京太郎「俺の、最高の彼女」 (41)
京太郎(夏の大会から1ヶ月の時が過ぎた)
京太郎(俺たち清澄麻雀部はIH団体戦を制覇した)
京太郎(その時の活躍で一躍有名になったメンバーは町中でも学校内でもチヤホヤされ)
京太郎(いつの間にか、咲たち5人にはそれぞれ彼氏ができていた)
京太郎(そして俺にも……)
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まこ「ほんじゃあ今日の部活は終わりじゃな」
咲「お疲れさまでした」
優希「今日は彼氏とタコス店廻りするじぇー!」
和「私の彼は陸上部でまだ部活中なので、ちょっと様子を見にいってきます」
咲「そっか。私は図書室で待ち合わせしてるんでもう行くね。染谷部長は?」
まこ「今日は校門まで迎えにきてくれる予定じゃ」
和「そのままドライブコースですね」
咲「染谷部長の彼氏って、竹井先輩の彼氏と同じく大学生ですよね。羨ましいです」
まこ「そうか?わし的には同じ学校でいつも一緒にいれる咲たちの方が羨ましいがの」
京太郎「………」
優希「京太郎は?彼女できたんだろ」
まこ「そうなんか?おんしも隅におけんのう」
咲「他校の人だっけ?」
京太郎「あ、ああ」
優希「どこの学校の子なんだ?可愛い子か?」
京太郎「ま、まあ俺のことは良いじゃねえか。お前ら急いでんだろ?」
男「咲~!帰るぞ~」
和「あ、咲さん。彼氏が呼んでますよ」
咲「図書室で待っててって言ったのに…じゃあ私もう行くね」
まこ「ああ。また明日な」
京太郎「……」ほっ
京太郎「じゃあ俺も用事あるから帰るな」
まこ「おっ、京太郎も彼女とデートか?」
京太郎「…まあそんなところです」
優希「今度紹介してくれだじぇ」
京太郎「……」
優希「京太郎?」
京太郎「あ、ああ。いつかな」
和「それじゃあ私たちも行きましょうか」
まこ「そうじゃな」
がちゃっ、ばたん
京太郎(……優希たちは行ったな。よし)
京太郎(誰にも見つからないよう全速力で行くぞ)
京太郎(いざ、彼女の元へ!)だっ
純代「京太郎くん!」
京太郎「待たせたな、純代」
純代「ううん。私も今来たところだから…///」
純代「それで、今日はどこ行こうか?」
京太郎「……カラオケで」
純代「また?これで15回連続カラオケデートだよ?」
京太郎「俺、歌うの大好きなんだよな」
純代「そうなの?分かった。じゃあ今日もカラオケにしよう!」
京太郎「お前も蝋人形にしてやろうか~♪」
純代「京太郎くん上手!」ぱちぱち
京太郎「…ふぅ。ほら、純代も歌えよ」
純代「ううん。私は京太郎くんの歌声を聞いてる方が好きだから」
京太郎「そうか?じゃあ次はこの曲な!」ぴぴっ
京太郎「木偶人形がのたうちまわる~♪」
純代「京太郎くん、本当に聖飢魔IIが好きなんだね」くすっ
――――――――
――――
純代「あ、もうこんな時間。家に帰らないと」
京太郎「そうだな」
純代「楽しい時間が過ぎるのはあっという間だね…」
京太郎「そんな寂しそうな顔すんなよ。また会いにくるから」
純代「うん…待ってるよ。京太郎くん」
京太郎「ああ。じゃあな、純代」
続きはまた明日あげます
――――――――
――――
京太郎「……はぁ」
紳士「ん?そこの君。歩道橋に手をついてどうしたんだね?まさか…」
京太郎「え?俺っすか?」くるっ
紳士「ダメだ!君はまだ若いんだ、早まってはならん!!」がしっ
京太郎「えっ、うわっ…」ぐらっ
紳士「!!」
京太郎「わあああああああああああああああ!!」
――――――――
――――
紳士「いやはやすまなかった。私としたことが早とちりで」
紳士「てっきり君が歩道橋の上から飛び降りるものとばかり…」
京太郎「結局あなたに突き落とされましたがね」いてて
紳士「いや~すまんすまん」
京太郎「まあ幸い何ともなかったんで良いですけど…」
紳士「本当にすまな かったね。お詫びに何かご馳走しよう」
――――――――
――――
京太郎「はふはふ、美味しいですね。このおでん」
紳士「そうか。いくらでも食べてくれたまえ」
京太郎「あ、いえ。もうお腹いっぱいですんで」
京太郎「…ふぅ」
紳士「……君、何か悩みでもあるのかね?」
京太郎「!!」
京太郎「…どうして分かるんすか?」
紳士「さっきも今も、随分と思いつめたような顔をしているからな」
京太郎「……」
紳士「こんなオジサンでよければ、よかったら話してみないかね?」
紳士「知り合いよりも赤の他人の方が言い易いこともあるだろう」
京太郎「……そうですね。あの、実は……」
――――――――
――――
京太郎「……と、いう訳なんです」
紳士「なるほど。彼女の容姿か」
京太郎「俺、本当に純代のこと好きなんです。でも…」
京太郎「いざ皆に紹介するとなると、どうしてもミテクレが気になっちまって」
紳士「ふむ」
京太郎「デートも毎回誰にも見られないようにとカラオケを選んでます」
京太郎「でも純代は、そんな俺に文句ひとつ言わずに付き合ってくれて…」
紳士「……」
京太郎「本っ当にいい子なんです!ただ人よりちょっとばかり太ってるだけで…」
京太郎「でも俺は、自分の見栄のために彼女の存在を隠してしまう…最低な男なんです…」
紳士「……」
紳士「君は、彼女の内面に惹かれて好きになったんだね?」
京太郎「はい。気立てが良くて優しくて、こんなワガママな俺を立ててくれる。そんな純代が好きなんです」
紳士「君がそこまで好きになった彼女なら、君の仲間もきっと好きになってくれると私は思うが」
京太郎「…!!」
紳士「それとも君の仲間は皆、外面しか見ないような連中なのかね?」
京太郎「そんなことはありません!あいつらならきっと…」
紳士「うむ。君は彼女だけでなく良い仲間にも恵まれているようだな」
京太郎「……そうですね」
京太郎「…すいません、おじさん。俺が間違ってました」
京太郎「俺、純代のところに行ってきます!」
紳士「うむ。頑張れよ、青少年」
京太郎「色々とありがとうございました。おかげ様で目が覚めました」
紳士「いや。…私にも、悩んでいた時期があったからね」ぼそっ
京太郎「え?」
紳士「もう行きたまえ。可愛い彼女が待っているのだろう?」
京太郎「はい!!」
――――――――
――――
京太郎「純代!」
純代「どうしたの京太郎くん?こんな遅くに」
京太郎「ごめんな。どうしても今会いたかったから…」
純代「ううん、いいの。京太郎くんの顔が見れるならいつでも大歓迎だよ」
京太郎「…純代、あのな」
純代「うん?」
京太郎「明日、麻雀部の仲間に純代を紹介したい」
純代「…!!」
純代「私……嬉しいよ、京太郎くん…」ぽろぽろ
京太郎「ど、どうしたんだ純代?」
純代「だって私ってこんなだから…京太郎くんに恥ずかしい思いをさせてるんじゃないかって、ずっと思ってたの」
京太郎「…!!」
純代「だから、こんな私を京太郎くんの仲間に紹介してくれる日が来るなんて、夢にも思わなかった…」
京太郎「純代……遅くなってごめんな」ぎゅっ
純代「うん…」ぎゅっ
――――――――
――――
紳士「あの少年、彼女とうまくやれているだろうか…」
紳士「…いや。彼ならきっと大丈夫だな」
界「恵さーん!」
紳士「界、遅くなってすまない」
界「いえ、いいんです。恵さんのためなら何時間でも待てます」
紳士「界…」ぎゅっ
界「け、恵さん…周りの人が見てますよ」あせっ
紳士「気にすることはない。私たちは愛し合っているのだから」
界「恵さん…///」
紳士(そう。体裁を気にしていては大事なものを失ってしまう)
紳士(私が界と出会って学んだことだ。あの少年も、それに気づけて何よりだ)
界「今夜は娘がデートで外泊すると連絡があって不在なんです。だから、朝まで…///」
紳士「はっはっは。それは愉悦」
カン!
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