*安価作成キャラによるオリロンパです。
*ダンガンロンパシリーズのネタバレがあります。
*舞台はオリジナル【コロシアイ特急列車】です。
*当然の事ながらオリキャラとなりますのでご注意ください。
*前スレ〔キャラ作成~STATION1〕
【オリロンパ】安価キャラでコロシアイ特急列車の旅【安価】
【オリロンパ】安価キャラでコロシアイ特急列車の旅【安価】 - SSまとめ速報
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〔乗客名簿〕
〔男子〕
・皐月 翼(サツキ ツバサ)
・才能…〈超高校級の殺人鬼(偽)〉
・性格キーワード
〔主人公〕…原則的に被害者にもクロにもならない。
〔冤罪〕…殺人鬼と言われていながら実は人を殺した事がない。
〔蛮勇〕…周囲を全く配慮しない向こう見ずの勇気。
〔高いコミュ力〕…普段のコミュニケーション能力は人より高い。
・伊方 五右衛門(イカタ ゴエモン)
・才能…〈超高校級の幸運〉
・性格キーワード
〔歴史マニア〕…歴史に関して詳しい。
〔鬼畜眼鏡〕…人を泣かせる事が好きなとんでもない眼鏡。
〔優しい〕…一応優しさもあります。
・陸海 空助(リクカイ クウスケ)
・才能…〈超高校級の???〉
・性格キーワード
〔家庭的〕…家事が得意。炊事、掃除、洗濯、裁縫なんでもござれ。
〔トラウマ持ち〕…過去に何かあったのかトラウマを抱えている。
〔迷推理〕…推理に関しては全く役に立たない。模擬刀の先制攻撃だべ!
・安田 順(ヤスダ ジュン)【DEAD】
・才能…〈超高校級の監督〉
・性格キーワード
〔背が低いのを馬鹿にされたくない〕…ちびっ子。本人的には男なのもあって非常に腹立たしいようだ。
〔泣き虫〕…よく泣く。
〔癇癪持ち〕…短気。背をバカにされると泣きながら怒り出す。
・石原 カイ(イシハラ ――)
・才能…〈超高校級の卓球選手〉
・性格キーワード
〔色情魔〕…性欲が異常なまでに強い。女子に対してはそういう目でしか見えない。
〔フレンドリー〕…親しみやすいが男子限定。
〔天才肌〕…卓球以外にもまるで天才のような雰囲気を漂わせている。
・下田 慧(シモダ ケイ)
・才能…〈超高校級の演劇部〉
・性格キーワード
〔いいやつ〕…紛れもない善人。
〔芸人気質〕…人を笑顔にする行動を進んでやる。
〔心が男性〕…女役が多いため勘違いされやすいが心はしっかり男。
・クロード・イーストウッド
・才能…〈超高校級のガンマン〉
・性格キーワード
〔後ろに立つな〕…後ろに立たれる事を極端に嫌う。
〔不撓不屈〕…どんな困難にも挫けない意志の強さ
〔トリガーハッピー〕…引き金を引く事に至上の喜びを感じる。
・霧ヶ島 司(キリガシマ ツカサ)
・才能…〈超高校級の巫女〉
・性格キーワード
〔男の娘〕…男でありながら巫女の格好をしている。
〔田舎者〕…山奥の村出身。世間知らずもあって知らない事が多い。
〔世間知らず〕…神社で過ごしてきたため世間を知らない。
〔布教癖〕…神道の話をして信仰してもらおうとしてしまう。
〔女子〕
・笹山 ミチル(ササヤマ ―――)
・才能…〈超高校級のダンサー〉
・性格キーワード
〔意識高い〕…自らの命題について強く意識し、行動している。
〔享楽主義〕…自らの快楽の追求が最上命題。
〔氷の女王〕…冷たく、自分の興味外の事柄は切り捨てる傾向にある。
・墨染 優里(スミゾメ ユウリ)
・才能…〈超高校級の新聞部〉
・性格キーワード
〔誇張〕…調べた内容はとにかく誇張。葉隠の占いは七割当たるなど平気で書く。
〔突撃取材〕…ネタのためならプライバシーなんて知りません。
〔嫌われ者〕…やりすぎて周りからは嫌われている。
・立木 亜里沙(タチキ アリサ)
・才能…〈超高校級の読書家〉
・性格キーワード
〔高い女子力〕…女子力が高い。お洒落にもきちんと気を遣います。
〔占い好き〕…朝の占いは欠かさずチェックしているほどの占い好き。
〔清楚〕…清らかですっきりしている。謙虚さがますます女子力を高めている。
・平野 夢(ヒラノ ユメ)【DEAD】
・才能…〈超高校級のベーシスト〉
・性格キーワード
〔姉貴分〕…頼りがいのあるみんなのお姉さん。
〔パンク好き〕…パンクロックが大好き。ベーシストを始めたのも憧れから。
〔聡明だけどお調子者〕…物事に対する理解力が高く賢い。しかし言動は軽めなので誤解されたりもしてしまう。
・神崎 真夏(カンザキ マナツ)
・才能…〈超高校級の心理カウンセラー〉
・性格キーワード
〔毒舌〕…辛辣な物言いをする。ただしそれで空気を悪くさせたりはしないようにしている。
〔明るいムードメーカー〕…周りを明るくする事が得意。
〔聡明〕…カウンセラーだからか理解力が非常に高い。
・美影 団居(ミカゲ マドイ)
・才能…〈超高校級の放送委員〉
・性格キーワード
〔猫口調〕…語尾ににゃあやにゃんとつける。
〔感受性が高い〕…感じ取る能力が強い。しかし環境や人に左右されやすい面も。
〔遅刻魔〕…時間を守る事が出来ない。彼女と待ち合わせしたいなら一時間前の時間を伝えよう。
・物述 かぐら(モノノベ ―――)
・才能…〈超高校級の小説作家〉
・性格キーワード
〔クールで真面目〕…感情を高ぶらせたりせず、誠実に生きている。
〔好きあらば自己アピール〕…自分を好きでいてくれる人にはついつい自己アピールしてしまう。
〔常識人〕…それでも常識はしっかり兼ね備えています。
・岩崎 和音(イワサキ カズネ)
・才能…〈超高校級の車掌〉
・性格キーワード
〔責任感が強い〕…車掌という職務上責任感がとても強い。
〔ドジッ子〕…何らかのドジをやらかしてしまう。本人に悪意は全くない。
〔マニュアル至上主義〕…予定外の行動だとドジなのでマニュアルを至上としている。
夢を見た。
平野「ほら翼、出番っしょ!」
皐月「いや、ちょっとまだ心の準備が……!」
安田「今さら何を言ってるんだ……この安田順様が監督したんだ!失敗なんてあるわけないだろ!」
平野「BGMは生演奏しちゃかんねー、大船に乗ったつもりで行ってきなって!」
皐月「わ、わかったよ!」
安田「わかったならさっさと行け皐月!」
皐月「お、押さないでくれって……わわっ!?」
それはもういない二人と俺が、笑い合う夢。
俺の願望が見せたとしか思えない……
悲しい、夢だった。
STATION2〔方程式では解けない殺人者の思考〕(非)日常編
〔六日目〕
ピンポンパンポーン
岩崎「おはようございます。朝七時になりました」
岩崎「皆様、食堂車にお集まりください」
皐月「……」
学級裁判を終えた俺達はまたこの列車に乗っていた。
ホームから線路を伝って逃げる事も考えたけれど、地下にあるらしい学級裁判場の駅は列車が出入りするとき以外は線路に巨大な扉があって逃げられそうになくて。
結局俺達はなすがまま……コロシアイ特急列車の旅を続ける事になったんだ。
皐月「……」
部屋の隅にあるベースのケースと楽譜を見る。
夢さんの遺品……これを俺が持つ事になった理由は昨日、学級裁判が終わった後に遡る……
【五日目・学級裁判場駅ホーム】
石原「むううっ……!!」
岩崎「どう、ですか?」
クロード「ダメだな、この扉ビクともしねえ……この扉を開けて線路から逃げるのは諦めた方がいい」
美影「そ、そんにゃあ……」
陸海「ぜぇ、ぜぇ……またあんな列車に乗るのかよぉ……」
神崎「嫌でもそれしかないね……ここに残りたいなら話は別だけど精神病むからオススメはしないよ」
伊方「……」
下田「どうしたの伊方君?」
伊方「いや、これからを過去のコロシアイと照らし合わせて考えていた」
立木「これから、ですか?」
伊方「過去起きたコロシアイでは事件が起こる度に行動範囲が広がり、さらなる事件を引き起こしてきた」
物述「今回もそうなるかもしれない……?」
皐月「だとしたら車両が増えるとかそういう感じか……」
岩崎「もしそうだとしたら、すぐ調べた方が良さそうですね」
下田「そうだね……そうしよう」
霧ヶ島「下田様、顔色が優れませんが……」
下田「大丈夫だよ霧ヶ島くん。ほら、ぼくはこんなに元気だから」
笑いながら腕を振る下田だけど、その顔色はかなり悪い。
あれだけ疑われた後なら……無理もないか。
墨染「あっ、来たみたいですよ」
墨染の言葉とほぼ同時にゆっくりと線路を塞いでいた扉が開いていく。
そして止まった列車……初めて見たその外観はモノクマみたいに白と黒で半々に分かれた悪趣味なものだった。
笹山「車両数は変わらないようね」
皐月「行動範囲を広げるつもりはないって事か……」
モノクマ「オマエラお待たせ!それじゃあさっさと乗り込んで……」
伊方「モノクマ、過去のコロシアイのように行動範囲は広げないのか?」
モノクマ「えっ?ああ、それね。もちろん広げたよ!」
立木「えっ、でも車両数は……」
モノクマ「わざわざ車両増やさなくても、大丈夫たからね!」
神崎「……スッゴくやな気分になりそうだけど聞くよ。それどういう意味?」
モノクマ「うぷぷ……それはね」
そして俺達は知ったんだ。
モノクマ「平野さんと安田クンの部屋潰して新しい部屋にしたって意味だよ!」
モノクマの悪意は……俺達の想像以上だった事を。
短いですが本日はここまで。
部屋潰しは車両数の関係と、原作で苗木クンが舞園さんの部屋を調べた時色々言っていたので、だったらそもそも部屋潰すのって結構絶望的なんじゃないかって気がしたのでこうなりました。
前スレでドット絵は載せないのかという話がありましたが、自分で作ったわけではないので……
もし作成した方が許可してくださるなら載せたいと思います。
それでは。
開始します。
それと作成した方に許可をいただけたようなのでドット絵を。
http://i.imgur.com/Fo0hbA8.png
皐月「夢さんと安田の部屋を潰した……?」
モノクマ「だってもう必要ないでしょ?だったら有効活用しなきゃ!」
立木「な、なんて事を……」
モノクマ「あっ、そうだそうだ」
ガラガラ!
下田「これは……!?」
モノクマ「改装の際回収した物だよ!もし欲しいなら持っていっていいからね!」
そう言ってモノクマがホームに置いたのは……二つの袋。
一つはベースや楽譜、その他音楽関係の物が入った袋。
もう一つはさっきのおしおきでも見たカチンコや、色んなスポーツ毎に分けられたファイル、ドラマや映画の台本が入った袋。
間違いない、死んだ二人の遺品だった。
岩崎「ど、どこまで二人の死を侮辱すれば……!」
伊方「……」ゴソゴソ
陸海「い、伊方っち、何してんだぁ?」
伊方「血糊に模造品のナイフや拳銃……やはり安田は犯行に使った物を持っていたか。下田」
下田「わっ!?」パシッ
伊方「血糊はお前に預ける。管理は怠るなよ」
伊方はそれだけ言って列車に乗り込んでしまった。
それに続くように笹山さんやクロードも列車の中に消えていく。
神崎「とりあえず、こんな所に置いていくのは嫌な気分になるし……この遺品、持っていこうか」
神崎さんの言葉に反対する人は誰もいなかった。
俺達は二人の遺品が詰まった袋を抱えると、列車に乗っていく。
モノクマ「みんな乗り込んだみたいだね!それじゃあ出発ー!」
場違いなほど明るいモノクマの声に反応したみたいに扉が閉まる。
そして……再びコロシアイ特急列車は走り出した。
【二号車・サロン】
モノクマ「あっ、そうそう。明日から岩崎さんに朝と夜の放送は任せるから」
岩崎「えっ……?」
モノクマ「ボクも毎日は面倒くさいからねぇ」
物述「放送室なんて、どこにもないじゃない」
モノクマ「うぷぷ、今まではね……」
まさか……
慌てて電子生徒手帳を取り出して、マップを起動する。
夢さんの部屋だった場所が……【放送室】。
安田の部屋だった場所が……【トレーニングルーム】に変わっていた。
モノクマ「そういう事なんで頑張ってね!バイバーイ!」
なんて、悪趣味な事をするんだ。
モノクマの言葉は毎日死んだ夢さんの部屋に行けと言っているようなもので。
俺だったら……耐えられる気が、しない。
岩崎「……放送室を、確認してきます」
だけど俺は岩崎さんを止める事すら出来なくて。
その後俺は夢さんのベースと楽譜を形見分けしてもらい……逃げるように部屋に戻ったんだ。
〔六日目・皐月の部屋〕
皐月「……」
さっき聞こえてきたのは岩崎さんの声だった。
これから毎日モノクマの声を聞かされなくてすむ……それだけが救いかもしれない。
皐月「……行こう」
〔食堂車〕
皐月「おはよう」
下田「おはよう皐月くん」
皐月「顔色、少しは良くなったみたいだな」
下田「うん。心配かけてごめんね」
皐月「謝る必要は……ところで、何人かいないみたいだけど」
食堂車を見渡すと、立木さん、神崎さん、美影さんがいない。
下田「立木さんと神崎さんなら美影さんを起こしに行ってるよ。こんな時だからこそみんなで集まらないとね」
皐月「……そうだな」
下田「……みんな、集まったみたいだね」
陸海「下田っち、何か話でもあるのかぁ?」
下田「……みんなは、ぼくがまだリーダーでいいと思う?」
霧ヶ島「それはいかような……」
下田「ぼくは何も出来なかった。それどころか、安田くんの殺意を深めてしまう行動しか取れてなかった」
立木「下田君……」
下田「正直、こんなぼくがリーダーを続けるのは……やめた方がいい気がしてる」
下田「みんなの意見を、聞かせてほしい」
皐月「……」
下田はリーダーを引き受けた身として、責任を感じてるのか……
だけど。
下田が悪いわけじゃない、安田の殺意は何にしても俺が生きている限り続いたはずだ。
でも……下田がもうリーダーをやめたいなら無理強いは出来ない。
神崎「逃げるの?」
下田「えっ」
神崎「いや、逃げるのかって聞いてるの」
美影「ま、真夏ちゃん?」
神崎「下田君、はっきり言うけどそれはダメだよ」
下田「……どうして?」
神崎「私達に結論委ねてるから」
下田「……!」
神崎「こう言われたいんだよね?もう無理しなくていい、後は任せろ、お前は悪くない……だからリーダーをやめろって」
神崎「本当はまだ頑張りたいのに。下田君、そうやって自分の苦しみを一人で抱え込んで逃げようとしてる」
下田「っ」
神崎「続けたいなら続けたいって言っていいんだよ。辛いなら辛いって言っていいのになんでそれを言わずに済まそうとしちゃうの?」
下田「…………」
下田……
神崎「聞かせてよ、下田君の本心」
下田「……さっきのは本心だよ。こんなぼくがリーダーを続けるのは、良くないって思ってる」
下田「だけど……」
下田「まだリーダーとして頑張りたいのも本心……だよ」
下田「……いや、本当は続けたいんだ。平野さんと安田くんみたいな事を二度と引き起こさないようにするためにも」
皐月「……下田、俺に言ったよな?自分を責めてる俺に、俺のせいじゃないって」
立木「そうです!下田君も、皐月君と同じように悪くありません!」
霧ヶ島「下田様、御自分をお責めにならないでください!」
物述「全部モノクマがいけない。あなたも、他の人達だって悪くはないわ」
下田「……ありがとう」
下田「ぼくリーダーを続けるよ。もう誰一人欠けないように」
良かった。
下田もこれで少しは前を向いて……
墨染「じゃあ早速皐月さんを拘束しましょうか♪」
皐月「なっ!?」
下田「何をいきなり……」
墨染「だって皐月さんがいたから安田さんはあーんなどこにでもあるような衝動殺人を犯してしまったんですよ?」
岩崎「それはモノクマが……!」
墨染「モノクマの写真がなければ安田さんは本当に何もしなかった。そんな事はっきり言えませんよね?」
墨染「わかりますか皐月さん。あなたは存在しているだけで二人を殺したような物なんですよ」
墨染「あなたにさえ出会わなければ、平野さんも安田さんも死なずに済んだでしょうに、ね♪」
皐月「……」
わかってる……そんなの、わかってるよ。
墨染「安田さんも言ってましたよね?危険物はきちんと処理しろって」
墨染「もう二度とこんな事態を引き起こさないようにするためにも……皐月さんには何かしらのペナルティーを要求します♪」
立木「い、いい加減にしてください!そもそもあなたはそうやっていつも不安を煽って……!」
墨染「事実を述べただけですよ?あっ、クロードさんは大丈夫ですよ。殺人鬼とあなたでは違うのはわかりましたから」
クロード「……ったく、そりゃどうも」
墨染「まさか下田さん、肩入れして安田さんみたいな人をまた作るようなまねはしませんよね?」
下田「だけど……」
皐月「……わかった」
どれだけ自分を責めなくても、安田みたいに考える人間がいなくなるわけじゃない。
だったら……
美影「えっ、ちょっと翼ちゃん?どこ行くにゃ!?」
陸海「さ、皐月っち?」
石原「わかったとは、いったい……」
みんなの戸惑う声を背に俺はレストランから出て、上の厨房に向かう。
そして俺は……包丁を手にとって戻った。
下田「皐月くん!?」
笹山「何をする気?」
皐月「墨染、ペナルティーだって言うなら選んでくれないか」
墨染「はい?」
皐月「俺は自分のどこを刺せばいいんだ?」
墨染「……えっ」
皐月「俺が殺人鬼だって言うなら……怪我をしてる状態にすればだいぶ安心だろ?」
伊方「……死ぬ気か」
皐月「死ぬ気はないよ、俺は誰も殺さない。自分を殺すつもりもない」
それが夢さんに教えられた事だ……
皐月「だから心臓とかは無理だ。それでいいな?」
墨染「……じゃあ」
皐月「……」
〔この状況を止めたのは?〕
>>2-5から選んでください。
↓二
石原「待てぇぇいっ!!」
皐月「っ!?」
大きな声と一緒に、持っていた包丁をはたき落とされる。
その手の主は小刻みに震えながら沈痛な顔をしていた。
皐月「石原……!?」
石原「皐月殿!己のやろうとしている事がわかっているのか!?」
皐月「わかってる……だからこうやって」
石原「わかってなどおらん!!皐月殿のその行いがどれだけ周りを傷つけるのかをわかっているなら、そんな事は出来んはずだ!!」
皐月「……?」
周りを傷つける……?
石原の声につられて周りを見る……下田や立木さん、岩崎さんだけじゃない。
他にも何人かが俺に対して悲痛な表情を向けていた。
石原「気を強く持て!!ただでさえ初日の傷も癒えていないというのに、これ以上己を痛めつけるな!」
皐月「……」
じゃあどうしたらいいんだ……
自分でわかってるんだ、この冤罪はもう奇跡でもない限り晴れないって。
そんな俺がみんなを不安にさせないためには……これしかないじゃないか……
笹山「墨染、あなたの方が皐月よりよっぽど周りを不安にさせてるわね」
墨染「ボクのせいですか!?実際、事件は……」
神崎「墨染さんって大前提を忘れてるよね?もしかしてわかってて言わないの?」
墨染「大前提ですって?」
物述「そもそも皐月さんと出会わなければ、じゃない。そもそもこんな事態に巻き込まれなければ……よ」
伊方「モノクマの存在を無視して皐月を元凶扱い……そこまで場を引っ掻き回したいのか」
墨染「むううう……!」
陸海「なあよぉ……皐月っちはなるべく単独行動しなければいいんじゃねえかなぁ」
下田「……一人で何をしてるかわからないからこそ恐怖を抱く。うん、陸海くんの言うとおりかもね」
立木「つまり今まで以上に皐月君とお話すればいいんですね!」
神崎「肯定はしないけど、今の行動見たら覚悟は伝わったしね」
皐月「……」
石原「こういう事だ。だからもう無闇に己を傷つけるのはやめるのだ皐月殿」
俺は、また間違ってたのか。
皐月「……ありがとう」
ポツリと呟いた言葉は誰にも聞こえてなかったみたいだけど。
今は、それでいいようなそんな気がした。
【十一号車・皐月の部屋】
皐月「……なかなか難しいな」
俺は部屋で夢さんのベースを直していた。
何というか、直したい気分だったんだ。
皐月「……よしっ」
元々弦が切れていただけだったから、初めてでもそんなに時間はかからなかった。
弦をなぞる……夢さん、俺頑張るから。
ピンポーン
皐月「あっ、来たみたいだな」
これから放送室とトレーニングルームを探索する事になってる。
ただ一人だとアレだから二人ほど付き添いがいるけどな……
〔皐月と探索するのは?〕
>>2-5から二人まで選んでください
↓二
本日はここまでで。
開始します。
美影「翼ちゃーん、迎えに来たにゃー」
笹山「…………」
皐月「……また、珍しい組み合わせだ」
美影「だって放送室調べるんでしょ?だったらこの〔超高校級の放送委員〕のミーちゃんにおまかせあれだにゃ!」
笹山「私はトレーニングルームを見ておきたいからついでよ」
皐月「なるほど……じゃあ行こうか」
まずはトレーニングルーム、からだな。
【十号車・トレーニングルーム】
カードリーダーがなくなった扉を開けると、そこは本当に客室だったのか疑いたくなるような状態だった。
右を見るとベッドがあった場所には二つ並んだルームランナー、シャワールームのトイレはなくなっていたけどシャワーは二つに増やされていた。
クローゼットがあった場所にはロッカーが三つ並んでいて、冷蔵庫のあった場所にはダンベルやら筋トレの道具が詰め込まれている。
そして部屋の真ん中にはベンチプレスの器具が、そこから少し離れてサンドバックが吊されて揺れていた。
笹山「ダンスには少し手狭ね」
皐月「……客室だった名残が、ほとんどないな」
美影「にゃう、でも本当に順ちゃんはここにいたんだよね……」
……そうだ、安田は確かにここにいたんだ。
皐月「特に脱出に繋がるような物はなさそうだ……次に行こう」
次は……放送室。
夢さんの、部屋だった場所だ。
【六号車・放送室】
皐月「これは……」
放送室はさっきの比じゃないほど様変わりしていた。
なんせ部屋の中が壁で仕切られていたんだから。
美影「にゃるにゃる……きちんと副調整室とスタジオを分けてあるんだにゃ」
皐月「よくラジオの収録風景とかで見る部屋だ……録音機器もある」
笹山「ここには時計があるのね。今まで客室にしかなかったのに」
そういえば確かに客室のやつに似た掛け時計があるな……
美影「それはそうにゃ!これがないと和音ちゃんが朝の放送出来にゃいもん!」
皐月「スタジオの方にも調整室に似た機械があるし、朝の放送ぐらいならスタジオだけで出来るって事か」
美影「にゃん、ミーちゃんならそこからさらに、放送いけるにゃ!」
その後防音も完璧である事を確かめて、俺は外に出た。
皐月「……」
やっぱり、夢さんの部屋だった事を考えると……キツいな。
【食堂車】
皐月「……ふぅ」
何というか、進展はなかったな。
動いてる列車ってだけでも、脱出は難しいのに。
皐月「……」
笹山「ここ、いいかしら」
皐月「あっ、笹山さん。構わないよ」
笹山「何か考えていたのかしら?」
皐月「えっ?」
笹山「私は視線に対して敏感なの。だから目を見ればだいたいわかるわ」
皐月「……笹山さんはいつ脱出出来るのか考えたりしないのか?」
笹山「しないわね、興味ないもの」
皐月「興味がない、か……笹山さんはよくそう言うよな」
笹山「事実だもの。私がダンスをしているのもただ私を熱くさせる視線を求めているだけ」
皐月「ダンス、好きじゃないのか?」
笹山「さあ?考えた事もなかったわ」
皐月「……」
笹山「私は視線を求めた。そしてダンサーとしての才があったからそれを使う……それだけの話よ」
なんで笹山さんは、ここまで視線にこだわるんだ……?
〔笹山ミチルの通信簿が更新されました!〕
〔視線を求める、それだけのためにダンサーになった彼女。
ダンスが好きなのか考えた事もないらしい……〕
皐月「……これからどうするかな」
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
岩崎「…………」
皐月「岩崎さん?」
岩崎「皐月さん……」
皐月「どうしたんだ?暗い顔は……まあ、この状況ならしたくもなるか」
岩崎「……私は、自分が憎らしいです」
皐月「憎らしい?」
岩崎「私は車掌です。例え違う列車であれ、本来なら乗客の皆様の安全を考えなければいけない立場です」
皐月「……」
岩崎「だけど、私はその責務を放棄し、平野さんにリーダーの役割を押し付けました……」
皐月「もしかして、それを気にして……?」
岩崎「モノクマのせいだなんて言いましたけど、本当は自分が許せないんです」
岩崎「……後悔しても、もう平野さんは生き返らないのに」
1…やっぱり、割り切れないよな
2…受け売りだけど、一ついいかな?
↓二
皐月「……受け売りだけど、一ついいかな?」
岩崎「なん、ですか?」
皐月「完全には無理でも少しだけでいい、自分を許してほしい」
岩崎「……!」
皐月「……もう少し違った形だけど、俺はこう言われて少しだけ前を向けた」
俺も夢さんの事について自分を完全には許せない。
きっと、この先も完全は来ないだろう。
だけどそれだけじゃ、ダメなんだ。
岩崎「……いいんでしょうか?」
皐月「そうしないと、いけないんだ」
岩崎「……っ」
岩崎さんの目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。
岩崎「ごめんなさいっ、ごめんなさい、平野さんっ……」
俺にとっても下田にとっても岩崎さんにとっても……彼女の死は大きすぎた。
岩崎さんの涙はそれをはっきりと示していた……
皐月「……」
部屋に戻る岩崎さんと別れて通路を歩く。
今度はどこに行こうか?
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔岩崎は選べません〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
霧ヶ島「わたし、異人の方とお話する機会なんて初めてです!」
クロード「異人とはまた変わった言い方すんな……オレもキリガシマみたいな奴は初めてだがな」
霧ヶ島「光栄です!いいすとうっど様!」
クロード「なんかおかしくねえか……人の事は言えねえけどよ」
皐月「楽しそうだな、二人共」
霧ヶ島「皐月様!はい、わたしいいすとうっど様とお話できて楽しいです!」
クロード「そりゃ、ありがとよ」
霧ヶ島「……ところでいいすとうっど様は八百万の神々に興味はありませんか?」
クロード「ヤオヨロズ?なんだそりゃ」
霧ヶ島「はい、八百万の神々というのは……」
これは長くなりそうだけど……どうするか。
1…話題を変える
2…霧ヶ島の好きにさせる
↓二
好きにさせた方がいいか……
霧ヶ島「八百万の神々というのは……」
クロード「ほう……」
皐月「勉強になるな……」
【30分後】
霧ヶ島「そして、わたしの神社では――」
クロード「へぇ……」
皐月「そうなのか」
【一時間後】
霧ヶ島「それで、我が御神体は――」
クロード「……なぁ、まだ続くのか?」
霧ヶ島「はい!それでですね……」
皐月「は、はは」
【二時間後】
霧ヶ島「そこでわたしの御先祖が……」
皐月「あっ、俺用事を」
クロード「おい待て、逃がさねえぞ……!」
皐月「もう無理だって!そもそもクロード相手に話してるんだから、クロードから切り上げてもらえばいいじゃないか!」
クロード「絶対泣くだろうが、面倒くせえ……!」
霧ヶ島「……お二方、わたしの話を聞いてますか?」
その後、霧ヶ島……さんの話が終わって解放されたのは三時間後だった……
皐月「なんだか頭がパンクしそうだ……」
あれだけ話してよく疲れないよな……クロードはグッタリしてたのに。
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔岩崎、霧ヶ島、クロードは選べません〕
〔選べるのは一人までです〕
↓二
皐月「……はあ」
物述「皐月さん、疲れてる?」
皐月「霧ヶ島さんの話をずっと聞いてたからちょっと」
物述「霧ヶ島さんの話は興味深いけれど……一度に話そうとするのが難点」
皐月「いや、熱心に話してるのは微笑ましいんだけどな」
物述「……それは肯定する」
1…物述さんも霧ヶ島さんの話を聞いた事あるのか?
2…そういえば、前にも物述さんに疲れてるか聞かれたな
↓二
皐月「そういえば、前にも物述さんに疲れてるか聞かれたな……」
物述「あの時とは疲れの種類は違うように見えるけれど……はい、お茶」
皐月「あっ、ありがとう」
物述「皐月さんは優しいからきっと疲れやすいんだと思う」
皐月「優しい?俺が?」
物述「そう。だからこそあなたは今朝みたいな事を出来てしまう」
今朝……墨染とのアレか。
物述「あなたが傷つけば悲しむ人がいる……それだけは覚えていて」
皐月「……わかった」
悲しむ人か……
物述「……」
物述さんはどうなんだろうな?
ピンポンパンポーン
岩崎「ただ今より夜時間となります」
岩崎「食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください」
岩崎「それではよい夢を……」
皐月「もうそんな時間なのか」
そろそろ寝よう。
皐月「……」
もう、コロシアイなんて起きない。
俺達はこれ以上欠けずに脱出する。
そう思いを新たにしながら、いつの間にか俺は眠っていた。
夢を見た。
皐月「物述さんも霧ヶ島さんの話を聞いた事あるのか?」
物述「もちろん。作品を書くにあたって色々調べてはいたけれど、霧ヶ島さんのような本職から聞く話はそれだけだとわからない事がたくさんあった」
皐月「確かに知らないような事がたくさんあった」
物述「コロシアイなんて巻き込まれてしまったけれど、みんなとの出会いだけは感謝出来る」
皐月「物述さん……」
それには、俺も含まれてるのかな?
とてもじゃないけど、怖くて聞けやしなかった……
ピンポンパンポーン
〔七日目〕
岩崎「おはようございます。朝七時になりました」
岩崎「皆様、食堂車にお集まりください」
皐月「……んっ、なんだったんだあの夢」
昨日物述さんと話したからか……?
皐月「とにかく食堂車に行こう」
【食堂車】
皐月「おはよう」
下田「おはよう皐月くん。今日からまた点呼を再開するから、よろしくね」
皐月「それはいいけど、女子はどうするんだ?」
下田「……ぼく一人でやる予定だよ」
皐月「大丈夫なのか?」
下田「うん、無理はしないから安心して」
>>2-5から一人選んでください。
↓二
寝落ちしそうなので、本日はここまでで。
開始します。
墨染「失礼します」
皐月「……殺人鬼の近くに座るなんて、どういう風の吹き回しなんだ?」
墨染「だって、少しでもご機嫌は取っておかないと殺されちゃうかもしれないじゃないですか」
皐月「……俺は誰も殺したりなんかしない」
墨染「ふふん、殺人鬼らしからぬ台詞ですね」
皐月「……」
1…俺は冤罪だ、誰も殺してない
2…墨染は何がしたいんだ……
↓二
皐月「墨染は何がしたいんだ……」
墨染「ボクのしたい事?ふふん、愚問ですね」
パシャッ
皐月「っ」
墨染「ボクは記事を書くんです。あなたの事も、このコロシアイの事も、皆さんの事もぜーんぶ」
墨染「こんなスリリングな体験が出来て、しかも周りには豊富な取材対象までいる……ボクにとってこのコロシアイは」
墨染「あなた達を見てる分には最高の体験です♪」
皐月「……本気で、言ってるのか?」
墨染「失礼な!ボクはこれでも正直者のゆうちゃんで通っていたんですよ!」
墨染「だから皐月さんにはもっともっと活躍していただきますね!」
墨染「最高の記事のために……ふふん♪」
皐月「……」
こんなものが、最高なわけないだろう……
皐月「……」
墨染とは分かり合える気が全くしないな……
皐月「……」
だけど、俺も変わらないといけないのかもしれない。
周りに信じてもらえなかったからって、俺自身も諦めて信じてもらえるように努力してなかった。
下田、夢さん、立木さん、岩崎さん……わかってくれる人がいたから満足して。
もしかしたら安田とだってわかりあえたかもしれないのにそれをしなかった。
皐月「……よし」
今さらでも、俺の存在がみんなに不安を与えるならその誤解を解こう。
もう一度。
皐月「俺は無実を主張しよう……!」
それが、今の俺がやるべき事なんだ!
皐月「……とは言ったものの」
ただ俺は冤罪だって言ってもそうそう受け入れてもらえないよな……
皐月「うーん……」
とにかく言うしかないのか?
皐月「あっ、あそこにいるのは……」
〔悩む皐月の前に現れたのは?〕
〔下田、立木、岩崎から選んでください〕
↓二
立木「あっ、皐月君」
皐月「立木さん」
立木「どうしたんですか?何か考え事してたみたいですけど」
皐月「色々考えたんだけどさ……俺は冤罪っていうのをみんなにしっかり言おうかなって」
立木「本当ですか!?」
皐月「うん、このままじゃいけないって思ったし……」
立木「だったら私もお手伝いしちゃいます!」
皐月「お手伝い?」
立木「私、皐月君はいい人だってわかってます!岩崎さんを庇った時、平野さんが殺された時、下田君を信じた時、学級裁判が終わった時……他にもたくさんありますけど」
立木「私は皐月君が殺人鬼なんかじゃないって確信してます!」
皐月「……!」
立木「だから頑張りましょう!どんな険しい道でも、皐月君は一人じゃないですから!」
皐月「……」
立木「皐月君?」
皐月「あっ、いや……なんか胸がいっぱいになって。じゃあ、立木さん……頼めるかな?」
立木「はい!」
立木「それじゃあ行きましょう!」
皐月「……なんだか俺よりやる気があるような」
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔立木は選べません〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
立木「まずは石原君の所に行きましょう!」
皐月「石原か……」
俺が暴走しそうになった時止めてくれた石原なら、確かに信じてもらえるかもしれない。
皐月「でもどこにいるかわからないな……」
立木「きっとトレーニングルームにいますよ!」
皐月「トレーニングルームか……確かに石原は体育会系だけどそんな単純な……」
【トレーニングルーム】
石原「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」
皐月「……本当にいた」
立木「石原君!」
石原「むっ?ぬ、ぬおわあああああああっ!?」
立木「きゃあっ!?」
石原「ぐっ、ぐおおっ、抑えよ我が本能……!」
皐月「だ、大丈夫か石原」
石原「す、すまぬ皐月殿。立木殿に吾から距離を取るよう言ってくれ……!」
皐月「た、立木さん、ちょっとこっちに」
立木「は、はい……」
…………
石原「うむっ、すまんかった。身構えれば何とか耐えられるのだが、いきなりあそこまで近寄られるとついな……」
立木「ご、ごめんなさい……」
石原「む、むうっ、皐月殿。気にしなくて良いと立木殿に……」
皐月「わ、わかった」
1…まともに話も出来ないのか……
2…立木さん、とりあえず石原には俺が話すようにするよ
↓二
皐月「まともに話も出来ないのか……」
石原「二言、三言ならば出来ぬ訳でもないのだが……それ以上はどうもいかん」
立木「た、大変なんですね」
石原「皐月殿、立木殿に……」
皐月「待て待て、このままだと本題に入れない」
石原「本題?何か吾に話があったのか?」
皐月「実は……」
…………
石原「むうっ、なるほど……皐月殿は奸計に陥ったというわけか」
皐月「信じられないかもしれない。だけど俺は本当に」
石原「皐月殿。それ以上の言葉は不要」
石原「吾は元々皐月殿がそういった者である事には懐疑的であった」
皐月「それじゃあ……」
石原「吾は皐月殿を信じようではないか。安田殿の話では亡き平野殿もそれを望んでいたのだからな……」
立木「やりましたね皐月君!」
皐月「ありがとう、石原……!」
石原「うむっ」
立木さんが一回部屋に戻るって行っちゃったけど、戻るまで何を……
石原「皐月殿ではないか!また会ったな!」
皐月「石原、トレーニングの帰りか?」
石原「うむっ!健全なる精神のため、健全なる肉体を手にせねばならんからな!」
皐月「そういえば、石原はいつから女子に対してあんな感じなんだ……?」
石原「むうっ、自覚したのは小学生の頃であったな」
皐月「小学生の頃!?その時から今みたいな感じだったのか!?」
石原「当時の吾はこの身に何が起きているか理解出来なかったが、今ならあの時から吾の性欲の強さは始まったと言っていい」
皐月「色々大変じゃなかったか?」
石原「うむっ……確かに色々あった」
石原「小学三年の頃、体育の時間おなごと密着して鼻血を吹き出した事をきっかけに!」
石原「ある時は身体が勝手におなごの身体測定を見に行き!」
石原「またある時は身体が勝手に銭湯の女湯に突撃し!」
石原「街を歩けばおなごの存在だけで所構わず吾の身体は反応した!」
石原「そのような人生を送ってきたのだ……」
……なんと言ったらいいんだ。
〔石原カイの通信簿が更新されました!〕
〔女性に対する性欲は小学生の頃から芽生えた物。
その性欲から様々なトラブルを起こしてきたようだ……〕
立木「お待たせしちゃいましたね!」
皐月「いや、そんなに待ってないから」
石原はわかってくれた。
次は誰を探そうか。
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔立木、石原は選べません〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
伊方「ふん、こんな物か」
陸海「うああああ……」
皐月「何、してるんだ?」
伊方「陸海が記憶を取り戻したいと言うのでな。質問責めにしていたところだ」
陸海「頭痛くなっただけだったぁ……」
立木「だ、大丈夫ですか?お水飲みます?」
陸海「ありがとよぉ……」
皐月「……」
伊方と陸海……か。
話すにしても、どう切り出すか……
1…伊方から話す
2…陸海から話す
↓二
伊方から話してみるか……冷静な判断が出来るだろうし。
皐月「伊方、ちょっといいか?」
伊方「なんだ」
皐月「話があるんだ」
伊方「……まあ、いいだろう。陸海、貴様の追い詰められた顔はまたいずれ拝むとしよう」
陸海「き、鬼畜眼鏡だぁ……」
立木「鬼畜眼鏡?」
伊方「ふん、今度は倍の質問をしてやろう」
陸海「うおあああぁ……!」
伊方「それで?俺に何の話だ」
皐月「……」
…………
伊方「つまりお前は冤罪だと主張するのか」
皐月「そうだ。俺は……人を殺した事なんてない」
伊方「ふん、お前の主張は理解した」
皐月「……」
伊方「だが信じるに値はしないな」
皐月「っ……!」
伊方「皐月、例えばだがお前は安田が人を殺す人間だとわかっていたか?」
皐月「えっ、いや、それは……」
伊方「わからない、つまりはそういう事だ。お前と俺はたかだか一週間の付き合いしかない」
伊方「そんなお前の言葉を無条件に信じるほど、俺はお人好しのつもりはない」
皐月「……」
伊方「冤罪だと言うなら俺を納得させてみせろ。その言葉が信用に値すると」
皐月「どうすれば、いいんだ」
伊方「そんな事は自分で考えろ。だが確固たる根拠のない主張など意味がない事を理解しておくんだな」
そう言って伊方は陸海の所に戻っていった。
立木「皐月君……」
皐月「……相手にされないよりはマシだって、思うしかない」
本当に、そう思うしかないな……
皐月「……よし、気持ちを切り換えていこう」
立木「はい」
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔立木、石原、伊方、陸海は選べません〕
〔一人までです〕
↓二
神崎「あっ、ちょうどいい所に!」
立木「神崎さん」
皐月「ちょうどいいってどうしたんだ?」
神崎「陸海君見なかった?カウンセリングしに部屋に行ったんだけどいないみたいで……」
立木「あっ、陸海君はその……」
皐月「多分サロンにいるけど……」
神崎「サロン?まーた似合わない所に行っちゃって……わかった、ありがと二人共!」
皐月「あっ、ちょっと待って神崎さん!」
神崎「えっ、なに?私に何か用事でもあった?」
皐月「ちょっと話があるんだ。いいかな?」
神崎「んー、まじめな話みたいだからいいけど手短にお願いね!」
…………
神崎「んー、要するにアレだね?【それでも僕はやってない】ってやつだ」
皐月「……まあ、そういう事だな」
神崎「ふーん……じゃあとりあえず皐月君」
皐月「んっ?」
神崎「私の目を見てはっきり言ってくれる?」
神崎「自分は何もしてないって」
……?
1…黙って従う
2…なんでそんな事を?
↓二
……すみません。
下だ、要するに安価下だと勘違いしました。
今四人目ですが、間違えたんでこの後下田クンもやります。
神崎さんの言葉に黙って従う。
きっと何か考えがあるんだろうしな。
皐月「自分は何も……」
神崎「OK、信じるよ」
皐月「えっ!?」
神崎「殺人鬼だなんて呼ばれてる人間がカウンセラーの言う事ホイホイ従うって、考えにくいからね」
立木「試したんですか?」
神崎「これでもカウンセラーとしてたくさんの人を見てきたから一応九割は信用してたよ?」
神崎「でも時々いるんだよ。そういう思考すら超えてくる本物のヤバい人」
皐月「俺は、そうだと思わないのか?」
神崎「ないない、皐月君は自分の思考にちょっと正直過ぎるし」
皐月「う、うーん」
なんだかバカにされてる気もするけど、信用されたなら……いいのか?
立木「石原君と神崎さんは信じてくれたみたいですね」
皐月「うん。伊方も中立ではあるみたいだから……」
下田「皐月くん、何してるの?」
皐月「下田」
立木「こんばんは、下田君」
下田「あっ、立木さんも一緒だったんだ。あれ、もしかしてぼく二人のお邪魔だったかな……?」
皐月「はっ!?」
立木「ふえっ!?」
下田「ごめんね、空気読めなくて」
皐月「な、何を言ってるんだ!?」
立木「さ、皐月君の冤罪について皆さんに話してるんです!」
下田「あっ、そうだったんだ……そういう事ならぼくに声をかけてくれても良かったのに」
皐月「下田はリーダーだから、あんまり負担かけたくなかったんだ」
下田「あはは、そんなの気にしないのに」
1…その気持ちだけ、ありがたく受け取るよ
2…気にする、下田は少し無理してそうだからな
↓二
皐月「その気持ちだけ、ありがたく受け取るよ」
下田「わかった。でも本当に困ったらいつでも話してくれていいから」
立木「ありがとうございます、下田君」
下田「……」
皐月「どうした?」
下田「皐月くん、少しいい顔してるよ」
皐月「そう、か?」
下田「うん。元々諦めはあっても絶望とかそういうのは見えなかったけど……今は明るくなってる」
皐月「自分じゃあ、よくわからないな……」
下田「……上手くいくといいね。ぼくは応援してるから」
皐月「ありがとう、下田」
下田は、本当にいい奴だよな……
本日はここまで。
ミスに関しては本当にすみませんでした。
それではまた。
開始します。
ピンポンパンポーン
皐月「えっ?」
立木「あれ?なんで放送が……まだ十時ではないですよね?」
下田「窓は塞がれてるからわからないけど……まだ夕食前だしそんな時間ではないはずだよ」
皐月「まさかまたモノクマが……!」
俺は慌ててモニターを見る。
だけどそこには何も映らず、聞こえてきたのは……
「にゃんにゃんにゃーん!ただ今、夜の六時半!」
「夕食前の癒しタイム、ミーちゃんの放送はっじまっるにゃー!」
いつも聞いてる、でもいつもより明るい美影さんの声だった。
下田「美影さんが放送室で放送してるみたいだね」
美影『にゃんにゃん、みんな今日も一日お疲れ様にゃ♪そんなみんなを癒すため、ミーちゃんが放送室から癒やしをお届けしちゃうんだにゃん♪』
立木「これが〔超高校級の放送委員〕、美影さんの放送……」
美影『それでは早速だけど一曲いくにゃ♪』
美影『平野夢ちゃん作曲【未来への一歩】、お聞きくださいにゃ』
皐月「えっ……!?」
その後流れてきたのは力強いベースの音。
身体の中心に響くようなそのメロディーは、俺を励ましてくれた夢さんを表してるようで。
美影『……これは夢ちゃんの持ち物から見つけた曲だにゃ』
美影『夢ちゃんは本当に優しかったにゃ。ミーちゃんの悩みも真剣に聞いてくれて……』
美影『そんな夢ちゃんは殺されちゃう直前まで信頼を必要としてたにゃ』
美影『だからミーちゃん達は負けたらいけないんだにゃ!』
美影『……あっ、熱くなっちゃったにゃ』
美影『それじゃあ次は……』
皐月「美影さん……」
立木「美影さんも、前を向いてるんですね」
下田「ぼく達も負けてられないね」
皐月「……そうだな」
【食堂車】
美影「にゃーん」
皐月「美影さん、さっきの放送……」
美影「にゃう、ミーちゃんも出来る事やらないといけないんだにゃ。翼ちゃんもそうなんでしょ?」
皐月「……うん、そうだ」
美影「お互いに頑張ろ♪夢ちゃんのためにも」
皐月「もちろん」
夢さん、美影さんにも何かしてたんだな……
墨染「ボクも放送室使っていいですか!一日一回ニュースを……」
笹山「一人部屋で読んで満足してなさい」
墨染「ひどい!なんでそんなに冷たいんですか!?」
神崎「ただの日頃の行いでしょ」
墨染「うぐぐぐ……!」
……墨染には使わせないようにしよう。
ピンポーン
皐月「はい」
下田「皐月くん、点呼の時間だよ」
皐月「……本当に一人でやるのか?」
下田「もちろん。ぼくはリーダーだからね」
皐月「……」
下田「皐月くんはそれよりやる事がある、違うかな?」
皐月「……無理だけはするなよ?」
下田「ありがとう。それじゃあ行ってくるね」
皐月「……」
ピンポンパンポーン
岩崎『ただ今より夜時間となります』
岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』
岩崎『それではよい夢を……』
寝るか……
〔八日目〕
ピンポンパンポーン
岩崎『おはようございます。朝七時になりました』
岩崎『皆様、食堂車にお集まりください』
皐月「今日も冤罪を晴らすために頑張らないとな」
食堂車に行こう。
【食堂車】
陸海「お待たせぇ、今日も自信満々だぜぇ」
神崎「一日の始まりはやっぱり陸海君のご飯じゃないとね!私もう陸海君なしじゃ生きていけないよ」
陸海「あっはっはぁ、神崎っちは上手いなぁ。玉子焼多めにしとくぜぇ」
神崎「やった!」
皐月「陸海、手玉に取られてないか……?」
>>2-5から一人選んでください。
↓二
皐月「下田、隣いいか?」
下田「うん、もちろんいいよ」
皐月「昨日はあの後間に合ったのか?」
下田「ギリギリだったけどね。でもいい運動になるし、悪い事ばっかりじゃないよ」
下田「何事もポジティブにいかないとね」
1…それはポジティブ、なのか?
2…確かに後ろ向きよりはいいか……
↓二
皐月「確かに後ろ向きよりはいいか……」
下田「そういう事。いつまでも後ろ向きだと……二人に申し訳ないしね」
皐月「そうだな……」
今はがむしゃらに前に進まないといけない。
下田はきっとそれがわかってるんだろうな……
下田「ぼく達はもう誰一人欠けない。それを信じて今日も頑張ろう!」
皐月「ああ!」
さてと、今日も……
下田「皐月くん、ちょっといいかな?」
皐月「下田?」
下田「ぼくの部屋に来てほしいんだ。話はそこでするから」
皐月「……?」
【八号車・下田の部屋】
皐月「……」
下田「どうかな?サイズはピッタリだと思うんだけど」
皐月「……」
俺は正直反応に困っていた。
原因はもちろん今俺の目の前にいる下田。
紺色のブレザーに白いリボン、青いスカートに黒いハイソックス……髪の毛にはレース付きのリボンまで付けている。
女子高生の制服を着た下田が、はにかみながら俺の目の前に立っていた。
皐月「下田……どういう状況なんだこれ?」
下田「ぼくは演劇部として女子の役もやってるのは知ってるよね?」
皐月「デビュー役がそうだったっていうのは聞いた事あるな」
下田「まあ、そこからこうしてたまにだけど女性役を演じてるんだけど……」
下田「ぼくは井の中の蛙だった」
皐月「えっ?」
下田「霧ヶ島くんを見て、ぼくの女性役がどれだけまだまだだったかはっきりわかったんだ……」
下田「だから皐月くん、ぼくの練習に付き合ってほしいんだ!」
皐月「……熱心、なんだな」
下田「演劇が好きだからね!」
情熱は、確かにすごいな……うん。
〔下田慧の通信簿が更新されました!〕
〔演劇のためなら女装だって厭わない。
それだけ演劇への情熱はすごいようだ〕
皐月「結局協力する事になった……」
だけど一体何をすればいいんだ……?
皐月「と、とにかく今日もみんなと話そう」
立木さんには、いたら声をかけるか……
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
皐月「んっ?」
霧ヶ島「ですからわたしはこうして巫女として……」
立木「なるほど、そうなんですか」
皐月「立木さん、霧ヶ島さん」
立木「皐月君、こんにちは」
霧ヶ島「皐月様、ご機嫌いかがですか?」
皐月「立木さんも霧ヶ島さんの話を聞いてたのか?」
立木「はい。霧ヶ島さんの神社にはまだ私も読んだ事がない本があるらしくて……ここから出たら読ませてもらえる事になったんです」
霧ヶ島「ただ少々古いので……基礎知識としてお話を」
1…そういう本って読ませて大丈夫なのか?
2…立木さんは本当に本が好きなんだな
↓二
皐月「立木さんは本当に本が好きなんだな」
立木「はい!本は心を豊かにしてくれますから」
霧ヶ島「立木様は読書家だとお聞きしましたけど、どれほどの書をお読みに?」
立木「確か27832冊、ですね。まだまだ読みたい本はたくさんありますよ」
皐月「に、二万……」
俺の何倍ぐらいなんだ……
立木「ところで皐月君。今日も昨日みたいにみんなとお話するんですよね?」
皐月「そのつもりだけど」
霧ヶ島「お話?皐月様は皆様とお話をしているのですか?」
皐月「俺が、冤罪だって話をちょっと」
霧ヶ島「冤罪……墨染様がおっしゃっていた皐月様の咎についてですか」
皐月「霧ヶ島さん、俺は無実なんだ。人を殺したりなんてしてない」
霧ヶ島「……皐月様はわたしの頼みを聞き届けてくださいました」
霧ヶ島「申し訳ありませんが、少し考えてもよろしいでしょうか?」
霧ヶ島「わたしは墨染様の事も疑いたくはないのです」
皐月「話を聞いてくれただけでも、ありがたいよ」
霧ヶ島「ありがとうございます……」
皐月「今日も付き合ってくれてありがとう」
立木「いえ、私も皐月君の誤解は解けてほしいですから」
立木「あっ、でも私もお話するって決めたんでした……皐月君、移動しながらでいいのでお話しましょう」
皐月「じゃあ……立木さんは二万以上の本を読んでるらしいけど、内容は全部?」
立木「もちろん覚えてますよ。ただ読むだけで読書家は名乗れませんから」
皐月「どうしてそこまで本を?」
立木「私、病弱だったんです。何回も入院して、病院で過ごす方が多い年もありました」
立木「そんな時に本に出会って……たくさんたくさん読みました」
立木「両親もまともに外出も出来ない私が喜ぶならってよく本を買ってくれました」
皐月「いい、親御さんだったんだな」
立木「はい、自慢の両親です」
自慢の両親、か……
俺はもう、そこまでは言えないな……
〔立木亜里沙の通信簿が更新されました!〕
〔本を読むようになったきっかけは病弱だった事。
まともに外出も出来なかった彼女にとって本は重要な意味を持つようだ〕
皐月「よし、今日も頑張ろう」
立木「はい、行きましょう皐月君」
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔最大二人まで選べます〕
〔立木、霧ヶ島は選べません〕
↓二
本日はここまで。
また明日よろしくお願いします。
再開します。
物述「皐月さん、立木さん」
立木「あっ、物述さん!」
物述「ちょうど良かった。お茶を入れたから、よかったら一緒に飲まない?」
立木「どうしますか?」
皐月「話もしたいし、いいんじゃないかな」
…………
物述「はい、粗茶だけど」
立木「ありがとうございます」
皐月「ありがとう物述さん」
物述「気にしないで。人数が多い方がお茶は楽しいから」
物述「それに二人はワタシに何か話があるみたい」
皐月「んっ……じゃあ早速だけど聞いてもらえるかな」
物述「どうぞ」
…………
物述「冤罪……?」
皐月「そうなんだ……」
立木「私は信じてます、皐月君は何もしてないって」
物述「……」
1…信じられないかもしれないけど、事実なんだ
2…俺は、本当に人を殺してなんかいない
↓二
皐月「俺は、本当に人を殺してなんかいない」
物述「……そう」
立木「物述さん、皐月君を信じてあげてください……」
物述「……ごめんなさい。いくら立木さんの頼みでもこればかりは早急に決めつけられない」
物述「ワタシは皐月さんの事を全然知らないから」
皐月「……」
物述「だから皐月さん。またお話しましょう」
皐月「えっ?」
物述「ワタシはしがない小説家。人の心理を読み解く力も真実を見通す力もない」
物述「だからこうして話す事でしか……アナタの事はわからない」
立木「物述さん……」
物述「アナタは優しい人。それは今までの事でわかってる」
物述「だから教えてほしい、皐月翼という男の子の事を」
物述「そうすればきっとワタシも立木さんや下田さん、平野さんみたいに思えるから」
皐月「……わかった。ありがとう、物述さん」
物述「少し気が早い……」
物述「そういう事だから早速アナタの事を聞かせてほしい」
皐月「いや、いきなり言われても……」
物述「だったらまずワタシから話す。聞きたい事があれば言ってほしい」
皐月「んー……あっ、物述さんって小説作家だけどどんなジャンルの小説を書いてるんだ?まだ【希望の花束】しか読んだ事がないんだ俺」
【希望の花束】は確か恋愛小説だったけど……
物述「基本的にジャンルは問わない。ワタシは思いついた物をただ書き連ねてるだけだから」
物述「今連載しているのは推理、ホラー、恋愛物」
皐月「それ全部平行して書いてるのか?」
物述「既に最後までの原稿は出来てる。後は来た編集者に渡すだけ」
物述「ワタシは最後まで一気に書かないと全く書けないから……」
最後まで一気にか……締め切りとか関係ないのかもな……
〔物述かぐらの通信簿が更新されました!〕
〔書くジャンルはオールジャンル。
現在も三つの連載を平行しているが、既に最後まで書き上がっているらしい。
本人によると最後まで一気に書かないと書けないようだが……〕
皐月「物述さんも今のところは中立、か?」
立木「ほとんど信じてくれてる気もしますけどね」
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔立木、霧ヶ島、物述は選べません〕
〔一人までです〕
↓二
クロード「よっと……」ピンッ
クロードがコインを弾いて何かしてるな……
立木「こんばんはクロードさん」
クロード「タチキにサツキか。なんか用か?」
皐月「コイン弾いて何してるんだ?」
クロード「ちょっとした運試しさ。表ならラッキー、裏ならアンラッキー。単純だろ」
立木「もしかして占いですか?」
クロード「似たようなもんかもな」
立木「……」
な、なんだ?立木さんの目がキラキラしだしたぞ?
立木「あ、あのクロードさん。私にもやらせてくれませんか?」
クロード「んっ?ほらよ」
立木「わわっ」
皐月「立木さん、急にどうしたんだ?」
立木「実は私、占いを読むのが大好きでして……でもここ数日は占いなんて全くありませんでしたから……」
我慢出来なかったと……
立木「ご、ごめんなさい皐月君。私あっちで占いしてますから」
1…いや、それぐらいなら終わるまで待つけど……
2…う、うん、わかった
↓二
皐月「う、うん、わかった」
立木「ありがとうございます!それじゃあ……」
クロード「女ってのは占い好きだとは聞いてたがここまでか」
皐月「立木さんほどはそうそういないんじゃ……」
クロード「まあいい、で?オレに何か話に来たんだろサツキ」
皐月「わかるのか?」
クロード「緊張して顔がひきつってやがるぞ」
そんなに緊張してたのか俺……
皐月「クロード、話を聞いてくれないか?」
…………
クロード「だろうな」
皐月「は?」
クロード「ガンマンなめんな。てめえみたいな殺気のかけらもねえ殺人鬼なんかいてたまるか」
皐月「じゃ、じゃあ最初からわかってたのか?」
クロード「あの写真見た時はそういう殺人鬼もいんのかって思ったが……アレが偽物だったならサツキは無罪、以上だ」
皐月「……」
1…もしかして、夢さん殺したのが安田なのもわかってたのか?
2…それって、事件が起こるのとかもわかるのか?
↓二
皐月「もしかして、夢さん殺したのが安田なのもわかってたのか?」
クロード「……いや、この列車では殺気が充満しててろくにわかりゃしねえ」
クロード「てめえに関しては殺人鬼ならもっとそういったもんがハッキリしてるだろうにそれがねえからわかっただけだ」
皐月「殺気が、充満してる?」
クロード「モノクマさ。あのクマの殺気はこの列車中に漂ってやがる」
クロード「そのくせ手を出す気配はねえからたちが悪い」
モノクマはあくまで俺達にコロシアイをさせたいらしいからな……
クロード「まっ、そういう事だから学級裁判の役にはたたねえぞ」
皐月「また行くのを前提にしないでくれ……」
立木「うう、戻りました……」
皐月「立木さん、おでこが少し赤くなってるけど……」
立木「コインを弾いたら額に当たっちゃって……」
クロード「アハハッ!おもしれえなタチキ!」
立木「面白くないです……」
ピンポンパンポーン
美影『にゃんにゃんにゃーん!ただ今、夜の六時半!』
美影『今日も夕食前の癒しタイム、ミーちゃんの放送はっじまっるにゃー!』
立木「あっ、もうそんな時間なんですね」
皐月「食堂車に行こうか」
立木「はい、今日も頑張ってご飯作りますね!」
クロード「おいサツキ、ちょっといいか」
皐月「えっ、まあ……立木さん、先行ってて」
立木「はい、また後で」
皐月「どうかしたのかクロード?」
クロード「正直者のてめえに一つだけ忠告しといてやる」
皐月「忠告?」
クロード「この列車、とんでもねえ化物乗せてるかもしれねえぞ」
皐月「……どういう、意味だ?」
クロード「一瞬だけいやがったんだよ。モノクマぐらいの殺気漂わせたモンスターがな」
皐月「だ、誰だよそれ!?」
クロード「オレが確かめようとした時には既に殺気を隠しやがった。あれは間違いなく作業で人殺せる人種だな」
皐月「……」
クロード「てめえが他の連中をどう思おうがオレは何も言わねえ。だがな」
クロード「――油断してると喉笛食いちぎられるぞ」
皐月「っ……!」
クロード「それだけだ。せいぜい気をつけな」
……モノクマ並みの殺気だって?
俺達の中に、そんな人間が本当にいるのか?
皐月「…………」
とりあえず、食堂車に行かないと……
【十一号車・皐月の部屋】
下田「何かあったの皐月くん」
皐月「……えっ」
下田「なんか、また暗くなっちゃった気がするんだけど……」
皐月「いや、大丈夫だよ。ちょっと疲れてるのかもな」
下田「皐月くん、ぼくに無理するなって言ってるのに自分が無理してたら元も子もないよ?」
皐月「わかってる。明日は少し休むよ」
下田「そうしなよ。あっ、それじゃあぼくは行くから。おやすみ皐月くん」
皐月「おやすみ」
ピンポンパンポーン
岩崎『ただ今より夜時間となります』
岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』
岩崎『それではよい夢を……』
皐月「……」
クロードの言ってた事は本当なのか?
俺達の中に……
いや、何を考えてるんだ俺は!
疑われる辛さはわかってるはずだ……
だけど……
その日、俺はほとんど眠る事が出来なかった……
〔九日目〕
ピンポンパンポーン
岩崎『おはようございます。朝七時になりました』
岩崎『皆様、食堂車にお集まりください』
皐月「……もう、朝?」
二時間ぐらいしか眠れなかった……
皐月「でも食堂車には行かないと……」
【食堂車】
皐月「……ぐぅ」
立木「皐月君、寝ちゃいましたよ……」
下田「うーん、やっぱり何かあったのかな」
クロード「……露骨に気にしすぎだろ」
>>2-5から一人選んでください。
↓二
皐月「んっ……」
陸海「さーつーきーっちー!」
皐月「うわっ!?」
陸海「やっと起きたかぁ、せっかく僕が作った料理が冷めたじゃないかぁ……」
皐月「あっ……わ、悪い陸海」
陸海「いいけどなぁ、僕の料理は冷めても美味いからさぁ」
寝不足だからって本当に悪い事したな……
1…もしかして起きるの待っててくれたのか?
2…眠るつもりはなかったんだ、本当にごめん
↓二
皐月「もしかして起きるの待っててくれたのか?」
陸海「皐月っちを放置するわけにはいかないだろぉ?洗い物あるから早めに頼むぜぇ」
皐月「い、いただきます」
確かに美味しい……陸海って本当に料理上手いよな……
陸海「食べ終わったら言ってくれぇ。僕は厨房で昼の仕込みをしとくぜぇ」
皐月「ありがとうな、待っててくれて」
陸海「困った時はなんとやらさぁ」
【十一号車・皐月の部屋】
皐月「今日は、どうするかな……」
正直ここ数日緊張してたせいか疲れがすごい……
下田に言ったように、少し休んだ方がいいのかもな……
ピンポーン
皐月「……?」
誰だ?
>>2-5から一人選んでください。
〔通信簿が更新されたキャラ限定です〕
〔更新されているのは笹山、石原、下田、立木、物述です〕
↓二
本日はここまでで。
明日はもしかしたら出来ないかもしれません。
それでは。
乙乙
>神崎「でも時々いるんだよ。そういう思考すら超えてくる本物のヤバい人」
>クロード「この列車、とんでもねえ化物乗せてるかもしれねえぞ」
期待が高まってまいりました
本日は出来そうにありません。
また明日よろしくお願いします。
すみません、今日も更新出来そうにありません。
開始します。
下田「やぁ、皐月くん」
皐月「下田……えっ」
下田「休んでるところ悪いけど、ちょっといいかな?」
皐月「いや、構わないけどそれより……」
下田「良かった。それじゃあ失礼するね」
皐月「下田、ちょっと聞かせてくれないか?」
下田「なに?」
皐月「……なんで女子の制服なんだ?」
下田「んー、この方が皐月くんも嬉しいかなって」
皐月「意味がわからないぞ!?」
下田「あはは、冗談だよ冗談。これで少しでも肩の力を抜いてほしかったんだ」
下田「何かあったの?」
皐月「……」
クロードから聞いた事……下田に話しておくべきか?
いや、でもこれ以上下田の負担になるような事は……
1…下田にクロードから聞いた事を話す
2…黙っておく
↓二
皐月「……いや、最近冤罪晴らすのに緊張してたから疲れてただけだよ」
俺は下田にクロードから聞いた事を話さない事にした。
そもそも本当かどうかもわからないんだ……下田に無駄に負担をかけたくない。
下田「そっか……確かに気を張る事ばかりだろうしね。でもそういう事なら心配ないかな」
皐月「ありがとうな、わざわざ」
下田「いいんだよ、こういうのもリーダーの役目だし。それに皐月くんは元気になってほしいから」
皐月「下田……」
下田「それじゃあ、ゆっくり休んでね」
バタンッ
皐月「……とりあえず言われた通り、休むか」
ベッドに横になる。
するとすぐに眠気がやってきて、俺は意識を手放した。
皐月「Zzz……」
ピピッ
ガチャ
「……」
皐月「んっ……」
「……」
皐月「すぅ……」
「……」
ガチャ
バタンッ
皐月「ふああ……よく寝たな」
今はお昼か……あれ?
皐月「テーブルの上に何か……っ!?」
これ、ナイフだよ、な……?
なんでこんな物がここにあるんだ!?
皐月「と、とりあえず…………」
待て、よ。
もしこれをこのまま持っていったとして……俺は信用されるのか?
今まで得た信用だって、ナイフを持ってるなんてなったら……
皐月「…………」
俺は怖かった。
一度受けたあの手のひら返しを……また受けるかもしれないのが怖くて怖くてたまらなかった。
だから俺は……クローゼットにナイフを放り込むと、その扉を閉じる。
皐月「……」
大丈夫、部屋から出さなければいいんだ。
こんなものきっとモノクマの罠に決まってる。
だからしまって二度と部屋から出さない。
それでいいはずだ……
皐月「……」
ナイフの事は忘れよう。
忘れるんだ……
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
石原「ふんっ!ふんっ!ふんっ!」
皐月「またトレーニングしてたのか石原」
石原「おぉ、皐月殿!もう大丈夫なのか?」
皐月「元々ただの寝不足だったからな。寝たらスッキリしたよ」
石原「うむっ、良きかな良きかな。皐月殿はここ最近走り回っていたので少し危惧はしていたのだが」
皐月「石原はそういう疲れとかなさそうだよな……」
石原「うむっ、これでも体力には自信がある!卓球で随分とこの持久力には助けられてきた!」
皐月「へぇ……」
1…卓球以外のスポーツも凄いんだろうな
2…石原はずっとここでトレーニングしてるのか?
↓二
皐月「卓球以外のスポーツも凄いんだろうな」
石原「むっ?いや、そのような事はないぞ?」
皐月「えっ?」
石原「吾はこのような身体であるからか、卓球以外の運動部に勧誘されていたのだが……」
石原「それほど得意ではないのか、ミスばかりしてしまうのだ」
石原「卓球ではミスなどした事はないのだが……」
皐月「意外だな……石原って、スポーツ全般で才能ありそうに見えるのに」
石原「よく言われるな……同時に期待外れだとも」
皐月「あっ……もしかして、嫌な事思い出させちゃったか?」
石原「そのような顔をせずともよいぞ、皐月殿。吾が期待に応えられぬのは事実なのだからな!」
石原は笑っているけど、本当に気にしてないのか?
これからはそういう事言わないようにしよう……
まだトレーニングするって言う石原と別れて廊下に出る。
皐月「次はどこに行こうか」
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔石原は選べません〕
〔最大二人まで選べます〕
↓二
美影「にゃあああ!」
皐月「な、なんだ?」
クロード「よくできてんな……」
美影「クロードちゃん、やめてにゃあ!ミーちゃんの耳はおもちゃじゃないの!」
クロード「そう言うな、マタタビやるから」
美影「ふにゃあ!?マ、マタタビなんかにミーちゃんは負けにゃい!」
クロード「ほらよ」
美影「ふにゃあ……♪」
皐月「……何、してるんだ?」
クロード「ミカゲがどこまでキャットか確かめてんだよ。割と筋金入りみたいだがな」
美影「ごろにゃーん♪」
1…あんまりからかうのはよくないぞ……
2…クロード、猫好きなのか?
↓二
皐月「クロード、猫好きなのか?」
クロード「んな事はねえさ。単純にミカゲがどれほどキャットか気になったってだけの話だ」
美影「んにゃあああ!だからミーちゃんは猫ちゃんの化身なの!だから猫ちゃんみたいな反応するのは当たり前だにゃ!」
クロード「へいへい、ミカゲのこだわりは理解したからもうそこまでしなくていいぞ」
美影「だからそういうのじゃないにゃー!翼ちゃんも何か言ってにゃあ!」
本当に筋金入りなんだな……美影さんの猫キャラって。
皐月「んっ?」
クロード「よっと」ピンッ
皐月「クロード……また占いしてるのか」
クロード「サツキか。これは日課みてえなもんだからな。ラッキーなら撃つ、アンラッキーなら撃たねえ……シンプルなもんさ」
皐月「……ガンマンってそういう事も気にするのか?」
クロード「さあな。だが少なくともオレはケチついた時は撃たねえって決めてんだ」
皐月「でも大会とかの日程は変えられないんじゃないか?」
クロード「そういう日はだいたい表で裏になった事はほとんどねえからな」
皐月「ああ、なるほど……」
クロード「まっ、そういう日に裏になったら……オレも終わりかもな」
皐月「おいおい……」
〔クロード・イーストウッドの通信簿が更新されました!〕
〔コインで運試しをするのが日課。
大会がある日には裏になった事がないらしい〕
皐月「クロードって結構話しやすいんだな……」
やっぱり話してみないとこういうのはわからないんだな……
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔一人選ぶを四回した場合、次の日の朝食での選択がなくなります。
一人選ぶを二回、二人選ぶを一回した場合は次の日の朝食での選択は一人だけになります〕
〔一人までです〕
〔石原・クロード・美影は選べません〕
↓二
伊方「皐月か」
皐月「伊方……」
伊方「冤罪の証拠は手に入ったか」
皐月「い、いや、それはまだ」
伊方「ふん、簡単に見つかるようなら苦労はしないか」
皐月「……伊方はもし俺が本当に殺人鬼だとしたら怖くないのか?」
伊方「怖い?ふん、そんな物俺には無縁な感情だ」
伊方「それに殺人鬼がいるなら俺にとっては好都合だ」
1…好都合?
2…怖いと思った事、ないのか?
↓二
皐月「好都合?」
伊方「歴史と同じピースがいるという事だからな」
皐月「歴史と同じピース……」
伊方「皐月、コロシアイ学園生活の生き残りには殺人鬼がいたという事を知っているか?」
皐月「なんだって!?」
伊方「ジェノサイダー翔。最も生き残りの誰かまでは隠蔽されて誰も話そうとはしないようだが」
皐月「……」
伊方「俺は〔超高校級の希望〕になる男だ。そのために必要なピースはあればあるだけいい」
伊方「そして殺人鬼が必要なら俺は必ず手に入れる」
伊方「〔超高校級の希望〕という高みにたどり着くためにな」
皐月「……」
伊方は、そこまでして〔超高校級の希望〕になりたいのか……
皐月「……伊方はなんでそこまで〔超高校級の希望〕になろうとしてるんだ?」
伊方「なんでだと?簡単な話だ、それが俺のやるべき事だからだ」
皐月「やるべき、事?」
伊方「だからこそ俺は〔超高校級の幸運〕になり……くくっ、そしてこうしてコロシアイに巻き込まれた」
伊方「歴史は繰り返す、コロシアイはまだまだ続くだろう」
皐月「っ!?」
伊方「そして俺は〔超高校級の希望〕になる」
伊方「あの【苗木誠】のようにな……!」
伊方、本当にそれだけなのか?
本当にそれだけで……〔超高校級の希望〕になりたいのか?
〔伊方五右衛門の通信簿が更新されました!〕
〔超高校級の希望になりたいのはやるべき事だから。
しかし皐月はそれだけとは思えないようだ……〕
美影『にゃんにゃんにゃーん!ただ今、夜の六時半!』
『夕食前の癒しタイム、ミーちゃんの放送はっじまっるにゃー!』
皐月「もうそんな時間か」
今の内に食堂車に行こうか……
【食堂車】
「きゃああああああっ!?」
皐月「な、なんだ!?」
聞こえてきた悲鳴に慌てて食堂車に入る。
するとそこには……
陸海「なんてこったぁ……」
岩崎「いたた……」
ビショビショの陸海と倒れた岩崎さんがいた。
皐月「り、陸海、岩崎さん!?いったい何があったんだ!?」
墨染「岩崎さんが転んで水を陸海さんにぶちまけたんですよ」
岩崎「ご、ごめんなさい!私、自分の中のマニュアル通りにやらないとドジしてしまって……」
陸海「あはは、まあ水も滴るいい男ってやつだぁ」
立木「と、とにかく陸海君!水を拭かないと……」
陸海「おぉ、サンキューなぁ」
そう言って立木さんがタオルを持って陸海を拭こうとする。
陸海「…………ぁ?」
皐月「えっ?」
陸海「うわあああああああああああああああっ!?」
立木「きゃあっ!?」
それは一瞬の出来事だった。
急に陸海が自分を拭いていた立木さんを突き飛ばして暴れ出した。
陸海「やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
皐月「り、陸海!?どうしたんだ、落ち着け!」
陸海「うわあああああっ!?」
墨染「おやおや、これはまた」パシャパシャ
皐月「写真を撮るな墨染!だ、誰か……」
神崎「今の声なに!?」
皐月「神崎さん!陸海が!」
陸海「ああああああっ!!」
神崎「っ、陸海君!みんな、いったい何したの!?」
立木「わ、私はただ濡れた陸海君をタオルで拭こうと……」
神崎「それだけでこんな……とにかくクロード君とか石原君呼んできて!まずは抑えないと!」
陸海「ああああああああああああっ……!」
【食堂車】
下田「視線を隠される事を嫌う?」
神崎「断片的だけど聞いた限りそういう事。さっきは立木ちゃんがタオルで顔を拭こうとして目を隠したからパニックになったみたい」
伊方「どうやら陸海は視線を隠される事にトラウマでもあるようだな」
皐月「トラウマ……」
墨染「なるほどなるほど……」
物述「どこ行くの墨染さん」
墨染「もちろん取材ですよ?もしかしたら記憶を取り戻すきっかけになるかもしれませんし♪」
神崎「ふざけないで!陸海君のカウンセラーとしてそんな事絶対させないから!」
墨染「ショック療法ってやつですよ。まさかカウンセラーともあろう人が記憶を取り戻すかもしれないのを邪魔するんですか?」
神崎「バカじゃないの!?陸海君はただでさえ不安定なのに、そこにトラウマを刺激するような事したら……!」
霧ヶ島「お二方、落ち着いてください!」
神崎「……とにかくそんなやり方、私は認めないから!」
墨染「やれやれ、融通がきかない人ですねぇ」
笹山「墨染」
墨染「はい?」
笹山「存在障りだから今すぐ消えなさい」
墨染「存在障り!?なんですかそれ!?」
石原「むうっ、陸海殿は大丈夫であろうか」
クロード「トラウマなんてのはこっちでどうにか出来るもんじゃねえからな」
美影「……トラウマ、にゃあ」
岩崎「私が水をかけたりしなければ……」
立木「い、岩崎さんのせいじゃありません。私が……」
皐月「二人共悪くない。陸海のトラウマなんて誰もわからなかったんだから」
下田「とにかくみんな、陸海くんのトラウマを刺激するような事はしない……それでいいね」
視線を隠される事がトラウマか……
陸海、大丈夫なのか……?
本日はここまで。
また明日よろしくお願いします。
それでは。
開始します。
皐月「陸海がまさかあんな風になるなんてな……」
下田「これからはそういう事も視野に入れないとね……ふぅ」
皐月「大丈夫か?」
下田「うん、大丈夫。生きてるからまだ頑張れるよ」
皐月「……そうだな。生きてるならまだ頑張れるよな」
下田「それじゃあ点呼に行ってくるね」
皐月「ああ、また明日」
ピンポンパンポーン
岩崎『ただ今より夜時間となります』
岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』
岩崎『それではよい夢を……』
下田が行った少し後、岩崎さんの放送が鳴る。
今日も色々あったし、もう寝よう……
〔十日目〕
ピンポンパンポーン
岩崎『おはようございます。朝七時になりました』
岩崎『皆様、食堂車にお集まりください』
皐月「よし、食堂車に行こう」
【食堂車】
陸海「おはよ、皐月っち」
皐月「陸海、大丈夫なのか?」
陸海「あははぁ、何とかなぁ。記憶の手がかりが見つかったと思っておくさぁ」
皐月「無理はするなよ?」
陸海「神崎っちと同じ事言わないでくれよぉ」
>>2-5から一人選んでください。
↓二
霧ヶ島「おはようございます皐月様」
皐月「おはよう霧ヶ島さん」
霧ヶ島「陸海様、とらうまなる物を抱えていらっしゃるとお聞きしましたが、大丈夫なのでしょうか」
皐月「本人は大丈夫だって言ってたな。まあ、陸海も大丈夫じゃないなら言うと思う」
霧ヶ島「それならばよろしいのですが……しかしこの列車には陸海様の他にもとらうまを持つ者がいますから心配です」
1…他にも、トラウマ抱えてる人がいるのか?
2…もしかして、霧ヶ島さん自身の事か?
↓二
皐月「他にも、トラウマ抱えてる人がいるのか?」
霧ヶ島「えっ……ああっ!」
皐月「い、いったい誰なんだ?教えてくれ!」
霧ヶ島「い、いえ、申し訳ありません。わたしが言っているのは皆様の事で……」
皐月「えっ?」
霧ヶ島「この前下田様とお話していた際、下田様は平野様と安田様の件でとらうまが産まれないかと危惧しておられて」
皐月「下田がそんな事を……」
霧ヶ島「ですからわたし、皆様にとらうまが根付いているのだと思っていまして……」
……夢さんと安田の事。
確かに大なり小なりトラウマにはなってるだろうな……
皐月「そういう事なら、安心とは言わないけど……うん、理解した」
この列車から脱出出来た時まともに戻れるのか、怪しいよな……
俺は、それ以前の問題だけど。
ピンポンパンポーン
皐月「っ!?」
モノクマ『オマエラ!今すぐ第二号車サロンに集合!』
モノクマ『うぷぷ、来なかったらおしおきだからね!』
下田「……モノクマの呼び出し」
伊方「また動機でもばらまくつもりか?」
物述「でも前回の動機はねつ造だとモノクマ自身が言った以上、今回の動機が何だとしても」
神崎「信憑性には欠けるね」
クロード「とにかく行こうぜ。無駄に死にたくねえしな」
美影「うにゃあああ……」
岩崎「今度はいったい……」
【二号車・サロン】
モノクマ「やぁやぁ、オマエラ。しっかり集まってくれたみたいだね」
石原「おのれ熊よ!今度は何用か!?」
モノクマ「用?そんなの一つに決まってんじゃん!」
笹山「……動機ね」
モノクマ「そのとーり!あっ、今度は前と違ってしっかり本物だから安心して!」
そう言ってモノクマが取り出したのは……カラフルに装飾された箱だった。
墨染「なんですかその箱。プレゼントでもくれるんですか?」
モノクマ「うぷぷ、間違ってはいないかもね。はいどうぞ!」
モノクマが床に置いた箱。
下田が歩み寄ってその箱をゆっくり開けていく。
すると……
下田「CD……?」
美影「CD?どういう事にゃ?」
モノクマ「うぷぷ、聞いてみればわかるよ」
下田「……放送室に行こうか」
【放送室】
下田「……」カチャッ
下田がCDをセットして、再生ボタンを押す。
すると列車のモニターについたスピーカーから……それは聞こえてきた。
『あ、あー……ちゃんと撮れてるのかなこれ』
『知るか。それ用意したのはお前だろ』
皐月「この声……」
夢さんと安田……?
平野『とりあえず録音出来てる感じで話進めよっか!ほら、みんなも来た来た!』
『平野さん、ちょっとはしゃぎすぎだよ』
下田「ぼくの、声?」
『でも平野さんらしいです』
立木「えっ、えっ?」
『帰っていいかしら?』
笹山「……」
『だ、駄目ですよ!』
岩崎「……!」
『全くなんだかな……』
皐月「……俺の、声だ」
その後も、俺達は和やかに話している……
『むっ!?もうここまで集まっていたのか!』
石原「これは、吾か」
モノクマ「いやあ、懐かしいねぇ。オマエラはこんなに仲が良かったもんね」
だけど……
モノクマ「あれ?でも何人か……声が聞こえないなぁ?」
いくらそのCDが進んでも。
陸海「これ、なんなんだぁ……」
伊方「ふん……」
クロード「どうなってやがる……」
霧ヶ島「み、皆様はお知り合いだったのですか?」
美影「どういう事……ねぇ、これどういう事にゃあ!?」
神崎「私達の声、聞こえないんだけど……」
物述「……」
墨染「なるほどなるほど……」
そのCDから陸海、伊方、クロード、霧ヶ島さん、神崎さん、美影さん、物述さん……そして墨染。
八人の声は、全くしなかった。
本日はここまで。
次回事件発生です。
後明日は出来ないかもしれません。
それでは。
開始します。
笹山「モノクマ、どういうつもり?」
モノクマ「何が?」
皐月「このCDの事に決まってるじゃないか!なんなんだよこれは!?」
CDの内容、俺は全く記憶にない。
当然だ、俺はみんなとはこの列車で初めて会ったんだから。
モノクマ「よよよ、そんな薄情な事を言わないでよ」
モノクマ「みんなあんなに仲が良かったじゃない。ほら、これを見てみなよ」
モノクマがみんなに新しい封筒を渡していく。
CDで冷静さを欠いていたみんなは警戒なんてまるでないみたいに封筒を開けていった。
俺もその一人で……
中に入っていたのはまた写真……
だけどその写真は前のような物とは違った。
それは……
教室のような場所で夢さんや下田と笑って話している、俺の姿だった。
皐月「な、なんだよこれ……」
モノクマ「ここで重大発表!」
モノクマ「このディスペアーエクスプレスの乗客であるオマエラは……」
モノクマ「みんな揃って記憶喪失なのでーす!」
神崎「記憶喪失……!?」
伊方「……やはりそうか」
霧ヶ島「やはり……?」
伊方「過去のコロシアイ学園生活において、コロシアイをさせられた者達は記憶を奪われていた」
伊方「二年間の学園生活、殺し殺された者達がクラスメートとして過ごした日々という記憶をな」
物述「まさかワタシ達も同じ?」
モノクマ「オマエラはまだ一年間しか過ごしてないけどね!」
下田「……何が狙いなのかな」
モノクマ「はい?」
下田「クラスメートとして過ごした日々の記憶を消したって事実。だけどこれは逆に言えば、ぼく達が仲良くしていたって事実を告げたのと同じだよね?」
下田「もしかしたら自分が殺そうとしてるのは仲良くしていた親友や恋人だった人かもしれない」
下田「そう考えたら躊躇する。コロシアイをしてほしいなら……動機として不自然だよ」
確かにそうだ……仲良くしていたかもしれない相手を殺す。
それはきっととてつもない重圧のはずだ。
皐月「……」
だったらモノクマはなんでこんな動機にした?
モノクマの狙いはいったいなんなんだ?
モノクマ「うぷぷ……仲良くしていたかもしれないから殺すのを躊躇うねぇ……」
モノクマ「本当にそれが全員に当てはまるかなぁ……?」
岩崎「ど、どういう意味ですか!?」
モノクマ「うぷぷ……いずれわかるよ」
モノクマ「いずれ、ね」ピョーン!
立木「行っちゃい、ましたね」
下田「……みんな!とにかく今聞いた通りだよ!」
下田「ぼく達がクラスメートならきっとぼく達は仲良くやってきたはずだ!」
下田「そんなぼく達が殺し合うなんて馬鹿げた話だと思わない?」
石原「うむっ……確かに」
下田「ぼく達が一年間を一緒に過ごしてきたクラスメートならまたきっと仲良くなれる……」
下田「だから必ず、黒幕に勝ってみんなで脱出しよう!」
下田の言葉に何人かが答える。
だけど俺は嫌な寒気が身体から離れなかった。
俺達は……本当に、大丈夫なのか?
【十一号車・皐月の部屋】
皐月「……」
この写真……本物なら俺は下田や夢さんと仲良くしてたのか。
皐月「……」
いったい俺はどんな学園生活を送ってたんだろうな……
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人選ぶ場合と二人選ぶ場合とで好感度の上がり方を変化します〕
〔最大二人まで選べます〕
〔今回の自由行動は二人とコミュしたら終了します〕
↓二
墨染「……」
皐月「……墨染」
墨染「ああ、皐月さんですか。ボクは今考え事でまともに相手してあげられませんよ」
皐月「……」
なんだ?いつもの墨染ならどんな写真をもらったか周りに聞き回るだろうに……
墨染「うーん……」
1…墨染はあのCDどう思う?
2…墨染はどんな写真をもらったんだ?
↓二
皐月「墨染はどんな写真をもらったんだ?」
墨染「もらってませんよ」
皐月「……えっ?」
墨染「ボクの封筒だけ空だったんですよ。これってどういう意味ですかね」
皐月「……」
今までの言動からして、一緒に写真撮る相手がいなかったなんて事は……ないよな?
墨染「あっ、きっとあれですね。ボクは撮る側だから写ろうとしなかったんですね」
墨染「うーん、ボクはやっぱり新聞部の鏡だったわけですか」
墨染「あはははははは!さすがボク!」
……少し心配したのがバカみたいだな。
皐月「墨染、お前はなんでそうなんだ……」
墨染「はい?」
皐月「迷惑を考えない突撃取材に誇張……そもそもこんな事してよく〔超高校級の新聞部〕になれたな」
墨染「逆ですよ。みんなボクにおとなしくしてほしいから希望ヶ峰に入学させたんです」
墨染「人気絶頂だったアイドルの薬物使用、総理にもなった国会議員の裏金問題、その他諸々」
墨染「これぜーんぶボクが記事にした物です。しかも突撃取材でね」
墨染「だから全寮制の希望ヶ峰に色んな方面からボクを入学させろって申し出があったらしいですよ」
墨染「そんなものでボクがおとなしくしてるわけないのに滑稽ですよね、ふふん」
行動を制限させるために希望ヶ峰に編入されたって言うのか……
〔墨染優里の通信簿が更新されました!〕
〔色んな方面に突撃取材をしてスクープを物にしてきた墨染。
希望ヶ峰に編入された理由は彼女の行動を制限させるためのようだ……〕
皐月「墨染はどうしたらおとなしくなるんだ……」
俺には全く方法が思い浮かばないな……
〔自由行動を開始します〕
>>2-5から選んでください。
〔一人までです〕
↓二
陸海「……あー」
皐月「どうしたんだ陸海、そんなダレて……」
陸海「んー、僕のITがなくなったなと思ってさぁ」
皐月「IT……?」
陸海「ほらさぁ、僕といえば記憶喪失、記憶喪失といえば僕だったろぉ?」
陸海「なのにみーんな記憶喪失だったなんて聞いてないぜぇ」
……陸海、それを言うならアイデンティティだ。
それに記憶喪失をアイデンティティにするのはどうなんだ。
喉まで出掛かったツッコミを飲み込む。
絶対ろくな事にならない気がするしな……
1…陸海はあのCDどう思う?
2…陸海はどんな写真をもらったんだ?
↓二
皐月「陸海はあのCDどう思う?」
陸海「んー、わかんねぇ」
皐月「即答!?」
陸海「普通なら皐月っち達と僕達が実は同期じゃないとかそんな感じなんだろうけどさぁ……」
陸海「だけどCDにいなかった美影っちも100期生だって言ってたしよぉ」
そういえば……初日みんなと自己紹介した後。
…………
平野『ここにいるみんなってさー、もしかして希望ヶ峰学園第100期生としてスカウトされた感じ?』
立木『は、はい。私は〔超高校級の読書家〕としてスカウトされました』
美影『ミーちゃんも〔超高校級の放送委員〕でスカウトされたにゃ♪』
…………
そう言ってたな……
じゃあやっぱり俺達は100期生でクラスメート、なんだよな?
陸海「後はあれだなぁ、実は皐月っち達が前から知り合いだったのを隠してたとかかぁ?」
皐月「いや、前からの知り合いじゃないぞ……」
陸海「かのーせいってやつさぁ」
そうは言っても本当に違うんだけどな……
陸海「とりあえず飯作るかぁ……」
皐月「陸海って料理が得意なんだよな?」
陸海「料理以外の家事もいけるぜぇ……この前神崎っちの服のボタンを付けたらなぜか悔しがられたしなぁ」
皐月「……」
陸海「もしかしたら僕の才能は〔超高校級のメイド〕かもなぁ」
皐月「待ってくれ、なんでメイドなんだ」
陸海「男の巫女さんいるなら、男のメイドさんもありだろぉ」
皐月「やめてくれ、ちょっと想像しちゃったじゃないか……」
陸海「んー……おぇぇ」
自分で気持ち悪くなるなよ……
〔陸海空助の通信簿が更新されました!〕
〔料理以外の家事全般が得意な陸海。
なぜだかメイドをチョイスするなど感性は独特のようだ……〕
皐月「……んっ?」
霧ヶ島「あっ、皐月様」
皐月「どうしたんだ霧ヶ島さん?俺の部屋の前で」
霧ヶ島「あの、少しよろしいでしょうか?」
皐月「俺は構わないけど……」
霧ヶ島「ありがとうございます」
…………
皐月「それで何か用事?」
霧ヶ島「えっと、わたしこういう時どうしたらよいのかわからないんですけど……」
霧ヶ島さんは部屋を歩き回りながら、何か考えてるようだ。
いったい何を考えてるんだ?
霧ヶ島「あ、あの皐月様!」
霧ヶ島「ぱ、ぱあてぃをやりませんか?」
皐月「……えっ」
霧ヶ島「あの、仲を深めるためにはぱあてぃをやるのが一番だと聞きましたので」
皐月「……もしかしてあの動機があったから?」
霧ヶ島「きっと皆様不安なはずなのです……だからこそわたしは皆様の結束を高めるためにぱあてぃをやりたいのです!」
皐月「霧ヶ島さん……」
霧ヶ島さんも、みんなの事を考えてるんだな……
皐月「わかった。俺は喜んでパーティーに参加するよ」
霧ヶ島「ありがとうございます!」
霧ヶ島さんはお辞儀をすると皆様にもお伝えしてきますと部屋から出ていった。
皐月「えっと、準備があるから五時半頃食堂車に行けばいいのか……」
パーティーか……楽しみだな。
【食堂車】
皐月「みんな、もう来てたのか」
下田「霧ヶ島くんにあそこまで頼まれたらね。それにぼくも何かしたいって思ってたから」
物述「霧ヶ島さんも考えてくれてる……有り難い話」
伊方「準備はいいが、厨房の陸海達以外の俺達には何をさせるというんだ」
神崎「料理はいつものメンバーだけでいいだろうから……パーティーらしく飾り付けとか?」
クロード「そう言やミカゲが倉庫でパーティーグッズ見たかもって言ってたぞ」
下田「それじゃあぼく達はパーティーグッズを取りに行こうか」
神崎「みんな行ってもあれだから……私達はどうしようか?」
墨染「それじゃあボクは……」
笹山「墨染がなんでいるの?」
墨染「ひどい!?」
【倉庫】
皐月「あった!」
伊方「なんでこんな所にあるんだ、見つかりにくかったぞ」
クロード「時間食っちまったな、今何時なんだ?」
皐月「時計、客室と放送室にしかないからわかりにくいな……腕時計も下田しか持ってないし」
下田「えっと……」
ピンポンパンポーン
美影『にゃんにゃんにゃーん!ただ今、夜の六時半!』
美影『今日も夕食前の癒しタイム、ミーちゃんの放送はっじまっるにゃー!』
美影『今日はパーティーだから楽しみだにゃー!』
下田「あれ?時計ずれてる……直しとかないと」
皐月「今六時半なのはわかったから、そろそろ戻るか」
【食堂車】
美影「にゃーん、にゃんにゃーん!パーティーに間に合ったかにゃあ!」
神崎「ご機嫌だね美影ちゃん」
美影「だってパーティーだよ!?」
クロード「答えになってねぇ……」
陸海「お待たせだぜぇ」
石原「待たせたな皆の衆!この石原カイ特製のカレーが完成したぞ!」
下田「みんな揃ったかな?」
笹山「……霧ヶ島は?」
物述「霧ヶ島さんなら部屋にいるらしいから、立木さんが呼びに行ったけど……」
美影「岩崎ちゃんも部屋に忘れ物あるって言ってたにゃあ」
陸海「あれぇ?でもそれにしては、遅くないかぁ?」
皐月「そうなのか?」
石原「うむっ、結構前に立木殿は厨房から出ていったが……」
皐月「……」
あ、れ?
なんだよ、この胸騒ぎ……
皐月「俺も、ちょっと呼びに行ってくる!」
なんだ、なんなんだ……
なんでこんなに……
嫌な予感がするんだ!?
【十号車・通路】
皐月「あれ?」
トレーニングルームの扉が……少し開いてる?
皐月「……」
なぜか、気になった。
だから俺は引き寄せられるように……トレーニングルームの扉を、開けた。
【トレーニングルームの天井にあるサンドバッグを吊す棒】
皐月「……!?」
【まるでサンドバッグと対称になるように……】
皐月「あ、ああ……」
【その身体は吊されていた】
皐月「なんで、だよ」
【首にロープを巻きつけられて……】
皐月「なんで……っ!」
【超高校級の読書家……】
【立木亜里沙さんは、吊されていた】
皐月「……!」
嫌だ。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ……!
皐月「亜里沙!!」
無我夢中だった。
俺は慌てて部屋に戻るとナイフを持ってトレーニングルームに向かう。
そして立木さんの身体を吊すロープを切って、彼女の身体を横たえた。
皐月「嫌だ!嫌だ!嫌だ嫌だ嫌だ!」
心臓マッサージ、人工呼吸……使う事なんてないと思っていた知識をフルに使って俺は立木さんを目覚めさせようとする。
皐月「頼む!頼む!頼む!頼む!頼むから……!」
皐月「目を開けてくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」
立木「げほっ!ごほっ!ごほっ……!」
皐月「……!」
立木「さ、皐月、君……?」
皐月「立木さん!良かった、良かった……!」
立木「さ、皐月、君……」
立木「ロッ、カー……げほっ!」
皐月「えっ?」
ロッカー?
ロッカーに、何があるって言うんだ?
俺は立木さんから離れてロッカーに向かう。
そして三つ並ぶロッカーの一つを……開けた。
【開けた途端に俺の身体にロッカーの中にいたモノが寄りかかる】
皐月「……えっ?」
【それは人だった】
皐月「……」
【いや、もう人とは言えないのかもしれない】
皐月「……くそっ」
【頭から流した血、血の気のない顔……その全てが物語っていたからだ】
皐月「くそっ、くそっ、くそぉ……」
皐月「うっ、ぐうっ……」
【超高校級の巫女】
【霧ヶ島司は、もうその目を開く事はないんだと】
皐月「くっそぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
ピンポンパンポーン!
モノクマ「死体が発見されました!」
モノクマ「一定の捜査時間の後学級裁判を行いまーす!」
バンッ!!
下田「皐月くん!!大変だ……えっ」
皐月「下田、霧ヶ島さんが……!」
立木「げほっ、げほっ!」
下田「霧ヶ島、くんまで……そんな……」
ピンポンパンポーン!
モノクマ「死体が発見されました!」
モノクマ「一定の捜査時間の後学級裁判を行いまーす!」
皐月「……えっ?」
立木「……!?」
なんで、死体発見アナウンスが二回……鳴るんだ。
下田「……」
皐月「下田、まさか……嘘、だよな?」
下田「……嘘、じゃないよ」
立木「誰、が……?」
下田「……」
伊方「……ちっ、二回とはな」
【その身体はシャワールームにあった】
クロード「……なんてこった」
【流れるシャワーでびしょ濡れになった身体……】
墨染「……」パシャッパシャッ
【そこから血が混じって排水口に落ちていく】
物述「そんな……」
【その日、もう一人死者が出た】
【超高校級の車掌岩崎和音は……】
【手首を切って、物言わぬ身体となっていた】
本日はここまで。
今回の被害者は立木亜里沙さんと見せかけて霧ヶ島司クン、岩崎和音さんでした。
次回捜査開始します。
それではお疲れ様でした。
申し訳ありませんが本日はなしで。
また明日よろしくお願いします。
開始します。
STATION2【方程式では解けない殺人者の思考】非日常編
皐月「岩崎さんが……?」
下田「うん……部屋で手首を切ったみたいだよ」
立木「そん、な……」
皐月「……」
岩崎さんが……あの時助けられた人が。
死んでしまった、のか。
モノクマ「うぷぷ、せっかく身体張ったのに無意味だったねぇ?」
皐月「モノクマ……!」
モノクマ「いやはや、まさかこんなに早くこんな事態になるなんてオマエラもなんだかんだでやるじゃないの!」
モノクマ「あっ、でも殺せなかった人もいるから詰めは甘いかな?」
立木「……!」
下田「……そんな事を言いに来たのかい、モノクマ」
モノクマ「いやいや、もちろんそれだけじゃないよ!」
モノクマ「ザ・モノクマファイルー!」
モノクマ「それじゃあ捜査頑張ってねー!」ピョーン!
皐月「……」
立木さんは助けられた。
だけど二人も殺されてしまった。
皐月「っ……」
とにかく、捜査をしないといけない。
それしか……今はないんだ。
【捜査開始】
皐月「まずはモノクマファイルの確認だ……」
【被害者は霧ヶ島司と岩崎和音。
霧ヶ島司の死体発見現場は十号車・トレーニングルーム。
死亡推定時刻は六時から七時の間。
死因は頭蓋骨陥没による脳挫傷。
身体には複数の傷がある。
岩崎和音の死体発見現場は三号車・岩崎和音の部屋のシャワールーム。
死因は失血死。
死体は大量の水によって濡れている模様】
皐月「……死因が違うんだな」
それにこのモノクマファイル……
コトダマ[|モノクマファイル2>を手に入れました。
【被害者は霧ヶ島司と岩崎和音。
霧ヶ島司の死体発見現場は十号車・トレーニングルーム。
死亡推定時刻六時から七時の間。
死因は頭蓋骨陥没による脳挫傷。
身体には複数の傷がある。
岩崎和音の死体発見現場は三号車・岩崎和音の部屋のシャワールーム。
死因は失血死。
死体は大量の水によって濡れている模様】
1…調べる【霧ヶ島の死体】
2…調べる【ロッカー】
3…話す【立木】
↓一
皐月「立木さん、大丈夫か?」
立木「まだ、頭がクラクラしますけど……」
皐月「とりあえずロープを外すから。ちょっと我慢してくれ」
立木「はい……」
皐月「よし、取れた」
立木「あの……皐月君」
皐月「んっ?」
立木「ちょっと、起こしてくれますか……?」
皐月「?」
言われた通りに寝かせていた立木さんの身体を起こす。
すると立木さんの背中が濡れている事に気付いた。
皐月「いや、床が濡れてたのか……?」
床には少しだけど水が広がっている……どういう事だこれ?
コトダマ[|濡れた床>を手に入れました。
【立木が吊されていた辺りの床が濡れていた】
ロープとかも調べておこうか……
1…調べる【霧ヶ島の死体】
2…調べる【ロッカー】
3…調べる【ロープ】
4…調べる【倒れた椅子】
↓一
皐月「立木さんの首に巻かれていたロープ……」
下田「皐月くん、君が見た時ロープはどういう状態だったんだい?」
皐月「えっ、もちろん立木さんの首に……」
下田「そうじゃなくて。ロープは全部下に落ちてるけど、結んであったわけじゃないんだね?」
皐月「……そういえば」
あの時は無我夢中だったけど、確かロープは天井の棒からまた下に下がって……
下田「先にはこんな物が結んであったよ」
皐月「これは水の入ったペットボトル……それも大量だな」
下田「犯人は立木さんの首にロープを巻いて天井の棒を通した後、このペットボトルに結んだんだろうね」
立木さんはこのペットボトルの重さで吊り上げられたって事か……
下田「それとこのロープ……数ヶ所切れてボロボロみたいなんだけど皐月くんが?」
皐月「えっ?俺は一ヶ所しか切ってないぞ?」
下田「このロープ……皐月くんが何かしなくても切れたかもしれないね」
……どういう事なんだ?
コトダマ[|立木の吊られ方>を手に入れました。
【立木はロープを首に巻かれ、天井の棒を通した先に結ばれたペットボトルの重さで首を吊られたようだが……】
コトダマ[|ロープの状態>を手に入れました。
【ロープは皐月が切った部分以外もボロボロでいつ切れてもおかしくない状態だった】
1…調べる【霧ヶ島の死体】
2…調べる【ロッカー】
3…調べる【倒れた椅子】
↓一
皐月「霧ヶ島さん……」
霧ヶ島さんは頭から流れた血以外に、腕や身体からも血がにじんでいる。
見てみると、切り傷のような物が見えた。
下田「ダンベルが転がってるね……血が付いてるし凶器はこれかな」
皐月「だけどこのダンベルじゃ切り傷は出来ないよな……」
そう言って軽い気持ちでダンベルを持ち上げようとする……だけどダンベルは全く持ち上がらない。
皐月「なんだこれ、すごい重さだぞ……!?」
モノクマ「あー、ダメダメ。それは不良品だから持ち上がらないよ」
下田「……不良品?」
モノクマ「重くしすぎて持ち上がらないんだよね。石原クンならもしかしたら持てるかもしれないけど」
モノクマ「あんまり持ち上がらないからボクすらしまう事も出来なくてそこに転がってるんだよ!」
それ、ダンベルの意味があるのか?
コトダマ[|霧ヶ島の切り傷>を手に入れました。
【霧ヶ島の身体には複数の切り傷があった】
コトダマ[|重すぎるダンベル>を手に入れました。
【血痕が付着したダンベル。
重すぎてモノクマも運べないらしい】
1…調べる【ロッカー】
2…調べる【倒れた椅子】
↓一
霧ヶ島さんが入れられていたロッカー……何か手がかりがあればいいけど。
皐月「あれ、これは……」
霧ヶ島さんが入れられていたロッカーには何もないけど、隣のロッカーに手形があるぞ……
皐月「もしかしてこの中に犯人が……?」
コトダマ[|ロッカーの手形>を手に入れました。
【霧ヶ島の死体が入っていたロッカーの隣にあるロッカーに手形がついていた】
立木さんが吊されていた場所の近くに椅子が倒れてるな。
皐月「……なんだこの椅子?」
片側の脚だけ短い……こんなの座ろうとしたらバランス崩して倒れるぞ。
皐月「いったいこの椅子は……」
コトダマ[|バランスの悪い椅子>を手に入れました。
【立木が吊されていた近くに倒れていた椅子。
脚が片側だけ短く普通に置くと倒れてしまう】
下田「だいたいは調べたし、立木さんを部屋に連れていこうか」
立木「ごめんなさい、捜査中なのに……」
皐月「いいんだ。後は俺達が何とか……」
下田「皐月くん、君が連れて行ってあげてくれないかい?」
皐月「えっ、下田は?」
下田「……霧ヶ島くんにちょっと」
皐月「……わかった」
俺は立木さんを背負うと、トレーニングルームを後にする。
トレーニングルームから出た直後……
ドンッ!
何かを叩くような、そんな音がした。
立木「……皐月、君」
皐月「……」
立木「こういう時に、言うべきなのかわかりませんけど……」
立木「助けてくれて、ありがとう……」
皐月「……」
背中の立木さんは震えていて、埋められた顔の辺りから濡れていくような感じもする。
当たり前だ、もしかしたら彼女も被害者の一人だったかもしれないんだから。
皐月「……」
自分の恐怖より俺へのお礼を優先してくれた、立木さん。
霧ヶ島さんと岩崎さんの事は本当に悲しいし、辛い。
それでも俺は彼女だけでも助けられて良かったと、強く思った。
本日はここまで。
次回で捜査までは終わらせます。
それではまた明日よろしくお願いします。
開始します。
【五号車・立木の部屋】
立木さんの部屋まで行くと彼女をベッドに寝かせる。
皐月「それじゃあ、捜査は何とかやってみるから」
立木「……あの、皐月君」
皐月「んっ?」
立木「……」
皐月「立木さん?」
立木「……ごめんなさい、やっぱり何でもありません」
皐月「……」
立木「……捜査が終わったら、迎えに来てください」
皐月「えっ」
立木「その時なら、きっと……話せますから」
皐月「わかった。とにかく俺は行くから……安静にしてて」
立木「……はい」
立木さん、何を話そうとしてるんだ……?
皐月「とにかく、岩崎さんの方に行ってみよう……」
今回調べないといけないのは霧ヶ島さんと立木さんの事件だけじゃない。
もう一人、岩崎さんの事件もあるんだ。
【三号車・岩崎の部屋】
皐月「……!?」
な、なんだこれ?
部屋がグチャグチャに荒らされてるじゃないか……
伊方「来たか皐月」
皐月「伊方、これは……」
伊方「待て、その前にいくつか聞きたい事がある……他の連中もな」
皐月「あ、ああ」
…………
陸海「立木っちも殺されかけたぁ!?」
物述「立木さんは、大丈夫なの?」
皐月「命だけは助けられたけど……心に相当な傷を負ったはずだ」
神崎「……ちょっと様子見てきていい?こういう時こそ私の仕事だし」
皐月「頼めるか?」
神崎「もちろん」
下田「みんな、ここにいたんだね」
皐月「下田、もういいのか?」
下田「うん、今は殺された二人や立木さんのためにクロを探す」
そう言う下田の目元には何か流れたような跡があったけど……俺はそれには触れなかった。
伊方「立木の所には神崎が行った。下田、見張りはどうするつもりだ」
下田「今回は現場が二つあるからね……石原くんとクロードくんは霧ヶ島くんの方をお願い出来るかな?」
石原「うむっ、承知した。霧ヶ島殿に手も合わせたいからな……」
クロード「わかった」
下田「それでここは……」
陸海「じゃあ僕が見張るかなぁ……」
下田「ありがとう、陸海くん。後一人は……」
美影「ミーちゃんがやるにゃ。捜査は得意じゃないし……」
下田「わかった、ありがとう。それじゃあ見張り役も決めたから……本格的に捜査を始めよう」
1…調べる【シャワールーム】
2…調べる【岩崎の部屋】
3…話す【陸海】
4…話す【伊方】
5…話す【美影】
↓一
陸海「なーんで、こんな事になっちまったんだろうなぁ」
皐月「……」
陸海「霧ヶ島っちがパーティーやるとか言い出した時はビックリしたけどさぁ……それでも僕、結構ノリノリだったんだぜぇ?」
陸海「石原っちなんて料理中は僕の隣でずーっとカレー見てたしよぉ……」
皐月「陸海はずっと石原の隣にいたのか?」
陸海「少なくとも料理始めてからはずっとだなぁ……まあ、僕も料理に集中してたから隣にいなかったら気付かなかったかもなぁ」
皐月「気付かなかったかもって、そんなに集中するものなのか?」
陸海「しょうがないだろぉ、そういう料理リクエストされちゃったんだからさぁ」
皐月「リクエスト?」
陸海「おう、霧ヶ島っちになぁ」
霧ヶ島さんからの料理のリクエスト……?
陸海「あっ、でも後ろから岩崎っちや立木っちの声は聞こえてたぜぇ」
コトダマ[|厨房の様子>を手に入れました。
【石原と陸海は隣にいてずっと料理をしていた。
後ろから立木や岩崎の声はしていたようだ】
コトダマ[|料理のリクエスト>を手に入れました。
【陸海が作っていた料理は霧ヶ島からのリクエストだったらしい】
1…調べる【シャワールーム】
2…調べる【岩崎の部屋】
3…話す【伊方】
4…話す【美影】
↓一
美影「うにゃあ……」
皐月「美影さん、大丈夫か?」
美影「大丈夫じゃないにゃあ……岩崎ちゃんに最後に会ったのがミーちゃんかもしれないし」
皐月「えっ?」
美影「ミーちゃんが放送終わらせて食堂車に行く時にね、岩崎ちゃんと会ったんだにゃあ」
皐月「本当か!?」
美影「うん、部屋に忘れ物取りに行くって……ねぇ、翼ちゃん」
美影「あの時止めてれば、岩崎ちゃんは殺されなかったかもしれないの……?」
皐月「……!」
それは俺にとって心を抉るような問いかけだった。
夢さんを止めていれば……今でもどこかでそう考えてしまう俺にとっては。
美影「……あれ?」
皐月「……どうしたんだ」
美影「えっと、ベッドの下に何かあるみたいだにゃあ……ふにゃあ!?」
皐月「えっ?」
ベッドの下を見て後ずさる美影さんのように俺はベッドの下を覗き込む。
そこにあったのは……
皐月「っ!?」
これは……
コトダマ[|美影の証言>を手に入れました。
【放送が終わって食堂車に行く時、忘れ物を取りに行く岩崎とすれ違ったらしい】
コトダマ[|車掌の帽子>を手に入れました。
【岩崎の部屋のベッドの下にあった彼女がいつも被っていた帽子。
血痕が付着している】
1…調べる【シャワールーム】
2…調べる【岩崎の部屋】
3…話す【伊方】
↓一
皐月「……酷いな」
テーブルや椅子は倒れてベッドもグチャグチャ、部屋にあった掛け時計も見事に壊されてるし……
皐月「岩崎さんがこれをやったのか?」
伊方「だとすれば岩崎は相当錯乱していた事になるな」
錯乱していた……岩崎さんに何があったんだ。
コトダマ[|岩崎の部屋>を手に入れました。
【岩崎の部屋はテーブルや椅子は倒れてベッドはグチャグチャ、時計も壊されているという有り様だった】
1…調べる【シャワールーム】
2…話す【陸海】
↓一
間違えた。
話すは【伊方】です。
安価なら下
シャワールームでは壁によりかかって岩崎さんがグッタリしている……
右手には大きめのカッターナイフが握られていて、左手首をズタズタにしていた。
皐月「でもなんでこんなにびしょ濡れなんだ?」
伊方「死体発見時、シャワーが出しっぱなしだったんだよ。今はさすがに止めてあるがな」
皐月「シャワーが……んっ?」
岩崎さんの服、青いからわかりにくいけど胸の辺りに微妙に血が付いてるぞ……
笹山「……ちょっとどきなさい」
皐月「えっ、ああ」
笹山「……」
笹山さんはしばらく岩崎さんを見ていたかと思うと……おもむろに彼女の服を脱がせ始めた。
皐月「なっ!?何してるんだ!?」
笹山「……皐月、岩崎は特殊な性癖があったのかしら」
皐月「は?」
笹山「この子、下着着けてないわよ。上下両方ね」
下着を、着けてない……?
コトダマ[|岩崎の死体>を手に入れました。
【岩崎の死体はびしょ濡れで、制服の胸元に血が付着していた】
コトダマ[|カッターナイフ>を手に入れました。
【大きめのカッターナイフ。
岩崎の右手に握られていた】
コトダマ[|岩崎の下着>を手に入れました。
【岩崎の死体は下着を着けていなかった】
伊方「ふん、今回の事件はなかなか手が込んでいるようだな」
皐月「だけど犯人はなんでわざわざ霧ヶ島さんと岩崎さんを狙ったんだ?」
伊方「さあな……それより問題は移動した方法だ」
皐月「移動した方法?」
伊方「どちらにしても一人を殺した犯人は、もう一人を殺すために食堂車を通らないといけない」
伊方「だが死亡推定時刻の範囲内にはレストラン、厨房……どちらにも人がいた」
皐月「そうか……犯人が動いたなら当然目に付くはずだよな」
伊方「この謎を解かない限り犯人にはたどり着けない可能性が高いな」
コトダマ[|犯人の移動方法>を手に入れました。
【犯人は霧ヶ島か岩崎を殺害した後、もう一人を殺すために食堂車を通らないといけない。
しかし食堂車はレストラン、厨房の両方に人がいた】
皐月「後はどこを調べるか……」
下田「皐月くん、ちょっといいかな?」
皐月「どうした下田?」
下田「あのカッターナイフなんだけど、ぼくどこかで見たんだよ」
皐月「なんだって……!?」
下田「それを確認したいからもし調べる事がなくなったら二号車のサロンに来てほしいんだ」
皐月「……わかった」
下田はカッターナイフをどこで見たんだ……?
1…調べる【倉庫】
2…調べる【放送室】
3…話す【クロード】
4…話す【墨染】
↓一
【食堂車・二階厨房】
墨染「いや、忙しいですね」パシャッ
皐月「またそんな事してるのか……」
墨染「ボクの取材に対する情熱は誰にも邪魔出来ませんよ」
皐月「……何か決定的瞬間を撮ったりしてないのか?」
墨染「撮ってませんね。ボクはカメラマンじゃありませんから日常撮ったりしてもなーんにも楽しくないです」
皐月「お前な……」
墨染「さてさて後は……おやおや?」
皐月「どうした」
墨染「この製氷機、準備の時より氷が減ってますね」
皐月「氷が?間違いないのか?」
墨染「ボクは氷をたくさん入れたジュースが大好きなんで毎日ストックを確認してます。最後に確認したのは五時半頃食堂車に来てすぐだから間違いないですよ」
氷、か……
コトダマ[|消えた氷>を手に入れました。
【厨房の製氷機にある氷が五時半より減っていたらしい】
1…調べる【倉庫】
2…調べる【放送室】
3…話す【クロード】
↓一
皐月「放送室には何もないか……録音機器も動かせないみたいだし」
今は七時半過ぎか……まだそんな時間なんだな。
皐月「……あれ?棚に隙間があるな」
この棚に確かあったのは……
皐月「そうだ、録音用のCDと再生専用のラジカセだ」
うーん、事件に関係あるのか?
コトダマ[|なくなったCDとラジカセ>を手に入れました。
【放送室から録音用CDと再生機能のみのラジカセが消えていた】
1…調べる【倉庫】
2…話す【クロード】
↓一
皐月「結局、この倉庫から出したパーティーグッズを使う機会なかったな……」
せっかくあんなに苦労して見つけたって言うのに……
物述「皐月さん」
皐月「ああ、物述さん」
物述「皐月さん達が探していたらしいパーティーグッズを探してるんだけど、どこにあるかわからない?」
皐月「それならこの奥に……」
物述「なんでこんな見つかりにくい場所に……」
皐月「さあ……だけどこのせいで結構時間取られたんだよな……」
コトダマ[|倉庫のパーティーグッズ>を手に入れました。
【倉庫のパーティーグッズは見つかりにくい場所に置いてあり、皐月達は探し出すのに時間がかかった】
クロード「ったく、キリガシマとイワサキが殺されるとはな……」
皐月「もしかしてクロードが言っていたやつじゃないのか?」
クロード「どうだかな……そういえばよ。下田がパーティーグッズ見つけた時に時計ズレてたって言ってたよな?」
皐月「そういえばそんな事言ってたな」
クロード「15分進んでたらしいぜ。もしかしたら事件に関係あるかもな」
皐月「まるで下田が怪しいみたいじゃないか……」
クロード「そこまでは言ってねえよ」
コトダマ[|下田の腕時計>を手に入れました。
【倉庫でパーティーグッズを見つけた時、下田の腕時計は15分進んでいた】
そろそろ下田の所に行くか……
【二号車サロン】
下田「……」
皐月「下田、来たぞ」
下田「皐月くん……思い出したよ、あのカッターナイフはこの中にあったんだ」
皐月「えっ、これって……!?」
下田「それと、いくつか物がなくなってる……皐月くん、この事はぼく達だけの話にしてほしいんだけど……」
皐月「……」
コトダマ[|遺品>を手に入れました。
【二号車サロンに置いてあった平野と安田の遺品。
そこから安田の遺品からカッターナイフと小型マイク、平野の遺品から変声機がなくなっていた】
ピンポンパンポーン
モノクマ「うぷぷ、捜査タイム終了ー!」
モノクマ「まもなく第二学級裁判場ー、第二学級裁判場ー」
モノクマ「オマエラ、また一号車に繋がる扉の前に集合!」
モノクマ「学級裁判、始まるよー!」
下田「もう捜査時間が終了……」
皐月「下田、俺立木さんを迎えに行ってくる」
下田「うん、わかった」
【立木の部屋】
皐月「立木さん、迎えに来たよ」
神崎「やっと来た……なんか立木ちゃん、皐月君と一緒じゃないと嫌らしいから後は任せるね」
皐月「わかった、立木さん行こう」
立木「……はい」
立木さんを背負って俺はまた歩き出す。
立木「……皐月君」
皐月「んっ?」
立木「――――」
皐月「えっ……」
だからきっと誰にも聞かれなかったはずだ。
立木さんが話した……衝撃的な事実は。
【第二学級裁判場駅】
伊方「わざわざ第二学級裁判場と変えてあるか……ふん」
神崎「本当に悪趣味だ……」
俺達は前のように列車から降りて……またあの赤い扉に向かう。
そしてその扉を開くと……
【第二学級裁判場】
そこに広がっていたのは前の学級裁判場に比べて、どこか暗く、おどろおどろしい雰囲気を醸し出す場所だった。
モノクマ「うぷぷ!第二学級裁判場へようこそ!」
モノクマ「コンセプトは裏切りと信頼!」
モノクマ「さあさあ席についてくださいな!」
モノクマに言われて、俺達は再び自分の名前が書かれた席につく。
皐月「……」
霧ヶ島司さん……前回自分の秘密を明かしてまで下田を助けた。
仲良くするためにパーティーをしたいって心は……誰かに裏切られた。
岩崎和音さん……俺が命を懸けて助けられた人。
だけど彼女は殺された、モノクマじゃなくて俺達の中の誰かにだ。
顔を上げて周りを見る。
伊方「……このタイミングで連続殺人か」
陸海「ううっ、また来ちまったよぉ」
笹山「さっさと終わらせましょう」
墨染「今回はつまらない動機じゃないといいんですけど……」
この中にいる、二人を殺したクロが。
石原「おのれ……!」
立木「……」
神崎「全く……もう来たくなかったのに」
下田「……今はクロを見つけるだけだよ」
どんな理由かはわからない……いや、どんな理由だとしても俺は暴き出す。
美影「にゃううっ……」
物述「三人もなぜ狙ったの……?」
クロード「ちっ、これはあの殺気の奴がやったのか?」
……それが二人に対して出来る事だ。
皐月「……」
そして学級裁判が始まろうとする中。
俺はあの言葉の意味を考えていた……
立木さんの……あの言葉の意味を。
立木「私、首を絞められて……でも意識が遠のく直前に見たんです……青い制服と帽子を」
立木「私を襲ったのは……」
立木「――岩崎さん、です」
コトダマ[|立木の証言>を手に入れました。
【立木は襲われた時に岩崎の制服と帽子を見た】
本日はここまで。
次回学級裁判スタートです。
それではお疲れ様でした。
[|コトダマ一覧表>
・[|モノクマファイル2>
【被害者は霧ヶ島司と岩崎和音。
霧ヶ島司の死体発見現場は十号車・トレーニングルーム。
死亡推定時刻六時から七時の間。
死因は頭蓋骨陥没による脳挫傷。
身体には複数の傷がある。
岩崎和音の死体発見現場は三号車・岩崎和音の部屋のシャワールーム。
死因は失血死。
死体は大量の水によって濡れている模様】
・[|濡れた床>
【立木が吊されていた辺りの床が濡れていた】
・[|立木の吊られ方>
【立木はロープを首に巻かれ、天井の棒を通した先に結ばれたペットボトルの重さで首を吊られたようだが……】
・[|ロープの状態>を手【ロープは皐月が切った部分以外もボロボロでいつ切れてもおかしくない状態だった】
・[|霧ヶ島の切り傷>
【霧ヶ島の身体には複数の切り傷があった】
・[|重すぎるダンベル>【血痕が付着したダンベル。
重すぎてモノクマも運べないらしい】
・[|ロッカーの手形>
【霧ヶ島の死体が入っていたロッカーの隣にあるロッカーに手形がついていた】
・[|バランスの悪い椅子>
【立木が吊されていた近くに倒れていた椅子。
脚が片側だけ短く普通に置くと倒れてしまう】
・[|厨房の様子>
【石原と陸海は隣にいてずっと料理をしていた。
後ろから立木や岩崎の声はしていたようだ】
・[|料理のリクエスト>
【陸海が作っていた料理は霧ヶ島からのリクエストだったらしい】
・[|美影の証言>
【放送が終わって食堂車に行く時、忘れ物を取りに行く岩崎とすれ違ったらしい】
・[|車掌の帽子>
【岩崎の部屋のベッドの下にあった彼女がいつも被っていた帽子。
血痕が付着している】
・[|岩崎の部屋>
【岩崎の部屋はテーブルや椅子は倒れてベッドはグチャグチャ、時計も壊されているという有り様だった】
・[|岩崎の死体>
【岩崎の死体はびしょ濡れで、制服の胸元に血が付着していた】
・[|カッターナイフ>
【大きめのカッターナイフ。
岩崎の右手に握られていた】
・[|岩崎の下着>
【岩崎の死体は下着を着けていなかった】
[|コトダマ一覧表その二>
・[|犯人の移動方法>
【犯人は霧ヶ島か岩崎を殺害した後、もう一人を殺すために食堂車を通らないといけない。
しかし食堂車はレストラン、厨房の両方に人がいた】
・[|消えた氷>
【厨房の製氷機にある氷が五時半より減っていたらしい】
・[|なくなったCDとラジカセ>
【放送室から録音用CDと再生機能のみのラジカセが消えていた】
・[|倉庫のパーティーグッズ>
【倉庫のパーティーグッズは見つかりにくい場所に置いてあり、皐月達は探し出すのに時間がかかった】
・[|下田の腕時計>
【倉庫でパーティーグッズを見つけた時、下田の腕時計は15分進んでいた】
・[|遺品>
【二号車サロンに置いてあった平野と安田の遺品。
そこから安田の遺品からカッターナイフと小型マイク、平野の遺品から変声機がなくなっていた】
・[|立木の証言>
【立木は襲われた時に岩崎の制服と帽子を見た】
再び起きた殺人事件。
被害者は二人、そして殺人未遂が一人。
犯人はなぜ三人もの人間を殺害しようとしたのか?
それとも複数のクロがいるのか?
謎深まる学級裁判の幕が開く……
【学級裁判開廷!】
CLASSROOM TRIAL
Second Murder Case
モノクマ「それでは学級裁判の簡単な説明を行いましょう!」
モノクマ「学級裁判では誰がクロかを議論し、最終的にはオマエラの投票によって決定されます!」
モノクマ「正しいクロをオマエラの中の過半数が指摘できればクロがおしおき!」
モノクマ「ただし正しいクロへの投票が過半数に満たない場合は……シロは全員おしおきされ、逃げ切ったクロがディスペアー・エクスプレスから下車する権利を得るのです!」
神崎「モノクマ、今回も一つ聞かせて」
モノクマ「またぁ?今回はなにさ」
神崎「今回被害者は二人なわけだけど……別々の犯人だった場合の投票はどうするの?」
モノクマ「その場合には先に殺害された被害者のクロをまず投票してもらいます!」
美影「ちょ、ちょっと待つにゃあ……先に殺されたって岩崎ちゃんの死亡推定時刻はモノクマファイルに書いてないにゃあ」
伊方「それも含めて考えろという事だろう。最も同一犯だった場合には考える必要もないがな」
物述「同一犯……一人のクロが二人を殺したという事になる」
皐月「それだけじゃない。今回のクロは立木さんも襲ってる」
クロード「場合によっては三人殺してたかもしれねえクロか」
下田「とにかく議論を始めようか……まずは凶器をはっきりさせよう」
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|モノクマファイル2>
[|重すぎるダンベル>
[|カッターナイフ>
下田「まずは凶器をはっきりさせよう」
物述「モノクマファイルによると霧ヶ島さんは脳挫傷、岩崎さんは失血死……」
伊方「岩崎を殺害した凶器は【カッターナイフ】で間違いないだろう」
陸海「それじゃあ霧ヶ島っちを殺した凶器はなんなんだぁ?」
石原「うむっ、それならばトレーニングルームのダンベルに血が付いていたぞ!」
神崎「なるほど……霧ヶ島君は【ダンベルで殴られた】って事だね?」
【】を論破しろ!
↓二
正解!
皐月「それは違うな!」
皐月「いや、ダンベルで殴ったわけじゃないと思う」
神崎「どういう事?血が付いてたんでしょ?」
皐月「モノクマが言ってたんだけど、血が付いていたダンベルは不良品らしいんだ」
物述「不良品?」
皐月「重すぎてモノクマにも持てないんだよ。だから霧ヶ島さんは殴られたんじゃないはずだ」
神崎「うーん。でも血が付いてたならやっぱり凶器なんじゃないの?」
確かに血が付いていた以上無関係じゃないはずだよな……だけど持って殴れないならどうやって犯人は……
確か霧ヶ島さんは顔を血だらけにしてたよな……
・霧ヶ島をダンベルに向かって突き飛ばした
・霧ヶ島の頭を持ってダンベルに打ちつけた
・実はダンベルを持てた
正しい選択肢を選べ!
↓二
正解!
皐月「これだな!」
皐月「もしかしたら、霧ヶ島さんの頭を持ってダンベルに打ちつけたんじゃないか……?」
陸海「うええっ!?え、えげつなすぎだろぉ……!」
伊方「だがあり得る話だ。持ち上げられないなら殴るのは不可能、突き飛ばすにしても確実性に欠ける」
笹山「打ちつけるのが一番確実に殺せるというわけね」
美影「でもでも!司ちゃんだって抵抗するはずにゃあ!」
……抵抗するはず、か。
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|霧ヶ島の切り傷>
[|ロッカーの手形>
[|バランスの悪い椅子>
美影「司ちゃんだってやられっぱなしなはずないにゃあ!」
石原「むうっ、〈眠らされたのか〉?」
物述「もしくは抵抗出来ないように〈拘束された〉可能性もある」
下田「抵抗出来ないようにって話なら〈傷つけられた〉んじゃないかな?」
陸海「きっと〈超能力で持ち上げたんだぁ!〉」
神崎「黙ってて陸海君」
〈〉に同意しろ!
↓二
正解!
皐月「それに賛成だ!」
皐月「下田の言うとおりだ。霧ヶ島さんは抵抗出来ないように傷つけられてたんだよ」
墨染「モノクマファイルにある複数の傷ですか?」
皐月「ああ、霧ヶ島さんの身体には複数の切り傷があった」
下田「よく調べたら傷の一つがすごく深くてね……まともな抵抗は出来なくなってたはずだよ」
立木「すごくって……」
下田「……骨が見えてた」
石原「うぬうっ!?」
神崎「そこまでやったの……?その上ダンベルに頭を打ちつけたって」
伊方「今回のクロはどうしても霧ヶ島に死んでほしかったようだな……」
皐月「……とにかくだ。霧ヶ島さんを殺したのはダンベル、方法は打ちつけたで間違い……」
クロード「Hold up!」反論!
クロード「待ちな、まだ他の可能性はあるはずだ」
皐月「他の可能性?」
クロード「さあ、撃ち合うとしようぜサツキ!」
【反論ショーダウン開始!】
・コトノハ>>405-406
[|厨房の様子>
[|料理のリクエスト>
[|ロープの状態>
クロード「キリガシマをダンベルに打ちつけた……状況的にはそれっぽいがな」
クロード「他の可能性もあるはずだぜ」
クロード「そう、ダンベルを持つって方法がな」
皐月「あのダンベルは重すぎて持ち上げられないんだぞ!」
皐月「あれで殴り殺すなんて不可能だ!」
クロード「それはお前の話だサツキ」
クロード「だがもっと力がある奴」
クロード「そう、イシハラなら持てたんじゃねえか?」
クロード「【イシハラなら殴り殺す事も出来た】はずだぜ、サツキ!」
【】をコトノハで斬れ!
↓二
正解!
皐月「その冤罪への道、斬らせてもらうぞ!」
皐月「霧ヶ島さんの死亡推定時刻……石原は厨房にいてアリバイは完璧なんだ」
石原「うむっ、厨房にいたぞ!」
陸海「カレー作りに熱中してたなぁ」
クロード「目を盗んだ可能性はねえのか?」
皐月「いや、石原はずっと陸海の隣にいたらしいからそれもないと思う」
石原「つまり吾と陸海殿には鉄壁のアリバイがあるのだな!」
神崎「霧ヶ島君が殺されたのが六時から七時の間だから、六時半以降なら美影ちゃんにも放送室にいたっていうアリバイがあるね」
美影「うにゃう、あんまり喜べないにゃあ」
クロード「アリバイありか。まっ、それなら確かに無理だわな」
クロード「いいぜ、続けてくれ」
下田「凶器ははっきりしたね……じゃあ次は、立木さんに話を聞こうか」
立木「……はい」
立木「私は霧ヶ島君を呼びに部屋に行く途中だったんですけど……」
立木「そこでトレーニングルームの方から何か音がしたんです」
立木「それで入ってみたら……巫女装束がロッカーからはみ出しているのが見えて、開けたら……霧ヶ島君が倒れてきて」
立木「私、慌てて霧ヶ島君のそばに跪いたんですけど……そうしたらいきなり後ろから首を絞められて……」
立木「後は、覚えてません」
皐月「……」
やっぱり岩崎さんを見た事については、話しにくいか……
神崎「立木ちゃんはいつ頃霧ヶ島君を呼びに行ったの?」
立木「えっと、時計がないから時間はわからないんですけど……チラッとレストランを見たら皐月君達はいませんでした」
笹山「墨染、そのカメラで時刻はわからないの」
墨染「あの時は写真撮ってませんからねぇ」
神崎「普段迷惑かけてるんだからこういう時ぐらい役に立ちなよ」
墨染「そこまで言いますか!?」
物述「立木さん、放送は聞こえなかった?」
立木「あっ、そういえば扉が開いてたトレーニングルームに入ってすぐに放送が聞こえました!」
下田「つまり立木さんが襲われたのは六時半……」
笹山「よく生きてたわね。美影の放送はいつも三十分で終わる……つまり立木、あなたは三十分以上宙吊りだったという事よ」
神崎「蘇生措置をしても間違いなく手遅れだね」
立木「でも、私は本当に……」
立木さんの首吊り……あれは調べたら色々な物があったな。
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|立木の吊られ方>
[|霧ヶ島の切り傷>
[|岩崎の死体>
立木「私は確かに【放送を聞きました】」
立木「だから襲われたのは六時半です」
笹山「【三十分以上宙吊り】だったらあなたは間違いなく死んでるわね」
美影「じゃあどういう事なんだにゃあ?」
陸海「【放送なんて聞いてない】んじゃないかぁ?」
下田「もしくは襲われたから混乱してるか……」
立木「本当に聞いたんです……」
【】を論破しろ!
↓二
正解!
皐月「それは違うな!」
皐月「立木さんが実際に宙吊りになったのは、三十分より短かったはずだ」
笹山「あら、どうしてかしら」
美影「普通に考えたら、亜里沙ちゃんは長時間吊られてたはずだにゃあ……」
皐月「普通ならそうだ……だから犯人は、普通じゃない方法を使った」
皐月「犯人は、立木さんを時限装置を使って吊り上げたんだ!」
陸海「時限装置だってぇ?」
伊方「根拠はあるんだろうな?」
皐月「ああ」
トレーニングルームを調べて見つけた証拠を繋げば……道は開ける!
【ロジカルダイブ改開始!】
皐月「……」
繋げるんだ……立木さんの首を吊ったトリックに関する物を!
[|消えた氷>
[|バランスの悪い椅子>
[|カッターナイフ>
[|なくなったCDとラジカセ>
[|立木の吊られ方>と関連するコトダマを選べ!
↓二
説明不足でした……
この場合関連すると思うコトダマ全てを選んでもらいます。
一応正解の二つが選ばれたので進めます。
正解!
皐月「繋ぐんだ、真実への道を!」
皐月「立木さんの首を吊っていたロープの先には水の入ったペットボトルが結ばれてた」
皐月「さらにもう一つ、吊されていた近くには椅子が倒れていた」
皐月「犯人がやった方法はこうだ」
皐月「まず立木さんの首にロープを巻きつけて、天井の棒に通す」
皐月「次に下に来たロープの先にペットボトルを結んで椅子の上に置く……」
皐月「椅子は片側の脚が短いからバランスを崩してペットボトルが床に落ち、立木さんを吊り上げる……」
美影「でもでも、それだけじゃやっぱりすぐ亜里沙ちゃんが吊されちゃうにゃあ」
皐月「だから犯人は氷を使って短い部分を補ったんだ!」
伊方「時間が経って氷が溶ける事により、椅子がバランスを崩してペットボトルが落ちる」
神崎「そして立木ちゃんを吊り上げるってわけだね……」
皐月「そうだ、だから……」
笹山「黙りなさい」反論!
【反論ショーダウン開始!】
・コトノハ>>405-406
[|濡れた床>
[|ロッカーの手形>
[|ロープの状態>
笹山「随分と勢いよく話を進めてるけど」
笹山「本当にそうしたかはわからないんじゃないかしら」
皐月「いや、それが真実なんだ!」
皐月「立木さんはこのトリックで首を吊らされたんだ!」
笹山「根拠は?」
笹山「【氷を使ったという根拠がない】なら口を閉じなさい」
笹山「あるなら示しなさい皐月」
笹山「根拠のない発言に価値はないわ」
【】を斬れ!
↓二
正解!
皐月「これで斬らせてもらうぞ!」
皐月「トレーニングルームの床……濡れてたんだ」
笹山「濡れていた?」
皐月「氷が溶けた水……それが床に広がったんだよ」
下田「少なくとも何か水が出来るような事があったのは確かだよ笹山さん」
笹山「……いいわ、納得してあげる」
よし、これで立木さんを吊したトリックは解明出来たぞ……
笹山「それで?クロは何のためにそんな事をしたの」
皐月「えっ……」
笹山「立木をわざわざそんな方法で吊した理由を説明しなさいと言ってるのよ」
皐月「それは……」
考えたら、なんでだ?
なんで犯人は……
陸海「…………ぐぅ」
神崎「ちょっと陸海君、何寝てんの!?」
陸海「うあっ、悪いなぁ……なんせ夜だろぉ……」
クロード「……そういやよ、学級裁判終わる前に十時になったらきちんと言うんだろうなモノクマ」
モノクマ「大丈夫大丈夫、きちんとアナウンスするから食堂車入っておしおきなんてしないよ!」
陸海「そりゃ良かったぜぇ……でもクロっち、その心配は不要だぁ」
クロード「……クロっち?」
陸海「だって今回の事件の謎は既に解けたからなぁ!」
石原「なんと!?本当か陸海殿!」
陸海「犯人は……立木っちだぁ!」
立木「えっ……」
下田「立木さんが犯人……?」
陸海「そうだぁ!立木っちが霧ヶ島っちと岩崎っちを殺したんだぁ!」
陸海、何を言い出してるんだ……!?
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|ロッカーの手形>
[|ロープの状態>
[|料理のリクエスト>
陸海「立木っちが犯人なんだぁ!」
笹山「根拠はあるんでしょうね?」
陸海「もちろんさぁ!」
陸海「もし犯人が別にいるならさぁ……」
陸海「立木っちも【同じように殺せばいい】はずだろぉ!」
陸海「なんでわざわざこんな手間かかる事したんだよぉ……」
陸海「それに襲われたとか言っても【現場に立木っち以外の人間はいなかった】んだろぉ……」
陸海「だったら立木っちが犯人なんだぁ!」
立木「【私は犯人じゃありません……】」
【】を論破しろ!
↓二
正解!
皐月「それは違うな!」
皐月「いや、少なくともトレーニングルームに誰かがいた形跡はあった!」
陸海「な、なんだってぇ?」
皐月「トレーニングルームのロッカーなんだけど、霧ヶ島さんが入れられていた隣のロッカーに手形が残ってたんだ」
物述「ロッカーの中にいた誰かがいたという事……」
陸海「それは違うぜぇ!多分!」反論!
陸海「待て待て待てぇ!それが立木っちって可能性もあるだろぉ!」
陸海「そうやって他に誰かいるって思わせるためにさぁ!」
皐月「……」
陸海、なかなか痛いところをついてきたな……
だったら他の点から……立木さんの無実を証明する!
【反論ショーダウン開始!】
・コトノハ>>405-406
[|犯人の移動方法>
陸海「【立木っちがロッカーに手形を残したんだぁ】」
陸海「【偽造通貨ってやつなんだよぉ!】」
陸海「【だから犯人はやっぱり立木っちなんだぁ!】」
皐月「立木さんを犯人にしたいならどうやって食堂車を移動したのか言ってみろ陸海!」
陸海「【そんなの隙を見て通り抜けたに決まってんだろぉ!】」
陸海「【レストランの方なら人はいなかったかもしれないしなぁ!】」
陸海「【やっぱり立木っちが犯人なんだよぉ!】」
【】を斬れ!
↓二
正解!
皐月「その冤罪への道、斬らせてもらうぞ!」
皐月「いや、陸海……レストランにも人はいたんだ」
陸海「あ、あれぇ?マジでかぁ?」
笹山「少なくとも私はレストランから動いてないわね」
陸海「ぐ、ぐぐぐぐ……」
陸海「ごめんちゃい」
神崎「謝る気が感じらんない!」
陸海「ご、ごめんよぉ」
伊方「しかし立木の証言だけでは弱いのは事実だな……おい立木、何か見てないのか」
立木「あっ……」
物述「その反応、何かを見たの?」
立木「……」
立木さん、すごく戸惑ってるな……
……ここは、俺が言うべきだな。
>>405-406から正しいコトダマを選べ!
↓二
正解!
皐月「これで証明してみせる!」
皐月「立木さん、俺から言っていいか?」
立木「……はい、お願いします」
墨染「どういう事ですか?」
皐月「立木さんは、首を絞められて意識を失う直前犯人を見たらしいんだ」
石原「なんと!?」
クロード「なんですぐに言わねえんだ……」
皐月「……その人の格好が【青い制服と帽子】だったからだよ」
伊方「青い制服と帽子だと……」
下田「それ、まさか……!」
皐月「そうだ……」
皐月「立木さんは、岩崎さんに襲われたらしいんだ」
【学級裁判中断!】
本日はここまでで。
次回学級裁判後半戦です。
それではお疲れ様でした。
また明日よろしくお願いします。
再開します。
【学級裁判再開!】
石原「い、岩崎殿が立木殿を……?」
立木「私も、どうしても信じられなくて……でもあの制服と帽子は……」
陸海「でもよぉ、岩崎っちは被害者だろぉ?」
神崎「見間違いかもしれないし……」
下田「とりあえず議論、してみようか」
岩崎さんが立木さんを襲った……本当にそうなのか?
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|車掌の帽子>
[|岩崎の部屋>
[|カッターナイフ>
クロード「タチキを襲ったのがイワサキか」
美影「信じられないにゃあ……」
笹山「〈見間違い〉じゃないでしょうね」
墨染「立木さんが〈嘘をついてる〉とか」
物述「〈岩崎さんが犯行に関わった証拠〉があればわかりやすいんだけど……」
陸海「わかったぜぇ!〈岩崎っちの怨霊がやったんだ〉ぁ!」
神崎「黙ってて陸海」
陸海「あれ、呼び捨てぇ!?」
〈〉に同意しろ!
↓二
正解!
皐月「それに賛成だ!」
皐月「物述さんの言ったような証拠かはわからないけど……こんな物が岩崎さんの部屋にあった」
物述「それは帽子……」
伊方「血が付いているな……」
石原「しかしこれだけでは……まだ岩崎殿が立木殿を襲ったかはわからないではないのか?」
皐月「帽子だけじゃないんだよ」
血は……別の場所にもついてたんだ!
>>405-406から正しいコトダマを選べ!
↓二
正解!
皐月「これだ!」
皐月「岩崎さんの服の胸元にも……血が付いてたんだ」
石原「なんと……!」
皐月「帽子と制服……二つに血が付いていたなら可能性は……」
クロード「だがカンザキ自身の血だって可能性もあるんじゃねえか?」
美影「そうだにゃあ!」
伊方「だったら考えてみればいい」
伊方「霧ヶ島の事件、神崎の事件……二つを繋ぐ物はないか、をな」
二つを繋ぐ物……
【ロジカルダイブ改開始!】
皐月「……」
二つの事件、それを繋ぐ物……
[|重すぎるダンベル>
[|カッターナイフ>
[|霧ヶ島の切り傷>
[|ロッカーの手形>
[|岩崎の部屋>
霧ヶ島の事件と岩崎の事件を繋ぐコトダマを選べ!
↓二
正解!
皐月「繋ぐんだ、真実への道を!」
皐月「霧ヶ島さんには切り傷があった」
皐月「そしてカッターナイフを岩崎さんが持っていた……」
伊方「霧ヶ島に切り傷をつけたのはカッターナイフだと推測出来る」
笹山「そして帽子と制服についた血痕……」
下田「さらに立木さんの証言……」
美影「も、もしかして、岩崎ちゃんが……司ちゃんを殺したのかにゃあ!?」
立木「そ、それで自殺した、とか……?」
物述「それが真相……?」
陸海「マジかよぉ……」
神崎「岩崎ちゃんが霧ヶ島君を……」
墨染「死んじゃったらインタビュー出来ないじゃないですか!?」
クロード「……」
石原「む、むうっ……」
本当に、これが真実なのか?
岩崎さんが霧ヶ島さんを殺して立木さんを襲い、自殺した……
本当に、これで…………
岩崎『あなたも車掌なら乗客の安全を第一に動くべきです!それが自分達車掌という存在です!』
皐月「……!」
そうだ……岩崎さんはモノクマに刃向かうぐらい、車掌という事に責任感を持っていた。
そんな彼女が乗客を殺す?
あんなやり方で傷つける?
皐月「……ありえない」
下田「やっぱりおかしいよ」
皐月「下田!?」
下田「ぼくは、岩崎さんを深く知ってたわけじゃないけど……」
下田「不自然だよ、やっぱり!」
伊方「……ならばまず確認しておくか」
伊方「陸海、石原、立木。お前達は岩崎を厨房でいつ最後に見たんだ」
陸海「うーん……声は聞こえてたぜぇ?僕は集中してたからいるなぁ、ぐらいしかわからなかったけどさぁ」
立木「少なくとも私が霧ヶ島君を呼びに行く少し前にはいたはずですよ?声がしましたから」
石原「うむうっ、吾はカレー作りに集中していて気付かなかったわ!」
……えっ?
なんだこれ……
まさか……!
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|モノクマファイル2>
[|遺品>
[|立木の証言>
[|美影の証言>
[|岩崎の死体>
下田「もう一度聞くけど……」
下田「立木さんは岩崎さんを見たんだよね?」
立木「はい」
立木「【私は岩崎さん見ました】」
立木「あれは岩崎さんのはずですよ……」
陸海「やっぱり岩崎っちがやったのかぁ」
神崎「信じられないけど……」
石原「くっ、厨房にいる時止めておけば……」
伊方「……ふん、なるほどな」
【】を論破しろ!
↓二
正解!
皐月「これで晴らす!その冤罪を!」
皐月「……立木さん、違うだろう?」
立木「えっ?」
皐月「立木さんが見たのは……岩崎さんじゃない」
皐月「岩崎さんの【帽子と制服】だ!」
立木「えっ……」
皐月「辛いだろうけど思い出してくれ、立木さん……」
皐月「岩崎さんの【顔】は見たのかを」
立木「私、意識が朦朧としていて……青い制服と帽子が強く印象にあって……」
立木「あっ、ああっ……」
立木「見て、ない……私、岩崎さんの【顔】は見てません……!」
陸海「ど、どういう事だぁ?」
皐月「簡単だよ陸海」
皐月「服は俺にだって着れるし、帽子は俺にだって被れるんだ!」
皐月「犯人は、岩崎さんの服と帽子を着けて立木さんを襲ったんだ!」
線が繋がっていく。
どんどん見えなかった光景が見えてくる。
このまま、突き進むんだ!
神崎「岩崎ちゃんの服を着て……!?」
石原「うむうっ、なるほど!だから岩崎殿の帽子や制服に血が付いていたのだな!」
皐月「そうだろうな。そしてだからこそ不自然じゃなくなる物があるんだ!」
物述「不自然じゃなくなる物?」
犯人はおそらく岩崎さんから服を奪ったんだ……
だったら不自然じゃなくなる物は……!
>>405-406から正しいコトダマを選べ!
↓二
正解!
皐月「これで証明してみせる!」
皐月「笹山さん、岩崎さんは下着を着けてないって言ってたよな?」
笹山「えぇ……なるほど、岩崎に奪った服を着せる時に下着を着けさせるのを忘れたのね」
石原「お、おなごから服を奪うなど……!」
クロード「イシハラ、こんな時ぐらいは鼻血やめろ」
石原「すまんかった!」
神崎「あれ?でもおかしくない?」
陸海「何がだぁ?」
神崎「いや、岩崎ちゃんから服を奪ったなら犯人はその後、霧ヶ島君を殺しに行ったんだよね?」
下田「そういう事だね」
神崎「でもさ、さっきの話を聞く限りその時にはまだ厨房に岩崎ちゃんいたんじゃないの?」
立木「そうですよ……確かに岩崎さんは厨房に……」
皐月「いや、違うんだ……」
さっきの話を思い出すんだ……
…………
陸海『うーん……声は聞こえてたぜぇ?僕は集中してたからいるなぁ、ぐらいしかわからなかったけどさぁ』
立木『少なくとも私が霧ヶ島君を呼びに行く少し前にはいたはずですよ?声がしましたから』
石原『うむうっ、吾はカレー作りに集中していて気付かなかったわ!』
ここからわかる……犯人の仕掛けたトリックが!
・岩崎の声しか聞いてない
・岩崎に気付いていない
・岩崎から目を離した
正しい選択肢を選べ!
↓二
正解!
皐月「これだ!」
皐月「これも制服と同じなんだ……」
皐月「石原は気付かなかったみたいだし、陸海と立木さんは……声しか聞いてない」
陸海「あれが録音だったとかなのかぁ!?」
立木「そ、そんな!」
墨染「それはどうでしょうかね……確か放送室の録音機器は持ち運び出来ませんよ?」
美影「そうだにゃあ、放送室の録音機器は持っていけないはずだにゃあ」
石原「ならばやはり岩崎殿はいたのではないのか……?」
立木「確か献立についても色々独り言を言ってましたし……」
おそらく、犯人は……
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|遺品>
[|なくなったCDとラジカセ>
[|下田の腕時計>
陸海「やっぱり岩崎っちはいたんじゃないかぁ?」
美影「【声を変えられる物なんかない】し……」
クロード「とするとどこか間違ってんのか?」
下田「……皐月くん、ぼく達はわかってるはずだよ」
【】を論破しろ!
↓二
正解!
皐月「それは違うな!」
皐月「いや、あったんだよ……声を変えられる物が」
美影「ど、どこにだにゃあ!?」
皐月「……夢さんの、遺品の中だ」
立木「ひ、平野さんの、遺品……?」
下田「その中に確かにあったんだよ……変声機がね」
伊方「犯人は変声機を使って岩崎の声をその場に作り上げたのか……」
皐月「小型マイクもなくなってたから……多分それと併用して印象に残るようにしたんだろうな」
神崎「それ、おかしくないかな」反論!
神崎「あのさ、さすがに……ちょっと無理がない?」
皐月「どういう事だ?」
神崎「皐月君の推理はかなり危ういって言ってるの!」
【反論ショーダウン開始!】
・コトノハ>>405-406
[|料理のリクエスト>
[|厨房の様子>
[|なくなったCDとラジカセ>
神崎「確かに筋は通ってるかもしれないよ」
神崎「だけどやっぱりリスクが高すぎるね」
皐月「方法はもうこれしか考えられない!」
皐月「犯人はこうやって厨房を堂々と通り抜けたんだ!」
神崎「いや、だからリスク高すぎるんだってば!」
神崎「【陸海君達が気付かなかったのは奇跡】みたいなもの……」
神崎「【そんな危なすぎる橋】、バレたくないなら余計に渡らないよ!」
【】を斬れ!
↓二
正解!
皐月「それ、斬らせてもらうぞ!」
皐月「いや、犯人はリスクをなるべく少なくしたはずだ……」
神崎「どうやって?」
皐月「陸海、今日作ってた料理は集中してないといけなかったんだよな?」
陸海「そうだぜぇ……だからこそ岩崎っちに気付かなかったんだしなぁ」
皐月「それ、リクエストだったんだよな?」
陸海「霧ヶ島っちのなぁ」
笹山「霧ヶ島からのリクエスト……?」
石原「うむうっ、霧ヶ島殿からのリクエストならば偶然なのか……」
皐月「多分……犯人は霧ヶ島さんを操ったんだ」
下田「操った?」
皐月「霧ヶ島さん、言ってたんだよ」
…………
霧ヶ島『あの、仲を深めるためにはぱあてぃをやるのが一番だと【聞きました】ので』
…………
物述「今回のパーティーそのものが犯人の提案だった……?」
皐月「おそらく霧ヶ島さんに頼んだんだろうな……陸海に料理のリクエストをしておいてほしいって」
パーティーそのものが犯人の仕組んだ物……霧ヶ島さんは、利用されたんだ……
クロード「くそっ、そこまでやりやがった犯人は誰なんだよ」
笹山「岩崎の制服を着たなら女子か下田でしょうね、まず間違いなく」
下田「そうだね……一応ぼくには倉庫にいたってアリバイがあるよ」
墨染「でもあれですね、犯人も不運な人です」
美影「どういう事にゃあ?」
墨染「だって立木さんが生きていたから綻びが生まれだしたわけですし」
皐月「……綻び?」
本当にそうか?
犯人は立木さんを……【殺す気なんてなかった】んじゃないか?
それを示す証拠も、あるんじゃないか……?
>>405-406から正しいコトダマを選べ!
↓二
正解!
皐月「これだ!」
皐月「いや、犯人は立木さんを殺す気なんてなかったんじゃないか?」
墨染「はい?」
皐月「立木さんの首を吊っていたロープ、ボロボロでいつ切れてもおかしくなかったんだよ」
下田「少なくとも途中で切れたはずだよ」
石原「なればなぜ犯人は立木殿を?」
皐月「多分岩崎さんに罪を着せるために、岩崎さんの格好を見てもらう必要があったんだよ」
伊方「その時既に岩崎は殺されていただろう……ふん、モノクマファイルに岩崎の死亡推定時刻がないのはそういうわけか」
……えっ?
ちょっと、待てよ……
岩崎さんが制服を奪われたにしろ、既に殺されていたにしろ……
そんな状態ならあの証言……あり得なく、ないか?
皐月「……」
まさか犯人は……
怪しい人物を指名しろ!
↓二
正解!
皐月「犯人は……!」
皐月「美影さん……言ってたよな?」
皐月「放送が終わってすぐ、岩崎さんと会ったって……!」
美影「……にゃあ?」
墨染「おかしいですね、その頃既に岩崎さんは身包み剥がされていたか、殺されていたはずですよ?」
美影「あっ、えっ、それは……」
神崎「……まさか霧ヶ島君と岩崎ちゃんを殺したの、美影ちゃんなの?」
石原「なっ!?」
美影「にゃあああっ!?なんでそうなるの!?」
伊方「厨房にいた連中は岩崎の格好をした犯人をはっきり見ていない、襲われた立木もな」
笹山「美影、あなたは会いながら気付かなかったという事になるわよ……犯人かどうかも、その服に付いていた血もね」
美影「ち、違うにゃあ!ミーちゃんは犯人なんかじゃ……」
石原「待てい!美影殿が犯人なわけがないではないか!」
美影「カ、カイちゃん?」
石原「忘れたのか!?立木殿が襲われた時、美影殿の放送を聞いた事を!」
陸海「そういえばそうだぜぇ……じゃあ美影っちは分身の術が使えたのかぁ!?」
神崎「陸海、黙れ」
陸海「ひいっ!?」
石原「美影殿には吾のように鉄壁のアリバイがあるのだ……ならば身の潔白は明白!」
石原「皐月殿!冤罪に苦しむ身でありながら無実の者を糾弾する気か!?」
皐月「……!」
美影「違うもん!ミーちゃんは犯人なんかじゃないもん!」
皐月「……」
石原……ごめんな。
きっと信じてるんだよな、俺が立木さんや岩崎さんを信じたように。
皐月「……」
だけど、そのトリック……もうわかったんだよ。
美影さんが……立木さんに放送を聞かせながらトレーニングルームにいる方法。
間違いなく、これを使ったんだ!
>>405-406から正しいコトダマを選べ!
↓二
正解!
皐月「これで証明してみせる!」
皐月「放送室から、録音用のCDと再生専用のラジカセがなくなってたんだ」
美影「……!」
皐月「……美影さんはこのCDに自分の放送を録音して、トレーニングルームにいる立木さんに聞かせたんだ!」
伊方「岩崎の姿を見せるだけでなく、自分の放送を聞かせてアリバイも確保したというわけか」
美影「……」
下田「美影さん……君が二人を殺したんだね?」
美影「……」
美影「………」
美影「…………」
石原「違う!!」
皐月「っ!?」
石原……!?
石原「なぜだ、なぜ誰も彼も団居殿を糾弾する!?」
石原「団居殿がこのような事をするわけがない!!」
石原「皐月殿ぉ!!その推理は決定的に間違っているのだ!」
クロード「なんで、オマエがそこまで熱くなるんだイシハラ」
石原「信じているからだ!!」
美影「……!」
石原「吾は信じている……あのように笑える団居殿が、犯人なわけがないと」
石原「そこまで言うなら吾をねじ伏せてみせよ皐月殿!」
石原「出来るものならなぁ!」
皐月「……」
美影「なん、で……?」
美影「なんで、カイちゃんは……」
美影「わかん、ないよ……」
【ノンストップ議論開始!】
・コトダマ>>405-406
[|下田の腕時計>
[|岩崎の部屋>
[|美影の証言>
[|倉庫のパーティーグッズ>
[|遺品>
石原「美影殿は犯人ではない!」
石原「そもそも時間的に無理があるのだ……!」
石原「美影殿は【六時半から放送を流していた】のだろう!」
石原「ならば使える時間はたったの30分!」
石原「その間に霧ヶ島殿を殺し、立木殿を吊す仕掛けを行い、岩崎殿の部屋に行き服を着せる」
石原「たったの30分でそれが出来るとは思えん!」
石原「皐月殿の推理は現実的には不可能だ!」
【】を論破しろ!
↓二
正解!
皐月「真実は一つしかないんだ……!」
皐月「……本当に六時半から放送したのか?」
石原「何!?」
皐月「倉庫でパーティーグッズを探してた時、俺達は美影さんの放送を聞いた」
皐月「その時、下田の腕時計が……ズレてたらしいんだ」
下田「うん、確かに15分進んでたよ」
皐月「……だけどズレてたのは本当に下田の時計だったのか?」
美影「っ……」
皐月「ズレてたのは美影さんの放送の開始時刻だったんだ!」
石原「ぐっ!?」
皐月「美影さんは俺達の時間感覚をおかしくする、そのために様々な工作をしたんだ!」
まず一つは五時半にみんなを時計のない食堂車に集めた事……
そしてさらに二つ……!
>>405-406から正しいコトダマを二つ選べ!
↓二
正解!
皐月「これで証明してみせる!」
皐月「倉庫のパーティーグッズを隠して俺達を倉庫に足止めした……」
皐月「さらに岩崎さんの部屋を滅茶苦茶にして時計を壊すカモフラージュにした……」
クロード「そういやミカゲ……パーティーグッズがあるって言ったのはオマエだったな」
石原「なっ……」
皐月「美影さん、何か反論は……あるか?」
美影「反論?」
美影「んー…………」
美影「なんで反論しないといけないのかにゃあ?」
皐月「……!?」
美影「ズレてたのは慧ちゃんの時計でしょ?」
美影「ミーちゃんはきちんと放送したよ?」
美影「だからミーちゃんは犯人じゃないよ?」
美影「にゃん」
美影「にゃーん、にゃんにゃんにゃんにゃんにゃんにゃーん!」
美影「はい、これでおしまい!」
美影「ミーちゃんは犯人じゃないから違う事話さなきゃダメだにゃあ!」
【パニックトークアクション開始!】
美影「ミーちゃんは犯人じゃないよ!」
美影「ミーちゃんはきちんと六時半に放送したにゃあ!」
美影「だからミーちゃんに犯行は無理!」
美影【ミーちゃんの放送がズレてたか、慧ちゃんの時計がズレてたかなんてもう誰にもわかんないにゃあ!】
○…十時 △…アナウンス □…の ×…午後
正しい順に記号を並べろ!
↓二
正解!
皐月「もう、終わりだ!」
皐月「……下田」
下田「何かな?」
皐月「今、何時だ?」
下田「えっと……九時四十分だよ」
皐月「……そうか」
美影「どうしたの翼ちゃん、お腹空いたの?」
皐月「美影さん、最後に聞いてほしい……」
皐月「俺の事件のまとめを……」
皐月「それで、終わるから」
【クライマックス推理開始!】
ACT.1
今回の犯人は事件の舞台を整えるためにターゲットの一人、霧ヶ島さんを利用した。
霧ヶ島さんにパーティーの開催と陸海に対する料理のリクエストを頼むと……行動を開始したんだ。
ACT.2
犯人はまず亡くなった二人の遺品からカッターナイフや変声機、マイクを持ち出し……放送室で自分の放送を録音用のCDに録音した。
さらに倉庫にあるパーティーグッズを見つかりにくいようにしてから、クロードにパーティーグッズの存在を伝えておく。
そしてみんなが集まり出す頃に……計画を実行に移したんだ。
ACT.3
犯人はもう一人のターゲットである岩崎さんの部屋に行くと、彼女を殺すか気絶させて制服と帽子を奪った。
そしてそれを身に着けた犯人は厨房に向かい、岩崎さんとして堂々と霧ヶ島さんがいるだろうトレーニングルームに向かったんだ。
氷もその時に取っておいたんだろうな。
ACT.4
トレーニングルームで霧ヶ島さんと出会った犯人は霧ヶ島さんを切りつけて抵抗出来ないようにしてから、ダンベルに頭を打ちつけて殺した……
そして霧ヶ島さんを呼びに来るだろう誰かを待ち伏せしたんだ。
ACT.5
立木さんが来るのを見た犯人は用意しておいたラジカセで放送の録音を流しておびき寄せた。
そして立木さんを襲って時限式の首吊り装置にセットして……また厨房を通って岩崎さんの部屋に行ったんだ。
ACT.7
岩崎さんに急いで制服を着せた犯人は部屋を滅茶苦茶にするふりをして時計を壊す。
そしてその足で放送室に向かうと、放送を始めたんだ。
十五分遅れで……
皐月「今回霧ヶ島さんと岩崎さんを殺したクロ……」
皐月「美影団居さん、キミしかいないんだ!」
美影「にゃあ?」
COMPLETE!
美影「うーん、翼ちゃんってもしかしてかぐらちゃんと一緒にやったらすごい小説作れそうだにゃ!」
皐月「……」
美影「でもミーちゃんは犯人じゃないからその推理は……」
ピンポンパンポーン
石原「っ!?」
陸海「これ、はぁ」
岩崎『ただ今より夜時間となります』
岩崎『食堂車は立ち入り禁止となりますのでお気をつけください』
岩崎『それではよい夢を……』
美影「…………にゃ?」
皐月「下田……今、何時だ?」
下田「……九時四十五分」
伊方「下田は倉庫でズレた時計を直していた」
笹山「それなのに十五分ズレている……美影、意味はわかるかしら?」
美影「…………うん、もうわかったにゃ」
モノクマ「議論終了ー!」
モノクマ「それでは投票タイムです!」
石原「団居、殿……」
美影「…………ごめんね、カイちゃん」
モノクマ「オマエラの答えが正しいかどうか……」
モノクマ「今発表しまーす!」
美影「ミーちゃんが、やりました…………にゃあ」
VOTE
美影 美影 美影
ジャンジャーン!
スロットに並んだ美影さんの笑顔。
だけどその本人は……諦めたのか、うつむいたままだった。
【学級裁判閉廷!】
本日はここまで。
今回のクロは美影団居さんでした。
次回おしおき他です。
それでは深夜までお疲れさまでした。
また明日よろしくお願いします。
再開します。
モノクマ「はい正解!」
モノクマ「今回〔超高校級の巫女〕霧ヶ島司クンと〔超高校級の車掌〕岩崎和音さんを殺したクロは……」
モノクマ「〔超高校級の放送委員〕美影団居さんでしたー!」
美影「……」
石原「ぐ、ぐううっ……!」
モノクマ「でもまさか美影さん本人も自分に投票してるのに、違う人に投票した人が二人もいるなんてね!」
二人……?
モノクマ「さてさて、それではお待たせしました!墨染さん、インタビューしちゃってくださーい!」
墨染「言われなくても……それじゃあ美影さん、インタビューを」
笹山「美影、一ついい?」
墨染「ちょっ!?」
美影「何かな、ミチルちゃん……」
笹山「気になってはいたのだけれど、あなたなぜ岩崎だけ苗字呼びにしてるのかしら?」
美影「……!」
そういえば……前にトレーニングルームと放送室を調べた時……
…………
笹山『ここには時計があるのね。今まで客室にしかなかったのに』
そういえば確かに客室のやつに似た掛け時計があるな……
美影『それはそうにゃ!これがないと【和音ちゃん】が朝の放送出来にゃいもん!』
…………
美影さんはあの時確かに岩崎さんを和音ちゃんって呼んでた……だけど。
…………
美影『【岩崎ちゃん】も部屋に忘れ物あるって言ってたにゃあ』
美影『大丈夫じゃないにゃあ……【岩崎ちゃん】に最後に会ったのがミーちゃんかもしれないし』
美影『ミーちゃんが放送終わらせて食堂車に行く時にね、【岩崎ちゃん】と会ったんだにゃあ』
…………
今は、岩崎ちゃんって呼び方が変わってる……これはいったい。
美影「……葛藤かにゃあ」
下田「葛藤?」
美影「許せなかったんだにゃあ……どうしても、どうしても……」
美影「夢ちゃんが死ぬきっかけを作った岩崎ちゃんだけは、許せなかったんだにゃあ……!」
神崎「もしかして、リーダーに推薦した事……?」
陸海「だけどよぉ、それって……」
美影「わかってる!こんなの逆恨み!ミーちゃんに岩崎ちゃんを責める資格なんてないって!」
美影「だけど、だけど……そうだってわかってても!」
美影「【あの一言】だけは、許せなかったんだにゃあ……!」
墨染「ほうほう、あの一言とは?」
美影「……【自分を許したい】」
皐月「っ!?」
美影「何それ、自分を許すってなんだにゃあ?」
美影「翼ちゃんみたいに、夢ちゃんから動いた訳じゃないんだよ?岩崎ちゃんの行動がきっかけだったのに変わりはないんだよ?」
美影「それなのに自分を許すって……そんなの、おかしいにゃあ……」
……待てよ。
じゃあまさか……
…………
皐月『……受け売りだけど、一ついいかな?』
岩崎『なん、ですか?』
皐月『完全には無理でも少しだけでいい、自分を許してほしい』
岩崎『……!』
皐月『……もう少し違った形だけど、俺はこう言われて少しだけ前を向けた』
岩崎『……いいんでしょうか?』
皐月『そうしないと、いけないんだ』
岩崎『……っ』
…………
岩崎さんは、俺があんな事言ったから……殺された、のか?
クロード「なんでだミカゲ?なんでそこまでヒラノに……」
美影「……」
墨染「そういえば美影さん、平野さんに悩みを相談してたんでしたっけ?」
美影「っ……」
墨染「その反応、それが原因と見ました!いったい何を平野さんに相談してたんですか!?」
石原「やめっ……!」
墨染「いいじゃないですか!どうせもうすぐ死ぬんですから!ほら、全部言っちゃいましょうよ!」
下田「墨染さん、それ以上は……!」
美影「…………」
モノクマ「耳が聞こえなくなってきてる事でしょ?」
美影「……!」
皐月「耳が……聞こえなくなってきてる?」
モノクマ「オマエラ、まさかさぁ……美影さんがただの趣味でそのネコミミ付けてると思ってない?」
モノクマ「それ、実は希望ヶ峰製の超高性能補聴器なんだよ!」
モノクマ「美影さんはそのネコミミがないと、ほとんど音が聞こえないのです!」
モノクマ「あっ、ちなみにその理由なんだけどね……」
モノクマ「――前いた学校で暴行されたから、だよ」
神崎「なっ!?」
モノクマ「どちらの意味かはオマエラの御想像にお任せします」
モノクマ「だけどそれがきっかけで美影さんは聴力のほとんどを失ってしまったわけです!」
モノクマ「遅刻が多いのは目覚ましや周りの音で起きられないからだよね!」
モノクマ「あっ、後時間前行動してたせいで暴行されたからもあるか!」
美影「なんで、知ってるの……?そこまでは、夢ちゃんにも話して……」
モノクマ「まあまあ、それはいいじゃない!」
石原「貴様ぁ!これ以上団居殿の傷を抉るな!」
モノクマ「ダメダメ!だってこれこそ美影さんが霧ヶ島クンを殺した動機だもん!」
伊方「今の話が動機だと?まさか霧ヶ島がその暴行犯人などと言い出す気か?」
モノクマ「んなわけないじゃん!うーん、言うより見てもらった方が早いかな?」
モノクマ「これがその動機でーす!」
モノクマがばらまいたのは……全て同じ物が写った写真。
それを拾い上げる……
そこにいたのはネコミミを外した美影さんと、そんな彼女と手話で話している霧ヶ島さんだった。
モノクマ「それがボクが美影さんに渡した写真だよ」
立木「これが、動機……?」
墨染「ああ、なるほど」
物述「墨染さん、意味がわかったの?」
墨染「美影さん、あなた怖かったんですね?」
墨染「【絶対知られたくない事を知られてる可能性がある】という事実が」
美影「……」
モノクマ「うぷぷ、そういう事だよ!」
陸海「どういう事だぁ?」
神崎「……霧ヶ島君が自分の耳が聞こえなくなってきてる事を知っている」
神崎「もしかしたら暴行の事も知ってるかもしれない。もしそれを誰かに話されたらどうしよう?」
神崎「この写真を見た瞬間から美影ちゃんにとって霧ヶ島君は……いつ爆発するかわからない爆弾と何ら変わりなかったんだよ」
下田「でも霧ヶ島くんはそんな事……!」
笹山「するわけない。えぇ、美影も写真だけならそう思えたかもしれないわね」
笹山「迂闊だったわね下田。あのCD、とんでもない毒物だったみたいよ」
下田「えっ……?」
笹山「あのCDで仲良くしていた平野と安田が既に殺し、殺された」
笹山「その前提がある以上、するわけないなんてもう言えないのよ」
笹山「仲良く話していた二人すら、被害者と加害者になったのだから」
皐月「……それが、モノクマがあのCDを出した目的だったのか」
夢さんと安田、もういない二人だって仲良くしていたのにこんな事になった。
無意識の内に、それを刷り込まれた上で……美影さんにあんな写真を渡したんだモノクマは。
美影さんの恐怖が高まるのを期待して……!
美影「…………」
墨染「なるほどなるほど……ふふん、なかなかのネタでした」
墨染「【超高校級の放送委員は実は耳が聞こえない!その原因は前の学校にあった!】」
墨染「まっ、美影さんだけで記事組むならこんな感じですね」
墨染「ありがとうございました♪」パシャッ
モノクマ「おっ、インタビュー終わったみたいだね」
モノクマ「それではお待たせしました!今回のメインイベント、おしおきのお時間です!」
美影「……好きにしてにゃあ」
モノクマ「はい?」
美影「ミーちゃん、最初から助かるだなんて思ってなかったし……」
石原「団居殿……!」
美影「……ごめんなさい」
美影「みんなを裏切って、ごめんなさい……」
モノクマ「つまんない」
皐月「……は?」
モノクマ「つまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんないつまんなーーーーーーい!!」
モノクマ「おしおきだよ!?これから死ぬんだからもっと絶望しろよ!泣き叫んで逃げ回れよ!!」
モノクマ「ああ、全く世話の焼ける……ポチッとな」
美影「っ!」バチィッ!!
石原「っ……団居殿!?」
いきなり電気が流れたような音がしたかと思うと……美影さんが倒れる。
慌てて石原が抱き起こしたけど、美影さんはグッタリしていて……
まさか、今のが処刑なの、か?
美影さんは死んでしまったのか?
立木「美影さんっ……」
陸海「み、美影っちが死んじまったぁ!?」
伊方「こんなにあっさりとおしおきが終わっただと……?」
墨染「インパクトないですねぇ……」
三者三様の反応を見せる中、石原は美影さんに必死に呼びかけている。
すると……
美影「んっ……」
石原「団居殿!」
美影「あれ、ミーちゃん、は……」
石原「大丈夫か?急に倒れたのだ……」
美影「……にゃう、まるで覚えてないにゃあ」
頭を振って起き上がった美影さんは周りを見回し……
美影「にゃ?みんな何してるの?」
間違いなく、そう言った。
皐月「何って……」
美影「あれ、夢ちゃんと順ちゃんは?和音ちゃんと司ちゃんもいないよ?」
石原「団居殿……何を……」
美影「にゃう、カイくん怖い顔してどうしたんだにゃ?あっ、まさかまたミーちゃん差し置いて他の女の子に鼻の下伸ばしたにゃあ!?」
下田「何が、起きて……」
モノクマ「美影さんからディスペアー・エクスプレスに関する記憶を消しました!」
美影「にゃああ!?何あれ、モノクマ!?なんで教科書か博物館でしか見ないようなのがいるんだにゃあ!?」
モノクマ「あー、でも今の美影さん……どうやら色々思い出してるみたいだね」
美影「ねぇ、みんなこれなんなの!?何があったの!?」
モノクマ「キミはね、これからおしおきされるんだよ美影さん」
美影「おしおきって、えっ、確か……処刑……」
モノクマ「そのとーり!それでは説明したし始めましょう!」
美影「えっ、えっ!?なんで!?なんでミーちゃんが処刑されるの!?」
美影「……い、嫌だにゃあ!やっとみんなと本当に向き合えたのに!」
美影「やっとこんなミーちゃんでも受け入れてくれる人も出来たのに!」
モノクマ「今回は〔超高校級の放送委員〕である美影団居さんのために!スペシャルなおしおきを用意しました!」
美影「嫌だ嫌だぁ!みんな助けて、ミーちゃん死にたくない!」
石原「団居殿……!」
モノクマ「それでは張り切ってまいりましょう!」
美影「カイくん助けてっ!やだ、やだよっ!」
石原「くっ!」
モノクマ「あっ、邪魔はさせませーん!」
モノクマの言葉と同時に石原に首輪が取り付けられて、壁に拘束される。
石原「ぐうっ!?」
美影「カイくん!」
モノクマ「それでは改めて張り切ってまいりましょう!」
美影「み、みんなカイくんを……えっ?」
モノクマ「おしおきターイム!!」
美影「なんであなたがここにい――」
GAME OVER
ミカゲさんがクロにきまりました。
おしおきをかいしします。
美影さんの首に鈴のついた首輪が着けられる。
そして美影さんは何か言うよりも早く……扉の向こうへと消えていった。
美影さんが連れてこられたのは回る台のような場所。
それは大きなラジカセです。
【にゃんにゃん行進曲!】
【超高校級の放送委員美影団居処刑執行】
美影さんは涙を浮かべながら周りを見渡しています。
すると上から大きな何かが降ってきました!
美影さんが慌てて身を伏せると辺りは暗闇に包まれ、何か音楽が聞こえてきます。
そのままぐるぐると回る巨大なCD……美影さんは目を回してその場から動けません。
ぐるぐると回るスピードを増すCD。
なすがままになっている美影さん……その身体は震えてただ倒れている事しか出来ません。
そしてその速度がある段階に達した時、美影さんが血を吐き出します。
どうやら内臓が耐えきれなかったみたいですね。
それでもぐるぐる回るCDのスピードはどんどん速さを増していきそして……
CDを止めに来たモノクマがふたを開けると、ビックリ仰天!
中で猫が焼けてCDが滅茶苦茶になっているではないですか!
モノクマはどこから入り込んだのかと怒りながら……そのCDをゴミ箱に捨てたのでした。
モノクマ「アーハッハッハッハ!!」
モノクマ「やっぱりおしおきは絶望的じゃないとね!」
美影さんは、おしおきされた。
最期まで、自分がなぜ処刑されるのかもわからないままで……
石原「ぐっ、ぐおおおおっ……!」
あまりの光景に黙っていた俺達の耳に聞こえてきたのは、うなり声と何かが壊れるような音。
皐月「石原……!?」
石原「モノクマ、モノクマ……!貴様、許さん……団居殿をよくも、よくもぉ……!」バキッ!!
モノクマ「うわっ、なんて馬鹿力!」
石原「叩き壊してくれるぞモノクマ……!」
マズい、今の石原は頭に血が上ってる!
あのままだと石原はモノクマに攻撃して……!
クロード「やめねえか、この馬鹿野郎が!」
クロードが後ろから石原を羽交い締めにする。
だけど石原の抵抗は凄まじく、俺達も慌てて加勢した。
石原「離せぇ!団居殿の仇を、仇を……!」
下田「ダメだよ石原くん!美影さんだってそんなの望まない!」
陸海「さっきの聞いただろぉ!美影っち、あんだけ死にたくないって言ってたのに、最後は石原っちを助けてって言いたそうだったじゃないかぁ!」
石原「ぐ、ぐううっ……!」
石原「うおあああああああああああああっ!!」
石原がその場に崩れ落ちる。
すると、まるで示し合わせたかのように……石原の服のポケットから写真が舞った。
皐月「あっ……」
それを手に取った俺は、思わず息をのむ。
石原「うわあああああああああっ!!」
石原、そうか……
だから、美影さんを最後まで……
俺はもう一度その写真を見る。
そこに写っていたのは……
とろけそうな笑顔で笑う美影さんと、そんな彼女の頭を撫でている石原。
見てるだけで幸せに溢れていて……
この上なく悲しみを沸き上がらせる……
そんな、写真だった。
下田「あのさ……皐月くん」
皐月「下田……」
下田「実は一つだけ、解けてない謎があるんだ」
皐月「なんだって?」
下田「……あのカッターナイフ、刃がなかったはずなんだ」
皐月「……!?」
下田「だからこそ、ぼくも回収しなかったんだよ」
皐月「でも、あのカッターナイフには間違いなく刃が……」
下田「……ぼく達は、もしかしたらとんでもない思い違いをしてるのかもしれない」
皐月「思い違い……?」
下田「…………」
下田は何も言わない。
だけど何を考えているかは……なんとなく、わかってしまった。
――俺達の中に殺人を助長させる人間がいるかもしれない、と。
STATION2
【方程式では解けない殺人者の思考】
【END】
【死亡】
岩崎和音…美影団居により刺殺
霧ヶ島司…美影団居により撲殺
美影団居…岩崎和音、霧ヶ島司殺害のクロとして処刑
生き残りメンバー
皐月翼
伊方五右衛門
陸海空助
笹山ミチル
墨染優里
石原カイ
立木亜里沙
神崎真夏
下田慧
物述かぐら
クロード・イーストウッド
以上11名。
本日はここまで。
次回はまた改めてスレを立てたいと思います。
それではまたよろしくお願いします。
新スレを立てました。
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