サシャ「(今私たち104期訓練兵団の間では蝶の収集が流行っているんです)」
サシャ「(もちろん私も朝から晩まで蝶集め!時間が過ぎるのもついつい忘れちゃいます)」
サシャ「(今日は珍しいと言われるコムラサキを捕まえようと頑張ってます!)」
サシャ「(きっと美味しいんだろうなぁ♪)」
このネタがわかる人はいるのだろうか
大人になってからの回想じゃないとただの胸糞だぞ
>>2 確かにw
サシャ「はっ!?この森にはキノコがいっぱい…」ジュルリ
クリスタ「ちょっとサシャ!コムラサキを捕まえにきたんじゃないの?」
サシャ「あっ…あっちからいい匂いが…」フラフラ
アニ「あいつ結局食べることしか考えてないな…」
ミカサ「あ…青いコムラサキ…」
サシャ「ガアァァァ!!」ダッ
クリスタ「キャアァァァ!?」
ミーナ「出た~サシャダイブ」
アニ「本当に蝶が珍味だと信じてるんだな。馬鹿か」
サシャ「フガフガ…」モゴモゴ
サシャ「!!これは…チョウ!?」
アニ「さっきからそう言ってるよ」
サシャ「しかもコムラサキじゃないですか~!?しかも青い!」
ミカサ「だからそう言ってるって」
サシャ「(蝶というものは美しいです。特別珍しくなくたって)」
サシャ「(花にとまってるとそろりと忍び寄って輝いてる色の斑点や翅の脈の一つ一つが見えてくると…)」
サシャ「(たまらなく食欲をそそられるんですよね~)」
サシャ「皆さん!やりましたよ!」モゴモゴ
クリスタ「や、やったね!サシャ(口の中に入れられてコムラサキ可哀想…)」
アニ「(汚い…せっかくのコムラサキを…)」
ミカサ「(私が捕まえてエレンに自慢したかった…)」シュン
サシャ「見てください!さっそく展翅しましたよ~!ほらほら!」
コニー「おおー!スゲェ!青いコムラサキじゃん!」
エレン「マジかよ!超綺麗じゃん!」
クリスタ「う、うん、凄いよね!(サシャの唾液がついてさえいなければ…)」
アニ「(まあ知らない方が幸せなこともある…)」
ミカサ「私がエレンに見せたかった…」シュン
クリスタ「せっかくだから、ユミルにも見せてあげたら?」
サシャ「むっ…ユーミールですか…」
ミーナ「なんで名前伸ばすの?」
サシャ「(ユーミールは私の隣の部屋にすんでいる少女のことなんです)」
サシャ「(成績優秀、文武両道、容姿端麗(?)で、非のうちどころがないという悪徳をもってやがります。)」
サシャ「(模範的な奴なのでいつも食事の量を教官から多くしてもらって…ああ昨日のお肉はとても美味しかった…)」
サシャ「(脱線しました。とにかく妬ましく、嫌な奴なんです。いつも顎でこき使いやがりますし)」
サシャ「(蝶の収集も貧弱なもんですが、手入れがやたら正確で、例えるなら宝石箱。)」
サシャ「(さらに手入れをして長い間保存してやがるんです。憎たらしい…いや肉食べたい…)」
サシャ「(いつかアイツのコレクションは私が全部食べてや…おっとこれは失言でしたか)」
サシャ「しかしこのコムラサキを自慢したいという迸る衝動に身を焼かれます!」
サシャ「というわけでユーミールにこれを見せて来ますね~」スタスタ
クリスタ「いってらっしゃ~い」
サシャ「ユーミール!見てくださいこの素晴らしく美味しそうなコムラサキを!」
ユミル「とりあえず名前伸ばすのやめろ」
ユミル「へぇ…コムラサキなんて捕まえてきたのか」
ユミル「まあ珍しいっちゃ珍しいんじゃねーの?」
サシャ「お金に変えたらどれくらいお肉が買えますかね!?」ワクワク
ユミル「金…?20ペニヒぐらいじゃねーの?」
サシャ「にじゅっ…それじゃお肉は買えませんね…」ガッカリ
ユミル「でもせっかく珍しいコムラサキもお前の腕にかかっちゃ形無しだな」
サシャ「なっ!?ユーミール!なんばいいよっとね!?」
ユミル「まずなんでこんなクシャクシャなのかが解せん。どうやって捕まえたんだ?」
サシャ「そ、そりゃ、(口という名の)虫取り網で…」
ユミル「本当かよ?なんか展翅の仕方も雑だし。」
ユミル「ていうかこの羽についてる謎の水分はなんだよ?」
サシャ「そ、それは…」
ユミル「お前…まさか口の中に入れたのか!?」ドンビキ
サシャ「だって美味しそうじゃないですか!」
ユミル「あ~もう論外!こんなのただのゴミだゴミ!」
サシャ「ひどいですよ!人がせっかく良い気分になってるのにネチネチと!」
ユミル「全部正論だと思うがな…」
サシャ「もう二度とみせてあげませんからね!ユーミールのバーカバーカ!」
ユミル「突然来ておいてなんなんだよあいつ…」
~~数週間後~~
サシャ「この辺の蝶々もあらかた食べつくしましたかねぇ」
クリスタ「(ごめんね蝶々さんたち…助けられなかった…)」
アニ「そういえば聞いた?ユミルがヤママユガをサナギから孵化させたらしいよ」
サシャ「何ですって!?ユーミールが!?」
コニー「ヤママユガってなんだ!?」
クリスタ「私たちが本の中でしか見たことない、幻の蛾のことだよ」
ベルトルト「いつの間にサナギを手に入れていたんだ…」
ライナー「先を越されたなぁ」
サシャ「(ヤママユガ…あのコムラサキよりもっと美味しいかもしれませんね!)」ジュルリ
サシャ「(あの悪徳少女ユーミールが独り占めなんて勿体ない!私も見せてもらいに行きましょう!)」
サシャ「(食材は鮮度が命!早速行きましょう!)」ダッ
サシャ「ユーミール~!ヤママユガを見せてくださーい!」ドンドン
サシャ「むっ…ユーミールのやついませんね…おや?鍵もかかってないですね…」ガチャ
サシャ「しかしユーミールは模範生なので部屋もちょっと広いとこ与えられてます…全くもって我慢ならないやつです」
サシャ「ええい無断で中に入っちゃえ!」
サシャ「お邪魔しま~す…」バタン
サシャ「こ、ここがユーミールの部屋…小奇麗ですね…」
サシャ「さて、何か食べ物は…」キョロキョロ
サシャ「お!パァン!」モグモグ
サシャ「じゃなくて!ヤママユガを見に来たんでした!」
サシャ「むむ、こちらの箱に収集してありそうですね…」クンクン
サシャ「おお!珍しい蝶がいっぱい箱に詰まってます!」キラキラ
サシャ「でも肝心のヤママユガが見当たりませんね…」ションボリ
サシャ「仕方ない…食べ物でも漁りましょう…ん?待てよ…」
サシャ「あっ!もしかしたらまだ展翅してる最中なんじゃ…」ピコーン
サシャ「あった!展翅台の上にありました~!!」ウヒョー
サシャ「この赤茶色の触角!この絶妙なところにある羊のような毛!間違いありません!」キラキラ
サシャ「これはユーミールめ、良いものを手に入れましたね…羨ましい妬ましい!」
サシャ「むっ…でも最大の特徴である翅の斑点が見れませんね…」
サシャ「この針と紙切れが邪魔です…ユーミールのやつ、余計なこだわりを…」
サシャ「え~い!」スポン
サシャ「えへへ、誘惑に負けて針取っちゃいました」
サシャ「おお…この斑点はまさにヤママユガのもの!」
サシャ「カッコイイ!美しい!そして…」
サシャ「美味しそう…」ジュルリ
ヤママユガ「!?」
サシャ「こ、これは過去最高の逸材かもしれない…!」ヨダレダラー
サシャ「しかしこれはユーミールが孵化させたもの!私のじゃありません…」
サシャ「こうなったら、盗むしかない…!」
サシャ「行きましょうヤママユガ!ここを脱出すればあなたも調査兵団です!」
ヤママユガ「」
サシャ「大丈夫!見つかりませんよ!私の口の中に隠して行きますから!」パクッ
ヤママユガ「!?」
サシャ「ユーミールの部屋を脱出したら、あとは自分の部屋に戻るだけです!」モゴモゴ
タッタッタ…
サシャ「!?誰か来ますね…待てよ、これで見つかったら…私はどうなります…?」
サシャ「ま、不味いですよ!いや、このパンは美味しいけど!」モグモグ
サシャ「いつもの芋とは違います!ここで見つかれば皆からの友情を失ってしまう!?」
サシャ「は、早くヤママユガを何事も無かったかのように元に戻さないと!」
サシャ「さぁヤママユガ!私の口の中から解き放たれる時が来ましたよ!」
ヤママユガ「」ボロ…
サシャ「あっ……?」
サシャ「誤算でした…ヤママユガを口の中に入れたままパンを食べてしまうとは…」
粉々になったヤママユガ「」
サシャ「…これが俗にいう血の気が引く…ってやつですか…」サー
サシャ「超えちゃいけないライン、超えちゃいましたね…こりゃ」
サシャ「と、とりあえずヤママユガを置いてこの場はトンズラです!」ダッ
~~サシャの部屋~~
サシャ「やっぱり自分の部屋は落ち着きます…でも…」
サシャ「…悲しい、こんな悲しい気持ちは初めてです…」ウルウル
サシャ「お母さんでもいたら全部打ち明けるんですが…」グスン
サシャ「仕方ない、我らが女神に相談しましょう…」
~~女神の部屋へ~~
クリスタ「ど、どうしたのサシャ…!?」
サシャ「う、うわぁぁん!お母さ~ん!」ダキッ
クリスタ「そう…そんなことをしちゃったの…」
サシャ「(クリスタも悲しそうです…)私、どうすればいいんでしょう…」シュン
クリスタ「今日中にユミルのところへ行かなきゃ。今日でなくてはならないのです」
サシャ「ええ!?」
クリスタ「サシャの持っている中から何かで埋め合わせをしなきゃ。そして許してもらえるように頼むしかないよ。」
サシャ「し、しかし今からご飯が…」
クリスタ「さあ、走って」
サシャ「でもご飯」
クリスタ「走らんかい!」
サシャ「(他の友達だったら、すぐそうしたでしょう…しかしあのユーミールが、許してくれるわけがない…)」
ユミル「おう、サシャ!誰かが私の大切に育てたヤママユガを台無しにしやがったんだ!」
サシャ「う…」
ユミル「お前何か見てないか…?」
サシャ「…ユーミール…実は…」ウルウル
ユミル「……」
サシャ「ごめんなさい…(あれ?怒鳴ったりしないのかな…)」
ユミル「…チッ」ギロ
サシャ「…あの」
ユミル「そうかそうか、つまりお前はそういうやつなんだな」
サシャ「!!」ウルッ
サシャ「私の持ってるの全部あげますから…」
ユミル「いらねーよ。どうせ全部味もみておこう、とか言って食べたやつだろうが。」
ユミル「お前の蝶の扱いはよ~くわかったからな!」
サシャ「うう…」ウルウル
サシャ「うわ~ん!!」ダッ
ユミル「ちょっと待てコラ!」
サシャ「…はい?」ピタッ
ユミル「私がここにおいてたパンが無いんだが…?」ビキビキ
サシャ「……」
ユミル「お前なぁ…」
サシャ「ふっ、随分とヌルいことを言いますね、ユーミール。」キリッ
ユミル「あん?」
サシャ「…獲物を奪うのに作法が必よぶっ!?」ボカッ
ユミル「消えろ原始人が!」
~~女神の部屋~~
サシャ「恐かったよぉ…」グスン
クリスタ「よしよし。頑張ったね、サシャ」ナデナデ
サシャ「うえ~ん!」グシグシ
サシャ「(そんなこんなで私の蝶の収集への熱意は無くなってしまい…)」
サシャ「(その晩のうちに収集の箱を開き…)」
サシャ「(一生懸命集めた蝶々を一つ一つ取り出し…)」
サシャ「(全部食べました)」
サシャ「(あの甘さのないビターな味わい…あれを人は青春の苦味と言うのですね…)」
ユミル「んなわけねーだろ」
end
元ネタはいわずもがな、国語の教科書です
エーレーンとかミーカーサでも良かったんですけどユーミールははまり過ぎ
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