ぼく「ラジオ体操?」(6)

母「今日から始まるってプリントに書いてあったでしょ?」

ぼく「そうだっけ…」

母「ほら!早く起きなさい!もう女友ちゃん迎えに来てるわよ!」

ぼく「はぁーい…」





女友「おはよう!」

ぼく「おはよー…」

女友「さぁー頑張って体操しよ!その後にプールで遊ぼう!」

ぼく「プール!?行きたい!早く行こう!」

女友「その前にラジオ体操ね!ほら行こ!」

朝、公園

友「おおーおはよー」

ぼく「友君もきてたのかー、あっそうだ!友君も一緒にプール行こうよ!」

友「いいよ!あっ、でもその前に宿題やらないと…」

ぼく「ああー宿題かー」

女友「じゃあ!みんなで宿題してからプールに行くっていうのはどう?」

友「それいいね!そうしよう!」

ぼく「そうだね!」

「はーい集まってください、ラジオ体操始まりますよー」

数年後。


俺「おはよー、」

母「あら、今日は部活ないんでしょ?早起きね」

俺「ああ、なんか早く起きちゃってな。少し散歩してくる。」

母「気を付けてねー」

朝の空気が美味しい。日中より輝いている朝陽と朝から忙しなく鳴き続ける蝉の声を背に、俺はテキトーに近くを歩くことにした。

彼女「あっ!俺君!おはよ!」

俺「おお彼女か、おはよう。」

彼女「毎朝一緒に登校してるけど、休日の朝に会うのはなんだか新鮮だねー」

俺「そうだな…」

彼女「あっ、あれ。」

「はーい集まってくださーい!ラジオ体操が始まりますよー」


俺「ラジオ体操か…懐かしいな」

彼女「よく三人で一緒に出てたよねー」

俺「友か…あいつ今年の春から他県の高校で寮生活してるんだっけ」

彼女「みんな、変わっちゃったね…」

俺「そうだな…でも、」

彼女「ん?」

俺「変わってないものもあるじゃないか、このラジオ体操とか。」

彼女「あっ…そうだね!」

自分は変わってしまった、そしてその周りの人間も、それは当たり前のことだ。
でも、変わらないものもある。
ラジオ体操は、俺にそんなことを教えてくれた気がした。

彼女「ねえ!私たちも混ぜてもらお!」

俺「えっ?そんなことできないだろ…」

彼女「大丈夫だよ!そしたらその後、」

彼女「二人でプール行こ?」

俺「ああ…そうだな!」



おわり

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