やよい「うっつー!」(148)
やよい「プロデューサー。おはようございまーす」
P「おおやよい、おはよう!朝から元気だな!」
やよい「そんなことないですよー。正直今も吐き気と頭痛が抑えられないです」
P「そうか!今日も一日頑張ろうな!」
やよい「頑張るとか、言わないでください」
P「すまんすまん。ま、景気づけにいつものやるか!」
やよい「ハイ。タッチ」
パァン
やよい「いえい」
P「うんうん」
P「何かがおかしい」
うつでも目に見えて態度に出さないやよいマジ天使
P「なあやよい」
やよい「何ですか」
P「なんかこう、いつもと雰囲気が違うな」
やよい「そうなんですか」
P「うん」
やよい「……」
P「……」
やよい「……」
P「……や、やよいがいつもより元気ないかなーって」
やよい「私は、元気だけが取り得ですもんね」
P「いや、そういう話じゃ!」
やよい「あんまり……大きな声出さないでほしいですー」
P「す、すまない」
やよい「……」
P(どうしよう)
やよい(体が重いです)
やよい(頭が重いです)
やよい(何もしたくない)
やよい(何もしない、ということすらしたくない)
やよい(いや)
やよい(私には何もできないのかな)
やよい(何かをするための権利のようなものを)
やよい(私は持ってない気がする)
やよい(……でも、お仕事)
やよい(家族や、765プロの皆のためにも、お仕事しなきゃ)
やよい(お仕事しなきゃいけないのに)
あとは任せた
>>9
冗談はよすんだ
P(原因はわからないけど、どうやらやよいは酷く落ち込んでるみたいだ)
P(今日は午前中に取材が1件、午後にダンスレッスンか…)
P「やよい。午後に入ってたレッスンだけど、あれはやめにしよう」
P「どうやら疲れてるみたいだし、今日は取材だけ頑……」
P「取材だけに変更。どうかな?」
やよい「……はい」
P(やよいの表情が一瞬、強張った)
P「……うん。記者の方が来るまで1時間くらいあるし、まあ楽にしててくれ」
やよい「……」
やよい(プロデューサーに心配されてる)
やよい(私がいけないんだ)
やよい(私が、落ち込んでるから)
よし、その調子だ
マジで消えた?
やよい「プロデューサー」
P「なんだ、やよい?」
やよい「大丈夫です、私」
P「え?」
やよい「ちょっと疲れてただけなので、レッスンもやります!」
P「大丈夫か? 無理はしなくても…」
やよい「大丈夫、大丈夫です」
P「…そういうことなら。ただ無理はするなよ?」
やよい「はい」
やよい(どうしてやるなんて言ったんだろ)
やよい(やりたくない、今お仕事なんてしたくないのに)
やよい(でもプロデューサーに言われたから。心配させてるから、わたしのせいで迷惑かけてるから)
やよい(これ以上何もしないわけにはいかないよね)
やよい(でも、辛い)
「やよいちゃん、大丈夫? 今日動きが遅れ気味っていうか」
やよい「あ、はいすみません」
やよい(やっぱり駄目なんだ、私なんかが無理矢理頑張ろうとしても)
「…うーん、ちょっとだけズレてる。気持ちだけなんだけど、もう一回やってみてもらえるかな?」
やよい「…は、い」
やよい(はぁ、無理だなぁ。これ、無理だ)
「あっ…えっと、やよいちゃん?」
やよい「……」
「大丈夫? もしかして具合が悪いとか」
やよい「違います…違うんです…」
やよい(私がいけない…どうしてできないの、なんでやれないの、どうしてやらなきゃいけないの)
やよい(…はぁ)
「そう? でもどうしても無理そうなら今日じゃなくても…」
やよい「ーーあぁ」
「えっ?」
やよい「嫌」
「や、やよいちゃん?」
やよい「やだやだやだやだやだやだやだやだやだやだぁ!!!」
「ちょ、ちょっとやよいちゃん!!?」
P「…はい、どうもすみません。ありがとうございます、それでは」
P「…やよい」
やよい「やだ……やだ、もうやだ……」
P(やよいらしくない、本当にあのやよいかと疑ってしまうほどに元気のないやよいがそこにはいて)
P(単に仕事によるストレスかと思ったが、違ったみたいだ)
P(これは、鬱病らしい)
やよい「はぁ、私、私、はぁ」
P「……やよい」
P「少し話そうか?」
やよい「……話?」
P「そう、話。最近いそがしくてゆっくりできてなかったろ?」
やよい「でも……でも……」
P「落ち着いて、深呼吸だ」
やよい「すぅー……はぁー……」
P「さて、どんな話をしようかな……そうだ、最近やよいの家にいけてないけど、みんなは元気か?」
やよい「みんな……みんな……元気です、私以外は……げんきかなーって」
P「元気か、それはいいことだ。どんなふうに元気なんだ?」
やよい「長介は元気すぎて弟たちと喧嘩するし、かすみは浩三に泣かされてるし、最近はみんな私が言ってもいうこと聞いてくれないし、お父さんはずっと家にいてお酒飲んでるし、バーゲンでお肉買えないし、もやしで料理をつくるとみんな不満そうだし、それにそれに」
P「(あかん)」
やよい「それに……それに……もう、いやです……」
P「いや……か」
やよい「なんで、こんなにつらいのかなーって」
やよい「家族のため、765プロのために頑張らなきゃって……元気だけがとりえだから」
P「やよい、それは……」
やよい「元気って……なんだでしたっけ……? 頑張るって、なんでしたっけ……?」
P「…………」
正直、やよいがうつになる要素が思いつかん
やよいの脳内の元気、というものが何か分からなくなったら一発だろうな
やよい「私、つらいです、プロデューサー……」
P「ああ……」
やよい「なんで、私だけがこんな思いをしなきゃならないのかなーって……」
やよい「家族も、みんな好きなのに、いなくなればいいのにって、考えちゃうんです……」
やよい「そうしたら、私も、らくになるのかなーって……」
P「やよい、それは……」
やよい「そんなふうに考えちゃうことが、一番つらいんです……みんな、大好きなのに、そうじゃなくなっちゃうのが、嫌いになっちゃうのが、たまらなく怖くて、つらいんです……」
やよい「私は、どうしたらいいんでしょう、プロデューサー……」
やよい「私は、どうしたら、みんなを好きなままでいられるのでしょうか……?」
P「……やよい!」ダキッ
やよい「えっ……?」
P「つらかったな、つらかったな、やよい。そんなにつらいのに、やよいはずっとたえてきたんだなっ!」
やよい「ぷろ、でゅーさー……」
P「俺が、俺がそばにいる……どんなになっても、絶対に離さない! やよいは、一人じゃないよ」
P「俺がいる! 765のみんながいる! やよいの家族がいる!」
やよい「……プロデューサーってあったかいですね……」
P「で、どうしたら良いでしょうか?」
小鳥「なぜ私に聞くんですか……」
P「やよいはいま寝てますけど、情緒不安定気味で……なんとか落ち着かせないと」
小鳥「それはわかりますが……うーん、いきなりみんなと一緒にするとパニックになりますよね?」
P「おそらく……」
小鳥「家のことも有るでしょうし、困りましたね……」
P「えぇ……」
なんか、かいてるとこっちまでうつな気分になるわ
すでに二人が途中で投げてる意味がわかった
小鳥「とりあえず、お父さんを何とかしなきゃダメですね」
P「そうですね。職は安定してはいなかったみたいですが、家族のために頑張ってた方ですから」
小鳥「そんな方が腐ってしまっていてはどうしようもありませんよね」
P「ちょっと、やよいの家に行ってきますね」
小鳥「では、私はやよいちゃんの様子を見ておきますね」
P「おねがいします」
P「とりあえず、やよいの家まで来たが……」
P「ええい、ままよ。気合をいれろ!」パンッ
P「ごめんくださって酒くさっ!」
父「ああん? なんだ……ってPさんじゃないか! さぁ、あがってください」
P「あ、すいません」
父「どうしました? やよいがなにか……?」
P「……そうですね、やよいになにか、最近変わったことはありませんでしたか?」
父「……回りくどいのはやめましょう、Pさん。やよいが、どうしたんですか?」
P「では、単刀直入に言わせてもらいますが、やよいはうつ病です」
父「やよいが……うつ病……」
P「そこで、本当のことを聞きに来たのです。最近、やよいはどうでしたか? なにか変わったことは?」
父「やよいは……そうですね、良くも悪くもいつもどおりでしたよ。無理していたのはわかりますよ、こんなんですが親、ですからね」
P「ではなぜ!?」
父「Pさん、実は俺、ここ半年、しばらく働いてなかったんですよ」
P「半年も家で酒をあおっていたと?」
父「なかなかキツイ言い方をしますね。いや、当然か……」
父「酒に溺れていたのはここ1ヶ月です。どんなところにいっても雇ってもらえなかった」
P「それは……」
父「毎日、やよいがアイロンをかけてくれるスーツを着て、あちこちまわりました」
父「ですが、どこも全滅……そして、ふと思ってしまったんです。なんでこんなに頑張らなきゃいけないんだろうって」
父「娘はアイドル、その父親は日雇い、派遣のほぼフリーター。私なんかよりも娘のほうが稼いでる」
父「俺は……私は、娘に嫉妬していた」
P「…………」
父「こんな生活を強いられていて、そして自分も仕事に家事と忙しいはずなのに」
父「そんなことはいっさい表に出さず、家族を支えてくれた。それは、本来親の仕事です」
父「だからでしょうかね、親がやるべき役目をこなしているやよいにどこか嫉妬していた。自分は必要ないんじゃないかと卑屈になっていた」
P「それは、逃げてるだけじゃないですか」
父「はっきりいうね、Pさんは。これは2度目か……ですが、そのとおりです」
父「娘から、家族から逃げていた。自分のちっぽけな自尊心でやよいに嫉妬し、卑屈になっていた」
父「父親、失格ですね……」
P「そう思っているなら、挽回してください」
P「貴方は、たった一人しかいない、やよいたちの父親なんですから」
父「そう……ですね。このままだとみんなダメになりそうだ」
P「貴方なら、なんとかなると信じてます」
父「何とかしますよ。子どもたちの面倒を見るのが、親の義務ですから」
父「やよいのこと、頼みます。やよいが戻ってくるまでには胸を張って父親といえるよう頑張ります」
P「お任せください!」
P「というわけで、一応話はつきました」
小鳥「そうですか、それは良かったです。どんなかんじでした?」
P「彼も、誰かに話を聞いてもらいたかったのかもしれません」
P「俺はなにもしてませんし」
小鳥「プロデューサーさんって不思議な空気まとってますからねー、人の悩みとか聞き出しやすいんじゃないですか?」
P「どうなんでしょう……」
すまん、寝るわ
SAN値がゴリゴリ持ってかれる
やよい「……プロデューサー」
P「お、やよい。目が覚めたか」
やよい「ごめんなさい」
やよい「私、プロデューサーにたくさん迷惑をかけました」
P「謝ることなんて、やよいは何一つしてないよ」
やよい「でも、すっごく悪いことしちゃった気がして」
P「俺はプロデューサーだぞ?アイドルに頼られるのが仕事だ」
やよい「……そういう言葉のひとつひとつが、とっても嬉しいかなーって」
P「やよい……」
やよい「プロデューサー。お願いがあります」
やよい「私、当分の間、アイドルの活動を……お休みしたいです」
やよい「お仕事が、アイドルが嫌いになったわけじゃありません」
やよい「でも自分でわかったんです」
やよい「今の私は、駄目だって」
やよい「もう一度、皆に元気を与えられるぞ、って思える日が来たら……」
やよい「そのときはまた、この事務所で……」
P(やよいはそこまで言うと、とうとう涙を抑えきれなくなってしまったようだった)
P(この日は結局、俺の車でやよいを家まで送った)
P(玄関では高槻家が総出で待っていて、俺とやよいを暖かく出迎えてくれた)
P(しかるべき治療、家族や自分自身との対話を通した精神状態の改善。そして活動復帰)
P(そういった明るい未来が、そのとき俺には見えたんだ)
P(やよいが765プロに来ることは、もうなかった)
数週間後
『765プロ高槻やよい 活動休止の真相!?』
『貧乏アイドル、その家庭環境』
『高槻やよい 活動当時のギャラ』
小鳥「……予想はしてましたけどね」
P「ええ。各誌にあることないこと書かれてますね……」
P「決定的なネタはまだ掴まれてないみたいですが……時間の問題かもしれません」
小鳥「プロデューサーさん、落ち着いてください」
P「え……落ち着いてないように見えます?」
小鳥「……シャーペン。折れてます」
P「……」
P「ともかく、やよいのところに連絡してみようと思います」
小鳥「そうですね。先週電話したときはわりと元気そうでしたよね?」
P「今もそうだといいんですが……」ピッポッパ
ツー ツー ツー
P「繋がらない……。なんとなくですけど、嫌な予感がします」
小鳥「プロデューサーさん」
P「え。なんでしょう」
小鳥「パパラッチには、気をつけてくださいね」
P「……ありがとうございます!行ってきます!」ダダッ
小鳥「……」
小鳥「やよいちゃん……」
P(結論から言うと、高槻家には誰もいなかった)
P(書置きが一枚と、見覚えのある財布……べろちょがちゃぶ台の上に置かれているだけ)
P(書置きの内容は端的なもので)
P(順調に癒えつつあったやよいの心がマスコミらの報道によって再びダメージを負ったことや)
P(静かな土地で暮らすことへのちょっとした期待とそれ以上の大きな不安について)
P(あくまで簡潔に記されているだけだった)
P(俺は少し泣いた)
P(泣いた目をこすってべろちょを探ると、中から1000円札が出てきた)
P(お札のふちや透かしの部分の空白には)
P(「ごめんなさい」という小さな字がびっしり敷き詰められていた)
P(俺は、「ああ」とうめき声のようなものを出して、また泣いた)
じゃあ完
べろちょじゃない、べろちょろだ
起きると終わってた
P(あれから1ヶ月と数週間)
P(やよいのことで処理しなければならないことは多々とあったので、すぐにとは行かなかったが、一段落したので)
P(まとまった休みをもらった。社長や音無さん曰く、ひどい顔つきだったらしい)
P(だからといって特にすることはなく、こんな俺から仕事を取ると、あとに残るのはくたびれたスーツと疲労した心だけだった)
P(幸いなのは、やよいの件で765プロが内部崩壊しなかったことだろうか)
P(みんないい子たちで、やよいのぶんも頑張ろうとしてくれている)
P(どこかでテレビを見たやよいが笑顔になれるように、と)
P(そんなみんなの強さが、活力が羨ましく思う)
P(かつての俺も、そうだったのだろうか?)
P(今の俺には、なにも、ない)
P(長く電車に揺られ、目指す先は祖母の家だった)
P(とんでもないど田舎で電車は一日、朝と夜に1本。バスは2時間に1本しかない)
P(まだ子供の頃、夏休みなんかによく親に連れられてきたものだ)
P(自然と、人のあたたかさにあふれているような場所だった)
P(だからだろうか、もう祖母のいない祖母の家を目指しているのは)
P(電車が目的地に止まった時、俺の他に乗客はいなかった)
P(大人、一人が通るには少々狭い改札を抜け)
P(駅というにはちっぽけで小さな建物をでて、土地を踏みしめた時)
P(懐かしい、土と木々の匂いが鼻腔をくすぐった)
P(俺の頬を一筋、なにかが流れた)
P(俺は、泣いていた)
P(祖母の家を目指して歩く)
P(この地を歩けば、よみがえるのは10歳もいかない頃の記憶)
P(泥だらけになりながら、全く価値の無い石を集めたり、土を掘り起こしたりした)
P(虫や魚を捕まえ、親と祖母に自慢もした)
P(祖母の家を目指して歩けば歩くほど、記憶は鮮明になり)
P(まるでここには、幼い頃の俺が存在し、過ごしているかのように錯覚した)
P(子供の頃、疲れなど気にせずこの一本道を駆け抜けた)
P(大人になった今、疲れきった心でこの一本道を歩いている)
P(子供の頃、虫取り網を片手に虫を追いかけた)
P(大人になった今、カバンを片手に思い出を追いかけている)
P(子供の頃、100円を握りしめ、駄菓子屋に走った)
P(大人になった今、余計な金銭を持ち歩き、駄菓子屋を通り過ぎた)
P(俺は……ここで)
P(俺はここで、全てを終わらせようとしている)
P(俺の色あせていても、懐かしく、大切な記憶がたくさんある、ここで)
P(俺は、最高の親不孝をしようとしている)
P(そんな俺にも、この地はやさしく微笑んでくれているような気がした)
P(そう、思いたかった)
P(いつからだろうか、もういない子のことばかりを考えているのは)
P(いつからだろうか、もういない子の影ばかりを追いかけているのは)
P(いつからだろうか、もういない子のそばにいたいと思ったのは)
P(いつからだろうか、もういない子のそばに行こうと思ったのは)
P(いつからだろうか、こんなにも、弱くなってしまったのは……)
P(バスで片道1時間はかかる道を、俺は3時間かけて歩いた)
P(不思議と疲れはない)
P(それは、俺がすでに疲れきっているからだろうか?)
P(すでに足の感覚はなく、心の感覚もない)
P(いつの間にか、目の前には思い出の詰まった祖母の家があった)
P「ただいま、おばあちゃん」
P(不思議と、そんなことを口にしていた)
P(この瞬間だけは、昔の幼い自分に戻ったような気がした)
P(また、頬を何かが流れた)
P(鉢植えの下から鍵を取り出し、家の中に入る)
P(ホコリと古い畳の懐かしいにおいがした)
P(それは、自分を子供の頃に帰すには十分すぎるものだった)
P(ここに来るまでは落ち着いていた心が、感情のダムが決壊する)
P「ごめん、ごめんな……」
P「俺が、しっかりしないから」
P「俺が、俺が……」
P「ああああぁぁぁぁぁああああーーーーーーーー………」
P(それは後悔)
P(それは懺悔)
P(それは逃避)
P(それは言い訳)
P(それは裏切り)
P(それは解放)
P(泣け叫んだあと)
P(疲れた心は、壊れた心は、なぜか穏やかだった)
P(もう迷いはない)
P(俺はーーーーーーー……)
人いないかもだが、とりあえず多数決で
やよいと再会
できるか、できないか
下3つくらいで
P(思い切ってからは早かった)
P(家を徹底的に掃除することにした)
P(幼い頃、そして今の恩返しだ)
P(柱に刻まれている幾つもの跡)
P(裏にあるくみ取り式のトイレ)
P(子供の頃つくった秘密基地の材料)
P(ここには、思い出と優しさが詰まっていた)
P(掃除が終わったとき、外は暗かった)
P(そこにあるのは静寂)
P(夏ならば蝉の声でも聞こえたのだろう)
P(自分以外、この世にはいないのではないのかとすら錯覚する)
P(いや、ひょっとするとそうなのかもしれない)
P(朝、清々しい)
P(こんな気持は久方ぶりだ)
P(それは、再会の予感)
P(もってきたカバンから真新しいスーツを取り出す)
P(ここに来る前に買ったものだ)
P(スーツに袖を通すと、新品特有のゴワゴワした感じがある)
P(はじめてスーツを着た時、親は泣いていた)
P(祖母には、ついぞ見せることがかなわなかった)
P「みていますか、おばあちゃん。そして、ごめんなさい」
P(俺は、ネクタイをしっかりと締め、その上から荒縄も締めた)
P(机の上に立ち、柱にしっかりと括りつける)
P(そこには汚い字で)
「Pさんじょうっ!」
P(と書かれていた)
P(幼い自分が、祖母に抱えられ刻んだものだ)
P(自分は、その横に)
「P was here」
P(と刻んだ)
P(そして、俺はーーーーーー)
?「うっうー」
P(ああ、ようやく……)
終わりです
当初の予定では、普通にやよいと再開できる予定だった
昨日途中で寝たし、ハッピーエンドで終わらせたかったんだけど
多数決だから仕方ないよね!
できない多数だと普通に再会できたのかという疑問を残しつつ乙
>>106
再会できないの場合だと
Pが立ち直ってそっからもっかい安価か多数決でやよいと再会する
予定だった
コレ以上は蛇足じゃね?
じゃ、一応かくか
このままだと後味悪いし
>>89から
P(やっぱり……できない)
P(それに、こんなことをして、どんな顔でやよいに会えばいいのかわからない)
P(……バカだな、俺は)
P(やよいのことを考えずに、自分のことばかり)
P(やよいにあっても、誇れるような自分でいよう)
P「さて、まずは家の掃除から始めるか」
P「なんだろうな、この家も、外の景色も、さっきとは少し違って見える」
P「ああ、懐かしいな、この柱、よく背を測っては刻んだな」
P「ははっ、落書きまがいのことまで掘ってるし」
P「どうするかな、これから……」
P「とりあえず掃除は終わりか」
P「スーツしかないしな……ここで服なんか買えたか?」
P「そういや、来るとき、なんちゃら商店だかってとこ通ったよな」
P「あそこで食料買って、電話しよう」
P「服は……まぁ、スーツでいいか」
P「と思ったがすでに外は暗いな」
P「明日だな……」
P「そういや、ここでスイカとか食べたっけなー」
P「懐かしいな……」
P「電気は一応通ってるのが救いだな」
P「親が維持してて助かった」
P「長いわ、この一本道」
P「来た時はよく歩いた……あ、気分落ちてきた」
P「時間の経過とともにこの感じもなくなるのかな」
P「やよいのこともどうも思わなくなって……」
P「それはいやかなーって」
P「やよい……」
P「なんてしてる間に商店に到着」
P「うわ、インベーダーゲームじゃん! 懐かしいな」
P「とりあえず電話するか」
小鳥「あら? プロデューサーさん。どうしました?」
P「いえ、死んでませんよっていう報告だけしようかと思いまして」
小鳥「死のうとしてたんですか!?」
P「あ、いやー……あはは」
小鳥「と、とりあえず! 早まっちゃダメですからね!」
P「大丈夫ですよ、はい」
P「よし、買うだけ買ったし帰るか」
P「そういや、駄菓子屋があったな」
P「懐かしき、金太郎飴でも買って帰るかな」
P「そうそう、こっちの裏のほうにあって、初めて見つけた時はなんか特別な物を見つけた気になったよな」
P「今の俺なら、駄菓子全種類買えそうだ」
P「そういや、店主はどうなってんだろ? けっこう歳だったよな……」
店主「まだまだ現役だぞ」
P「おわっ!?」
店主「なにを驚いてる。まだ足は有るぞ。坊主」
P「はは、その呼び方は相変わらずなんだね」
店主「ワシにしたらお前なんかガキもガキだ」
P「それは傷つくな」
P「やっぱり金太郎飴だよな」
P「いや、しかし、水飴やスナックも捨てがたい」
やよい「私はわたあめがすきかなーって」
P「たしかにわたあめも捨てがたい、だが所詮あれは砂糖、をふくらませただけ、そんなものに100円も……」
やよい「私はすきですよ? 甘くて美味しいんです!」
P「や、やよいっ!?」ガシッ
やよい「はわっ」
P「幽霊じゃないよな!? 足はあるか!? 足は!?」ペタペタ
やよい「くっ、くすぐったいですよー」
P「ホンモノ……本物だ……」
店主「坊主はあれかペドだったか」
P「せめてロリコンと言え! じゃない! やよいじゃないか!」
やよい「えーっと、お久しぶりです! プロデューサー!」
P(やよいの父親曰く親の勤めを果たすため自然豊かななにもないところで0から家族支えあって生きていこうとしたらしい)
P(その考えは功を奏し、日に日に元気を取り戻していったらしい)
P(やよいは素直で真面目な子だ。周りの影響も大きかったのだろう)
P(ある程度自給自足が成り立つ上に、家族の絆が深まるらしく、都会に帰るつもりはないらしい)
P(問題は……)
やよい「プロデューサー! 晩御飯一緒にどうですか?」
P「ああ、いつも悪いな。いつもいつもお邪魔じゃないか?」
やよい「そんなことないですっ! プロデューサーがきてくれるとみんなよろこびますし! ……私も」
P「ん? なんかいったか?」
やよい「なんでもないです! それに、プロデューサーはいつか、買えちゃうから、いつまでもプロデューサーと一緒に入れるわけじゃないですし」
P「はは、やよいはかわいいなあ!」
やよい「えへへ」テレテレ
P(問題は俺も都会に帰りたくないことかな)
誤字訂正
やよい「なんでもないです! それに、プロデューサーはいつか、買えちゃうから、いつまでもプロデューサーと一緒に入れるわけじゃないですし」
↓
やよい「なんでもないです! それに、プロデューサーはいつか、帰っちゃうから、いつまでもプロデューサーと一緒に入れるわけじゃないですし」
あ、終わりです
やよい「プロデューサー!もやし一袋…いえ、二袋で買いますっ!」
P「やよいはかわいいなぁ」
最後に誤字とかしまらないですが
とりあえず終わりです
うつなよりはいいかな……?
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません