勇敢なコウモリ(3)
昔むかし、鳥と獣が争いをしていました。
コウモリは、鳥と獣の戦いの様子を見て、獣の方が勝ちそうな感じがしたので、獣の前に姿を現して、
「私は獣の仲間です。私には灰色の毛皮とキバがあります」
そういってコウモリは獣の味方をしました。
しかし、コウモリは怠け者でドジだったため武器庫の鍵を無くしたり、食糧を腐らせたり、作戦の情報を洩らしたりしてしまいました。
そうこうしているうちに、獣の軍はだんだん弱くなってしまいました。
こうして、争いは続き、獣が負けそうになると、今度は鳥の前に現れて、
「私は鳥の仲間です。あなたたちと同じように翼を持っています。」
そういって、コウモリは鳥の味方になりました。
しかし、コウモリはまた同じように鳥の軍に迷惑ばかりかけました。
そのうち、鳥と獣は互いに疲れて争いをやめ仲直りしたので、コウモリは仲間はずれにされてしまいました。
それだけでなく、「卑怯者」や「おぞましいもの」の象徴とされてしまいました。
そのときからコウモリは、暗い洞窟に身を潜め夜にしか飛ばないようになりました。
誰にも涙を見られないように……
おわり
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