【ごちうさ】チノ「美少女回転寿司?」 (191)
チノ「んっ・・・?」
チノ「どこですか、ここは・・・」キョロ
チノ(確か、ココアさんたちとお出かけして・・・それからご飯を食べて・・・帰ってきて・・・)
チノ(そうでした、疲れてお昼寝をしてしまったような気がします)
チノ「ということは、ここは夢の中・・・?」
スッ
タカヒロ「やあ、いらっしゃい、チノ」
チノ「あっお父さ・・・何ですか、その格好は!?」
タカヒロ「板前スタイルさ。どうだい、似合っているかい?」
チノ「そういう問題じゃないです。どうしてそんな格好をしているんですか」
タカヒロ「そりゃもちろん、ここが寿司屋だからさ」
チノ「すし・・・?」
タカヒロ「ようこそ。『美少女回転寿司』へ」
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1447752917
チノ「」
チノ(間違いなく夢ですね)
タカヒロ「ここでは恋愛ゲームの主人公さながらに、美少女たちをとっかえひっかえ恋に落とすことが出来る」
チノ「その表現やめてください」
タカヒロ「謎の暖簾をくぐれば、美少女達のジェットコースターさ」キラン
チノ「・・・」
チノ「ところでわたし女なんですけど、なんで美少女限定なんですか」
タカヒロ「・・・」
チノ「・・・」
タカヒロ「早速、何か注文してくれ」
チノ「えぇ・・・」
タカヒロ「大丈夫だ。所詮夢の中の出来事だから現実には関係が無い」
チノ(もうつっこむのも面倒です・・・適当に頼んでしまいましょう)
チノ「じゃあ・・・これで」ビシッ
安価↓1
―青山翠―
タカヒロ「むっ・・・?ほぅ、なんというか・・・いや、娘の趣味に口出しは良くないな」
チノ「えっ?」
タカヒロ「えっ」
チノ「わたし、一体誰を頼んだんですか!?」ガタッ
タカヒロ「・・・では、握り寿司をどうぞ」スッ
チノ「教えてくださいよ!」
タカヒロ「食べ終わったら、夢の世界に出発だ。・・・では、良い旅を」
チノ「ちょっと!無理やり食べさせないで・・・もがっ」
チノ(おいしい・・・)シュワーン
――ラビットハウス――
リゼ「おいチノ!ぼーっとするな!お客さんだぞ!」
チノ「えっ!?あぁ、はい!」ビクッ
リゼ「チノが居眠りなんて珍しいな。まるでココアみたいだ」
ココア「ひどいよリゼちゃん!わたしだって最近は真面目になったんだからねっ!」
リゼ「ならなぜ右の頬だけ真っ赤になってるんだ?」
ココア「うっ・・・これは、その・・・助けてチノちゃん!リゼちゃんがいじめるぅ!」ササッ
チノ「寝てましたねココアさん」
ココア「うっ・・・チノちゃんまでぇ!わたしはただ・・・テーブルでちょっとうとうとしてただけなのに!」
リゼ「それみたことか」ピコッ
ココア「おうっ!」
チノ(いつものラビットハウスです・・・さっきのは夢・・・?それとも妄想・・・?)
チノ(まあどちらにせよ、あんな非現実的なことありえませんよね)フゥ
青山「あのー・・・」
チノ「はっ・・・!」
リゼ「しまった!ココアに気を取られてすっかり忘れてた・・・!」
青山「いえいえ、いいんですよー」ニコニコ
ココア「おっ、お席にご案内しますっ!」テテテ
チノ「お客さんって、青山さんだったんですか」
リゼ「ああ。というかこの時間に来るのなんて青山さんぐらいだしな!」
チノ「・・・そうでしたね」ズーン
ココア「チノちゃん!注文注文!カプチーノひとつ!」ダダッ
チノ「・・・わかりました」カチャカチャ
チノ(余計なこと考えてないで、目の前のコーヒーを美味しく淹れることに集中しましょう・・・)
―――
青山「ふぅ・・・やはりいつ来てもここのコーヒーは美味しいですねぇ」ズズッ
チノ「ありがとうございます」
青山「やはり淹れ方が良いんでしょうか・・・いえ豆、それとも他に何か・・・?」ブツブツ
リゼ「あ、青山さん!?」
青山「あ・・・こ、これは失礼しました。今ちょっと小説のことで悩んでいて・・・考えがまとまらないもので」
ココア「そういえば・・・心なしかいつもより顔色が悪いような・・・」
青山「そう・・・ですか?実はここ数日、あんまり眠れてなくて・・・」
リゼ「・・・昼寝でもしてれば良かったんじゃないか?」
青山「ラビットハウスのコーヒーを飲めば元気が出るかと思っ・・・て」プルプル
チノ「ちょっと、本当に大丈夫ですか?」
青山「はい・・・ごちそうさ、ま、でした・・・」バタッ
ココア「!?」
チノ「青山さん!?青山さん!?」ユサユサ
リゼ「チノ!あまり揺らすな!これは・・・!」
チノ「えっ!?まさかそんな・・・!」
リゼ「・・・残念だが」
チノ「そんな・・・!あんまりです!」ワナワナ
リゼ「寝ている」
チノ「はい!?」
ココア「寝てるね」
青山「すや・・・すや・・・」
―――
リゼ「とりあえず、青山さんはチノの部屋のベッドに寝かせておいた」フゥ
ココア「リゼちゃんホント力持ちだね・・・」
チノ「だ、大丈夫でしょうか・・・」
リゼ「大丈夫だろう。よく眠っていたし、本人も寝不足だって言ってたからな」
チノ「でも・・・」
ココア「・・・」チラッ
リゼ「・・・!」コクッ
ココア「心配なの?チノちゃんっ」
チノ「えっ、いや、心配、というか・・・」
リゼ「さっきも一番オタオタしてたしな」
ココア「心配なら青山さんの様子、見ててあげたら良いんじゃないかな?」
チノ「でも・・・お店が・・・」
ココア「だいじょーぶだよ!お姉ちゃんにまかせてっ!」
リゼ「この時間なら人は来ないし、わたしとココアだけでも何とかなるだろう」
チノ「・・・リゼさんがそう言うなら、安心です。お言葉に甘えさせてもらいます」ペコ
ココア「ちょっとー!わたしにも何か期待してよー!」
チノ「コーヒーの器具には絶対触らないでくださいね」
ココア「はーい・・・」シュン
チノ「・・・ありがとうございます。ココアさんも」プイッ
ココア「うん!わたし頑張る!すっごいラテアート作っちゃうよ!」スチャッ
リゼ「客も居ないのに作ろうとするな」ズビシッ
―チノの部屋―
チノ「・・・」カチャ
青山「・・・スヤァ」
チノ(異状は・・・特になさそうですね)
チノ「・・・」ストン
青山「んん・・・」ゴロン
チノ(今までこんなに近くで顔を見ることはありませんでしたが・・・)
チノ(よく見ると・・・どことなく、お母さんに似ている気がします)
チノ(・・・お母さん)
チノ(わたしにはお父さんがいて・・・おじいちゃんがいて・・・今ではココアさんたちもいて)
チノ(毎日振り回されてばっかりだけど、とっても楽しいです)
チノ(それでも・・・)
チノ(寂しくないと言えば、嘘になってしまいます」
チノ「お母さん・・・」
青山「・・・チノさんは、本当にお母様がお好きだったのですね」
チノ「青山さん!?いつから・・・」ビクッ
チノ(声に出てしまっていたようです・・・)
青山「すみません・・・皆さんにご迷惑をおかけしてしまったようで・・・」
チノ「いえっ!・・・それよりもう、体は大丈夫なんですか?」
青山「はい!・・・チノさんのいい香りで生き返りました~」スーハー
チノ「や、やめてください」カァ
青山「ふふ、チノさんは本当に健気で・・・ご立派です」
チノ「・・・」
青山「それでも・・・お父様やお友達では、埋まらない寂しさがあるのではありませんか?」
チノ「!」
青山「私にも覚えがあります・・・殊にチノさんは、甘えるのがお得意ではないように思えまして」
チノ「・・・」
青山「ですから・・・はいっ!」バッ
チノ「はいっ!?」
青山「今日のお詫び、と言っては何ですが・・・チノさんが、とっても心配してくれたような気がするので」
チノ「え、いや、あの・・・」
チノ(いきなり両腕を広げられても・・・)
青山「どうぞ!一気に!ダ~イブしちゃってください!」
チノ「ええ、えっと」
青山「恥ずかしがらなくていいんですよ~?これは『二人だけの秘密』にしますから」
チノ「・・・」モジモジ
青山「さぁ、どうぞ」ニコッ
チノ(その笑顔が、記憶に残る数少ない一フレームと、重なって見えて)
チノ(気づくとわたしの体は、動き出していた)
チノ「失礼、します・・・」モソモソ
青山「いらっしゃーい」
チノ「ん・・・」モゾ
チノ(ココアさんより・・・やわらかいです・・・色々)モギュ
チノ(ん・・・いい匂い、します・・・)ポケー
チノ「・・・」モミモミ
青山「ひゃっ・・・?チノさん、だめ・・・って、あら?」
チノ「すー・・・」zzz
青山「あらあら・・・」ナデナデ
チノ「ん・・・おかぁ、さん・・・」ムニャ
青山「・・・」ナデナデ
青山「あ・・・思いつきました!新しい小説のタイトル・・・」
青山「『甘えん坊のバリスタ』なんてどうでしょう?」
青山「ふふふ・・・なんだか筆が進みそうな予感がします~」
チノ「ん~・・・」ギュッ
―――
シュイーン
チノ「はっ!わたしは一体・・・!」
タカヒロ「おかえり、チノ」
チノ「ここは・・・!やっぱり夢じゃなか・・・いや、夢だったんですね・・・」
タカヒロ「ご注文の『青山ブルーマウンテン』はお楽しみいただけたかな?」
チノ「・・・まぁ、悪くはありませんでしたけど」
タカヒロ「もっと百合百合しいのを期待してくれた方は済まない。次は頑張らせてもらうよ」キリッ
チノ「誰に言ってるんですか・・・」
タカヒロ「さぁ、続いて二皿目を注文してくれ」
チノ(まぁ・・・こういうのだったら悪い気はしません)
チノ「では・・・これで」ビシッ
安価↓1
―桐間 紗路―
チノ「シャロさんで」
タカヒロ「ご注文はシャロですね?・・・へい、お待ち」スッ
チノ(お皿が微妙に安っぽいのは偶然なのでしょうか・・・)モグモグ
タカヒロ「それでは、良い旅を」
チノ「・・・」モグモグ
チノ「見た目と違って上品なお味です・・・!」シュワーン
―フルール・ド・ラパン―
チノ「はっ!」
千夜「いつ飲んでもシャロちゃんのハーブティーは美味しいわね~」
シャロ「別に私が淹れてる訳じゃないけどね」
千夜「でも、シャロちゃんに運んできてもらうだけで美味しくなってる気がするわ~」
ココア「うんうん!なんというか・・・隠しシャロちゃん風味、みたいな!」
シャロ「どんな風味よっ!?」
チノ(どうやらみんなでシャロさんのお店に遊びに来ているようですね・・・)
シャロ「あーもー、こんなの相手にしてたらキリがないわ・・・」ハァ
シャロ「どーお?チノちゃん美味しい?」ズイッ
チノ「っ!・・・おいしい、です」タジ
シャロ「そう、よかったわ。おかわりいつでも言ってねー」トトト
チノ(シャロさんとの距離が・・・そこはかとなく、いつもより近い気がします・・・)
チノ(これが夢の補正なのか・・・ただ単に意識しすぎでしょうか?)
リゼ「チノどうした?具合でも悪いのか?」
チノ「いっいえ、考え事してただけです」
ココア「シャロちゃん、お仕事もう終わるー?」
シャロ「もうちょっとよー!」
ココア「もうちょっとだって」
チノ「聞こえましたよ」
チノ(なるほど、シャロさんのお仕事が終わるのを待ってたんですね)
千夜「今日はどこへ行こうかしら」
ココア「うーん・・・公園でだらだらしながらどこ行くか決めようよ!」
千夜「いいわねそれ!」
リゼ「清々しいほどノープランだな・・・」
シャロ「お待たせー!」パタパタ
ココア「よーし!とりあえずみんなで公園に行こう!」
シャロ「えー・・・あそこうさぎがいっぱいいるのよね・・・」
リゼ「町中にもいるけどな」
シャロ「そうでした!りじぇしぇんぱい~こわいです~」ひしっ
チノ「・・・結局どうするんですか?」
シャロ「んー・・・まぁ別にいいわよ。うさぎけしかけたりしなければ」
リゼ「じゃあ決まりだな!」
ココア「しないよそんなことー」ネー
千夜「するわけないわよ~」ネー
シャロ「やっぱりやめたくなってきたかも・・・」
―公園―
シャロ「ぎゃー!そっ、そいつら近づけないでぇ~!」ウワーン
ココア「どうして~?こんなに?」タッタッ
千夜「かわいいのに~?」タッタッ
シャロ「ひぃ~!?」ドタドタ
リゼ「予想通りの結果になったな」
チノ「ですね」
シャロ「しごとの・・・つかれが・・・もうダメぇ・・・」ゼェゼェ
千夜「あらっ?ココアちゃん、もしかしたらシャロちゃん、嫌がってるのかもしれないわ!」
ココア「ほんとぉ!?」
シャロ「あんたら・・・!白々しいわよッ・・・!」グッタリ
千夜「あらあらうふふ」ニコニコ
チノ(なんだかいたたまれない雰囲気です・・・)
チノ(さっきの夢の通りなら、今回はシャロさんと仲良くなるはずです)
チノ(どうせ夢の中ですし、わたしからも行動してみましょう)
チノ「シャロさん・・・大丈夫ですか?」ヨシヨシ
シャロ「チノちゃんっ!?え、ええ大丈夫よっ」
ココア「これじゃあチノちゃんがお姉ちゃんみたいだよー」アハハ
シャロ「ココアには言われたくないわよっ!」
シャロ「ホントありがとね、チノちゃん」ニコッ
チノ「いっ、いえそんな」
シャロ「よーし!少しチノちゃんと散歩してくるわ!」スクッ
チノ「えっ・・・あっ・・・」
千夜「え~、わたし寂しいわ~」ウソナキ
シャロ「今はあんたらの近くに居たくないのよ!」
ココア「えーひどーい」
リゼ「楽しんで来いよ!」
シャロ「じゃ!行きましょうかチノちゃん」ギュッ
チノ「!・・・はい」
チノ(自然に・・・手を握られました)
チノ(淀みがなくて・・・手を取る姿も実に優雅です・・・!)
チノ(普段から練習でもしているんでしょうか・・・?)
シャロ「ささっ、ちょっとの間みんなのことは忘れて、二人っきりで楽しみましょ!」ニコッ
チノ「あ・・・う・・・はぃ・・・」カァ
チノ(なんででしょう・・・シャロさんの笑顔を見てるとどきどきするような・・・)
チノ(変な、気分です・・・)
―――
シャロ「ふんふふ~ん」テクテク
シャロ「あっ」
チノ「・・・クレープの屋台ですね」
シャロ「く・・・くれーぷ・・・!」キラキラ
チノ(とっても食べたそうです・・・)
チノ「食べていきますか?」チラッ
シャロ「うぅ~ん、そうねぇ~・・・はっ!」
シャロ「クレープ一つ350円・・・350円って言ったらもやし炒めが何食も・・・いやむしろお米・・・一キロ分以上・・・?いやでも・・・今月は・・・」ブツブツ
チノ「シャ、シャロさん!?」
シャロ「うっ!?いや、えーとね・・・」
シャロ「そう!私おなか空いてないのよ!」ババーン
チノ(食べたいって顔に書いてありますが・・・)
シャロ「そう・・・超・・・おなかいっぱいだし・・・」シクシク
チノ(涙目になっちゃってます!)オロオロ
店員「どうしました~?」
チノ「あっ、これはちょっと・・・って青山さん!?」
青山「あらあら~こんにちは~」
チノ「なぜクレープ屋さんの売り子なんて・・・」
青山「面白そうだったもので~」
青山「あら、そちらはシャロさん・・・もしかしてデートの途中でしたか~?」ホホエマー
チノ「でっ!・・・別にそんなんじゃありません!」プイッ
青山「そうですか~それは残念です・・・ところで、ご注文は?」
チノ(意外に商売上手です)
チノ「シャロさん、何が食べたいですか?おごりますよ」
シャロ「そんなっ、年下の子におごられるなんて、みっともないわ!」
チノ「遠慮せずに、どうぞ」
シャロ「い、いいえ!これは年上としてのプライドよっ!」フンス
チノ(シャロさんのプライドを傷つけるわけにはいきませんね)
シャロ「うぅ・・・くれーぷぅ・・・」ボソッ
チノ(わたしにはこの様子のほうがみっともない気もしますが・・・)
チノ(おそらく二つ買ってもシャロさんは素直に受け取ってはくれません)
チノ(どうしたものでしょう・・・)
シャロ「ホント・・・おなかいっぱいだわ・・・」シクシク
チノ(・・・!そうです)
チノ「では・・・チョコバナナクレープを一つ」
青山「350円になりま~す」
クルクルヒョイ
青山「お待たせしました~」
チノ「・・・おいしいです」モグモグ
シャロ「・・・」ジーッ
チノ「おいしいですが・・・少し多すぎますね。もうおなかいっぱいです」
シャロ「えっ?まだ半分くらい残ってるけど・・・」
チノ「シャロさんのお店でクッキーも食べましたし、わたしは小食なので」
チノ「その・・・もしよかったら、残りはシャロさんが食べてください」スッ
シャロ「えっ・・・?いいの・・・?」
チノ「本当にもう食べられないんです・・・」
シャロ「でも・・・」ジーッ
チノ「それともやっぱり、わたしの食べかけだと嫌ですか・・・?」シュン
シャロ「いっ、いいえ!そんなことないわよ!むしろ・・・」アタフタ
チノ「?」
シャロ「なんでもないわ・・・いただきますっ!」ハムッ
シャロ「ほっ、ほいしぃ・・・!なんて甘い・・・!ごくっ」キラキラ
シャロ「最高・・・!ここ一ヶ月で最高の贅沢よ・・・!」ハムハム
チノ「シャロさん・・・」ジーッ
シャロ「はっ・・・!こ、こほん・・・中々のお味、いい生地を使っているわね・・・」オーラ
チノ(手遅れです)
チノ「シャロさんが喜んでくれて何よりですよ」
シャロ「うっうん!ありがと!チノちゃん!」
シャロ「本当に美味しかったわ!その・・・食べかけだからチノちゃんの味もしたし・・・」モゴモゴ
チノ「えっ・・・」カァ
シャロ「あ、あー!あー!あー!今の無し!忘れてっ!」カァァ
チノ「わたしの味って・・・」モンモン
シャロ「だからー!今のは口が滑っ・・・まっ、間違いなんだからー!」
青山「小説のネタ、発見です~」ウフフ
ドヤドヤ
ココア「あっ、シャロちゃんだ!シャーローちゃーん!」ブンブン
リゼ「よぉ・・・お前らここにいたのか・・・」ゲッソリ
シャロ「あっ、リゼしぇんぱい!どうしたんですか!?」スルッ
チノ(あっ、手を放されてしまいました・・・)
チノ(・・・なぜか心に穴が開いたようです)
リゼ「こいつらと二対一は・・・危険だ・・・」
千夜「あらー、リゼちゃんに危険って言われちゃったわ~」ウフフ
ココア「えっへっへ、照れるなぁ~」
シャロ「褒められてないでしょ」
チノ(繋いでた手が・・・じんじんします)ギュッ
―チノの部屋―
チノ「はぁ・・・」ゴロン
チノ(なんだか変です・・・)
チノ(今までこんなこと無かったのに・・・今は無性にシャロさんに会いたくてたまりません)ウズ
チノ「・・・」ギュッ
チノ(でも・・・特に用事も無いのに会いたい、なんて言ったら変に思われないでしょうか・・・)
チノ「クレープ、おいしかったな・・・」ゴロ
チノ「?」
チノ「わたしのポーチに・・・紐?」
チノ「・・・」プラン
チノ(これは・・・シャロさんのリボン・・・!)
チノ「・・・」クンクン
チノ「・・・渡しにいかないと」スクッ
ガチャ タッタッタ
ココア「あれ?チノちゃんお出かけ?どこ行くのー?」
チノ「ちょっと・・・シャロさんのお家に」
ココア「もう大分暗いよ?明日にしたら?」
チノ「いえ・・・!今日じゃないと、ダメなんです!」
ココア「??そうなんだ・・・気をつけてねー」
チノ「行ってきます」バタン
ココア「大事なことなのかな?」
チノ(大事・・・です!)ギュッ
―シャロハウス―
チノ「こんばんは・・・」
シャロ「チノちゃん!?こんな時間にどうして・・・」
チノ「ちょっと用事が」
シャロ「えぇと、とにかく上がって上がって。狭いけど」
チノ「お邪魔します」
シャロ「お茶は・・・無いけれど、どんな用事かしら?」
チノ「その・・・これ・・・」スッ
シャロ「私のリボン・・・チノちゃんの荷物に紛れ込んでたの?」
チノ「はい」コクコク
シャロ「そう、わざわざ届けてくれたのね!ありがとう!」ダキッ
チノ「いっいえ、別にたいしたことじゃ・・・」カァ
チノ(抱きつかれて・・・いい匂い。いつもよりスキンシップが激しいです・・・)
シャロ「・・・」
チノ「・・・」
チノ(シャロさんが放してくれません)カァァ
シャロ「・・・」
チノ「シャ、シャロさん?」
シャロ「ごめんなさい」
チノ「はい・・・?」
シャロ「実はね・・・そのリボン、私がわざと入れたの。隙を見て」
チノ「え・・・?どうしてそんなことを」
シャロ「決まってるじゃない!そうすれば・・・チノちゃんが、私に会いに来てくれるかもって、思った、から・・・」
チノ「シャロさん・・・?」
シャロ「ごめんね、チノちゃんは・・・私が困ってると思ってわざわざ届けてくれたんでしょう?」ギュウゥ
シャロ「それなのに、私は・・・そんなチノちゃんの親切心に付け込んでっ・・・!」グスッ
チノ「シャロさん」
シャロ「あれ?な、なんでかしら、チノちゃんに会えてうれしい、のに・・・目が・・・」グスッ
チノ「シャロさんっ!・・・わたしは、そんな良い人じゃありませんよ」ギュ
シャロ「えっ・・・?」
チノ「リボンひとつのためにわざわざ人の家を尋ねることなんてない・・・無精者です」
チノ「わたしは・・・わたしは・・・」グッ
シャロ「・・・」
チノ「しゃっ、シャロさんに会いたくて来たんですっ!」
シャロ「!」
チノ「リボンを返すだなんてただの言い訳です昼間は手を繋いでくれて嬉しかったです今シャロさんの腕の中にいるのがとてもしあわせです今日は一日中ずっとシャロさんのことを考えてましたっ!」
チノ「頭がいい所もお上品なところもステキでわたしの憧れで体型のコンプレックスとか親近感あってちょっと強がりなところもわたしに似ててそれでそれで・・・!」
チノ「ぜぇ・・・はぁ・・・はぁ・・・」
シャロ「チノ・・・ちゃん」ウルッ
チノ「ですから・・・はぁ、その・・・だっ」
シャロ「待って!・・・私にも、言いたいこと言わせてよ」
チノ「はっ・・・はい」
シャロ「そ、その・・・」モジモジ
シャロ「だいすきですっ!付き合ってください!」ギュム
チノ「え・・・は、はい・・・」
シャロ「えへ、えへへぇ・・・」ニヘラ
チノ「・・・シャロさんずるいです」ムー
シャロ「そうよ?私ってけっこうずるいのよっ」フフン
チノ「でも・・・そんなところもステキです」ウワメ
シャロ「・・・!」カァ
シャロ「・・・チノちゃんのほうがよっぽどずるいじゃないのよっ」ボソッ
チノ「・・・?」
シャロ「そんなずるい子には・・・こ、こっ、こうよっ!」プルプル
チノ「!」
チノ(シャロさんの顔が・・・近づいてきます!)カァ
チノ(はっ、恥ずかしい!とても目を開けていられません・・・!)ギュ
チノ(あっ・・・でもシャロさんの吐息が・・・近づいてくるのを感じます・・・)
チノ(シャロ、さん・・・)
シュイーン
チノ「・・・あれ」
タカヒロ「おかえり、チノ」
チノ「なっ・・・!も、戻ってる!」
タカヒロ「ご注文の『シャロ』はお楽しみいただけたかな?」
チノ「おたの・・・!ってなんなんですかアレは!一回目と全然違うじゃないですか!」
タカヒロ「むしろ一回目が特殊だったんだよ。次からもこんな感じさ」
チノ「な、なんとハレンチな・・・!」
タカヒロ「・・・で、いかがだったかな?」
チノ「・・・なんだかお預けを食らったような気がしますが・・・そうですね、今となっては不思議な感覚です」
タカヒロ「ほう?」
チノ「なんだか、慣れない眼鏡をかけていたような・・・わたしがわたしじゃなかったかのような気分です」
タカヒロ「ふむ、なるほど」
チノ「さっきのわたしの気持ちは、本来のわたしの気持ちとは別物なんでしょうか?」
タカヒロ「・・・さぁてね。それは、チノが決めることだ」
チノ(この不思議な空間・・・なんだかただの夢ではないような気がします)
タカヒロ「さて、続いて三皿目を注文するかい?」
チノ「えぇ。少し・・・気になりますし」
チノ「では・・・これで」ビシッ
安価↓1
―保登 モカ―
タカヒロ「ご注文はモカですね?」
チノ(我ながら勇気ある選択をしてしまいました)
タカヒロ「モカくんは珍しく本名まで片仮名だね」
チノ「そうですね」
タカヒロ「・・・」
チノ「・・・」
タカヒロ「へいお待ち」タンッ
チノ(もしかして今のはツッコミ待ち・・・?)ハッ
タカヒロ「それでは、良い旅を」
チノ(まあどうでも良いです)モグモグ
チノ「一瞬モカ味かと思いましたが、そんなことはありませんでした」シュワーン
―ラビットハウス―
チノ「・・・はっ」
モカ「おはよう、チノちゃん」
チノ「な、なぜモカさんがここに」
ココア「もー、チノちゃん聞いてなかったの?今日から何日か、お姉ちゃんがここに泊まるんだって!」
チノ「・・・あぁ、そうでした。すみません」
チノ(モカさんがうちに泊まる・・・ということは)モンモン
モカ「チノちゃ~ん?何か考え事か~し~らっ?」ギュッ
チノ「はわわ・・・」
チノ(いきなり姉オーラ全開です・・・!)
チノ(そもそも、なぜモカさんはここに来たんでしょう・・・?)
モカ「」ゴソゴソ
チノ(聞いてもいいんですが・・・もし、わたしに会うためとか言われたらどうしましょう・・・)
モカ「」モソモソ
チノ(・・・って!自意識過剰すぎますよわたし!)ポカポカ
モカ「じゃーん!」
チノ「わっ!ココ・・・モカさん!?」
モカ「ココアの制服を借りてみましたー!」フリフリ
チノ「えっと、なんというか・・・」
モカ「でもちょっとキツイのよねー・・・特に胸のあたりが」ポンポン
ココア「はうっ!」グサッ
チノ(ぱつんぱつんです)ゴクリ
チノ「モカさんが着ると違うお店みたいになってしまいます」
モカ「ん~?違うお店ってどんなの~?」ニヤニヤ
チノ「えっ!?そ、それは・・・」カァ
モカ「ねえねえどんなお店~?聞きたーい」
チノ「あっあう・・・」
モカ「それとも・・・言えないようなこと考えてたのかな!?」
チノ「もう!からかわないでくださいっ!」プイッ
モカ「ごめんね、チノちゃんが可愛くって、つい~」
チノ「つい、じゃないです」ムー
モカ「ほらほら、お詫びにだきしめてあげるっ」カマーン
チノ「・・・」スススッ
ギュッ
ココア「何故・・・!?私だったら百パーセント断られる提案を、いとも簡単に・・・!」
ココア「どうして!?何が違うっていうの!?」
チノ「姉力です」
リゼ「なにもかもだよ」
ココア「う”ぇぇぇぇー!」
モカ「ココアも拗ねないのっ!・・・ほら、いらっしゃい」
ココア「お姉ちゃん・・・!」
モカ「ココアっ」
ココア「おねえちゃーん!」ギュッ
リゼ「それで良いのかお前は!?」
モカ「リゼちゃんも来る?」モフモフ
リゼ「わっ、私は・・・いい、遠慮しとく・・・」カァ
ココア「リゼちゃんも来ればいいのに~」ポワー
リゼ「私は・・・負けないぞっ!」ググッ
チノ「何の戦いですか・・・」
チノ(モカさんは柔らかくて・・・とても安心できます)ポヤーン
―――
チノ「今回はわたしがこの町を案内しましょう」フンス
モカ「まぁ!チノちゃんはどんな風に案内してくれるのかな?」
チノ「そんなに期待されても・・・普通にですよ、普通」
モカ「そーぉ?私には、すごく特別に感じるけどなぁ」
モカ「なんたって、チノちゃんが隣にいるんだもんっ!」ギュ
チノ「やっ!・・・外ではやめてください、見られてますよぉ・・・」
モカ「おや?だったら二人きりのときなら良いのかなっ?」
チノ「そういう意味じゃありません・・・別に、いい、デスケド・・・」モゴモゴ
モカ「んんー?最後のほう良く聞こえなかったなぁ~・・・もっと大きな声で!」
チノ「もっ・・・もう!ついて来ないと置いてっちゃいますよ!」カァ
モカ「はいは~い」ニコニコ
―カフェテラス―
チノ「ちょっと・・・ここで休憩していきましょう・・・」ゼェゼェ
モカ「チノちゃん疲れやすいのね~・・・そんなところもカワイイ!」グッ
チノ「不甲斐なくてすみません・・・」
モカ「あっあっ、別にいいよ~私も疲れてたし~」
チノ「どうぞ、お好きなものを頼んでください」
モカ「チノちゃんこそ何でも頼んでいいよ~?おごっちゃう!」
チノ「いえ、ここは・・・」
モカ「お姉ちゃんに、まっかせなさーい!」ペカー
チノ「まぶしい・・・!」
チノ(頼りがいのある、圧倒的な年上オーラ・・・!)
モカ「というわけで、何が欲しい?」
チノ「と、言われても、特に何も・・・モカさんと同じものでいいです」
モカ「うーん、ちょっとつまんないなー・・・そうだ!ならこういうのはどうかな?」
モカ「すみませーん!これ一つお願いしまーす!」
カシコマリマシター
チノ「何頼んだんですか?それに一つだけ・・・」
モカ「それは後でのお・た・の・しみっ!」
チノ(こういうところココアさんに似てますね・・・)クス
モカ「いい雰囲気のお店ね~、風を感じられていい気持ち」
チノ「そうですね、冬場は寒そうですけど」
モカ「ラビットハウスみたいな落ち着いたお店も好きだけど、こういうお店にも憧れてたんだ~」
チノ「・・・そうなんですか」
チノ(よく考えてみれば、わたしはモカさんの好みとか何にも知りません)
チノ(ちょっと・・・知りたい気もします)グッ
オマタセシマシター
チノ「これは・・・メロンソーダ?」
チノ(!・・・ストローが、二本刺さってます・・・!)
モカ「えへへ・・・」
モカ「昔映画か何かでね、お洒落なカフェテラスでカップルがメロンソーダを飲むシーンがあってね」
モカ「一つのコップで、二本のストロー!小さい私には衝撃的だったんだ!」
モカ「で、思ったの・・・私もいつか大きくなったら、大好きな人と一緒に同じことをしてみたい、って!」
チノ「モカさん・・・」ジーン
モカ「あれっ?私今もしかして、大好きな人って言っちゃった!?」
チノ「・・・言ってましたね。はっきりと」
モカ「や、やだ恥ずかしい・・・うっかりなんて、お姉ちゃん失格だよぉ・・・」カァ
チノ「そんなことないですよ」ニコ
チノ「モカさんは私にとって、最高のお姉ちゃんです」
モカ「チノちゃん・・・!」ウルッ
チノ「さぁ、ぬるくならないうちに頂きましょう」
モカ「そうね!チュー・・・、おいしい!」
チノ(モカさんの顔が、目と鼻の先・・・!)ドキッ
チノ「おいしい、ですね」カァ
チノ(そのメロンソーダは甘党のわたしからしても甘ったるすぎるくらいで)
チノ(それでも今まで飲んだ中で、一番おいしいメロンソーダでした)
―――
チノ「・・・それで、どうしてこうなってるんですか」
モカ「ココアが、『もう私も大人だから一人で寝れるよ!』なんて言ってきてぇ・・・」メソメソ
モカ「せっかくのお泊まりなのに一人ぼっちで寝るなんて寂しい~!」ムギュ
チノ「だからっていきなりわたしの布団に潜り込んでこなくても・・・」
モカ「いいじゃない、いいじゃない」モゾ
チノ「はっ!ま、まぁかまいませんが」タジ
チノ(あっ、当たってます!やわらかいのが、ふたつ・・・)カァ
チノ(モカさん、下着着けてないんでしょうか・・・いやわたしなにをそんなに意識して)ボフボフ
モカ「・・・チノちゃんヘドバンが趣味なの?」
チノ「ちがっ・・・!いえ、そう、そうなんです!寝る前のヘドバンが日課なんです!」ボフボフ
モカ「変わってるね~」
チノ(とにかく何か続けてないとまずいです・・・!まともに意識してしまったら何をしでかすか・・・!)ボフボフ
モカ「・・・」
チノ「・・・!」ボフボフボフ
モカ「・・・」
チノ「・・・」ボフ・・・ボフ・・・
チノ(気持ち悪い・・・)
チノ「ぐ、ぐふぅ・・・」ヘタッ
モカ「あらあら~。チノちゃん、ヘドバン趣味なんて嘘なんでしょ?」
チノ「気づいてたならもっと早く止めてくださいよ・・・」
モカ「面白かったから、つい!」ムギュ
チノ「何が面白・・・はうっ!」ビクッ
チノ(めちゃくちゃ当たってます・・・!おっ、おおきい・・・!まさに焼きたてパンのようなもちもち感!)
モカ「当ててるのよ」
チノ「!?」
モカ「ほらほら~」ムギュ
チノ「あぅ、あぅ、あぅ~」
モカ「耳まで真っ赤・・・!かぁわいいよぉ・・・!」
モカ「・・・だいすき」フーッ
チノ「ひゃぁあぁぁあぁ!?」ビクゥ
チノ(み、みみもと・・・)カァァ
モカ「うふふふふ・・・さわりたいの?」
チノ「は、はい・・・?なにをでしょう・・・?」
モカ「もう、とぼけちゃって・・・ほらっ!」グイッ
チノ「ひゃあ!」
チノ(わたしの手が・・・モカさんの、むっ、胸に・・・!)モミ
チノ(この手に吸い付くような感覚・・・間違いなくノーブラです・・・!)モミモミ
モカ「ひゃっ・・・も、もうちょっと優しく・・・」
チノ「はっ!つい、がっついてしまいました」ハァハァ
モカ「・・・顔うずめてもいーよ?」ニヤ
チノ「はう・・・!しかし・・・!」キラキラ
チノ(もうさっきからすでにとんでもない言動だらけですし!)
チノ「わたしも自分に・・・正直になりますっ!」カァ
チノ「大好きですモカさんっ!」ガバァ
モカ「チノちゃん!」ギュッ
チノ(あぁ・・・手で、背中で・・・)
チノ(顔いっぱいの感覚とは、いかほどの物なのでしょうか!)
チノ(もう辛抱溜まりません!いただきます!)
シュイーン
チノ「はふぅっ!」ガバ
タカヒロ「おかえり、チノ」
チノ「はっ・・・」
タカヒロ「ご注文の『モカ』はお楽しみいただけたかな?」
チノ「・・・」バンバン
タカヒロ「テーブルを叩かないでくれ」
チノ「何で毎回寸止めなんでしょうか・・・」ムズムズ
タカヒロ「・・・まぁまぁ、その虚しさは次の一皿で満たしてくれ」
タカヒロ「さぁ、四皿目を注文するかい?」
チノ「・・・まぁいいですよ」ムス
チノ「ではこれで」ビシッ
安価↓1
―天々座 理世―
タカヒロ「ご注文はリゼですね?」
チノ(リゼさん・・・実はココアさんよりも長い付き合いなんですよね)
タカヒロ「へいお待ち」タンッ
チノ「いただきます」モグモグ
チノ(これ・・意外とおなかにたまりますね)ケフ
タカヒロ「それでは、良い旅を」
シュワーン
―ラビットハウス―
チノ「こんにちは・・・」
リゼ「ようチノ!遅かったじゃないか」
チノ「すみません・・・」
リゼ「今日はココアが勉強会で居ないからな。二人で店を回さないと」
チノ(今回はそういう展開ですか)
リゼ「といっても、ココアが来る前はいつもこうだったわけだからな。何とかなるだろう」
チノ「そうですね。懐かしいです」
リゼ「・・・」
チノ「・・・」
リゼ「あっあっ!じゃあ私は、その、倉庫からコーヒー豆を取ってくるよ!」ダダッ
バタン
チノ「・・・」
チノ(リゼさんは、ああ見えて相当のへたれです)
チノ(今回ばかりは、わたしからアプローチしないといけないのでは?)
チノ「・・・」モジモジ
チノ(・・・わたしに、できるでしょうか・・・)
チノ(緊張して・・・うまく話せるか、不安です・・・)ドキドキ
チノ「・・・」フキフキ
チノ「まだかな・・・」
リゼ「おっ、お待たせっ!」ドサッ
チノ「相変わらず、すごい力もちですね」
リゼ「い、いやぁ、そんなことないってぇ~」
チノ(ちょっと嬉しそうです)
チノ「・・・では、そんなリゼさんに特別なご褒美をあげます」
リゼ「・・・?別にいいぞ、そんな・・・」
チノ「目を、閉じてください」
リゼ「ななななっ!?、なっ、なにを言ってりゅんだっ!?」ガタッ
チノ「いるんですか、いらないんですか」
リゼ「あ、あぁあ、い、いる!だ、だが断じてキッ、ご褒美がほしいとかそんなんじゃなくて、断るのが失礼だと思うからだぞ!断じて!」
チノ(ここまであたふたするとは・・・)
チノ(おもしろいです、リゼさん)ニヤリ
リゼ「よ・・・よし!いいぞっ!」ドキドキ
チノ(ふふ・・・なんだか楽しくなってきました)
チノ(指の感触は唇に似てると聞いたことがあります)
チノ(そーっとそーっと)
プニッ
リゼ「!?!?」カァァ
チノ「はい、目を開けていいですよ」
リゼ「チ、チノ・・・!お前!今っ!」
チノ「なんのことでしょう?」
リゼ「だだだだって!いま!ぷにって!くちに!もももしかして・・・!」プシュー
チノ「残念、それは私の指です」
リゼ「・・・えっ?」
チノ「指です」フリフリ
リゼ「えっ!?・・・えっ?・・・あっ、そう、そうか、そうだよな・・・うん」ドヨーン
チノ「・・・」
リゼ「は、ははは・・・」
チノ「・・・では、もう一度目を閉じてください」
リゼ「えっ!?あっあぁ、わかった」スッ
チノ「・・・」ソーッ
リゼ「・・・」ドキドキ
チノ「・・・」
フニュ
リゼ「!!」
チノ「どう・・・ですか?」プハ
リゼ「おみゃっ・・・!じゃ、じゃあ今度こそ、やっぱりもしかして・・・!」カァァ
チノ「はいそうです」
リゼ「な、なんだよぅ、チノぉ、さすがにこういうのは、あらかじめ言ってからというかぁ・・・」モジモジ
チノ「指です」
リゼ「」
チノ「~っ!!」ゾクッ
リゼ「・・・」ションボリ
チノ「どうかしましたか?」
リゼ「どうか・・・って!普通あんな意味深な言い方されたらそういうことだと思うだろっ!?」
チノ「そういうこと?」クビカシゲ
リゼ「あっ・・・!だからっ、そのっ・・・なんでもないっ!」プイッ
チノ(かわいい・・・)
―――
リゼ「暇だな・・・」
チノ「そうですね」
チノ(気だるそうにしているリゼさんの横顔・・・)
チノ(長いまつげに、凛々しい口もと)
チノ(なぜだろう、見つめていると・・・)ドキドキ
チノ(無性にイタズラしたくなります・・・)ウズウズ
リゼ「ん・・・?なっ、なにか顔についてるかっ!?」カァ
チノ「・・・付いてます。ほっぺたに・・・」
リゼ「えっ本当か?・・・あれ?どこだ?」ペタペタ
チノ「ふふっ・・・ここ、ですよ」チュッ
リゼ「ひゃっ!?」ピクッ
リゼ「チチチチッ、チノッ、ななっ、何をっ」アタフタ
チノ(あわて顔かわいいです)
チノ「ほっぺに・・・ご飯つぶが」
リゼ「そ、そうだったのか」カァァ
リゼ「ん?まてよ?私は今朝はパンにしたんだが・・・」
チノ「クスクス」
リゼ「な、あっ、からかったんだな!私を!」ムグゥ
チノ(はぁ・・・かわいい)
チノ「すみませんでした・・・」
チノ「もう二度とこういうことは・・・ヒック・・・しません」グスン
チノ(もちろんうそ泣きです)
リゼ「おっおい泣くな!いや、別に、たまに、なら・・・悪くもない、と、いうか」カァ
チノ「ほんとですか」ケロッ
リゼ「・・・うそ泣きかよっ!」
チノ「遠慮しなくても、嫌ならやめますが?」ニヤッ
リゼ「・・・いやじゃ、ない、けど・・・」ボソッ
チノ「よく聞こえませんでした。もうちょっとはっきり言ってもらえますか?」ゾク
リゼ「別に、嫌じゃなかったっ!」カァァ
チノ「そうですか。ならこれからもちょくちょくしますね」
リゼ「うぅ・・・ちょくちょく・・・」ドキドキ
―――
チノ「暇なのでカフェラテを作りました。リゼさんどうぞ」
リゼ「あ、ありがとう」ジーッ
チノ「心配しなくても、何も入れてませんよ」
リゼ「いや・・・このラテアートは・・・ハートか?」
チノ「あっ・・・!そ、それは別に簡単なアートだったからで特に意味があるとかいうわけでは」
リゼ「ふふっ、ふふ、そうか・・・じゃあいただくよ」ゴク
チノ「びしょ濡れティッピー」ボソッ
リゼ「ぶふぉっ!」
ティッピー「ぐおー!」
チノ「コーヒーで本当にびしょ濡れになってしまいました」
リゼ「い、いきなり変なこと言うから・・・」
チノ「それより先に言うことがありませんか?」
リゼ「うぅ、ごめんなさい・・・」シュン
チノ(あぁ、この感じ・・・)ゾクッ
チノ(千夜さんの気持ちが少し分かった気がします・・・!)
―更衣室―
チノ「今日はお疲れ様でした」
リゼ「あ、あぁ・・・」
チノ「明日からはココアさんが戻ってきて、また賑やかになりますね」
リゼ「・・・なぁチノ」
チノ「なんですか?」
リゼ「お前は・・・私のことが嫌いになったのか?」
チノ「・・・はい?」
リゼ「だって今日は事あるごとにちょっかい出してきて・・・!いつもならそんな事しないのに!」
チノ「それは・・・」
リゼ「嫌いになったならそうだと言ってくれ!それならここも辞めるし・・・私にとってはチノに嫌われて側にいるのが一番辛いんだ!だって私は・・・私は!」ポロポロ
チノ「!」
リゼ「ごめん、嘘だ・・・嫌いだなんて言わないでくれ・・・悪いところがあったら直すから!私を・・・っ!?」
チノ「すみません、やりすぎました」ギュッ
チノ「わたしのちょっかいに一々照れたり驚いたりするリゼさんが見たくて」
チノ「それがとっても可愛らしくて、愛おしくて、ついつい、止まらなくなってしまったんです」
チノ「リゼさんに悪いところなんてありません。どんなリゼさんも、大好きです」
リゼ「チノぉ・・・じゃあ、私は・・・」
チノ「はい・・・」ニコッ
チノ「そうです、お詫びと言ってはなんですが・・・目を閉じてください」
チノ「三度目の正直・・・です」カァ
リゼ「!・・・わかった」
チノ(涙で濡れたまつ毛を眺めるとさっきよりずっと、もっと胸の鼓動が速くなって)
チノ(リゼさん・・・わたしは・・・)
チノ(ごめんなさい・・・かわいいあなたがもっと見たいんです)ニヤリ
チノ(三度目のこの指で・・・どんな表情を見せてくれるのでしょう・・・)ドキドキ
リゼ「・・・」ガシッ
チノ「!?」
リゼ「やっぱりな・・・チノ、私に同じ手は通じないぞ?」グイッ
チノ「ひゃ・・・」
チノ(手を掴まれたまま・・・抱き寄せられて・・・)
リゼ「いいことを教えてやる。年上をあまりからかうもんじゃないぞ・・・そんな奴には、こっ、こうだっ!」ギュ
チノ「リゼ、さん・・・」
リゼ「チノ・・・いくぞ」グッ
チノ(あぁ、この瞳で見つめられると、何も・・・)
チノ(でも、目をそらすわけにも、瞑るわけにもいきません。しっかり確かめないと)
チノ(今わたしが欲しいのは、指ではなくリゼさんの唇、ですから・・・)
シュイーン
タカヒロ「おかえり、チノ」
チノ「・・・」ムスッ
タカヒロ「どうかしたかい、チノ?」
チノ「・・・」ツーン
タカヒロ「お、おい、大丈夫か?チノ?」オロオロ
チノ「・・・やっぱりお父さんをからかっても全然楽しくないですね」
タカヒロ「・・・」
タカヒロ「・・・五皿目を注文してくれ」
チノ(ちょっと怒ってます?)
チノ(とはいえ・・・そろそろ限界です)
チノ「この一皿で最後にしますね」ケフ
タカヒロ「そうか」
チノ「では・・・これで」ビシッ
安価↓1
―保登 心愛―
タカヒロ「ご注文は『ココア』ですね?」
タカヒロ「最後の一皿・・・随分と迷いがなかったが、最初から決めていたのかな?」
チノ「べっ、別に・・・そんなんじゃありませんっ」
タカヒロ「へいお待ち」タンッ
チノ「いただきます」モグモグ
タカヒロ「・・・それでは、良い旅を」
シュワーン
―チノの部屋―
チノ「んっ・・・」
チノ(ここは・・・私の部屋・・・)ムクッ
ココア「おはようチノちゃん!」
チノ「・・・どうしてココアさんが私の部屋にいるんですか」
ココア「チノちゃんのかわいい寝顔を見てたんだよ~」
チノ「ココアさんはまったく・・・」ハッ
チノ(ここで素っ気無い態度を取ってしまうのがいつものわたしですが)
チノ(いつもとは違うわたしに・・・今ならなれます)
チノ(夢の中でくらい・・・ココアさんに思いっきり甘えても・・・バチは当たりませんよね?)
チノ「・・・ココアお姉ちゃん」
ココア「!?」
チノ「ココアお姉ちゃんっ!」ギュッ
ココア「はわっ!?」ビクッ
チノ「お姉ちゃん・・・」スリスリ
ココア「チッ、チノちゃんっ!?どうしたの!?何か変なモノ食べた!?はっ、熱?熱あるのチノちゃん!?そういえば顔が赤いような気がするよ!?」
チノ「落ち着いてください・・・顔が赤いのは、ココアさんが・・・隣に、いるからです」ピトッ
ココア「はう!はうぅ~・・・」プシュー
チノ(あのココアさんが・・・あのココアさんさえタジタジです・・・!)
チノ(ひょっとしてわたし・・・やればできる子なのでは!?)
ココア「チノちゃん・・・何だかいつもと違う・・・ような?」
チノ「いいえ・・・これが本当のわたしなんです、ココアさん」
チノ「いつもは恥ずかしさ、照れくささ、失敗することの怖さ・・・そんなものに縛られて、常に奥手、奥手の人付き合いでした」
チノ「でも、今だけは・・・わたしは自由です。何でもできるんです!」
チノ「だから・・・大好きです、ココアさん」チュ
ココア「ひゃ、ひゃあ!ほっぺに・・・」
ココア「しゃーわせだよぉ・・・」トローン
チノ「ずっと、憧れていました・・・」
チノ「好きなものを、好きな人を、胸を張って好きだといえるココアさんに」
ココア「チノちゃん・・・」
ココア「・・・あれ?もうお姉ちゃんって呼んでくれないの?」
チノ「はい、わたしはココアさんの妹としてではなく・・・もっと、ココアさんの近くに居たいんです」
ココア「チノ、ちゃん・・・それって・・・!」
チノ「ココアさん・・」
ココア「チノちゃん・・・」カアッ
チノ「・・・」ムニュ
ココア「チノちゃんっ!?」
チノ「おぉ・・・もっちりした柔らかさです・・・」ムニムニ
ココア「ちょちょっと!そ、それはタダのセクハラだよぅ・・・」
チノ「ちがいますこれもココアさんを知る上でとっても大切なことなんです」フニフニ
ココア「えぇーっ・・・ひゃん!」
チノ「ココアさんは触りたくありませんか・・・?わたしのカラダ・・・」ギュウ
ココア「いっいやそれは・・・もちろん・・・じゃなくてっ!」カァ
チノ「・・・」ムニュムニュ
ココア「それならもっと先に・・・したいこと、あるっていうか・・・」
チノ(・・・やっぱり、こうなっちゃいますか)
ココア「そのね?チノちゃんが嫌ならいいんだよ?・・・でも、わたしはやっぱりキス、とか・・・」
チノ「・・・もちろん、いいですよ」
ココア「よ、よおしっ!わたしに任せてっ!」グッ
チノ「・・・」
ココア「えへへ・・・最後ぐらい、お姉ちゃんとして、らしくリードしたいなあって思って」
チノ「そう、最後・・・ですね」
ココア「うん、じゃあ・・・いくよっ」ハァハァ
チノ「んっ・・・」
チノ(最後にわたしの視界に映ったのは、少し濡れたココアさんの唇)
チノ(その表情を見る勇気は出せなくて、目を閉じてしまった)
チュッ
チノ「んっ・・・?」
チノ(唇に当たるしっとりとした弾力)
チノ(これではまるで・・・ココアさんと)
ココア「ぷはっ・・・はぁ、はぁ」
チノ(キスしたみたい・・・なっ!?)ガタッ
ココア「気持ちいい・・・チノちゃんのくちびる・・・」
チノ「なっ・・・なんでここに居るんですかココアさんっ!?」ガタタッ
ココア「ええっ!?ひどいよチノちゃん!キスして良いって言ったよね!?」
チノ「えっ・・・?なんですかこれは・・・?嘘、そんなはずは・・・」
チノ(でもまさか・・・考えられるのは・・・!)
チノ「あの・・・さっき眠ってたときに、わたし何か言ってませんでしたか?」
ココア「うん・・・?おすし・・・とか美少女・・・とか、変なこと言ってたけど・・・それがどうかしたの?」
チノ「」
ココア「あっ、あれ?チノちゃん?大丈夫?」
チノ「・・・って」
ココア「えっ?」
チノ「出てってくださいぃぃぃ!」
ココア「う゛ええええぇぇぇっ!?」
ガチャ バタン
ココア「ちょっとチノちゃんどういうことなの!?なんでいきなり締め出すのー!?」ドンドン
チノ「さっきこの部屋であったことは全部忘れてくださいあれは演技ですお願いしますお願いします」ガンガン
ココア「頭打ち付けてるの!?やめて!いきなり過ぎてついて行けないよ!」
チノ「その・・・ちょっとした勘違いで、さっきまでのは・・・普段のわたしではありませんでした」
ココア「そん・・・な・・・じゃあ、私を好きって言ってくれたのも、ウソなの・・・?」ギュッ
チノ「それは・・・」
チノ「・・・」グッ
チノ「そこだけは、忘れなくていいです」
ココア「チノちゃん・・・!」パァァ
チノ「だから!絶対に!それ以外は忘れて下さい!」
ココア「じゃあ、私とチノちゃんは・・・恋人、同士?」
チノ「そう、なりますね」
ココア「やっほーい!」
ココア「なんだかわからないけど、チノちゃんが忘れて欲しいって言うなら、そうするよ!かわいい恋人の頼みだもん!」
チノ「ココアさん・・・!」
ココア「あ、でもさっきの肉食系チノちゃんも・・・嫌いじゃ、ないよ?」
チノ「忘れてくださーいっ!!」バン
ココア「えへへ・・・下で待ってるから、落ち着いたら降りてきてねっ」トトト
チノ「はぁ・・・もう・・・!」
チノ「本当何だったんですかあの夢・・・!こんなタイミングで覚めるだなんて、作為的な何かを感じます・・・!」
チノ「まったく・・・!」
チノ「・・・」フゥ
チノ「でも・・・あの夢を見なければ、今もココアさんとの関係は、同居人のままだったでしょう」
チノ「偶然とはいえ・・・踏み出す勇気を、愛を求めることを、教えてもらいました」
チノ「そういう意味では・・・感謝してなくもないですよ」
チノ「・・・さて!もう過ぎたことは忘れて、会いに行きましょう!」
チノ(やっと手の届いた、わたしの、大好きな人に)
おわり
おまけ
チノ「んっ・・・?」
チノ「もしかして、ここは・・・」キョロ
タカヒロ「いらっしゃい、『夜の美少女回転寿司』へ」
チノ「やっぱりいつも通りのその格好の方が似合ってますよ」
タカヒロ「そうかい。ありがとう」
チノ「ということは・・・まさか」
タカヒロ「その通り。夜はバータイムをやってるんだ」
チノ「無茶苦茶な設定ですね」
タカヒロ「まぁ、そう言わないでくれ。昼間とは違って、辛口なドリンクを楽しむことができるよ」
チノ「・・・どうせまた女の子なんでしょう」
タカヒロ「察しがいいね」
チノ「生憎ですが、わたしにはココアさんという恋人がいますので」
タカヒロ「待ってくれ、ここは所詮夢の中だ。それに色々な関係を経験する事で、ココアくんとの付き合いにも役立つのではないかな?」
チノ「ふむ・・・まぁ・・・でも、今はココアさん以外を好きになれるかどうか・・・」
タカヒロ「どうしてもって言うならココアくんを頼めばいいさ」
タカヒロ「それにチノの気持ちは、ほとんど関係しないだろうしな」ボソッ
チノ「えっ・・・ちょっと、どういう」
タカヒロ「さぁ、注文を聞こうか」
チノ(何だか不穏な空気ですね・・・)
チノ「まぁ今度こそ夢だというなら・・・これで」ビシッ
安価↓1
安価先のコンマが高いほど病みます
※流血表現等はありません
―宇治松 千夜―
チノ(ココアさんとタイプが似ている人・・・)
チノ「千夜さんで」ビシッ
タカヒロ「ご注文は千夜ですね?」
タカヒロ「・・・」シャカシャカ
チノ「板に付いてますね」
タカヒロ「どうぞ」スッ
チノ「緑色のカクテル・・・案外美味しそうです」ゴク
チノ「ごふぉっ!?」
チノ「な、なんですかこれ・・・!?舌がひりひりして、とても・・・!」
タカヒロ「・・・少し運命に偏りがあったみたいだな」
チノ「少しどころじゃありませんよこれは・・・!まだ口の中が・・・」
タカヒロ「では・・・Good Luck」サムズアップ
チノ「!?」
シュワーン
―ラビットハウス―
チノ「ラビットハウス・・・」
チノ(今日は休日のようです)
ココア「あっチノちゃん早いね!どっか出かけるの?」
チノ「えぇ、少し散歩でもしてきます」
ココア「そっか!行ってらっしゃい!」
チノ「行ってきます」ガチャ
チノ(まだココアさんと付き合う前の状態のようですね)
チノ(普段なら間違いなく行ってらっしゃいのチューの場面でしたし)エヘヘ
チノ(これでココアさんに気兼ねなく経験を積むことができます)
チノ(そして今度こそ、正しい意味でココアさんをリードしてみせます・・・!)グッ
チノ(ふふふ、首を洗って待っててください)
――
チノ「とはいえ・・・何をすればいいのか・・・」
チノ「せめて朝ご飯を食べてから出てくるべきでした」グー
チノ「カフェにでも入りますか・・・」
千夜「あらチノちゃん!お散歩かしら~?」ヒョコ
チノ「あ、こんにちは千夜さん」ペコ
チノ「そうですが・・・千夜さんもですか?」
千夜「そうなのよ~、偶然ね~」
チノ(甘兎庵とは反対方向に歩いてきたんですが)
チノ「随分と遠出ですね」
千夜「うっ!?うん、その・・・ジョギング?みたいな?してるの~」
チノ「健康的で良いですね・・・あっ」グー
千夜「あらあら、チノちゃんお腹空いてるの?」
チノ「はい・・・お恥ずかしいですが・・・」
千夜「じゃあ、この後用事無いなら甘兎に来ない?サービスするわよ~」
チノ「・・・じゃあ、お言葉に甘えて」
千夜「もう、ご飯は抜いちゃダメよ?・・・もしかして、体重でも気にしてるの~?」
チノ「ちっ、違います!慌ててただけで太ったとか別にそんな・・・!」
千夜「んー、チノちゃんはもっとフカフカでも良いと思うわ~」モフモフッ
チノ「ひゃっ・・・み、道の真ん中です・・・見られてますよぉ・・・」
千夜「良いじゃない、見せつけても~。それとも・・・こういうの嫌?」
チノ「そ、そうじゃなくて・・・恥ずかしいので、その」
千夜「え~、残念だわ・・・じゃあ、また後でモフモフさせてねっ?」
チノ「は、はぃ・・・」
チノ(なんだか有無を言わさぬ迫力があります・・・)
―甘兎庵―
千夜「はい、お待たせ~」コト
チノ「いただきます」モグ
千夜「どうかしら?」ジーッ
チノ「おいしいです!とっても!」モグモグ
千夜「それは良かったわ~。お代わりもあるから、ドンドン言ってね~」
チノ(甘い物が来るかと思ったら普通の朝食で助かりました・・・)
チノ(幾ら何でもあんみつとかでお腹いっぱいは勘弁願いたかったところですし)
チノ(朝ご飯を抜いたって言っておいて良かったです・・・あれ?言いましたっけ?)モグモグ
千夜「・・・」ジーッ
チノ(・・・言ったような、言われたような、まぁどっちでも同じですね)モグモグ
千夜「・・・ぅふ」ジーッ
チノ「・・・」モグ・・・
千夜「・・・はぅ」ジーッ
チノ「・・・あ、あの、そんなに見つめられると食べづらいのですが」
千夜「あっ、あら、そうよね、ごめんなさい・・・つい、他にお客さんも居ないから・・・」
チノ「何か付いてるわけじゃ・・・ないですよね?」
千夜「うん、ただチノちゃんがあんまりにもかわいいから・・・」ジーッ
チノ「そっ、そんなことありませんっ」
千夜「はぁ・・・そうやって照れるチノちゃんもいいわぁ~・・・食べちゃいたいくらい」ニコッ
チノ「!?」ビクッ
千夜「あっ!あっもちろん冗談よ!?本気にしないでね?」
チノ「えっ、えぇ・・・ですよね・・・」
チノ(今の千夜さんの目・・・一瞬・・・)ゾク
チノ「ごちそうさまでした」ケプ
千夜「お粗末様でした~」
チノ「本当に美味しかったです、毎日でも良いくらいですよ」
千夜「ほっ、本当!?嬉しいわ・・・!」
千夜「チノちゃんに毎朝、ご飯つくってあげたいわ~」ポワーン
チノ「うちで作ってもらうと、ココアさんも食べたがると思いますよ」フフッ
千夜「ココア・・・ちゃん、ね」
千夜「ねぇチノちゃん、ココアちゃんと私、どっちが好き?」
チノ「えっ・・・二人とも、大切なお友達ですけど」
千夜「そう・・・そうよね!何でもないわ!ごめんなさい変なこと聞いちゃって」
ドンドン
チョットー チヤー!
千夜「・・・シャロちゃんね」
千夜「私に用事みたい。出てくるから食後のお茶でも飲んで待っててね」
千夜「はいっ!甘兎庵特製抹茶~!味わってね~」
チノ「ありがとうございます」
チノ(熱いっ!・・・でも美味しい・・・)
千夜「シャロちゃん?何の用かしら?」
チノ(ほとんど聞こえません・・・)
チノ(聞き耳立てるのも失礼ですし、お茶を飲んで待ちましょう)ズズー
シャロ「千夜?いっ、今チノちゃん、ここ、来てるわよねっ!?」
千夜「ええ」
シャロ「だったら、これ!チノちゃんに渡してほしいの・・・中の手紙も読んでって伝えてくれない?」
千夜「もしかしてシャロちゃん、これ・・・」
シャロ「うん、私、多分直接会ったら上がっちゃってうまく渡せなそうだから・・・お願い!」
千夜「・・・わかったわ」ニコ
シャロ「じゃあ・・・お願いね!」ダダッ
バタン
千夜「・・・」
チノ(話は終わったみたいですね)ズズー
千夜「・・・えいっ」
ボスッ!
チノ「!?」ゴフッ
千夜「さて、お話の続きでもしましょう?」
チノ「まっ、待ってください・・・今、何を捨てたんですか!?」
千夜「ゴミだけど?ゴミはゴミ箱へ!」
チノ「いやいやいや・・・!今の何かラッピングされてましたよ!?」
チノ「ちょっとゴミ箱見せてください・・・シャロさんの物ではないんですか?」
千夜「何・・・?シャロちゃんの物が・・・そんなに気になるの・・・?」ユラァ
チノ「そ、そういうことではなく・・・ゴミ箱、見せてもらいますよ」ゴソゴソ
千夜「・・・」
チノ「これですね・・・クッキー?」
チノ「中に手紙が・・・」ゴソ
千夜「・・・」
チノ「私宛・・・!?これは・・・」
手紙『チノちゃんのために焼きました。もしよかったら食べてください』
チノ(シャロさんが・・・?)ギュ
チノ「千夜さん・・・どういうことですか?説明してください」
千夜「・・・チノちゃんはクッキーが好きなの?」
チノ「好きですが・・・それが何か?」
千夜「じゃあ私、今度クッキーを焼くわ!和菓子ばっかりで洋菓子作りは苦手だけど、チノちゃんのために頑張って作るから!」
チノ「ありがとうございます、でも今は何故シャロさんのクッキーを捨てたのか聞いてるんです」
千夜「・・・ゴミだからよ」
チノ「千夜さん!」
千夜「ゴミなのよ!チノちゃんに言い寄って取り入ろうとするなんて・・・そんな奴らからの物なんて、全部ゴミよ!」
千夜「チノちゃんを・・・私の、私だけのチノちゃんに手を出すだなんて・・・絶対に許せない!」ギリッ
チノ「千夜・・・さん・・・?」
千夜「ねぇチノちゃん?私いつでもチノちゃんを見て、チノちゃんのことだけ考えてるの。欲しいものがあるなら、買ってあげる。作ってあげる。だからね、チノちゃん」
千夜「チノちゃんも、ずっと私のことだけを見て?いいでしょ?」ニコッ
チノ「な、にを、言ってるん、ですか・・・?」
千夜「チノちゃん?私のこと好きよね?・・・それともココアちゃんのほうが好き?じゃあ、ココアが居なくなればいいの?」ズイッ
チノ「やめ・・・てください・・・!」ズリ
千夜「それともシャロちゃん?リゼちゃん?チノちゃんかわいいから人気者よね?でもダメよ・・・私が一番じゃなきゃダメなのっ!!」グイッ
チノ「やだ・・・いやぁ・・・千夜さん・・・!」グスッ
千夜「可哀想なチノちゃん・・・少し、自由にさせ過ぎたみたいね」
千夜「あいつらの歪んだ考えに染まって・・・まともな受け答えが出来ないみたい」
千夜「そうね・・・ちゃーんと、私が『なおして』あげないと・・・ふふっ」ユラァ
チノ(怖い・・・!こんなの千夜さんじゃない・・・!)
チノ「嫌ぁっ!助けてっ!」ダダッ
千夜「あらあら~、逃げちゃダメよ~?」ガシッ
チノ「ひいっ・・・!放して!」ジタバタ
千夜「もうっ!これは使いたくなかったけど・・・」ファサ
チノ「もがっ・・・!ぁう・・・?」
チノ(ハンカチ・・・!?いしきが・・・うすれ、て・・・)
チノ「・・・」ガクッ
千夜「ふふっ・・・やっと大人しくなったわね」
千夜「さぁーて、準備、急がないとね♪」
――
チノ「はっ!」ビクッ
チノ(ここは・・・和室?)
チノ「あれっ・・・?」ギチギチッ
チノ「何これ・・・体が・・・!?」
チノ「ひっ!!・・・後ろ手に縛られてる・・・足まで!?」ジタバタ
チノ「これじゃあ立ち上がれません・・・!」ゴロンゴロン
千夜「あら、チノちゃん起きた?」ヒョコ
チノ「・・・これ、ほどいてください」
千夜「だーめっ」
チノ「ふんっ・・・!ぬぐぐ・・・!」
千夜「あぁ、ダメよチノちゃん!ヒモが食い込んでスベスベお肌にアザができちゃうわ!」
千夜「それに、チノちゃんの力くらいじゃ絶対切れないから♪」
チノ「うぅ・・・こんなの・・・やめましょうよぉ・・・」グスッ
千夜「ごめんね?チノちゃんが逃げようとするから、私もこうするしかなかったの・・・でも大丈夫!チノちゃんがしっかり私の気持ちを分かってくれるようになったら、ほどいてあげるわ!」ニコッ
チノ「やだぁ・・・かえりたいです・・・ココアさぁん・・・」
千夜「何!?そんなにココアがいいの!?チノちゃんは私以外の女の名前なんて呼ばないで!!」バシッ
チノ「あうっ・・・!」
千夜「はぁ・・・はぁ・・・ご、ごめんなさいチノちゃん・・・わざとじゃないの・・・ごめんなさい・・・」
千夜「うん、そうよ・・・時間はたっぷりあるんだもの・・・少しずつ、チノちゃんの毒を吸い出していけばいいんだわ・・・」
チノ(ち、近づいてくる・・・!)ビクッ
千夜「チノちゃん、大好きよ。愛してるわ・・・この、白玉みたいなふとももも・・・」ツツーッ
チノ「ひゃうっ!」ビクン
千夜「絹糸のような髪も、透き通るような瞳も、腕も、指先も、首筋もおなかも胸もお尻も足も、その唇も・・・全部全部、食べちゃいたいくらい大好き・・・」ツンツン
チノ「ひゃっ!ふっ!・・・あっ、ふあっ、ん」
千夜「チノちゃんも私のこと好きよね?私、こんなに想ってるんだもの・・・」
チノ「はぁ・・・はぁ・・・ほど、いて・・・」
千夜「そう・・・まだ私の愛が伝わらないのね・・・」
千夜「言葉で伝えるには限界があるから、私の愛を精一杯・・・チノちゃんにあげる・・・」
チノ(へっ・・・!?かっ、からだに、絡み付いてきて・・・)
千夜「はあ、はぁ、チノちゃん・・・すきぃ・・・」ギュッ
チノ(・・・やわ、らかい・・・いや、何を考えてるんですわたし・・・)
千夜「チノちゃぁん・・・」スリスリ
チノ(わわっ!いろいろ当たって・・・っ!うぅ・・・)ドキッ
チノ(いやダメ!流されてはダメですっ・・・!)
千夜「ずっと・・・一緒に居てぇ・・・」グス
チノ(か、わ、いぃ・・・)クラクラ
千夜「はぁ、はぁ・・・チノちゃん?キスするわよ?・・・いい?・・・いいに決まってるわよね?」ギラリ
チノ「あぅ、はっ・・・はい・・・」
チノ(はれっ!?今、わたし、何て・・・?)
千夜「はぁ、はぁ、はぁっ・・・!」
千夜「チノちゃん・・・!チノちゃんっ・・・!」
チノ(もう・・・ダメかも・・・)
チノ(でも・・・なんだか・・・)ゾクッ
シュイーン
チノ「・・・はっ」ビクッ
タカヒロ「おかえり、チノ」
チノ「・・・なんなんです!?あれは!」バンバン
タカヒロ「いや、俺に言われても・・・」
チノ「あぅ・・・わたしにはああいう趣味は・・・」カァ
タカヒロ「最後の方は若干懐柔されてたじゃないか」
タカヒロ「それに、本当はまんざらでも」
チノ「それ以上わたしの心を読んだらこのカクテルを本気で顔にぶちまけます」
タカヒロ「・・・それならもう、やめるかい?」
チノ「・・・」
チノ「やります」
タカヒロ「そうかい、じゃあ注文を聞こうか」
チノ「では・・・これで」ビシッ
チノ(決して・・・別に期待など・・・!)
病み系苦手なので練習もかねて
折角なので残りの二人もやります
安価↓1 奇数ならマ 偶数ならメ
コンマが大きいほど愛が重くなります
―奈津 恵―
チノ「メグさんで」
タカヒロ「ご注文はメグですね?」
タカヒロ「どうぞ」
チノ「いただきます」ゴク
チノ「・・・!口のなかで弾ける炭酸・・・すっきりした甘さ・・・」
チノ「とても、おいしいです」
タカヒロ「辛くなくて、残念かい?」
チノ「そんなことありませんしありえませんしっ」
タカヒロ「そうかい?」
チノ「そうですっ!」
タカヒロ「・・・それでは、良い旅を」
シュワーン
―学校―
キーンコーンカーンコーン
マヤ「ふはーっ終わったー!やっと帰れるー!」ノビー
メグ「マヤちゃん授業中ずっと眠そうだったもんねー」
マヤ「よっしゃ!早く帰ってあそぼーぜっ!」
チノ「お昼寝はしないんですね・・・」
マヤ「もっちろん!授業より寝る、寝るより遊ぶ!」
チノ「マヤさんらしいですね」
「香風さーん、ちょっと職員室まで来てくださーい、すぐ済みますから~」
チノ「はっ、はい!わかりました!」
チノ「ちょっと行って来ます・・・先に帰ってても良いですよ?」
メグ「うぅん、昇降口で待ってるよー」
マヤ「なるべくちゃちゃっとな!」
チノ「はい・・・では、また後で」
―昇降口―
チノ「お待たせしました」
メグ「お疲れ様だね~」
チノ「あれ?マヤさんは帰ってしまったんですか?」
メグ「うん、えっとねー」
メグ『そういえば数学の宿題、明日までだけど終わってるー?』
マヤ『えっ、明日まで?マジで!?全然やってないし家に置きっぱだよー!』
マヤ『うぅ・・・ごめん!先に帰る!チノにも伝えといて!おねがーい!』ダダッ
メグ「というわけなのでした~」
チノ「あれ・・・?でも、あの宿題は来週の始めまでだったような・・・?」
メグ「あれ~そうだったっけ~?マチガエチャッタヨー」テヘ
チノ「・・・メグさんはそそっかしいですね」
メグ「えへへ~」
チノ「よしよし」ナデナデ
メグ「えへへへぇ~」デレデレ
チノ「じゃあ、帰りましょうか」クルッ
メグ「あぅ・・・もう終わり・・・?」ボソ
チノ「えっ?何か言いましたか?」
メグ「な、なんでもないの~」アセ
チノ「ふぅ、マヤさんがいないと変な感じですね」
メグ「たまにはこういうのもいーよねー」
メグ「今日はちょっと・・・遠回りして帰りたい気分かもっ」ギュッ
チノ(ナチュラルに手を・・・)
チノ「そうですね、せっかくメグさんと二人きりですし」
メグ「!」
メグ「えへへっ」ギュッ
メグ「・・・でーと、だね・・・なーんて」
チノ「ふふっ・・・じゃあ、エスコートしてくれますか?」
メグ「まっ、任せてっ!バッチリやるよっ!バシバシやるよっ!」
チノ「・・・エスコートって何だか知ってますか?」
メグ「・・・しらない」
チノ「・・・」
メグ「・・・」
チノ「わたしも良く知りません」
メグ「・・・」
チノ「・・・」
チノ「ふふっ」
メグ「えへ、あはははぁ・・・」
チノ「じゃあ、メグさんの行きたいところへ連れていってください。たしかそんな意味だったはずです」
メグ「うっ、うん!今度こそ任せて!」
チノ「期待、しちゃいますね・・・」ピトッ
メグ「あぅ、あうあぅ」フシュー
チノ(メグさんと一緒に居ると、とっても落ち着きます)
チノ(癒し成分、大盤振る舞いです・・・)ホホエマー
―――
チノ「それで、何処に向かっているんでしょう」テクテク
メグ「んーとー・・・まだ内緒~!」テクテク
チノ(学校からみてこちらにあるのは・・・)エート
チノ(いえ、やっぱり無粋ですね。楽しく待ちましょう)
メグ「大丈夫?疲れてないー?」
チノ「平気です。メグさんと一緒ですから」
メグ「あは、それってどういう意味ナノカナー・・・なんちゃって」
チノ「そのままの意味ですよっ」スリッ
メグ「その、ままぁ・・・?」ドキッ
メグ「ふへへぇ・・・」トロン
チノ「・・・なんだか周りから視線を感じます」
メグ「んー・・・わたしたちって周りの人たちからどー見えてるのかなぁ」
チノ「どうもこうも、仲のよい友達では?」
メグ「んー、でもー、手ーつないでー、ぴったりだよ?」
チノ「じゃあ、親友・・・でしょうか?」
メグ「んー、そーなっちゃうかな~」
チノ(何だか不満げです)
メグ「よし、じゃあ~、こう!こうだったら!?」ガシッ
チノ「う、腕組み・・・?」カァ
チノ(いくらなんでも・・・恥ずかしいです)
メグ「これだったら、どう見えるかなぁ!?」
チノ「うーん・・・と、とても仲のよい親友・・・?」
メグ「じゃあもう!こうだよ!」ヒシッ
チノ「ひゃ、メグさん・・・?」
チノ(腕組みというより・・・わたしの腕に巻き付いて・・・!)
メグ「ね、どお?」ウワメ
チノ(わたしの肩に寄り添って・・・こてんって!頭を、肩に、こてんって!)
チノ(破壊力抜群・・・!あざとすぎます・・・!)ズキューン
メグ「チノちゃん・・・どーお?」
チノ「はっはい!すごくいいと思います!かわいいです!」ドキドキ
メグ「はぅ!嬉しいけどぉ、どんな風に見えるかな、って話だよぉ」
チノ「はっ、ああ、そうでした・・・!」
チノ「・・・えっと、そもそも何で、そこまで周りの見方にこだわるんですか?」
メグ「え、それは・・・その、チノちゃんともっと仲良くなりたいって、いうか、その・・・」
チノ「わたしたちは既にとても仲良し、ではありませんか?」
メグ「そっ、そうなんだけど!そうなんだけどぉ・・・」
チノ「わたしにはメグさんも、マヤさんも、大切で大好きなお友達です」
メグ「ん・・・そーだよね・・・仲良し、トリオ・・・だね」
チノ「・・・」
メグ「・・・」
メグ「でもね、チノちゃん」
メグ「わたしのほうがもっと、ずーっと、マヤちゃんよりも、チノちゃんのこと、大好き、なんだよ?」ズイッ
チノ「メグ、さん」
メグ「そーだ!いいこと思い付いちゃった・・・」
メグ「チノちゃん、わたしがしたいのはたぶん・・・こういうことなんだ」ギュッ
チノ(指をからめて・・・俗に言う、これは・・・恋人繋ぎ・・・)
メグ「え、えへへ、なんちゃっ、てぇ・・・」
メグ「・・・」
チノ「・・・」
メグ「こんな風に、チノちゃんの隣を歩いて行けたらなぁ・・・って、思うの・・・」
チノ「・・・」
メグ「あ、あはは、わたし、あんまり頭良くないから・・・」
メグ「シャロちゃんとかだったら、もっと上手に気持ち、伝えられるのかなぁ・・・」ハハ
チノ「・・・」
メグ「ごっ、ごめんね!もう、離すから・・・」
チノ「・・・ダメですよ」
メグ「!」
チノ「言ってくれましたよね?わたしをエスコートしてくれるって・・・」
チノ「まだ、目的地には着いてませんよ?」ギュッ
メグ「チノちゃん・・・!」
メグ「わ・・・わかったっ!まかせて!」タタッ
メグ「えへへぇ・・・こちらになりますぅ~」ニコッ
チノ(その手のひらからは、メグさんの温度以外の何かまで伝わってくる気がして)
チノ(わたしが同じものをメグさんにも与えられるのか、正直わかりません。でも、)
チノ(メグさんとは、ずっと一緒に歩いていきたい、その気持ちは、確かなものだと感じられました)
シュイーン
――
チノ「・・・」
タカヒロ「おかえり、チノ」
チノ「・・・とっても癒されました」
タカヒロ「それは良かった」
チノ「かえって反動が怖いんですが・・・」ブルッ
タカヒロ「・・・まぁ、なるようになるさ」
チノ「なるように・・・」
チノ「では・・・最後の一杯を」
ラストマヤ
コンマ↓1 大きければ愛が重く ゾロ目なら変な方向に
―条河 麻耶―
チノ「流れ的に、マヤさんで」ビシッ
タカヒロ「ご注文はマヤですね?」
チノ(頼んでみたものの、マヤさんが愛とか恋とか・・・見当も付きません)
チノ(あれっ?もしかしてわたしかなり失礼なイメージを・・・?)
タカヒロ「どうぞ」スッ
チノ「・・・いただきます」ゴクッ
チノ「ごふっ!」ブー
チノ「さっきとはうって変わって強烈な炭酸・・・!」
チノ「ま、まさか・・・また・・・」
タカヒロ「最後なので、折角だし極端な味付けにしてみた」グッ
チノ「グッ じゃないですよ!あぅっ・・・喋ると口のなかが・・・」
タカヒロ「では・・・Good luck」
チノ「気に入ったんですかそれ!?」
シュワーン
――
チノ(あれ・・・)
メグ「えへ、着いたよー、チノちゃん!」
チノ(さっきの・・・続き?)
チノ「橋・・・ですか?」
メグ「こほん・・・どうぞ、ご覧ください~」
チノ「あ、きれいな・・・夕陽・・・」
メグ「チノちゃん、とっ、一緒に、見たくっ、てっ、その、あぅ、えと」カァ
チノ「・・・ゆっくりでいいですよ。顔が真っ赤です」
メグ「きっ、きっと夕陽のせいだよっ!」
チノ「そうですか・・・?ほっぺたも熱いような・・・」ピト
メグ「うわ!あわわ!」プシュー
チノ「どうしました?・・・おや、こっちのほっぺも熱いですね」ズイッ
メグ「」ボン
メグ「よよよっ、よ、にょ、わたっ、ようじ、おもいだしたっ!チノ、ひゃん、また・・・あしたっ!」ボボン
ピュー
チノ「あっちょっとっ・・・!」
チノ「・・・本当に行っちゃいました」クス
チノ「・・・」ジンワリ
チノ「わたしも、帰りますか」
「だーれだっ!?」ガバッ
チノ「わっ!その声は・・・マヤさん!?」
マヤ「あったりー!」パッ
チノ「もう、驚かせないでくださいっ」
チノ「あれ・・・宿題を頑張ると聞きましたが」
マヤ「もちろん頑張ってパパッと終わらせたよっ!」
マヤ「早く・・・チノに、会いたかったから・・・へへっ」
チノ「よくここがわかりましたね」
マヤ「そりゃあチノのにおい・・・じゃなくて、たまたまここ、わたしの散歩コースでさー!」
チノ「なんと、散歩をする余裕まで・・・!」
チノ「やれば、出来るんですね」
マヤ「もっちろん!チノのためならなんのその、だよっ!」
マヤ「っていうかそこ驚くのやめろよなー!マヤちゃん傷ついちゃうぞー?」
チノ「すいません、マヤさんえらい、えらいです」
マヤ「やっぱ子供扱いじゃん!」
チノ「気のせいですよ」
マヤ「・・・ごほーびっ」
チノ「・・・?」
マヤ「わたしにも・・・ナデナデ、してくんないかな・・・?」
チノ「えっ・・・してほしいんですか?」
マヤ「してほしい」
マヤ「何回でも、してほしいよ」
チノ「・・・別に、いいですけど・・・」ナデナデ
マヤ「ふわぁ・・・これが、チノのてのひら・・・」トロン
チノ「・・・どうですか?」ナデナデ
マヤ「うん・・・いいよぉ・・・すっごく・・・」
チノ「・・・」ナデナデ
マヤ「チノぉ・・・」
チノ(・・・いつまで続ければいいんでしょう)ナデナデ
マヤ「あったかい・・・」スリスリ
チノ「あ、あの、そろそろいいですか?」
マヤ「はっ!ごめん!疲れちゃった?」
マヤ「ありがと!めっちゃ気持ちよかったー!」ニコ
チノ「それは良かったです」
チノ(わたしにも癒しの才能が・・・?)
マヤ「んー・・・おっ!あのベンチ座ろーぜ!」ギュッ
チノ「は、はい」
チノ(また・・・最近よく手を握られますね・・・)
マヤ「こっち、こっちー」ギュッ
チノ(・・・握り直して・・・恋人繋ぎっ!?)
チノ(マヤさんにとっては恋人繋ぎも普通なんでしょうか・・・?)
マヤ「はい、隣に座る!」ストン
チノ「はい」ストン
マヤ「へっへっへ・・・ちょーっと眠くなって来たかも~・・・」
チノ「はい?」
マヤ「脚かしてっ!」コテン
チノ「ひゃ!?・・・って、もう使ってるじゃないですか・・・」
マヤ「・・・」
チノ「・・・どうかしました?」
マヤ「すっごい、モチモチ・・・」
マヤ「チノの、膝枕・・・」プニッ
チノ「ひゃあっ!」ビクッ
マヤ「ごご、ごめん!手が勝手に!」
チノ「も、もぅ・・・ふとももは敏感だから、ダメです・・・」
マヤ「へぇ、敏感なんだ・・・後で、書いとかないと」ボソッ
チノ「?」
マヤ「・・・ふーっ」
チノ「ひゃあぁ!?」ゾクゾクッ
チノ「ま、マヤさんっ!」
マヤ「だって・・・そんなこと言われたら試してみたくなっちゃう・・・じゃん?」
チノ「もう!次やったら帰りますからね!」
マヤ「わかった。もうやらない」
チノ「切り替え早いです・・・」
マヤ「いや、実は今にもやっちゃいそうなくらい理性がぐらぐら揺れてたり揺れてなかったり・・・」モゴモゴ
チノ「りせい?」
マヤ「おーっとっとっ!こっちの話・・・気にしない気にしない・・・」
チノ「?」
チノ「?」
マヤ「うん!それにしても膝枕、いいなぁ!」
チノ(・・・頭を撫でたほうが良いでしょうかね?)
チノ「・・・」ナデナデ
マヤ「!」
マヤ「えへへ・・・」
チノ(喜んでくれたみたいです)
チノ(しかし、なんだか・・・)キョロキョロ
マヤ「どーした?チノ?」
チノ「いえ、なんだか、少し恥ずかしくて・・・」
マヤ「へへ、こうしてると・・・なんか、恋人、っぽいよね・・・」
チノ「・・・そ、そうですかね?」
マヤ「そうだよ!・・・うん、きっとそう」
マヤ「いい・・・いいきもち・・・」
チノ「どっ、どういう意味ですか・・・」
マヤ「そのままの、意味だよ」ジーッ
チノ「そっ、そのまま、ですかっ」カァ
マヤ「チノぉ・・・」
チノ(マヤさんてなんだか、予想以上に、なんというか・・・!)ドキッ
チノ「あっ、の、喉が渇いたんですが」アセ
マヤ「そう?じゃあわたしそこのカフェで何か買ってくる!待っててねー!」ガバッ ダダッ
チノ「はやっ・・・!」
チノ「ふぅ、これでなんとか一息・・・」
マヤ「おまたせー!」ダダッ
チノ「早い!早いです!あとこぼれてます!」
マヤ「ありゃりゃっ!?急いだ方がいいと思って!」
チノ「あ、ありがとうございます・・・」チュー
マヤ「・・・」ジーッ
チノ「・・・あれ?マヤさんの分は?」
マヤ「わたしはあんま喉渇いてないしー・・・チノ見てる方が有意義かなーって」ニコ
チノ「そ、そうですか・・・?」チュー
マヤ「・・・」ジロジロ
チノ(の、割には凄く物欲しそうに見えるんですが・・・)チュー
マヤ「・・・」ジー
チノ「ひ、一口飲みますか・・・?」スッ
マヤ「えっえっ!?マジで!いいの!?」
チノ「・・・やっぱり飲みたかったんですね」クス
マヤ「そりゃあ、チノの飲みかけジュースなら・・・ね」
チノ「!?」
マヤ「で、では・・・いただき、ます・・・」カァァ
マヤ「・・・んっ」チュー
チノ(何でしょうこの緊張感・・・)
マヤ「ごく・・・ごく・・・」カァァ
チノ(一口・・・ながい!)
マヤ「ごく・・・んっ」
マヤ「ズズッ・・・あっ、全部飲んじゃった・・・ごめん!」
チノ「いえ、いいですよもう十分飲みましたし」
チノ(あんなに美味しそうに飲まれたら止めづらいです)
マヤ「じゃあ、コップとストローはわたしが後で捨てとくから・・・」スッ
チノ「あそこにゴミ箱ありますよ?」
マヤ「えっ!?あの・・・その・・・分別!分別だよ!」シマウ
チノ「そうですか、わたしそういうの疎くて」
マヤ「うんうん・・・わ、わたし、意識高い系だし!だからっ!」
チノ(微妙に使い方間違ってる気がします)
マヤ「さっきの支払いも、お釣りの小銭少なくなるように出したしなっ!」エヘン
チノ「あ、そうでした。ジュース代をわたさないと」ゴソ
マヤ「あー!いいっていいって!おごるよ!わたしも半分飲んじゃったし」
チノ「でも、そういうわけには・・・」
マヤ「・・・じゃ、じゃあさ、お金の代わりに、わたしのお願い、聞いてくれない・・・?」
チノ「ま、マヤさんがそれでいいなら・・・」
マヤ「うぉ、いいのか・・・どうしよ、引かれない程度に・・・」ブツブツ
チノ「えっ?何ですか?」
マヤ「爪・・・いや髪の毛・・・は拾えるし・・・唾液・・・はアウトかな、やっぱ」ブツブツ
チノ「マヤさーん、もっとはっきりと」
マヤ「脇の匂い嗅がせて・・・はダメ、パンツ・・・ブラ・・・あぁー!だからそういうのから離れろってバカバカバカ~!」ポカポカ
チノ「いきなり自分の頭を殴らないでください!?」
マヤ「はぁ・・・はぁ・・・」
チノ「何をしてほしいのか、わたしにわかるように言ってください」ジッ
マヤ「はぅ!ちかっ・・・!」カァァ
チノ「ほら、どーぞ」ズイ
マヤ「あああっ、あし!舐めさせてくださ、い・・・」
マヤ「やばっ!つい、口が・・・」シマッタ
チノ「・・・」
マヤ「あ、あははー・・・ごっ、ごめ」
チノ「そんなことでいいんですか?」
マヤ「えっ・・・?いっ、いいのっ!?」
チノ「舐めるだけなら、別に・・・靴下は脱いだ方がいいですか?」
マヤ「う・・・うん!うん!」コクコク
チノ「よいしょ・・・はい、どうぞ」スルッ
マヤ「じゃあわたし、地べたにしゃがむよ・・・」
マヤ「で、では・・・」ドキドキ
マヤ「・・・んっ」ペロッ
チノ「ひゃん!!」ビクッ
マヤ「あ・・・大丈夫?」
チノ「ええ、問題・・・無いです・・・」
マヤ「オッケー・・・はむ」チュ
チノ「ひ、うぅん・・・!」
マヤ「ペロ…ペロ…」
チノ「あんっ!・・・ふぅ、はぁ、うぅっ・・・」
チノ(これ・・・実際やってみると・・・想像より、とんでもなく恥ずかしいです・・・!)
チノ(くすぐったい・・・!変な声出そう・・・)ビクッ
マヤ「・・・」チロチロ
チノ「はうぅっ・・・!あぅ、ひゃ、だめぇ・・・」
マヤ「ペロ…ハァ…」ゾクゾク
マヤ「チノは・・・わたしのもの・・・ん、ちゅっ」
チノ「つっ・・・!?」ビク
マヤ「へへ・・・キスマーク・・・付けちゃった・・・かかとに・・・」ハァハァ
チノ「・・・そこは、くるぶしです・・・」ハァハァ
マヤ「どっちでもいーよっ・・・靴下履けば、隠れるから・・・」
マヤ「わたし以外の、誰にも・・・見せちゃダメだよっ・・・?」ニコッ
チノ「はっ・・・はいぃ・・・」ドキ
チノ(優しいようでいて・・・有無を言わさぬ、そんな笑顔です・・・)ゾク
マヤ「はぁ、はぁ、つけちゃった・・・チノに、マーク、チノに・・・」
マヤ「すき・・・すきだよ・・・チノ・・・」スリ
チノ「は、はい・・・わたしも・・・好きですよ」
マヤ「・・・メグよりも?」
チノ「・・・はい?」
マヤ「メグに許したのは恋人繋ぎまでだし・・・わたしのが上だよね?」
チノ「いや・・・って何で知ってるんですか!」
マヤ「誤魔化さないでこ・た・え・て?」ニコッ
チノ(迂闊な回答をすると危ないと・・・わたしの直感が告げています!)
マヤ「あそこで嫌がったらメグ泣いちゃうからだよね?仕方なく許してあげたんだよね?そうだろっ?」
チノ「えっと、えーと・・・」アセアセ
マヤ「チノは優しいから・・・いいよ?そういうことなら・・・許してあげるよ・・・?一応・・・」
チノ(ど、どうしよう・・・ここは無難に・・・)
「違うもん!」
チノ「!」
マヤ「その声・・・」
メグ「チノちゃんは優しいけど・・・そういうのじゃなかったもんっ!」
チノ「メグさん・・・!?帰ったんじゃ・・・?」
マヤ「なにさ、そういうんじゃないって・・・」
メグ「チノちゃんっ!違うよねっ?わたしのこと・・・あ、あい、愛してるよねっ!?」
マヤ「なっ!!」
チノ(やめてくださいー!)ヒャー
マヤ「ふふ・・・残念だけど、チノが愛してるのはわ・た・し!他の誰じゃなくわたしだから!」
チノ「違うもん!わたしだもんっ!」
マヤ「わ、わたしなんかチノの・・・あ、あしなめて、キスマークまで付けちゃったもんっ!」ガー
チノ(自分ではばらすんですかっ!?)
メグ「そっ、それならわたしなんて・・・!チノちゃんと腕組んで町を歩いたよっ!」
チノ(これ以上火に油を注がないでくださいぃー!)ヒー
マヤ「むぐぐ・・・!」ジー
メグ「むーっ・・・!」ジー
チノ(無難に・・・って、何をどう・・・)
マヤ「チノッ!」クルッ
メグ「チノちゃん!」クルッ
チノ「」ビクゥ
マヤ「わたしだよね?当然わたしだよね?わたし以外ありえないよねチノっ!?」ガシ
メグ「チノちゃん・・・わたし信じてるよ?信じてるからね?」ガシ
チノ「あわ、あわわ・・・」
マヤ「さぁ・・・!」ズイ
メグ「どっちなの・・・!」ズイ
チノ(だ、誰か・・・!)ヒィ
「どうしたの?チノちゃんっ」
チノ「はっ!た、助けてくださ・・・」
千夜「チノちゃんは私のなのに・・・なんで女の子二人もはべらせてるの?」ニコッ・・・
チノ「わぁああぁぁぁっ!」
――
チノ「ひっ!」ビクッ
チュンチュン・・・
チノ「はぁはぁ・・・そうでした・・・夢でした、よかった・・・」ホッ
ココア「チノちゃんおっはよっ!」ヒョコ
チノ「ココア、さん・・・おはようございます」ニコ
チノ「今日は・・・ねぼすけさんじゃありませんね」
ココア「えへへ、チノちゃんの寝顔見たくて早起きしてきちゃったよ~」
チノ「そ、そんな・・・恥ずかしいですよ・・・」カァ
チノ「お、起きましょう、顔洗いにいきましょう」ムクッ
ココア「・・・メグちゃんとマヤちゃんの夢見てたのかな?」
チノ「そう、ですが・・・寝言言ってました?」
ココア「うん・・・『恋人繋ぎ』とか・・・ねっ?」ニコ・・・
チノ「!?」ビクッ
ココア「あ、ううん違う違うの!別に疑ってるとかそういうことじゃなくてね?仲良しさんなんだなーって!」
チノ「そ、そうですね・・・大切な、友達ですよ」
ココア「うんうん!そうだよねー・・・ねー・・・」
チノ「・・・」
ココア「・・・」
チノ「じゃあ、洗面所に行って来ます・・・」
ココア「はーい!いってらっしゃい!」
ガチャ バタン
ココア「・・・」
ココア「浮気なんてしたら・・・閉じ込めちゃうからね?」ボソッ
チノ(なんだか寒気が・・・!)ゾクッ
チノ(風邪でしょうか・・・?立て続けに変な夢を見たばちが当たったとか・・・?)
チノ(・・・)
チノ(まぁ、あれではっきりわかりました)
チノ(わたしの器は・・・わたしというティーカップに注げるのは、ココアさん一杯でギリギリです)
チノ(それ以上はこぼれてしまいます・・・無理です・・・)
チノ(どうか・・・アレが正夢にだけはなりませんように・・・!)
ココア「うふふっ♪」
おわり
ケガしてチノに心配されるのに味をしめてわざと何度もケガする、っていうネタを入れたかったけど入れられなかった
ご覧頂きありがとうございました
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