女勇者「攻略不可能と呼ばれた死の砂漠を抜け早半日・・・ようやく魔王城が見えてきたわね」
女勇者「魔王退治のために所持金をギリギリまで使って装備やアイテムを整え・・・と言っている間に」
女勇者「もうすぐ魔王城の扉の前・・・あら？扉の前に何か小屋らしき物があるわね」
ー
店員「いらっしゃいませこんにちは！」
女勇者「………」
店員「只今、リクエストno.1だった魔王カステラ復活致しております！この機会にご一緒にいかがでしょか？ご注文お伺いいたします！」
女勇者「………」
店員「………」
女勇者「………」
店員「ご注文お伺い致します！」
女勇者「………」
店員「……お客さま？」
女勇者「なにこれ……」
店員「なにこれとは……？」
女勇者「………」
店員「申し訳ございません……なにこれと言う物はお取り扱いしておりませんが……」
女勇者「そうじゃなくて……これは何かって言ってるの……」
店員「はぁ……魔王城入場券売場で御座いますが？」
女勇者「入場券売場……？」
店員「はい！この魔王城に入る為には入場券が必要となっておりまして！」
女勇者「………」
店員「……何かご不満な点でもおありですか？」
女勇者「何で魔王城に入るのに入場券が必要なの……」
店員「え？それは決まりですし……」
女勇者「………」
店員「なんでと申されましても……返答に困ってしまいますが……」
女勇者「………」
店員「………」
女勇者「貴女……ここがどんな場所なのかわかってるの？」
店員「はい！ここは今をときめく魔王様が牙城！夢と希望が蠢き這いずる魔王城で御座います！」
女勇者「………」
店員「皆様を楽園へと葬り去る楽しいアトラクションの数々！絶叫し怯え泣き叫んでも誰も助けには来てくれない！そんな場所ですよ！」
女勇者「………」
店員「ふふん！」
女勇者「そんな得意気な顔して言わないでもいいから……」
店員「だってぇ……やっと噛まずに言えましたから……」
女勇者「あっそ……」
店員「では入場券
女勇者「まだ待って！」
店員「はい？」
女勇者「ここは恐ろしい魔王がいる城なのよ？貴女平気なの……」
店員「平気では無いです……確かに恐ろしいですから……」
女勇者「なら！」
店員「この前ちょっと遅刻して……スッゴい怒られましたからね……」
女勇者「………」
店員「あれは恐ろしかったです……」
女勇者「そうじゃなくてね……」
店員「はい……？」
女勇者「人間の世界を闇に陥れようとしているの魔王は！」
店員「………」
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