男「ほーら、犬だぞー」幼「わーい!」 (363)
幼は幼女でも幼馴染でも好きな方をどうぞ
息抜きです。
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男「おーい」
幼「なに?」
男「わんわん買って来たぞ」
幼「わんわん…?」
犬「わんわん」
幼「わんわんだー!」
男「誕生日のプレゼントってことで」
幼「いいの!?いいの!?」
男「いいよ、でもちゃんと世話しろよ?」
幼「分かってるよ!」
男「とりあえずハウスとか色々買ってきてあるし」
幼「うんうん」
男「ご飯、散歩、しつけ、ちゃんと全部やれよ」
幼「分かってるよー!」
ーー2ヶ月後ーー
男「どうだ、犬の調子は」
幼「すっごい元気だよ!」
犬「ヘッヘッヘ」
男「おお、懐いてるな」
幼「毎日可愛がってるからね!」
男「なんか芸とかできるのか?」
幼「できるよ!ほら、お手!」
犬「わん」スッ
男「おおー」
幼「おかわり!」
犬「わんわん」スッ
男「凄いじゃん」
幼「あっち向いて…」
男「おいおい、そんなのできるわけ」
幼「ほい!」
犬「わおん」フイッ
男「おおお!」
幼「これを覚えさせるのは苦労したよ」
男「どうやって覚えさせたんだ?」
幼「おやつを見せるとさ、手の動き追うんだよ」
男「うん」
幼「で、おやつあげる前にあっち向いてほいとか言ってたら覚えてた」
男「おお…」
幼「すごいよね!」
男「動物の珍芸とかで投稿できそうだな」
幼「次はアクセルとブレーキ覚えさせよ」
男「それはさすがに無理なんじゃ」
幼「あっち向いてほい覚えるくらいだから大丈夫だよ、ね!」
犬「わん」コクッ
男「う、うなずいた…」
ーー数週間後ーー
男「久しぶりー。犬元気か?」
…
男「あれ、いないのか?」
幼「いるよー」
男「どこにいるんだよ、見えないぞ」
幼「ここ、ここ」
男「何でハウスの中に…」
幼「いやー、私も犬になりたくなってきちゃって」
男「馬鹿かお前」
幼「犬見てるとさ、何か洗脳された気分になるんだよね」
犬「わん」
男「ファンタジックな奴だな」
幼「生まれ変わったら犬になりたい」
男「その時は俺が飼ってやるよ」
幼「それは嫌かな」
男「なんでやねん」
ーー3日後ーー
男「ん、電話だ」
男「もしもーし」
幼『ちょっと、今すぐ来て!』
男「どうしたんだ一体」
幼『大変なことになったの!』
男「なんだ、何があったんだ」
幼『とにかく早く来て!』
男「とりあえず何が起きたのか言えよ」
幼『待ってるからね!』
男「ちょっ、おい」
ーー幼家ーー
男「
途中送信しちゃった
男「おーい」
幼「やばいよ…」
男「…」
幼「これどうしよう!」
男「お前誰だよ」
幼「私だよ!」
男「いやそれは分かるんだけどさ」
幼「どうしよう!」
男「何で耳生えてんの」
幼「尻尾も生えてるよ!」フリフリ
男「合体しちゃった感じか」
幼「多分…」
男「犬いないもんな」
幼「どうしてこんなことに…」
男「何か心当たり無いのか?」
幼「昨日寝る時に犬ちゃん抱いて寝た」
男「それだな、間違いない」
幼「そうなの!?」
男「動物を抱いて寝たら合体するのは常識だろ」
幼「知らなかった…」
男(嘘だけども)
幼「どうしよう」
男「犬になりたかったんだろ、良かったじゃないか」
幼「こんな中途半端な犬を求めてたんじゃないよ!」
男「しかし鼻も犬になってるな」
幼「男からシャンプーの臭いするよ」
男「おお、嗅覚もしっかり犬みたいになってるのか」
幼「クンクン」
男「おい、やめろ」
幼「男、うどん食った?」
男「え、そうめんは食ったけど…」
幼「めんつゆの臭いするよ」
男「めんつゆの臭いって残るもんなのか」
幼「あと生姜」
男「わーお」
幼「意外と便利かも!」
男「…」
幼「なに?」
男「…散歩行くか」
幼「え、何唐突に」
男「ほら、お前が犬になったら俺が飼うって約束してたろ」
幼「約束はしてないよね」
男「えー、リードは…」
幼「え、本気?」
男「当たり前じゃん」
幼「せめてリードはやめようよ」
男「勝手にどっか行かれちゃ困るからな」
幼「そんなの付けて散歩してたら変態じゃん」
男「でも犬なんだしさ」
幼「犬というより獣人じゃないの?」
男「まあそうだけど」
幼「リードはやめようよ」
男「仕方ないな」
幼「この姿で外出するの恥ずかしいんだけどね…」
男「元から引きこもりだったお前にはちょうどいい機会だな」
幼「散歩してたから!」
男「関係ない関係ない」
幼「がるるるる」
男「おお、唸ってる」
幼「わん!」
男「…可愛い」
幼「わおん」
男「おー、よしよし」
幼「ヘッヘッヘ」
男「ほら、お手」
幼「わん」スッ
男「おお、おかわり」
幼「わおん」スッ
男「なんか楽しい」
幼「何遊んでんの!」
男「お前もノリノリだったじゃん」
幼「私の意思じゃないからね!」
男「?」
幼「たまに犬ちゃんに体乗っ取られるんだよね」
男「こえーよ」
幼「私もよく分かんない」
男「…」スッ
幼「わん!」
男「あっち向いて」
幼「わぅう…」
男「ほい」
幼「わん!」
男「おおお」
幼「遊ばないでって!」
男「面白いんだよな」
幼「もう」
男「しかし意外とアリかもな」
幼「何が?」
男「犬になった時可愛いぞ」
幼「ほんとに?」
男「素直だし」
幼「わん」
男「今のはお前だろ」
幼「何で分かるの」
男「タイミングが不自然過ぎるわ」
幼「ちぇー」
男「そんなことしなくても可愛いぞ」
幼「なに急に、照れるじゃん」
男「ほら、そろそろ散歩行くぞ」
幼「ほんとに行くの?」
男「当たり前だろうが」
幼「恥ずかしいなぁ…」
ーー公園ーー
男「皆見てるな」
幼「そりゃそうでしょ」
男「コスプレに見えんのかな?」
幼「コスプレにしか見えないでしょ」
男「ちょっと尻尾振ってみ」
幼「ん」フリフリ
男「おお、周りが驚いてるぞ」
幼「何か楽しい」
男「耳動かせるのか?」
幼「ちょっとだけね」ピクピク
男「おおー」
幼「楽しい」
男「ちょっとゲームしようぜ」
幼「ゲーム?」
男「俺がこのボール隠すから、それをお前が制限時間内に探すだけ」
幼「この鼻で探せないものは無いよ!」
男「じゃ、まずは臭い覚えろよ」
幼「くんくん」
男「じゃ、隠してくるし3分待ってろよ」
幼「あい!」
ーー3分後ーー
男「いいぞー」
幼「よし、探すよ!」
男「制限時間は1分な」
幼「短くない?」
男「ハードモードってことで」
幼「わけわかんないです」
男「ほら、もうカウント始まってるぞ」
幼「わん!」
男「お、犬スイッチ入った」
幼「クンクン」
男「四つん這いになってる…」
幼「スンスン」
男「パンツ丸見えですが」
幼「スンスン」
男「皆見てるよ」
幼「わん!」ガリガリ
男「早え…」
幼「ヘッヘッヘ」
男「おー、よしよし」
幼「わおん」
男「ほら、ご褒美だぞー」
幼「わん!」
男「楽しい」
幼「うわあああああ!」
男「うるさい」
幼「んー!んー!」
男「どうしたんだ」
幼「何やらせてんの!」
男「何やらせてんのって…お前が勝手にやったんじゃなん」
幼「犬ちゃんだよ!」
男「もう結論出てんじゃん」
幼「いやそうだけどさ」
男「あと、お前パンツ丸見えだったぞ」
幼「知ってるよ」
男「何だ、何も思わないのか」
幼「パンツ見られたくらい何とも無いよ」
男「じゃあパンツ見せろよ」
幼「そういうのは無理!」
普通なら警察に通報されているよな……
男「お手」
幼「わん!」スッ
男「可愛すぎる」ナデナデ
幼「わふ…」
男「幼のくせにこんな可愛いとは」
幼「失礼な!」
男「おおう、いつ戻ったんだ」
幼「私はいつでも可愛いよ!」
男「自意識過剰じゃなければな」
幼「だってほんとのことだし」
男「まあ確かに可愛いけど」
おっさん「あの」
幼「わん!」
男「こら、静かにしろ」
おっさん「それ、コスプレ…なんですか?」
男「いえ、違いますよ」
幼「がるるるるる」
男「静かにしろって」
おっさん「…ちょっと、耳見てみてもいいですか?」
男「どうぞどうぞ」
おっさん「…付け耳じゃない…」
幼「わん!」
男「噛み付くなよ」
おっさん「犬と合体しちゃったんですか?」
男「そうなんですよ」
おっさん「実は、私の娘も同じなんですよ」
男「え」
おっさん「猫を飼ってたんですけど…」
幼「私と一緒なの!?」
おっさん「しゃ、喋った…」
男「犬の状態と人間の状態を行ったり来たりしてるっぽいです」
おっさん「娘と全く同じですね…」
男「娘さん、猫と合体しちゃったんですか」
おっさん「そうなんですよ…困ったもんです」
男「そうですか?可愛いと思いますけどね」
幼「照れるじゃん」
おっさん「確かに可愛いんですが、日常生活に支障が出るんですよ」
男「例えば?」
おっさん「学校で猫になっちゃったら大変なことになるみたいです」
男「猫にならなくても、耳と尻尾ある時点で大変なことになりそうですけどね」
おっさん「お願いします、元に戻る方法を一緒に探して下さい!」
男「え、まあいいですけど…」
幼「面白そうだね」
男「てかお前、犬にならないってことはもう慣れたのかよ」
幼「敵対心が無くなったみたい」
男「単純だな」
おっさん「とりあえず、私の家に行きましょう」
男「あ、はい」
幼「猫と合体しちゃった子かぁ…」
男「さぞかし可愛いんだろうな」
おっさん「ほんとに苦労しますよ」
男「そこは慣れなんじゃないですか?」
おっさん「私が慣れても、普通に生活できないのでは…」
男「あー、確かに…」
おっさん「行きましょう、私の車がありますし」
男「失礼します」
幼「わん!」
ーーおっさん家ーー
おっさん「ただいま」
男「お邪魔します」
幼「お邪魔します!」
おっさん「おーい、娘ー」
娘「はーい」
男「…猫耳だな」
幼「がるるるる!」
娘「ふしゃーーーー!」
おっさん「こんな感じなんですよ」
男「なるほど、これは大変だ」
幼「ぐるるるる…」
娘「うーーーー…」
男「おい、とりあえず落ち着け」
おっさん「娘も、静かにしなさい」
幼「ぷはぁ!」
娘「はい!」
男「シュールですね…」
幼「なかなか戻れなくて苦しかったよ!」
娘「あ、えと、こんにちは」
男「あ、こんにちは」
幼「こんにちは!」
おっさん「とりあえず、リビングに行きましょう」
ーーリビングーー
男「日常生活で困ることって、さっきの威嚇みたいな?」
おっさん「それもあるんですが、それ以外にも…」
娘「にゃ」ポフッ
おっさん「これですよ」サワサワ
娘「ごろろ…」
男「…急に懐いてくると」
おっさん「はい」
幼「私はそんなこと無いのにね」
男「おいで」
幼「わん!」
おっさん「可愛いんですけどねぇ…」サワサワ
娘「にゃー…」
男「困ったもんですねぇ」ナデナデ
幼「わぅー…」
おっさん「もう○学生なので、このままじゃダメなんですよね」サワサワ
娘「にぅ…」
男「じゃあ喉くりくりしない方がいいんじゃ」ナデナデ
幼「くぅーん…」
おっさん「あなたもナデナデしない方がいいのでは」サワサワ
娘「うにゃー…」
男「だってねえ」ナデナデ
幼「…わん」
おっさん「可愛いからやめられないですよね」
男「仕方ないですよね」
幼「いつまでやってんの!」ガバッ
男「おおう、急に起きんなよ」
おっさん「今はすぐ人間に戻れるんですが…」
男「?」
おっさん「慣れてくると、なかなか人間に戻れないみたいです」
娘「にゃー」
男「…個人的には、それもアリだと思います」
幼「ダメに決まってんじゃん!」
おっさん「ほら、娘もそろそろ戻りなさい」
娘「にゃ」
男「戻りませんね」
おっさん「ちょっと時間かかるんですよ」
幼「大変ですね…」
おっさん「どうにかして治さないと」
娘「はっ」
おっさん「お、戻ったかな?」
娘「あれ、私またやってた?」
おっさん「思いっきりね」
娘「うぁー…」
男「猫になってる間、人間の意識が無いんですか?」
おっさん「どうもそうみたいです。最初はそんなこと無かったんですが」
幼「私はまだ犬になってる時色々考えてるよ」
男「いつ頃から人間の意識が無くなった状態に?」
おっさん「大体、1週間くらいしてからですね」
男「結構早いんですね」
おっさん「学校でも仲のいい友達に可愛がられるしまつでして」
男「学校行かせたんですか」
おっさん「一回だけ、行かせました。症状が悪化したので行かせてませんが…」
男「猫と合体した原因は分かりますか?」
娘「えっとね、猫ちゃんと一緒に寝てたの?」
幼「私と一緒だね!」
おっさん「原因は一緒みたいですね」
男「確かに、これは戻さないと大変ですね」
おっさん「何か方法は無いですかね」
男「んー…」
幼「病院とか行けば治るんじゃないの?」
男「こんな症状見たことも無いだろうし、門前払いがオチだろ」
おっさん「色々な病院を回ってみたんですが、どこも治療法が分からないと言われました」
男「まあ、そうですよね」
おっさん「私が心配なのは、このまま過ごすと完全に猫になってしまうんじゃないかと言うことなんですよ」
男「え、身体にも変化があるんですか?」
おっさん「少しずつですが、あるみたいです」
男「どんな風に?」
おっさん「娘の手を見て下さい」
男「に、肉球…」
幼「私はまだ無いね」
おっさん「手の形も、ちょっと猫に近いものになってますし」
男「これはまずいですね」
おっさん「何とかしないと」
男「色々試してみましょう!」
おっさん「と言いますと?」
男「例えばこんな感じにしたりとか」グイッ
幼「いたたた!」
男「失敗」
幼「何尻尾引っ張ってんの!」
人面犬「私よりマシですよ」
男「いや、戻るかと思って」
幼「戻る訳ないじゃん!」
おっさん「んー…」
男「あの」
おっさん「はい?」
男「娘さん、もしかして猫になりたいとか言ってませんでした?」
おっさん「ああ、猫と合体する前はよく言ってましたね」
男「その逆をしてみるってのはどうでしょう」
おっさん「人間になりたい、と?」
男「そうですそうです」
おっさん「なるほど、可能性はありそうですね」
男「とりあえずこれを試してみて、ダメだったらもう一度話し合いましょう」
おっさん「わかりました」
ーー男家ーー
男「いいか、人間になりたいって念じながら寝るんだぞ」
幼「うん」
男「ちょっとでも邪念が混じればもう戻れないと思え」
幼「私は犬になってもいいんだけどね…」
男「犬になるというより、犬に身体が支配されてくと思った方がいいぞ」
幼「え?」
男「完全に犬になった時、お前はもう考えることもできなくなるかもな」
幼「こ、怖いこと言わないでよ」
男「じゃあ、人間に戻ることだな」
幼「この方法で大丈夫なの?」
男「分からんけど、試してみるしかないだろ」
幼「えー…」
男「文句言うなよ、自業自得だろ」
幼「そうだけどさ」
男「ほら、寝るぞ」
幼「あーい…」
眠いので今日はここまでにします
そんな長くならないので1、2日中に終わらせます
乙
人面犬「人間に戻りたくっても戻れない人(?)だってるんですよ!」
23:40~から0:00くらいに更新します
投下していきます
ーー朝ーー
男「…」
男「…ん…」
男「…朝か」
男「そういやあいつどうなったかな」
男「おーい」
男「…」
男「…返事無い」
男「…」
男「おいで」
幼「わん!」
男「起きとんのかい」ビシッ
幼「痛い!」
男「わんじゃねーよ」
幼「気づいたらここにいたのに」
男「犬の方が勝手に起きたってことか」
幼「多分…」
男「お前もう迂闊に寝られないな」
幼「なんで?」
男「犬って寝てても物音に反応してすぐ起きるだろ」
幼「あ、確かに」
男「今だって呼んだらすぐ来たし」
幼「うあー…」
男「ていうか元に戻ってないな」
幼「ちゃんと念じたよ!」
男「んー、どうするかな」
幼「助けてー」
男「棒読みで言われてもな」
幼「なんだかんだ楽しい」
男「変な奴だな」
幼「お互い様じゃん」
男「どういう意味だコラ」
幼「ね、ご飯食おうよ。お腹空いた」
男「お前、人間と同じ食っても大丈夫なのか?」
幼「?」
男「犬って確かパンとか食ったらダメなんだろ?」
幼「そうなの?」
男「そうだよ。てか犬飼ってたんだから知っとけよ」
幼「でも、ご飯とかは大丈夫だよ」
男「じゃあ、和食にするか…めんどくせえ」
幼「なに、作ってくれるの?」
男「お前が作ると毛が入りそうだし」
幼「ひど!」
男「いや、事実じゃん」
幼「がるるるるる」
男「はー、ちゃっちゃと作るか」
幼「反応してよ」
男「どうせ演技するんならもっとやる気出せよ」
幼「ばれてたか」
男「今犬が出る場面じゃなかっただろ」
幼「お腹空いた」
男「マイペースすぎるわ」
ーーーーーーーーーーーーーー
幼「美味かった!」
男「何か、めっちゃ食いにくそうだったな」
幼「犬食いした方が良かったかな」
男「行儀悪いからやめなさい」
幼「でも、途中から箸無い方がいいんじゃないかと思ってた」
男「抑えろよ」
幼「だって犬食いの方が楽だし」
男「分からんこともないけど、女としてそれはダメだろ」
幼「今は獣人だよ」
男「人間としてのプライドも捨てる気か」
幼「そういうわけじゃないけどさ」
男「とりあえずおっさんの家行こうぜ。さっさと戻らないと」
幼「そだね」
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーおっさん家ーー
男「おっさーん」ピンポーン
おっさん「あ、おはようございます」
男「どうでした?」
おっさん「それが…大変なことに」
男「何があったんですか?」
おっさん「とりあえず、中に入って下さい…」
ーーリビングーー
男「えっと、娘さんはどこに?」
おっさん「あれです」
猫「にゃ」
男「わーお」
幼「猫ちゃんだ!」
男「お、今日は犬にならなかったな」
幼「なんでだろ」
おっさん「どうしましょう」
男「犬の方も昨日見た子だって認識してるんだろ」
幼「なるー」
おっさん「あの」
男「そういやお前、昨日より毛深くなった?」
幼「犬に近づいてるのかな」
おっさん「どうしましょう!」
男「うわっ、急に大声出さないで下さいよ」
幼「びっくしたー」
おっさん「あまりにも無視されてたもので」
男「すいません」
おっさん「いえ、いいんですよ」
幼「ごめんね」
おっさん「いえいえ」
男「で、何で猫に?」
おっさん「分からないんですよ」
男「昨日までちゃんとした獣人だったのに、立派な子猫になっちゃって」
おっさん「困ったものですよ」
男「大変ですね」
おっさん「でも、完全に猫ってわけじゃないみたいです」
男「というと?」
おっさん「一応、人間としての意識はあるみたいです」
男「?」
おっさん「娘ー」
猫「にゃっ!」スタタタ
男「おお」
おっさん「頷いて」
猫「にゃ」コクッ
男「おおお!」
幼「凄い!」
おっさん「姿は猫ですが、中身は人間みたいなんですよ」
男「不思議ですね…」
幼「可愛いー!」
猫「にゃおん」
幼「はいターッチ!」
猫「にゃ!」パシン
男「凄いですね、人間の言葉を理解する猫として動物びっくりショーに出せるんじゃないですか?」
おっさん「出せますけど、戻すことが先決ですよ」
男「まあ、そうですよね…」
おっさん「何か他に方法は無いでしょうか」
男「んー…難しいですね」
幼「このままほっといてみるとか」
おっさん「このまま?」
男「悪化するだけじゃないのか?」
幼「いや、一周して人間に戻るのかなーと」
男「一周て」
おっさん「あり得なくもないですね」
男「リスキーですけどね」
おっさん「とりあえず、少し様子を見てみますか」
男「そうしますか」
おっさん「娘も辛いだろうけど、頑張ろうな」
猫「にゃ」
すいません、眠すぎるので寝ます(´・ω・` )
明後日18:00頃に投下して終わらせます
18時頃投下します
ちょっと用事ができたので21時か22時に更新します
すいません、ちょっと長引きました
今から投下します
ーー次の日ーー
男「幼ーどうだー」
幼「見てこれ!」
男「おお、肉球が」
幼「気持ちいー!」
男「不便じゃないか?」
幼「今のところ不自由はしてないよ」
男「猫の方はどうなってんだろうな」
幼「さあ?」
男「様子見に行くか?」
幼「何かあったら連絡来るよ!」
男「お前行くのめんどくさいだけだろ」
幼「なぜそれを」
男「わかるわ」
幼「だって遠いしー」
男「まあ遠いけどさ」
幼「めんどくさいしー」
男「散歩行くか」
幼「わん!」フリフリ
男「ほーら、リードリード」
幼「わんわん!」クルクル
男「はい、おすわり」
幼「わんっ」シュタ
男「よーし、そのままだぞー」
幼「わん!」フリフリ
男「動くなよー」カチャカチャ
幼「わん」
男「はい、おっけー」
幼「わおんわおん!」クルクル
男「分かった、分かったから走り回るな」
幼「何やってんのさ!」
男「おおう、急に戻るなよ」
幼「動きたくなーいー」
男「[ピザ]かお前は」
幼「だってめんどくさいしー」
男「太るぞ」
幼「構わんよー」フリフリ
男「はぁ…ずっと家の中もアレだしとりあえず外行くぞ」
幼「えー」
男「おっさんの家までは行かないからさ」
幼「しょうがないな」
男「何様だコラ」
幼「こんな可愛い子連れて歩けるなんて滅多に無いからね」
男「ケモノに言われてもな」
幼「ケモノじゃないよ!」
男「じゃあ獣人か。どっちでもいいけど」
幼「公園までね!」
男「デブかて」
幼「疲れるし」
男「デブかてお前」
幼「何ツッコミしてんの?」
男「ツッコミてえんだよ」
幼「エッチ」
男「…」ワキワキ
幼「その手つき犯罪だよ」
男「まじかよ、ハードル高えな」
幼「行くんなら早く行こうよ!」
男「自分から行くなんて珍しい」
幼「早く終わらせて帰りたいの!」
男「デブかて」
ーー公園ーー
幼「さあやってまいりました」
男「なんだかんだテンション高いんじゃねーか」
幼「無理やり上げてるんだよ!」
男「今日も皆見てるな」
幼「そりゃ美女だしね」
男「まあこんな珍獣いたら皆見るか」
幼「さすがに珍獣はひどい」
男「事実だろ」
幼「獣人だから!」
男「そうだ、面白いもの持ってきたぞ」
幼「なに!?」
男「じゃじゃーん」←フリスビー
幼「わん!」
男「よし、とって来いよー」
幼「わおん!」
男「うらっ!」シュッ
幼「わん!」ダダダダ
男「おお…獣人の四足歩行は気味悪いな…」
幼「わん!」
男「おー、偉いぞー」ナデナデ
幼「わう」
男「ほーらもう一回」
幼「だからー!」
男「急に戻るなって」
幼「遊ぶなって!」
男「楽しいし」
幼「私は男のオモチャだったの…?」
男「オモチャかー、アリだな」
幼「ツッコんでよ!」
男「おい、公衆の面前だぞ」
すいません、20分時間を下さい
誠に申し訳ない、また用事入りました
今日(明日)に投下しきります(´・ω・` )
さくさくっと投下します
幼「いいじゃん、カップルに見られてるかもしんないよ」
男「そっちの趣味はないんだよ」
幼「え、ホモなの」
男「ちゃうわ」
幼「ね、ちょっと聞きたいんだけど」
男「ん?」
幼「私って可愛い?」
男「今はある意味可愛い」
幼「今じゃなくて、人間の時!」
男「あー、可愛いっちゃ可愛い」
幼「なにそれ!」
男「なんというか、残念系美女というか」
幼「残念?」
男「まず引きこもりだし」
幼「学校なんて行く意味無いし」
男「めんどくさがりだし」
幼「性格だし仕方ないね」
男「外出する時は寝巻きだし」
幼「周りの目は気にしてないし」
男「髪型はナチュラルだし」
幼「一周回って可愛いじゃん」
男「あと、何かと自分のダメなところを正当化するし」
幼「事実だし!」
男「見た目はいいけど、中身は残念」
幼「失礼な」
男「お前が聞いてきたんだろ」
幼「そんなこと言ったら男だって似たようなもんじゃん」
男「?」
幼「顔は普通だし」
男「フツメン万歳」
幼「趣味はゲームでオタクっぽいし」
男「ゲーム好き全員がオタクじゃないからな。あとお前もゲーム好きだろうが」
幼「何かと先読みするし」
男「お前だけに限るけどな」
幼「何かと気遣ってくれるし」
男「心配だし」
幼「たまに見せる優しさもあるし」
男「そりゃ風邪とかだったら優しくしなきゃダメだろ」
幼「見た目残念なのに中身はいいみたいなね!」
男「人間中身だしな」
幼「私も中身つければモテるかな」
男「なんだお前、モテたいのか」
幼「ううん?」
男「どっちなんだよ」
幼「彼氏が欲しいなんて思ったことないよ」
男「女なら誰だって彼氏作りたいもんだと思うけどな」
幼「なんていうか、興味無い」
男「お前…アッチの人だったのか」
幼「違うよ!」
男「男に興味無いって珍しすぎるだろ」
幼「そうなの?」
男(外に出ないから、自分独自の思考なんだろうな)
男「多分、お前がほんとに好きな男が出てくれば考えも変わるぞ」
幼「あー、それは永久に無いかなー」
男「何でだ?」
幼「さあね」
男「言えよ、気になるじゃん」
幼「うへへ」
男「気になる…」
幼「じゃ、人間に戻してくれたら教えてあげる」
男「いや、人間に戻す方法なんて分かんねーよ」
今日はここまでです
18時頃投下するかもです
投下します
幼「そこを色々考えてくれないと」
男「って言われてもな」
幼「なんかあるでしょ!」
男「そもそも合体した原因も分かってないんだし」
幼「私が犬になりたかったからだよ!」
男「それも原因だろうけどさ」
幼「原因が分かったら解決するの?」
男「単純だけど、逆のことをしてみる」
幼「この前やったような?」
男「そうそう」
幼「でも失敗したじゃん」
男「他にも方法あるだろ」
幼「ほんとに?」
男「断言はできないけどな。戻れない可能性もあるけど」
幼「犬になれるんならいいけどね」
男「犬も楽じゃないんだぞ」
幼「なるようになるよ」
男「ほんとお気楽だな。羨ましいわ」
幼「ひひひ」
男「おっさんとこの娘さんも、そのうち完全な猫になるんだろうな」
幼「?」
男「今はまだ人間の意識があるみたいだけど」
幼「頭の中まで猫になっちゃうの?」
男「多分」
幼「やだなぁ…」
男「いいじゃん、お前のなりたかった完全な犬になれるんだし」
幼「生まれ変わって完全な犬ならいいけど、今犬になれって言われてもなりたくないよ」
男「おすわり」
幼「わん!」シュタ
男「よしよーし」ナデナデ
幼「わぅー」フリフリ
男「はっはっは、可愛いな」
幼「だからぁ!」
男「なんだよ、騒々しいな」
幼「遊ばないでって!」
男「お前だけの体じゃないんだし、文句言うなよ」
幼「そうだけど、遊ばないで!」
男「可愛いんだけどな」
幼「私は嬉しくないの!」
男「犬の方は大喜びだぞ」
幼「だーかーらー」
男「あ、もう1時間も経ってたのか。そろそろ帰るか」
幼「ぐるるるるる」
男「おーおー、可愛い可愛い」ナデナデ
幼「わん!」
男「え、犬かよ」
幼「わんわんわん!」
男「うるさい、さっさと帰るぞー」
幼「わん!わんわん!」
ーー次の日ーー
男「おーい、起きろー」
幼「ん~…」
男「どうだ、変化あるか?」
幼「んー…?」ムクッ
男「おーい」
幼「…」
男「朝だぞ」
幼「…ん」ポフッ
男「おい、寝んな馬鹿」バッ
幼「うあ!寒い!」
男「朝だっつの」
幼「寝てたいー」
男「こっちだって学校休んで来てやってんだぞ。感謝しろよ」
幼「頼んでないよー」
男「ほら、いいから起きろ」グイッ
幼「うあー」ズルズル
男「お前そんな寝起き悪かったっけ」
幼「夜更かししちゃって…」
男「とりあえず水飲んどけ」
幼「あーい」ペチャペチャ
男「おい、行儀悪いぞ」
幼「だってこの方が飲みやすいし」
男「すっかり慣れたな…」
幼「あ」
男「ん?」
幼「手が!」
男「おー、完全に犬の手だな」
幼「どーしよう…」
男「どうしようもないだろ」
幼「ゲームできない」
男「そっちかい!」
幼「で、今日どうするの?」
男「お、お前から言うなんて珍しい」
幼「早く元に戻りたいからね!」
男「昨日も言ったけど、なりたかった犬になれるんだしいいじゃん」
幼「まだ人間でやりたいことあるの!」
男「やりたいこと?」
幼「秘密だけどね」
男「言えよ」
幼「えへへー」
男「最近になってなんか隠し事増えたな」
幼「乙女だからね」
男「ケモノが何言ってんだ」
幼「あ、男、いらない服無い?」
男「いらない服?」
幼「うん」
男「あるけど、何で?」
幼「あー…最近着る服無くなってきてさ」
男「いや、十分あるだろ。俺の3倍以上服持ってるくせに」
幼「子供の頃の服とかは違うから!」
男「いや、それ除いてもまだまだあるだろ」
幼「とにかく、あったら持って来て!」
男「え、あっ、はい」
幼「約束ね」
男「なんなんだよ」
幼「それで、今日どうするの」
男「とりあえずおっさんに連絡して、経過を聞いてみよう」
幼「それから?」
男「それからはおっさんの話次第だな」
幼「ふーん…」
男「何か今日のお前変だな」
幼「変じゃないし!」
男「そういうところがもう変なんだけどな」
幼「男の知らない一面もあるんだよ」
男「週に2、3回は必ず会いにきて夜まで話してる俺がまだ知らない一面か」
幼「そ、そうだよ!」
男「まじかよ、なんか悔しい」
幼「まだまだ知らないところもあるからね!」
男「女は深いな…」
幼「なに感動してんの」
男「いやしてねーよ」
幼「ほら、早くおじさんに電話する!」
男「分かったって、急かすなよ」
幼「早く早くー!」
男「まじでどうしたんだこいつ」
今回はここまでです
22時頃投下します
投下します
男「…」
幼「出ないの?」
男「もう少しコールしてみる」
幼「早く早くー」
おっさん『もしもし!?』
男「あ、お久しぶりです」
おっさん『ちょうどよかった、大変なんですよ!』
男「どうしたんですか?慌てて」
おっさん『いや、それが…』
男「?」
おっさん『喋ったんですよ!』
男「えっと…何がですか?」
おっさん『私の娘ですよ!』
男「え、今猫になんじゃ?」
おっさん『そうなんですけど…とりあえず来て下さい!』
男「だってさ」
幼「なになに?」
ーーおっさん宅ーー
男「うら」ピンポーン
幼「ほんとに喋ったのかな?」
男「あれだけ慌ててたってことは本当だろ。嘘つくような人にも見えないし」
幼「人面猫だね」
男「やな響きだな」
ガチャ
おっさん「お待ちしてましたよ!」
男「どうも」
幼「お久しぶりですー!」
おっさん「ささ、入って入って!」
男「ずいぶん慌ててますね」
おっさん「そりゃそうですよ、喋ったんですから!」
ーーリビングーー
男「で、娘さんは…」
おっさん「今部屋にいますよ」
幼「ほんとに喋るの?」
おっさん「ほんとですよ!」
男「興奮してますねえ…」
おっさん「まさか彼女さんの言ったとおりになるとは思ってませんでしたから!」
男「彼女?」
おっさん「え、そちらの方は彼女では…」
幼「えっ」
男「違いますよ」
おっさん「そ、そうなんですか」
男「こいつと俺の身長差見て下さいよ。あり得ます?こんなカップル」
幼(ありじゃないかなぁ…)
男「まだガキですし」
幼「どーいう意味!」
男「そもそもこいつを彼女にしたら、世間からは変態として見られますよ」
おっさん「あ、いや、まあ…」
幼「そこまで言わなくてもいいじゃん」
男「怒った?」
幼「さあね!」
娘「ねー」
男「うぉう!」
娘「どうしたの?」
幼「しゃ、喋ってる…」
おっさん「ね、言ったとおりでしょう?」
男「えっと…君は、娘ちゃんなの?」
娘「そうだよ!」
男「わーお」
幼「アンビリーバブルだね」
おっさん「私もびっくりですよ」
男「このままほっといたら人間に戻るんですかね?」
おっさん「分かりませんが…その可能性が高いと思います」
幼「じゃあ、私も」
男「人間に戻れるかもな」
幼「やったー!」
男「もう少し様子を見た方がよさそうですね」
おっさん「そうですね…まだなんとも言えないですし」
娘「楽しいー!」トタタタ
男「そういえば、猫の意識はあるんですか?」
おっさん「一応あるみたいです」
男「このまま人間に近づいていったら、猫の存在はどうなるんでしょうか…」
おっさん「あ」
幼「???」
男「それとも人間の姿になって猫の意識と混じる、って感じになるんですかね?」
おっさん「それだと、どっちにしろ解決しないですね…猫も、かけがえのない家族でしたし」
男「やっぱり、分離させるのが一番いいんじゃ?」
おっさん「しかし、方法がですね…」
幼「引きちぎるとか」
男「こえーよ」
幼「振り回すとか」
男「バケツかて」
幼「シェイクしてみたり」
男「酔う酔う酔う」
幼「ドラム式洗濯機で回したら戻るかな?」
男「いつまでくだらんボケしとんねん」
幼「なんで関西弁なの」
男「下手な関西弁使うと関西人にやられるらしい」
幼「何を?」
男「リンチ」
幼「こわ…」
おっさん「仲いいですねえ」
男「いや、ツッコんでただけですよ」
幼「また人前でそういうこと言うー」
おっさん「ほんとは付き合ってるんじゃないですか?」
男「いえいえ」
おっさん「お似合いなんですけどねえ…」
男「いやいや、俺は変態じゃないですから」
幼「変態に変態みたいな扱いされた」
おっさん「はっはっは」
男「あ、すいません、そろそろ行きますね」
おっさん「はい、お疲れ様でした」
幼「また来ますね!」
娘「にゃー」
男「これ、猫じゃないですよね?」
おっさん「娘ですよ。棒読みですから」
娘「パパ!バラしたら面白くないじゃん!」
男「エンジョイしてますねえ…」
おっさん「実際楽しそうですよ」
幼「私ももうちょっとであれになるのかあぁ…」
男「良かったじゃん」
幼「うーん…」
男(何か最近こいつ変なんだよな…)
ーー帰り道ーー
幼「あ、男!」
男「なんだなんだ」
幼「服ちょーだい!」
男「あー…そんなこと言ってたな」
幼「欲しい欲しい」
男「いいけど…じゃあ俺んちまで来いよ」
幼「わーい!」
男(ほんとよくわからんな…)
幼「えっへへー」
男(何か企んでるはずなんだよな、絶対)
幼「~♪」
男(…まあいっか)
幼「ちょっと、遅いよー!」
男「あー分かった分かった」
幼「うひひ」
男(やっぱなんかあるわ)
今回はここまでです
11時頃更新します
ちょっと遅れましたが投下します
ーー男宅ーー
男「ふぅ」
幼「なんか久々に来たなぁ…」
男「2年ぶりぐらいじゃないか」
幼「そんな経ってたっけ?」
男「お前が引きこもってたからな…」
幼「あれ、そうだっけ」
男「自覚無しかよ!」
幼「都合の悪いことはシャットアウトだよ!」
男「自覚してんじゃねーか」
幼「そんなことどうでもいいから、早く服!」
男「え、あーそうだった」
幼「なんで忘れてんのー」
男「どこしまったっけな…」
幼「早くぅー」
男「てかお前犬なんだし、それくらい探せるんじゃないのか」
幼「この部屋男の匂い充満してるし無理だよ」
男「ああ、そうなのか…」
幼「早くぅー」ボフッ
男「おい、寝んなよ」
幼「んー」フリフリ
男「ここだったっけな…」
幼「…」
男「押し入れか」
幼「…」
男「あれ、どこだったっけ…」
幼「…」
男「どっかにまとめたはずなんだけど…」
幼「遅い!」
男「急に叫ぶなよ」
幼「もうめんどくさいし、これでいいよ!」
男「あ、それお気に入りの服…」
幼「じゃあこっち!」
男「それはお袋の形見」
幼「なんで服に形見とかあんの!マザコンか!」
男「子供の頃に転んで破いたところ、お袋が徹夜で縫ってくれたんだよ」
幼「あ、ごめん…」
男「いいんだヨ」
幼「じゃあこれ」
男「それスーツだろ」
幼「これ」
男「袴はやめろ」
幼「これは?」
男「それはお気に入りのパーカーなんだ」
幼「…これ!」
男「それは」
幼「あああもういい!」
男「ちょ、なにすんだ」
幼「いただきー!」バッ
男「あ、ちょ…」
幼「じゃあ、またね!」バタン
男「…」
男「…剥がれた…」
ーー幼宅ーー
幼「やったあああ!」バフッ
幼「うひひ…」
幼「…」スンスン
幼「うあー!男の匂いだぁあー!」
幼「あー…幸せぇ…」
幼「わん」
幼「…」
幼「…ん?」
幼「わんわんわん!」
幼「わおおおおおおん!」
隣人『うるせーぞ!』ドンッ
ーー後日ーー
男「くそ…結構お気に入りだったのに…」
男「これは断固抗議すべきだな」
男「…とか言って結局昨日行けなかったんだよなぁ…」
男「服剥ぎ取る時の顔が尋常じゃなかったしなぁ…」
男「怖え…」
男「…ここは勇気を振り絞ろう!」
男「…」ピンポーン
男「…」
男「あれ」ピンポーン
男「…」
男「いないのか?」
男「でもドア開いてるし」
男「勝手に入ればいいか」
男「おじゃましまーす」
男「いないな…まあどうせベッドだろ」
男「おー…い……」
幼「…」
男「犬になってる」
幼「…」
男「俺の服咥えて寝てるし…」
幼「…」
男「おい、起きろ」ユサユサ
幼「…」ムクッ
男「喋れるか?」
幼「!」ガバッ
男「おおう」
幼「わんわん!」フリフリ
男「おうおう、可愛いな」
幼「わん!」ペロペロ
男「こら、舐めんな舐めんな」
幼「わう!」
男「幼…じゃないよな」
幼「わん!」
男「おっさんの娘さんみたく、見た目は猫だけど意識は幼なのか」
幼「わう」
男「今の返事なのか…?」
幼「わん!」
男「…首振って」
幼「わん」フリフリ
男「娘さんと同じっぽいな…」
幼「わうわう」
男「様子見るしかないか?」
幼「わん」
男「…せっかくだし、散歩行くか」
幼「ぐるるるるる…」
男「おい、牙見せんな」
幼「わん!」
男「おおう、こえーな」
幼「わん!わんわんわん!」
隣人『うるせえ!』ドンッ
男「ほら、とりあえず静かにしろ」
幼「…」
男「隣のおっさんは怖いのか…」
幼「わん」コクッ
男「ちゃんと理解してるし…幼で間違いないか」
幼「わん」
男「散歩に拒否反応示したのも幼っぽいしな」
幼「…」
男「…どうすっかな」
幼「…」パクッ
男「あ、それ俺の服」
幼「わふっ」
男「『わふっ』じゃねーよ」
幼「わぉん」
男「あー、よだれだらけじゃん」スッ
幼「わん!」バッ
男「いや、それ俺の服…」
幼「がるるるるるる…」
男「どんだけ死守したいんだよ」
今回はここまでです
そういえばニーナは見た目はアレキサンダーで中身はニーナになってましたね
22時頃更新します
投下していきます
幼「わんわん!」
男「あー、吠えんなって。また壁ドンされるぞ」
幼「…」
男「素直だな…」
幼「わん」
男「ていうか、とりあえず服返せよ」
幼「わうっ」フルフル
男「いやいや、首振られましても」
幼「わふっ」
男「その『わふっ』ってなんなんだよ、かわいいけど」
幼「わうわう」
男「参ったな、ほんとに喋れないのか」
幼「わん」コクッ
男「んー…」
幼「…」
男「そうだ、こうしよう」
幼「?」
男「ちょっと待ってろ」
幼「わんっ」
ーーーーーーーーーーーーーー
男「できたぞー」
幼「わん!」テテテ
男「ほら、これで会話できるだろ」
幼「…」
男「いわゆるあれだ、こっくりさんだ。コインを動かすくらいできるだろ?」
幼「わう」ペタッ
男「お」
幼「…」スッスッスッ
男「け…つ…こ…う…し…ん…ど…い…」
幼「わん」
男「文句言うなよ。現状これでしか会話できないんだし」
幼「わん」スッスッスッ
男「だ…る…い…お前ほんとニートだな…」
幼「わん!」
男「嬉しそうな顔すんなよ」
幼「わぅわぅ」
男「で、今どんな感じだ?」
幼「わん」スッスッスッ
男「い…が…い…に…か…い…て…き…」
幼「わん」スッスッスッ
男「で…も…も…ど…り…た…い…」
幼「わうー」
男「もう少しの辛抱だろ。おっさんの娘も少しずつ戻ってきてるだろ」
幼「わん」
男「ていうか、起きたらそんな感じだったのか」
幼「わう」コクッ
男「んー…寝る前に何か異変とかあったか?」
幼「わん」コクッ
男「なんかあったのか」
幼「わう」スッスッスッ
男「ね…る…ま…え…に…い…ぬ…ち…や…ん…に…」
幼「わうわう」スッスッスッ
男「な…ん…か…か…ら…だ…の…つ…と…ら…れ…た…」
幼「わん!」
男「寝る前に犬ちゃんに体乗っ取られた?」
幼「わんわん」コクコク
男「これは重大だな…」
幼「…」
男「今、犬の意識は?」
幼「わん」スッスッスッ
男「な…い…無い?」
幼「わん!」
男「んー…これはまずいんじゃなかろうか」
幼「?」
男「おっさんに相談するか」ピッ
幼「わん」フリフリ
男「おい、膝乗るな。邪魔だから」
幼「わおん」コロン
男「転がるなって…あ、もしもし」
おっさん『どうしました?』
男「こっちもついに犬になっちゃいました」
おっさん『あー…私の時と一緒ですね』
男「でも、犬の意識が無いみたいですよ」
おっさん『え、それってヤバいんじゃ…』
すいません、用事が入ったので明日になります
昨日の続きを投下します
男「娘さんとは若干違う状態なんですよね…」
おっさん『うーん…』
男「といっても、このまま様子を見る以外にどうしようもないと思うんですが…」
おっさん『まあ、そうなんですよね…』
男「不安は残りますけどね」
おっさん『どうなるか分かりませんからね…』
男「今のところ手だてが無いので、とにかく様子を見ます」
おっさん『分かりました。何かあったらすぐ電話してくださいね』
男「はい。ありがとうございました」ピッ
幼「わう」
男「いつまで乗ってんだよ」
幼「わふ」フリフリ
男「…まあ、いっか」
幼「…」
男「…幼も早く戻りたいだろ」
幼「わう」スッ
男「ああ、いいよ。そんなんやらなくてもお前の言いたいこと分かる気がするし」
幼「わうー」
男「…このまま時間経ったらさ、お前は元に戻れるかもしんない」
幼「…」
男「でも、今犬の意識が無いってことはお前が人間に戻っても犬はいないかもしれない」
幼「わうっ!」
男「分かってるよ。でも、方法が思いつかない」
幼「…」
男「…俺も、あの犬好きだったしな」
幼「わう…」
男「どうすればいいのかわかんないんだよ」
幼「…クーン…」
男「…そんな声出すなよ、悲しいだろ」
幼「…」
男「…」
幼「わうっ!」トテテテ
男「おい、どうした急に」
幼「わふっ」
男「俺の服じゃん」
幼「わうわう!」
男「ああ、もうやるよ。気に入ってるっぽいし」
幼「わう!」
男「何だ、何かあるのか?」
幼「…」スッスッスッ
男「い…ぬ…ち…や…ん…は…」
幼「わん」スッスッスッ
男「こ…の…ふ…く…の…に…お…い…に…」
幼「わうわう」スッスッスッ
男「は…ん…の…う…し…て…た…」
幼「わん!」
男「犬ちゃんはこの服の匂いに反応してた…?」
幼「わん」コクッ
男「んー…何か手がかりな感じもするけど」
幼「わん」
男「…」
幼「…」
男「…正直に話せよ。お前、何で俺の服持って行った?」
幼「…わぅ~」
男「解決する糸口になるかもしんないからさ。怒んないし言えって」
幼「…わん」スッスッスッ
男「に…お…い…を…か…い…で…い…た…か…つ…た…」
幼「…わん!」
男「匂いを嗅いでいたかった…変態かお前は」
幼「わんわんわん!」
男「あー分かった、分かったから怒るな」
幼「わうっ」
男「つまり、お前は俺の匂いが大好きだったわけだ」
幼「…わん」コクッ
男(ほんとなら赤面してうつむいて『うん』とか言ってるところか)
男「多分、今お前の体は完全にお前が支配してるんだ」
幼「?」
男「俺の匂いを堪能しようというお前の意識が犬と半々で持ってたところを、犬の分まで侵食しちゃった感じだな」
幼「???」
男「…例えばだな、俺の服を目の前にした時のお前の体の意識を分析するとな」
幼「わん」
男「『幼70%、犬30%』だとする」
幼「わんわん」
男「そこにお前が大好きな俺の匂いを嗅ぐ」
幼「わうわう!」バシバシ
男「叩くなって。俺も恥ずかしいわ」
幼「わん…」
男「で、お前の体の意識は『幼100%、犬0%』に近づいて行く」
幼「わん」
男「だんだん圧迫されていく犬は、最終的に…」
幼「わ、わん…」
男「お前の意識に追い出されて、消えてなくなってしまった!」
幼「わおーん!」
男「これが真実だ」
幼「…クーン…」
男「あ、消えてなくなってしまったかどうかはわからないけどな」
幼「…がるるるる」
男「…まあ、だからまだ犬が復活する可能性も…」
幼「わん!」ガブッ
男「あいででででででで!」
幼「わんわんわん!」
男「やめろ馬鹿!いてーから!」
幼「わううううう!」
今回はここまでです
23時頃更新します
投下します
ーーーーーーーーーーーーー
男「痛え…」
幼「わん」フイッ
男「分かったからそんな怒んなって…冗談だって」
幼「わん」
男「隣の人にも怒られるし…」
幼「…」
男「お前ほんと隣の人怖いのな」
幼「わん」コク
男「んで、さっきの話の続きだけど」
幼「わうっ」
男「お前の大好きな物のせいで犬が引っ込んだんならさ」
幼「?」
男「犬の大好きなもので犬を引っ張り出せばいいんだよ!」
幼「わおんわおん!」
男「だろ?いい案だろ?」
幼「わうわう」
男「というわけで、犬の大好きなもん教えろ」
幼「わぅ~…」
男「…」
幼「わう!」ビシッ
男「ああ、おやつか…ありそうだな」
幼「わん」
男「ほーれ、ジャーキーだぞー」プラプラ
幼「…」
男「犬が戻って来てなかったらお手してくれ」
幼「わん」ポフッ
男「んー…幼か」
幼「わぅ…」
男「何か他に無いのか」
幼「わん!」ビシッ
男「おお、ボールか。あいつよくボールで遊んでたな」
幼「わん!」
男「ほーら、とってこーい!」ポイッ
幼「…」
男「…」
幼「わん」
男「いや、とってこいよ」
幼「わう」フリフリ
男「はぁ…これもダメか」
幼「わぅ~」
男「はい、他には?」
幼「わん!」ビシッ
男「ん、お前の服か…まあ犬って飼い主の匂い付いた物好きだしな」
幼「わおん!」
男「ほーら、お前の大好きな幼の服だぞー」
幼「…」
男「…」
幼「わん」フリフリ
男「はずれかぁー」
幼「わん…」
男「んー…他には?」
幼「わぅー」フリフリ
男「え、もう無いのか」
幼「わん」スッスッスッ
男「お…も…い…つ…か…な…い…」
幼「わん!」
男「いや、飼い主としてそれはあかんだろ」
幼「わぅ」
男「うーん…犬の好きなものか…」
幼「…」
男「…あ!」
幼「わぅ?」
男「散歩だ、散歩」
幼「わぅううぅうっ!」ズザザザ
男「こらこら、拒否んな拒否んな」
幼「わうわうわう!」
男「ほら、また隣の人怒るぞ」
幼「わふっ」
男「犬のためなんだしさ。我慢しろよ」
幼「わう…」
男「リードもつけとくか」カチャカチャ
幼「わん!」
男「はいはい、暴れんな暴れんな」
幼「わんわん!」
男「よーし、行くぞー」
幼「わぅ…」
男「ほら、シャキシャキ歩け」
幼「…」トボトボ
男「ほんとお前散歩嫌いだよな」
ーーーーーーーーーーーーー
ーー公園ーー
男「よーし、着いたぞー」
幼「わん」
男「今のところ異変は?」
幼「わおん」フリフリ
男「無しか…よし」
幼「?」
男「ほーら、フリスビーだぞー」
幼「わゔっ」ビクン
男「お、何かそれっぽい反応が…」
幼「わぅううぅ」ビクビク
男「取ってこれたらご褒美あげるぞー」
幼「わゔうう」ビクンビクン
男「よーし、とってこーい!」ヒューン
幼「わおーーーーーーん!!!」
男「おおう、変な鳴き声出すなよ」
幼「…」
男「…あれ?」
幼「…」
男「おーい」
幼「…」
男「これヤバいやつじゃ…」
幼「…わふっ」ビクン
男「うおっ」
幼「…わん!」フリフリ
男「…幼か?」
幼「わんわん!」
男「幼だったらお座りしてお手してくれ」
幼「わん!」
男「犬か、犬だよな?」
幼「わんわん!」
男「よーし、とってこーい!」ヒューン
幼「わおーん!」ダッ
男「おお…犬だ…」
幼「わんわん!」ダダダダ
男「おおー、偉いぞー」ナデナデ
幼「へっへっへっ」
男「…で、幼はどうなったんだろうか」
幼「わんわん!」
男「もしかして、犬の意識が強過ぎて今度は幼が引っ込んだのか?」
幼「わん!」
男「…幼だったらうなずいてくれ」
幼「わん!」
男「違うか…うーん…」
幼「へっへっへっ」
男「そうだ、この服をやろう」
幼「…っわん!」
男「ん、幼か?」
幼「わうわう!」コクコク
男「犬の意識は?」
幼「わぅ」
男「分かんねーよ。犬の意識あったらお手しろ」
幼「わふっ」ポフッ
男「おお、大成功だな!」
幼「わぅ!」
男「とりあえず、一件落着か…あとは様子見るか」
幼「わん!」グイグイ
男「なんだよ、もう帰るのか?」
幼「わん!」
男「ほんと外嫌いだなお前…」
今回はここまでです
22時頃更新します
すいません用事が入ったので明日更新します
いつものパターンで投下できませんでした
なので0時頃投下します!
遅れましたが投下します
ーー男宅ーー
男「…というわけです」
おっさん『まさかそんな方法があるなんて…思いもしなかったですね』
男「俺もびっくりですよ。何にせよ余計なことはしない方が良さそうですね」
おっさん『そうですね…私も様子を見ます』
男「はい。じゃあ、何かあったら連絡してください」
おっさん『分かりました。では』ピッ
男「あー、良かった良かった」
幼「わふわふ」
男「しかしこれからどうなるんだろうな?」
幼「?」
男「いや、おっさんとこの娘さんは猫の姿のまんまで喋ってるけど…」
幼「わん」
男「人間に近づいてるだけで、人間に戻るなんて保証は無いし」
幼「わぅー」
男「そもそも、何で合体したのかってのが分かれば解決しそうな気がしないでもないんだけど」
幼「わん!」
男「なんだよ、うるせーな」
幼「わうわう」
男「…ほら、こっくりさん」スッ
幼「わふっ」スッスッスッ
男「い…い…こ…と…お…も…い…つ…い…た…」
幼「わう」スッスッスッ
男「お…と…こ…が…だ…き…し…め…て…ね…る…はぁ?」
幼「わん!」
男「俺が何でお前を抱き締めて寝なきゃなんないんだよ」
幼「わうわう」
男「わかんねーよ。ほらこっくりさんこっくりさん」
幼「わうー」スッスッスッ
男「い…ぬ…に…な…つ…た…と…き…と…犬になった時と」
幼「わん」スッスッスッ
男「ぎ…や…く…の…こ…と…を…す…れ…ば…い…い…逆の事をすればいい」
幼「わん!」
男「そんな安直な…てか逆になってるのか?それ」
幼「わふっ」
男「だから『わふっ』ってなんなんだよ」
幼「わうわうわうわう!」
男「だからなんだって…ほらこっくりさん」
幼「わうー…」スッスッスッ
男「い…い…か…ら…や…れ…」
幼「わん!」フリフリ
男「何か妙に必死だな」
幼「わぅっ」
男「…ていうか、下手したら俺もそこに合体する形になるんじゃ」
幼「わぅー」
男「…んなわけないか」
幼「わふっ」
男「色々試してみて成功すれば儲けもんだしな…」
幼「わう」
男「じゃあ今日だけな」
幼「わん!」
男「そのまえに風呂な」
幼「わゔっ」
男「お前風呂も嫌いなのかよ…」
幼「がるるるるるる」
男「はいはい、行くぞー」ズルズル
幼「わううう!」
ーーーーーーーーーーーーーー
男「ふぃー、さっぱりした」
幼「わーう~」
男「お前もスッキリしたろ」
幼「…わふっ」
男「んじゃ、寝るか」
幼「わん!」
男「おおう、元気だなお前」
幼「わう」
男「とりあえずこっちこいよ」
幼「わうー」
男「ほい」ギュッ
幼「…」
男「暑苦しいんだけど」
幼「わん」コクッ
男「何でこの暑い中毛むくじゃらのお前を抱きかかえて寝なきゃいけないんだよ」
幼「わん!」
男「あー分かった分かった。目の前で吠えんな」
幼「わん」
男「ふぁ…まあ、寝れないことないか…」
幼「…」
男「これで戻ったら笑えるけどな」
幼「…」
男「てか、明日どうするかな…」
幼「…スー」
男「ってあれ、もう寝てんのかい」
幼「…スー…」
男「俺も寝るか…おやすみ」
男「…」
幼「…スー…」
男「…」
ーー翌日ーー
男「…ん…」
男「…ん~…ふぁ…」
男「…」ガリガリ
男「…あ、幼いねえ」
男「どこ行った…?」
男「おーい…」
男「…ダメだ、喉渇いた…」
男「水ー…」ヨタヨタ
幼「…」
男「うおぉう!」
幼「あ、おはよ」
男「え、喋った…」
幼「何か喋れるようになってた」
男「なんか娘さんより症状進むの早いような…」
幼「昨日のあれが効いたんじゃない?」
男「謎だな」
幼「これ毎日続ければ早く戻れるんじゃない?」
男「えー、暑いし嫌」
幼「早く戻りたいー」
男「時間経てば戻るんだし、我慢しろよ」
幼「うえー」
男「そういや、犬は?」
幼「ちゃんといるっぽいよ、よく分かんないけど」
男「…」スッ
幼「わん!」
男「おやつには反応するんだな、はい」
幼「わん!」パクパク
男「んー、いい傾向なのかな」
今回はここまでです
おまいら「発情期はまだか!」バンバン
明日のいつかは分かりませんがとりあえず午後更新します
今日中とは言いましたが、0時頃になりそうです
投下していきます
幼「遊ばないでって!」
男「遊んでねえって、犬の意識あるか確かめただけだろ」
幼「あるって言ったじゃん!」
男「ほら、確認だって」
幼「うぁー…」
男「で、お前こんな所で何してんの?」
幼「いや、んっとね」
男「?」
幼「あー、その…ほら、起きてすぐって動きたいじゃん」
男「お前には一番似合わない言葉だな」
幼「うっさい!」
男「まあまあ、怒んなって」
幼「ったく」
幼(ばれてないよね…匂いとかしてないよね?)
男「そういや水飲みに来たんだった」
幼(気づいてないかな…大丈夫だよね)
男「ん…ぷはっ」
幼「ね、今日どうするの?」
男「んー…どうする?」
幼「ね、今日も色んな方法考えてみようよ!」
男「昨日みたいなのは却下な」
幼「えー、でも現に成功してるじゃん」
男「まあそうだけどさ」
幼「なに、嫌なの?」
男「嫌じゃないけど…」
幼「じゃあいいよね!」
男「あ、はい」
幼「じゃあ今日男のお腹の上で寝るね!」
男「それ、俺が苦しいんじゃ」
幼「大丈夫大丈夫、あんま重くないから!」
男「ほんとか?」ヒョイッ
幼「ひゃっ」
男「おー、ほんとだ結構軽い」
幼「一応小型化だからね?」
男「これならまあ大丈夫か、ほい」
人面犬みたいに顔は犬じゃないよな?
妖怪ウォッチを見るとな……
幼「じゃあ今日の夜、約束ね!」
男「おう」
幼(やったやった)
男「あ、おっさんに報告しないと」
幼「え、あぁ」
男「娘さんがどうなったかも気になるしな」
幼「…なに、あの娘気になるの?」
男「そりゃあ気になるだろ」
幼「ふーん…」
男「えーっと、電話電話」
幼「…」
男「あったあった」ピッ
幼(うあー、イライラする)
おっさん『はい、もしもし』
男「あ、ども」
おっさん『どうかされたんですか?』
男「いや、ちょっと実験してみたら症状が進んだので報告しておこうかなと」
おっさん『実験、ですか?』
男「なんか幼が『私を抱いて寝ろ』とか言い出したんですよ」
おっさん『あ、はあ…』
男「で、起きたら喋ってました」
おっさん『まあ、なんというかそれは…幸せなことで』
男「?まあ、そうですかね」
おっさん『えっと…よく分かりませんが、病気とかには気をつけてくださいね』
男「病気?普段から健康には気を遣ってますけど…」
おっさん『あー、まあ…そういうことです。はい』
男「えっと、よく分かりませんが、ありがとうございます」
おっさん『あ、はい』
男「あ、娘さん今どんな感じですか?」
おっさん『ああ、娘は少しずつ人間に戻ってますよ』
男「ほんとですか!」
幼(なんか凄い喜んでるし…)
おっさん『髪が生えてきたんですよ』
男「髪が…」
おっさん『急にですよ、ほんとに。今後が楽しみです』
男「ですね…」
おっさん『じゃあ、また何かあったら連絡しますね』
男「はい、よろしくお願いします」
おっさん『では』
男「はい」ピッ
幼「…」
男「さて、今日夜までどうする?」
幼「…」
男「なんだよ、急に不機嫌になったな」
幼「ねえ」
男「ん?」
幼「座って」
男「ん」
幼「…」テケテケ
男「?」
幼「…ん」ポフッ
男「何だ、どうした?」
幼「…ここ、落ち着くの」
男「俺動けないじゃん」
幼「いいじゃん、ここでまったりしてようよ」
男「…まあ、たまにはいいかもな」
幼「…」
男「…」
幼「ね」
男「ん?」
幼「男、学校どうしてるの?」
男「…休んでる」
幼「単位とか大丈夫なの?」
男「いや、かなりヤバいだろうな」
幼「じゃあ、学校行かなきゃ」
男「でも、お前心配だしな」
幼「いつ元に戻るかわかんないんだよ?留年しちゃうかもしれないんだよ」
男「そん時はそん時だろ。親に頭下げるさ」
幼「私のためにそこまでしなくてもいいよ。学校終わった後でも会いに来れるじゃん」
男「いいんだって、俺が好きでやってるんだし」
幼「…うん」
男「元に戻ったらさ、お前も外に出る努力してみようぜ」
幼「今更治んないよ」
男「俺も付き合ってやるからさ」
幼「…」
男「ショッピングとか、色んな景色見たりだとか、やりたいこと一杯あるだろ」
幼「…男はさ、何で私のことそんな気にかけてくれるの?」
男「やっぱ、心配だしさ」
幼「…ね、私のことどう思う?」
男「どう思うってなんだよ」
幼「そのまんまだよ」
男「…俺は家族だと思ってるよ。昔から遊んでたし、お前と会わない1週間なんてこれまで無かったしな」
幼「…家族、かぁ」
男「なんだよ、結構言うの恥ずかしかったんだぞ」
幼「んーん、なんでもないよ」
男「…?気になるな」
幼「…男、そこのDVDとって」
男「ほい」
幼「一緒に観ようよ。それ好きなんだ」
男「『モテキ』って…お前に似合わないな」
幼「男も、いつかモテ期くるのかな」
男「一生来ないだろうな。俺、女とあんまし話せないんだよ」
幼「いっつも私と話してるじゃん」
男「ほら、お前は昔から友達みたいな感覚だしさ」
幼「…ふーん」
男「で、どうするんだ」
幼「何が?」
男「元に戻った外に出るって話」
幼「…男も来るんだよね?」
男「必要ならな」
幼「…じゃ、いいかな」
男「楽しみだな。今思うとお前と出かけるのなんて何年ぶりだろうな」
幼「さぁ…わかんない」
月曜日に更新します
どうも、お久しぶりです
ゆっくり投下していきます
男「モテキか。俺は漫画の方が好きだな」
女「漫画だと皆可愛く見えるもんね」
男「いつかちゃんが一番好みだった」
女「…」
男「あんま恋愛経験なくてさ。主人公にアタックされるけど結局発展しなくて」
女「何急に語ってんの」
男「好きなキャラとか作品の話になると語りたくなっちゃうんだよ」
女「オタクじゃん」
男「別にオタクって訳じゃないだろ。お前だって少女マンガ語らせたら長いだろ」
女「ん…まあ、うん。…そだね」
男「なんだ、反応薄いな」
幼「んー…眠い」
男「眠い?1時間程前に起きたばっかじゃん」
幼「犬ってよく寝るじゃん」
男「ああ、まあな」
幼「そういうこと」
男「安直な…」
幼「…おやすみー…」
男「ほんとに寝るのかよ…」
幼「…」
男「おいおい、映画見ようって言ってそれはないだろ」
幼「…スー…」
男「…」
男「…まあ、いっか…」
男「…久々に、モテキ見るか」
男「…」
男「…あー、やっぱ漫画の方がいいわ」
男「…」
幼「…スー…」
男「…俺も寝るか」
男「ん」ポフッ
男「…」
男(…こいつも、早く戻りたいんだろうな)
男(犬になってから急に意味深なこと言い出すし)
男(…)
男(…まあ、ちょっと分かってるけどな)
男(…)ナデナデ
男(頑張ろうな)
男(…)
男(……)
男(………)
ーーーーーーーーーーーーーーーー
男「…」
男「…はっ」
男「今何時だ」
男「…7時間も寝てしまった」
男「おい、よ…」
幼「ん…おはよ」
男「よよよよよよよよよよよよ」
幼「え、なに怖い」
男「お前…」
幼「あ、元に戻ったー!」
男「何だこれ…すげえな」
幼「やったー!」ダキッ
男「うおっちょ、苦しい苦しい」
幼「…あれ、犬ちゃんは…?」
男「そういや、見当たらないな」
幼「…」ウルッ
男「あ、分かった!」
幼「え!?」
男「お手」
幼「わんっ!」シュタッ
男「あちゃー、これはまずいぞー」
幼「なにやらせんの!」
男「いや、お前が勝手にやったんじゃん」
幼「やらせたのは男でしょ!」
男「いいじゃん、可愛かったぞ」
幼「え、そ…そう?」
男「うん、犬」
幼「あ…そう」
男「何にせよ犬が消えたわけじゃないしいいじゃん」
幼「うんまあそうだけど…」
男「俺はお前が元に戻ったことに納得いってないけどな」
幼「なに、嫌なの?」
男「いやそういうことじゃなくて、戻った理由というかな」
幼「さあ…?」
男「少しは考えろよ…手がかりがあるかもしんないんだし」
幼「って言われても、わかんないもん」
男「お前な…」
幼「今はこの体に戻った喜びをかみしためたいの!」
男「はあ…」
幼「ああ…久しぶりだなーこの感覚」
男「とりあえず、おっさんに電話しよう」ピッ
幼「ああ、懐かしいいいい!」
男「ええいうっさいわ!」
幼「仕方ないじゃん」
男「そうかもしんないけど、もう少し抑えろよ」
幼「楽しいいぃいー!」
隣人『っせーぞゴルァ!!!』バンッ
幼「ひぃっ!」
男「ほら言わんこっちゃない」
幼「うぇええ…」
男「分かった、分かったから離れろって…あ、もしもし」
おっさん『進展、ありましたか?』
男「ええそりゃもう、いきなりゴールですよ」
おっさん『もしかして!?』
男「人間に戻りました!」
おっさん『おおおおお!』
男「でも…」
おっさん『でも…?』
男「犬は、意識となって幼の体の中に残ったまんまです」
おっさん『…それじゃ、完全に解決したとは言えませんね』
男「そうなんですよ。で、とりあえずこれからのことを話し合いたいと…」
おっさん『その方が良さそうですね…』
男「じゃあ、これから向かいますね」
おっさん『はい、お待ちしてます』
男「では」ピッ
幼「あ、行くの?」
男「いや、お前も来いよ。一番重要だろうが」
幼「ちょっと待って、シャワーしてくる」
男「しゃ、シャワー…?」
幼「なに」
男「お前からシャワーしたいなんて言葉が出るなんて…」
幼「犬になってから1回しかシャワーしてないんだよ?いくら私でも入りたくなるよ」
男「そ、そうか…」
幼「…覗かないでね!」
男「それは覗けってことか」
幼「違う!」
男「分かってるって、俺とお前の仲だろ」
幼「え、うん…」
男「待っててやるし、ゆっくり入って来いよ」
幼「うん!」タタタッ
男「単純な奴だな…」
ーーーーーーーーーーーーーーー
ーー風呂場ーー
幼「んあー…」
幼「久々のシャワー…」
幼「今まで入るのもめんどくさかったけど、これからは定期的に入れそう…」
幼「…」
幼「…」プニュ
幼「食っちゃ寝ばっかしてたせいかな…」
幼「肉ついてきた…」
幼「…」
『ぽっちゃりな女は嫌だ』
幼「とか言われたらどうしよう…」
幼「…」
幼「痩せよう。ダイエットしよう」
幼「髪も伸びてきたなあ…」
幼「一回勇気出して美容室行ってショートにしてもらったのに…今じゃセミロングだ」
幼「また男についてきてもらおう…」
幼「…そういや私、男に頼ってばっかだな…」
今回はここまでです
最初女になっちゃってるのは気にしない(´・ω・` )
明日の夜更新します
明日の夜(明日とは言ってない)
すいません、連日忙しくて更新する暇がありませんでした(´・ω・` )
明日こそ、明日こそ更新します
>>190
すいませんでした…
どうも
期日には間に合いませんでしたが、差し支えないと思います(多分)
というわけで投下します
幼「たまには自分で行動しないとなー…」
幼「私ももう19だし…」
幼「…」
幼「よし」
幼「この問題解決したら、まず髪切ろう!」
幼「そんでバイトして、可愛い服買って」
幼「…うひひ」
幼「夢が広がるなぁ…」
ドンドン
幼「ん、んえっ?」
男『まだかー』
幼「あ、もうすぐ出るよ!」
男『早めにな。おっさん待ちわびてるだろうし』
幼「うん!」
幼「早く上がらないと」
幼「…」
幼「…そういや、男って私のことどう思ってるんだろ」
幼「なんか、私のこと女じゃなくてほんとにただの幼馴染としてしか見てないような気がするんだよね」
幼「私にこと可愛いって言ってくれてたけど…」
幼「…私のこと意識してる風じゃなかったんだよね」
幼「…あー」
幼「なんか辛いなー、こういうの」
幼「…」
幼「…そうだ」
幼「意識させればいいじゃん」
幼「なんだ、簡単なことだよ」
ドンドン
幼「あっ、あと10分待って!」
男『うーい…』
幼「やば、早く出ないと」
ーー15分後ーー
幼「ごめんごめん」
男「10分って言って15分経ってるぞ」
幼「久々のシャワーだしさ、ゆっくり入りたかったの」
男「んー、分からんこともないけど…」
幼「ほら、行こ!」
男「おおう、引っ張るなよ」
幼「時間かけちゃった分急がないと」
男「大丈夫だって、おっさんなら許してくれるし」
幼「でもー」
男「いいっていいって、ゆっくり行こうぜ」
幼「…うん」
男「で、気になってたんだけど」
幼「なに?」
男「なんでそんな気合入った服なんだ?」
幼「え」
男「あ、まあ深い意味が無いなら別にいいけど」
幼「あー…ほら、たまには着てあげないと、服がかわいそうじゃん」
男「また急にメルヘンティックなことを…」
幼「えぅ」
男「お前がそういう訳の分からんこと言う時は、決まって何か隠してるんだよな」
幼「え、何も隠してないよ?」
男「んー…ならいいけど」
幼「んじゃ、いこいこー」
男「よく分からん奴だな」
幼「昔からの付き合いでしょ」
男「いやまあそうだけど…」
幼「?」
男「なんかお前変わったよな」
幼「え、そう?」
男「なんというか、行動的になった」
幼「そうかな?」
男「俺が見てる限りではそうなったぞ」
幼「そっか、男が言うんならそうだよね」
男「…いや、ほんと変わったな」
幼「あ、ちょっとジュース買ってこうよ」
男「そういや喉渇いたな」
幼「私はコーラ」
男「俺は桃の天然水にしとくかな…」
幼「あ、一口ちょうだい!」
男「ん、ほい」
幼「ありがと」ゴクゴク
男「あっちょ、どんだけ飲むんだよ」
幼「ぷは、はい」
男「1/5は減ったぞ」
幼「1/5なんて全然じゃん!」
男「まあいいけどさ…」
幼(ふふふ…まずは『間接キス作戦』!)
幼(いくら幼馴染でも、間接キスとなるとちょっと躊躇するはず!)
男「はあ、今日なんか暑いな」ゴクゴク
幼(…普通に飲んだ…)
男「ふう…暑いな…」
幼「あ、そうだね…」
男(なんか知らんけどちょっと元気無くなったな)
幼(まさか普通に飲むとは…)
男(今日のこいつ、若干情緒不安定だな)
幼(なんの!女には女の武器がある!)
男「あー…暑い…」
幼「あ、髪にゴミ付いてるよ」
男「まじかよ、取ってくれ」
幼「ちょっと待って…んしょ」ムニッ
幼(ゴミを取るフリをして胸を当てる!『胸当て作戦』!)
男「おい、少ない胸が当たってるぞ」
幼「うぇ…」
男(あ、ヤバい)
幼「ばかぁ!」ビターン
男「痛え痛え」
幼「あほ!しね!」
男「冗談だって…落ち着けよ」
幼「うー…」
男「悪かったから、そんな犬みたいな唸り声出さないでくれ」
幼「…」
男「…そういやさ」
幼「なに」
男「怒んなって…謝るからさ」
幼「いいよ、もう」
男「はあ…話戻すけど、お前の中にはまだ犬の意識があるわけだろ?」
幼「そうだね」
男「もし人の多い道端で、犬になっちゃったらどうするんだ?」
幼「どうするもこうも…そんなこと滅多に無いでしょ」
男「分からんぞ、俺が気まぐれで『お手』って言うかもしれん」
幼「言わなきゃいいじゃん!」
男「ほら、可愛いからさ、仕方ないだろ」
幼「…」
男「…」
幼(ここは踏み込むべき…?)
男(え、なんで沈黙なんだよ)
幼(もしかしたら、今のがさっきの失言含めての男のアピールなのかも?)
男(なんか考え込んでる…わけないか)
幼(そう考えると、ここは是非聞く所!)
男(それほどこいつが不機嫌だってことか?)
幼(あんまり長く考えてたら怪しまれるし…)
男(んー…やっぱこいつ変わったな…)
幼「ね、ねえ!」
男「ん?」
幼「今の『可愛い』って、どういう意味なの?」
男「え、えーと?」
幼「…」
男「…あー、どっちもかな」
幼「…」
男「…」
幼「…はぁ」
幼(どっちもかぁ…)
男「いや、うん、えーと…」
幼「あ、ごめんね変なこと聞いて」
男「いや、いいけどさ…」
幼「…」
男「…」
幼(…ていうか、今の質問で気づいてくれてもいいと思うんだけどなー)
男(なんか今日は変な感じだな…)
幼「…」
男「…」
幼「あ、もうそろそろだね」
男「え、あーそうだな」
幼(男もちょっとボーッとしてたけど…もしかして?)
男(とりあえずおっさんと話し終わってから、帰る時色々聞いてみるか)
幼「今日でちょっとは進展あるかな?」
男「お前が人間に戻っただけでもずいぶんな進展だけどな…」
幼「でも、まだ解決してないじゃん」
男「そうなんだよな…今日で解決すればいいけど」
幼「犬ちゃんは大事な家族だし、ちゃんとした形で会いたいからね」
男「俺も久々に見たいな」
幼(それに…)
男(…そういや解決したら、あいつに好きな人が永遠にできない理由聞けるんだったな…)
幼(男からのプレゼントだしね)
今回はここまでです
おはようございます、投下していきます
酉つけるの素で忘れてました…
男「…」
幼「…」
男「やっと着いたな」
幼「…」
男「…おーい」
幼「え、あ、そうだね!」
男「…なんかお前今日変だぞ」
幼「…ん」
男「なんかあったのか?」
幼「ん、何も無いよ」
男「何も無かったらそんなボーッとしてないだろ」
幼「ほんとに何も無いって、大丈夫だよ」
男「…ならいいけどさ」
幼「ほら、早くチャイム押して」
男「おう」ピンポーン
幼(男、やっぱり私のこと女として見てくれてないのかな)
男「…出ないな」
幼(必死になってた私が馬鹿みたいじゃん)
男「もっかい押してみるか」ピンポーン
幼(…男が私のこと意識してないからって頑張ってたけど…)
男「…いないのか」
幼(…私のこと興味無いんなら意味ないかな)
男「んー、どうする?」
幼「…今日はもう帰らない?」
男「…そうだな、そうするか」
幼「うん、ごめんね」
男「…何でお前が謝るんだ?」
幼「え、…なんでだろ」
男「…なあ、やっぱお前今日変だぞ。どうしたんだ」
幼「何でもないよ、ほんとに」
男「んなわけねえだろ。お前の変化くらいすぐ分かる」
幼(…でも、原因までは分からないんだよね…)
男「なあ、どうしたんだよ、ほんとに」
幼「ちょっと元気ないだけだよ」
男「嘘つけ。家出た時はあんなに元気だっただろ」
幼「…」
男「なあ、俺なんかしたか?」
幼「…さあ」
男「やっぱ俺が原因か」
幼「えっ」
男「なんでかは分からんけど、とりあえず俺がなんかしたんだろ?」
幼「え、いや…」
男「怒ってる訳じゃねえって。お前を責めてる訳でもないし」
幼「…」
男「俺が悪かったんなら謝るよ」
幼「…男は悪くないよ」
男「…」
幼「ほら、犬ちゃんにしばらく会ってないから、ね?」
男「…なら、いいけどさ…」
幼「ほら、帰ろ」
男「…なんか悩みあるんだったらちゃんと相談してくれよ」
幼「…」
男「お前とは幼馴染だし、お前がなんか隠してることくらいすぐ分かるんだよ」
幼「…私は、男が何か隠してても分かんないけどね」
男「俺はお前のことで四六時中悩んでるけどな」
幼「…ふーん…」
男「まあそういうことだ。なんかあったら言ってくれよ」
幼「…うん」
男「んじゃ、パパッと帰るか」
ーー幼宅前ーー
男「…んで、どうする?」
幼「どうするって…何が?」
男「いや、今からどうするかなって」
幼「…分かんない」
男「…お前、今から何か予定あるか?」
幼「え、無いけど…」
男「そうか。んじゃ、後からもっかい来るわ」
幼「あ、うん…」
男「1時間くらいしたら行くと思う」
幼「…分かったよ」
男「あ、寝んなよ?」
幼「多分大丈夫」
男「ん、じゃあまたな」
幼「う、うん…」
幼(…何考えてんだろ、男)
ーーリビングーー
幼(はぁ…)
幼(なんか、男に心配かけちゃったかな)
幼(相変わらず鈍感なんだよね)
幼(…ハッキリ言わない私が悪いんだろうけどさ…)
幼(なんというか、うーん…)
幼(どうしたらいいんだろ)
幼(…告白するにしても、断られたらどうしよう)
幼(もう今みたいな関係にすら戻れない気がする)
幼(男は優しいから、断らないかもしれないけど)
幼(そんなのは付き合ってるって言わないよね)
幼「んあー、どうしたらいいんだろ」
幼(…)
ーー1時間後ーー
男「おーい」
幼「…」
男「…」
幼「…」
男「…犬」
幼「わん!」
男「おー、なんか久しぶりだな」
幼「へっへっへ」
男「なんかエロいな」
幼「何してんの!」
男「おっ、おはよう」
幼「…おはよ」
男「なかなか起きないから裏技使った」
幼「寝覚め悪いからもうやめて」
男「まさか寝てるとは思わんかった」
幼「いつの間にか寝てた」
男「お前な…」
幼「…なんか用あるんじゃないの?」
男「あーそうだった、忘れてた」
幼「…」
男「ほらこれ、やるよ」
幼「何これ、服?」
男「お前、この前古着欲しがってたろ?家の中整理して持ってきてやったぞ」
幼「…ん、ありがと」
男「そんでな、ちょっと考えたんだよ」
幼「え」
男「いくら着る服無いからってさ、男が着るような服なんて普通欲しがらないだろ?」
幼「いや、そこは人によるんじゃ」
男「いくら幼馴染でもさ、なんていうか境界線みたいなのあるだろ」
幼「…」
男「つまり」
幼「…」ドキドキ
男「…はい、ここまで」
幼「えっ」
男「続きはまたいつかな」
幼「ちょっと、え、意味分かんないし」
男「お前の問題が解決してからな」
幼「えっ、そこまで言ってそれはないよ!」
男「何言うかはまだ分からんだろ」
幼「いやそうだけど」
男「んじゃ、俺はちょっとやりたいことあるし」
幼「ええ」
男「今日はお開きな。また明日来るよ」
幼「…」
男「んじゃな」
幼「…んー」
今回はここまでです
もう1つの方のSSにも投稿した文をコピペしときます
お久しぶりです
恐ろしいほど日数が経ってしまいました、本当に申し訳ないと思ってます
忙しい日が続いて、「更新します」と言っておいてもう1つのSSは更新して眠くなって力尽きて、結局更新しないままズルズルと引っ張っていくことが多すぎてどうしようかと思ってます
これからもしかしたら月1更新並の遅さの更新になるかもしれません
そもそも需要があるのか自分で分からないので、ほとんど需要が無いようでしたらhtml化してしまいたいと思ってます
今日も更新は難しそうです…
この際一度落として1から溜めたやつをすべて放出するとか?
続き気になるから落とすならオチだけでも簡単に頼む
>>221
今まで投下した分をもう一度スレを建てて投下する、もしくは書き溜めてある分を全て投下するということでしょうか?
後者だと書き溜めしてる分は一切無いので不可能なんですが…
>>222
それでもいいかもしれませんね
まさかこんな忙しくなるとは思ってもなかったので…
需要がないってのはあれか?すげえ楽しみに待ってるのが俺一人だったりしたら、
それだけのためになんか書きたくないから辞めるってことか?
ゆっくりゆっくりでも今まで楽しみに読んでたんだから頼むよ。もうそんなに長いストーリーじゃないでしょ?
>>225
いや、そういうことはないです
コメントはありますが需要あるかないかだけ確認したかったので…(´-ω-`)
ゆっくりでいいのなら、少しずつになると思いますが必ず完結させようと思います!
金曜、18時前後からゆっくり更新します
用事もあるので短くなると思われます
お久しぶりです
またブッチしてしまいました…
レスしようしようとは思っているんですが色んな理由で書き込まず。。。
完結までそんな長くないのでサクサクッとやっていきたいと思います
息抜きと言ってパパッと終わらせるつもりが5ヶ月もかかるとは…
ーー男宅ーー
男(ほんと手間かかるな)
男(あいつの考えてることも最近になってほんとよく分かるようになってきたな)
男(昔から関係は変わってないけど)
男(あいつのことここまで理解できるようになったのも…)
男(あいつがあんな生活を始めた頃辺りからか)
男(…まさか大学を辞めてニートになるとはなー)
男(結果的には俺にとって嬉しいことだけど…)
男(あいつにとっては良くないことなんだよな)
男(親も仕方ないと思ってるみたいだけど)
男(…あいつ、気づくかなー)
男(あんまりあからさまにするとアレだから、さりげなくそれっぽいこと言ったんだけど…)
男(言った状況がアレだし、伝わってないかもな)
ーー幼宅ーー
幼(男、何て言おうとしたんだろ?)
幼(でも、あそこまで言ったんなら最後まで言ってほしいよね)
幼(…あの流れなら、告白してくれると思ったのに)
幼(…まさか)
幼(私が臭いフェチってバレたかな…)
幼(いや正式には“男の”臭いフェチだけどさ)
幼(だとしたらめっちゃ恥ずかしいじゃんか)
幼(…いや)
幼(私が男の臭いフェチって男は分かってるんなら…)
幼(私が男のこと好きだってことも気づいてるはずだよね!)
幼(結果オーライじゃん)
幼(やったね)
幼(あ)
幼(男に服もらったんだった…)
幼「よいしょ」
幼(…これ、男がこの前着てた服じゃん)
幼(古着とか言ってたくせに…)
幼「…」スンスン
幼「…はぁー…」
幼「んー」モフッ
幼(あー…いい匂い…)
幼(男と一緒にいるみたいで落ち着くなぁ…)
幼(安息の地とはまさにこれだね)
幼(…ていうか、犬ちゃんといつ会えるのかなぁ…)
ーー次の日ーー
男「…ふあ…」
男「んー…9時か…」
男「とりあえず飯食うか…」
男「…」
男「…たまにはあいつと朝飯食うか」
男「電話電話」
男「あ、着信履歴が」
男「おっさんか。夜中に電話してきてるし…」
男「…かけ直しても出るかな?」
男「幼には悪いけど先におっさんに電話しよう」
男「出るかなー…」ピッ
男「…」
男「…出ないか」
男「夜中に電話ってことは、娘さんに何かあったのか?」
男「もしかしてもう元に戻ったとか?」
男「でも、幼と一緒な状態になってそうだよな…」
男「どうしたら元に戻るんだろうな」
男「…
男「夜中に電話ってことは、娘さんに何かあったのか?」
男「もしかしてもう元に戻ったとか?」
男「でも、幼と一緒な状態になってそうだよな…」
男「どうしたら元に戻るんだろうな」
男「…そういや昨日、おっさんに電話した後だったのにおっさんいなかったな…」
男「夜中に娘さんに何かあったんじゃなくて、俺たちが電話してすぐに何かあったのか?」
男「で、ゴタゴタが片づいて夜中に電話…?」
男「…」
男「いや、それは不自然な話だよな…」
男「…とりあえず幼に電話するか」ピッ
男「起きてないとかないよな…」
幼『もしもしー…』
男「もしかして寝てたのか」
幼『うん、男の電話で起きた…ふぁ』
男「ということは、朝飯まだだよな?」
幼『え、うん…』
男「久しぶりに朝飯一緒に食うか?」
幼『食うよ!食う食う!』
男「おおう、急にテンション上がったな」
幼『じゃあ、着替えて待ってるね!』
男「おう」ピッ
男「さて、シャワーして準備するかな」
男「おっさんがどうなったのかも気になるし、幼とご飯食ったらおっさんの家に行ってみるか」
男「あいつにも意見聞いておきたいし」
男「…嫌な予感がしないでもないんだよな…」
ーー30分後、幼宅ーー
男「着いた着いた」ピンポーン
幼「はいー」ガチャ
男「おう…ってお前」
幼「なに?」
男「それ…俺の服じゃん」
幼「さっそく着てみた」
男「さすがに男物着て出かけるのはダメだろ」
幼「ダメなの?」
男「ダメだ。ほら、着替えろ着替えろ」
幼「えー」
男「全く…」
幼「はいはい…」スタスタ
男「…あいつ、可愛い服着たら化けると思うんだけどなー…」
すいません、今回はここまでです…
もう一つのスレが落ちちゃったみたいです
更新できないうちにdat落ちちゃったとは。。。
一応両方とも見てる人の為に報告として。
あっちのスレを次スレとしてたてましたがこっちをサクサクッと進めて行こうと思います
ーー10分後ーー
幼「あいやー!」ガチャッ
男「あいやーってなんだよ、中国人か」
幼「どう?どう?」
男「うん、さっきより100倍マシになった」
幼「いぇー」
男「何かテンション高いな」
幼「だってー、ねぇー?」
男「?」
幼「ほら、行こ」
男「ん、おう」
幼(久々のデートだー!)
男(本当なら朝食済ましてデートと行きたいとこなんだけどな…)
幼「何食う?何食う?」
男(テンション高いな)
男「何食うかまでは考えてなかったんだよな」
幼「えぇー」
男「喫茶店でいいよな?」
幼「いいよ。いいけど…」
男「?」
幼「…夜ご飯も一緒に食おうよ」
男「?…いいけどさ」
幼「あ、夜ご飯だけじゃない!お昼も!」
男「飯くらいいくらでも付き合ってやるって」
幼「やったー!」
男「ちょ、朝から大声出すなよ、恥ずかしいから…」
幼「いーじゃん、テンション高い時はこんなもんだよ」
男「いや知ってるけどさ」
幼「じゃあなおさらいいじゃん。ほらご飯食おうよ」
男「ん、確かに腹減ったな」
幼「家から近い所にあって助かるねー」
男「ご都合展開だな」
幼「?」
男「こっちの話な」
幼「気になるなー」
男「お、着いたぞ」
幼「あ、早いね」
カランカラーン♪
店員「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
男「2人です。禁煙席空いてますか?」
店員「えーっと…はい、大丈夫です。ご案内しますね」
幼「はーい」
店員「ご注文お決まりになりましたら、そちらのボタンでお呼びください」
男「はい、ありがとうございます」
幼「何食お」
男「朝だし、俺は和風朝食セットかな」
幼「うーん…」
男「…」
幼「んー…」
男「…」
幼「…なんにしよ」
男「…」
幼「ねえ」
男「あ、俺に聞いてたのか」
幼「男以外にいないじゃん…ひどいな」
男「すまんすまん、まだちょっと眠いんだよ」
幼「無理しないで寝てても良かったのに」
男「いや、早めに確認したいこともあるからな」
幼「確認?」
男「おっさんのことだよ。昨日いなかっただろ?」
幼「あー、いなかったね」
男「電話して10分くらいでおっさんの家に着いたにも関わらずな」
幼「何かあったのかな?」
男「俺はそうだと思ってる。実際、夜中に電話がかかってきてた」
幼「おっさんから?」
男「そう。今日の午前2時くらいかな」
幼「何があったんだろ」
男「さぁ…けど、おっさんの家からはそんな気配しなかったけどな」
幼「…心配だね」
男「まあ、考えても仕方ないからな」
幼「男は心配じゃないの?」
男「心配だよ。でも、飯は食わないとな」
幼「…」
男「お前にもおっさんのことについて話しておきたかったし」
幼「そんなの、歩きながらでも話せるじゃん」
男「そうだけどさ、何か食っとかないといざという時に動けなかったりするもんだぞ」
幼「…ふーん」
男「…」
幼「…」
男「…これ、どうだ」
幼「…男と一緒じゃん」
男「よく見ろよ。俺はAセット、そっちはBセットだ」
幼「…おかずくらいしか変化ないよ?」
男「俺はそっちのおかずも食ってみたい」
幼「…」
男「それともこっちか?」
幼「ううん。男と一緒のでいいよ」
男「そうか。じゃ店員呼ぶぞ」
幼「…うん」
男「よいしょ」ピンポーン
幼(…)
店員「ご注文お伺いします」
男「えーっと、和風朝食のAセットとBセットで」
幼(…男、無理してる)
店員「Aセットと…Bセットで。お飲み物はよろしかったですか?」
男「じゃあ俺はウーロン茶で。幼は?」
幼「あ、私もそれで…」
店員「かしこまりました。ご注文繰り返させていただきます」
男「はーい」
幼(私が、不機嫌になったのすぐ分かったんだ)
店員「和風朝食セットのAセットとBセット。ウーロン茶がお2つ。以上でよろしかったですか?」
男「はい、大丈夫です」
幼(私のこと何でも分かるみたいな前に言ってたの、ほんとだったんだ)
店員「では、失礼いたします」
幼(私が勘違いしてたのが悪いんだよね。男は私を元に戻そうと学校まで休んでるのに)
男「10分くらいかな」
幼「…」
男「なあ」
幼「…うん」
男「ちょっとした勘なんだけどさ、もうすぐ犬に会えるぞ」
幼「…それはさ、慰めなの?」
男「いや、吉報かな」
幼「なんで。確信があるの?」
男「確認は無いよ。勘だ、勘」
幼「…無理しないでいいよ。私のせいなんだし」
男「…」
幼「ごめんね。私のせいでさ」
男「何の話だ」
幼「何の話って…」
男「確かに俺はお前の為に色々やってるけどさ、誰に頼まれてやってるわけでもないぞ」
幼「そ、それは知ってるけど…」
男「俺が好きでやってるんだよ。お前が本当にやめてほしいって言うまでやめないくらいに、俺は必死だからな」
幼「…何で?」
男「それは秘密だろ」
幼「そこは言おうよ」
男「お前も秘密あるだろ?」
幼「それは、元に戻った時に言う約束じゃん」
男「じゃあ俺も一緒だ。そういう約束にしよう」
幼「…」
男「さっきの話だけどさ」
幼「さっきの話?」
男「そう。勘だけど、希望はあるぞ」
幼「?」
男「俺たちが電話した直後に、おっさんに何が起きたと思う?」
幼「…さあ。分かんないよ、そんなの」
男「もしも程度でいいんだよ」
幼「…うーん」
男「俺はさ、娘さんに何かあったんじゃないかと思うんだ」
幼「あの娘に?」
男「もし、あの娘にお前以上の異変が起きてたら?」
幼「私以上って…完全に元に戻るとか?」
男「そうだ。けど、これには第三者が絡んでくると思うんだよ」
幼「第三者って、何で?」
男「仮に本当に元に戻ったとして、おっさんが俺たちが来た時にいない理由はあるか?」
幼「んー…分離した猫ちゃんが重体とか?」
男「そういうのも考えられるな。けど、それならある程度すぐに連絡できるだろ?少なくとも夜中にはならないだろ」
幼「でも、手術で時間がかかることもあるよ」
男「だとしても、夜中に電話なんてのは大人としてあまりにも不謹慎だろ」
幼「まあ、そうだね…」
男「そこで第三者だ。昨日、俺たちが電話した直後に第三者がおっさんの家を訪問していたら?」
幼「まさか、さらわれたとか?」
男「その線が濃いと思ってる」
幼「でも、何でそれが希望になるの?」
男「人間とペットが合体するなんて異常だよな?」
幼「え?う、うん」
男「そんな異常なことがこんな狭い町で2件も起きてるんだ。もしかしたら、もっと起きてるかもしれないけど」
幼「???」
男「つまりな。何かの組織が暗躍してるんじゃないかと思ってさ」
幼「…うわー」
男「なんだよ」
幼「男って、映画好きなの?」
男「別に好きじゃないけど…」
幼「裏の組織なんていたら私が人間の姿になった時点で、怪しいと思ってさらいに来るんじゃないの?」
男「まあ、それは否定できないけど…」
幼「それに、仮にそんな組織があったとしてなんでそれが希望になるの?おっさんをさらうような連中だよ?」
男「そこなんだよ」
幼「えっ」
男「一夜のうちに家から消えた一家、怪しいだろ?」
幼「怪しいね。めちゃめちゃ怪しいよ」
男「そこで警察の出番だよ。警察におっさんを探してもらうんだ」
幼「ええ?」
男「警察の捜査力は凄いからな。すぐにおっさんを見つけるだろ」
幼「う、うん…」
男「おっさんを見つけて、行き着く先は組織の所だろ?そこで元に戻してもらうんだよ」
幼「あー。まあこんな姿にした組織だしそれくらいできそうだね」
男「だろ?希望が湧いてきただろ?」
幼「…でも、おっさんがさらわれて危険な目にあってたら?」
男「…さあ、どうでもいいよ」
幼「ちょっ、どうでもいいって」
男「本当にどうでもいい訳じゃないけどな。けど、おっさんが死んでも構わないと思ってるよ」
幼「…男。やめて」
男「…俺はさ。お前が元に戻るんなら何でもいいよ」
幼「…男」
男「お前、本当によく犬可愛がってたじゃん。急に周りから大好きな物が無くなるって気持ちはよく分かるからさ」
幼「…」
男「犬の精神はお前の中にあったとしてもさ。辛いのに変わりはないし」
幼「…うん」
男「元の姿に戻ったと思ったら、犬の精神は無くなってる。お前がどんだけ傷ついてるか心配で仕方なかったぞ」
幼「…そんな素振りなかったよ?」
男「そんな素振り見せたらお前が悲しいだけだろ」
幼「あ…」
男「…まあ、でもおっさんがどうでもいいってのは言い過ぎだよな」
幼「…」
男「やっぱ、皆でハッピーエンドが一番だよな」
幼「でも、男、もう留年しちゃうよ?」
男「大学なんて留年してなんぼだろ」
幼「でも、男は幸せじゃないじゃん」
男「幸せだよ。お前が元に戻って、犬が帰ってくればそれでいい」
幼「男自身には、何の得も無いよ?」
男「あるだろ」
幼「…」
男「…」
幼「…料理、来たよ」
男「話し込んじゃったな」
店員「お待たせしました。和風朝食のAセットとBセットでございます」
男「ありがとうございます」
店員「こちらお飲み物になります。ごゆっくりどうぞ」
幼「…とりあえず食おっか」
男「そうだな。腹減ったし」
ーーーーーーーーーーーー
幼「…結構多いね」
男「俺は物足りないけどな」
幼「食いしん坊だね」
男「男ならこんなもんだろ」
幼「…さっきの話だけどさ」
男「…」
幼「私、男が幸せに生きれるように頑張るね」
男「…そっか。じゃあ俺もそうしようかな」
今回はここまでです
こっちの方は土日にできたら更新したいですが、恐らく更新できなさそうです
1時間ほどしたら更新します
したい
ま~ったり投下します
幼「ねえ」
男「ん?」
幼「男ってさ、毎年私にプレゼントくれるよね」
男「うん」
幼「何で?」
男「何でって…唐突だな」
幼「気になるんだよね」
男「まあ…ほら、俺の方が誕生日先だろ?」
幼「うん」
男「お前も毎年俺にプレゼントくれるし、お返しってことでさ」
幼「ふーん」
男「信じてないだろ」
幼「信じてるよー」
男「じゃあ何でお前は俺にプレゼントくれるんだよ」
幼「…」
男「…」
幼「…秘密!」
男「おい…それは無いだろ…」
幼「これも元に戻ったら教えてあげるね!」
男「まあいいけどさ」
幼「男、まだ食ってるの?」
男「お前食うの早いな…」
幼「残してるのはスルーだよ」
男「そっちのおかず欲しかったのに」
幼「あ、忘れてた」
男「いいよいいよ。パパッと食って出るか」
幼「うん」
ーーーーーーーーーーーー
男「まずはおっさんの家に行ってみるか」
幼「警察に連絡するのが先じゃないの?」
男「さすがに誰か通報してるだろ」
幼「安易だね」
男「おっさんの家を警察が捜査してたら話を聞けばいいんだし」
幼「警察が話なんかしてくれるの?」
男「…さぁ」
幼「安易だね!」
男「いいんだよ行き当たりばったりで!」
幼「本当にさらわれてたらかなり切羽詰まった状況なんだけどね」
男「確かにそうだけど、俺たちがどうこうできる問題じゃないからさ…」
幼「まあ…そうだね」
男「だから、時間をかけるって意味でもこっちの方がいいんだよ」
幼「時間?」
男「少しでも捜査が進むだろ?」
幼「確かにそうだね」
男「情報は新しい方がいいしな」
ーーーーーーーーーーー
ーーおっさん家ーー
幼「ほんとに捜査してたね…」
男「な、言った通りだろ」
幼「じゃあ話聞いてみようよ」
男「そうだな…すいませーん」
警察官「うん?」
男「何か騒がしいですけど、何かあったんですか?」
警察官「あー…すいません、一般の方に情報を漏らさないよう伝えられてるので」
男「そうですか…すいません」
警察官「いえいえ」
幼「どうするの?」
男「こんだけ人混みあるんだし、誰か知ってる人いるだろ」
幼「だといいけどねー」
男「あのー」
おばはん「ん?」
男「何かあったんですか?」
おばはん「ああ、聞いた話だと一夜にして一家全員がいなくなる珍事件らしいねえ」
男「さらわれたってことですか?」
おばはん「さぁ…そこまでは聞いてないねぇ」
男「そうなんですか…」
おじさん「近所の人の話だと、ここらじゃ見かけない人がこの人の家を昨日訪ねてたそうだぞ」
男「それって、いつ頃ですか?」
おじさん「そこまではさすがに知らねえよ」
男「そうですか…」
お兄さん「この家の娘さんがしばらく学校行ってないので有名だったのもあって、皆気になってるね」
男「不登校、だったんですか?」
お兄さん「んー、聞いた話だと猫っぽくなったとか聞いたけど…嘘くさいよね」
男「そうですよね…」
お姉さん「その娘さんが久しぶりに学校に行くってことになってたそうよ」
男「へえ」
お姉さん「でも、登校時間を過ぎても学校に来ないから学校側が電話したそうね」
男「で、誰も出なかったんですか?」
お姉さん「みたいね。で、あまりにも電話に出なかったし、不安になった教師が放課後家を訪ねたそうよ」
男「その時にはもう、誰もいなかったと…」
お姉さん「さあ、そこまでは知らないわ」
男「そうですか…ありがとうございました」
おじいさん「深夜にも何やら騒がしい音がしたのう」
男「深夜にって、おじいさん起きてたんですか?」
おじいさん「何を言うちょる。ワシはその音で目覚めたんじゃ」
男「そんな大きな音だったんですか?」
おじいさん「いや、音というよりは声じゃったかのう…」
男「ハッキリしないんですね」
おじいさん「ワシももう歳かのう…」
男「頑張って下さいね…」
ーーーーーーーーーー
幼「どう?」
男「結構情報が集まったぞ。まとめるからちょっと待ってくれ」
幼「う、うん」
男「うーん…」
幼「…」
男「…」
幼「…まだ?」
男「もうちょっと」
幼(何でまとめるだけで時間かかるんだろ)
男「よし、行くぞ」
幼「え、どこに?」
男「説明するぞってことだよ」
幼「あ、うん…」
男「まず、昨日起こったことを大雑把にまとめると…」
1:娘さんが久しぶりに学校に行く日だった
1-1:その娘さんが何故か学校に来なかった
1-2:誰も電話に出ず不安になった教師は放課後おっさん家を訪ねた
1-3:その時にはもういなかったため警察に通報
2:時間帯は不明だが、見慣れない人物がおっさん家を訪ねていた
2-1:俺が電話したのが朝方で、教師が訪ねた時にはもういなかった
2-2:このことから恐らく8:30~16:00の間にさらわれた(?)と推測できる
男「で…」
幼「え、まだ続くの?」
男「もちろん」
3:深夜に物音もしくは大きな声がおっさん家で響く
3-1:原因は不明で、そもそもどういう音かも曖昧
3-2:深夜に俺に電話がかかってきたことに関係している?
男「こんなもんかな」
幼「んー…」
男「なんだ、分かり難かったか?」
幼(かなり)
男「じゃあおっさんの昨日の行動を時間帯と共にまとめてみるぞ」
幼「分かりやすくね」
男「わかってるって」
7:00 恐らく起床
幼「ちょっと待って」
男「ん?」
幼「恐らくって、もしかして全部こんな調子なの?」
男「確証の無い部分はぼかすしかないだろ?」
幼「そうだけど…」
男「続けるぞ」
8:30~16:00 この時間帯に恐らくさらわれている。もしくは拘束されている?
幼「拘束?なんで?」
男「この時間帯の情報は『学校側からの電話に出なかった』、『家を訪ねた教師にも対応しなかった』、この2つしかないんだ」
幼「うんうん」
男「さらわれたとも考えていいけど、拘束されたって考えても情報と一致するし」
幼「そっか、拘束されてたら電話も出れないし、インターホン鳴っても反応もできないね」
男「そういうこと」
幼(意外とそれっぽい)
男「まあ実はほぼ確実に拘束されたと思ってる」
幼「え、なんで?」
男「理由は2つあるけど、まず第一に家を訪ねたのが朝方から夕方までの間ってこと」
幼「?」
男「朝方から夕方なんて、人が結構いる時間帯だぞ?」
幼「あ、そっか」
男「そんな時間帯に狙うなんてのは普通に考えてあり得ない」
幼「もう1つの理由は?」
男「夜中に物音もしくは声が聞こえたこと」
幼「まだ家に誰か残ってたってこと?」
男「そう。さらってまた家に戻ってきた可能性もあるけど、ちょっとあり得ない理由だしな」
幼「家に誰か残してどこかに行ったかも…」
男「それも薄いだろ。わざわざ目撃者を家に残す理由が無い」
今回はここまでです
明日投下します!
ま~ったり更新します
女「もしかしたら男にそう思わせる為に敢えて残したのかも」
男「そうだとしても、特にメリット無いんだよな…犯人はわざわざ自分の手がかりを残して行った事になるし」
女「あー、そっか…」
男「まあ、ここで1つ矛盾が発生するんだけどな」
女「矛盾?」
男「教師が警察に通報したのは放課後、おっさんの家を訪ねてからなんだよ」
女「随分早とちりな教師だね」
男「結果的には好転したんだしいいだろ」
女「矛盾って?」
男「恐らく警察がおっさん家を捜査したのは17:00から17:30頃だろ?」
女「まあ、放課後だったらそのくらいだね」
男「でも、おっさん家では夜中に物音がした」
女「…」
男「これが一体何を意味するかだな」
女「警察が夜中も捜査してたんじゃないの?さっきも捜査してたし」
男「それもありそうだな…」
女「でももしかしたら警察が夜中捜査してなかった可能性もあるし」
男「その辺はもう一回聞き込みしてからだな」
女「でも、さらわれたか監禁されてたかでそんなに違うの?」
男「結果的に警察が来た時おっさんがいなかったみたいだし、変わらんけどな…」
女「あ、こういう可能性もあるよ!」
男「ん?」
女「おっさんが黒幕!」
男「…」
女「…あ、さすがに不謹慎かな…」
男「あながちあり得ないでもないけど…」
女「でも、それっぽい感じゼロだったよね…」
男「もし、あのおっさんが全ての原因なら」
女「?」
男「自分の娘まで実験台にしたクソ野郎ってことになるな」
女「う…うん」
男「娘さんはまだ小学◯年生だ。まだちゃんとした善悪の区別もつかないのに」
女「男…」
男「まあでも、まだおっさんが黒幕って訳じゃないんだ。こんな妄想で勝手に悪者扱いしちゃひどいよな」
女(私の考えが妄想扱いされた…)
男「んじゃ、もう一回聞き込みに行くか。ここで話してても仕方ないし」
女「うん」
ーーーーーーーーーーーーー
男「相変わらず野次馬が凄いな」
女「私達も含まれてるけどね」
男「すいません」
ヤンキー「あ?」
男「警察の方、夜中も捜査されてたんですか?」
ヤンキー「知らねえよ、んなこと。てか誰だお前」
男「いやあの…」
ヤンキー「昨日は23時から寝てたからなんも知らねえな。でっかい物音で起きた記憶はあるけど」
男「それって、どんな音でした?」
ヤンキー「知らねえって言ってんだろ!」
男「あ、すいませんでした…」
ヤンキー「チッ」
男「はぁ…」トボトボ
女「男、かっこわるーい…」
男「あんな人外とまともに話し合えってのが無理な話だろ…」
女「まあまあしょげないで。次行ってみよう」
男「はぁ…すいません」
強面「ん?」
男(また地雷踏んだかな…)
強面「なんじゃ」
男「あの、警察って夜中も捜査してたんですか?」
強面「さあなあ。ワシはこの辺の者じゃないからな」
男「あ、そうなんですか…」
強面「さっきチラッと聞こえた話だと、夜中に捜査はしてなかったみたいだけどな」
男「え、ほんとですか?」
強面「聞こえただけだから何とも言えないけどな」
男「ありがとうございます!」
強面「何だ大将、探偵気取りか?」
男「んーまあ、そんな感じですかね…」
強面「はっはっは、若いなー」
男「ありがとうございました!」タッタッタ
強面「うむうむ」
女「どう?」
男「やっと解放されたよ…」
女「何か青ざめてる…」
男「声かけて振り向いた瞬間、また地雷踏んだと思った」
女「あはは!地雷って!」
男「笑い事じゃねえよ…まじであっち系の人かと思ったよ」
女「おーよちよち、怖かったでちゅねー」
男(…何か可愛いな)
女「…えっちょ、そういう性癖?」
男「違うわ!」
女「ドン引きするとこだった」
男「サラッとキツいこと言うなよ」
女「いや普通の反応でしょ…」
男「いやまあそうだけど…」
女「で、聞き込みはもういいの?」
男「有力な情報をもらったけど、確証が無いからな」
女「じゃあ、ちゃんとした情報を入手しなきゃ」
男「そういうことだな、すいません」
暴走族「あぁ?」
男(おっとっとっと)
暴走族「んだテメェ」
男「あの」
暴走族「さっさと話せや!」
男「いやあの、夜中警察がそうs」
暴走族「あぁン!?」
男「あ、いや、あの…」
暴走族「おいテメェちょっと来いや」
男「えっちょ、勘弁して下さい」
暴走族「あ?俺に喧嘩売ってんだろ?」
男(あーもうやだ)
暴走族「とりあえずあの路地まで来いよ」
男「いやあの、ほんと勘弁して下さい」
暴走族「つべこべ言ってねぇで来いや!!」
男「ひいい」
ーーーーーーーーーーーーー
男「あの、どうするんですか」
暴走族「よし、誰もいねえな」
男「あの」
暴走族「あー分かった分かった。とりあえず静かにしろ」
男「あ、はい…」
暴走族「で、何だっけ?」
男「え?」
暴走族「何か俺に聞こうとしてたろ」
男「あ、夜中に警察が捜査してたかどうか…」
暴走族「何だそんなことかよ。それはな……」
男「?」
暴走族「あの女、お前の連れだろ?」
男「えっ」クルッ
女「あ、えへへ…」
男「…」
暴走族「別に狙わにゃしねえよ。ただそこの女にも話すべきことがあるからな」
男「???」
暴走族「そこの女、つい最近まで犬になってたろ?」
男「!」
女「えっ、何で知ってるんですか!」
暴走族「ダックスフンドを飼ってる奴なら分かると思うが、ダックスフンドの目を肉眼で見てるとたまに目が赤くなる時がある」
男「目が赤く?」
暴走族「光の反射だとかどうとか聞いたけどな。そこの女は、完全な人間に見えるけどまだ完全じゃねえ」
女「自分でも気づかなかった…」
男「まあ、お前鏡見ないしな…」
暴走族「実はな、俺の従姉妹も同じ目に遭ってんだよ」
今回はここまでです
今日(日曜)の夜更新したい
すいません、遅れました
男「え、そうなんですか」
暴走族「ああ。飼ってたハムスターと一緒に寝てたら…」
男「…ハムスターになってた…と」
暴走族「で、この家の娘も同じような症状だって聞いてな。話を聞こうと思ったらこのザマだ」
幼「災難でしたね」
暴走族「いいんだよ。これを機に結構話もできたしな」
男「仲、悪かったんですか?」
暴走族「俺みたいなのが家内にいたら関わりたくないだろ」
男「いや、まあ…」
暴走族「遠慮すんなよ。俺が一番分かってることだし」
幼「…何だかんだ優しいんですね」
暴走族「…どーでもいい話はもういいだろ」
男「あ、そうですね」
暴走族「本題に入るか。夜中に警察が捜査してたか、だっけか」
男「はい」
暴走族「さっきチラッと聞こえただけだけど、夜中には警察もいなかったそうだ」
幼「じゃあ」
男「怪しいな…」
暴走族「何だ何だ、どういうことだ?」
男「僕達、30分ほど前も聞き込みをしてたんですよ」
暴走族「おうおう」
男「で、おっさんの家で1日何が起こったのかをまとめてみたんです」
暴走族「面白そうだな、聞かせろよ」
幼(今から話すとこなのに…)
男「えっとですね…」
ーーーーーーーーーーーーーー
暴走族「なるほどな…」
男「夜中に警察が捜査していなかったとなると、その物音が限りなく不自然です」
暴走族「それも近隣住民が目覚めるほどの物音か」
男「夜中に誰かが家にいたんでしょうか?」
暴走族「ありえるけど、ありえないな」
幼「矛盾してますね…」
暴走族「けど、お前らが言うようにそのおっさんが黒幕なんじゃねえのか?」
男「…そうなんですかね…」
暴走族「もしあの家に秘密の地下室があったら?」
幼(地下室って…小説じゃあるまいし)
男「否定はできないですけど、警察が捜査して見つけれない地下室なんてあるんでしょうか?」
暴走族「俺はそうとしか考えられないがな」
男「うーん…」
幼「じゃあ、調べてみればいいんだよ」
男「調べるって…どうやって?」
暴走族「忍び込むか」
男「ええ!」
幼「それしかないですよね」
暴走族「夜中なら捜査してないみたいだしな」
男「で、でも犯罪ですよ?」
暴走族「でもそれが解決の道だろ?」
男「そうですけど…」
暴走族「なら構わねえだろ」
男「…警察が見つけられないものを、見つけるんですか?」
暴走族「ああ。何としてもな」
幼「やるっきゃないよ」
男「…幼の為だしな」
暴走族「よし、決まりだ。夜中2時頃、もう一度ここに集合だ」
幼「了解!」
男「分かりました」
ーーーーーーーーーーーーーー
ーー幼家ーー
男「どうすんだ」
幼「行くよ」
男「本当に行くのか…」
幼「当たり前じゃん」
男「…」
幼「…男は、私に元に戻ってほしくない?」
男「そんなことない。戻ってほしいよ」
幼「ならいいじゃん」
男「…なあ。俺だけ行くから、お前はここにいろよ」
幼「やだ」
男「やだって…」
幼「確かに危険かもしれないけどさ」
男「危険だから、ここにいろって言ってんだ」
幼「男は、私の為に行くんだよね」
男「…うん」
幼「じゃあ私が家で待ってちゃダメじゃないの…?」
男「…」
幼「それに」
男「なんだよ」
幼「男が捕まったら、私死んじゃうよ」
男「…一生会えなくなるわけじゃない」
幼「でも、さみしい」
男「…会えないことはないだろ。面会とかさ」
幼「…ずっと一緒にいたい」
男「…幼…」
幼「元に戻ったら言う約束だったけど、今言うね」
男「…うん」
幼「私、男のことが好きだよ。ずっと前から」
男「…」
幼「離れたくないし、離されたくない。死ぬまで一緒にいたい」
男「…聞かなきゃ良かったかな」
幼「…な、なんで」
男「行きにくくなっちゃうじゃん」
幼「…うん。でも」
男「うん。でもそれがお前の気持ちだ。生涯初めて聞くお前の気持ち」
幼「…そうだっけ」
男「…けど、まだ返事はしない」
幼「えっ」
男「俺を信じて待っててくれるなら別だけど」
幼「…ずるいよ。私の告白をダシに使って」
男「ごめんな。けど、お前が大事だから」
幼「…今のは、返事じゃないの?」
男「返事なら、もっとちゃんと言う」
幼「…そう」
男「お前の気持ちはよく分かった。けど、だからこそ待っててくれ」
幼「…わがままじゃん」
男「それはお前も一緒だろ?」
幼「…そうかな」
男「そうだよ」
幼「…」
男「…」
幼「…男って、強情だよね」
男「ああ。お前よりもな」
幼「…はぁー…」
男「…待っててくれるか?」
幼「…うん」
男「そっか。ごめんな」
幼「けど、一つだけ言うこと聞いて」
男「…叶えれる範囲ならいいけど」
幼「私が元に戻ったら結婚しよ」
男「えっ、け、結婚?」
幼「うん。結婚」
男「いや、法的にはもうできる歳だけど…」
幼「…嫌なら」
男「嫌じゃない」
幼「…」
男「…叶えような、その夢」
幼「夢じゃないよ。もうすぐ現実」
男「じゃあ、まだ夢だ」
幼「わがままだね」
男「お前もな」
幼「ふふ」
男「…ありがとな。元気出たよ」
幼「なら良かった」
男「…夜中に全部決まるんだな…」
幼「寝ておく?」
男「まだ夕方前だしな…そうするか」
幼「…ねね」
男「ん?」
幼「一緒に寝ようよ」
男「い、一緒にって…」
幼「いいじゃん。ていうか、一緒に寝て」
男「命令かよ…」
幼「そ。命令!」
男「…命令か。じゃあ逆らえないな」
幼「ふふ。それでいいの」
男「今日のお前、妙に積極的だな」
幼「何でだろうね。元に戻れるかもしれないからかな」
男「確証は無いんだぞ?」
幼「そう遠い未来じゃないよ。そんな気がする」
男「…そっか。お前の勘、あたりそうだしな」
幼「気持ちの問題だもんね」
今回はここまでです
0時以降に更新します
何時になるか分かりません
もしかしたら3時とかになるかもです
投下していきます
ーー午前1時半ーー
男「…ん…」ムクッ
男「もうすぐ2時か」
幼「スー…スー…」
男「ゆっくり寝てろよ。起きたらハッピーにしてやる」
ーーーーーーーーーーーーーー
ーーおっさん家周辺ーー
男「…」
暴走族「おう」
男「どうも」
暴走族「一人か?」
男「はい。あいつは置いてきました」
暴走族「そうだな、その方がいい」
男「…ほんとに、ここに元に戻せる手がかりがあるんでしょうか」
暴走族「さあな。ほっといても時間が解決してくれるかもしれねえけど」
男「…待てません」
暴走族「ああ。俺も一緒だ」
男「…実は優しいんじゃないですか?」
暴走族「俺がか?」
男「はい。何だかんだ、他人思いなところがあります」
暴走族「関係の無い奴に意味も無く因縁つけたりしねえよ」
男「暴走族、って感じじゃないですね」
暴走族「暴走族なんて言っても、ただ調子こいた連中が集まってるだけだ。ヤンキーがチーム組んだ程度」
男「あなたは、ヤンキーって感じじゃないですけどね。見た目以外」
暴走族「悪いこともするぞ?」
男「…じゃあ、やっぱりヤンキーです」
暴走族「ははっ、面白いなお前」
男「変な奴だってよく言われますよ」
暴走族「まあ、確かに変わってるな」
男(あいつも、変わってるしな。変わってる者同士惹かれあうのかな)
暴走族「そろそろ行くか」
男「いよいよですね」
暴走族「ああ。いつでも逃げる準備しとけよ」
男「はい」
ーーーーーーーーーーーーーー
ーー玄関前ーー
男「どこから入ればいいんでしょう?」
暴走族「玄関は開いてる」
男「え、何で開いてるんでしょう」
暴走族「シッ」
男「っ」
暴走族「…靴がある」
男「…警察が現場保存ってことで触ってないんじゃないですか?」
暴走族「普通こういうのは鑑識に回すだろ」
男「あ、確かに」
暴走族「ということは、誰かいる…」
男「…慎重に行きましょう」
暴走族「リビング…誰もいないぞ」
男「捜査した後ですね」
暴走族「キッチンも大丈夫だ」
男「トイレもオッケーです」
暴走族「居間は…問題ない」
男「あとは2階ですね」
暴走族「物音をたてるなよ…」
男「分かってますよ」
暴走族「…ここは寝室か?」
男「カーテンも閉まってますね…1階は全部カーテンあいてたのに」
暴走族「この部屋は怪しいな…調べるぞ」
男「はい………ん?」
暴走族「どうした?」
男「何か、声が聞こえません?」
暴走族「…?」
ハァ…ハァ…
暴走族「…聞こえる」
ハァ…ハァ…
男「…何ていうか…呼吸が苦しいんですかね」
ハァ…ハァ…
暴走族「…かもな」
ハァ…ハァ…
男「行って見ましょう」
ハァ…ハァ…
暴走族「ああ」
ハァ…ハァ…
男「…この部屋?」
ハァ…ハァ…
暴走族「…違うな」
ハァ…ハァ…アァアッ‼︎
男「!」
ハァ…ハァ…
暴走族「こりゃやばい臭いがするぞ」
アァア…
男「…この部屋から聞こえます」
ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
暴走族「…開けるぞ」
ガチャッ
???「ハァ…ハァ…アァアアアァ…」
暴走族「…子供…?」
???「ハァ…ハァ…」
男「…娘…ちゃん?」
娘「!」
暴走族「知ってるのか?」
男「ええ。おっさんの娘で、幼と同じように動物と合体していました」
暴走族「…お前もか…」
娘「オニ、オ、オニイチャン…ヒ、ヒサシ、ブリ…」
男「…大丈夫…じゃないか…」
暴走族「…ライト、つけるぞ」パッ
娘「クスリ…クスリ…チョウラァイ…」
男「…薬?」
娘「ウン…ゲンキニ…ナルノォ…」
暴走族「…こいつ、まさかヤク漬けに?」
男「可能性はありますね…。それよりも」
暴走族「ああ、こいつ…」
男「猫と、完全に分離してる」
娘「ハァ…ハァ…オニイチャアアァン…」
男「…最悪、ですね」
暴走族「何がだ?」
男「もし分離させる薬があったとして、その副作用がこれなら…」
暴走族「…なるほど」
???「動くな」
男「!」
???「手を上げて、頭の後ろで組め」
暴走族「なんだ、てめぇは」
???「勇ましいのはいいが、あまり抵抗しない方がいい」
バァン‼︎
暴走族「っ!!!」
男「!」
???「…とりあえず、来てもらおうか」
ーーーーーーーーーーーーーー
ーー???ーー
???「はあ。最悪だよ」
???「何で?」
???「一番楽な仕事だと思って監視役選んだのにさ、2日も連続で仕事あるんだもん」
???「いいじゃん、収穫もあったんだし」
???「まあ、行方不明になってたあの娘が見つかったのは大きな収穫だね」
???「あの娘が警察に見つかってたらやばかったな」
???「ほんとにね。けど、めんどくさいことになったなー」
男「う…うぅ…」
???「あ、おはよう」
男「どこだ…ここ…」
???「ここ?教えねえよ」
男「…あの人は…?」
???「ああ、別の部屋にいるよ。念の為ね」
男「…お前らは…誰だ…」
???「俺はウェンダーだ。ウェンダー・M・マーメイド」
???「私はリーナ。リーナ・オックスフォードよ」
男「外人…」
ウェンダー「手荒な真似して悪かったな。もうすぐしたら帰してやるよ」
リーナ「あら、いいの?目隠しで顔は分からないとはいえ、私達名前知られちゃってるよ?」
ウェンダー「別にいいさ。記憶を無くさせる」
男「…」
リーナ「ならいいかなー」
男「…どうせ記憶が無くなるんなら、教えてくれ」
ウェンダー「…まあ、いいか」
男「人間と動物が合体するような事件を引き起こしたのはお前らか?」
リーナ「そうだね。けど、害は無いよ」
男「…生活に、支障が出る」
ウェンダー「はは、ほんの半年の我慢さ」
男「…こんな事件を起こした目的は?」
リーナ「単なる動物実験」
男「…」
ウェンダー「犬に、猫に、鳥になりたいなんて人間は大勢いる。それを叶えるプロジェクトさ」
男「そんなものに一般人を勝手に巻き込むのか」
リーナ「まあ、モルモットって奴ね。実験台なんて誰でも良かったけれど」
男「それなら、組織の中で勝手にやってろ!」
ウェンダー「おお、強いねえ。けど、うちの組織は人員が少ないんだ」
リーナ「もし死んじゃったら、貴重な人材を失うことになる」
男「…ほんとの目的は、動物になりたいなんてメルヘンな夢を叶える為じゃないんだろ?」
ウェンダー「そんなことない」
男「例えば、ゴリラと合体した人間はとてつもない力を得る」
リーナ「…」
男「チーターと合体すれば、人間はもはや追いつけない」
ウェンダー「…こいつ」
男「イルカと合体すれば、海中はもう敵無しだ」
リーナ「…」
男「…ほんとの目的は、軍事利用だろ?」
ウェンダー「…なるほどなるほど。お前は賢いな」
男「えげつない計画だな」
リーナ「…」
男「ここで記憶が無くなるのが残念だ」
今回はここまでです
人物が他のSSとリンクしてますが、このSSではあっちの話と全く関係ありません
0時以降に更新します
投下していきます
ウェンダー「面白いが、お前の言った事は全て推測だ」
男「けど、合ってるんだろ?」
リーナ「さあ?どうかな」
男「明らかに動揺してたよな、あんた」
リーナ「おいガキ」ガッ
男「ぐっ!」
リーナ「いつまで調子こいてんだ?ああ?」
ウェンダー「はあ…」
リーナ「こちとら命がけでやってんだよ!」バキッ
男「いってぇ!」
ウェンダー「おい、やめとけ」
リーナ「止めんな!」
ウェンダー「傷を残したら、記憶を失くして解放させる意味がないだろうが」
リーナ「なら、ここで殺せばいいんだろ!」
男「んなっ」
ウェンダー「やめろ。死体を処理する時間も金も無いんだ」
リーナ「…チッ」
男「…はぁ」
ウェンダー「…そろそろ時間だ。リーナ、睡眠薬を」
リーナ「あー、分かったよ」
ウェンダー「いつまでふてくされてるんだ」
リーナ「うるせえ。ほら、飲め」
男「んぐっ」
ウェンダー「さて、準備するか」
リーナ「じゃあな、勇敢なボウヤ」
男「…」
ウェンダー「もう回ったのか。早いな」
リーナ「こいつを捨てに行くのも私の役目か?」
ウェンダー「役回りだろうが。ちゃんとやれ」
リーナ「へーへー」
ーーーーーーーーーーーーーー
???「……こ」
男「ん…ん」
???「…とこ」
男「ん?」
幼「男!」
男「うわっ!」ガバッ
幼「良かったー、やっと起きた」
男「あれ、ここは?」
幼「私の家」
男「…何でお前の家で寝てたんだっけ…」
幼「おっさんの家に行ったの、覚えてない?」
男「いや、そこまでは覚えてるんだけど…あれ?」
幼「ほんとに何も覚えてないの?」
男「うん…」
幼「はあ…心配だね」
男「…あ、あの人は?」
幼「暴走族?」
男「そうそう」
幼「知らない。連絡取れないから…」
男「あ、そうだな…」
幼「おっさんは、結局どこ行ったのかな」
ピリリリリリリリリ
男「んあ?」
幼「電話、鳴ってるよ」
男「…おっさんだ」
幼「うぇえ?」
男「もしもし」ピッ
おっさん『ああ…お久しぶりです』
男「ああ、お久しぶりです」
男(なんだ、元気無いな)
おっさん『今しがた解放されまして…』
男「解放って…監禁でもされてたんですか?」
おっさん『はい。でも、誰に監禁されてたかも全くの謎です』
男「ええ…」
おっさん『急に来て、眠らされて、さっき解放されるまでずっと目隠しされてたので』
男「そうなんですか…」
おっさん『解放される直前、メモを渡されたんですけど』
男「メモ?」
おっさん『はい。こんな内容でして…』
お前の娘だけは預かる。
お前の娘は難病だが、半年もしないうちに元に戻るはずだ。
この娘は非常に面白い反応をした。色々実験させてもらう。
十分なデータを得たら、お前に返そう。
おっさん『…と』
男「娘さんが…」
おっさん『…私はこれから警察に行きます』
男「…」
おっさん『筆跡から、犯人の手がかり…が…』
男「…おっさん?」
おっさん『…ゲフッ』
男「おっさん?」
おっさん『………』ズサッ
ガチャガチャッ
ザッ
ブツッ
男「…切れた」
幼「切れた?」
男「…おっさん、死んだかも…」
幼「ええ!?」
男「急に黙って、変な咳をした後、電話を落としてた」
幼「うぇえ…」
男「で、多分だけど誰かが拾って通話切ったみたいだ」
幼「…怖いね」
男「…お前、悲しくないのか」
幼「…正直、全然」
男「ひどい奴だな…」
幼「だって、なんていうか、その」
男「あんまし仲良くなかった、とかか?」
幼「うーん、そんな感じ」
男「それでも、知り合いだろ…」
幼「知り合いだけどさ…何ていうか、他人、って感じ」
男「同じような境遇の俺からしたら他人とは思えないけどな」
幼「何かさ、ニュースで死んだ人の報道を聞いた。そんな感じだよ」
男「…まあ、実は俺も同じだけどさ」
幼「…男もひどいじゃん」
男「…俺は、お前が無事ならそれでいいからな」
幼「男…」
男「前にも、こんな話したよな?」
幼「うん」
男「結局、俺はお前のことでしか悲しめないんだろうな」
幼「私も一緒だよ?」
男「何だかんだお似合いだよな、やっぱり」
幼「…だね」
男「…でさ、結婚の話」
幼「うん」
男「お前が元に戻ったらだよな」
幼「そうだよ」
男「じゃあ、もう少ししたら告白するよ」
幼「え、元に戻る方法分かったの?」
男「おっさんがさっき言ってた。半年ほどで戻るって」
幼「…結局、勝手に戻るんだね」
男「あれこれ試してたのがアホらしいな」
幼「…楽しかったからいいよ」
男「あー、確かに楽しかったな」
幼「それに」
男「それに?」
幼「男に告白できた」
男「…結婚もできるしな」
幼「そう思えば、最高だね」
男「全然無駄じゃなかったな」
幼「最高だよ。ほんとに」
男「どう?俺のプレゼント、良かった?」
幼「うん。アクシデントからハッピーまで、全部揃ってたよ」
男「…次はハッピーだけ用意するから」
幼「サプライズとセットだとなお嬉しいね」
男「覚えとく」
幼「でさ、これからどうするの?」
男「これからって?」
幼「ほら、私が元に戻る方法分かったんだしさ、大学は?」
男「あー、今から行ったところで無駄だし、今年は捨てる」
幼「今年って…まだ7月だよ」
男「無理無理」
幼「諦め早いなぁー」
男「来年まで、バイトしながらお前と遊ぶよ」
幼「え、私?」
男「お前以外誰がいるんだ。今年中に引きこもり脱却させるからな?」
幼「よ、よろしくお願いします…」
男「あと」
幼「?」
男「幼、大好きだ。付き合おう」
幼「えっちょ、何急に」
男「戻ってきたら告白する約束だろ」
幼「それは元に戻ったらじゃないの?」
男「ごっちゃになってるぞ」
幼「え、え?」
男「…あはは、いいじゃん。何でも」
幼「えぇー、スッキリしない」
男「やっぱ、幼といると安心する」ギュッ
幼「え?何々、何で抱きしめてるの?」
男「好きだし」
幼「…じゃあ、私も抱き返す」ギュ
男「幸せだな」
幼「…うん」
男「なあ、幼」
幼「?」
男「次のプレゼント、何がいい?」
今回、というか本編ここまでです
まさか8ヶ月もかかるなんて思ってもおらず
息抜きとは何だったのか。。。。
あとは後日談をつらつら投下してhtml化します
今日更新します
投下していきます
【あの後】
幼「んと、あの、えっと」
美容師「???」
男「えーっと、これとか似合いますかね?」
美容師「んー、こういう髪型でしたら、こっちの方がお似合いかと」
幼「あ、それいい!」
男「じゃあ、こんな感じにお願いします」
美容師「かしこまりました」
ーーーーーーーーーーーーーーー
美容師「どうでしょう?」
幼「ふわー」
男「見違えたな」
美容師「よろしかったですか?」
男「んー…この辺もう少しカットお願いします」
美容師「かしこまりました」
ーーーーーーーーーーーーーーー
男「おお、いいじゃん」
幼「そう?」
美容師「とってもお似合いですよ」
男「良かったじゃん」
幼「う、うん…」
美容師「ではお会計の方にまいります」
男「あ、はい」
美容師「えー…6700円です」
男「じゃあ、1万で」
幼「えっちょっと、私が払うよ」
男「まーまーまー」
美容師「…よろしいですか?」
男「はい、お願いします」
幼「えええ」
美容師「お釣り大きい方が1、2、3千円と」
男「はい」
美容師「300円のお返しになります」
男「ありがとうございます」
美容師「お先に次ご来店なさる時の予約しておこうと思いますがいつ頃がよろしいですか?」
男「んー、どうする?」
幼「2カ月半、くらいかな」
美容師「かしこまりました。また予約した日時が近づいたらメールしますので」
男「はい、お願いします」
美容師「ありがとうございます。またのご来店お待ちしております」
男「ほら、帰るぞ」
幼「あ、ありがとうございます」
美容師(見せつけてんじゃねぇよおおおおお)
男「可愛くなったじゃん」
幼「う、うん…」
男「じゃあ、次はあそこな」
幼「え、まだ行くの?」
男「自分で言い出したんだろ…」
幼「あ、いやそうだけど」
男「言っとくけど、俺服のセンスは無いからな」
幼「…ていうか」
男「ん?」
幼「何で男が会計してんの!」
男「いいじゃん、あれくらい出させろよ」
幼「いや、それくらい自分で払うよ…」
男「無茶すんなって」
幼「確かにギリギリだけど、何かそういうの嫌」
男「って言われてもな。お金払えませんじゃ通らないだろ」
幼「…これからバイトするの!」
男「…え」
幼「な、何?」
男「お前が…バイト?」
幼「だ、ダメなの?」
男「そうかそうか…ついにバイトか」
幼「なになになに!意味深な態度やめてよ!」
男「いやー、成長したなぁー」
幼「うー」
男「やっと決意したか」
幼「…いつまでも引きこもりじゃないし!」
男「いや、いいことだよ。ほんとに」
幼「馬鹿にしてる」
男「けど、あんま男がいるようなとこでバイトするなよ」
幼「私が狙われるって?ないない」
男「あるよ。お前今かなり可愛いからな」
幼「えっちょ…普通に言わないでよ」
男「バカップルって言われるかもしんないけど、事実だしな」
幼「何急に…恥ずかしい」
男(実際、こいつ元から美形だしな…)
幼「じゃあ、男も一緒な所でバイトすればいいじゃん」
男「イチャイチャしたくなるしダメ」
幼「…確かに」
【一方その頃】
暴走族「おーよしよし」
従姉妹「えへへー」
暴走族「もーすぐ、元に戻してやるからなー」
従姉妹「えー?モカと離れちゃうの?」
暴走族「モカもそっちの方が幸せなんだよ」
従姉妹「あたしとずっと一緒にいるのに?」
暴走族「うん。従姉妹ちゃんは自由に動けるけど、モカは何もできないだろ?」
従姉妹「あ、そっかぁ」
暴走族「モカだって生きてるからね。自分の意思で動きたいんだ」
従姉妹「?よく分かんないよ?」
暴走族「あははっ。今は分かんなくていいよ」
従姉妹「んー…お兄ちゃんが言うなら、そっかな」
暴走族「ほら、そろそろ寝ないとお父さんに怒られるよ」
従姉妹「あ、もうこんな時間だ!」
暴走族「ベッドまで一緒に行ってあげるから」
従姉妹「お兄ちゃん、一緒に寝よ!」
暴走族「んー…今日はもう帰らないとダメだから。ごめんね」
従姉妹「えー…次いつ来るの?」
暴走族「そうだなー、明後日、また来るよ」
従姉妹「じゃ、その時一緒に寝よ?」
暴走族「分かった。約束」
従姉妹「うん!約束ー!」
暴走族「じゃあ、今日はもう寝ないと。明日学校行けないぞー」
従姉妹「分かった!おやすみー!」
暴走族「うん。おやすみ」
ーーーーーーーーーーーーーーー
暴走族「ふう…」
叔父「…ごめんな、いつもいつも」
暴走族「叔父さん」
叔父「ほんとなら俺たち夫婦が面倒みるべきなんだけど…」
暴走族「仕事忙しいんでしょ?なら仕方ないじゃん」
叔父「…俺、お前のこと誤解してたよ」
暴走族「まあ、やってることがやってることだしな」
叔父「でも、ほんとはお前優しいんだな。見直したよ。ほんとに」
暴走族「あんなに優しくするのは、子供にだけだ」
叔父「それでも十分さ」
暴走族「…親父とかに言うなよ!」
叔父「はははっ、分かってるよ」
暴走族「…じゃあ、明後日また来るよ」
叔父「うん、娘をよろしくな」
今回はここまでです
後日談とは言いましたがほとんどネタが無い
このSSももう終わりですかね…html化依頼してきます
8ヶ月と10日間、息抜きどころじゃなくなってしまった。。。
読んでくれた方々、今までありがとうございました。
ネタは色々あるのでこれからもSS書いていこうと思います。
どこかでまた会ったらよろしくお願いします。
このSSまとめへのコメント
山月記かな?