伝説の勇者「はっはっは」
古の魔王「む?」
伝説の勇者「俺ら何で戦ってるんだっけ」
古の魔王「さあ…もはや理由など、この生なき大地では不要なのだろう」
――――伝説の勇者は精霊の加護により瞬時に傷が癒える。
古の魔王は邪悪なる加護によって瞬時に欠損した部位の修復がなされる。
お互い終わることのない戦いを始め、はや500年が経過しようとしていた。
伝説の勇者「なあ、俺気づいたことがあるんだ」
古の魔王「む?」
伝説の勇者「お前…」
古の魔王「うむ?」
伝説の勇者「女だろ」
古の魔王「…え?」
伝説の勇者「いや、何か女っぽいよなーって思ってたんだけど聞くに聞けなくてな」
古の魔王「むしろ、この胸を見て男だと思う奴はいないだろうな」
伝説の勇者「ははは、違いない」
古の魔王「嫌な予感がするな…」
伝説の勇者「ああ、一発ヤりたい」
古の魔王「…やれやれ」
伝説の勇者「ん?」
古の魔王「初めてだよ、魔王と性交したいなどと言う人間は」
伝説の勇者「そりゃそうだろうな、ははっ」
古の魔王「…良いだろう」
伝説の勇者「え?」
古の魔王「貴様と一発ヤッてやると言ったんだ」
伝説の勇者「…」
古の魔王「はぁ…にしても500年戦った相手と今度は性交とはな」
伝説の勇者「いいだろ、お互い見た目は若いわけだし」
古の魔王「…まあ、いいが」
―――――1年後
古の魔王「うっぐっ…はぁ…はぁ…」
伝説の勇者「大丈夫か!?」
古の魔王「ははは…まさか人の子を産むことになるとは…ぐっあああ!!」
伝説の勇者「うお、頭が出てきた」
古の魔王「黙ってないで手伝え!」
伝説の勇者「て、手伝うってなにすりゃ」
古の魔王「引っ張るとか、あるだろう!」
伝説の勇者「めちゃくちゃ言うな…」
――――――18年後
魔王と勇者の血を引く者(以下、男)「それでは父上、母上、行ってまいります」
伝説の勇者「おう」
古の魔王「気をつけるのだぞ、無理はするな」
男「はい!」
伝説の勇者「あ、我が息子よ」
男「はい?」
伝説の勇者「いるといいな、人間でも魔族でも何でも」
男「はい!!それでは行ってまいります!!」
伝説の勇者「おうよ!」
男「さて…まずは海を渡ろうかな」
男は海を渡り、遥か遠くの大陸を目指す。
ナキーオ大陸、かつて住んでいた人々がつけた名である。
男「やはり、人影は…っ!?」
突如目の前を通過した棒状の何か
男「なんだ!?」
男「…これは、矢?」
ある程度の武器、防具、その他の道具の知識は父や母から教わっていた。
だからこそわかる、矢を使えるのは人間かもしくは人型の魔族
男「誰かいるんですか?」
?「…」
男「ねぇ!」
?「言葉は通じるようだね」
男「…あなたは?」
女「私は女だ、お前は…人間か?」
男「うーん…まあ、ハーフかな」
女「ほう、奇遇だな私もだ。何のハーフだ?見たところベースは人間のようだな」
女「私は獣人族と人間のハーフだ」
男「…えーと、勇者と魔王の」
女「あっはっは!面白いこと言う!いいだろう、うちへ来い」
女「と言っても、もう家族は死んでしまってな、私しかおらんが」
男「は、はぁ…」
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