提督「よっこらせっと……」北上「なにそれー?」 (32)

提督「ん?これか、空気清浄機だ。新しいの買ったからお古を持ち込んだ」ポン

北上「空気清浄機?なんで?」

提督「もう直ぐ花粉の時期だからな」

北上「かふん……?なんで花粉?」

提督「なんでってそりゃ、花粉症で困るだろ?」

北上「……?」

提督「……花粉症しらんのか?」

北上「うん」

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北上「正確には知らないっていうより聞いたことしかないって感じかなー、ニュースでやってたような……」

提督「ってことは、症状に悩まされてないってことか、羨ましいねぇ」ゴソゴソ

北上「なにそれ?」

提督「ティッシュとマスク、その他もろもろ対策用品だ、俺は症状がきついからな」

北上「花粉症って風邪みたいなものなの?」

提督「風とは違うが、まぁくしゃみとかには悩まされるな」

北上「ふーん、ねね、詳しく教えてよ、どうせ今暇だし」

提督「まぁ構わんが……」

提督「花粉症ってのはアレルギーの一種だ。目や鼻の粘膜に花粉が付着して、それに体が反応して涙が出たりくしゃみをしたり、幹部がかゆくなったりしてしまう」

北上「あぁ、春先だからね」

提督「そう、春に植物たち、特にスギの木なんかが飛ばすスギ花粉なんかがたくさん飛んできて、それで花粉症の症状が出てしまうってわけだな」

提督「主な症状はくしゃみに鼻水鼻づまりと目のかゆみ。これは花粉症の四大症状と言われている。花粉によって症状が変わることもあって、物によっては発熱も起きうるな」

北上「うへー、辛そー」

提督「だから、花粉を塞ぐマスクをしたり、花粉を除去する空気清浄機の出番ってわけだな」

提督「まぁ他にもこれとか」

北上「ん?なにそれ」

提督「こいつを、こう」スポ

北上「わ、鼻に」

提督「ん、んー……」シュコシュコ

提督「ふぅ……」

北上「なにそれ」

提督「んー……鼻に直接散布するスプレーだ。こいつで症状を一時的に抑えて、ついでに鼻づまりもまぁマシにはなる」

提督「他にも基本のマスク、カプセルの飲み薬とかいろいろあるな」

北上「ほーほー……これもこれもこれも花粉対策グッズかぁー」

提督「しかし、北上は花粉症じゃないのか、羨ましいな」

北上「まぁ聞いた限り、うざったそうな症状だよねー」

提督「くしゃみでろくに仕事もできん時すらある」

提督「……ふと思ったが」

北上「ん?」

提督「艦娘は花粉症にならんのかな?」

北上「……そういえば去年はそんな感じで困ってる他の子は見なかったなぁ」

提督「羨ましい、俺も妖精さんに改造してもらおうかな」

北上「あははー、ボロペンギンになっちゃうよ?」

提督「はは、そりゃ怖い……」

コンコン

提督「お、入っていいぞ」

瑞鶴「しつれーしまず……」グシュ

提督「ん?」

北上「あれ?」

瑞鶴「あ、でーどく……なんか少しぢょう子が悪くて、もしよかっだら今日のしゅづ撃わだしいがいのひどにしでほじぐで……」

提督「……この症状は」

北上「これが、花粉症?」

提督「まさに」

瑞鶴「が粉症……?うぅ……」ズビー

提督「あぁあぁ、ほら瑞鶴、鼻かめ鼻かめ、ほれ鼻セレブ」

瑞鶴「あ、ずいまぜん……」ズビー

北上「わっはー……」

提督「瑞鶴は花粉症だったのか。てかもう花粉きてるのか、今朝薬飲んだし外ではマスクしてたからわからなかったな……」

瑞鶴「ふぅー……少じすっきりした」スンッ

提督「瑞鶴、去年のこの時期、同じような症状になったか?」

瑞鶴「えー?全然……」

提督「……なるほどな」

北上「なになにどゆこと?」

提督「去年艦娘のみんなが花粉症に悩まされなかった理由がわかったのさ」

提督「花粉症っていうのは、体の中にある抗生物質が花粉を感知した際に、それを体外に追い出すための防御行動でもある。だから鼻水や涙が出るしくしゃみをする」

提督「この抗生物質は花粉を摂取すればするほどつよくなっていくんだ。つまり年を重ねる度に少しづつ花粉症の症状はわかりやすく大きくなっていくんだよ」

北上「あ、なるほど~私たち艦娘は、現れてからまだあんまり月日が経ってないもんね、生まれたばかりの私たちはその抗生物質が強くなかったんだね~」

瑞鶴「あのー、なんの話を……」

提督「おおすまんすまん、蚊帳の外だったな」




瑞鶴「ふーん、花粉症かー……グズッ」

提督「まぁこの部屋の中なら空気清浄機もまわってるし大丈夫だろ、落ち着くまでゆっくりしていけ。第一艦隊の出撃は……扶桑に変わってもらおう」

瑞鶴「ごめん……」

提督「気にするな、苦しみはわかる。マスクとかやるから、つけとけ。あと薬も」

瑞鶴「ありがと。それにしても花粉症ねー、鬱陶しいなぁ」

北上「私のはまだかかってないけどなー」

提督「……外で元気に遊んでる駆逐艦たちもそんな様子はないな」

瑞鶴「ちぇー、ついてないの、私だけかかっちゃうなんて……」

提督「ははは、愚痴るな愚痴るな……お、そろそろ第二艦隊が遠征から帰還するな。北上、出迎えに行くぞ」

北上「はいよー」

提督「瑞鶴はここでゆっくりしてろ。少しずつ症状もましになるだろう」

瑞鶴「はーい」





提督「……みたいなことを、去年話した、覚えてるな」

北上「うん

提督「……去年は花粉が弱かったらしく、俺もそこまで症状はひどくなかった、だが今年はなかなか強いらしい、テレビでもやってる」

北上「うん」

提督「しかし……これは……」

暁「はっ、はっ……ハックシュン!」

響「目が痒いな……うぅ」

長門「ぶえっくし!ぐぞ……びっぐぜぶんのほごりがぁ……」

赤城「クシュンッ……うぅ、弓の狙いがぶれます」

愛宕「ハクチュッ……ウゥー、困るわ~」プルンッ

摩耶「ふぇ、ふぇ……くちゅんっ……うぅ、クソォ……」

比叡「頭が重い~……グジュッ、おねーざまぁー……」

天津風「うぅ……」

島風「マスクとメガネのせいで誰だかわからないよ~!」

提督「……翌年に一斉にかかるとはな……」

北上「あははー……くしゅっ」

提督「お前もか」

提督「しかしこれは参ったなぁ、みんな体調が悪いが、これだけの数を休ませておくわけにも……」

19「多分大丈夫だと思うの」

提督「なに?」

19「深海棲艦も花粉症でダウンしてて、海の底に避難してるの。19たちも水の中に逃げてるの~!」パタパタ

提督「……仕方がない、最低限の人数をローテーションで、残りはみんな休ませるとするか」

木曾「不甲斐ない……すまな、ふ、ふぁ……クチュンッ」

提督「お、お前可愛いくしゃみをするな」

木曾「よ、よしてくれ……///」

北上「提督ー、執務室に避難しようよー空気清浄機あるでしょー」

提督「うむ、そうだな……ふ、ふぉ……ぶぉっくし!!」

提督「……で、なぜお前らまできた」

夕立「花粉のない部屋が羨ましいっぽい!」

加賀「独り占めなど許せません」

川内「夜戦のために休んどかないと」

大井「いいじゃないですか、ケチケチしないで」

大和「さすがにこのままでは……」

大鯨「クシュンッ!お、お願いしま、ハクシュンッ!」

提督「……部屋が狭いが、まあ仕方がないか。俺は書類仕事がある、あまりはしゃぐなよ」

提督「さてと、今朝の出席確認を……ん?武蔵の出席確認がされてないな」

大和「武蔵はこんな姿見せられないと寝込んでいます……」

提督「……あの武蔵がか」

大和「ええ、目がすっかり腫れてしまって」

提督「いや、もういい、彼女のためにも聞かないほうがよさそうだ」

大和「すいません……」

提督「……ん、球磨もいないか」

大井「ああ、確か朝礼前に散歩に出かけて……あら、まだ帰ってないのでしょうか」

提督「……まさか」



彩雲『提督提督!近隣の草むらにて、ハックション!球磨型一番艦球磨、ぶえっくしょい!発見!』

彩雲『どうやら倒れている模様!』

提督「ご苦労、回収班を向かわせる。帰還してくれ」ガチャ

提督「球磨のやつ無茶しやがって……あの辺りは杉林があるのに」

大井「すいませんお手間を……注意するよう言っておきますね」

北上「あっはっはー、らしいっちゃらしいねー」

提督「……那珂も来てないか」

川内「アイドルとしてのプライドが鼻水垂れ流しは許せないってさ」

提督「……うん、まぁ、うん」

提督「……うーむ、これは本格的に対策を練らねばならんな、このままでは暁の水平線に勝利を刻めん」

大鯨「でも、どうしたら……」

提督「まずはできることをやろう。空気清浄機を食堂などの人が集まる場所に設置しよう。また、教養マスクを設置する、あと明石にも花粉症対策の薬を仕入れてもらうか」

提督「すくなくとも鎮守府の中くらい花粉症には悩まされたくないしな」

夕立「でもそれだけで大丈夫っぽい?」

提督「まあ中は相当マシになるだろうが……いかんせん鎮守府は開け放しのとこが多いからな、外の空気が容赦なく入ってくる、どうしたものか……」

妖精さん「」チョイチョイ

提督「ん?妖精さんどうした?」

妖精「!」つ「れしぴ」

提督「……これで開発しろと?」

妖精「!」

提督「……うむ、わかった」

ーーー深海ーーー

ヲ級「ウーン、上ニ出ラレナクテ暇ダナー、ゲームセンター行キタイ」

ヌ級「オイ!オイ!大変ダ!」

ヲ級「ン?」

ヌ級「近海ノ鎮守府ノ奴ラガ進撃シテキヤガッタ!」

ヲ級「エ!マサカ花粉症ナノニ!?」

ヌ級「トニカク迎撃!」

ヲ級「ムー、上ハヤダナァ」



ザパァ

ヲ級「フゥ、サテ敵ハドコニ……」

http://i.imgur.com/f1rAlOi.jpg

ヲ級「……ヲ?」

艦娘?「コーホー」チャキ

ドカンドカン!

ヲ級「ヲーーーーーーーーー!?!?」



提督「……妖精さんの開発したマスク、すごいな」コーホー

北上「そだね」コーホー

提督「花粉を100パーセントカット、呼吸に不自由を与えず、目もしっかり守り、おまけに命中装甲+1で装備スロットを食わないからな」コーホー

北上「うん」コーホー

提督「でもさ……このデザインじゃなきゃいけなかったのか?」コーホー

北上「……きっとそうだよ」コーホー

提督「……そっか」コーホー



艦娘?「コーホー」ドカンドカンドカンドカン!!!!

ヲ級「ヲーーー!!ヲクチュンッ!!花粉症ナンテ嫌イダーーーーーーーーー!!」



ヌ級「エ?コレガオチ?」

くぅ疲
みなさん、朝起きた時は寝てる最中蓄積された花粉で重い症状が出ることがあるので、しっかり戸締りをし、なるべく花粉が入らないようにしようね!

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年08月30日 (日) 20:46:25   ID: sXSukPt3

ワロタwww

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