鳳翔「あゝ栄光の、空母機動部隊!」 【お題募集】 (871)


この作品は、艦隊これくしょんの2次創作SSです。

空母艦娘どうしの呼び方(鳳翔へのお母さん呼び)に、独自設定を使用しています。


瑞鶴「鳳翔お母さんの女子力が低い?」 飛龍「うん」
瑞鶴「鳳翔お母さんの女子力が低い?」 飛龍「うん」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1428234813/)

鳳翔「夢はあなたと共に」
鳳翔「夢はあなたと共に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1429003485/)


前2作のその後を短編形式で書いていく予定です。
タイトルのふざけっぷりでわかるとおり、シリアスはかなり薄めで行きます。


第2話以降、「こんな話が読んでみたい」と下記の設定にある程度沿ったお題を書き込んで頂きますと、
お話として面白いものが出来そうだったら頑張って書きます(安価は今のところ予定なし)。

第1話は提督と鳳翔のデート、行き先を指定して頂ければと思ってます。
書き込みがなければ水族館を予定。


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1429722723

今指定しちゃって良いの?
じゃあ遊園地で



~鎮守府の愉快な仲間たち~

(改二実装済み艦娘は基本改造済みです)


・提督

正規空母6隻を指揮する。鳳翔と鎮守府の皆が好き。

指輪は鳳翔と6人娘に渡しているが、鳳翔以外とは家族愛以上に発展していない。

奥手だったが勇気を振り絞って鳳翔と結ばれ、鎮守府に砂糖を振りまく。

例の悪夢の事件の後、鳳翔への溺愛っぷりに拍車がかかった。

個人的には「図書館戦争」の堂上教官と小牧教官を足して2で割ったイメージ。

2人とも純情なのでハーレムに到達する敷居は少々高い。


・鳳翔

鎮守府のお艦にして提督の正妻。提督と、空母6人娘と、鎮守府の皆が好き。

料理はじめ各種の家事、航空戦から夜戦(意味深)までなんでもござれの超人。練度はカンスト済。

ケッコンから時間が経ち、お互い奥手だった提督とも毎日一緒に寝るなど、遠慮なくベッタリする。

悪夢の内容は覚えておらず、急にひっついてくるようになった鎮守府の皆に戸惑う。

ただし現代的なセンスには疎い。最近少しずつファッションを勉強している。


・赤城

6人娘の長女的立場として日々奔走する。鎮守府の皆と、鳳翔のご飯が好き。

戦場で高揚し易かった性格も、鳳翔の教育(物理)で冷静さを保つようになる。

今では正規空母最高練度として、名実ともに機動部隊のトップを務める。

提督の背中を押して鳳翔を助ける。提督を諦めたわけではなく、隙あらばアプローチをかけてくる。


・加賀

一航戦の誇りを胸に後輩たちを引っ張る、面倒見のいいお姉さん。

プライドが高かった性格も今ではほぼ丸くなり、ほんの少しだけ泣き虫な本性が出るようになる。

翔鶴や瑞鶴とは普通に仲良し。一緒の部屋で寝たりすることも。

今のところ提督には、尊敬以上の感情はあんまりない。ここから恋愛に発展するには……?


・蒼龍

6人娘で赤城の次に着任、提督との付き合いも長い。

鳳翔は正妻として敵わないと認めつつも、提督のことは未だに好き。

2号の座を目指して、今日も家事の腕を磨いて健気に頑張る。

個人的性格が掴みづらい子ナンバー1。何かしらキャラ付けをしてあげたい。


・飛龍

鎮守府の皆の仲を取り持つしっかり者。提督や鳳翔からの信頼も厚い。

基本的な家事スキルは身に付いており、また現代っ子のセンスも持っているため女子力は高め。

家族の和を何よりも大切にする。提督と鳳翔が幸せにしているところを見るのが好き。

提督は恋愛対象にするには若すぎるため、家族から恋人に発展するハードルは一番高いと思われる。


・翔鶴

先輩の後を追いかけて日々努力する、6人娘の薄幸美少女担当。憧れは加賀先輩。

練度は充分なものの前世からの枷が抜けきっておらず、日常でも時折ドジっ子っぷりを発揮する。

自分の不運をもカバーする機動部隊の運用で、提督を心から信頼し、いつしか好きになる。

提督を諦めきれないが、鳳翔の圧倒的正妻感の前にぐぬぬの日々。嗚呼。


・瑞鶴

6人娘で一番最後に着任したが、艦載機運用のポテンシャルは逸品で、すぐに皆に追いついた天才型。

時折毒舌が飛び出したりするが、鳳翔や家族を大切にする気持ちは人一倍強い。

着任当初は加賀といがみ合ったりしたが、今では背中を預けあうまでに仲良くなる。紆余曲折はいずれ。

加賀と同じく、提督へは尊敬の感情が一番強い。恋愛のきっかけは出てくるのか。


話の都合上、軽空母は登場していません。

今までの出番が少なすぎるため、艦娘が増えたり減ったり、性格が変更される可能性もあります。


長門:連合艦隊旗艦。今のところながもんさんになる予定はない。可愛い物好きを隠さないタイプ。

陸奥:出番が全然なかったため扱いに困る。これからのエピソードでキャラ付けしていければ。

扶桑:鎮守府最古参の戦艦。優しくて面倒見もいいので、駆逐艦からも慕われる。

山城:改二になってから運は改善したものの口癖は抜けない。そのせいで不幸を呼び寄せている。

摩耶:重巡最古参。鳳翔からこっそりと数々の手ほどきを受け、女子力はかなり高い。

川内:ふざけて印を組んだりしてみたら本当に分身出来るようになってしまった。家事はかなり得意。

神通:軽巡最古参。川内と共に、鎮守府初期の前線と家事を支えたしっかり者。特技は肢曲。

那珂:実は練度は6人娘に次いで高い。分身の数を増やすと戦闘のような複雑な動きが出来なくなっていき、
最高の48人ではダンスしか出来なくなる。

五月雨:初期艦。海域攻略が進むうちに那珂と組んでの遠征が多くなる。戦闘よりも向いていると、提督と本人も思っている。

吹雪:自己紹介で頑張り、補給するたび頑張り、改装で頑張り、新年のあいさつでも頑張り、とにかく頑張りまくる。
鳳翔からは対空の手ほどきを何度も受けて、実力は相当高い。

叢雲:吹雪の次に鎮守府に来た古参の1人。最近改二になったが、川内型改二の特殊能力を目の当たりにし自信喪失気味。


・その他、前スレ登場の艦娘たち。殆どキャラ付けがなされていないため、ほぼテンプレ通りの性格。これからの活躍に期待。

妙高 那智 高雄 愛宕 鳥海 最上

朝潮 満潮 雪風 時雨

綾波 敷波 村雨 春雨 

大淀 明石 間宮 伊良湖



第1話 デートをしよう!


鳳翔「あ……逢引きに……誘われました////」

飛龍「やったね、お母さん! 提督も積極的になってきたじゃん」

瑞鶴「お母さんが洋服着たら、熱出したなんて勘違いしてた頃の朴念仁とはえらい違いね」

鳳翔「そ、それで、ですね。もう一度、私の洋服を、見繕って欲しいんです……」

飛龍「おお、お母さんが積極的に洋服着たいだなんて」

瑞鶴「恋はひとを変えるもんなのねぇ」

飛龍「任せといて! 思わず提督が見とれちゃうコーデをばっちり考えるよ」

瑞鶴「最近は暖かくなってきたもんね。前に提督さんの誘惑に使った、例のタートルネックじゃちょっと暑いか」

鳳翔「あ、あんなの人前で着れるわけないでしょ!?////」

飛龍「でも提督が着て欲しいって言ったら?」

鳳翔「ふぇ!?」

瑞鶴「シンコンの時に、お母さんを膝に乗せて食べさせあいっこする提督さんだもんねぇ。どんな性癖持ってるかわかったもんじゃないわ」

鳳翔「そ……それはそうなんですけど……流石に人前じゃあ……」

飛龍「でも提督の頼みだったら?」

鳳翔「そ、それは……」

瑞鶴「着るんでしょ? ね、ね」

鳳翔「……き、着ます!! あの人が傍に居てくれるなら、どんな格好でも大丈夫です!!」

飛龍「う、うおっと、大変だ。お母さん湯気出そう」

瑞鶴「ごめんごめん、冗談だから。提督さんはお母さんに恥ずかしい思いなんてさせないから……きっと」


飛龍「さてと、どんなコーデにしようかな。お母さんみたいな黒髪に良く似合うのは……」

瑞鶴「明るい色のがいいわよね。普段見ない分、余計に魅力的に映るかも」

飛龍「春物は大体暖色系ばっかりだから、その辺は大丈夫だね。桜色とかお母さんっぽいわ」

瑞鶴「じゃあカーディガンはその色で行きましょう。それから、フレアとか良いと思うんだけど」

飛龍「いいね! お母さん足細いし長いから、いい感じに短いスカートを探そう」

瑞鶴「それから……えーと、今年のトレンドはオールホワイトだって」

飛龍「カーディガンは暑ければ脱げばいいし……どうせ行くならデニムも買っちゃいましょう。グッ○もプラ○も今年は発表しまくってたわ」

瑞鶴「トップスはTシャツでもいいんだけどまだ寒い日もあるから、長袖のブラウスの方がいいかしらね」

飛龍「意外とワンピースも似合うんじゃないかな? 最近はレース付きで良いのが出てて……」

キャッキャッ コレカワイー!! ワタシモカッチャオウカナー


鳳翔「……」

鳳翔(娘の会話が呪文にしか聞こえません……)

鳳翔(でも、お洒落していったら、あの人喜んでくれるかしら?)

鳳翔「////」


飛龍「……まあ、とりあえず、考えたものは買えるだけ買ってみようか……」

瑞鶴「……そ、そうですね……これじゃ埒があかないですし……結局お母さんなら大体着こなせますし……」

飛龍「あ、そうだ忘れてた。パンプスも選ばないと」

瑞鶴「そういえばお母さん、あの時のニーハイブーツしか持ってませんもんね。……ん?」

飛龍「どしたの?」

瑞鶴「お母さんって、今まで草履しか履いたことなかったのよね」

飛龍「……ああ、そっか!! ちょっとお母さん!!」

鳳翔「どうしたの?」

瑞鶴「これ、履いてみてくれない? 私のオープントゥなんだけど」

鳳翔「あ、ハイヒールね? ちょっと履いてみたかったんです」ウキウキ

飛龍「初めての人がデートに履くのはちょっと危ないかも……長く歩けないしなぁ」

鳳翔「かかとが高いとはいえ、所詮靴なんですから……きゃあああ!?」ドタッ

瑞鶴「……思ったよりバランス感覚悪いわね」ボソッ

飛龍「こりゃ無理だね。ローかショートブーツを探しましょう」

鳳翔「うう……情けないです……」

瑞鶴「少しずつ慣れて行けば大丈夫だって」


明日以降にデートに入っていきたいと思います。
よろしければ希望を書き込んで頂けますと嬉しいです。

デートが心配で空母のみんなが後を付ける
で最終的にバレて鳳翔さんが怒る展開希望

浮気疑惑は欲しいな 女憲兵さんととか


皆さん、書き込み本当にありがとうございます!

>>2
レス早いですね……では遊園地に行きましょう。

>>10
実は空母が後を付けるのはやろうと思ってました。
ただ単にデートだけだとつまらないですしね。

>>14
浮気ネタは難しいですかね、信頼し合ってますので……
何か面白そうなのが思い浮かんだら書きますね。

それ以外のレスも、書いてる途中で入れられそうなのは頑張ります。
それではもう少しお待ちください……

浮気疑惑ネタをやるなら、別に鳳翔さん自身が疑惑を持つ必要は無いんじゃないかと思った
瑞鶴あたりが勝手に暴走して、なんやかんや周囲の面々だけ気を揉んで、結局最後に仲睦まじい二人を目撃して終わりっ!閉廷!
こんなんで良いんじゃない?(適当)


お疲れ様です、投下していきます。

>>17,18
なるほど天才ですね!!



◇執務室前・廊下


蒼龍「――あいってなんなーんだ、せいぎってなんなんだー♪」

蒼龍「ちからでかつだーけじゃー、なにかーが……あれ?」

長門「――そういえば明日は、提督の久々の休日だったな」

蒼龍「!!」キキミミ

提督「ああ」

長門「何か予定はあるのか?」

提督「あー、実はね。鳳翔の都合も合うから、2人で出かけてこようと思うんだ」

長門「ほう、そうなのか。つまりデートだな?」

提督「あまり他の子には言わないでくれよ?」

長門「わかっているよ、ゆっくりしてきてくれ。2人とも働き過ぎだからな」

提督「うん。ありがとうね」



蒼龍(デート……)



◇空母寮談話室


翔鶴「え、ええっ!? 明日提督とお母さんがデートするんですか!?」

赤城「……」

蒼龍「そうなのよ! 執務室の前で聞いちゃったの」

飛龍(あっちゃー、蒼龍にばれちゃったかぁ……)

瑞鶴(お母さんも内緒にして欲しいって言ってたのにね)

加賀(貴女たちがコーデしたのはこのためだったのね?)

瑞鶴(うん。出来れば2人で楽しんでほしかったんだけど……)

翔鶴「こうしちゃいられません、私たちもこっそりついて行きましょう!!」

瑞鶴「なんでそうなるのよ翔鶴姉」

翔鶴「え、えーと、提督のご趣味とか、好きな場所とかを調査するためよ」

瑞鶴「2人を邪魔しようとか考えてないでしょうね?」

翔鶴「な、何言ってるの瑞鶴!! 提督が1人になった瞬間に偶然を装って近づいて、
なし崩し的にデートから家族旅行にしちゃおうとか、全然考えてないわ!!」

瑞鶴「お、おう」


瑞鶴「どうしよっか、飛龍さん」

飛龍「うーん、しょうがない。私たちもついて行こう。私も蒼龍が暴走しないか監視しなきゃならないし」

加賀「明日は提督がいないから、出撃も演習もお休みだしね」

赤城「……」

瑞鶴「赤城さんはさっきから黙ったままで、どうしたのかしら?」

加賀「きっと、提督とお母さんのデートを応援すべきか阻止するべきか、自分の良心の呵責に揺れ動いているんだわ」

飛龍「一番のお姉さんらしい悩みね」


瑞鶴「ということは、明日は結局6人でストーキングするわけね」

蒼龍「ストーキングじゃないよ!! 提督とお母さんを見守る会って言おうよ」

飛龍「見守る原動力が邪なのが約3名いるけどね」

加賀「目的地はどこなのかしら?」

瑞鶴「隣町の遊園地だって。電車で行くって言ってたわ」

飛龍「それじゃ結構早く出ないとね。今日は寝て、明日に備えましょう」


蒼龍「飛龍飛龍!! カメラとか着替えとか持って行った方がいいかな!? お弁当も作ろうか!?」

翔鶴「ず、瑞鶴、一応おめかししていった方がいいわよね!? 提督と会うかも知れないし、
もしかしたら2人で観覧車乗るかもしれないし、きゃっ!! そんないきなり大胆な……」

飛龍「2人ともうっさい!! さっさと寝ろ!!」

瑞鶴「何があっても、観覧車に2人で乗せることは私が絶対させないわよ」

赤城「……遊園地ですか。殿方と行ける日がこれから来るのでしょうか」

加賀「……確かに、初の遊園地がデートの監視とは何とも言えませんね」



◇次の日・鎮守府


鳳翔「それでは、今日1日よろしくお願い致しますね?」

長門「うむ、任せておけ。2人でゆっくりしてくるといい」

陸奥「今日は提督の決裁が必要なこともないし、仕事は忘れて楽しんできてね」

鳳翔「ありがとうございます……それじゃ、行ってきます」

陸奥「行ってらっしゃーい」

長門「……あんな楽しそうな鳳翔は久々に見たな」

陸奥「そうねぇ、そもそも鎮守府から出ることが少ないしね」

長門「ところで提督はもう出発したのか?」

陸奥「ええ。先に駅の前で待ってるんだって」

長門「何故鎮守府から一緒に行かないのだ?」

陸奥「やぁねぇ長門ぉ、そんなの、デートのお約束をするために決まってるじゃないの」

長門「……?」


飛龍「ほら赤城さん、急いで下さい! 遅れたら最初のイベントが見れないよ!」

赤城「ま、待って下さい。お、お弁当の風呂敷が見つからなくて」

加賀「結局お弁当持って行くんですか。遊園地にはいくらでもレストランがありますよ」

瑞鶴「そんな大荷物背負って尾行なんて無理ですよ……あ、加賀さんの私服かわいい」

加賀「ありがとう。貴女も似合ってるわよ」

飛龍「おーい蒼龍、翔鶴!! いい加減に出ないと間に合わないよ!!」

蒼龍「ま、待って、マスカラが上手く付けらんなくて」

翔鶴「瑞鶴、ネックレスはこれとこれ、どっちが提督の好みだと思う!?」

瑞鶴「普段やらないこと無理してやらない方がいいよ。あと提督さんの好みはお母さんに似合うアクセだから」

加賀「っていうか、飛龍が一番楽しそうにしてるじゃない」



◇駅


提督「……」

鳳翔「……あなた! 遅れました、待ちましたか?」

提督「いや、今来たところだよ――お、おお」

鳳翔「? どうかされました?」

提督「今日は一段と、その……綺麗だね」

鳳翔「ほ、本当ですか? こんなお洋服着るの初めてで、似合うかわからなかったんですけど……」

提督「本当さ。君はスタイルが良いからなんでも似合うけど、良い感じに露出が少なくてすごく上品に見える。私の好みだよ」

鳳翔「ありがとうございます……あの、これ、飛龍ちゃんと瑞鶴ちゃんに選んでもらったんです」

提督「そうだったのか。後でお礼言っとかなきゃな……それじゃあ、行こうか」

鳳翔「はい!」


飛龍「よしっ、定番ネタ回収、頂きました!!
――ちなみに今回のコーデ! 桜のロングカーディガンに白のブラウス、ネイビーのフレアスカートで上品な印象に仕上げたよ」

瑞鶴「ショートブーツじゃちょっと暑いしシルエットが引き締まらないから、白いぺたんこシューズで無難に纏めたわ。
ローヒールは歩きまわるデートに向かないからまた今度ね」

加賀「それと、大事なのがバッグね。肩紐がチェーンのキルティングは柔らかい印象を与えるから、
スカートの上品さと相まって良く合うわよ。ステッチははっきりしている物の方がワンポイントになってお勧めね」

赤城「……あの、誰に向かって喋ってるんですか?」

飛龍「気にしない気にしない。私たちも電車乗るよ、2車両分開けてね」

蒼龍「うう……やっぱりお母さん可愛い……」

翔鶴「私、今日の服で大丈夫かしら……やっぱりこの間買ったTシャツの方が良かったかな……」

瑞鶴「なんでデートする前提なのよ」



◇遊園地最寄駅


瑞鶴「――歩き始めたわね。どう思う、加賀さん?」

加賀「あくまで自然に、自分が車道側を歩くあたりポイント高いわね。
それから背の低いお母さんに合わせて、歩きやすい早さで歩いてるのがさらに好印象よ」

瑞鶴「なるほど、さりげない優しさがにじみ出てるわけね。流石提督さん」

加賀「それだけじゃないわ。2人の繋いでる手を見て」

瑞鶴「……!! あ、あれは、恋人繋ぎ!!」

加賀「その通り。多分お母さんはあの繋ぎ方の意味をわかってないわ。
だから提督は自分の欲望を満足させつつ、お母さんの自然な表情を間近で楽しむことが出来るのよ」

瑞鶴「て、提督さん……恐ろしい子っ!!」

飛龍「楽しそうね2人とも……ちゃんとお邪魔虫3人を見張っててよ?」



◇遊園地に到着!


提督「――さて、何から乗ろうか?」

鳳翔「あ、あの、ですね、私こういうところに来たことがなくて……だからどんなものがあるか、よくわからないんです」

提督「あ、そうだったね。といっても、私も幼いころに家族と来たっきりだから、慣れてるわけじゃないんだけど」

鳳翔「乗る順番が決まっていたりするのですか?」

提督「いや、そんなことはないよ。好きなアトラクションから乗っていけばいいんだ……何か気になるものはない? 見た感じで良いよ」

鳳翔「そ、それじゃあ、あれに乗ってみたいです!!」

提督「ん、どれ……!?」


→遊園地デートのラスト鉄板


提督「あれはダメです」(真顔)

鳳翔「え、どうしてですか? 一番大きくて楽しそうですけど」

提督「とにかく今はダメなの。最後にちゃんと乗るから、ね?」

鳳翔「そ、そうですか? それじゃあっちの方の……」


瑞鶴「うわ、お母さん定番が効かないのね」

飛龍「ちょっとやりにくそうだけど、ここが提督の腕の見せ所だね」


鳳翔「あ、あれ可愛いですね!」

提督「コーヒーカップか。じゃあ乗ろう」

鳳翔「はい!」


蒼龍「むむ、コーヒーカップに向かったよ!」

翔鶴「私たちも行きましょう、蒼龍さん!」

瑞鶴「ちょっとちょっと! 何ナチュラルに並ぼうとしてるのよ」

加賀「私たちはあくまで忍びの身なのよ? 見つかったらダメなのよ」

飛龍「また良からぬことを企んでるんじゃないでしょうね?」

翔鶴「な、何言ってるんですか飛龍先輩!! お母さんが初めてのコーヒーカップで、回し方の加減がわからずにどんどん回して、
目を回した提督とお母さんを偶然を装って引き離して、提督を膝枕で介抱してあげようなんて、全然考えてませんよ!!」

飛龍「お、おう」


瑞鶴「……じゃあわかったわよ、翔鶴姉。私と一緒に乗ろう」

翔鶴「ず、瑞鶴! 手伝ってくれるのね!?」

飛龍「……どうするつもり? 瑞鶴」(小声)

瑞鶴「大丈夫大丈夫。任せといて」(小声)

加賀「蒼龍は私と一緒に乗りましょうか」

蒼龍「あ、ありがとう加賀さん! よしっ、頑張るぞ」

赤城「……」モグモグ

飛龍「……あれ赤城さん、もうお弁当開けちゃったの?」

赤城「? いえ、これは10時のおやつですけど」

飛龍「わ、わかったわ。重箱10段って赤城さんのお昼にしては少ないと思ってたのよね」


鳳翔「あなた、このハンドルは何ですか?」

提督「これを回すとカップが早く回るんだよ。遊具だと思って甘く見てると、結構――」

――ジリリリリリリ――

鳳翔「あ、始まりましたよあなた! 回してみて良いですか?」

提督「う、うん。無理しないで、気分が悪くなったらすぐ言うんだよ」

鳳翔「もうっ、私そんなに体弱くありませんよ!! でも……心配してくれて、ありがとうございますね?」

提督(くそっ、可愛い!! カメラ構えたいが乗り物中は危ない、ウオォッ!!)


翔鶴「お、お母さん、あんなに提督にくっついて羨まし、い、いや、心配ですね!!」

瑞鶴「もう全然ごまかせてないじゃん……せっかく私と乗ってるんだから、楽しんでほしいのに……」

翔鶴「ず、瑞鶴……ごめんなさい、私、我が儘だったわね……」

瑞鶴「ううん、いいのよ。それより私がハンドル回して良い?」

翔鶴「ええ、もちろんよ瑞鶴!」

瑞鶴「よっし、じゃあ任せといて。それっ!!」

翔鶴「……」

瑞鶴「もっともっとー!!」

翔鶴「……ず、瑞鶴? ちょっと待って、そんなに左右に振り回したら――」

瑞鶴「まだまだ行けるよー!!」

翔鶴「……う、うぅっ……目が……」


飛龍「なるほどね、そういうことか……加賀さんと蒼龍は?」

蒼龍「――や、やめてぇ加賀さーん!! 右回転は……右回転ずっとはダメなんだよぉ!!」

加賀「良い機会だから貴女もトラウマを直しなさい。これから悪夢を見ないとも限らないし」

蒼龍「今は関係ないしぃいいいいいい……」

飛龍「……2人ともあんなに弱くて良く乗ろうとしたわね。その度胸は褒めてやるべきか」

赤城「初めての遊園地は中々刺激的ですね。皆で来れて良かったです」

飛龍「赤城さんまだお弁当食べただけじゃん……これから酔って吐かないでよ?」

赤城「問題ありません。これからのお昼と、3時のおやつの分を考えて食べてますから」

飛龍「うーん、遊園地に食べ放題ってあるのかなぁ……」


本日分は以上となります。
よろしければ次の希望など書きこんで頂けますとありがたいです。

乙です
正直鳳翔さんなら、ただただ一夫一妻の純愛で居てほしいと思う
提督は生涯一人の女性を愛する、的な

乙です
しかし綺麗な六人がぞろぞろと固まって行動してたら御約束のナンパが起こりそう


正規空母組のドタバタも見てて楽しいけどやっぱり最後は提督と鳳翔の2人きりでロマンチックな時間が見たいな


書き込みありがとうございます!!

>>37
ですよねですよね! そう思いますよね!!
多分提督もそう思ってるのでしばらくはラブコメで行く予定です。

>>38
皆私服可愛いんだろうな―と思うとやっぱりそうなりますよね。
何かしら入れようとは思います。

>>39
大丈夫ですお任せくだしあ!!

レスが来たので次はお化け屋敷、お昼ごはんに行きます。
ニコニコ大相撲見ながら書いてきますー


鳳翔「楽しかったですね、あなた!!」

提督「そうかそうか、喜んでくれたならよかったよ」

鳳翔「……? 何故カメラを構えていらっしゃるんですか?」

提督「君が可愛いからだよ」

鳳翔「え、ふぇ!?////」

提督「アトラクションの最中は危ないから、こういう時に沢山撮っておかないとね」

鳳翔「は、恥ずかしいですよ……」

提督「私服なんて普段着ないんだから、今日は鳳翔アルバムが潤うね」

鳳翔「なんですか鳳翔アルバムって!?」


飛龍「よしよし、良い雰囲気のまま次に向かったね」

瑞鶴「この調子で行きましょう」

蒼龍「」

翔鶴「」

加賀「次のアトラクションまでは復活しないでしょう……赤城さんは?」

赤城「――ソフトクリーム全種類、2つずつ下さい――あ、全部コーンで――カード使えます? じゃあこれで――」

加賀「私もちょっと行ってきます」ダッ

瑞鶴「加賀さんも甘党だったんだ」

飛龍「赤城さんは提督より食欲なのかしら?」

瑞鶴「そこら中から甘い匂いが漂ってきてますからね」


鳳翔「何かあそこだけ、他と雰囲気が違いますね」

提督「どれ? ああ、お化け屋敷か」

鳳翔「どんな所なんですか?」

提督「うーん、言っちゃうと面白くないからな。とりあえず、色んなお化けが脅かしてくる所だね」

鳳翔「あはは、お化けなんていませんよー。作りものとわかってて怖いわけないじゃないですか」

提督「それがそうでもないんだなぁ。入ってみようか?」

鳳翔「はい! 私が全部正体を見破ってあげちゃいます」フンスッ

提督(胸張って強がってる鳳翔も可愛い)シャシンシャシン……


提督「あ、はい、2人です――中で写真は――やっぱりダメ? そうですよねぇ――」

鳳翔(並んでる方々も、私たちみたいなカップルばかりですね……)

鳳翔(私とあの人もちゃんとカップルに見えてるかしら?)

鳳翔(////)

――キャアアアアアアアアアア!!!!――

――ウワァアアアアアアアアア!!!!――

鳳翔「!?」ビクッ


提督「おお、随分やってるな。結構有名な怖い所らしいよ」

鳳翔「そ、そんなに怖いんですか!?」

提督「やめておくか?」

鳳翔「い、いえ大丈夫です……でも……」

提督「?」

鳳翔「ち、近くに居て下さいね……?」

提督「任せておけ何があっても守ってみせる」


提督「……おお、流石に暗いな」

鳳翔「あ、あなた、あなた! 手離さないでくださいね!!」

提督「おう、大丈夫だy」

→動く骸骨・ろくろっ首・のっぺらぼう

提督「うお「きゃあああああああああああああああ!!!!」

提督「ほ、鳳翔!?」

鳳翔「いいいい行きましょう早く進みましょう!!」

提督(お化けの方がびっくりしてるぞ)


→ゾンビ・動く騎士・デュラハン・キョンシー・飛頭蛮

鳳翔「いやあああああああ!!!! なんですかあれあんなの知りませんっ!!」

提督「外国のお化けだよ、しかし随分ごちゃ混ぜのお化け屋敷だな」

鳳翔「なんであなたはそんなに平然としてるんですかっ!?」

提督「いや、だってなぁ……」

提督(鳳翔の表情見てる方が可愛くて面白いんだもん)

鳳翔「あっ、出口見えましたよ!! 早く行きま」


→唐突な顔にこんにゃく


鳳翔「」キュウ……

提督「おっと。よしよし、頑張ったね」

提督(いや楽しかったな。色々な表情が見れてよかったよ)


相撲が面白すぎて手が止まるんですが……
ちょっと書き溜めて参りますね。


無修正相撲で腹がよじれるほど笑ってました。

とりあえず書き溜め投下します。


鳳翔「……ハッ、ここは?」

提督「レストランの中だよ。丁度いい時間だったから、混む前に入れてよかった」

鳳翔「うう、まさかあなたの前で気絶するなんて……情けないです……」

提督「そんなことないって、可愛かったしさ」

鳳翔「もっと頼りがいのある女になりたいんです」

提督「十分頼りにしてるよ。ほら、バイキングだから料理取っといで」

鳳翔「あ、はい。それじゃ行ってきますね」


蒼龍「うう、なんかすごく、嫌な夢を見てたような」

加賀「そのまま思い出さなくて良いわよ」

飛龍「ふー、6人分席取れて良かったね」

翔鶴「私、バイキングで得するほど食べられそうにないです……」

瑞鶴「だ、だからごめんってば」

赤城「大丈夫です。私が6人分元取りますので」

飛龍「バイキングで元取るのは難しいんだけどねー」

加賀「私もいますので問題ありません」

瑞鶴「レストランにとっては問題ありありだよ……ん?」


鳳翔「~~♪」


瑞鶴「うおおおおおいちょっとちょっと!! 提督とお母さんと同じお店じゃん!!」(小声)

飛龍「う、うそ!? あの2人の好みから、もっと落ち着いたとこで食べると読んでここにしたのに!!」(小声)

蒼龍「そ、そんな……これじゃ何度もお料理を取りに行ったら」

翔鶴「お母さんや提督にばれてしまうかも……」

赤城「」

加賀「だ、大丈夫です。私服なので多分ばれませんよ」


鳳翔「おいしいですね、あなた!」

提督「う、うん。そうだな」

提督(鳳翔の料理に慣れてしまうと物足りないな……喜んでるから良かったけど)

鳳翔「この後はどうしましょうか?」

提督「そうだな、後いくつか乗って、最後に観覧車かな」

鳳翔「あの大きなやつですね、楽しみです」

提督「本当は明日も休みにして、ゆっくりしたかったんだけどね」

鳳翔「大規模作戦の前ですからね、1日ゆっくりできただけでも良しとしましょう」

提督「そうだね……あれ?」

鳳翔「どうかなさいました?」

提督「いや、なんか今、赤城たちの声が聞こえたような……」

鳳翔「……」


赤城「飛龍、こっちですよ、早く早く」

飛龍「赤城さん、しーっ!! ほら、お肉とお魚持ってきましたから」

瑞鶴「目立たないように1人ずつ取りに行って、何とか1人前くらいは食べられたけど」

加賀「時間制だから、そろそろ出なければならないわね」

蒼龍「私は結構甘いもの食べられたから満足かな―」

翔鶴「まだちょっと食べられないです……あとで何か買おうかしら」


瑞鶴「提督さんたちは食べ終わって出て行ったわね」

飛龍「私たちはもうこの辺で退散しない? 何個か乗りに行ってもいいからさ」

蒼龍「こ、これじゃあ仲良しグループで遊園地に遊びに来ただけじゃん!!」

翔鶴「私は提督と観覧車に乗りたいんです!!」

瑞鶴「させないって言ってるでしょ。いい加減諦めなさい」

加賀「赤城さん、食べ終わりましたか? そろそろ行きますよ」

赤城「あ、あの、重箱に残りを詰めてもいいでしょうか?」

飛龍「ダメに決まってるでしょ。それ以前にみっともないよ」

加賀「帰りも重箱背負って帰るつもりですか……」


鳳翔「……あなた、ちょっとあっちの広場に行きませんか」

提督「そうだね、食べたばっかりだからちょっと休むか」

鳳翔「はい。それからですね、ちょっと……」



加賀「ここは確か、イベント広場だったわね」

赤城「あ、チュロスの屋台が出てます。ちょっと買って……あら?」

翔鶴「どうしました?」

赤城「今、何かエンジンの音が……!! 皆伏せて!!」

蒼龍「きゃあああ!! な、何!?」

瑞鶴「いきなり飛行機が……!? まさか敵襲!?」

飛龍「真っ黒にペイントしてあったけど、深海棲艦の艦載機じゃなかったような……」


赤城「とにかく私が迎撃します。散開して下さい!!」

瑞鶴「ど、どうして艦載機を持ってきてるの!? それに弓なんてどこから!?」

赤城「お母さんに作ってもらった、折り畳み式の飛行甲板セットです!! 全機発艦!!」

瑞鶴(とりあえずツッコミは置いておこう)

蒼龍「あっちは3機でこっちは6機だよ!!」

翔鶴「しかも、赤城先輩の戦闘機は烈風改です!!」

加賀「負けるはずがありませんね」

飛龍(フラグ)

瑞鶴(フラグ)


赤城「……!?」

蒼龍「う、うそ!? こっちが落とされてく!!」

翔鶴「そんな、最高練度の正規空母に最高の戦闘機ですよ!?」

瑞鶴「……あのエンジンの音、零戦21型に似てるけど」

飛龍「それにしてはクリアな音だし、格闘性能が良すぎるよ」

加賀「旧式の戦闘機をあそこまで扱えるひとなんて……」

赤城「ぜ、全滅!? 6機の烈風改が、30秒で全滅ですか!?」


「だから、敵を侮るのは悪い癖だと言っているでしょう」


赤城「お……」

「「「お母さん!!」」」


提督「突然どうしたのかと思ったよ」

飛龍「ご、ごめんなさい提督、お母さん」

加賀「お二人を邪魔する気はなかったのですが……」

鳳翔「まったく、デートの後をつけるなんて、帰ったらお説教ですね」

蒼龍「う……反省します……」

翔鶴「いつから気付いていらしたのですか?」

鳳翔「鎮守府を出るときから、はるか上空に航続距離の長い九七艦攻をあの人の護衛に張り付かせていました」

瑞鶴「最初っからバレバレじゃん!!」

鳳翔「私たちに実害がなければ、お互いに楽しめればいいと思っていたんです。しかしレストランでの会話は聞き捨てなりません」

赤城「レストランで?」

鳳翔「観覧車は私が一緒に乗るんです。初の遊園地で、ここは譲れません!!」

加賀(あら?)

瑞鶴「お母さん可愛い!!」


飛龍「ほらほら、いい加減帰りますよ!」

赤城「ちょ、ちょっと待って下さい。さっきのチュロスを……」

瑞鶴「ほら翔鶴姉、諦めて帰ろう」

翔鶴「て、提督!! 今度は私と一緒に観覧車乗って下さい!!」

加賀「蒼龍も帰るわよ」

蒼龍「うー、き、今日の所は負けです!!」

加賀「勝ったことないでしょう……それでは、失礼します」



鳳翔「ふー……まったくもう」

提督「ちょっと邪魔が入ってしまったな」

鳳翔「本当ですよ。2人でせっかく楽しんでいたのに」

提督「でも、丁度日も暮れてきたし良い時間だ。観覧車に向かおう」

鳳翔「夕暮れに乗るのがいいんですか?」

提督「その辺は色々意見があると思うよ、夜景をメインにするとか。でも私は、夕焼けがきれいな時間が好きだな」


観覧車のシーンは少々お待ち下さい。
それではまた書き溜めてきます。


しばらく更新できず大変申し訳ありませんでした!!

今日中にデート終了まで、その後おまけをいくつか投下させて頂きます。
12時くらいから始めようと思います。



◇観覧車


鳳翔「……結構ゆっくり回るものなんですね?」

提督「うん。その時間を楽しむものだから」

鳳翔「だから最後に乗るんですね」

提督「大体はね。これに乗って帰る人も多いんじゃないか」

鳳翔「確かに、他のと違って落ち着きますね」

提督「そうだね。君のそばにいるともっと落ち着くな」

鳳翔「そうですか? うれしいです」


鳳翔「うわ、見て下さい! 海が見えますよ、鎮守府も見えるかしら」

提督(夕日に照らされた鳳翔の横顔……綺麗だ……額縁に入れて飾っておきたい……)

提督(カメラ……は、無粋だな。自分の目と胸に焼きつけておくか)

鳳翔「もうっ、あなた、聞いてます?」

提督「お、おうっ? なんだっけ」

鳳翔「ほら、普段から見慣れてる海も、高い所からだと印象が違いますよ」

提督「本当だな。君たちが守ってきた海だ、やっぱり美しいな」

鳳翔「私たちと、あなたがですよ」

提督「……ああ」


提督「鳳翔、こっちにおいで」

鳳翔「はい」

提督「君には伝えたいことが沢山あるんだ。でも、言葉にすると安っぽくなる気がする」

提督「あの約束もそうだけど、君への気持ちは態度で示していきたい」

提督「私は奥手だそうだからね」

鳳翔「……ふふ、そうですね」

提督「だけど、これだけは言わせて欲しい」

提督「――君に会えてよかったよ。いつまでも私のそばに居てくれ」

鳳翔「――はい! こちらこそ、よろしくお願い致します――」


――ガタァン――

鳳翔「!?」

提督「と、止まった!? なんてベタな……」

鳳翔「あなた、これって止まるものなんですか?」

提督「いや普通は止まらないけど、約束と言うか定番と言うか」

鳳翔「きゃ……揺れますね」

提督「天辺は過ぎたけど、結構上の方で止まったから風強いな」

鳳翔「……あの、あなた……抱きしめてもらってていいですか」

提督「もちろん。……でも、あまり怖そうじゃないね?」

鳳翔「ひとりだったら怖かったんですけど。あなたと一緒なので全然大丈夫です、うふふ」


提督「……ふー……鳳翔」

鳳翔「はい?」

提督「今の君は最高に可愛いな。いやいつも可愛いけどさ」

鳳翔「な、なんですかいきなり!?」

提督「こんな所に2人でいると、キスしたくなるな」

鳳翔「いや、あのう、そんな直接言われるとですね……」

提督「ダメかな?」

鳳翔「も、もう、私は妻なんですよ! デートに連れてきて許可なんか取ってないで、行動で示して下さい!!」


提督「ご、ごめん。今のは無しで頼む」

鳳翔「本当ですよ、まったくもう――はい!」

提督「ありがとう――」

鳳翔「――ん――ふぅ。――あ、観覧車動きましたね」

提督「結構早く動いたな。よかったような残念なような」

鳳翔「……あのですね、仕事柄、なかなか2人っきりになれないじゃないですか?」

提督「そうだね」

鳳翔「だからこんな時くらい、お互い遠慮せずに話しましょうよ」

提督「気を使わせてすまない……」

鳳翔「謝らないでくださいよ。私、今日とっても楽しかったですから」

提督「それなら良かったけど……デートも終わりか。また明日から仕事頑張らなきゃな」

鳳翔「……」

提督「鳳翔?」


鳳翔「……ねぇ、あなた。わがまま言って良いですか?」

提督「珍しいな。なんでも言ってごらん」

鳳翔「あ、あの! 私今日は帰りたくな……じゃ、なくって、その!!」

提督「何だって?」

鳳翔「鎮守府に帰るのは、明日の朝にしませんか!?」

提督「お、おうっ!? 今日は大胆だな鳳翔、酔ってるのか!?」

鳳翔「2人で過ごせる時間も、もうしばらく取れないと思うんです。これからE海域の攻略ですし、きっと寝る時間もずれるでしょうし!」


提督「いや、大変に魅力的な提案なんだけど……明日の執務開始には間に合うように帰らないと、仕事が……」

鳳翔「ある程度は、長門さんと赤城ちゃんに任せれば大丈夫ですから! この時期は演習だけですし、月末で忙しいってわけじゃないですし。ね?」

提督「いや、それでも編成は自分が決めないと……」

鳳翔「……ダメ……でしょうか……?」

提督「書類は赤城に編成は長門に任せよう私が指揮を執れない時の練習にもなるしないっそ明日は提督権限で2人とも有給にしてゆっくり帰ろう」

鳳翔「はい、あなた!」



第1話 終



第1.1話 ~そんな簡単に観覧車は止まりません~


呉提督「そろそろ良い時間だな。観覧車乗って帰るか」

榛名「は、はい。そうですね……」

呉提督「チケット買ってくるから、ちょっと待っててくれや」

榛名「あ、はい」

榛名「……」

榛名「あーあ、楽しい時間は過ぎるのも早いなぁ……」

榛名「もうちょっとゆっくりして……ううん、だめ、提督はお忙しいんだから」

榛名「今日遊べただけでも良かったと思わなくちゃ」

榛名「……うう、でも……あ、あれ? これは」

――開園1周年企画! 観覧車の天辺で、恋人ともっと仲良くなろう!――

榛名「な、何だろう、これ」


スタッフ「お客様、ご興味がおありですか?」

榛名「え!? いえ、私はその」

スタッフ「カップル限定の企画でして、観覧車の一番上でストップさせて甘い時間を過ごしてもらおうというものです」

榛名(なんて傍迷惑な企画!!)

スタッフ「止まる時間は1分、1日3組様限定です」

榛名(1日に3回も止まる観覧車って……)


スタッフ「如何でしょう。本日は残り、1組様分となっておりますが」

榛名「い、いえ、流石にちょっと他の人に迷惑かな、って」

スタッフ「1回転18分のうち1分ですし、より長く楽しんで頂けるので好評ですよ」

榛名「上の方で止まったなら良いかもしれませんけど……」

スタッフ「それに、この企画は今日までなんです。次はいつになるかわかりませんよ」

榛名「……」

スタッフ「この観覧車でキスをしたカップルは、二度と離ればなれにならないという逸話が」

榛名「あ、あの! これ、お願いします!!」



呉提督「おう、お待たせ……何かあったのか?」

榛名「な、何でもありません!! 早く行きましょう!!」

呉提督「お、おい落ち着けって。急いでも並ばないと入れねーぞ」



第1.2話 ~長門と赤城、お留守番はつらいよ~


長門「もしもし、こちら――ああ、提督か」

長門「――何? 明後日の朝まで帰れない? どういうことだ」

長門「――おいちょっと待て、明日の演習はどうするんだ!?」

長門「――任せるだと!? そんな急に言われても困るぞ!!」

長門「おい、それじゃ鳳翔は――待て、まだ切るな!! あっ……」

陸奥「どうしたの? 何かあった、長門」

長門「……えらいことになった……また鎮守府がひっくり返るぞ」

陸奥「はい?」


時雨「た、大変だ長門さん!! 五月雨と綾波が洗濯物を運んでたら、2人とも転んで泥だらけにしちゃったんだ!!」

長門「何だと!? あれほどあの2人には誰か監視をつけろと言っておいただろう!!」


那智「大変だ、赤城!! 朝から大淀がてんてこ舞いで、演習任務の受注を忘れたと言ってるぞ!!」

赤城「な、何ですって!? すぐ加賀さんに言って、一番早い飛行機を飛ばして下さい!! 今なら輸送車に追いつけるはずです!!」


妙高「大変です長門さん!! 演習相手が開始時間を早めて欲しいって、もうこちらに向かってるそうです!!」

長門「そんなこと当日に言われても困るぞ!! とりあえず間宮にお茶でも出させて足止めしておいてくれ!!」


山城「大変よ、赤城!! 扶桑姉様が瑞雲と間違えて、零水偵ガン積みのまま演習に出て行っちゃったわ!!」

赤城「だから主砲と水上機をぽこぽこ乗せ換えるのはやめて下さいと言ってたじゃないですか!! いい加減改二の艤装にも慣れて下さい!!」



雪風「お二人とも、しれぇと鳳翔さんからのご連絡です!! 『もう一泊してきてもいいか』だそうです、お返事は!?」

長赤「「スグカエレ!!!!」」 



第1.3話 ~正規空母Presents! ナンパ男ぶった切り 6番勝負~


◇提督と鳳翔お化け屋敷中

瑞鶴「加賀さん加賀さん! ジェットコースター乗りに行こう!」

加賀「ちょ、ちょっと待って。あの3人を見張ってないと」

飛龍「大丈夫だよ加賀さん。私が付いてるから2人で行っといで」

瑞鶴「ありがと飛龍さん! すぐ戻ってくるからね!」

加賀「ごめんね、それじゃ行って来るわ」


赤城「……」ポップコーンモグモグ

蒼龍「」

翔鶴「うー……頭痛い……」

飛龍「まあ3人ともおとなしいから大丈夫でしょ」


赤城「……」アイスクリームモグモグ

モブA「さっきから見てたけど随分食べるんだね。お腹空いてるの?」

赤城「……」パンケーキモグモグ

モブA「あ、ごめんね、いきなり話しかけちゃって。君の食べてる姿がすごい可愛くてさ」

赤城「……」タイヤキモグモグ

モブA「あっちに美味しそうなお店見つけたんだけど、一緒に行かない? 奢ってあげるから」

赤城「……」パフェモグモグ

モブA「あの……聞いてる?」

赤城「……」ドーナツモグモグ

モブA「なんだこの人……ダメか」

赤城「……」クッキーモグモグ


赤城「……」

赤城「……ふう。甘いものも1人だと空しいですね」

赤城「……今度は誰かと……いえ、あの人と一緒に……」

赤城「……正々堂々と誘ってみようかしら」



飛龍「赤城さん、ちょっとその辺歩いてきてもいい?」

赤城「ええ、どうぞ」


蒼龍「」

モブB「……ねえ君、君。さっきからずっとうなだれてるけど、気分でも悪いの?」

蒼龍「……」

モブB「大丈夫? あっちに医務室があるから、連れて行ってあげようか」

蒼龍「……ブツブツ……」

モブB「え、何?」

蒼龍「……右回転は嫌だ右回転は嫌だ右回転は嫌だ……」

モブB「(これアカン奴や)」

モブB「……じ、じゃあねー」


蒼龍「……」

蒼龍「……はっ、あ、あれ? 私一体何を……」

蒼龍「あーあ、提督とコーヒーカップ乗りたかったなー……」


翔鶴「うーん……」

モブC「ねえ君! ずっとベンチに座ってちゃつまんないよ、俺らとなんか乗りに行かない?」

翔鶴「……? どこか連れて行ってくれるんですか?」

モブC「お、脈アリ? どこでもいいよー、ゴーカートでもパイレーツでも、観覧車でも」

翔鶴「……は? 観覧車?」

モブC「あ、2人じゃ不安? こっちは友達と来てるからさ、君の友達も……」

翔鶴「何言ってんのアンタ。提督と乗れない観覧車なんて何の意味があるっての?」

モブC「えっ」

翔鶴「逆に聞くけど、初対面の人と観覧車乗って何話すの? 今日は良い天気ですねーとか話してみる?」

モブC「」

翔鶴「男の集団で来てる連中、警戒しないとでも思ってんの?」

翔鶴「私がそんなに軽い女に見えたんなら、安っぽい口説き文句考える前に眼医者行きなさい。脳外科の方がいいかもね」

モブC「」

翔鶴「言ってる意味わかるかしら、アンタらは私が遊びにつきあってもいいかなってレベルにさえ達してないの。わかったらさっさと失せなさい」

モブC「ひ、ひぃっ!!」


翔鶴「……」

翔鶴「……はっ、あ、あれ? 私一体何を……」

翔鶴「あーあ、提督と観覧車乗りたいなー……」


飛龍「すてきなおもいつなぎあわせーてー、すこしずつできるネックレス♪」

モブD「あ、あの……」

飛龍「だれにもーみえない――わたしのほうせき――」

モブD「あの、すみません!! ハンカチ落としましたよ」

飛龍「? え、私? ……いや、これ私のじゃないけど」

モブD「そうですか? おかしいな」

飛龍「……ははぁ、これナンパ? 随分古臭い手使うのねぇ」

モブD「う……やっぱりそうでしょうか」

飛龍「でも、そうやって勇気を振り絞って声掛けてくる所には好感持てるね。私、結構古風なの好きだし」

モブD「本当ですか? それじゃ、良かったら……」

飛龍「でもごめんねー、貴方、ちょっと若すぎなのよね」

モブD「そ、そうですか」

飛龍「貴方に落ち度は全然なくて申し訳ないんだけど。悪いけど私、年上好みなの」

モブD「……申し訳ありませんでした、失礼します」

飛龍「お、諦めもいいね。大丈夫、きっと良い人が見つかるよ」


飛龍「……」

飛龍「……なんちゃってね。赤の他人の恋路、心配してる場合じゃないでしょ、私」

飛龍「改めて思えば、提督は超優良物件よねー。これでもうちょっと年食ってたらな……」

飛龍「……あーあ……何とかしてよ、多門丸」


瑞鶴「並んでるわねー」

加賀「そうね、でも30分ぐらいかしらね」

モブE「ねーねー、君たち2人? 可愛いねー」

モブF「この後一緒に回ろうよ。チケット余っちゃってさぁ」

加賀「結構よ」

モブE「そんなこと言わないでさー、きっと楽しいから、ね?」

モブF「俺らも2人じゃつまんないからさ、助けると思って一緒に来てよ」


瑞鶴(か、加賀さん……)

加賀(瑞鶴、ちょっと私に合わせて)

加賀「貴方たち、2人で来たの?」

モブE「お? そうそう、そっちも2人でしょ? 丁度いいと思ってさ」

加賀「そうなの。こんなところで同好の士に会えてうれしいわ」

モブF「へ? 同好?」

加賀「随分不思議そうな顔するのね? 貴方たちもこんな関係なんでしょ?」


→恋人繋ぎ見せつけ・肩に頭乗せ


モブE「」

モブF「」

瑞鶴「そ、そうよね! 遊園地に来るのに男2人なんて、こうじゃなきゃ考えられないわよね!」

加賀「その通りよ。よかったら連絡先教えてくれない? 今度そういう集まりがあるから紹介してあげるわ」

モブE「お、おい」

モブF「バカ! 逃げるぞ、早く!!」


加賀「まったく……頭の悪そうな人種ね」

瑞鶴「あ、ありがとう加賀さん。流石機転が利くわね」

加賀「いきなりあんな事してごめんなさいね」

瑞鶴「い、いいのよ! すごく助かったわ」

加賀「貴女も、こういう人混みでは気をつけなさい。なるべく1人になるのは避けるのよ?」

瑞鶴「はぁい。……あの、加賀さん……」

加賀「ん? ……ああ。ごめんなさい、手離すの忘れてたわ」

瑞鶴「う、うん」


瑞鶴「……」

瑞鶴「……恋人繋ぎか。これから誰とするかなんて想像つかないなぁ」


加賀「何か言ったかしら?」

瑞鶴「あのさぁ、加賀さん。提督さんのことどう思ってる?」

加賀「……上司として信頼できる方だと思ってるけど。そういうことじゃないのよね?」

瑞鶴「うん。男性としてさ」

加賀「そうね……今のところは蒼龍や翔鶴ほどの感情は無いかしらね」

瑞鶴「あ、加賀さんも? 私もおんなじ感じ」

加賀「私、まだ誰かと恋愛したいとか思ったことがないから。誰かとそんな関係になるって、ちょっと想像つかないわね」

瑞鶴「そっかぁ……」

加賀「それに、提督を好きになったら大変よ。まずお母さんに勝たなくちゃならないじゃない」

瑞鶴「あはは、そうそう。だから赤城さんたちも苦労するのよね」



加賀「……今は、提督やお母さんや貴女たちと、みんなで仲良くできればそれで良いんじゃないかと思ってるわ。今はね」

瑞鶴「そうね。提督さんなら私たちを離ればなれにしたりしないだろうし……それからのことは、また考えればいいわよね」


ようやく第1話終了です、本当に長くなって申し訳ありません……
鎮守府のドタバタやナンパネタはこんな感じで書きましたが、如何でしたでしょうか。

ここから第2話のお題を頂きたいと思います。
いくつか組み合わせてなんとか面白いものを考えたいと思ってますので、ご希望を書き込んで頂きたいと思います。

イベントも頑張りましょう。葛城が実装、実にめでたいですね!


皆様お題と感想ありがとうございます!
頂いたお題を組み合わせて、面白そうなオチを考えたいと思いますので
もう少しお待ち頂けますと幸いです。

よし、他スレ含め全部読んで追いついた!鳳翔スキーにはたまらないですな。
こんな良スレを知らずにいたとは不覚でした。


お待たせして申し訳ありません、2話冒頭を投下していきます。
どうも専ブラが調子悪く、いろいろ試行錯誤してます……

>>100
とても嬉しい感想を誠にありがとうございます!!
よろしければ2話終了以降のお題を頂けますと幸いです。



第2話 ~E海域攻略、お疲れ様!~


提督「パーティだって?」

陸奥「ええ。第十一号作戦は無事成功、甲種勲章も頂いたでしょ?」

提督「そうだな。皆頑張ってくれたよ、本当」

陸奥「だから一区切りってことで、慰労パーティしましょうよ!」

提督「うん、良いと思うよ。しばらく出撃は無いから、明日の夜あたりにしようか」

陸奥「料理とかお酒の買い出しは、間宮さんや鳳翔さんと協力してやっておくわ。提督はゲームの景品でも用意しておいてね」

提督「私が選んでいいのか?」

陸奥「貴方が選ぶからいいんじゃない。みんな喜ぶと思うわよ」

提督「そうかな? でもそう言われると困るな。どんなのにすればいいんだろ」

陸奥「まあ、誰かに相談してもいいし。それこそ鳳翔さんとかいいんじゃない?」

提督「ん、それもそうだ。それじゃ、後で領収書渡してね」

陸奥「了解よー」


鳳翔「第十一号作戦、お疲れ様でした!」

提督「皆のおかげだよ。君も、ステビア海まで支援に出てもらって」

鳳翔「私の出撃も久しぶりでしたが、お役に立てて良かったです」

提督「それで、陸奥に言われたんだけど――」

鳳翔「――慰労パーティですか。いいですねぇ」

提督「うん、明日の夜は間宮や伊良湖と協力して、普段より豪華なのをお願いしたいんだ」

鳳翔「はい、お任せ下さい!」


提督「外注してもいいんだけど……下手なお店より君たちの料理の方が全然美味しいからね」

鳳翔「あら、お上手ですね」

提督「いや本音だよ……それで、パーティでやるゲームの景品を用意しなきゃならないんだけど」

鳳翔「まあ、あなたが用意するのですか。きっとみんな喜びますね」

提督「そうかな? あんまり自分のセンスに期待されても困るんだけど」

鳳翔「でも、ちょっと大変ですね。駆逐の子と、戦艦や重巡の皆さんでは嗜好が全然違いますからねぇ」

提督「そうなんだよ。何を用意すれば良いか、相談しに来たんだ」


鳳翔「そうですね。お菓子とかお酒、間宮さんのチケットでいいんじゃないでしょうか」

提督「そんなのでいいのかな……大規模作戦の後だから、全員にあげても良いくらいなんだけど」

鳳翔「あなたが手渡しするのに価値があると思いますよ。全員にあげるなら、ゲームに勝った子には量を多くするとかで如何ですか」

提督「あ、それいいね。それじゃ宴会で飲む分と別に、景品用の酒とお菓子を買ってこよう」

鳳翔「私もお供いたしましょうか?」

提督「いや、一人で大丈夫だよ。勿論君の分も用意したいから当日まで秘密にしたい」

鳳翔「まあ……本当に楽しみですね!」


陸奥「――というわけでパーティの準備するわよ!!」

摩耶「えらく端折ったな。つまり、E海域攻略のお祝いってわけか」

那智「今回も全員無事だったからな。めでたいことだ」

妙高「そうね。しっかり休んで次に備えましょう」

愛宕「2人とも相変わらず真面目ね~。気を抜くときは抜かないと疲れちゃうわよ?」

鳥海「姉さんはもうちょっと……いえ、何でもないです」

最上「料理はボクたちが協力して作るの?」

陸奥「ええ。今回は駆逐ちゃんたち、すっごく頑張ってくれたじゃない?」

扶桑「そうですね、特に連合艦隊では何度も修復材を使って……」

山城「連続で出撃してた子もいたわね……流石に提督が休みは入れてたけど」


陸奥「だから私たち年長組がねぎらう意味も込めて、料理とかお酒を用意しましょう」

長門「間宮たちと協力してか。うん、良いんじゃないか」

高雄「今回はあの子たちにゆっくりしてもらいたいですしね」

摩耶「……そういや正規空母組はどうした?」

最上「さっき呼びに行ったら、6人ともまだ寝てたよ。そりゃもう泥のように」

妙高「例の鳳翔さんの件がようやく解決したら、そのまますぐE海域攻略に入りましたからね……」

那智「疲れが一気に出たのだろうな。今回は休ませておいてやろう」


お題ありがとうございました。第2話は94さんと95さんのお題、パーティとゲームメインで進めます。
その他小ネタも拾っていきたいと思います。

ゲームはビンゴ大会にしようと思うのですが……結果をどう決めようかまだ悩んでいます。
SSでのセオリーなどないかどうか調べてみますね。

もし読んで下さってる方で、お勧めなゲームの進め方など書き込んで下さると非常に助かります。
よろしくお願い致します。

コンマでビンゴゲームとかいいんじゃないかな


>>109
やはりその方がランダム性高くていいですかね。
それではまず全員分のカードをソフトで作ってしまいます。

ただテンポが悪くなることが予想されるので、これまで頂いたコメントの
順番でコンマを使おうかな、と思います。


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira075649.png

これで出来てるかな


出来たっぽいですね。やっつけですがビンゴはこれで行きます。
ビンゴになったらその子メインの話でも書こうかと思います。
それではまた書き溜めてきます。

>>101
遅ればせながらご丁寧におそれいります。
お題など畏れ多いですが、母の日も近いのでその関連のお話などいかがでしょうか?






伊良湖「ええと、お食事はバイキング形式がいいでしょうか」

間宮「そうね。皆で談笑しながら好きなものを取るのが良いと思うわ」

鳳翔「お料理は私と年長組の皆さんで作りますので、お二人には甘味をお任せしてよろしいでしょうか」

間宮「ええ、構いませんが。それなりの量を作るとなると、材料費の方も……」

鳳翔「それは気にしないで大丈夫ですよ。あの人が全部受け持つと言っていましたから」

伊良湖「だ、大丈夫なんですか? 最近お砂糖の値段もかなり上がってきてますけど」

鳳翔「ふふ、鎮守府の皆さんを楽しませるぐらいの甲斐性は見せて頂かないと困ります」

間宮「あらあら。うふふ」

伊良湖(鳳翔さんが妻の顔に……)


提督「ただいまー」

鳳翔「おかえりなさい……まあ、すごい大荷物ですね」

提督「全員分のプレゼントだからな。間宮、冷蔵庫貸してくれ」

間宮「はい、こちらです。手伝いますね」

提督「あ、いや、良いんだ。というより、出来ればパーティまであまり見ないでくれるとありがたいんだけど」

伊良湖「? どういうことですか?」

鳳翔「提督は一人ひとりにゲームの景品を用意してくれてるんです。渡す時まで秘密ですって、私にもね」

伊良湖「まあ! 私楽しみです!」

提督「お、おい。ハードル上げてくれるなって……」


提督「料理の方は大丈夫かな?」

鳳翔「戦艦や重巡の皆さんが手伝って下さいますので。人手は十分ですよ」

提督「……何人か不安になる面子がいるんだが」

間宮「こら、提督! 女の子にそんなこと言っちゃだめですよ」

提督「あ、ごめん」

鳳翔「そういえば今まで、私がお料理を教えたことがあるのは摩耶さんと那智さん、妙高さんだけですね……他の方の腕前はどうなのかしら」

伊良湖「お菓子の方は力仕事が多いので頼もしそうですが」

提督「苦労かけてすまないけど、皆で協力してやってくれ。私も明日の夜は仕事を空けられるようにするから、頼んだよ」

鳳翔「はい、お疲れ様です」






長門「手伝いが私で大丈夫なのか? 菓子など作ったことがないのだが」

扶桑「私もお恥ずかしながら……お料理でも、お菓子は敷居が高いですよね」

伊良湖「お菓子で難しいのは、材料を正確に量ることと、混ぜ合わせ方なんです。
混ぜるのにはすごく力が要りますので、大量に作る時は力の強い方が必要なんですよ」

鳥海「ダマにならないようにするとか、聞いたことはあるんですけど。お役に立てれば良いのですが」

最上「計量は間宮さんたちに任せた方がいいと思うな……早く混ぜるくらいならボクにも出来そう」

間宮「そんなに気を張る必要ありませんよ。大切なのは作った人の気持ちですからね」

扶桑「……普段は、小さい子たちがいつも、甘いものを好きなだけ食べられる様な時節ではありませんからね」

長門「そうだな。祝い事の時くらい、沢山食べさせてやりたいな」

間宮「うふふ、その気持ちを込めてあげて下さい。それじゃ、まずはホールケーキを作りましょう」






摩耶「――さてと、アタシらは洋食担当だ。まずはカレーとハンバーグ、カツとオムライスを作るぞ」

那智「なぜそのメニューなんだ?」

摩耶「一番の目的は駆逐たちのねぎらいだからな。とりあえずちびっ子に人気なの作っとけば外れねーだろ」

那智「……」

摩耶「どうした那智?」

那智「いやな、お前が年下の艦娘に好かれている理由が、なんとなく察せられてな。そういう気遣いを彼女らも感じ取っているのだろう」

摩耶「ばっ、何だよそれ! 別に気遣いとか考えてねぇって!」

那智「照れなくてもいいだろう。最近入った子にも、早く打ち解けられるように色々気を回してたらしいじゃないか? 甘味処に連れて行ったりとか」

摩耶「な……誰がそんなこと!!」

那智「司令官から聞いたぞ」

摩耶「あの野郎っ!! 黙っとけって言ったろうが!!」


那智「ふふ、まあ落ち着け。私はハンバーグを捏ねてるから、他の方を頼むよ」

摩耶「わかったよ、ったく。――さてと」

高雄「……」ダラダラ

愛宕「あ、あの、摩耶ちゃん……」

摩耶「あー、うん。大丈夫だ、わかってるから。高雄姉と愛宕姉が、今まで包丁持ったことないってことはさ」

高雄「あんまり大きな声で言わないで……」シクシク

摩耶「事実だろうが。良い機会だから、せめて人並みに材料切ったり皮向いたりくらいは出来るようになっておこうぜ」

愛宕「……摩耶ちゃんに教わるってなんか屈辱~」

摩耶「嫌なら別にいいんだ。誰かとケッコンして、亭主に出す料理は全部レトルトで済ますつもりなら……」

愛宕「それはイヤ!! 私頑張るわ、ぱんぱかぱん!!」

摩耶「意味不明だけどまあいいや。まず包丁の握り方から……」


高雄「む……くっ」プルプル

摩耶「……おい高雄姉、もうちょっと肩の力抜け。ジャガイモの皮はそんなに厚くねーぞ」

愛宕「にゃー、にゃー……にゃあー」プルプル

摩耶「……愛宕姉、落ち着け。アタシはネコ手で材料を押さえろって言ったのであって、ネコになれとは言ってない」

那智「ハンバーグのタネは出来たぞ。あとは煮込むなり焼くなり……何があったんだ、こっちは」

高雄「話しかけないでっ!! 気が散るわ」

那智「……皮むき機を使って、どれだけ力を入れればここまで厚く削れるんだ?」

愛宕「摩耶ちゃん、これ欠陥品じゃない? 包丁がまな板に突き刺さるんだけど」

摩耶「だから力は加減しろって言ったろ!! 自分の馬力を忘れんなよ!!」






鳳翔「私たちは和食担当ですね。妙高さん、揚げ物をお願いしていいかしら」

妙高「はい! 昔、鳳翔さんに教わりましたから大丈夫です」

山城「鳳翔さん、ご飯炊けたわよー」

鳳翔「ありがとうございます。それじゃ、酢飯にしてもらえますか? 全員分のちらしは、少し大変ですけど」

山城「了解よ」

陸奥「私はどうしようかしら?」

鳳翔「ちらしの具を作りましょう。魚を捌いたり、卵を焼いたりね」

陸奥「あの、薄焼き卵をほそーく切るやつね。どっちもちょっと難しそうね……」

鳳翔「それじゃ、一緒に卵焼き作りましょうか。錦糸卵を失敗せず作れるようになれば、色々応用できますから」

陸奥「よろしくお願いします、先生」


鳳翔「……そうです、そこから、竹串で周りを一周して取り出します。……冷めたら、薄焼きをくるくる巻いて、千切りにします」

陸奥「こ、これでいいかしら」

鳳翔「はい、これで完成です! 陸奥さん筋が良いですね」

陸奥「教え方が良かったのよ。貴女の手料理を毎日食べれる私たちは幸せね」

鳳翔「まあ、照れちゃいますね」

陸奥「提督に出すものには、何か特別な料理を作ったりしてるの?」

鳳翔「いえ、あの人は私の負担が増えないようにって、食堂で皆さんと同じものを食べていますよ」


陸奥「あらあら、奥さんとしては複雑ね。もっと手の込んだものを食べて欲しいとか思わない?」

鳳翔「時々、あの人がお仕事で忙しい時は、執務室に持っていきます……
その時に、ちょっと一品足してみたりとか……きゃっ、私ったら何を……」

陸奥「可愛いわねー……提督がデレデレの理由もわかるわ」

鳳翔「も、もうっ!! 錦糸卵、あと100枚焼いて下さい!!」

陸奥「」

陸奥「そ、そうだったわ……1枚焼いて終わりじゃなかったわね……」


最近生活が立て込んでおり、更新遅くなりがちで申し訳ないです……
毎日少しずつ更新が難しいので、ある程度書き溜めて一気に投稿になると思います。
お題を頂く身で恐縮ですが、気長にお付き合い頂けますと幸いです。


>>114
鳳翔さんメインでそれを抜かすわけにはいきませんね……!
多分母の日には盛大に間に合わないと思いますが、小話で何かやりたいです。

鳳翔嫁提督の俺がこんな素晴らしいSSを今日まで見逃してたなんてな…!
個人的には前作の空母寮に立ち寄った時の鳳翔さんと空母娘達の様子が見たかったな…

まあ、今から要望出しても混乱させるだけだろうし次なんかあったらするよ
待ってるぞ!

>>130
sageろよ
テレビでやってる修正付きの相撲だとつまらんな…
やっぱ相撲は生で無修正を見ないと






提督「えー……皆揃ったかな?」

提督「今年度最初の大規模作戦が終了し、こうしてまた全員で集まれたことを、とても嬉しく思う」

提督「これも皆の働きのおかげだ。ありがとう」

提督「挨拶は手短にして、先に乾杯を……赤城」

赤城「……」

提督「赤城」

赤城「は、はいっ! なんでしょうか!」

提督「料理を早く食べたかったら、前に出て音頭取ってくれ」

赤城「み、皆さん!! 第十一号作戦、お疲れ様でした!! 今日一日楽しく過ごして、明日からまた頑張りましょう!! 乾杯!!!!」

「「「か、かんぱーい」」」


鳳翔「切実ね、赤城ちゃん」

提督「でも、とりあえず挨拶はしっかりしてるな」


赤城「」モグモグ

加賀「」モグモグ

提督「今回は皆お疲れ様。注ぐよ」

飛龍「あ、ありがとうございます提督」

蒼龍「なんか準備全部任せちゃったみたいで……」

鳳翔「後で戦艦と、重巡の皆さんにお礼を言っておいてね」

翔鶴「何故か、昨日の記憶がないんですが」

瑞鶴「私たち全員、ずーっと寝てたみたいだからねー」

提督「あまり纏まった休みは取らせてやれないけど……せめて今日くらいはゆっくりしてくれ」

鳳翔(私たちは遊園地の後ゆっくりしてきちゃいましたけどね)


川内「え、う、ウソ!? このカレー高雄さんと愛宕さんが作ったの!?」

高雄「何よその言い方……」

摩耶(川内は高雄姉たちが料理出来ないの知ってるからな)

愛宕「どう? 初めてにしては良く出来てるでしょ~」エヘンプイ

摩耶(皮剥いて材料切っただけだけどな。突っ込むのは野暮か)

那珂「すごく美味しいよ!! どんなスパイス使ったの?」

愛宕「え? す、スパ……ひ、秘密よ!! 重巡の料理レシピは軍機よ、軍機!!」

摩耶「仲間うちで軍機作ってどうすんだよ」


神通「でも本当に美味しいですね、味付けは摩耶さんが?」

摩耶「おう、カレー粉が手に入らなかったからな。南方海域へ出撃した時、
海運会社のおっさんに香辛料を融通してもらうよう頼んどいたのさ」

那智「自分でスパイス調合したのか? やるじゃないか」

摩耶「……アタシが考えたんじゃない。厨房の奥に、調合のやり方が隠してあったんだ。
その通りに作ったら自分でもびっくりの旨さになった」

妙高「秘蔵レシピってわけですか、一体誰のでしょう?」

摩耶「『竜飛』って書いてあったんだが……先代の料理長かなんかかな」


山城「ど、どうかしら、間宮さん」

間宮「ええ、程よく酢がきいてて良い感じですよ、このちらし」

伊良湖「これなら食堂でも出せそうです。山城さんにも食堂を手伝ってもらいたいくらい」

山城「そうね、時間が空いてるときは手伝うわ」

扶桑「良かったわね、山城」

最上「ボクたちも、お菓子が上手く出来て良かったね」

鳥海「そうですね。殆ど伊良湖さんにやってもらっちゃいましたけど」

間宮「鎮守府の皆さんは、皆お料理得意で助かりますね」

鳥海「姉さんたちも今回は随分頑張ってましたし」

最上「姉妹かー。元気かな、三隈たち」


雪風「長門さん長門さん!! 雪風はケーキが食べたいです!!」

長門「デザートは料理を食べてからにするんだ、一杯作ったから急がなくても大丈夫だぞ」

村雨「でも赤城さんと加賀さんがすごい勢いで食べちゃってるよ」

長門「……先にケーキ確保しておいた方がよさそうだな。欲しい者は私に言ってくれ」

綾波「あ、は、はい! 私もお願いします!」

春雨「……」モジモジ

陸奥「春雨? 遠慮しないでいいのよ、ね?」

春雨「で、でも、私今回の作戦中は遠征要員でしたし」

陸奥「そんなの誰も気にしてないわよ。私たちが戦えるのは、貴女たちが資源を持ってきてくれるからなのよ?」

春雨「でも、あの、出撃してた人たちより先に食べちゃうのはちょっと」

陸奥「……んもー可愛いわねー!! お姉さんの分全部あげちゃう!!」ムギュー

春雨「ギュ!! く、くるし……」


吹雪「これからは高射砲の時代だよ!! 司令官も新しい高射装置、改修してるし!!」

時雨「ゴクッゴクッ……ふう……吹雪、駆逐艦の本来の役目を忘れたのかい。 
敵に肉薄して必殺のロングランス、それが水雷戦隊の戦いだろう?」

吹雪「グビグビ……それを否定してるわけじゃないよ。でも敵の航空機への対処は必要だよ、
最近は丸っこい新型もよく見るし!!」

時雨「その言い方はまるで、空母の先輩たちを信頼してないように聞こえるよ。
対空戦は任せて、僕たちは夜間雷撃の技術を磨くべきだと思うけどね」

吹雪「そんなことないもん!!」


敷波(ちょっと誰、あの2人にお酒飲ませたの!!)

朝潮(し、知らないよぉ、さっきまで仲良く喋ってたんだよ)

吹雪「叢雲は私の言うこと、わかってくれるよね!? 同じ特Ⅰ型改二として!!」

叢雲「ち、ちょっと落ち着きなさいよ」

時雨「満潮はわかってくれるだろう? 西村艦隊の仲間としてね」

満潮「どっちも大事でいいじゃない。こんなくだらないことで喧嘩するんじゃないわよ」

敷波「ちぇ、2人は良いよな。5連装酸素魚雷とか、高射装置付き高角砲とか装備出来てさー」

朝潮「私たちも改二欲しいねー」


提督「えー、皆楽しんでもらえているかな」

提督「この辺でビンゴゲーム始めるぞ。パーティの最初に配ったカードを用意してくれ」

提督「景品は全員分用意してあるが、もちろん早くビンゴになれば豪華なものを渡す」

提督「だから皆頑張ってくれ」

摩耶「何をどう頑張るんだよ」

提督「……それもそうか。祈っててくれ」

山城「こんな運に頼るゲーム用意するなんて……ふ」

提督「――ゴホン。それじゃ始めるぞ」

提督「まずは3つ。61、6、19だ」


こんなに空けてすみませんでした!!
ビンゴの続きはまた夜になります。

レスもありがとうございます。
これから外出しますのでお返事は夜に纏めて行います。

竜飛…
やっぱ鳳翔さんすごいわ
>時雨「ゴクッゴクッ……ふう……吹雪、駆逐艦の本来の役目を忘れたのかい。 
>敵に肉薄して必殺のロングランス、それが水雷戦隊の戦いだろう?」

時雨wwwwwwそれ駆逐艦の本来の役目じゃないwwwwwwwwww
それは駆逐艦を戦艦等を潰せて外洋を航行できるでっかい水雷艇として運用してた帝国海軍だけwwwwww


すみません、続きは明日になります

待ってる


摩耶「お、幸先いいな。3つともあるぜ」

鳥海「……私1個も無いのに」

提督「誰かにリーチ出るまでは、テンポ早めでどんどん行くぞ。次は5、51、43」

飛龍「未だに0個……運の値は関係ないのかな……」

伊良湖「わ、私もです……」

提督「25、18、53」

伊良湖「あ、やっと1個」

飛龍「う、うそ!? ここまで全滅なんてアリエナイ!!」


川内「はいはい!! 私リーチ!!」

蒼龍「私も……あ、しかもダブルだ」

飛龍「蒼龍、私のと交換して!! 今度友永隊貸してあげるから!!」

蒼龍「だめだよ。そんなことで妖精さん賭けないでよ」

摩耶「……最初の3個以外、全然来ないんだが」

鳥海「結構そういうことあるのよね、ビンゴって」


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira077633.png


提督「リーチが2人か。それじゃ2個ずつにするぞ……44、68」

飛龍「よし来た2個来た!!!! これで勝つる!!!!」

瑞鶴「まだ2個だけですよ、落ち着いて下さい」

提督「リーチいるかー? ――よし次、36、42」

蒼龍「……」

蒼龍「……んん?」

蒼龍「……あれ」

蒼龍「――やったぁあああビンゴだぁああああ!!」


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira077634.png


提督「ビンゴ第1号は蒼龍か。おめでとう」

蒼龍「ありがとうございます提督!!」

飛龍「今からでも遅くない、取り替えて!! 今なら友永隊に加えて江草隊もつけちゃう!!」

蒼龍「いつの間に江草隊持っていったのよ!! 返して!!」

提督「ビンゴ3人揃うまで、ちょっと待っててくれな。次行くぞー」


陸奥「」 ←まだ1個

間宮「」 ←まだ1個

伊良湖「」 ←まだ1個

朝潮「うーん……」 ←2個

雪風「2個です!! これって当たりですか!?」 ←2個

敷波「え、雪風がまだ2個なんだ。どうした幸運」 ←2個

村雨「わかんないよー? これから一気に追い上げ来るかも」 ←2個


提督「28、24」

大淀「唐突に私がリーチです!!」

明石「ほ、本当に唐突ね……私も結構当たってるんだけどなー」

提督「結構当たり増えてきたかな?」

提督「次は……7、70だ」

鳳翔「! あ、あの、私、リーt」

川内「はいはいはーい!!!! 私ビンゴだよ!!!!」

鳳翔「……」


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提督「よしよし、2番は川内だな。おめでとう」

川内「景品期待してるからねー!!」

提督「さて、そろそろ終盤だな。1個ずつ行くぞ――57」

加賀「リーチです」

提督「リーチも増えてきたな……次だ、12……20」

瑞鶴「リーチよ!!」

明石「私もです!!」

提督「31」

明石「ダブルリーチ!!」

妙高「私もリーチです」


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提督「48」

愛宕「リーチよ~」

提督「58……66……37」

叢雲「やっとリーチね」

提督「52」

高雄「よし、リーチです」

提督「49」

赤城「リーチです!」

提督「74」

「「「……」」」


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スレへの皆さんの書き込みコンマでビンゴを行った結果、ビンゴ1番乗りは蒼龍になりました!!
メインの空母艦娘が来てくれて正直ほっとしています……これで蒼龍のキャラ付けが出来そう。

蒼龍、川内に加えてもう一人ビンゴを決めたいのですが、これ以降のコンマは進行遅くなるので希望取らせてもらおうと思います。

現在リーチの子から一人お願いします。
鳳翔 赤城 加賀 瑞鶴 叢雲 妙高 高雄 愛宕 大淀 明石


直下レスで決定です。これまでのレス返信はまた改めて致します。


希望ありがとうございました!!
なんとまあ……びっくりだなあ……


提督「リーチ増えたなあ。次で決まるかな?」

鳳翔(……)

鳳翔(割と早い段階でリーチを引きましたが……)

鳳翔(もうっ、こういうときの勝負運は悪いですね、私!)

鳳翔(景品の内容は相談されましたけど、何か良いものを用意してくれてるはず)

鳳翔(他の子たちには申し訳ないですけど、私だって気になるんです!!)

鳳翔(32……32……32です……!!)


提督「次は――32だ」

鳳翔「!!」

鳳翔「やったぁああ!! やりましたよ、ビンゴです、あなた!!!!」ピョンピョン

提督「お……おう、良かったね、鳳翔」

瑞鶴「お、お母さん?」

翔鶴「お母さんが飛び跳ねて喜ぶなんて……珍しいですね」

飛龍「うわぁああああ多聞丸ぅうううう!!!!」

翔鶴「飛龍先輩……そんなに勝ちたかったんですか?」

瑞鶴「窮地から逆転するのが好きだからね、飛龍さん。それだけの勝負運も持ってるし」

蒼龍(その割にはカード交換しようとか言ってきたじゃん……後で江草隊迎えに行かなきゃ)


提督「さてと、ビンゴした3人への景品は……」

提督「まず1つ目、商店街から提供して頂いた金券。甘味処でも呑屋でも支払い出来るそうだ」

提督「1人分には多いから、誰かを誘って行くといいんじゃないかな」

提督「2つ目、間宮から提供のチケット。ビンゴの早い順に10、5、2枚」

提督「最後3つ目は、休暇申請の優先権だ」

提督「E海域攻略の後だから、もちろん全員に休暇を取れるよう調整するが……」

提督「ビンゴの3人には、休暇を取る日の希望を優先して聞くことにする」

提督「本当はもっと良い装備とか、用意しようかと思ったんだけどね。ビンゴの順番によっては意味が無くなっちゃうから」


蒼龍「いいんですか、10枚も?」

提督「正規空母組は連合艦隊で出ずっぱりにしてしまったからね。自分で使ってもいいし、飛龍たちを誘ってもいいし」

飛龍「蒼龍!! 私信じてるからね!!」

蒼龍「信じてるじゃない!! 江草隊返せ!!」

提督「あー、とりあえず、間宮のチケットは全員に1枚ずつ渡すから安心してくれ」

翔鶴「本当ですか提督!!」

瑞鶴「随分太っ腹じゃん!! ねえ赤城さん」

赤城「」モグモグ

加賀「」モグモグ

瑞鶴「ってまだ食べてたんかい!!」

赤城「残したらもったいないですからね」モグモグ

加賀「ビンゴにはちゃんと参加してたわ。忘れずにリーチもかけてたしね」モグモグ

翔鶴「そんな、麻雀じゃないんですから」



鳳翔(チケットが2枚……つまり2人分)

鳳翔(2人……)

鳳翔(////)


提督「ああ、そうだ。全員への景品はもう1つあるんだ」

提督「まず蒼龍にはこれね」

蒼龍「お酒ですか? ……あ、私の名前!!」

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提督「物流も滞ってるなかで、全員分探すのは結構苦労したよ……色々伝手を使って何とかした。
君たちの名前とか、生まれた場所などで私が勝手に用意してしまったが」

川内(私の鹿児島限定って書いてる……どうやって用意したんだろ、提督の伝手ってどうなってんの)

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira077736.jpg


鳳翔(こういう細やかな気遣いが出来る人なんですよね……だから皆から好かれているんでしょうけど)

鳳翔(とっても嬉しいんですけど、ちょっと複雑です……)

http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira077737.jpg


以降の予定は、ひとまずビンゴの3人メインの小話でいきます。
テンポを上げるために進め方をちょっと考えてます。
今までのお題もなんとか消化できるように進めたいですね。

お題へのレスももう少しお待ちください……すみません。



そしてアップしてから画像データの大きさに吹きました


提督「――よし、これで景品は全員分行き渡ったね?」

提督「良い時間になったし、そろそろ御開きにしようか」

提督「明日は通常の業務だから、部屋呑みはほどほどになー」

間宮「それじゃ、後片付けしましょう」

飛龍「あ、大丈夫だよ、私たちでやっておくから」

蒼龍「そうだね。準備は全部してもらっちゃったし」

間宮「そうですか? それじゃお願いしますね」

瑞鶴「うん、任せといて……あれ? ここに残ってた料理は?」

翔鶴「お皿もありませんね……あ、あと、赤城先輩と加賀先輩もいません」

瑞鶴「……あー!! 片付けから逃げて、何処かで隠れて二次会やるつもりなのよ!!」

飛龍「な、なんですってぇ!! 貸し1つじゃ済まないよ!!」

提督(鳳翔もいないな。さっきまでいたのに、何処行ったんだ?)


赤城「――はいお待たせしました、妖精の皆さん」

加賀「余りものですみませんが……お母さんたちが腕を揮って下さったので、味は保証できますよ」

工廠妖精s「――!!」

赤城「い、いえいえ、良いんですよ、お礼なんて。私たちだけで楽しんじゃってて、遅くなってごめんなさい」

艦載機妖精s「――!!」

加賀「妖精さんたちも祝勝会でしたか。……あら? でも、お酒が少ないようだけれど」

整備妖精s「――!!」

赤城「え、明日の仕事に差し障るからですか? まあ……なんだかこっちが申し訳ないですね」

加賀「でも、一杯ぐらい私たちと乾杯しませんか? ちょうど提督から頂いたものが……あら」

赤城「お料理を持っていくのに気を取られて、お酒置いてきちゃいましたね……」


鳳翔「――あ……貴女たち……」

加賀「!?」

赤城「ひぃ!? お、お母さん!!」

鳳翔「お酒を忘れるなんて妙だと思ったら……まさか……」

加賀「あ、あの、これはですね」

赤城「決して片付けをサボろうとかそういう思惑ではなく……」

鳳翔「……」



鳳翔「うぅ……グスッ……」

赤賀「!?」


鳳翔「まさか……まさか貴方たちが、料理を独り占めせずに分け合うことが出来たなんて……」

赤城「お、おかあさん!!」グスッ

鳳翔「瑞鶴ちゃんの言うとおり、何処かに隠れて酒宴でも開いているのかと私も思ってましたが……成長しましたねぇ、グスッ……」

鳳翔「お説教に来るつもりが、いいものを見せてもらいました!! 私も入れて下さい!!」

加賀「お母さん……」

加賀「……」

加賀(私たちはそこまで信用されていないのですか!?)ガーン

鳳翔「さあ乾杯しましょう!」

赤城「はい!! かんぱーい!!」

加賀「か……乾杯……」シクシク



第2話 終


お疲れ様です、蒼龍小話投下です。
その前にコメントレスです。

>>129
なんとそんな細かいところまで……!! ありがとうございます。
自分の書いてる鳳翔さん像がイメージに合っていれば、とても嬉しいです

>>131
来年もやってほしいですねぇ。大相撲であそこまで笑うのは多分2度とないでしょう

>>143
うわあああこれは恥ずかしいにわか知識……申し訳ありません……

>>145,146,147,174,179,130
こういう温かいコメント、めっちゃありがたいです。すごく励みになります
乙とか待ってるとか、一言言われるだけですごく頑張れます。


未消化のお題も、書けそうなものは10レスくらいの短いのでなんとか出来れば(未定)。

その他コメントを下さった方々、ビンゴの希望で書いてくれた方、ありがとうございました!!
これからもお付き合い頂ければ幸いです。

よし来いや!


>>181
ごめんなさい盛大にお待たせしました……手直しが終わらず……



第2.1話 ~ホリデー・スペシャル~


飛龍「蒼龍蒼龍!! ビンゴで貰った、休暇の優先権どうするの!?」

蒼龍「え? ど、どうって」

飛龍「せっかくのチャンスなんだから、提督の休みに合わせてさ。一緒にどっか行ってきたらいいじゃん」

蒼龍「飛龍……貴女、提督とお母さんの仲を応援してるんじゃなかったの?」

飛龍「うーん、応援って言うか、応援するまでもないって言うか……あの2人、もう心配するまでもなくラブラブだし?」

蒼龍「……やっぱりそうだよねorz」

飛龍「でもさ、とりあえずこの戦争が終わるまでは、提督は結婚しないって言ってたのよ。問題はその後ね」

蒼龍「カッコカリ?」

飛龍「カッコガチ」


飛龍「私なりにこの戦争の後のこと、ちょっと考えてみたんだけど。多分提督はお母さんと本物の夫婦になって、一緒に暮らすよね」

蒼龍「うんうん」

飛龍「私たちは色々身の振り方があるけど、仮に軍をやめることになったらどうなると思う?」

蒼龍「うーん、普通に何か仕事を探して生きていくんじゃない?」

飛龍「だよね。それで、鎮守府を出た後はどこに住む?」

蒼龍「そ、そんなのまだわかんないよ」

飛龍「そう、まだわからない。つまり、今なら何でも希望を出せるっ!! フリーダムなのよ!!」

蒼龍「……酔ってんの?」

飛龍「……雰囲気と勢いでね」


蒼龍「結局何が言いたいの? 飛龍」

飛龍「え、ええとね? 笑わないで聞いてほしいんだけど」

蒼龍「うん」

飛龍「……私……その……戦争が終わった後も、提督とお母さんと、空母の皆で暮らしたいな……って、思ってるの」

蒼龍「……」


飛龍「普段からそんなこと言ってたら、提督にもお母さんにも重く受け止められちゃうから、
今まで誰にも言ってないんだけどね?」

飛龍「ほら、あの戦争ではすぐ別れちゃったお母さんや翔鶴、瑞鶴とも、仲良くやれてるじゃん? 
これで戦争終わって、これからは別々に歩みましょうって……」

飛龍「なんかその、やなの」

飛龍「もちろんこんなのは私のわがままで、その後は提督が決めることなんだけどさ」

飛龍「でも、私は今の、家族みたいな関係が好き。出来ればずっと一緒にいたいな、って」


蒼龍「……」

飛龍「蒼龍?」

蒼龍「もぉ~~可愛いなぁ飛龍はぁ~~!! 大好きだよ~~~~」ギュー!!

飛龍「きゃぁ!! ちょっとぉ!!」

蒼龍「飛龍がいつまでも独り身なんてだめだと思ってたけど、そんなこと考えてたんだね」

飛龍「い、いつまでもじゃないよ。私だってちゃんと結婚願望は」

蒼龍「飛龍につり合う殿方なんてそうそう簡単にいるわけないじゃん? 適当な男との結婚なんて私が認めないから」

飛龍「蒼龍が認めるって、提督以上の人ってこと? ……それだと私、当分結婚出来そうにないんだけど」


蒼龍「とりあえず、提督となんとか一緒に出かけて、将来のビジョンを聞いてみるよ。私も気になるしね」

飛龍「う、うん。それとなーく聞いてよ? 変に負担掛けたくないし」

蒼龍「大丈夫だよ。任せてね」

蒼龍「いつまでも6人まとめて可愛がって下さいって、ちゃんと伝えとくから。じゃあね~!!」

飛龍「ちょ、違う!! 私が言いたいのはそんなんじゃなくて……」

飛龍「ていうか今ので伝わんないって、冗談だよね蒼龍!? 私相当頑張って恥ずかしいこと言ったのに!! ねぇってば――」






翔鶴「提督、赤城さん、お茶が入りましたよ。休憩しませんか」

提督「ああ、ありがとう翔鶴」

赤城「翔鶴も一緒に飲みましょう。お菓子もありますよ」

翔鶴「ありがとうございます、それじゃ……」



蒼龍「――ノックノック!!」

赤城「はい、どちらさま?」

蒼龍「ドラゴンだよ!!」

翔鶴「何ドラゴンさんですかー?」

蒼龍「ジャパニーズブルーだよ!! ゲームじゃないよ、がおー」

提督「……あんまり上手くないな」

蒼龍「ちょっとぉ。一生懸命考えたんだよ」


提督「どうしたんだ?」

蒼龍「ビンゴ景品の、休暇の申請に来たよ。でもその前に……提督、次の休みの日教えて? 私その日に休むから」

提督「えーと、3日後だね。どうして?」


蒼龍「提督!! その日私とデートして!!」

赤城「!?」ブフゥッ

提督「デートか。いいぞ」

翔鶴「!!!?!?」ゲホッゲホッ

蒼龍「うんうん、提督はお母さんとの方がいいってわかってる。でもちょっと大事な話を……」


蒼龍「……へ? いいの?」

提督「ああ。買い物とかなら付き合うけど」

蒼龍「やったぁ!! じゃあその日によろしくね、それじゃ!!」


翔鶴「ちょ、て、提督、良いんですか!? お母さん以外の人とデートなんて!!」

提督「デートって言っても買い物だろう? それくらいは許してくれるさ」

翔鶴「そ、それじゃあ提督、次のお休みの日は私と」

提督「あー、ごめん。次は鳳翔との約束が入ってるんだ」

翔鶴「」

提督「加賀や瑞鶴と一緒に行ってくればいいんじゃないか?」

翔鶴「やめてください提督……そのセリフは私に効きます……」グスッ

赤城(突然積極的になるなんて……何があったの、蒼龍?)






蒼龍「さてと、次のお店はーっと」

提督「ちょっと……休ませて……流石に店20軒ハシゴは……」

蒼龍「もう、しょうがないな。じゃあお茶にしましょう」

提督「こんなにたくさん服買って、全部着れるのか?」

蒼龍「全部私のじゃないよ。お母さんとか、飛龍たちに似合いそうなのを買ってきたの」

提督「あ、そうなのか……優しいじゃないか、蒼龍」

蒼龍「ふふーん、もっと褒めていいからね? あんまり気軽に鎮守府の外に出れないからね」

提督(費用持ちは大体私だけどな。まあそういうことならいいか)

蒼龍「提督も、お母さんの私服が増えれば嬉しいでしょ。うふふ」

提督「そ、そうだね」


蒼龍「喫茶店のクリームソーダ、たまに飲むと美味しいね」

提督「はは、時々懐かしくなるんだよな。……ところで、蒼龍」

蒼龍「んー?」

提督「何か話があるんじゃなかったのか? 休暇取りに来た時に言ってただろ」

蒼龍「あ、そうだった。うーん」

蒼龍(それとなくって言われたけど、上手く言えそうにないなぁ……)

蒼龍「提督、この戦争が終わった後ってどうなると思う? いつになるかわからないけど」


提督「そうだな、まず間違いなく軍は縮小されるだろうな。
私たち軍人や、艦娘がどうやって生きていくか、今から考える必要がある……」

提督「とはいえ、そんなに近い話ではないと思うけどね。泊地の様なわかりやすい目標だけじゃなく、はぐれ艦隊も多いし。
完全に脅威が無くなるまで、海上護衛は続ける必要があるだろうな」

蒼龍「提督は、その……軍を退役したら、どうするつもり?」

提督「まだはっきりとした考えはないよ……どこか静かな所に、家を探そうかと思ってるけどね」

蒼龍「お母さんと一緒に暮らすの?」

提督「……ああ。鳳翔が軍を退役する時、正式に結婚を申し込もうと思ってるよ」


蒼龍「そっか……そうだよね」

提督「でもそれは最後だな。最低でも鎮守府にいる子たちの、生活の目処がついてから退役する。私のことはその後だ」

蒼龍「……私たち6人も?」

提督「もちろん。何か希望があれば出来る限り、叶える努力はするさ」

蒼龍「……希望……ね」

提督「話ってこのことか? もしかして何か、将来のことで」

蒼龍「ううーん、ちょっと待ってね……」

蒼龍(落ち着け、私……提督の1番はお母さんって、わかってたじゃない……)


提督「どうした、蒼龍。大丈夫か?」

蒼龍「だ、大丈夫大丈夫。ごめんね? 変なこと聞いて」

提督「いや、大事なことだからね」

蒼龍「それに、戦いはまだ続くし……私たちだってどうなるか」

提督「蒼龍、誰かが欠けることは絶対にない。それだけは信頼してくれ」

蒼龍「あ、ご、ごめんなさい」

提督「謝ることじゃないよ。危険なのはいつも君たちなんだから」


提督「でも、どうしてそんな話に?」

蒼龍「ちょっと話してたんだよね……せっかくまた会えたんだから、ずっと一緒に居たいねー、って」

提督「鳳翔や空母の子たちと、か?」

蒼龍「うん。あと提督もね」

提督「そうか。それは嬉しいな」

蒼龍「ほんと? お母さんと愛の巣を作りたいんじゃないのー?」

提督「いや、そんなことは……ないわけじゃないけどな。愛情がなければ、君たちに指輪なんて渡さないぞ」

蒼龍「……家族としての愛情でしょ?」

提督「ああ。鳳翔が君たちに注ぐ愛情を見ていたら、ね」

蒼龍「ふふ、まだ子供いないのに、お父さんみたいだね」



蒼龍「……もし、もしだよ?」

蒼龍「私たちが、本当の家族になりたいって言ったら」

蒼龍「軍を出た後も一緒に暮らしたいって言ったら……どうする?」


提督「……さっきも言ったけれど……私は出来る限り、君たちの希望を叶えたい」

提督「きっと鳳翔も、君たちと一緒に居たいと願ってる……」

提督「いや、それだけじゃない」

提督「それは私も同じなんだ。鎮守府を出た後も、その……鳳翔と、君たち6人の、傍に居たい」

提督「もし君たちもそう思ってくれているなら、とても嬉しいな」


蒼龍「……そっかぁ」

提督「もちろん、君たちが自分自身の進む道を見つけてくれるまででいいんだ。
そのために私は何でもするし、いつでも帰って来てくれてもいい」

提督「君たちの、命を預かって戦った者として果たす、最低限の責任だと思っている」


蒼龍「……優しいんだね、提督。本当にお父さんみたい」

提督「多分に私の希望が入っているよ」


蒼龍「私の自惚れじゃなければ、私たち6人は、提督にとって特別ってことでいいのかな?」

提督「ああ。普段こんなことは、あまり言えないけど」

提督「鳳翔と、君たちと、共に歩んでいくことが出来れば……間違いなく、幸福な人生だと思うよ」


蒼龍「……うふふ。そっかそっか」

提督「あまり言いふらさないでくれよ?」

蒼龍「うん、わかってるよ。一応軍人だしね」



蒼龍「さてと、そろそろ帰ろうか。今日はありがとうね」

提督「あれ、もういいのか? また店をまわるんじゃ」

蒼龍「ううん、いいの。これ以上紙袋増やしたら、持って帰るのが大変でしょ? ……提督が」

提督「これ1人で持って帰るのか!?」

蒼龍「こういうところで甲斐性見せてくれたら、うれしいなぁ。ね?」

提督「まったくもう……タクシー拾うかな」

蒼龍「ごめんね提督」



蒼龍「――あ、そうだ。空母寮の消耗品頼まれてたんだった……本当に悪いんだけど、先に戻っててもらえる?」

提督「ああ、わかった。1人で大丈夫か?」

蒼龍「うん、ちょっとしたものだから。――それじゃ、また明日ね。今日は本当にありがとう」

提督「私も楽しかったよ。じゃあ、また明日」



蒼龍「……もういいよ。聞いてたでしょ、飛龍?」

飛龍「……ありがとね」

蒼龍「提督も結構、色んな事考えてるみたいだね」

飛龍「蒼龍は良かったの? あんまり進展しなかったんじゃ」

蒼龍「あはは、今の状態じゃ何言ってもダメだよ。恋愛感情は、完全にお母さんに向いちゃってるもん」

飛龍「そうだねぇ……」


蒼龍「でもね、皆と暮らせたら私だって嬉しいし」

飛龍「家族で……蒼龍はいいの?」

蒼龍「私だってお母さん大好きなんだよ? 幸せになってほしいし……」


蒼龍「でも提督も好きなの!!」

飛龍「うーん……辛い所ね」



蒼龍「ここはとりあえず保留だよ、保留」

飛龍「告白を保留するの? 本当に辛いわね」

蒼龍「提督は私たちを娘みたいに見ちゃってるわ。まずは恋する乙女として見てもらうところから始めないとね」

飛龍「茨の道ね」

蒼龍「赤城さんや翔鶴とも協力して、女子力磨いてくよ! 飛龍も協力してね?」

飛龍「う、うん。まずはどうするの?」

蒼龍「……それがわかったら苦労しないじゃん……」


蒼龍「よしっ、今日は空母寮で女子会にしよう!! 皆で語り合って、これからのこと色々考えよう」

飛龍「……ふふっ、そうだね、明日に差し障りがない程度に、今日は騒いじゃおうか」

飛龍「なんか私も、今日は呑みたい気分」


蒼龍「よぉおーし!! 頑張るぞーっ!!」


今回はここまでです。書いてて恥ずかしくなる台詞ばかり。


蒼龍がここで告白して撃沈、提督を諦めるのはあまりに不憫で出来ませんでした。
安易なハーレムがすごい苦手なので、現状のラブコメ路線を維持するために保留というchicken戦法

>>4 赤城の紹介の欄に「隙あらば」とわざわざ入れてるのは、
赤城自身が今告白しても撃沈するのを理解してるからだったりしますね……


次は川内小話になります。
またよろしくお願い致します。


お疲れ様です、川内小話投下です。

乙コメありがとうございます
SSの空気感や雰囲気が好きと言って下さると本当にうれしいです。



第2.2話 ~スペリオル・キャリアーズ~


川内「……」モグモグ

神通「――あれ、姉さん!? どうしたんですか、熱でもあるんですか!!」アワアワ

川内「……朝ご飯食べてるのがそんなに珍しい?」

那珂「そんな早起きして大丈夫なの!? 体溶けたりしてない!?」

川内「ドラキュラか私は」

神通「今日はお休みなんですか?」

川内「そうだよ、ビンゴの景品の。有給とか貰っても特にすること変わんないし、適当に取っちゃったよ」


那珂「せっかくのオフなのに、嬉しくないのー?」

川内「嬉しくないワケじゃないけどさ。出撃がない日とか、普通に暇だし」

川内「提督に、景品交換してってお願いしてみようかな……間宮さんのチケットを、夜戦許可チケットかなんかに」

神通「あるんですかそんなの」

那珂「あったとしても、あの提督が他の子を危険にさらす個人の感情、優先してくれるわけないじゃん」

川内「最近は正規空母が昼戦で大活躍して、夜戦の機会あんまりないんだもん」

神通「ウチは機動部隊メインですからね。提督も、夜戦突入の判断は慎重ですし」


川内「神通と那珂は? 今日は予定無いの?」

神通「そうですね、演習も遠征もありませんが」

那珂「私もー。皆のオフが被るってあんまりないね」

川内「よーし、それじゃ、もらった金券で久々にお姉ちゃんが……」

川内「……ん」

川内「待てよ? 3人か……」


神通「どうしました? 姉さん」

川内「今の私たちの練度なら、その辺の敵艦隊なんて鎧袖一触だよね」

那珂「突然どうしたのー? まあ流石に負けないとは思うけど」


川内「ちょっと提督に3隻で出撃させてって言って来る!!」ドギューン

神通「」

那珂「」


加賀「なるほど、3隻なら昼戦で敵を全滅させるのはまず不可能。確実に夜戦突入出来るというわけね」

神通「いたんですか加賀さん」

加賀「呼ばれた気がしたわ」

那珂「大盛り朝ご飯に夢中だと思ったら、意外と聞いてるんだね」


神通「加賀さんも、今日はご予定はないのですか?」

加賀「ええ。最近は備蓄メインだそうだから」

那珂「空母の人たちは大食らいだかrイタッ!! 顔はやめてよ顔は!!」

加賀「弩級戦艦よりはマシよ」

神通「その分駆逐艦の子たちにはすごく働いてもらってますが……」

加賀「実戦での負担を減らせるよう、私たちは航空爆撃や雷撃の腕を磨かないとね」

那珂(磨き過ぎて毎回MVPとってくのはどうかと思うんだけどな……駆逐の子がちょっと不憫)


川内「(´・ω・`)」

神通「あ、お帰りなさい」

那珂「なんて言われた?」

川内「提督がいなかったから、鳳翔さんに言ってみたら……」


鳳翔『神通さんと那珂さんに迷惑がかからないよう――』

鳳翔『夜偵と探照灯と照明弾を、全部自分で持っていくなら許可してあげましょう』ニッコリ


川内「だって(´・ω・`)」

那珂「観測射撃も雷撃も出来ないじゃん」

神通「夜戦突入出来ても、それじゃ意味がありませんね……」


加賀「……川内、夜戦がしたいのね」

川内「したいです(ノД`)」

加賀「じゃあ、夕方から演習しましょうか。今日は演習海域の使用予定はないし」

川内「ホント!? いいの加賀さん!!」

加賀「休みが続くと、私たちも妖精さんたちも勘が鈍るから。同僚との演習もいい経験になるでしょう」

川内「やったね!! それじゃあ、こっちは神通と那珂とあと3人、声掛けておくから!!」

神通「結局私たちも付き合うんですね……」

那珂「那珂ちゃんもー!? 寝不足はお肌の大敵なのにぃ」

加賀「せっかくだから、会敵まで編成はお互い伏せておきましょう。
情報が遅れたときの練習に……まあ、なるかもしれないわ」


加賀「それじゃ、私も僚艦を集めてくるから。演習の申請は、私がおか……鳳翔さんに言っておきます」

川内「うん、ありがとね!! よぉぉし夜戦だぁああああ!!!!」

那珂「はぁーあ、オフはしっかり休むのが那珂ちゃんのモットーなのに」

神通「加賀さん、休みを使って付き合って下さるなんて優しいですね」

那珂「優しいのかな。加賀さんもじっとしてるのが嫌になっただけじゃないの」

神通(でも……正規空母の加賀さんが、苦手な夜戦の話を持ちかけてきた所が引っかかりますね)

神通(何をお考えなのでしょうか……)


川内「――演習の開始は一八〇〇、範囲は鎮守府正面海域。東軍と西軍に分かれて、艦隊の初期位置は不明でスタートする」

神通「お互いに偵察機を飛ばして、早く発見するほど有利になりますね」

那珂「でも、開始が一八〇〇かー。すぐ夜になっちゃうから飛行機飛ばすのは危険だね」

川内「まー、いざって時には鎮守府の滑走路に降りてもらえばいいんだけどさ。
一応演習って名目だし、作戦行動でも応用できるように……」

那珂「普段通り、夜間航空戦は流石になしか」


神通「では、砲雷撃が得意な子にお願いしましょう。それから対空戦闘の用意も……いいですね、姉さん」

川内「う、うん」

那珂「神通ちゃんまっじめー」

神通「那珂ちゃんも真面目にやって下さい。やるからには勝つんですよ」

那珂「わ、わかってるよう」


川内「あと分身は禁止だって」

那珂「あ、やっぱり?」






川内「――よし、時間だ。摩耶さん、那珂、よろしく!!」

摩耶「よっしゃ。偵察機飛ばすぜー」

那珂「那珂ちゃんの飛行機、現場入りまーす!!」


川内「私たちは輪形陣でこのまま進むよ」

吹雪「でも川内さん、いくらなんでも、正規空母の皆さんと索敵合戦して勝てるとは思えないんですけど」

時雨「こっちは夜偵を合わせても5機……向こうは偵察機の他に、足の長い艦攻も使えるしね」

川内「うん、わかってる。もともと水偵は長距離索敵に向いてないし……
だけど、先に見つけられることは織り込み済みなんだ」

川内「演習海域に居ることはわかってるんだから、まず間違いなくこっちが先に発見される。
時間によっては、日没前に攻撃隊が来るかもしれない」

川内「でも着艦の時間を考えたら、規模はそれほどでもないはず。
対空戦が得意な摩耶さんと吹雪がいれば、そんなに被害を出さずに対応できると思うんだ」


川内「そして、攻撃隊が帰っていく方向に向かって全力突撃。相手が着艦中、日没と同時に――」

川内「やせぇえええええんんん!!!!」

吹雪「」ビクッ

川内「――ってワケ。おーけー?」

吹雪「は、はい。その頃には飛行機は飛べませんもんね」


時雨「……くっ」

吹雪「時雨?」

時雨「くふふ……久々に僕の5連装酸素魚雷が唸るよ……」

吹雪「」

川内「期待してるよー。この中で雷撃が一番強力なのは時雨だからね」

時雨「任せておいて……酸素魚雷とか、うん……ばっちり積んできたよ、ふふふふ……」

吹雪(時雨も私みたいに、対空戦得意なはずなんだけどな……なんで魚雷大好きになっちゃったんだろ)


神通「――姉さん、敵の艦載機です!! 触接されました!!」

川内「了解――攻撃隊が来るよ。全艦対空戦闘!!」

時雨「あの飛行機はどうする? 撃ち落とすかい」

川内「放っておいていいよ、もう位置は打電されただろうし。攻撃隊を誘導してもらった方が、逆にわかりやすくて助かる」


那珂「――むっ、那珂ちゃんの偵察機が敵編隊を発見――10時方向から来るよ!!」

川内「隊列維持のまま進むよ。連携を忘れずにね!!」






那珂「――攻撃隊が退いていくよ。しのぎ切ったね」

川内「損害報告!!」

摩耶「アタシが小破だ」

吹雪「私もです。戦闘航行に支障ありません!!」

川内「よしっ、単縦陣に組み直すよ。――神通!!」


神通「――夜偵からの報告来ました。敵の編成は……正規空母2、重巡2、駆逐2です」

川内「空母と重巡が2隻ずつか。先に重巡を潰せばこっちの勝ちだね」

川内「私が先頭で、探照灯は責任持って照射するよ!! 各艦は砲雷撃、それぞれよろしくね!!」



神通「――距離20000。敵艦隊、単縦陣で転舵しました」

川内「早いね。こちらも合わせて、同航のまま距離を詰めよう」


神通「――て、敵一番艦と二番艦に発砲炎です!!」

陸奥「もう撃ってきたか。重巡の主砲でも射程ギリギリのはずなんだがな」

那珂「こっちの夜戦火力を少しでも減らそうとしてるんじゃない?」

神通「水柱の大きさから見て、重巡の20.3cm砲のようですね」

川内「なんにせよ、夜間にこんな距離でそうそう当たるもんじゃないからね。時雨は魚雷、吹雪は照明弾を確認だよ!!」

時雨「了解」

吹雪「了解です!」


川内「さて、私も探照灯を用意してっと」

摩耶「最初の目標はどうする?」

川内「一番艦と二番艦が先に撃ってきたから、敵の重巡はその2隻だろうね」

川内「先にその2隻を撃破できれば、夜戦火力の差で勝てるはずだよ!!」


神通「距離5000!!」

川内「砲雷撃戦、用意!! 目標、敵一、二番艦!!」

「「「宜候!!」」」

川内「探照灯、照射!! 敵重巡に集中こ――」




赤城「うおっまぶしっ(/-\)」

川内「げぇっ、赤城さん!! なんで!?」


川内「摩耶さん、那珂!! 水偵から吊光弾を――」

摩耶「だ、ダメだ。もう落とされちまった」

神通「私の夜偵は行けます。吹雪さんも照明弾を!!」

吹雪「了解、撃ちます!!」

那珂「――見えた、重巡は三、四番艦だよ!! 先頭は正規空母2隻!!」

川内「まさか、正規空母が巡洋艦並みの火力を……予定通り、先に重巡に……」

時雨「川内、危ない、魚雷が!!」

川内「え――」






川内「……」タイハ

川内「ぬわーっ!! 何も出来ずに魚雷直撃なんて!!」

那珂「まさか、正規空母が20cmクラスの主砲を使えるとは思わなかったよ」タイハ

赤城「いや、普通は使えないんですけどね……艦載機を満載した方が明らかに強いですし」チュウハ

加賀「戦艦として生まれた私たちの、昔取った杵柄と言いますか。二航戦や五航戦の子たちにはちょっと無理かもね」

神通「重巡の砲撃より先に撃ってきたのは、私たちの目標を引きつけるためだったんですね……」チュウハ


摩耶「くっそー、全部作戦かよ。やられたなぁ」タイハ

那智「ああ。赤城と加賀が攻撃機を最小限にして、主砲を積んできたときは驚いたが」

妙高「その分私たちが、砲撃と雷撃に集中することが出来たんです」

時雨「そう悲観したものでもないよ、川内。僕の魚雷はしっかりと駆逐を仕留めたからね」

叢雲「」タイハ

満潮「5連装魚雷を扇状に……お、覚えてなさいよ……」タイハ

吹雪(あれ、私あんまり活躍してない!?)


赤城「それにしても、加賀さんが積極的に演習に誘って来るなんて、珍しいこともあったもんですね」

那智「そうだな、いつもは自主鍛錬が主の加賀がな」

妙高「川内さんのためですか? 優しいですね、加賀さん」

加賀「え、ええ、まあ」


川内「――おーい加賀さーん。はいこれ、負けたから約束の間宮チケットね」

加賀「ちょ、ちょっと!! 帰ってから母港で渡しなさいとあれほd」

赤城「加賀さーん?? 私、聞いてませんけど??」ニッコリ

加賀「……」

加賀「ここは譲れません」ダッ

赤城「あっ、こら!! 半分寄越しなさい!!」ダッ

那智「……司令官は全員分渡してたはずだろう」ヤレヤレ

妙高「もらった次の日に使っちゃってたわよ。まあ、許してあげましょう」


川内「あーあ、負けちゃったなぁ……」

神通「残念でしたね、姉さん」

那珂「かえってストレス溜まっちゃったかな?」

川内「……ううん」

川内「皆私のわがままに付き合ってくれて、嬉しかったよ。普段とは違う戦いも経験できたしね!!」

神通「姉さん……」

那珂(あんな型破りなこと、何度もされちゃたまんないけど)


川内「よしっ!! このままその辺の哨戒でもして行こうか、2人ともついてきて!!」

那珂「ちょ、何言ってんの!? 今は演習用装備だし、しかもほとんど空っぽなのに!!」

神通「大丈夫よ那珂ちゃん、探照灯は私が引き継ぎますから」

那珂「」

那珂(わ、忘れてた。神通ちゃんも川内ちゃんに負けず劣らず、夜戦大好きだった……)


川内「ほらほら那珂、遅れてるよ~」

神通「那珂ちゃん、夜偵の収容お願いしますね」

那珂×8「「「いい加減にしろ!! 強引に連れて帰るぞ!!」」」






鳳翔「――ただ今戻りました。勝手に出てしまって申し訳ありません」

提督「いやいいんだ、お疲れ様。どうだった?」

綾波「えーと、日没直前に鳳翔さんの艦載機が、敵のはぐれ潜水艦2隻を発見」

敷波「演習海域に迷い込みそうになってたから、急行して――」

雪風「撃沈しました!! 危なかったです、しれぇ!!」

提督「そうかそうか、頑張ってくれたね。はい、ご褒美の間宮チケット」


アリガトウゴザイマスシレェ!! チョットヒトリデモッテカナイデー ア、アタシハベツニゴホウビノタメニヤッタワケジャ……


提督「――よく気付いてくれた。助かったよ」

鳳翔「いえ、演習海域とはいえ、はぐれ艦の行動は読めませんし。
演習弾しか持ってないあの子たちが心配になってしまいまして……」

提督「これからも、気になることがあったらどんどん言ってくれ。演習で損害を出すなんて笑い話にもならない」

鳳翔「はい、あなた」



提督「それにしても、そうやって艦隊を心配する君を見てると……」

鳳翔「?」

提督「あの子たちが君のこと、お母さんと呼ぶ理由がわかるな」

鳳翔「……あなたにだけは、お母さんって呼ばれたくないです」プイッ

提督「ごめんごめん、拗ねないでくれよ……」


提督「私の奥さんだろ?」

鳳翔「////」

鳳翔「も、もうっ、しょうがない人ですね!!」


川内小話は以上です。
けっきょく ほうしょうさんが いちばん つよくて すごいんだよね なお話。
戦闘描写へのツッコミは……あまりいじめないでください

次は鳳翔さんとイチャラブです。
これの後にまたお題消化に戻る予定ですので、よろしくお願い致します。

乙です
お題まだ締め切ってないならそこそこの地震がきて赤城のトラウマが爆発



第2.3話 ~ラヴァーズ・コンチェルト~


鳳翔「――あなた、ちょっと」

提督「うん? どうした」

鳳翔「蒼龍ちゃんとデートしたって、本当ですか」

提督「えっ……あ、ああ、この間の買い物のことか。あれはデートと言うよりはな……」

鳳翔「本当なんですね……まったく。いきなりプレゼントだと言って、洋服を渡されたんですよ」

提督「蒼龍が空母の皆に、って選んでたやつだな」


鳳翔「蒼龍ちゃんと飛龍ちゃんがニコニコしながら渡して来たから、何かと思って問い詰めたら」

提督「あんまり言ってやらないで欲しいな……その、ちょっと真面目な話もしたし」

鳳翔「何ですか真面目な話って!! 私には隠し事しないって約束ですよ!!」ガクガク

提督「う……そう、なんだけど……今はダメだ。隠し事というか、大事な話だから、また改めて機会を」


鳳翔「浮気ですか」ボソッ

提督「そんなわけないだろ。私の一番はいつも君だよ」

鳳翔「……い、いきなり真顔で見つめないでください」


提督「時期が来たら必ず話すから。ちょっと待ってくれ、頼む」

鳳翔「そんな表情でお願いされたら何も言えませんよ……わかりました、信頼してますから」

提督「うん、ありがとう」

鳳翔「今日は私に1日、付き合ってもらいますからね!」

提督「ああ、わかってるよ」

鳳翔「それじゃ、まずは間宮さんのお店です。行きますよ、さあ!!」

提督「お、おい、引っ張らないでくれよ」






間宮「いらっしゃいませ提督、鳳翔さん」

鳳翔「間宮さん、これ!! 2人分のチケットです、お願いします!!」

間宮「わ、わかりました。そんなに慌てなくても大丈夫ですよ」

伊良湖「……どうしたんですか提督? 鳳翔さん、あんなに鼻息荒くして」

提督「うーん、大体私のせいだな。すぐ落ち着くと思うけど」

鳳翔「ほらあなた、こっち座って下さい!!」

提督「わかったわかった」


間宮「――お待たせしましたー、抹茶パフェになります。ごゆっくりどうぞ」

提督「ありがとう、間宮」

鳳翔「ありがとうございます」


提督「……君とこうして、ここへ来るのも久しぶりだな」

鳳翔「そうですね。最後に来たのはケッコンカッコカリの前……もう、1年近くになりますか」

提督「そんなになるのか」

鳳翔「はい。まだあなたが、私に敬語を使ってた頃ですね」

提督「2人の時間も、もっと取れればいい……いや、取りたいんだけど」

鳳翔「ふふっ、お互い覚悟してたじゃありませんか。この戦争が終わるまで、ですよ」

提督「……そうだね」


提督「しかしそれも、何時になることやら」

鳳翔「あらあら、軍人さんの言葉にしては弱気が過ぎるんじゃありませんか?」

提督「そうだな、皆には聞かせられないな……こんなこと、君の前でしか言えない」

鳳翔「いいんですよ? 弱音吐いちゃっても。私しかいませんから」

提督「だ、だめだだめだ。あんまり君の優しさに甘え過ぎるのは良くない」

鳳翔「……むう。もっと頼ってくれていいですのに」


提督「いつも頼らせてもらってるって。出撃も演習も、この間の対潜哨戒だってそうだ」

鳳翔「いえ、あの、それもそうなんですけど」

提督「ああ、それだけじゃないよ」


提督「普段から君に頼るというか、私が助けられていることはね」

提督「こうして2人で話をしたりとか、ご飯を作ってくれたりとか、いつも一緒に寝たりとか」

提督「……私の前で、笑っていてくれること、とか」

提督「それだけで十分なんだ。傍に居てくれるだけでいいんだよ」

提督「指輪を渡した時にも言ったけれど、君の喜んだ顔を見るのが、私は一番幸せなんだからね」


提督「それから……こんな関係になっておいて、すごく今更なんだけどね?」

提督「お互いまだ軍属だし、ケッコンした仲とはいえ仕事上での特別扱いが過ぎるから、おおっぴらには言えないけれど」

提督「その、なるべく、私の近くにいてもらいたいというか、危ない目に遭って欲しくないというか……」

提督「この間の出撃だってな、君が無事戻ってくるまで私は……」

提督「って、流石にエゴが過ぎるな。これは忘れてくれ」


提督「とにかく、だな。この先戦い続けるためには、私は君に支えてもらわないとだめなんだ」

提督「頼るにも、君が居てくれないとどうしようもないんだから」

提督「しっかり私の傍に戻って来てくれ。頼む」


鳳翔「……」


鳳翔「……~~~~!!」

鳳翔(か、顔が火照って……前が見えない)


提督「鳳翔?」

鳳翔「ちょっと待って……こっち見ないで下さい……」

提督「大丈夫か? 気分でも」

鳳翔「あ、あなた!! あーんして下さい、あーん!!」

提督「どうしたんだ、いきなり」

鳳翔「いいですから、ほら、はい!!」

提督「あ、あーん……」



間宮「…………」[壁]ω・)チラッ

伊良湖「…………」[壁]д・)チラッ


間宮「……がはっ」

伊良湖「ま、間宮さん! 大丈夫ですか!?」

間宮「うう、私はもうダメ……砂糖吐きそう……」

伊良湖「お、落ち着いて下さい、吐くならこのボウルに!! お砂糖は高いんですから!!」

間宮「……それは突っ込んだ方がいいのかしら……」


提督「この後はどうする? どこか出掛けるか」

鳳翔「そうですねぇ、外に出ると、またゆっくりしたくなっちゃいますから。今回は鎮守府の中で過ごしましょうか」

提督「……私は外出でもいいんだけどな」

鳳翔「また長門さんに迷惑かけちゃいますからね。ほどほどにしてあげないと」

提督「そういえば遊園地デートの後は大変だったみたいだな。やはり君がいないとダメみたいだね」

鳳翔「赤城ちゃんもすごく頑張ってるんですけどね」



赤城「はい私頑張ってます、はい!!」

飛龍「赤城さん、右舷から雷撃来てる!!」

赤城「はい、赤城は大丈夫です!!」


朝潮「……演習で慌てる赤城さん、珍しいですね」

村雨「最近鳳翔さんのお手伝いで、遅くまでお弁当作ったりしてるみたいだよ」

綾波「あ、今日のお弁当楽しみですねぇ」

春雨「なんでそんな悠長に話してるんですか!! 演習中ですよ!?」


村雨「あ、ほら危ないよ春雨」

春雨「え? ――きゃぁっ!!」ショウハ

朝潮「だめですよ、爆弾は最後まで諦めずに迎撃を試みないと」

綾波「隊列維持に気を取られ過ぎずに、爆撃機と雷撃機の動きによく注意してくださいね」

春雨「は、はいっ」

春雨(なんか納得いかない……)






鳳翔「今日は暖かくて、心地良い陽気ですねー……」

提督「そうだねー……」

鳳翔「あなたの膝に乗るのも久しぶりですねー」

提督「うん……」

提督(この体勢だと鳳翔の髪のかほりが……絶対口には出せないが)


鳳翔「あの、重くないですか?」

提督「それ前も聞いただろう? 全然大丈夫だって。もっと寄りかかっていいよ」

鳳翔「あ、はい。それじゃ……」

提督(ああ……幸せだな、今)


鳳翔「そういえば、あなた。私、しばらくキスして貰ってません」

提督「え? そ、そうだっけ」

鳳翔「そうですよ。確か観覧車の中でしてもらったのが最後です」

提督「そんなにしてなかったか……ごめんよ」

鳳翔「まあ、あれから忙しかったですし、寝台は一緒でしたけどね」


提督「……よし、わかった。今日は夜戦しよう」

鳳翔「夜戦ですか。そうですね、今日は早めに執務を――んむ――」


提督「――ふう。これは前哨戦ね」

鳳翔「い、いいですよ。受けて立ちましょう!」



飛龍「……」

飛龍(執務室でイチャコラはやめろとあれほど)


赤城「どうしました、飛龍? 演習の報告書を提出に……」

飛龍「い、いや、今はダメです。その……都合が悪いんです」

赤城「でも、勝利の報告を、早く提督にしたいんですっ」

飛龍「ダメなんです。今執務室は戦場ですから」

赤城「はい?」

飛龍「赤城さんや蒼龍、翔鶴……それに私たちの戦いはまだまだ続くんだから。被害は最小限に抑えないと」

赤城「よくわからないけど……」

飛龍「後で一緒に報告しに行きましょう、ねっ?」

赤城「は、はあ。それじゃあ、先にごはんを食べましょうか」


短いですが、鳳翔小話は以上になります。
大変お待たせしましたが、これにて第2話のパーティとビンゴのお題は終わりです。

95さんの言うとおり、ビンゴの展開は予想以上に盛り上がっていました。一人で。
ただ手間と時間を考えるともうやりたくないです。


それでは、また希望のお話がありましたら、お題を書き込んで頂きたいと思います。

1、2話のような、50~100レス近くの中編では進みが遅すぎなので、1題10レス前後に纏めていきたいです。


これまで頂いたものも、なんとか消化したい……
98さんには後付で本当に申し訳ありませんが、艦娘は1種1人設定でお願い致します。

・浮気 ・財布なくした ・甘える空母 ・ダブルデート ・母の日 ・地震 ・(前スレから)空母寮の朝

では、よろしくお願い致します。



>>242
ありがとうございます、お題はいつでも歓迎ですよー


お疲れ様です、短編投下です。

ええええええなんで皆浮気大好きなんですかね……純情な2人なんですが……
まあ勘違いネタか夢オチか、あるいはガチ浮気のIFルートでいくつか考えてみます。



幕間1 ~今日は何の日?~


飛龍「父の日だよ提督!! プレゼントあげる!!」

提督「お、おお。唐突だな」

飛龍「結構選ぶの苦労したんだー。普通のお父さんと違っていつもジャケット着ないから、定番のネクタイはダメだしね」

提督「――万年筆!? すごいな、高かったんじゃないか?」

飛龍「そこそこね。でもまあ、普段の感謝の気持ち」

提督「いやあ、嬉しいな……大切に使うよ、ありがとう」

飛龍「うふふ、いいんだよぉ。……他に、誰かからもらった?」

提督「いいや? 君が最初だな」

飛龍(あ、そっか。赤城さんや蒼龍、翔鶴が父の日って変だし……加賀さんと瑞鶴には退役後の話、まだしてないもんね)


飛龍「提督のお父さんには、何か渡した?」

提督「一応ね。もう定年してるから実用品じゃなく、父が好きだった日本酒を送った」

飛龍「都市部以外じゃ、手に入りにくい銘柄もあるもんね」

ガチ浮気を望んでるのはほとんどいないと思うで


提督「そういえば、父の日で思い出したけど……母の日には、鳳翔に何か渡したのか?」


飛龍「…………」

飛龍「……ははの、ひ?」

提督「先月だから今更だけどね」


飛龍「……て、提督は渡した?」

提督「渡したよ、ワインを赤と白一本ずつ。前に花を送ったら、私も父と同じく酒の方がいいと言われてな……」

飛龍「そうじゃなくて、鳳翔お母さんにだよ!!」

提督「私が送るのは変だろう、奥さんだぞ」

飛龍「あ、そうだった……って、それどころじゃないっ!! おーい、赤城さぁあああん――」


提督「……余計なこと言っちゃったかな」

提督「まあ鳳翔も先月は忙しくて忘れてるみたいだし、また仲良く治まるだろ」



瑞鶴「――なぁーーーんで6人が6人とも忘れてんのよ!! 年頃の女がこれだけ揃ってみっともない!!」

赤城「5月10日といえば……大規模作戦の直前、備蓄で大忙しだった頃ですね」

翔鶴「で、でも、それじゃ言い訳になりませんよ」

蒼龍「飛龍、父の日はなんで思い出したの?」

飛龍「提督と蒼龍にくっついて街に行った時、6月21日は父の日ってポスター見たのよ」

加賀「……私たちも、父の日さえ今思い出したからね。これは全員の落ち度よ」


翔鶴「ど、どうしましょう赤城先輩。謝って許してくれるでしょうか」

赤城「許すも何も、お母さんはそんなことで怒ったりなんかしませんよ。ただ……」

瑞鶴「が、がっかりさせちゃったかもしれないわね」

蒼龍「それじゃ、ええと、皆でプレゼントを選ぶ?」

加賀「それはもちろんだけれど、他に何かないかしらね」

飛龍「遅れちゃったのを埋め合わせできるような、ね」


翔鶴「あ、そうだ!! いいことを思いつきました、やっぱり提督と――」



鳳翔「――The hills are alive――With the sound of music――」

鳳翔「With songs they have sung――For a thousand years――」


提督「随分懐かしい歌を歌ってるね」

鳳翔「あらあなた。ご存知でしたか? これ」

提督「映画のだろ? 学生の頃、英語の勉強をした時に見ていたよ」

鳳翔「私、あの映画大好きなんです……今度一緒に見ましょう」

提督「そうだね、今度借りてこよう」


鳳翔「――よしっ、これでお洗濯終わりですね」

提督「結局、君の仕事は楽になったのかな」

鳳翔「なりましたよ? 時々小さい子たちも手伝ってくれますし……楽になったというか、楽しくなりましたね。うふふ」

提督「それならいいんだけどね」


鳳翔「さてと、次はお昼ご飯の……」


翔鶴「――あ、お母さんここにいらっしゃいましたか。お昼ご飯なら私と瑞鶴で、間宮さんたちを手伝ってます」

鳳翔「あら、本当? それじゃあ、お風呂掃除を」

翔鶴「それは赤城先輩がやってくれました」

鳳翔「……遠征から、帰ってくる子たちのおやつを」

翔鶴「それは加賀先輩が。つまみ食いの分もしっかり作られてます」

鳳翔「じゃ、じゃあ、お夕飯の仕込みを……って」

翔鶴「ご想像のとおり、蒼龍先輩と飛龍先輩がやってくれてます」


鳳翔(このパターン、少し前に見たような……)


鳳翔「どうしたんですか? 最近は皆演習で忙しいから、お手伝いはいいと言ったのに」

翔鶴「あのですね、私たち、先月の母の日をすっかり忘れていまして」

鳳翔「えっ、母の日?」

鳳翔「……ああ、そういえば先月でしたっけ」

翔鶴「えー!? お母さんも忘れてたんですか!?」

鳳翔「先月は皆忙しかったし、作戦の準備もあったし」

提督(やっぱり忘れてたのか……私が一声かけてもよかったかな?)


翔鶴「いや、まあ、それは良いんですけど。遅めのプレゼントで、はい! これ、私たち6人からです」

鳳翔「まあ、ありがとう……お食事券?」

翔鶴「最近、近くに出来たレストランのです!! 提督と一緒に行ってきて下さい」

提督「鳳翔の時間を作るために皆で家事を……優しいな」

翔鶴「忘れちゃってたほんの償いです、お2人でごゆっくりなさって下さい! 
――それじゃあ、私は厨房に戻りますので」


鳳翔「…………」


鳳翔「……ねえ、あなた?」

提督「うん? ……ああ、そうだな。そうしようか」

鳳翔「翔鶴ちゃん。レストラン、8人で行きましょう?」

翔鶴「えっ、でも、これはお詫びで」

鳳翔「そんなこと気にしないでいいの。全員で集まれるのもあんまりないし、たまには皆で甘えちゃいましょう。ね?」

翔鶴「――はいっ!! ありがとうお母さん、皆呼んできますね!!」


鳳翔「……いいですよね、これで」

提督「ああ、もちろん」


提督「……いいなこれ、週末の家族みたいで」

鳳翔「ふふっ、随分子沢山な家族ですけどね。……ところで」

提督「うん?」

鳳翔「最近パーティやらお出掛けやら、色々出費がかさんでると思いますけど……大丈夫なんですか?」

提督「大丈夫じゃない。赤城と加賀には自重するよう言っておいてくれ」

鳳翔「あらあら? 娘に、いっぱい食べちゃだめなんて言うお父さんがどこに居ますか」

提督「…………」


鳳翔「甲斐性見せて下さいね、お父さん?」

提督「甲斐性って食費のことだっけか……」




<お題:母の日>


試験的に、短編はこんな感じで。お題ありがとうございました。
基本的にいいオチが浮かんだ順に書きますので、順番通りが難しいですがご了承のほどを……

特に浮気は難産っぽいですが、頑張ります。
それでは、よろしくお願い致します。


>>270
そ、そうだと信じたいですね(白目
というかガチは誰得だと思うのですがね……264さんの思惑とはいったい

ガチで書くなら注意書きなり他スレでやるなりしてくれると助かる
心の準備も無しにそんなの読んだら俺らの胃に穴が空いてしまう

浮気ネタなんてここでやったら全力で閉じて閲覧履歴消したるわ

那珂ちゃん今日も可愛い!

286はいくらなんでも言い過ぎかもと思わないでもないけれど
これだけ深い絆と信頼を積み上げてきた経緯がある分確かに浮気なんかは疑惑のエピソードであれ浮くかもね

夫婦間に浮気のつきものみたいに取り沙汰されることはあるけれども、そんなものは浮気する人達の言い分であって、実際には信頼厚い夫婦には騒動自体が発生しないないしなあ

とりあえずガチ浮気じゃなくて浮気疑惑でイチャコラ望んでるやつしかいないってことでもういいだろ、流石に荒れすぎ
あと那珂ちゃんはこっち来ようか

そろそろ夏だし、水着回とかどうよ。肌の露出多めの娘達に戸惑いつつ、自分はどんな水着にするか混乱したり。
たゆんたゆんなボデェで提督誘惑しようとする空母勢、内心焦る鳳翔、しかしアイアンハートの提督、これだ…!



幕間2 ~母と娘と姉と~


赤城「――いただきます!!」パンッ

蒼龍「おはよう赤城さん。今日は早いんだね」

飛龍「そんなに張り切って、何かあったの?」

赤城「今日は久々に、お母さんと一緒の艦隊で演習なの」

赤城「旗艦として、日ごろの鍛錬の成果を見てもらうチャンス!」

赤城「一航戦赤城!! 頑張ります!!」パクパクモグモグ


蒼龍「気合い入ってるねー。演習も、どんぶり飯の盛り方も」

飛龍「胃袋の鍛錬はいつも見てもらってるんじゃない?」

飛龍「…………」

飛龍「……消化最高練度……く、くくく……」

蒼龍(自分で言って笑ってるよ)


赤城「ほっといて下さい!! 提督はいっぱい食べる私が好きって言ってくれてます!!」

蒼龍(先週のレストランの後、財布見てため息ついてたのは黙っててあげよ)

飛龍「お母さんも、赤城さんが来ると何も言わずにご飯大盛りにしてくれるもんね」

蒼龍「加賀さんの食べっぷりといい、同じ正規空母でよくも変わるよねー」




鳳翔「赤城ちゃん、今日はよろしくね?」

赤城「はい、こちらこそ!!」

鳳翔「私の艦載機は、貴女の指示で動かしますからね。自由に使ってもらっていいわ」

赤城「ええと、それでは、艦隊の直掩はお母さんの戦闘機隊に。
一次攻撃隊は私の、二次攻撃隊は私とお母さんの残りで編成します」

鳳翔「了解よ」

赤城「対空戦闘の指揮は鳥海さん、お願いしますね」

鳥海「お任せ下さい!」

長門「この2人が攻撃隊を出せば……ふむ。この長門の出番も無いかもしれんな?」

鳳翔「うふふ、流石にそれは無理ですよ」


赤城「では行きます。第一次攻撃隊、発艦してください!」

鳳翔「――うん、発艦も随分早くなりましたね。鍛錬の成果が良く出てます」

赤城「…………」

赤城(お母さんに褒められた! 嬉しい!)

赤城「うふ、えへへへへ」

長門「おい、気を抜くなよ。そろそろ敵方の攻撃隊も……」


「「「……………」」」


敷波「……全然来ないね」

雪風「あっ、鳳翔さんの直掩機が!! 敵編隊をすごい勢いで叩き落してます!!」 ←双眼鏡

長門「相変わらず凄まじい技量だな。数の上ではどう考えても劣勢なのに」


鳳翔「――鳥海さん、4機抜かれました。迎撃お願いしますね」

鳥海「あ、は、はいっ」

鳥海(わざと抜かせたように見えたんだけど……) ←熟練見張員

鳥海(もしかして私たちの演習のために……? まさか、ね……) 


鳳翔「そろそろ、第二次攻撃隊を出しますか?」

赤城「あ、はい、そうですね。――装備換装を急いd」アタフタ

鳳翔「赤城ちゃん」肩ガシッ

赤城「ひゃいっ!?」

鳳翔「この時期にそのセリフはやめて頂戴。お願いですから」ハイライトOFF

赤城「は、はい、わかりました……」ナミダメ

鳳翔「まったくもう。演習で対地爆弾なんか、持ってきていないでしょうに」

赤城「すみません、何か勝手に、口をついて出てしまって」

鳳翔「まあいいでしょう、では攻撃隊を――」


――ドォオオオオ……――


鳳翔「……?」

鳳翔(今の音……戦闘音ではない?)


提督『――演習艦隊、聞こえるか!?』

赤城「提督? どうされました、演習中に」

提督『鎮守府沖合の海底で地震だ、演習は中止!!』

赤城「え……」

提督『規模は不明だが、津波の恐れもある。艦隊を纏めて、直ちに帰還せよ。向こうの艦隊とは話を付けた』


赤城「……じ、じしん……」

鳳翔「!!」


鳳翔「長門さん、聞きましたね!? 先に皆さんを連れて退避を!」

長門「了解だ。皆行くぞ」


赤城「また……地震が……」

鳳翔「赤城ちゃん、落ち着いて。大丈夫だから、ね?」

赤城「……はっ、い、いえ、私はなんともありません!」

鳳翔「膝が震えているわ、無理しないで」

鳳翔「第一次攻撃隊は、鎮守府の滑走路へ着陸!! 燃料が少ない機は、私の方へ着艦して下さい!!」

赤城「…………」


提督「――これで全員戻ったか。良かった」

鳳翔「はい。地震の情報は入りましたか?」

提督「ああ、先ほどから津波注意報が出てる。これから余震も続くかも知れないそうだ」

鳳翔「そうですか……あの、あなた」

提督「ああ、わかってる。周辺住民への対処は、今いる人員で十分だから……赤城についていてやってくれ」

鳳翔「ありがとうございます」

提督「先に自室へ戻らせておいたから」

鳳翔「はい、それでは失礼しますね」


鳳翔「――赤城ちゃん、入りますよ?」

赤城「お母さん……ごめんなさい、全部任せちゃって」

鳳翔「いいのよ。妖精さんは全員点呼を取りましたから、安心してね」

赤城「ありがとうございます……だめですね、私。自然現象なんかに狼狽えて……まだまだです」

鳳翔「そこまで気に病むことではないわ。私たちの、艦船としての記憶がそうさせているんだもの」

赤城「でも、今回は演習だったからいいようなものの……有事の際に、体が動かなかったら」

鳳翔「そう、ね。少しずつ、慣れていくしかないわね」

赤城「はい。皆の足を引っ張るわけにはいきませんから!」


鳳翔「……でもね、赤城ちゃん。自分の記憶を否定するのは、いけないと思いますよ」

赤城「えっ?」


鳳翔「面識は無かったかもしれないけれど……貴女の姉になるはずだった艦の意思を、貴女は継いでいるのですから」

鳳翔「船として生まれながら、海の上を一度も走れなかった無念は……如何ほどのものだったでしょうね」

鳳翔「前世の艦船や姉妹艦の魂を受け継いでいる……」

鳳翔「貴女が地震を苦手なこと、私は決して責めたりなんかしませんよ」


赤城「ありがとう、ござい、ます……お母さん」

鳳翔「これから先は、私や他の皆……あの人にも、頼っていいんですよ」

鳳翔「一緒に頑張っていきましょうね?」

赤城「はい、お母さん!!」




<お題:地震、鳳翔に甘える(赤城編)>


お疲れ様です、短編投下です。
地震と甘えるお題、提供ありがとうございました!
やっぱり勘違いネタでいいですね、なんか色々誤解させたようで……
これについていろいろ書きこんで頂いた方、ありがとうございました。
ただそれでも難しいので、もうちょっと時間を下さい、すみません。

なるべく次は早くできるよう頑張ります。
それでは、またよろしくお願い致します。


>>281
そうですね、それは気をつけます。

>>286
そんな寂しいこというなよ(´・ω・`)

>>288、296
かわいいかわいい!
那珂ちゃんも活躍させてあげたいですね。この鎮守府の那珂ちゃんは超優秀です。

>>289
まったく同感です。信頼と尊敬しあう2人を書きたいなと思いますね。

>>290
自分が曖昧な書き方して失礼しました……
でもレスが進むのはとても嬉しいので、なんでも書いて下さっていいのですよ。

>>292
水着回いいですねぇ。第3話はそんな感じで行こうかな……



幕間3 ~戦艦は仲良し~


山城「ふ、ふふ、ふふふふふふふ……」

山城(今日は久々に、姉さまと2人でお出かけ)

山城(誰にも邪魔されずに、姉妹の時間を楽しむわ!!)


扶桑「おまたせ、山城。そろそろ出ましょうか」

山城「はい姉さま! お洋服もよくお似合いです!」

扶桑「うふふ、ありがとう。それじゃあ――」


玄関『外は暴風雨やで!! 看板が吹っ飛ぶレベルや!!』


扶桑「」

山城「」


長門「なんだ2人とも、出掛けるのか? 今日はこの近辺、局地的大豪雨らしいぞ」

山城「今日の朝まであんなに晴れてたじゃないの!!」

大淀「何故か今日だけ大荒れなんですよ。各観測台も、平均を大きく外した値を送ってきてます」

扶桑「おかしいわね、天気予報で晴れの日に休暇を申請したのに」

大淀「突然低気圧が発生したそうです。外に出るのは危ないですよ」

山城「冗談じゃないわ不幸だわ!! せっかくお休み取ったのに!!」


長門「それなら、私の車でモールまで送ろう。出かけられないよりはいいだろう」

扶桑「まあ、いいんですか? ありがとうございます」

長門「同じ戦艦のよしみだ、息を抜くときは抜かねばな」

大淀「気を付けて下さいねー」


長門「――随分強くなってきたな。帰りは電話してくれれば迎えに行くから」

山城「帰りもいいの? 迷惑かけるわね」

長門「なに、気にするな……おや?」

扶桑「どうされました?」


ペダル『いきなり重くなったで!! シフトレバーもカクカクや!!』


長門「……いかん、クラッチがおかしい。故障だ」

扶桑「」

山城「」


山城「こ、故障って」

長門「妙だな、明石に整備して貰ったばかりなのだが」

山城「やっぱり私のせいよ……不幸だわ」

扶桑「山城、その口癖は直さないと、本当に不幸になっちゃうわよ」

長門「すまんが、長く走れそうにないな」

扶桑「では、近くの駅までお願いします……」

長門「うむ」


扶桑「駅も、誰もいないみたいね……」

山城「やっぱり日を改めた方が良かったかもぉ」シクシク

扶桑「諦めちゃ駄目よ、山城。ここまで出てきたんだから、何としてもたどり着いてみせまs」


電車『海沿いは危険や!! 少しの強風ですぐ止まるで!!』

バス『自治体から大型車は危険って言われたやで~』


扶桑「」

山城「」


扶桑「そうよね……こんな日に公共交通が動いてるわけ無かったわ……」

山城「いえ、まだまだです。タクシーは動いてるみたいですから、これで……あら?」


2人のバッグ『底に大穴や!! 財布も携帯も鎮守府に落として来たで!!』


扶桑「…………」

山城「…………」


「「長門助けてえええええええええ!!!!」」


扶桑「」ブルブル

山城「はっくしゅん!!」ガタガタ

陸奥「ちょっと大丈夫? この時期に風邪ひいたら結構つらいわよ」

長門「風呂湧いたぞ、2人で入ってこい。着替えは持ってきておくから」

扶桑「ありがとう……行ってくるわ……」

山城「ごめんなさい姉さま、無理に出ようとしなければ……」

扶桑「いいのよ、私だって行きたかったもの……」

山城「姉さまぁ!!」ブワッ

長門「いいから早く行け。ほら、タオルとシャンプーとヘアゴム。あと私物だが入浴剤だ、あったまるぞ」

陸奥「あら気が利く。我が姉は相変わらずイケメンねー」

長門「……せめてイケジョと呼んでくれよ」




<お題:財布なくした!>

乙です



幕間4 ~家族がいる幸せ~


加賀「……今日は休日だけれど……朝から大嵐とは気が滅入るわね」

瑞鶴「これじゃどこにも出れそうにないわねー」

提督「まあ、今日はほとんど開店休業だな。遠征も取りやめにしとこう、駆逐には辛いし」

瑞鶴(悪天候とはいえ、こんな自由に休みにしちゃって……軍としていいのかな)


加賀「提督、何か暇つぶしになるようなものはありませんか」

提督「そうだな、映画でも見るか? ちょうど借りてきたのがいくつか……」

瑞鶴「おー、いいわね。提督さんのおすすめって気になるわ」


提督「そうだな。嵐と言えば……これとかどうだ、嵐を呼ぶ ○ッパレ! 戦国大合せイテテテテテテ!!!!」

瑞鶴「私たちをバカにしてるのかしら?」アイアンクロー

提督「っつう……この名作を知らないのか? 時代も流れたもんだ」

加賀「それは確か、5歳児が臀部丸出しで踊っている漫画ではありませんでしたか」

提督「……間違ってはいないが、その言い方では悪意しか伝わらないぞ。あとこれはアニメね」

瑞鶴「そんなのを薦めるなんて提督さんも墜ちたものね!! お母さんの相手としての資質も怪しいもんだわ!!」

提督「そこまで言うか。こんなことで愛を疑われちゃたまらんな」


提督「まあ、何も言わずに見てみないか。嘘や冗談じゃなく、自信を持って薦められる作品だから」

加賀「……提督がそう仰るなら」

瑞鶴「えー、もっと洋画とか見たかったのに」

提督「見て良かったと思ってもらえると思うよ? 気に入らなかったら他のをまた貸すから」

瑞鶴「アニメでそんな感動するとか思わないけどねー」

加賀「じゃあ、私の部屋で見てみましょう」

提督「後で感想聞かせてくれな」


瑞鶴「提督さんは自信ありげだったけど」

加賀「好きなものを人に薦めるときは、皆そういうものよ……はい、ポップコーンとコーラとホットドッグね」

瑞鶴「本格派ねー加賀さん。ありがと」

加賀「始めましょう」



――オナジユメヲ、オナジジカンニミルクライ――

――コノセカイニハナ、ミブントイウモノガアッテ――


瑞鶴「タイムスリップ物か」

加賀「お姫様と侍の恋愛、難しいわね」


――シンノスケノイナイセカイニ、ミレンナンテアルカ――

――センゴクジダイデモドコヘデモ、イッテヤロウジャナイノ――


瑞鶴「いい家族ねぇ」

加賀「…………」


――ミナ、オサナイコロヨリシッテイルカオバカリダナ――

――ギニヨッテ スケダチイタス――

――オマエ、ニゲルノカ――


瑞鶴「…………」

加賀「(ぐ、く……)」 ←タオル噛んでる


――オマエノイウトオリ、サイゴニ、ソレヲツカワナイデヨカッタ――

――オイ、アオゾラザムライ――



瑞鶴「……ふー、良かったわ……正直ちょっとなめてたわね、ねえ加賀さん?」

加賀「ふぐっ、うう……ぐっ、ひぐっ、グスッ……」

瑞鶴「…………」

瑞鶴「そういえば結構涙もろかったわね」サスサス


加賀「ありがとうございました提督、良かったです」キリッ

瑞鶴「…………」

提督「そうかそうか、それは何より」

加賀「他にもシリーズがあるのですか?」

提督「うん、色々評価が分かれてるけど」

瑞鶴「でしょうね。いい話ばっかりなら、親御さんに色々言われてないでしょうし」


瑞鶴「ちょっと調べたけど、さっきのやつの1個前も感動ものらしいじゃない?」

提督「確かに、私はボロボロ泣いたけど。……扱ってる時代とか話題が複雑なんだよね、君たち世代にとっては」

加賀「私が見て判断します、見ましょう」フンスッ

瑞鶴(隠してるつもりなのかそうじゃないのか)

提督「そうか。それじゃ、せっかくだから鳳翔と一緒に見ようか?」

瑞鶴「そうね、私呼んで来るわ」



――トウチャン、オラガワカル?――


加賀「おうっ、うぐっ……ぐす、ひくっ、ううう……」プルプル

瑞鶴「……大丈夫? 加賀さん」サスサス

加賀「だ、だいじょうぶ……ふううっ……」


――カゾクノイルシアワセヲ、アンタタチニモワケテヤリタイクライダゼ――


提督「やはり、この映画は大人になってからだと全然印象が違うな」

鳳翔「家族のために働くお父さんは、本当に格好いいですね」



――アノネ オカアサン オボエテル?――


加賀「ううっ、ぐすっ、おかあさん、おかあさん……」

鳳翔「よしよし、感動して泣くことはとってもいいことですからね。加賀ちゃんは純粋で優しい子ね」ナデナデ

瑞鶴「……えーい」ガバッ

鳳翔「瑞鶴ちゃん?」

瑞鶴「私も私も、ね?」

鳳翔「はいはい」ナデナデ

加賀「……ぐすん」


提督(……家族か)

提督(蒼龍に話したこともあるし、自分も甘い考えではいられないな)

鳳翔「あなたあなた。こっちに来て、私も撫でて下さい。ねっ?」

提督「まったく……母性から、いきなり可愛くなるのは反則だろう」




<お題:鳳翔に甘える(瑞加賀編)>


お題ありがとうございました。なんとか昔に頂いたものを消化。12さん、まだ見て頂けていたら本当にすみません……

以降の予定ですが、幕間用小ネタと同時並行で第3話を考えたいです。
色々レスのあった勘違い系はちょっと長めにした方が面白そうなので、第3話でやります。
水着とかレスがいくつかあったので、舞台は何処かの海にしようかと思ってます。

ゆっくりお付き合い頂けますと幸いです。
それではまたお題や希望がありましたら、よろしくお願い致します。

乙乙。見てるよ>12
どうあがいても不幸であった。提督鳳翔と絡んでないという点でも

乙!甘える鳳翔さんは卑怯(確信
空母寮の朝は…難しいかな…?
回想とかで一瞬で触れるとかでもいいんだがな…

戦国大合戦は泣きまくったの今でも覚えてるわあ…オトナ帝国はあの時は良さがよくわからなかったんだけど、今見るとまた変わるものなのかな


お疲れ様です、短編投下です。短編の割にちょっと長め。

>>320,333
レスありがとうございます! すぐもらえるととても嬉しいです

>>331
うおっ、マジですか! 2か月近くもお付き合い頂いてすごい嬉しいです……
自分も正直気になりましたが……イケメン長門を代わりに……

>>332
甘える飛龍が最後に残ったので、そこに入れようかなと。
成長してるからこそ楽しめる良い映画だと思いますよ! 少なくとも自分はガチ泣きでした



幕間5 ~教えて鳳翔先生~


翔鶴「蒼龍先輩、私思ったんですけど」

蒼龍「うん? どしたのいきなり」

翔鶴「提督はお母さんの、どのあたりが好きになったんでしょうね?」

蒼龍「そういえば聞いたことなかったなぁ」

翔鶴「私は比較的、ここへ来るのが後の方になったので。
蒼龍先輩なら、提督やお母さんをよく見ていらっしゃったんじゃないかと」

蒼龍「ううーん、多分、何処が好きって答えられない気がする」

翔鶴「というと?」

蒼龍「全部だよ全部。私から見ても、お母さんあらゆるところで隙がないもの」

翔鶴「……隙がないのが好k」

蒼龍「言わせないわよ」


翔鶴「思ったのはですね。お母さんをよーく見てみれば、提督に振り向いてもらえるヒントがわかるんじゃないかと」

蒼龍「そうかなー? 私たちがお母さんの真似しても意味ないんじゃないの。別な魅力で勝負すれば……」

翔鶴「それはわかるんですけど。艦載機の扱いはもちろん、
お料理とかの家事も負けてるって、空母としても女性としてもどうかなって思いません?」

蒼龍「……確かにそうかも。私もお料理は練習してるけど、お母さんと比べたらなぁ」

翔鶴「しかも、最近お母さんはオシャレも勉強なさってるんですよ。飛龍先輩や瑞鶴が色々教えてるんです」

蒼龍「本当に勝ち目無くなっちゃうね、今のうちにどうにかしないと」

翔鶴「それじゃ、こっそりお母さんを観察してみましょう。どこかしら隙があるかも……」






摩耶「――カスタードはこんな感じで良いのか?」

鳳翔「そうですね、もう少し混ぜた方がいいと思います……薄力粉はふるっておいたので、これ使って下さい」

摩耶「おう、サンキュー」

那智「……なぜ私まで手伝ってるんだ?」

摩耶「この間のパーティの準備で、色々言ってくれた礼だ。
もうお前にはばれてるってわかったから、色々利用させてもらうぜ」

那智「まったくもう……生地出来たぞ。これでいいか」

鳳翔「ええ、よく出来てますね。タルトレットなので、この小さい型に詰めて下さい」

那智「ああ、わかった」


那智「――しかしな、どうして突然菓子作りなんだ?」

摩耶「あー、それはな……普段食べる甘味と言えば、缶詰が多いだろ?」

那智「そうだな、酒保にはそれくらいしかないが」

摩耶「それに原材料も高めだから、いつも間宮に行けるわけじゃなし」

鳳翔「そうですね、駆逐ちゃんたちもあんまり行けませんね。缶詰は単調な味で物足りないかも」

摩耶「それでも喜んで食べてるのを見てると、その……もっと美味しく食べられねーかって、そう思ったんだよ」


那智「…………」

摩耶「なんだよその顔は!! アタシが菓子作りなんてガラじゃないのは自分が一番わかってるよ!!」

鳳翔「ふふっ、そんなことありませんよ。ねえ?」

那智「ああ。ちょっとお前の思いやりに感動しただけだ、気にするなよ」

摩耶「ふん、どうだか……出来あがってもあんまり食えねーぞ、チビ共優先だからな!!」

那智「はは、わかったわかった」

鳳翔「あ、今日は演習があるので。その子たちの分は私が持って行きますね」

摩耶「そうか、よろしく頼む」

鳳翔「ちゃんと、摩耶さんが作ってくれたって言っておきますからね。うふふ」

摩耶「い、いいよ別に……」


蒼龍「…………」[壁]д・)

翔鶴「…………」[壁]д・)

蒼龍「あれ、おかしいな……この鎮守府、女子力高めじゃない?」

翔鶴「摩耶さんは最古参の1人ですからね、お母さんにも色々教えてもらってるみたいですし」

蒼龍「参ったな、私ももっとお料理頑張らなきゃ」

翔鶴「流石に誰かに教えるほど、まだ上手くありませんからね……」






鳳翔「今さら言う必要も、ないかと思いますが――」

鳳翔「駆逐艦は装甲も薄いうえ、艦1隻の火力では航空機への対処は困難です」

鳳翔「――吹雪ちゃん、私が一番最初に教えたこと、覚えていますね?」

吹雪「はいっ! 僚艦との連携です!」

鳳翔「よろしい。対空砲火の密度は、陣形と僚艦との位置取りに大きく影響を受けます」

鳳翔「――叢雲ちゃん。当鎮守府の駆逐艦で、機銃よりも高角砲を優先装備している理由は?」

叢雲「はいっ! 機動部隊の護衛として、個艦よりも大型艦の防空を重視するためです!」

鳳翔「よろしい。ただし重視とは、身を呈してでもと言っているのではありません。
敵機の投弾を、最小限にするための戦術を磨くということです……」


鳳翔「――満潮ちゃん。初期装備である12.7cm連装砲から、
現在主装備である10cm連装高角砲に換装した際の、一番大きな違いはなんでしたか?」

満潮「はいっ! 対空戦闘用に、仰角を大きく取れるようになったことです!」

鳳翔「よろしい。その通りです……しかし、換装の際は皆さん、新しい主砲の扱いに、随分苦労しましたよね?」

鳳翔「――雪風ちゃん、その理由はわかりますか?」

雪風「はいっ!! わかりません!!」

鳳翔「よろし……ごほん」


鳳翔「……あの戦争での高角砲は、秋月型以前の駆逐艦には装備されていなかったのです。
つまり吹雪型、朝潮型、陽炎型である皆さんは、元々の艦の記憶によって装備を扱うのが難しい、ということです」

鳳翔「もちろんこれだけが理由である、というわけではありませんが、自分の命を預ける艤装と兵装をよく理解し……」

鳳翔「訓練を繰り返して、装備の習熟を行うことが大事なのです。わかりましたね?」

「「「はい!!」」」

鳳翔「本日の訓練は、輪形陣の中心に配置した正規空母の護衛です。評価は個艦でなく、護衛対象の損害状態で行います」

鳳翔「指揮は瑞鶴ちゃん、貴女が執るように。いいですね?」

瑞鶴「はいっ!」


鳳翔「正規空母が大破するか、私の攻撃を3回しのいだ時点で訓練は終了です――では、配置について」

「「「了解!!」」」


鳳翔「――ああ、言い忘れてましたが」

鳳翔「演習用魚雷の中に、1発だけ実弾を混ぜています。危ないので本気で避けるように」

「「「…………」」」

鳳翔「うふふ」


瑞鶴(実弾って……そんなことするわけないのに。最近のお母さん茶目っ気多いな)

吹雪(あ、最初期の鬼教官モードだ……あの頃は訓練の後よく吐いたなぁ)トオイメ

叢雲(いくら鍛錬積んで改二になっても、私たちのしごきは全然変わらないわね)トオイメ

満潮「……雪風、魚雷受けてくれない? あんたならどうせ全部不発でしょ」

雪風「え? 敵の魚雷って当たるものなんですか?」



蒼龍「…………」←双眼鏡

翔鶴「…………」←双眼鏡

蒼龍「相変わらずハードな訓練してるなぁ。どう翔鶴、勝てそう?」

翔鶴「絶対無理です……おかしいですよ、あの動き。どんな妖精さんが操縦してるんでしょう」

蒼龍「妙だよねぇ。お母さんの主力戦闘機は九六式艦戦、たまに零戦21型だけど」

翔鶴「烈風改を使っている赤城先輩、烈風601空の加賀先輩の、お2人合わせてようやく優勢だと仰ってました」


蒼龍「妖精さんとの信頼関係の差なのかなー。私も負けてないと思うんだけど」

翔鶴「ちょっと自信なくしそうです」

蒼龍「翔鶴は十分優秀だからね? 比較対象がぶっとんでるだけで」



『――わずか1回の攻撃で、旗艦含む4隻大破とは……』

『弛み過ぎです!! 演習海域を隊列維持のまま、之字航行で20往復!!』

『『『エー!?!?』』』

―― イマモンクイッタコハ 50オウフク!!

―― ヒェエーー!!!!






翔鶴「結局、お母さんの優秀さを再確認しただけでしたね……」

蒼龍「うん……ホントに、女として敵う所あるのかなって思うよね……」

鳳翔「――あら、私は、貴女たちから学ぶことがいっぱいあるんですよ?」

翔鶴「あ、お母さん! 演習お疲れ様です」

蒼龍「学ぶことって何かな?」

鳳翔「例えば翔鶴ちゃんは、明るいお洋服とか、アクセサリーがよく似合うわよね。
あまり詳しくない私から見ても、健康的でとっても可愛いと思うわ」

鳳翔「お洋服のセンスは勉強したいと思ってるの。今度一緒にお買い物、連れて行ってくれないかしら?」

翔鶴「は、はいっ!! もちろんです、お母さん!!」


蒼龍「ねえねえお母さん、私は私は!?」

鳳翔「そうね、蒼龍ちゃんはいつもすごく元気よね。貴女の笑顔は、鎮守府の皆を元気にしてくれるわ」

鳳翔「それに、いつもうらやましく思っているの。貴女のその、まっすぐで積極的な性格がね」

蒼龍「えへへ、そうかなぁ~」

鳳翔「ええ。……それで、貴女に聞きたいことがあったの」

蒼龍「なになに、何でも聞いて!!」


鳳翔「この間、まっすぐ積極的に……あの人をデートに誘ったわよね」肩ガシッ

蒼龍「」


鳳翔「ねえ、何話したの? 怒らないから言ってみて。さあ、さあ」

翔鶴(ホントに怒らないならそんなこと言いませんよ)

蒼龍「いやー、あれはその……ほら、提督がまだ内緒って言ってたじゃん……」

鳳翔「……あの人がそう言ったことを何故知ってるの?」


鳳翔「……はっ、まさか口裏を合わせて、あんなことやこんなことを!! 白状しなさいっ!!」首ガクガク

蒼龍「そ、そんなことしてたらもっと喜んでるよぉ~……」

翔鶴「ほらほら、落ち着いて下さい。演習後の皆のために、ご飯作りませんと。ね?」


翔鶴(……やっぱり私、お母さんも提督も好きなんですよね)

翔鶴(相思相愛で羨ましいですけど、まだまだ負けませんからね!)




<お題:無双、鳳翔に甘える(蒼龍、翔鶴編)>


次に飛龍編で、その後第3話の予定です。
それでは、またよろしくお願い致します。


お疲れ様です、飛龍編投下です。
前スレのおまけ10の話から派生してます、時系列がちょっと前なので一応ご注意下さい。

乙レスありがとうございますー



幕間6 ~ずっとみんなで~


飛龍「…………」

瑞鶴「ん……ふぁー……あれ、飛龍さん? 早いわね」

飛龍「おはよう瑞鶴。まだ早いから寝てていいよ?」

瑞鶴「お母さんが心配でぐっすり眠れなくて……飛龍さんこそ、こんな早くにどうしたの?」

飛龍「瑞鶴といっしょ。寝る前に明石さんの話聞いたら、変な夢見ちゃって」

瑞鶴「変な夢?」

飛龍「ほら、原因はMI作戦かもって言われたじゃない。そしたら私も、イヤな記憶が夢に出てきたみたいでね」


瑞鶴「……あんまり深く聞かない方がいいですよね?」

飛龍「ああ、ごめんごめん。言い方が悪かったわね」

瑞鶴「仕方ありませんよ。私は実際に見たことないけど、記録を見れば大体は想像が……」

飛龍「それは瑞鶴も一緒でしょ。時間と場所が違っても、あの戦争は本当にひどかったわね」

瑞鶴「そうねえ……この中で最後まで残ったのは私だったけど、辛い思いをしたのは皆一緒よね」


飛龍「さっきの夢はね、私が沈むほんのちょっと前に、味方の飛行機が来たっていうところだったの」

瑞鶴「……もしかして、写真の?」

飛龍「うん。私の最期の」


瑞鶴「史料で見たけど、あれを撮ったのって確か……」

飛龍「そ。『鳳翔』の艦載機」

瑞鶴「そうか……お母さんも後方に居たのよね」

飛龍「どんな気持ちだったのかな。あのときは、もう私以外の3人は……」

瑞鶴「絶対聞けませんけどね」

飛龍「そうね、うん。わかってる」


赤城「…………」

加賀「……すぅ」

蒼龍「うーん……」

翔鶴「くぅ……」


瑞鶴「なんとなく、全員同じ部屋で寝ちゃったわね」

飛龍「……お母さんがああなって、皆一人で寝るのが怖かったのね」

瑞鶴「それじゃ私、もうちょっと寝ますけど……飛龍さんどうします?」

飛龍「そうね、もう起きようかな。ちょっと散歩してくるよ」



飛龍「――んー、今日もいい天気……」

飛龍「そろそろ提督も起きてくる頃かな? 上手くいってると良いんだけど」

飛龍「それにしても、MI作戦か……いつまでも、私たちやお母さんを縛り付けてるのね」

飛龍「……お母さんは、どんな夢見てたんだろ?」


『――赤城、加賀、蒼龍の飛行甲板が――』

『――我、これより航空戦の指揮を――』

『――味方機――手を振れ――』


飛龍「――っ!」


飛龍(いやだよぉ、せっかく皆でまた会えたのに……お母さんがいないなんて)

飛龍「そんなの意味ないよお母さん!!」


「何がかしら?」

飛龍「えっ――」


鳳翔「随分早いのね、まだ陽が出たばっかりなのに」

飛龍「おかあ、さん……」

鳳翔「あの人にね、お仕事の前に貴女たちのところへ……あら、どうしたの!?」

飛龍「……あ、あれ、おかしいな……えへへ、ほっとしたら涙が」

鳳翔「大丈夫? 怖い夢でも見たの?」

飛龍「夢……うん、そうなの」

鳳翔「しっかり者の飛龍ちゃんが珍しいわね」

飛龍「そんなことないよ……ありがとう、もう大丈夫だよ。行こう」


鳳翔「どんな夢だったのかしら」

飛龍「あのね、赤城さんたちやお母さんと、皆離ればなれになっちゃうの」

鳳翔「……」

飛龍「あの戦争での記憶と……艦娘になった後の記憶がごちゃ混ぜになったような……」

鳳翔「そう……嫌な夢ね」

鳳翔「でも心配ありませんよ。あのときと違って今は、私もあの子たちも、皆ここにいますから」

飛龍「……うん! ――ほら、ここだよ」

鳳翔「――あら、どうしたの? 皆一緒の部屋で……しかも、5人寄り添って寝てるなんて」

飛龍(あれ、お母さん覚えてない?)


飛龍「……昨日遅くまで話してたからね。部屋に戻らないで寝ちゃったのよ」

鳳翔「あらそう。あまり夜更かしはいけませんよ?」

飛龍「ふふ、気を付ける……ほら皆、起きて! 起きてってば!!」

赤城「うーん……もう朝なの?」

加賀「まだ暗いじゃないの……」

鳳翔「ああ、そんな、寝てるなら起こさなくても――」


瑞鶴「……えっ、お母さん?」

翔鶴「お母さん、目が覚めたんですね!!」

蒼龍「良かった、お母さん!!」

鳳翔「あ、あらあら……どうしたの、皆……?」

「「「うわああああああああん!!!!」」」

鳳翔「??? ちょ、ちょっと……?」


鳳翔(……皆で怖い夢でも見てたのかしら?)

「「「おかあさああああああん!!!!」」」

鳳翔「よしよし、大丈夫ですよ。私も貴女たちも、ちゃんと一緒に居ますからね」


鳳翔「……ふふっ、まだまだ子供なんですから」




<お題:空母寮の朝、鳳翔に甘える(飛龍編)>


お題ありがとうございました。
第2.1話での、飛龍の想いの補足が出来て割と良かったかなと。

そろそろこの鎮守府が何処なのか、決める必要があるかも……
1度設定整理して考えようと思っています。前前スレの設定とかほぼサビついてる感が

次回は第3話冒頭になると思います。水着回。
展開の希望やお題も出来る限り頑張りますので、よろしければ書き込みお願い致します。

乙乙
横鎮、呉鎮、舞鎮、佐世鎮
このあたりが王道じゃね

>>369
呉は前スレの兼ね合いで使えないかな…

スク水鳳翔さん…
いやすまん、忘れてくれ

ふと思ったが、龍田と鳳翔の絡みって見ないよな

性格的に合わせづらいのか

「鎮守府の夜」とか?
広いテーマだけど色々思い浮かぶと思って、、、
お願いします!


お疲れ様です、またこんなに空けてしまってすみません……
短編と3話冒頭ですが、短編は設定の整理と修正です。

それから幕間4で書いたセリフですが、恥ずかしい間違いをしていました。
BGMで泣くほど大好きな映画なのになんてこった。

投下後に色々細かく書きます。



幕間7 ~趣味も真面目に艦隊旗艦~


長門「遺憾の意を表明するぞ」

提督「なんだ、どうしたんだ」

長門「提督たちが先日見ていた、映画のことだ」

瑞鶴「あー、お母さんと加賀さんと一緒に見てたやつね」

長門「うむ。加賀が大泣きしながら歩いているのを見て、私も久々に見たくなってな」

提督「久々? 長門もあれ、見たことあったのか」

長門「当然だ。陸奥と一緒に映画館で見た」

瑞鶴(……あれ? いつの映画だったっけ)


長門「それで昨日、私のビデオを再生しようとしたら、磁気が吹っ飛んで使い物にならなくなっていたのだ」

提督「あー、多分私のもそうだろうな。捨てるに捨てられないんだが」

長門「ぶいえいちえすは思ったより保管が難しい」

提督「うん。当時のCMとか見るのも楽しいんだけどな」

長門「結局見損ねたのだ。貸してくれ提督」

提督「わかった、後で持って行くよ」

瑞鶴(VHSって何かしら?)


長門「何が遺憾かと言うと、あの名言を間違って覚えている輩が多すぎるのだ」

瑞鶴「名言って?」

長門「色々ある。特に間違いが多いのは、エレベーターをこじあける所」

長門「家族がいる幸せを、あんた達にもわけてあげたいくらいだぜ……だ」

提督「わけてやりたいくらいさ……じゃなかったっけ」

長門「それだよ提督。名言で検索すると、その間違った台詞が上位に出てきてしまうのだ」

提督「へえ。皆間違えて覚えちゃってるのか」

長門「家族のいる……とか、お前達にも……という間違いも多い」

瑞鶴「こまかっ!! 別にいいじゃないの、意味が伝われば」

長門「何を言うおろかもの。間違ったまま覚えてどうする」

提督「この辺性格が出るな」


長門「話は変わるがな瑞鶴。最近、加賀と一緒に居ることが多いな」

瑞鶴「ああ、そう言われれば、そうかしら?」

長門「その、2人は……恋仲なのか」

瑞鶴「…………」


瑞鶴「えー……どーしてそうなんのよ」

長門「いやな、2人で出掛けたり同じ部屋で寝たり、随分仲が良いようだから……」

瑞鶴「あのね、仲良しと恋仲は別物でしょ。長門さんだって、仲の良い子のお部屋に泊まったりとかするでしょ」

瑞鶴「お買物だってそうよ。女の子どうしが出掛けるのなんて普通じゃない」

長門「うむ……」

瑞鶴「恋仲まではいかないと思うわよ。ただの先輩後輩よりはちょーっと深い仲かもだけど」


瑞鶴「……まあ? 私も、加賀さんとは着任当時は色々あったけどぉ? 今はちゃんと認めてもらえてるしぃ?」

瑞鶴「頑張れば頑張るほど褒めてくれるしぃ? もっと仲良くなれれば嬉しいかなー、とか……」


瑞鶴「って何言わせんのよ!!」

長門「あ、ああ。すまん」

提督「前に、加賀とのデートが潰れたってぶーたれたこと無かったか?」

瑞鶴「別にお出掛けをデートって言ってもいいじゃないの」

提督「そうなのか? ……若い子の感性はちょっとわからないんだが」

瑞鶴「提督さんはそれでいいのよ。お母さんと合ってるから」


鳳翔「失礼します、あなt……提督、お茶ですよ」

瑞鶴「あら、噂をすれば」

提督「ありがとう、鳳翔」

鳳翔「はい、長門さんと瑞鶴ちゃんも」

長門「すまない……なあ鳳翔」

鳳翔「はい、なんでしょう」

長門「お前の夢は、なんだったかな」

鳳翔「そうですねぇ、いつか2人で、小さなお店でも……」


鳳翔「……?」

瑞鶴「…………」

提督「……鳳翔」

鳳翔「…………////」

鳳翔「いきなり何なんですかっ、もう!!」

長門「すまんすまん、なんとなくだ。最近、戦いとは別のことも考える余裕が出てきてな」

鳳翔「なんとなくでそんな大事なこと言わせないで下さい!!」

瑞鶴「かわいい~。大事なことだって、提督さん」

提督「あ、ああ……」

鳳翔「もうっ、2人とも!!」


提督「……ちょうど良かった。鎮守府の家事の当番を、そろそろ見直す必要があると思っていたんだ」

鳳翔「ああ、そういえば。間宮さんと伊良湖ちゃんが来て、そろそろ3か月……」

瑞鶴「そっか。次は呉に行くのよね」

長門「食事当番か。鳳翔1人では大変だからな」

鳳翔「演習や出撃が無い子に、お手伝いしてもらえると助かるのですが」

提督「そうだね。余裕がありそうな時に当番に入るよう伝えておくよ」

鳳翔「お願いします」


提督「それから、ちょっと先だが横須賀に出張が入った。各地の戦況の確認と、E海域の情報収集だな」

鳳翔「出張ですか。他の鎮守府の方も一緒ですか?」

提督「ああ、確か……国内にいる司令官は集まるそうだよ。次のE海域の場所によっては、その付近の提督は集まれないだろうけど」

瑞鶴「ここ留守にするの? どれくらいかかるのかな」

長門「少なくとも泊りだろう、前回は……5日かかったか?」

提督「あの時はMI作戦の発動で、全泊地の司令官が集まったからな。規模が大きいほど長くかかるだろう」

提督「まだ決定ではないけど、鳳翔と赤城……戦艦の誰かは連れて行くことになるだろうな」

鳳翔「留守はお願いね、瑞鶴ちゃん」

瑞鶴「この3人がいなくなっちゃうと大変ねー」


提督「まあ、鎮守府の仕事は調整しておくから。長門はとりあえず知っておいてもらえればいいよ」

長門「了解だ、戦艦組には言っておく」

長門「……それはそれとして、あれを貸してくれ」

提督「わかったわかった。後で部屋に持ってくから」

長門「では失礼するぞ」

瑞鶴「私も~」

瑞鶴「――長門さん映画好きだったの? 何かおすすめ貸してよ」

長門「ああ、いいぞ。好みが合うかわからんがな」

瑞鶴「一番好きなのは?」

長門「……スター○ォーズだ」

瑞鶴「あ、それ見たわよ。真っ赤な顔して、両刃のライトセーバー使うやつ」

長門「私が好きなのはエピソード6のラストだ。まったく最近の若い者は、新三部作だけで……」ブツブツ


―― バタン


提督「……君の夢、しっかり聞いたことがなかったけど」

鳳翔「あ、あれは、その……忘れて下さい……」

提督「無理だなぁ」

鳳翔「私だけ、戦いが終わった後のことを考えてるような……他の方に申し訳ないので」

提督(意外とそうでもないんだけどね)

鳳翔「……でも、もし」

鳳翔「皆無事に、戦いを終わらせることが出来たら、その……」

提督「うん、その夢を叶えよう。約束だ」

鳳翔「……はい、ありがとうございます、あなた!」




>>369
ひとまず舞鶴で行ってみます。その他の鎮守府も出していきたいので。

>>375
それは皆さんの心の中にあります。あと渋。

>>376
言い出しっぺの(ry
多分横須賀あたりに所属してそうな気がしますね。これから出したいです

>>377
了解しました。大きいテーマは自由度高くて、面白く仕上げられるか不安ですが……気長にお付き合いください

>>370,378
ありがとうございます、前スレまで遡って下さるとは。嬉しいです。



第3話 ~強襲の機動部隊~


蒼龍「なつやすみー!!」

飛龍「あついんだよー!!」

瑞鶴「どっかつれてけー!!」


提督「ええい、やかましい!! 何だ一体!!」

翔鶴「す、すみません提督。最近出撃もないので、気が抜けてるようで」

鳳翔「加えて、この蒸し暑さですから。ちょっとストレスが溜まってるんですよ」

提督「確かに辛い季節だけどな……」

赤城「別に特別なことしなくてもいいんじゃないですか? みんなで近くの海に遊びに行くとか」

鳳翔「貴女たち、夏は苦手だったんじゃ……」


提督「しょうがない。明日から3日間休みにするか」

瑞鶴「やったぁ!! 泳ぐわよー!!」

加賀「…………」


加賀(こんなに遊び呆けてて、なぜ鎮守府が維持できているのかしら……?)

赤城「加賀さんも暑いでしょ? 泳ぎたいですよね」

加賀「いえ、私は結構です。皆で行ってきて下さい」

赤城「えー、行きましょうよー」

加賀「結構と言いました」スタスタ

赤城「ああ、ちょっと!! 怒らないで下さいよ」


陸奥「失礼するわよ提督。明日の演習……って、何の騒ぎ?」

提督「おお、いいタイミングだ陸奥。後で知らせに行こうと思ってたんだ」

陸奥「どうしたのよ」

提督「明日から鎮守府は夏休みな」

陸奥「あーはいはい、お休みね」

陸奥「…………」

陸奥「ってちょっとお!! いつ決まったのよ!?」

提督「さっきだ。決めたのは私」


鳳翔「すみませんねぇ、ご迷惑お掛けして」

陸奥「ああ、いや別に迷惑ってわけじゃ」


陸奥「それにしてもどれだけテキトーな組織なのよ。いいの?」

提督「命掛けて戦ってるんだ。これくらい普通だろ」

陸奥「随分偏った普通ね……」

提督「いいんだよ。鎮守府は司令長官の性格が色濃く反映されるから」

陸奥「他の鎮守府は休み取れてるのかしら」

提督「多分ね。休みなしじゃ流石に艦娘が黙ってないだろうし」


陸奥「全員一緒に休みじゃないでしょうね?」

提督「勿論、哨戒は休めない。第1から第4艦隊までは日程をずらすよ」

陸奥「明日からの演習はどうするの?」

提督「これまで色々なところとやってきたんだ。そろそろ休んでも罰は当たらないだろ」

陸奥「どっちにしろ正規空母が休むなら、あんまり意味ないけどね」

提督「表立って夏休みというわけにもいかないからな。それらしい言い訳を考えとくか」

陸奥「……貴方も相当6人娘に毒されてきたわよね」

提督「最初からこんな感じだったろ?」

陸奥「本人が気付かないから毒なのよ」


鳳翔「海水浴ですか、お弁当作らなくちゃ」

鳳翔「……あれ、海?」

瑞鶴「翔鶴姉、新しい水着買いに行こうよ!!」

翔鶴「え、わ、私はいいわよ、去年ので……」

蒼龍「私も買いに行こうかなー、提督に見せるんだし! 飛龍は?」

飛龍「うーん、そうね、私も……」

飛龍(あ、お母さん)



鳳翔「…………」

鳳翔(水着なんて持ってませんよ!?)

鳳翔(ど、どうしましょう、どうしましょう……)オロオロ


飛龍(……私が全部口出さない方がいいかな?)


鳳翔「……あの子たちに連れて行ってもらう?」

鳳翔「だ、ダメよダメよ!!」

鳳翔「またあんな胸空きセーターみたいな、破廉恥なの選ばれちゃったりするわ」


鳳翔「……じゃあ、自分で買いに行く?」

鳳翔「でも私、一人でお洋服も買ったことないのに水着なんて……」

鳳翔「……いいえ」

鳳翔「いつまでも娘に頼るって訳にもいきませんっ!」


鳳翔「あなた!! ちょっと出掛けてきます!!」


提督「あ、ああわかった。気を付けて……何買いに行くんだ?」

鳳翔「私のみz……いえ、明日わかります!!」

提督「! ……私も一緒に行こうか?」

鳳翔「え、本当ですか?」パァッ


鳳翔「――って、ダメです!! これは私一人じゃないとダメなんですううう……」ダダダダッ


―― バタァン!!


提督「…………」

提督「……かわいい」

提督「ああ楽しみだなあチクショウ!!」

陸奥「いや貴方は明日仕事でしょ」


今回はここまでです。
夏ボイス、二航戦はどうした。そして加賀さんツンツン過ぎだ。

展開の希望などありましたら、また書き込みお願い致します。


設定についてちょっと書きますが、飛ばしても問題ないです。


前々スレでは、自分のサーバであるリンガのつもりで書き始めました。
書いてるうちに、この設定に愛着がわいて長く続きましたが、リンガって周り何もないんですよね……

というわけで話を進める上で便利な、舞鶴鎮守府の設定にしてみます。
これまでの3つのスレで曖昧に書いてた点と間違いを訂正です。

以下、自問自答。

・瑞加賀は友達以上恋人未満。この言葉便利

・鳳翔が現役なのに店をやってるのは色々とおかしい、ので食堂に入ってるだけに訂正です。前々スレで1行しか出てないけど。

・前スレで、鳳翔が工廠で目覚めたことに疑問持ってないのおかしくね? 

 →部屋から工廠に運ばれた経緯を覚えてないはず、なのでおかしいですごめんなさい。

・多門丸(>>85)じゃなくて多聞丸だよね

 → >>168 では気付いたので直しました。怒られますね。

・お化け屋敷にこんにゃくって衛生的にどうよ

 →投稿してから気付きました、ダメですよね。多分ジェル状の何かだ。

・瑞鶴が呼ぶ時は『提督さん』だって言ってるだろ!! いい加減に(ry (>>54

 →し、執務室爆撃の時は呼び捨てだし……きっと昂ったり焦ったりするとそうなるんだし……
  前々スレで散々間違えたのでこれから気をつけます、はい。



それでは、またよろしくお願い致します。質問とか矛盾点の指摘などもご遠慮なくどうぞ。

>>392
>>377です ありがとうございます!楽しみに待ってます!

>>401 乙です!まさか同じリンガ泊地とは…!リンガ結構安定してるし、>>1含めて二次創作作るの上手い人多いし、もしかして神泊地!?

もし、お題まだ募集してるのなら、告知来ましたし、イベントの様子とか備蓄してる様子とかはどうでしょう?
いろいろ書きやすいとは思いますが…>>1の実体験をSSに組み入れてもいいですし






提督「わたしのーみみもー、かいのからー♪」

提督「あなたのーこえが――ききたいーけれど――」

提督「あなたは、ほしより――とーおー」

五月雨「提督!! ただ今戻りました!!」バァン!!

提督「いさみだれええええ!!!?? な、なんだ、どうした!?」

五月雨「? どうしたって、遠征から帰ってきたんですよ。第4艦隊、無事帰還です、提督!」

提督「あ、そ、そうか……お疲れ様」

五月雨「はい! これ、報告書です」

提督「う、うん。――それで、聞いた?」

五月雨「え、何をです?」

提督「いやなんでもない。とにかく、報告は確かに受け取ったよ」

五月雨「はい、今日も皆で帰ってこれましたね!」

提督「ああ。よかったよかった」


五月雨「…………」

提督「……? どうした、五月雨。疲れたろう、補給を済ませたらもう休んでいいよ」

五月雨「あのー、提督」

提督「どうした、そんな神妙な顔して」

五月雨「私、初期艦ですよね?」

提督「ああ、そりゃそうだ。どうしたんだ、いきなり」

五月雨「大体毎日、顔を合わせてますよね」

提督「遠征の出発前は、出来る限り見送るようにしてるからな。多分、顔合わせない日の方が少ないだろ?」

五月雨「何故でしょうか。こうして提督と話すのが、ものすごく久々な気がします」

提督「……そうだったかなぁ」


五月雨「そうですよ! 遠征以外にも、お洗濯の手伝いとかも頑張ってるのに」

提督「ああ、長門に聞いたよ。綾波と一緒に転んで泥だらけにして……」

五月雨「そこだけ思い出さないで下さい!!」


五月雨「この間のパーティの時は、空母の皆さんとばっかり喋ってるし」

提督「乾杯の後は皆のテーブル回って、1人ずつお疲れ様とねぎらったと思うんだけど」

五月雨「そうですけど、それだけじゃないですかぁ。ビンゴはいくつか数字揃っただけで、特に何もなく終わっちゃいましたし」

五月雨「恐ろしいですよね。私の活躍の場を削る、悪魔的な何かが働いてるとしか思えません」

提督「考え過ぎだろ、そう力まない方がいいぞ」


五月雨「提督はもうちょっとまんべんなく皆をねぎらうべきだと思いますー」プクー

提督「そんなに露骨だったか?」

五月雨「どーせ私個人の感想ですー」

提督「はは、拗ねないでくれ。これから気を付けるから」

五月雨「それじゃ大成功のご褒美として、間宮さんチケットを所望します!」

提督「そんなしょっちゅうあげられるもんじゃないの。 ……まあしばらく食べられなくなるし、近いうちに味わっておかないとな」

五月雨「皆でですよ、みんなで!」

提督「相変わらず優しい子だな。わかってるよ」


提督「そうだ、ちょうど良かった。明日から鎮守府は夏休みに入るんだが」

五月雨「入るんだが、ってそんなこと月次日程にありましたっけ?」

提督「ない。だから、遠征の予定を組み直さないとならないんだ。手伝ってくれ」

五月雨「……ふー。鎮守府の業務が滞らない程度に、遠征の予定を減らせばいいんですよね」

提督「そうそう。流石わかってるな」

五月雨「なら思い切って、遠征は取りやめて近海の哨戒だけにしましょう。
第2から第4艦隊でローテーションすれば負担が減ります。空母の皆さんにも偵察機を出してもらいましょう」

提督「そう、だな。遠征資源も、今すぐ必要なほど不足してないし……
何より、休みがずれるのは仲良しの子たちに申し訳ないと思ってたところなんだ」


五月雨「えっ、こんな簡単に決めちゃっていいんですか?」

提督「いいんだよ。――それに、最近の駆逐艦たちを見てると、ちょっと不安になることがあるんだ」

五月雨「不安ですか」

提督「そう。特に君と、吹雪だ」

五月雨「えっ、私?」

提督「出撃した時はもちろん、母港にいる時も改装の時も……」

提督「果ては補給するときも、頑張ります頑張ります、と」

提督「いつ息を抜いているのか、見ていて不安になるんだよまったく」

五月雨「あー、あれは多分吹雪ちゃんも、無意識に喋っているというか……」

提督「息を抜くときは抜かないと、いつかパンクしてしまうぞ。だから夏休みなんだ」


五月雨「……なーんかいい感じに丸めこまれたような」

提督「君も最初に反対しなかったじゃないか」

五月雨「だってもう提督が決めちゃったんですから。
正しいことなら、なんとかそれを実行できるようにするのが、艦娘の務めだと思います」

五月雨「私たちを思って休みを作って下さったんですからね」

提督「……そう言われると……その、照れるな」

五月雨「私はてっきり、鳳翔さんを海に連れ出して水着デートでもするのかと思いましたが」

提督「それはあくまで副産物であって……いやなんでもない」


五月雨「それじゃ、私は補給に向かいます」

提督「うん、ありがとう。後で全員に知らせておくから」

五月雨「私も会った人には伝えます。では――」

五月雨「――ああ、それと提督?」

提督「うん?」

五月雨「いくらご機嫌だったとはいえ、提督のような歳の男性が、ドラ○もんの歌を大声で歌うのはどうかと」

提督「」

五月雨「それでは失礼します」


提督「…………」

提督「……恐るべきは鳳翔の魅力かな」






鳳翔「えーと、女性ものの水着……」

鳳翔「大まかにビキニ、ワンピース、セパレート、スクール、競技用……があり……」

鳳翔「プールや海水浴用の、ビキニには……」

鳳翔「三角、ホルターネック、チューブトップ……パンツタイプにモノキニ、マイクロなど……が、あり」

鳳翔「最近は……キャミソール、タイプ? や、パンツなどの形を組み合わせた、タンキニが人気……」


鳳翔「……ふむふむ、なるほど」

鳳翔「さっぱりわかりませんね」


鳳翔「元々、よそ行き用の服を持っていなかった私が、1人で選ぶのは土台無理だったのかもしれませんね……」

鳳翔「あの人なら、何を着ても似合ってると言ってくれそうですけど」

鳳翔「……出来ることならあの人の好みの格好をしたいですね」

鳳翔「確か、露出がひかえめな格好が好きだと言っていたような……カタログカタログ、っと」

鳳翔「…………」

鳳翔「タンキニは露出が抑えめみたいですね」


鳳翔「……上はタンクトップ、またはキャミソール、ブラジャー? ……タイプのものと重ね着されることもあり……」

鳳翔「下は……ビキニの下、ショートパンツ、ホットパンツ、スパッツ、スカート……」

鳳翔「さらにパレオが巻かれることもあり……一概に定義はなく……」


鳳翔「…………???」

鳳翔「種類が多すぎるのも考えものですね……」

鳳翔「迷ってても仕方がありませんね。店員さんに協力して貰いましょう」



鳳翔「よしっ、それじゃ出掛けますか。なるべく見られないように……」

雪風「あ、鳳翔さん!! お出掛けですか!!」

鳳翔「きゃあああああ!!!!」

時雨「雪風、声が大きいんだよ……」

叢雲「でも珍しいわね、1人で買い物?」

鳳翔「え、ええ。そうなんです」

―― ドドドドド

提督「――なんだ今の悲鳴は!! 大丈夫か、鳳翔!!」

時雨(……ここから執務室まで結構遠いんだけどな)


鳳翔「だ、大丈夫です、なんでもありませんよ、あなた」

提督「これから出掛けるのか、本当に1人で大丈夫か?」

鳳翔「大丈夫ですってば、心配し過ぎですよ、あなた!」

提督「心配するに決まってる。前にも言ったが、私は君にずっと傍に居て欲しいんだ」


提督「あんまり言い過ぎるのも重くなると思って今まで抑えてたけど……これからは遠慮しないぞ、決めたからな」

提督「今回だって君に止められなければ、ついて行きたかったんだぞ? 仕方なくだ」

提督「君が目の届かない所に行くのが、心配で仕方ない……わかってくれ、鳳翔」ギュッ

鳳翔「あなた!」ギュッ



叢雲「…………」

叢雲(たかが買い物に何言ってんのかしらコイツは)

雪風「おおー」キラキラ

時雨「相変わらず熱いんだね、2人とも」ニコニコ

「「……はっ!」」バッ

提督「と、とにかく! 気を付けてな!!」

鳳翔「は、はい! 行ってきます!!」


鳳翔「……って別に、こそこそする必要まったく無かったじゃないですか」

鳳翔「ああ恥ずかしい恥ずかしい……」


今回はここまでです。
細かい所を書き過ぎる性分なもので、進行遅くなってすみません。
こういう場合はさっさと海行ってイチャコラするのが、SSでは普通なんでしょうかね?
それはそれで自分には難しいかもですが。

そして五月雨、今までの出番は本当に洗濯物をひっくり返すだけでした。
あんまりにもあんまりなので急遽書きました、何故パーティでも忘れてたんだろう自分……


>>403
夏イベ今年はどうなりますかね……正規空母には怖い季節ですね。
わざわざマリアナではないと公開してきたのが気になる。


更新でなくてすみません、生存報告です。
最近立て込んだ用事が多く、勘違いネタがどうも面白くまとまりません。で、別に考えていた短編の方が進んでしまいました。

同じ提督と鳳翔さんですが、本編が進行中な上、お題ではありませんので、書き終わったら新しく立てて投下しようかと思ってます。
お題を貰っていて申し訳ありません。エタることはありませんので、もう少しお待ちいただけますと幸いです。
スレ立てしたらここでも告知させて頂きます。


>>403
何とかイベント前に纏めたいですが、どこまで書けるかわかりません、ホントすみません……
横須賀とか呉とかの絡みも書きたいのですが最近はちょっと時間がが
放置はしません! イベ前やイベ中の話も出来る限り纏めていきます。

>>402,404,420,421,422,423
書き込みありがとうございました。イベント頑張りましょう!!

生存報告乙。
まあ無理しても仕方ないので気長にいきましょう。


新しく建てさせてもらいました。

鳳翔「ちび空母鎮守府!」
鳳翔「ちび空母鎮守府!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1438270176/)

短編投下用です、よろしくお願い致します。


史実詳しくないんだけど、蒼龍の右回転って何のことなん?

浮気の勘違いは何も当人達だけが勘違いするとは限らないんだよな

追いついた
キャラ紹介見てると陸奥とかまだキャラ定まってないんかね
ちらと出てきてる感じ空母勢よりお姉さんだが鳳翔さんほどお母さんに行ってない感じか

>>430
たしか爆撃か何かで舵壊れて右回りにしか操舵できなくなったんじゃなかったっけか。
ひたすらぐるぐる右回りしながら回避行動してる蒼龍の航空写真とかあったはず。


お疲れ様です。またもや放置してしまい本当に申し訳ありません。

8月から9月にかけての忙しさが……まあ就活なのですが、ようやく進路の目処が付きました。
また頑張って鳳翔さんと6人娘たちのお話を考えて参りますので、どうぞよろしくお願い致します。

あまり詳しくないのですが、作者が2ヵ月書き込まないと落ちてしまうのでしたっけ……?
これからはこんな事が無いように(出来るとはry  いえ、頑張りますね。


皆さんからのレス、本当に嬉しいです! とても励みになります。
お題も出来る限り拾えるよう精進します。ではまた、よろしくお願い致します。


>>425,426,427,429
乙ありです!!


>>431
うーむ、やっぱり難しいんですよねぇ。
もう少しお待ち頂きたいです(と言いながらおよそ2ヵ月半……嗚呼難しい)
言う通りで、提督や鳳翔さんは勘違いするキャラとして書いていませんからね。


>>432
おお、また新しく追いついて下さった方が……全部読んでくれるというのが何よりも嬉しいです!!
最近の陸奥さんは長門さんよりお姉さんっぽいですね。


>>430,434
ミッドウェーでの有名な写真ですね。勇壮ながらも、操舵不能の悲壮感あふれる1枚です。

実は、ネットでは「爆撃を見事に回避中の蒼龍」など、回避運動の航跡と説明されてるサイトも多いです。
でもあれでは爆撃隊と雷撃隊に未来位置がバレバレなので、やっぱり舵は壊れてたんじゃないかと自分では思います。


>>433
御説の通りです、ありがとうございます!

>>435おめです!

この鳳翔さんだったら妖精さんたちに一言「お願いします」と言っただけで艦載機熟練度が最高になりそう

このスレのおかげで鳳翔さんをまた育てることになったよー

翔鶴の改装はどうされるのでしょうか?


またこんなに空けてしまいました……待ってくださってる方、本当にごめんなさい。
まだゆるーく就活は続いてますが、これまでよりは更新ペース上げられると思います。
頑張って鳳翔さんとイチャコラしますね。


>>437,438
ありがとうございます、これからも楽しんでいただけると嬉しいです。

>>439
鳳翔さんが熟練度上げて、正規空母が使う展開 胸熱だと思います

>>440
おお、いいですね! ぜひケッコンまで行きましょう
自分は何気なく秘書艦にして、新婚三択で轟沈したのがきっかけですね。

>>441
どうしましょう……内田先生も困ってらっしゃいましたよね……
何かドラマチックな展開の希望などあれば……






提督「――通告通り今日から休暇とする」

提督「ただし、普段と違って行動は制限することになった。緊急時に備えて、すぐ鎮守府に戻って来られる範囲で過ごすように」

愛宕「ずいぶんテキトーなのね~」

敷波「すぐ戻れるって、どれくらいなのさ」

提督「えー……それは、諸君の常識に任せる」

満潮「やっぱり考えてないのね」

提督「おっと勘違いするな。信頼してるからこそだと思ってくれ」

吹雪「でも決まってはいないんですね……」

叢雲「ま、カッチリ決められるのもそれはそれで、ね」


綾波「司令官、哨戒任務は?」

時雨「全員休みにしたら、流石に索敵の穴が……」

提督「ああ。妖精さんには申し訳ないけど、空母航空隊を地上配備にして哨戒してもらう」

春雨「遊弋中の潜水艦は大丈夫なんですか?」

五月雨「だから昨日は、遠征部隊の皆さんに潜水艦狩りを念入りにしてもらったんです」

川内「あー、帰りに何回も航路変更したのはその為か」

提督「うん、護衛ルートに再び潜水艦が配備されるまでは暫くかかると判断した。備えはしてもらうけどね」


提督「では解散。節度は保てよ」

「「「はーい」」」


蒼龍「提督提督、早速泳ぎに行きましょう!」

飛龍「暑いでしょ、暑いよね!? もうここで脱いじゃいなよ!」

提督「脱がんわ!! わかったから、腕を挟むな!!」


翔鶴「……ねえ瑞鶴、今日暑いかしら」

瑞鶴「何言ってるの翔鶴姉、これから海水浴だよ? 夏真っ盛りで暑いに決まってるじゃない」

翔鶴「え、あ、ええ。そうよね」


赤城「あら、お母さんは?」

加賀「皆のお弁当を作ると仰ってました」

赤城「ああ、それじゃお手伝いに行かないと」

加賀「私もそう言ったのですが。1人で大丈夫だと固辞されてしまいました、随分強めに」

赤城「そうですか? いつもは喜んでくれるのに、珍しいですね」

加賀「ええ。まあ、楽しみにしておきます」



瑞鶴「よぉおし、機動部隊!! 第1種戦闘態勢!!」

飛龍「浮き輪! ビーチボール! ビニールのイルカとシャチ!!」

蒼龍「スイカと竹刀! ビーチバレーのネット! パラソルとビニールシートとビーチチェア!!」

翔鶴「ついでに日焼け止めと、長袖Tシャツ!!」

赤城「そして、釣り竿とモリと網!! バーベキューも準備よし!!」

「「「とつげーき!!!!」」」


提督「海で使うもの大体持ってったな……楽しそうだからいいけど」

加賀「…………」


提督「どうした加賀、突撃しないのか」

加賀「提督こそ」

提督「私は鳳翔を待つよ」

加賀「では私も」

提督「付き合わなくてもいいぞ? あの5人も呼んでるし」

加賀「別に、付き合っているわけではありません」

瑞鶴「――あれー、加賀さんどしたの? 泳ごうよー」

加賀「いえ。私は、入らないわ」


瑞鶴「え? でも、服の下に水着着てるわよね」

加賀「これは、貴女たちに合わせただけで……」

瑞鶴「えー、せっかく着替えたんだしさ。ほらほらー、暑くなってきたよ?」

加賀「いいって言ってるでしょ。皆と泳いできなさい」

瑞鶴「…………」


瑞鶴「もしかして加賀さん泳げn」

加賀「それ以上言うと、貴女の呼び方を五航戦に戻すわ」

瑞鶴「すいません勘弁してください」


加賀「ほら行きなさい。クラゲに気を付けるのよ」

瑞鶴「あ、あいさー!」


提督「…………」

加賀「……聞かないんですか、提督」

提督「何を?」

加賀「何故、こうまで頑なに泳ごうとしないのか」

提督「本人が言いたくなさそうなら、聞かないだろ。普通は」

加賀「そうですね。瑞鶴にも見習ってほしいものです」

提督「一緒に遊びたいだけだと思うぞ?」

加賀「まあ、わかっておりますが」


加賀「……ふむ。いい機会かもしれないわね」

加賀「提督、ちょっとお時間よろしいですか。場所を変えて」

提督「構わないけど……ここじゃ駄目なのか?」

加賀「駄目です。特に空母の子たちから見えないところで」

提督「そうか。別にどこでもいいよ」

加賀「ではあちらの、思わせぶりにひと気のなさそうな岩陰へ」

提督「なんだその言い方……」


加賀「どきっとしましたか?」

提督「今日の君はキャラが違うな」

加賀「さらに、腕も組んでしまいます」

提督「本当に違うな……いいんだけどさ」

加賀「行きましょう。そんなに長くはかかりませんから」



鳳翔「――あなたー? お待たせしました。出来ましたよ、お弁当」

鳳翔「あら……? 何処に行ったのかしら」



飛龍「加賀さん、なんだって?」

瑞鶴「断られちゃいました、取りつく島もなく」

飛龍「ほうほう。気になるね、夏休み自体に乗り気じゃ無かったっぽいし」

瑞鶴「翔鶴姉、何か知ってる――って、あれ?」


赤城「加賀さんがっ!!」

蒼龍「提督とっ!!」

翔鶴「腕組んで歩いてますっ!!」


飛龍「えっ、ウソ……あの加賀さんが提督LOVE勢に?」

瑞鶴「いやいや、何も兆候なかったじゃない」

飛龍「あはは、そうよね! 冗談冗談」

赤城「笑えない冗談はよしてくださいよ!」

飛龍「笑えない? なんで?」

赤城「ナンデンもカンデンもありません! あれを見なさい!」

翔鶴「あの2人の行先! あっちにはいい感じに、人目につかない岩場があるんです!!」

蒼龍「特に満月で満潮の時なんか、みなもに月が映っていい雰囲気なんだよ!!」


瑞鶴「ははあ。時々3人で盛り上がってたあれですか」

飛龍「別にいいんじゃない、提督も気に入るだろうし」

翔鶴「何言ってるんですか飛龍先輩!! 提督にあの場所がばれちゃったら、いつもよりお酒に酔った時の勢いとかで、
提督をあそこの岩場に連れ出して、『今日は月が綺麗だね』とか言ってもらったりして、
それでこっちが『もう死んでもいいです』って返して、『冗談でも死ぬとか言うんじゃない』って言ってくれて、
それでその後の勢いで色々ごにょごにょする秘密の作戦が台無しじゃないですか!!」

飛龍「お、おう」

瑞鶴「ただの拉致じゃん」


赤城「飛龍、瑞鶴!! そこ通しなさい、見に行かないと!!」

飛龍「おーっと、そうはいかないよ!! 加賀さんが誘うなんて滅多にないし」

蒼龍「ちょっと、あの2人が何やってるか気にならないの!?」

翔鶴「瑞鶴、お姉ちゃんの言うこと聞きなさい!!」

瑞鶴「終わってから加賀さんか提督さんに聞けばいいじゃん!!」

―― コクハクシテタラ ドースンノ!!  バシャバシャ

―― アンタラ セイコウホウデ セメルキハナイノカ!!  バシャバシャ


鳳翔「……? あの子たち」

鳳翔「海の中で向かい合って反復横飛び……何をしてるのかしら」


提督「近くに、こんなところがあったんだな」

加賀「良いところでしょう、赤城さんに教えてもらいました」

提督「そうだね。水が綺麗で、静かで」

加賀「日が暮れて、月が出るともっと良いらしいですよ」

提督「確かに良さそうだな」

加賀「お母さんを連れて来たくなりましたか?」

提督「うん、なったなった」

加賀「即答ですか。素直なのはいいことですね」


加賀「……あら」

加賀(この場所、提督には内緒にしておくよう言われてたんだったわ)


提督「ところで、場所変えて何を……」

加賀「提督、私と2人きりなのですよ。いきなり本題に入るのは野暮ではなくて?」

提督「な、何だって?」

加賀「いくつか気の利いた事を言ってくれてもいいのよ」

提督「どうしたっていうんだ、普段の加賀らしくもない」

加賀「ああ、別にこんな場所に連れてきたからと言って、いきなり貴方を誘惑するようなことにはならないのでご安心を」

提督「それを聞いてどう反応すりゃいいんだ……」

加賀「冗談です。笑ってください」

提督「少しは冗談っぽい表情をしてくれよ」


次回は早く上げられると思いますので、また少々お待ち下さい。
では、またよろしくお願いいたします。
↓は関係ないので、読み飛ばしても全然問題ありません。



秋グラと秋ボイス。
なんとというかやっぱりというか、鳳翔さんには何もありませんでしたね……

でも、これでいいんですよ。

これで軽空母勢で追加要素が何もないのは鳳翔さんだけというステータスが継続。
つまり事実上、ケッコンした人でないとボイスは全く増えないのです。
下手にグラやボイスを増やすと、鳳翔さんの魅力に今更気付いて育成し始める
慮外者が続出するだろう……という運営さんの計らいに違いありません。流石だぜ!

今のステータスの鳳翔さんだからこそ、愛のある提督しか育てていないはずです。
例えば改二とか、下手に強化されると皆育て始めちゃうじゃないですか。なんかそれってちょっと……
公式でないならSSで強化すればいいじゃない。

要するに、ずっと追っかけてた地下アイドルがメジャーデビューする時のあれです。
もちろん異論は認める。


鳳翔さんのケッコン後ボイスは抜群に癒されるので、皆さんも聞いてみてくださいね。

お題募集ってまだやってますか?未消化のものがあるなら自重しようかと


とてもよかったです

何回も読み返して三周目に入っていたら更新されてた‼
やったー‼

素晴らしい愛だ
よくわかります。

私も鳳翔さんが大好きです‼

ごめんなさい、全然早くなかったですがちょっと投下します。

>>463
お題はいつでもどうぞ。話として面白いものを考え付いた順に書いてますので、
かなり長く待ってもらってるものもありますが……

>>464
え、そんなに読んでくれてるんですか……嬉しいですね!
まだ長く続いてくと思いますので、気長にお付き合いください。



鳳翔「どこに行ったんでしょうね……出来立てが美味しいのに」

鳳翔「そういえば加賀ちゃんもいないわね」

鳳翔「卵焼きも唐揚げも、温かいうちに――あら?」

―― シュゥウウウウ……


鳳翔「あの煙は……火事? いや、違うわね」

鳳翔「色が白いから、湯気かしら? 何か見覚えがあるような」

鳳翔「……そうだ。あれは、加賀ちゃんの排気煙が混ざった色だわ」

鳳翔「でもどうして? あれは艤装を外して、服を脱がないと出ないはずなのに」

鳳翔「――ハッ、まさかっ!!」


提督『いいじゃないか、加賀』

加賀『だ、駄目です提督。こんなところで……』

提督『誰も見てやしないさ。だから連れて来たんだろう?』

加賀『ち、違います……』

提督『ほら、脱いで。その綺麗な肌を、もっとよく見せてくれ』

加賀『提督……それじゃ、もっとこっちに……』


鳳翔「いやぁああ!!」

赤城「えっ!? お、お母さん?」

鳳翔「いけません駄目です不埒です破廉恥ですーーー!!」

飛龍「うわっ、お母さん足早っ」

蒼龍「砂浜でよく走れるなぁ……」

瑞鶴「40ノットは出てるね」

翔鶴「そ、それ私!! 私だから!!」


加賀「……ふぅ、どうです?」

提督「どうしたんだ、いきなり水着姿になって」

加賀「……無反応というのも、中々自信を無くすわね」

提督「ん、何か言ったか」

加賀「いいえ別に。ある程度予想してましたから」

提督「そうか?」

加賀「これから海に浸かりますから、ちょっと見ていてください」

提督「ああ……!?」


―― バシュゥウウウウウ……

提督「な、なんだ!?」

加賀「これが、あの子たちの前で泳ぎたくなかった理由です」

提督「すごい湯気だ、大丈夫か加賀!!」

加賀「体はなんともないのでご心配なく……しかし」

提督「普段はこんなの見たことないぞ。どうなってるんだ?」

加賀「艤装を何もつけていない状態だと、排熱が上手く出来なくなるのです。入渠の時は問題ないのですが」


提督「そうだったのか。無理に海に連れ出して悪かったね」

加賀「元々は瑞鶴たちのわがままでしょう。ばれなければいいですよ」

提督「そんなに、隠すほどのことでもないんじゃないか?」

加賀「提督、艦としての欠陥が未だに残っているのですよ。これが恥でなくて何だというんです」

提督「恥でもなんでもないと思うんだけど」

加賀「他の人には理解しがたいかもしれませんが。何せ一度は克服したことですからね」

提督「いや、簡単に気にするなとは言えないけどさ」


提督「生活には問題ないわけだし、別にあの子たちに話しても、個性として……」

加賀「…………」

加賀「ううっ……勇気を出して告白したのに」

提督「えっ」

加賀「知ってるのはお母さんと提督だけなのに……ぐすっ」

提督「ご、ごめん、悪かったよ! 泣くなって」

加賀「……ふふ。なんて、冗談で」


鳳翔「あなた!!」

加賀「!!」

提督「うわぁっ!!」

鳳翔「いつの間にか!! いなくなったと!! 思ったらっ!! 加賀ちゃんをっ!! 泣かせてるなんて!!」

提督「ち、違う!! いや違わないけど、いじめたわけじゃないって!!」

加賀「おかあさーん」ダキツキ

鳳翔「ああ、よしよし。もう大丈夫ですからね」

提督(抑揚が全然無いぞ!!)


鳳翔「この人にはちゃんと言っておきますからね。ほら、あの子たちと遊んでらっしゃい」

加賀「はい、それでは……提督」

提督「う、うん?」

加賀「後はごゆっくり。あの子たちは足止めしておきます」

提督「加賀……」

鳳翔「あなた、ほら!! ちょっとここに座りなさい!!」

提督「は、はい」

加賀「ふふ……では、また後で」


一旦区切ります

乙です。
お題というとかなり抽象的なものなのですが、ここ(http://livedoor.blogimg.jp/kantamashi/imgs/8/c/8c827251.jpg)からのこれ(http://www.youtube.com/watch?v=Fi5sB7TT3VA)っていかがですか?


蒼龍「――あ、戻ってきた!」

翔鶴「加賀先輩!! 提督と何話してたんですか!!」

加賀「別に、ちょっと相談に乗ってもらっただけよ」

赤城「相談!? 今後の身の振り方とかですか!?」

瑞鶴「飛躍しすぎだよ、どうしてそうなるんですか」

赤城「加賀さんが!! 提督と!! 2人っきりで!!」


加賀「嘘じゃないわよ? それに貴女だって、頼めば2人で話ぐらいしてくれると思うわ」

翔鶴「そんな簡単にいったら苦労しませんよ……」

飛龍「そういえば、提督とデートしたのって蒼龍だけだよね」

蒼龍「あ、そっか。これは一歩リードかな!」

瑞鶴「お母さんは百歩先にいますけどね」

蒼龍「orz」

飛龍「ちょ、先輩は労わろうよ」


鳳翔「また最近は、2人の時間が取れませんでしたね」

提督「忙しくて、出掛ける暇もないもんな」

鳳翔「そろそろ大規模作戦の時期ですし」

提督「うん。この休暇で皆ゆっくりできればいいんだけど」

鳳翔「あの子たちは、ずっとはしゃいでますけどね」

提督「出撃がない時くらい、好きに過ごしてほしいからね」

鳳翔「それで新しい水着を買ったり……あ」


提督「あ、そうだよ鳳翔、水着!! 水着は!?」

鳳翔「ちょ、ちょっと! そんな寄らないで下さいよ」

提督「それを!! 楽しみに!! 昨日頑張って仕事片づけたのに!!」

鳳翔「いつもとキャラ違いますよ!?」

提督「いいんだよ、誰も見てないから」

鳳翔「まったくもう……ちゃんと着てますよ。私が選んだやつで、似合ってるかわかりませんけど」

提督「前も言ったけど、もうちょっと自信持っていいと思うよ。何着ても似合うんだから」

鳳翔「あ、ありがとうございます……」


提督「でも、今着てるって? いつもの和服じゃないか」

鳳翔「ふふ、この下に着てます。お弁当を作った後に着替えてきました」

提督「そうなのか。そのまま出てきても良かったのに」

鳳翔「あ、あの子たちに見られるの恥ずかしいですし」

鳳翔「それに、その……最初はあなたに、見てもらいたくて」


提督「……鳳翔……今日の君、本当に可愛い」

鳳翔「は、恥ずかしい、ですね……」

提督「じゃあ……見てもいいかな、鳳翔」

鳳翔「――はい! よく見てて下さいね、あなた!」



第3話 終


第3話、ここまでになります。読んで頂いてありがとうございました。
次の展開はまだ未定ですが、おそらく秋イベ関連と翔鶴改二関連かな、と思います。

お題も消化出来るものは色々入れていきますので、希望ありましたら書き込みをお願いいたします。


>>476,478
お題確認しました。ただ投下は面白い展開を考え付き次第になりますので……
気長に待っていただけると幸いです。


すみません!
>>481,482の間にこれを入れ忘れました。



加賀「落ち着いてください、すぐ戻ってきたじゃないですか」

飛龍「お母さんもダッシュで行ったしね」

加賀「お弁当、食べていいそうなので。先に腹ごしらえしましょう」

赤城「むっ……では頂きましょう」

飛龍「あ、やっぱりそっち優先なんだ」

翔鶴「しょうがないですね。後で提督に問い詰めてみます」

乙です
あれ、二航戦って改二エピあったっけ


つ、ついに!!
ついに任務欄に鳳翔さんの文字がっ!!!!


思わず目を疑いましたが……練度MAX関連は胸が熱いですね!!
でも21型とか持ってないですよ……

妖怪勲章一個足りないのせいで、瑞鶴の改造が……
ということで初めての4-5攻略にいってきます。


次のイベント前に、夏イベ・鶴姉妹改二・秋刀魚をまとめて書いてみます。
なるべく更新は間を開けずに行きたいですが……
内定先から課題が届いた関係でスムーズには難しいですね。がんばります。


提督「指輪を外すんだ、赤城」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1446139866/)

こちらは赤城さんとの短編です。こことは別の鎮守府。
よろしければ読んでもらえると嬉しいです。


熟練度システムは鳳翔さんの強さ表すのにぴったりだし
熟練搭乗員で熟練度はくの字5本くらいありそうだ


>>497
何も進んでないのに乙してもらって、しかもsageでレスもらえるなんて……
本当に読んでくれてありがとうございます、できるなら遅筆を土下座で謝りたいですorz

熟練艦載機3種と艦載機レベルMAXで、歴戦の最古参空母ごっこができますね。
後は増設スロットに整備員や搭乗員が乗せられれば完璧だったんですが、残念ですね……

任務見てすっ飛んできますた


このスレのおかげで鳳翔さんをまた育てることになったよー

任務出てない・・・
何増えたん?


赤城さんの大活躍で、無事4-5クリア。瑞鶴を改造できました!!
翔鶴と瑞鶴は仲良く装甲空母で運用していこうと思います。紅白袴おそろいで可愛い。


>>499
ありがとうございます、これからもよろしくお願いします。
鳳翔さんは旗艦でばりばり活躍させてあげてください!

>>500
私はまだ消化してませんが、艦載機の廃棄関連で出ました。
多分デイリー消化じゃないでしょうか。

まさかのお艦任務マンスリー!?


また申し訳ありません、業務連絡です。

夏イベ関連で書きたいと言ってましたが、ちょっとまとめ切る自信と時間が無くなってしまいましたので
先に短く書けそうなほうからお題消化させていただきたいと思います。


>>476さんのもの(鳳翔さん大破ネタ)
・五航戦改二
・蒼龍の入渠セリフ
・サンマイベ

あたりは多分書けそうなのでここから……秋イベ前にいくつかは消化したいです。


・ずーーーーーっと待っていただいてる浮気ネタ

について、ようやくそれらしきネタを思いついたので書き始めます。
投稿はまだ先だと思いますが、本当に待ってもらって申し訳ありません。


多分いくつかお題見落とし・忘れがあると思うのですが改めて確認しておきます。
お題募集は依然受け付けておりますので、何かありましたら是非。
できれば登場したことのある艦娘にしていただけると助かります。


>>489
すいません返してませんでした。
私が書き始めた以前から改二実装されてたので、もう改造済みなんですね。
いずれ過去話とか考え付いたりお題で来たりしたら、改めて書いてみようかなと思います。

>>502
これで毎月鳳翔さんの文字が任務欄に!!(達成できるとはry)


横須賀出張の設定を夏イベで使おうと思ってましたが、あまりに季節外れになり過ぎました……
すべて自分の遅筆のせいです。頂いたお題:秋刀魚と出張ネタを組み合わせて書こうかなと思います。
そろそろ横須賀や呉の面々もちょっと絡ませたいですし。

では、またよろしくお願いいたします。


業務連絡終わり


試験的sage更新



幕間8 ~たまには静かな朝~


提督「――いかんいかん、寝過ごした」

提督「鳳翔はもう執務か……悪いことしたな」


提督「鳳翔?」

鳳翔「はい! おはようございます」

提督「おはよう。ごめん、遅くなった」

鳳翔「いえ、遅れてませんよ? そろそろ起こしに行こうかと思いましたが」

提督「あ、そうか……いつも余裕持ってたんだった」

鳳翔「すみません、起こさなくて。昨日は遅かったようですから」


提督「ああ、確かにそうだね」

鳳翔「遅くまで出かけてましたが、どちらへ?」

提督「ちょっと注文してたものを……うん。忘れないうちに渡しておこうかな」

提督「はい、これ。誕生日おめでとう、鳳翔」

鳳翔「えっ、私に?」

提督「11月13日、進水で……あってるよね」

鳳翔「は、はい。――覚えててくれたんですね」


提督「そして起工日、竣工日が来月と。こっちも忘れないようにしないと」

鳳翔「そっちもですか!?」

提督「いいんじゃないか、お祝いごとは多いほうが」

鳳翔「そういうものでしょうか……?」

提督「司令官によって違うらしいよ、お祝いは起工日や竣工日のところも。
   鎮守府に来た日が誕生日なんてとこもあるらしい」

鳳翔「へえ、自由なんですね」


提督「なら別に、全部祝ってもいいかな、っと」

鳳翔「それはちょっと自由過ぎ、でしょうか」

提督「おっと、君は特別だぞ。ケッコン1周年のお祝いは楽しみにしててくれ!」

鳳翔「ふぇ!? は、はい!! 期待してます!!」

提督「うん。――とりあえず、今はそれを」

鳳翔「はい……あ、綺麗なストール」

提督「温かそうだろ。結構探し回ったよ」


提督「最近、急に冷えてきたからね」

鳳翔「ありがとうございます、大事に使いますね!」

提督「うん、楽しみにしてるよ」

鳳翔「楽しみ、ですか?」

提督「そう、それ着てデートに行こう。きっと似合うと思うよ」

鳳翔「――はい!」


提督「――じゃあ、今日も書類整理から頑張ろうか」

鳳翔「あ、あの、それなんですけど……」

提督「どうした?」

鳳翔「まだ、大淀さんから書類が届かないんですよ」

提督「え、まだ? おかしいな、司令部からは遅れとか聞いてないぞ」

鳳翔「あなたが来る前までには、と思ってたんですが」

提督「そうか、変だな……ちょっと行ってみようか」

鳳翔「はい」


提督「大淀」

鳳翔「おはようございます、大淀さん」

大淀「おはようございます……すみません、書類ですよね」

提督「うん、何かあったのかと思って」

大淀「えー、ちょっと遅れてるみたいで……司令部の方に問い合わせ中です」

鳳翔「そうですか、珍しいですね」

大淀「届き次第お持ちしますので、執務室の方でお待ちいただけますか」


提督「わかった、よろしく頼むよ。それじゃあ」

鳳翔「お願いしますね」

―― バタン


大淀「……行かれましたよ」

赤城「ふふふ、じーじぇいです、大淀さん」

大淀「あの……本当にいいんですか、こんなことして」

飛龍「いいんだよー。提督も自分がいない間の執務、覚えてほしいって言ってたし」


赤城「提督の決裁が必要なもの以外は、私たちで片付きますしね」

大淀「それで、提督と鳳翔さんの2人の時間を作ってあげる……と」

飛龍「まあ全部は無理だから、後で提督にチェックしてもらうけど」

赤城「戦闘だけじゃなく事務もできるようになって、提督とお母さんに褒めてもらいます!」

大淀「それは構わないんですが……」

大淀「はあ……久々の出番が、嘘の片棒を担ぐことだなんて」シクシク

飛龍「人助けだよ、気にしない気にしない」



提督「…………」

鳳翔「…………」

提督「時間、空いちゃったな……気が抜ける」

鳳翔「普段は仕事の時間ですからね」

提督「どういうわけか、今日は静かだな」

鳳翔「ああ、そういえば。みんな、お布団から出たくないんでしょうか」

提督「そろそろ、蒼龍や瑞鶴あたりが飛び込んでくると思ったけど」

鳳翔「確かに……疲れてるんでしょうかね」


提督「鳳翔、お茶淹れてくれないか」

鳳翔「そうですね、休憩しますか……って、まだ何もしてませんけど。ふふ」

提督「何かしてないと、まぶたが落ちそうなんだ……」

鳳翔「あら、それじゃあ膝、貸しましょうか?」

提督「んー。いや、やめとく」

鳳翔「そうですか? ……ちょっと傷つきますねぇ」


提督「ああ、いやね。せっかく時間できたから、寝ちゃうのはもったいないと思って」

鳳翔「もったいないですか」

提督「君に膝枕されたら、多分1分もたないから」

鳳翔「そ、そうでしょうか……」

提督「じゃあ今夜、やってもらおうかな……しかし眠い」

鳳翔「いっそ少し眠ったほうがいいですよ。実は私も……ふぁ」

提督「そうか? じゃあこっちの長椅子で」

鳳翔「せっかくなのでプレゼントも使って――」



赤城「――提督ー? ちょっと見てほしいんですけど……って、あら」

「「Zzz……」」

飛龍「寝ちゃったんだね。かわいー、2人でストールにくるまってる」

赤城「むむ。本当に可愛いですね」

飛龍「昼休みまではそっとしといてあげようよ、赤城さん」

赤城「そうですね……褒めてもらうのは、また後でにします」


赤城「今度、あいだに挟んで寝てもらいましょう」フンスッ

飛龍「意外と甘えん坊だよね赤城さん……いや、人のこと言えないけどさ」


お疲れ様です、お題消化でないのでひっそりと更新です。
頂いたものでなくてすみませんが、流石に進水日スルーはできませんので……

明日から家族旅行で、大和ミュージアムや呉鎮守府長官室跡などに行ってまいります。
大和対ミズーリ展楽しみですね……!


また別の短編で、翔鶴さん編を考えてます。
来週あたりに更新しますので、よろしければそちらも読んでもらえると嬉しいです。

では、またよろしくお願いいたします。

まだ早いですがグラーフ・ツェッペリンどうします?

おつおつ
俺もこの前進水日に合わせて鳳翔さんとケッコンしたよ
ボイス素晴らしかった

季節感あまり気にしないから夏イベのやつ書いたのなら見たいな

グラタン迎え入れるのであればここの鎮守府に染まっていく過程が見てみたいです


イベントお疲れ様です&乙ありです。

無事戻りましたが旅行中はずっと雨で、また時間の関係で呉長官室跡は見れず、ミュージアムも消化不良で残念。

またゆっくり見に行きたいものです。
ただ陸奥の主砲は見れてよかった。でかい。


>>532 >>534
グラーフさんですね。ちょっと迷ってたんですが赤城さんと(ほんの少し)関係あるし出そうかなと。

3日掘って出なければ諦めよう、と思っていたのですが、昨日E4丙掘りで10回も経たずに来てくれました。
よかった、これで性格がわかる……頑張って可愛く書きたいです。


>>533
おめでとうございます! さぞ長い道のりだったでしょう、お疲れ様です。
夏イベ関連はすみません、あんまり書けてませんorz ちょっと最近はリアル生活が……


翔鶴さん短編の書き出しがまとまらない……
今日か明日には立てたいです。

またここに貼りますので、よろしければ読んでみてください。

>>536
楽しみにしてますよ
別にここに投下してくれてもいいのよ?

グラーフさん出てくるんですね
新キャラ追加するならせっかくですから大鳳さんも出してあげてもらえませんか? 1人残されるのも可哀想ですし


翔鶴さん短編がまとまらない……というかヒロインが鳳翔さん以外に慣れてない
明日あたりに延期します、本当すみません。


>>537
どうもです。
赤城さん短編みたいに、また別な提督の話なので……ハーレム苦手なもんで。
お母さん呼びは共通してるあたり、パラレルな話と思ってもらえれば。


>>540、541、542
軽く新キャラ追加とか書いてしまって申し訳ありません。
一応自分の中では、大鳳・雲龍型・軽空母は他の鎮守府で戦ってることにしようと思ってました。

キャラを増やし過ぎて、話の中で一言しゃべるだけの立ち位置のキャラが多くなるのは
読んでいる方も嫌でしょうし。全員に出番を作れる文才があればいいんですが。
というか、もう何人かそういう子いますし……高雄とか愛宕とか最上とか


とはいえお題が来ましたので、舞鶴所属になるかは別として、その他正規空母勢も出番を作ろうと思います。

一番の問題は、正規空母で唯一、大鳳さんを持ってないということでしょうか……


今までに出た艦娘のお題が助かるなどと書いておきながら、
軽くキャラ追加などと言ってはまずいですね。申し訳ありませんでした。

自分が相当ニッチなSSを書いてる自覚はありますので(全員にフラグ無いとか、お母さん呼び・赤城ちゃん加賀ちゃん呼びとか)
既に後輩キャラが確立しまくっている葛城などの扱いは、逆に難しいところはありますね。

いずれにせよ、これからは浅はかに追加などと言わないよう注意します。
これからもよろしくお願いいたします。

大鳳は正規空母じゃなくて装甲空母だからセーフ(震え声
本当、何時になったら実装されるんですかね

すみません540です
私の軽率な一言からこのような事態を引き起こしてしまい本当に申し訳ありません
>>1さんがお好きに書かれるのが本来ですので今回の件はお気になさらず自由に書いていただけると幸いです
本当に申し訳ありませんでした


イベント甲完走できましたー! E5の削りは心臓に悪かった……
ドロップも大体終わりです、これからSS頑張りますね。


>>547
まあ大型回さないのが悪いんですけどね……
今まで困らなかったうえ、装甲空母は五航戦が来てくれたし。


>>548
今回は自分が軽率でした、すみません。
そんなに肩に力入れず読んでいただいたほうが嬉しいです、遅筆なSSですからね……


翔鶴さん短編、立てさせて頂きました。
よろしければ読んでみてください。

翔鶴「あざなえる縄のごとし」
翔鶴「あざなえる縄のごとし」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1448802996/)

クリスマスボイスも無しかぁ、悲しいなぁ
是非鳳翔さんとの甘いクリスマスネタを…


大変お久しぶりです、夕方ごろに師走とクリスマス短編投下します。

24日のボイス追加にほんの少しだけ期待してましたが、やはり鳳翔さんには追加なし。
もし追加があればそれで書こうと思ってたので残念ですね。ちょっと本気で運営さんに忘れられてるんじゃないかと思う。

蒼龍さん短編も構想はできてるんですが、資格関連で時間がなく遅れてます、すみません。
なんとか年内にはあげたいです。


>>553
ありませんでしたねぇ。ここまで追加ないって希少価値なような……



幕間9 ~きよしこの夜~


那珂「――それじゃ、いってきまーす」

提督「うん。気をつけてな」

川内「相変わらず過保護だなー、ちょっとは信頼してよ」

提督「引率は慣れてるとはいえ、駆逐を全員連れてくのは初めてだろ」

神通「大丈夫ですよ、そんなに遠くまで行かないですから」


鳳翔「いいですか、あんまり遅くならないように。あと、ひとりでどこか行っちゃだめですよ? 軽巡の皆さんに心配かけないようにね」

「「「はーい」」」

那珂(完全にお母さんなんだよなあ)


提督「……ふう。駆逐と軽巡はイルミネーションを見に行く、と」

鳳翔「クリスマスとはいえ、全員で行って大丈夫でしょうか」

提督「まあ泊りじゃないし、すぐ帰れば大丈夫……だと思う」

鳳翔「全員といえば、今日はほとんどの方が休暇を取りたいと言ったとか?」

提督「うん。戦艦組と重巡組は映画を見るって」

鳳翔「映画?」

提督「長門が、今日じゃないとダメなんだと言ってね。ずーっと楽しみにしてたみたいだから」

鳳翔「赤城ちゃんたち6人はカラオケ、明石さんと大淀さんはディナー。今日は本当に、私たち2人ですね」

提督(もしかして気を遣われたのかな)


提督「まあ、今日はゆっくりしようよ」

鳳翔「なんだか最近、ゆっくりしてばかりのような……まあ、いいんですけど」

提督「さて、乾杯で酔っぱらう前に――これ、クリスマスプレゼント」

鳳翔「え? 先月にも、もらったばかりですのに」

提督「それはそれ。12月はプレゼントの機会が多くてうれしいんだよ」

鳳翔「――あ、バッグですね。ありがとうございます」

提督「しかも鳳翔を飾って、デートで眺めることもできるわけだ」

鳳翔「そ、そんな面と向かって」


提督「それでこっちが、起工日のプレゼントね。12月16日」

鳳翔「えっ? ネックレス……」

提督「続いてこれが、竣工日のプレゼント。12月27日」

鳳翔「こ、香水?」

提督「で、これは1年間の、仕事と家事へのお礼」

鳳翔「ブーツ……」

提督「最後にこれが、特に理由はないけど、鳳翔に似合うと思って買った服だ」


鳳翔「お、多すぎますよ! こんなにいっぺんにお金を使っちゃダメで……」

鳳翔「…………」

鳳翔「なんで服と靴のサイズ知ってるんですか!?」

提督「それは言えない。提供者からは口止めされてる」

鳳翔「密告者がいるんですか!?」

提督「気にするな。流石にスリーサイズまでは聞いてないから」

鳳翔「そんなことまでバレてるんですか……」


提督「さあ着替えて。ディナーにしようじゃないか」

鳳翔「え、これに着替えるんですか?」

提督「せっかく選んだんだから、はじめに見るのは私だけがいい」

鳳翔「えっ……」

提督「外に行けなくて申し訳ないけど。今日だけは、2人で過ごしたいじゃないか」

鳳翔「も、もう。しょうがないですね」


鳳翔「……ありがとうございます、あなた」



飛龍「さてさて。提督はうまくやってるかな?」

瑞鶴「鎮守府に2人っきりか。色々危ないわね、安全とかの意味で」

飛龍「まあ、全力で走れば5分くらいで戻れるけど。妖精さんは残してきてるし」


飛龍「大丈夫でしょ。お母さんが友永隊を指揮すれば鬼に金棒よ」

瑞鶴「割と冗談じゃないのが怖いわね」



蒼龍「――生き残りたい がけっぷちでいい 君を愛してる――」

翔鶴「――目覚めたい いのちがいま、惹かれ合った――」

瑞鶴「ノリノリだなぁ2人とも」

飛龍「振り付けも完璧だしね、いつ練習したんだろ」


赤城「――もしもし、注文お願いします。メニューのお料理全部、3個ずつ」

赤城「――え? はい、3個ずつです。あと、このスペシャルケーキは持ち帰りで――」

加賀「あと、お酒を。ピッチャーでお願いします」

赤城「カード使えますよね? では領収書を――舞鶴鎮守府司令官で」

飛龍「ああー。提督ご愁傷さま」

瑞鶴「理不尽な……提督さんはなんにも食べてないのに」


蒼龍「――ふう、決まった。完璧だね」

翔鶴「格納庫で練習してきたかいがありましたね……」

飛龍「練習って、何のためになのよ。忘年会くらいしか使えないんじゃないの」

翔鶴「――ええー!!?? 78点!?」

蒼龍「なにこれ、壊れてんじゃないの!?」

加賀「ちょっと貸しなさい、こういうのはもっと音程を正確に――」

赤城「ああっ、次は私の曲ですよ!」

瑞鶴「……うちの鎮守府はどうしてこう、歌好きが集まるのかな」



長門「――おーい、摩耶!! メモリアルパンフは確保したか!?」

摩耶「おう、全員ぶんバッチリあるぜ」

長門「那智、物販の方はどうだ!?」

那智「ものすごい人混みだ、いま姉さんと最上が並んでるが……すぐ合流は無理そうだぞ」

長門「うむ、とりあえずはよし」


長門「――陸奥、どうした座り込んで。気分でも悪いのか」

陸奥「6時間も並んでりゃ、悪くもなるわよ……」


長門「む、だが初回上映を見逃すわけにはいかん」

長門「海外では2週間前から映画館の前で待ったり、そのまま結婚式を挙げたりするファンもいる。負けてられんぞ」

陸奥「私は……別にそこまで見たくない……」

長門「まあ、無理はするな。なんせ明日と明後日もあるのだからな」

陸奥「……一応聞くけど、なんで3回見るわけ?」

長門「日付け入りのパンフレットだ。このために予約したようなものだからな」

陸奥「私はもう来ないからね!」

長門「1人1枚チケットを持つ必要があるのだ。もう人数分買ってしまったからもったいないだろう」

陸奥「せめて事前に言ってよ!! いや言っても嫌だけど!!」



最上「全員ぶんのライトセーバー、確保したよ!」

妙高「グッズも、とりあえず買えるだけ買いこみました」

鳥海「スタンプラリーから戻りました! これ、景品のステッカーです」

長門「よし、よくやってくれた。飲み物とポップコーンは私が並んでおいたから、あとは待つだけだな」


鳥海「あれ? 摩耶、姉さんたちは?」

摩耶「ああ、高雄姉ならあっちで――」

高雄「」

摩耶「ぶっ倒れてる。戦艦組につき合わされてずっと並んでたからな」


鳥海「愛宕姉さんは?」

摩耶「さっき手洗いに行ったが……逃げたかもしれないな」

長門「なに!? もうすぐ入場だぞ、すぐ探しに行かねば!」

摩耶「大丈夫だって、すぐ戻ってくるから。なにせ――」

愛宕「……摩耶ちゃあん」

摩耶「愛宕姉、財布を私に預けて忘れていったからな」

愛宕「返して~、もう帰りたいぃ……」

鳥海「……姉さん、みんなで映画なんてすごく久しぶりなんですよ? そんなに嫌ですか」

愛宕「うぐ。わ、わかったわ、ちゃんと見るから……」


山城「――ふん。長門、熱くなっちゃって子どもっぽいったら……ねー、姉さま」

扶桑「え? そ、そうね……」

扶桑(私も、長門さんに連れてこられたみたいな顔してるけど)

扶桑(言えない。私自身もチケット予約してたなんて、山城には……)

妙高「あ、扶桑さん。頼まれてたTシャツ、買えましたよ」

扶桑「わあ! ありがとうございます妙高さ――ハッ」

山城「…………」

扶桑「…………」


扶桑「山城!! これ柄違いなの、一緒に着ましょう!!」

山城「は、はあ。素直にペアルックを喜ぶべきか……」




提督「……静かだな」

鳳翔「そうですね、私は好きですけど」

提督「何だかんだ言って、最近は結構2人の時間作れてるよね」

鳳翔「そういえば……鎮守府の皆さんも、仕事を手伝ってくれてますからね」

提督「うん。でも、まだまだ君がいないと回らないな」


提督「――本当に今年1年、ありがとう」

鳳翔「どういたしまして。あなたも、本当におつかれさまでした」

提督「これからもよろしく、お願いします」

鳳翔「はい。みんなで仲良く、頑張りましょうね!」


鳳翔さんの起工、竣工日おめでとうございます。

長門さんのキャラはすみません、やりたかっただけです……
私は30日に見に行く予定です。いやあ楽しみ。


最近はSSの更新も滞って、お題を下さった皆さんには本当に申し訳ありません。
次は年末か年始に更新できると思います。
まだもう少し続くと思いますので、これからもよろしくお願いします。

乙です、こういうゆっくりまったりしたのもいいものだ
私事ですがやっと鳳翔さんとケッコンできた
待とうとかとも思ってたけど我慢できずにしてしまった

年末ボイスも新年ボイスもありませんでしたね
知ってた

うちの嫁艦ズも改二どころか追加グラ、各種追加ボイスがこないので心中お察しします。



第4話 ~ホープフル・ニューフェイス~


「――ふぅ、ようやく着いたか。ヨコスカからは遠すぎるな」

「ここが、マイヅルか。綺麗なところだ……伝統的な家屋も多いな、日本に来た実感がわく」

「こんな時勢でなければ、ゆっくり観光したかったところだが。そうもいかないな」

「日本最強の機動部隊がここに……さて、どんなものか楽しみだ」


「――しかし、なんだろうなこの天気は。今にも雨が降りそうな、そんな暗さだが」

「それだけではない、この胸のざわめきはなんだ」

「私としたことが、新天地への期待と不安で、動揺しているのか……」


「――あの、こんにちは。Graf Zeppelinさん?」

Graf Zeppelin「ん? ああ、そうだが」

蒼龍「よかった、すぐ見つかって。私、航空母艦の蒼龍です」

Graf Zeppelin「ソウリュウ……はじめまして、これから世話になる」

蒼龍「こちらこそ。それじゃ、鎮守府まで案内するね」


蒼龍(お肌、白くてきれいな子だなぁ。海外の艦娘はみんなそうなのかな)

Graf Zeppelin(この、きれいな肌の日焼け具合。歴戦の空母のようだ)


蒼龍「あのー、呼び方なんだけど」

Graf「うん?」

蒼龍「グラーフさんでいいかな。伯爵って、ちょっと呼ばれ慣れてないと思うけど」

Graf「かまわない、呼びやすさが一番だ。ゴウにいっては何とやらだからな」

蒼龍「おー、よく知ってるね」

Graf「ふふ、勉強は頑張ってしたぞ」


蒼龍「グラーフさん、今までは横須賀にいたんだよね」

Graf「ああ。とはいえ、ほとんど日本語の勉強と、戦術の座学で終わってしまったが」

蒼龍「配属も、まだ決まってないんだって?」

Graf「そうなんだ。BismarckやPrinz Eugenが先に来ているから、同じ艦隊になるかと思っていたんだが」

蒼龍「あー、海外の子はどこの鎮守府にいたっけかなぁ」

Graf「提督との相性と適性を見て、配属が決まるそうだよ」

蒼龍「そっかぁ。新しい空母の子が来るなんて久しぶりだからなあ」


Graf「そうなのか? 確かに正規空母は多いと聞いたが」

蒼龍「あはは、うちは戦力過多って言われてるから……」

Graf「なんにせよ、艦娘としての経験を積むには、最精鋭の空母が集っているここでジッチ、ケン……」

蒼龍「実地研修だね。いやあ、最精鋭なんて照れるなー」

Graf「本当のことだ。なにせ私は――」

蒼龍「え?」

Graf「……いや。後で話すよ」


蒼龍「さて、まずは提督のところだね。こっちだよ」

Graf「ああ、頼む。だが蒼龍」

蒼龍「うん?」

Graf「マイヅルには、戦艦が4隻に航空母艦が6隻、その他の軍艦も多数いると聞いていた」

Graf「その割にはずいぶん静かだな。さほど広くは見えないが」

蒼龍「あー、これね。今日は出撃とか遠征なんかで、みんなほとんどいないのよ」

Graf「そうだったのか、忙しい時期にすまないな」


蒼龍「それから、大規模改装中で外部の工廠に行ってる子もいるね。あとで紹介するけど」

Graf「ほう。空母なのか?」

蒼龍「そうそう、私の後輩だよ。仲良くしてあげてね」

Graf「私が教わる身だからな。こちらからお願いするよ」


蒼龍「――ああ、それから」

蒼龍「ここにいる空母は6隻じゃなくて、7隻だよ。貴女を入れたら8隻だね」

Graf「うん? そうだったか」

蒼龍「まあ、すこーし特別だけどね」



提督「第2艦隊、状況報告」

飛龍『――飛龍です。先ほど目的地に到着、脱落した船はなし』

飛龍『予定通り、物資の揚陸を開始しました。見届けたら帰投します』

飛龍『母港への到着予定時刻、本日一八○○――送れ』

提督「了解。次の定時連絡まで、少しでも異常があれば通信せよ――以上」


提督「第3艦隊、ボーキサイト輸送船団の護衛。第4艦隊、合同演習」

提督「久々のフル稼働だな。鳳翔、そっちは問題ないか」

鳳翔「はい。それぞれ連絡を受け取っていますが、順調ですね」


蒼龍「提督、お連れしました」

Graf「Guten Morgen! 航空母艦、Graf Zeppelinだ」

Graf「貴方がこの艦隊を預かる提督なのだな。そうか……よろしく頼むぞ」

提督「こちらこそよろしく。舞鶴へようこそ、歓迎するよ」

鳳翔「秘書艦の、鳳翔と申します。よろしくお願いしますね」


提督「出迎えなくてすまない。ちょっと、今日は予定が立て込んでいてね」

Graf「気にしないでくれ、敵は待ってくれないからな」


提督「早速みんなに紹介したいところなんだけど……」

提督「あいにく、ほとんど出払っててね。今夜の歓迎会までには揃う予定だから」

Graf「私の歓迎会か? 気恥ずかしいが……」


提督「長旅で疲れただろう。鳳翔、部屋に案内してあげてくれ」

鳳翔「はい。ついでに、鎮守府の施設も紹介しますね」

蒼龍「それじゃあ、秘書艦は私が代わるよ」

鳳翔「よろしくね。ではグラーフさん、こちらへ」

Graf「ああ、お願いする。――Admiral、また改めて、な」

提督「うん、ゆっくり休んでくれ」



Graf「――ええと、貴女は」

鳳翔「鳳翔、です。ほうしょう」

Graf「不勉強ですまない。名前を知っているのはアカギだけなんだ」

鳳翔「気にしないでください、まだ慣れていないでしょうから」

Graf「ある程度、勉強はしてきたのだが。どうも名前が独特で……」


鳳翔「焦らないでください。みんないい子たちばかりですから、すぐに仲良くなれますよ」

Graf「あ、ああ。しかし、航空戦力として経験を積むのが目的だから、早く覚えねば」

鳳翔「……ふむ」


鳳翔「もしかして、焦っているのは……」

鳳翔「自分には実戦経験がないから、でしょうか」

Graf「な……」

鳳翔「ごめんなさい、ちょっと調べさせてもらいました。私は配属艦の艦歴を把握することにしていますので」

Graf「……そうか」


Graf「その通りだ。私には経験がない……あの戦争においても、この体になったあとも」

Graf「空母なのに、艦載機を扱ったことがないんだ。不安になるのも当然だろう?」

鳳翔「……わかります」

Graf「まあ、だからこそ、一番航空戦力の充実した艦隊へ来たわけだが」


鳳翔「会ったばかりなのに、差し出がましいことを言うようですが」

Graf「うん?」

鳳翔「あの人……提督は、きっと良い采配をしてくれます。私が保証します」

Graf「信頼しているのだな」

鳳翔「ええ、長い付き合いですからね。あの人の下でずっと戦ってきた子は、みんなそうだと思いますよ」

Graf「…………」

鳳翔「それに、先ほども言いましたが。鎮守府の他の子にも頼ってみるといいですよ」

鳳翔「空母の子たちだけじゃなく、色んな子と話してみてください。きっといい経験になりますから」


鳳翔「私にも、困ったことはなんでも相談してくださいね。なんでもいいですよ」

鳳翔「お国の料理が食べたいとか、そういうのでも。こう見えてもお料理は得意だと思ってますので」

Graf「……ああ。ありがとう」



Graf(――なぜ初対面で、ここまで弱みを話してしまったんだ)

Graf(自分の過去を見透かされて、動揺してしまったのか……)

Graf(だが、まったく不快さを感じない)

Graf(それどころか、私を気づかう、あたたかな感情が伝わってくる――)

Graf(私より小さな体が、大きく見える)


Graf(……いったい、このひとは何者なのだろう)


10日遅れで、新年あけましておめでとうございます。
今年もまた、ゆっくりお付き合いくださるとうれしいです。

第4話はグラーフさん舞鶴に立つの巻。頂いたお題も盛り込んでいきます。
正統派クールは少ないので、性格は固まりやすいですかね。長門さんとの差が難しい。
続きはなるべく早くしたい……って全然守れてなくてすみません。
蒼龍さん短編も書いてますがまとまりません。時間がほしい……


なんにせよ、これからもよろしくお願いいたします。


前回は年内に蒼龍さん短編あげるとか言ってましたが、またもやウソ予告になってしまいました。
最近はとても大切な試験もあり、少しづつしか時間が取れていません。
申し訳ありませんが、気長に待っていただけますと幸いです……もう何回言ったかわからないくらいですが……


>>571
おめでとうございます! 何人かの方が書き込んでくれてますが、こういう報告もうれしいです。
待とうかとは何をお待ちに? 竣工日が記念日の方でしょうか。

>>574 >>575
年末大掃除も新春ボイスもありませぇん(毎年恒例)
いや、これでまた軽空母で唯一追加なしという個性は守られたのです……

遂に鳳翔さんにボイス来ましたね…
しかもバレンタイン!


おつかれさまです、4話の続きは近いうちに投下します。

そんなことよりも!!
鳳翔さんにボイスがある……だと……思わず二度見しましたが、ついに!


>>596,597,598

追加なしのアイデンティティがなくなりましたね、嬉しいけど少し寂しいですね……

これはバレンタインボイスで短編を書かざるを得ない!
4話終了後に、ボイスの内容で考えたいと思います。


こんばんは、おつかれさまです。第4話続きです。
もういろいろ遅くなったことは投下後に改めて謝ります……
書きたいことを詰めすぎて、意外と長くなってしまいました。

今さらですが第4話のお題:五航戦改二・大破・Grafさん・バレンタイン です。


【投下前の注意】
今回は深海棲艦サイドにも、少々コミカルなオリ設定を使っています。
特に、14夏イベ:MI作戦への思い入れが強い方にはご注意いただきたいです。

また>>583の第4艦隊ですが、演習ではなく「改装のための遠征」に修正させてください。失礼しました。






―― コンニチハー

Graf「――ああ、どうぞ?」

五月雨「失礼します、駆逐艦五月雨と――」

綾波「綾波です。スーツケースをお持ちしました」

Graf「ああ、ありがとう。わざわざすまないな」

綾波「ここに置いておきますね。――あ」

五月雨「あっ」

「「…………」」ジー


Graf「……ん? 私の顔が、なにか?」

五月雨「どうしてそんなに!!」

綾波「お肌が白いんですか!?」

Graf「な、なに?」


綾波「私たち、出撃の前には日焼け対策をしてるんですけど」

五月雨「いくらやっても、ある程度は焼けちゃうんですよね」

Graf「そうだろうな。海面からの反射も強いだろうし」

おっしゃ続きや!


綾波「でも、グラーフさんみたいな真っ白な艦娘、初めて見ました!」

五月雨「どんな日焼け止め使ってるんですか!?」

Graf「い、いや違う。これは多分、日本生まれではないから」

綾波「ええっ、外国なら焼けないんですか!?」

Graf「そうではなくて、艦体のつくり自体が違うだろうから――」

五月雨「それじゃ、私も外国で改装してもらったらいいわけですね!?」

Graf「いや……うん。したいなら止めないが」


綾波「艦娘のパスポートってあったっけ」

五月雨「ヨーロッパまでどうやって行こう」

「「うーん……」」

Graf(……日本の駆逐艦は変わっているんだな)


五月雨「――あ、そうでした。荷物を広げたら、執務室まで来ていただきたいそうです」

綾波「よかったらお手伝いしましょうか?」

Graf「いいのか? ありがとう」






提督「――さて、改めて」

提督「航空母艦Graf Zeppelin。本日付けをもって、舞鶴鎮守府への着任を命ず」

Graf「Ja!」

提督「研修期間は2か月。その後の配属は、君の希望と各地の戦力、戦況を考慮して決定する」

提督「もちろんここでも構わない。早く馴染んでくれるように努力するよ」

Graf「感謝する、Admiral」


提督「研修の目的は、艦隊で問題なく動けるようになることと、艦上機の習熟だ」

提督「ここの方針、というより、どこでも基本だと思うけど――」

提督「練度がある程度上がるまでは、演習と遠征が主になる。出撃する場合も、鎮守府周辺海域がメインだ」

提督「出撃や遠征では、主に船団の護衛や航路の啓開。これはほぼ毎日だね」

提督「最初は、これらの任務に当たってもらいたい。異存ないかな」

Graf「ありません。――で、私の役目はいつから?」


提督「そうだなぁ、急ぐこともないと思うんだけど……」

Graf「鳳翔にもそう言われたが、期間も限られているからな」

鳳翔「それじゃあ、これから鎮守府近海まで出てみますか?」

Graf「おお。出撃か?」

鳳翔「他の皆さんが出撃や遠征、演習から帰ってくるときの、航路を警備するんです」

Graf「航路の警備?」


鳳翔「鎮守府の周辺には艦隊だけでなく、はぐれ艦と呼ばれる敵艦もいるのですが」

Graf「はぐれ艦か、知っている。ヨコスカにもかなりの数がいたな」

鳳翔「ええ。危険性はそれほどでもないのですが……」


鳳翔「弾薬が少なくなった時や、演習用の装備の時に見つかると大変ですからね」

鳳翔「はぐれ艦はほとんどが駆逐艦や潜水艦1隻ですが、そのぶん行動も読みにくいのです」

Graf「なるほど。この鎮守府は慎重なのだな、Admiral」

提督「無事に帰る確率を上げるためだよ。作戦成功して帰り道にやられました、じゃ意味がないから」


鳳翔「それほど遠くへは出ませんし、海域を覚えるにはいい機会じゃないでしょうか」

Graf「鳳翔が出てくれるなら心強い、私からもお願いする」

提督「――よし、わかった。今日の指導は鳳翔に任せよう」

鳳翔「お任せください! それじゃグラーフさん、工廠で艤装を着けてみましょう」

Graf「ああ、よろしく頼むよ鳳翔」


蒼龍「――もう仲良くなっちゃって。お母さん、なんだかうれしそう」

提督「はは、新しい子は久々だもんなぁ。いろいろ教えてあげたいんだろ」


蒼龍「――ん? 天気がまた……」

蒼龍「……なんだか、変な色の雲が出てきたね」

提督「本当だな、いきなりどうしたんだろう」


蒼龍「ねえ提督。さっき外に出たときに思ったんだけどさ」

提督「ん、どうした。何かあったのか」

蒼龍「はっきりとはわからないけど……今日の空はちょっと変だよね」

提督「確かに妙な空模様だな。雲の流れも速いし、ひと雨来るのかな」


蒼龍「気象台から報告は? 海が荒れそうだとか」

提督「私も気になって問い合わせたんだけど、特に強風も波浪も心配ないそうだよ」

提督「少し霧がかかるらしいが、これはよくあることだし」

蒼龍「そっか……うーん」


蒼龍「でも、なーんか気になるな。嫌な予感がする」

提督「……そうか」


提督「それじゃ、艤装の用意だ。ボイラーに火を」

提督「非番の子にも声をかけて、それから航空隊も地上配備しておくか」

蒼龍「え、いいの? 根拠ないよ」

提督「念のため、ね。今は自由に出せる戦力が少ないし、民間から要請が来た時に出せる戦力は必要だから」


提督「――それにどういうわけか、うちの悪い予感はよく当たる。私も含めてね」

蒼龍「そ、そうかなー? あはは……じゃあ、非番の子には私が言っとくから」

提督「うん、頼んだよ」


鳳翔「では、行ってまいりますね」

提督「うん。くれぐれも……」

叢雲「気をつけて、でしょ。――ったく、いつまでも言うこと変わらないんだから」

満潮「言われなくても気をつけるわよ。何回も言うと、言葉の価値が下がるわ」

五月雨「2人とも、今日はいつもとちょっと違うんですよ! 油断しちゃダメです!」

Graf「世話になる。なるべく荷物にならないよう付いていくよ」

綾波「あ、大丈夫ですよ。そんなに肩に力入れないでください」


鳳翔「あの、それから……」

提督「うん?」

鳳翔「い、いえ、あの」


鳳翔「帰ってきたら、渡したいものがありますので……楽しみにしていてくださいね」

提督「渡すもの? ――うん、わかったよ」

鳳翔「そ、それでは、出撃いたします!」


提督「――帰ってきたら、か。楽しみだな」

提督「何か立った気もするけど……」






蒼龍「――おかしいよ提督。本格的に霧が出てきた」

提督「そろそろ艦隊が帰投するのに、参ったな。いきなりどうしたんだ……」

蒼龍「第1艦隊も大丈夫かな。視界が悪いと、潜水艦だけじゃなくて水上艦も怖いね」

提督「そうだな。だから、綾波と叢雲には砲戦装備を積んだんだ」

蒼龍「いつもは対潜装備多めだもんね。――まあ、お母さんなら心配ないか」

提督「これ以上濃くならないうちに誘導灯の確認と、それから気象情報をもう一回見てみるか」


――バタァン!


大淀「て、提督、大変です!」

提督「どうしたんだ、慌てて」

大淀「帰還中の第2、第3、第4艦隊からの通信が途絶えました!」

「「!!」」


大淀「定時連絡も、こちらからの通信への応答もありません!」

提督「何だって!? 3艦隊分、全員からか!!」

蒼龍「ということは、故障じゃないよね。これはやっぱり――」


――バァン!!


明石「――て、提督!!」

提督「今度は明石か。どうした?」

明石「この霧です! 帯電した霧が、通信を阻害しています!!」

蒼龍「ああ……嫌な予感、当たってほしくなかったのに」


大淀「ど、どうしましょう。艦隊がお留守の時に……」

明石「すぐに動ける子は少ないです。それに、出しても通信できなくては――」


提督「――落ち着け。飛龍の第2艦隊、赤城の第3艦隊は近くまで戻っているはずだ」


提督「蒼龍! 航空隊に電文を持たせて、直接届けてやってくれ」

提督「この霧のことと、航行速度を上げて早く戻るように、と」

蒼龍「わかった。――翔鶴と瑞鶴にはどうする?」

提督「第4艦隊は離れたところだからな。あまり航空隊をそれぞれに振り分けすぎると、遭遇できないかもしれない」

提督「まず確実に第2、第3と連絡をとって、その後全力で第4艦隊と接触する」


提督「――速さが肝心だ、頼むぞ蒼龍」

蒼龍「了解。任せてね!!」


提督「明石。横須賀の司令部と、各鎮守府に連絡を取ってくれ」

提督「有線は繋がるよな? とにかく情報を集めるぞ、通信もあらゆる周波数を試してみるんだ」

提督「大淀は全ての艦娘を作戦室へ集めてくれ。後で状況を説明する」

「「了解!!」」



提督「……鳳翔」

提督「すぐ、気付いてくれていればいいんだが」






鳳翔「――いかがですか、調子は?」

Graf「問題ない。波が高いのには驚いたが」

鳳翔「艦上機もいい動きです。特に心配もいりませんでしたか」

Graf「ああ――それにしても、この爆撃機は素晴らしいな!」

Graf「急降下の速度も、機動性も申し分ない。この国の技術には、まったく感服するよ」

鳳翔「ふふ、ありがとうございます。私もうれしいです」

鳳翔「国というより、この国の妖精さんの技術力ですけどね」


Graf「この艦上機は、何と呼ぶのだったかな?」

鳳翔「彗星一二型甲、我が艦隊の主力爆撃機ですね」

Graf「そうか、Komet……スイセイの上位機か。この性能で、主力機として揃えられているとは驚いたぞ」

鳳翔「いえいえ。グラーフさんは初めて扱うでしょうに、お見事な腕です」

Graf「それだけ、こちらの搭乗員が優秀なのだろう」


Graf「――私が連れてきたスツーカ隊も、まだまだ成長できそうだな」

鳳翔「そうですよ。じっくりと練度を上げていってください」


鳳翔「ただ、少々霧が深くなってきましたね。せっかく調子が出てきたところで申し訳ありませんが……」

鳳翔「今日のところは、早めに切り上げたほうがいいでしょうか」


綾波「――あ、あれ」

五月雨「どうしたの?」

綾波「いきなり電探から雑音が……故障かな」

叢雲「こっちも同じよ。33号が同時になんて……鳳翔さん!」

鳳翔「――ええ、故障ではありませんね。異常事態のようです」


鳳翔「お2人とも、ソナーの動作は?」

五月雨「問題ありません、正常に動いてます」

満潮「私も大丈夫。聞き取りにくいこともないわね」

鳳翔「ということは、通信に問題が……これは、早く帰投した方がよさそうですね」

鳳翔「今回はここまでにしましょう。艦隊は進路を――」


―― ズゥウウン……


「「「!?」」」


Graf「い、今の音は!?」

綾波「戦艦の砲撃音です!! 霧の向こうで、発砲炎がかすかに!!」

鳳翔「早く散開を――グラーフさん!!」

Graf「!!」

鳳翔「が、っ……」

Graf「ほ、鳳翔!?」

鳳翔「……だ、大丈夫ですから……早く……」

Graf「私が曳航する! 誰か先導を!!」





飛龍「お? おーい赤城さん、加賀さん」

赤城「飛龍、戻ってましたか」

飛龍「ついさっきね。――妙な騒ぎになったわね」

加賀「これでは歓迎会も、微妙な雰囲気になりそうね」

赤城「そんなことありませんよ、お母さんの料理を食べれば!」


提督「――戻ったか。おつかれさま」

飛龍「おつかれさまです……どうしたの、暗い顔して」

提督「……それが、な」



赤城「――お母さんが、大破!?」

提督「いつも通り、近海警備に出たんだ。そうしたら普段は見ない深海棲艦と遭遇したらしい」

加賀「見ないとは?」

提督「五月雨が言うには、戦艦級の砲撃だと。改修が済んだ鳳翔を大破させる威力だ」

飛龍「もしかして、この霧のせい?」

提督「詳しいことはまだわからない。帰ってきて早々すまないが、補給はしておいてくれ」

赤城「……了解しました」


赤城「……加賀さん、飛龍」

飛龍「あー、何考えてるか大体わかるよ」

加賀「私も同じです――このままお母さんをやられたままで、黙っていられませんね」

赤城「よし、ではすぐ補給を」


赤城「――そうだ、蒼龍は……」

蒼龍「――ここにいるよ。お帰り、みんな無事でよかった」

飛龍「そっちも1人で大変だったでしょ。おつかれさま」

蒼龍「うん。お母さんはもう入渠したから、心配しないで」

赤城「そうですか……よかった」


蒼龍「それで、するんでしょ? かたき討ち」

飛龍「蒼龍、いっしょに行こうよ!」

蒼龍「気持ちはみんなと同じだけどさ……」


蒼龍「鎮守府に誰か1人、空母はいないと。私まで出たら、基地航空隊を指揮できなくなっちゃうでしょ」

蒼龍「五航戦の2人も、誘導してあげないとね。ひと段落したら、私も追いかける」

加賀「わかったわ。提督にはうまく言っておいてね」

蒼龍「しょうがないなあ、もう――気をつけるんだよ、3人とも!」



提督「――なに、鳳翔に高速修復材を?」

提督「だめだ、だめ! すぐ直ったら、すぐ出撃したがるに決まってる」

提督「大変なときに寝てられないとか言ってな。修復材はだめだ」

提督「修理はどれくらいかかる? ――およそ11時間? わかった、それまで寝かせてやってくれ」


蒼龍「提督ー」

提督「おお、蒼龍。赤城たちはどうした」

蒼龍「え、えっと……」


蒼龍「――ご、ごめん。またすぐ出ていっちゃった」

提督「出ていった?」

蒼龍「お母さんのかたき討ちに、3人で」

提督「……3人でか」


蒼龍「えっと、あのですね。私たちの気持ちも酌んでほしいなっていうか――」

提督「まったくもう……すぐ護衛を出さないと」

蒼龍「あ、あれ? 怒らないの?」


提督「少しは予想できてたし、それに」

提督「自分が赤城たちの立場だったら、同じことをしてたかもしれん」

提督「好き放題やられて、怒ってないわけじゃないんだ」

蒼龍「おお。久々に怒りをあらわに」


提督「とはいえ、ちゃんと飛行機で連絡は取りあっておいてくれよ」

蒼龍「それは大丈夫。よく言っておいたから」

提督「第4艦隊も帰ってくるし、すぐ後詰の艦隊を編成しよう。作戦室へ行くぞ、蒼龍」

蒼龍「うん!」


提督「……と、その前にグラーフを探さないと」



鳳翔「すぅ……すぅ」

Graf「…………」


提督「入るぞ――やっぱりドックだったか」

Graf「……Admiralか」

提督「五月雨たちから、大体の事情は聞いたよ。最初の出撃から災難だったね」

Graf「…………」


提督「わかりやすく落ち込んでるな」

Graf「……当然だろう。鳳翔は私をかばって被弾したんだぞ」

提督「初めに言っておくが、君に落ち度はないぞ」

Graf「なに?」


提督「電探が使えず、航空隊も電信を打てず」

提督「それに、戦艦級がこの海域まで出ることは想定外だった。艦隊の誰も予測できないことが起きたんだ」

提督「最終的に、出撃の許可を出したのは私だ。艦隊の損害は、すべて私の責任と言えるな」


Graf「……貴方たちの信頼の深さは、今日会ったばかりの私にも伝わるほどだ」

Graf「ならば今回の敗北と損害は、一番練度の低い者のせいだとは思わないか」

提督「――あのな。今回は負けだと思ってるかもしれないが、それは違うんだぞ」

Graf「なんだと? 大破して撤退すれば、それは……」

提督「ああ、そうじゃなくて。私たちの敗北の考え方は違うんだ」

Graf「……どういう意味だ?」


提督「あー、これは私が尊敬してる人の考え方でもあるんだけど」

提督「大破だろうが撤退しようが、大事なのは沈まないこと……生きていることなんだ」

Graf「…………」


提督「出撃した全員が、沈まずに帰還する」

提督「それだけで大勝利なんだよ、グラーフ。もう少し経験を積めば、君もわかるはずだ」

Graf「……鳳翔も、そう思っているか?」

提督「言葉を交わしたわけじゃないけど、きっと」


Graf「――Admiralが言いたいことは、わかる気がする」

提督「うん。そうか」

Graf「しかし、私にはまだ、それを心するだけの経験がない」

Graf「言葉だけわかっていても意味がないからな。経験と実践が、自分の実力となる」

提督「そうだな、そう思うよ」


Graf「……聞いていた通り、ここは素晴らしい艦娘が揃っているようだ」

提督「そうとも。自慢の子たちだよ」


Graf「というわけで……ここにいる間、Admiralと鳳翔から、できる限りのことを学ばせてもらう」

Graf「――これからよろしく頼むぞ、Admiral」

提督「うん。こちらこそ」

Graf「鳳翔も、よろしく頼む」

鳳翔「……ん」


Graf「早く元気になってくれ……!」

提督「い、いや、病気なわけじゃないから。普通に修理だから、大丈夫だよ」


すみません、20分弱休憩します
まだ40レスちょっと続きます、リアルで読んでくださってる方は無理せずにどうぞ……






赤城「――さて、偵察ですが」

加賀「妖精さんたちも、この視界では困難だと言っていますね」

飛龍「彩雲隊はさすがに目が良いね。こっちは出せそうだよ」

加賀「……でも無線が使えないのでは、見つけても打電できないわ」


飛龍「あんまり使ってなかったけど、妖精さんと視界をリンクしてみよう」

赤城「大丈夫ですか? 負担もかかるし、今は視界も悪いですが」

飛龍「しんどいからねぇ。艦隊の発見までは妖精さんに任せるわ」


赤城「――電探と無線はやはりダメですか?」

加賀「そうですね、ノイズばかりで使えません」

赤城「誘導灯を見失わないように。はぐれたら、冗談じゃなく遭難してしまいますよ」

加賀「まあ、こんな状況で空母だけが航行しているのもおかしな話ですが」

飛龍「駆逐艦も連れずに飛び出しました、なんてお母さんが知ったらなんて言うだろ……」

赤城「……冷静に考えたら、恐ろしくなってきましたね」


加賀「ところで……戦艦の砲撃を受けたとのことでしたが、敵艦隊が1つとは限りませんね」

赤城「ええ。かたき討ちとはいえ、無茶はできません。帰ったら提督にもお母さんにも怒られますし」


飛龍「――むっ、彩雲が敵艦隊に触接! 空母ヲ級、3隻を含む」

加賀「こんなところに機動部隊が……やはり今日はおかしいわね」

赤城「ヲ級が3隻ですか、相手にとって不足なし。全攻撃隊――」


飛龍「――いや、待ってください! 白旗が見えます」

赤城「白旗……? まさか、今までそんな意思表示など……」


赤城「……攻撃隊は出すべきです。ただし上空待機で」

加賀「同感ですね。了解」

飛龍「了解――でも、相手は航空機、出してないみたい……」


―― ヒリュウー!!


飛龍「……ん?」

ヲ級Y「ヒリュウー!! ワタシだー!!!! ケッコンしてクレーーーー!!!!」

飛龍「」


加賀「……飛龍、貴女まさか」

飛龍「やめてそんな目で見ないで」


赤城「……なんか1隻、まっすぐ向かってきますが」

加賀「こちらの位置がばれていたこと、ヲ級のあの態度からして……」

加賀「――正直に吐きなさい。怒らないから」

飛龍「やめてぇええ!! スパイでも百合でもないから!!」

加賀「冗談よ」


赤城「……どこかで見たと思ったら、あの3隻は」

飛龍「MI島で何回も戦ったヲ級じゃん! なんでこんなとこにいるのよ!!」


ヲ級Y「覚えててクレタノ!? ワタシ感謝感激雨アラレ!!」

飛龍「うわ、もう来た! 貴女、何度も何度も私に向かってきた――」

ヲ級Y「そうッ! あの時、アナタにボコられたヨーキィだよォ!!」

飛龍「それ名前!? 言われてもわかんないって!!」

ヲ級Y「ズーット大好キだったんだァ! 私のアイを受け止めてェ!!」

飛龍「今まで話したことすらないでしょ! そもそも貴女しゃべれたの!?」

ヲ級Y「ヒリュウとオハナシがしたくてサ、一生懸命日本語をベンキョウ――」


赤城「――そこまで。止まりなさい」

ヲ級Y「!!」


赤城「面識があろうが白旗を掲げようが、警戒を解いていい理由にはなりません」

赤城「私たちの宿縁はそれほど浅くないはずです」

ヲ級Y「わ、わかったよォ。こんな近くで弓向けないでェ……」

加賀「……ここまで殺気を感じない深海棲艦は初めてね」


ヲ級H「――はー、やっと追いついた」

ヲ級E「…………」

赤城「……また増えましたね」

加賀「落ち着いて。いつでも攻撃できます」


ヲ級H「姉さん、1人で行かないでって言ったでしょ!」

ヲ級Y「ゴメンゴメン、姿が見えたら抑えられなくなってさァ」

赤城「――貴女はたしか、機動部隊H群の旗艦……」


ヲ級H「H群? ああ、あの時アンタたちが勝手につけたコードね」

ヲ級H「そうよー、名前はスティンガー。お久しぶりね、赤城」

赤城「MI作戦の暗号を読んでいたのですか!?」

ヲ級H「あー、安心して。まともに読もうとしてたのなんて、私と姫サマだけだし」

ヲ級H「断片的にしかわからなくて、アンタたちの作戦が終わるまでには役に立たなかったわ」


ヲ級H「――信じるかは自由だけどね」

赤城「…………」

ヲ級H「まさか2年前と同じ暗号使ってないと思うけど、私たちをそこまで見くびらないほうがいいわよ」



ヲ級E「…………」

加賀「……?」

ヲ級E「ご無沙汰しておりマス、加賀。2年近く振りでスネ」

加賀「ああ、これはどうもご丁寧に」

ヲ級E「あの時は航空戦だけでしたガ、ウチの子たちを揉んでくださっテありがとうございまシタ」


ヲ級E「機会があれバ、またお手合わせヲお願いしマス」

加賀「……こちらは遠慮したいわね、何度も挑みかかってくるヲ級など」

ヲ級E「それは残念デス。――アア、ラッキーとお呼びくだサイ」

加賀「しぶとそうな名前ね」



赤城「……なぜ、こんな悠長に話し合いなど……」

赤城「私たちは敵同士なんです。MI作戦で、こちらが受けた損害を考えれば」

赤城「ここで見逃せば、他にどんな被害が出るかわかりません」


ヲ級Y「ンー? その言い方はチョット、勝手すぎるんじゃないかなァ」

赤城「なんですって?」


ヲ級H「突然、攻めてきたのはそっちでしょ。せっかく作った滑走路、壊してくれちゃってさー」

ヲ級E「私たちハ、自身と姫サマを守るために、戦っていただけデス」


ヲ級Y「アカギ、アナタが戦う理由は知らないケド」

ヲ級Y「こっちにだってちゃんとした理由があるのさァ、押し付けてもらっちゃ困るよォ」


加賀「一理ある……と、言いたいところだけど」

加賀「そんな話をするためだけに、ここへ来たわけではないでしょうね」

飛龍「そうよ。太平洋にいた貴女たちが、どうして日本海にいるの」

ヲ級E「そっちの理由はちゃんとありマス。――アナタたちの、後ろ、デス」


赤城「後ろ? ――!!」


飛行場姫「――あら、懐かしい顔がそろってるわね」

北方棲姫「こーわん! ゼロトレップウ、イッパイトンデル!」

港湾棲姫「そうね。でも、まだ手を出しちゃだめよ」


加賀「なっ……姫が、3体!?」

飛龍「そ、そんなまさか! いつの間に後ろに!?」


飛行場姫「限界まで気配を押さえれば、レーダーやソナーをかいくぐれるのよ。貴女たちが鬼、姫と呼んでいる子だけだけどね」

飛行場姫「ま、この状態になるとすぐ戦闘できなくなるんだけど」


加賀「……確かに、殺気は感じませんが。はいそうですかと信じるわけにもいきません」

飛龍「こっちも航空隊は飛ばしてあるからね。痛み分けくらいには持ち込めるよ」

赤城「その通りです。目の前の敵を素通りさせるなど――」

北方棲姫「ネーネー」クイクイ

赤城「きゃあっ!! な、なんですか!?」


北方棲姫「オカーサンハ? イナイノカ」

赤城「え、ええ。今は鎮守府ですけど……」


北方棲姫「ソウナノカ……」

港湾棲姫「今度会いに行きまショウ。ネ?」

北方棲姫「ウン!」


飛龍「え、ちょっと。会いに行くって鎮守府へ?」

加賀「そもそも、なぜお母さんに会いたいのかしら」

港湾棲姫「少し前にデスネ、地上へ買い物に行ったときニ――」


―― ガヤガヤ……


赤城「だからなんで仲良く……まったく」

飛行場姫「――えーと、いいかしら?」

赤城「あ、はい」


飛行場姫「私も、タダで通ろうとは思わないわよ。そちらに仁義は通そうじゃないの」

赤城「……? 何をするつもりです」

飛行場姫「妖精さん、回線を開いてね。相手は――」



大淀「――て、て、て、提督!!」

提督「どうした大淀。メガネずれてるぞ」

大淀「し、司令部施設に通信が入りました……」

提督「通信? 霧がかかってるのにそんなバカな――誰からだ」

大淀「それが……とにかく来てください、通信室です」

提督「あ、ああ」


―― ザザザ……


飛行場姫『――あーあー、マイクテス、マイクテス』

北方棲姫『――ホッポガ!! ホッポガヤル!!』

港湾棲姫『――コラ! 大事なお話なの、邪魔しちゃダメ!』


飛行場姫『ハローCQ。こちらリコリス・ヘンダーソン』

飛行場姫『――なんちゃってー』


提督「…………」

提督「は?」


提督「ちょっと待て、ちょっと待ってくれ」

飛行場姫『忘れちゃった? 結構いろんなところで会ってるでしょ、アイアンボトムサウンドとか』

提督「忘れるものか。そして二度と会いたくなかった」

飛行場姫『つれないわねぇ。まあいいけど』


飛行場姫『改めてこんにちは、私はリコリス。ひさしぶりね、最強の機動部隊の司令官さん』

飛行場姫『よくもまあ、いろんな所に出張って、妹たちをボコボコにしてくれたわね』

提督「必死なのはお互いさまだ」


提督「なぜこの霧の中で通信できる?」

飛行場姫『私の装備をなめないでいただきたいわね。単純に、この程度の帯電は問題にならない性能ってだけよ」

飛行場姫『むしろそっちが、その程度の通信設備しか持ってないとはびっくりよ』

飛行場姫『――艦娘も苦労してるわねぇ。うふふ』

提督「敵に心配される筋合いはないわ!」


提督「ふう……通信してきた理由は? いや、そもそもなんで日本海にいるんだ」

飛行場姫『それを今から話そうと思って、貴方につないだのよ』

飛行場姫『目の前の空母たちに話すついでに、貴方に聞いてもらえば話が早いと思ってね』


提督「赤城たちが目の前にいるのか!?」

飛行場姫『お互いに手は出し合ってないし、こっちはそのつもりもないから安心して』

提督「話し合ったこともない相手を信用しろと?」

飛行場姫『最後まで聞いてから判断すればいいわよ。話はこっちの身内と、貴方の空母に聞こえてるからそのつもりでね』


提督「……どういう状況かわからないが、とにかく聞くしかないようだな」

飛行場姫『話が早くて助かるわ。――わかってると思うけど、この霧のおかげで傍受される心配はないわよ』

提督「深海棲艦の姫と話したなんて、誰も信じちゃくれないよ」


飛行場姫『目的は、ここを通って南方海域まで逃げることよ』

提督「逃げる? どういう意味だ」


飛行場姫『――私たちは特性として、根拠地になる陸地と滑走路が必要なんだけど』

提督「ああ、陸上型か」

飛行場姫『去年の夏の攻撃で、私の島が使い物にならなくなってね。北方海域にある、妹の島に厄介になってたんだけど』

飛行場姫『最近、海域を追われた子たちが私たちの島に逃げ込んでくるようになったのよ』


飛行場姫『奪われた海域を攻めてくれって、うるさく言うようになった。それが嫌になって、別の島を探しに行こうとしてるわけ』


提督「太平洋を南下せずに、日本海を通っているのは……」

飛行場姫『単純に、迂回すればその子たちに見つかりにくいかと思っただけよ』


提督「深海棲艦にも、戦いを嫌う者がいたとはな」

飛行場姫『私たちは積極的に戦いたいわけじゃないわよ? 貴方たちが攻めてくるだけで』

飛行場姫『来るな来るなって言う子もいたでしょ。まあそれでも来るんだから、身を守るために戦うしかないわね』

提督「…………」


飛行場姫『要するに、いま北方海域は戦力が集中してるわ。この情報をどう使うかは貴方の自由』


提督「そんなことを私に教えて、そちらにどんなメリットがあるんだ」

飛行場姫『ないわよ? 私たちはただ、ここを通って行きたいだけ』


飛行場姫『――だから戦おうとしないで、通してくれるとうれしいわ』

提督「事を構えたくないのはこちらも同じ。姫を3体も相手など、できれば避けたい」


飛行場姫『あら、戦意がないのは伝わった?』

提督「赤城が話を聞こうと思ったのは、そういうことなんだろう」

飛行場姫『信頼されてるのね、うらやましい』


提督「――こっちからいくつか聞きたい」

飛行場姫『どーぞ。私たちが困らないことは答えてあげる』


提督「自然現象でないことは確認してるが、この霧は君たちの仕業か?」

飛行場姫『いいえ。私たちや練度の高い子なら、海域の天気を変えたりはできるけど、今回はしていない』


提督「この霧は、移動に都合がいいかと思ったんだが」

飛行場姫『おバカさん。天気を変えるのは戦うときだけよ』

飛行場姫『今はこっそり行きたいのに、電波障害起こしながら移動したら、近くに来てますって言いふらしてるようなもんじゃないの』

提督「……む……」


飛行場姫『霧を出した子は他にいるってことね』

提督「そうだ、多分それに関連してると思うんだが」


提督「少し前に、艦隊と戦って空母を大破させなかったか? 舞鶴の艦隊なんだが」

飛行場姫『いいえ。あの子たちにも聞かれたけど、大破させたのは戦艦でしょ? 私の仲間は空母しかいないわよ』


提督「そうか。その戦艦級が、この海域にいる理由を知らないか」

飛行場姫『さっき言った、追われて逃げてきた連中だと思うわ』

飛行場姫『かなり遠くまで暴れたがってる、血気にはやった子もいたからね』


飛行場姫『もしかしたら、その中に霧を出せるくらいの力を持った子もいたかもしれない』

提督「鳳翔を大破させる実力か……納得できるな」


飛行場姫『ああ、それから。この霧はもうすぐ晴れるわよ』

提督「そうなのか?」

飛行場姫『ええ。霧を見れば、実力の程度は大体わかる』

飛行場姫『1日ももたない霧なんて、私にくらべれば未熟もいいとこよ。うふふ』


提督「……なるほど。知りたいことは大体わかった」

飛行場姫『あら、もういいの? こんなサービス滅多にしないんだけど』

提督「まあ、貴重な経験には間違いないな。わざわざ敵の情報を、敵の姫が流してくれるとは」


飛行場姫『私がウソをついていない保証はないわよ?』

提督「残念ながら、私はそれを証明できない」

提督「だから、ここを素通りしたいという、こっちに都合のいいことを信じさせてもらう」


飛行場姫『……ふーん』

飛行場姫『ま、話が通じないよりはマシね』

提督「ほめ言葉として受け取っておく」


提督「――霧が出てるうちに、もう行ったらどうだ」

提督「他の鎮守府の艦隊に見つかっても、私はかばったりはしないぞ」

飛行場姫『言われなくても。――じゃあ、もう行くから』

提督「ああ」


飛行場姫『次は、もうちょっとゆっくりお話ししたいわ……なんてね』

提督「会いたくないと言っただろ。――以上だ」

飛行場姫『ハイハイ、じゃあねー』


ヲ級Y「ヒリュウー! 次会ったらケッコンしてねェーー! 今度タキシード贈るからァーー!!」

飛龍「私がお婿さんかよ!! 嫌だよそんなの!!」


ヲ級H「じゃあね、次は戦場以外で会えるといいわね」

北方棲姫「マタネー」

ヲ級E「失礼いたしマス」


加賀「……また会う、ね。願っていいのかしらね」

飛龍「いいわけないでしょ! もー、頭がクラクラしてきた……」


港湾棲姫「赤城サン」

赤城「はい?」

港湾棲姫「アノ、コレ。鳳翔サンに、渡していただけますカ?」

赤城「お母さんに? どういうことです」

港湾棲姫「お礼デス。以前ウチノほっぽが、お世話になりまシテ」

赤城「なんですって? お世話どころか、戦ったことしかないでしょう」

港湾棲姫「イエ、あるのデス――私も変装していまシタから、おそらく覚えていないでしょうガ」

赤城「……?」


港湾棲姫「都合が悪ければ、私のことは隠して構いまセン。皆さんで召し上がってくだサイ」

赤城「た、食べ物ですか? 私たちとは食べられるものが違うんじゃ」

港湾棲姫「ただのスパイスですカラ。カレーにでも入れてくだサイ」

赤城「なぜスパイスなのですか?」

港湾棲姫「カレーが美味しいのはいいことデス」

赤城「……よくわかりませんが、それは同意します」


飛行場姫「――ああ、最後にこれあげる。持ってくといいわ」

赤城「……? なんですか、これは」

飛行場姫「この付近まで迷い込んでる、水上打撃部隊の航路情報」

飛行場姫「さっき、私の飛行隊が見つけたの。戦艦が3隻くらい混ざってたわよ」

赤城「…………」


飛行場姫「ふふっ。貴女の考えてること、わかるわよ。なぜ仲間の情報を渡すのかって?」

飛行場姫「でもね、今の私の仲間は、こうして付いてきてくれるこの子たちだけ。裏切り者と言われても構わない」

飛行場姫「それだけの覚悟が、私にはある。そう思ってもらいたいわね」


赤城「……そうですか。それについては、何も言いません」

飛行場姫「あら?」

赤城「貴女の目。仲間を想う気持ちに、嘘は見えませんから」

飛行場姫「そう……ウフフフ」

飛行場姫「もう少し、貴女みたいな子が増えてくれればねぇ」



飛行場姫「――では、ごきげんよう。忌々しき栄光の機動部隊の皆さん」

飛行場姫「次は、静かな海で会いましょう」



赤城「…………」

加賀「行きましたか。狐につままれたような出来事でした」

飛龍「いっそ、本当に幻ならよかったのに。このままおとなしく忘れてくれないかな……」


赤城「――私たちも行きましょうか。この座標に向かってみましょう」

加賀「それが、お母さんをやった艦隊でしょうか」

飛龍「霧も薄くなってきたし、航空隊も出せるね」

赤城「ここから、もう見えるはずですが……あら、エンジンの音が」


蒼龍「――改二改装の初陣だ、やっちゃいなさい2人とも!!」

翔鶴「了解! 五航戦の実力、その身に刻んであげます!」

瑞鶴「改装された本格正規空母の力、存分に魅せるわ! 翔鶴姉、やろう!」


―― ギャアアアア!!


瑞鶴「装甲空母になって、最初の獲物がflagshipル級とは気が利いてるじゃないの!」

翔鶴「瑞鶴、はしゃぎすぎないでね……ちゃんと止めてくださいね、蒼龍先輩!」

蒼龍「翔鶴もいつもよりテンション高いよ――しっかし、いい大物食いだね。うらやましい」


赤城「翔鶴、瑞鶴……改装が終わりましたか」

飛龍「もう壊滅させちゃってる。なかなかやるじゃないの、うんうん!」


瑞鶴「――あ、おーい加賀さーん!!」

蒼龍「これで全員そろったね。よかったよかった」

翔鶴「無事に戻りました、先輩方」

瑞鶴「見て見て、これが全装甲甲板だよ。見るからに強固そうでしょ!?」

加賀「ええ、本当に。私の甲板よりも数倍は堅そうね」


翔鶴「ある程度の爆撃なら、弾き返しちゃうそうですよ! これで潜水艦に気をつければ、まさに理想の――」

加賀「それは頼もしいわね。でも、カタログスペックを過信してはいけないわね」


加賀「――私の航空隊の急降下爆撃、何発耐えられるか試してあげてもよくてよ」

「「ひぃぃ」」

加賀「ふふっ」

蒼龍「あーあ。素直におめでとうでいいのに、もう」


長門「――いたぞ、あそこだ!!」

飛龍「あれ、長門さんたち?」

蒼龍「提督が出した後詰の艦隊だよ。迎えにきてくれたの」


陸奥「もうっ、護衛つけずに出るなんて! 心配かけないでよ!」

扶桑「帰ったら提督に叱っていただきますからね!」

加賀「……一応、連絡機は飛ばしていましたが」

飛龍「まあ仕方ない。掃除当番くらいは覚悟しとこっと……」


赤城「…………」

赤城「今回も皆、無事だった」


赤城「……装備は充実、後輩もよく育ってくれた」

赤城「何より、6人揃っている。あの戦争のときとは、違う」

赤城「けれど、今まで宿敵だった者たちとの、深海棲艦との意思疎通……」


赤城「私たちを取り巻く状況が、敵が、世界が」

赤城「色々なことが、変わる時期になってきたのか」



赤城「……1人で考え込んではいけませんね。お母さんに教えられたことでした」


赤城「私には頼れるひとたちがいる」

赤城「共有することで、悩みは半減する。喜びは倍増していく」

赤城「――それが戦友であり、家族なのだから」



赤城「さあ皆さん、提督とお母さん、グラーフさんが待っていますよ」

赤城「――早く帰って、歓迎会の準備をしましょう!」






鳳翔「う、ん……ん?」

提督「お? 目が覚めたか、鳳翔」

鳳翔「あの、どうしてまだドックに? 修復材は……」

提督「私が止めたんだよ。君を出撃させないために」


鳳翔「むう……そういった特別扱いは……」

提督「いいからゆっくり寝なさい。歓迎会は明日やるから」

鳳翔「そ、そうですよ。お料理の準備は?」

提督「みんなでやってるから心配ないよ」


提督「――なぜかグラーフも、自分の歓迎会の準備を手伝ってるけど」

鳳翔「あらあら。うふふ」


提督「ところで、渡したいものっていうのは?」

鳳翔「ああ、そうですね。本当は手渡ししたかったのですが……」


鳳翔「冷蔵庫に、チョコレートを冷やしています。バレンタインのプレゼントです」

提督「冷やして……手作りか! ありがとうな」

鳳翔「きな粉と和三盆で、和風に。あとで感想を聞かせてください」

提督「あとで? いーや我慢できない」

鳳翔「えっ?」


提督「ここに持ってきて、すぐ食べる。ちょっと待っててくれ!」

鳳翔「あ……」


鳳翔「――ふふっ、可愛いひと」



鳳翔「……大破、してしまいましたか」

鳳翔「こんなに長く入渠していたのは、どれくらいぶりでしょうか……」


鳳翔「娘たちが頼もしくなると、つい忘れがちですが」

鳳翔「艦娘として、軍人として、命の危険と隣り合わせ。これはいつまでも変わらないのですよね」


鳳翔「…………」


鳳翔「少し……そう、少しくらい」

鳳翔「わがままを聞いてもらっても、いいですよね」

鳳翔「お願いします――あなた」



第4話 終


第4話、ここまでになります。毎回言っていますが、遅くなりましてすみません。
最後で赤城さんや鳳翔さんがシリアスっぽくなりましたが、安心してください。ただのアットホーム空母ドラマですよ!

今回は深海棲艦の設定を、相当好きにいじってしまいました。
かなり好みの分かれる展開かと思いますが、楽しんでもらえたらうれしいです。

>>604,641
リアルタイムでありがとうございます、うれしかったです!


次の話ですが、第5話でずっと待っていただいてる「例のあのお題」をやります。
4月からは生活環境の激変が予想されますので、2月3月中には必ず終わらせます。

このお題で一区切りするのが一番いいかと自分では思っています。
SSなのに難しく考えすぎですが、このメンバーで書こうとすると軽く書けないんです……

第5話が終わった後、次スレに移動しようと思います。
頂いたお題はそちらで必ず拾います。
また短編形式だと更新が滞るし、1レス形式でたくさん書くのも面白そうだと思ってます。


とはいえ、鳳翔さんと6人娘で、仲良く過ごすのを書きたいのは全然変わらないんですけどね。


長くなりましたが要するに、これからもお付き合いいただけますと幸いです。
またよろしくお願いいたします。


ホワイトデーお返しボイスが来た……だと……
今年の運営様はすごいぞーかっこいいぞー!!

3月11日楽しみですね! ボイスの内容を入れて書こうと思ってます。
他の子の短編もちょこちょこと上げていきたいですね。

あげてない人には聞こえないけどな


>>693
すみません、どういう意味でしょうか……?



幕間10 ~異文化交流~


Graf「長門、借りていた映画を返す。Danke schön」

長門「Bitte schön. どうだった?」

Graf「良かったよ。Japanの文化は実に興味深いな」

長門「映画なら理解しやすいだろうな。日本語は大丈夫だったか?」

Graf「実は、蒼龍と飛龍に解説してもらいながら見たんだ」

Graf「『勝ったのは我々ではなく、農民たちだ』の意味とか」

長門「うむ、名場面だな」

Graf「それから、我々にも共通する戦の作法など」

長門「作法?」

Graf「――日本の艦娘は、戦場では語尾に『ござ候』と付けなければならないのだろう?」

長門「全力で訂正しておくぞ……全く、からかいおって」


Graf「甘えついでに、お願いがあるんだ」

Graf「――私に、日本食の特訓をしてくれないか?」

長門「特訓とは?」

Graf「決まりごとや箸の使い方などだ。横須賀ではパンが多くてね」

長門「なるほど、外国とは違うだろうな。私でよければ」

Graf「よろしく頼むよ」


長門「だが、どうして急に特訓を? 焦ることはないと思うが」

Graf「……これを見てくれ。鳳翔が買ってくれた私の箸だ」

長門「……子供用の矯正箸か」

Graf「早く卒業したいんだよ!」

長門「よ、よくわかった」


長門「まずは朝ご飯からいこう。定番といえば白飯に味噌汁、焼き魚――」

長門「それと納豆」

Graf「さらばだ」

長門「待て待て、なぜ逃げる」

Graf「放せ長門! 私に日本食は無理とわかった!!」

長門「納豆の何がダメなんだ?」

Graf「全てだ!!」

長門「それは困ったな。日本食は発酵の文化だぞ」

Graf「いきなりハードルが高すぎるだろう」

長門「発酵はお前の国にもあるんだぞ、キャベツのなんとか……」

Graf「ザワークラウトは糸を引いたりなどせぬ!!」


Graf「今まではご飯といっしょに、なんとか食べていたのだが」

長門「納豆が食べられないという者は少なくない。無理をする必要はないぞ」

Graf「残さず食べるのが日本の美と聞いた」

長門「確かにそうかもしれないがな」


Graf「このままでは、空母寮でみんなと楽しく食事ができぬ」

長門「正直に食べられないと言ったらどうかな?」

Graf「鳳翔が笑顔で勧めてくるのだ、断れるわけなかろう!!」

長門「……うむ。気持ちはわかる」


Graf「どこかに、ネバネバと糸を引かず、独特のにおいがせず、なんとも言えない味がしない納豆はないか」

長門「それはすでに納豆ではない何かだ」

Graf「理解しがたい。あんな手間をかけてまで豆を腐らせるとは」

長門「元は大豆を解毒するために加熱して、わらに巻いておいたら偶然できたとも言われているな」

Graf「まったく神秘の国だ。なんだかわからないものを食べるのだからな!」

長門「多かれ少なかれ、どこの国にもあると思うぞ」


Graf「このままではこの国で暮らしてゆけぬ。なんとかしてくれ」

長門「そこまで重く考えるなよ……」

非常によくわかる


長門「いや、待て。目的は納豆を食べることじゃなく、作法を身につけることだろう」

Graf「む……そうだったな」

長門「納豆についてはいろいろ食べ方があるから、赤城にでも聞いてみてくれ。しらすとか生卵とか……」

Graf「ナマタマゴ!? Japanは卵を生で食べるのか!?」

長門「……異文化交流は難しいな」


長門「ほら落ち着け。箸の持ち方からいくぞ、まず1本目を鉛筆のようにだな」

Graf「エンピーツとはなんぞや」

長門「……なら、あれだ。クーゲルシュライバーのように――」




Graf「な、な、長門、ナガト!!」

長門「どうした、そんなに慌てて」

Graf「大変だ、鳳翔がおかしくなった!!」

長門「なんだと?」

Graf「昨日、日本の魚料理をリクエストしたら――」


鳳翔『はい! 今日とれたてのお魚で作った、お刺身盛り合わせですよー』

Graf『』


Graf「――生のサカナの切り身を料理と言って出してきたのだ!!」

長門「……刺身は日本の文化なのだなあ」


>3月中に必ず終わry

終わりませんでしたorz
すみませんがもう少しかかります、またお願いいたします。

>>701
お付き合いありがとうございます!

乙です~いやあ、鳳翔さんのバレンタインとホワイトデーボイス素晴らしかったですね
あんなに乙女でキュートなボイスが来るとは…最高の一言につきます

確かここまで限定ボイスやグラ無かったのは鳳翔さんが青葉と並んで最長記録だったかな…?

うわああああああああああ三周年ボイスも来てたああああああああああああ
夢かな!俺は夢を見てるんじゃないかな!?



幕間11 ~Let's Sing Together~


瑞鶴「今日はみんなでカラオケよ。提督さん、忘れてないわよね」

提督「大丈夫大丈夫。ちゃんと予約してある」


翔鶴「――あら。提督、お電話ですよ」

提督「おう、ありがとう……はい、もしもし」

提督「――おー、佐世保か。久しぶりだな」

提督「珍しいじゃないか、そっちからかけてくるなんて」


瑞鶴「佐世保の提督さん? なかなか会わないわよね」

翔鶴「提督と呉さんの同期の方ね、お忙しくて会う機会もないみたいだけど……」


提督「どうしたんだ、何か事件でもあったか」

提督「――なにぃ、一式陸攻ができた!?」

提督「待て、もう少し詳しく……そっちの工廠で!?」

提督「偶然なのか? レシピを知りたい、いや――」

提督「み、見たい!! わかったすぐ行く!!」


翔鶴「えっ」

瑞鶴「えっ」


提督「すまん、ちょっと長崎まで行ってくる」

翔鶴「と、突然どうしたんですか!?」

提督「航空戦力の新兵器ときたら、見ないわけにはいかん!」

瑞鶴「今から!? 向こう着いたら真夜中だよ!!」

提督「艦隊の強化のためだ。少しでも君たちが楽になるなら、こんなもの苦でもない」

翔鶴「提督ー!!」

瑞鶴「こんな時にかっこいいこと言ってる場合!?」

提督「鳳翔によろしく言っといてくれ。頼んだぞ!!」

―― バタァン!!


瑞鶴「――そもそも陸上機じゃない!! 空母じゃ飛ばせないわよ!!」

翔鶴「いや、私たちのカタパルトならあるいは……ムリかしら」


蒼龍「はーい、お待たせー。……あれ、提督は?」

瑞鶴「長崎旅行よ」

飛龍「どういうこっちゃ」

翔鶴「新しい航空機が開発されたそうで。お母さんによろしくと言付かってます」

鳳翔「おひとりで、ですか? 残念ですね……」

赤城「ぶー。せっかくみんなで行こうと楽しみでしたのに」


加賀「ならお土産を頼みましょう。レモンステーキに佐世保バーガー、ちゃんぽん、角煮まんじゅう」

瑞鶴「できたてがおいしいのばっかりじゃん」

赤城「なら、海軍ビーフシチューに佐世保豆乳、クールソフトも」

翔鶴「そんなのよくご存じですね……」

赤城「あっ、もちろんお母さんのシチューが一番好きですよ!」

鳳翔「あら、ありがとう。うふふ」


翔鶴「じゃあ、さっそく出発しましょう」

瑞鶴「翔鶴姉、提督さんにくっついて行けばデートだったんじゃ……」

翔鶴「…………」

翔鶴「あー!! 提督のセリフに感激して棒立ちしてたわ!!」

瑞鶴「まあ、さすがに2人で泊りがけは止めるけどね」

翔鶴「どっちの味方なの瑞鶴……」


蒼龍「そういえばグラーフさんは?」

赤城「長門さんといっしょに映画館だそうです。共通の趣味が見つかったようで」

加賀「歓迎会以来、あまり話せていませんね。今度は正規空母の会で映画上映でもやりましょうか」


飛龍「さー、着いた着いたっと」

赤城「さっそく注文しましょう、3時間しかありませんからね」

加賀「これはドリンクバーね。食べ放題メニューはどれかしら」

翔鶴「いや、カラオケで食べ放題はさすがにないかと……」


鳳翔「……ここが、からおけぼっくすですね」

瑞鶴「お母さん、最近はあんまり来たことないわよね」

蒼龍「あ、そっか。ちょっとわかりづらいよね」

鳳翔「ふふふ、それはどうでしょうか」


鳳翔「1曲につき100円入れたりとか、あの分厚い本を探したりとか、そういう反応を期待してたなら残念でしたね」

瑞鶴「おおっ、ということは?」

鳳翔「ちゃんと予習してきました。使うのは、このパネルの機械!」

蒼龍「お母さんすごいっ! じゃあ、さっそく曲を探そう」

鳳翔「まかせておきなさい――ええと」ピッピッ

鳳翔「…………」ピッピッピッピッ


鳳翔「動かないわ、故障ですね」

瑞鶴「いや……あのテレビの下の機械に向けて、スタートを押すのよ」


飛龍「1曲目誰から行くー?」

翔鶴「せっかくですから、お母さんからどうですか?」

鳳翔「ええっ、私? でも」

蒼龍「いいじゃない、ひさしぶりに聞きたいなぁ」

鳳翔「そ、そうですか? それじゃ……」


鳳翔「―― こんなこといいな できたらいいな あんなゆめこんなゆめ ――」


「「「かーわーいーいー!!」」」



翔鶴「―― あの日僕の心は 音もなく崩れ去った ――」

瑞鶴「―― 壊れて叫んでも 消し去れない記憶と ――」

加賀「機械では一度に注文できないのね……赤城さん、電話を」

赤城「もしもーし。ええと、ピザ20枚にたこ焼き30人前、スパゲッティを10皿と――」

飛龍「ええいこのテンプレの権化どもめ!!」

蒼龍「食う前に歌え!! ほら没収!!」

「「ああー」」

蒼龍「まったくもう。いくら提督の支払いだからって、見境なしはダメだよ」

飛龍「あ、それは前回と変わらないのね……」



提督「――はっ、くしゅ!」

提督「な、なんだ? 急にふところが寒くなってきた……」


翔鶴「――やったー!! 97点よ!!」

瑞鶴「ふふーん。これで五航戦にオファー殺到、間違いなしね!」

赤城「…………」

加賀「…………」


赤城「―― お揃いね私達 これでお揃いね あぁ幸せ ――」(翔鶴ガン見)

加賀「―― 貴方の白い衣装も 今は鮮やかな深紅 ――」(瑞鶴ガン見)


翔鶴「」ガタガタ

瑞鶴「」ガタガタ

鳳翔「こら、点数ぐらいで威圧なんてしちゃダメよ」

蒼龍「ここだけ見ると、ただの大人げない先輩だよね……」

飛龍「しかも、満点取っちゃうあたりが特にね。さすが一航戦は格が違った」


鳳翔「――実は私、最近のらぶそんぐを覚えてきたんです」

飛龍「おおっ! 提督うらやましがるだろうなー、聞かせて聞かせて」

鳳翔「そ、それじゃあ。ちょっと恥ずかしいですけど……」


鳳翔「―― 恋しくて愛しくて止まらない せめてこの心は 君のもとへ ――」


飛龍「…………」

飛龍(失恋ソングだこれー!?)


鳳翔「どうかしら。あの人喜んでくれるかしら?」

飛龍「い、いや、うん。とりあえず可愛いのは間違いない、かな……」


短いですが今回は陸上機楽しみ編。PC使える時間が限られているので、5話までのつなぎで……
5話は今月末から来月頭の予定です。

もはやレスが保守みたいになって、本当申し訳ありませんorz


>>710
乙女鳳翔さんは可愛いですね……
腕によりかけちゃうお花見鳳翔さんもすごくよかったです。

>>711
来ましたねー! たまたま今日はPCさわれたので、3周年を祝えてよかったです。
あんなの聞いたらこれからも頑張らざるをえない……

スレ立て一周年ですな

更新乙です~

艦これACの鳳翔マジでヤバイくらいかわいかったですよ
鳳翔さんのかわいさが世に知れ渡ってしまった…



幕間12


よく、同じ夢を見ていた。

あの人のおかげで、遠くなっていた記憶。


皆で笑って、泣いて、競い合って、精進を重ねてきたあの子たちが。

生まれたときから、私が成長を見守ってきたあの子たちが。


失われてゆく。

目の前で苦しむ愛しい子たちに、しかし私は何もできない。


冷たい水。

―― 無事ならいいの……先に逝って……待って――


燃え盛る炎。

―― 飛行甲板の火――ないね……ごめん――


動かぬ躰。

―― ごめんなさい――処分……して――


最後の、写真。

―― 沈むの――月を肴に一杯――



「――――あぁああああっ!!」


鳳翔「!!」

鳳翔「――はっ、はっ……」

鳳翔「ふぅ……また、同じ夢」

鳳翔(この夢は久しぶりね。最近は見なくなっていたのに)

鳳翔(最後に見たのは……ちょうど1年前、あたりだったかしら)

鳳翔(そうだった。夢を見て、あの人が助けてくれたのよね)


鳳翔(――そうだ。あの人を起こしちゃったかも)

鳳翔「ご、ごめんなさい。大きい声をだして……あら」

鳳翔「……あなた?」

鳳翔「あなたっ!! どこですか!?」

提督「――鳳翔」

鳳翔「!!」

提督「ごめんよ、1人にして……大丈夫だ、ちゃんといるよ」

鳳翔「あなた……」


鳳翔「ど、こへ行かれていたのですか?」

提督「汗をかいてたようだから、手ぬぐいと水差しを持ってきた。ほら」

鳳翔「あ、ありがとうございます……んっ」

鳳翔「――ふぅ。安心しました、目が覚めたら隣にいないから」

提督「ごめんごめん」


提督(安心したのはこっちだよ。また目が覚めなくなるんじゃないかと……)


鳳翔「それにしても、水差しまで持ってきてくださったんですね。用意がいいというか」

提督「……少し、心配だったから」

提督「夏が近づくこの時期は、不安定になる子もいるし」

提督「特に今日は70年前の、あの作戦の日だからね。注意するのは当たり前だろ」

鳳翔「ご、ごめんなさい。ご迷惑を」

提督「そんなもの気にするな。支えていくと決めたんだから」

鳳翔「ありがとう、ございます」


提督「……よければどんな夢か、話してもらえるかな」

提督「吐き出して、楽になることもあるだろうし」

提督「私も、できる限りのことをしてあげたいし……もちろん、辛ければ話さなくていいんだけど」

鳳翔「いえ、大丈夫ですよ。こちらからお願いしたいです」

提督「無理、してないか?」

鳳翔「いいえ。私も、あなたに聞いておいてほしい」


鳳翔「――ただ、手を握っていてもらえますか?」

提督「もちろん」


鳳翔「お察しのとおり、MI作戦の夢を見ていたんです」

鳳翔「あの戦争での記憶と、この躰を与えられてからの記憶が混ざった、不可思議な夢なのですが」


鳳翔「それでも、結果はいつも同じ」

鳳翔「私は、先を進むあの子たちを必死で追いかけて――そして、追いつけない」

鳳翔「次々と、躰が燃えていく。傾いでいく……沈んでいく」


鳳翔「あの子たちに、私は必死で手を伸ばすのですが」

鳳翔「でも、届かない。すぐそこにいるのに、助けられない」


鳳翔「――そして、私だけがひとり残される」


鳳翔「私は、海の底を知りませんからね」

鳳翔「夢の中の、想像の恐怖というものが……あの子たちに比べて大きいのかもしれません」


鳳翔「――勝手ですよね、私。まだ、決戦は終わっていないのに」

鳳翔「残った子たちや、護るべき人たち……もしかしたら、軍艦としての使命も」

鳳翔「それよりも自分の気持ちを優先して、あの子たちのところへ行こうとしていたんです」

鳳翔「他のことを、全部投げ捨てて……」


提督「――勝手なものか」

鳳翔「え?」

提督「親が、自分の子を愛しいと思って何が悪い」

提督「少なくとも、今ここにいる君が、その気持ちを否定することなんてないよ」

鳳翔「あなた……」

提督「誰が何と言おうと、私はそう思うから。もっと頼ってくれていいんだからね」


鳳翔「……ふふ」

鳳翔「ありがとうございます。楽になりました」

提督「ならよかった――さあ、もう布団に戻ろう」

鳳翔「はい」


鳳翔(――ああ、やっぱり。あなたは本当に優しい)

鳳翔(ずっと苦しんできた記憶から解放してくれるのは、きっとあなたなのでしょうね)


鳳翔(――でも、だからこそ。すこし、わがままを聞いてほしいんです)

鳳翔(わたしと、あの子たちを、守ってくれるという約束)

鳳翔(……それをずっと続けたいという、私のわがまま……)


鳳翔(やはり、例の計画を急がなくては)

鳳翔(――喜んでくれると、いいのですが)


まずは1か月以上更新しなかったことをお詫びします。すみませんでした!
5月は定時で帰れたのが3回とかちょっちおかしくないですかね……社会人の方々はどうやって時間作って書いてるんでしょう

第5話は書き進めています。今日のだけ何か空気感違いますが、次回からはまたラブコメっていきます。
何回謝ったか知れませんが、もう少しだけ! お待ちいただけると幸いです。

イベントはいかがでしたでしょうか。
私はE5甲の途中で力尽きました、アイオワはムリでしたorz
……これからヨークタウン級が出て来たらヲ級の設定どうしよう。


>>727
ホントだ……何事もなく過ぎてしまいましたね。
長く付き合っていただいてる方、本当にありがとうございます。

>>729
空母レシピでの初建造が見事に鳳翔さんでした。やったぜ!
3Dで頬を赤らめてのシンコン3択、ヤバかったです。あれは死にます


テスト



第5話 ~落花流水~


赤城「呉の提督さんがお越しに?」

提督「うん。またE海域の時期だし、お互いの確認にね。ここに1泊する」

瑞鶴「1泊? 短い出張ね」

提督「あいつの報告は、簡潔なうえに的確でな……時間がかからないんだ」

赤城「提督と同い年の方でしたよね。学校の同期で」

提督「うん、そう。結局、最後まで成績は勝てなかったよ」

瑞鶴「へー。すごいのね、呉さんって」

提督「……航空論で負けたことはないけどな」

赤城(ちょっとムキになっちゃう提督もかわいい)


瑞鶴「――ところで赤城さん、今日はみんなでご飯行くんでしょ」

赤城「グラーフさんも入ったことですし、久しぶりに正規空母の会を……と、思ったんですが」

提督「ああ、全然かまわないよ。向こうも秘書艦だけだし」

赤城「よろしいんですか? 空母がいなくなっちゃいますが」

提督「鳳翔がいるし、話す内容は決まってるから。みんなには改めて周知するよ」

瑞鶴「お母さんに任せちゃって大丈夫か。早めに帰ればいいわね」

提督「いいんだ、ゆっくり楽しんでおいで。費用は持ってあげるから」


赤城「ほ、本当ですか!?」

提督「グラーフもここに来てくれることになったんだし、お祝いも兼ねて」

赤城「いや、うーん……しかし……」

瑞鶴「あのー、大丈夫なの提督さん? 給料日前でしょ」

提督「大丈夫だよ、さすがに居酒屋の会計ぐらい」

赤城「あのお店、お酒の料金は別なんです」

提督「飲み放題じゃないのか?」

瑞鶴「それだと質が悪くなるからって、加賀さんと蒼龍さんがわざわざお店を探してくれたのよ」

赤城「お料理はコースですが、お酒は別料金なぶん全国の銘酒が飲めるんだそうです」


提督「へぇ。この時世で、しっかりした経営してる店だな」

瑞鶴「まー、無理しないでよ提督さん。これまでもパーティとか景品とか、私たちのカラオケとかで出費してたでしょ」

赤城「あう。さすがにカラオケで頼んだ料理は、今度払いますから……」

提督「――いや」

提督「やっぱり私が持つよ。お金気にしたら、気持ちよく飲めないだろうしな」

瑞鶴「え、本気なの? 正規空母はウワバミぞろいだよ」

提督「いいんだ。上げて落とすのも嫌だから」


赤城「そんなの気にしませんのに」

提督「他の子が遠慮するかもしれないから、私が持つことは内緒な。――はい、これ」

赤城「お財布、お預かりします」

提督「足りなかったら私の身分証を使ってね」

瑞鶴「そこまでするとは、覚悟してるわね」

提督「いざとなれば店を買い取ればよし」

瑞鶴「いやどこまで覚悟しちゃうのよ」


申し訳ありませんが続きは明日。
その時に色々書かせていただきます。


申し訳ありません、規制とやらでPCから全然書き込めません……
本日夜にもう一度試してみます


赤城「――と、いうわけで。本日一八〇〇から始めますので、遅れないよう集合してくださいね」

瑞鶴「代金はとりあえず赤城さんに払ってもらって、後日集めることになったわ」

翔鶴「赤城先輩が全員ぶんを? 7人で割るのが早いんじゃないでしょうか」

加賀「割り勘になったら、おそらく貴女が一番損をするわよ」

瑞鶴「翔鶴姉、そんなにお酒強くないもんね」

翔鶴「う……では、お言葉に甘えます」

加賀「赤城さん、給料日前では?」

赤城「大丈夫! 鎮守府のお姉さんとして、それくらいのたくわえはあります」エヘンプイ!

赤城(払ってくれるのは提督ですけど!)


蒼龍「グラーフが参加するのは初めてだよね」

Graf「ああ。この鎮守府の、空母の強さの秘密を学ばせてもらおう」

Graf「クウボノカイ、楽しみだな!」

蒼龍(……ほとんど、ただの飲み会だってことは黙っててあげよ)


飛龍「あー、私ちょっと遅れていっていいかな? 工廠に、艤装の整備お願いしててさ」

赤城「そうですか、場所はわかりますよね?」

飛龍「大丈夫大丈夫。なるはやで行くから、ごめんねー」






呉「――おう。来てやったぞ」

榛名「て、提督! あいさつでそんな態度は」

提督「……相変わらずだな、お前は」

鳳翔「ようこそいらっしゃいました。呉さん、榛名さん」

呉「出張とはいえ、ひさびさの京都旅行なんだ。しっかりホストしろや」

提督「なら少しはゲストらしい態度をとれよ!」

鳳翔「宿舎へご案内いたします。こちらへどうぞ」

榛名「お世話になります、鳳翔さん」


鳳翔「――あの、呉さん。例のものは」

呉「ああ、持ってきてるよ。夕方でいいだろ」

鳳翔「はい!」


提督「長旅だったろう。会議は明日にするか?」

呉「いや、むしろ今日やっつけたい。そんなにかからないからな」

提督「お前が良いならいいんだが」

呉「そもそも、わざわざ出張するほどの内容でもねえんだよ。作戦書を送れば済む」

提督「それでも口頭で聞きたいよ。お前の報告文は簡潔すぎるからな……」

呉「うちの艦隊はそれで結果を出してくれる。細を穿っても柔軟性がなくなるだけだ」

提督「大雑把すぎも問題だろう、次のE海域は――」

呉「わかったわかった。だからちゃんと来てやっただろうが」

提督「本当にわかってるのか」

呉「さっさと終わらせるぞ。明日は榛名と観光だからな」

提督「本当にわかってるのか!?」


鳳翔「こちらです。お部屋はおひとつということで――」

榛名「ええっ!? ひとつなんですか!?」

鳳翔「あ、あら? 呉さんのご連絡では、お部屋はいっしょだと」

呉「普通だろうよ、夫婦なんだから。お前もいい加減慣れろよ」

榛名「で、でも、ここは鎮守府なんですよ? 他の艦娘に見られたら……」

呉「別にやましいことなんかねえだろ」

榛名「えっ」

榛名(それはそれで、ちょっと……)

鳳翔(榛名さんの気持ちわかりますねぇ)


呉「――以上から、次のE海域攻略は中規模の作戦が予想される」

呉「また横須賀に集結して、連合艦隊を組む場合も想定すべきだろうな」

提督「了解。いつも通りわかりやすい説明だった」

呉「それから、お前の報告にあった電波障害だが。やはりここ以外の海域では確認されてないな」

提督「そうか。まあ予想通りだな」

呉「深海棲艦の姫と話したってのはマジなのか?」

提督「ああ。信じてくれなくてもいいんだが」


呉「直接、鎮守府に交信してくるとは。どんなやつか会ってみたい気もするな」

提督「積極的に戦いたい連中ばかりじゃない、と言ってたけど……鵜呑みにするわけにもいかないし」

呉「今さらな話だが、敵さんもやっかいな成長をするもんだな。天候も変えられるのか」

提督「うん。その姫の話じゃ、かなりの実力がないと無理とか言ってたが」


呉「いずれにせよ、同じような場面に出くわしてパニクるのは避けたい」

呉「対策になるかわからんが、霧島が22号電探を改良したものを持ってきた」

呉「明石に渡しておいたから、前回の電波障害のデータと合わせて確認してくれ」

提督「わざわざすまないな。よろしく言っておいてくれ」


呉「まあ、こっちからはこんな所か」

提督「ありがとう。私たちからは――鳳翔」

鳳翔「はい。陸上攻撃機、および局地戦闘機の当鎮守府運用データです」

呉「おー、助かるわ。今回も使うことになるだろうからな」

榛名「ありがとうございます! これでもっと効率的に配備できますね」

提督「横須賀と佐世保にも送っておいたから、作戦前にもう一度確認しておこう」

呉「相変わらず、開発はできないのが難点だな。もう少し余裕持たせたいところだが」


呉「――さて、っと。もう話しておくことはないな?」

提督「ないけど……相変わらず早いな、1時間ちょっとで終わるとは」

呉「会議が無駄に長引くのは無能の証だ」

提督「そういや、学校時代からそんなこと言ってたな」


榛名「鳳翔さん、よろしければお茶をお淹れしますので、場所を教えて――」

鳳翔「ああ、そんな! お客さまにやらせるわけには――」

―― ハルナガ ヤリマスカラ! イエ、ワタシガ……


呉「余裕がないと、こうして和むこともできねぇしな」

提督「まったくだ」

呉「かわいいだろ?(榛名が)」

提督「ああ、かわいいな(鳳翔が)」


呉「――おーい、榛名。いったん部屋に戻るぞ」

榛名「あ、はい……でも、お茶は?」

呉「部屋にティーセットがあっただろ。そっちで淹れてくれ」

榛名「は、はい! お任せください!」

提督「よし。それじゃ解散にするか」

鳳翔「何か必要なものがあれば、すぐおっしゃってくださいね」

榛名「はい! おつかれさまでした!」






提督「なあ、鳳翔。来客もあることだし、今日の夕飯は外で――」

鳳翔「あ、ごめんなさい。今日は別の方とお約束があるのです」

提督「――え?」

鳳翔「それじゃ、失礼しますね。うふふ」


榛名「あ、あの、提督。舞鶴さんから聞いたんですけど、この近くに美味しいレストランが――」

呉「あー、すまん。今日は先約があるんだ、明日にしてくれるか」

榛名「――え?」

呉「おっと、もう時間だ。また夜にな」



提督「どういうことだ!?」

榛名「どういうことなの!?」


ここまで遅くなってしまい申し訳ありません。

自分で書いていて「面白い!」と納得できる文にどうしてもできず、
書いては消しを繰り返していたら相当時間が経ってしまいました。
最初の遊園地デートや第2.1~2.3話あたりはとても楽しく書けていたのですが、ここ最近はほとんどそれが自分で感じられません。

特に最近は短編を繋ぎで書いて、本編を後回しにしてしまっていました。
どれだけカラオケ好き設定にするんだ……

ひとまずは何としてでもこのスレの完結を目指して書いていきます。
新スレではまたお題を拾っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。


まだ規制かかってますので、しばらくはiPhoneテザリングになりそう……
どうにかなればいいんですが。

おつやで
久しぶりに更新きたと思ったら、ドロドロ昼ドラ展開かな?(すっとぼけ)

アクィラの配属予定はありますか?実装前からお題出してるやついますけど


遅くなった言い訳:もはや何も言うまい
今日改めて更新します……


>>774
なりません(迫真)

>>775
色々考えてますが正規空母は大体出そうかなと。
アクィラもなんとか掘れたので一安心。

乙&保守ありがとうございます、こんな遅筆ssを待っててくれて本当に嬉しいです






鳳翔とケッコンカッコカリして、およそ1年半。

お互いに話し合って、カッコカリを外すのは戦後と決めているのだが。


最近は艦隊のみんなの練度も上がって、装備も整って。

ある程度は出撃も落ち着いてきたと感じている。

ここらでひとつ、新たな関係を始めてみるのもいいんじゃないか――


提督「――と、思うんだけど。どうだろう」

「…………」

「……うん。あのさ、決意は伝わってくるけどさ」



飛龍「ゼッタイ相手間違ってるよね」

提督「そんなことはないぞ」

来た?の?


飛龍「いきなり連れ出されて、何言われるかと思ったら……」

提督「すまないね、飲み会の前なのに」

飛龍「それで、新たな関係って? 具体的に考えてるの?」

提督「家を買う」

飛龍「」

提督「そして私と鳳翔と君たち6人、1つ屋根の下で暮らすんだ」

飛龍「ファッ!?」


飛龍「ななな、なんで!?」

提督「冷静に考えてみると、鳳翔の夢であるお店を出すというのはいつになるかわからない」

提督「敵もどんどん新しい奴が出てきているし、解放すべき海域も増え続けてる」

飛龍「……そうだね」

提督「どんなに準備を重ねても、命の危険が付きまとう状況は変わらない」

提督「現役でいる限り、そんな状況が続くことがわかっているのなら、鳳翔の夢――」

提督「――お店を出すことと、君たちと共に暮らすことくらいは、叶えてあげたいと思った」

飛龍「…………」

提督「それから、なるべく多く君たちと過ごしたいという私の希望かな」

飛龍「う、うーん」

飛龍(あれ……これって私、狂喜乱舞するところかも)


飛龍「いやぁ……どう考えても、最初に言う相手はお母さんじゃない」

提督「まずは飛龍に言うべきかな、と思ったんだが」

飛龍「いやいやいやいや、なんでよ」

提督「蒼龍から聞いたぞ? 鳳翔や他の5人といっしょに暮らしたかったんだろ」

飛龍「蒼龍~~!! 秘密って言ったのにぃ!!」

提督「物件はもう目星をつけてある。ここにチラシがあるんだが」

飛龍「あるんかい! 私必要ないじゃん」


提督「今日、鳳翔と物件を下見に行こうと思ってたのに、断られてしまってな……」

飛龍「え、そうなの? 断るなんて珍しい」

提督「まあ、いいさ。内緒にして驚かせてやろう」


「……す……」


提督「ん?」

榛名「素敵です!! 榛名、感激です!!」

飛龍「は、榛名さん。いたんだ」

提督「呉のやつと一緒じゃなかったのか?」

榛名「先約があるって断られて……ひとりでこのレストランに来たんです」

提督「先約? 舞鶴に知り合いなんかいたのかな、あいつ」


榛名「それにしてもいいなあ、鳳翔さん。私も提督に……い、いえ! なんでもないです!」

提督「榛名さんは、あいつと寝室が別だったりするのか?」

榛名「榛名でいいですよ。いえ、今は執務室の隣で一緒です」

飛龍「なんだ、それならいいじゃない」

榛名「それが、その、遅くまで2人で仕事してると……お姉さまが」

提督「金剛か」

飛龍「『イチャつきながら仕事するくらいならサッサと寝るデース!!』って感じ?」

榛名「す、すごい! どうしてわかったんですか!?」

飛龍「横須賀にいた頃の金剛さん見れば、そりゃねえ」


榛名「最近は大規模作戦の準備で、提督もお疲れですし……」

榛名「お姉さまの言葉通りに、ベッドに入ると早くお休みになられますし」

榛名「い、いいえ、邪魔とかそんな感情は全然ないんですよ! お姉さまも私に気を使ってくれてますし!」

榛名「ただ、その、少しくらいは、2人きりで過ごせる時間も……」

榛名「もっと、提督には、いろいろして差し上げたいのに……」


榛名「――って、きゃあああ! 私ったら出張先で何を!!」

飛龍「かわいいじゃないの、気に入った! これから正規空母の会、名誉会員に迎えちゃうよ!」

榛名「空母じゃないのに!?」

飛龍「いい酒の肴になりそう!!」

榛名「何を話させるつもりなんですか!!」


榛名「はぁ、はぁ……」

飛龍「提督、とりあえず赤城さんたちと合流したいんだけど――」


「「「キャアアアアアア!!!!」」」

飛龍「って、その声は!」

赤城「1次会が終わってカラオケ行こうと通りかかったら!!」

飛龍「またカラオケですか。好きだなー」

翔鶴「飛龍先輩が、2人っきりで提督とお食事デート!!」

蒼龍「ずるいずるい!! 抜け駆けなんて許せない、私も誘ってよ飛龍!!」

飛龍「見事な説明セリフをどうも。あとデートじゃないから」


提督「あれ、もう飲み会は終わったのか?」

Graf「お店のサケを飲み尽くしそうな勢いだったから、無理やり連れだしたのだ」

提督「飲み尽くす!? カ、カードは?」

Graf「……上限かもしれぬ。許してくれ、Tut mir Leid」

提督「」


Graf「ヒリュウの分を1本買ってきた。鎮守府で飲んでくれ」

飛龍「おー、ありがとう! 気が利くね――あれ、加賀さんと瑞鶴は?」

Graf「カラオケに持ち込むサケとサカナを買いに行った」

提督「まだ飲むのか……」

Graf「この店にいることは知らないだろうから、私が迎えに行ってこよう」

飛龍「1人で大丈夫? 酔ってない?」

Graf「問題ない、bierを少し飲んだだけだからな。行ってくる」

飛龍「気を付けてねー」


Graf「――ふう。サケは甘すぎてまだ慣れないが、Japanのbierは中々だったな」

Graf「今度は、祖国のものも仕入れてもらうよう頼んでみよう……」

Graf「――おや?」


Graf(あの車に、男と乗っているのは……)

Graf「……ホウショウ?」


Graf「…………」

Graf「……う、ウワキだ、フリンだ。マツボックリでヒマツリだ」


Graf「Mein Got」


瑞鶴「これだけ買えば大丈夫かな?」

加賀「そうね。――結局、いつもの安酒がメインになってしまうけれど」

瑞鶴「あのお店、評判なだけあってお酒はおいしかったもんねー」

加賀「誤算だったわ。次からはお店の在庫も調べてから行きましょう」

瑞鶴「3分に1本のペースで一升瓶空けてたら、そりゃ店主さんも青くなるわ……」


―― Mein Gooooooot!


加賀「なに、あの叫び声……あら、グラーフ?」

瑞鶴「あ、ほんとだ。おーい」

Graf「――カ、カガ! ズイカク!」

瑞鶴「どしたの、カラオケ向かってたんじゃ――」

Graf「Es ist Unmoral!! Ich habe auf den illegalen Punkt geschaut!!」

瑞鶴「お、おう」

加賀「まるで翻訳サイトにかけたようなドイツ語ね。ちょっと落ち着きなさい」


お昼休み終わりなので続きは夜に。

>>782
すまぬ……すまぬ……


瑞鶴「――えぇ? お母さんが浮気ぃ?」

Graf「付き合いは短くとも、あの笑顔は見間違えようがない!! あれは鳳翔だった!!」

加賀「そうだとしても、それがどうして浮気になるのかしら」

Graf「笑顔だったからだ。あんな笑顔は、Admiralの隣にいる時しか見たことがない」

瑞鶴「……お母さんが一緒の車に乗るほど親しい男性って、提督さん以外にいたかな?」

加賀「少なくとも、舞鶴鎮守府の人ではなさそうね」


瑞鶴「あ、そういえば。今日は呉の提督さんが来てるんだったわ」

加賀「呉の? お母さん、そこまで親しかったかしら」

Graf「そうだ、あっちの店にハルナが来ているのだ。クレのAdmiralのことも聞いてみよう」

加賀「……グラーフ、お母さんはどちらへ向かってた?」

Graf「ええと、あっちは――鎮守府の方向だ」

瑞鶴「ということは、どこかへ行った帰りってことかな」

加賀「いずれにせよ、本人に聞けばわかることね。――みんなと合流して、いったん戻りましょう」


加賀「……それにしても」

瑞鶴「あのお母さんが、浮気……」


「「ありえないわ」」






鳳翔「――明石さん、ただいま戻りました」

明石「お帰りなさい! いかがでしたか、例のものは」

鳳翔「完璧でした。あの防犯設備なら安心です」

呉「あれじゃ猫の子どころか、アリ1匹入れないだろうぜ。どんだけ金かけたんだ……」

明石「鳳翔さんのご希望ですからね。私の持てる技術をすべてつぎ込んでます」

鳳翔「今日はありがとうございました、呉さん。最近の機械には詳しくないので、とても助かりました」


鳳翔「あの人も、きっと喜んでくれると思います」

呉「なに、気にすんなって――で、その旦那はどこ行ったんだ?」

明石「少し前に、飛龍さんを引っ張って出て行きましたが……」

鳳翔「飛龍ちゃんを? みんなと合流したのかしら」

呉「そういや榛名もいねぇな。これが終わったら軽く酒でもと思ったんだが」

明石「――ああ、噂をすれば。みんな戻ってきましたよ」


Graf「――こ、この男だ!!」

呉「なに?」

Graf「こいつだ、ホウショウをたぶらかしたのは!!」

蒼龍「ほう」

飛龍「ほう」

赤城「ちょーっと、お話を伺いたいんですが?」

呉「何なんだお前ら……」


呉「おいおい、冗談じゃないぜ。こんなとこ榛名に見られたら――」

榛名「あのー、もう見てるんですが」

呉「」

呉「は、榛名、落ち着け。愛してるから落ち着け」

榛名「私も愛してます。で、これはどういうことですか」

呉「これはだな、やむにやまれぬ事情があって――」

提督「待て。先に私だ」

呉「……目が据わってるぞ」

提督「お前には聞きたいことが山ほどある! ちょっとこっちに来い!!」

呉「お、おい! 引っ張んなって!!」


もう少しでおしまい
一旦カットします。

長門が着任しているなら最低でもサラトガの話し相手はどうにかなるけどヲ級E、H、Yとの兼ね合いはいかに?

とりあえず保守

アクィラ来てサラトガ来て噴式景雲改と橘花改が来て>>1も大変


本当に申し訳ないですが生存報告保守
このままのペースだと本当に落ちてまう……今月中には何とかしたいのですが。

>>803
一応考えてます。追加はレキシントン級で一安心でしたが、早く書かないといずれ……

>>804
保守してもらえるのは本当にうれしいです、ありがとうございます

>>805
一気に空母が強化されましたね。早いとこ遠征消化せねば。






提督「――鳳翔と、どこ行ってたんだ?」

呉「言えん」

提督「…………」

呉「睨むんじゃねぇよ! 鳳翔に口止めされてるんだ、本人に聞けよ」

提督「……本当だろうな」

呉「俺は榛名に囚われているからな。正直、他の女には余計な感情が湧かない」

提督「こんな状況で惚気やがって」

呉「別に惚気じゃない。本気ってだけだ」

ほぉ?


呉「榛名や鳳翔の手前、あんな態度を取ったが――お前も察しはしてるんだろ」

提督「うん?」

呉「他の男に軽く付いていくような女じゃない」

呉「それなりの事情があると、わからないほど浅い付き合いじゃないはずだ」

提督「……まあね」


提督「鳳翔を助手席に乗せて走りやがってとか、夕食の時間に行かなくてもいいだろうとか、まだいくつかあるが――」

呉「俺が誘ったわけじゃないけどな」

提督「――まあ、言いたかったのはそれだけじゃない」


提督「1度、改めて礼を言いたいと思ってたんだ」

呉「礼? 何の話だ」

提督「もう1年以上も前だが、鳳翔が目を覚まさないと騒いだ時があっただろう」

呉「ああ、血相変えて電信飛ばしまくってたあれか。まあ当然だが」


また夜に来ます、申し訳ない

ちょっと待ってください貴方何者ですか>>811
sageで2か月ぶりですよ?


提督「こんな言い方で本当に失礼だけど……お前と榛名さんの前例のおかげで対処できたんだ」

提督「鳳翔の分も、合わせて感謝したい。ありがとう」

呉「やめろやめろ。男にそんなセリフ吐かれてもぞっとしねえ」


呉「……まあ、あんな状況ではお互い様だろ」

提督「そうだね」

呉「他の鎮守府の連中にも喚起できたし、それに――」

呉「あの報告書にはさんざん笑わせてもらったしな」

提督「ぐっ」

呉「全国規模で惚気てんのはどっちだったかなー」

提督「く……言うんじゃなかった……」


呉「よその夫婦に首突っ込むのは、これで最後にしたいが――」

呉「悪い話じゃないと思うぜ。お前にとっても、鳳翔にとっても」

提督「そうだ、鳳翔の口止めとは……」

呉「おっと、俺が言えるのはここまでだ。――まあ、あとは本人に聞くんだな」

提督「え? ……あ」


鳳翔「あっ」

榛名「あっ」

呉「邪魔者は消えるから、ゆっくり話せ。俺も、榛名の機嫌を取らなきゃならん」


テスト


うおおなんとか明日書くぞ明日!
もうみんな忘れただろって頃に更新します。あとちょっと、なのです……
エタは嫌だ……もう似たようなものですけど……

アクセス規制に巻き込まれまくりで、まともに書き込めないでテンションだだ下がりです。
なーんで家にいるのにスマホの回線共有せにゃならんのだ。

お帰りなさい、待ってたよ






榛名「むー」

呉「ほら、そろそろ機嫌直せって」

榛名「ほかの女性とドライブ行ってた人が言いますかー」

呉「だーかーら、事情があったって言ってんだろ」

榛名「なら、その事情を話してくださいよぉ。内容を聞いて、許すか判断しますぅ」

呉「今はダメなんだって。明日あたりには解決してるだろうから……」

榛名「じゃあ許しませんっ」

呉「……おい、そっぽ向くなよ。せっかく埋め合わせに2人で飲みに来てんだろうが」

榛名「知りませんっ。つーん」

呉「つーんてお前。もう酔ってんのかよ」


呉「…………」

呉「美人は横顔も映えるよな」

(ぴくっ)

呉「お前に似合いそうなブラウスを見つけたから、明日買いに行かないか?」

(ぴくぴくっ)

榛名「ぷ、ぷ、プレゼントなんかで、この大戦艦が心を動かされると――」

呉「そうか、そうだろうな。我ながら卑劣だった、悪かったな」

榛名「…………」プルプル


呉「じゃあ、うん……電探の改造の礼もあるし、霧島のみやげにでも」

榛名「だ、ダメーーーー!! 私、私じゃないとダメですっ!!」

呉「おう」

榛名「私に似合うって思ってくれたんですよね!? だから――」

呉「だから、買いに行こうって言ってるだろ」

榛名「行こう、って――ハッ!? 提督、私を嵌めましたね!!」

呉「そうだよ?」

榛名「むがー!!」ドカドカ

呉「ハハハッ、俺を騙そうなんて10年早い――って、ちょっ、痛ェ!! 本当に戦艦の馬力で殴るな、肩が外れる!!」


呉「……気ィ済んだか」

榛名「はぁ、はぁ……とりあえず落ち着きました……」

呉「まさか本気でほかの女と、って……そう思ってるわけじゃないだろうよ」

榛名「……そうですね、本当はわかっていますし、信じてます。でも」

榛名「公務以外で2人っきりは、あの遊園地以来でしたし……ちょっとはしゃいでしまいました」

呉「おいおい、楽しみにしてたのはお前だけだと思ってんのか?」

榛名「え?」

呉「1日で終わる出張を、わざわざ泊まりにして時間作ったんだぞ」

榛名「……あ」

呉「今日はもう帰るぞ。明日はいろいろ、連れまわしてやるから覚悟しとけ」

榛名「――はいっ、提督!」


呉(……さて、向こうは上手くやったかな)


もう嘘予告すぎて自分に呆れはてる……
ちょっとスクロールすると去年のレスが出てくるのがつらいです。
ラストはほぼ書いてるのでGW中には手直しして投下します……できる、と思う……んですが
ごめんなさい、本当全力で書きます。


>>824
貴方が天使か……
そしてやっぱりsageで2分後とか早すぎやしませんか






鳳翔「…………」

提督「…………」

提督(呉のやつと戻ってきてから、鳳翔もそわそわして落ち着かないようだが)

提督(飛龍には話したんだ……先延ばしにはできない)

提督(いい機会と覚悟を決めて、言うんだ。今日、いま!)


鳳翔「あの、今日はすみません。せっかくお誘いいただいたのに、断ってしまいまして」

提督「え、あ、ああ! いいんだ、全然気にしてないから」

鳳翔「お話ししたいことがあるので、ちょっと歩きませんか」

提督「うん。私も、君に話があったんだ」



提督「…………」

鳳翔「…………」


「「あの」」

鳳翔「あっ」

提督「……ごめん。わ、私から、いいか?」

鳳翔「は、はい。すみません」

提督「すぅー……ふぅ。よし」


提督「鳳翔。いっしょに、暮らさないか!」

鳳翔「えっ……」

提督「空母の子たち6人と、私たち2人で。新しい、家族に――」

提督「家族に、なりたいんだ」


提督「気が早いけど、家も探したんだ。ここからそんなに離れていない、この物件なんだけど」

鳳翔「こ、これは……」

提督「ほかの提督の伝手で、このあたりの不動産をいくつか紹介してもらってね」

提督「少し築年数は経ってるけど、リフォームがてらあの子たちの部屋も作れる広さだし」

提督「それに、1階の壁を抜けばスペースもとれるし、この辺りは水も綺麗だから」

提督「――小さなお店を開くことも、できると思う」

鳳翔「…………」


提督「気が早いけど、家も探したんだ。ここからそんなに離れていない、この物件なんだけど」

鳳翔「こ、これは……」

提督「ほかの提督の伝手で、このあたりの不動産をいくつか紹介してもらってね」

提督「少し築年数は経ってるけど、リフォームがてらあの子たちの部屋も作れる広さだし」

提督「それに、1階の壁を抜けばスペースもとれるし、この辺りは水も綺麗だから」

提督「――小さなお店を開くことも、できると思う」

鳳翔「…………」


動作が重すぎて二重になりました、ごめんなさい……
専ブラ変えてちょっとテスト


提督「君が何度も悪夢を見ていることは知っている。あの戦争と、あの子たちの記憶で苦しんでいることも」

提督「それをいっしょに支えるとか、軽々しく言うつもりはない。それは君たちにも失礼だと思う」

提督「けど、これだけは言える」

提督「私は君が望むかぎり、君の隣にいるよ。たとえどんな困難が立ちはだかっていても」

提督「そこから決して逃げたり、目を背けたりせず――」

提督「君の隣に立って、未来に進んでいくと、君に誓おう」


提督「前に、間宮の店で話したことを覚えてるかな」

鳳翔「……蒼龍ちゃんと、少し真面目な話をしたという?」

提督「そう、それ。大事な話だから改めて話そうと思っていたんだけど、遅くなってすまなかった」

提督「長い間、この鎮守府で長を務めてきて。何度も大変な目に遭ったけど、その度に君に支えてもらった」

提督「改めて大切だと思ったんだ。君に出会ったこと、君たちに出会ったこと」

提督「君を母と慕う、あの子たちの姿を。そして、あの子たちを心から愛して、慈しむ君の姿を」


提督「私は――いや、俺は」

提督「もっと近くで、ずっと、見守っていたいんだ」

提督「……どう、だろうか。鳳翔」


ご無沙汰して申し訳ありません……
観艦式当たりましたのでその後更新させていただきます、申し訳ありません……。



正規空母は全部出したいと書きましたが……
更新空いてる間に次々と空母や新型機、カットインまで実装されて怒涛の展開になりそう

観艦式良いなあ
昼夜ともに抽選外して一般販売もダメだった自分にはうらやましい限り


鳳翔「――ふふっ」

提督「?」


鳳翔「あははは……ご、ごめんなさい、あなた」

提督「!! ……だ、ダメか……?」

鳳翔「いいえ! ごめんなさいって、そういう意味じゃありませんよ」

鳳翔「ただ、おかしくって。ふふふっ」

提督「勿体ぶらないで教えてくれよ」


鳳翔「ふふ、これを見てください。不動産のチラシなんですけど」

鳳翔「今日行っていたのは、ここなんです」

提督「ここ、って、同じ物件じゃないか!」

鳳翔「はい。実はもう、私が契約してしまいまして」

提督「そうだったのか。今日、呉と出かけたのは?」

鳳翔「呉さんには物件の斡旋と、明石さんがつけてくれた防犯設備の確認をお願いしていました。私は現代の機械には詳しくないので」

提督「それで、今日じゃないと駄目だったわけだね」

鳳翔「それに、ほかの子に頼むとあなたが不審がるかも、と思ったんですよ」

提督「不審?」

鳳翔「内緒にして、びっくりさせたかったんです。でも、今日は私のほうがびっくりでしたけどね。ふふっ」


提督「そ、それじゃあ」

鳳翔「――はい。ふつつか者ですが、こちらこそ、よろしくお願いいたします」

提督「鳳翔……ありがとう」

鳳翔「お礼は私から言いたいです。本当に、ありがとうございます」

提督「…………」

鳳翔「…………」


「「ふふっ」」

提督「じゃあ、お互いに感謝だな」

鳳翔「そうですね、あなた」


提督「これから忙しくなりそうだな」

鳳翔「ええ。いくら近いとはいえ、仕事が終わったら鎮守府を出ることになりますから」

提督「夜の間のまとめ役と、緊急時のホットラインの整備と……」

鳳翔「それに引っ越しの準備も。私たちの分と、娘たちにも伝えないと」

提督「やることは多いが、1つづつ片付けていかないとな」

鳳翔「それでは、ひとまず戻りましょうか」

提督「そうだね。いつ緊急な呼び出しがあるかわからないし、今日のところは――」


―― ピピピピ……

提督「おっと、噂をすれば……もしもし?」

翔鶴「提督! お休みのところ申し訳ありませんが、すぐ鎮守府へお戻りください!」

提督「何があった?」

翔鶴「地中海方面軍から連絡です。新しい正規空母を舞鶴で受け入れてほしいと!」

提督「それは構わないけど、まだ何も聞いてないぞ……いつ到着する?」

翔鶴「今週中には到着だそうです。上層部は承認済みだと」

提督「連絡が急すぎる! わかった、すぐ戻るよ」


―― ピピピピ……

提督「おっと、また――もしもし?」

瑞鶴「提督さん! 単冠の北方方面艦隊から連絡よ!」

提督「どうした、そんな遠くから」

瑞鶴「千島列島の沖で、新型の軽空母が見つかったから面倒見てくれないかってさ」

提督「軽空母? なんでわざわざ舞鶴まで?」

瑞鶴「特設航空母艦は今までにない艦種だから、お母さんの意見が聞きたいんだって」

提督「また新しい空母が……わかった、今から戻るよ」


瑞鶴「それから、新しい――えー、噴式? エンジンを積んだ試作機を送るから、テストしてほしいって言われてるわ」

提督「そりゃまたなんでウチに?」

瑞鶴「えへへ、改装が終わった私と翔鶴姉しか扱えないんだって。なんか専用機みたいでカッコイイわよね!」

提督「扱いが難しそうだな……とりあえずすぐ戻るから」


―― ピピピピ……

提督「もしもし」

加賀「おつかれさまです、加賀です」

提督「今度はどうしたんだ」

加賀「米太平洋方面軍から緊急信。正規空母艦娘がひとり、東京駅から関西方面の電車に飛び乗って行方不明だと」

提督「なんだって? どういう状況だ、そりゃ」

加賀「なんでも、新しく保護されたばかりの艦娘だそうで。ちょっと目を離した隙に逃げたそうです」

提督「アメリカの艦娘だろ? 1人で乗ってれば目立つんじゃないか」

加賀「駅員さんや車掌さんも探しているようですが、どうやら変装しているようですね」

提督「そりゃ放っておけないな。手空きの子をできる限り集めてくれるか」

加賀「了解です。指示をいただければ、すぐに出れるように準備しておきますので」

提督「頼む」


―― ピピピピ……

提督「も、もしもし」

蒼龍「あー、もしもし? 蒼龍だよー」

提督「今度は蒼龍か。電話来る気がしてたけど」

蒼龍「お母さん宛てなんだけど、東京の三囲神社で巫女さんやらないかって」

提督「今までで一番わからないのが来たな」

蒼龍「返事はいつでもいいって言ってたけど?」

提督「わかった、とりあえず今から戻るから」

蒼龍「よろしくー。待ってるね」


提督「――それから、蒼龍!」

蒼龍「はいはい、なんですか?」

提督「ありがとうな。 君のおかげで一歩踏み出せたよ」

蒼龍「へ? 私なんか言ったっけ」

提督「言ってくれたさ。――2年半近く前だが」

蒼龍「ええー?」






飛龍「――間違い、ないんだね?」

大淀「はい。我が国だけでなく、各国の衛星からの情報もあります」


赤城「――遅れました、飛龍!」

飛龍「飲み会の後で呼び出してごめんね。……これを見て」

赤城「これは?」

飛龍「3日前の偵察写真。ついさっき、各地の艦隊に通知されたわ」


飛龍「新たな、複数の姫が――中部海域に出現」

赤城「…………」


赤城「必死の思いで攻略したMI周辺海域が、また敵に……」

大淀「すでに海域は封鎖されています。民間の太平洋航路も、大幅な変更を余儀なくされていますね」

赤城「海上護衛も見直す必要があるでしょうし……ほかの艦隊の動きはどうですか?」

大淀「今のところ、海域外に侵攻する兆しはないということで。各艦隊は警戒しつつ、静観の構えです」


飛龍「とにかく、提督に伝えてくるよ」

赤城「あ、私も行きます。大淀さんは他の皆さんに周知を」

大淀「了解しました」


赤城(――侵攻する兆しがない? 今までの姫級は、もっと積極的に動いていたはず)

赤城(また、前に出会った飛行場姫のような異質な敵でしょうか)


飛龍「どうしたの? じっと写真見つめて」

赤城「この写真の空母棲姫……ずいぶんと憂いを帯びた表情のような……」

飛龍「衛星写真ってのはすごいね。敵の表情まで写せる解像度なんてさ」


赤城「飛龍、どう思います? 前回の霧の時と同じような敵だと思いますか?」

飛龍「わからないけど……まあ、会って聞いてみればいいよ」

赤城「あら? 慎重な飛龍にしては、積極的な考えですね」


飛龍「――提督とお母さんが、やっとゆっくり暮らせるきっかけを掴んだんだもの」

赤城「飛龍?」

飛龍「私たちの幸せは、誰にも邪魔させはしない」


飛龍「私が守るわ。提督も、お母さんも、みんなもね」

赤城「…………」


赤城「飛龍~」ワシワシ

飛龍「きゃあっ! な、なに!?」

赤城「肩に力が入りすぎてますよ。貴女らしくもない」

飛龍「え、そうかなぁ?」

赤城「まさか1人で勝てる相手でもなし。慢心はダメ、ゼッタイ。でしょう?」

飛龍「そう、だけど……もとはといえば私の希望だし」


赤城「貴女曰く、家族なんでしょう? お姉ちゃんにも頼りなさい。ね?」

飛龍「お、おね――」

赤城「ほらほら」


飛龍「……ふふっ、そうだったね、赤城さん」

赤城「飛龍! 竣工順でいえば私が長女、飛龍が四女で……」

飛龍「それはまた今度ね」

赤城「んもう」



飛龍「――赤城さん」

赤城「はい?」

飛龍「これからも、よろしくね」

赤城「ええ、こちらこそ」






『…………』



『…………』






『……オカアサン……』






鳳翔「……?」

提督「鳳翔、どうした」

鳳翔「いえ、誰か私を呼んだような……かすかな声が」

提督「周りは誰もいないが?」

鳳翔「そうですよね……気のせいでしょうか」

提督「さあ、いったん帰ろう。報告が大量に来てるみたいだから」

鳳翔「はい!」


鳳翔「あなた、新しい子が来るのですね?」

提督「ああ、沢山な。しかも海外からの艦娘がかなり入ってる」

鳳翔「いいことではないですか。各国から信頼されている証ですよ」

提督「だが、引っ越しと合わせたらとんでもない忙しさになりそうだ」

鳳翔「新しい家のほうはいつでも大丈夫ですから。その子たちが早くなじめるようにしてあげないといけませんね」

提督「そうだね……君にもまた苦労をかける」

鳳翔「いえ、好きでやっていることですし――それに」


鳳翔「仕事が早く片付けば、あ、あなたとの時間も、増えますし……ね?」

提督「……ははっ」


提督(まったく――かなわないなあ)



提督「鳳翔」

鳳翔「はい?」

提督「ありがとう。……愛しているよ」

鳳翔「――はい!」



鳳翔(もうひとつの夢……平和な海で、いつかふたりで、のんびりと船旅でも――)

鳳翔(その時を楽しみに。ふたりで支えあって)


鳳翔「共に未来へ進みましょう――あなた!」







一区切りとなります。
ここまで読んでいただき、本当にありがとうございました。

1スレで2年5か月、足掛け3年。何回終わる終わる詐欺で謝罪したか……
16年の3月で終わらせますとか言ってたのが自分でも信じられません、申し訳ありません。

ある程度書き溜めてから次を立てるつもりでいます。
次スレでもお題の消化と、何よりも更新ペース上げて頑張っていきたいです。
しばらく書いてなかった短編も合わせてやりたいと思いますので、また見かけたら読んでいただけるとうれしいです。


重ね重ねになりますが、長い間お付き合いいただきまして本当にありがとうございました。
またよろしくお願いいたします。

ひとまず乙
そして次もはよはよ

うおっ
突然の終わりか…
とりま乙


http://fsm.vip2ch.com/-/hirame/hira145661.jpg

蛇足ですが、皆さんは建造チャレンジ如何でしたか?
時間がなく1枚しか引けませんでしたが見事に来てくれました。引いた時は思わず声が出ました……


思えば去年のピアノとワインの夕べから始まり、オーケストラは名古屋と大阪、瑞雲ハイランド2回、
渋谷109のpeachコラボ、三越コラボ、そして初めての観艦式と、リアルイベントがものすごく充実していました。

特に瑞雲ハイランドは最高でしたね! 艦これの声優さんのイベントは初参加でしたが、
河口湖に前日泊して物販並んだり(ようやく鳳翔さん徳利買えました)、瑞雲広場で写真撮ってもらったり、
艦娘音頭思いっきり踊ったり、スタンプラリーで豪雨の中駆け回ったり、テンテコマイもぐるんぐるん回して……

見事に筋肉痛になりました。どれもいい思い出です。


>>847
席もすごい良かったです……!

>>866
ありがとうございます。また頑張ります。

>>867
自分でも強引だったとは思いますが、このままずるずる延ばすよりは、と思いました。


SSに関係ない話題で失礼しました……以降は自重します、申し訳ありません。

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年05月17日 (日) 21:17:32   ID: ZuzUNGFt

鳳翔さんは、可愛いなぁ。

2 :  SS好きの774さん   2015年05月28日 (木) 19:42:29   ID: T2sQW6I1

一航戦の誇りが…

3 :  SS好きの774さん   2015年10月04日 (日) 23:20:15   ID: OG5-csPk

オイ!やっぱりさ!鳳翔は最高じゃんか!アッアッアッアッアッ

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