ニャル子「真尋さんの恋人になりました」 (35)

真尋「やめろよニャル子。余市、お前なら分かってくれるだろ」

余市「はっはっは、八坂君にも久しぶりに彼女が出来たか」

ニャル子「久しぶり?」

真尋「おい、余市」

余市「高校に入ってから初めての彼女さんだな。次は長続きするといいな」

真尋「なんてこというんだ。怒るぞ」

珠緒「え、えー? 八坂くんって意外と肉食系?」

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余市「なにか間違ったこと言ったかな」

真尋「ノーコメント」

ニャル子「ちょ、ちょっちょっと。ちょっと待ってください」

珠緒「八坂くん、可愛い顔してるもんね。年上のお姉さんに可愛がられてたとか?」

真尋「いや、同級生とか1年下とかだな」

ニャル子「え、あの、私が初めてじゃ・・・」

余市「僕たちも、もう高校生だからね。色々と経験も増えていくよ」

真尋「余市は彼女いない暦何年だっけ?」

余市「中学卒業以来、彼女いない暦だよ」

珠緒「あー」

ニャル子「彼女といいますと、やっぱり告白されたり、まさか真尋さんから告白したりなど」

真尋「いや、女友達と遊んでるうちになんとなくそんな感じに・・・・・・ってなに言わせるんだ」

余市「二股の噂が立ったこともあったね。そういえば真相を聞いていなかったね」

真尋「ああ、あれね。僕の耳に入った時にはすでにかなり広がった後で」

真尋「どっちとも付き合っていないのに、そんな噂が立って驚いたよ」

真尋「全く、僕にそんなこと出来るはずないのに。ん、ニャル子どうした?」

ニャル子「あ、あはははは。興味深い話に聞き入っていただけデスヨ」

真尋「えーと、聞いていいかな」

珠緒「あたしに言ってる?」

真尋「暮井は彼氏いない暦どれくらい」

ニャル子「珠緒さんはついこの間初恋」珠緒「あたしかー。んー、3ヶ月ちょいかな」

ニャル子「!?」

余市「性欲を持て余す!」

珠緒「それ、セクハラ」

3人「あはははははははは」

ニャル子「あ、あははは」

真尋「前の彼氏とはなんで別れたんだっけ?」

珠緒「人の古傷をえぐっていくスタイルかー」

ニャル子「珠緒さんを振るなんて、見る目のない男ですね」

真尋「ん?」

ニャル子「いっ、いえいえお気になさらず」

珠緒「私って歩くスピーカーとか言われてるじゃん?」

余市「あー、察し」

珠緒「あんな男、こっちからお断りだし!」

ニャル子「うがふっ」

珠緒「どうしたのニャル子ちゃん」

ニャル子「いえ、お気になさらず。なんとなくダメージ受けただけですし」

珠緒「んでんで、余市君はどんな恋人歴なのかな?」

余市「話すようなこともでないだろう」

真尋「僕たちに粉かけておいて、それはないだろう。そうだな、余市の最後の恋人どんな人だったんだ。教えろよ」

余市「まじめな子だったよ。黒髪ロングの委員長タイプの子だったよ」

珠緒「その子もメガネ」

余市「いや、メガネはしていないよ」

珠緒「ちっ」

ニャル子「なんの舌打ちですか」

珠緒「どんな風に恋人になったの?」

余市「勉強を教えたり、悩み事を聞いたり。仲良くしてるうちに私のことどう思いますかって言われてね」

余市「可愛い後輩で仲良くしてくれて嬉しいとか言ってたら、泣き出して女扱いしてないとか言われて」

真尋「押し切られて付き合ったと」

余市「うん。彼女のこと悪く思っていなかったしね」

真尋「そんなズブズブの関係だから、卒業と同時に切れたと」

余市「失礼な。分かれた理由は彼女のご母堂……もうやめないか」

真尋「なんかごめん」

真尋「ニャル子、なんだか珍しく静かだな」

ニャル子「え、いえ、なんてことなくご静聴していただけですよ」

真尋「ま、いいや。それより」

珠緒「ニャル子ちゃんのお話聞きたいな」

余市「外国だと愛情表現も過激だろう。色々学ばせてもらいたいな」

ニャル子「え、それはどういう」

珠緒「ニャル子ちゃん、魅力的だし今まで色々経験しているはず。ニャル子ちゃんだけ言わないなんて許されないよ~」

ニャル子「あの、真尋さん」

真尋「(ニッコリ)」

続きはまた今度で。おやすみ

真尋「やめてやろうぜ。ニャル子と付き合うような奇特な人間、僕以外いないって」

ニャル子「な、なんですと」

珠緒「そっかあ。ニャル子ちゃんかわいい」

ニャル子「私だって、私だってですね。お相手の1人や2人いましたよ」

珠緒「え、どんな人? どんな人?」

真尋「年上? 年下?」

余市「男? 女?」

クー子「同い年? つまり、わ・た・し?」

ハス太「真尋くん、僕なら年上役も年下役もできるよ。どうかな?」

真尋「ニャル子、無理に嘘つかなくていいんだぞ」

ニャル子「いましたよっ。年上の彼氏も年下の彼氏も経験済みです!!」

珠緒「年上の彼氏に色々悪戯されて、年下の彼氏に色々悪戯して……ニャル子ちゃんおっとなー」

ニャル子「珠緒さん、変な妄想しないでください!」

真尋「へぇ、ニャル子。お前経験豊富だったの?」

余市「/////」

ニャル子「誤解しないでください真尋さん。彼とは清い関係どまりで、初めては真尋さんとですってば」

珠緒「ニャル子ちゃん落ち着いて。声が大きすぎるよ。教室中に響いてる」

ニャル子「あ……」

余市「まぁ、あの日の八坂くんの衰弱ぶりは尋常じゃなかったからな。クラス全員知ってることだが」

真尋「やめて、余市やめて」

珠緒「あ、なんか私も胸が痛い……」

ハス太「でも、僕も知らなかったな。ニャル子ちゃんに真尋君以前に彼氏がいたなんて」

クー子「ニャル子、私は女だから彼氏じゃなくて彼女だよ」

ニャル子「ええい、抱きつかないでください。キモイですよクー子」

真尋「ふーん、それで。どんな人だったんだ?」

ニャル子「あれ、真尋さん。怒ってます」

真尋「別に」

余市「沢尻エリカか。懐かしいな」

珠緒「いや、余市君いくつよ。古いよ」

真尋「興味があるんだ。話してくれよ」

ニャル子「やっぱり、真尋さん怒っていませんか」

真尋「何度も言わせるなよ。怒ってない」

クー子(フォークを出さない。少年、耐えてる)

ハス太「でも、僕も知らなかったな。ニャル子ちゃんに真尋君以前に彼氏がいたなんて」

クー子「ニャル子、私は女だから彼氏じゃなくて彼女だよ」

ニャル子「ええい、抱きつかないでください。キモイですよクー子」

真尋「ふーん、それで。どんな人だったんだ?」

ニャル子「あれ、真尋さん。怒ってます」

真尋「別に」

余市「沢尻エリカか。懐かしいな」

珠緒「いや、余市君いくつよ。古いよ」

真尋「興味があるんだ。話してくれよ」

ニャル子「やっぱり、真尋さん怒っていませんか」

真尋「何度も言わせるなよ。怒ってない」

クー子(フォークを出さない。少年、耐えてる)

ニャル子「ど、どんな人って。優しい人でしたよ」

ニャル子「人見知りの私に良くしてくれて、地球産のエンタメを色々教えてくれまして」

ニャル子「それで好きになりました」

ハス太「ん?」

余市「今のニャル子さんが特撮やアニメ好きなのは、前の彼氏さんの影響だったんだね」

ニャル子「えっ、ちがっ」

真尋「違うのか?」

ニャル子「ノーコメントです」

珠緒「その彼氏さんとの出会いはどこだったの?」

ニャル子「え、えーと、学校です。同じ学校の人でした」

真尋「お互いになんて呼び合ってたんだ?」

ニャル子「私のことはニャル子と呼んでましたよ」

真尋「お前はなんて呼んでたんだよ」

ニャル子「あ、うあ、その、先生………と呼んでおりました」

珠緒「生徒と教師の近代の愛キターーーーー!!」

余市「教師も一人の男というわけか」

ニャル子「待ってください。先生はそんな人じゃありませんから」

真尋「ふんっ。どうせニャル子がヨグソトース先生に一方的に迫ってただけなんだろうが」

ニャル子「え?」

真尋「ん?」

ニャル子「あ」

ニャル子「う~~ううう あんまりだ…H E E E E Y Y Y Y あ ァ ァ ァ ん ま り だ ァ ァ ア ァ 」

ニャル子「AHYYY AHYYY AHY WHOOOOOOOHHHHHHHH!!」

ニャル子「真尋さんのバカあああああああ。女顔、女ったらし、DTいいいいいいいいいいいい」

珠緒「ニャル子ちゃんが泣きながらどこかに走り去っていく!」

クー子「少年、気づいていないフリをする優しさも時には必要」

ハス太「ニャル子ちゃんかわいそう」

余市「まったく、八坂君は酷い奴だな」

真尋「お前たちも同罪だろうが。特に余市、お前が振ったネタだろうが」

余市「あっはっは。思いつきの冗談が、これほど膨らむとは思わなかったな。ニャル子さんには悪いことをした」

珠緒「そんなことより、ニャル子ちゃんを追いかけなよ」

真尋「ああ、もう分かったよ。僕も悪ふざけが過ぎた。謝ってくる」









珠緒「私も男の子にああして追いかけてもらいたいな」

余市「僕がしてあげようか」

珠緒「気持ちだけ受け取っておく」

ニャル子「うぅ~、シクシクシクシク」

真尋「なんだそのわざとらしい泣き声は」

ニャル子「しくしくしくしくしく」

真尋「その、なんだ。ごめん、悪ふざけがすぎたよ」

ニャル子「どうせ私は経験不足ですよ。悪かったですね。私一人で勝手にはしゃいじゃって」

ニャル子「真尋さんの始めての彼女になれたと喜んでいたのに」

ニャル子「ごめんなさい。真尋さんには真尋さんの人生があるのに、勝手に勘違いして落ち込んじゃって」

ニャル子「嫌いになりましたか」

真尋「いや、そのことなんだけど、全部嘘なんだよ」

真尋「余市がふざけてきたから、それに乗ってデタラメ言ってただけなんだ」

真尋「多分、暮井も気づいてて話を合わせてきたんだと思う」

真尋「悪ふざけがすぎたよ。ごめん」

ニャル子「真尋さん、酷いです」

ニャル子「いくら私でも、傷つきますよ」

真尋「ごめんなさい」

ニャル子「………キスしてください」

真尋「分かったよ。ほら、目をつむれ」

ニャル子「えへへ、真尋さんからキスしてもらえました」

真尋「これで許してくれるか?」

ニャル子「まだ許しません」

真尋「分かったよ。なにが欲しい?」

真尋「あまり高いものはダメだぞ」

ニャル子「今日の帰り、手をつないでください」

ニャル子「真尋さんと手をつないで、下校したいです」

ニャル子「恥ずかしいとか言わせません。真尋さん、わたしと手をつないで下校してください」

真尋「いいよ。手をつないで下校しよう」

真尋「その、僕はニャル子の恋人だしな。いいんじゃないか」

ニャル子「えへへへ」

ニャル子(ほんっと、真尋さんってちょろいですねぇ)

ニャル子(這いよる混沌に、あんな嘘が通じるわけないじゃないですか)

ニャル子(そもそも赴任前に真尋さんのことは調べていますし)

ニャル子(恋人いない年齢だってことくらい調査済みです。そう、ハローワールドからDT卒業までね(キリッ)

ニャル子(真尋さんとの絆を深めるいいイベントになりました。余市さんには、こっそり感謝ですね)

ニャル子(ふふふ、ゲーム内では百戦錬磨の私が相手とはいえ、たった一ヶ月で攻略されてますし)

ニャル子(真尋さん、マジチョロイン)

ニャル子(そんなところも全部含めて大好きですよ)





ニャル子「真尋さん」

真尋「なんだよ」

ニャル子「一生愛してあげます」



おわり

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