狸娘「出来ましたよ~」男「ほぅ」鬼娘「ジュルリ」(11)

男「久しぶりに昔通った大学の近くを通ったら、弱った狸を拾ってしまった」

男「後で獣医に見せに行こうとは思っていたが、取り敢えず食べ物を与えてみた」

男「余程腹が減っていたのか、凄い勢いで食べ始めた狸。そして暫く目を離していたんだが、少したって狸の様子を見に行くと」

男「メイド服に身を包んだ女の子が土下座をしていた、なんて言って誰か信じると思う?」

鬼娘「?私は信じるよ」

男「そりゃあその場に居たしね」

狸娘「お昼ご飯出来ましたよ~」

男「そして何故か料理が異様に上手いんだなこれが」

狸娘「何の話ですか?」

男「何でもないよ。とにかくお昼にしよう」

鬼娘「いい匂い」グー

狸娘「今日のお昼は炒飯にしてみました」

男「ほぅ、買い物をしてなかったからどうしたもんかと思っていたら成る程。いいチョイスだ」

狸娘「ありあわせのもので手早く出来ますから」

鬼娘「はやく食べよう」

男「それじゃあさっそく」

男・鬼娘・狸娘「頂きます」

鬼娘「モグモグ……すごい!ご飯がパラパラしてるよ!」

男「醤油のいい匂い、卵もいい感じに絡まって、まさに金色と言えるご飯。そして……胡麻?」

狸娘「白胡麻が有ったんで入れたんですよ。家庭用のコンロだと火力がもの足りないんですけど、これで食感が良くなるんです」

男「おぉ、箸が止まらねぇ」

鬼娘「もぐもぐ……もぐもぐ……」

狸娘「ふふっ、喜んでもらえて何よりです」

男・鬼娘「ごちそうさまでした」

狸娘「お粗末様でした」

男「はぁ~、ホント美味しかったよ」

鬼娘「男とは比べ物にならないくらい」

男「……独り暮らしが長い男って料理しないよね」

狸娘「それもどうかと思いますけど……」

男「というか、狸娘ちゃんはどっからこういう知識を得てくるの?」

狸娘「私ですか?私は仕事場の同僚から聞いたりしてますけど」

男(狸のメイドさんの仕事場って一体……?)

※ ※ ※


狸娘「ご飯が出来ましたよ~」

男「ほぅ、今日は青椒肉絲か」

鬼娘「うぅ、ぴーまんは苦手……」

狸娘「と言うと思ったので、今回は牛肉と筍多めでタレの味も濃く作ってあります。これであまりピーマンの味は気にならなくなるかと」

男「え?まさかこれ一から手作りなの?取り敢えずいただきます」

鬼娘「う~……イタダキマス」パク

鬼娘「あ、おいし」

狸娘「よしっ」グッ

男「うん、流石狸娘。やるじゃないか」

狸娘「ありがとうございます」

鬼娘「もぐもぐ……えへっ」ニコッ

男・狸娘「!?」

狸娘「この笑顔の為なら頑張れますよ……」ヒソヒソ

男「同感です」ヒソヒソ

狸娘「もうそろそろご飯が出来ますよ~」

男「ほぅ、今日はハンバーグか」

鬼娘「いい匂い」ジュルリ

男「そしてソースもちゃっかり手作りと」

狸娘「今日はそれだけじゃないですよ?」

鬼娘「卵?」

男「目玉焼きバーグって奴か」

狸娘「この目玉焼きを焼く時にさっきちょっと作ったら型を使うと……」

男「こ、これは……」

狸娘「完成~、狸娘特製はなまるハンバーグ~!」

鬼娘「おぉ~!」パチパチ

男「ちょっと待て」

狸娘・鬼娘「?」

男「いや、出来映えは素晴らしいんだけどね。どこでこの料理を知ったのかなとね」

狸娘「何の事でしょうか?あ、それとも苺大福も必要でしたか?」

男「知ってるじゃないか。むしろそこまで知ってるなら鬼娘ちゃんにコスプレも必要になるだろむしろ着せよううんこれは必要な事なんだ」

狸娘「落ち着いて下さい。先ずは……」

鬼娘「男、食べないの?」グゥー

男「いかんいかん、トリップしてたわ。よし、温かいうちに食べようね」

男・鬼娘・狸娘「いただきま~す」

男「う~ん、漫画が元の料理と言えど、やっぱり上手いんだよなぁ」

狸娘「でしょう?お店でも結構人気なんですよ?」

男「……職場はレストランか何かかい?」

狸娘「……喫茶店です」ニコッ

男(何故一瞬言い淀むんだよ。やっぱりそうなのか?)

鬼娘「もぐもぐ……うにゅ~」

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