神「安価で良いことする」(16)
神「最近ゲームとかで悪役ポジションが増えてきたからなぁ……たまには人助けでもするか」
神「早速↓1」
神「落ちてる財布を探し回って持ち主に返してやるか、俺めっちゃ善人だぜ」
下界
神「えぇ~と財布…財布っと…」
神「なかなか見つからんな、もっとジャンジャン落ちてる物かと思ったのに…」
警官「何かお探しですか?」
神「ちょっと財布を」
警官「どこら辺で落としたんですか?」
神「いや、俺のじゃなくて他人のを……」
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神「クッソ…まさか30分も説教されるとは…俺はただ良いことしようとしただけなのに」
神「アイツ絶対死んだら地獄行きにしてやる、コオロギだらけの地獄に送ってやる」
神「気を取り直して次は↓2だ」
神「迷ってる奴を自分で作って助ける……やべぇ、俺の天才的頭脳が怖ぇ」
神「んじゃ、サクッとやりますか」
さっきとは別の下界
勇者「戦士!魔法使い!クソッ!卑怯だぞ魔王!」
魔王「どうした勇者?世界を救いたくばその剣で仲間ごと我を刺せ!できればの話だがなぁ…!」
勇者(む、無理だ…僕には仲間を手にかけることなんて出来ない!…でも魔王を倒さないと世界が…)
『何を迷っているのです?勇者よ』
勇者(……誰だ!?)
『私は神です』
勇者(神?)
勇者(まさか僕たちを助けに!?)
『そうです、さあ迷いを断ち切りその剣を振るいなさい…』
勇者(いや…でも仲間が…)
『二人の命と世界の命、どっちが重いかは猿でも分かりますよね?』
勇者(……! 命を秤にかけると言うのですか!?それじゃあ魔王と同じだ!)
『うるさいですね、いつまでも甘えてんじゃねぇですよ、とっと殺れです』
勇者(神の力でどうにかならないのですか!?)
『だから甘えんなってクソガキ、お前らは俺が決めた運命通り動いてればいいんだって、俺が助けてやるからよ』
勇者(運命って……それじゃあ大災害も魔王軍の侵略も…?)
『ああ、いい感じに困ってる人を量産できたな、我ながら完璧なシナリオだったな』
勇者「」プッツーン
勇者「ふざけるなああぁぁぁ!!!」ダダッ
魔王「えっ…ちょっ…我何も言ってな……」
勇者「うりゃああぁ!!」ザシュッ
魔王「グワアアアアアア!!恐るべし…突然キレだす最近の若者…」ガクッ
戦士「ハッ…!ここは?」
魔法使い「魔王は!?」
勇者「魔王は倒した…けどまだ倒さなきゃならない奴がいる…」
戦士「何だ、まさか大魔王とか言わないよな?」
勇者「神だ」
神「……」
神「結局悪役になるのかよ」
神「もういい、疲れた、寝る、明日から本気出す」
完
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