京子「結衣にちゅーしたいってwww」
結衣「やめろってばwww」
京子「待てよwwwwほーらwww」
結衣「おいwww本当に怒るぞwwwwww」
京子「ほれほr」
結衣「やめろよーww」バシッ
京子「痛っ……」
結衣「あ。ごめん……」
京子「……あ、鼻血」
結衣「えっと……ティッシュ…」
京子「いいよ。あるから」
結衣「あ、うん」
京子「……」
結衣「……」
京子「……なにも顔たたくことないんじゃない?」
結衣「……いや、わざとじゃないs」
京子「結衣、いっつもそうだよね」
チクッ
結衣「痛っ!本当に噛まれたぞ!」
京子「ごめーん!大丈夫?お詫びの印に舐めたげる」
結衣「いらん。ていうかこの蜘蛛どっから持ってきた」
京子「部室の前にいた。背中に赤い模様があって珍しいなーって」
結衣「赤い模様?それってヤバいやつなんじゃ…」
京子「え…?」
結衣「『いっつもそう』ってなに」
京子「すぐたたくよね」
結衣「いや、元々は京子が悪いでしょ」
京子「は? なんで私?」
結衣「私が虫苦手なの知ってるよね」
京子「笑ってたじゃん」
結衣「いきなり本気で怒ったら気まずくなるだろ。お前どうせいじけるし」
京子「もう気まずいんですけど。誰かさんのせいで」
結衣「先にいやがることしたのお前だろ」
京子「じゃあさ、仮に原因は私だとしてさ」
結衣「仮にっていうか実際そうだから」
京子「いいからきけよ。私だとして、だからたたいていいとはならないよね? しかも鼻血でるくらい」
結衣「だからあれは事故だって。しかも謝ったよね?」
京子「言い訳してる時点で反省してないでしょ」
結衣「は? 反省ってなんだよ」
京子「いやいや、他人に怪我させたんだよね? 場合によっちゃ裁判だよね?」
結衣「いや、お互い様だろ? お前は嫌いなもの近づけられてなにも感じないの? そこまでバカなの?」
京子「……ギャクギレカヨ」
結衣「お前いい加減に――」
あかり「やっとお仕事終わったよぉ」ガラッ
結衣「ん? お疲れさま」
ちなつ「結衣先輩、お待たせしました」
京子「へい、京子ちゃんもいるぜ」
あかり「あれ、京子ちゃん怪我したの?」
京子「んー? あー、事故ですよ。じ・こ!」
ちなつ「事故?」
結衣「……私の手が当たっちゃったんだ」
京子「まぁ事故だから仕方ない。事故だからな。わざとじゃないから」
結衣「……」
ちなつ「なにこのビン――きゃあ、クモ!?」
結衣「ああ、京子が持ってきたんだよ」
ちなつ「京子先輩! 結衣先輩が虫苦手って知ってるのになにしてるんですか!」
結衣「いいんだよ。京子はふざけたかっただけなんだから。な!」
あかり「京子ちゃん、ダメだよぉ」
京子「……」
結衣「な!」
~その夜~
あかり「そんなぁ……結衣ちゃんが毎日ぶつなんて信じられないよぉ……」
京子「きっと私が悪いんだよ……」
あかり「そんなことないよ、京子ちゃん悪くないよ!」
京子「ありがとな。でもあかり、結衣にはなにも言わないでくれ」
あかり「え? ちゃんと『やめて』って言わないと……」
京子「……きっと結衣も気づいてくれるよ」
あかり「……じゃあ、あかりはなにも言わない。でも、また悩みがあったら言ってね。あかりは京子ちゃんの味方だよぉ!」
京子「うん、ありがと。じゃあな」
プツッ ツー ツー
京子「これでよし」
~その頃、結衣宅では~
ちなつ「京子先輩が――見損ないました!」
結衣「いいんだよ。きっと京子なりの優しさなんだよ」
ちなつ「口の中に虫をねじ込もうとすることのどこが優しさですか!」
結衣「私の虫嫌いを治そうとしたかったんだよ、たぶん」
ちなつ「結衣先輩……寛大過ぎますよ。でも私、京子先輩にはガツンと言ってやります!」
結衣「ありがとう。でも、言わなくていいよ」
ちなつ「えっ」
結衣「たとえ虫並の知能でも、いつか自分から気づいてくれるよ。それを待とう」
ちなつ「……私はなにが起きても結衣先輩の味方です!!」
結衣「ありがとう。遅くまでごめんね、お休み」
プツッ ツー ツー
結衣「これでよし」
~翌日~
結衣「……邪魔」
京子「……触んな。汚ぇ。臭ぇ。また事故に見せかけて殴るのか」
結衣「調子乗んな、マジでおm」
千歳「二人とも体育館いかんのー?」
京子「いまいくー」
綾乃「授業に遅れたら罰金バッキンガムよ!」
結衣「ブフッ」
京子「……綾乃、後でちょっといい?」
結・綾・千「!?」
京子「綾乃にきいてほしいことがあるんだ」
綾乃「ちょ、ちょっとまだ心の準備が――」
結衣「待て京子、お前でたらめを」
千歳「船見さん、話ならうちがきくわ!! な!?」ドバドバ
京子「うわ、結衣ってほんと鼻血出させるの好きだな。綾乃、行こ」
綾乃「ふ、ふつつかものでs」
結衣「おい、待て!」
千歳「邪魔したらあかん」
京子「――ってわけなんだ」
綾乃「船見さんがまさか……歳納京子や幼女に怪我を…」
京子「私、怖いよ……綾乃は、私の味方でいてくれるよね?」
綾乃「もちろんよ。絶えずそばにいるわ!」
京子「よかった。ありがとう」
綾乃「……ねえ、しばらく船見さんと距離をおいたらどう? 代わりに私が一緒にいるわ」
京子「距離を?」
綾乃「私たちが手をつないで帰ったりすれば、船見さんもさみしくなって反省するんじゃないかしら? なんなら今日から」
京子「……うん、考えてみる! ありがと、綾乃!」
京子(成功――かな?)
結衣「――ってことがあってさ」
千歳「それは……やりすぎやなぁ、歳納さん。犯罪スレスレやん」
結衣「あいつを救ってやりたいな…」
千歳「少し距離おいてみたらどうなん? 綾乃ちゃんに預けてみるとか」
結衣「距離を?」
千歳「まずお互いを客観的にみるのもいいんちゃう? そのまま綾乃ちゃんとくっついてもそれはそれで」
結衣「……考えてみるよ。ありがとう、千歳」
結衣(成功――かな?)
京子「いた、千鶴! ちょっと相談が」
千鶴「うるさい黙れ」
京子「……お願いグスッ もう千鶴しか頼れない」
千鶴「……なんだよ」
京子(ちょろいぜ)
京子「ヒック ヒック」
千鶴「歳納京子を……殴る蹴る…か」
京子「体は治っても心は痛いんだよ」
千鶴「……」
京子「ねぇ千鶴……私の力になってくれr」
千鶴「なにがひどいんだ?」
京子「え?」
京子「いや、だって」
千鶴「私だって殴れる。ほら」バシッ
京子「痛っ、ちょっ、痛っ」
千鶴「鼻血出たんだっけ」バシッ
京子「待――あ、鼻血。待っ」
千鶴「生きてる証だな」ドゴッ
京子「いだっ、誰か、助け!」
結衣(くそっ、千鶴さんがいない。先こされたか)
結衣(まぁ、でもどうせ京子に千鶴さんは説得できな――)
千鶴「鼻が折れると鼻血は口から出る。これマメな」
京子「許し……」
千鶴「おっとバスが急ブレーキ」バシッ
京子「ぼうやべで、ばぶう」
結衣「やめたげてよお!」
京子「結衣……助け…」
結衣「もうやめてください!! 泣いてる子もいるんですよ!!」
千鶴「……」
京子「結衣……」
結衣「しゃべらなくていい!」
京子「この前……ごべんね」
結衣「……忘れたよ」
千鶴「ずっと仲良く、な」
京子「千、鶴……?」
千鶴「じゃあな」
~数日後~
京子「ほーれwwほーれw」
結衣「やめろってばwww」
京子「待てよwwwwほーらwww」
結衣「おいwwwまた怒るぞwwwwww」
京子「ほれほr」
結衣「やめろよーww」バシッ
京子「痛っ……」
結衣「あ。ごめん……」
京子「うそーwww」
結衣「ふざけんなwww」バシッ
京子「あ、痛っ……目あたった」
結衣「あ。ごめん……」
おわり
向日葵「……」
櫻子「……」
向日葵「……中に出すなって言いましたわよね」
櫻子「……姉ちゃんがコーラで洗えば大丈夫って言ってt」
向日葵「バカかお前」バシッ
櫻子「痛っ……あ、鼻血」
向日葵「あ」
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません