【モバマス】奏とキスした奏が泣いた (14)
※地の文ばかりです
※ss初投稿なので至らない点はビシバシ言ってください
※奏のアレな過去ねつ造がありますが匂わせる程度です
SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1418577364
P「奏…」
奏「…プロデューサーさん。……ん」
プロデューサーさんと、唇を重ねた。
心が満たされる、幸せなキス。
心がいっぱいになる。
涙が漏れる。
P「奏!?」
やだ、そんなに驚いた顔しないで。ごめんなさい。
「涙、出ちゃった。……心配しないで。」
「嬉しかったの」
・
・・
・・・
私は弱かった。
潮騒がかき消すような、遠いあの日。
たった一言。たった数秒。たった一人を失っただけで、胸が痛くて仕方がなかった。
見える世界が全部、私を非難しているように見えた。
2人で観た恋愛映画。いじらしく半券なんかとって置いて。
モノクロな日々を、何日もさまよった。辛くて、辛くて、まるで喉が乾いてるみたいだった。
私は、ひとりきりで堕ちていった。
学校が終わったら、スカートを巻いて短くして。暇そうにケータイをいじって待ったの。
何を?
誘われるのを。
声を掛けられた時の私は、ちょっとお馬鹿な女の子の演技をした。
馬鹿な女の子の方が簡単そうだ、って皆思うと思ったし。
あともうひとつ。私は演技をすることで、「別の私」で事に及ぼうとしたのよ。
「素の私」なんかじゃない。これは本当の私じゃない、って思い込みたかったの。
「かわいい」「綺麗」「上手」「興奮する」
こんな言葉を、何回も言われた。
私は笑顔になれた。その時だけは。
「別の私」は快楽に従順なの。
お馬鹿でエッチ、そんな設定だったんだわ。
くだらないって今は思える。
設定なんかじゃない。馬鹿で淫らな女そのもの。
あなたが声を掛けてきたのも、私が暇そうに立っていた時だった。
「美人だね」
そう言ったよね。
覚えてるわ。
何回も言われてきた言葉だもの。
でもね、
「君しかいない」
そう言ってもらえたのは、あなたが初めてだったの。
だから私は驚いて、お馬鹿なフリ、忘れちゃった。
あなたが私をアイドルにしてくれた。
……そばにいてくれた。
心を、埋めてくれた。
嬉しくて笑って、
後悔して泣いた。
・・・
・・
・
私は、弱い。
「涙、出ちゃった。……心配しないで。」
私は、あなたに、誠実でいられない。
「嬉しかったの」
(後悔してるの)
ごめんなさい。
心から愛してる。
だから、この涙には、鈍感でいて。
終わりです
意味深なことばっかり言う奏に翻弄されっぱなしの、しがないモバPがお送りしました。
読んでくださってありがとうございました!
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