勇者「疲れたわー…。」
戦士「だなー。魔物も強くなってきたしな。」
勇者「戦争終わらせるために魔王倒しに行けとか。」
戦士「大任すぎるわな。まあ俺らが国で一番強いんだし仕方ない。」
勇者「ストレス発散に始めたオンラインハンティング楽しすぎ。」
戦士「激しく同意。」
勇者「今は…10時か。明日も早いし一時間で落ちるか。」
戦士「おk」
魔法使い「ねぇ、二人とも何の話してるの?」
勇者「ん?あー、オンラインのRPGだよ。」
戦士「今凄い話題になってるんだぜ。知らねーの?」
魔法使い「全然知らないわ。」
勇者「まあ、魔法使い興味なさそうだしな。」
魔法使い「ま、まあね。私ゲームなんてやらないもの。…そろそろ寝るわね。」
勇者「おやすみー。」
戦士「おやす。」
オンラインハンティング
RPGでありながら明確なボスなどはおらず
自給自足生活を送るオンラインゲームである
動物を狩ったり、栽培したり、グループを作ったり
全国にプレイヤーは1500万人以上
また、プレイヤーに魔族等のモデル追加
狩りも生活のために行われるという
人と魔物の戦いを忘れられる世界観から
魔族のプレイヤーも増えているという噂がある
-ゆう さんが ログイン しました-
ゆう(勇者)「いんしたお」
筋肉(戦士)「おー」
まお「お、来た来た」
ヒゲ「今日遅かったじゃん」
ゆう「リアルの方で疲れちゃってさ、早めに落ちるわ」
まお「お疲れさん」
ヒゲ「おつー」
まお「あ、そうそう。一人グループに混ぜたいやついるんだけどいい?」
ゆう「リア友?」
まお「っつーか、部下?」
筋肉「いいじゃんいいじゃん」
まお「さんきゅ、承認するわ」
めいめい「こ、こんばんは」
ヒゲ「こんばんわに」
ゆう「こんー」
筋肉「こんばんまっする」
まお「ヒゲと肉、滑ってるぞ」
めいめい「あ、あはは…よ、よろしくですー^^」
ゆう「よろしくー」
まお「ソロで少しはやってたみたいだし、グループのことは俺が教えるから」
ヒゲ「おk」
モフチョ「こんー」
ゆう「モフチョやっほー、遅かったじゃん」
モフチョ「上司に頼まれた仕事、やっと終わったお;;」
筋肉「お疲れじゃん」
ヒゲ「大変だなー、嫌な上司なん?」
モフチョ「いやいや、むしろいい人よ?これでも減らしてくれた方なんだから」
まお「モフチョの仕事大変すぎわろえない」
ヒゲ「人を影で褒める人間は信頼できるという」
筋肉「モフチョの株急上昇」
モフチョ「やめて照れる///」
めいめい「あ、あはは」
モフチョ「お、新しい子じゃん」
まお「俺の部下」
モフチョ「へー、よろしくねー」
めいめい「はいー」
ゆう「男ばっかのむさいとこだからな、キャラだけでも女性入って嬉しいわ」
まお「せやろ」
神「…」
ゆう「おっ」
神「用があればいつでも呼べ」
筋肉「うーっす」
めいめい「えっと、この方は…?」
まお「痛いけど仲間思いのいい奴」
ヒゲ「実力も随一だよな」
めいめい「凄い方なんですね…」
ゆう「およ、申請きてる」
筋肉「マジで?」
ヒゲ「どうする?通しちゃう?」
まお「めいめい入れたし、タイミング的にいいんじゃね?」
モフチョ「二人まとめて育て上げてやるZE」
ゆう「おっけー通すわ」
まほ「こ、こんbsんは」
まほ「み、みす…」
筋肉「こんー」
ヒゲ「おっすおす、初心者っぽいね」
まほ「今日はじめたばっかです」
ゆう「始めたばっかでグループ入るなんて、勇気あるな」
まほ「えっ、普通は違うんですか?ご、ご迷惑でしたか…?」
ゆう「そんなことはないって、まったりやろー」
モフチョ「そそ」
ヒゲ「ワシについてこいや」
まお「歓迎歓迎、ってか名前似てるな」
ゆう「ほんとだ、ややこしいかも」
まほ「ご、ごめんなさい…」
まお「ちょうどいいや、なんか女っぽくてあれだったし、改名するわ」
ゆう「おう」
カイザー(まお)「どうよ」
筋肉「痛すぎわろす」
ヒゲ「wwwwww」
モフチョ「いいじゃん」
まほ「楽しいですね!」
ゆう「でしょー」
めいめい「現実もこう和気藹々とできたらいいですね…」
筋肉「あー…」
めいめい「あ、ご、ごめんなさい」
ゆう「まあ、事実だしね」
ヒゲ「人と魔族の争いで、結構穏やかじゃないんだよなぁ」
モフチョ「というか魔族がね…人は犯罪者くらいしか魔族と争ったりしてないのに…」
ゆう「勇者も襲ってくる野生の魔物や魔族しか倒してないよ」
筋肉「って、町の人が言ってたわ」
ゆう「そうそう」
めいめい「えっと…あの」
ヒゲ「どしためいめい」
めいめい「私…魔族です…」
ゆう「マジ?」
まほ「えっ」
めいめい「その…魔族も、悪い人くらいしか…人間襲ったりしてないです…」
モフチョ「そうなんだ…」
めいめい「はい…信じてくれます?」
ヒゲ「正直微妙…だけど、それ言ったらこっちの話もめいめい信じられないだろうし」
筋肉「てかじゃあ、カイザーも魔族?」
カイザー「あー、うん」
モフチョ「二人とも…その、ごめん」
カイザー「気にしてないって、戦争中だししゃーなし」
ゆう「でもさ」
ヒゲ「んー?」
ゆう「今の俺たちの話が全部ほんとなら、戦争終わるんじゃね?」
筋肉「確かに」
ヒゲ「あー」
カイザー「そだなー」
ゆう「っと、もうこんな時間じゃねーか」
筋肉「マジだ、もう落ちるわ」
ヒゲ「じゃあ今夜は解散でよくね?ワシちょっと用事できたなう」
カイザー「俺も俺も」
めいめい「明日、また…集まってくれますか…?」
モフチョ「もち」
まほ「なんか頭が追いつかないけど、とにかく明日!」
ゆう「明日は新人二人を鍛え上げるぜー」
筋肉「いぇー」
-ゆう さんが ログアウト しました-
勇者「狩り行けなかったな。」
戦士「でもいい話できたし。」
勇者「そうなー、っつーかフォローサンキュ。」
戦士「勇者だってバレるのはまずいわ。」
勇者「本当にさ。」
戦士「ん?」
勇者「全部真実で、平和になったらいいよな。」
戦士「まあ、な。でもネットの中だし、信じすぎても危ないぜ。」
勇者「そうなんだけどさー。」
-まほ さんが ログアウト しました-
魔法使い「あー、緊張したわ…。二人に恥ずかしがらず聞いておけばよかったかも…。
でも、楽しそうね…。」
僧侶「むにゃ…何の話ですかぁ?」
魔法使い「ご、ごめん。起こしちゃった?」
僧侶「あ、それオンラインハンティングですか?」
魔法使い「え?あ…うん。」
僧侶「勇者さんと戦士さんが話してましたー。」
魔法使い「そ、そうなの?」
僧侶「私もやってみようかなぁ。」
魔法使い(僧侶にバレちゃったってことは…二人にもバレるわね…。強がらなきゃよかった…!)
僧侶「魔法使いさん教えてくれますか?」
魔法使い「えっ?お、おっけーよ!明日教えるわねっ!」
僧侶「はーい。では再び、おやすみなさい。」
魔法使い「おやすみっ。」
魔法使い(明日二人に正直に話そう…。)
-ヒゲ さんが ログアウト しました-
国王「攻撃を仕掛けている魔族がもはや過激派だけだったとは…。
全ての魔族が人間に敵対心を持っていると思っていたが…。
大臣、大臣を呼べ!」
-モフチョ さんが ログアウト しました-
大臣「あの二人が魔族だったとはなあ…、悪いこと言っちゃったなあ。」
兵士「大臣、国王陛下がお呼びです!」
大臣「む、わかった!」
-カイザー さんが ログアウト しました-
-めいめい さんが ログアウト しました-
魔王「ふぅ。」
側近「魔王様…申し訳ございませんでした。」
魔王「ん?」
側近「魔族であることを…話してしまいました…。」
魔王「あいつらは受け入れてくれた。気にすることもあるまい。」
側近「はい…。」
魔王「それでな、一つ決心をした。」
国王「魔王に和平の手紙を送る。」
兵士「なんと!?」
騎士「受け入れるはずがありません!」
兵士「むしろ、我らが怯えていると思われ、魔族の勢いが増してしまいます!」
大臣「ふむ、私は賛成ですな。」
司祭「国王陛下の決断であれば。」
騎士長「お二方!?」
側近「本気ですか!?」
魔王「うむ。」
側近「彼らが嘘を言っている可能性は!?」
魔王「ない。」
側近「そんな!?」
魔王「だってな。」
魔王/国王「あいつらとはずっと一緒に戦ってきた。こんな嘘はつくはずがない。」
大臣「陛下?何の話です?」
国王「いや、気にするな。ただの独り言だ。」
人間界に衝撃が走る
国王が魔王へ和平の手紙を送ることを決断
その件に、三人の側近のうち、大臣と司祭が賛同したのだ
決断の要因は謎に包まれている
国王「ゲームなんて言ったら誰も納得せんもの…。」
その頃魔族界でも衝撃的なニュースが報道されたことを
人間たちが知るのはもう少し先のお話
国王「二人とも、賛同してくれてありがとう。」
大臣「私は国王陛下を信じておりますゆえ。」
司祭「私もでございます。」
国王「うむ、今日はゆっくり休んでくれ。」
大臣「ははっ。」
司祭「失礼いたします。」
大臣「ゲームの影響だなんて言えんわな…。さーて、ログインログイン。」
-モフチョ さん がログイン しました-
国王「そろそろみんな来るかな、ログインしよ。」
-ヒゲ さん がログイン しました-
司祭「さて、今夜もログインするかな。」
-神 さん がログイン しました-
おしまい
身分の違う者や敵対する者がお互いの素性を知らない場所で大事な仲間の関係になる
そんな話が好きで書きましたが、どうにも実力が足りません
こういうネタの素晴らしいSSに出会えることを願います
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