フライゴン「ガブリアス君・・・」 (12)

フライゴン「ガブリアス君はいいよね」

ガブリアス「? 何がだ」

フライゴン「600族の中でも上位に立ってるし、なにより素早い」

フライゴン「技だって豊富だし、正に怖いもの無しって感じだよね」

ガブリアス「使ってたら厨パとかいわれるけどな」

フライゴン「それってつまり強いってことじゃん」

フライゴン「メガシンカもしたし、トレーナーの使用率も高まるね」


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ガブリアス「テメェだって、先制技持ってるし浮遊だから有利な点もあるじゃねえか」

フライゴン「ガブリアス君には及ばないよ」

フライゴン「確かにフェイントが使えるのはいいかもしれない」

フライゴン「でも種族値で比べるとガブリアス君の方が良い」

フライゴン「僕の出る幕なんて無いんだよ」

ガブリアス「フライゴン・・・」

フライゴン「・・・ それじゃ、僕はボックスに戻るよ」

フライゴン「君は明日も対戦だろ?頑張って」

ガブリアス「・・・おう おやすみ」

フライゴン「お休みなさい」ニコッ

翌日

ガブリアス(フライゴンの奴、昨日はどうしたんだ?)

ガブリアス(何だか思いつめたような・・・)

トレーナー「? ガブリアスどうした?元気がないようだが」

ガブリアス「! ギュァォオォ!」

トレーナー「はは、心配要らなかったようだな」

トレーナー「しかし、無理はするなよ?ここ最近、ずっと戦ってきたんだから」

ガブリアス(・・・)

ガブリアス(マスターには感謝している)

ガブリアス(本当はもっと高個体値の奴を使いたいだろうに、野生産である俺を使っている)

ガブリアス(だからずっと負け続けてるんだけどな・・・)

トレーナー「さ、気を引き締めて今日こそは勝つぞ!」

ガブリアス「ギュアォ!」

ガブリアス「」フラフラ

トレーナー「すまない、今日も負けちゃったな・・・」

トレーナー「今ポケモンセンター連れてってやるから、頑張ってくれ!」

ガブリアス(・・・マスターは優しい)

ガブリアス(俺たちはそんな所に惹かれたんだろうな・・・)



フライゴン「お疲れ様」

ガブリアス「フライゴン・・・」

フライゴン「今日も負けちゃったね 明日も頑張って!」ニコッ

ガブリアス「・・・なあ、フライゴン」

フライゴン「え、な、何?ガブリアス君」

ガブリアス「ポケモンって、何なんだろうな」

フライゴン「? どうしたの、急に?」

ガブリアス「連日対戦してると分かる。多くの人間はポケモンを道具としか見てない」

ガブリアス「あいつらが使ってるポケモンの裏には、何百ものポケモンが傷付けられてるんだ」

ガブリアス「だから、トレーナーはポケモンを道具として扱うし、ポケモンもトレーナーを信頼してない」

ガブリアス「言ってしまえば形だけの主従関係だ」

フライゴン「・・・」

ガブリアス「うちのマスターは、手持ちポケモン全員に愛情を注いでる」

ガブリアス「だから俺らも信頼して戦える」

ガブリアス「戦えなくても、いつも応援してる」

ガブリアス「例え負けても、傷付いても、何度もやろうって思える」

フライゴン「・・・」

ガブリアス「・・・なあ、フライゴン」

ガブリアス「俺たちで、どこか遠くへ行かないか?」

フライゴン「え!?な、何で?」

フライゴン「確かにガブリアス君の言う通り酷いトレーナーも居るけど」

フライゴン「うちのマスターは良い人じゃん!」

フライゴン「それはたった今ガブリアス君が言ったことじゃん!矛盾してるよ!」

ガブリアス「いや、何となくさ」

ガブリアス「このままマスターと戦ってても、見えるのは辛い現実だけなんだよ」

ガブリアス「マスターは素晴らしい人だ。それは重々承知している」

ガブリアス「それでも俺は、一回自由に暮らしてみたいんだ」

ガブリアス「そこにお前も居たら、きっと楽しいだろうな・・・って思ったんだ」

フライゴン「ガブリアス君・・・」

ガブリアス「・・・」

ガブリアス「俺は何を言ってるんだろうな・・・」

ガブリアス「すまん、今日の事は忘れてくれ・・・」

ガブリアス「じゃあな、お休み・・・」フラフラ

フライゴン「・・・」

フライゴン「ガブリアス君・・・君は変わってしまったのかい?」

フライゴン「昔は、あんなに純粋で、輝いてて・・・」

フライゴン「戦って、遊んで、進化して・・・」

フライゴン「・・・」

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