3月のアジア研究学会で行われた会合でのことだ。「慰安婦」問題の現在の状況について話をしていて分かったのは、
どうやら日本の保守系団体がアジア研究学会の日本研究者の(やや古い)名簿を入手したらしく、
定期的に会員全員に「慰安婦」やその他の歴史問題についての英文メールが届いている、ということだ。
そのメールでは、右派がよく持ち出すさまざまな歴史資料が添付され、それぞれに解説がつけられている。
しかしかれらが興味を持ってその資料を読んだところ、送り手の解説はことごとく一部だけを引用して都合よく解釈したものであり、
全体を読めば日本軍の犯罪がよりいっそう根拠づけられる内容だった。
一部のとくに好奇心旺盛な研究者らが、研究対象が向こうからやってきてくれることを歓迎する一方、それ以外の多くの研究者はただ単純に迷惑していたが、
いずれにせよ笑い話のネタにはなっているようだった。
今回声明に参加した研究者たちは、反日でもなければ無知でもない。その多くは、日本に住んでいる誰にも負けないほど生涯を通して日本を見つめつづけ、
その行く末を心から心配する人たちであり、海外における日本の最大の理解者たちだ。
そういった人たちが、安倍首相の訪米 ・米議会演説の1週間後、そして戦後70年の節目を前にしたこのタイミングでこういう声明を発表した意味は、明らかだろう。
http://synodos.jp/international/13990/2
歴史化→歴史家
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