お盆ですね (4)
『あなたは、あの時の約束を覚えていますか』
人は、失った時にその価値に気付くというけれど、
それは本当にそうだな、と思うことがある。
あるのは後悔ばかりで、今さらどうしようもないのに、
思考が空回りするばかり。
いつも傍にいてくれた君
そのぬくもりに何度助けられただろう
怒ったこともある
傷つけられたこともある
それでも、楽しかった思い出の方がずっと多くて
夜遅くに帰ってきたら、気付いているのに寝たふりをしていたの、知っていたよ
突然ちょっかいを出してくるのは、退屈しているからだって知っていたよ
無防備な姿で寝ている君を隣で眺めるのが好きだったよ
ねぇ、どうして終わりは来るのかな
ずっと一緒って、約束したのにね
蝋燭に火をつけて、お線香に火をつける
あなたのいない部屋は、寂しさで満ちているよ
あなたの使っていたもの、まだそのままにしてあるんだ
いつでも、帰ってきていいんだよ
そう声をかけても、写真の中のあなたはピクリとも動かなくて
動くはずがなくて
もう一度会えたら
もっともっと甘やかしてあげたい
ずっと一緒にいるって約束、守れなくてごめんねって言いたい
ぬくもりを感じたい
抱きしめたい
あなたの首輪を握って、眠りにつこう
せめて、夢で逢えたら
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『ひまわり』
ご主人様は寂しがり屋だ
夜はいっつも一緒に寝ていた
ご主人様はおっちょこちょいだ
猫くんのカリカリと僕のごはんをよく間違えた
ご主人様は足が遅い
だから僕はゆっくり歩いてあげた
ご主人様は怖がりだ
だから変な奴がいたら僕が追い払ってあげたんだ
ご主人様はとても優しい
僕をいつも撫でてくれた
ご主人様は泣き虫だ
ごめんね、ごめんねって泣いていた
もっと遊んであげればよかった
もっと一緒にいればよかった
そういっていっぱい泣いていた
ご主人様
僕は幸せだったよ
ご主人様のこと大好きだよ
最期まで一緒にいてくれてありがとう
だから笑ってほしい
ずっと笑っていてほしいんだ
ご主人様が笑ってくれると僕も嬉しい
ご主人様の笑顔が、僕は大好きなんだ
『 』
いつか必ず辿りつく場所
生を受けた時から行き着くことが決まっているその場所へ
息を吸うたび、息を吐くたび
笑うたび、怒るたび、涙を流すたび
恋をするたび、愛するたび
一歩一歩近づいている
いつか、そこへ辿り着いたときは
悔いはない、そう笑えるように
幸せだった、そう笑えるように
そうしてまた、あなたに会えたのなら
あのとき言うことのできなかった言葉を、伝えたい
いつか
いつの日か
お盆ですね
熱中症には気をつけて、素敵なお休みをお過ごしください
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