男「閑古鳥のお嬢様ってね」(12)
一組の男女が向かい合っている。
彼らの周りには、人の気配は無い。
男の方が何か言葉を、顔を真っ赤にして、結構な勢いで頭を下げながら発する。
それを受けて、女の方は二重まぶたの目を大きく見開いき、困ったように周りをキョロキョロと見回した後に、丁寧なお辞儀をして走り去ってしまった。
「という訳で、俺が見た一部始終はこんなもんだたな」
場所はある高校の二学年の中の一組の教室。
窓際の後ろから三つ目の席に、クラスの生徒の八割が集まっていた。
「つまり、姫ちゃんが走り去ったということは・・・まさかのフられたのか*」
「いやいや、分からんぞ。
もしかしたら少し考える時間をーーって話かもしれないじゃんか」
「それは何か違うんじゃないかな?」
口々に意見が飛び交う。
現在時刻は午後3時17分。
放課後と言われる時間帯が始まったのがほんの2分前になる。
そして、この集団ができるキッカケとなったスクープは、今日の昼・・・ちょうど3時間前に起こった出来事だった。
・・・誤字が多いな、俺。
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