提督「安価でつづけてみんなと遊ぶ」 (1000)

提督「好きだ、付き合ってくれ!」

金剛「OKデース!」


~~~~~~~~

金剛「あれから三か月ですネー」

提督「もうそんなになるか……」

金剛「時がたつのは早いデース。これも、提督と一緒に居るからなんでしょうネー」

提督「……金剛、実は言いたいことがあるんだ」

金剛「なんですカー? あ、もしかしてプロポーズ?」

提督「お前に告白したのはな……」

金剛「?」

提督「ゲームで負けた、罰ゲームだったんだ」


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1423397701

金剛「エ……?」

提督「信じられないかもしれないが、本当なんだ……」

金剛「……グスッ……」

提督「金剛……」

金剛「き、気にしてないデース……提督ー、先に帰ってもらっても良いですカー?」

提督「……だが、な。俺は嘘を言ったつもりじゃないんだ」

金剛「……?」

提督「好きでもない奴に、罰ゲームでも告白なんてしない」

金剛「それって、どういうことデース……?」

金剛「それって、どういうことデース……?」

提督「つまりだな、今度は罰ゲームなんかの言葉じゃない」ゴソゴソ

金剛「……アッ!」

提督「金剛、ケッコンしてくれ。こんな俺で良かったらだが」

金剛「……」

提督「やっぱり、罰ゲームで告白したやつなんて嫌か?」

金剛「今度こそ、夢じゃないですよネー?」

提督「夢だと思うなら、それでいいさ。ただ、今度の夢は覚めることは無いぞ」

金剛「提督、幸せにしてくださいネー!」

提督「ああ、さあ、バージンロードはすぐそこにあるぞ!」

金剛「ウン!」

~~~~~~~~

金剛「……ドリーム?」

金剛「シット! なんでこんなところで夢が覚めるデース! どうせならマリッジまでやっちゃいなヨー!」

金剛「ハッ、今回はまだ暗いから、もしかするとまたドリームを見れるカモ!」ガバッ

<ヤセンー ヤセンガシタイー

金剛「……」

<ウオオオオオ ヤセンノレンシュウダー ドーンドーン

金剛「……」イラッ

以上、前スレ1000の内容でした



前々々々スレ
提督「安価でみんなと遊ぶ」
提督「安価でみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1407207253/)

前々々スレ
提督「安価でもっとみんなと遊ぶ」
提督「安価でもっとみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1408859242/)

前々スレ
提督「安価でさらにみんなと遊ぶ」
提督「安価でさらにみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1410331811/)

前スレ
提督「安価でまだまだみんなと遊ぶ」
提督「安価でまだまだみんなと遊ぶ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1414071416/)



※雑談自由・キャラ崩壊注意
※安価は自由にしてます(遊ぶに縛られなくてもいいや)
※人生がENDにいきそうな安価は曲解します
※毎日亀更新

提督「川内がドックに入っていたけど、何かあったのか?」

霞「般若にやられたらしいわ」

提督「なかなかユニークなことを言うな」

霞「理由を聞いたらそうやって返って来たのよ」

提督「……鎮守府の闇は深まる」

霞「とにかく、今日はこれで終わりね。じゃあクソ司令官、羽目を外し過ぎないようにしなさいよ」

バタン

提督「……さーて、羽目を外すかー」

下2

―朝潮型の部屋―

提督「朝潮はいい子だなー」ナデナデ

朝潮「し、司令官、恥ずかしいです……」

提督「でも、前もしてあげたことあるじゃないか」

朝潮「その、みんな見てますので……」

荒潮「あら、私を気にしなくてもいいのよ~?」

山雲「私も朝雲姉を撫でようかしら~」

朝雲「ちょ、ちょっとやめて」

満潮「はぁ……勝手にしなさい」

霰「私も……」

提督「ほら、皆気にするなって。それとも撫でられるのは嫌か?」ナデナデ

朝潮「嫌じゃないですけど……」

提督「もー、素直になれよー、ほれほれー」ワシャワシャ

朝潮「あっ、髪が乱れちゃいますっ」

提督「後でちゃんと整えてやるって」ワシャワシャ

朝潮「あうぅ」

提督「ほれほれー」ワシャワシャ

霞「で、羽目を外し過ぎないようにって言ったわよね」

提督「……反省してます」ナデナデ

霞「だったらその手を止めなさい」

朝潮「あっ、その、これは私がしてって頼んだことだから」

提督「朝潮……」

朝潮「だから、司令官は悪くないから。ね?」

霞「……朝潮がそう言うなら、何も言わないわ」

提督「本当にいい子だなぁ。よーしよしよし」ナデナデ

朝潮「あうあう……」

―執務室―

提督「こころゆくまで朝潮を撫でまくった」

提督「しかし、まさか庇ってくれるとは思わなかった……初めて逃れられた気がする」

下2

―パラオ諸島沖―

提督「……さて、いきなり迷子になったぞ。パラオ諸島沖近辺であることには間違い無い筈なんだが」

「~~♪」

提督「はっ、あそこに人が! すみませーん!」

空母水鬼「はい?」

提督(おっとー、どこかで見た事のある顔だぞ~?)

空母水鬼「えっと、何のご用事ですか?」

提督(例に漏れず、敵対心を抱かれていない……今のうちに離脱しなければ)

提督「い、いえ、なんでもないです。呼び止めてすみません」

空母水鬼「そうですか? ……あっ」

提督(何かに勘付いたか!?)

空母水鬼「そう言えば私、最近引っ越すことになったんです」

提督「は、はあ」

空母水鬼「ちょっと引っ越しそばを買いすぎたので、通りすがりのあなたにプレゼントです」

提督「え? あ、ありがとうございます?」

空母水鬼「余りもので申し訳ないですけどね」

提督(なにこれ、何かの罠? でも敵意は無いし……なんにしても、借りを作るのはよろしくないな)

提督「ではこちらもアイスをプレゼントします」

空母水鬼「そんな、お返しを期待してのものじゃないですから、気にしていただ無くとも良いですよ」

提督「いえいえ、こちらもあまりものですから」

空母水鬼「そうですか。ふふ、では貰っておきますね。ご丁寧に、ありがとうございます」

提督「では、この辺で」ザバッ

空母水鬼「……そういえば、誰だったんでしょうか?」

南方棲戦姫「――おい!」

空母水鬼「南方棲戦姫さん?」

南方棲戦姫「この辺りに人間が来なかったか!?」

空母水鬼「え? あ、それっぽい人なら」

南方棲戦姫「ばかもーん! そいつが私の探している人間だ! くそっ、あっちの方に行ったか!?」ザバッ

空母水鬼「……悪そうな人には見えなかったんですけどね」

―執務室―

提督「ふう、何とか帰ることが出来た」

提督「そういえば、最近襲撃が目に見えて少なくなってきたような……皆が頑張ってくれているおかげかな」

下2

―???―

タ級「陸にはバレンタインという物があるみたいね」

ル級「そうだな。それがどうかしたのか?」

タ級「私も王子様に送ってみようと思うの」

ル級「……ああ、いいんじゃないか?」

ヲ級(遂に突っ込むことをやめたの……)

タ級「ル級も応援してくれるなんて嬉しいっ。じゃあ、早速用意するわ」

ル級「……はあ、ヲ級頼んだぞ」

ヲ級「えっ」

~~~~~~~~

提督「……なんでまた気付いたらここに」

ヲ級「貴方、不用心すぎますよ」

提督「最近襲撃ないから油断してたところもある」

タ級「王子様、来てくれたのね!」

提督「来たというか、連れて来られたというか」

提督(なんで所々チョコがついてんだ?)

タ級「そのね、王子様に渡したいものがあるの……」

提督「渡したいもの?」

タ級「ちょ、チョコ……作ってみたの……その……」

ル級「何で今更恥ずかしがる」

タ級「か、考えてみたら、こういう物をあげるって初めてだと思って……」

提督「何かくれるのか?」

タ級「……ば、バレンタインデー! 王子様の事だから、いっぱい貰っているかもしれないけど……あげますっ!」

提督「お、おう。いや、まだ今年は一つも貰って無いけど」

タ級「えっ? そうなの?」

提督「そりゃあな……」

タ級「……ううん、きっと帰ったら他の子たちも準備してるのね。だったら、今年初めてのバレンタインチョコ、あげる」

提督「……」

タ級「それとも、私からのチョコはいらない……?」

提督「いや、ありがたく受け取っておく。ありがとな」

タ級「……! はいっ!」

ヲ級(バレンタインデー、まだなのよね)

提督(だよな。ちょっと戸惑った)

ヲ級(無茶振りも困ったもの……えっ)

―執務室―

提督「今年初めてのチョコは深海棲艦か……バレンタインじゃないけど」

提督「ていうか、これバレたらやばいんじゃね。さっさと食べるか」

下2

―提督私室―

山雲「司令、朝雲知りませんか~?」

提督「遠征に行かせてるから今は居ないぞ」

山雲「そうですか~」

提督「寒いだろう、こたつに入るといい」

山雲「では、朝雲が帰ってくるまで入らせてもらいますね~。……あら? 中に誰かいるの~?」ゴソゴソ

望月「ん~、こっちじゃないところから入って……」

初雪「こっちも……使ってる……」

提督「面白いだろう。俺がみかん取りに居なくなった間に潜り込んでたんだぞ」

山雲「では~、司令の対面に失礼しますね~」

提督「無視……」

―提督私室―

山雲「司令さーん、朝雲姉知りませんか~?」

提督「遠征に行かせてるから今は居ないぞ」

山雲「そうなの~」

提督「寒いだろう、こたつに入るといい」

山雲「では、朝雲姉が帰ってくるまで入らせてもらいますね~。……あら? 中に誰かいるの~?」ゴソゴソ

望月「ん~、こっちじゃないところから入って……」

初雪「こっちも……使ってる……」

提督「面白いだろう。俺がみかん取りに居なくなった間に潜り込んでたんだぞ」

山雲「では~、司令さんの対面に失礼するわ~」

提督「無視……」

望月「司令官、みかんとって」

提督「こたつの上に置いてあるだろ」

望月「顔より下を出したくないー」

提督「ええー……はい、みかん」スッ

望月「ありがと」

初雪「優しいね……」

提督「取るまでねだられるだろうし」

初雪「優しいね……」

提督「……」

初雪「ね……」

山雲「司令さん~?」

提督「わかってる。ほら、初雪にもみかん」

初雪「ありがと……」

山雲「司令さんー、私にもお願いするわ~」

提督「山雲は寝転がってないだろ……ほら」

山雲「ありがと~」

提督「はあ……」モミモミ

初雪「……いやらしい……」

山雲「ホントねー」

望月「ん? あ、ほんとにいやらしい」

提督「みかんは刺激を与えた方が甘くなるって話を実践してただけなのに……てか、望月はこういうときだけ体を起こすんだな」

―執務室―

提督「遠征が帰ってきたら、山雲がいつもでは考えられない速さで部屋を出て行った。流石である」

提督「まあ、たまにゆっくりするのも良いもんだなぁ」

下2

―提督私室―

提督「第……えーと、六回マリカー対決を始める」

浜風『……すでに五回もしているんですか?』

浦風『提督さんじゃけえの。少し噂には聞いとるよ』

潮『な、なんで呼ばれたんでしょう……?』

提督「え? まあ、適当にくじだ。それより準備はいいか?」

浜風『私は大丈夫です』

浦風『なんじゃ、渋っておった割にはやる気なんか』

浜風『やるからには、です』

提督「そういう奴がなんと多い事か。潮も大丈夫か?」

潮『は、はい!』

~ダイジェスト~

提督「流石にもう目新しいプレイはないなー」

浜風『いえ、こちらからすると凄く目新しいんですけど』

浦風『提督さんがもうあんなところに……浜風も前日トレーニングしとったんじゃけど』

浜風『う、浦風が誘ってきたから!』

浦風『ノリノリだったじゃろう』

提督「ま、このままゴールに……!? 緑甲羅!?」

潮『ご、ごめんなさい。先行かせてもらいますね』

提督「なんだと!?」

提督「今度は油断しない」

浜風『もはや追いつけない位置にいるのだけど』

浦風『四人じゃから、逆転も期待できんけん』

提督「人数少ないと走力がもろに出るからな」

潮『そうですね……さすが提督です』

提督(後ろを脅かしてる奴に言われても……)


浜風『……』

浦風『ついに浜風が無言になったのう』

提督「……影も踏めない状況だしな。仕方ないだろう」

浦風『そういう提督さんも徐々に喋らんくなっちょるが』

提督「それはもう一人のプレイヤーによるものだ」

潮『そ、そんな、私も一生懸命しているだけですからっ』

提督(やはり40ノットの噂は侮れん……)

浜風『……くっ、私もそこそこ運はあるというのに』

提督(赤三だして何言ってんだこいつ。まあ、それで潮を落としてくれれば楽になるんだけど)

潮(い、今投げられると提督に置いて行かれちゃう……っ)

浦風『早く投げえ』

浜風『……ふふ』

浦風『っ! ……三位に甘んじるつもりなんか』

浜風『再戦の機会が有れば覚えておいてください。こんどは、負けません』

浦風『……うちも、特訓してくるけぇ』

提督(なんだかんだで一番ガチだったのこの二人だったのか……)

潮(私も、今度は提督に置いて行かれないように……!)

―執務室―

提督「意外な奴が強いのはどんなゲームでもある事だが……うーむ」

提督「浜風と浦風も特訓しただけあって遅くは無いんだが、いかんせん相手が悪かったな」

下2

―夕雲型の部屋―

提督「……」サワサワ

長波「……前にもこんな事無かったか?」

提督「あった気がする。今回は謎の解明のためにな」サワサワ

長波「なんだよ、謎って」

提督「この、不思議な髪色の事だ。これどうやって出してんのよ」サワサワ

長波「そりゃ、表と裏で別の色に染めてるだけだ」

提督「……おお、なるほど」サワサワ

長波「つーか、触り過ぎじゃないか? 教えたんだからもういいだろ」

提督「いやー、こう触っているのも気持ちよくて」

長波「はぁ……」

清霜「何してるの?」

長波「見ての通り、提督に触られてる」

提督「人聞きの悪い言い方をするな。そういえば、清霜も同じような感じだな」サワサワ

清霜「あっ、もう、司令官ったら」

長波「憲兵に見せたら処罰物の行動だな」

提督「……止めておくか」

清霜「む……」

長波「青葉に見られてないとも限らないし、そうした方が良いぞ」

提督「今更記事にするとも思えんがな」

清霜「そういえば、新しく着任したお姉様も同じよね?」

長波「ああ、朝霜か」

提督「そういえば、他の奴らはどこに行ったんだ?」

朝霜「必要なものがあったから、買いに行ってたんだよ」

提督「と、噂をすれば……確かに、違うな」

朝霜「? 何処見てんだ?」

提督「髪」

朝霜「……司令って変な奴だな」

長波「よく言われてることだ」

―執務室―

提督「変なのはその髪の色だ、とは流石に言えなかった。実は嫌いじゃないし」

提督「ていうか、長波も地味に失礼な奴だ」

下2

提督「高雄型とまた何かしたいなー。鍋パとか楽しかったし」

提督「全体的に性格も違うから、何かで遊ぶのに適しているような相手でもある気がする」

下2

―テニスコート―

提督「テニスしに来ました」

高翌雄「それ、誰に言っているんですか」

鳥海「とりあえず、私は審判ですね」

愛宕「じゃあ、高翌雄と組むわー」

高翌雄「もちろん。残りは……」

提督「行くぞ摩耶!」

摩耶「提督とかよ……勝てる気しないんだが」

提督「なっ……これでも俺は学生時代テニスの玉子様って言われてたんだぞ!」

摩耶「それが本当なら不安しかないんだが……」

―テニスコート―

提督「テニスしに来ました」

高雄「それ、誰に言っているんですか」

鳥海「とりあえず、私は審判ですね」

愛宕「じゃあ、高雄と組むわー」

高雄「もちろん。残りは……」

提督「行くぞ摩耶!」

摩耶「提督とかよ……勝てる気しないんだが」

提督「なっ……これでも俺は学生時代テニスの玉子様って言われてたんだぞ!」

摩耶「それが本当なら不安しかないんだが……」

~~~~~~~~

愛宕「え~い」バシュン

ドシュッ

鳥海「フィフティーンラブ」

提督「……今のスピードと効果音おかしくないか?」

摩耶「サーブで波動球とか尋常じゃねえな……」

提督「あんな胸部装甲してるのに、どうやって力入れてんだ」

摩耶「おい、その発言はセクハラだぞ」

~~~~~~~~

鳥海「ゲームフォーワン。えーと、あと二ゲーム提督が取られたら負けです」

提督「追い込まれたか。そろそろ無我の境地を出すか……」

摩耶「できんのか? いや、出来るわけないか」

提督「――」ユラァ

高雄「空気が変わった……」

愛宕「あら、これは私も本気を出すしかないわね~」コオッ

摩耶「なんだこれ」

鳥海「私に振らないで」

~~~~~~~~

鳥海「ゲームセットウォンバイ高雄アンド愛宕ペア。ゲームカウントシックススリー」

提督「くそっ、負けた!」

摩耶「なんか、悪いな。あたしのせいで負けた感じになって」

提督「いや、あの二人ペアが強すぎた……単純にコンビネーションも相当なもんだった」

高雄「最後の追い上げは少し驚きました」

愛宕「そうね~。まさか、ブレイクされるとは思わなかったわ」

提督「いや、いい勝負だった。またしよう」

摩耶(ボウリングの時も思ったが、運動が出来るのとスポーツが上手いってのは違うんだな……)

鳥海(それが分かってるから、私は審判役をしたんですけど)

―執務室―

提督「摩耶も弱くなかったけど、即席チームだと息が合わないからなぁ……まあ、しょうがない」

提督「そもそも、相手がガチすぎるんだよ……なんだよあの剛速球……」

下2

―伊勢型の部屋―

提督「日向、腕相撲しよう」

日向「珍しく部屋に来たかと思えば、突然だな」

提督「今に始まった事じゃないだろ。さあ、準備しろ」

日向「しょうがないな……ほら」ゴソゴソ

提督「よしきた。合図は任せたぞ」

日向「よーい……」ダンッ

提督「……俺の勝ちだな」ニヤリ

日向「……少し、本気を出すとするか」

~十分後~

伊勢「日向、今から間宮アイスをもらいに――」

日向「提督と言えど、唯の人間だ。そろそろへばったんじゃないのか?」ググ

提督「その人間相手に拮抗しているくせに何言ってんだ。お前こそただの女の子だろうに」グググ

日向「この日向、そんな甘言に踊らされない」

伊勢「……何やってるの?」

日向「腕相撲だ」

提督「拮抗した状態が続いて、なかなか決まらん」

伊勢「そう……」

日向「もう十分になる。降参してもいいんだぞ」

提督「降参するという案が出ている時点で、お前は負ける事を頭によぎっているんだろう」

日向「プライドを傷つけないために言っているんだ。今なら、私といい勝負をしたと言えるぞ」

提督「そっちこそ、今なら腕相撲で一番強いという肩書を外さずに済むぞ」

日向「そんなもの付けた覚えはないが……なっ!」グイッ

提督(くっ、一気に重くなった! だが、まだこちらだって力を隠している!)ググイッ

伊勢(……珍しく日向も本気の顔してるし、暇だし、間宮アイス食べたいし……)

伊勢「もー、二人で遊んでないで、早くアイス食べに行きましょ。提督の分もあるって言ってたし。早く行かないと無くなるよ」

日向「……」ピタッ
提督「……」ピタッ

日向「無くなるか、それは困る。仕方ない、この勝負預ける」

提督「そうだな。とりあえず、アイスを食べに行こう」

日向「行くぞ、伊勢」

伊勢「あ、うん」

伊勢(もしかして、お互い引けなかっただけなのかな?)

―執務室―

提督「伊勢が止めてくれたおかげで助かった。あれ以上は絶対に筋肉痛になる」

提督「日向も……いや、どうなんだろうか。表情はかなり涼しげだったからな」

下2

―睦月型の部屋―

提督「絵本の読み聞かせに来た……と、皐月と文月だけか」

皐月「本?」

文月「どんなの~?」

提督「まあいいか。有名な桃太郎という本だ。楽しそうだろう」

皐月「司令官、さすがにボクも知ってるよ」

文月「桃から生まれた男の子が鬼を退治するんだよねー」

提督「……じゃあ、ぐりとぐら」

皐月「それも有名だって」

文月「ふたりのネズミの話だよねぇ~」

提督「わかった。ならまちんととちいちゃんと象で選べ」

皐月「司令官はボクたちに対して恨みがあるの?」

文月「ふみゅぅ……あんまり見たくないな……」

提督(冗談で言ったのに、意外と知ってるんだな……)

提督「しょうがない。ならりっちゃんのサラダでも作りながら、元ネタを読もうか」

皐月「元ネタ?」

文月「どういうことぉ~?」

提督「面白いものも読めて、お腹も膨れて一石二鳥だ。さあ、食堂に行くぞ」

皐月「あ、うん」

文月「楽しみぃ~」

―食堂―

提督「元気になあるサラダを作ってあげることにしましたっと」

皐月「材料多いね」

提督「結構豪華なサラダになるからな。のらねこが『かつおぶしをいれるとおいしいよ!』と」

文月「次にわんちゃんのハム~」

皐月「えっと、うん、次はすずめのトウモロコシ」

文月「ありさんのおさとう、おまわりさんをのせた馬さんが人参~」

皐月「白熊が昆布……これって、自分が好きなものを入れてるだけだよね?」

提督「そんなことはないさ。仕上げに象が調味料。はい、完成。ほら、食べてみろ」

皐月「うーん……あっ、美味しい」

文月「ほんとだ~」

提督「りっちゃんのお母さんを心配してアドバイスしたからこそ、こんなにおいしいサラダが作れたんだ」

皐月「そっか。実際に食べてみて、納得したよ」

文月「司令官~、みんなにもあげていい?」

提督「もちろん。仲良く分けろよ」

―執務室―

提督「……今気づいたけど、まるで子供をあやすかのようなやり方だったな」

提督「いや、情操教育的にはいいんだろうけど」

↓2

提督「茶道を体験したい」

赤城「はあ、なぜ私なのかはともかく……どうして茶道を?」

長門「日ノ本誇るビッグセブンが日本の作法を知らないのもおかしな話だろう」

陸奥「どうせなら、私も体験しようかな……と」

赤城「珍しく提督からじゃないんですね。私も詳しいわけではないので、あてにしすぎないようにしてください」

提督「よしっ」

長門「茶菓子はこれでいいのか? 一応、提督はこれでいいと言っていたが」

赤城「……少し、少ないですね」

陸奥(少ない? のかしら……私にはわからないけど)

加賀(赤城さんを頼るのね)

~~~~~~~~

赤城「おそらく、三人が聞きたいであろうお茶のたて方を主に教えますね」

陸奥「着物じゃなくていいの?」

赤城「いえ、着物で行わなくても問題ないですよ」

提督「帛紗とかも飛ばすのか?」

長門「ふくさ?」

提督「……用語解説面倒だから飛ばしていいか」

赤城「その辺りは全部私がやっておきますから」

長門「おお、流石赤城だ。頼りになるな」

陸奥(それって、本当に体験するだけってことになるんじゃ……)

赤城「まずは帛紗を折り、茶器と茶杓を清め、茶筅をとおす……」

長門「……どういうことだ?」

陸奥「正直、私にもさっぱりわからないわ」

提督「いわゆる、料理に使う食材の準備をしているってことだな」

長門「なるほど」

陸奥「そう言う例え方で良いのかしら。分かりやすくはあるけど」

赤城「……準備が出来ました。では、お茶をたててみましょうか」

提督「流儀は?」

赤城「表千家にしましょう。右手でこの茶杓をとり、左手で棗を取ります」

長門「う、うむ」

赤城「右手を握り込み、棗の蓋を取り――」

長門「???」

陸奥「だめね、ついていけてないわ」

提督「お茶をたてるどころか、まだ道具に触った段階だぞ」

長門「と、とりあえず、お菓子は何時食べるんだ?」

提督「でたよ、初心者なら皆気になる疑問」

陸奥「目の前に出されているから、気持ちはわかるのだけど」

赤城「ええと……実はタイミング逃しているんですよね」

長門「!?」バタッ

提督「長門が倒れた!」

陸奥「いえ、あれは正座によって足が痺れたからね。慣れないことはするものじゃないわ」

―執務室―

提督「お菓子は後でスタッフがおいしくいただいたと。しかし、長門は事前学習しないと無理だろ……」

提督「というより、何も体験できてない。茶碗を回して飲むのやってみたかったんだが……」

下2

―提督私室―

扶桑「失礼します」

伊勢「提督のプライベート空間に立ち寄るのって、初めてな気がする」

提督「わざわざ寄ることもないし」

日向「それで、いったい何の用で私たちを呼んだんだ?」

山城「つまらない用でしたら……私の不幸がまた一つ増えますからね」

提督「何その斬新な脅し方。まあ、それでだな、少し前に正規空母が来ていた服があっただろう」

伊勢「少し前?」

提督「この、タートルネックだ」

日向「それだったら、今でも着ているところを見るな。飛龍とかは気に入っているようだ」

提督「お、おう。なんか少し嬉しい情報をありがとう。それで、お前達にもプレゼントしようと思って……」

山城「セクハラです!」

提督「えぇー」

伊勢「そういう服が提督の好みなの?」

扶桑「こ、これですか……たまに着ているところは見てますけど……少し、恥ずかしいですね」

提督「無理して着なくていいから。全員にこれ言ってる気がする」

日向「こういう服もたまにはいいんじゃないのか。私は着ないと思うがな」

山城「私も提督からのプレゼントなんて着ません」

提督「日向は何となくわかるが、山城もか?」

伊勢「日向ったら分かられちゃってるのね」

日向「見るからにキャラに合わないからだろう」

山城「私が着ると思われているのが納得いきませんけど」

提督「だって山城、扶桑が着てたら着るだろう?」

山城「……くっ」

扶桑「山城、無理しなくてもいいのよ?」

山城「いいえ、扶桑姉さまとおそろいの為なら、全然着られます!」

扶桑「そう? 無理はしないようにね」

提督(……まあ、扶桑が着るような服ではなさそうな気がするけど)

―執務室―

提督「その後、扶桑姉妹があれを着ている姿が見られたという。なんか、あの服を徐々にここで流行らせているような……」

提督「……ま、いいか」

下2

―金剛型の部屋―

金剛「ハー、世界樹やっと終わったデース」

提督「ん、丁度良い場面で来たか。どうだった?」

金剛「馴れると大したことないデース。ラスボスも思ったより楽だったからネー」

提督「ラスボスが? ……ああ、そうか、まだか。つまりチュートリアルが終わったばかりということか」

金剛「……チュートリアル?」

提督「ほら、続きから始めるとイベント起こるだろ。その後、開かずの所に行って……」

金剛「裏ダンジョンですネー。頑張りマース!」

提督「第六層頑張れよ。しばらくしたらまた様子を見に来るから」

金剛「よーし、やってやるデース!」

霧島(提督が楽しそうに去っていった……これは、少し身構えておく必要がありそうですね)

~~~~~~~~

提督「どうだー?」

金剛「ファッ○!!」

提督「お、おおう……攻撃的だな」

金剛「邪花をつついて棘の雨を強化するなデース!!」

提督「ああうん、油断したら一気に持っていかれるよな」

金剛「B2からとんだ鬼畜ゲーデース……」

提督「B3は多分笑いすらこみ上げると思うぞ」

金剛「……マジ?」

提督「まじ」

比叡「最近お姉さまのキャラが……」

榛名「あのゲームはそんなにも凶悪なんでしょうか……」

~数時間後~

金剛「ようやくB3デース」

提督「……」

金剛「さー、どんな敵でも出てくるがいいネー!」

『モンスターの群れが現れた!』

金剛「……獅子? と……」

提督「信号機とは大当たりじゃないか」

金剛「……」

比叡「ひえぇ……お姉さまのお顔が険しいです……」

金剛「とりあえず、レッグスナイプをホロウに、後ろだけどライデンを先に倒すデース」

提督「……あ、腕縛り失敗。しかも、ホロウの契りが獅子に。そしてかみちらし」

金剛「……」

提督「お手本のような悪夢だったな。御愁傷様」

金剛「……フフ、提督の言ったことが分かったデース……なるほど、これは素晴らしいですネー……フフフ」

提督(……怖っ)

―執務室―

提督「マジで笑ってたよ。おお怖い怖い」

提督「なんか、通常状態につっこみそうな気もするな。何回hageることか……」

下2

―雲龍型の部屋―

提督「雲龍、髪弄らせてー」

雲龍「一分烈風改。三分震電改です」

提督「失礼しました」

雲龍「冗談です。でも、簡単に髪をいじらせてというものじゃないですよ?」

提督「ういっす。でも、雲龍のたまには違った髪型を見てみたかったんだ」

雲龍「……どんな髪型が見たいんですか?」

提督「ツインテール」

雲龍「ちょっと待ってて」

~数分後~

雲龍「これでどうかしら」ツインテver

提督「おおお! 可愛い!」

雲龍「そ、そんなに興奮するとは……」

提督「いやいや、予想外に良かった。そう言った髪型も良いんじゃないか?」

雲龍「ちょっと邪魔になるので、どうにも」

提督「ああいや、無理にとは言わない。ここで唯一の者にするのも悪くない」

雲龍「唯一って、そこまでではないですよ」

提督「他で晒すことが無いなら唯一だろ?」

雲龍「天城には見せたことあるから」

提督「……確かに、ツインテにするのも手早かったな」

雲龍「一度くらいは変えたことありますからね」

提督「じゃあ、今度また頼んだらしてくれる?」

雲龍「……では、彗星の江草隊を積んでくれたらということで」

提督「ごめん、無理言った」

雲龍「冗談です。六〇一空でも十分ですから」

提督「とりあえず、髪型は無理にとは言わない。でも、良ければまた見せてくれると嬉しい」

雲龍「はい。またいずれ」

―執務室―

提督「雲龍のツインテは良かった。写真撮っておけばよかった……」

提督「あの口ぶりならまた今度見せてくれるだろうし、その時は忘れず撮影しよう」

下2

―デパート―

提督「フードコーナーが広がったらしい」

秋月「そうなんですか?」

提督「だから、こうして食べ歩きに来た」

秋月「……私、資材の購入と聞いてついてきたのですが」

提督「それも本当だぞ? ただ、食べ歩きも目的の一部というだけだ」

秋月「……」

提督「そんな目で見るな。ほら、手始めにたいやきでも食べようか」

秋月「もう、提督は……」

~~~~~~~~

提督「どんなのが食べたい? もちろん、ここにある店で売っているの限定でな」

秋月「いえ、私は……」

提督「ほら、あっちにはクレープもある。あっ、ワッフルもあるぞ」

秋月「あの、提督」

提督「うわ、バーガー店が二店舗ならんでる。どっちが生き残るんだろうか……」

秋月「提督っ」

提督「秋月、悪いけどこの荷物を持っててくれないか」

秋月「え? あ、はい」

提督「ヒャア我慢できねぇ! クレープだぁ!」

秋月「……」

秋月(提督は、なぜ突然こんなことを……)

提督「ほら秋月、食べろ」

秋月「早かったですね」

提督「人も多いから早めに作ってるんだろ。それより、ほら」

秋月「いえ、私は……」

提督「聞いたぞ、あまり豪勢な食事は摂ってないんだって?」

秋月「そ、それとこれと一体何が……」

提督「質素倹約は美徳だけど、周りに心配させるのはいかん。周りに合わせるって事も重要だ」

秋月「提督……」

提督「遠慮しないのも時には大切だぞ。上官からのアドバイスだ」

秋月「……では、ありがたくいただきます」

提督「どうだ?」

秋月「……美味しいです」ニコッ

―執務室―

提督「あのクレープ甘かったんだけど。しかもフルーツ少なくて、クリームばかりが多いし」

提督「まあいいや。秋月の機嫌よくなったし、多分秋月の口には合っていたんだろう」

下2

―伊号潜水艦の部屋―

提督「えー、ゆーちゃんも改造できるレベルに達し、部屋分けを如何しようかと考えているわけです

が……」

168「司令官、長い」

まるゆ「まるゆも御呼ばれしてよかったんでしょうか……?」

提督「……とにかく、ゆーちゃん改造前の思い出として、それぞれの味を一つづつ選んだ百味ビーン

ズを用意しました」

8「ひっ」

19「はっちゃん?」

提督「どうやらはっちゃんは知っているようだな」

8「主人公の気持ちを思い知りました……」

提督「……そうか」

58「提督の顔が不自然に優しいでち」

提督「とりあえず、好きにとってくれ。ひーふーみー……一人三個で、はっちゃんは知ってるから最

後な」

8「そんな殺生な!」

提督「順番で喧嘩しちゃいけないし、運が悪い順から取っていこうか」

まるゆ「まるゆからですか? で、では……この黄色と緑とピンクにします」

168「普通ね」

まるゆ「ご、ごめんなさい! 選び直します!」

168「い、いいわよ。じゃあ私は……白と黄緑と青にするわ」

提督「まだらは流石にとらないか……」

8「……」

19「二人の神妙な顔が気になるの……じゃあ、イクは赤三つにするの」

401「じゃあ、しおい取るね。何がいいかなぁ……ううん、じゃあ薄い黄色と茶色と……黒が入った

茶色にする」

U-511「では、ゆーは色の入ったこれにします」

提督「おいおい……分かってんのか?」

8「……」ガクブル

58「ゴーヤは……黄色三つ……なんだか嫌な予感がするから、黒が入った黄色は止めて、白黒の方に

するでち」

8「ぁ……あ……」ガクブルダラダラ

提督「……うん、みんなで一斉に食べようか。好きなのから食べてね」

まるゆ「う、ううん……なんだか苦いです、隊長……」

提督(まるゆは草とスイカと綿菓子か。全然平和だ)

168「うえっ、なにこれ、口に残る……な、なんだろこれ、シャンプー?」

提督(石鹸と青リンゴとブルーベリーか。これも全然平和だ)

19「……な、なんなのこれ、食糧危機に瀕したときに食べそうな味なの……」

提督(ミミズにシナモンとチェリーか。特別斑点が無いのはここまで。次は……)

401「つ、土? 土みたいな味がする。土かぁ……」

511「バナナ味です。美味しいです」

提督(401は後であかか……ソーセージもまずいんだよな。あの順番なのにハズレ無しのゆーちゃんは幸せ

そうだ)

58「口に刺激が来るでち! こ、こっちは……うぐっ、異様でち! さ、最後の……あ、これは……



提督(ゴーヤは最後のレモンに救われたか。黒コショウと腐ったタマゴは考えただけでも最悪だ。そ

して……)

8「」

提督「……」パクッ

提督「うぐっ……! 比叡料理並にやべぇ味だ!! さすがゲ……うぷっ、ちょっとトイレ……」

511「……これも、日本の分化という物でしょうか」

―執務室―

提督「自分から地雷に飛び込まなきゃよかった。あれはトラウマになる……まだ口の中に残ってる感じがする」

提督「ちょっと鳳翔さんの店で口直しして来よう……」

下2

―鳳翔の店―

提督「鳳翔、何か美味しい物」

鳳翔「ちょうどよかったです提督。今春雨ちゃんがお手伝いに来てくれているんですよ」

提督「春雨が?」

春雨「わ、私は鳳翔さんにお料理を教えてもらいに来ているだけですから」

鳳翔「春雨ちゃん、教える必要が無いくらいお料理が上手なんです」

春雨「そっ、そんなことありません。私なんてまだまだですからっ」

提督「……じゃあ、春雨が欲しい」

春雨「ふえっ!?」

提督「ゴホン。麻婆春雨が食べたい。さっきから連呼されてると、食べたくなってきたんだ」

春雨「そ、そうですよねっ。では鳳翔さん、私は……」

鳳翔「あら、提督に作ってあげないの?」

春雨「え? でも、司令官は……」

提督「春雨が作ってくれたものも美味しいんだろうなー。出てきたらとてもうれしいなー」

鳳翔「ほら、提督もああいってますし」

春雨「……わ、分かりました! 白露型五番艦春雨、司令官のためにお作りします!」

~~~~~~~~

春雨「どうぞ、司令官。春雨特製の麻婆春雨です」

提督「おお……凄く美味しそうだ。香りもとても良い。では、一口……」パクッ

春雨「ど、どうでしょうか」ドキドキ

提督「……うっ」

春雨「や、やっぱり美味しくありませんでしたか!?」

提督「美味すぎる……春雨!」

春雨「は、はいっ!」

提督「俺に毎日春雨を食べさせてくれ」

春雨「――」

鳳翔「提督?」

提督「はっ……す、すまん。あまりの味のギャップに少し混乱していたようだ……春雨?」

春雨「」

提督「……固まってる」

―執務室―

提督「固まった春雨は鳳翔に任せた。まあ、鳳翔なら丸く収めてくれるだろう」

提督「それにしても、正気を保ったままあんなことを言わせるなんて……百味、恐ろしいものだ」

下2

―遊園地―

提督「遊園地に来るのも久しぶりだな」

五月雨「わぁ……すごいですね。いろいろあります」

提督「遊園地だし。さて、まずは何に乗る?」

五月雨「なんでもいいんですか?」

提督「おう、何でもいいぞ」

五月雨「で、では……メリーゴーランドがいいです!」

提督(かわいらしい始まりだ)

~~~~~~~~

五月雨「楽しかったです!」

提督「気に入ってくれてこっちも嬉しい。ソフトクリームが売ってる、五月雨いるか?」

五月雨「そうですね、買ってきます」

提督「待て待て、こういう時は男に花を持たせてくれ」

五月雨「いいんですか?」

提督「もちろん。そこで待っとけよ」


提督「ほら、ソフトクリーム」

五月雨「ありがとうございます。ん……美味しい」

提督「ふっ、五月雨、ついてる」

五月雨「はい?」

提督「ここ、生クリームついてるぞ」

五月雨「あわっ、す、すみません!」

―観覧車―

五月雨「わ……いい景色ですね」

提督「夕日に観覧車ってべただけどな。どうだ、今日は楽しかったか?」

五月雨「はいっ!」

提督「それなら連れて来たかいがあった。俺も、五月雨と来て良かった」

提督(心穏やかに回れたし)

五月雨「司令官も楽しんでくれたんですか?」

提督「もちろん」

五月雨「えへへ、それなら私も嬉しいです」

―執務室―

提督「二人きりだと見守る必要が無いから楽しむことに集中できる」

提督「集団で行くのもそれはそれで楽しいんだけど」

下2

―大和型の部屋―

提督「武蔵、いつしかはお世話になったな。今日こそお返しをしてやろうじゃないか」

武蔵「ほう……何のことを言っているのか分からないが、相手になるというならばいつでもかかってくるといい」

大和(分からないというより、心当たりが多すぎるんでしょうね)

提督「何時でもと言ったな……その言葉後悔するなよ」

武蔵「なに、それで一本取られたのであれば、素直に敗北を認めよう」

提督「……その言葉、後悔するなよっ!」ダッ

大和(同じ言葉を言って逃げました……何時ものことだけれど)

武蔵「最近は体を動かすことも無かったからちょうどいい。楽しませてくれればいいんだがな」

大和「提督も一応普通の人間なんだから、やり過ぎないように」

武蔵「提督はそんなに軟な人間じゃないだろう」

大和「……否定はしないけど」

~深夜~

提督(馬鹿め、俺が素直に直接来ると思っていたか。というわけで、こんばんわー)

武蔵?「……」

提督(しめしめ、大人しく寝ているようだな。危機感が足りてないんじゃないかー)

武蔵?「……」

提督(まあいい、むしろこっちとしては都合がいい)

武蔵?「……」

提督「では、その耳のようなところをちょいっと……はっ!」

枕「」

提督「馬鹿な! 偽物だと!? くっ、電気が」パチッ

武蔵「甘いのは提督の方だったな」シュッ

提督「むさ――」
武蔵「眠れ」ドスッ

大和「ふわ……何をしているんですか?」

武蔵「なに、ちょっとした奇襲をな」

大和「いえ、提督の方です」

武蔵「何? なっ……」

提督「ありがたく触らせてもらってるぜぇ? その耳っぽい髪をなぁ!」ピョコピョコ

武蔵「くっ……どういう事だ」

提督「夕張に借りた質量をもつ残像生成器によって生み出された残像だ。身の回りにある物フルに使ってこそが勝負という物だ」パタパタ

武蔵「……どうやら、今回は私の負けのようだ。好きにするがいい」

提督「すでに好きにさせてもらっている」ピコピコ

大和「楽しいですか?」

提督「結構」ポスポス

―執務室―

提督「武蔵は嫌そうな顔をしていたが文句自体は言わなかった」

提督「でも怖いからもう二度とやりたくない」

下2

―売店―

提督「なにこれ、タイツ?」

明石「それはつなぎですね。自動車整備員とかが着ていたりします」

提督「ふーん、ちょっと着てもいい?」

明石「試着はご自由にどうぞ」

明石(でも……あんなもの置いてたっけ?)


提督「なるほど、少し動きにくいな。タイツとはまた違った良さがある」

明石「褒めているのかよくわからない感想ですね」

提督「まあ、ネタになりそうもないから……あれ?」グイッ

明石「どうしたんですか?」

提督「これ、脱げない……」

明石「……えっ?」

―工廠―

夕張「私が作った失敗作ですね。一日たてば自然に脱げますよ」

提督「なんでそんなものを……」

夕張「実は遊びで混ぜておいたんですよ。あはは」

提督「俺だからよかったものを、ほかのやつがかかったらどうするんだ」

夕張「提督以外手を出す品物じゃないですよね」

提督「……確かに!」

夕張「ちょうどいい服装してますし、ついでに開発いっちゃいましょう」

提督「よーし、今日はたくさん資材つぎ込んじゃうぞー」

夕張「本当ですか!? 私も張り切っちゃいますね!」

妖精(あとでおこられるのです)

―執務室―

提督「これが報告書。はい、今日の仕事終了」

霞「はぁ……これで、資材のことは水に流しておくわ」

提督「今度私自ら遠征に行く所存です」

霞「それはこっちが迷惑するからやめなさい」

提督「でもさ、ほら、真面目に仕事はやったよ? 溜まってた分もやったんだから、褒めてもいいんだよ?」

霞「資材の使い過ぎで、余計な仕事がこっちにも舞い込んだんだけど」

提督「さーて、今日はもう寝るかー」

霞「……ふん、日が変わるギリギリに終わらせたのは褒めてあげるわ。ゆっくり今日は休みなさい」

提督「おお、ねぎらいの言葉が……ん? 日が変わる……うおお!? 服がはじける!?」パーン

霞「……なるほど、カス司令官は罵倒が受けたいようで」

提督「一日って二十四時間じゃなくて、日付が変わるまでか。夕張、言っとけよ……」

~~~~~~~~

提督「そのあとめちゃくちゃ説教された。ついでに夕張も」

提督「怪しいものには手を出さないようにしよう」

↓2

―???―

北方棲姫「この子がともだちの駆逐棲姫ちゃん!」

駆逐棲姫「こ、こんにちは」

提督「はあ……」

提督(また見知らぬ場所に連れて来られたというか、突然紹介されてもというか、春雨に似ているというか……)

駆逐棲姫「あの……どうかしましたか?」

提督「ああいや、ううむ……」

北方棲姫「? あ、そうだ、そういえばレ級ちゃんにわたす物があったんだ」

提督「そうなのか? じゃあ、俺はそろそろ帰ろうか」

北方棲姫「駆逐棲姫をよろしくね!」ザバッ

提督「え」

駆逐棲姫「行っちゃいましたね……」

提督(……なるほど、今こそ何かネタにはしれと。どうせなら春雨も関係しそうなことをしよう。問題はどこまで大丈夫なのか……)チラッ

駆逐棲姫「?」

提督(……ま、なんとかなるだろ)

下2

―ホテル―

提督「じゃあ始めようか」

駆逐棲姫「それはなんですか?」

提督「ああ、気にしなくて良いよ。まずはお互いを知りあうための自己紹介ね。名前は?」

駆逐棲姫「駆逐棲姫、です……」

提督「可愛い名前だねー。年齢は?」

駆逐棲姫「えっと、その……よく覚えてません」

提督「あ、そうなの? でもそういうミステリアスチックなのも良いと思うよ。どこから来たの?」

駆逐棲姫「深海……でいいんでしょうか」

提督「深海、いいねえ。友達はどれくらいいるの?」

駆逐棲姫「実は、あまり……」

提督「あ、そうなんだ。じゃあ、お友達になれそうな子を紹介してあげようか?」

駆逐棲姫「えっ、そっ、それは」

提督「まあ、もう呼んじゃってるんだけどね。そろそろ来るはず……」

ガチャ

春雨「失礼します。司令官、何故ホテルに呼んだんでしょうか?」

提督「お前に友達を紹介しようと思って」

春雨「友達ですか?」

駆逐棲姫「こ、こんにちは」

春雨「えっ」

提督(もしかして、やっぱ敵だって気付いたか? いや、大丈夫、春雨はこいつを見た事無い筈)

春雨「し、司令官。もしかして……」

提督「これはだな――」
春雨「誘拐ですか!?」

提督「……本気で言ってる?」

春雨「す、すみません、つい……」

提督「ふぅ……とりあえず、自己紹介の続きをしよう。はい、これ見て。次は……」

春雨「し、司令官、それって」

提督「ん? もしかして初めて?」

春雨「は、初めてですよぉ……こんなことする機会も無いですし……」

駆逐棲姫「私も経験ないんですよ……?」

提督「あー、だからちょっと緊張してるのか。大丈夫大丈夫、心配しなくても良いよ」

春雨「そんな大きなもの向けられて、緊張しない訳無いですよ……」

提督「君も?」

駆逐棲姫「うん……まあ……」

提督「……まあ、初めては誰だって緊張するか。でも、こうしてお喋りしているうちに身体もほぐれていくから」

春雨「は、はい」

駆逐棲姫「でも、やっぱり意識しちゃいますよ」

提督「うーん、じゃあやめようか?」

春雨「そうして貰えると嬉しいです。ね?」

駆逐棲姫「うん、やっぱり恥ずかしいですから……」

提督「二人がそう言うならしょうがないな。普通にお話だけにしよっか」

春雨「ありがとうございます……その、言われた通りトランプ持ってきました」

駆逐棲姫「あ……」

春雨「……一緒にする?」

駆逐棲姫「うん、ありがとう」

提督(……うん、借りてたこのカメラのおかげで、初対面ということを意識せずに話せてるな。しかし、こんなことしてもいいのだろうか……)

―執務室―

提督「とりあえず、撮っておいたこのテープは封印しておこう。敵と引き合わせたなんてばれたらシャレにならん」

提督「犯罪もばれなきゃ犯罪じゃないって青葉も言ってた」

下2

―売店―

明石「衣装」

提督「把握」


―廊下―

提督「やっぱ、こういうカッコをしたら驚かしでしょ。キャーキャー言われてやる」E:ドナルドの衣装

雷「きゃー!」

提督(はっ、いきなり成功するなんて……これはツキが向いてるな!)

雷「ドナルドじゃない! 凄いわね!」

提督「あ、そっち」

雷「司令官なの? ねえねえ、あれやってくれない?」

提督「あれ?」

雷「らんらんるー☆」

~~~~~~~~

提督「可愛かった。お、あそこに見えるのは暁じゃないか。あっはっはっは」ダッ

暁「? ……きゃーーー!!??」ダッ

提督「ドナルドです」

暁「変な人が追い掛けてくるぅーーー!!」

提督「嬉しくなるとついやっちゃうんだ」

暁「いやぁーーーー!!」

提督「僕の家で遊ぼうか」

暁「こーなーいーでー!」

~~~~~~~~

響「それで、暁が自分からぶつかったって? それでこのたんこぶ」

提督「ハンバーガー四個分くらいかな」

響「そんなに大きくないよ。それにしても……」

提督「ドナルドは君の事も知ってるよ」

響「司令官、声マネ上手だね」

提督「アラーッ! ……え、本当?」

響「吃驚して暁が逃げ出すのが理解できるくらいに」

提督「……」

響「こんなことするのは司令官くらいしかないから、私は分かってたけど……どうしたんだい?」

提督「……今日こそ電にお見舞いできそうだ!」ダッ

響「……はぁ」

~~~~~~~~

提督「ドナルドは、子供達がだーい好きなんだ」

電「……」

提督「皆も一緒に、やってみようよ」

電「……」

提督「そーれ、ランラン――」

ドーン

電「面白くないのです」

提督「いや、驚かすつもりだったんだけど」

電「奇襲で撃ったのに避けている事に驚きなのです」

提督「え、マジの殺意じゃないよね」

―執務室―

提督「電も昔は可愛い反応してた気がするんだけど……気のせいかな」

提督「ちなみに衣装はもう脱いだ。化粧が結構時間がかかった」

下2

―サブ島沖海域―

南方棲戦姫「沈めぇ!」ドーン

提督「こんにちはを言う暇もない!」

南方棲戦姫「貴様は少しでも油断をしたら逃げるからな。今度は逃がさん」

提督「待て、今回はお前に用事があって来たんだ」

南方棲戦姫「用事だと? そう言ってまた隙を作る作戦なのだろう」

提督「つまり、少し会話をするだけで隙を見せてしまうほど集中力が無いと」

南方棲戦姫「何だと……ふん、ならば話してみろ、冥土の土産に聞いてやろう」

提督(ちょろい)

提督「実は逆チョコを用意したんだ」

南方棲戦姫「ぎゃくちょこ?」

提督「男から女にあげるチョコだ」

南方棲戦姫「そ、そんな事は知っている」

提督(嘘くさい)

南方棲戦姫「それがどうしたという。よもや、プレゼントというわけではないだろう」

提督「そのまさかだ」

南方棲戦姫「……罠か」

提督「つまり、罠かもしれないと思ってビビッてるのか」

南方棲戦姫「早く渡してみろ」

提督(ちょろい)ポイッ

南方棲戦姫「ちっ、この程度……ん? ふたが固いな……」

提督「……」

南方棲戦姫「なるほど、此処をおさえて熱っ!!」バシャ

提督「プークスクス! 耐熱、保温バッチリのビックリ箱構造でした! 熱湯とかしたチョコの味だ如何ですかー?」

南方棲戦姫「……」ゴゴゴ

提督(あ、やばい)

南方棲戦姫「生かして帰さん」

提督「離脱っ――」

ドーン

―執務室―

提督「あと数秒動くのが遅れてたら、艦爆と砲撃のダブル攻撃を直に受けるところだった」

提督「もはや、先に相手が憤死するかこっちが戦死するかという、ギリギリの境界線で争っていると言っても過言ではない」

提督「やっぱり過言だわ」

下2

―長門型の部屋―

長門「最近、敵に遊ばれている気がする」

提督「そういえば、いつも追いかけてるな」

長門「いつもではない! とにかく、どうも嘲笑われてる気がしてならないのだ」

提督「気にし過ぎだと思うのだが……どうしてもというなら、考え方を変えるというのはどうだ」

長門「考え方を変える?」

提督「向こうが遊んでいるように見えるなら、こっちも遊んでいると思えばいいんじゃないか」

長門「それで何か変わるのか?」

提督「変わるんじゃないか? 電だって昔と違って今は元気に敵を殲滅しているだろう」

長門「元気に殲滅している訳では無いだろう……だが、参考にはしておくことにする」

―数日後・鎮守府近海―

提督「なんか、また追っかけてる姿が確認されたらしいが……」


長門「ふふふふふ、今すぐに捕まえてやるからな」

駆逐棲姫「……っ! ……っ!」

長門「はははっ! なかなか楽しいではないか!」

駆逐棲姫「……!?」

長門「ほれほれ、早く逃げないとどうなるかわからないからな!」


提督「楽しそうではあるが、長門にとっての遊びってああいうものなのか?」

駆逐棲姫「た、助けてください!」

提督「巻き込まれたくないし、仲間だと思われたくないからこっちくんな」

駆逐棲姫「じゃあ帰り道だけでもいいから教えてください! ほっぽちゃんに置いて行かれたんです!」

提督「ああ、そういえばいつもは……帰るならあっちの方からな」

駆逐棲姫「すみません、では!」ザザッ

提督「難儀だな……」

長門「ん……? 提督じゃないか。こっちの方に敵が来なかったか?」

提督「知らないけど。つーか、長門にとっての遊ぶってあんな感じなのか」

長門「何時も追いかけてる奴はこんな感じだったと記憶している」

提督(えぇ……相当ストレスたまってたんだろうな。そういえば、一時期は鎮守府でも怖がられてたっけ……)

長門「だが、やってみると意外と楽しいものだな。ではな、私は奴を探すとする」

提督「ああ……」

―執務室―

提督「変な扉開いちゃったのかもしれないな……まあ、楽しそうならいいんだけど」

提督「……いや、武装してない奴を追いかけるのが楽しいって、よくない趣味なんじゃないだろうか……まあいいや」

下2

―長良型の部屋―

提督「由良、ちょっと気になってたんだが、髪が少しはねてるぞ」

由良「えっ、本当?」

提督「鏡見れば分かると思うけど」

由良「わ、本当……今日の朝、寝坊しちゃったから」

提督「それは良くないな。由良、こっちこい」

由良「な、なに?」

提督「何故警戒する」

由良「だって提督さんの噂を聞いたら、ねえ?」

提督「なんだと、マッサージは超好評だったんだぞ」

由良「それはそうだけど……」

提督「つべこべ言わず、その髪を直させろ!」シュルッ

由良「きゃっ」

~~~~~~~~

由良「うう、提督さんが無理矢理触ってきた……」

提督「何でみんな人聞きの悪い言い方するかね」サッサッ

由良「本当のことですよね?」

提督「まあ、間違いではない」

由良「もう……」

提督「本当に嫌なら逃げても良いんだぞ?」

由良「そう言ってくることも聞いてますー」

提督「有名になったもんだ」

由良「半分は悪名だけど、ね」

提督「それは言わないお約束ってもんよ」

由良「……」

提督「~~♪」

由良(それにしても、提督さん、楽しそう)

由良「……提督さん、私の髪、好きなの?」

提督「好きだ」

由良「……!」ドキッ

提督「こうやって髪をいじるのって、好きなんだよ。由良の髪はボリュームあるしな」

由良「……」

提督「ど、どうかしたのか? 本心を言っただけだぞ」

由良「別にー」

―執務室―

提督「何か悪い事でも言ったかな……機嫌が悪い訳じゃなかったけど」

提督「でも、事実触りがいのある髪は大好きだ」

下2

今日はここまでです

―提督私室―

提督「第七回マリカー対決ー」

秋月『すでに六回もやっているんですか』

提督「そのつっこみは前回受けたなぁ」

五月雨『これが噂のマリカー対決ですか……楽しみです』

春雨『みんなで楽しめたらいいですね』

秋月『こんなことしてても良いんでしょうか……』

提督「言っただろ、肩の力を入れ過ぎだって。それを抜く一環ってやつだ」

秋月『提督……』

提督(肩のいれ過ぎとは言った記憶ないけど)

~ダイジェスト~

秋月『あれ、バイクですか』

提督「たまにはな」

五月雨『何時も重量と聞いていたんですけど……』

提督「たまにはな」

春雨『もしかして、手加減してくれてるんですか?』

提督「たまにはと言っているだろうが」


春雨『実はちょっと練習してきたんです。ほら、ここのショートカットもできるんですよ』

五月雨『上手ですね』

秋月『でもそこのショートカットって、あんまり意味が無いと聞きましたよ』

提督「でも難易度は高いんだよな。素直にすごいと思う」

五月雨『あっ、バナナでました』

提督(二位なら次のアイテムまで守りにするのが定石)

五月雨『えっと、えいっ』

春雨『あっ、今前に投げるところ見ました!』

秋月『あ、当たった!?』

提督「まじかよ。でも秋月、お前対空出来てないな……」

秋月『こ、これで避けろは無理ですって!』


提督「せめて最後は一位に……!」

秋月『そういえば、司令の順位が下ですね』

五月雨『本当ですね……とてもお上手だと聞いていたんですが』

提督「……気分を変えるべきじゃなかったんだ」

春雨『それって?』

提督「バイク」

秋月『あっ……』

提督「春雨一位で格差で秋月と五月雨が追従と言ったところか」

五月雨『司令官は……』

提督「触れないでくれ」

春雨『楽しかったです!』

秋月『司令の言っていた事、分かった気がします』

提督「楽しかったならよかった」


―執務室―

提督「マリカーやって何か理解しそうなこと、言ったかな……?」

提督「まあ、楽しかったならよかった。俺はぼろくそに負けたがな」

下2

―トレーニング場―

提督「背筋はスタイルの維持にも役に立つんだぞ」

浜風「そうなんですか?」

浦風「浜風も気にするんじゃな」

浜風「う、浦風だって、準備してるじゃない」

浦風「そりゃあ、まあ」

提督「ところで、他の姉妹は?」

浜風「後で来るって言ってました」

浦風「うーん、なかなかしづらい」

浜風「体が固いんじゃないですか?」

浦風「もうちーと柔軟が必要か……」

~~~~~~~~

提督「背筋はスタイルの(ry」

千代田「千歳お姉はそんなのしなくても大丈夫だもん」

千歳「うーん、でも最近飲みが多い気がするのよねぇ。それに、背筋は確かに重要よ」

提督「そうだそうだ」

千代田「提督が言うと裏があるように見えるんだけど」

千歳「千代田もやってみればいいんじゃない?」

千代田「千歳お姉が言うなら……」

提督「千代田は千歳に言われたら素直だな」

千代田「私は千歳お姉一筋だし。……でも、けっこう難しい……」

千歳(千代だったら、足も上げる方をやってる……)

提督(邪魔になりそうなものを付けてその方法はな……)

~~~~~~~~

提督「背筋は(ry」

高雄「聞いた事はありますね。スタイルもですが、姿勢も綺麗になるとか」

愛宕「提督がためになりそうなことを言うなんて、珍しいわね~」

提督「珍しいとか、その通りではあるんだが。まあちょっとやってみろって」

高雄「トレーニングに来ましたし、やってみますけど……」

愛宕「よいしょ」

提督「……あー、胸が邪魔でうつ伏せがきついかー、こりゃ出来んなー」

高雄「それが言いたかっただけですね」

~~~~~~~~

提督「背筋(ry」

大和「へぇ、そうなんですか」

武蔵「腹筋をした後は何時もやっている。当然だろう」

提督「武蔵なら何となくそう言うと思ってた」

大和「では、やってみましょうか」

武蔵「おい大和」

大和「なに?」

武蔵「PADは外しておいた方が良いぞ」

大和「PADじゃないですって!」

提督(俺が言いたかったことを……武蔵、流石だな)

―執務室―

提督「苦しいって人は道具とか使うといいかも。バランスボールとか」

提督「武蔵は普段やってるだけあって綺麗だった」

下2

―談話室―

提督「誰か居る――って、凄い人数だな」

陽炎「司令? あ、もしかしてうるさかった?」

提督「いや、楽しそうな声が聞こえて、混ぜて貰おうと思って」

不知火「姉妹の語らいを邪魔するんですか?」

黒潮「まあええやん。居て困ることもないやろ」

雪風「しれぇ! 雪風の隣、開いてますよ!」

提督「え……」

初風「……な、なんですか」

提督「……天津風、いいか?」

天津風「いや、素直に雪風の隣に座りなさいよ」

時津風「しれーは変わんないね」

初風「私としては変化してほしいんだけど……」

提督「それで何してんの? トランプ?」

雪風「はい! 雪風、ほとんど一位なんですよ。幸運の女神のキスを感じちゃいますっ」

提督「この人数で一位か……」

浦風「一応くじで三組に分けちょるんじゃけど」

磯風「それをふまえても、負けを見て無いな」

谷風「この連勝記録には谷風さんもびっくりさ」

提督「マジで幸運の女神がキスをしているかもしれないのか……よしよし、そんな雪風には撫でて褒めてやろう」ナデナデ

雪風「えへへ、ありがとうございます」

浜風「……提督は人によって態度が違う気がします」

初風「同感」

不知火「見ててそんな感じはありますね」

提督「おー、なんだ? 嫉妬か?」

不知火「は?」

提督「すいません」

陽炎「でも、他にかまって欲しい子もいると思うの」

時津風「天津風とか?」

提督「お、こんなところにポッキーが。天津風、あーん」

天津風「かまって欲しいわけじゃないわよ! ……あむ」

黒潮「でも食べるんやな」

舞風「秋雲、何かいてるの?」

秋雲「陽炎型に囲まれる提督の図」

舞風「平和よね~」

野分「ええ、そうね」

―執務室―

提督「ただ単にわちゃわちゃしてただけような……」

提督「まあ、あの姉妹は仲良さそうで良かったけど」

下2

―廊下・夜―

霞「はー……流石に夜は冷えるわね」

霞(そもそも、こんな時間まで仕事をしている方がおかしいのよ。艦娘の使い方間違ってないかしら)

清霜「あれ、霞ちゃん?」

霞「清霜、こんな時間に何してるの」

清霜「えへへ、ちょっとトイレにね」

霞「そう」

清霜「霞ちゃんは?」

霞「部屋に戻って寝るところよ。じゃあね、清霜」

清霜「うん。痛っ、うう、こんなところに壁が……」

霞「……心配だからついていくわ」

~~~~~~~~

清霜「こんなところまで着いて来てくれてありがとね」

霞「いいから早く済ませなさい」

清霜「うん」ガチャ

ポトッ

清霜「きゃっ!? な、何か落ちてきた!」

霞「っ!? これは……蛇?」

清霜「へ、蛇!? ぁっ――」フラッ

霞「あっ、ちょっと……こんなこと考えるのは、一人しかいないわね」ガシッ

(……)

霞「……いるんでしょ。出てきなさい、カス司令官。出て来なきゃ……」ガシャン

提督「ちょ、待て待て! なんで艦装をつけてるんだよ!」

霞「あんたが変なことをしていたら、いつでも折檻できるようにね」

提督「折檻!? ちょっとマジ過ぎません!?」

霞「清霜にこんなことして、何もないと思っている訳?」

提督「そもそもあれは秘書官を狙って――」

ドーン

霞「ちっ、外したわね」

提督「ちょちょ、清霜については本当にまぐれだって」

霞「いいたいことはそれだけ?」

提督「……霞だって、落ちてきた瞬間はびくっとしてたくせに」

霞「っっ――!!」

ドガーン

―執務室―

提督「秘書官が動揺して無ければ即死だった」

提督「明石には大規模な修復を夜中からまかせてしまうことになった。悪い事をした」

下2

―暁型の部屋―

提督「作ってワクワク♪作ってワクワク♪」ガチャ

電「……」

提督「ゴロリくん、今日は面白いものを作ろうか」

電「電なのです」

提督「……ゴロリくん?」

響「響だよ。いや、艦名的にはヴェールヌイだけど」

暁「そんな事はいいから、何しにきたの?」

提督「紙飛行機を伝授しに来た」

雷「紙ヒコーキ? そのかっこうと関係あるの?」

提督「ああ。作るのは簡単だけど、奥が深いんだ。だからそれっぽくするため、ワクワクさんの格好で来たんだ」

電「今更古いのです」

提督「うるさい、とにかく紙飛行機だ。とりあえずこれを見てくれ」

暁「? ただの紙ヒコーキじゃない」

雷「そうね……」

提督「投げてみてくれ」

雷「いいの? えいっ」シュッ

暁「! すごい、長く飛んでる。しかも速い!」

響「ハラショー」

提督「雷が投げるのも上手だったみたいだな。しかし、それだけじゃないのがこの紙飛行機だ!」

雷「司令官、教えて貰ってもいいかしら!?」

響「興味深いね」

暁「わ、私も」

電(司令官さんの術中にはまってるのです)

~~~~~~~~

提督「じゃあ、投げてみようか。それー」

雷「えいっ」シュッ
暁「それっ」シュッ
響「ウラー」シュッ

電「……やっ」シュッ

提督「見てみなよゴロリくん、まだまだ飛んでいくよ」

暁「わー、すごーい!」

雷「私のもどんどん飛んでいくわ!」

響「ハラショー」

電「意外と楽しいのです」

提督(超珍しい一言が電の口から!)

―執務室―

提督「最終的に一番飛ばせたのは雷だった。最初投げた時点で上手とは思ったけど」

提督「まあ、今回は大成功だった。ワクワクさんのかっこうした意味は無かったけど」

下2

提督「磯風! 新しいマッサージを試してやろう!」

磯風「いや、遠慮しておこう」

提督「ズコー。そこは素直に受け取る場面だろ!?」

磯風「寧ろなぜ受け取ると思った」

提督「俺のマッサージの噂くらい聞いた事があるだろう」

磯風「いや……?」

提督「えー……まじで?」

磯風「知らないものは知らんな」

提督「……ええい、知っていなくてもいい! とにかく横になれ!」

磯風「強引だな。とはいえ少しは興味もある、素直に従おうか」

提督「いい子だ。では」フミ

磯風「!? 司令、もし謀ったのであれば、それ相応のお返しはするぞ」

提督「待て待て、これは足で相手のツボを押すマッサージでな」

磯風「……」ジトッ

提督「うっ……わ、分かった。もし五分たって全く気持ちよくなかった場合、俺を一日椅子にしても良いぞ」

磯風「……ふん、その言葉、覚えておけ」

提督「その澄ました顔をトロ顔にしてやるわ」

~三分後~

磯風「あぁ……そこだ、そこ」

提督「……」フミフミ

磯風「確かに、噂は誇張ではなかったらしいな」

提督「噂知ってるんじゃん。しかし、何かいまいち効いている気がしない」

磯風「そうか? 十分堪能しているが」

提督「なんつーか、いままでの相手は気持ちよさそうに表情を変えていたのに、磯風はポーカーフェイスというか」フミフミ

磯風「それは司令がその程度の腕という事だな」

提督「ほう?」フミィ

磯風「まあ、このくらいなら確かに自慢にはなるだろうがぁっ……!? し、司令」

提督「んん? 一体なんだね?」ニヤニヤ

磯風「な、何だ今の……急に大きな波が来たぞ……」

提督「ふふふ、今までの踏み方が、本気だと思っていたのか?」フミィ

磯風「うぁっ……! ま、待て、それを何回もやられてしまうと……」

提督「くくく」フミィ

磯風「っっ!!」ビクッ

提督「で、なんだって?」フミィ

磯風「ぅっ……こ、壊れてしまう……っ!」

提督「ははは、俺を侮った罰だと思え!」

ー執務室―

提督「プライドを刺激されたばかりに、やりすぎてしまった」

提督「まあ、挑発してきたのは磯風だし? ちょっとやり返しただけだし?」

提督「……次からはもっとマイルドにしよう」

下2

三日月「司令官、報告書どうぞ」

提督「ありがと。そのまま秘書官に渡しておいて」

三日月「もう、司令官はいつもそうなんですから」

提督「今回は損害も無いし……いや、なら三日月、なぞなぞで勝負しないか」

三日月「これが噂の思い付き……」

提督「まあまあ、そう言うなって。三日月だって、俺が真面目にしていた方が良いだろう?」

三日月「それはまあ、司令官が仕事をしている姿、その……き、ですし」

提督「え、なんだって?」

三日月「な、なんでもないですっ。私がなぞなぞに答えたら、真面目にしてくれるんですか?」

提督「約束してやろう」

三日月「では、いつでもどうぞ」

提督「じゃあ問題。睦月型駆逐艦の中で一番運が無いのは?」

三日月「え?」

提督「制限時間は十分」

三日月「ちょ、ちょっと待ってください。ええと……」

三日月(確か、皆大体同じくらいで、低いで言えば何人もいるよね……その中で低い?)

三日月「……司令官、その、ヒントは?」

提督「えー、正直これ温いんだけど」

三日月「そ、そうなんですか?」

三日月(じゃあやっぱり、考え過ぎない方が良いのかな……)

~十分後~

三日月「うーん……うーん……」

提督「……はい、終了。十分たったぞ」

三日月「えっ、もうですか?」

提督「時計見てみたら分かると思うぞ」

三日月「あ……本当です」

提督「元々報告に来ただけだろ? そろそろ部屋に戻らないと、みんな心配するぞ」

三日月「そうですね。あの……その前に、答えを聞かせてもらっても良いですか?」

提督「……皆で考えたら答えが出るかもよ? まあ、部屋に戻って考えてみろ。せっかくだしたんだし」

三日月「司令官意地悪です……」

提督「ま、そんな難しいものじゃないからさ」

三日月「……分かりました、また今度教えてくださいね」

バタン

提督「……さて、三日月は疑っていたけど、一応本当になぞなぞにはしてるんだよ」

提督「納得のいく答えかは別にしてな」

下2

タ級「みんな~、飴貰ったわー」

ル級「飴? 貰ったって、いったい誰から」

タ級「王子様よ」

ヲ級(英語で書かれてて……あれ、これ何処かで見た事あるような……)

レ級「わー、美味しそうな飴。食べていいの?」

ル級「ま、待て。人間は何と言っていた?」

タ級「ええと、そうね……」

~数十分前~

提督「これをやろう」

タ級「わぁ、王子様これは何?」

提督「百味ビーンズと言って……まあ、飴だ」

タ級「本当にもらっていいの?」

提督「もちろんだ。みんなで分けて食べるといい」

タ級「はい!」

提督(外国版だし、調べるまでやばい味があるとは分かるまい。これで何とか好意が下がるといいのだが)

~~~~~~~~

タ級「――ですって」

ル級「そうか。……毒とか入ってないよな」

レ級「あーん。んー……青リンゴだ!」

ル級「って、おい!」

レ級「えー、美味しいよ?」

タ級「そうなの? ……ん、本当」

ル級(凄く怪しいし、あたしはこのまま様子を見る事にしよう)

ヲ級(……そうだ、これが何か思い出した)

南方棲戦姫「美味しいそうなものを食べているようだな。どれ、この私ももらおう」

タ級「ええ、お好きなのをどうぞ」

ヲ級「確か一番やばいのは……あっ、南方棲戦姫様、それは……」

南方棲戦姫「ん? ……うぐっ! な、何だこの腐ったような味は! こ、こっちは……うげぇ!」大破

ル級「突然大破されたぞ!?」

ヲ級(まさか一番のはずれレベルの物を選ばれるなんて……なんてかわいそうな人)

タ級「あ、こっちはチェリーねー」

レ級「レモン味ー」

―執務室―

提督「……今考えてみたら、反応分かんないから、好意が無くなったか確認できない」

提督「またこっそり様子を見に行くか……何となくだけど、効果なかったような気がするけど」

下2

―廊下―

大井「提督、明日は早朝演習ですから、早めに寝た方が良いと思いますよ」

提督「……大井が心配してくれた!?」

大井「酷い指揮をさらに酷くさせる理由はどこにもないですからね」」

提督「あっ、何時もの大井だな」


―球磨型の部屋―

提督「って言う事があってさー」

球磨「寝なくていいクマ?」

提督「ばっか。大井が微かなデレを見せたんだぞ? 明日は嵐で演習は中止だ」

木曾「大概ひどい反応だが、納得できない訳じゃ無いのがな」

北上「大井っちが提督にねー。嫌っている訳では無いと思うんだけど」

提督「あれは好かれてもいないと思う。これまでもいろいろやっちゃってるしな」

球磨「それで、何でわざわざ球磨達に知らせたクマ?」

木曾「まさか、本気で明日嵐が来るとは思っているわけではないだろう」

提督「そうだ、大井は熱があるかもしれないから、明日の演習は不参加だ。絶対に引き止めるように」

北上「それって、私は参加するから、是が非でもついていきそうって事?」

提督「まあな。それに、大井は意地っ張りだしな」

球磨「関係あるクマ? というか、ちょっと心配しただけで不参加はどうかと思うクマ」

提督「念には念を入れて、だ。さて、明日の事もあるから部屋に戻る。じゃあな」

~次の日~

大井「……それで、三人で監視ですか」

木曾「監視って程のものじゃないけどな。とりあえず寝とけ」

大井「大げさ。それに、北上さんが出るなら私も行かなくては」

多摩「残念だけど、もう代わりの子は選出されてるにゃ」

大井「余計な事を……」

球磨「そもそも、本当に熱があるんだから寝ておくクマ」

大井「うー……」

木曾「そうやって意地張るところも、予想されていたぞ」

大井「……ふん、どんな人も、時折冴えることがあるってだけです」

球磨(確かに棘が少し丸いクマ)

多摩(まさかのデレにゃー)

―執務室―

提督「後から聞いた話だが、大井は本当に熱があったらしい」

提督「わ、分かってた。うん、分かってたぞ、もちろん」

提督「……誰に言い訳しているんだろう」

下2

―庭―

提督「だるまさんがこーろんだ」

足柄「……」

羽黒「……」

那智「……これには何の意味があるのだ?」

提督「あー、那智動いた。今度は那智が鬼な」

那智「我らが姉と秘書官を呼ばれるのはどっちがいい」

提督「死刑宣告だ!」

那智「ならば説明をしてくれ」

提督「特に意味は無い。ただ、何となくしたくなっただけだ」

那智「……」

足柄「やりたくないなら抜けてもいいのよ?」

那智「逆に、なぜそんなにやる気なのだ」

足柄「あら、たまにはこういうのも良いじゃない。それに……」

那智「それに?」

足柄「子どもの遊びをすると、何となく若返った気がするでしょ」

那智「……」

羽黒「そ、それは……」

足柄「じょ、冗談よ。素面の時にその表情は傷つくわ」

提督「とにかく、やるのなら、ちゃんとルールに則って行動しろよ。だーるまさんが……」

妙高「あら、面白そうなことやっていますね」

提督「――」

羽黒「司令官さんが綺麗に固まっています……」

足柄「鬼が止まっちゃダメじゃない」

提督「みょ、妙高、これはそのだな」

那智「……そもそも、何故妙高姉さんを呼んでいなかったのだ?」

足柄「真面目だからじゃない?」

那智(私は不真面目だと思われていたのか……)

妙高「提督、そういう仲間はずれはいけないと思いますよ」

提督「……だって、妙高こういう遊びには付き合わないだろう?」

妙高「妹達がするのなら、私もしますよ」

提督(……よく見たら拗ねてる? なんというか、意外な表情だ)

―執務室―

提督「其の後皆で楽しく遊んだ」

提督「でもだるまさんがころんだは動きが無さすぎて盛り上がりに欠ける気がする」

提督「まあ、盛り上がるようなことしてないから、当然と言えば当然なんだが」

下2

―工廠―

提督「――というわけで、次の作戦のための装備だ。軽い改造といった感じかな」

舞風「改造した艦はでかいぞう……なんてね」

提督「……」

舞風「……いえ、そのー……すみません。そんなに考え込まれると困るんですけど……」

提督「果たして、改造した艦は本当に大きくなっているのか」

舞風「ええと?」

提督「今回のように装備を変えた例でも、ある意味改造と言えるのかもしれない」

舞風「広義的にとらえたら、そうなりますかね」

提督「対空砲を主砲に変えたりすると寸法的に大きくなるかもしれないけど、でかいとは言い難いのではないか」

舞風「真面目に考えると大きくなったとまでは言えませんよね」

提督「さらに、いわゆる改では皆大きくなったところはほとんどない」

舞風「装備を変えたり持てる量を増やしているので、大きくなったと言えばそうかもしれませんよ?」

提督「ところがどっこい、伊勢型などの航空戦艦は飛行甲板を作るために主砲を犠牲にしている」

舞風「純粋な威力は下がってますね~」

提督「これは大きくなったと言えるのか。というより、扶桑は小さくなっている気さえする」

舞風「言われてみれば……」

提督「そもそも艦娘は改造しても大きさは変わらないだろう。装備が無かったら」

舞風「それもそうなんですけどねー」

提督「さて、これらのことを踏まえて、そのギャグは本当に当たっているのか」

舞風「ん~……というより、そろそろ真面目に考えるのやめてくれませんか? その、さすがに恥ずかしくなって来たんですけど……」

提督「えー」

舞風「もぅ、そんな事言うと、夜な夜な提督のベッドの上で踊りますよ?」

提督「なにそれ怖い」

―執務室―

提督「改造したからって大きくなる訳では無い。まあ、コンパクトにする方法もあるだろうし」

提督「というより、ベッドの上で踊るってなんだ。何か地味に迷惑なんだけど」

下2

―睦月型の部屋―

提督「うお、またしくじった。ハイスコア目指すのくせになるな……」

睦月「なにしているんですか、提督?」

提督「メイドインワリオのPYORO2。これが久しぶりにするとハマってな。睦月もやってみるか?」

睦月「いいの? じゃあ、やってみますねー」

提督「……と、そういえばこの書類を秘書官に渡しておかなければ。睦月、しばらくやっていていいからな」

睦月「わかったにゃー」

~~~~~~~~

提督「さて、様子は……」

文月「十回までしかできない~」

菊月「ちょ、ちょっと貸してくれないか?」

長月「なんだ、菊月も気になるのか」

皐月「僕はナインボルトのミニゲームしたいな」

望月「なかなか通だね」

提督「……GCまで出してることに驚きだよ」

睦月「皆で見れるようにしたら、こうなっちゃった」

提督「皆で遊べているならいいんだけど」

卯月「うーちゃん全然できてないぴょん」

弥生「だって、すぐにゲームオーバーするし……」

卯月「げきむず難しすぎぴょん!」

提督「いや、あれをまともにクリアしようとする方がやばいだろ」

弥生(でも、あれのハイスコア100以上あった気が……)

如月「なわとびの曲、けっこう好きだわー」

睦月「ゲームしてたら、聞いている余裕あまりないけどね」

三日月「カミヒコーキも結構楽しいですね」

菊月「むぅ……とことんボスもなかなかきついな……」

長月「野球が高難易度だな」

望月「……司令官、これしばらく続きそうだよ」

提督「あー……しばらく貸す」

―執務室―

提督「ゲーマーを増やしている気がする。果たして良い事なのか」

提督「……まあ、やりすぎないならいいだろう。俺と違って自制は聞くだろうし」

下2

―大浴場―

提督「~~♪」

提督(広いお風呂は良いなぁ。秘書官に頼んだかいが有ったってもんだ)

提督「一つ不安なのは、えてしてこういう状況に人が乱入してくるって事だけど……そんなことあるわけないか、ははは」

ガラッ

秋月「ふぅ、こんな時間になってしま……い……」

提督「……」

秋月「……」

提督「……」

秋月「……な、な、なんで司令がここに?」

提督「たまには広い風呂も使ってみたくなった。だから、秘書官に許可を貰って入っているんだ」

秋月「そ、そうなんですか? それなら、何かお伝えしてくれてもよかったのでは……」

提督「朝からずっと掲示板で知らせていたんだがな。青葉にも伝えていたし。浴場の扉にも張り紙をしていたはず」

秋月「そういえば、何か紙が落ちていたような気がします……」

提督「剥がれたか……すまないな、秋月が入るというのなら、俺は早く上がろう」

秋月「い、いえ、元々は私の確認不足でしたから、司令に手を煩わせるわけには!」

提督「なら、一緒に入るか? それならお互い遠慮しなくていいだろう」

秋月「……っ!?」

提督「いや、嫌ならいいんだ。変なことを言って悪かったな」

秋月「いえ……それで司令が、気にされないというのなら、それでも……です」

提督「そうか」

秋月「で、では、失礼しますね」

提督「ああ」

秋月「……司令、おちついていますね」

提督「風呂は、身と共に心を清めることが出来る。今は、その心に流されているだけだ」

秋月「そう、なんですか?」

提督「秋月だって、じきに湯の暖かさに身を委ねることになる。そうすれば、分かるだろう」

秋月(よく分からないけど……分かる気も、します)

提督「……」

秋月(こうしていると、確かに暖かさを感じられる気がする……だから、私も……)

―執務室―

提督「くっっっそ驚いた。驚きのあまり、何言っていたか覚えてない。そもそも頭真っ白で何したかすら覚えてない」

提督「気が付けば秋月居なかったし、なんてことも無く終わったんだろう。無意識の自分を信じる」

下2

―海岸―

吹雪「司令官、潮干狩りですよ!」

提督「沢山取れたら今日の夕ご飯に貝が出て来るぞ」

深雪「マジか? よーし、こりゃ頑張るっきゃないね」ダッ

白雪「あっ、熊手忘れてるよっ」ダッ

初雪「疲れるし……パス……」

提督「そう言うと思っていたから、そこにシートを敷いておいた。磯波、悪いけど初雪を見ておいてくれるか」

磯波「は、はい」

叢雲「……ちょっと、なんでいきなり潮干狩りに来ているわけ」

提督「叢雲、そう言う事は吹雪の次に言え。タイミング悪い」

叢雲「なんでこっちが注意されなきゃならないのかしらね」

提督「とりあえず、俺が突然なのは何時もの事だ。叢雲も嫌なら初雪とゆっくりしててもいいんだぞ」

叢雲「ここまで来てそんな事は言わないわよ」

吹雪「じゃあ、早速行ってみましょうか。時間は限られてますからね」

提督「そうだな。ちなみに、貝は息継ぎ用に小さな穴が開いているところに居るという。さらに、密集していることも多いから、見つけた場所から少しずつ移動する方がいいんだ」

叢雲「なにその調べてきましたみたいな情報」

吹雪「実際に調べたんじゃないかな」

深雪「司令官、貝が見つかんないんだけど! もっと為になる情報教えて」

提督「ええい! 調べて来て悪いか! 深雪にはスマホを貸してやるからそれで調べろ!」

白雪(親切心なのかとばっちりなのか、どっちの対応のなんでしょうか?)

~~~~~~~

提督「そろそろ潮が満ちて来たか……そろそろ撤退するか。おーい」

初雪「ん……なに……?」

提督「シーツ沈んでるから適当に引っ張り上げて来いよ。むしろ、なぜ海水につかりながらゆっくりしてんだ」

初雪「まあ、これくらいなら溺れないし……」

提督「それで、磯波は……」

磯波「見てください提督、沢山取れましたよ」

提督「本当だ。深雪の五倍くらい取れてるな。初雪の面倒見ながらよくこんなに取れたな」

深雪「うっ……」

白雪(具体的な量を言わないのは優しさなんでしょうか……)

提督「さて、吹雪と叢雲は……」

吹雪「司令官、見てくださ――」
叢雲「見なさい! バケツ一つじゃ全然足りなかったわよ!」

提督「……叢雲、凄く楽しんだみたいだな」

叢雲「っっ!!」

―執務室―

提督「乗り気じゃない奴が一番楽しんでいるって、よくある風景だと思う」

提督「ちなみに、潮干狩りの時期になったばかりだからなのか人は少なかった。そっちの方が都合は良いけど」

下2

―食堂―

曙「今日のごはんはカレーね」

潮「あっ、部屋に忘れ物してきちゃった……」

漣「じゃあ一緒に戻ろ。漣もちょっと忘れ物」

朧「そう言えば飲み物忘れてた。取ってくるね」

曙「……慌ただしいわね」

提督「それが俺にとって功を制したのだ。一人になる時を待っていたぞ」

曙「また悪巧み? いい加減にしなさいよ、クソ提督!」

提督「はい用事終わったー。確認終了ー」

曙「はぁ?」

提督「悔しいから、どうでも良い事を曙に伝えておこう」

曙「聞きたくないわよ」

提督「本気でそう思うか?」

曙「ええ」

提督「……食事中にクソっていうのはやめなさい! 特にカレーの時に!」

曙「やっぱりどうでもいいことじゃない!」

提督「曙、気付かないのか?」

曙「何が」

提督「クソとカレーって似てるよな」

曙「……」

提督「あれ、もしかして気付いてなかっ――」

ゴッ

~~~~~~~

朧「提督がお腹を押さえて出て行くところを見たんだけど」

曙「自業自得よ!」

漣「あー、今回はご主人様がなにかやったみたい」

曙「今回はって何よ!」

潮「カレー残しているのはいいの……?」

曙「全部クソ提督のせいよ!」

朧「悪いけど、カレー食べる時にその発言はちょっと」

曙「悪かったわね!」

漣(こりゃ相当御立腹なようで)

潮(何されたんだろう……)

―執務室―

提督「まさか物理だとは思いもしなかった。油断してた」

提督「ちなみに、カレー食べてる時の下ネタはたちが悪いので、基本的にはしないから」

下2

~ホワイトデー~

提督「というわけなので仕返し、もといお返しをしてやる」

ヲ級「……何故私にそれを伝えたんですか」

提督「そりゃ、お前を通してこれを渡してもらうためさ」

ヲ級「これは?」

提督「激辛ハバネロソースをキャンディーでコーティングした」

ヲ級「えぇ……」

提督「手紙で呼び出して期待させておいて砲撃をプレゼントされたし、これくらい当然」

ヲ級(かなり根に持ってる。いや、むしろ寛容な処置?)

ヲ級「とりあえず、そういう者は自分で渡してください。巻き込まれるの嫌なので」

提督「ストレートに本音出したな」

ヲ級「そりゃあ……」
南方棲戦姫「何をしている?」

ヲ級「南方棲戦姫様!?」

提督「ちょうどいいところに来たな! 食らえ!」シュッ

南方棲戦姫「ん? あむっ!?」

ヲ級「あっ」

提督「ちなみに激辛ペヤングの辛さを参考にしてみた」

南方棲戦姫「~~~~!!??」ジタバタ

提督「普段辛い物を食べない人にとっては悪夢の様だろう」

南方棲戦姫「っっ」ビクビク

提督「って……」

南方棲戦姫「」

提督「……やべ、やりすぎた」

ヲ級「そもそも、十粒くらい投げませんでした」

提督「一粒だと避けられるかなと思って」

ヲ級(口に投げるのは成功する自信あったの……)

提督「まあ、仕返しは終わったから、介抱しておいてくれ」

ヲ級「はぁ……」

南方棲戦姫「――ま、まて……貴様、このままで逃げれると……思うなよ」

提督「もう正気に戻ったか! さらば!」

南方棲戦姫「くっ……いつか必ず沈めてやる!! うっ……いたい……」

ヲ級(そりゃ、辛そうなものを食べた後に叫ぶからですね)

―執務室―

提督「今日も生き延びることが出来た」

提督「というか、予想以上の凶器だった。このキャンディーは封印しておこう」

下2

―夕雲型の部屋―

提督「おや、それはまわるメイドインワリオではないか」

清霜「知ってるの?」

提督「持ってるしな。これにはいろいろネタもあるし」

清霜「ネタ?」

提督「このミニゲームとか一回転したら宙に跳んでいくし、色々重力があれなミニゲームもある」

清霜「へー」

提督「まあ、好きなのはネコロイドとかのおまけだったりするんだけど」

清霜「あれいいわね!」

ガチャ

夕雲「あら、珍しいですね、提督がいらっしゃるのは」

清霜「あ、みんな帰ってきた」

提督「夕雲か。いや、けっこう来ている方だぞ」

夕雲「そうですか。それで、何のご用事で?」

提督「遊びに来たんだ。ちょうど清霜がゲームしてたから、それで遊ぼうかと」

清霜「まわるメイドインワリオよ!」

夕雲「そういえば、最近よくやっていたわね」

巻雲「巻雲もやってもいいですか?」

提督「清霜に聞いてからな」

清霜「司令官はしないの?」

提督「いやー、俺がすると暫く終わんないからさ」

長波(誇張表現じゃなさそうなのが提督なんだよなぁ)

巻雲「ええと、どうすればいいんですかぁ、司令官様?」

提督「カットは回すことはほとんどないから、巻雲でも簡単にできると思うぞ」

巻雲「分かりましたぁ」

―執務室―

提督「無駄に回転させるの好きだな。落としたり、超変化球つけたり」

提督「でもやっぱりPYOROとかの方がやってるな」

下2

―夕雲型の部屋―

提督「朝霜ー!」ガチャ

朝霜「司令か。悪いけど、今はあたいだけだ」

提督「おいおい、名前呼んだだろ。俺は朝霜に会いに来たんだ」

朝霜「ゲームしに来たときに会ったろ」

提督「会話は交していないだろ。そもそも朝潮と会話自体あまりしていないし」

朝霜「ん、まあそうだな」

提督「だから可愛がってやるZE☆」

朝霜(たまに奇行をするって噂は本当なんだな)

提督「それで何されたい? あ、ガリガリくんあるぞ。十本くらい」

朝霜「何でそんなに持ってるんだよ!」

提督「あ、ダッツの方が良い?」

朝霜「そう言う問題じゃないだろ!」

提督「しょうがないな。出血大サービスで五円チョコをあげよう」

朝霜「すごい安くなったなぁ!」

提督「頭撫でていいか?」

朝霜「唐突だな!」

提督「……まあ、愛でるんならやっぱこれかな」ナデナデ

朝霜「っ! い、いきなり撫でて来るな」

提督「嫌だったか?」

朝潮「はぁ……本当に噂は真実しか語られてなかったんだな」

提督「なんだ、嘘だと思っていたのか」

朝霜「本気でこんなことするために部下の部屋にお邪魔するとは、普通は思わないさー」

提督「こんなこととはなんだ。仲を深めることは大切なことだぞ」

朝霜「なら、清霜とかと深めてやれよ」

提督「俺は平等にみんなと会話したいんだ」

朝霜「陽炎型の誰かが逃げられたとか聞いたような気がするんだが」

提督「用事思い出したから戻るな!」ダッ

朝霜「逃げた……つーか、アイス置いていくなよ……」

―執務室―

提督「人数的に平等は無理があると思うんだ」

提督「……そして、応対は気分によって変わっても良い筈」

下2

提督「那珂ちゃん解体!」

那珂「」

提督「もとい、解体ショーを見に行くぞ」

那珂「解体ってところは変わらないんだ!?」

提督「解体するところ見たいしな」

那珂「そ、それって……」

提督「大丈夫、那珂ちゃんだって楽しめると思うぞ」

那珂(て、提督ってこんなバイオレンスだったっけ? もしかして、そのあと那珂ちゃんも……)

提督「プロの解体なんてめったに見れないんだ。行くぞ!」ガシッ

那珂「ま、待って! 那珂ちゃんは――」

―デパート―

「――以上で、終了です」

提督「おおおお! すげー!」

那珂「……」

提督「見てたか那珂ちゃん! あの綺麗な捌き方! さすがプロは違うなぁ」

那珂「……」

提督「間宮も出来ないかな。いや、流石に管轄外か」

那珂「……」

提督「どうした那珂ちゃん。あ、もしかして凄すぎて声も出ないとか」

那珂「……」

提督「その気持ちわかるぞ。あんな事、一朝一夕じゃ覚えられないしな」

那珂「違うよ!」

提督「え?」

那珂「艦娘の解体かと思ってびくびくしてたんだよ!?」

提督「艦娘の? ははは、面白い事言うな」

那珂「今思えば那珂ちゃん自身も変だって思ってるけど!」

提督「そう言うドジッ子みたいな考え方、アイドルみたいだな」

那珂「え、本当? って、そう言う事が言いたいんじゃないのー!」

提督「そうだ、あのマグロ買って帰ろうか。新鮮だし、つまみにして食べよう」

那珂「やったぁ!」

提督(いやはや、那珂ちゃんらしい転換の速さだ)

―執務室―

提督「職人芸は素晴らしいものだ。文化の一つと言っても良い」

提督「そして那珂ちゃんのアイドル芸も鎮守府の分化と言っても過言ではない」

下2

―談話室―

提督「よし、皆揃ってるな」

綾波「いったい何の御用件ですか、司令官」

曙「つまんない用事だったらぶっとばすわよ」

提督「ここにスマブラと島風が居る。8人対戦をしてみようと思う」

敷波「ふたを開けてみれば予想通りの内容ね」

漣「こういう時のご主人様の用事って、いつもこんなだしねー」

提督「普通に予想されてる。まあ、嫌じゃないなら付けるぞ」

潮「その、放っておいても……?」

提督「ぼのちゃんはツンデレだから最終的には参加してくれるよ」

曙「ぼのちゃん言うな!!」

朧(ツンデレは良いんだ……)

~ダイジェスト~

島風「早いキャラって誰?」

提督「この青いハリネズミ。俺は王子でも使おうかな」

綾波「リスペクトして、性能の違うキャラにしますね」

敷波「だれでもいいんだけど、ピンクの悪魔にしようかな」

朧「やっぱり8人だとパワーかな。魔王辺りにしておきます」

漣「いやいや、それはおじさんでしょ。漣は猿にしよっと」

潮「私はお姫様にします」

曙「……ふん、村人にするわ」

提督(ずっと本名言わなかったのに……)


島風「皆おっそーい!」<オソスギダゼ

朧「完全に煽り使用してる。って、そこ反転魔人拳が」<ハァァ!

島風「あっ」<ウワァ!

提督「やられるのも早かったな」

漣「クソ猿とは呼ばれているけど、乱闘では結構普通よねー」<キー

敷波「そう言いながら倒すの止めて」

提督「下投げ空上は乱闘でもやばいな」

曙「でも着地地点の木でぶっ飛びなさい!」<ジャァァ

潮「そこです!」<シャァァ
綾波「そこっ!」<カキィン

曙「Wカウンター!? って、一瞬でバースト……」

漣「おのれキノコと絶壁、二人揃って倒しに来るとは……」


提督「食らえ、シールドブレイカー!」<ハァァ!

曙「あ! 割れた!」<パリィン

提督「……」<ミンナミテイテクレ

曙「何アピールしてんのよ! って、皆乱闘を止めるのやめなさい!」 

―執務室―

提督「えー、とりあえず……カオスだった。一戦が濃すぎるって」

提督「一位はカウンターぶっぱしてた綾波だったけど、8人対戦は順位とかどうでも良いわ。過程が楽しい」

下2

―???―

提督「タ級、これをプレゼントしよう」

タ級「王子様からのプレゼント? 嬉しい!」

提督「はっはっは、気になったならすぐに開けてもいいんだぞ」ススッ

タ級「? どうして離れるの?」

提督「気にしなくても良いんだぞ、うん」

提督(今度こそ好意が消え去るはず。だが、確認するまで安心は出来んな)

タ級「では、早速……んー、なかなか開かないわ……」

提督「……」

タ級「んぅ、かたぁい……でも、王子様のだし……頑張らないと……」

提督「……ええい、かせっ!」バッ

タ級「?」

提督「いいか、少しだけ開けてやる。きっかけさえつかめれば、後は開けれるだろう」

タ級「王子様……ありがとう」ニッコリ

提督(くっ、この曇りなき笑顔を歪ませるのか……いや、それよりも、この爆弾をどのタイミングで手渡すかだ)

タ級「……」

提督(臭いすらかぎたくないし、ほんの少しの亀裂が入った時点で渡すか)

タ級「……あれ、南方棲戦姫様?」
南方棲戦姫「此処に居ると聞いてやってきたぞ! 今度こそ沈める!」

提督「げっ、タ級、パス!」ポイッ

タ級「えっ、あ、きゃっ」ドンッ
南方棲戦姫「邪魔だ!」パァン

提督「素手で缶をぶっ壊した!? まずい、退避!」ザバッ

南方棲戦姫「逃げるの――うっ」

タ級「と、突然押さないでください、南方棲戦姫様……あれ、南方棲戦姫様?」

南方棲戦姫「」プカー

タ級「きゃぁああああああ!!? な、何が起こって……はっ、まさか……」

タ級(南方棲戦姫様が王子様のプレゼントを破壊してからこうなった……つまり)

タ級「これが、人間達の言う、人の恋路を邪魔する者は何とやらってやつね!」

ル級「いや、違うと思うぞ……うっ、臭っ」←ずっとみてた

―執務室―

提督「今回攻撃するつもりは無かったんだがな……」

提督「だいぶ飛ばされてたし、失敗しただろうな。あいつにはダイレクトで当たって大ダメージだったろうが」

下2

―???―

提督「レ級遊ぼうぜー」

レ級「うん!」

ヲ級(何故普通に遊びにこれるのか……あれ本当に人間ですよね)

提督「ヲ級もいるのか。なら、一緒にするか」

ヲ級「えっ」

レ級「ヲ級も参加するの? やった!」

提督「じゃあ俺がこっち持つから、レ級はそっち持って」

レ級「はーい」

ヲ級「ちょ、ちょっと、私はするとは一言も……」

提督「飛べ」

ヲ級「はい」

ヲ級(って、いやいや、少しこの人間が怖いと言っても、素直にうなずくのはおかしい!)

レ級「飛んで?」

ヲ級「はい」

ヲ級(レ級に言われたらしょうがないですよね)

提督「ほれ、何時でも入ってこい」ヒュンヒュン

レ級「高さはだいじょうぶ?」

ヲ級「え、ええ……い、行きます!」

提督「……」ヒュンヒュン

ヲ級「いたっ!」ベシッ

レ級「だ、だいじょうぶ?」

ヲ級「は、はい……」

提督「どんくさいなぁ……まあ、陸の遊びだし、普段海の中に居るお前じゃ難しいかもな」

ヲ級(……この発言、もしかして……私達に仕返しをする為にこの遊びを?)

レ級「ねえねえ、今度はわたしがやってもいい?」

提督「おういいぞ」

レ級「えっと、こうして……」

提督「なわを回すときは手首で回す感じにするんだぞ」

レ級「うん!」

ヲ級(レ級には優しい……仕返しじゃなくて、もしかして……)

レ級「わー、楽しいね!」ヒュンヒュン

提督「レ級は上手だなぁ。ヲ級は無理だろうけど……まあ、あれをなくせばいけるかな」

ヲ級(なくすって、反抗心を!? これが、流れてきた本で見た調教という奴では……!)

提督(頭についているの絶対邪魔だよなぁ)

―執務室―

提督「最近気軽に遊びに行っている気がする……いや、一人除いてうちの鎮守府より好感触だしさ」

提督「だからこそ、好感度を落としそうな事をしているんだけど。海に居る奴に陸の遊びを教えたりとか」

提督「……出来ないと思ったんだよなぁ」

下2

青葉「お呼びですか司令官」ガチャ

提督「ああ、よく来てくれた」

青葉「いったい何のご用件ですか? 最近は司令官の記事も書いてないと思うんですけど」

提督「記事とはちょっと関係無いんだけどな」

青葉「はあ……」

提督「なんで青葉は写真を撮るんだ?」

青葉「……どういうことですか?」

提督「記者なら写真とか別になくても良いだろ?」

青葉「甘いですよ司令官!」

提督「お、おう」

青葉「メディアは常に進化しているんです! 新聞だって文字ばかりの時代は終わったんです!」

提督「いやでも、青葉が配るのは鎮守府内だけだし」

青葉「ちっちっち、司令官は写真が有る新聞と無い新聞、どっちが見たいですか?」

提督「そりゃ、あった方が良いけど」

青葉「ほら!」

提督「でもさ、青葉」

青葉「なんですか?」

提督「青葉が撮った写真って、盗撮が大半だろ」

青葉「……」

提督「被写体に許可得ないと、肖像権の侵害だと思うんだが」

青葉「……司令官、うちの鎮守府は、もうみんな家族みたいなもんですよね」

提督「え、まあ、否定はしたくないな」

青葉「家族なら許されるんです!」

提督「許されねーよ」

青葉「仮に駄目でも、司令官の言葉一つで青葉は止める事なんて出来ませんから!」

提督「……まあ、青葉がどうしようと勝手だけどな」

青葉「あれ、諦めるんですか?」

提督「諦めるっていうか……秘書官が、お前の盗撮の証拠を掴んだらしいぞ」

青葉「え」

提督「盗撮でもプライベート関係無かったら怒られなかったんだけど。あーあ、残念だな」

青葉「」

~~~~~~~~

提督「その後、こってり絞られたがまるで反省してない青葉が居たという」

提督「まあ、個人的には盗撮とかどうでも良いんだけど。撮られて困る事は基本的にしてないしな!」

下2

提督「バトルドームしよーぜ!」

曙「はぁ?」

提督「なんだ曙、知らないのか? ツク……オリジナルの相手のゴールにシュゥゥゥゥゥ!! 出来るゲームだ」

曙「クソ提督も覚えてないんじゃない!」

朧「ツッコミが少しずれてない?」

漣「[たぬき]バトルドームも出たぁ(裏声)」

潮「えっ?」

提督「まあ、せっかく買ったんだし、試しにプレイしてみようじゃないか」

曙「まあ、いいけど」

漣「あら、あっさり」

朧「……もしかして、これ四人用だから?」

提督「あ」

~~~~~~~~

提督「……」

潮「あっ、またボールが飛んでいった……」カチャカチャ

曙「これで五つ目……って、また飛んで行ったわね」カチャカチャ

朧「というか、手がつってきた……」カチャカチャ

漣「球はぶっ飛んで、手にダメージを与えて来るねー。超☆エキサイティングはできるけど」カチャカチャ

提督「……」

潮「思ったより忙しいゲームだね」カチャカチャ

曙「カチカチするだけだけど」カチャカチャ

朧「まあ短い時間で出来るし、子供でも分かりやすいゲームなのはいいんじゃない?」

漣「相手のゴールにボールをシュゥゥゥゥゥ! するだけだしね。ってあれ、ご主人様は?」

―執務室―

提督「いいもんいいもん。俺には[たぬき]バトルドームがあるし」カチカチ

霞(なんで一人で遊んでいるのかしら)

響(さあ、何か辛いことあったんじゃない)

潮(いえその、さっきちょっと……)

霞「って、響と潮?」

響「まあ気分転換に。ところであれは?」

潮「ええと、実は――」


潮「――ということがあって……」

霞「はあ、単に拗ねてるだけなのね」

響「珍しい事もあるものだね。無理矢理でも参加しそうなのに」

潮「それは……」

霞「ま、たまには付き合ってあげようかしら。二人はどうする?」

響「私もやってみるよ。このメンバーで何かすることも滅多にないしね」

潮「も、もともとは私達が無視しちゃってたので、もちろん一緒にやらせてもらいます!」

~~~~~~~~

提督「[たぬき]は別ゲーだな。霞とか響はそれなりに楽しんでたみたいだけど、潮はちょっとついていけてなかった」

提督「というか、意外な優しさにほろりきそう。今度お礼にアイスあげよう」

下2

提督「この服を――」
168「また?」

58「てーとくはこの服を本気で気に入っているでちか」

168「変な趣味してるわね」

提督「言い切る前にその判断は酷くないか」

呂500「そうだよでっち。ちゃんと話は聞かなきゃ」

58「なんでゴーヤだけ? あとでっちはやめるでち」

提督「まあ、サイズは合ってるから、いるならとっていいからなー」

まるゆ「ど、どうしてまるゆ達のサイズを……?」

8「この水着を用意したのも提督だったよね」

まるゆ「あっ、そ、そうでした! すみません……」

401「それで提督、どうしてこの服を?」

提督「セールしてたから」

8「……」

168「はぁ……無駄遣いね」

提督「何か反応冷たくない? イクは……って」

19「これけっこう暖かいの」

提督「いつの間にか着替えてる」

19「はっちゃんも着てみるの! 暖かいよ」

8「う、うん」

提督「この二人は乗り気なんだけどな」

まるゆ「まるゆは隊長からのプレゼントというだけで、うれしいですよ?」

401「しおいもだよ。でも、イムヤとゴーヤは本当にうれしくないの?」

168「別に、全く嬉しく無い訳じゃ無いけど……」

58「ゴーヤは物よりお休みが欲しいでち」

提督「……ははぁん、もしかして胸が小さいからって遠慮してんのか――」

ドゴッ

168「だ、誰が気にしてるって!?」
58「違うよ!」

500「あっ、これが図星ってやつだね」

8(ゴーヤは潜水艦の中じゃ気にするほどでもないような……提督に攻撃できるチャンスを逃さなかっただけだったりして)

~~~~~~~~~

提督「で、なんだかんだ全員貰って行くやつら」

提督「プレゼントするには時期的に微妙な気はしたけどねぇ。セールならしょうがない」

下2

―陽炎型の部屋三号室―

提督「磯風もたまにはイメチェンとかどうだ」

磯風「イメチェンだと? また変なことを言うな」

提督「いやほら、代わり映えしない毎日に彩りを与えるのも一興だろ」

磯風「余計なお世話だが」

提督「まあまあ、そういわずに」

磯風「……こうなった司令はしつこいからな……しょうがない、少し付き合うとしよう」

提督「よし、よく決断をした。では早速」

磯風「待て、なぜ髪を――」

~数分後~

磯風「……なんだこれは」

提督「ツインテールというやつだ。うん、似合っている」

磯風「似合っている、などと言われてもな……」

谷風「へー、かわいいじゃないの」

浦風「そうじゃな。よく似合っちょるよ」

磯風「!? い、いつからそこで見ていた!」

野分「髪を結び始めたところだったか……だいたいそのくらいだ」

浜風「気づいていなかったの? 普通に入ってきたのだけど」

磯風「そ、そうだったか」

提督「周りを気にしないくらいには浮かれてたってことか」

磯風「ち、違う。そもそも、こんな髪型程度気にしてすらいない」

提督「じゃあ、陽炎リスペクトしてみたってメールしておくか」

磯風「やめろ!」

提督「気にしてすらいないんじゃないの? ん?」

磯風「ぐっ……」

野分「嫌なら早くほどけばいいんじゃないか?」

浦風「なんだかんだで気に入っているんじゃろう」

浜風「気にしていると思われるのは嫌なのでは」

谷風「どっちにしろ意地っ張りってやつだね」

―執務室―

提督「ツインテもなかなかかわいかった」

提督「磯風のツインは陽炎みたいなツインテールとまた違った良さがあるように感じた」

↓2

―???―

提督「ヲ級、俺のモノになれ」

ヲ級「はい」

提督「」

ヲ級「あっ、い、いえ! 私は仲間を裏切ることは出来ませんから」

提督(なんで即答したんだ……)

ヲ級「そ、それに突然何を言っているんですか。私の返答なんて分かり切っているはずですよね」

提督「いや、もしかしたらって言う事があるかもしれないだろ」

ヲ級「ありません」

提督(さっき即答したくせに)

ヲ級「それに、私を仲間にしたところで何にもならないはずです」

提督「どうにもっていうか、まあ、人間界との橋渡し的な」

ヲ級「……本気で言っているんですか」

提督「実は奴隷のように酷使してやろうかと思ってた」

ヲ級「最悪の理由ですね!」

提督「そして大本営に売ってやろうかと」

ヲ級「本当に最悪!」

提督「どうだ、俺のモノになる気は無いか」

ヲ級「それだけ聞いてなる人は絶対に居ません」

提督(……よし、これだけ言えば嫌悪感くらい示すはず)

ヲ級「人間の考えてる事って本当に解りません……」

提督(俺様系は嫌われる要因の一つとも聞いたし)

ヲ級「まったく……」

提督「……」

ヲ級「……裏切るわけには、行きませんから」

提督(……なんか反応が悪くない)

ヲ級「と、とにかく、人間に素直に従う事だけは絶対にありませんからね!」

提督(何で言い訳するように言っているんだ……)

提督(……よし、これだけ言えば嫌悪感くらい示すはず)

ヲ級「人間の考えてる事って本当に解りません……」

提督(俺様系は嫌われる要因の一つとも聞いたし)

ヲ級「まったく……」

提督「……」

ヲ級「……裏切るわけには、行きませんから」

提督(……なんか反応が悪くない)

ヲ級「と、とにかく、人間に素直に従う事だけは絶対にありませんからね!」

提督(何で言い訳するように言っているんだ……)

―執務室―

提督「深海って、本当によく分かんない」

提督「どうすりゃいいんだろうなぁ……」

下2

提督「遊びに来たよ、満潮ちゃん!(裏声)」

満潮「は?」

提督「どうしたの満潮ちゃん、精神病の人を見るような目をして?(裏声)」

満潮「……たまに本気で、なんでこの艦隊に配属されたのか分からなくなるわ」

提督「あはは、満潮ちゃんは面白い事言うね(裏声)」

満潮「そろそろ切れて良いかしら」

提督「今日の満潮ちゃん、こわぁい(裏声)」

満潮「……」ブチッ

朝潮「ま、待って、落ち着いて……っ」ギュッ

満潮「離して! このゴミを焼却炉に投げ捨てなきゃ気が済まないわ!」

提督「今日は二人だけなの?(裏声)」

朝潮「す、少し出ているだけですからすぐに戻ってくると思いますよ?」

提督「そうなんだぁ。(裏声) ちょっと来るタイミング間違えたかなぁ?(裏声)」

朝潮「あの、それをできれば止めてもらいたいんですけど……でないと、満潮が今にも飛び込んでいきそうなんです」

提督「そうかにゃー?(裏声) 睦月のモノマネ、上手だと思うんだけどな(裏声)」

満潮「朝潮、現実を見なさい。あれは撃っても良い的よ」

朝潮「お、落ち着いてったら」

提督「睦月のことが気になるのかにゃ~?(裏声)」

満潮「爆散させる」ガシャン

朝潮「ちょ、ちょっと! それは駄目!」

霞「そうよ。ここで砲撃したら部屋が四散するわ」

朝潮「丁度良い所に……! 止めるの手伝って!」

霞「どうせ騒動も終わるわ」

提督「どういう――」

睦月「……」

提督「……睦月さん、いったいいつから」

睦月「司令官は、睦月の事、そんな風に思ってたんだね」

提督「え、いや、これはあくまで冗談であって……」

睦月「……!」ダッ

提督「うわっ! す、すまん!」ダッ

満潮「……睦月は霞が連れてきたの?」

霞「たまたまよ」

―執務室―

提督「流石に本気で泣かれるとは思わなかった」

提督「ああいうのは冗談が通用するからできるのであって、本気と受け取られるのはちょっとまずい」

下2

朝潮「あのモノマネは何だったんですか?」

提督「……た、たまにはイメチェンしないか?」

朝潮「は、はい? イメチェンですか……」

提督「ああ。評判良いんだぞ」

提督(本人以外は)

朝潮「でしたら……その……ちょっとお願いしようかな……」

提督「よし。ならそこに座ってくれ。軽くまとめてみよう」

朝潮「は、はい」

~数分後~

朝潮「わぁ……」

提督「ポニテもとても似合ってるぞ」

朝潮「司令官、すごいですね」

提督「なあに、このくらい朝飯前だ」

朝潮「手馴れているようですし、もっと多くの誰かにも?」

提督「いや、ちょっと前に磯風の髪型をいじったのが久しぶりだ」

朝潮「そうなんですか? もっとしているのかと」

提督「そもそも、髪をいじらしてくれる子はそんなにいないだろ」

朝潮「そうですか?」

提督「朝潮型だったら……満潮とか霞とか触らせてくれないだろ」

朝潮「あの二人は、そうですけどね」

提督「それより朝潮、その髪型、皆に見せてきたらどうだ」

朝潮「は、恥ずかしいですよ」

提督「いや、こうして部屋に閉じこもっているのはもったいない。そうだ、青葉に撮ってもらおう」

朝潮「え、司令官?」

提督「そして次の新聞に載せて全面レビューだ。よし、善は急げだ!」ダッ

朝潮「ま、待ってください!」ダッ

提督「心配はいらんぞ、全て俺に任せておけ!」

朝潮「いいですって! 遠慮とかじゃありませんから!」ギュッ


山雲「楽しそうね~」

朝雲「絶対に混ざりたくないけど」

―執務室―

提督「本人の意向により、個人撮影だけで抑える事にした」

提督「磯風もだけど、ああいうイメチェンは周りに見せてこそだと思うんだけどなぁ」

下2

今日もこれだけ

提督「清霜、戦艦成り切りセットみたいなものを作ったぞ!」

清霜「えっ、本当?」

提督「これを着れば、普段は付けられない兵装をつけられ、さらに装甲も飛躍的にアップ!」

清霜「疑似戦艦って事?」

提督「そうともいう。そして、これが開発の末に作り上げた服だ!」

清霜「これは……」

提督「金剛型の服をちょちょいと改造してみた。これで気分だけでも戦艦だ!」

清霜「……」

提督「……もしかして気に入らなかったか?」

清霜「大和さんの方が良かった」

提督「わがままだな」

清霜「でもありがとうございます! しれーかんの気持ちは伝わったから」

提督「そう言ってもらえると嬉しくはある」

清霜「でもこの服何処から取って来たの?」

提督「取って来たとはなんだ。ちゃんと工廠の妖精さんに頼んで作ってもらったんだぞ」

清霜「貰ったのを改造したわけじゃなの」

提督「さすがに、人の着ている服を貰うのは危ないってことは知ってるぞ?」

清霜「そっか。じゃあ、さっそく着てみるわ」

清霜(……あれ、部下の服を勝手に作るのも危なくない?)

~~~~~~~~

清霜「着てみましたー」

提督「……サイズ大きすぎた」

清霜「リサイズしてないのは気づかなかったからなの?」

提督「……ま、まあ、巻雲だって袖余ってるしな」

清霜「姉さんじゃないんだから」

提督「で、でも、戦艦の武装は持てるだろう!」

清霜「確かに持てるけど……使えない」

提督「だから言っただろ、気分だけだって」

清霜「そう言われると言い返せないけど……ちょっとがっかり」

―執務室―

提督「ぶっちゃけただのコスプレだった。いや、むしろコスプレで正解か。駆逐艦が戦艦級の力を出せたら、実際の戦艦の出番が……」

提督「コスプレ自体は兵装を考えなければ武蔵の格好が一番手っ取り早かったかも。変態扱いされるからやめたけど」

下2

―長良型の部屋―

提督「提督、遊びに来たよぉ~」

長良「」

名取「えっと、頭大丈夫ですか?」

提督「ふみぃ、その反応は酷いよぉ」

五十鈴「ちょっと気分悪くなってきた……」

由良「これを見たら変とは思えないのが……というか、本当にどうしたんですか?」

提督「モノマネしてるのぉ」

五十鈴「そんな喋り方をしている子が何処に居るのよ」

鬼怒「自分の考えたキャラのモノマネとか?」

阿武隈「……もしかして、文月ちゃんですか?」

提督「えへへ~、当たりぃ」

由良「よく分かったね」

阿武隈「司令官が考えそうなことだから……」

阿武隈(最初にふみぃとか言ってたし)

五十鈴「というか、それ聞かれたら泣かれるわよ。間違いなく」

長良「司令官にとって、そういう風に喋っているんですか」

提督「真似しやすい感じにしたんだよぉ」

長良「言い訳出来てないです」

提督「みんなひどい~」

文月「ひどいのは司令官だよ……」

提督「え」

文月「ううん、司令官にそうおもわれてる、あたしが悪いのかも……」

提督「いや、その」

文月「ごめんねぇ……直すように、どりょくするからぁ」ダッ

提督「……そんなにひどかった?」

阿武隈「あたし的には最悪です」

五十鈴「というより、さっさと慰めに行きなさい」

―執務室―

提督「あの眼はあたし的じゃなくて、鎮守府代表でと言われてもおかしくないほどガチだった」

提督「というか、モノマネは何か呪われているのかも。二回連続で本人が通りがかるとは……」

下2

―廊下―

提督「ん、あれは……」

響「あれ、司令官じゃないか」

エラー猫「あ、お久しぶりです」

提督「ええと……たしか提督になったばかりの頃にいろいろ教えてくれた子だっけ」

エラー猫「ある意味最古参ですね」

響「偶然あったから少し話をしているんだよ。昔話をね」

提督「まあ、響きも大分古株だしな。話すこともあるか」

響「こうして話していると、司令官もまだ初々しい頃もあったと感じるよ」

提督「何の話をしている」

エラー猫「そういえば、こんなこともあったんですよ」

提督「ちょ」
響「聞かせてよ」

~思い出~

提督「よし、敵は撃沈か。被害はどうなっている」

響『私以外は特に問題は無いよ』

提督「そうか。やっぱり響が旗艦だと安定しているように感じるよ」

響『そんなことはない。司令官の指揮があってこそだよ』

提督「まったく、響は謙虚だな」

響『本当のことを言っているだけさ』

提督「じゃあ、問題が無いなら進撃してくれ――ん? 私以外?」

響『進撃か。分かったよ』

提督「ちょっと待て、私以外ってどういう事だ」

響『ん? 中破しているだけだよ、問題無い』

提督「いやまて、中破ってそれはまずい! 響、帰還だ、響!」

『……』

提督「切れてる……?」

エラー猫「あ、すみません。突然ですけど少し通信器具の電波が乱れているようでして」

提督「なんだと!? もしかして深海棲艦の仕業か!? くっ、今助けに行くからな!」

エラー猫「あ、危ないですって!」

提督「離せ! くっ、響……響ぃいいいいいいいいいい!!」

~~~~~~~~

響「試作用の実験に、安全な鎮守府近海で使っていたのを忘れてたんだろうね。中破だし、そこまで心配しなくてもいいのに」

エラー猫「幾ら中破でも突然切れましたし、驚くのも無理ないですよ」

響「通信が途絶えたし、その後すぐに帰還はしたんだけどね。もし不具合が起きたら帰還しろともいわれてたし」

エラー猫「あそこまで取り乱すことはなかなかないんですよね」

響「そうだね。最近じゃ見ないかな」

提督「黒歴史だ……あれぐらいで取り乱すとは……」

響「私は嬉しかったよ。司令官が心配してくれて」

提督「響……」

エラー猫「ふふっ、では私は大本営に帰りますね」

響「うん。懐かしい話を聞かせてくれてありがとう」

提督(こんな話をするんならもう来なくていいぞ)

―執務室―

提督「はあ、最近見ないからすっかり油断してた」

提督「着任当初の記憶とか掘り起こしたくない事ばかりだ……」

下2

―天龍型の部屋―

提督「天龍、みんなが驚くすごいメイクを覚えてきたぞ!」

天龍「驚く? ……もしかして、それやればみんな慄くのか?」

提督「ああ、表情が固まること間違いなしだぜ!」

天龍「本当か! さっそく試してみてくれ!」

提督「合点承知!」

天龍「……その手に持っているドレスはなんだ?」

提督「そりゃ、メイクに必要なものさ」

天龍「そんなんきて怖がられるわけないだろ!」

提督「わかってないな。こういうのは意外性からついていくんだ。それに、ドレス来た怖いキャラなんて、少なくないだろ」

天龍「そう……か?」

提督「とにかく、試してみろって。ほらほら」

~~~~~~~~

天龍「ふふふ、どうだ、怖いか?」

提督「ああ、怖い……ここまでしてしまって恐ろしく思う……」

提督(まさか、こんな美少女に大変身してしまうとは……いや、素材がいいからこそこうなったわけだけど……)

天龍「そうか、提督からしても怖いか……くくっ、龍田に見せる時が楽しみだ」

提督「龍田に見せるのか。大丈夫か龍田……」

天龍「提督のお墨付きとありゃ、さすがの龍田も驚くだろうな」

提督(そういう意味じゃないんだけどな)

龍田「天龍ちゃーん、また司令官がこっちに来てるって……」ガチャ

天龍「来たか龍田、ふふ、どうだ」

龍田「……!」

天龍(目を見開いて固まっている……! そうか、そんなにもオレが変わったのが衝撃的か!)

龍田「これ、提督がやったのかしら?」

提督「あ、うん」

龍田「……後で、写真くださいね」

提督「え、撮ってないけど」
龍田「撮れ」

提督「は、はい……」

天龍「……なぁ龍田、撮れってどういうことだ?」

龍田「そんな可愛い恰好、残さずにはいられないわ~」

天龍「――! おい提督!」

提督「すまん、俺今から現像しなきゃなんないから。じゃあな」ダッ

天龍「いつのまに撮ったんだ!?」

―執務室―

提督「この現像した写真は青葉にも売ろうかな……天龍の困った顔も見れるだろうし」

提督「でも龍田に怒られるのは怖いしやめとこ。動揺してたのか、口調がやばかったし」

下2

―食堂―

赤城「今日は日替わり御膳にしましょうか」

加賀「赤城さんがそれにするなら、私もそうしましょうか」

赤城「そうですか? じゃあ、私が一緒に取ってきます」

加賀「いえ、私も…………」

赤城「……どうかしたんですか?」

加賀「いえ、なんだか視線を感じて……」

赤城「大丈夫ですか? やっぱり、私が取ってきますね」

加賀「いえ、気にしないでくださ……」
「……」ツンツン

加賀「っ!?」バッ

赤城「……無理せず、辛いなら辛いって言ってくださいね」スタスタ

加賀(今のは気のせいじゃない……後ろから誰かにつつかれたわ)

翔鶴「こんにちわ、先輩」

加賀「五航戦の……姉の方ね。今は貴方にかまっている暇は無いのだけど」

翔鶴「す、すみません。でも、何か心配ごとなら相談に乗りますよ? その、食事をとりながらでも」

翔鶴(提督も、前に食事をともにすれば仲間意識も生まれるって言ってたわよね)

加賀「遠慮するわ」

加賀(視線を感じるという事は、まだ狙ってきているはず。そんな事に付き合っている暇はないのよ)

翔鶴「そ、そうですか……」

加賀(人が多いせいか、犯人に目星を付けられないわ……そうね……)

加賀「やっぱり一緒に食事をとりましょうか」

翔鶴「え、は、はいっ! では、お隣失礼しますね」

加賀「正面に座りなさい!」

翔鶴「す、すみません!」

加賀(後ろからつついてくるのであれば、正面に居る人から丸見えのはず)

翔鶴(やっぱり、まだそこまでは心を開いてくれてないって事ね……でも、食事は一緒に摂ってくれたし、いつか距離を縮められるわよね)


赤城「あれ、加賀さんが珍しい……」

提督「ふふふ、これも作戦通りだ」

赤城「提督? また何かしたんですか」

提督「何かとはなんだ。まあ赤城、此処は邪魔しないようにこっちも二人で食べようじゃないか」

赤城「え、あ、はい。少し不安ですが……」

提督「そこはまあ、暖かい視線で見守っておいてやろう」

―執務室―

提督「なんて、全部偶然だけど。本当はもっと執拗につつこうかと思ったけど、バレた時が怖いからやめておいた」

提督「そういえば、赤城は二人分の食事を食べてたけど、何時もあれだけ食べているのだろうか……」

下2

―秋月型の部屋―

提督「秋月、七面鳥を食べたくはないか?」

秋月「突然ですね……でも、用意するには時間がかかり過ぎませんか?」

提督「丸焼きとかを一からだと、確かに時間がかかるな」

秋月「ですよね」

提督「だが、そう言うところを考えていない上司だと思ったか?」

秋月「今までの司令から考えると……準備してそうですね」

提督「そう、七面鳥はもう用意してあるぞ。これがその箱だ」ズリズリ

秋月「本当に準備良いですね。何だか大きくありませんか」

提督「中身を見てみれば納得するだろう」バッ

瑞鶴「七面鳥じゃないわよ!」

秋月「瑞鶴さん!? 何で縛られてるんですか?」

瑞鶴「ここの前通ったら突然やられたのよ……」

提督「あ、解くから帰っていいぞ。このネタの為だけに引っ張って来ただけだし」

瑞鶴「色々と最悪ね!」

秋月「つまり、七面鳥は冗談だったって事ですか?」

提督「いや?」

秋月「え」

―食堂―

提督「作ってはいるぞ! きちんとこの時間に合わせてな!」

秋月「わぁ……」

瑞鶴「……ごくり」

提督「なんだ、瑞鶴も来たのか。呼ばれるのは嫌なくせに」

瑞鶴「そりゃ、あんなことされたんだからついてくるくらいいいでしょ」

秋月「それより、量が多くないですか?」

提督「ああ、他に翔鶴とか大鳳とか、隼鷹に飛鷹と……手伝ってくれた龍鳳も呼んでる」

秋月「そのメンバーって……」

瑞鶴「自覚ありなら相当意地が悪いわね」

―執務室―

提督「あのときのトラウマを払拭する意味でもあのメンバー……でも、気にしてるのって瑞鶴だけな気がする」

提督「他はどちらかというと潜水艦の方が……まあ、皆なんだかんだで許可してくれてたし、結果オーライで」

下2

―公園―

提督「……ふぅ、花を見るのもたまにはいいもんだな」

天城「そうですね……」


飛龍「何であの二人は少し間が空いてるの?」

蒼龍「歓迎会はしないと、率直に告げたとか」

赤城「それはまずいんじゃ……?」

加賀「その結果があれよ、赤城さん」

瑞鶴「じゃあ、少し離れて雲龍が睨んでいるのは」

翔鶴「おそらく、妹が忘れられているのを根に持っているのね……」

天城「皆さん、もっと近くでお花見しませんか?」

飛龍「わっ、えっと、邪魔するのもなんじゃないかなーって」

天城「邪魔……?」

蒼龍「ほら、(前述)って事があったでしょ?」

天城「あ、それは……」

提督「改造するまでは、な。しばらくたてばお花見の時期になるから、このタイミングに合わせて歓迎会をするつもりだったんだ」

雲龍「では、微妙な間は?」

提督「お前たちが遠巻きに見てたから、何かやらかしたかと思ってたんだ」

雲龍「なんだ……」

赤城「誤解が解けたなら、お花見楽しみましょう。公園のですけど、綺麗に咲き誇っていますよ」

提督「花より団子じゃないのか」

赤城「失礼ですね」

翔鶴「重箱にお弁当作って来たんですけど……多すぎましたか?」

赤城「貰いましょう。ねえ、加賀さん」

加賀「余ったらもったいないからです」

飛龍「素直なのか何なのか分かんないね」

蒼龍「そう言いながらつまみ食いしない」

雲龍「……」

提督「どうした雲龍?」

雲龍「重箱の段が多くないですか」

瑞鶴「面子は聞いてたから、翔鶴姉張り切って作ってたの」

提督「天城の歓迎かねて、他の空母たちと仲良くなる為……かな」

―執務室―

提督「結局花より団子になったとさ」

提督「というか、翔鶴の重箱はどこに持っていたんだろうか。一人が持てる量じゃなかった」

下2

提督「夕雲、一杯ひっかけに行かないか」

夕雲「あら、夜の街に二人きり……ですか?」

提督「何か意味深な言い方するな……」

夕雲「含めたつもりですけど?」

提督「……」

早霜「夕雲姉さん……抜け駆け?」

夕雲「いえ、そんなことは無いですよ。提督、駆逐艦二人をどこに連れて行くつもりですか?」

提督「なんか今日の夕雲は含みを持たせるな……」

―酒場―

夕雲「あら……」

提督「いつも大変だろうし、今日は奢りだ」

早霜「いいの?」

提督「早霜は前の時にかまってやれなかったしな。飲み過ぎない程度にな」

早霜「そうじゃなくて……」

夕雲「こんな小さい子を連れてきて大丈夫ですか、という事ですよ」

提督「いやいや、マスターだってプロだ。成年か未成年くらい見分けられるだろ」

早霜「そのマスター……びっくりした顔でこっち見てる」

夕雲「危なかったんじゃないですか、提督」

提督「かもな」

~数十分後~

提督「そもそもさぁ、秘書官……厳しすぎんだよなぁ……」

夕雲「飲み過ぎない程度と言って、自分が酔っちゃって……」

早霜「自分が飲みたかっただけかも」

夕雲「そうかもしれませんね」

提督「まったく……zzz」

早霜「寝た……」

夕雲「完全に落ちる前に帰りましょうか。会計は夕雲がしておきますね」

早霜「ありがとう、夕雲姉さん……」

(さりげなくお持ち帰り……)

―執務室―

提督「……気付いたら夕雲型の部屋で寝ていたんだけど、いろいろ大丈夫だよな」

提督「いや、誘った方が心配するのはおかしいか。それに後で払ってもらった分は返さなきゃ」

下2

提督「朝霜、食事を奢ってやろう」

朝霜「どういう風の吹き回しだ?」

提督「いやいや、金返すときに夕雲に朝霜も誘ってあげてくださいって言われただけさ」

朝霜「そうなのか? まったく、気にしなくてもいいのにな」

提督「そんなわけで誘わせてくれ。じゃないと夕雲がプレッシャー掛けてきそう」

朝霜「そりゃ断りはしないけど」

提督「よし、美味しいものと言えば間宮の所だ! 食堂へ行くぞ!」

朝霜「結局食堂か」

―食堂―

提督「好きなもの頼んでいいからな」

朝霜「へぇ、間宮アイス一年分とかか?」

提督「今日中に食べれるものならいくらでも」

朝霜「冗談だ。さて、あたいは……普段は食べられない間宮ゴールデンデラックスパフェにしようか」

提督「げっ、前からさらに値上げして7000円くらいになった化け物デザートじゃん」

朝霜「誰も頼んだことないみたいだし、ちょっと気になってたんだよ」

提督「俺は一回見せてもらったけど……まあ、美味しいものに違いないし、多分これ以外食べられないだろうからいいか」

朝霜「食べられない?」

提督「絶対完食しろよ、絶対だぞ」

朝霜「そんな念押しして、パフェごとき食べられない訳――」

~十数分後~

朝霜「……大きくねえか」

提督「大きいな。俺でも座って食べられないな」

朝霜「……」

提督「ギブアップか? ああん?」

朝霜「そ、そんなわきゃないね。さーて、頂こうかねぇ」パクッ

提督「美味しいか?」

朝霜「……おお、凄い美味しい」

提督「流石間宮だな。この大きさでも完璧に仕上げて来るとは」

朝霜「……二重の意味で夕雲たちも連れてくればいいと思ってるよ」

提督「二重?」

朝霜「独り占めしないのと……量を減らして欲しいだけだ」

―執務室―

提督「なんだかんだで完食した模様」

提督「ていうか、あれの最大の敵は飽きだな」

下2

―カラオケ屋―

提督「さて、今日は古鷹加古青葉衣笠とカラオケに来た……と」

青葉「まさか司令官とくることになるとは思いませんでしたよ」

衣笠「確かにね。でも、いつかは来そうな気がしてたけど」

加古「良くも悪くも、提督は遊んでいるからねー」

古鷹「あはは……」

提督「古鷹すら苦笑いとか……ふん、別に歌いたくないならいいし」

青葉「そんな事言ってないですって。ほら、お詫びに衣笠が先陣切って歌うそうですよ」

衣笠「ええっ? じゃ、じゃあ……これで」

古鷹「あ、この曲って」

~ダイジェスト~

衣笠「~~♪ あったかいんだからぁ♪ ……ふう」

提督「普通にうまかったな」

青葉「ハードル上げちゃいましたかね……それで、点数は」

『81点』

衣笠「最初だし、こんなものね」

青葉「こうなれば、青葉も続きますよー!」



青葉「スキ♪ ダイスキ♪ セカイイチアナタガスキ♪ ……あ、最後忘れてました。それで、採点は……」

『48点』

青葉「壊れてますこれ!」

提督「いや、妥当にも思えるんだけど」

青葉「JOYは64くらいが最低点なんですよ!」

提督「知らんて。じゃあ、次は俺が行こうかな」

提督「あのヒカリ目指して~♪」

『12点』

提督「店員に言いに行こう」

古鷹「そ、それは駄目ですよ。迷惑になります」

提督「12点だぞ12点。カラオケで出る点数じゃないって、マジで」

加古「単純に下手だったんでしょ。じゃあ次あたし」


加古「君へと届け♪」

『27点』

加古「部屋変えよう、部屋」

提督「だろ。これ絶対壊れてる」

古鷹「もう……分かりました、皆さん冷静じゃないですし、私が言ってきます」

青葉「部屋変更したら、次は古鷹さんからですね」

古鷹「Weigh Anchor~♪」

『96点』

提督「凄っ! 部屋変えたのもあるかもだけど凄っ!」

加古「裏で練習してたよ、絶対」

青葉「これ記事に出来そうですね。メモメモ……」

衣笠「本当に上手……ねえ、何かコツでもあるの?」

古鷹「た、たまたまですよ」




―執務室―

提督「その後普通の点数ばかりだったという事は……やっぱり部屋が悪かったんだろう」

提督「ある意味、あの部屋で古鷹に歌って欲しかった。どんな点数が出たのだろうか」

下2

―温泉―

提督「また福引で当たったので温泉に来たぞー」

夕雲「でもまさか混浴なんて……提督、誘っています?」

提督「誘ってないぞー。それに、今日来たのは夕雲一人じゃないだろ」

長波「まさか混浴だとは思わなかったけどな」

巻雲「わわっ、まさか司令官様と一緒に入るなんて……!」

早霜「私はうれしい……」

朝霜「こういう状況でなきゃ、一緒に入るなんてありえねー」

清霜「それなら、離れればいいんじゃない?」

夕雲「少し戻れば、女子風呂に戻れますよ」

朝霜「それは……」

長波「ここまでついてきて戻るのはプライドが許さないんだろ」

朝霜「うぐっ」

提督「嫌ならプライド関係なしに戻ってもいいんだぞ」

巻雲「ううん……少しのぼせちゃいました~」

夕雲「大丈夫、巻雲さん?」

清霜「ちょうどいいから、朝霜に付き添ってもらえば?」

朝霜「そ、そうだな。わかった」

提督(まさか、巻雲はこうなることを予言してのぼせたと言った……? いや、それはないか)

長波「つーか、なんか提督は余裕だな。もしかして混浴だって知ってたのか」

提督「いい湯だな、早霜」

早霜「うん……」

長波「……まさか、福引っていうのも」

提督「清霜、この湯には戦艦に近づく効能があるぞ!」

清霜「本当!?」

長波「……はぁ、まあいいけどな」

夕雲「提督らしいですよね」

―執務室―

提督「やっぱり自腹ということを匂わせると、あたりが弱くなるな」

提督「ていうか、普通に混浴しちゃってたけど、常識的に考えるとやばいよな」

下2

―廊下―

提督「はぁ~、たまには工廠で開発するのもいいなぁ」

提督(汚れるからって、どこかで見たことあるようなつなぎを着せられたけど)

提督「まあいいや、疲れたし、早く部屋に戻ろう……」


青葉「……司令官、お疲れのようでしたね。それより、あの服どこかで見たような……」

秋雲「あれは阿部さんのつなぎだね」

青葉「阿部さん? というより、いつのまに青葉の背後に……」

秋雲「同人のネタがあるところに私あり! それより、あれはネタにしないの?」

青葉「青葉、同人方向には疎いものでして」

秋雲「もったいないなぁ。じゃあ、私が書くから――」

―次の日―

『号外! 司令官はホモだった!?』

提督「……」

青葉「……」

提督「お前、言っていいことと悪いことがあるからな」

青葉「そんなにホモ扱いは嫌でした?」

提督「嫌だよ! そもそもなんでこんなネタ書いた!」

青葉「とある人にまかせたらこんな記事に……ついでに、司令官がみんなに手を出そうとしないのも考察して……」

提督「セクハラなんてしたら憲兵に連れて行かれるだろう!」

青葉(司令官はセクハラがどんなものか知っているかすら危ういですけどね)

提督「とにかく、この記事は即刻回収したのち全部シュレッダーだ!」

青葉「ええー、もったいないですよ」

提督「あの記事と青葉、どっちをシュレッダーにかけるか選べ」

青葉「真顔で怖いこと言わないでくださいよ。わかりました」

提督「ったく……」

青葉(でも本気で困った表情を浮かべる司令官は超レアです。代わりにこれを記事にしましょう)

―執務室―

提督「なんとか噂が広まる前に回収できたようだ」

提督「人のうわさも七十五日というが、こういう噂は消えることはないからな……」

↓2

提督「雲龍が天城の服を着ているところも見てみたいな」

雲龍「新しい艦載機」

提督「雲龍、最近は欲望を隠さなくなって来たな」

雲龍「いえ、冗談ですけど」

提督「分かりにくいなあ!」

雲龍「別に、提督が見たいというなら、着てきてあげますよ」

提督「え、いいのか?」

雲龍「私自身、ちょっと着てみたくもありましたので」

提督「そうだったのか」

雲龍「それにしても、まさか提督が露出させることに興味あったなんて……」

提督「振袖の方な! 勘違いを誘うようなことを言うな! ついでにお前の服も似たようなもんだろ!」

―雲龍型の部屋―

雲龍「じゃあ、これ借りていくから」

天城「かまいませんけど……いったいなぜ?」

雲龍「提督が強く押してきたから(改の服じゃなくて振袖を)ね」

天城「提督が(コスプレを強要する的な意味で)強く押してきた!?」

雲龍「私もまんざらじゃないし……」

天城「まんざらじゃないんですか!?」

雲龍「洗って返すから心配は無用だけど」

天城「洗うようなことをするんですか!?」

雲龍「……天城?」

天城「わ、私、提督に物申してきます!」ダッ

雲龍「あっ」

―執務室―

天城「どういう事ですか?」

提督「ちょっと待って、怖い顔で睨まないで。性格変わってるぞ」

天城「……少し取り乱しました。それで、どうして雲龍姉様が?」

提督「雲龍が何を言ったのか知らないけど、天城の服を着てみてほしいって言っただけだ」

天城「えっ、もしかして露出させる趣味が……」

提督「姉妹だな、考える事が」

天城「冗談です」

提督「だろうな。それで、当の雲龍はいったいどこに……」

雲龍「着てきましたよ」ガチャ

提督「――似合ってる!」

天城「お綺麗です、姉様!」

雲龍「あ、ありがとう……それで、オチは?」

提督「すまん、本当に見たかっただけだ」

雲龍「はあ……では、部屋に戻りますね」

天城「お騒がせしました、提督」

バタン

提督「……天城が大人しく帰ったのは、何らかの勘違いが解消されたからかな」

提督「というか、冗談が分かりにくい姉妹だった」

下2

提督「ふぅ……」

ガチャ

武蔵「一献しないか」

提督「そういう唐突な発言は俺の役回りだと思っていたんだが」

武蔵「何を言っている? 一人ではつまらんから、誘っているだけだが」

提督「まあそうなんだけどさ。少し待て、これを片づけたら付き合おう」

武蔵「なんだ、珍しく仕事をしているのか。んっく……」

提督「全くやらないと滞るからな……って、もう飲み始めてるのか」

武蔵「結構いいものだぞ。ほれ、さっさと片付けろ」

提督「ったく」

~~~~~~~~~

提督「執務室で酒なんて、秘書官に知られたらなんて怒られるか」

武蔵「いいのか? そういう事を言うと、影が来るっていうぞ」

提督「もう夜も遅いし、仕事も任せてないし、寝てるだろ」

ガチャ

提督「ひいっ! すみませんすみません! もう仕事は片づけたので許してください!」

大和「えっと?」

提督「って大和か。驚かすなよ」

大和「私としては、突然謝られて何が何だか……」

提督「ま、まあその事はいいだろう。それで、いったい何の用なんだ」

大和「武蔵を知りませんか? この時間からどこかに出かけたようなので……」

武蔵「私ならここだが」

大和「お酒、ですか?」

提督「ちょうどいい、大和も付き合え」

大和「いいんですか?」

武蔵「大和なら構わんさ」

提督「ほれ、大和の分」

大和「すみません、ありがとうございます…………あ、おいしい」

武蔵「ゆっくり飲むつもりで来たから、軽めのものだ。口当たりもいいだろう」

提督「仕事疲れに美女を二人侍らせて一献。いいものだ」

武蔵「酔っているのか?」

大和「お酒の飲みすぎはいけませんよ」

提督「おかしいな、こういう場面では照れるのが定石だと思っていたのに、正気を疑われるとは」

~~~~~~~~

提督「昨日は良き時間だった。珍しくゆっくりできた」

提督「しかし、俺そんなにおかしなことばかり言っているか? 確かにあんまり言わない言葉ではあったが」

下2

村雨『デパートまで来て』

提督「?」

―デパート―

村雨「……」

提督「こんな雨の中、上官を呼びつけるとは言い覚悟だなぁ」

村雨「うふふ、そう言いながらもきちんと来てくれたじゃない」

提督「まあ呼ばれたしな……」

村雨「じゃあ、鎮守府に帰りましょ」

提督「え、おい、もしかして傘が無いから呼んだだけだったのか?」

村雨「んー、まあ、それもあるかな」

提督「呼ぶときに言ってくれれば持ってきたんだが……しょうがない、買って帰るか」

村雨「あら、どうして傘が無いことを言わなかったんだと思いますか?」

提督「え?」

―帰り道―

提督「相合傘ね……」

村雨「嫌でした?」

提督「そんなことは無い。どちらかというと、もうちょっと大きい傘を持ってくれば良かったって思ってる」

村雨(そういえば提督、半分くらい入って無い……)

村雨「……えいっ」

提督「っと、いきなり抱き付いて来るな。傘が傾くだろ」

村雨「これくらいくっ付けば、提督もあまり濡れないで済むでしょ?」

提督「確かにそうだが……ちょっと歩きにくい」

村雨「抱き付かれるのは嫌ですか?」

提督「歩きにくいだけで、嫌なわけじゃない。はあ……まあいいか」

村雨「……こうしていると、どんな風に見られるかな?」

提督「どんなふうって、上司と部下……」

村雨「こんなことしてて、そんな風に見られると本気で思ってる?」

提督「……兄妹みたいに思われるんじゃないか」

村雨「むぅ」

提督「……どんな関係でも、こうして歩いているだけで十分楽しいだろ」

村雨「……それも、そうかもしれませんね」

提督「ところで、わざわざデパートに来てと言った理由は何だ? まさか本気で迎えに来させるつもりじゃなかったんだろ」

村雨「提督とあんまり話したことが無いから、ですよ」

―執務室―

提督「悪評しか広まっていないだろうに、ああいう子も居るんだな」

提督「俺になるべく関わりたくないって人の方が多いだろうに」

下2

『これは、司令官の一日を撮影し、ダイジェスト風に編集したものである』

~朝・執務室~

提督「さて、そろそろ皆を起こす時間か。秘書官」

霞「ええ。今から行って来るわ。あんたも今日はさぼらないようにしなさいよ」

提督「今日は真面目にする」

霞「本当かしら……」


提督「さて、今日は敵の動きに不審な点があるから、哨戒を強化しようと思う。今日は久しぶりに秘書官にも出てもらう予定だ」

霞「へえ、腕がなるわね」

提督「恐らく大丈夫だと思うが、万一の事が有ればすぐに報告に帰還する事。その他編成はこの紙に書いてあるから、全員に伝えた後、疑問点をまとめておいてくれ」

霞「分かったわ」

~昼・工廠~

提督「今の所問題はなし。今のうちに開発に精を出しておくか」

明石「装備の開発ですか? それなら夕張さんが何か出来上がってましたよ」

夕張「はい! なんと、どこからでも映写ができる艦載機が出来たんです!」

提督「それ、海の上で使う機会あるか?」

夕張「……ありませんかね」


~夕方・演習場~

提督「悪いけど頼めるか、赤城」

赤城「ええ、もちろんです。艦載機の皆さん、発艦します」シュッ

提督「……映写って、明るいと使えないんだな」

赤城「まあ映写ですし」

~夜・食堂~

間宮「提督、今日はお疲れ様でした」

提督「もうちょっとやる事も残ってるけどな」

伊良湖「て、提督。練習中の物で良ければ、どうぞ」

間宮「提督のためにって、気持ちを込めて作っていたんですよ」

伊良湖「ま、間宮さん!」

提督「そっか。じゃあ、ありがたく貰うよ」


~深夜・母港~

提督「ふぅ……」

「今日はお疲れみたいでしたね」

提督「……たまにはこんな日もあっていいだろ」

「そうかもしれませんね。一酌、どうぞ」

提督「ありがとう」

~~~~~~~~

青葉「というのを上映してきました! あの艦載機使えますね!」

提督「何で人のプライベート勝手に流してるんだ」

青葉「ところで、最後のは誰だったんですか? 暗くてよく分からなかったんですけど……」

提督「その前に上映やめろ。上官命令だ」

青葉「ぶー、観客もけっこういたのに……」

バタン

提督「まったく……珍しく普通にしたらこれなんだから」

下2

―飛鷹型の部屋―

提督「今度こそお前を豪華客船にしてやるぜ!」ガチャ

隼鷹「豪華客船?」

提督「このドレスを着て、お前は一日秘書艦だ!」

~~~~~~~~

霞「一日休めると思ったんだけど」

提督「秘書官と秘書艦は役割が微妙に違うからしょうがないね。少ししたら出撃して貰う予定だし」

隼鷹「……この服汚すの、ちょっと躊躇われるんだけど」

提督「今日の出撃は無しだ。その書類半分くらい廃棄して良いぞ」

霞「ちょろいわね!」

提督「良く考えたらレンタル代も馬鹿にならんかった」

隼鷹「これ、レンタルしたのか?」

提督「おう。なんだったかな……一日レンタルでゼロが四つあったっけ」

霞「無駄遣いし過ぎじゃない!?」

隼鷹「何杯分の酒が呑めたろうなぁ」

提督「払った俺が言うのもなんだが、その換算の仕方は嫌だ」

隼鷹「でも、これが万か……」

霞「……自腹なら小言は言わないけど、後先考えて行動しなさいよ。じゃあ」

バタン

提督「しかし秘書艦なぁ……そうだ、何かご飯作ってくれないか」

隼鷹「……」

提督「隼鷹?」

隼鷹「……かしこまりました、ご主人様」

提督「!?」


漣「はっ。どこかで漣の役回りがパクられたような気がする!」


提督「な、なんだそれ?」

隼鷹「私も昔は橿原丸という豪華客船だったんですよ。御存知でしょう?」

提督「」ゾワッ

提督(キャラが違い過ぎてやばい! こんなの見ていたら頭が変になる!)

隼鷹「ご主人様?」

提督「……さ、酒盛りするぞ! 鳳翔の所に行くぞ! 秘書艦なら着いて来い!」ギュッ

隼鷹「提督!?」

提督「俺は何時もの隼鷹の方がいいんだぁーーー!!」

―執務室―

提督「酔わせたら素に戻った。此処までほっとしたのは久しぶりだ」

提督「似合ってて綺麗だったけど、乗られるとこっちが耐えられなかった。あれはパンドラの箱だ」

下2

―高そうなレストラン―

間宮「ほ、本当にこんなところに来ても良いんでしょうか……」

提督「間宮にはお世話になってるし、たまのお礼ってやつで」

間宮「ああ……でも、鎮守府では今頃お腹を空かせた艦娘が……」

提督「いや、さすがに個人で何か作ってるだろ」

間宮「そうでしょうか?」

提督「それに、これは皆のプレゼントでもあるからな」

間宮「プレゼントですか?」

提督「いつも食事を作ってありがとうっていうお礼」

間宮「……そうですか」

提督「まあ遠慮せずに頼め。コースにしようかと思ったけど、好みの料理の方が良いだろ」

間宮「ええ、それはいいんですけど……値段は何処に書いてあるんですか?」

提督「そんなものは無いぞ」

間宮「え? でも、それだと……」

提督「間宮も気にするなって事だ」

間宮「では、此処のお支払いは?」

提督「なあ間宮」

間宮「は、はい」

提督「そういう細かい事はいいだろ? 今はとにかく、俺と食事をすることを楽しめ」

間宮「食事を楽しむ……」

提督「それとも、俺と食事をするのは嫌か?」

間宮「……ふふっ、そう言いますけど、本気で嫌だと思われてないですよね」

提督「ん、さすがに全く好意が感じられないという訳じゃ無いし」

間宮「そうですか。では、そろそろいただきましょうか」

提督「だな」

―執務室―

提督「財布に金が……ない!?」

提督「誰だよあそこ予約した奴……値段が書かれていないレストランとかやばいだろ……

下2

春雨「はい司令官、今日の分の春雨です」

提督「今日っていうといつも作っているみたいだな」

春雨「す、すみません。でも、毎日作っているんですよ?」

提督「へえ、そこは本当なのか。練習中か?」

春雨「はい。でも、最近限界を感じてきているんです……」

提督「限界?」

春雨「これ以上おいしく作ることはできないのかなって……」

提督「……よし、ならばついてくるがいい!」

春雨「?」

―中華料理店―

春雨「あの……」

提督「ここは口コミでも評判のいい中華店だ」

春雨「そうなんですか」

提督「ここで、舌を使って感じ取れ。もしかしたら、何か見えなかったものが見えてくるかもしれない」

春雨「司令官……春雨のために、そんなことを……」

提督(本当は割引があるから来たかっただけだけどな)

(どうでもいいから店の前で話さないでくれるかしら。邪魔……)

~~~~~~~~

提督「それで、何かつかめたか?」

春雨「あまり……」

提督「そんなもんか。食べて理解しろってのが無理だよな。はは」

春雨「いえ、調味料の隠し方は参考になりました」

提督「なんだと……」

春雨「でも、なんだか一番大切なことが抜けているような……」

提督「大切なこと?」

春雨「はい……」

提督「じゃあ、もしかして愛情だったり? なーんて、そんなことあるわけないか」

春雨「いえ、もしかしたらそうかもしれません」

提督「え」

春雨「最近は上手になることばかり考えてなくて、言われてみればそれが抜けていた気がします」

提督「ええ……」

春雨「ありがとうございます司令官。帰ったらさっそく実践しようと思います!」

提督「あ、うん。役に立ったならいいけど……」

―執務室―

提督「ううん、なんか予想外の結果に」

提督「……ま、役に立ったならいいか」

下2

―龍鳳の部屋―

提督「失礼するぞー」

龍鳳「提督? すみません、これを収めるまで少し待っててもらえますか」

提督「突然来たし、問題ない」

龍鳳「ありがとうございます。~♪」

提督「あれ、それって昔プレゼントしたやつ?」

龍鳳「はい、今でも大切にしているんですよ」

提督「そんな大事にされるようなことしたか……?」

龍鳳「提督にはなんでもないものだったかもしれませんけど、私にとってはとても大事な思い出なんです」

提督「ええ……たしかそれって――」

~回想~

大鯨「はぁ……」

提督「どうした大鯨。ため息なんてついて」

大鯨「わたし、この艦隊に来てから、何もお役にたてていないと思って……出撃しても、守ってもらってばかりで……」

提督「……なら、もっと別のところでアプローチをかけるのはどうだ」

大鯨「もっと別のところですか?」

提督「そうだな……大鯨は料理ができるから、鳳翔のところで手伝いをするのとかいいんじゃないか」

大鯨「わ、私が鳳翔さんのところで!? でも、私なんかを手伝わせてくれるでしょうか……」

提督「鳳翔が断るとは考えられないけど……心配ならこれを着ていくか?」

大鯨「クジラの着ぐるみですか」

提督「あれだ、普段と違う自分を見せることで、本気だということを伝えるってことだ」

大鯨「普段と違う自分……」

提督(まあ、本当は面白くなりそうだから着させたいだけなんだが)

大鯨「……わかりました。頑張ってみます!」ギュッ

提督「……え、本当に着ていくの」


―鳳翔の店―

鳳翔「……」

大鯨「お願いします!」E:クジラの着ぐるみ

鳳翔(……提督ですよねぇ)


~回想終了~

提督「……後で怒られたんだよな」

龍鳳「あれのおかげで、一皮むけることができました。本当に感謝しているんですよ」

提督「ああ、うん。傍から聞くと絶対に美談に聞こえないけどね」

―執務室―

提督「そもそもすっかり忘れてた。人によってはなんでもない思い出も、美談になるんだよな」

提督「確か着ぐるみもぬいぐるみのときに突っ込まれなかったから、ネタでプレゼントしようとした奴だったし……」

↓2

提督「か~め~は~め~……波ーーー!!!」

青葉「……青葉、見ちゃいました!」

提督「なにっ、青葉!」

青葉「かめはめ波の練習ですか、いいですねえ。昔流行りましたよね」

提督「昔っていつの昔だよ……で、なんだ、記事にでもするか?」

青葉「この程度の記事じゃうけませんって。ふーん、でちり紙にされるのがオチです」

提督「そういう言われ方をするのはなんか悔しいな……」

青葉「だったら面白いことしてくださいよ。スーパーなんたら人になる瞬間の真似とか」

提督「それって『はぁあああ!!』って叫ぶだけじゃね。しかし、そうだなぁ……」

―工廠―

提督「かめはめ波って撃てるようになるか?」

夕張「は……はい?」

提督「いやほら、最新の科学とかで」

夕張「いや、むしろあれは化学じゃ無理ですから。気ってなんですか」

提督「まあそんなものか」

青葉「しかし、何だか面白くないですね……ここまで来たら寸劇しませんか。今映画やってますし」

提督「そうだな。興味を誘う感じで作るか」

夕張(この二人って、なんでこうも色々と唐突なんでしょうか)

―母港―

提督「ふん、年寄りを少しは労わらんか」

妖精A「なにいってるです」

妖精B「じじいごときよゆうです」

妖精C「いっせいにおそいかかるのです」

提督「ふん! か~め~は~め~……波ーーー!!」


青葉「おお、亀仙人のマネですね! ばっちり決まってますよ!」

衣笠(何でよりによってサブキャラなのかしら。悟空でもいいわよね)

青葉「いやー、後は編集してかめはめ波が出てる風にしなくちゃですね。青葉、久しぶりにワクワクしてきました!」

衣笠(それって、ジャーナリストがする仕事じゃないと思うのだけど)

―執務室―

提督「復活のF、好評公開中。絶対観に来てくれよな! ……までテンプレ。寸劇とか冷静に考えると寒いだけだわ……」

提督「今からでも青葉止めれるかな。いや、止めておこう。そもそも皆DBすらしらないだろ……」

下2

―工廠―

提督「マズルフラッシュが見たい」

夕張「はあ……」

明石「あの、お言葉ですが、マズルフラッシュがなんなのか知っていますよね?」

提督「銃を撃った時に光るやつだろ。あれが見たい」

夕張「でしたら、一応軍ですし、フラッシュが激しい武器も有るかと」

提督「映画とかゲームだと目の前が真っ白になるくらい光るだろ! あれが見たいんだ!」

夕張(そんなの使いにくいと思うんですけど)

明石(唐突な提督はいつもわがままですね)

夕張「……まあ、それくらいなら簡単に作れますけど」

提督「頼んだZE☆」

夕張(多分このテンションの高さは、映画でも見て憧れたんでしょうね)

明石(これは資材の無駄になりそうですね)

~数分後~

夕張「できました」

提督「はやっ!」

夕張「提督の拳銃をちょっと改造しただけですから」

明石「提督の望みどおりには作りましたよ」

提督「よしっ、さっそく試し撃ちだ!」

―演習場―

ドォン

提督「……異常な威力もだが、反動凄くね? 肩が外れるかと思った」

夕張「マズルフラッシュを起こすには、それ相応の威力も無いと駄目ですし。でも目の前が真っ白になるくらいはフラッシュが起こりましたよね」

提督「起こったが……」

明石(すぐに解体になりますかねー)

夕張(生身の人間が扱える規格じゃないですからね)

提督「……この威力なら深海棲艦も倒せるんじゃね。イ級くらいなら」

夕張・明石「「え?」」

提督「ちょっと行ってくる」

夕張「いやいや待ってください! 深海棲艦用に作ってませんから!」

明石「普通に行こうとしないでください! 危険ですって!」

提督「えー」

夕張「そ、それに弾もそんなに数を作ってないですからっ!」

明石「海水に浸かると使用不能になりますからね!」

提督「そうか……まあ、マズルフラッシュはとにかく、他にも改良点は有りそうだしな。決戦武器になりそうなら、それ相応の強化を頼む」

夕張(本気で使うつもりだったんですか……)

明石(素直に作らなきゃよかったかも……)

―執務室―

提督「ロマン武器を扱いたくなるのは性だったり」

提督「というか、あれは銃という企画を越えていたような気がする。音もおかしかったし」

下2

―秋月型の部屋―

提督「秋月! 牛缶パーティをするぞ!」

秋月「牛缶……! ま、待ってください。どうしてまたパーティを?」

提督「ふっふっふ、俺が真の豪華な食事を見せてやろうと思ってな……」

秋月「し、真の豪華な食事……ですか」

提督「……まあ、秋雲が牛缶の懸賞にあたって、捌ききれないからって貰っただけだけど」

秋月「そうですか」

提督「というわけで、牛缶食い放題だ。どうだ、豪華だろう」

秋月「……」

提督(そりゃ牛缶食い放題が豪華なわけが無いか。さて、間宮と鳳翔に適当に美味しく食べれるように調理して貰うか……)

秋月「……食べ放題なんて、最高ですね!!」

提督「あれぇ?」

―食堂―

秋月「や、山のような牛缶……ほ、本当に食べていいんですか? 保存効きますよ?」

提督「流石に牛缶一箱は置き場所に困るからな。気にせず食べろ」

秋月「で、では……」ワクワク

提督(目を光らせて牛缶を開ける姿は結構可愛い)

秋月「はっ、忘れてました。いただきます……」

提督(ちゃんといただきますも言ってる)

秋月「……はぁ、こんなに食べてもいいのでしょうか……」

提督「嬉しそうでなにより。ああ、数個持っていくから」

秋月「あ、はい」

提督「しょぼくれるなって。まだたくさんあるだろ」

秋月「しょ、しょぼくれてないですよ!」

~数分後~

提督「作ってきてもらったぞ」

秋月「なんですか、この料理?」

提督「間宮に頼んでおかずになりそうなもの、鳳翔にたのんでつまみになりそうなものを作ってもらった」

秋月「司令、牛缶持っていきましたよね?」

提督「おう。そこからこんなものをな」

秋月「す、すごいです……っ。本当のパーティみたいですね!」

提督「秋月が嬉しそうでなにより」

秋月「う……は、はしゃぎすぎましたかね?」

提督「いや、喜んでくれているのなら、こうして秋月にあげたかいがあったってものだ」

秋月「ありがとうございます……」

提督(あ、顔を赤くして縮こまった。興奮してたの自覚したっぽいな)

―執務室―

提督「あれから大人しかったが……それでも箸の動きで浮かれていたのが見て取れた」

提督「秋月に食べて貰ったのは正解だったようだ」

下2

―朝―

霞「……なにこれ」

榛名「どうかしましたか? あれ……鎮守府って、こんな外装でしたか?」

霞「カス司令官よ、間違いなく」

榛名「あはは……そうかもしれませんね」

提督「ん? 俺を呼んだか」

霞「あんた、なに無駄なことしてるわけ?」

提督「無駄って、ダズル迷彩だぞ、ダズル迷彩」

霞「ダズル迷彩って何の意味があるのよ」

提督「え? 敵の距離感を分かりにくくするもので……」

霞「それは知ってるわよ。鎮守府の色を変えても、座標は変わらないんだから惑わないでしょって言いたいの」

提督「……確かに」

榛名「提督、もしかしてそれだけで……?」

提督「いや、本当の理由はちょっとかっこいいかなと思って」

霞「はぁ!?」

提督「そ、それと、最近近海に敵がよくあらわれるだろ? それを少しでも対策しようかと考えた結果だ!」

霞「……」

提督(オールした後だからか、頭が回らなかった……危ない危ない)

霞「それでも意味は無いわ。早く直しなさい」

提督「えー、せっかくここまで頑張ったのに」

霞「つべこべ言わない!」

提督「はーい……そうだ、榛名はどう思った?」

榛名「榛名ですか? 榛名も……その、ちょっと理解が及びません」

提督「ええー」

~数時間後~

提督「はー、戻すのに疲れた……一部分しかやってなかったから、少ない徒労で済んだ」

睦月「司令官、何だかお疲れのご様子ー?」

如月「如月ので良ければ、お茶いる?」

提督「ああ、もらおうかな…………」

睦月「? 睦月の顔に何かついてる?」

提督「ダズル迷彩ってどう思う?」

如月「……司令官~? そのくらいのことで、女の子の顔をじっと見るのはだめよ?」

提督「なんかみんなダズル迷彩について無関心だな」

睦月「はにゃー、睦月たち、迷彩のこと覚えてないから……」

提督「ふーん、そんなものか。……あ、そうだ二人共」

睦月「にゃ?」
如月「なにかしら?」

提督「改二おめでとう。良く似合っている」

―執務室―

提督「まあ、深海棲艦相手に効くのか分からないし、無駄な労力はしなくていいか」

提督「あーあ、眠いし寝よ。オールは眠気が辛いわー」

下2

―鎮守府前―

提督「……」

睦月「あっ、提督もう待ってる」

如月「すみません、準備に手間取っちゃって……」

提督「いや、いきなり外食を提案した俺が悪いから、そういう風に謝らなくていい」

如月「ありがとうございます」

睦月「提督、外食ってどこに行くの?」

提督「お前たち二人なら、入りやすい方が良いだろう。デパートのフードコーナーで食べようか」

睦月「フードコーナー……そういえば、行ったことないにゃ~」

如月「鎮守府には食堂もありますし、鳳翔さんのお店もありますからね」

提督「だからこそ、たまにはとして使えるんだけどな」

―フードコーナー―

睦月「色々あるね~」

如月「何にしようかしら」

提督「こういうところは、店を選ぶところから始まる。しばらく悩んでていいぞ。俺はもう決まっ

てるから」

睦月「そうなの? じゃあ、睦月も提督と同じものにしようかなー」

如月「如月もそうしようかしら」

提督「え、あそこの激厚ステーキ(特盛)にするつもりなんだけど……」

睦月「にゃはは……睦月には流石に重いのです」

如月「サンプル写真からして大きいものね」

提督「……あー、なら、たこやきとかポテトとか、皆でつまめるものにするか」

~数十分後~

提督「睦月、あーん」

睦月「あーん……んー、美味しいです!」

如月「司令官、如月にはくれないのかしら?」

提督「もちろんやってあげるさ。あーん」

如月「あむ……うふふ、ありがとうございます」

睦月「でも提督、どうして睦月と如月ちゃん二人を誘ったのです?」

提督「せっかく改二になったんだし、何かしてあげたいと思ったんだ」

如月「お言葉だけで十分ですのに」

提督「こういうところで無駄に騒ぐのが、お前たちの司令官だ。それに、言葉だけだと気持ちまで

伝わらないだろ」

如月「……いえ、それはないですよ?」

睦月「うん、提督の気持ちは、睦月たちにしっかりと伝わってるから!」

―執務室―

提督「最後綺麗にまとめれば、良い話で終われる」

提督(実はステーキ凄く食べたかった。半分くらいそれ目的で行ったんだよなー)

下2

―母港―

提督「鎮守府の掃除するから、みんなもするぞー」

『はい』『えー』

提督「両極端だな」


望月「掃除とか面倒だな……」

初雪「同感……」

朝潮「でも、私たちが住んでいるところですし、綺麗にするのも私たちですよ」

陽炎「そうね。でも、なんで司令はタイツを着ているのかしら?」

島風「きっとあの服の方が早いからだよ!」

天津風「前も掃除のときに着ていたじゃない。あれが掃除用の服なんでしょ」

満潮「センスないわね」

提督「聞こえてるぞ」

曙「だったら、なんでそんなセンス無い恰好なわけ? ジャージの方がましよ」

提督「たまたまあっただけだ。まったく、誰か質問はあるか?」

秋雲「司令官、ゲイ♂ボルグみせて!」

提督「何のゲイボルグだよ」

秋雲「知ってるでしょ、秋雲の同人誌」

提督「俺ゲイじゃねーから。はい次」

雲龍「それ捨てたんじゃないですか?」

提督「結局もったいないから捨ててない。他ー」

長良「それ動きやすいですか?」

提督「慣れてないと動きづらく感じるぞ。ていうか、みんな服のことばっかりだな」

ビスマルク「じゃあひとついいかしら」

提督「どうぞ」

ビスマルク「汚れてもいいってことは、アトミラールも掃除をするのかしら」

提督「そりゃあ、わざわざ着替えたし」

ビスマルク「……なら、やっぱり着替えてきた方がいいわ。センスないし」

オイゲン「私も、ビスマルク姉さまと同感かなー」

扶桑「え、ええ、そうですね。着替えになられた方がよいかと」

榛名「榛名も、そうしてもらえるとありがたいです」

提督「ええー……いや、そんなに不評ならしょうがないけど……じゃあ、他の探して着替えてくるから、開始はもう少しあとからで」スタスタ

大和(女の子にはいろいろ隠したいものもあるからしょうがないですね。提督には悪いけど、彼女には感謝ね)

―執務室―

提督「掃除終了。しかし、まさかあそこまでダメだしされるとは……」

提督「やっぱり封印するべきか」

↓2

朝潮「――これが報告書です」

提督「……」

朝潮「……その、朝潮の顔に何かついていますか?」

提督「ちょっとこっち来て」

朝潮「は、はい、わかりました」

提督「……」

朝潮「司令官?」

提督「……」ギュッ

朝潮「!?」

提督「はー、たまにこうして人肌が恋しくなるなぁ」ギュー

朝潮「しし、司令官、これは一体?」

提督「んー、たまにはこういうのもいいじゃないか。それとも、朝潮は嫌か?」ギュー

朝潮「そ、それは……ずるいですよ」

提督「朝潮は純粋でかわいいなぁ」ギュー

朝潮「うぅ……」

提督「……」

朝潮「……司令官?」

提督「嫌な予感がする」


青葉「青葉見ちゃいました! でも、こんなネタも今更ですよね」

霞「今に始まったことではないわね」

青葉「ですよねー……って、いつからいたんですか」

霞「ちょっと前からよ」

青葉「普段のオチなら、乱入して砲撃して終了ですよね。今回もですか?」

霞「変な恒例を決めないでくれる。それに、今回は……まあ、嫌がってないし、私も忙しいからスルーするわよ」


提督「ま、いいか。あと十分くらいこのままな」

朝潮「もう……ふふ」

~~~~~~~~

提督「嫌な予感は取り越し苦労だったか」

提督「しかし、朝潮を抱くのは精神が癒される。また頼もう」

↓2

―廊下―

朝霜「よーし、今日も頑張るかぁー」

サワッ

朝霜「っ!? また清霜か!?」バッ

提督「残念俺だ」

朝霜「司令かよ! 良い度胸だな、ほら、壁に手ぇ付けな!」

提督「……」ドンッ

朝霜「……! ち、違うだろ! あたいが言ったのは、そういうことじゃなく……!」

提督「……」クイッ

朝霜「~~!!」シュッ ゴッ

提督「ぅぐっ!? ……ほ、本気でアッパーしやがったな……」

朝霜「あ、当たりめぇだ! そんなのされたら殴るに決まってるだろ!」

提督「えー、殴らない奴も居ると思うんだけどなー」

朝霜「そんなのあたいがしるか」

提督「……さて、朝霜」

朝霜「なんだよ」

提督「ぶっちゃけ、壁ドンされてどう思った?」

朝霜「は……はぁ?」

提督「いや、雑誌とかによると壁ドンていうのは女性がしてほしい行為のひとつだとか」

朝霜「司令、それ古くないか。今は勘違い男が増えたせいか知らねえけど、してほしくねえ行為にも含まれるんだぜ」

提督「まじで?」

朝霜「雑誌の話だけどな」

提督「ふーん、でも、朝霜もそういうの見るんだな」

朝霜「清霜が持ってるから、暇つぶしに見てるだけだ」

提督「とか言って……」

朝霜「今度は地面に手ぇつくか? あ?」

提督「なんでもないです! さらば!」ダッ

―執務室―

提督「はー、流石にいきなりやられると回避できん」

提督「しかし壁ドンに顎クイか……なーんか前にもしたような……気のせいか」

下2

―トレーニング場―

五十鈴「そっちの器具を使わせてもらっても良い?」

長良「もちろん」

提督「お邪魔するぞ。あれ、今は長良型の時間だっけ」

由良「そうだけど。提督さんの用はなぁに?」

提督「いや、俺もトレーニングをしようと思っただけだ」

名取「提督が、トレーニング?」

阿武隈(提督にトレーニングって、必要なのかなぁ……)

提督「なんか不審にみつめる視線もあるけど、それ以外に理由は無いぞ」

五十鈴「……ま、勝手にすればいいんじゃない」

長良「そうですね。好きに使っていただいて構いませんよ」

鬼怒「あっ、どうせなら記録で競争しよう!」

提督「いいのか? ボロボロに負けて、自信なくすなよ」

鬼怒「自信たっぷりだね。でも、絶対に負けないから!」

長良「それでしたら長良も混ぜてください」

提督「なら三人で勝負しながら鍛錬だ!」


五十鈴「はあ、楽しそうね」

名取「一緒にしないの?」

五十鈴「馬鹿騒ぎするつもりは無いわ」

由良「そんな事言って、本音は混ざりたい、とか?」

五十鈴「そ、そんなことないわよ」

阿武隈(こういうの、ツンデレって言うんだっけ)

~数十分後~

鬼怒「今回は私の勝ち!」

長良「怒気迫るものを感じたよ」

提督「鬼怒マジパナイ!」

五十鈴「そろそろ終わる時間よ。って、なにしてたの?」

鬼怒「指相撲だけど」

五十鈴「鍛錬しなさいよ!」

由良「予想通りではあるけどね」

名取「あはは……」

阿武隈(でも試合自体はすごかったんだよね)

―執務室―

提督「トレーニング……何したっけ。懸垂回数勝負位は覚えてるけど」

提督「そもそも、アッパー避けられなかったから、鍛え直しに行っただけなんだよな……」

下2

ズイ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ズイ
ズイ₍₍ (ง ˘ω˘ )ว ⁾⁾ウ ン

―談話室―

提督「誰かいないかなー」ガチャ

瑞鶴「あら、提督さん?」

瑞鳳「また暇つぶしですか?」

提督「俺の事をなんだと……いや、合ってるから、むしろ俺の事を良く知っているとみるべきか」

瑞鶴「それで、またつまらないことでも思い付いた?」

提督「ずいずいをしよう」

瑞鶴「瑞鳳、やっぱりあの場面で艦載機は全機発艦するべきよ」

瑞鳳「ですけど、もしものことを考えたら、やはり残しておくべきだと思うのですけど」

提督「待ってずいずい、無視しないで」

瑞鶴「ずいずい言わないで。ずいずいってあれよね、ずっころばしよね」

瑞鳳「ずっころばし?」

瑞鶴「そういう遊戯があるの。かごめやもんめと同じ部類ね」

提督「そういうわけだ、さっそくやろうではないか!」

瑞鶴「でもそれ、鬼決めとか何か一人を決める時に使われる遊戯よ」

提督「……じゃあ、鬼になった人は加賀をずっころばす罰ゲーム付きで」

瑞鳳「だ、だめですよ!」

瑞鶴「……それ、提督さんが鬼になったらきちんとするのよね」

提督「ああ、あた、当たり前じゃないか」

瑞鳳「凄く震えてますけど!?」

瑞鶴「いいじゃない。じゃあ……ずいずいずっころばーしー――」

~~~~~~~~

~~~~~~~~

瑞鶴「欠いたのだぁれ♪」

提督「上手い上手い。瑞鶴も歌上手だな」

瑞鳳「はい、驚きました」

瑞鶴「そ、そう? ……って、提督さん、きちんと罰ゲームしなさいよ」

提督「な、なんだっけ?」

瑞鶴「提督さん」

瑞鳳「ま、まあまあ、元々無謀な罰ゲームなんですし」

加賀「何が無謀なんですか」

提督「げ、加賀!? 何時の間に居たんだ!?」

加賀「変な声が聞こえて来たから覗いてみただけです」

瑞鶴「へ、変てなによ!」

加賀「何か間違った事でも?」

提督(しめしめ、今のうちに……)

瑞鳳(提督逃げてる……)

―執務室―

提督「加賀にするつもりは無かったし、別に逃げてもいいよね」

提督「でも、ずいずいずっころばしか……確かにアカペラで歌うと変に聞こえるか」

下2

提督「げへへ、格納庫にずいずいしちゃうぞ~」スッ

瑞鳳「きゃっ!?」

瑞鶴「な、何してるのよ提督さん!」

提督「ぬふっ、瑞鶴もずいずいされたいのか~? ふへへ、いいぞ^~、ほれ~」スッ

瑞鶴「や、止めて!」

瑞鳳「あっ、そんなところまで……だ、だめ、それには触らないで……っ」

瑞鶴「んっ……! ちょ、ちょっと、駄目……壊れちゃうから……!」

瑞鳳「やっ、そんな、奥、乱暴に……んんっ!」

瑞鶴「だ、だめ……そこ、そこは……ああっ!」




秋雲「ずいずいって言ったらこうじゃないの(怒)」

提督「いや、本当に壊れたら困るだろ、艦載機」

夕張「人の色彩感覚を狂わせる装置を作りました!」

提督「唐突な上に、何気にやばそうな装置だな!」

夕張「とりあえず、実験用に陽炎型が集合している談話室に仕掛けました! さっそくこの画面で確認しましょう」

提督「画面って……SOUND ONRYって書いてあるけど」

夕張「流石に盗撮は駄目ですからね」

提督「盗聴も駄目だろ……」

夕張「あ、ほら、装置が作動しました!」

―談話室―

陽炎「それで……って、あら」

不知火「どうしたの」

陽炎「なんだか目の前が……ん、あれ、不知火の髪の色が、私と同じ色に?」

不知火「……医務室まで付き合うわよ」

陽炎「いや、だって……」

黒潮「なにしとるん? って、不知火、何時の間にイメチェンしたん?」

不知火「い、イメチェン?」

初風「……これ、全員変になってるみたいね」

雪風「雪風の髪の色も変わってる?」

天津風「陽炎以外は皆変わっているみたいね。でも、なんで……?」

時津風「んー、よく分かんないけどさー、天津風の髪の色って雪風の元の色と同じ色だよね」

天津風「えっ? あ、本当……」

磯風「? つまりどういう事だ」

浦風「じゃけぇ、髪の色が入れ替わっているだけってこと」

磯風「なるほど」

浜風「さて、犯人は……すでに心当たりが有りますね」

谷風「へえ、流石浜風だねぇ!」

野分「いや、普通に司令じゃないかしら。それ以外にこういう事が出来る人が思い浮かばないけど」

舞風「あはは、信用ないみたいだね」

秋雲「じゃあ、舞風は他に思いついたの?」

舞風「……あとは、工廠の人くらいかな?」

―執務室―

提督「……なんか見事に犯人像が割られてるぞ。俺関係無いけど」

提督「……? って、逃げやがったな夕張。ばれてるってのに……」

提督「まあ、談話室から出れば元通りらしいし……でも髪の色が違う風に見えるだけって、効果としては全く使えないな」

下2

―母港―

提督「海で泳がないか」

春雨「私と、ですか?」

提督「もちろん!」

春雨(確か司令官は偶に無謀な事をするって聞いたような……と、止めないと!)

春雨「その、海は危険ですよ? 敵がいつ襲って来るかもわからないですし……」

提督「……春雨は、言い訳してまで俺と泳ぎたくないのか……」

春雨「い、いえっ! そういう訳じゃないですよ!」

提督「じゃあ泳ぎに行こうか」

春雨「はい! ……あれ?」

―海―

提督「ははは、春雨も速いな!」

春雨「司令官が私に着いて来ている方が……いえ、なんでもないです」

提督「それより春雨」

春雨「はい?」

提督「ここどこだ?」

春雨「知らずにこんなところまで来たんですか!?」

提督「……太陽の位置と、潮の流れからして……」

春雨「分かるんですか?」

提督「分からん!」

春雨「ですよね……」

駆逐棲姫「何してるの……?」

提督「おお、いつしかの。ちょっと帰り道が分からなくなったんだ」

春雨「海図くらいは準備しているかと思ってました……」

駆逐棲姫「陸なら、そっちの太陽の方向に行けば着きますよ」

提督「おお、ありがとう」

春雨「今度お礼するね」

駆逐棲姫「いえ、気になさらず」

提督「よーし、帰り道は競争だ」

春雨「陸まで距離あると思うんですけど……あれ、さっきの子、何で海に……」

提督「何考えてんだ、置いていくぞ」

春雨「あっ、待ってください!」

―執務室―

提督「海は海水浴場でも事故が多発するという。キチンと事前準備は整えるようにしよう」

提督「今泳ぎたいなら沖縄行くべきだけど……さすがに、そこまではなー」

下2

提督「赤城、外食に行くぞ」

赤城「お誘いですか? はい、喜んで行かせてもらいます」

提督「よし。それで……」

加賀「……」

提督「……行先はデパートだけどいいか?」

加賀「いま目が合いましたよね」

提督「だって、加賀は別に俺と外食しようとは思わないだろ」

加賀「赤城さんが行くなら別です」

提督「そうか……いや、ついてくるのは構わないのだが」

赤城「それで、どうしてお誘いを?」

提督「それはな――」

―フードコーナー―

提督「この激厚ステーキ(特盛)を頼もうかと思って」

赤城「なるほど……一人でもよかったのでは?」

加賀「そうですね。これぐらい躊躇するほどのものではないように思います」

提督「そうだけど、どうせならだれか誘って食べたいだろ。デパートまで来て一人っていうのもなんだし」

赤城「確かに、分かる気がします」

加賀「それより、早く並ばないと人が増えますよ」

提督「……なんか加賀乗り気だな」

加賀「気のせいです」

~~~~~~~~

赤城「これは……」

加賀「予想以上ね……」

提督「特盛って、単純に数が多いのか……上に乗っているやつ、鉄板の熱全く届いてないだろ」

赤城「早く食べないと、お肉が固くなっちゃいますね。いただきます」パクパク

加賀「いただきます」パクパク

提督「いただ……って、もう二段目に入ってるとか、二人とも食べるの早いな!」


三人「「「ごちそうさまでした」」」

赤城「久しぶりに満足しました」

加賀「そうね。たまにはこういうところで食べるのも悪くないわ」

提督「さーて、食器下げて帰るか」

「う……もう食べられない……」

「あらあら、ビッグ7なのにもうお腹いっぱい?」

「いや、この激厚ステーキ(特盛)は常人一人が食べられる量じゃないだろ……実際最低四人で食べてくださいって書いてあったしな」

三人「「「……」」」

―執務室―

提督「何となく気まずくなってしまった……いや、駆逐艦は無理だとは思っていたけど……」

提督「……食べ過ぎには気を付けよう」

下2

提督「五月雨、お茶」

五月雨「はい、どうぞ」

提督「ありがと。……正直ドジを期待してた」

五月雨「もうっ、提督意地悪ですよ」

提督「ははは、悪い悪い」

五月雨「ところで、どうして突然私を秘書艦に?」

提督「海域に必要ってのと……まあ、なんとなく」

五月雨「そんな、何となくで決めて良いんですか?」

提督「だって、どうせ供につかせるなら、一緒に居て気兼ねない奴の方が良いだろう」

五月雨「気兼ねない、ですか」

提督「お、何か別の対象に見られていた方が良いか?」

五月雨「べ、別の対象って、な、なんですか?」

提督「……友達?」

五月雨「それはちょっと……」

提督「ええっ、俺と友達って嫌なのか!?」

五月雨「そ、そういう意味じゃないですから!」

提督「知ってる。ちょっとからかっただけ」

五月雨「やっぱり提督は意地悪ですね……」

提督「五月雨相手にあまり軽口は叩かないから、たまにはな」

五月雨(それは喜んでもいいのでしょうか……?)

提督「……ところでお茶なんだけど」

五月雨「なんですか?」

提督「濃すぎる。入れる量間違えたな」

五月雨「はうっ! また私……」

提督「いや、期待していたこっちとしてはむしろ嬉しいオチだ」

五月雨「いつか、絶対にドジを直すんですから」プクー

~~~~~~~~

提督「会話することにより、旗艦としての緊張もそれなりにほぐれたはず。いい結果を出してくれるだろう」

提督「……ほぐれすぎてドジらないかな。逆に心配になって来た」

下2

―ゲームセンター―

提督「はい、ゲーセンに来ました」

鈴谷「あ、あのゲーム新しく追加された奴じゃない」

熊野「お二人は以前にもきた事があるんですの?」

鈴谷「提督とくるのは久しぶりだっけ」

提督「せんとくん取って以来だな」

鈴谷「熊野は初めてだよね」

熊野「ええ、来る機会も無かったですから」

提督「だったら、経験者としていろいろ教えてやろうではないか」

熊野(提督がそう言う事を言うときは不安ですわ……)

提督「さて、やっぱりクレーンゲームかな」

鈴谷「ゲーセン行ったらどこにでもあるしね」

熊野「はあ、原価換算したら絶対に損をするあれですか?」

提督「それは言うな」

鈴谷「それ言っちゃうとゲーセンじゃ何もできないから」

熊野「ご、ごめんなさい?」

提督「じゃあ、さっそくクレーンゲームだ。狙うのは……お菓子にするか」

鈴谷「珍しいじゃん。いつもはへんな人形とかなのに」

提督「お菓子は間宮とか鳳翔に頼んだ方が美味しいの作ってくれるしな。だが、今回は見映え重視だ」

鈴谷「へえ、自信たっぷりだね」

提督「ふっ、俺にかかれば朝飯前だ」

熊野(何言ってるのか分かりませんわ)

提督「俺ぐらいの玄人になると、パッと見ただけで下す場所が分かる……ここだぁ!」

グッ スカッ

提督「……」

鈴谷「ぷっ、ださ」

熊野「押し込んだだけに見えましたが……」

提督「……く、クレーンの力が弱すぎるんだ。うん」

鈴谷「へー、熊野やってみて」

熊野「何で私が? ま、まあ、するのはやぶさかではありませんけど」

鈴谷「で、ここの……このタイミングでボタン離して」

熊野「よく分かりませんけど、わかりましたわ」

提督「少々アドバイス貰ったところで……」

熊野「……あら、何だかたくさん落ちましたわ」ドサドサ

提督「なにー!」

―執務室―

提督「ビギナーズラック……というか、鈴谷が答えていたからだな」

提督「……あれ、最近ゲーセン行ってもクレーンゲームしかしていない気がする」

下2

―秋月型の部屋―

提督「秋月ー、耳かきしてくれ」

秋月「それくらいなら、いいですけど」

提督「……」

秋月「どうかしましたか?」

提督「まさか、快く行ってくれるとは……」

秋月「いえ、これでも結構戸惑ってますからね」

提督「そうはみえんが……まあいいか。それ、さっそくやってもらおうか」ゴロン

秋月「はい、どうぞ」

提督「すでに転がっているが?」

秋月「耳かきって膝に頭を乗せる物じゃないですか」

提督「え、恥ずかしい……」

秋月「羞恥する箇所おかしくありませんか」


~数分後~

提督「あ゛~~」

秋月「なんですか、その声」カリカリ

提督「耳かきされると出ない?」

秋月「司令だけかと」カリカリ

提督「そうか」

秋月「……ふー」

提督「っ」ビクッ

秋月「あっ、すみません」

提督「秋月……男がビクッとするところなんて、誰にも需要は無いぞ」

秋月「需要のために耳かきをしている訳では無いですよね」

提督「くっ、なんか秋月が余裕をもって受け答えをするようになってしまった」

秋月「なんですか、それ。……でも、そうだとするなら司令のおかげですね」

提督「なんだよそれ、面白い冗談だな」

秋月「冗談では……はぁ、別にいいですけど。はい、逆向いてください」

提督「はーい」ゴロン

秋月(……こっち向きは、流石に恥ずかしいです……)

―執務室―

提督「はー、よかった。人にやってもらう耳かきは、なんとも良きものよ」

提督「会話もできて、耳も掃除できて、一石二鳥だな」

下2

―鳳翔の店―

鳳翔「はい、提督どうぞ」

提督「ありがとう。いやー、鳳翔の作るつまみは美味しいな」

鳳翔「あら、お上手ですね」

提督「本心なんだけど。ところで、あっちの方にダーツが有るように見えるのだが」

鳳翔「あれですか? 手軽に遊べそうな遊戯を考えているところに、龍鳳ちゃんが持ってきてくれたものなんです」

龍鳳「たまたま売店に売ってあっただけですよ」

提督「……遊んでも良い?」

鳳翔「ええ、いいですよ」

提督「しかし、ダーツなんていつぶりか。昨年の祭りぶりかな」

龍鳳「はい、これが矢です」

提督「さんきゅー。ええと、距離は……この辺かな。それ」トスッ

鳳翔「1のダブルリングですか。お上手ですね」

提督「何か嫌味言われているみたいだな……隣に20と18だからそんなつもりは無いんだろうけど」

龍鳳「……」

提督「……龍鳳もやってみるか?」

龍鳳「いいんですか? で、では……えいっ」トスッ

鳳翔「ブル……いえ、ギリギリ17ですね」

提督「普通にうまいな……鳳翔もどうだ」

鳳翔「では……」トスッ

龍鳳「ま、真ん中ですよ!」

提督「さすが鳳翔。熟練の腕はダーツでも適用されるか」

鳳翔「熟練と言われる程じゃありませんから。ただ、ちょっと練習してただけです」

提督(そういえば、ダーツボードに使った跡が見えるような……)

龍鳳(今日の朝買ってきたのに、何時練習していたんでしょうか……)

提督「……まあ、俺が少し勘を取り戻せば、すぐに鳳翔なんて抜いてやるからな」

鳳翔「あら、では、私も負けないように鍛錬を積んでおきましょうか」

龍鳳(あ、鳳翔さんが負けず嫌いなところを出すの、珍しいですね)

―執務室―

提督「鳳翔ブルに投げるの上手すぎる……ラウンド・ザ・クロックでは勝ったから、中心ばかり練習してたんだろうけど」

提督「龍鳳も結構上手だった。……まあ、一回も勝てなかったのは相手が悪かったけど」

下2

―談話室―

大鳳「ジェンガで再戦しましょう」

提督「お、おう」

瑞鳳「(何で今更なんでしょうね)」

龍驤「(ずっと練習しとったらしいで)」

瑞鶴「(前回の負け方は練習してもどうにもならないような気もするけど)」

大鳳「さて……先手は譲りましょう。安全は確保したいですからね」

提督「一応前回の負け気にしてるんだな……後に回しても意味ないけど。じゃあ、俺から」スッ

瑞鳳「やっぱり上手ですねー」カチャ

瑞鶴「何でそんなに静かに抜けるのよ」カチャ

龍驤「とはいえ、ジェンガは守って勝てるもんやないけど」カチャ

大鳳「負けなければいいんです」スッ

提督「なんかそれはそれで悲しいな……」スッ

瑞鳳「でも無事に一周まわりましたよ」カチャ

瑞鶴「というか、なんで私達は抜くタイミングで話しているのかしら。普通は逆じゃない?」カチャ

龍驤「せやな。ちょいと黙ってみよか」カチャ

大鳳「……」スッ

提督「……」スッ

瑞鳳「……」カチャ

瑞鶴「……」カチャ

龍驤「……やめやー!!」ガシャァン

瑞鶴「そっちが黙ってみるって言ったんでしょ!?」

龍驤「せやけど、寂しすぎやろ!」

瑞鳳「あわわ、け、喧嘩は……」
大鳳「真面目にする気ないんですか?」カチャ

提督「ちょ、室内でボウガン構えないで」

大鳳「練習した方の身にもなってください!」

瑞鳳(うぅ、これがリアルファイトってやつなのかな……? でも、ジェンガはまた再戦すればいいよね……)

―執務室―

提督「何故ジェンガは平和に終わらないのか。面子が悪いのだろうか……」

提督「……いや、むしろこっちの方が逆に面白いか」

下2

―デパート―

提督「葛城の着任記念に来てみました」

雲龍「それ、誰に言っているんですか」

葛城「あなたは仕事が大変なら来ることも無かったのよ?」

提督「こんな面白そ……記念だし、せっかくなら仲間に入れてほしかったからな」

葛城「面白そうって言おうとしたわよね。しかも、今のわざと言わなかった?」

提督「あっ、あそこに良さ気な服が!」

葛城「話の逸らし方も雑!」

天城「まあまあ、葛城。提督はいつもこんな感じですよ」

葛城「大丈夫なの、ここの鎮守府」

雲龍「でも、本当にいい服……試着してみようかしら」

天城「あっ、こっちの方にも……」

提督「……しまった、女性に服を在り処を示唆するべきでは無かった」

葛城(何か後悔してる……)

雲龍「でも、これ少しサイズが……」

天城「もう一サイズ大きいのは無いのでしょうか。店員さんに聞くべきですかね」

葛城「……」

提督「……ようこそ、龍驤とその仲間の世界へ」

葛城「一応顔見せしてから数日なんだけど、嫌に馴れ馴れしいわね!」

提督「大丈夫、瑞鶴もその一人だ」

葛城「え? 瑞鶴さんが? それなら……って、騙されないから!」

提督「そういえば、此処に葛城のサイズにピッタリそうなTシャツが有るぞ」

葛城「また話を……って、そんなラフな服を女性に勧めるべきじゃ無くない」

提督「でもオフの日は何時も着飾るわけじゃないだろ」

葛城「それは、そうかもだけど……」

雲龍「安いし、出かける用事が無い時には便利かも」

天城「しかもこれ、三つで安くなりますよ。姉さま、試着してみます?」

雲龍「ええ。これが葛城の分ね」

葛城「え」

~数分後~

雲龍「やっぱりきついわね……でも、これはサイズ別にあるから、他のサイズを探すのも良いわね」

天城「そうしましょうか。私の分もきついから、探さないといけません」

葛城「……ピッタリなんだけど」

提督「そりゃそうだ。ていうか、一人だけぴったりとか、ははは!」

葛城「……あなた、鎮守府に帰ったら遺書を書いておきなさい」

提督「すまん、謝るから本気で殺ってきそうな目は止めて」

―執務室―

提督「服を買ってあげる事でなんとか抑えることが出来た」

提督「でも、まあ……姉が姉だけに、ネタにするのは他の子より可愛そうだな」

下2

―談話室―

ビスマルク「ドイツはドナウ川の源流があったりするわよ」

イタリア「それって良い所なの?」

ビスマルク「源流よ? すごくない?」

オイゲン「ドナウ川はドイツだけに流れているわけじゃないですからね……」

ローマ「やっぱり、イタリアの方が良いという事ね」

イタリア「え、私?」

マックス「国の事だと思います」

レーベ「でも、ドイツにも良い所はいっぱいあるよ」

提督「……意外、でもないか」

響「海外艦という繋がりはあるからね」

イタリア「提督に……駆逐艦の方ですか。こんにちは」

提督「というか、何しているんだ?」

ビスマルク「自分の国の良い所を言い合っているのよ」

提督「へー、どんなのがあるんだ」

ビスマルク「……えっと、さっき私が言ったから、誰か言う?」

オイゲン「じゃあ、私が。ドイツは一番に上げられるのはビールですね」

提督「あー」

レーベ「安くておいしいからね」

マックス「ビールに関しては日本よりも良質だと思います。ほかに、全体的にルーズなところもですね」

ローマ「それって、悪い所じゃないの?」

オイゲン「日本に来て分かった事だけど、休みとか多いし、病気とかになったらきちんと休めるんです」

提督「それに関しては日本がおかしいだけだけどな」

イタリア「でもイタリアも良い所はいっぱいあるんですよ」

ローマ「日本からすると、身近にある食べ物も多いわ。それに、世界遺産も多いから、旅行とかに行きやすいわよ」

イタリア「スリはちょっと気を付けた方が良いですけどね」

ローマ「姉さん、今は良い所を言うときよ」

提督「まあ、料理なんかは本格的か」

ビスマルク「ど、ドイツにだって、美味しい食べ物はあるわよ」

提督「伝統料理ってのはどこにでもあるからな。響はどう思う?」

響「それは、ロシア艦のヴェールヌイとして答えてほしいのかな」

提督「え? あ……すまん」

響「……い、一応伝統料理はあるよ。それに、料理は安いし……」

ビスマルク「……ま、まあ仲良くしましょう。今度御馳走するわ」

イタリア「グラッチェ。こちらも、何かお返しを考えておくわね」

響「スルーされるのが一番つらいんだね……」

提督「今夜酒に付き合ってやるから、元気出せ」

―執務室―

提督「ドイツはペットに対して寛容、みたいな話もあるか。イタリアも人が陽気だったり」

提督「何処の国も良い所はあるんだよ。うん……」

下2

雷「響だけずるいわ!」

電「なのです」

提督「はあ……一体どういう意味で?」

雷「昨日秘書艦をしてたって聞いたわ」

電「なのです」

提督「昨日は響が必要だったし……でも、雷もやってみるか?」

雷「いいの? だったら、任されるわ!」

提督「雷はいいんだが……電、お前そんな嫌そうな眼をするなら部屋に戻ってもいいんだぞ?」

電「雷ちゃんと二人きりにすると、司令官さんが際限なく甘えそうなのです」

提督「おいおい、電は俺のことなんだと思っているんだ」

雷「司令官、私が秘書艦になったからには、いっぱい頼ってもいいんだから!」

提督「マジで? じゃあ、ここの作業をやってもらおうかなー」

電「おい」

提督「じょ、冗談だから、そのキャラを無視した一言はやめてね」

電「はぁ……やっぱり放っておけないのです」

雷「電? 無理しなくてもいいのよ」

電「雷ちゃんの優しさが時に恨めしいのです」

提督「電だって、昔はもっと優しかったのに」

電「とりあえず、やるからには秘書艦の仕事をするのです」

雷「でも、秘書艦って何をするの?」

電「任務を完遂したり、出撃の旗艦、お茶くみなどのサポートなのです」

提督「任務終わったし、今日はもう出撃ないぞ」

雷「だったら生活のサポートね。まかせて!」

提督「夕食も終わったし、お茶も用意してるから、本当にすることないんだが……」

電「……あとは笑顔で立っているだけなのです」ニコッ

雷「むー、本当に頼ることないの?」

提督「えー、じゃあ、おさわりしちゃおうかなー」

電「……」ブンッブンッ

提督「電ちゃんはなんで真剣を素振りしてるの? それ飾り用だぞ?」

雷「なら、何かしてほしいことがあったらいつでも言ってね?」

提督「分かった。暇なら部屋に戻ってもいいからな」

雷「大丈夫、ちゃんといるわ!」

~深夜~

雷「スー…スー…」

提督「寝ちゃったのか。電、頼めるか」

電「はい、電たちはここでお暇しますね」

提督「ああ。雷には少し無理な時間だったか」

電「……司令官さんも、無理はしないようにお願いするのです」

バタン

提督「さーて、俺もそろそろ……あれ、今電がデレてた?」

提督「……いや、雷を起こさないために優しい言葉をかけただけに違いない。間違いない」

↓2

―食堂―

間宮「またキッチンを使わせてほしい、ですか?」

提督「ああ。ちゃんと後片付けはするからさ」

間宮「提督の頼みですからお断りはしませんよ。用事が終わるまで食堂の掃除をしていますね」

提督「……あ、いや、間宮はのんびりしていてくれ。そんなに時間はかからないから」

間宮「?」

提督「とにかく、間宮はゆっくりしてくれるだけで良いから」

間宮「はあ……」

提督「さーて、材料はあるかなー」

間宮(また何かしようとしているんでしょうか?)

~数十分後~

提督「間宮、待たせたな」

間宮「実際結構待たされました」

提督「……嫌味?」

間宮「ふふ、少しだけ」

提督「すまん。ただ、今日は間宮にゆっくりして貰おうと思ったんだ」

間宮「どうしてですか?」

提督「ほら、母の日があるだろ。だから、少しは労りと感謝をだな」

間宮「母の日……って、私はまだお母さんじゃないですから!」

提督「ははは、そんな事は分かっている。けど、お世話になってるわけだし、やっぱり何かしなくちゃとは思ってな」

間宮「もう……」

提督「そんなわけで、手作りクレープだ! 甘い物は疲れた体に良く聞くというからな!」

間宮「クレープ?」

提督「え、もしかして嫌いだった?」

間宮「あ、いえ、クレープなら鉄板を用意したんですけど……」

提督「この食堂そんなものまであったのか。なら、今度作る時は使わせてもらおうか」

間宮「そうしてください」

提督「……食べないの?」

間宮「あっ、い、いただきます。……」パクリ

提督「なんていうか……いつもありがとな。お前がここで美味しい料理を作ってくれるから、みんな頑張れるんだ」

間宮「うぅ……」

間宮(そんな風にされると、喜びが抑えられないじゃないですか……)

―執務室―

提督「というわけで、明日に限り夕食が豪華になる模様。思わぬ付加効果」

提督「しかし、素直に喜んでもらえるのは嬉しいな。正直お母さん扱いはもっと怒られると思ってた」

下2

提督「あー、最近真面目に対応してばかりだな……」

ビスマルク「アトミラール、いいかしら」

提督「んー?」

ビスマルク「U-511……いえ、今は呂500だっけ。あの子にもっと日本の文化を教えてあげたいのだけど」

提督「なんだビスマルク。ろーちゃんは少なくとも他のドイツ艦よりも馴染んでいると思うが」

ビスマルク「たまに間違った知識を披露するじゃない」

提督「それはお前も同じ……ん、いや、そうだな……」

ビスマルク「? 何を考え込んでいるの」

提督「……よしわかった。俺がろーちゃんに文化を教えてやろう!」

ビスマルク「……なんだか嫌な予感がするけど、まかせたわ」

―呂号潜水艦の部屋―

提督「ろーちゃん!」ガチャ

呂500「提督?」

提督「今日は日本の文化を教えに来たぞ!」

呂500「本当! でも、どんなのを教えてくれるの?」

提督「そうだな……じゃあ、うちのはっちゃんだが、結構オタクなんだ」

呂500「オタクって、萌えーの?」

提督「読書の方だけどな。それで、日本のオタクというのは、同じものを三種類買うんだ」

呂500「そうなんだ」

提督「ああ、これがかの有名な保存用観賞用使用用だ。と言っても、ろーちゃんは知らなかっただろうけど」チラッ

呂500「あ、それ知ってる!」

提督「え、マジで。じゃあ、でち公がたまに着る服に(俺が選んだ)アニメの服装があるんだ」

呂500「コスプレだよね。でっちなんだかんだで楽しそうだよ」

提督「……そ、それなら、イムヤがやってるスマホのゲームのガチャ、当たる確率が超低確率とか……」

呂500「イムヤがよく文句言ってるよね」

提督「あー、えー……関係無いけど、田舎の日本の家は通気性を高めつつも、締め切ると熱を逃がさないように出来ているんだ」

呂500「へー、そうなんだ」

提督「……年に二回、夏と冬にある大型同人イベント」

呂500「コミケだよね」

提督「これ俺が変な文化教える前に知ってるじゃん! こんな偏った知識を教えたやつだれだ!?」

呂500「どうしたの?」

提督「いや……本当に日本の文化を知りたいなら、鳳翔とか、真面目で純日本の雰囲気がする人に聞いてくれ……」

―執務室―

提督「これが企画倒れか……」

提督「それと、ビスマルクが俺に頼んだ理由も分かった。なるほど、これは流石に毒され過ぎてる。悪い方向に」

下2

―長門型の部屋―

提督「げへへ、陸奥さんよぉ、大人の遊びをしないかぁ?」

陸奥「大人の遊びって……ちょっと、それ不謹慎じゃない?」

提督「なーにいってんだって。大人なら多くの人がやってる。実は鎮守府でもやっている奴も居る」

陸奥「本当かしら」

提督「じゃあ、準備するから」

陸奥「ちょっと待って。その、私初めてなのよ?」

提督「なに、みんな最初は初めてだ。すぐに慣れて気持ち良くなってくる」

陸奥「こういう事で快楽を得たくないんだけど……」

~数分後~

提督「おい、動けよ」パンパン

陸奥「今は、無理……」

提督「しょうがねえなあ、じゃあ、俺が積極的に行ってやるよ」パンパン

陸奥「あっ、駄目、そこはっ!」

提督「駄目? 知るか! 中にいくぞ!」パンパン

陸奥「駄目よっ! 今そこには……!」

提督「うっ……」

陸奥「ああ……本当に行くなんて……」

提督「入り口前で動かないお前が悪いんだろ」

陸奥「敵が中に居るからこうして見張っていたのよ!」

提督「そうやって下がってるからリス地まで押されるんだよ!」

陸奥「初心者に無理言わないで!」

提督「初心者だろうとなんだろうと、戦況を読めずに芋る奴は害悪だ!」

長門「……何をやっているんだ?」

提督「18禁ゲームだ」

陸奥「FPSよ」

長門「ああ、確かにそうだが、それのどこに気持ち良くなる要素があるんだ」

提督「そりゃ、敵を無双してたら能汁でて半端なくハイになれるもんだ」

陸奥「触ってみた感じ、そんな風になれる気はしないけど」

―執務室―

提督「大人な遊び(18禁FPS)。でも、最近は17以上も多いけど」

提督「それにしても、結局一勝も出来なかった。初心者連れるのはきついか」

下2

―母港―

提督「……」スッ

飛鷹「……」トクトク

提督「……」コクコク

飛鷹「……月が綺麗ですね」

提督「……私、もう死んでもいい」

飛鷹「それ、前も言ってたわよね?」

提督「ああ、そうだな」

飛鷹「気になったので調べてみたんだけど、意訳の一つみたいじゃない」

提督「んー、そうだな」

飛鷹「……聞いてる?」

提督「そういう難しい事は今は考えなくていいじゃないか」

飛鷹「あなたが前にネタ振りしたんじゃない」

提督「月見酒は前も言ったように心をいやすためにやっているんだ」

飛鷹「ええ、そういえばそうね」

提督「だから、意訳とかどうとか難しい事は考えたくない」

飛鷹「提督……」

提督「なんだ、呆れたような目をしても考えは改めんぞ」

飛鷹「……いえ、それでこそ提督って感じはするわ。どこでそんなに疲れたようになっているのか知らないけど」

提督「まあまあ、細かい事は考えずに、今はこの月夜を眺めようじゃないか」

飛鷹「それもいいけどね。なーんか、今日の提督はいつもと違って抑えめ」

提督「俺にだってノスタルジックな気分に浸ることくらいある」

飛鷹「ふーん」

提督「……」

飛鷹「……」

提督「……無言は嫌だから、何か喋らないか?」

飛鷹「さっき自分で言ったこと覚えているわよね」

―執務室―

提督「ふぅ、月と飛鷹を見て癒されたから、またテンション上げていくか」

提督「というか、よく飛鷹は前の事を覚えていてくれたもんだ。大した時間を過ごしたわけじゃ無かっただろうに」

下2

―ボウリング場―

那智「なに、掘削の事では無かったのか」

提督「前もそんな事言われたな……」

那智「こちらはしっかり準備してきたというのに」

足柄「そんな準備しているのは那智姉さんだけよ」

那智「なんだと!」

提督「驚く事じゃないだろ……」

妙高「提督たちは投げないんですか?」

提督「ああ、今投げ……って、妙高と羽黒のレーンもう一ラウンド終わってる!」

妙高「すみません、少し熱くなってしまったもので……」

提督「いや、怒っているわけじゃないが」

足柄「妙高姉さん、半分以上ストライク取ってる……流石ね」

那智「すごいのか?」

足柄「すごいのって、もしかして初めて?」

那智「こういう場所には来ないものでな」

足柄「らしいことを言うわね。一回投げてみたらわかると思うわよ」

那智「そうか? では……ふっ!」ブンッ

提督「ストップ! オーバースローで投げる物じゃない!」パシッ

那智「なぜ止めた」

羽黒(むしろよく止められましたね……)

提督「投げる時はこう、下からだ」

那智「なるほど。では、再びやってみるとしよう」シュ ゴロゴロ ガタッ

足柄「ガーターね」

提督「力任せに投げたら、そりゃそうだな」

那智「くっ、もう一度だ!」シュ ゴロゴロ ガタッ

足柄「ガーター、交代ね」

提督「初心者は大体そんなもんだ」

足柄「今日は投げ方を覚えるくらいがちょうどいいんじゃない?」

那智「……そう言われて黙っているはずがないだろう。今日中に提督と足柄の記録を抜いてやる」

提督「あらま」

足柄「なんだかんだで那智姉さんも負けず嫌いよね」

~数時間後~

足柄「総合スコアで……私の勝ちよ!」

提督「くっ、微妙に負けた!」

那智「またいつか再戦する……!」


羽黒「司令官さん達の方は100いってませんね。妙高姉さん、もしかして……」

妙高「ふふふ、全員が楽しめるのが一番よ」

―執務室―

提督「今日も調子が悪かった。そうに違いない」

提督「というか、俺ってもしかして単純に下手なんじゃ……」

下2

―公園―

提督「……」

タッタッタ

春雨「はぁ……はぁ……す、すみません、待ちましたか?」

提督「いや、俺も今来たところだ。ほら、飲み物」

春雨「あ、ありがとうございます……ゴクゴク……ふぅ」

春雨(今来たところなのに、しっかり飲み物を買ってきてる……これって……)

提督「じゃあ、少し休憩したら行こうか」

春雨「……はいっ」

提督「あ、そうだ春雨」

春雨「なんでしょうか?」

提督「その服、似合ってるぞ」

春雨「……! も、もう……司令官も、かっこいいですよ……」ボソッ

提督「?」

―デパート―

提督「買い物と言えばやっぱりここだよな」

春雨「今日は何を買いに来たんですか?」

提督「テキトーに遊べそうなものを」

春雨「はあ、なるほど」

提督「春雨は何か欲しいものとかあるか?」

春雨「いえ、特には……」チラッ

提督「……そういえば、最近は夏服も出てくるようになってきたな」

春雨「季節も変わりますからねぇ」

提督「そうだ、春雨も何か着てみないか。夏の新作」

春雨「え? で、ですけど……」

提督「俺が見たいんだって。ほらほら、そこの服屋に入るぞー」スタスタ

春雨「あわわ、ま、待ってくださいっ」

―フードコーナー―

春雨「服まで買ってもらって……なんだか申し訳ないです」

提督「いや、また見てみたくなるほど似合っていたし、着てくれるならいい出費だった」

春雨「そう、ですか……?」

提督「うーん、なら、ここの昼食は代わりに払ってもらおうかな」

春雨「は、はい! 任せてください!」

提督「じゃあ……お、あのオムライス美味しそうだな。あれにする」

春雨「え、いいんですか? 司令官としては少し量が少ないんじゃ……」

提督「いいや、今すっごくオムライスが食べたい気分になった。絶対に譲らん」

春雨「くすっ……わかりました。では、私も同じものにしますね」

提督「いいな、おそろいだ」

春雨「はいっ」

―執務室―

提督「――ということで、楽しめるデートのコツという本の通りに行ってみた」

提督「春雨には本の真似事をしてみたいといって付き合ってもらったが、実際に楽しかったのだろうか。はたして」

↓2

―談話室―

提督「バトルシップを見よう」

大和「バトルシップ……ですか?」

長門「なんだそれは」

提督「知らないのか? 一部じゃ結構有名なんだが……」

陸奥「あまり映画とか見ないから」

武蔵「そんな事をしている暇が有るなら鍛錬をする」

陸奥「そういう訳じゃ無いんだけど……」

提督「まあまあ、たまにはいいじゃないか。実際、面白いからさ」

大和(提督がこういう時って、何かしらあるんですよねぇ)

~視聴終了~

提督「いやー、いつみても戦艦のドリフトは凄い」

武蔵「退役した艦が最後を決めるシーンは良かったな」

長門「レーダーに頼らない距離の計測も流石だった」

大和「……ですけど、結局宇宙人は何のために来たんですか?」

陸奥「そもそも、宇宙から来る技術が有るのに、何で海戦なんかしてるの」

大和「なんだか、逆に少し可哀想な気がしますね……」

提督「ええ、いや、そういうのを見る映画じゃないから……」

武蔵「あまりそう言う事は考えなかったな」

長門「私もだ」

大和「二人共、映画を見るときはもうちょっと深く見ましょうよ……」

陸奥「らしくはあるけれど」

武蔵「そもそも、この映画の宇宙人というのは、現実の深海棲艦と同種ではないのか?」

大和「それは……」

陸奥「現実と映画を混ぜ合わすのはよくないわよ」

武蔵「そうだがな。だがB級映画を楽しむように、あまり余計な事は考えない方が良いぞ」

陸奥「……」

大和「……あれ、武蔵、B級映画って知っていたの?」

武蔵「なぜそう思う」

大和「面白かったと感想を言う人が、自分でB級とはあまり言わないでしょ」

武蔵「……ふっ、ではな」

大和「あ、武蔵!」

提督「何だかわからないけど、解散にするか。ぶっちゃけ、バトルシップは監督の本命じゃないらしいから、適当に見るのが一番だぞ」

陸奥「そうね、映画は映画だものね」


長門(……最後の方見返していたら、もう解散していただと)

―執務室―

提督「バトルシップは戦闘シーンはそこそこいいぞ。評価は最高に悪いけどな」

提督「というか、俺見るとき宇宙人の事とかなにも考えて無かったな……大和とか陸奥とかよく見てんだなぁ」

下2

―夕雲型の部屋―

夕雲「高波、鎮守府にようこそ」

巻雲「ゆーっくりしていてね~」

高波「は、はい……」

長波「まあ緊張すんな。新しい姉妹が着任したから歓迎会なんて、結構どこでもやっている事だぞ」

高波「そ、そうなんですか? 高波姉さまが言うなら、なるべく緊張しないようにするかも、です」

朝霜「あんま碌な歓迎会しないって聞くけどな」

早霜「まじめにするときも……ある……」

清霜「そうね、いろいろやっていたし」」

提督「なんにせよ、今日は高波の歓迎パーティだ。盛り上げていこうか」

高波「し、司令官?」

提督「さて、まずは何する? 料理を食べる事から始めようか」

夕雲「そうですね。せっかく作ったんだし、冷めちゃう前に頂きましょう」

高波「あ、あれ、もしかして、高波の幻覚かも、しれませんね」

長波「いや、普通に実体として存在している」

朝霜「つーか、最初からいたよな」

清霜「準備含めて始めから居たわよ」

早霜「いつもどおり……」

高波「そ、そうなの? 納得した、かも」

巻雲「はむはむ」

夕雲「巻雲さん、口元が汚れてるわよ」ゴシゴシ

巻雲「んむー」

長波「……まあ、これがここでの日常だ。唐突な事件はむしろいつも通りだ」

高波「はい」

提督「そうだぞ。ここの空気に馴れる事、それがまず重要だ」

朝霜「今まさにそれを表しているしな」

早霜「大丈夫……すぐになれる……」

清霜「空気になれても戦艦になれる日はまだまだ先だけど」

提督「3点」

清霜「何で点数を!? ギャグじゃないからね!」

高波「ふふっ、分かりました! 高波、早くお役立ちできるように頑張るかも、です!」

提督「あっ、巻雲それ俺が取ってたやつ!」

夕雲「大丈夫ですと、提督の分はきちんととってありますから」

高波「……あれ」

長波「聞いてねえな……ほんと、混ざりたかっただけなんだな」

―執務室―

提督「二次会まで参加してしまった。意外と楽しかった」

提督「主賓の高波とはほとんど話す事無かったけど」

下2

―睦月型の部屋―

卯月「むー、雨で退屈だぴょん」

如月「湿気でセットもまとまりにくいから、私も苦手ねー」

望月「今日はもう出ない」

長月「いつものことじゃないか」

弥生「みんな、いつも以上にだらけてる」

菊月「鍛錬が足りていないな」

三日月「あの、服逆に着てない?」

提督「まだ梅雨じゃないのに、だらだらし過ぎじゃないか」

睦月「うにゃ~、それは分かってるんだけど……」

提督「……そうだな、少しでもましになるようにてるてる坊主を作ろうか」

文月「てるてるぼうず~?」

皐月「へー、面白そうだね」

提督「輪ゴムはすでに準備してある。ティッシュもこの部屋にはあるだろ」

三日月「なんだか、準備良いですね」

提督「最初からこのつもりだったし」

望月「えー、めんどい」

如月「でも、時間を潰すにはちょうどいいわね」

長月「迷信でもしないよりましか……」

菊月「しょ、しょうがないな。私もしようか」

如月「うふふ、私は二つ作ろうかしら」

睦月「皆参加かな。じゃあ、みんなで作ってみよっか」

~~~~~~~~

提督「……窓がてるてる坊主で埋まってるんだが」

如月「姉妹が多いものね。一人一つ以上作ってましたし」

提督「ま、どうせ湿気で簡単に駄目になるし、これを見るのも実際はあまりないかな」

弥生「卯月は何個作ったの……?」

卯月「ざっと二十個ぴょん」

弥生「多い」

文月「ふわぁ、文月は一個だけだよー」

菊月「てるてる坊主か……またいつかやってもいいな」

提督「満足したみたいだし、執務室に戻るな」

睦月「あっ、分かりました」

―執務室―

提督「どうせすぐ駄目になるけど、多分また作るんだろうな」

提督「ちなみに、俺が作ったのもしれっと混ぜておいた」

下2、

―廊下―

川内「夜戦だー!」

提督「おい」

川内「提督、言っておくけど、今日は止まらないよ」

提督「止める? 違うな」

川内「違う?」

提督「俺の事を忘れてもらっては困るぞ」

川内「……!」

提督「行くぞ! 夜の海へ!」

川内「おー!」


那珂「放っておいていいのかな?」

神通「はあ……心配ですからついていきましょう」

~海~

川内「提督、どう?」

提督「深海棲艦いないなー。夜だからみんな寝てんのかな」

神通(さりげなく制海権を掌握している海域に誘導できてよかった……)

那珂(うー、艦装わすれたから、那珂ちゃんなんにもできないー)

川内「やーせーんーしーたーいー」

神通「川内姉さん、居ないものはしょうがないですし、大人しく今日は帰りましょ、ね?」

川内「えー」

提督「……だったら演習でもするか。手軽に夜戦出来るぞ」

川内「それだ!」

神通(どうして自分から危険な方向に行くんでしょうか)

那珂(那珂ちゃん艦装していないの分かるよね。どうしてその提案をしたの)

川内「夜戦だー!」

~~~~~~~~

提督「……で、どこだここは」

川内「ちょっと熱くなりすぎて、場所分からなくなっちゃったね、あはは」

神通「なんとなく、こんな展開になるとは思ってました……」

那珂「ねえ、なんでさっき那珂ちゃんを集中狙いしてきたの。装備ないんだよ」

提督「那珂ちゃん、そんな細かい事より、どうやって帰るかを考えよう」

那珂「那珂ちゃん今中破状態なんだけど!?」

川内「うーん」

神通「どうかしましたか、姉さん」

川内「いやー、星が綺麗だなーって」

神通「もう、そんな呑気な……あ、星……」

―執務室―

提督「星の位置で方向を推測するって凄いなー。誰も出来なかったらやばかったところだった」

提督「ていうか、演習で良いなら初めから海に出る必要は無かったような……」

下2

―鳳翔の店―

提督「かんぱーい」

チンッ

葛城「歓迎会なんてしてもらっていいんでしょうか?」

龍驤「ええよ、ええよ」

大鳳「仲間が増えるのは良い事ですし」

瑞鳳「仲よくしてくださいね」

瑞鶴「すでに姉妹から歓迎会は受けてるだろうけど、こういうのもいいじゃない」

葛城「そ、そうですか。ありがとうございます……」

提督「固いぞ葛城ー。もっとフランクにいこうや」

葛城「提督は知ってるでしょ……」

葛城「提督は知ってるでしょ……」

提督「ああ、尊敬する人物が此処に居るからか」

葛城「い、言わないでよ!」

龍驤「尊敬?」

大鳳「なるほど、そう言う緊張ですか」

瑞鳳「確かにいい人ですよね」

葛城「うう……」

瑞鶴「そうね、私もあんな風になれたら、とは少し思うわ」

葛城「……え?」

龍驤「鳳翔は影の苦労人やからなぁ……」

提督「鳳翔が居なかったら鎮守府は回って無かったな」

葛城「……まあ、そっちの方がいいんだけど」

―執務室―

提督「なんだかんだで楽しそうな感じになったような気がする」

提督「葛城はおそらく察していただろうけど……」

下2

―ヴェネト級の部屋―

ローマ「高速戦艦の会という物で、ティータイムという物あがあると知ったのですが」

リットリオ「ティータイム?」

提督「ああ、金剛達がよくやってるあれな。なんだ、やってみたいのか」

ローマ「ええと、その……というより、なんで提督は普通にいるんですか」

提督「いつものことだ」

リットリオ「他の子も、そんな事言ってたわねー」

ローマ「私達にとってはいつもではないですけど」

提督「まあ気にせずにいこうか。ティータイムの準備だが……」

リットリオ「あ、それはまかせてくれませんか?」

提督「まかせていいのか?」

リットリオ「やってみたいですから。ね、ローマ」

ローマ「え、ええ、そうですね。やってみましょうか」

~数十分後~

提督「用意できたって聞いたが……」

リットリオ「いらっしゃい、提督」

ローマ「其処に座ってください」

提督「……」

リットリオ「どうかしましたか?」

提督「何で用意しているのがワインなんだ?」

ローマ「部屋にあるものといえばこれしか無かったので」

提督「ティーじゃないじゃん!」

ローマ「でも、前に高速戦艦の会にお世話になった時、日本のお酒をふるまわれましたけど」

提督「それはティータイムじゃないからだ」

リットリオ「ローマ、私に任せてもよかったのよ?」

ローマ「でも、姉さんだけに任せるのも……」

リットリオ「いいのよ、ローマ」

ローマ「姉さん……」

提督「姉妹の中を育んでいるところ悪いが、横にある食べ物を用意したのは誰だ」

リットリオ「私ですよ」

提督「パスタを用意する奴があるか! 紅茶にしてもお酒にしてもあわないだろ!」

リットリオ「言われてみれば……」

提督「いやすぐに気付くだろ……これじゃ、完全に飲み会のそれだろ」

ローマ「でもまあ、こういうティータイムもあって良いんじゃないでしょうか」

リットリオ「そうね。楽しむことが重要って、皆さん言ってましたしね」

提督(まとめに入ったな……それでいいのか)

>>839
×ローマ「高速戦艦の会という物で、ティータイムという物あがあると知ったのですが」
○ローマ「高速戦艦の会で、ティータイムというものがあると聞いたのですが」


―執務室―

提督「酒飲むって……うーん、ティータイムじゃ無かったような気がする」

提督「まあ、たまにはいいか。ツッコミにまわるのも」

下2

―母港―

提督「さーて、海にでも流すか……それとも燃やすか……」

青葉「青葉、見ちゃいました!」

提督「ああ、そうか」

青葉「素っ気ないですね」

提督「どうせ大した記事にならないから没だろ」

青葉「そうなんですけどー」

提督「だったら放っておいてくれ。このタイツにはどうでもいい過去が有り過ぎた」

青葉「……でしたら、もっと有効的に処分しませんか?」

提督「はあ?」

青葉「たとえば――」

~~~~~~~~

提督「中古品タイツ売るよー! ……って、こんなダサいタイツ売れるわけねーだろ!」

青葉「ちっちっち、付加価値のついているものは、プライスレスですよ」

提督「なにがプライスレスだ。まったく、青葉の言う事なんか真に受けず、さっさと捨てれば……」
58「へー、提督の中古品でちか」

168「そういえば、こんなダサタイツ着てたわね」

提督「……なんでこんなところに?」

19「今出撃から帰って来たの!」

提督「ああ、そう。そうか……いる?」

8「流石にタイツを着る趣味は……」

401「でも、動き易そうだよ?」

500「今の服装の方が動き易いと思うなー」

提督「それで、どうする? いらないなら海に流そうと思うんだが」

168「ええっ! それは止めなさいよ、海が汚れるでしょ!」

58「しゃーないでち、こっちで買うよ」

500「でっち優しい!」

58「でっち言うなでち」

提督「ありがたいが、よくこんなゴミを受け取る気になったな」

8「プライスレスってやつではないですか?」

提督「その言葉は青葉が笑顔でサムズアップしてくるからやめろ」

401「そういえば、何円なの?」

提督「決めて無かったな……50円で」

19「低価格なのね」

168「安すぎるような、転売したら逆に儲かりそうね……まさか」

青葉「ともかく、これにて処分先は決定ですね!」

―執務室―

提督「これでもう見る事もかなわないだろう。安心した」

提督「……あれからクソ高価なタイツの噂を耳にしたが、きっと気のせいだろう」

下2

―鳳翔の店―

提督「で、最近疲れていると」

友永隊「ですな。最近は色々な空母に引っ張りだこなため」

応急修理女神「わたしはでばんがへってきたようなきがするのですけど」

妖精さん「あなたはすくないほうがよいとおもうのです」

友永隊「我々にとっては、出番が多い事は好ましい事ですぞ。しかし、多くの方々に扱われると、我々が元は飛龍殿に使われている事を忘れそうになるのです」

提督「他の奴に使われるのは嫌なのか?」

友永隊「とんでもない、決してそのようなつもりはございませぬ。他の方々も、我々を上手く扱ってくださる」

江草隊「そうですね~。それに他の者に使われてなお、戦果を挙げるのが我々の務めですから~」

提督「はー、プロ意識高いなー。あ、一杯どうぞ」

友永隊「これはかたじけない」

江草隊「ありがとうございますね~」

提督「でも、こうした妖精たちによって鎮守府は支えられてると思うと、なんだか驚きがある」

妖精さん「そうなのです?」

提督「だって、工廠、羅針盤、装備にもいるわけだし、もしかするともっといるような気さえする」

友永隊「我々の存在も一部ですからな」

提督「実際、全員集めたらどれくらいになるんだろうか……労わるとしても大変そうだ」

江草隊「提督の感謝のお気持ちは伝わっていますから、気になさらずとも大丈夫ですよ~」

応急修理女神「そうです。たいぐうのこうじょうをしてくれれば、だいじょうぶです」

妖精さん「きにしているのです?」

提督「待遇の向上な。まあ、考えておく」

友永隊「我々は別に……」

提督「友永隊と江草隊は二航戦に使ってもらえるようにする」

友永隊「おお……」

江草隊「ありがとうございます~」

提督「飛龍と蒼龍も多分寂しがっているだろうしな」

妖精さん「おかしをしょぼう」

提督「ああ、分かった。後で持って行く」

応急修理女神(あれ、わたしだけかくやくされてない……)

>>855
×しょぼう
○しょもう

―執務室―

提督「まさかお菓子だけであんなにお金を使うとは思わなかった……」

提督「貢献を考えたらむしろ安い方なのかもしれないけど」

下2

―金剛型の部屋―

提督「金剛、誕生日おめでとう」

金剛「バースデイ、ですカー?」

提督「ああ、ほら、誕生日プレゼントも用意してあるぞ」

霧島「どうして金剛お姉さまの誕生日を祝おうと思ったんですか?」

提督「なにその、祝って欲しくなかったみたいな言い方」

霧島「そういうわけじゃないですけど」

金剛「霧島、わたしは嬉しいデース!」

霧島「お姉さま……はあ、まあそうですね。考え過ぎもいけないのかもしれません」

提督「というわけで、ハッピーバースデイ、103歳」

金剛「……ワッツ?」

提督「浸水日から換算して103歳だろ?」

金剛「……」

提督「正しくは違うんだろうけど、もう若くないのは同じ事だろうしな」

榛名「て、提督、それくらいに……」

金剛「テートク? いくらなんでも、怒りマスヨ?」

提督「うわ、金剛が割とマジで怒っている姿を見るのは初めてだわ……」

比叡「し、司令、お姉様は怒らすと怖いんですから、早く謝ってください!」

提督「た、確かにそうだな。わ、悪い、金剛……あっ、プレゼントが」ポロッ

霧島「これは……手作りのマッサージ券?」

榛名「はあ、なんといいますか……」

金剛「……」

比叡「お姉様が微妙な表情に!?」

霧島(手書きってところがおばあちゃんにあげる物って感じはしますが)

榛名(提督からのマッサージ券は素直に嬉しいでしょうし、金剛お姉さまはどうするんでしょうか……)

金剛「……こ、今回は、許してあげマース」

霧島(折れました)
榛名(折れましたね)

提督「お、おう、無期限だから、使うタイミングは任せるな」

金剛「あ、ありがとうございマース」

―執務室―

提督「女性に年齢はやはりタブーか……微妙な感じになったし」

提督「今後は気を付けたい……が、面白かったのでまた機会が有れば……いや、なんでもない」

下2

―工廠―

提督「それで、第二十三回新兵器会議だけど……何かネタがあるか?」

夕張「枕はあれから弄ってませんしねー」

提督「結局不具合直らなかったんだろ。明石の方は?」

明石「どちらかといえば、売店の新商品入荷の事しかしてないです」

夕張「装備の改造はしてますよね」

明石「してるけど……新兵器はなにも作ってないから、ノーカンですよ」

提督「はあ、もっと面白いものを作れないかなー」

夕張「面白い物、ですか」

明石「提督の求めている物って、鎮守府にとって必要なものじゃないですよね」

提督「そう言われればそうなんだけど。あー、もうネタないし、この会議やめようかなー」

明石「適当ですね」

夕張「……そういえば、一つ思いついていたものがあるんですよ」

提督「へー」クルクル

夕張「簡単に設定をまとめたものなんですけど……確かこの辺に……」ゴソゴソ

提督「ほー」ブゥン

夕張「あった。この、相手の感情を数値化するものです」

提督「えっ、なにそれ?」

明石「提督いきなり乗り気になりましたね」

夕張「設計だけですけど、感情を数値化することにより、相手がどのような事を考えているか分かりやすくするものです。高いほど好意があるという風に……」

提督「なんだそれ。そんなものが出来上がったら、結構大変なことになるぞ」

夕張「だから作ってなかったんですよ。許可さえ下りれば、製作に取り掛かりますけど」

提督「……いや、いろいろ危なそうだからやめとく」

明石「賢明と言えば賢明かもしれませんね。ところで提督」

提督「なんだ?」パシッ

明石「その竹とんぼみたいなの何ですか?」

提督「妖精さんと作ったタケコプター。電池切れるまで飛ぶことが出来るんだぞ」

夕張「そっちの方が凄くないですか!?」

明石「既にそれが新兵器じゃないですか!」

提督「いやだって、艦装つけてたら重量制限で飛べないし……海戦中に電池切れたらリアルにやばいし」

夕張「人が飛べるだけで相当すごいものですからね」

明石「妖精さんの技術ってどうなっているんでしょうか……」

―執務室―

提督「うーん、妖精さんの技術も合わされば何でもできる気がしてくる……」

提督「ていうか、夕張のネタも実はこっそり作ってたりして」

下2

―???―

提督「――で、その時電が何したと思う?」

ヲ級「……」

提督「なんと、突然砲撃してきたんだよ。いやー、流石に突然すぎて、服が少し焦げてさー」

ヲ級「あの、ちょっと待ってくれませんか」

提督「なんだ、質問ならなんでも受け付けるぞ」

ヲ級「では……なぜ、貴方は悠々とこんな場所にきて談笑しているんですか」

提督「え?」

ヲ級「え? じゃないです」

提督「だって、こんな愚痴言える相手、あまり居なくてさ」

ヲ級「私をなんだと思っているんですか。敵ですよ、敵」

提督「へぇ、じゃあ攻撃してくるのか?」

ヲ級「怖いからしません」

提督(最近いろいろ素直になって来たな、こいつ)

ヲ級「でも、深海棲艦としてのプライドは捨ててませんから!」

提督(そんなことを言っている時点で、プライドは無いようなものの気がするけど)

ヲ級「な、なんです、その顔は」

提督「いや……なんでもない」

ヲ級「何だか腑に落ちませんね……」

提督「まあ、何と言われようと俺は再びやって来るけど」

ヲ級「それで良いんですか、提督さん」

提督「はっ、ついにヲ級が提督と呼んでくれた!」

ヲ級「嫌味風に言ったんですけど。はぁ……」

提督「まあまあ、ほら、一杯飲むか?」

ヲ級「……貰いましょう」

提督「あ、貰うのか」

ヲ級「出したのは貴方でしょうに。それで」

提督「ん?」

ヲ級「変にフラストレーションがたまってもらっても、どうせこっちにとばっちりが来るのでしょう。適当に吐き出してください」

提督「おぉ……で、そのあとすぐに響がやってきてさ――」

ヲ級(本当に掴みどころのない人間……相変わらず一種の恐怖を感じる……)

―執務室―

提督「さて、愚痴を吐いたら楽になった。今日も一日頑張ろう」

提督「……やっぱ頑張りたくないから、誰かにちょっかいかけよ」

下2

―鳳翔の店―

提督「ふっ」シュッ

翔鶴「真ん中ですね」

瑞鶴「3投で90点なんて、結構うまいのね、提督さん」

提督「まあな」

提督(鳳翔に負けてからたびたび練習しに来てたし)

翔鶴「それで、このダーツで勝負ですか」

瑞鶴「翔鶴姉、大丈夫?」

提督「おいおい、ダーツは運の要素が殆どないゲームだぞ」

翔鶴「そうよ、瑞鶴」

瑞鶴「うーん……そうね、私も気にし過ぎかしら」

翔鶴「では……」スッ

提督「おお、綺麗なモーション」

瑞鶴「流石翔鶴姉! 真ん中からはちょっとずれたみたいだけど」

翔鶴「少し力んでしまったみたいです。次はきちんと当てます」

~~~~~~~~

翔鶴「70点ですか……」

提督「トリプルに入れたのは上手かった」

翔鶴「たまたまですけどね。はい、瑞鶴」

瑞鶴「投げていいの?」

提督「参加自由だ」

瑞鶴「じゃあ……えいっ」ブンッ
提督「っ!? 危なっ!」バッ

瑞鶴「あれ?」

提督「いやいや、あれじゃなくて、何で後ろにいた俺の方に矢が飛んで来たんだよ!」

翔鶴「て、提督、大丈夫ですか?」

提督「何とか避けたけど、いや、ホント気を付けろよ」

瑞鶴「はーい」

提督「まったく……」

瑞鶴「二投目っ!」ブンッ カンッ

提督「……わざとやってる?」

翔鶴(素早くお皿を盾に……いいのでしょうか?)

―執務室―

提督「結局ゼロ点。というか、全部こっちに飛んで来た」

提督「わざとじゃないなら、瑞鶴にはやらせない方がいいのかもしれない……」

下2

―秋月型の部屋・深夜―

秋月「スー……スー……」

ゴソゴソ ガチャ

提督「侵入成功。さてさて、ターゲットはよく寝ているようで」

秋月「……」

提督「今宵は添い寝ドッキリといかせてもらいますよっと」

秋月「……」

提督「では、失礼しまーす」

秋月「……司令」ギュッ

提督(バレた!?)

秋月「スー……」

提督(なんだ、寝ぼけているだけか)

秋月「……」ギュー

提督(寝ぼけているだけ、だが、裾を掴む力が凄まじく強い)

秋月「……き、です……スー……」ギュー

提督(逃げられない……)

~朝~

秋月「ぅ……なんだか、暖かい……」

提督「zzz……」

秋月「……っ!?」

提督「zzz……」

秋月「ちょ、ちょっと! 起きてください!!」

提督「んー……?」

秋月「ど、どうして私の布団の中で、寝ているんですか!?」

提督「え? あ、ああ、それはだな……」

秋月「そ、それに、は、裸だなんて……!」

提督「裸? ……うわっ!? あ、秋月、なんてマネを!」

秋月「私知りませんよ!?」

提督「憲兵に言いつけてやるー!」ダッ

秋月「あっ、司令!?」

ガチャ バタン

秋月(……)

秋月「無理やり破いたような切れ端が……もしかして、本当に?」

―執務室―

提督「添い寝というか、ガチ寝というか」

提督「ていうか、秋月の布団すごく薄かったな……夏になるからなのか、元からなのか……」

下2

暁「司令官! 改二になったわよ!」

提督「おー、すっかり暁もレディっぽくなって」

暁「当然よ!」

提督「じゃあ、さっそく脱ぎ脱ぎしようか」

暁「……え?」

提督「最近は中破で露出度が高い奴が多いからな。これは風紀を守る為だ」

暁「ぬ、脱ぎたくて脱いでる訳じゃ無いのよ!」

提督「ははは、脱げるという事実がすべてだ。さあ、暁、どんな姿になるかじっくり見させてもらうぞー」

暁「ひゃ、ひゃあああああ!!」

電「何をしているのです?」ガシャン

提督「え、いや……スキンシップ?」

電「じゃあ司令官さん、電ともスキンシップするのです」

提督「え、いや、お断り――」

ドーン


暁(……実はそんなに、嫌じゃ無かった……かも)

暁「……! そ、そんなことないわ! 気のせいよ!」

五月雨「雨かー、今日は部屋でゆっくりしようかな」

提督「……」

五月雨「……提督?」

提督「んー? おお、五月雨か」

五月雨「提督は窓から顔を出して何をしているんですか?」

提督「五月雨を味わってる」

五月雨「えっ!?」

提督「五月雨と言ってもこの雨の事だぞ」

五月雨「そ、そうですよね。はぁ~、びっくりした……」

提督「五月雨自身には何もしてないんだから、勘違いする方がおかしいのだが……まあいいや」

五月雨「でも、どうしてそんな事をしているんですか?」

提督「五月も終わるから、最後にちょっとやってみようかと思って」

五月雨「あはは……」

提督「目の前であからさまに引かれると、流石に反省する気になるな……」

五月雨「ひ、引いてなんてないですよ?」

提督「別に隠さなくても良いんだぞ」

五月雨「そ、そんなことはありませんから!」

提督「……ふぅん。じゃあ、実際に五月雨を味わっても引かないのか?」

五月雨「五月雨って……」

提督「もちろん、お前の事だ」

五月雨「……ひ、引きません、よ?」

提督「言ったな? じゃあ……」

五月雨「……っ。 ひゃっ……!」

提督「……」

五月雨「う、うぅ……や、やっぱり駄目ですーーっ!!」ダッ

提督「……雨に濡らした手で触っただけなんだが」

―執務室―

提督「まあ、指でペロッとしただけだし、怒られることは無いだろう」

提督「……擬音語おかしいか? まあ、いいや」

下2

朝潮「雨上がりの遠足もいいですね」

提督「そうだな。滴る雨水、飛沫をあげる水溜り、水滴で反射する光。どれも雨上がりならではだ」

満潮「はあ? きもっ」

荒潮「そうかしら? 私は詩的で良いと思うわよ~」

大潮「大潮、カエルをみつけました!」

霰「かわいい……」

朝雲「遠足かぁ。こんなことするくらいなら、練度をあげた方が良いと思うのだけど」

山雲「私は~、こういうのも~、すきだけどね~。朝雲姉も一緒だし~」

~~~~~~~~

霰「到着……」

大潮「公園ですね!」

提督「流石に雨の後で山とか登るわけにもいかないからな。たまには皆で公園もいいだろう」

荒潮「公園ってあまり来た事ないですね~」

朝雲「言われてみれば、たしかにそうかも」

満潮「することもないし、当然ね」

提督「む、それはいかんな。公園は人数さえそろえば、いろいろできるんだぞ。ついてこい!」ギュッ

朝潮「わっ、し、司令官!?」グイッ
朝雲「私も!?」グイッ

提督「さあ、行くぞー!」ダッ

山雲「朝雲姉~、待って~」

大潮「大潮も行きます!」

霰「キーン」

満潮「……はあ、子供ね」

荒潮「あら、見た目だけなら駆逐艦全員にも言える事じゃない?」

満潮「それはそうかもしれないけど……」

霞「なんにせよ、私はここでゆっくりしてるわ」

荒潮「あらあら~。じゃあ、一緒に行きましょうか」ギュッ

満潮「え、ちょっと、腕掴まないでって……力強いわね!」ズリズリ

霞「……ふう、私はお昼のお弁当でも買ってきましょう」

―執務室―

提督「おにごっことか缶けりとか、久しぶりに童心にかえったようだ」

提督「あと、最近のコンビニ弁当は意外と美味しいのな」

下2

提督「焼肉が食べたい」

秋月「焼肉ですか? なら、少々もったいないですけど、今から特売品の物を買って……」

提督「ちがう、高級な肉が食べたい」

秋月「……はい?」

提督「最低でも牛カルビが食べたい」

秋月「……」

提督「なんだ、無駄だというか?」

秋月「牛カルビってなんですか?」

提督「え」

―焼肉屋―

秋月「わぁ……」

提督「時間制限の食べ放題だ。好きなだけ取って食べろ」

秋月「ほ、本当にいいんでしょうか」

提督「いいんだよ、たまにはな」

秋月「あ、ありがとうございます……」

提督(流石に存在自体を知らないのは可愛そうだしな……)

秋月(司令に哀れみの目を向けられているような気がします)

~三十分後~

秋月「ふぅ、もうお腹いっぱいです」

提督「え、もう? って、普段は少食だし、これでも食べた方か」

秋月「司令はまだ食べるんですか?」

提督「そりゃ、まだまだこれからだし。お腹いっぱいならゆっくりしていていいからな」

秋月「はい」

提督「パクパクハムッムシャムシャ うまー」

秋月「……」ソワソワ

提督「はー、やっぱり誰にも指図されずに食べる焼肉は美味しいわー」

秋月「……わ、わたしもちょっと入る気がしてきました」

提督(なかなか行けない店で目の前でこうして食べられると、欲が出るよなー。でも……)

―執務室―

提督「……食べ放題の店で、自分の限界を知らずに食べると、少しばかり悲惨だよな」

提督「秋月がどうなったかは、彼女に免じて語らないでおこう」

下2

―食堂―

提督「はー、腹減った……でも、今日の日替わり個人的に苦手なものだからなー」

春雨「司令官、奇遇ですね。ご一緒してもよろしいですか?」

提督「春雨……春雨か……」

春雨「はい?」

提督「……」ジリジリ

春雨「え、あの、どうしてにじり寄って……?」

提督「……春雨」ギュッ

春雨「ふあっ! きゅ、急に抱き付いて……!?」

提督「春雨が……」ボソッ

春雨「ぁっ……耳元で、囁くのは……」

提督「好きだ」

春雨「っ!?」ビクッ

提督「春雨が、好きなんだ」

春雨「す、好きって……?」

提督「だから、俺に春雨を、食べさせてくれ」

春雨「た、たべ――っ!」

提督「駄目か?」

春雨「だ、駄目って……」

提督「……」

春雨「…………司令官が、どうしてもと、言うのであれば……」

提督「そうか。では、頼む」

春雨「は、はい」

~数十分後~

春雨「春雨特製の、麻婆春雨です」

提督「そうそうこれこれ。いただきまーす!」

春雨「もう、今度から突然あんな事しないでくださいね?」

提督「どうしても春雨を食べたくてしょうがなかったんだ」

春雨「食べるって……も、もうっ」

提督「そう言えば春雨」

春雨「なんですか?」

提督「どうして料理作る前に服を脱ごうとしたんだ?」

春雨「――」

―執務室―

提督「何語かわからない言葉を発して逃げて行った。いったいどうしたというのか」

提督「ああでも、春雨の春雨は本当においしいなぁ」

下2

提督「今日は戦闘訓練をしようと思う」

神通「訓練、ですか?」

那珂「えー、那珂ちゃん達、ちゃんと訓練してるよー」

提督「いや、お前達には足りていない物がある」

神通「足りていないものですか」

川内「夜戦とか?」

提督「夜戦足りてないってどういう事だよ。足りてないもの、それは肉弾戦だ」

神通「……海の上で肉弾戦は、現実的じゃないと思うのですけど」

那珂「というより、使う機会あるのかな」

提督「肉弾戦の重要さも分かっていないのか。川内、教えてやれ」

川内「夜戦は暗いでしょ。つまり、闇に紛れて距離を縮めたときに肉弾戦は活躍するの」

神通「……」

那珂「現実的じゃないよね」

提督「なんか那珂ちゃんに駄目だしされるのは悔しいな」

那珂「それってどういう意味?」

川内「でも、出来る事を増やすのも良い事だと思うけど」

神通「川内姉さんがまともな事言ってる……」

提督「とりあえず、訓練始めるか」

那珂(結局するんだ)

神通(もう諦めましょう……)

提督「まずは、いつしか長門がした、あのようなパンチを撃てるようになりたい」

神通「長門さんのパンチ……?」

那珂「あれじゃない? 殴って深海棲艦を一発中破させたっていう」

提督「ああ、他にも砲弾を殴って軽傷で済ましたとか、蹴って打ち返したとか、そう言う事をしてみたい」

神通「いくら艦娘でも、あんなこと簡単にできませんよ?」

提督「……そうなのか?」

那珂「そもそも、それって肉弾戦なの?」

提督「……ええい、いいから始めるぞ!」

神通(自棄になりましたね……)

―執務室―

提督「指導してない気がする。まあ、ミーティングも指導の一部と思えば……」

提督「そもそも、ただの無茶振りだから指導してできるとも思えないけど」」

下2

―庭―

提督「……」

青葉「……どうして緑のタイツを着て埋まっているんですか?」

提督「草になってみたかった」

青葉「意味が分からないんですけど!?」

提督「草はいいぞ、踏まれても踏まれても強く生きている」

青葉「良い台詞っぽいことを言っても全然良い事に聞こえないんですが」

提督「四つ葉のクローバーだって、クローバーが傷ついて直そうとするときに、四つ目の葉が生まれるんだ」

青葉「そうなんですか? って、それより、この状況如何すればいいんですか」

提督「見つけたのは青葉だ。今の俺は草、好きにするがいい」

青葉「ええー……」

提督「なんなら、青葉も土に埋まってみるか?」

青葉「いえ、遠慮しておきます」

提督「そうか、残念だ」

青葉(司令官と一緒に変人扱いは流石の青葉も勘弁です)

衣笠「おーい、青葉ー……えっ」

提督「衣笠、今日も良い天気だな」

衣笠「そ、そう……じゃなくって、青葉、どういうこと?」

青葉「この青葉からしても、司令官の考えている事はさっぱりです」

提督「難しく考えるな。感じろ。大地に身を任せていると、色々な事が見えていく」

衣笠「じゃあ、たとえば?」

提督「……今日は晴れ!」

青葉「ええ、もう少ししたら雨が降るって予報にあるんですけど……」

提督「……」

衣笠「今日の提督は本当の意味で奇行ね……」

~数時間~

青葉「雨が降ってますが、司令官の様子が気になってきちゃいました。さて、司令官は……」


提督「恵みの雨だ!」

時雨「雨は悲しい事も洗い流してくれる」

提督「慈愛の雨だ!」

時雨「雨は人のぬくもりを再認識させてくれる」

提督「温情の雨だ!」


青葉「……えっ、なんですあれ」

五月雨「提督と二人で雨の日に会話するのは珍しくは無いですよ?」

青葉「五月雨さんがここにいるのは置いておいても、司令官がいまだに埋まったままなのは解せないんですけど」

五月雨「きちんと時雨が傘を差しだしてますよ?」

青葉「いえ、それでも地面が濡れているから意味が無いと思うんですけど……もしかして、青葉がおかしいんでしょうか……」

―執務室―

提督「なんとなく、自然に溶け込みたかった」

提督「途中から時雨が何を思ったか混ざってきてビビったが」

下2

提督「朝潮、ベアハッグって知ってるか?」

朝潮「何ですかそれ?」

提督「抱き付いて相手の背骨を折るプロレス技だ」

朝潮「恐ろしい技ですね……」

提督「というわけで、試してみたい」

朝潮「えっ」

提督「ほら、バッチコーイ!」

朝潮「え、ええっと……それは流石に……」

提督「えー」

朝潮「そんな不満そうに言われましても……」

提督「……と油断させてえーい!」ギュッ

朝潮「きゃっ!?」

提督「このままゆっくり締め上げてやるー」ギュウウ

朝潮「ぁっ……」

提督「……ちょっと苦しい? 少し緩めるか」

朝潮「い、いえ、少し驚いただけですから……それより、べあはっぐ?という技をするのでは……」

提督「そんな危ない技するわけないだろー。ははは」

朝潮「はあ、そうですか」

提督「……」ギュー

朝潮「……あの、そろそろ離しませんか?」

提督「やだ」

朝潮「ええっ、ど、どうしてですか?」

提督「こうしていると柔らかくて気持ちいいから」

朝潮「あう……」

提督「さて、このまま……」

霞「へえ、人の姉に何をしようとしているのかしら?」

提督「……あ、用事思い出した。じゃあ、ここいらで――」

ドーン

―執務室―

提督「朝潮を下ろした瞬間に攻撃を上手く仕掛けるとは……さすが秘書官だ」

提督「あと、固まる朝潮は可愛かった。ペット的な可愛さがあって離せなかった」

下2

―演習場―

青葉「さあ、始まります。連装砲くんVS連装砲ちゃんVS超10cmちゃんVS2式大抵ちゃんの異種艦装バトル。実況は私青葉でお送りします」


天津風「……え、なにそれ?」

島風「なんだろね?」

秋月「……」

秋津洲「どうしたの? 元気ないかも」

秋月「いえ、これから始まる事を思うと……ちょっと気分が……」

天津風「知ってるの?」

島風「情報はっやーい」

秋月「知っているというか……はぁ」

青葉「では、選手の入場です。まずは連装砲くんと連装砲ちゃんです」

連装砲くん『あーかったりぃ……』

連装砲ちゃん『そう言う事言わずに、ね?』


島風「連装砲ちゃんが喋ってる! すっごーい!」

天津風「いやいやいや、どういう事よ! しかも私の連装砲くんあんな性格だったの!?」

夕張「あ、いえ、これは前に感情を数値化するという物を改造して、連装砲ちゃん達の感情を意訳化して複合音声を出させているんです」

秋月「つまり、本当にそう言っている訳じゃ無いんですね」


青葉「そしてこちらからは……おおっと、改造を施したのか、八頭身の長十センチちゃん……いえ、超十センチちゃんと、さらに二式大艇ちゃんもそろっての登場です!」

超十センチちゃん「うおおおおおお!!」

二式大艇「ひっ……な、何なんですかぁ、この人はぁ?」


秋津洲「きゃー! 二式大艇ちゃんかわいー!」

天津風「それより、とっても恐ろしいものが見えるんだけど」

秋月「あああ、長十センチちゃんが今朝修繕することになったから……」

青葉「長くなることは本望じゃないので、早速始めます。ファイッ!」

超十センチちゃん「ははは! かかってくるがいい!」

連装砲ちゃん『気持ち悪い!』ガシャン
連装砲くん『ならさっさと沈め!』ガシャン

超十センチちゃん「いや、それは早すぎ……ぬわー!」ドーン


天津風「試合一瞬で終わったけど」

島風「提督負けるのはっやーい!」

秋月「ほっ……これ以上観なくて済むんですね……」

秋津洲「って、終わってないかも! まだ二式大艇ちゃんがいるんだから!」

天津風「だって、二式大艇って偵察機でしょ?」


連装砲くん『後は羽虫を打ち落とすだけだな』

連装砲ちゃん『あっ、あそこ!』

連装砲くん『おらぁ! さっさと破壊してやる!』ガシャン

二式大艇「え? あ……」ドーン


天津風「意訳だって分かってても、凄く嫌なんだけど!」

島風「終わったかな?」

秋月「チーム戦じゃないから、まだでは?」

秋津洲「……」

天津風「って、秋津洲は嫌に冷静ね。自分の愛機がやられたのに」

秋津洲「ううん、まだ二式大艇ちゃんはやられてないよ」

天津風「え?」


二式大艇「……ふー、少し驚きましたぁ」

連装砲くん『なっ……!』

連装砲ちゃん『全く効いてない!?』

二式大艇「次はこっちの番ですよぉ。それー」ポイッ

連装砲くん『ば、爆撃だと!?』

連装砲ちゃん『偵察機じゃ無かったの!?』

『『ぬわー!』』


島風「連装砲ちゃーん!」

天津風「……なんだか、あんな意訳されると、むしろやられて良かったような気がしてくるわ」

秋月「いつまでも見ていたいものじゃないですからね……」

秋津洲「やっぱり、一番は二式大艇ちゃんかも♪」

―執務室―

提督「戦うのに二式大艇が何もできないというのはあれだから、史実っぽく改造してみた」

提督「いやー……頭一つ出てるわ。2tの爆弾なんか喰らったら冗談抜きで死ぬ。代わりに出場したけど、最初にやられて良かった」

下2

―提督私室―

提督「やだー! 絶対に仕事しないー!」

霞『はぁ!? じゃあ、今日の分どうするのよ!』

提督「提督の権限今日だけ譲るから、秘書官が代わりにやってー!」

霞『無理に決まってるじゃない!』

提督「じゃあ明日やるー!」

霞『言ったわね。絶対よ。後その喋り方気持ち悪いからやめなさい』スタスタ

提督「……言質だけとらされただけの気がする。とりあえず、本来の目的である心配してきたみんなをこっそり付けた監視カメラでニヤニヤしよう」

~数時間後~

提督「…………昼過ぎたのに誰も来ないんだけど!?」

提督「いや、まて、まだ朝だからみんなしたい事を先にやっているのかもしれない。朝は忙しいしな」


~さらに数時間後~

提督「…………もう夜になったのに誰も来ない」

提督「あれ、おかしいな……もしかして忘れられてるとか? いやいや、まさか……」

提督「……ちょっと調べて来よう」

―鳳翔の店の前―

提督「食堂は人が多いから、此処くらいなら噂話くらい聞けるだろう」


龍鳳「――ところで鳳翔さん」

鳳翔「なんですか?」

龍鳳「提督の事なんですけど……」


提督「ビンゴ! さて、どういう風に噂されているのか」


鳳翔「ああ、それならそっとしておいた方が良いですよ」

龍鳳「皆さんそう言ってますけど、どうしてなんですか?」

鳳翔「そうですねぇ……何かしら意味があるからですね。提督は無意味に行動する方ではないですから」


提督「……! 鳳翔はそんな風に思っていてくれていたのか。なんか、流石に罪悪感がわくな……明日から頑張るか……」トボトボ


鳳翔「……」

龍鳳「あ、それが良い方向なのか分からないって噂で聞きました。って、扉の方を見てどうしたんですか?」

鳳翔「いえ、なんでもないですよ」

―次の日・執務室―

提督「熱心に取り組んだら秘書官に休むことを勧められた」

提督「甚だ遺憾である」

下2

―テニスコート―

提督「テニスはこれでも奥が深い。飢えた狼でも満足できると思うぞ」

足柄「へえ……じゃあ、私が渇望する勝利の酔いも満たされるのかしら」

提督「それは無理だね」

足柄「なぜ?」

提督「だって、足柄程度じゃ勝てないよ。この俺にはね」

足柄「――へえ、その余裕がいつ消えるのか楽しみね」

提督「テニスの玉子様と言われた俺の実力を見て、そんな口答えもできなくなるさ」


那智「……なんだあれは」

妙高「テニスを題材にした漫画を読んだって聞いたわ」

羽黒「お二人とも影響受けやすいから……」

提督「いくぞぉ! おらぁ!」パァン

足柄「掛け声だけね。スピードが全然出てないわ――なっ」スカッ

提督「くく、どうした?」

足柄(ボールの軌道は完全に読んでいた……でも、なぜ……はっ、もしかしてあれが!)

提督「そうだ、これがツイストサーブだ。さあ、次だ!」パァン

足柄「ならば、軌道じゃなく回転を読めばいいだけよ!」パン

提督「合わせられたか……だが、リターンが甘い!」パァン

足柄「くっ……さすがに経験者はうまいわね。でも、ここから勝たせてもらうわ」

提督「勝利に飢えた狼ってのは、勝利がないから飢えるんだぜ?」


那智「もう帰ってもいいか?」

妙高「そうね、ついでに少しお買いものしてきましょうか」

羽黒「私も……」

~二時間後~

羽黒(様子が気になって、お買い物を済ませて戻ってきちゃいました)


提督「……」スパン

足柄「……」スパン

提督「……!」パァン

足柄「……くっ。はぁ……はぁ……」

提督「これで俺がゲーム取得。結構やったが、もう五セットくらい差が生まれているな」

足柄「化け物ね……はぁ……ふぅ」

提督「おいおい、これでも無我の境地は使ってないんだぜ」

足柄「舐められたものね。でも、その余裕も、そろそろ終わりよ!」バァン

提督「なにっ!」

足柄「サービスエース。そろそろ本気で行きましょうか」

提督「……悪いけど、サーブで波動球はもう使える奴いるから。あれより遅いし」

足柄「えっ、本当?」


羽黒「……楽しんでいるみたい」

―執務室―

提督「初心者相手なんだから当然負けなかった」

提督「……が、まさかそこそこラリーが続くほど、実戦で上達するとは思わなかった」

↓2

―回転寿司―

提督「回らないお寿司は秋月が卒倒しそうだから、普通に回転ずしに来た」

秋月「……! こ、これ、いいんですか?」

提督「ああ、何でも(基本的に)100円+税だ」

秋月「そ、そうですか、では……」

提督(玉子? ああ、まずはそういうのから始めるのはおかしくないな)

秋月「ええと、あとお茶は……」

提督「そこの茶葉を入れて、そっちのお湯が出る奴をぐっと」

秋月「なるほど、ありがとうございます」

提督「とりあえず、俺も適当に食べるか。じゃあ、まずはいくらから……」

秋月「い、いくら!?」

提督「お、おう、どうした?」

秋月「そ、そんな高級なものを……あ、いえ、司令のお支払ですし、文句を述べる訳では無いのですが」

提督「だから、全部だいたい同じ値段だというのに。その玉子とこのいくら、同じ値段だぞ」

秋月「そ、そうなんですか? そうですか……」

提督「……どうした?」

秋月「いえ、では食事を楽しみましょうか」

提督(何か突然もやもやが晴れたような表情に……)

~数十分後~

秋月「うにもいいですね。こちらのたいもなかなか」

提督(秋月が高級な物ばかりに手を出すようになってしまった)

秋月「ふぅ……このまぐろで最後にしましょうか。司令ももうご馳走様ですか?」

提督「ああ……なんか、それどころな気分じゃなくなったからな」

秋月「?」

提督「皿の量自体はあまり多くないが……秋月、先に外で待っていてくれないか?」

秋月「待っていますよ?」

提督「いや、その……この時間人が多くなるから、店内に人が居たら邪魔になるかなーって。だから、な?」

秋月「あ、はい。そう言う事でしたら、外で待っていますね」スタスタ

提督「…………秋月、通常の値段じゃないものまで取ってる……上トロとか。まあ、いいんだけど」

―執務室―

提督「最近の度重なる贅沢に、秋月の食に関する対応が変わってきたように思える」

提督「牛缶がご馳走だと思っていた秋月はもうここには居ないのだろうか……」

下2

提督「あー、また雨だ。まったく、憂鬱になるな……」

コンコン

「提督、遠征から帰投しました」

提督「五月雨か。どうぞー」

ガチャ

五月雨「失礼します。提督、報告書を……」

提督「五月雨、報告は後でもいいって言っただろ」

五月雨「えっ?」

提督「雨で濡れてるじゃないか」

五月雨「あっ、そうでした……す、すみません」

提督「まったく、変な場所でドジッ子が出るな」

五月雨「遠征が大成功した嬉しさで、つい……」

提督「しょうがないな、ほれ、こっちにこい」

五月雨「はい?」トコトコ

提督「ほれっ」バサッ

五月雨「ひゃっ!?」ビクッ

提督「ははは、ただのタオルだ。じっとしてろよー」スッスッ

五月雨「あ、あの、私達はこれくらいなら風邪とか引きませんから……」

提督「だからこそ、拭いているんだ。じゃなかったら、すぐにでも風呂に入らせている」

五月雨「では、なぜわざわざ拭いてくれるんですか?」

提督「これは、そうだな……気になるから……いや、違うな」

五月雨「違う?」

提督「そう、せっかく綺麗な髪だし、雨ごときで痛ませるのは惜しいだろ」

五月雨「き、綺麗だなんて……」

提督「謙遜しなくてもいい」

五月雨「うぅ、何だか今日の提督、いつもとちょっと違います」

提督「雨で少し気分が落ち込んでいるのもあるかもな」

五月雨「落ち込んで……?」

提督「ん」

五月雨(それでこうなら、何人か雨の方が喜びそうな子がでてきちゃいそうですけど)

提督「……さて、これくらいで良いかな。あとはすぐお風呂に入るようにしてくれ」

五月雨「は、はいっ。ありがとうございました」

提督「なに、髪をいじるのは結構好きだからかまわんよ」

五月雨「では、また後程きちんと報告に来ますね」

提督「分かった」

~~~~~~~~

提督「さて、報告も終わったし、今日は一日中だらけるか」

提督「しかし、五月雨は素直で良いな。他の子だったら自分でやるって子も多いだろうに」

下2

―秋津洲型の部屋―

提督「やっぱ秋津洲って、厚化粧だよな」

秋津洲「いきなり失礼かも!」

提督「まず服からして色が濃いんだよな」

秋津洲「う……確かに迷彩としてあんまり役に立って無いかも……」

提督「好み的にもナチュラルメイクの方が好きだし」

秋津洲「だから、厚化粧じゃないって!」

提督「まあまあ、とにかく、地味系で攻めて行こうと思うんだ」

秋津洲「地味系?」

提督「ああ。服を変えるだけで、きっと地味だと思われるくらいにはな」

秋津洲「むー、それは、そうかも……」

提督「じゃあ、連れて来るな!」ダッ

秋津洲「あっ、提督……連れて来る?」

~数分後~

提督「そんなわけで、揚陸艦のあきつ丸だ」

あきつ丸「お初にお目にかかるのであります」

秋津洲「こ、こちらこそ」

提督「彼女は見ての通り地味な服をしている」

あきつ丸「地味は心外であります」

秋津洲「そもそも、連れて来たのってもしかして名前が似てたから?」

提督「……あきつ丸、この厚化粧にナチュラルメイクがなんたるか教えてやってくれ」

秋津洲「だから厚化粧じゃないって言ってるかも!」

あきつ丸「提督殿、自分もナチュラルメイクじゃないから、教えられないであります」

提督「え? ……ならあきつ丸の服を着るだけで良いから!」

あきつ丸「なぜ提督殿はこうも押してくるのでありますか」

秋津洲「分からないかも……」

~数分後~

秋津洲「とりあえず、着たかも」

あきつ丸「うう、馴れないであります……」

提督「おお、おお……何か普通だな」

秋津洲「提督はいちいち失礼かも!」

提督「というか、別にあきつ丸には着てくれと言ったわけではないんだが」

あきつ丸「……はうっ! そういえば言われていなかったであります……」

提督「まあ、珍しいし、秋津洲よりいい意味で似合っているようにも見えるし、全然かまわないんだが」

秋津洲「それってどういう意味!」

あきつ丸「うう……あまり見ないでほしいのであります……」

提督「そう言われると見たくなるな。よーし、どうせなら存分に撮らせてもらうぞ」カシャカシャ

あきつ丸「提督殿ー!」

秋津洲「……わたしは無視かも!?」

―執務室―

提督「また良いアルバムが出来上がってしまった」

提督「……あ、秋津洲よりあきつ丸が衝撃的だっただけで、秋津洲を忘れていた訳では無い」

下2

提督「呪怨みたんだけどさぁ」

由良「ストップ、提督さん」

提督「なによ、まだ話し始めたばかりだぞ」

由良「いきなりそう言う話題を出してくるときって、だいたい話の結論が悪い事ばかりでしょ」

提督「まったく、ただのお話だというのに、変に警戒をして……」

由良「……本当?」

提督「本当だって」

由良「なら、いいですよ」

提督「ああ、それで貞子をリアルで見てみたいから、由良にやってもらおうかと」

由良「お話じゃないじゃない!」

提督「ははは」

―夜・母港―

由良「……」

提督「なんだかんだでやってくれる由良のこと好きだぞ」

由良「一回だけです。やったらもちろん……」

提督「間宮アイスだろ? オーケー分かってる」

由良「まったく……」

提督「じゃあ、手順は防波堤を歩くから、その時に海からばしゃっとでて、足を掴むんだぞ」

由良「分かりました」

提督「じゃあ、準備出来たらライトを三回チカチカさせるからなー」

由良「提督さんも、子供なんだから」

~~~~~~~~

チカチカ

由良(来た。でも、思ったより時間がかかったわね。まあ、いいか)

テクテク

由良(……そろそろ!)バシャァ ガシッ

「きゃあっ!?」

由良「あぁあ゛あ゛あ゛……きゃあ?」

霞「……」

由良「……いえ、これは潜水技術を高めるというか……」

霞「……へぇ、本当のことを言わないなら……懲罰室に行く?」

由良「提督さんがやりました。あそこでカメラ持って逃走しています」

霞「っ!」ダッ

由良「はぁ……びっくりした。いや、びっくりしたのは霞ちゃんの方だろうけど、ね」

―提督私室―

提督「秘書官の驚きの顔激写! これはトップレアの一枚だ!」

バン ガンガンガン

提督「秘書官か! だが、窓は度重なる破壊により、夕張&明石特製の超強化ガラスにしてあるのだ!」

ガチャガチャ カチャ

提督「……え?」

霞「何言ってるのか知らないけど、マスターキーを私が持っていないと思った?」

提督「秘書官、いつのまに瞬間移動なんかを……」

霞「いいから、滅しなさい。カメラごと」ガシャン

提督「いや、ちょ、今日は何だか手加減が一切な――」




                               ヽ`
                              ´
                               ´.

                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
                      ..‐´      ゙          `‐..
                    /                    \
        .................;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;::´                       ヽ.:;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;.................
   .......;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙       .'                             ヽ      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;......
  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
  ゙゙゙゙゙;;;;;;;;............        ;゙                              ゙;       .............;;;;;;;;゙゙゙゙゙
      ゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;.......;.............................              ................................;.......;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙
                ゙゙゙゙i;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙゙;l゙゙゙゙゙
              ノi|lli; i . .;, 、    .,,            ` ; 、  .; ´ ;,il||iγ
                 /゙||lii|li||,;,.il|i;, ; . ., ,li   ' ;   .` .;    il,.;;.:||i .i| :;il|l||;(゙
                `;;i|l|li||lll|||il;i:ii,..,.i||l´i,,.;,.. .il `,  ,i|;.,l;;:`ii||iil||il||il||l||i|lii゙ゝ
                 ゙゙´`´゙-;il||||il|||li||i||iiii;ilii;lili;||i;;;,,|i;,:,i|liil||ill|||ilill|||ii||lli゙/`゙
                    ´゙`゙⌒ゞ;iill|||lli|llii:;゙|lii|||||l||ilil||i|llii;|;_゙ι´゚゙´`゙
                         ´゙゙´`゙``´゙`゙´``´゙`゙゙´´

霞「ったく……あれ、どうして窓ガラスに手形が……」

霞(そういえば、窓がどうとか言っていたような……)

霞「……」


―朝・食堂―

霞「ほら、ここの文章間違ってる」

提督「さすがに朝食の時にまで仕事を持ちこまないでほしいんだが……」


長良「今日は珍しく二人一緒にいるね」

由良「昨日の事が有るから、監視しているんだと思う」


終わり方が突飛だったような気もします。

また明日スレたててきます。
1000ネタはいつもどおり何でもありの夢落ちで

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom