「名探偵コナン×リーガル・ハイ」SS
1周間前、円谷光彦が自身の通学する帝丹小学校にて通算3215回目の爆発に見舞われた。
学校側はこれまで同様、その爆発を「本人の責任における事故」であると主張したが、
普段から光彦の不憫な姿を目にしていた彼の母はこれを「イジメ」であると確信し、
学校および爆撃を行った生徒に対し損害賠償訴訟を起こすことを決意。
東京で腕利きの弁護士・古美門研介を雇うに至った。
相棒の黛を連れ、来る裁判に向けて校内調査を開始する古美門。
真実を追い続ける探偵と、真実を捏造する弁護士の戦いが、今、始まる――
◆帝丹小学校・校庭◆
黛「先生。今度の案件はあまりにひどすぎます。絶対真実をつきとめ、必ず光彦くんを救いましょう!」
古美門「ばーか真実なんてどうでもいい。イジメはあった。そしてそれを学校側は認識していた。そういうことにするのが我々のしごとだ」
黛「それではイジメの根絶につながりません!」
古美門「根絶~? 君は何だ? この世からイジメを根絶しようとしているのか?」
黛「そうですよ。この裁判をそのための第一歩にするんです」
古美門「衝撃だ~。おとぎの国で魔法使いと戦っていたまえ。ドロシー君」
黛「イジメをなくそうとすることのどこが悪いっていうんですか? 光彦くんは爆弾で死にかけたんですよ? それも今までに3215回も! 先生はこんなイジメが蔓延る世の中に心が傷まないのですか!?」
古美門「そんなの私の知ったことじゃない。何度も言わせるな。我々はただの弁護士でありそれ以上でも以下でもない。依頼人の要望に応えることだけを求められているのだ。分かったらさっさと足を生やしてついてこい。このおたまじゃくし!」
黛「ちょっ、指ささないでくださいよ!」
コナン「ねぇ。おじさんとおねえさん、この小学校に何か用なの?」
古美門「おーこれはこれはちょうどいいところにちょうどいい人間が来たものだ。江戸川コナン君だね。小学生のくせに何度も殺人事件に巻き込まれてるそうじゃないか。大変だね~。一度お祓いをしてもらうことをおすすめするよ」
コナン「」
黛「ちょっと! 小学生相手になんてこというんですか! ごめんね、この人ちょっとアレだから……」
コナン(なんなんだこの人達は……?)
黛「あのねコナン君。実は私達、円谷光彦くんの事故のことについて調べてるの」
コナン「光彦の事故って、あの……」
黛「うん。光彦君が爆発に巻き込まれたあの事件のこと……」
コナン「……」
黛「友達だったんだよね……つらいと思うけど、できればおねえさんにお話聞かせてくれないかな? 何でもいいの。爆発が起こった時のこととか、誰かが光彦君に何かしてたとか……」
コナン「何もなかったと思うよ。光彦は友達想いで礼儀正しいし、みんなから慕われてたから……」
黛「……本当に何もなかったの?」
コナン「うん。爆発も本当に事故だと思うよ。光彦のやつ、最近身体が勝手に爆発するって言ってたし……」
古美門「ほう。身体が勝手に?」
コナン「僕も最初は変だと思ったけど、嘘じゃないと思う。僕、光彦が爆発するところ何回か見たことあるけど、地雷を踏むとか、爆弾を投げつけられるとかじゃなくて、本当に自爆するように爆発してたから……」
黛「お医者さんも爆発は内部から起こってるとおっしゃってたし、この子の言ってることは本当だと思います」
古美門「なるほどねぇ」
古美門「黛くん。人が勝手に内部から爆発すると思うか?」
黛「いえ……でもお医者さんが信じられないけど間違いないって……」
古美門「となると可能性として考えられるのは1つだ。円谷光彦は何らかの目的のために何らかの改造手術を施され不幸なことに爆発体質を手に入れてしまい、そして何らかの要因によりその爆発が誘発された。この要因がいわゆる生徒達によるものだと証明することができれば、我々はイジメがあった事実を学校側に主張することができる。そうと分かれば早速調査だ。まずは爆発が起こった瞬間について1年B組の生徒達に徹底的に聞きこむぞ」
黛「は、はい!」
コナン(ちっ、まずいことになったな……)
コナン「(おい。歩美、元太、灰原、聞こえるか? 今そっちに弁護士が行った。ああ、もちろん光彦の件でだ。いいか? 俺がそっちに行くまで余計なことしゃべるんじゃねーぞ)」
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