【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【四本目】 (568)

*安価作成キャラによるオリロンパです。

*ダンガンロンパシリーズのネタバレがあります。

*舞台はオリジナル【コロシアイ特急列車】です。

*当然の事ながらオリキャラとなりますのでご注意ください。

*前スレ一覧

〔キャラ作成~STATION1〕
【オリロンパ】安価キャラでコロシアイ特急列車の旅【安価】
【オリロンパ】安価キャラでコロシアイ特急列車の旅【安価】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1439992477/)

〔STATION2〕
【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【二駅目】
【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【二駅目】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1441287431/)

〔STATION3〕
【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【三両目】
【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【三両目】 - SSまとめ速報
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SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1444568272

〔乗客名簿〕

〔男子〕

・皐月 翼(サツキ ツバサ)
・才能…〈超高校級の殺人鬼(偽)〉
・性格キーワード
〔主人公〕…原則的に被害者にもクロにもならない。
〔冤罪〕…殺人鬼と言われていながら実は人を殺した事がない。
〔蛮勇〕…周囲を全く配慮しない向こう見ずの勇気。
〔高いコミュ力〕…普段のコミュニケーション能力は人より高い。

・伊方 五右衛門(イカタ ゴエモン)【DEAD】
・才能…〈超高校級の幸運〉
・性格キーワード
〔歴史マニア〕…歴史に関して詳しい。
〔鬼畜眼鏡〕…人を泣かせる事が好きなとんでもない眼鏡。
〔優しい〕…一応優しさもあります。

・陸海 空助(リクカイ クウスケ)【DEAD】
・才能…〈超高校級のフィクサー〉
・性格キーワード
〔家庭的〕…家事が得意。炊事、掃除、洗濯、裁縫なんでもござれ。
〔トラウマ持ち〕…過去に何かあったのかトラウマを抱えている。
〔迷推理〕…推理に関しては全く役に立たない。模擬刀の先制攻撃だべ!

・安田 順(ヤスダ ジュン)【DEAD】
・才能…〈超高校級の監督〉
・性格キーワード
〔背が低いのを馬鹿にされたくない〕…ちびっ子。本人的には男なのもあって非常に腹立たしいようだ。
〔泣き虫〕…よく泣く。
〔癇癪持ち〕…短気。背をバカにされると泣きながら怒り出す。

・石原 カイ(イシハラ ――)
・才能…〈超高校級の卓球選手〉
・性格キーワード
〔色情魔〕…性欲が異常なまでに強い。女子に対してはそういう目でしか見えない。
〔フレンドリー〕…親しみやすいが男子限定。
〔天才肌〕…卓球以外にもまるで天才のような雰囲気を漂わせている。

・下田 慧(シモダ ケイ)
・才能…〈超高校級の演劇部〉
・性格キーワード
〔いいやつ〕…紛れもない善人。
〔芸人気質〕…人を笑顔にする行動を進んでやる。
〔心が男性〕…女役が多いため勘違いされやすいが心はしっかり男。

・クロード・イーストウッド
・才能…〈超高校級のガンマン〉
・性格キーワード
〔後ろに立つな〕…後ろに立たれる事を極端に嫌う。
〔不撓不屈〕…どんな困難にも挫けない意志の強さ
〔トリガーハッピー〕…引き金を引く事に至上の喜びを感じる。

・霧ヶ島 司(キリガシマ ツカサ)【DEAD】
・才能…〈超高校級の巫女〉
・性格キーワード
〔男の娘〕…男でありながら巫女の格好をしている。
〔田舎者〕…山奥の村出身。世間知らずもあって知らない事が多い。
〔世間知らず〕…神社で過ごしてきたため世間を知らない。
〔布教癖〕…神道の話をして信仰してもらおうとしてしまう。

〔女子〕

・笹山 ミチル(ササヤマ ―――)
・才能…〈超高校級のダンサー〉
・性格キーワード
〔意識高い〕…自らの命題について強く意識し、行動している。
〔享楽主義〕…自らの快楽の追求が最上命題。
〔氷の女王〕…冷たく、自分の興味外の事柄は切り捨てる傾向にある。

・墨染 優里(スミゾメ ユウリ)
・才能…〈超高校級の新聞部〉
・性格キーワード
〔誇張〕…調べた内容はとにかく誇張。葉隠の占いは七割当たるなど平気で書く。
〔突撃取材〕…ネタのためならプライバシーなんて知りません。
〔嫌われ者〕…やりすぎて周りからは嫌われている。

・立木 亜里沙(タチキ アリサ)
・才能…〈超高校級の読書家〉
・性格キーワード
〔高い女子力〕…女子力が高い。お洒落にもきちんと気を遣います。
〔占い好き〕…朝の占いは欠かさずチェックしているほどの占い好き。
〔清楚〕…清らかですっきりしている。謙虚さがますます女子力を高めている。

・平野 夢(ヒラノ ユメ)【DEAD】
・才能…〈超高校級のベーシスト〉
・性格キーワード
〔姉貴分〕…頼りがいのあるみんなのお姉さん。
〔パンク好き〕…パンクロックが大好き。ベーシストを始めたのも憧れから。
〔聡明だけどお調子者〕…物事に対する理解力が高く賢い。しかし言動は軽めなので誤解されたりもしてしまう。

・神崎 真夏(カンザキ マナツ)【DEAD】
・才能…〈超高校級の心理カウンセラー〉
・性格キーワード
〔毒舌〕…辛辣な物言いをする。ただしそれで空気を悪くさせたりはしないようにしている。
〔明るいムードメーカー〕…周りを明るくする事が得意。
〔聡明〕…カウンセラーだからか理解力が非常に高い。

・美影 団居(ミカゲ マドイ)【DEAD】
・才能…〈超高校級の放送委員〉
・性格キーワード
〔猫口調〕…語尾ににゃあやにゃんとつける。
〔感受性が高い〕…感じ取る能力が強い。しかし環境や人に左右されやすい面も。
〔遅刻魔〕…時間を守る事が出来ない。彼女と待ち合わせしたいなら一時間前の時間を伝えよう。

・物述 かぐら(モノノベ ―――)
・才能…〈超高校級の小説作家〉
・性格キーワード
〔クールで真面目〕…感情を高ぶらせたりせず、誠実に生きている。
〔好きあらば自己アピール〕…自分を好きでいてくれる人にはついつい自己アピールしてしまう。
〔常識人〕…それでも常識はしっかり兼ね備えています。

・岩崎 和音(イワサキ カズネ)【DEAD】
・才能…〈超高校級の車掌〉
・性格キーワード
〔責任感が強い〕…車掌という職務上責任感がとても強い。
〔ドジッ子〕…何らかのドジをやらかしてしまう。本人に悪意は全くない。
〔マニュアル至上主義〕…予定外の行動だとドジなのでマニュアルを至上としている。

夢を見た。

安田「だいたいお前達はいつもいつも……」

岩崎「ごめんなさい……」

霧ヶ島「すみません……」

神崎「なに、また何かやっちゃったの?」

皐月「司が乱入して、そこから和音がやらかしたんだ」

陸海「はっ、だからこの吾人に任せろと言ったのだ!〔超高校級のフィクサー〕として最大級の物を……」

神崎「もうっ、またそんな喋り方して!早くいつものに戻る!」

陸海「……なんだよぉ、ノリ悪いぜぇ、まーちゃん」

神崎「その呼び方もやめてってば!この前優里に聞かれて大変だったんだから!」

平野「真夏も照れてないで素直になったらいいのにねぇ」

美影「全くだにゃあ」

伊方「……おい、なんだ。この惨状は」

皐月「色々あったんだよ」

伊方「ふん、こんな事で間に合うのか?」

神崎「そ、そうだよ!【――――】のために私達頑張るって決めたんだからしっかりやらないと!」

皐月「……みんな、ありがとうな」

陸海「気にすんなぁ、主役は翼っちなんだからよぉ」

皐月「……ああ、わかってる」

……なんだ?

今まで繋がってるらしい夢を見たけど、この夢で俺達はいったい何を……







STATION4〔裏切りの銃弾は××を貫く〕(非)日常編






ピンポンパンポーン

岩崎『ただ今より夜時間となります』

岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』

岩崎『それではよい夢を……』

皐月「……んっ」

気付かない間に寝てたのか……

皐月「……さてと、行かないとな」

今俺がいるのは食堂車。
夢さんがやった抜け道を使って、俺は女子側の車両に行こうとしていた。

皐月「……」スッ

そんな事をする事になった理由は、今手の中にある白い手帳。

伊方が俺に残した……遺品。

皐月「……」

【この手帳を俺以外の人間が読んでいるならおそらく俺は死んだんだろう】

【だが俺は既に手は打っている……そのためにお前には動いてもらう】

皐月「……」

【行動するにあたって教えておく】

【モノクマは深夜の一時から三時までの間、全く行動をしない。例外は事件があった場合のみ】

【これに関しては毎日の実験で実証済みだ】

皐月「本当なのか……?」

【お前にはその空白の時間でバスルームに来てもらう】

【そこの脱衣場の三番ロッカーを開けろ】

皐月「……」

伊方が何を考えているかはわからない。
だけど、これが伊方の望みなら……

やるしかないじゃないか。

【三号車・バスルーム】

カチャッ

皐月「……」

そういえば、バスルームには全然来てなかったな……

皐月「えっと、脱衣場はこっちか……電子生徒手帳をかざして……」

ガチャン

皐月「三番ロッカー……あった」

いったい何があるのか……

皐月「……」ガチャ

手帳に挟まっていたロッカーの鍵を開けてゆっくりと扉を開く。

するとそこには……

「……遅い」

皐月「なっ……」

「ふん、なんだ。幽霊でも見たような顔だな皐月」

「無理もない。どうやら俺の肉体は死んだようだからな」

椅子に座って俺を見る眼鏡をかけた男。

伊方「さて皐月、まずは聞かせてもらおうか」

伊方「俺は誰に殺されたのかをな」

俺の驚きをよそにパソコンの中にいる伊方五右衛門は、そんな矛盾した問いを投げかけてきた……

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

開始します。

伊方「ふん、なるほどな。やはり陸海が動いたか」

皐月「……」

伊方「カウンセラーの神崎を失ったのは痛手だが、石原が正気に戻った事はプラスに受け止めるべきか……」

皐月「……」

変わらない。
生きてた頃とまるで変わらない姿で、伊方は確かにそこにいた。

皐月「伊方、これはいったいどういう事なんだ?」

伊方「ふん、説明の時間ぐらいはあるか」

伊方「俺は〔超高校級の希望〕になるため歴史と同じピースを探していた。そのピースの一つが人口知能、アルターエゴだ」

皐月「じゃあお前は伊方じゃなくて人口知能なのか……」

伊方「違うな、俺は伊方五右衛門だ。俺は三次元の俺の経験、嗜好、その他あらゆる伊方五右衛門を構成する全てをプログラミングされている」

伊方「肉体こそ滅んだが、電脳世界で俺は生きている……そう思えばいい」

皐月「そもそもなんでアルターエゴなんて用意してたんだ」

伊方「俺は〔超高校級の希望〕になる男だ。しかし険しいその過程で何が起きるかわからん」

伊方「そのために命を落とした場合に備えてアルターエゴとクローンを用意していた」

伊方「最もクローンの方はどうなっているか不明だがな」

皐月「ちょ、ちょっと待て!?クローンとかアルターエゴとか……どうやってそんな」

伊方「忘れたのか皐月。俺の今の才能はなんだ?」

皐月「〔超高校級の幸運〕……」

伊方「この才能はエリートという事で人脈作りに大いに役立った」

伊方「そして幸運な事に、アルターエゴは黒幕に回収されずこのコロシアイに入り込めた」

伊方「パソコンは書庫にあったのをモノクマの監視外の時間に持ち出してここに置いていた……そして今に至るまでの情報を新しくプログラミングされたわけだ」

伊方「万が一に備えて、な」

皐月「……伊方はこれからどうするんだ」

伊方「それだがお前に一つ頼みがある」

伊方「電脳世界で生きる身となった以上、俺は自分から情報を手に入れる事が出来ない」

伊方「そこで隙を見て現状に関する情報を教える存在が必要だ」

皐月「それを俺に?」

伊方「そうだ」

皐月「俺は構わないけど……なんで俺なんだ」

伊方「男子側のロッカーである以上女子は論外。下田に倒れられては困る、石原は隠し事など出来ん」

皐月「クロードは?冷静だし、俺よりは……」

伊方「クロード・イーストウッドは選択肢にそもそも存在しない」

皐月「えっ……」

伊方「いい機会だ。お前にだけは伝えておく」







伊方「クロード・イーストウッドは動機の記事にあったテロリストを皆殺しにした人間だ」

伊方「それも突入時に銃を撃つ事で生じる興奮を抑えられなかったという理由で、な」

伊方「そして……」

伊方「今も銃を三丁、隠し持っている」












クロード「……」

【内通者へ。膠着状態になったら殺人をせよ】

クロード「……ちっ」






〔十六日目〕

ピンポンパンポーン

岩崎『おはようございます。朝七時になりました』

岩崎『皆様、食堂車にお集まりください』


あの後時間が来たからと、伊方に遺品を見ていた風に装えと言われて俺は二号車にいた。

遺品を持って寝ていたのを今目覚めたという感じに振る舞うと……食堂車に向かう。

立木「皐月君、なんでこっちにいるんですか!?」

皐月「遺品を見ていたんだ。また三人、いなくなったしな」

立木「あっ……」

皐月「朝食、俺も手伝っていいか?もう陸海のご飯は食べられないからさ……」

立木「はい……」

【食堂車・厨房】

石原「むっ、おはよう皐月殿、立木殿」

皐月「おはよう石原」

立木「おはようございます」

石原がこうして厨房にいるのも久々に見たな……

石原「陸海殿が中心だった故、なかなか骨が折れるのだ」

皐月「俺達のご飯、ずっと陸海が中心で作ってたんだもんな」

立木「陸海君には及ばないですけど、私達が頑張らないと……」

皐月「そうだな……」

少しですが始めます。

皐月「……」

会話がなかったな、今日の朝食……

正確に言えば、クロード、物述さんと俺達の間にって感じだけど。

墨染は相変わらずだし、笹山さんは我関せずって雰囲気だし……

皐月「新しい部屋を調べに行くか……」

マップだと新しい部屋は神崎さんの部屋が【多目的室】、伊方の部屋が【娯楽室】、陸海の部屋が【武器庫】……か。

【武器庫】って、なんなんだよ……

皐月「とりあえず誰か誘ってみるか」

>>2-5から二人まで選んでください。

〔物述、クロード、伊方は選べません〕

↓二

立木「新しい部屋ですか?」

皐月「ああ、立木さんが良かったら一緒に調べようかなって思ってさ」

立木「はい、喜んでお供します」

皐月「そこまで大げさな……」

立木「いいんです、私がそう思ってるんですから」

皐月「……わかった、それじゃあ行こうか」

立木「はい!」

墨染「そうですね」

皐月「……」

立木「……」

墨染「どうしました二人共、置いていきますよー」

皐月「ちょっと待て……なんで自然に混ざってるんだよ」

墨染「調べるなら人数がいた方がいいでしょう?」

皐月「邪魔されそうだ……」

墨染「なんですかそれは!失礼な!」


立木「……むう」

【六号車・多目的室】

皐月「ここが多目的室か」

そこは今までと違って客室の面影が残る部屋だった。
違うのは電気がスイッチ式な事、シャワールームがなくなっている事、冷蔵庫が小型じゃなくて厨房みたいな大型になっている事。

そしてベッドがソファーベットになっている事ぐらいだった。

立木「元々多目的室と言えば急病の人とかが利用するような部屋なんですけど……」

皐月「医務室があるからあまり使い道はないよな……」

墨染「ふむふむ、皐月さん。そうでもないみたいですよ」

皐月「何がだ?」

墨染「この部屋、医務室と違って防音仕様みたいですよ」

皐月「防音って放送室みたいにか?」

墨染「そうですね。だから廊下に聞かれたくない事を話すにはうってつけかもしれませんよ」

皐月「なるほどな……」

立木「……あっ!さ、皐月君!」

皐月「えっ、何かあったのか?」

立木「……え、えっと、時計があります!」

皐月「おっ、本当だ……今の剣幕からして時計がどうかしたのか?」

立木「あっ、えっと、それだけです……」

皐月「……?」

【九号車・娯楽室】

娯楽室は今までみたいに客室だったとは思えない状態だった。

入って右側にはビリヤード台、左側にはダーツとテーブルゲームの入った棚……

奥には小さな舞台と大きなステレオもある。

皐月「あの舞台、下田とか笹山さんなら興味を持つかもしれないな……」

墨染「ここも防音仕様みたいですよ。まあ、あんなに大きなステレオがあるんだから当たり前でしょうけど」

立木「あっ、星占いの機械があります!」

立木さんが持っているのは喫茶店とか食堂なんかのテーブルにあるのを見たお金を入れて回す星占いの機械だ。
なんでこんな物まで……

立木「……百円がありません」

墨染「今のボク達、財布も持ってませんからねー」

立木「占い……」

名残惜しそうだけど、こればかりはな……

最近寝落ちが多い…
再開します。

【十号車・武器庫】

皐月「これは……!」

その部屋は今までのどんな部屋よりも異様だった。

目の前の壁に飾られている刀や槍、斧。
左側の壁に飾られているのはダイナマイトや手榴弾、催涙スプレー。
右側の壁に飾られているのは色んな銃。

まさに武器庫の名に相応しい種類と量の武器が、そこにはあった。

墨染「ここも防音仕様、と。サイレンサーもありますし、モノクマはこれを使ってコロシアイしてほしいみたいですね」

皐月「……」

なりふり構ってこなくなってきたわけか……

立木「どうしましょうこれ……」

皐月「……なるべく気をつけるようにするしかないな」

墨染「クロードさんに持たせたらひとたまりもありませんしね」

皐月「そんなつもりで言ったわけじゃ……」

だけど……クロードが本当に銃を隠し持ってるなら……

どうしたらいいんだ……?

皐月「……」

凶器があんなに出てくるなんてな……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

皐月「……」

バスルームだから準備していかないとな……

【バスルーム・脱衣場】

皐月「伊方」

伊方「報告か、何があった」

皐月「新しい部屋を調べたんだ。その中に……」

…………

伊方「武器庫か……ふん、とりあえず銃器に関しては弾を全て回収しておけ」

伊方「撲殺も出来ないわけではないが、殺傷能力には大きな違いが出るはずだ」

皐月「他には?」

伊方「刃物に関しては厨房の塩と水をまいておけ。錆びて使えなくなってしまえば儲け物だ」

皐月「わかった、すぐに用意する」

伊方「言っておくがこれは気休めだ。モノクマが手を打たないとは思えん」

皐月「そう、だな」

1…伊方がいてくれて助かったよ
2…黒幕はどうやってあんなに武器を用意したんだろうな……

↓二

皐月「黒幕はどうやってあんなに武器を用意したんだろうな……」

伊方「そもそもこれだけの列車や処刑用の器具を用意している。相当な財力を持つ相手なのはわかりきっていた」

伊方「だが、疑問もないわけではない」

皐月「それは?」

伊方「それだけの財力がありながら、人員にまるで割いていない」

伊方「そうでなければ二時間の隙など有り得ない……黒幕は内通者を除けば単独の可能性がある」

皐月「単独って、一人でこれだけの事をやってるって言うのか!?」

伊方「あくまでも可能性だ」

単独でこのコロシアイを起こしたなんてそんな馬鹿な……

皐月「ふうっ……」

怪しまれないようにお風呂にも入ったけど、あんまり気は晴れないな……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔選べるのは一人までです〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

〔伊方は選べません〕

↓二

あっ、一人までっていうのはなしです。

安価なら下で

下田「それじゃあ、もう大丈夫なんだね?」

石原「うむっ、心配をかけてすまなかった!」

下田「いいんだよ、石原くんが元に戻ったならそれで」

石原「感謝するぞ、下田殿」

皐月「下田、石原」

石原「おお、皐月殿!皐月殿にも本当に色々と手間をかけさせてしまったな……」

皐月「それだけショックだったんだろ?だったら無理もないと思うぞ」


石原「うむ……しかしもうあのような事はしないと誓った」

1…石原は、いつから戻ってたんだ?
2…乗り越えていくんだな……

↓二

皐月「……石原、一ついいか?」

石原「うむ」

皐月「いつから戻ってたんだ」

石原「……」

皐月「学級裁判でのあの様子を見る限り、あの時急に戻ったとは思えないんだ」

石原「……吾は奇行をしていただろう」

下田「もしかして美影さんと話していたようなあれかい?」

石原「……あの時、吾は既に正気だった」

皐月「あの時から……?」

石原「その証拠に、吾は逐一団居殿が何を言っているか話していただろう?」

皐月「……そういえば」

石原はあのレコーダーのスイッチを押した後、わざわざ美影さんがなんて言っているかを俺達に教えてたな……

下田「でもどうしてあんな事を?」

石原「吾が完全に心砕けた時、やるだろう事だったからだ」

石原「故にまだ正気の内にそれをした。団居殿がそれを見てどう思うかを考えながらな」

皐月「……石原」

石原「そしてわかったのだ、こんな事をしていても団居殿のためにも吾のためにもならないと」

石原「団居殿の行動は間違いであるし罪は許されない」

石原「それでも吾はその罪をも受け入れ、黒幕に挑むつもりだ」

石原「それが吾の……決意だ」

石原は、引きずっていくんだな……

俺には、こんな事が出来るだろうか……

皐月「下田は役者なんだよな?」

下田「基本的にはそうだよ。だけど大道具に小道具、照明、音響とかも出来るけど」

皐月「ああ、だから〔超高校級の演劇部〕なのか」

下田「そういう事だね。昔そのせいで大変な目にあったけど」

皐月「大変な目?」

下田「中学の文化祭で劇をする事になった時、当日にみんな休んじゃったんだよ」

皐月「おいおい、なんでそんな事になったんだ……」

下田「自分が休んでもぼくなら大丈夫だろって思ってたみたい」

下田「当然一人だけなんて無理だから、やめても良かったんだけどさ……こう、なんだか燃えてきちゃって」

下田「だから色々路線を変えて、一人で全部やったんだ」

下田「急拵えでも盛り上がったんだけど、あれはもうやりたくないなぁ……」

それはそうだ……

〔下田慧の通信簿が更新されました!〕

〔基本的には役者だが他の役職も出来る。
そのために一人で全部やる事になった時もあったらしい〕

石原「ふうっ……」

皐月「んっ?あれは石原か?」

卓球のラケットとボールを持った石原はサロンのテーブルに何やら小さい……ちょうど卓球のボールが通るぐらいの穴があいた板を置いて向き合っていた。

石原「せいっ!」

小さい穴に卓球の玉を通した!?

石原「うむっ、今日も問題なし!」

皐月「石原、今の凄いな……特訓か何かか?」

石原「皐月殿か。今のは特訓であり吾の日課のようなものだ」

皐月「日課ってあの穴にボールを通すのがか?」

石原「その通り!吾は毎日これをせんとどうも落ち着かんのだ!」

皐月「毎日……」

石原「始めた頃はなかなか通らなくてな。入るようになるまで一週間はかかった」

いや、一週間で出来る時点でとんでもないだろ……

石原「今は外した事などないがな!」

さすが〔超高校級の卓球選手〕……

〔石原カイの通信簿が更新されました!〕

〔日課として小さい穴に卓球のボールを通す特訓をしている。
始めてから一週間で入るようになり、それからは外した事はないらしい〕

皐月「石原みたいには、俺は出来ないだろうな」

はあ……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔選べるのは一人までです〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

〔伊方、下田、石原は選べません〕

↓二

物述「……」

皐月「……」

書庫にいったら物述さんがいた……

物述「……」

物述さん、俺に毎回投票してるかもしれないんだよな……
いや、でも違うかもしれないし……普通に接してみるか。

皐月「物述さん」

物述「ああ、皐月さん……この前は疑ってしまってごめんなさい」

皐月「いや、あれは陸海がそれだけ巧妙だったんだ。物述さんのせいじゃないよ」

物述「そう言ってもらえるとありがたい……でもどうして話しかけてくれたの?」

皐月「えっ?」

物述「ワタシはもしかしたら皐月さんに毎回投票している人間かもしれないのに」

1…物述さんがそうだって決まったわけじゃないからな
2…モノクマの思う壷にはなりたくないからな

↓二

皐月「モノクマの思う壷にはなりたくないからな」

物述「確かにモノクマは疑心暗鬼を生むために、あんな事を言ったんでしょうけれど」

皐月「俺はこれ以上何も起きてほしくない。だから避けたりは出来ればしたくないんだ」

物述「皐月さん……あなたは強い」

皐月「強い?」

物述「ワタシにはきっと耐えられない。誰かに嫌われてるかもしれないのにそんな風に思うなんて出来ない」

物述「……ワタシは弱いから」

皐月「……」

物述「あなたが少し羨ましい。本当にそう思う」

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

お疲れ様でした。

開始します

【客室廊下】

皐月「そろそろ夜時間か……あれ?」

下田「……」

皐月「下田、何してるんだ?」

下田「……」

皐月「下田?」

下田「……えっ?あっ、皐月くん」

皐月「どうしたんだよ、なんかボーッとしてたけど」

下田「あはは、何でもないよ。ちょっと物思いにふけってただけだから」

皐月「嘘が下手すぎるぞ」

下田「……あはは、やっぱりわかる?」

皐月「それで、どうしたんだ」

下田「……なんかさ、情けなくて」

皐月「えっ?」

下田「リーダーとして、頑張ってたつもりだけど……ぼく、結局何も出来てないだろう?」

下田「事件を防ぐ事も凶器になりそうな物を管理する事も……」

下田「本当に、情けなくて死に……」

皐月「っ!?」

下田「あっ……ごめん、今のなしで」

皐月「なしって、お前……」

ピンポンパンポーン

岩崎『ただ今より夜時間となります』

岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』

岩崎『それではよい夢を……』

下田「あっ、点呼……本当に駄目だな、ぼく」

下田「今日はもう寝るよ、おやすみ皐月くん」

皐月「……」

下田……

〔十七日目〕

ピンポンパンポーン

岩崎『おはようございます。朝七時になりました』

岩崎『皆様、食堂車にお集まりください』

皐月「食堂車に行く前にちょっと下田の様子を見に行くか……」

【八号車・下田の部屋前】

ピンポーン

下田「あっ、皐月くんおはよう!」

皐月「下田、大丈夫か?」

下田「えっ、何が?」

皐月「いや、昨日落ち込んでたみたいだし……」

下田「あはは、そうだったっけ?寝たら忘れちゃったよ」

皐月「忘れちゃったって……」

下田「そんな事より朝食に行こうよ!ほら、皐月くんだってお腹すいたでしょ!」

皐月「お、おい、下田!」

本当に大丈夫なのか……?

>>2-5から一人選んでください

↓二

クロード「……」ピンッ

クロード「ちっ……また裏かよ」

皐月「クロード、ここいいか?」

クロード「……好きにしやがれ」

皐月「……」

クロード「くそっ、いつになったら表になりやがる……!」

1…なんか、イライラしてないか?
2…なんでそんなに表を出す事にこだわるんだ?

↓二

皐月「なんか、イライラしてないか?」

クロード「……別にそんなんじゃねえよ」

クロード「ただツキがこねえのを嘆いてるだけだ」

クロード「イライラなんざ、してねえよ」

皐月「……」

クロード「なんだよ、信用出来ねえか」

皐月「いや、そういうわけじゃない」

クロード「……そうかよ。ならいい」

クロード、いったい何をそんなに……

皐月「クロード、やっぱり俺に対して何か思うところがあるのか……?」

だとしたら毎回投票してたのはクロードって事になるけど……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

皐月「娯楽室にでも行くか……」

【娯楽室】

皐月「あっ」

笹山「……」

娯楽室に行くと、笹山さんが舞台でダンスを踊っていた。

その動作の一つ一つに、何かを誘うような雰囲気が漂って……俺は思わず見惚れてしまう。

笹山「……あら、皐月」

俺が気付いた時には、笹山さんは舞台から降りて目の前にいた。

笹山「来ていたなら声ぐらいかけなさい。墨染じゃなければ答えるぐらいはするわ」

皐月「ごめん、つい見惚れててさ……」

笹山「それじゃあ無理もないわね」

納得するのか……

……そういえば、笹山さんには聞きたい事があるんだよな。

1…なんで陸海に投票したんだ?
2…陸海が神崎さんを殺した動機ってなんなんだ?

↓二

皐月「なあ、笹山さんに聞きたい事があるんだ」

笹山「何かしら」

皐月「陸海が神崎さんを殺した動機ってなんなんだ?」

笹山「……」

そう、笹山さんは一人気付いていたんだ。

…………

笹山「陸海、あなたにはあったのよ。神崎を殺す動機が」

陸海「……」

笹山「はっきり言って身勝手過ぎて信じがたい動機。陸海、あなた……」

…………

陸海があんなに親しくしていた神崎さんを殺した動機に……

笹山「……今となってはただの推測よ」

皐月「それでも聞きたいんだ」

笹山「そう……いいわ、話してあげる」

笹山「陸海が神崎を殺した動機はね……」

笹山「神崎に〔超高校級のフィクサー〕を見せたくなかったからよ」

皐月「見せたくなかった……?」

笹山「あの男はね、神崎には自分を陸海空助として認識したままでいてほしかったのよ」

笹山「だから殺した。そうしてしまえば二度と神崎が自分の裏の顔を知らずに済むから」

笹山「それが陸海の動機よ」

皐月「……そんな事で、神崎さんを?」

笹山「言ったでしょう、身勝手な動機って」

笹山「陸海は神崎を哀れだと言っていたけれど……本当に哀れなのは陸海の方だったのかもしれないわね」

皐月「笹山さんは他に興味のある事とかないのか?」

笹山「藪から棒に何」

皐月「いや、視線以外にどんな事に興味があるのかなって思ってさ」

笹山「そうね。視線ほどではないけれど……」

笹山「ぬいぐるみかしら」

皐月「……えっ?」

笹山「ぬいぐるみを抱いて寝るのよ。どのぬいぐるみが一番寝心地がいいのかはなかなか興味をひかれるわね」

皐月「……」

笹山「何かしら、その目は」

皐月「い、いや、ちょっと意外だなと……」

笹山「よく言われるわ。全く、あなた達は私にどんなイメージを持っているのかしら」

皐月「ごめん……」

いや、でもやっぱり意外だ……

〔笹山ミチルの通信簿が更新されました!〕

〔視線以外に興味があるのは寝心地のいいぬいぐるみ。
この事を話すと必ず意外に思われるようだ〕

皐月「……陸海の動機、か」

本当かはわからないけど、もしそうだとしたら……

皐月「あの夢が、ますます悲しくなるな……」

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

〔笹山は選べません〕

↓二

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

お疲れ様でした。

開始します。

墨染「ふんふんふふん~♪」

皐月「……」

墨染が鼻歌を歌ってる……近付いたら危険だな。

墨染「あっ、皐月さん!ちょうどいいところに!」

皐月「なんだよ……」

墨染「ちょっと聞きたい事があるんですよ。悪いようにはしませんから答えてください」

皐月「……何が聞きたいんだ?」

墨染「この列車についてです」

皐月「この列車について?」

墨染「ほら、ボク達がこうしてこの列車に乗ってからもう十七日目じゃないですか」

墨染「その間この列車が止まった気配が全くありませんけど、燃料とかどうしてるんでしょう?」

墨染「皐月さんはその事についてどう思います?」

皐月「……」

そういえば、そうだな。
俺達が乗ってるこの列車が止まったのは、俺の知る限り学級裁判の時ぐらい。

だったらそれまでの間この列車は……

1…俺達が寝てる間にこっそり補給してるんじゃないか?
2…学級裁判の時に補給してるんじゃないか?

↓二

皐月「学級裁判の時に補給してるんじゃないか?」

墨染「だとすると少なくともこの列車は五日間は保つ燃料を使っていると」

皐月「そう、なるな」

墨染「さらにその間ずっと走りっぱなしなほど長い線路があると」

皐月「……ありえるのか?」

墨染「さあ?」

皐月「……あれ、そもそも列車は電気で走ってるんじゃないか?」

墨染「ボクも今までは普通に電気だと思って気にもしてなかったんですけど監視カメラやモニター、その他諸々の設備を考えるとどれだけ電気使うんだろうと思いまして」

墨染「で、黒幕はそれだけの電気や敷地を使えるわけですよね?」

皐月「……」

伊方の話といい、ますます黒幕がとんでもない人物な気がしてきたな……

墨染「意見ありがとうございます。お礼にボクの密着取材を受ける権利をあげましょう!」

皐月「いらない」

皐月「……」

電気、設備、線路に武器……
黒幕はいったいどれだけの力を持ってるんだ……
そしてそれだけの力を持つ人間がどうして俺達にコロシアイなんて……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔笹山、墨染は選べません〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

皐月「……んっ?」

クロード「だからオレじゃねえ。他を当たりな」

立木「……そうですか」

皐月「二人共、どうしたんだ?」

あんまり和やかな雰囲気じゃないけど……

クロード「タチキがオマエに三連続投票してるヤツを捜してるんだとよ」

皐月「えっ」

立木「墨染さんも物述さんもクロード君も……みんな違うって言ってます」

クロード「オレは正直に話してるぜ?」

立木「その言葉を私だって信じたいんですけど……」

皐月「……」

1…なんでそんな事をしてるんだ?
2…立木さんが誰かを疑う必要なんてない

↓二

皐月「……立木さんが誰かを疑う必要なんてない」

立木「皐月君……」

皐月「きっとそれがモノクマの望む展開なんだろうからさ。だからそんな風にしなくていいんだ」

立木「でも私は……」

皐月「立木さんのその気持ちだけで俺は嬉しい。だからもう誰かを疑うような事はしないでいいんだ」

立木「……」

クロード「……オマエは甘えな、サツキ」

クロード「……」

皐月「おっ、クロード……」

クロード「っ!」

皐月「わっ!?」

クロード「後ろに立つなって言わなかったか?」

皐月「わ、忘れてたんだ……謝るから首にある手を放してくれ」

クロード「ちっ……」

皐月「本当に後ろに立たれるのが嫌なんだな……」

クロード「ガンマンなんてしてりゃあ、後ろからの不意打ちなんざ散々あったからな。考えるより先に身体が動いちまう」

皐月「そうだったのか……」

クロード「今回はまだマシな方だ。いいか、次に立ったら死ぬと思っとけ」

皐月「わ、わかったよ」

クロード「……おう、お互いのためにそうしてくれ」

……お互いのため?

〔クロード・イーストウッドの通信簿が更新されました!〕

〔背中に立たれるのを嫌うのは今まで背後から襲われたから。
立たれると身体が勝手に動いてしまうらしいが……〕

開始します。

【十一号車・客室廊下】

皐月「……」

三人の中の誰かが俺に毎回投票していた……
立木さんの話だと三人共自分じゃないって言ってたらしいな……

つまり隠すつもりって事だ……いったいどうしてだ。

俺は殺人鬼として扱われてるわけだから、負の感情をぶつけてきてもいいはずなのに。

皐月「……」

わからない事が次から次へと出てくる。

クロードの言っていた殺気は陸海だったけど、カッターナイフの犯人はまだわかってない……
伊方が言っていたクロードの銃についても気になるし……

皐月「……」

ガチャッ

皐月「んっ?」

今どこかの扉が……開いた?

皐月「近かったな……」

なんだ?

何か……胸騒ぎがする。

【十号車・武器庫】

「……」

カチャッ

「……」

皐月「弾はないぞ、下田」

下田「っ!?」

皐月「……なあ、なんでこんな所にいるんだ」

下田「……」

皐月「……」

下田「……疲れたんだよ」

下田「リーダーなんて言っても、ぼくは何も出来ない。役立たずもいいところだ」

下田「耐えられないんだよ、もう誰かが殺すのも殺されるのも……」

下田「だから……」

皐月「自殺、する気だったのか」

下田「……皐月くんは優しいね」

皐月「いきなり脈絡がないぞ」

下田「だって銃を取りに来たんだよ。普通誰かを殺すんじゃないかって疑わない?」

皐月「俺をずっと信じてくれたお前がそんな事するとは思えないよ」

下田「……」

皐月「前に、夢さんに言われたんだよ」

下田「平野さん?」

皐月「自殺は立派な人殺しだって、さ」

下田「っ……」

皐月「……ごめん」

下田「えっ?」

皐月「俺は下田に頼りきってた。お前が俺を支えてくれたように俺だってお前を支えるべきだったんだ」

皐月「俺は……どこかで下田なら大丈夫だなんて思ってたのかもしれない」

下田「……」

皐月「だから……これからは俺に頼ってくれないか?」

皐月「リーダーとかそういうの関係なく、下田は仲間なんだから……」

皐月「今さらかも、しれないけど」

下田「……ははっ」

皐月「下田?」

下田「いや、ごめんね。もしもぼくが女の子だったら惚れ込んじゃいそうだなぁって」

皐月「……あのなぁ、俺は真面目な話をしてるんだぞ」

下田「だからごめんって。でも嬉しいよ」

下田「リーダーになってから一人で頑張らないといけないなんて考えてたからさ……」

下田「うん、馬鹿な真似はもうしないよ」

下田「ありがとう皐月……ううん、翼くん」

下田「ぼくも慧って呼んでよ。友達らしく、ね」

皐月「……わかったよ慧」

下田「それじゃあ早速翼くんには色々手伝ってもらおうかな!」

皐月「……お手柔らかにな」

ピンポンパンポーン

岩崎『ただ今より夜時間となります』

岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』

岩崎『それではよい夢を……』

皐月「つ、疲れた……」
点呼に医務室、遺品、倉庫、武器庫とかの点検……
慧は毎日あんな事一人でやってたのか……?

皐月「ますます頭が上がらないな……」

明日からは負担を少しでも減らすようにしないといけないな……

〔十八日目〕

皐月「んっ……」

ピンポーン

皐月「……」

ピンポーン

皐月「……はーい」

ガチャッ

下田「おはよう翼くん」

皐月「慧?どうしたんだ……」

下田「朝の見回りだよ。倉庫と武器庫、医務室とトレーニングルームに……」

皐月「そ、そんなにか?」

下田「幸いというか何というか、こういう危険な部屋はこっちに集中してるからね」

下田「一人じゃ無理だったけど二人なら朝の内に調べられるよ!」

皐月「……」

今は朝の五時半……慧、張り切るのはいいけど倒れないだろうな……


>>2-5から一人選んでください

↓二

【食堂車・レストラン】

皐月「ふあっ……」

石原「むっ?どうしたのだ皐月殿」

皐月「ちょっと早起きしたから眠くてさ……まあ、じきに慣れるよ」

石原「早起きは三文の徳というがこれから毎日早く起きるつもりか?」

皐月「やる事が出来たからな。大切な事だし、頑張ってみるつもりだよ」

石原「そうか……皐月殿の望みなら吾はとやかく言わん」

1…石原は早起きとか慣れてそうだよな
2…石原はいつぐらいに起きてるんだ?

↓二

皐月「石原はいつぐらいに起きてるんだ?」

石原「四時だな!」

皐月「……眠くならないのか?」

石原「毎日だと慣れるものだ。習慣になっているからな」

皐月「起きて何をしてるんだ?」

石原「トレーニング……とは言っても走り込みが出来ぬのが難点だがな!」

体育会系らしい答えだ……

皐月「これから医務室と武器庫の見回り……後は……」

やる事は山積みだな……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

皐月「えっと、武器庫の武器は変わりなしと……」

立木「皐月君、何してるんですか?」

皐月「ああ、立木さん。慧に頼まれてちょっと見回りをね」

立木「慧って下田君の事ですか?」

皐月「昨日色々あってさ、名前で呼ぶようになったんだよ」

立木「……」

皐月「立木さん?」

立木「えっ、あっ、な、なんですか?」

皐月「いや、なんだか急に黙り込んじゃったから……」

立木「な、なんでもありませんよ」

皐月「それならいいんだけど……」

1…そういえば、物述さんとは話してるのか?
2…何かあるなら言ってくれていいから

↓二

皐月「そういえば、物述さんとは話してるのか?」

立木「投票の事を聞いてから少しですけど……」

立木「でも物述さん、どこか様子が変なんです」

皐月「様子が変?」

立木「気がついたら私を見てるというか……」

皐月「立木さんを見てる……?」

立木「はい……いったいどうしてしまったんでしょう」

確かに気になるな……

皐月「立木さんはどんな経緯で〔超高校級の読書家〕として認められたんだ?」

立木「私が病気がちだった事は前に話しましたよね?」

立木「私はたくさん本を読んでたんですけど、ある時何となく今まで読んできた本の内容を全部メモしてみたんです」

立木「それが病院の目に留まって……周りが私にどんどん本を持ってくるようになって……」

立木「いつの間にか部屋一杯の本に囲まれる生活になってました」

立木「そのまま本をひたすら読んで、読んで……あれ?」

立木「私、それから……えっと……」

皐月「立木さん?」

立木「……あ、あの、ちょっとごめんなさい。また今度でいいですか?」

皐月「それはいいけど」

立木さん、どうしたんだ?

〔立木亜里沙の通信簿が更新されました!〕

〔超高校級の読書家として認められたきっかけは本の内容を全部メモしてみた事から。
他にも何かありそうだが……?〕

皐月「見回りは終わりと……」

これからどうするかな。

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔立木は選べません〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

お疲れ様でした。

本日はなしで。

また明日よろしくお願いします。

開始します。

物述「……」カリカリカリカリ

物述さんが何か書いてるな……

物述「……」カリカリカリカリ

皐月「……」

なんだか、鬼気迫るって雰囲気だけど……

1…後ろから覗いてみる
2…声をかける

↓二

声をかけてみるか……

皐月「物述さん」

物述「……」カリカリカリカリ

皐月「物述さん!」

物述「……皐月さん?何か用?」

皐月「いや、随分熱心に書いてたけど……何を書いてたのかなって思ってさ」

物述「別に……たいしたものじゃない。暇つぶしに書いていただけ」

物述さんは原稿用紙を丸めるとポケットに突っ込む……いったい何を書いてたんだ?

皐月「物述さんはどうして小説作家になろうって思ったんだ?」

物述「前提として、ワタシは自分からなろうと思って小説を書いたんじゃない」

物述「中学の頃文芸部にいた時、作っていた冊子に書いていた話……それを友人が勝手に賞に応募したの」

物述「どうせ落ちると思っていたけど、まさかの大賞で……是非本にしないかって」

皐月「もしかしてそれが」

物述「デビュー作の【希望の花束】。最もタイトルは改めてつけ直したんだけど」

皐月「へぇ、元々はどんなタイトルだったんだ?」

物述「【絶望の種から希望は咲く】」

皐月「なんだか印象変わるな……」

物述「だからつけ直したの」

タイトル一つで大変なんだな……

〔物述かぐらの通信簿が更新されました!〕

〔デビューのきっかけは友人に書いていた作品を勝手に応募されたため。
タイトル一つを取ってもなかなか苦労しているようだ〕

皐月「邪魔したかな……」

物述さんに悪い事したかもしれない。

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔立木、物述は選べません〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

伊方の所に行くか……

【バスルーム】

皐月「伊方」

伊方「報告か。何があった」

…………

伊方「なるほど。早速効果があったか……下田に関してはお前に一任しよう」

皐月「いいのか?」

伊方「俺よりは付き合いがあるんだ、お前の方が上手くやれるだろう」

伊方「しかし問題はまだまだ山積みだ。気は抜くなよ」

皐月「ああ」

伊方に何か聞いておくか……

1…伊方は一年間の事覚えてないのか?
2…伊方は何か他に知ってる事はないのか?

↓二

皐月「伊方は他に何か知ってる事はないのか?」

伊方「知ってる事か……ないわけではないが」

皐月「本当か!」

伊方「とは言ってもあくまでも情報としてだ。それでもいいなら話そう」

皐月「今は何でもいいから手がかりが欲しいんだ、頼む」

伊方「……美影は処刑前にある発言をしていた」

皐月「ある発言?」

たしか石原を助けてくれとは言ってた気がするけど……

伊方「【なんであなたがここに】」

皐月「は?」

伊方「美影は確かにそう言った。これが何を意味するか……わからないわけではあるまい」

皐月「……俺達の中の誰かがいるはずのない人間って事か」

伊方「最も、その後にさらに人数は減った。美影はもしかすると陸海や神崎の事を言っていたのかもしれない」

皐月「誰かはわからないって事か……」

まさか美影さんがそんな事を言ってたなんてな……

皐月「今の伊方は俺と話した事は知って、というか覚えてるのか?」

伊方「お前に限らず全ての会話は覚えている」

皐月「そ、そうか……そこまでプログラミングされてるのか」

伊方「前にも言ったが〔超高校級の希望〕になる過程で肉体を捨てる可能性も考慮はしていた。いざそうなってから知らない事があるなど避けたいからな」

皐月「……そこまでして〔超高校級の希望〕になりたいのはわかったけど、なって何をしたいんだ?」

伊方「〔超高校級の絶望〕に対する抑止力だ」

皐月「抑止力?」

伊方「いつまたあの江ノ島盾子のような存在が現れるかわからん。そのためには一人の〔超高校級の希望〕の威光だけでは心許ない」

伊方「新しい〔超高校級の希望〕が必要、俺はそう考えている」

皐月「だから自分がなろうって思ったのか」

伊方「そう教育されたからな」

皐月「教育って親にか?」

伊方「そうだ。どうやら俺の親はある人物から希望の素晴らしさを説かれたらしくてな……その思想に共感し、俺にもよく話していたよ」

伊方「〔超高校級の希望〕というものの偉大さをな」

〔伊方五右衛門の通信簿が更新されました!〕

〔超高校級の希望になる目的は超高校級の絶望への抑止力になるため。
そう両親から教育されてきた伊方は自分が殺される事すら考えて動いていたようだ〕

皐月「……」

自分が殺される事すら考えて……か。

すごいんだろうけど……少し怖いかもな。

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔選べるのは一人までです〕

〔立木、物述、伊方は選べません〕

↓二

墨染「ふんふんふふん……♪」

皐月「……」

また墨染が鼻歌を歌ってるぞ……

墨染「いやー、自由っていいですね」

皐月「まるで自由がなかったみたいな言いぐさだな」

墨染「実際なかったんですよ!いつもいつも笹山さんがボクをいじめてきましたからね!」

皐月「笹山さんが?」

墨染「そうですよ、全く。だけど今笹山さんは娯楽室に入り浸り……ボクは今、自由です!」

1…案外笹山さん、墨染の事お気に入りなのか?
2…いつもお前は自由じゃないか……

↓二

皐月「案外笹山さん、墨染の事お気に入りなのか?」

墨染「はい?」

皐月「だって笹山さん、興味ない事にはそもそも関わろうともしないじゃないか」

皐月「だから墨染の事は興味ないってわけではないんだと思ってさ」

墨染「…………」

皐月「あれ?どうした」

墨染「あはっ、あはは。そんな馬鹿な……」

墨染「ちょ、ちょっと失礼します」

皐月「……」


「あっ、笹山さん!あなたボクの事好きなんですね!?だからボクに意地悪してたんですね!」

「……おぞましい事を言わないで」

「またまた、そんな事言っても本心はわかってるんですよ~」

「何なの、これは。いったい何をどうすればこんな……」


皐月「……」

皐月「笹山さん、ごめん」

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

お疲れ様でした。

開始します。

皐月「墨染、お前いつもそんな事してて前の学校とかで嫌われなかったのか?」

墨染「うーん、特に心当たりはありませんね。無視とか机の上に花置かれてたぐらいはありましたけど?」

皐月「それ、いじめられてたんじゃないか……?」

墨染「子供みたいですよね。もちろん映像とかはしっかり残して教育委員会や家に送りつけました」

皐月「全然堪えてないのか?」

墨染「新聞部やってたら二重三重に対策しないとあっという間にお魚の餌ですし。それに比べれば花を置かれるぐらいは」

皐月「……」

強いというか、何というか……

墨染「ふふん、それにしても皐月さん。ボクの事を知りたいなんて心を許してきましたね?」

皐月「は?」

墨染「もう少ししたら独占インタビュー出来そうで何よりです♪」

皐月「……しばらく墨染とは話さない事にする」

墨染「なんでですか!?」

〔墨染優里の通信簿が更新されました!〕

〔いじめられても全くへこたれない墨染。
命の危険に晒されてきた経験がそうさせているようだ〕

皐月「そろそろ夕飯だな。手伝いに行かないと」


【食堂車・厨房】

皐月「あれ?」

墨染「~~♪」

立木「あっ、皐月君もお手伝いに来てくれたんですね」

皐月「俺もって……まさか墨染もそうなのか?」

石原「うむっ、列車が事故を起こさなければいいのだが……」

皐月「事故が起きるかはともかく、なんでそんな事を……」

立木「わかりません……でも張り切ってるみたいですよ?」

皐月「んー……?」

あっ、まさか……

【食堂車・レストラン】

墨染「ふふん、どうぞ」

笹山「……は?」

墨染「ボクの手料理です♪ふふん、嬉しいでしょう笹山さん」

笹山「なに、私に死ねって?」

墨染「嬉しさのあまりショック死しちゃいますか!」

笹山「誰が、いつ、そんな事を言ったかしら……」

墨染「照れなくていいんですよ!笹山さんがボクをどう思っているかはもうわかってますから!」

笹山「なんなの、この話がまるで噛み合ってない感覚は……」

墨染「あっ、そうだ」

墨染「……ミチルさん♪」

笹山「っ!?」

墨染「なんだか照れちゃいますね♪」

笹山「……」

笹山さんが震えながら俺達を見てくる。
どこか目が潤んでいるあんな笹山さんは初めて見た……

笹山「部屋に、戻るわ……」

墨染「体調が悪いんですか?ならボクが看病してあげましょう!」

笹山「……」

あっ、笹山さんが走り出した……

墨染「あっ、ちょっと待ってくださいよ!ふふん、素直じゃないですね♪」

そして墨染もそれを追っていった……

下田「……仲が良くなった、のかな?」

石原「う、うむ……」

クロード「な、何なんだありゃあ……」

モノクマ「うわあ……」

立木「何かあったんでしょうか……?」

物述「……あれはもう、恐怖を感じるレベル」

皐月「……」

笹山さん、本当にごめん……!

皐月「……んっ?」

今、モノクマがいなかったか?

皐月「……気のせいか」


「ミチルさん!体調悪いなら動かない方がいいですよ!」

「なんでこんな事になったの……!」


皐月「……」

バレたら、俺殺されるかもな……

下田「あー、墨染さんがあんなに笹山さんに懐いたのはそういう理由だったんだね」

皐月「なんか凄く悪い事をした気分だ……」

下田「ま、まあ、もしかしたらあれで墨染さんもおとなしく……なるかな?」

皐月「絶対に笹山さんが耐えきれない」

下田「だよね……でもさ」

皐月「でも?」

下田「翼くんの言う事にも一理あるとは思うんだ。笹山さん、最初はみんなの名前すら覚えてなかったのに」

皐月「……」

下田「みんな変わってきてるのかもね」

下田「それがいい方向に進めば……ぼくはそう思うよ」

皐月「……そうだな」

下田「そのためにもしっかり見回りしないとね!頑張ろう、翼くん!」

ピンポンパンポーン

岩崎『ただ今より夜時間となります』

岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』

岩崎『それではよい夢を……』

皐月「……」

みんな変わってきてる、か……

もし内通者がいるなら、そいつも変わってるんだろうか……

〔十九日目〕

ピンポーン

皐月「慧が来たみたいだな」

ガチャッ

下田「やあ、翼くん」

皐月「見回りだろ?準備は出来てるから行こう」

下田「うん、それじゃあ今日は倉庫から行こうか」

…………

皐月「ふああ……」

下田「大丈夫?」

皐月「ダメだ、眠い……今日は朝食はやめとくよ」

下田「わかった、みんなには言っておくよ」

〔前日一人を四回選んだため、朝食選択はありません〕

皐月「……んっ」

よく寝た……そろそろ部屋から出るかな。

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

皐月「……あっ」

笹山「……」

皐月「笹山さん」

笹山「っ……皐月」

皐月「隠れてたみたいだけど墨染から逃げてたのか?」

笹山「そうよ。いきなりあんなわけのわからない行動されれば逃げたくもなるわ」

皐月「……」

まさかあの墨染があそこまでになるとは思わないよな……

1…もし原因がわかったらどうするんだ?
2…昨日は墨染から逃げ切れたのか?

↓二

皐月「昨日は墨染から逃げ切れたのか?」

笹山「一旦はね。その後バスルームに行ったら押し掛けてきたけれど」

笹山「挙げ句の果てに一緒に寝るなんて言い出して大変だったわね……」

そ、そこまで……

笹山「いったいなんであんな風になったのかしら……っ!」


「ミチルさーん♪」


笹山「来たっ……皐月、私がここにいた事を言ったら承知しないわよ」

皐月「わ、わかったよ」

笹山さんはそのままどこかに行ってしまった。

直接謝った方がいいんだろうか……

皐月「笹山さん、あの後大丈夫だったのか……?」

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔笹山は選べません〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

【娯楽室】

クロード「ほら、オマエの番だぞイシハラ」

石原「む、むうっ……ま、待ったはありか?」

クロード「なしに決まってんだろ……」

皐月「二人共何してるんだ?」

クロード「オセロだよ。イシハラがこれなら出来るって言うからな」

皐月「戦績は?」

クロード「オレの全勝……つうかイシハラが弱すぎるんだよ」

石原「むぐっ……」

1…そんなにひどいのか
2…クロードが得意だからじゃないのか?

↓二

皐月「そんなにひどいのか」

クロード「見てみりゃわかるさ」

石原「ここか……!」

クロード「ほらよ」

石原「ぬおおっ!?」

一枚取ったら三枚持ってかれてる……

石原「な、ならばここか……!」

クロード「なんでそこなんだよ……」

石原「うおおっ、角を……!」

いや、石原もいけただろ……

クロード「……とまあ、こんな感じだ」

石原「ぐううっ、また盤が一色に……!」

またって……

石原「クロード殿、もう一勝負を……!」

クロード「もう少し強くなってからにしてくれ」

石原がクロードとやり合えるようになるには相当骨が折れそうだな……

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

お疲れ様でした。

開始します。

皐月「石原はこっちが負ける方が難しいんじゃないか……」

あの後俺も全勝だったし……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔選べるのは一人までです〕

〔笹山、石原、クロードは選べません〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

墨染「うーん、見つかりません……」

皐月「……」

墨染「あっ、皐月さん!ミチルさん見ませんでしたか!?」

皐月「……いや、知らないな」

墨染「そうですか。照れてないで出てきてくれてもいいんですけど」

皐月「……」

墨染「ふふん、待っててくださいねミチルさん♪」

1…なんで急に笹山さんを追いかけだしたんだ?
2…あんまり笹山さんに迷惑かけるなよ……

↓二

皐月「なんで急に笹山さんを追いかけだしたんだ?」

墨染「皐月さんに言われて気付いたんですよ」

墨染「今までのミチルさんの言動一つ一つはボクへの愛情表現だったんだって!」

皐月「……」

墨染「そうわかったらミチルさんが物凄く可愛く見えちゃいまして」

墨染「両親以外でボクを好きになってくれたのはミチルさんが初めてですし……ふふん、ボクもドキドキしてるんですよ?」

墨染「女の子同士なのは予想外でしたけどね。まあ、ボクはそういうのこだわらないんで問題ありません!」

皐月「……」

俺の言葉でこんな事になるなんて……

墨染「あーーーーーっ!」

皐月「な、なんだ!?」

墨染「ミチルさん見つけました♪待ってくださーい!」


墨染って、思い込み激しいんだな……

ピンポンパンポーン

皐月「……!」

モノクマ「オマエラ!第二号車サロンに今すぐ集合!」

モノクマ「遅刻したらおしおきだからね!」

皐月「……」

まさかこれは……!

【第二号車・サロン】

下田「……おそらく今回も動機だね」

立木「ううっ、今度はどんな……」

皐月「……」

笹山「……ちょっと墨染、この手はなに?」

墨染「ミチルさんが不安にならないようにしてるんです♪」

物述「通常運転……」

クロード「ったく、どうでもいいからさっさとしろよ……」

石原「今度こそ吾らは負けてはならん……!」

モノクマ「いやっほーう!オマエラ集まって……」

モノクマ「ないじゃん!」

石原「むっ?いや、全員集まっているではないか」

モノクマ「いやいや、仲間外れは良くないよ石原クン」

モノクマ「というわけであらよっと!」

そう言ってモノクマがサロンのソファーに投げたのは……

伊方「……ちっ」

皐月「伊方!?」

伊方がいるパソコンだった。

下田「い、伊方くん?」

モノクマ「全くまさかこんな形で生きてたなんてボクもビックリ!」

モノクマ「伊方クンと来たらパソコンも気付かれないように持ち出して……とんでもない奴だね!」

モノクマ「内通者がこそこそしてる皐月クンに気付いてなかったら危なかったよ」

モノクマ「というわけでオマエラ、伊方クンは生きてるから仲間外れにしないように!」

石原「伊方殿、これは……!」

伊方「ふん、俺の事は後で話す……それより今の発言の方が問題だ」

伊方「モノクマ、内通者の存在を明かすつもりか?」

モノクマ「オマエラだって薄々は気付いてたみたいだからね!今ここに宣言するよ!」

モノクマ「オマエラの中に……内通者がいまーす!」

モノクマ「そしてそして……」







モノクマ「内通者は近日中にコロシアイをします!」






皐月「なっ……!」

モノクマ「オマエラもそろそろ停滞する頃だろうから内通者に動いてもらう事にしたよ」

モノクマ「つまり今回は内通者さえわかれば簡単に犯人がわかるイージーモード!」

モノクマ「ボクって優しいよね、うぷぷ」

笹山「どこが……」

クロード「……」

モノクマ「そういうわけなんで内通者には気をつけてね!」

モノクマ「返り討ちにしてもいいよ、それはそれで面白いから!」

モノクマ「うぷぷ、じゃーねー!」ピョーン!

モノクマがはっきりと明かした内通者の存在。

そして内通者が……近日中にコロシアイをする。

それは間違いなく、俺達に新しい暗雲をもたらしていた。

ピンポンパンポーン

岩崎『ただ今より夜時間となります』

岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』

岩崎『それではよい夢を……』

皐月「……」

あれから俺達は部屋に戻っていった。

伊方はみんなにバレた以上、隠す意味もないって事で娯楽室にいる。

内通者……いったい誰なんだ……

明日早いんで本日はここまで。

近日中に事件発生になります。

それではお疲れ様でした。

開始します。

〔二十日目〕

皐月「……」

下田「あれ?」

皐月「おはよう慧」

下田「廊下で待っててくれたの?」

皐月「なんだかいてもたってもいられなくてさ。慧だって早いじゃないか」

下田「ぼくも同じだからね」

皐月「……慧は内通者をどうするんだ?」

下田「出来れば手荒な事はしたくないよ。だけどいざという時は……拘束するしかないかもね」

皐月「拘束か……」

下田「その時は翼くんもよろしくね」

皐月「まあ、頑張ってみるよ」

慧の言うとおり手荒な事をせずにすむなら、それが一番だけどな……

>>2-5から一人選んでください

↓二

皐月「……」

立木「皐月君、大丈夫ですか?」

皐月「えっ?」

立木「下田君もですけど、今日は五時前に起きてたって聞きましたから……」

皐月「それなら大丈夫だよ、ここに来てから寝るのも早いし」

立木「……皐月君も下田君もすごいです」

皐月「そう、かな」

立木「あ、あの私もお手伝いします!」

皐月「えっ?」

立木「私も二人と一緒に見回りします!寝るのはサロンを使えば……」

皐月「ちょ、ちょっと待ってくれ。一緒にって朝の見回りをって事なのか?」

立木「はい!」

1…いや、そこまでさせるわけには……
2…いくらなんでも危険だよ

↓二

皐月「いくらなんでも危険だよ」

立木「それは二人だって……」

皐月「俺達は部屋にいるけど、立木さんはサロンにいるつもりなんだろう?」

皐月「危険の度合いが全然違うじゃないか」

立木「それは……」

皐月「立木さんは他の事で十分助けになってるから……だからこっちは俺達に任せてほしい」

立木「……私、助けになってますか?」

皐月「もちろん」

立木「……わかりました、無理を言ってごめんなさい」

皐月「わかってくれたなら、それでいいよ」

皐月「……内通者が誰かわかれば簡単なんだけど」

今はとにかく警戒するしかないな……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔伊方は一人でしか選べません〕

↓二

クロード「……」ピンッ

皐月「クロード」

クロード「サツキか、なんか用か?」パシッ

皐月「いや、またやってるんだなって思ってさ」

クロード「日課なんだからそりゃやるさ」

クロードは銃を持ってるって伊方は言った。
もしクロードが内通者なら……

1…クロードは、人を撃った事があるんだよな?
2…クロードは武器庫の銃から何かわかったりしないのか?

↓二

皐月「クロードは武器庫の銃から何かわかったりしないのか?」

クロード「わかってんならとっくに言ってるっての」

クロード「残念ながら期待には添えねえよ」

皐月「それもそうか……」

クロード「話がそれだけならオレは行くぜ」

皐月「あ、ああ」

クロード「サツキ」

皐月「……?」

クロード「……なんでもねえ」

クロード……?







クロード「やっと来たぜ……表がよ」






皐月「クロード……何か変じゃなかったか?」

何もなければいいんだけど……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔クロードは選べません〕

↓二

皐月「……?」

書庫の方から何か声が……


物述「だからもう、これ以上は……」

立木「なんでそんな事言うんですか!?」


物述さんと立木さんが言い争ってる……?

皐月「二人共、何を……」

俺がとにかく書庫に入ろうと扉に手をかけた直後……それは聞こえた。

立木「皐月君は絶対内通者なんかじゃありません!」

えっ?

今の、どういう……

物述「なぜわかってくれないの……だったらどうして彼はナイフなんて隠し持っていたの?」

立木「それはきっと何か理由が……」

物述「ろくな理由があるとは思えない。彼はやはり危険よ」

物述「そもそもナイフをそのまま放置さえしてなければ、それを使われる事だってなかったんじゃないの?」

物述「下田さんにでも渡しておけば……伊方さんは殺されなかったかもしれない」

皐月「……!」

1…その場から離れる
2…その場に立ち尽くす

↓二

皐月「……」

動けなかった。
確かにあのナイフをさっさと慧や伊方にでも渡してしまえば……あんな事にはならなかったんじゃないか?

伊方だけでも、助けられたんじゃ……

物述「だからあり……」

パンッ!

物述「っ……!」

立木「はぁ、はぁ……それ以上……」

立木「私の好きな人を馬鹿にしたら許しません!」

皐月「えっ?」

立木「私を助けてくれた、私に勇気をくれた人を……侮辱しないでください!」

立木さんが出てくる気配がして思わず隠れる。
チラッと見た立木さんの横顔には、涙がはっきりと浮かんでいた。

物述「……しても、知らないから……」

物述さんはそのまま書庫にいるつもりみたいだ……本を動かす音が聞こえる。

皐月「……」

部屋に、戻ろう……

皐月「……」

なんだかゴチャゴチャして考えがまとまらない……

〔自由行動を開始します〕

>>2-5から選んでください。

〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕

〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕

〔選べるのは一人までです〕

↓二

本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

お疲れ様でした。

開始します。

今回で事件発生まで行くと思います。

伊方「……なんだ」

皐月「えっ?」

伊方「俺の所に来たかと思えば黙ったまま。何か話す事があるんじゃないのか」

皐月「……」

1…クロードの事を話す
2…物述と立木の事を話す

↓二

皐月「なあ、伊方」

皐月「伊方は俺を恨んでないのか?」

伊方「なんだと?」

皐月「さっきの事なんだけど……」

俺は物述さんと立木さんの会話について話した。
それを聞いた伊方の反応は……

伊方「くだらん」

それだけだった。

皐月「いや、くだらんって……」

伊方「俺が恨むような相手に自分の事をまかせるわけないだろう」

伊方「それに恨みに囚われているようでは〔超高校級の希望〕になどなれん」

伊方「お前の考えている事はただの杞憂だ」

皐月「伊方……」

伊方「ふん、そんな事で悩む暇があるなら内通者への対策を考えておくんだな」

皐月「……んっ?」

扉の下に何か挟まってるぞ……

皐月「……紙?」

【今夜九時多目的ホールに来い。
来なかったり他言した場合はお前の大切な人間を殺す】

皐月「……!」

これは、呼び出し状……

他言したら俺の大切な人を殺す……

皐月「……」

これはきっと内通者が出した物のはず……

皐月「……」

行くしか、ない。

みんなが危険な目に遭うなら……その方が俺は嫌だ。

皐月「……多目的ホール、か」

間違えた、【多目的ホール】じゃなくて【多目的室】です。

【六号車・多目的室】

皐月「……」

ガチャッ

九時。
多目的室に来た俺を待っていたのは真っ暗な部屋だった。

皐月「電気がついてない……誰もいないのか」パチッ

電気をつけても誰もいない。

皐月「……」

やっぱり誰もいないのか?

皐月「呼び出しておいてなんなんだ……」

俺が拍子抜けしたその時……背後から音がした。

皐月「えっ?」







プシュー!

皐月「うあっ!?」






目が、目が見えない……!

皐月「うっ、くうっ……」

これは、催涙スプレー……!?

なんでだ、催涙スプレーはさっき武器庫を確認した時全部あったのに!

混乱する俺をよそに催涙スプレーを噴射してきた誰かが何かを構えているのがボンヤリと映る。

俺、死ぬのか……

抵抗したくても目の痛みがそれを許してくれない。
それどころか意識が遠のいていくのがわかってしまう。

皐月「く、そ……」

「…………」

そして……







ガチャッ!

バンッ……!


バンッ……!

俺がはっきりと聞いたのは、そこまでだった。






〔二十一目〕

ピンポンパンポーン

岩崎『おはようございます。朝七時になりました』

岩崎『皆様、食堂車にお集まりください』

石原「むっ、もうそんな時間か。すまんな伊方殿」

伊方「構わん、貴様の練習に付き合う程度なら造作もない」

石原「ふははっ、かたじけない!おっと、食堂車に伊方殿も行くのか?」

伊方「そうさせてもらおうか」

石原「では行くとしよう!」

伊方「乱暴に扱うなよ」

石原「善処しよう!」

石原「うむっ、今日も絶好のカレー日和だな」

伊方「そんな事より皐月はいないのか」

石原「おぉ、確かに……それに――殿もいないな」

伊方「……まさか」

「きゃあああああああっ!」

石原「むうっ!?」

伊方「近い、六号車か!?」

石原「まさか内通者が動いたというのか!?」

伊方「とにかく行くぞ!」

【六号車・多目的室】

……何か、聞こえる。

これは、悲鳴?

皐月「うっ……」

目が、痛い……でも、なんとか開くか……

俺は、助かったのか。

「こ、これは!?」

「……ちいっ!」

石原と伊方の、声?

皐月「……」

あ、れ?

なんか重いぞ……

誰かが、俺の上にいる?







【目をゆっくりと開くと、石原と伊方、それに物述さんが立っているのが見えた】

皐月「……?」

【そして俺に覆い被さるようにして、いる……】

皐月「……」

【嘘だ】

【こんなの嘘だ】

【俺に覆い被さるその背中から血が流れている事なんて信じない】

【その身体がもう冷たいなんて信じない】

皐月「……嘘、だ」












【超高校級の演劇部】

【そして俺の親友】

【下田慧が死んでるなんて】

皐月「こんなの嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


【俺は信じない】






ピンポンパンポーン…!






モノクマ「死体が発見されました!」

モノクマ「一定の捜査時間の後学級裁判を行いまーす!」












STATION4〔裏切りの銃弾は××を貫く〕



STATION4〔裏切りの銃弾は親友を貫く〕






本日はここまで。

今回の被害者は下田慧クンでした。

次回捜査を開始します。

本日はなしでお願いします。

開始します。







STATION4【裏切りの銃弾は親友(とも)を貫く】非日常編






皐月「なんで、なんで慧が……」

慧が、殺された。

あんなにコロシアイをさせないために頑張っていた慧が……

石原「皐月殿!」

伊方「どうやら、殺されたのは下田一人のようだな……」

物述「……」

立木「な、なんですか今の悲鳴……えっ、下田君、皐月君!?」

笹山「とうとう、下田まで……」

墨染「見回りとかしてましたしねぇ……」

クロード「なんて、こった……」

モノクマ「とうとうリーダーが殺されてしまいましたね!」

皐月「モノ、クマ……!」

モノクマ「今回は特に言う事はございません!」

モノクマ「前に言った通り今回はイージーモードだからね!」

モノクマ「じゃ、モノクマファイルは置いていくから頑張ってちょうだい!」ピョーン!

皐月「……」

イージーモード……つまり慧は。

内通者に、殺されたのか。

皐月「…………」


     【捜査開始】

皐月「……」

【被害者は下田慧。
死体発見現場は六号車・多目的室。
死因は銃による射殺。
死亡推定時刻は昨日の午後九時半頃。
手のひらに火傷の痕がある】

これが慧の……

コトダマ[|モノクマファイル5>を手に入れました。
【被害者は下田慧。
死体発見現場は六号車・多目的室。
死因は銃による射殺。
死亡推定時刻は昨日の午後九時半頃。
手のひらに火傷の痕がある】

1…調べる【下田の死体】
2…調べる【血だまり】
3…調べる【大型冷蔵庫】
4…話す【立木】
5…話す【物述】

↓一

皐月「……」

なんでなんだろうな。

慧の死体を見てるはずなのに、全く絶望してる感じがしない。

悲しいのに、犯人をこの手で殺してやりたいぐらいなのに……

皐月「……」

俺、もしかしてどこかおかしいんじゃないか……?

皐月「……今考える事じゃない、か」

慧の死体にはお腹と背中、それぞれに穴が空いて……お腹の方は少し焦げてる。
これってもしかしなくても銃で撃たれた痕だよな……

皐月「手には確かに火傷した痕があるな」

見張りの時にはこんなのなかったはずだから……殺された時についたのか?

皐月「……あれ?」

慧が何か口の中に入れて……ビニール?

コトダマ[|下田の死体>を手に入れました。
【下田の死体には腹部と背中、二つの銃痕がありお腹の方には少し焦げた痕があった】

コトダマ[|下田の手>を手に入れました。
【下田の手には火傷した痕があった。
皐月の覚えている限り事件前にはなかった物】

コトダマ[|ビニール片>を手に入れました。
【下田の口の中にあったビニール片】

1…調べる【血だまり】
2…調べる【大型冷蔵庫】
3…話す【立木】
4…話す【物述】

↓一

立木「あ、あの皐月君……その血」

皐月「多分慧の血だよ……俺は怪我一つしてないし」

せいぜい目が痛いぐらいだ……

立木「……それにしては、なんだか量が多くありませんか?」

皐月「えっ?」

立木「皐月君が怪我してないなら、この服についてる血の量はちょっと多い気がします」

血の量が多い……?

コトダマ[|皐月の服>を手に入れました。
【皐月の服には血がベッタリとついている。
皐月は怪我などはしていないが、それだと血の量が多いようだ】

1…調べる【血だまり】
2…調べる【大型冷蔵庫】
3…話す【物述】

↓一

皐月「すごい血の量だ……」

笹山「あまり踏み込んで荒らさない方がいいわね。墨染、あなただけで調べなさい」

墨染「ボクがですか!?さ、さすがにちょっと……」

笹山「重大な手がかりを見つけたらあなたを名前で呼んであげてもいいわ」

墨染「……!」


笹山「さて、あちらは任せて違う場所を調べるわよ」

いくらなんでも、それで血だまりは調べ……

墨染「なるべく踏まないように、踏まないように……」

るのか。

笹山「皐月、ちょっと来なさい」

皐月「あ、ああ」

笹山「あの血だまりから離れた所にも少量だけど血が落ちていたわ。手がかりになるんじゃないかしら」

皐月「本当だ……」

なんでこんな離れた場所に血痕があるんだ?

墨染「ミ、ミチルさーん。なんかありましたよー」

笹山「ビニール?何か入れていたみたいね」

墨染「破けてるんですけど何が入ってたんでしょう?」

破けてるビニール……?

墨染「あの、ところでミチルさん」

笹山「他に手がかりがないか見なさい、話はそれからよ」

墨染「はーい……」

コトダマ[|離れた血痕>を手に入れました。
【血だまりから離れた場所にあった血痕】

コトダマ[|破けたビニール>を手に入れました。
【血だまりの中に落ちていたビニール。
破けているようだが……】

1…調べる【大型冷蔵庫】
2…話す【物述】

↓一

明日早いので本日はここまで。

また明日よろしくお願いします。

短いですが再開します。

皐月「この冷蔵庫、なんか気になるな……」

中には……何も入ってない。
電源を抜いておけば人一人ぐらい、隠れられそうだな。

皐月「多分犯人はこの冷蔵庫に隠れてたんだ……」

そして俺が来るのを待っていた……

だけど、そこまでしてたのになんで俺を殺さなかったんだ?
少なくともこの多目的室は防音のはずなのに……

コトダマ[|大型冷蔵庫>を手に入れました。
【多目的室にある大型の冷蔵庫。
犯人はここに隠れ、皐月を襲撃したと思われる】

コトダマ[|犯人の狙い>を手に入れました。
【犯人は皐月を呼び出し襲ったが、結局皐月を殺さなかった】

コトダマ[|部屋の防音>を手に入れました。
【新しく開放された多目的室、娯楽室、武器庫は防音処理がされている】

物述「なんで、なんでこんな事に……」

皐月「……」

物述さん、震えてるな……

皐月「物述さん、ちょっといいか?」

物述「……な、に?」

皐月「第一発見者は物述さんみたいだから話を聞かせてほしいんだ」

物述「あ、ああ……大した話じゃないけれどそれでもいいなら」

物述「食堂車に行こうとした時に、多目的室の扉が少し開いていたの」

物述「気になって中を覗いたら……あなたと下田さんが血まみれで……思わず悲鳴をあげてしまって」

皐月「部屋の扉が開いていた……」

犯人は慌ててたのか?

コトダマ[|物述の証言>を手に入れました。
【朝食堂車に行く途中、多目的室の扉が開いていたため中を覗いたら皐月と下田がいたのを目撃した】

立木「あの皐月君……とりあえず着替えた方がいいんじゃ」

確かに、血まみれの服を着たままっていうのも……

皐月「わかった、着替えてくる」

物述「見張りはどうするの……クロードさんはいなくなってしまったけれど」

立木「私がやります……」

石原「ならば吾が……」

伊方「物述、お前がやれ」

物述「ワ、ワタシが?」

伊方「石原は俺の手足になってもらう。どうやらお前は今まで以上に動揺しているようだ……見張りが関の山だろう」

物述「……わかっ、た」

伊方「石原、行くぞ」

石原「承知した!」

笹山「……私も行くわ。じゃあね」

墨染「待ってくださいよミチルさーん!」

……俺も行くか。

1…調べる【皐月の部屋】
2…調べる【武器庫】
3…調べる【娯楽室】
4…話す【伊方&石原】
5…話す【笹山&墨染】

皐月「……ふう」

とりあえず服は着替えたけど……

皐月「あれ?」

……ない!

俺を呼び出したあの呼び出し状がどこにもない!

皐月「確かもらった後にポケットに突っ込んで肌身離さず持ち歩いてたのに……」

多目的室に行く前にもあったのは確認してるから……

もしかして犯人が持っていったのか……?

コトダマ[|呼び出し状>を手に入れました。
【皐月を多目的室に呼び出した手紙。
事件が起きる直前まで持っていたが、なくなっていた。
内容は〔今夜九時多目的ホールに来い。
来なかったり他言した場合はお前の大切な人間を殺す〕】

1…調べる【武器庫】
2…調べる【娯楽室】
3…話す【伊方&石原】
4…話す【笹山&墨染】

↓一

訂正

コトダマ[|呼び出し状>
【皐月を多目的室に呼び出した手紙。
事件が起きる直前まで持っていたが、なくなっていた。
内容は〔今夜九時多目的ホールに来い。
来なかったり他言した場合はお前の大切な人間を殺す〕】



コトダマ[|呼び出し状>
【皐月を多目的室に呼び出した手紙。
事件が起きる直前まで持っていたが、なくなっていた。
内容は〔今夜九時多目的室に来い。
来なかったり他言した場合はお前の大切な人間を殺す〕】

皐月「武器庫の物は……やっぱり減ってないな」

でもなんでだ?

今回使われたのは銃、それに催涙スプレー……

だけど武器庫からはそのどちらもなくなってない。

いったいどういう事なんだ……

コトダマ[|凶器の入手経路>を手に入れました。
【武器庫から武器は持ち出されていない。
しかし皐月襲撃には催涙スプレーが、下田殺害には銃が使われていた】

1…調べる【娯楽室】
2…話す【伊方&石原】
3…話す【笹山&墨染】

↓一

昨日は寝落ちしました。
再開します。

皐月「娯楽室には何かあるか……」

テーブルの上に表があるな。

皐月「伊方と石原がオセロをしてたみたいだな……結果は石原の全敗か」

昨日の夕食後からずっとやってたのか……クロードも九時頃から一時間ぐらいいたみたいだな。

皐月「そうなると、三人はアリバイがあるって事か……」

コトダマ[|オセロの勝敗表>を手に入れました。
【伊方と石原のオセロの勝敗を表記した物。
夕食後からずっと行っており、九時頃から一時間ほどクロードも参加していたようだ】

1…話す【伊方&石原】
2…話す【笹山&墨染】

↓一

皐月「石原、伊方」

伊方「皐月か。ちょうどいいところに来た」

石原「伊方殿が皐月殿の話を聞きたいらしい」

皐月「……わかった」

…………

伊方「なぜ一人で行動したかは問うつもりはない」

伊方「そんな事を今さら議論しても下田は喜びはしないだろうからな……」

伊方「だが皐月。その代わりにお前には思い出せる限りの事を思い出してもらうぞ」

皐月「俺も、そのつもりだ」

伊方「いいだろう。石原、今の皐月の話から気になった事はあるか」

石原「うむっ……やはりなぜ犯人は皐月殿を殺さずにおいたのかが気になる」

やっぱりそこだよな……

伊方「扉が開く音と二つの銃声……下田が皐月を庇ったのか、それとも……」

皐月「それともって、他に何かあるのか?」

伊方「とにかく一つ気になる事がある」

伊方「下田の部屋も捜査する必要がありそうだな」

慧の部屋を……?

コトダマ[|二つの銃声>を手に入れました。
【皐月が意識を失う直前、二つの銃声らしき音が聞こえた】

墨染「うーん」

笹山「無駄骨だったみたいね」

皐月「二人共、医務室で何してるんだ?」

笹山「あら皐月……犯人が怪我した可能性を考慮して包帯とかが減ったか確認していたのよ」

皐月「無駄骨だったって事は減ってないのか」

笹山「そうね。時間を無駄にしたわ」

墨染「ミチルさん、落ち込まないでください!ボクだけはその捜査を無駄なんて思いませんから!」

笹山「そもそもきっと手がかりがあるからと医務室に人を連れ込んだのは誰かしら?」

墨染「すみません、ボクです」

……笹山さんには素直だな。

コトダマ[|医務室の物品>を手に入れました。
【医務室の包帯などは減っていなかった】

皐月「……」

慧の部屋に行ってみるか。

【八号車・下田の部屋】

皐月「……!」

クロード「……よぉ」

クロード……
なんでクロードがここにいるんだ……?

1…調べる【下田の部屋】
2…話す【クロード】

↓一

皐月「クロード……なんでここに」

クロード「貸した物を取りに来たんだよ」

皐月「貸した物……?」

クロード「これさ」

そう言ってクロードが見せてきたのは……

皐月「銃……!?」

クロード「オレはこいつをシモダに貸したんだよ」

クロード「弾は一発だけ入ってたが……今見たら弾はなくなってやがった」

皐月「……」

クロード「……もしかしたらよ」

クロード「シモダが死んだのはオレのせいかもな」

コトダマ[|クロードの銃>を手に入れました。
【下田に貸したというクロードの銃。
弾は一発だけ入っていたが今はないらしい】

皐月「慧の部屋には演劇用の小道具とかがあるな……」

えっとボールに作り物の刀に台本、服に筆記用具に包帯……
包帯はほとんど使ったみたいだな、少ししか残ってない。
あっ、電子生徒手帳まであるぞ……

皐月「あれ?」

何か足りないような……気のせいか?

皐月「他には……」

ベッドには……っ!?

皐月「なんでこんな物が……!」

コトダマ[|電子生徒手帳>を手に入れました。
【下田の部屋にあった電子生徒手帳】

コトダマ[|包帯>を手に入れました。
【下田の部屋にあった包帯。
ほとんど使われている】

コトダマ[|下田の部屋>を手に入れました。
【下田の部屋にはボールや作り物の刀に台本、服に筆記用具などがあった。
何かが足りない気がするが……】

コトダマ[|カッターの刃>を手に入れました。
【下田の部屋のベッドの枕元にあった物】

ピンポンパンポーン

モノクマ「うぷぷ、今日は絶望、明日も絶望」

モノクマ「新しい絶望へ止まりましょう!」

モノクマ「まもなく第四学級裁判場駅、第四学級裁判場駅ー」

モノクマ「揺れにお気をつけくださーい!」

モノクマの放送の後、少し揺れて……列車は止まった。

皐月「……」

最後に……

【多目的室】

皐月「慧……」

もう慧は動かない……
もし脱出出来たら、色々としたい事がたくさんあった。
こんな見回りとかだけじゃなくて、もっと普通の……友達らしい事が……

皐月「……」

行こう。

必ず慧を殺した犯人を……

皐月「……」

内通者、か……

コトダマ[|内通者>を手に入れました。
【モノクマに協力している存在で正体は不明。
今回の動機ではコロシアイをするように言われていたようだが……】

【第四学級裁判場駅】

列車から降りると俺は一目散に扉に向かう。

そして開いた先にあったのは……

真っ暗闇。

ポツポツと蝋燭の明かりに照らされだす……そんな場所だった。

モノクマ「今回のテーマは【一寸先は闇】だよ!」

モノクマ「うぷぷ、それでは席についてください!」

モノクマ「伊方クンは……石原クンと一緒にいてもらおうかな!」

席について目を閉じる。

下田慧……俺を信じて、俺を友達だと言ってくれた。
俺にとって、いや、きっとみんなにとってもかけがえのない存在だった。

伊方「銃、か」

笹山「犯人は内通者なのかしらね……」

墨染「もう四回目なんですね」

そんな慧を殺したクロ。
俺は必ず見つけだしてみせる。

石原「下田殿……!」

立木「下田君が殺されるなんて……」


それが今の俺に出来る事だから。

物述「まだ、信じられない……」

クロード「……」

内通者にしろ、そうでないにしろ……

皐月「必ず、この事件だけは……!」

隠れてたって絶対に引きずり出してやる……

絶対に……







犯人に俺を生かした事、後悔させてやるからな……!






本日はここまで。

次回学級裁判スタートです。

それではお疲れ様でした。

本日はなしでお願いします。

[|コトダマ一覧>

・[|モノクマファイル5>
【被害者は下田慧。
死体発見現場は六号車・多目的室。
死因は銃による射殺。
死亡推定時刻は昨日の午後九時半頃。
手のひらに火傷の痕がある】

・[|下田の死体>
【下田の死体には腹部と背中、二つの銃痕がありお腹の方には少し焦げた痕があった】

・[|下田の手>
【下田の手には火傷した痕があった。
皐月の覚えている限り事件前にはなかった物】

・[|ビニール片>
【下田の口の中にあったビニール片】

・[|皐月の服>
【皐月の服には血がベッタリとついている。
皐月は怪我などはしていないが、それだと血の量が多いようだ】

・[|離れた血痕>
【血だまりから離れた場所にあった血痕】

・[|破けたビニール>
【血だまりの中に落ちていたビニール。
破けているようだが……】

・[|大型冷蔵庫>
【多目的室にある大型の冷蔵庫。
犯人はここに隠れ、皐月を襲撃したと思われる】

・[|犯人の狙い>
【犯人は皐月を呼び出し襲ったが、結局皐月を殺さなかった】

・[|部屋の防音>
【新しく開放された多目的室、娯楽室、武器庫は防音処理がされている】

・[|物述の証言>
【朝食堂車に行く途中、多目的室の扉が開いていたため中を覗いたら皐月と下田がいたのを目撃した】

[|コトダマ一覧その二>

・[|呼び出し状>
【皐月を多目的室に呼び出した手紙。
事件が起きる直前まで持っていたが、なくなっていた。
内容は〔今夜九時多目的室に来い。
来なかったり他言した場合はお前の大切な人間を殺す〕】

・[|凶器の入手経路>
【武器庫から武器は持ち出されていない。
しかし皐月襲撃には催涙スプレーが、下田殺害には銃が使われていた】

・[|オセロの勝敗表>
【伊方と石原のオセロの勝敗を表記した物。
夕食後からずっと行っており、九時頃から一時間ほどクロードも参加していたようだ】

・[|二つの銃声>
【皐月が意識を失う直前、二つの銃声らしき音が聞こえた】

・[|医務室の物品>
【医務室の包帯などは減っていなかった】

・[|クロードの銃>
【下田に貸したというクロードの銃。
弾は一発だけ入っていたが今はないらしい】

・[|電子生徒手帳>
【下田の部屋にあった電子生徒手帳】

・[|包帯>
【下田の部屋にあった包帯。
ほとんど使われている】

・[|下田の部屋>
【下田の部屋にはボールや作り物の刀に台本、服に筆記用具などがあった。
何かが足りない気がするが……】

・[|カッターの刃>
【下田の部屋のベッドの枕元にあった物】

・[|内通者>
【モノクマに協力している存在で正体は不明。
今回の動機ではコロシアイをするように言われていたようだが……】

下田慧が殺された。
犯人は内通者か、それとも別か……
しかし皐月にとってそんな事は関係ない。
ただ犯人を引きずり出す。
それが皐月翼の望むただ一点。







     【学級裁判開廷!】

      CLASSROOM TRIAL

     fourth Murder Case







モノクマ「それでは学級裁判の簡単な説明を行いましょう!」

モノクマ「学級裁判では誰がクロかを議論し、最終的にはオマエラの投票によって決定されます!」

モノクマ「正しいクロをオマエラの中の過半数が指摘できればクロがおしおき!」

モノクマ「ただし正しいクロへの投票が過半数に満たない場合は……シロは全員おしおきされ、逃げ切ったクロがディスペアー・エクスプレスから下車する権利を得るのです!」

伊方「ふん、自分の遺影を見るのはなかなか複雑な気分だな」

皐月「……」

立木「とにかく議論を始めましょう」

墨染「それじゃあまずは毎度ながらの……」

墨染「皐月さん犯人説をあげるとしましょうか!」

皐月「……」

さっさと論破して、先に進むか……

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|呼び出し状>
[|犯人の狙い>
[|下田の死体>

墨染「犯人は現場にいた人間……」

墨染「つまり皐月さん、あなたです!」

立木「なんで皐月君が下田君を殺さないといけないんですか!?」

墨染「知りませんよ、そんなの」

伊方「ふん、だが〔その場にいた理由がある〕なら問題はあるまい」

墨染「死体がある現場にいた理由ってなんなんですか!?」

笹山「突っかからないで少し黙っていなさい」

墨染「あっ、はい。ミチルさんがそう言うなら」

伊方「……調子が狂うな」

〔〕に同意しろ!

↓二

正解!

皐月「それに同意だ!」


皐月「伊方の言うとおり、俺には多目的室にいた立派な理由があるんだ」

物述「いったいそれは?」

皐月「……呼び出されたんだ」

クロード「呼び出された?誰にだよ」

皐月「わからない。だけど九時頃多目的室に来いって内容の呼び出し状を確かに俺はもらった」

立木「ちょ、ちょっと待ってください!?なんでそれをすぐ言わなかったんですか!?」

皐月「……」

伊方「今はそれを言ってもどうしようもない。皐月、続けろ」

皐月「ああ……九時頃多目的室に行った俺はそこで誰かに襲われたんだ」

笹山「襲った相手は?」

皐月「わからない、すぐ催涙スプレーを目にやられたから……」

皐月「その後相手が何かを構えるのがボンヤリ見えて……俺は意識を失った」

石原「ふうむ、そして皐月殿が目覚めたら下田殿が殺害されていた……」

クロード「スミゾメ、サツキがいた理由はわかったみてえだぞ」

墨染「むむ、だったら皐月さん!その呼び出し状とやらを見せてくださいよ!」

皐月「もう持ってない……ポケットに入れておいたのを誰かに持っていかれたんだ」

墨染「なんですかそれ!だったら嘘か本当かわからないじゃないですか!」

笹山「とはいえ、皐月犯人説で視野を狭めるのは危険ね」

墨染「むー、それじゃあ他の可能性を探してみますから見つけたらほめてくださいねミチルさん!」

笹山「……考えておくわ」

物述「だけど犯人はわざわざ皐月さんを呼び出して、下田さんを殺して……何がしたかったの?」

立木「や、やっぱり皐月君も殺すつもりだったんじゃ……」

……犯人は俺を殺すつもりだったのか?
だけどそれだと疑問が出てくるんだよな……

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「だけど犯人は、慧を殺したのに俺は殺さずそのままだったんだよな……」

石原「ううむ、つまり犯人は下田殿を殺すつもりだったと?」

笹山「だけど呼び出されたのは皐月……」

物述「もしかしたら、皐月さんに罪を着せるために呼び出したんじゃ?」

伊方「見事に引っかかっているのがいる以上可能性はあるな」

墨染「それボクの事ですか!?」

クロード「他に誰がいるんだよ」

犯人の狙いは俺に罪を着せる事……

本当に、そうなのか?

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|下田の手>
[|凶器の入手経路>
[|部屋の防音>

伊方「犯人の狙いが【皐月に罪を着せる】事だと仮定した場合……」

伊方「犯人は下田を殺すつもりだった事になる」

物述「下田さんはリーダーだったから……邪魔だったのかもしれない」

石原「むう、つまり犯人は【武器庫から銃や催涙スプレーを調達】し……」

笹山「それを使って犯行に及んだ」

墨染「つまり最近武器庫に行った人が犯人ですか!」

【】を論破しろ!

↓二

正解!

皐月「それは違うな!」


皐月「いや、武器庫から持ち出された物はないんだ」

皐月「武器庫は多目的室に行く前にも確認したけど、何も持ち出されてなかったしな」

石原「なんと!しかしそれではどこから……」

皐月「それはまだ何とも言えない……だけどはっきりしているのは武器庫から武器は……」


伊方「それは違うぞ」反論!


伊方「多目的室に行く前に武器を持ち出せなかった……」

伊方「しかしそれは武器庫から凶器が持ち出されていないとイコールにはならないぞ皐月」

【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>395-396
[|大型冷蔵庫>
[|下田の死体>
[|離れた血痕>

伊方「武器庫以外に催涙スプレーは存在しない」

伊方「ならば武器庫から持ち出されたと考えるのが妥当だ」

皐月「だけど確かに俺が見た時には減ってなかったんだ!」

皐月「武器庫の武器は使われてないはずだ!」

伊方「【お前が確認した後に持ち出された】と考えればいい」

伊方「犯人はお前の後武器庫に入って催涙スプレーを持ち出し……」

伊方「【お前を追って多目的室に入り】既にいたお前を襲った」

伊方「それなら説明はつく」

【】を斬れ!

↓二

正解!

皐月「その言葉、斬らせてもらう!」


皐月「犯人が俺の後から多目的室に入った可能性はないんだ」

皐月「だって犯人は多目的室にある大型冷蔵庫に隠れてたんだからな!」

伊方「冷蔵庫だと?」

皐月「そうだ。つまり犯人は俺より先に多目的室にいたんだよ」

笹山「そうなると……後から武器庫に入ったという伊方の主張は通らないわね」

墨染「でもそれだと疑問が逆戻りですよ」

立木「どうやって犯人は銃や催涙スプレーを調達したのか……」

皐月「……一人だけいるかもしれない」

武器庫とは違うルートで、凶器を手に入れる事が出来る存在。

それは……!

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「内通者なら……武器庫からじゃなくても凶器が手に入ったんじゃないか?」

石原「そうか!モノクマに頼めばよいのだな!」

伊方「モノクマ、どうなんだ」

モノクマ「……えっ、なんだって?」

笹山「答える気はないみたいね」

墨染「それが答えみたいな物ですけどね!」

物述「内通者がモノクマから凶器をもらって、それを使った……」

クロード「ちっ、内通者だからこそ出来る事ってわけか」

皐月「今回の事件は内通者が犯人だった……そう考えれば武器庫の矛盾も辻褄があう」

立木「だけどいったい誰が……」

皐月「……一つはっきりしてる事があるんだ」

今回の事件、これは間違いないはずだ……!

・犯人は男子
・犯人は女子

正しい選択肢を選べ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「この事件、犯人は女子だ」

立木「えっ……」

物述「っ……!」

笹山「なんですって……」

墨染「なんでそうなるんですか!?おかしいでしょう!」

皐月「まず伊方には当然こんな事は出来ない。そして俺に罪を着せるために呼び出したなら俺も違う」

墨染「百歩譲って皐月さんは除外しても、まだ石原さんとクロードさんがいるじゃないですか!」

いや、石原とクロードも犯人じゃない。

それを証明する事が俺には出来るはずだ……

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|物述の証言>
[|二つの銃声>
[|オセロの勝敗表>


墨染「ボク達女子が犯人だなんて……」

墨染「とんでもない言いがかりですよ!」

笹山「伊方には出来ない……これは当たり前ね」

立木「皐月君も呼び出されたんだから違いますよね……」

物述「だけどまだ石原さんとクロードさんがいる」

墨染「【二人にだって犯行は可能】ですよね!」

墨染「皐月さんはボク達女子を陥れるつもりなんですか!」

石原「むっ、いや、吾は……」

クロード「ちっ……」

伊方「……」

【】を論破しろ!

↓二

正解!

皐月「それは違うな!」


皐月「いいや、石原とクロードにも犯行は無理だったんだ!」

皐月「それは娯楽室にあったこの勝敗表で証明出来る!」

伊方「なに?」

石原「むっ?」

墨染「勝敗表……な、ななな」

笹山「伊方と石原は夕食後から、クロードも九時頃から十時頃までいたみたいね……」

物述「石原さんとクロードさんのアリバイも完璧……?」

立木「そ、それじゃあ……」

皐月「ああ、犯人は……」

石原「ま、待て皐月殿!皐月殿はいったい何を言っているのだ!?」

皐月「えっ?」

伊方「……その表には、一つ間違いがあるぞ」

皐月「間違い……?」

石原「確かに吾と伊方殿は夕食後から朝まで娯楽室にいたが……」







伊方「クロード・イーストウッドはその間娯楽室になど来ていない」






皐月「な、なんだって?」

伊方「クロード・イーストウッドは娯楽室には来なかった。そう言ってるんだよ」

クロード「……」

皐月「だ、だけど確かにこの勝敗表には……」

石原「確かに勝敗表はつけていたが……なぜいなかったクロード殿の名前まであるのだ?」

ど、どういう、事だ?
クロードは娯楽室に来てない?
だったらなんで勝敗表には……

クロード「……」

いったい、何が……?







     【学級裁判中断!】






本日はここまで。

次回学級裁判後半戦です。

それではお疲れ様でした。

再開します。







     【学級裁判再開!】






皐月「クロード、これはいったいどういう事なんだ……」

クロード「……」

娯楽室にあったオセロの勝敗表……これは伊方、石原、クロードのアリバイを証明する物だった。
だけどクロードは娯楽室に来てない……

クロード「……オレには何もわかんねえな」

石原「し、しかしクロード殿……」

クロード「きっとオレをはめるために誰かがやったんだろうよ」

クロード「まさかそれだけでオレをクロだなんて言わねえだろうな?」

皐月「……」

確かに娯楽室の勝敗表だけならそうだ。
だけどクロードは……他にも怪しい行動をしてなかったか?

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これで証明してみせる!」


皐月「クロード……お前慧に銃を貸したって言ってたよな」

墨染「銃!?」

笹山「武器庫の物とは別にクロードは銃を持っていたという事?」

クロード「このタイミングでそれを言うかよ」

皐月「それ、いつの話だ」

クロード「……昨日だな」

立木「き、昨日!?」

皐月「昨日貸したっていう銃、しかもその銃にこめられてた弾はなくなってたんだよな……?」

クロード「おいおい、まさかオレがシモダに銃を貸しただけでクロにされんのか?」

物述「……弾がなかったという事は、撃ったという事?」

伊方「ふん、下田に貸したという銃から弾が消えていた理由……話し合うべきだな」

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|部屋の防音>
[|下田の部屋>
[|ビニール片>

伊方「クロードが下田に貸したという銃」

伊方「その弾が消えていた理由について話し合うぞ」

笹山「【下田が抜いていた】んじゃないかしら」

墨染「きっと【クロードさんが入れ忘れてた】んですよ」

石原「うむうっ、【部屋で撃ってしまった】のではないか?」

【】を論破しろ!

↓二

正解!

皐月「それは違うな!」


皐月「いや、部屋で撃ってしまったなら音が聞こえるはずだ」

墨染「個室は防音処理されてませんからね」

クロード「言っとくがサイレンサーなんてついてねえから音は鳴るぜ」

石原「むっ、そうか……」

伊方「つまり逆に言うならば……」

伊方「銃が撃たれたとするなら防音処理がされている部屋以外あり得ないという事だ」

立木「防音処理されてるのは確か放送室、娯楽室、武器庫、多目的室……でしたよね?」

笹山「娯楽室には伊方達がいた、武器庫や放送室なら撃てば何らかの痕跡が残るはず……」

物述「だけどそれは多目的室でも同じ……」

いや、多目的室なら……撃っても違和感がない場所があるはずだ。

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「多目的室なら、撃っても違和感がない場所がある」

皐月「……慧の身体だ」

立木「下田君の身体……!?」

皐月「慧は射殺だ。その身体になら銃弾があっても不自然じゃない」

墨染「だけど下田さんに貸した銃でなんで下田さんが?」

物述「そもそも貸したというのが、嘘だったとか」

クロード「なんだと!?」

皐月「だけど、クロードは慧に貸したっていう銃を取りに部屋に……」

伊方「本当にそうか?」

クロード「……」

伊方「皐月、下田の部屋に不自然な物はなかったのか」

不自然な物……

【ロジカルダイブ改開始!】

慧の部屋に不自然な物……

   [|カッターの刃>

[|電子生徒手帳>

  [|下田の部屋>

下田の部屋の不自然な物を示すコトダマを全て選べ!

↓二

正解!

皐月「繋いでみせる!」


皐月「そういえば慧の部屋には、電子生徒手帳が置きっぱなしだった……」

立木「部屋にですか?」

物述「部屋に入るために必要な電子生徒手帳を置きっぱなし……」

皐月「それだけじゃない……慧の部屋にはカッターの刃があった」

伊方「カッターの刃だと?」

皐月「カッターの刃は元々内通者が持っていて、それを遺品のカッターナイフに入れた物なんだ」

石原「カッターナイフとは、まさか……!?」

皐月「……美影さんが使った凶器だ」

伊方「あのカッターナイフの刃が下田の部屋に……ふん、やはりな」

物述「やはり?」

伊方「犯人は下田が内通者だという疑惑を植え付けようとした。そのためのカッターの刃」

伊方「そして部屋に入るため電子生徒手帳が必要だった……そういう事だ」

皐月「……」

犯人は内通者、そして内通者は慧を内通者に仕立て上げるために電子生徒手帳を奪ってカッターの刃を部屋に置いた。

犯人……それは慧の部屋にいた……

人物を指名しろ!

↓二

正解!

皐月「それは……!」


皐月「クロード、お前が……やったのか?」

クロード「……」

物述「今回の事件の凶器は銃。そしてそれを一番扱えるのは……」

墨染「〔超高校級のガンマン〕のクロードさんですね!」

笹山「そもそもクロードは銃を持っていた……」

クロード「……」

石原「ぬうっ、銃を貸したというのは嘘だったというのか!?」

伊方「……ふん」

クロード「……」

立木「クロード君、あなたが下田君を……?」

クロード「…………」

皐月「クロード、どうなんだ!」







クロード「く、くくっ……やってくれんじゃねえか皐月」

クロード「いや、こう言うべきか」

クロード「内通者さんよぉ!」






皐月「……はっ?」

クロード「とぼけるなよ。もう証拠は掴んでんだ」

皐月「何の話を、してるんだ……?」

クロード「まだ言いやがるか……だったら見せてやるよ。これはオマエの部屋から見つけたもんだ、受け取りな!」

クロードがそう言って俺に投げたのは……手紙?

【内通者へ。膠着状態になったら殺人をせよ】


皐月「これは……!?」

クロード「オレに内通者の罪を着せようなんてやってくれんじゃねえか」

クロード「だけど残念だったなサツキ……そのプランもここまでだ」

クロード「内通者、そしてシモダを殺したのは……」

クロード「オマエだ!」

俺の部屋に、内通者への手紙があった?
そんな、馬鹿な……まだこの事件は終わらないっていうのか……!?







     【学級裁判中断!】






本日はここまで。

後半戦じゃなくて中盤戦になってしまいました。

次回こそ学級裁判後半戦です。

それではお疲れ様でした。

再開します。







     【学級裁判再開!】






皐月「……俺が内通者だって?」

クロード「そうだ。違うとは言わせねえぞ」

立木「ま、待ってください!そもそもそんな手紙をどうしてクロード君が……」

クロード「前の学級裁判の日だ、オレは眠れねえから深夜にサロンにいた」

クロード「そしたら誰かが廊下にいやがる気配がした……見てみても誰もいねえ代わりに、サツキの部屋が開いてたのさ」


…………


クロード「サツキ、いねえのか?」

クロード「……どこ行きやがったんだ、アイツ」

クロード「……んっ?」

クロード「……」

【内通者へ。膠着状態になったら殺人をせよ】

クロード「……ちっ」

クロード「そういう事かよ……!」


…………


クロード「まさかとは思ったぜ、サツキが内通者だなんてな」

クロード「だがこんなもんを持ってた以上……それが現実なんだろうよ」

皐月「違う、俺は……!」







笹山「哀れな物ね、クロード」






クロード「……あん?」

笹山「皐月が内通者かどうかはともかく」

笹山「下田を殺した犯人でないのは確かよ」

クロード「なんでそんな事がはっきり言えやがる」

墨染「ミチルさんだからですよ!」

笹山「墨染、ちょっと黙ってなさい」

笹山「だってそうだとしたら下田が皐月を助けようとするはずないもの」

皐月「……えっ?」

石原「下田殿が皐月殿を助けようとしたとは、どういう事なのだ?」

笹山「そのために議論をするわよ」

笹山「皐月、よく考えるのね」

……慧が、俺を助けようとした?

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|下田の部屋>
[|ビニール片>
[|医務室の物品>
[|皐月の服>
[|モノクマファイル5>

物述「下田さんが皐月さんを助けようとした……」

笹山「ずっと考えていたわ、犯人が皐月を呼び出した意味を」

石原「それは【皐月殿に罪を着せるため】ではないのか?」

クロード「そもそも【犯人なら関係ねえ】疑問だろうが……」

笹山「だとしたらなぜ後から下田を殺したのかしら」

笹山「九時頃に皐月を呼び出したなら、先に下田を殺しておいた方が労力も減ったはずよ」

笹山「しかし犯人は皐月を呼び出した後下田を殺した……」

墨染「ミチルさんには答えがわかってるんですね!」

笹山「答えは簡単、犯人は皐月を殺すつもりだったのよ」

笹山「しかし下田によってそれは失敗した……」

笹山「それを示す証拠もあるわ」

クロード「証拠だと?」

クロード「〔現場に不自然な物でもあった〕って言うのか?」

【】を論破か〔〕に同意しろ!

↓二

正解!

皐月「そういう事か……!」


皐月「……不自然な物、確かにあった」

クロード「なに?」

皐月「慧の口の中にあったビニール片だよ」

墨染「そういえばそんなのありましたね」

皐月「あれが慧の行動を示す証拠になるのか?」

笹山「あれだけでは弱いわね。だけど……」

伊方「……そういう事か」

石原「伊方殿、わかったのか!?」

伊方「下田は死ぬ間際にそのビニール片を口にした」

伊方「そのビニール片が元々何であったかを考えてみればいい」

皐月「あのビニール片が……」

もしかしてあれが関係してるのか?

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「もしかして墨染が見つけたあのビニールか?」

墨染「破れてたあれですか……あっ、下田さんの口の中のビニールはあれの一部だったんですね!」

笹山「そういう事よ」

皐月「だけどあれがなんだったのかがわからないと……」

立木「思い当たるような物はないんですか?」

皐月「慧の部屋にあった物の中にあんなビニールは……」

石原「うむっ、逆に何があったのだ?」

あったのは確か……

皐月「ボールや作り物の刀に台本、服に筆記用具、包帯……後さっき言った電子生徒手帳に銃にカッターの刃ぐらいだったな」

伊方「なんだと?それは本当か?」

皐月「あ、ああ」

伊方「……ないな」

皐月「な、なにがだ?」

伊方「下田が持っているはずの物がない……皐月、思い出せ」

伊方「お前も下田がそれを手にした瞬間を見ていたはずだ」

俺が慧の部屋になかった物を慧が手にしたのを見た……?

あれ、そういえば……


…………

「わっ!?」パシッ

「――はお前に預ける。管理は怠るなよ」

…………

皐月「……!」

【閃きアナグラム開始!】

○○○

キ ュ セ ウ ノ バ エ チ レ ヲ リ

○を埋めて単語を完成させろ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「血糊だ……」

物述「えっ?」

皐月「血糊が、ないんだ!」

そうだ、夢さんと安田の学級裁判が終わった後……

…………

伊方「……」ゴソゴソ

陸海「い、伊方っち、何してんだぁ?」

伊方「血糊に模造品のナイフや拳銃……やはり安田は犯行に使った物を持っていたか。下田」

下田「わっ!?」パシッ

伊方「血糊はお前に預ける。管理は怠るなよ」

…………

慧は安田の遺品の血糊を伊方から受け取ってたはずだ……
なのにそれがなくなってる……

まだだ、まだ繋がるはずだ……

破けたビニール、なくなった血糊を繋ぐ物を思い出すんだ……!

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これで繋いでみせる!」


皐月「俺は怪我してないのに、俺の服には血がたくさんついていた」

皐月「あれは慧の血と、血糊が混ざった物だったのか?」

立木「もしかして、下田君は皐月君に覆い被さった後血糊の袋を噛みちぎったんですか……?」

クロード「……何のためにだ」

物述「血を大量に出ているように、見せかけるため……」

笹山「おそらく下田は血の量で犯人に皐月も撃ったと誤認識させたのよ」

墨染「だから皐月さんは襲われたのに殺されずに済んだわけですか……」

皐月「慧……」

慧は俺を助けようとして……死にそうになりながら血糊を……

石原「むっ?ちょっと待ってほしいのだが」

伊方「なんだ」

石原「犯人に誤認識させるための工作ならば、下田殿は皐月殿に覆い被さった状態で撃たれたという事だと思うが……」

石原「皐月殿はそれがわからなかったのか?」

皐月「……」

あの二発の銃声の時、慧が覆い被さった……?
いや、銃声がわかったのに人が覆い被さった事に気付かないわけは……

クロード「……シモダがサツキを庇ったかもしれねえのはわかった」

クロード「だけどそれを証明する手だてはねえ!」

クロード「サツキがそれを踏まえてやったのかもしんねえんだ!」

クロード「リクカイみてえにな!」

皐月「……」

立木「け、結局犯人に繋がる決定的な物はありませんし……」

墨染「ミ、ミチルさーん」

笹山「……私はここまでよ」

伊方「……ちっ」

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|呼び出し状>
[|下田の部屋>
[|モノクマファイル5>

石原「犯人に繋がる証拠はないのか!?」

立木「わ、わかってる事をまとめましょう!」

笹山「まず【犯人は内通者】のはずよ」

伊方「犯人は【内通者としての立場を利用して凶器を調達した】」

墨染「そして【皐月さんを呼び出し】て……」

物述「【襲った後に下田さんを殺害した】」

笹山「その時【下田は血糊を使って皐月を助けた】……」

墨染「もう!そもそも皐月さんが呼び出されたのを黙ってなかったら……」

物述「【皐月さんは脅されていた】んだし仕方ない」

クロード「はっ、どうだかな」

【】を論破しろ!

↓二

正解!

皐月「それは違うな!」


皐月「……ちょっと、待ってくれ」

皐月「物述さん、なんで知ってるんだ……?」

物述「……なにが?」

皐月「俺は、確かに呼び出し状の事は話した。だけど……」

皐月「脅されていた事までは、話してないぞ……?」

物述「……!」

立木「えっ?ど、どういう事ですか?」

皐月「呼び出し状の内容はこうだったんだ」

【今夜九時多目的室に来い。
来なかったり他言した場合はお前の大切な人間を殺す】

皐月「だけど俺は後半の部分について話してない……」

皐月「なのになんで物述さんはそれを知ってるんだ……」

物述「……私は皐月さんが黙っていた理由をきっとそうだって思っただけ。勘ぐらないでほしい」

物述「それに呼び出し状には他言無用は当たり前の話……」

皐月「……」

そう、だよな……そのはずなんだ。
小説作家の物述さんなら想像してもおかしくない。

クロード「……そういえばよ」

石原「むっ、どうしたクロード殿」

クロード「内通者の事ばっかりずっと考えてたから今思ったんだけどよ……」

クロード「なんでわざわざ犯人は二つの銃を使ったんだ」

笹山「どういう意味?」

クロード「いや、さっきも言った通りシモダが持ってた銃には弾が一発しか入ってねえんだよ」

クロード「それがなくなってたって事はだ。犯人はシモダからオレの銃を奪った後それで撃ったんだろ?」

クロード「そうする意味がわかんねえんだよ」

皐月「……」

犯人が二つの銃を使った……?
本当にそうなのか……?

皐月「…………」

石原の言っていた疑問、クロードが今言った疑問……

それを繋いで考えるんだ……

なんで俺は慧が覆い被さった事に気付かなかった?
なんで犯人は二つの銃を使った?

・実は現場では銃が三回撃たれていた
・銃声の一つは聞き間違いだった
・下田の銃に弾が二つ入っていた

正しい選択肢を選べ!

↓二

正解!

皐月「もしかしたら……!」


皐月「銃は三回、撃たれたんじゃないか?」

墨染「いきなり何言い出してるんですか」

皐月「いや、俺は二つの銃声を聞いた後意識を失った……だけど慧が覆い被さったなんてまるで記憶にない」

皐月「だったらその後慧は俺に覆い被さって、撃たれたんじゃないか?」

クロード「だったらオレの疑問はどうなんだ」

伊方「それに下田の身体には二つの銃痕しかない……もう一つはどこに消えた」

皐月「それは……」

いや、待てよ……

皐月「そもそも二つの銃は、本当に犯人だけが撃ったのか?」

立木「ま、まさか皐月君!?」

皐月「……」

そうか……

銃を撃ったのは犯人だけじゃない!

もう一人撃った人間がいたんだ!

人物を指名しろ!

↓二

正解!

皐月「それが真実なんだ!」


皐月「慧も、撃ってたんだ」

クロード「シモダがだと!?」

皐月「きっと慧は犯人を止めようと思ったんだ。だから持っていた銃を撃った」

笹山「だけど止められず、犯人に撃たれた下田は皐月を助けるのを優先した……」

石原「そこでもう一度撃たれてしまったのか……」

もしかするとあれは慧が銃を撃った証だったのかもしれない……

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これだ!」


皐月「慧の手の火傷……あれは銃を撃った時に出来たんじゃないか?」

クロード「……ねえとは言えねえな」

墨染「なるほどなるほど……皐月さんの話、筋は通ってる気がしますね」

物述「……どこが」

笹山「……?」

物述「皐月さんの話は根も葉もない妄想。話にもならない」

物述「皐月さんは間違ってる。今からそれを証明する」

立木「も、物述さん……?」

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|モノクマファイル5>

物述「下田さんが銃を撃ったと言うのなら……」

物述「その痕跡が残っているはず」

物述「だけど見張りをしていたワタシは断言する、そんな物はなかった」

立木「た、確かにありませんでした……」

立木「犯人が【持ち帰った】わけありませんし……」

物述「つまり銃は三回撃たれてなんていない……」

物述「【弾がどこにもない】以上それは揺るがない……」

コトダマか【】を記憶して【】を論破しろ!

↓二

正解!

皐月「それは違うな!」


皐月「……犯人は弾を持ち帰ったんだ」

物述「何を訳の分からない事を……ワタシは痕跡がないと言ったはず」

物述「それは壁に痕があったりもしなかったという事」

物述「だから銃は撃たれていない……」

皐月「壁や床に当たらなかったとしたら?」

物述「……!」

石原「壁や床に当たらなかった……空中で止まったのか!」

皐月「強ち、間違ってないかもな……」


物述「そんなストーリーは認めない……!」反論!


物述「とうとうおかしな事を言い出した……」

物述「撃たれた弾が空中で止まったりはしない……!」

寝落ちしました。
再開します。

【反論ショーダウン開始!】

・コトノハ>>395-396
[|離れた血痕>
[|下田の部屋>
[|医務室の物品>

物述「弾丸が床にも壁にも当たらなかった……」

物述「そんな事は有り得ない……!」

物述「その推理は間違ってる」

皐月「慧と犯人、合わせて三回撃たれたなら痕跡が残らないのはおかしい」

皐月「だったら犯人は壁にも床にも当たらない状態で弾丸を持ち帰ったんだ!」

物述「意味がわからない……!」

物述「【弾丸が痕跡も残さず】消えるなんて……」

物述「正気で言っているの……?」

【】を斬れ!

↓二

正解!

皐月「斬らせてもらうぞ!」


皐月「痕跡はあったんだ……ただ目立たないだけで」

物述「ワタシ達がそれを見逃したって言うの……」

皐月「無理もないんだ……だってそれは血痕だったんだからな」

笹山「あの離れた血痕……!」

皐月「そう、つまり慧が撃った弾丸は……犯人の身体に当たったんだ!」

クロード「まさか盲管銃創か!?」

墨染「盲管銃創?」

クロード「簡単に言やあ、弾丸が貫通しないで止まった状態って事さ」

立木「じゃあ持ち帰ったって、撃たれて身体に残ったままだったって事ですか……!?」

皐月「それ以外に考えられない……つまり犯人は」

物述「ふ、ふふっ……」

皐月「……?」

物述「皐月さん、あなたはミスを犯した……」

物述「今の一言が決定的な矛盾を産む……!」

【ノンストップ議論開始!】

・コトダマ>>395-396
[|医務室の物品>
[|下田の部屋>
[|クロードの銃>
[|二つの銃声>
[|電子生徒手帳>

物述「皐月さん、あなたはミスを犯した……」

伊方「ミスだと?」

物述「皐月さんの主張はこう……」

物述「犯人は下田さんに撃たれて【身体に弾丸を入れたまま】現場から立ち去った……」

物述「なら【犯人は怪我をしていた】事になる」

石原「うむっ、その通りだ!」

物述「だけど〔医務室の物は減っていない〕」

物述「銃で撃たれたのに全く治療をしてないなんておかしい」

クロード「確かにそうだな……」

物述「皐月さんの主張は破綻している」

物述「撃たれた人間が治療をせずにいるなんて有り得ない!」

【】を論破か〔〕に同意しろ!

↓二

正解!

皐月「……!」


皐月「……物述さんの言うとおりだ」

皐月「医務室からは何も持ち出されてなかった」

物述「自分の間違いを認めるの?」

皐月「いいや、それでも犯人は怪我をして、それを治療したんだ」

皐月「別の部屋から治療に必要な物を持ち出してな!」

物述「……!」

伊方「別の部屋……それはどこだ?」

皐月「慧の部屋だ。慧の部屋からは……ある物を使った形跡があった……!」

>>395-396から正しいコトダマを選べ!

↓二

正解!

皐月「これで証明してみせる!」


皐月「慧の部屋にはほとんど使ってあった包帯があったんだ……」

皐月「犯人は慧の部屋から包帯を持ち出して、それを治療に使ったんだ!」

墨染「ふむふむ、犯人が電子生徒手帳を盗んだのはそれも目的だったのかもしれませんね」

物述「……」

皐月「……なあ、物述さん」

皐月「なんでそんなに焦ってるんだ?」

物述「……焦ってる?ワタシが?」

立木「……まさか、物述さんが?」

物述「ふ、ふふっ、それは飛躍しすぎ……ワタシ達は間違えたら死ぬの。だったら焦ってもおかしくない……」

皐月「……」

物述「……なに、その目は」

物述「ワタシは犯人なんかじゃない……!」

皐月「……物述さん」



皐月「二回目だ」

物述「二回、目……?」

皐月「最初の呼び出し状については確かに推測出来るかもしれない」

皐月「だけど……なんで今回はわかったんだ?」

皐月「医務室から何も持ち出されてなかったって!」

物述「っ!?」

皐月「一回ならまだいい!だけど二回、しかも第一発見者で現場にいてそのまま見張りになった物述さんが医務室の状態がわかるわけないじゃないか!?」

物述「くっ……!」

皐月「物述さん、こう言ったよな……」

…………

物述「なんで、なんでこんな事に……」

…………

皐月「驚くに決まってるよな……だって殺したはずの俺が生きてたんだから」

物述「……」

皐月「あのおかしな様子は俺が生きていた……犯行に失敗したからこその動揺だったんじゃないのか!?」

物述「…………」

物述「言いがかりもそこまでにして、皐月翼……!」

皐月「……!」

物述「あなたの妄想に付き合うつもりはない!」

【パニックトークアクション開始!】

物述「ワタシは下田さんを殺してない」

物述「ワタシは内通者なんかじゃない」

物述「ワタシは何もしてない」

物述「ワタシは」

物述「ワタシは……!」

物述「アナタなんかに負けない……」

物述「アナタなんかに、アナタなんかに、アナタなんかに……!」

物述【ワタシが犯人だなんて証明が出来るわけがない!】

○…服の △…下に □…あるか ×…包帯が

正しい順に記号を並べろ!

↓二

正解!

皐月「これで終わりだ!」


皐月「……出来る」

物述「……!」

皐月「立木さん、笹山さん、墨染の誰でもいい、物述さんの服の下を調べてほしい」

皐月「もしそこに包帯が、もっと言うなら銃で撃たれた痕があれば……」

皐月「物述さんが犯人だって、決定的な証拠だ」

立木「あっ……」

墨染「……もしなかったらどうします?」

皐月「……一からやり直すしかない」

笹山「……しかたないわね。物述、調べさせてもらうわよ」

物述「……必要ない」

伊方「なんだと?」

ポタッ、ポタッ……

物述「……少し興奮しすぎたみたい」

袖の下から血の雫を落としながら……物述さんはただ静かに立ち尽くしていた。

【クライマックス推理開始!】

・ACT.1
今回の犯人はモノクマから指示を受けて犯行を犯した。
なぜなら犯人はモノクマの内通者だったからだ。

・ACT.2
犯人はモノクマから銃と催涙スプレーを受け取るとターゲット……俺に呼び出し状を送りつけた。
そして多目的室の大型冷蔵庫に隠れて……俺が来るのを待っていたんだ。

・ACT.3
九時頃来た俺を犯人は襲って、殺そうとした。
だけどそこに慧がやってきて……犯人の思惑は狂いだしたんだ。

・ACT.4
犯人と慧の間にあった争い……それは犯人の方が勝った。
撃たれた慧は自分の死を悟ったのかもしれない……俺に覆い被さると持っていた血糊の袋を噛みちぎったんだ。

・ACT.5
犯人はその後慧をもう一度撃つと、慧の銃と電子生徒手帳、俺への呼び出し状を奪ってその場を後にした。
犯人も慧の反撃で怪我をしていた、だから治療が必要だったんだ。

・ACT.6
犯人は慧の部屋に行くと包帯で治療をした後、慧の部屋に電子生徒手帳と銃、カッターナイフの刃を置いたんだ。
慧に内通者の罪を着せるために……

だけど犯人は犯行に失敗した。
殺したかった俺は生きていたんだ……だからこそ犯人は事件直後動揺していたんだ。

皐月「そうなんだな、物述かぐらさん!」

物述「……正解」

COMPLETE!

モノクマ「議論終了ー!」

モノクマ「それでは投票タイムです!」

物述「はあ……」

モノクマ「オマエラの答えが正しいかどうか……」

モノクマ「今発表しまーす!」

物述「さすがに焦りすぎた……失敗」



         VOTE

      物述 物述 物述

       ジャンジャーン!

……笑っていた。
暗闇の中モノクマの後ろのスロットに映った無表情な顔とは裏腹に。

物述さんは確かに笑っていた。







     【学級裁判閉廷!】






モノクマ「はーい、大正解!」

モノクマ「今回〔超高校級の演劇部〕下田慧クンを殺した犯人はー……」

モノクマ「〔超高校級の小説作家〕にして内通者の物述かぐらさんでしたー!」

立木「物述さんが、内通者……なんで……」

皐月「……」

立木さんがうつむいて、震えている。
当たり前だろうな、立木さんは物述さんと仲がよかったんだから……

物述「……」

物述さんは立木さんから目をそらす。

クロード「……モノノベが内通者だったのか?」

物述「そう。アナタが見たのはワタシが皐月さんの部屋に置いたモノクマからの指令」

墨染「でもまさか物述さんが内通者だったなんて驚きですね……なんで内通者になったのか教えてくださいよ!」

物述「別に構わない……ワタシが内通者になった理由は簡単」







物述「皐月翼を、殺すため」






皐月「……!」

俺を殺すため……!?

物述「今だから言うけど。ワタシはアナタの事が大嫌いだった」

物述「アナタがあの事件の犯人だって知ってからずっとこの手で殺してやりたかった……!」

物述「近寄るために心無い事も言ってきた……全てはアナタを殺すため」

皐月「物述さん、君は……」

物述「あの事件の被害者、アナタが助けに行ったっていう友達は……」

物述「ワタシが一番仲良くしていたいとこ……!」

皐月「なっ!?」

物述さんが、あいつの身内……?

物述「自分の家族を殺した人間を、許せるわけがない!」

物述「ワタシはずっと、アナタを殺す機会をうかがっていた……」

物述「モノクマから内通者の誘いがあったのはその時」

物述「従えばきっとなんらかのメリットがあるはず……だからワタシは誘いに乗った」

物述「たとえ悪魔に魂を売ってでも、ワタシはアナタを殺すと決めたから……!」

暗闇の中、物述さんは……いつの間にか銃を手に持っていた。

立木「も、物述さん!?」

物述「死ぬならアナタも連れていく……!」

物述さんが俺に銃を向ける……
まさか、学級裁判で……







パァン……!






皐月「…………」

あれ……俺、撃たれたんじゃ……

物述「う、嘘……」

クロード「嘘じゃねえよ」

クロード「オマエの銃、確かにぶっ壊させてもらったぜ……」

目を開けるとクロードが銃を構えているのが、見えて。
そしてさっきまで物述さんが持っていた銃は……バラバラになっていた。

伊方「銃のみに弾丸を当てただと……?」

クロード「驚く事でもねえよ。オレは〔超高校級のガンマン〕だぞ」

クロード「ツキが来てたおかげで……はっ、誓いも破らずに済んだしよ」

物述「くっ……」

物述「どうして、どうしてみんなそんな人を……!」

物述「安田さんの言うとおりなのに!そんな殺人鬼がいるだけで……」

立木「……残念、です」

物述「……えっ」

立木「物述さんなら、きっとわかってくれると思ってました」

立木「皐月君は、犯人なんかじゃないって……」

皐月「……」

立木「だけど思うだけじゃ、ダメだったんですよね?」

立木「もっと、物述さんの本音を……聞くべきだったんですよね?」

立木「ごめんなさい……一番話していたのに、私何も気付く事が……」

物述「立木、さん……」







ドスッ!!






物述「……え、っ」

皐月「なっ!?」

一瞬の出来事だった。
物述さんの身体に、あの俺の腕に刺さった槍が……突き刺さっていた。

立木「物述さん!?」

物述「げ、ほっ……な、なん、で……」

モノクマ「なんで?だってお前約束破ったじゃん?」

モノクマ「ボクは言ったはずだよね?内通者になったなら凶器は用意するし、色々目を瞑りもするけどその代わり」

モノクマ「殺していいのはたった一人に限定する。それが色々便宜をはかる条件だってさ」

物述「そ、それ、は」

モノクマ「なのに何してんの?しかも学級裁判という舞台で殺人しようとかさ……」

モノクマ「調子に乗るなって話だよ」

石原「も、物述殿!」

墨染「モノクマ相当怒ってますよあれ!?」

笹山「黙りなさい、何をされるかわからないわよ……」

モノクマ「さてと、じゃあ死ぬ前におしおきしちゃいますか。陸海クンに続いてなんてごめんだからね!」

物述「ワタシ、は……」

モノクマ「今回は〔超高校級の小説作家〕物述かぐらさんのためにスペシャルなおしおきを用意しました!」

物述「……仇、取れなかった」

モノクマ「それでは張り切ってまいりましょう!おしおきターイム!!」

物述「ごめ、ん……」

モノクマ「あっ、そうそう」







モノクマ「訂正しとくけどあの事件の犯人ってお前のいとこだからね?」

物述「…………えっ?」












       GAME OVER

  モノノベさんがクロにきまりました。

    おしおきをかいしします。






呆然としている物述さんが鎖に引きずられていく。

そして槍が突き刺さったままの物述さんは……椅子に座らされていた。

【締め切り爆発五秒前!】

【超高校級の小説作家物述かぐら処刑執行】


スーツを着たモノクマが時計を見ながら慌てています。

どうやら締め切りまで時間がほとんど残っていないようですね。

小説作家としての意地か物述さんは筆を取ると……原稿用紙に向かって物語を書いていきます。

カッチカッチとどこからか鳴る時計の音。
それを気にしながらも物述さんは手を止めません。

そして物述さんはあっという間に一つの物語を書き上げてしまいました。

モノクマに原稿用紙を渡す物述さん。
モノクマは流し読みすると……ボツと原稿用紙を捨てます。

その瞬間机が爆発!

物述さんは槍ごと消えてしまいました。

モノクマはそれを確認すると……捨てた原稿用紙の名前をモノクマに変えていそいそとその場を後にしたのでした。

モノクマ「エクスタシィィィィィィッ!!」

モノクマ「内通者としてはなかなかだけど思い込み強いのが難点だったよねー」

皐月「……モノクマ、さっきのはどういう事だ?」

モノクマ「はへ?」

皐月「とぼけるな!!あいつが、俺の友達が犯人だなんて……!」

モノクマ「ああ、あれ?事実だよ?」

皐月「だ、だってあいつも殺されて……」

モノクマ「そりゃあ二十九人殺すのに全く反撃されないなんてありえないし」

皐月「な、なんだよそれ。じゃああの事件は……」

モノクマ「二十九人を殺した皐月クンのお友達が蓄積されたダメージで死んだだけって事だよ!」

モノクマ「うぷぷ、ちなみになんでそんな単純な事件で君が逮捕されたかと言うとね……」

モノクマ「犯人が物述さんの身内だったからだよ!」

モノクマ「身内が凶悪犯罪者だなんて物述さんにとって大ダメージだからね。本人も知らぬ間に周りが色々としてくれたってわけです!」

モノクマ「いくら物述さんが希望ヶ峰にスカウト決まってたからってそこまでするなんてボクも怖いよ全く!」

皐月「……は、はは」

なんだそれ……

じゃあ俺は、逆恨みに近いような事で殺されかけて……慧は、そのせいで殺されたのか?

皐月「…………」

何でだ。

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで!!


皐月「絶望しないんだ!!」

笹山「皐月!?」

墨染「うわわっ!?」

皐月「絶望的なはずなのになんでだ!?なんで俺の心は絶望してないんだよ!?」

心が希望を断ち切れてない。
こんな時なのに、俺の中には希望が確かに根を張っていて。

石原「さ、皐月殿、落ち着くのだ!」

クロード「な、なんて力だよ……!」

皐月「誰か、誰か教えてくれよ……!」

伊方「……」

立木「皐月君……」

皐月「なんで俺は絶望出来ないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」







STATION4

【裏切りの銃弾は親友(とも)を貫く】

【END】

【死亡】

下田慧…物述かぐらにより射殺
物述かぐら…下田慧殺害のクロとして処刑

生き残りメンバー

皐月翼
笹山ミチル
墨染優里
石原カイ
立木亜里沙
クロード・イーストウッド

伊方五右衛門(アルターエゴ)

以上6+1名。

本日はここまで。

次回はまた新しいスレを立てたいと思います。

それではお疲れ様でした。

次スレだけ立てました。

【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【五路線】
【オリロンパ】冤罪殺人鬼と絶望のコロシアイ特急列車【安価】【五路線】 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446480087/)

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