」

ニシキは倒れた!

桐生「ニシキ…最後のケジメの付け方までアイツと似たような事を」

バサバサ…

遥「サンダー!大丈夫!?」

サンダー「ギャォォ…(死ぬかと思ったぜ…)」

遥は顔色がすっかり悪くなったサンダーに、すごいキズぐすりと、おいしいみずで回復させる

桐生「次はお前だな、カシワギ」

カシワギ「コォォ(ああ)」

桐生「まかせたぜ」

カシワギ「……」

サンダー「……」

伝説のポケモン二匹は、互いに静かに睨み合う

桐生「カシワギ、そらをとぶだ。その後はまかせる」

遥「サンダー、こっちもそらをとぶだよ。好きに暴れていいよ」

トレーナーの指示通り、2匹のポケモンは静かに翼を広げ羽ばたく

カシワギ「コォォ(お前、カントーのサンダーだな)」

サンダー「ギャォォ(そういうお前はカントーのフリーザーだな)」

カシワギ「コォォ(お前、俺に一度も勝てなかったじゃねぇか。降参したらどうだ?)

サンダー「ギャオォォ(ああ。だが見た限りお前はかなり老いたな)」

カシワギ「コォォ(ふん、一気に倒しちまったらつまらねぇ。会場を盛り上げるには丁度いいハンデだ)」

サンダー「ギャォォ?(あ、殺すぞ?)」

カシワギ「コォォ(やれるもんならな)」

2匹のポケモンは羽ばたきつつ会話をしていると、いつの間にか暗雲の中まで辿り着いていた

バチバチ…バチ…バチバチ…

暗雲の中では火花が激しく鳴り響く

ズドォォン!!

カシワギに激しい閃光が襲う

カシワギ「……!!」

回避しきれず直撃する
カシワギは半マヒ状態になる

カシワギ(やべぇ…うまく翼が動かねぇ…)

カシワギ「コォォ!(くそ!)」

ビュウゥゥゥ

カシワギのれいとうビームを連発!
しかし軽やかに避けていくサンダー

サンダー「ギャオォ(昔よりも、れいとうビームの速度が下がってるぜ)」

ぎこちない動きで翼を辛うじて動かし宙に舞うが、体は地上へと下降しつつある

サンダー「ギャォォ(やっぱり衰えてるじゃねぇか)」

ズドォォン!!ズドォォン!!

半マヒ状態のカシワギに容赦なく、かみなりが何度も襲う

カシワギ「……」

カシワギは翼を畳み、そのまま一直線に地上へと下降する

桐生「っ!カシワギが落ちてくる…!!」

遥「さすがサンダー!」

カシワギ「コォォ(まだ終わってねぇよ…)」ググッ

カシワギ「……」バサッ

カシワギは空中で大きく翼を広げる
体の方向は暗雲たちこめるサンダーへと向ける

カシワギ「コォ!(死ね!!)」

ビュゥゥゥ…!!

サンダー「ギャォ!?」

カシワギの美しい羽から、ふぶき が飛び出てくる!
その吹雪は、暗雲の中で下の様子が見えないサンダーに直撃する

サンダー「ギャ、ギャオォォ…(ぐ、体がうまくうごけねぇ…)」

半こおり付け状態のサンダーは、ぎこちない動きでフラフラと下降していく
やがて暗雲の中から出てくると、カシワギが翼を羽ばたかせ待ち構えていた

カシワギ「コォォォォォォ!(図に乗ってんじゃねぇぞゴラォォ!!)」

カシワギの口から れいとうビーム!
サンダーは回避できず直撃する!

サンダー「」

サンダーは完全にこおり付けにされ、地に落ちていく

カシワギ「……」

~~~

パリィィン!!

遥「サンダー!!」

サンダー「……っ」

地上に降りた事により、氷が破壊され、どうにか動けるようになるサンダー
しかしダメージゆえ、うまく体が動かない

サンダー「ギャオォ(まて遥、奴がくる)」

遥「え?」

ゴォォォォ…!!

物凄い速さで天から地へと急降下するカシワギ
美しい翼を光らせ襲い掛かる

遥「サンダー!ドリルくちばしだよ!」

サンダー「ギャォオ!」

サンダーは ドリルくちばし!
急降下するカシワギを迎え撃つ体勢に入る

サンダー「ギャォォ!(死ね!!)」

サンダーの ドリルくちばし!
急降下するカシワギに目がけて突撃する

桐生「カシワギ!かげぶんしんだ!」

カシワギ(了解)

カシワギは黙って頷く
急降下しながら左右に揺れるカシワギに

サンダー「!?」

照準がずれてサンダーの ドリルくちばし は外れる

桐生「カシワギ!はがねのつばさだ!」

サンダーの攻撃を回避したカシワギはカウンターの如く、サンダーの顔面に美しく硬い翼を打ちつける

ボゴォォン!

サンダー「ギャオォォ……!!」

ドサッ

遥「サンダー!!」

カシワギ「コォォ(テメェごとき、老いた状態で充分なんだよ)」

サンダー「」

サンダーは倒れた!

桐生「よくやったカシワギ!」

ピカチュウ「ピカピカ!」

カシワギ「……」

勝利したカシワギだが、その表情は浮かない物だった

カシワギ(残り一匹…こちらが優勢はずなのに、なんだこの胸騒ぎは)

遥「サンダー、おつかれ。ありがとね」

遥「……おじさん。それじゃ私の最後の手持ちポケモンを見せてあげる」

桐生「ああ」

遥「……」

ポイッ

遥は黙ってそのモンスターボールを投げる
見たことも無いボールだった

~観客席~

品田「あれ、あのボールって…まさか」

真島「ああ。マスターボールや。初めて見たのう」

品田「雑誌で見たことある程度ですもんね。その存在自体が伝説化してたから、実在するのかどうかも怪しかったし」

真島「いったいドコで手に入れたんやあの嬢ちゃん」

~~~~

見たことも無いモンスターボールだけでも会場は騒然としていたが、その中身のポケモンを見た観客達はさらに度肝を抜く

ピカチュウ「ピカ…ピ(なにあれ…凄いオーラ)」

桐生「ポケモン図鑑で…」パカッ

『ミュウツー。 ミュウの いでんしを くみかえて うみだされた。ポケモンで いちばん きょうぼうな こころを もつという。 でんせつの ポケモンでもある』

桐生「ミュウツー…あれが、カシワギをかつて半殺しにしたというバケモノか」

カシワギ「……」

カシワギの全身から冷たい汗が流れていた

ピカチュウ「……」

遥「ミュウツー!もう後が無いから頑張ってね!」

ミュウツー「まかせておけ」

桐生「な、喋れるのか!?」

ミュウツー「人の言葉を話しこと位、私にとって造作も無い」

桐生「……」

カシワギ「……」

シュッ!

桐生は カシワギにすごいキズぐすりをかける!

カシワギ「コォォォ(ありがとう。みんなが取っておいてくれたアイテムの恩恵、無駄にはしない)」

桐生「さあ行け、まずはそらをとぶだ」

カシワギ「コォォ(ああ)」

ガシッ

桐生「え」

カシワギ「!?」

桐生からの指示を受けて、カシワギが前を振り向くと既にミュウツーが目の前まで接近し、カシワギの顔面を掴んでいた

遥「ごめんねおじさん、それにフリーザー。私のミュウツーは血の気が濃すぎて」

遥「敵を目の前にすると我慢できなくて、私が指示する前に動いちゃうんだ」

桐生「カシワギ!?ドコだ!?」

ふと気が付くとカシワギの姿が消えていた
辺りを見渡し誰もがポケモン二匹を探しているとやがて

ズドォォン!!!

全員「!!?」

やがてバトルフィールドの真ん中で大きな亀裂がおこる
そこには顔面を地面に叩き付けられたカシワギがいた

カシワギ「……!!」

ミュウツー「お前はトレーナーから指示を受けていた。私は反則はしていない」

ミュウツー「遥、一応指示をくれ」

遥「うん。ミュウツー!空を飛んで!」

ミュウツーは翼もないのにフワッと宙にうく
ジタバタともがくカシワギを顔を掴んだまま

桐生「う、うそだろ…なんだあの力とスピードは」

ミュウツーはそのまま、先ほどサンダーが作り上げた暗雲の中へと消えていく
そして一気に急降下する

ズドォォォン!!!

カシワギ「……!!!!」

メリメリと音を立ててカシワギを地にめり込ませる

桐生「カシワギ!ぜったいれいどだ!」

パキィィン…

冷気が辺り覆い尽くし、会場中が白く包まれる

ミュウツー「」

カシワギ「ゼェゼェ…」

桐生「カシワギ!スタミナンを…」

カシワギ「コォォ!(いらねぇよ!)」

桐生「!!」

カシワギ「コオォォ!(それより早く攻撃の指示を、まだ生きてるぞ!)」

カシワギが桐生に訴えかけているその瞬間だった
いきなり冷気が消え、蜃気楼の様に辺りが歪み始める

桐生「これは…サイコキネシスの時の現象と似ている…?」

カシワギ「」バサッ

カシワギはガードを構える

桐生「おい、どうした。ミュウツーはまだ凍り付けにされてるんじゃ」

カシワギ「コォォ(奴はあの状態でも攻撃をしかけてくる)」

桐生「なに?」

ズドォォォォン!!!

いきなりミュウツーを中心に、あたり一面に衝撃波が起こる
カシワギは血を吐きながら壁まで吹き飛ばされる

カシワギ「ゴォォ…!」

桐生「嘘だろ…」

桐生(驚いてる場合じゃない。すぐに指示しなければ)

桐生「逃げろカシワギ!かげぶんしんしながら、そらをとぶだ!」

カシワギ「コォォ…!(ああ…!)」

左右にジグザグに揺れながら、カシワギは真っ黒に染まった雲へと目指す

カシワギ「……」チラッ

ミュウツー「……」ガクッ

カシワギはチラリと下をみるとミュウツーは辛そうに表情を歪めている
ぜったいれいどで凍らせられたミュウツーは、さすがにダメージが大きく膝をついていた

カシワギ(まだ下にいる。ダメージも大きい。今のうちに距離を…)

桐生「そうだ、まずは雲隠れしろ。体勢を立て直せ!」

ギュゥゥン

桐生「!?」

何か物凄い勢いで地上から空へ飛んでいった

~~~

カシワギ「コォォ(よし、それじゃ待ち構えてれいとうビームを放つ準備を…)」

カシワギ「……!!?」

黒い雲の中に入ったその瞬間、カシワギは我が目を疑った
いるはずの無いポケモンがそこにいたからだ

ゴゴゴゴゴゴゴ…!!!

そして大きな炎に包まれて、地上へと押し返されてしまう

カシワギ「」

桐生「なっ…炎に包まれてカシワギが!?なぜだ!?」

なお追撃は止まない

ミュウツー「メガトンキックだ」

空中で メガトンキック!
勢いよく地にたたきつけられるカシワギ

ズドォォン!

カシワギ「コォォ…」ムクッ

激しいも猛攻を受けたカシワギだが、どうにか立ち上がる

桐生「……ここまでやられて、まだ回復を受けない気か」

カシワギ「コォォ(オレがこれ以上回復をしたら筋が通らん。負けていった者達に顔向けできねぇ)」

カシワギ「コォォ、クオォォ(ピカチュウ、その全てのアイテムはもうお前のものだ)」

ピカチュウ「ピカ…(カシワギさん…)」

カシワギ「コォォ(老いたなんていい訳に成りもしねぇ)」

カシワギ「コォォォ…クォォ?(若い頃勝てなかった相手に、老いてから勝つ事だってあるかもしれねぇ…そうだろ?)」

桐生「カシワギ…」

ミュウツー「大した根性だ」

ズドォォォン!!!

ミュウツーの はかいこうせん カシワギの頭上から降り注ぐ

カシワギ「」

ミュウツー「まだ終わりじゃないだろ?」

パキィィン…

ミュウツー「!!」

カシワギの ぜったいれいど!
ミュウツーは再び凍る

桐生「よし!翼を広げろ!はがねのつばさで打ちつける準備だ!」

カシワギ「……!」バサッ

カシワギは翼を広げ、臨戦態勢には入る
ミュウツーがいつ襲いかかってきてもいい様に

ズドォォン!!!

再びサイコキネシスであたりを爆発させるミュウツー
それでも吹き飛ばされる事なく、血だらけになりながら突撃するカシワギ

ミュウツー「!!」

ズドォォン!

その硬い翼はミュウツーの顔面をヒットし、ミュウツーの膝をつかせる

ミュウツー「やるな」

カシワギ「コォォ(もう負けねぇ)」

ミュウツー「いや、私には勝てまい」

遥「ミュウツー!じこさいせいで回復だよ!」

ミュウツー「……」

ミュウツーの受けたダメージが回復する!
受けた傷跡や痛みはみるみる消えていく

桐生「なに!?」

カシワギ「……」スッ

傷口が塞がっていく光景を見たカシワギは、何かを悟ったように目を瞑る

桐生「カシワギ?」

カシワギ「コォ…コォォ(すまん、実はとっくに体力が限界だった)」

桐生「カシワギ…もういい。交代だ!」

カシワギ「コォォォ(負けたケジメはつける。やれミュウツー)」

ミュウツー「いい覚悟だ」

ブンッ

ミュウツーは軽くジャンプすると、空中で体をクルッと捻る
そしてその尻尾で放たれる アイアンテール

ミュウツー「あの時と一緒だな。その顔面の傷跡ができた、同じ最後の一撃だ」

ズドォォォォォン!!!

血がドバッと吹き出し、パックリと開かれる顔面の古傷
カシワギの意識は完全に失う

桐生「カシワギーー!!」

カシワギは倒れた

ピカチュウ「ピーカー…(カシワギさん…)」

ピカチュウはカシワギの体を背負って、フィールド外に休ませる

カシワギ「」

ピカチュウ「……」

桐生「……」

遥「さすがミュウツー!最後までヨロシクね!」

ミュウツー「ああ。私が必ず優勝まで導いてやる」

ミュウツー「だが…最後がどんなツワモノと闘えると思ったら、ただのピカチュウか」

ミュウツー「興ざめだ。舐めているのか?お前の恩人とやらは。それともバカなのか」

桐生「舐めるんじゃねぇ」

ミュウツー「なに?」

桐生「確かにピカチュウは見た目こそ可愛らしい。だがその力は…俺のピカチュウは…」

桐生「龍が如くだ」

桐生「さあピカチュウ、今まで通り目にものを見せてやれ…!!」

ピカチュウ「……」

バチ…バチバチ…バチ…!!

ピカチュウの全身から激しい火花が散る

ミュウツー「……それでは見せてもらおうか。その実力」

ミュウツー「本当に龍のような怪物はどちらなのか、決めようじゃないか」

ピカチュウ「……」

桐生「さあ行け!」

遥「行っけー!ミュウツー!」

ミュウツー「……」

ピカチュウ「……」

静かに睨み合うミュウツーとピカチュウ
会場内も思わず息を呑む

ヒュンッ

いきなりミュウツーとピカチュウは姿を消す

桐生「……」

品田「ピカチュウとミュウツーが消えた…?」

真島「いや、見えないだけや」

会場はバチバチ!っと電気の火花だけがあちこちに響く

ズドォォォォォン!!!

観客達「!!?」

遥・桐生「……!!」

姿を消していた2匹のポケモンは、フィールドの真ん中に突如として現れる

ピカチュウは右拳とミュウツーは左拳がぶつかり、そのまま一歩も譲らない
お互いの拳から激しい火花を起こす

ミュウツー「こい!ねずみポケモン!」

ピカチュウ「ピカ!ピカァァ!!(ねずみじゃない!龍だ!!)」


BGM:https://www.youtube.com/watch?v=k_lgXlNVkBo

最後の闘いが今始まる

今日はここまで
次回にて決着

気がついたら夏になっていた(震え声
と、とにかく書き溜めを再開するからちょっと待ってて

【報告】
とりあえず目標の40%までは書き終えた
早ければ深夜、遅くても明後日には

それと執筆が絶不調気味の時に、リハビリ目的で密かに書いてた新作を、数時間後に投下するけど許してくれ
(2ヶ月前にも似たような事言ってたけど)

ずっと仕事続きで精神的に来てた
しばらく休みが集中するので、今のうち引き続き執筆&新作投下します

エタってばかりですまないが、このSSだけは絶対に終わらせるので

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年12月28日 (月) 12:39:57   ID: aerrt9Vy

ナースて、ポケモンセンターの職員はジョーイさんという
名前でまとめられててだな…

2 :  SS好きの774さん   2016年01月02日 (土) 17:26:01   ID: inCA97G7

ピカチュウがかみなりパンチ…
ぼぼ体当たりみたいな感じな絵面が思い浮かぶ

3 :  SS好きの774さん   2016年01月07日 (木) 16:37:37   ID: dQlO-F1G

乙です。真島の兄さんが来ちゃったらどーなるんだこれ(笑)。多分ポケモン+リアルファイトになるのかなぁ(白目)

4 :  SS好きの774さん   2016年02月01日 (月) 22:24:16   ID: 8hcO2fj5

龍司はさすがに名前負けするかな。
レックウザランクだものあの人

5 :  SS好きの774さん   2016年02月10日 (水) 15:55:12   ID: cJtLQao9

ネオ東城会www
本家より恐ろしい集団のカチコミじゃないですかヤダー

6 :  SS好きの774さん   2016年02月23日 (火) 00:56:19   ID: jGpmJwIf

面白い!
完結したら文句無しで☆5の出来

7 :  SS好きの774さん   2016年07月19日 (火) 10:35:01   ID: yKdRq5Br

「渋澤は絶対ないとして」ってのに、吹きました。 w

8 :  SS好きの774さん   2016年09月08日 (木) 19:49:49   ID: hhsAHt08

佐川のオッさんのニャースに対する発砲を想像したら、容易に想像できるから、吹いた w

9 :  SS好きの774さん   2017年06月09日 (金) 17:21:37   ID: 7dE_Oljy

ここで終わり!?嘘だろ…

10 :  SS好きの774さん   2017年09月05日 (火) 23:16:16   ID: 8y0JiHSY

主はもう屍になったのだ…

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