八幡「心の声が聞こえる様になった」 (421)
比企谷家
八幡「ふぅあぁぁ……もう朝かよ……」
八幡「昨日は読みかけの文庫本を一気に読破したからマジで眠い……」
八幡「学校行きたくねぇー……」グデー
ドタドタドタドタバダン!!
小町「おっにぃちゃあーん!おっはよーう!」
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八幡「朝っぱらからテンション高いなお前……何か良いことでもあったのか?」
小町「えっへへ〜。テレビの占いでなんと1位だったのです!小町的に今日は1日ポイント高い日だよ!」
八幡「はいはい良かったな。でもお前、5位以内に入ってなかった瞬間、いつもチャンネル変えてるじゃねーか。あれは不正行為じゃねーの?」
小町「だってあれ、5位以降は悪いことしか言わないんだもん。わざわざ悪い忠告聞いてテンション下げたくないし?小町的に朝からポイント下げるのはちょっとヤダかな〜」
小町「(ちなみにお兄ちゃんの徹夜明けのときの顔も朝一はチョットキツイんだよね~)」
八幡「……それは心の中だけにしまっといて欲しかったなお兄ちゃんは」
小町「え?何が?」キョトン
八幡「は?」
八幡「いや、俺の徹夜明けの死んだような顔も朝一見るのはキツイんだろ?」
小町「え」ギクリ
小町「あっれぇ……小町もしかして口に出してた?ゴメンちゃい☆」
八幡「口は災いの元って言うだろ。その点俺は大丈夫だ。何たって話す相手がいないからな。余計なことを言い様がない」
小町「いや、お兄ちゃんは絶対結衣さんや雪乃さんに余計なこと言ってると思うよ……」
小町「(下手したらそれ以外にも言ってるかも。意外と天然ジゴロ入ってるし)」
八幡「天然ジゴロってなんだよ……」
小町「げっ!?あっれれー?小町また口に出してたっぽい!?」
小町「えー、えっと、とりあえずそろそろ支度しないと遅刻だから早く準備してねー!!」コマチハニゲダシタ!!
八幡「朝から慌ただしい奴だな……」
八幡「(それにしても、小町の様子が少し変だったな。俺への毒はよく吐くが、さっきのはまるで心の声を読まれたんじゃないかって感じの動揺っぷりだな)」
八幡「もしかして、エリートぼっちを極めた結果、とうとう読心術まで会得したのか?」
八幡「……アホらし。材木座じゃあるまいし。さっさと学校行く支度するか」
【総武高校】
八幡「……っしょ」ジテンシャカギカケ
由比ヶ浜「ヒッキー!やっはろー!」テヲフリフリ
由比ヶ浜「(あー、ヒッキー今日もやっぱカッコイイなー)」
八幡「おう、おハッ!?」
八幡「(……いや、おい、ちょっとまて。今コイツとんでもないこと言わなかったか?)」
由比ヶ浜「ちょ、ヒッキーってば、いきなり変な声出さないでよ!ビックリするじゃん!」
八幡「……いや、お前こそ公衆の面前でいきなりなんてこと言ってんだよ」
由比ヶ浜「はぁ?普通に挨拶しただけじゃん!挨拶だけでキョドるとかヒッキーなんかキモい!」
八幡「え?なんだって?」
八幡「(……おっと、動揺しすぎて思わずどっかのラノベ主人公みたいな突発性難聴になっちまった)」
八幡「(というか、確かに今俺の事カッコイイとか言ってたよなコイツ。なに、俺の幻聴なのん?だとしたら本当にマジやばいよヒッキー!)」
八幡「あー、あれだ。ちょっと今日は喉の調子が悪いんだよ。それだけでキモがられるとか鬼なの?悪魔将軍なの?」
由比ヶ浜「ひっど、鬼でも悪魔でもないし!ヒッキーマジありえない!」プンスカプンスカ!!
由比ヶ浜「(ヒッキー大丈夫かな?風邪気味みたいだし、か、看病とかしてあげたいなーなんて……ね)」
八幡「!?!?!?」
八幡「(…………やっぱりだ。今度はしっかりと聞こえたな、由比ヶ浜の声が。だが、目の前の由比ヶ浜はそんなこと言った素振りは全く見せていない。至っていつもどうりな感じだ)」
八幡「(朝の小町の様子が変だった事といい、マジで無意識に他人の心の声が聞こえるようになったってのかよ……)」
八幡「…………」
八幡「(え、作品違くない?俺の腐った目のギアスが暴走でもしてんの?)」
八幡「(そういうのはブリタニアの忘れられた王子とC.C.のストーカーだけにして欲しいんたけど)」
八幡「(まさか、思春期過ぎた今頃になってこんな、材木座が狂喜乱舞して喜びそうな能力に目覚めるとかマジで嫌なんだが……)」
八幡「…………」ハチマンハシンダヨウナメヲシテイル…
由比ヶ浜「ヒッキー?大丈夫?」
由比ヶ浜「(なんか突然黙り込んじゃったけどホントに大丈夫かな。もしかして急に体調が悪くなったとか……目もいつも以上に汚れてるような気がする!)」
八幡「いつも以上には余計だ」
由比ヶ浜「わひゃっ!!」
由比ヶ浜「え、ちょっ、なんで考えてることわかったし!ヒッキーなんか、うん、本当にキモイかも……」
八幡「おい、人をまるでストーカーを見るような目で見るんじゃない。はぐれメタルみたいな俺のHPが朝からゼロになるだろうが」
八幡「それとな、ぼっちの基本スキルとして人間観察ってのがある。それを極めると前後の会話と顔を見ただけである程度何考えてるかわかるようになる」
八幡「この腐りきった現代社会でぼっちが生き残る為の防衛手段だ」
八幡「それにより、その後の対応を臨機応変に変えていく。媚びへつらったりおだてたり」
由比ヶ浜「自分が下手に出るのは決まってるんだ……」
八幡「ねぇ、ちょっと?憐れな小動物を見るような目で俺を見ないでくんない?そういうのがぼっちは一番辛いんだよ?」
由比ヶ浜「あはは、ゴメンゴメン。ってそろそろ急がないとチャイムなっちゃうよ!早く教室行こ!」
由比ヶ浜「(朝からヒッキーといっぱいお喋りしちゃった。えへへ、今日も一日がんばろーっと!!)」
八幡「……そうだな」
【教室】
八幡「(……さて、そろそろ真剣にこの能力の事について考える必要がある。)」
八幡「(というか、能力って……なんか、すごく厨二です本当に有り難うございます。……そうだな、能力って呼ぶのはアレだから現象ってことにしよう。どっかの3組みたいにぽんぽん死人が出そうで怖いが)」
八幡「(あれ、ちょっと待って?あの作品もいないモノとかいうぼっち生成システムがあったし、現にこの学校における俺の存在感とかまさにいないモノじゃね?)」
八幡「(何この共通点怖いんだけど。今に海老名さんとかがはや×はち妄想こじらせて鼻血の出血多量で死んだりしないよね?)」
八幡「(つかもう考えるのが面倒くさい。あれだ、全部陽乃さんのせいでよくね?この世の不可思議な出来事ってだいたい陽乃さんの仕業っていわれても納得できる気がするんだが)」
八幡「(……自分で言っといてなんだが全然真剣に考えてねぇな俺)」
八幡「(まぁ、今は原因を考えても仕方が無い。現状をどうするか、だ)」
八幡「(といっても、普段通りに振舞うということくらいしか出来ないんだが)」
八幡「(今までに小町、由比ヶ浜と話してわかったのは、俺と話している相手限定の心の中の声みたいなものが聞こえてるってことだ)」
八幡「(常に周りの人間の声が聞こえる、なんていう変態ストーカーよりはマシだな)」
八幡「(あんな風になったら絶対に引きこもる自信があるぞ)
八幡「(あ、でも戸塚の天使ボイスが常に頭の中で聞こえるんなら大賛成だわ。)」
八幡「(なにその幸せな能力。この現象と交換してくれませんかね)」
八幡「(おっと、話が脱線したな。とりあえず今日をなんとか乗り切る。明日になったらこの現象も消えてるかもしれんし明日は明日考える)」
八幡「(正直、今更他人にどう思われようとどうでもいいが、それはあくまでどう思われているか知る由が無かったからだ)」
八幡「(今日までの俺の人生で、他人からの悪意や嘲笑や蔑み、そういった負の感情を持たれたことなんざ一度や二度じゃない。)」
八幡「(実際面と向かって言われたこともあるしな。でもそれは少数派だと思う。ほとんどのやつは面と向かって言うことはしない。裏で、ましてや心の中で、その毒を吐くはずだ。)」
八幡「(そんな負の感情が直接俺に届くとしたら。いくら他人にどう思われても構わないといえど、俺は悪意を向けられて喜ぶような人間じゃない。)」
八幡「(過去から学び、俺は期待することを止めた。期待して、勘違いなんかを起こさないように。)」
八幡「(そうして生きてきたってのに、なんでこんな変な現象に巻き込まれないといけないんだよ。)」
八幡「(他人の心なんか知らない方が楽なのにーー)」
平塚「ほう。いい度胸だな比企谷。よりにもよって私の授業の時に余所見とは」
八幡「ひゃいっ!!……え、いやそんな余所見なんてしてないですよ。母ちゃんにいつもヨソはヨソ、ウチはウチって言われてるんで……」
平塚「君の家の教育方針の話はしていないよ比企谷。私の授業中に余所見をしていた君にはペナルティをプレゼントしよう」
平塚「放課後、職員室まで来たまえ」
八幡「いやちょっと……今日は用事がアレでして……」
平塚「もし来なければ私のこの手が光って唸ることになるが覚悟はいいな?」アアン?
八幡「……善処します」
平塚「(……週末の婚活パーティー失敗したし比企谷に慰めてもらうとしよ……)」
八幡「(そっちが本音かよ!というか慰めてもらうのがペナルティでいいんですか先生……だれか、本当にこの人貰ったげてよぉ!)」
平塚「ではな。む、時間か。今日の授業はここまでとする。比企谷、放課後を楽しみにしているよ」キーンコーンカーンコーン
八幡「(……セリフだけ聞いたら女教師とのいけない関係ぽいんですけどね。)」
八幡「解せぬ……」
【放課後】
八幡「疲れた……」ハァ
八幡「あの人本当どんだけ俺の事好きなんだよ……」
八幡「(最近どうだ?なんていう会社の上司みたいな質問から始まり、失敗した婚活パーティーの参加者への愚痴。それから最近ハマってる漫画やアニメの話題)」
八幡「(しかも愚痴ってる最中から、もう比企谷でいいから結婚してくんないかなーとかいう心の独り言が聞こえた気がするが気のせいだ。そうに違いない。)」
八幡「(それはともかく、なんだかんだ言って俺と趣味あってるから話してて楽しいんだよな……)」
八幡「(男子高校生と同じ趣味のアラサー女教師……)」
八幡「(悪くはない、悪くはないんだ……。美人だし、その辺の男より男らしい)」
八幡「(だが女だ!)」
八幡「(平塚先生に、幸あれ)」
「」が全角半角なったりしてますがミスです
気にしないでくれると助かります
「」が全角半角なったりしてますが
気にしないでもらえると助かります
八幡「(……少し遅くなったが、奉仕部に顔出しとくか。)」
八幡「(こんな状態で行きたくねぇーけど、行かなかったら行かないで怪しまれそうだしーー)」
???「ーーアンタ、これから部活?」
八幡「うおっ!?」ビクッ
川崎「……人見てビビるとか失礼じゃないの?」
八幡「いきなり話かけられたら誰だってビビんだろ」
川崎「いきなりじゃない。何度か呼んだんだけど」
川崎「(愛してるって言った。愛してるって言った。愛してるって言った。愛してるって言った。愛してるって言った。)」
八幡「っ!?!?!?」
川崎「どうかした?」
八幡「あ、え、いや…………」
八幡「(な、何?なんなのコレ?)」
川崎「今のアンタ凄く挙動不審」
川崎「(アタシに愛してるって言った。愛してるって。どういうこと?どういう意味?)」
八幡「か、勘違いするな。俺は元からこうなんだよ。なんなら保育園の前を歩いているだけで事案になったことすらあるくらいだ」
八幡「(……落ち着け、まずは落ち着くんだ八幡。これは恐らく川崎の心の声……だと思う)」
八幡「(だがこれは……なんというか、本当にコイツの声なのか?)」
八幡「(確かに文化祭のとき、相模を探すヒントを貰ってついポロッと冗談で口にしちまったけど……)」
川崎「アンタさぁ、それ自分で言ってて悲しくならないの?」
川崎「(なに?あれは冗談だったの?でも普通冗談で愛してるなんて言わないだろうし……。でも、特にコイツからなんかアプローチとかそんな感じのもの無いし)」
八幡「悲しいからネタにしてんだよ。そうでもしないとガラスのハートがブレイクしちゃうんだよ」
八幡「(川なんとかさん、見た目とは裏腹に凄まじいほどのピュアさだった……)」
八幡「(もともと見た目の割に三浦と同じくオカン属性の高い奴だとは思ったが)」
八幡「(ここにきて、乙女属性も兼ね備えていたとは……)」
八幡「(しかし、今ここであれは冗談だったから忘れろなんて言えるわけがない。そもそも文化祭からどんだけたってると思ってんだ。急にその話を今から盛り返すのも不自然だ)」
八幡「(仕方が無い、かくなる上は……)」
八幡「すまんが、ただでさえ平塚先生に呼ばれたせいで遅くなってるし、そろそろ部活向かうわ」
八幡「(戦略的撤退だ)」
川崎「そ。」
川崎「(ホント、なんなのアイツ。こっちはアンタのせいで……バカ)」
【奉仕部部室前】
八幡「……ふぅ」
八幡「(まさか、川崎があそこまで引きずっていたとは)」
八幡「(まぁ、所詮は俺なんかが言ったことだ。時間が経てばアイツも忘れるか、冗談だったんだと気づくだろう)」
八幡「(俺はこの程度では勘違いしたりはしない。なぜなら、訓練されたエリートぼっちだからな)」
八幡「(それに本当に心の声かどうかなんて誰にわかんだよ)」
八幡「(もしかしたら、今までのは全部俺の妄想あるいは幻聴って線もありえなくもない)」
【奉仕部部室前】
八幡「……ふぅ」
八幡「(まさか、川崎があそこまで引きずっていたとは)」
八幡「(まぁ、所詮は俺なんかが言ったことだ。時間が経てばアイツも忘れるか、冗談だったんだと気づくだろう)」
八幡「(俺はこの程度では勘違いしたりはしない。なぜなら、訓練されたエリートぼっちだからな)」
八幡「(それに本当に心の声かどうかなんて誰にわかんだよ)」
八幡「(もしかしたら、今までのは全部俺の妄想あるいは幻聴って線もありえなくもない)」
すみません。
ミスって2回投稿しちゃいました
八幡「(その場合、コクってフラれてトラウマ再発からの精神科へGO!って未来まで見えちゃう……見えちゃうのかよ!)」
八幡「(よって俺をそう簡単に攻略出来ると思ったら大間違いなんだからね!)」
八幡「(……さて)」
八幡「(そうこうしてるうちに奉仕部前まで着いた訳だが)」
八幡「(……行きたくない!超絶行きたくないでござる!なんならついでに働きたくもないでござる!)」
八幡「(今のこんな状態で雪ノ下と会話するのが恐いオレガイル……)」
八幡「(あの毒舌の申し子のことだ。きっと外と内からのWブレイクを仕掛けてくるに決まってる)」
八幡「(俺の心のシールドが雪ノ下の攻撃に耐えられるかどうか)」
八幡「(それにこの現象がいつまで続くかわからない以上、雪ノ下とずっと会話をしないなんてことは不可能だ)」
八幡「(ならもう覚悟を決めるしかない!)」ガラガラ
【奉仕部部室】
八幡「うーっす」
由比ヶ浜「あー!ヒッキーやっと来た!遅すぎだよ!」
雪ノ下「あら、やっと来たのね。今日はもう来ないと思ってたわ。サボリヶ谷君」
八幡「サボってねーだろ。こうして来てんだから」
雪ノ下「活動時間ギリギリに来るのはサボリとほとんど同義よ」
雪ノ下「(……よかった。ちゃんと来てくれた。あまりにも遅いから何かあったんじゃないかと心配しちゃった)」
八幡「」キョトン
雪ノ下「……どうしたの?」
雪ノ下「まるで鳩が豆鉄砲……いえ、不審者が警察を呼ばれた様な顔をして」
雪ノ下「(由比ヶ浜さんから聞いていたとおり、本当に体調が良くないみたいね。いつもより顔色も悪い気がするわ)」
度重なるミスの連発申し訳のうござる
上のも俺です
【奉仕部部室】
八幡「うーっす」
由比ヶ浜「あー!ヒッキーやっと来た!遅すぎだよ!」
雪ノ下「あら、やっと来たのね。今日はもう来ないと思ってたわ。サボリヶ谷君」
八幡「サボってねーだろ。こうして来てんだから」
雪ノ下「活動時間ギリギリに来るのはサボリとほとんど同義よ」
雪ノ下「(……よかった。ちゃんと来てくれた。あまりにも遅いから何かあったんじゃないかと心配しちゃった)」
八幡「」キョトン
雪ノ下「……どうしたの?」
雪ノ下「まるで鳩が豆鉄砲……いえ、不審者が警察を呼ばれた様な顔をして」
雪ノ下「(由比ヶ浜さんから聞いていたとおり、本当に体調が良くないみたいね。いつもより顔色も悪い気がするわ)」
八幡「…………え、あ、いえ、大丈夫です」
八幡「(やべぇ……。あまりの衝撃につい敬語で返しちゃったよ)」
雪ノ下「どうして急に敬語を使い始めたのかは知らないけど貴方、挙動不審すぎるわよ?」
雪ノ下「本当に大丈夫なの?」クビカシゲ
雪ノ下「(丁度切り上げようと思っていたし、比企谷君のためにも今日はこれくらいにしておきましょう)」
八幡「す、少し風邪気味なだけだ。心配すんな」
雪ノ下「……別に心配なんてしてないわ。ただ、私と由比ヶ浜さんに比企谷菌、の風邪をうつして欲しくないから」
雪ノ下「(……できるものなら比企谷君の風邪を私が変わってあげたいのだけど)」
八幡「……ダレダコイツ」ボソッ
雪ノ下「?」
八幡「……いや、つーか今さり気なく名前比企谷菌って呼んだよな?体調悪い奴にトラウマでダメージ与えるのやめてくんない?」
雪ノ下「ごめんなさい。無意識だったわ」
八幡「絶対ワザとだったろ……」
雪ノ下「……もう時間ね。今日はこれくらいにしましょう」
雪ノ下「(明日には比企谷君が元気になっていますように)」
八幡「そだな」
由比ヶ浜「ゆきのーん、途中まで一緒に帰ろ!」チョットユイガハマサンダキツカナイデ…
本当にすみません
上のも俺です...
>>84
IDで大体分かるからそんなに気にしなくてもいいんじゃない?
>>86
そう言ってもらえると助かります
新人社畜なもんで
全然書き込みできなくてごめん!
気長に待っててくだしあ!
少し投下させてもらいます
比企谷家 【八幡の部屋】
八幡「......はぁ。今日は疲れた」グダー
八幡「(それにしても......)」
八幡「(あの雪ノ下が俺を心配?)」
八幡「(......いや、特に深い意味はないはずだ。ただ、同じ部活の人間を気遣ったに過ぎない)」
八幡「(でも、雪ノ下も一応、俺の事を心配してくれるんだな......)」
八幡「(............)」
八幡「......寝よ」
キニスンナ
リアルが大事
次の日【総武高校】
八幡「(......まぁ、そこまで期待はしてなかったが、まだ消えてないか)」
八幡「(一刻も早く消えてくれるとありがたいんだがーー)」
???「はちまーん!おはよっ!」
八幡「戸塚、おはようさん」
戸塚「八幡、昨日は具合悪そうだったけど、今日は大丈夫そうだねっ」ニコパッ
戸塚「(八幡、昨日は具合悪そうだったけど、今日は大丈夫そうだねっ)」
八幡「(結婚しよ......)」
八幡「結婚しよ......」
八幡「(ヤバっ、あまりの戸塚の可愛さに心の声が出てしまった......ん?)」
戸塚「は、はちまん?け、結婚って、ぼ、ぼく男の子......///」
戸塚「(は、はちまん?け、結婚って、ぼ、ぼく男の子......///)」
八幡「(......?少し気になってたが、聞こえてくる心の声も一緒?こんなケースは初めてだな)」
八幡「あ、いや、なんでもない。気にしなくていいから」
戸塚「う、うん」
八幡「あー、あれだ。この二、三日かなり冷え込んでたからな。少し調子を崩しちまったんだよ」
八幡「けど、もう大丈夫だ。戸塚も風邪には気をつけた方がいいぞ」
戸塚「うん、気をつけるね!」
戸塚「(うん、気をつけるね!)」
八幡「(やっぱ聞こえてくる心の声も一緒だな)」
八幡「(ってことは戸塚は俺との会話には裏表なしのありのままでいるってこと......)」
八幡「(流石ラブリーマイエンジェル戸塚!!)」
八幡「(虚偽はびこる腐った現代社会に舞い降りた唯一の女神!!)」
八幡「(戸塚になら......戸塚になら......八幡のありのままの姿見せるよ!!)」
>>101ありがとな、愛してるぜ。
八幡「............」ニタニタ
戸塚「......ちまん?」
戸塚「もぉっ、八幡ってば!」ムゥー
八幡「......スマン。ボーッとしてた」
戸塚「もう、急に黙り込むから心配したんだよ?病み上がりなんだし無理はダメだからね!」
八幡「ん、気をつける」
八幡「(怒った顔すらも可愛いとか、どこの女神ですか?もうラブでライブのメンバーに入って欲しい。推しメンにするから)」
戸塚「じゃあ僕は席に戻るから」テヲフリフリ
八幡「じゃあな」
戸塚「(......僕がもし女の子だったら、八幡は僕と結婚、するのかな......///)」
八幡「ぐふぉ!!」バタン!!
由比ヶ浜「ヒッキー!?」
戸塚「はちまん!?」
八幡「」
オイ!ヒキタニクンガタオレタ!!ホケンシツニツレテイカナイト!!
オレガハコブヨ!!ア、アタシモツイテク!!
ハヤマクンガヒキタニクンヲオヒメサマダッコ!?キ-マ-シ-タ-ワ-!!
ギタイシロシ!!
一応、今回はここまで
次の投下をあの夏まで待ってて!(大嘘)
【保健室】
八幡「......ん」パチクリ
八幡「保健室......?」
八幡「......そうか、俺は戸塚の心の声を聞いてぶっ倒れたのか」
八幡「(......それにしても、あんな不意打ち反則ですよ戸塚さん)」
八幡「(あまりの可愛さに一瞬、天に召されたかと思った......)」
八幡「(まぁ、大天使トツカエルに連れて行ってもらえるなら悪い気は正直しないんですけどね!)」
八幡「っと、時間は......17時過ぎか」
八幡「この時間ならまだ部活はやってるな。行くかーー」ガララッ
八幡「ん?」
葉山「やぁ、起きたのか」
八幡「げっ」
葉山「随分と嫌われたもんだな......」ハハハ
八幡「何の用だ。つーか、何の用だ」
葉山「......そんなに俺が君の様子を見に来るのがおかしいかな?」
八幡「おかしいだろ。俺とお前にそんな知り合いみたいな関係性は無い」
葉山「同じクラスなんだから、関係性はあるだろ。それに一応、顔見知り程度の知り合いだとは思ってるよ」
葉山「同じクラスなんだから、関係性はあるだろ。それに一応、顔見知り程度の知り合いだとは思ってるよ」
八幡「アホか。顔を知ってるだけで知り合いとかテレビのアイドルを知り合いって言ってるようなもんだ。」
八幡「それに、クラスメイトになっただけで関係性があるなら同じ高校に通ってるだけでみんな何となく友達、って言ってるのと大して変わんねぇよ」
葉山「それは流石に暴論過ぎじゃないか?」
八幡「それくらい俺とお前の認識に温度差があるってことだ」
八幡「それに俺はぼっちだからな。誰かが見舞いに来ること自体不自然なんだよ」
葉山「......」イラッ
葉山「......本当にそう思ってるのか?」
八幡「あ?」
葉山「君を心配する人間なんかいないと、自分はいつも一人だと、本当にそう、思ってるのか?」
葉山「(比企谷、どうしてお前はそうなんだ。そんなに歪んでいるんだ?)」
葉山「(君は俺には出来ないやり方でたくさんの人を助けた。俺には無いモノを持っていて、君の周りの人達はいつも笑顔だ)」
葉山「(それは本当に綺麗で、俺にはそれが......君が、羨ましいよ)」
葉山「(だが君は彼女たちから、周りの人間から、遠ざかろうとする。どうして踏み込もうとしない?)」
葉山「(俺が手に出来なかったものが君には手の届く範囲にあるのに)」
葉山「(君の過去に何があったかは知らないし、知ったところでどうにもならない)」
葉山「(......だから、俺と君は友達にはなれないんだろうな)」
葉山「(そうやって逃げ続けた先には、後悔しか残らないぞ、比企谷)」
葉山「(......少なくとも、俺はそうだったんだ)」
八幡「............」
葉山「......悪い。今のは忘れてくれ」
葉山「君の様子を見に来たのはたまたまここを通りがかったのと、倒れた時に運んだのは俺だったから少し気になったからだ。ただそれだけさ」
八幡「......そうか、面倒かけて悪かった」
葉山「困った時はお互い様だ」
葉山「それじゃ、俺は行くよ」ガララ
八幡「ああ」
葉山「最後にさっきの話だけど、彼女たちの前ではあんな事言わない方がいいと思うぞ」ピシャン
八幡「..................」
八幡「............」
八幡「......知ってんだよ、そんな事」
>>128の一行目はミスです無かった事にして
今回はこれだけ!
今全体の三分の二くらいだから後ちょっとで終わるはず!
遅くなってすいません
また少し投下!
【廊下】
八幡「……はぁ」グッタリ
いろは「ちょっと、なんで出会い頭にため息なんですかぁ!」プンスカ!!
八幡「(なんで今日はめんどくせぇ奴ばっかとエンカウント率高いんだよ……)」
八幡「(ゴールドスプレーどっかに落ちてねぇかな」ボソッ
いろは「今ゴールドスプレーって言いました?言いましたよね?なんですか、私は草むらから出てくるポケモンか何かですか!?」
八幡「(やべっ、口から出てた)」
八幡「そうだな、洞窟ダンジョンで出てくるズバットくらい出会いたくないまである」
いろは「あやしいひかりなんてしませんよ!怪しいのは先輩の存在そのものです!」
八幡「なに、お前にとっての俺って常にこんらん状態の痛い奴って意味なの?酷くない?」
いろは「最初に酷いこと言ったのは先輩の方ですからね!」
いろは「(しょぼくれた顔の先輩可愛いです)」
八幡「っ」ドキッ
いろは「それはそうと先輩、今日倒れたって聞きましたけど大丈夫なんですかー?」
いろは「最初聞いたときは本当にびっくりしたんですから!」
いろは「(本当に、心配したんですからね……)」
八幡「(え、だ、だれ?)」
いろは「嫌われ者の先輩が、とうとう誰かに闇討ちされたんじゃないかと思いましたよ」
いろは「(もし先輩が居なくなったら私、何の為に生徒会長やってるかわかんなくなっちゃうじゃないですか……)」
八幡「(お前が生徒会長やってんのは葉山に対するアピールの為だった筈だろ)」
八幡「安心しろ。そもそも闇討ちされる程存在を認識されていないしな」
八幡「良く言うだろ。愛情の反対は憎悪じゃなく無関心ってな」
いろは「ドヤ顔でそんなしょうもないこと言わないでくださいキモイです」
いろは「(先輩に少しでもこの学校での生活を快適に過ごせるように生徒会長として、頑張りますから!)」
八幡「(いろはすが、あざとくない……だと?)」
八幡「(てか、なんなのさっきから。この子いい子過ぎない?外と内のギャップ激しすぎて八幡こんらんしそう、ってしてるじゃんよ!じゃん!)」(黄泉川先生風)
いろは「とにかくですっ。こんな可愛い可愛い後輩を心配させたバツとして、先輩は私のお願いを1つ聞いてもらいます!」
八幡「いや、その理屈はオカシイ」
八幡「(可愛いって自分で2回言ったなコイツ。やっぱいろはすだわ。あざといわ)」
いろは「先輩の意見なんて却下です!」
いろは「事実、私は先輩のことを心配しすぎて生徒会の仕事もなかなか進みませんでしたよ!これは、業務営業妨害ですよ!」
八幡「業務執行妨害な。それと、お前の仕事が進まないのはいつものことだから心配しなくていいぞ」
いろは「全く、先輩ってば本当に捻デレさんですね。素直に喜んでいいのにー」フフッ
八幡「(口元に手を当ててはにかむな!あざとくて可愛すぎるから)」
八幡「まぁ、なんだ。心配させたのは悪かったな。倒れたっつっても風邪が少しぶり返しただけだ。大したことじゃねーから、心配すんな」
八幡「あと、お願いなら一つくらいなら聞いてやらないこともない。つか、もう何回もお前のワガママ聞いてるしな」
いろは「ちょっ、急に真面目にならないでくださいよ!私が先輩のこと心配してたみたいじゃないですか!」
八幡「おい」
八幡「(八幡泣いていいかな?いいよね?)」
いろは「でも、言質は取りましたからね!お願いはこれから考えるんで後日メールします」
いろは「(先輩ってやっぱり優しいですね。いつも誰かを気遣って、捻くれているけど、なんだかんだ手を差し伸べてくれて)」
いろは「(そんな先輩だから、こんな気持ちになっちゃったんです)」
いろは「(その迷惑料としてなんですから、一度や二度のお願いじゃ許してあげません!)」
いろは「それじゃ、先輩。私はそろそろ生徒会室に戻りますから」
いろは「お願い、覚悟しておいて下さいね。では!」タタタッ
いろは「(何回だって、お願いしちゃいますから!)」
八幡「……ホント、あざといな」
【雑貨屋】
八幡「(結局、今日は部活の方に顔を出す気にはなれず、家に帰ってぐっすり休もうと思ったわけなんだが……)」チョ、コレヒサビサニミタンダケド!!ウケルー!!
折本「ねぇ比企谷っ、コレみなよ!まだファービーとか売ってんだけどこの店。ウケるくない?」
八幡「(ヤバイ帰りたい……)」
八幡「(今日ってホント一体なんなのマジで?)」
八幡「(何?オールキャスト集合?名探偵コナンの10周年記念劇場版なの?)」
八幡「(ぼっち達のレクイエムなの?)」
八幡「(いや、ぼっちに鎮魂歌捧げても元から静まってるから意味ねぇな。静かすぎて存在を認識されてないまである)」ハハハ
折本「ちょっと、比企谷聞いてんの?てか、何もないトコみて一人でニヤついててウケるんだけど」ケラケラ
八幡「え? あ、お、おう」
この野郎生きてたのか!(歓喜)
折本「超キョドってるし。比企谷ってほんと見てたらウケるよねー」
八幡「いや、ウケねぇから……」
八幡「(俺を見ていて楽しい気分になるって意味じゃなく、笑いものとして見てるからウケるってことですか?ことですよね?)」
折本「あ、そろそろ次の店回ろ。時間あんまり無駄にしたくないし」
八幡「おい、ちょっと待て。さっき付き合うのは一軒だけっつっただろ」
折本「はぁ?あたしが言ったのは友達の誕生日プレゼント買うから付き合ってって言ったんだけど?」
八幡「いや、お前がじゃなくて俺が一軒だけ付き合うって言ったんだけど……」
折本「聞いてないし。はい解決!次行くよ」タッタッタ
>>179 正直書くのサボってた!ごめん!
八幡「強引すぎるだろ……」
八幡「(走れメロスの王様だって身代わりを立ててくれるくらいの情けはあったぞ)」
八幡「(俺にもそれくらいの猶予をくれよ、ってぼっちだから身代わりになってくれる人なんてだせないね!てへ☆ぺろ!)」
・・・・・・・・・
折本「んでさ、友達のプレゼントなんだけどどんなのが良いと思う?」
八幡「いや、まずそいつのことを俺は何も知らないんだが……」
折本「……だよねー!比企谷って友達少なそうだし!」
折本「(でも、今の比企谷にはスッゴイ素敵な友達がちゃんと居るんだよね。あたしよりもメッチャ綺麗で可愛いあの子達が)」
折本「(葉山君にあの時言われるまで、あたしは比企谷のことなんて中学の頃の告った告られた、振った振られた程度の思い出バナシのネタに使う感じでしか意識してなかった)」
折本「(比企谷の気持ちなんて考えたこともなかった)」
折本「(それから、クリスマスイベントの会議でまた比企谷と会って、厳しいスケジュールの中でも色々案を考えてくれて、雪ノ下さんや由比ヶ浜さんたちと協力して頑張ってる比企谷はなんか、中学の時と違うあたしの知らない比企谷だった)」
八幡「…………っ、いや、俺の友好関係の人数とお前の友達を知らないことは関係ないだろ」
八幡「(今度は折本の声まで聞こえてきたか。……こう、立て続けに人の心の声ってのを聞いちまうと結構精神的にくるな……)」
折本「だよねー、あたしも自分で言っといてそう思った(笑)」
八幡「……えー、あー、なんだ、その友達の趣味とか好きな物とか、そういう路線で探してみるってのが定番なんじゃねぇの?」
八幡「(とにかく、一刻も早く終わらして今日はもうさっさと帰ろう)」
折本「ちょっ、あっははっ、比企谷、なんで急におっさんみたいな口調になってるし!」
八幡「(わからん……。今時の女子高校生の笑いのツボが。てか、こいつの笑いのツボがわからん!)」
八幡「(今俺ボケてないよね?至って真面目にいい案出してたよね?)」
八幡「(俺の存在が既にボケてるってことなのん?)」
八幡「で、どうすんだ?その路線で探すのか?」
折本「あ、うん。それあるし、それで探そっか!」
八幡「おう。それで早速だが、その友達は一体何が好きなんだ?」
折本「えっとー、好きな物っていうか趣味ってのとは違うんだけど、最近編み物始めようかなって言ってたかなー」
八幡「(あれれー?おっかしいなー?さっき俺の言ったこと普通に全スルーされてね?)」
八幡「(まぁ、あながち的外れな意見でもないからいいけど)」
折本「いつか彼氏にマフラー編んであげたいって言ってた」
八幡「これから始めようとしてんなら、初心者用の教本とか、道具一式とかが良いんじゃねーの?」
八幡「けど、あんまり高価な奴は駄目だ。編み物って意外と敷居が高いらしくてな、始めても続かないような奴がほとんどらしい。ソースは俺の妹」
折本「なるほどねー。あたしも昔やってたけど難しくてやらなくなったなー」テヘヘ
折本「(……やっぱり、あたし比企谷のことって何も知らなかった)」
折本「(妹がいることも。見た目はヘタレっぽさそうだけど、話すと意外と頼りになるとこも)」
折本「(なんにも知らなかった)」
折本「(それなのにあたしは、比企谷の告白をネタにして、笑って、クラスのみんなとかと馬鹿にしたりして)」
折本「(今更後悔しても遅いかな。……ううん、違う。後悔に気づいたことすら遅かったよね)」
八幡「(っ、なんでだよ…………)」ズキッ
八幡「(………なんでこいつは今更……!)」ズキッ
八幡「……だから、買うにしても安いやつの方がいい。もし、途中でやめたとしても、あまり罪悪感を持たなくてすみそうなくらいのものがその子の為だ」
折本「……なんかお願いしといてあれだけどさー、比企谷って絶対夢とかないっしょ?現実主義っていうか」
八幡「バカお前、俺にだって夢くらいあるぞ」
折本「なになにー?」
八幡「専業主婦になって嫁さんに養って貰うことだ」
折本「~〜っっっっ」ダンダンダン!!
八幡「(いや、笑い過ぎじゃない?)」
・・・・・・・・・
折本「今日はありがと。プレゼント選び、チョー助かったかも!」
八幡「人を強引に連れて来といてかもなのかよ……」
折本「そんな細かいこと気にしない!」
折本「(……もし、今から中学のあの瞬間に戻れたとしたら)」
折本「(好きとか嫌いとかの前に、比企谷の気持ちに対してちゃんと向き合わないといけないべきだったんだよって)」
折本「(あの時の私に伝えたい)」
八幡「(…………折本)
折本「(自意識過剰かもしれないけど、てか絶対、自意識過剰だけど)」
折本「(その時の比企谷の気持ちは、きっと本物だったと思うし)」
八幡「っっっ」カオマッカー
折本「? なんか、比企谷顔メッチャ赤くなってない? リンゴみたいでウケるw」
八幡「いや、ウケねぇし……」
八幡「(なんていうか、ものすごく恥ずかし過ぎる……拷問かよ!)」
折本「じゃ、あたしこっち側だから」
八幡「ああ。じゃあな」
折本「(……きっとこの言葉は届くことなんてないけど)」
折本「(比企谷、あの時あんたの気持ちとちゃんと向き合わなくて)」
折本「(ホント、ごめん……)」
以上、今回はここまでです!
長い間待たせたけどクオリティが
上がったとは言ってない(白目)
この折本に言いたいことはたくさんあると思うが
折本だって少しくらいいい子だと思うんだ!
さがみんよりはきっとよい子!!
あ、ざいつくんはどうでもいいです。どうせ出しません
正直エタろうかと思ったんだけど
また頑張ってみる。本当スマン
酉ミスった
【八幡の部屋】
八幡「…………」
八幡「(後悔に気づいたことすら遅かった、か)」
八幡「(全くもってその通りだ)」
八幡「(それに、俺自身もう吹っ切れてるからどうということは無い)」
八幡「(……と、思ってたんだが)」
八幡「クソッ」ダンッ!!
八幡「(なんなんだ、このモヤモヤは?)」
八幡「どいつも、こいつも、なんでそこまで俺に対して好意的なんだよ……」
八幡「(俺は他人の内側なんて知りたくない、踏み込みたくない)」
八幡「(誰も彼もがお互いに理解し合う事なんて不可能だ)」
八幡「(それに)」
八幡「(俺に優しい人間はほかの人にも優しくて、俺だけが特別って訳じゃない)」
八幡「(真実が時に残酷だというのなら、優しさは嘘だ)」
八幡「(それはずっと前から知っていることだった筈だ)」
八幡「(だから予防線を張り、期待することをしないと決めた)」
八幡「(だが今の俺はどうだ?)」
八幡「(この得体の知れない現象により、他人の本当かどうかも知れない心の声を聞いただけで)」
八幡「(どうしようもなく期待しようとしている自分がいる)」
八幡「(…………卑怯な奴だな、俺は)」
八幡「(自分の意思は伝えず、人の心の中を土足で踏み込み)」
八幡「(自分は安全圏から見守っている)」
八幡「(その結果知り得た想いに、期待をしている)」
八幡「(俺のことをあんな風に想ってくれているあいつらなら、比企谷八幡という人間を理解してもらえる)」
八幡「(そう、期待してしまった)」
八幡「(ここまで自分が現金な奴だとは)」
八幡「(理性の化け物だなんだと陽乃さんに言われたが、何処がだよ……)」
八幡「(自分自身で否定しておきながら、誰よりも何よりも欲しがってるのは)」
八幡「(紛れもなく、俺だ)」
八幡「…………もう、寝るかーー」プルルップルルッ
八幡「……誰だよ、こんな時間に」
携帯「-雪ノ下陽乃-」
八幡「(今一番話したくない人ランキング一位の御方かよ……)」プルルップルルッ
八幡「(出るか?だが、危険すぎる)」プルルップルルッ
八幡「(この現象があるうちは会話はおろか、会うのも避けたい)」プルルップルルッ
八幡「(あの人だけには気付かれるのはだめだ)」プルルップルルッ
八幡「(けれど、もしかしたらこの現象の黒幕は本当にあの人の可能性もある)」プルルップルルッ
八幡「(リスクを覚悟で出るかーー)」プルルップ
八幡「……切れたな」
八幡「まぁ、切れちまったならしょうがない」
八幡「大人しく寝るに限るーー」
小町「ジャッジャーン!呼ばれて飛び出て小町だよっ!お兄ちゃん、陽乃さんから電話!」キャルン☆
八幡「(あの人平塚先生と同じ手法を……)」
八幡「(というかウチの妹の交友関係一体どうなってんだ、マジで)」
小町「もー、お兄ちゃんだめだよ陽乃さんの電話シカトしちゃ」
小町「(まーゴミぃちゃんのことだからきっと寝る直前で掛かってきてめんどくさかったんだろうなー)」
小町「(しかも陽乃さんからだからねー)」
八幡「(……我が妹ながら魔王に対しても容赦のない一言、そこに痺れる憧れるゥ!)」
八幡「(いや、今回は取ろうとする気概は見せたよ?本当だよ?)」
八幡「……出るから電話くれ」
小町「はいはーい」テワタシ
小町「じゃ、小町は大人な会話の邪魔にならないようにたいさーん!」
小町「(小町的には陽乃さんより結衣さんや雪乃さんともっと仲良くして欲しいんだけどなぁ)」
八幡「(……何で、とは聞くまい)」
八幡「……もしもし、比企谷ですけど」
陽乃「(もー比企谷君電話出るのおっそーい!お姉さん待ちくたびれたよー)」
八幡「……すみません、少し手が離せなかったもんで」
陽乃「本 当 に?」
八幡「(怖っ……!!)」ビクッ
陽乃「なーんてね、ビビった?」アハハ
八幡「……いきなり脅かさないで下さいよ、何処のヤンデレですか」
八幡「(ビビった、つかチビったかと思った……)」
陽乃「最近大学の友達がこういうキャラの出てくるアニメ見ててねー、比企谷君好きそうだなーと思って」
八幡「貴方がやると迫力があり過ぎて怖いのでやめて下さい」
八幡「(あなたの場合、某なく頃にキャラと同じ声だから怖過ぎて軽く引くまである)」
八幡「……それで、わざわざ小町の携帯に掛けるくらいなんですから何か用があるんじゃないんですか?」
陽乃「それなんだけど、明日って暇?暇だよねー、比企谷君友達居ないし」
八幡「友達居なくても予定くらい埋まりますよ。むしろ居ないからこそ予定しかないまでありますね」
八幡「(やっぱこの人雪ノ下の姉だな。俺に対する切り口がまるで一緒なんだけど)」
陽乃「えー?さっき小町ちゃんに聞いたら、土曜日はHDに録画してあるプリキュア見返してるだけって言ってたよー?」
八幡「それも大事な予定の一つですよ、俺にとっては」
陽乃「へぇー、お姉さんからのお誘いを断るんだ?なかなかいないよ、そんな人」
八幡「なら、俺はそのなかなかいない特別な存在という事で」
八幡「(そんな彼にあげるのはもちろんヴェルタースオリジナル。あれ以外と美味いよな)」
陽乃「あっはは、比企谷君って本当面白いよね。お姉さんますます気に入っちゃった」
陽乃「でも、ごめんね?特別なキャンディはあげられなかったけど」
陽乃「ーー特殊な能力は、気に入ってくれた?」クスッ
八幡「……っっ!?」
八幡「(…………もしかしたら、とは思ったが、やっぱりそうかよ)」
八幡「……わかりました。こっちも聞きたい事があるんで、明日の誘い受けますよ」
陽乃「本当?ま、そうだよね。色々気になってると思うし」
陽乃「お姉さんも色々とぉ、聞きたい事あるから」
陽乃「比企谷君が今の雪乃ちゃんやガハマちゃんの気持ち知ってどうするのかなーとか」
八幡「…………っ」
八幡「(本当、悪魔みたいな人だなこの人は)」
陽乃「じゃ、待ち合わせはこの前偶然あったあのカフェにしよっか。楽しみにしてるよ」
八幡「わかりました、では」プツ
八幡「……最悪だ」ハァ
こんだけ待たせて
これだかしか書いてなくてごめん
これから完結までなんとか頑張ってみるので
軽い気持ちで待っててください
電話の陽乃の第一声が()だったのがネタバラシか
>>237
ごめん、今見返したら陽乃さんの()は完全にミスってます
正しくは「もー比企谷君電話出るのおっそーい!お姉さん待ちくたびれたよー」です
ごめん、酉を忘れた上に二ヶ月以上経過していたのでもう良いかなと思ってました
いいわけないじゃん
自分が他人のSS読んでるときに同じ状態になったら続き気になるだろ?
>>268
今まで投稿してきたPCやらケータイやらの端末からHTML依頼すればよろし
IP同じなら酉忘れでも対応してくれる
■ HTML化依頼スレッド Part38
■ HTML化依頼スレッド Part38 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1453640864/)
八幡「(そして当日、俺は陽……雪ノ下さんと約束の場所に来ていた)」
八幡「雪ノ下さん」
八幡「(雪ノ下さん、雪ノ下さん)」
八幡「(間違えるわけにはいかない。あの人も読める以上、俺と陽……雪ノ下さんは対等だ)」
陽乃「(対等だと良いね。私もそう思うよ)
」
陽乃「ひゃっはろー比企谷くん」
八幡「っ!」
陽乃「(そんなに何度も呼ばれると恥ずかしいかなー)」
陽乃「ふふふっ」
八幡「……いつから?」
陽乃「ついさっき。これは嘘じゃないよ」
八幡「(そう言われても、そう思っていても)」
八幡「(雪ノ下さんは信じられない)」
陽乃「聞こえてるよ?」
八幡「聞かせてるんですよ」
八幡「(どうせ考えが読まれるなら、いっそ聞かせれば良い)」
陽乃「信じられないなら、どうしてきたの?」
陽乃「(嘘でも情報だから。かな?)」
八幡「小町に迷惑かけたくないんで」
八幡「(俺から……なんて事は言わせませんよ)」
八幡「(力について、話してください)」
陽乃「お姉さんとしては、先に聞きたいんだけどなー」
陽乃「(そうするべき理由があるから)」
八幡「……………………」
八幡「(なんなんですか)」
(また嘘か。それとも本心か)
(信じないと決めたのに、俺は揺れた)
(それは多分、嘘まみれになった内心の代わりに)
(雪ノ下さんの表情が曇り)
(真実の代弁者となりかけているように見えたからだろう)
陽乃「(ふふっ困ってるねー)」
八幡「そりゃ困りますよ」
八幡「(人の心の声が聞こえるんだから)」
陽乃「そうだろうね。それは私もだけど」
八幡「雪ノ下さんが困る? 冗談言わないでください」
八幡「(この力、雪ノ下さんが押し付けたものじゃないですか)」
八幡「(しかもそれを楽しんでる)」
八幡「困っているようには見えないですね」
(挑発なんて力のあるものじゃない)
(雪ノ下さんに対して、ただ、下にはならないように強がっているだけだ)
陽乃「あははっ、そうだね」
陽乃「(だから八幡くんは、面白い)」
八幡「っ」
八幡「(陽……はるるん程じゃないと思いますけど)」
陽乃「!」
(仕返しに、雪ノ下さんは驚きを見せた)
(遊んでいる場合ではないだろうに)
(俺は雪ノ下さんに負けないがために、続ける)
八幡「顔、赤いですよ?」
八幡「(本当に……って、もしかして俺もか?)」
(自分の心を、嘘で満たす)
すみませんなんとか完結するように頑張りますので
気楽にお待ちください
また、陽乃さんとの対決でやりにくさを感じたので
地の文代わりの()を導入しました
八幡「どうかしたんですか?」
陽乃「あ、あっははー……比企谷君。どういうつもり?」
(天敵、雪ノ下陽乃さんは顔を赤らめていた)
(雪ノ下さんは俺の言動をほぼ予測出来るであろう恐ろしい人だ)
(しかし、だからこそ雪ノ下さんよりも上位に立つ方法がある)
(それは俺が自分を嘘で満たし、俺がやらないことを自らやるという手だ)
八幡「聞かれても困りますよ」
八幡「(心の中だからこそ、本当に呼びたい呼び方をしたい)」
八幡「(言ったはずですよ? 聞かせてるって)」
(正直に言えば、今すぐ布団に潜って悶えたい)
(しかし、雪ノ下さんの滅多に見れない動揺)
(本心であろうその表情の赤さに)
(俺は自分の優位を感じ、引くわけにはいかないと思った)
陽乃「本当に呼びたい……? 比企谷君は何を言ってるのかなー」
陽乃「(なんで、どうして……?)」
八幡「姉さん」
八幡「(もういっそ本音でぶつかろう)」
陽乃「!?」
(雪ノ下さんは心も偽れる人だ)
(しかし、周りにそんな人がいるとは限らないし)
(心の声が聞こえていると知っている人なんかいないはず)
(つまり)
(雪ノ下陽乃は心を偽っている人を相手にするのは初めてのはずだ)
陽乃「ど、どういうつもり?」
陽乃「(な、なにこれ。どういうこと? 比企谷君の作戦? でも、え?)」
(だから崩せる)
(すぐに立て直せてしまうだろうが)
(それでも、少しだけでも心を偽りきれなくできれば)
(それで十分だ)
八幡「あー」
八幡「(姉さんより姉貴の方が言いやすいか? 流石に人前で陽乃さんとか)」
八幡「(俺には無理だしな)」
(雪ノ下さんは俺の心の中を完全に信じたりはしないだろう)
(しかし、少しだけでも信じさせられれば)
(それでいい)
陽乃「っ、比企谷君? 話をしに来たんじゃなかったっけ?」
八幡「そうですね。すみません」
八幡「(やっぱ姉呼び自体ダメか。あのときから呼んでおけば……)」
陽乃「(っ!)」
陽乃「(なんかダメな気がする)」
陽乃「(比企谷君にペースを乱されてる)」
陽乃「(話を進めなきゃダメになる)」
(言動を考え出した時点で、雪ノ下さんの優位な足場はもう崩れている)
(それを知られる前に進めなければいけない)
八幡「この力は一体なんなんですか?」
陽乃「その前に比企谷君の答えを教えて欲しいな」
陽乃「雪乃ちゃんやガハマちゃんの気持ちを知って、どうするのか」
陽乃「(落ち着いて、そう。落ち着いて)」
陽乃「(比企谷君はこれを聞いているんだから)」
(流石だと思った)
(予想よりも早く雪ノ下さんは心境を建て直し始めたからだ)
(けど、それでは困る。だから)
八幡「どうもしませんよ。俺は覗いただけです」
八幡「向こうは何も言ってない」
八幡「だから俺も、何も聞いていない」
八幡「(それに俺は陽……っ!)」
陽乃「!」
八幡「き、気にしないでください」
(慌て気づいたように、心を止めて雪ノ下さんを見る)
(心は無意識に語る。その演技)
(我ながら最低だと思うが)
(雪ノ下さん相手には、最低でなければ勝ち目がない)
陽乃「っ、っ」
八幡「っ…………」
(もしも口でいっていたら、雪ノ下さんは茶化していたに違いない)
(しかし俺は思った。そして中途半端に取り繕った)
(その本心かも知れない部分を茶化しきれない雪ノ下さんの心)
(それが……雪ノ下さんは本当はただ、優しいのかもしれないと)
(俺に思わせようとしてくる)
八幡「っ、雪ノ下さん。この力、消してくれ。俺のも雪ノ下さんのも!」
(もしもそれが真実なら好都合だ)
(畳み掛けよう)
(気づかれたくない気持ちを雪ノ下さんに抱いている)
(そう思わせる流れをつくり)
(信憑性を演出し)
八幡「お願いだ」
八幡「(頼む……このまま知られるのも知るのも嫌だ)」
(雪ノ下さんに嘘をつけなくする)
>>287間違えました。訂正します
陽乃「っ、っ」
八幡「っ…………」
(もしも口でいっていたら、雪ノ下さんは茶化していたに違いない)
(しかし俺は思った。そして中途半端に取り繕った)
(その本心かも知れない部分を茶化しきれない雪ノ下さんの心)
(それが……雪ノ下さんは本当はただ、優しいのかもしれないと)
(俺に思わせようとしてくる)
八幡「っ、雪ノ下さん。この力、消してくれ。俺のも雪ノ下さんのも!」
(もしもそれが真実なら好都合だ)
(畳み掛けよう)
(気づかれたくない気持ちを雪ノ下さんに抱いている)
(そう思わせる流れをつくり)
(信憑性を演出し)
八幡「お願いだ」
八幡「(頼む……このまま知られるのも知るのも嫌だ)」
(雪ノ下さんに嘘をつけなくして)
(能力消滅の拒否を出来なくする)
またあとで出来たらやります
陽乃「っ、ぅ」
陽乃「(落ち着いて、落ち着かなきゃ)」
陽乃「(これはきっと比企谷君の罠)」
陽乃「(でも、比企谷君はこんなに必死で)」
陽乃「(さっき言いかけた言葉。見せた焦り)」
陽乃「(それは多分、演技じゃ……っ)」
八幡「お願いします」
(朱に染まる表情、泳ぐ視線)
(そして乱れた心)
(雪ノ下さんの心はもう、偽れなくなっているに違いない)
(願い出た俺を見る雪ノ下さんは)
(傍迷惑な雪ノ下陽乃らしくなかった)
八幡「………………っ」
(雪ノ下さんは酷く混乱しているようで)
(口からはどきどき「あ」とか「う」が零れるだけで)
(心の中では俺の言動を考える)
陽乃「っ」
陽乃「(突っぱねて、もしも。もしも比企谷君が本気だったら)」
陽乃「(必要のない傷を心につけることになる)」
(やはり、雪ノ下さんの本心は優しいのかもしれない)
(あの雪ノ下だって根は優しいのだから)
(姉が優しくないとは限らない)
(でも、だからこそ。雪ノ下さんは雪ノ下雪乃とその周囲の敵になっている)
八幡「その……雪ノ下さん」
(しかし、今はそれは関係ない)
(今の雪ノ下さんになら、はいと言わせられる)
(いや、今しか言わせられないだろう)
八幡「この力、消してください」
陽乃「……っ、それは」
八幡「…………?」
(雪ノ下さんは困り果てた表情だった)
(悪戯心ではなく、本気で言いたくなさそうな)
(そんな雰囲気で)
陽乃「ごめんね比企谷君。私にはどうしようもないの」
八幡「なっ」
(真実を語ってくれた)
陽乃「私と比企谷君には共通していることがいくつかある」
陽乃「……雪乃ちゃんだったり、雪乃ちゃんの気持ちを解ってあげなかったりしてることとか」
八幡「え?」
八幡「(なんで雪ノ下が……)」
(そう思った俺に)
(雪ノ下さんは見せたことのない儚さの)
(寂しそうな表情を向けてきた)
陽乃「雪乃ちゃんが原因なんだ」
陽乃「雪乃ちゃん自身に自覚はないと思うけど」
陽乃「気持ちに気づいて欲しい。解って欲しい」
陽乃「その願いが祈りとなって」
陽乃「意地悪な私、気持ちに気づいて欲しい比企谷君は」
陽乃「こんな力を持たされた」
陽乃「私達が気持ちを理解できるようにって」
また時間があれば
八幡「……本当ですか?」
陽乃「………………」
陽乃「(信じ、られないよね……)」
(雪ノ下さんは酷く落ち込んだ様子で)
(それが演技なら恐ろしいなと、俺は思った)
(心を偽っている自分が言うのもあれだが)
(今の雪ノ下さんにそこまで出来るとは思えないからだ)
八幡「ぁ、姉……」
八幡「(陽乃さんが言ったじゃないですか)」
八幡「(特殊な力は気に入ってくれた? って)」
八幡「だから俺は貴女を疑ってます」
八幡「(………………っ)」
(心は無言に努め、表情で辛さを語る)
(後には、退けない)
陽乃「……この原因が雪乃ちゃんであることは伏せたかった」
陽乃「雪乃ちゃんが原因だって知れば」
陽乃「雪乃ちゃんが気持ちを知って欲しいと思わないように」
陽乃「比企谷君は雪乃ちゃんと距離を取る」
陽乃「そう思った」
八幡「………………」
(雪ノ下さんはらしからぬ表情で話す)
(悲しげで辛そうで)
(でもきっと)
(それは自分ではなく雪ノ下のための感情なのだと)
(俺は感じた)
八幡「陽乃さんは思ったんじゃない。見限ったんだ」
八幡「俺が雪ノ下や由比ヶ浜との関係を停滞させているから」
八幡「この男はつまらない。と」
(雪ノ下と距離を取る)
(確かにそれは選択肢の一つだろう)
(雪ノ下に失望させ、比企谷八幡との関わりを絶てば解消するかもしれない)
(でも、それじゃダメなんだ)
(雪ノ下も由比ヶ浜も小町も……)
(傷つくからだ)
(だから)
八幡「俺は雪ノ下と距離なんて取らない」
八幡「雪ノ下のいない奉仕部はありえないからだ」
陽乃「ならどうするの?」
陽乃「(こんな力が発現するほど)」
陽乃「(雪乃ちゃんの思いは強い)」
陽乃「(簡単なことじゃ……)」
八幡「そうでもないんですよ」
陽乃「?」
八幡「雪ノ下が気持ちを知られたくなくなればいい」
陽乃「どうやって?」
八幡「俺が雪ノ下の心に従うんです」
八幡「そうすれば雪ノ下の事ですから」
八幡「自分の心が見透かされてるとでも考えて」
八幡「隠そうとするはずです」
陽乃「………………」
(雪ノ下雪乃はひねくれている)
(罵倒しながらも、心の中では俺を気遣うくらいに)
(だからこそ、それは最良の選択肢となる)
八幡「まずは明日、買い物にでも誘うとしますよ」
陽乃「デートするんだ?」
八幡「デートって……まぁ、二人で買い物って点では反論は出来ないっすけど」
八幡「(作戦に由比ヶ浜はいない方がいい)」
八幡「(下手すればあいつを傷つけかねないからな)」
陽乃「(お姉さんが見守っててあげようか?)」
八幡「!」
陽乃「邪魔が入りそうなら鉢合わせしないように」
陽乃「何か困ったら助言出来るように」
八幡「何を考えて……」
陽乃「やだなぁ、そんな疑わなくても良いんじゃないかなー?」
陽乃「……無理ないっか」
陽乃「でも、私も同じだから」
八幡「………………」
(雪ノ下さんの心は全く同じだった)
(言葉や表情と、違うことがなかった)
(だから、きっと)
(雪ノ下さんの見せる、すがるような悲しい瞳は)
(演技なんかじゃないのだろう)
陽乃「比企谷君を……手伝いたい」
八幡「……解りました」
(雪ノ下さんがどう変化しているのか)
(今の俺には解らなくて)
(でも)
(それは悪いことではないだろうと)
(簡単に信じそうな自分がいる)
八幡「引っ掻き回すのだけは勘弁してください」
(だから牽制を口にする)
(自分に対して、雪ノ下さんに対して)
(信じすぎるなと)
(信じてはいないと)
陽乃「……今はそれで十分だよ」
八幡「っ」
(けれど俺は)
(その時見せた雪ノ下さんの儚さに)
(感じてはいけない何かを感じていた)
続きは明日か夜中です
八幡「明日、来てくれるそうです」
陽乃「聞いてたよー」
八幡「まぁ、俺のためって言うより小町のためですけど」
陽乃「って言う建前で。ね」
(さっきまで雪ノ下と繋がっていた俺の携帯を見つめ)
(雪ノ下さんはいつもの笑顔でそう言った)
(いつもなら。知らないままなら)
(俺はきっとそれが雪ノ下陽乃という)
(魔王のような人の本性だと思っていただろう)
(でも今は、それが悪戯心ではなく)
(妹思いの姉としての笑顔だと思える)
(紛れもなく、雪ノ下陽乃は人間だと思える)
八幡「(……柄にもないことすると)」
八幡「(本気で疲れを感じるな)」
八幡「(まぁ、永遠にこのままなのを考えれば)」
八幡「(仕方ないかもしれないが……)」
陽乃「せっかく喫茶店なんだし、何か奢るよ?」
八幡「自分で払えますよ」
八幡「(あんまり貸しはつくりたくないからな)」
八幡「(後がこわ……っ)」
八幡「ぁっ」
(きっと、疲れていたから)
(俺は心の中を偽ることを忘れていたのだろう)
(すぐに気づいて、雪ノ下さんを見る)
陽乃「……あはは。うん、気にしないで」
(ならそんな悲しそうな顔)
陽乃「(相当、嫌われちゃってるなー……馬鹿な私)」
(そんな悲しい自嘲は止めてくれと)
(俺は読まれないように誤魔化しながら、思った)
陽乃「なら、ここは私の話を聞くお礼として。ね?」
八幡「……まぁ、そういう理由なら」
(雪ノ下さんを疑っている)
(そう匂わせていたからだろう)
(雪ノ下さんは俺の雪ノ下さんに気がある演技を疑ってはいなそうだ)
(……改めて思う)
(比企谷八幡は最低のクズだと)
陽乃「私達のこの力は相手の内面が分かる」
陽乃「例えば比企谷君がごく普通のありふれた男子高校生のように」
陽乃「女の子の体を見て大きいなって考えたり」
陽乃「良い匂いだなって思っていることが分かる」
八幡「オモッテナイデスヨ」
八幡「(意識しないようにしてたのに)」
陽乃「あははっ、まあそんな風に嘘と本当が分かるわけだ」
八幡「っ」
(雪ノ下さんの何かが変化してから)
(何故か雪ノ下さんが普通の女の人のように思えてしまう)
(だから)
(笑顔ひとつ、仕草ひとつ)
(動く度に鼻腔を擽る清潔な甘さに)
(俺はごく普通のありふれた男子高校生になっていた)
陽乃「だから私は沢山見てきた」
陽乃「社交辞令の裏で、この体を舐め回す本性を」
(雪ノ下さんは体を抱き締めて、俯く)
八幡「!」
(いつから、雪ノ下さんの力の発現が俺と同時期だと思っていた)
(始めからだ)
(雪ノ下さんは家の関係で偉い人達と会っている)
(そしてそういう奴らの中には)
(なまじ大人なせいで男子高校生よりも不純な考えの人間が少なからずいるだろう)
八幡「雪ノ下さん……」
陽乃「陽乃って呼んでも良いんだよ?」
八幡「………………」
(今なら分かる)
(あの張り付いた笑顔)
(交流のための強化外骨格)
(あれは雪ノ下さんの……強がりでもあったのだと)
八幡「………………」
八幡「苦いな」
(目の前のブラックコーヒーをそのまま飲む)
(けど、その苦さでは雪ノ下さんの苦しさを語れない)
(雪ノ下さんの比企谷君は何でも分かるんだね。という言葉が)
(今さらになって、響き出す)
(俺は何も分かってなかったんだ)
八幡「……だから、雪ノ下に厳しかったんですか?」
八幡「そういうやつらと対峙したとき」
八幡「雪ノ下雪乃が傷つかないように」
八幡「雪ノ下雪乃が生きていけるように」
陽乃「……どうかな。私はどう思ってる?」
陽乃「こんなそぶりを見せてても」
陽乃「迫真の演技かもしれないよ?」
八幡「今の俺は普段やらないことをやる自分を心掛けてるんで」
陽乃「?」
陽乃「!?」
(雪ノ下さんの手を握る)
(大きいと思っていた手は小さく)
(冷たいと思っていた手は温かい)
八幡「その震えを信じますよ」
八幡「震動を信じるどう。的な」
八幡「(なにそれつまらない。八幡的に即死刑レベルっ)」
陽乃「………………」
陽乃「……あははっ、あははははっ」
陽乃「あははははははっ!」
(雪ノ下さんは笑う。大笑いする)
(その震えが)
(目元に浮かぶ落ちかけているものが)
(爆笑のせいだと、誤魔化すように)
出来たらまたあとで
どんな話を組んでたか忘れたので即興
なので話の辻褄が合わないかもしれません。スミマセン
陽乃「比企谷君は酷い人だね」
陽乃「弱った隙に漬け込むのが上手なんだから……」
(ひとしきり笑った雪ノ下さんは)
(俺を馬鹿にしているのか褒めているのか)
(わからないことを言う)
(けど)
八幡「俺は空気になるのが得意なんで」
八幡「真空以外なら入り込めますよ」
(重要なのは雪ノ下が誉めたか否かではなく)
(弱った隙に……と、自分が弱っていると)
(素直に言った。というところだ)
陽乃「……空気、かあ」
八幡「何か?」
陽乃「うーん。だとしたら、比企谷君は私の体の一部なんだなって思って」
八幡「何言ってるんですか」
(俺はただの冗談で)
(雪ノ下さんも、冗談で)
(きっと、ごく普通ならそこで終わっていただろう)
(けど、俺達には心が読めてしまうから)
陽乃「冗談だよー」
陽乃「(空気はないと生きていけない。なら、私は比企が…………っ!)」
陽乃「ぁ、えっと!」
(雪ノ下さんのつい、思ってしまったことは筒抜けで)
(慌てた仕草や赤い表情が)
陽乃「か、からかう言葉を考えただけだよ?」
(それが嘘だと物語っていて)
八幡「分かってます」
八幡「(心臓に悪いな……)」
(あんなに嫌だった人が)
(とても好意的に、見えてしまう)
(比企谷八幡は)
(雪ノ下陽乃に気があるという嘘ではなく)
(雪ノ下陽乃への偽物を抱いておけばと悔やむ)
(偽物は本物にはなれないが)
(嘘は本物に、なれてしまうからだ)
あとは夜だと思います
八幡「……失敗した」
(雪ノ下さんとの話を終え、俺は家に直帰した)
(デートの予行練習に誘われたが)
(どう考えてもリアルデートとしか思えず)
(断ってしまった)
八幡「雪ノ下さんの優位性の破壊」
八幡「それは完璧だったが……余計な部分も壊したな……」
(魔王のような恐怖が消えたかと思えば)
(雪ノ下さんはうっかり惚れてしまいそうな恐さを生み出し始めたのだ)
八幡「……雪ノ下さんに気がある素振り。か」
八幡「まだ嘘だとバレたくない。バレたくない」
八幡「そうやって、俺は先伸ばしにするのかもしれない」
八幡「……………………」
(考えて、考えて)
(ついさっきの鮮明な記憶を思い出しながら)
(俺は決意する)
八幡「明日、雪ノ下とのデート……を、終わらせたら告白しよう」
八幡「(……俺は、陽乃さんが好きではないって)」
八幡「……………………」
(きっと、俺達は傷つく)
(関係は修復出来ないほどに砕け散り)
(絶縁することになるだろう)
八幡「(でも、それで良い)」
八幡「(俺の気持ちなんて嘘だ)」
八幡「(だから)」
八幡「……………………っ」
(雪ノ下さんの)
(陽乃さんの笑顔が俺の思考を阻害する)
八幡「ちくしょう……なんなんだ」
八幡「俺はもう騙されないって決めたはずだ」
八幡「女子の気のあるような言動はフェイクだと知ってるだろ。比企谷八幡」
(言い聞かせてもなお)
(記憶は陽乃さんをリピートしていた)
小町「どうかしたの?」
八幡「……いや、何でもねぇよ」
小町「陽乃さんに何か言われた?」
小町「(絶対言ってるよね)」
小町「(じゃなきゃ、雪乃さんからあんなメール来ないし)」
八幡「少し話しただけだ。ほんと、何でもないんだよ」
(小町と雪ノ下のやり取り)
(興味はあったが聞くことはできず)
(俺は適当に誤魔化して小町を遠ざける)
八幡「本当に……何でもないからな……」
(そう、願う)
出来たら夜中無理なら明日
文章は上手くいかないものですね
小町「早く行くのが基本テクなんだよーお兄ちゃん!」
(雪ノ下との買い物当日)
(小町に叩き起こされ、服装を決められ)
(まぁつまり、作:比企谷小町の比企谷八幡は出来上がり)
(作者によって家からたたきだされたのだった)
八幡「………雪ノ下はまだ来てないか」
八幡「(当たり前か。30分前だし……)」
(キョロキョロと見渡して溜め息をつく)
(その目は雪ノ下を探した)
(雪ノ下雪乃か、雪ノ下陽乃か)
(それは、分からなかった)
八幡「…………」
八幡「ん?」
(約束まであと20分)
(携帯が震え、メールの受信を知らせる)
(差出人は雪ノ下陽乃。と、なっていた)
八幡「(……なんなんだろうな)」
(今までは面倒ごとだろうからと開きたくなくて)
(今は内容が気になりすぎて、開きたくない)
八幡「出かける相手は雪ノ下なんだ」
八幡「雪ノ下さんが来なくても、恐怖のドタキャンにはならねぇだろ」
八幡「(そもそも、そんなことされた記憶はないが)」
八幡「(前は一緒に出かけてくれる女子なんて小町だけだったからな)」
八幡「なんだ?」
(雪ノ下さんのメールは添付ファイルが一枚と)
(題のところに、ひゃっはろー)
(完)
八幡「……雪ノ下さんとは思えないほど簡潔なんだが」
(デートの予定コースでも作ってくれたのかもしれない)
(そう思ってファイルを開くと、努力が見える着飾った男子高校生が写った写真が表示された)
八幡「格好つけやがって」
(罵倒し、見つけ出して影で笑ってやろうかと思ったが)
(よく見たら今朝鏡で見た人だった)
八幡「えっと」
(写真に写る自分の角度から推測して)
(写真を撮ったであろう方角を見てみると)
(これまた綺麗な人が、笑顔で可愛らしく手を振ってきた)
八幡「誰だよあの人とデートするやつ」
八幡「(俺の後ろは確か銅像だったはずなんだが)」
(振り返ってみるとその記憶は正しく、)
(もう一度雪……綺麗な人を見てみると)
(少しムッとしていた)
八幡「(なんだよあれ一色だったらあざとすぎて批判されてるぞ)」
八幡「(というかうっかり惚れそうだからヤメテっ)」
八幡「……………………」
八幡「(なにこれ恥ずかしい)」
(雪ノ下さんがいることは雪ノ下に知られるわけにはいかず)
(近寄れない俺は離れたまま、手を降返す)
(メールで催促されたからな。仕方がない)
陽乃「(ねぇ知ってる?)」
陽乃「(これだけ離れてても、相手を思ってると心の声が届くって)」
八幡「(えっ?)」
陽乃「(ただ、声が届き合う状態または視界に入る状態じゃないといけない)」
陽乃「(なんだか不倫してるみたいだねっ)」
(雪ノ下さんは満面の笑みで、そう伝えてきた)
八幡「(な、何言ってるんですか)」
陽乃「(あははっ、冗談冗談)」
八幡「冗談じゃないですよ」
(無意識に髪を掻いて目をそらす)
(見えなくなった瞬間から声は聞こえなくなって)
(雪ノ下さんがそれで気が緩んだのかもしれないし)
(能力の感度が良すぎたのかもしれない)
(チラッと横目で雪ノ下さんを見ると)
陽乃「(私の時より、気合い入ってるなぁ……)」
(そんな声が、聞こえてきてしまった)
またあとでになるかと
もう(陽乃さんがヒロインで)いいんじゃないかな
雪乃「貴方が先に来ているなんて、何の冗談?」
雪乃「(顔色は……問題なさそうね)」
雪乃「(だからって早く来なくても良かったのに……)」
八幡「いや、あれだ。小町に早くいくべきってやられたんだよ」
八幡「じゃなかったらもっと遅かったな」
(いつもを装って、目をそらす)
(お洒落した雪ノ下は凄く魅力的で)
(言葉とは裏腹に、内面は優しくて)
雪乃「そういうのは言わないべきよ。シスコン君」
八幡「一文字もあってないんだが」
雪乃「事実でしょう? 今日だって小町さんのための買い物なのだから」
八幡「否定はしない」
雪乃「それで比企谷君。ある程度は決めてあるのよね?」
八幡「(小町のためと言うよりは俺達のため……)」
八幡「(いや、もちろん気持ちを知られたくない云々じゃなくて)」
八幡「(人の心を覗き続けるなんて許されないからだ)」
八幡「目星はつけてある。けど女子目線が欲しい」
雪乃「それなら由比ヶ浜さんを呼ぶべきだったわね」
雪乃「私は一般的な女子目線ではない自信があるもの」
雪乃「(そう、本当に)」
雪乃「(私は普通の女の子らしさがない)」
雪乃「(比企谷君が私を選んでくれたことは嬉しい)」
雪乃「(でも、だからこそ申し訳なくて)」
雪乃「(その期待に答えられないことが心苦しい)」
八幡「………………」
八幡「(雪ノ下さんの時と同じだ)」
八幡「(普段やらないことを、やる)」
八幡「(自衛を捨てろ。自棄になれ)」
八幡「(普段の選択が逃走なら、今は立ち向かえ)」
八幡「(雪ノ下雪乃の、心に)」
八幡「由比ヶ浜じゃだめだ」
雪乃「え?」
八幡「由比ヶ浜の選ぶものは確かに女子らしい」
八幡「だが……」
(由比ヶ浜を呼ぼうとしていた雪ノ下は)
(俺の言葉に驚き、携帯を見ていた視線を向けてきた)
(由比ヶ浜を勧めてくることは予想していたことだ)
(心の中で自虐することも分かっていた)
(だから考えたはずだ)
(由比ヶ浜を貶めずに否定し)
(雪ノ下のその過小評価の否定の言葉を)
八幡「由比ヶ浜は子供な女子の可愛さだ」
八幡「それは悪くないが、大人ぶる小町が俺はみたい」
八幡「だから雪ノ下の、大人な女子の可愛さを教えてくれ」
八幡「……駄目か?」
八幡「(俺がシスコンであると思わせている)」
八幡「(そのアドバンテージを使わない手はない)」
八幡「(俺のシスコン疑惑がより濃くなるが)」
八幡「(シスコンだと断定されても痛くも痒くもない)」
雪乃「……小町さんを貴方の傍に置いておく」
雪乃「兄妹なのに不安しかないわ」
雪乃「けれど、その方が良いと言うなら」
雪乃「保障はしないけれど、手を貸すわ」
(雪ノ下は携帯をしまうと、頷く)
雪乃「(……比企谷君にこんなこと言われて)」
雪乃「(嬉しいと感じてしまう)」
雪乃「(……少女ではないけれど、乙女)」
雪乃「(小町さんが言っていたことが何となく解ってしまった気がする)」
八幡「…………行こうぜ」
雪乃「ええ」
雪乃「流石に休日は人が多いわね」
八幡「そうだな」
(俺達は小町へのサプライズプレゼントを買うために)
(いつものデパートに来たのだが)
(人が多く、中々動けずにいた)
雪乃「どうしたものかしらね」
雪乃「(こういうとき、デートならはぐれないようにと)」
雪乃「(手を繋いだりするのでしょうね……)」
八幡「(マジか)」
八幡「(……っ、仕方がない)」
八幡「雪ノ下」
雪乃「っ!」
(雪ノ下の手を握って、引く)
(きっと俺の顔は赤くなっているだろう)
(だが)
(やらなければ雪ノ下に疑惑を抱かせられない)
(だから、我慢して)
八幡「はぐれたら面倒だからな……」
八幡「嫌なら振り払ってくれ」
(雪ノ下の心のままに、動く)
明日か夜中です
今週中に終わるかなあ
雪乃「……面倒なのは、同意するわ」
雪乃「けれど誰かに見られたら困るから」
雪乃「(…………っ)」
(雪ノ下はそう言って、手を振り払う)
(しかし、その表情はどこか悲しそうで)
(離れていった手は寂しそうで)
雪乃「(比企谷君……貴方は狡い)」
(けれども、心の距離は近付く)
八幡「そうか。ならせめて離れすぎんなよ」
八幡「雪ノ下は人混みに流されやすそうだからな」
雪乃「……どういう意味かしら」
八幡「雪ノ下は体強くないだろ? だから言ったんだ。他意はねぇよ」
雪乃「吹けば折れそうな人に言われたくはないわね」
(雪ノ下は基本的に、挑発するような言葉を返してくる)
(そんな言い方をしたいわけではないのに)
(正直になった心が傷付くことが恐いから)
(そんな言い方しかできない)
八幡「(だが、だからこそやり易い)」
八幡「(挑発に乗ってやれば……雪ノ下の本心に影響があるはずだからだ)」
八幡「心外だな」
雪乃「っ、比企谷君……?」
八幡「俺は男だからな。軟弱者だと言うのは良いが」
八幡「言われるのは良くない」
(だからと雪ノ下の手をもう一度握って、引く)
(今度は振り払わせない)
(俺の強引さで)
(隠しているはずの本心に踏み込んで行く)
(そうしていけばいずれ雪ノ下は知られたくないと逃げ出し)
(力が消えるはずだ)
「こちらにお並びくださーい!」
八幡「ん?」
雪乃「なにかイベントでもあるのかしら」
(俺が予め考えた小町的にポイント高いだろうリストの店を見て回っていると)
(そんな声が響いて)
(主に子連れや女性客がぞろぞろとイベントホールに向かっていく)
「パンさんのコラボ企画ーー」
雪乃「!」
八幡「(ビクッてしたな……)」
雪乃「………………」
雪乃「(そういえば、そんなような話を聞いた覚えがあるわ)」
雪乃「(今日……だったのね)」
雪乃「(用事があると抜け出して……)」
雪乃「(いえ、そんな嘘は……っ)」
(雪ノ下は葛藤していた)
(昨日の約束を守り、自分のしたいことを犠牲にするか)
(約束を途中で投げ出して、自分のしたいことをするか)
八幡「(極端すぎるだろ、そんなの)」
八幡「(行っても良いか聞いて行くとかあるだろうに……)」
八幡「何してるんだ、雪ノ下」
雪乃「え?」
八幡「イベント、行きたいんだろ?」
雪乃「っ、私は別に良いのだけれど」
雪乃「そうね。小町さんが喜びそうなものがあるかもしれないし」
雪乃「(今日の比企谷君は本当に……狡いわ)」
雪乃「(まるで私の心を覗き見ているように……)」
雪乃「(まさか、ね)」
八幡「そうだな。前のディスティニーランドのプレゼント」
八幡「小町は凄く喜んでたからな」
八幡「俺はそう思って行きたがってるんだと思ってたんだが」
雪乃「……そうね」
(普段しないことをしていて)
(しかもそれが雪ノ下が心の内側にしまっていることであることが)
(雪ノ下に疑わせ始めている)
八幡「(目が厳しくなったな)」
八幡「(……すまん。雪ノ下)」
八幡「じゃ、じゃんけん大会……だと?」
「はい、そうですよ。優勝した方にだけ世界に一つだけのパンさんをプレゼントです!」
(係員らしき人は満面の笑みでそういった)
(もちろん、通常のコラボ賞品は普通に販売されているが)
(このイベントの目玉であり)
雪乃「特別……」
雪乃「(運任せ……なのね)」
(雪ノ下が欲しがっているのも、あれだった)
八幡「雪ノ下」
雪乃「何かしら」
八幡「やるか」
雪乃「……貴方はこういうイベントに積極的な人だったかしら?」
八幡「柄じゃないな」
八幡「(けど、雪ノ下が俺もやってくれれば確率があがる)」
八幡「(そう思ったから……俺はやる)」
雪乃「小町さんのために……流石世界一のシスコンね」
雪乃「(そう。小町さんのために)」
八幡「(……言え。恥ずかしいだなんて思わずに)」
八幡「(雪ノ下が強く疑うよう仕向けるために)」
八幡「小町の為じゃない」
雪乃「まさか、貴方自分……」
八幡「違う。今日付き合ってくれた礼だ。雪ノ下」
八幡「だからこれはお前の為だ」
(俺は言い放って)
(驚きに目を見開いた雪ノ下を見つめて)
雪乃「(っ……本当に、心が知られているというの?)」
雪乃「(あり得ないわ。私が小町さんの為と言ったから否定しただけ)」
雪乃「(私の心のなかを見て、残念そうに思っていると知った)」
雪乃「(なんて、あり得ない)」
「ではいきますよー!」
八幡「始まるな」
雪乃「ええ」
雪乃「(けれどもし)」
雪乃「(比企谷君がここで勝つことができたら)」
雪乃「(出来たなら……きっと)」
(雪ノ下の目が俺に向く)
(勝って欲しいではなく)
(負けてほしいと望んでいるような目だ)
(互いを思い合う関係ではない他人の心は聞こえない)
(だから)
(もしもここで雪ノ下が勝って欲しいと願っていたら)
(主人公補正の無い俺は負けていたに違いない)
(けれど)
「おめでとうございます!」
八幡「……どうも」
(雪ノ下が敗けを望んだから、俺は優勝した)
八幡「……雪ノ下」
雪乃「ありがとう」
雪乃「(嬉しいのに、嬉しくない)」
雪乃「(複雑で、目眩がして、吐き気を催しそうな不安定な感覚)」
雪乃「……ねぇ、比企谷君」
八幡「どうした?」
(雪ノ下は疑う)
(比企谷八幡が心を覗き見ているのではないか。と)
(それはあまりにも非科学的で)
(そうかもしれないと思うには)
(証拠の力は弱い。けれど、雪ノ下雪乃は疑う)
(比企谷八幡を)
雪乃「貴方、心や考えを覗いているの?」
(雪ノ下が受け取った景品入りの袋が、クシャッと音をたてた)
またあとでですね
上手くいけば今日中で終わるかもしれません
雪乃「……なんて」
雪乃「(私は何言ってるのかしら)」
雪乃「(そんなことあり得ないのに)」
(雪ノ下は冗談で終わらせようとしていた)
(じゃんけんは勝てる可能性がある)
(妹がいるから、人混みでは手を繋ぐ癖がある)
(パンさん好きはばれている)
(だから偶然や必然であり、読心なんてあり得ない。と)
(雪ノ下は終わらせようとした)
(だから)
八幡「有り得るぞ。雪ノ下」
雪乃「!」
八幡「現にこうして、俺は雪ノ下の心に答えたんだからな」
雪乃「(そんな非科学的なこと……っ)」
八幡「確かに非科学的だが、現実だ」
雪乃「!?」
(偶然なんかではなく)
(心を覗き見ていなければ出来ない返答)
雪乃「っ……比企谷君」
(雪ノ下は俯き、体を震わせる)
(それは怒りか、悲しみか)
雪乃「私の道化みたいな違いは楽しかった?」
雪乃「貴方にどう言えば良いのか。どうしたら良いのか悩む私」
雪乃「一つ一つに喜び、つい口から出る言葉に罪悪感を抱く私」
雪乃「平静を装いながら」
雪乃「例え小町さんのためであろうと」
雪乃「貴方と二人きりの買い物を楽しんでいた私」
雪乃「全部知って……勝手に、知ってっ」
雪乃「私は……さぞ、滑稽だったことでしょうね」
八幡「!」
(雪ノ下は……怒っているような口振りで)
(けれど、とても悲しそうだった)
(怒りよりも悲しさが先行している)
(だからこそ、雪ノ下は泣……っ)
八幡「雪ノ下、俺は」
陽乃「ひゃっはろー雪乃ちゃん。比企谷君」
陽乃「偶然だね」
雪乃「!」
八幡「なっ」
陽乃「(そのやり方じゃ、奉仕部から比企谷君が居なくなる事になる)」
八幡「っ」
陽乃「まぁ、雪乃ちゃんの心を覗く実験してたから必然なんだけどねー」
陽乃「(駄目だよ。それは)」
(割り込んできた雪ノ下さんは、困った笑みを浮かべていた)
またあとでですね
雪乃「……どういうこと?」
陽乃「比企谷君に雪乃ちゃんの心が分かるようにしたの」
陽乃「雪乃ちゃん、全然正直にならなくて、つまらないから」
八幡「っ」
(雪ノ下さんがもつ仮面)
(その裏側に潜む弱さも、その仮面の意味も)
(俺は知っている。知ってしまっている)
(だから……止めてくれと思った)
(しかし……)
陽乃「(止めないよ)」
八幡「(雪ノ下さん……ッ!)」
陽乃「雪乃ちゃんが正直になるか。知られたくないと思うか」
陽乃「魔法を消すにはどっちかだよ」
陽乃「(比企谷君が今までしてきた事だから)」
陽乃「(客観的な立場で感じてみて)」
陽乃「(比企谷君の周りが)」
陽乃「(君を大切に思う人達が)」
陽乃「(どんな思いをしてきたか)」
陽乃「(私が比企谷君に教えてあげる)」
陽乃「(先輩として、昨日の優しさのお礼に)」
(雪ノ下さんは、自分だけを敵に)
(自分だけを悪者にして、罪を被ろうとしていた)
雪乃「姉さんは、最低ね」
陽乃「ひっどーい。私は雪乃ちゃんのた」
雪乃「自分の娯楽の間違いでしょう?」
陽乃「あははっ、そうとも言うかなー」
雪乃「……比企谷君。悪いけれど今日は帰らせて貰うわ」
雪乃「いえ、一緒に帰りましょう」
(雪ノ下の悲しみは怒りとなって)
(雪ノ下さんへと向かっていた)
(俺は守られた)
(雪ノ下陽乃の愉悦のために利用された被害者に、されたからだ)
陽乃「またねー」
八幡「……………………」
(笑いながら、手を振る雪ノ下さん)
(その心はもう、聞こえなくなっていた)
雪乃「………………」
八幡「………………」
(帰り道、雪ノ下は終止無言で)
(静かに、賞品のパンさんを押し付けてきた)
(きっと、受け取れない。という事だろう)
八幡「雪ノ下……すまない」
八幡「なるとは思ってないが」
八幡「謝罪のひとつとして、受け取ってくれ」
(雪ノ下は暫く俺に押し付けていたが)
(俺が受け取らないと判断したのか袋を下ろし、首を振った)
雪乃「お願いがあるわ」
八幡「……言わなくて良い」
雪乃「今まで通りでいましょう」
八幡「………………」
(心が聞こえなくても、雪ノ下がそう言うだろうとわかっていた)
(雪ノ下はきっと、由比ヶ浜に不公平だと思っているのだろう)
八幡「そのつもりだ」
雪乃「ありがとう」
(雪ノ下はそう言って、私はここで。と、去っていく)
(これで)
(奉仕部の誰も消えず、何事もなかったようにいつも通りになれるかもしれない)
(俺はみんなの心を平等に覗き見た)
(雪ノ下はきっと、由比ヶ浜のために何もなかったと改める)
(だから俺さえ下手な行動をしなければ)
(それで終わる)
八幡「(だが……)」
(携帯を取り出して、雪ノ下さんの番号を選ぶ)
(あとボタンひとつで繋げることができる)
(なのに、俺はボタンを押せなかった)
八幡「最低だと言えば良いのか?」
八幡「認められないと言えば良いのか?」
八幡「それともありがとうと、言えば良いのか?」
八幡「……俺がしてきた事」
(される側になって、そこに生まれる嫌悪感を知り)
(その過ちが自分の想像以上だったことを知る)
八幡「……思った通り、自己満足だったな」
(雪ノ下は雪ノ下さんを好きではない)
(だから雪ノ下さんが雪ノ下に嫌われたところで)
(雪ノ下さんと雪ノ下の関係にそんな大きな影響は無いだろう)
八幡「……だが、雪ノ下さんの……陽乃さんの心は」
八幡「きっと傷ついた」
(だから俺は、ボタンを押した)
夜中か明日
八幡「……出ない」
(コールが鳴り響き、すぐに電源が切れていると、音声が流れる)
(運悪く電源が切れている可能性もあるが)
(多分、電話が来ると見越して切ったんだ)
八幡「思い出せ」
八幡「俺が初めてその気分を味わった時」
八幡「俺はどうしていた」
八幡「そこに、あの人の行き先のヒントがあるんだ」
八幡「比企谷八幡、分かるはずだ。お前なら」
八幡「……陽乃さん」
陽乃「……よく、私がまだここにいるって解ったね」
(雪ノ下さんはあのデパートから動いていなかった)
(俺も暫くその場から動けなかったからな)
(鍛練を積んだ……ってか積まされた俺でさえ)
(なら、雪ノ下さんもだと……思った)
八幡「携帯の電源、入れておいてください」
陽乃「電話が繋がらなければ」
陽乃「優しい比企谷君は探しに来てくれるって思ったから」
陽乃「ごめんね」
八幡「ゆ、雪ノ下さんがそんなこと言っても」
陽乃「信憑性がない?」
八幡「いや、あざといっす」
陽乃「………………ぁ」
陽乃「あははははははっ」
八幡「(信憑性はある)」
八幡「(だって)」
八幡「(今の陽乃さんは素顔だ)」
八幡「(そこにそれは嘘だと言うことなんか出来ない)」
八幡「(それに、)」
八幡「(陽乃さんの憂いを帯びた上目遣いを)」
八幡「(あざといと言わないでどうする)」
陽乃「私があざといなんて、比企谷君も面白いこと言うね」
八幡「っ」
八幡「(バカ言え)」
八幡「(可愛いとか言っちゃったら色々終わるだろ)」
休みの方が出来ない現実
次は夜か明日
八幡「俺のあざとい後輩に髪型とかちょっと似てるんで」
陽乃「だからあざといって?」
八幡「いや、まぁ……」
(陽乃さんはいつも通りでいようとしている)
(代替の仮面を使って、笑顔でいようとしている)
(無理するな)
(あれは結構キツイんだ)
(覚悟とか意志なんて関係ない)
(思いっきり、心に来るんだ……)
八幡「っ」
八幡「(普段なら自虐的に言えるのに)」
八幡「(なんで、言えない)」
八幡「(陽乃さんが相手だからか?)」
八幡「(それとも俺が……普段通りじゃないからか?)」
陽乃「……けど、良かったね」
八幡「(何が良かったんだ)」
陽乃「雪乃ちゃんと、これまで通りでいられる」
八幡「(それは雪ノ下との結果だ)」
八幡「(だが、この二人にとっては……)」
陽乃「私は大丈夫。雪乃ちゃんと険悪なのは元からだからねー」
(陽乃さんは笑顔でそう言った)
(出来たばかりの新品の笑顔)
(葉山ならここで無難な一言を言えるだろうか)
(葉山なら、ここでイケメンなことを言えるだろうか)
八幡「(なんで葉山なんだ……っ)」
(強く握り拳を作る)
(自分を殴って、混乱したふりして)
(この人のための言葉を……)
八幡「(意味わからん)」
八幡「(陽乃さんの反応が怖い?)」
八幡「(知るかそんなこと)」
八幡「(混乱したふりなんて面倒なことしてられん)」
八幡「雪ノ下さーー」
陽乃「陽乃が良い。比企谷君はもう。何回か呼んでるんだから」
陽乃「ねっ?」
八幡「ぅぐ」
(その要求)
(その願いに俺は言葉を失った)
(俺を見上げる表情が)
(あざといと言うにはとても儚くて)
(それを笑顔と言うには、悲しみに溢れすぎていたからだ)
八幡「ゆ、雪ノ下さん」
八幡「何て言うか、変わりすぎじゃないですかね」
陽乃「……そうかな?」
陽乃「前から名前呼びはお願いしてたはずなんだけど」
八幡「(確かにそうだ)」
八幡「(陽乃さんの表情が張り付いた笑顔じゃないだけだ)」
八幡「(ならどうしてこうも俺は陽乃さんに……)」
八幡「(俺が変わったのか?)」
八幡「(陽乃さんとの理解を期待し)」
八幡「(陽乃さんの特別になれないかと期待して)」
八幡「(……いや、最も変わった事がひとつある)」
八幡「(それが起因)」
陽乃「比企谷君?」
八幡「な、なら。雪ノ下さんも名前で呼ぶべきなんじゃないですかね」
八幡「……別に、無理にとは言わないですけど」
八幡「(俺はこの人の強がりな弱さに)」
八幡「(惹かれてしまったんだ)」
陽乃「………………」
陽乃「…………比企谷君の心が聞こえない」
陽乃「私が持ってた人に対する優位性が無くなっちゃったからね」
(陽乃さんはその喪失を)
(呪いが解かれたかのように、喜ばしく)
(懐かしむような優美な表情で言う)
陽乃「だけど。だからこその期待がある」
(陽乃さんの目が俺を見つめる)
(陽乃さんの仮面の剥がれた顔が、少し赤くなっていく)
陽乃「君が……八幡君が」
八幡「!」
陽乃「私と同じ気持ちかもしれないって」
八幡「………………っ」
(期待、希望、夢、願望)
(それは必ず叶うとは限らない)
(けれど、不安定で不確定だからこそ)
(人はそれを抱き、すがり、傷付き)
(けれどもまた抱き続けるのだろう)
八幡「どうですかね。解りません」
八幡「だから俺も……期待します」
八幡「俺の目に映る陽乃さんのように」
八幡「陽乃さんの目に映る俺が嬉しそうであることを」
(その先に見えるものが幸福であることを期待して)
八幡「(だから一先ず、俺は変わらなければいけない)」
八幡「それじゃ……帰りますか?」
陽乃「……ううん。デートしよっか」
(俺の差し出した手を、陽乃さんは受け取る)
(だから俺は、また期待する)
(この手に応えたように)
(この人なら、期待に応えてくれるかもしれないと)
これにて閉幕
完結まで1年、半エタしてすまない
最後までありがとう
陽乃さんか期待に応え
比企谷君が期待に応えられたのかはご想像にお任せします
このSSまとめへのコメント
気長に続き待ってる
おもろい
続き期待
いろはす~
おもろいじゃんwww
おもしろい、続きがんばれ
続きたのしみにしてる!
やっぱいろはすかわいい
はるのんの場合、心の声はない気がする。
続き期待!
おお生存してたんか!
続き待ってるよ!
お母さんはこの作品好きです
続きはよぅ(ノシ^ω^)ノシ☆バンバン
はよ
これはかなり良い
生きていたのかっ!?
面白いssはなかなかないから、期待しています
最後まで書けこのクズ!
毎回思うが最後まで書けなかった作者に辛辣すぎないか?
普通にお疲れ様、気が向いたら書いてね
8888888888888
めっちゃステキな話でした
お疲れ様
あねのんは可愛い
ゆきのんも可愛い
今更続き見ましたかま面白かったです
とてもおしゃれなお話。心が少し温かくなりました。
普通に良い話でした
うむむむ、afterが見てみたくなるストーリーですね!
とても良かったです
とてもいい(o´・ω-)b