ハルオミ「聖なる探索も終わりだな……」主人公「……」 (58)


※主人公は男です(あらゆる意味で)


ハルオミ「俺たちの聖なる探索は、ある一つの結論を以って一旦終わりを迎えた」

主人公「……」

ハルオミ「即ちゴール地点こそが、俺たちにとってのスタート地点であった――と」

主人公「……」コクリ

ハルオミ「母なる大地……約束の場所。あらゆる男が、いや人類が、最後に必ず帰るべき理想郷」

主人公「……」

ハルオミ「かくして円環は閉じ、聖なる探索の旅路は最果てにして原初の地へと至ったわけだ」

主人公「……」



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ハルオミ「ははっ、そんな顔をするなよ相棒。確かに一度目の、一周目の旅は終わったさ……しかし」

主人公「……!」

ハルオミ「ああそうだ。一度目の旅は、いわば大海原への船出」

主人公「……」

ハルオミ「寄せては返す波の音、気ままな潮風の薫り、愛らしい海鳥の鳴き声を枕に夢見た、あるかもないかもわからない宝島への大航海」

主人公「……」

ハルオミ「しかし、二度目の旅は少々趣が異なる。俺たちは無謀な船出の末に、既に光輝く宝石をその手に収めている。そうだろ?」

主人公「……」コクリ

ハルオミ「ならば、俺たちが次に為すべきは……もはや、皆まで言う必要もないよな?」

主人公「……」





「「手に入れた宝石(おっぱい)を、愛でること」」

(例のBGM、スタート)




ハルオミ「……」ピシガシグッグッ

主人公「……」ピシガシグッグッ



ムツミ「ハルオミさんと副隊長さん、真顔で何をしてるんでしょう?」

フラン「ムツミさん、アレは接触禁忌種と言うんです。よく覚えておきましょうね」


ハルオミ「さすがだよ、お前。さすがは俺の見込んだ男だ」

主人公「……」テレテレ

ハルオミ「そう。俺たちはこれまでに、ニーハイ、低露出、生脚、そして胸と多くのムーヴメントに出会ってきた」

ハルオミ「その戦術的効果を実地で検証し、実用化まで後一歩、というレベルにまで漕ぎ着けた……しかしだ!」

主人公「……」

ハルオミ「本部に提出した俺の具申書、『女性隊員の着衣各種が及ぼす男性隊員への視覚的効果を利用した新たな編隊理論』は、旧時代の陋習に囚われたお歴々どもにあっさりと握り潰されたッ!」

ハルオミ「あまつさえ、謂れのない言いがかりを付けられて査問会に召喚される始末ッ!!」ダンッ!

主人公「……」ポンポン

ハルオミ「……時代の変革に挑む者は、いつだって世の爪弾き者とされて辛酸を舐めてきた。そんな今の俺の気持ちをわかってくれるのは、お前だけだよ……」

主人公「……」ポンポン



ナナ「あれー、ギル? そんな隅っこで何してるの?」

ギル「……他人のふりだ」


主人公「……」

ハルオミ「とにもかくにも、俺たちの夢は『組織』や『慣習』という壁に阻まれたわけだ」

主人公「……」

ハルオミ「ああ、哀しいな……ヒトという種の愚かしさを、象徴しているようですらある」

主人公「……」

ハルオミ「だが……な」

主人公「?」

ハルオミ「今になって考えるに、俺の側にも省みるべき点が、まるでないでもなかったような気がしてな」



エリナ「……まるでないと思ってた時期もあったんだ」

アリサ「ドン引きですね」


ハルオミ「そこでだ。そこで思い至ったのが」

主人公「……第二の旅路」

ハルオミ「……さすが、話が早くて助かるぜ、相棒」

主人公「……」グッ

ハルオミ「そう。俺たちはあるいは、急ぎ過ぎたのかもしれないんだ」

ハルオミ「宝箱を掘り当てたことに浮かれすぎて、より肝心な、黄金の、その詳細な鑑定をやや蔑ろにしていた嫌いは……否めない」

主人公「…….『独断は独善を生み、孤独を深め、また新たな独断を生む』」

ハルオミ「へえ、耳が痛いな。誰の言葉だい?」

主人公「byソーマ・シックザール」

ハルオミ「ほう……」



コウタ「言ったの?」

ソーマ「今からでもなかったことにできねえかな、アレ」


ハルオミ「と、まあ。さんざ前振りが長くなっちまったが、これから俺たちがやろうってことは実にシンプルだ」

主人公「……」

ハルオミ「これまでは一つの、ある特定のテーマに絞ってから、それに即するモデルを俺の人脈から探索してきたわけだが」

主人公「次に為すべきは、探求」

ハルオミ「いかにも。今回はまず、先にモデルの存在が立つ」

ハルオミ「そしてそのモデルの『美』を際立たせているテーマを、あるいは更に惹き立たせるテーマを、俺たちの力で探求していくんだ。多角的な視点からの調査は研究の基本だからな」

主人公「……それが」

ハルオミ「それこそが」


「「聖なる探求」」

(例のBGM、再びスタート)


ハルオミ「……」ピシガシグッグッ

主人公「……」ピシガシグッグッ



エミール「はっはっは、美しき哉友情! 願わくば僕もあの輪に加わりたいものだが」

エリナ「ますますどうしようもなくなりそうだからやめて。切にやめて。っていうか話の意味わかってる?」

アリサ「あれ、より直接的なセクハラに切り替わっただけですよね」

カノン(あの音楽どこから流れてくるんでしょうか……)


ハルオミ「さて、記念すべき新・第一回のモデルだが。お前に何か当てはあるか?」

主人公「……?」

ハルオミ「なに、俺にももちろん腹案はあるんだがな。ただ、ここまで俺と二人三脚でやってきたお前のことだ」

ハルオミ「まったく、なんにもないってことはないだろ? ならここらで一度、お前の探求に俺が付き合うってのも」

主人公「……」フルフル

ハルオミ「! そうか、こりゃあ野暮だったな」フッ

ハルオミ「そうだな、俺たちには俺たちなりの、形ってものがあるもんな」

主人公「……」コクリ


ハルオミ「ならばお言葉に甘えて発表させてもらおう」

ハルオミ「新時代を拓く俺たちの聖なる探求、その栄えある第一回モデルケースは……!」

主人公「……!」ゴクリ

ハルオミ「極致化技術開発局ブラッド所属、シエル・アランソン隊員だ!!」クワッ

主人公「!!」



ロミオ「……この場にシエルがいなくてよかった。あらゆる意味で」

ナナ「シエルちゃん、副隊長相手だと丸め込まれかねないもんねー」


ハルオミ「ふふ、ちょーっと顔色が変わったな」

主人公「……」

ハルオミ「だが、ここまで来て引き返そうってのはナシだぜ」

主人公「!」ガタッ

ハルオミ「はは、悪い悪い。別に、お前の覚悟を疑ったわけじゃあないんだ」

主人公「……」

ハルオミ「心配するな、俺が見るにあの子は理解のある側の人間だよ。なにせケイトがそうだったからな」

主人公「……」ビックリ

ハルオミ「ケイトも昔、俺の探索をよく手伝ってくれたもんだ……」シミジミ



ロミオ「マジで?」

ギル「悲しいことに、マジだ」

コウタ「グラスゴー支部始まってんな……」


ハルオミ「それじゃあ早速、シエル嬢のそそるバディ……ゴホンゴホン!」

ハルオミ「……学術的興味を惹かれる身体的特徴について話し合っていこうか」

主人公「……」

ハルオミ「その眼は……長々と語り合うまでもない、既に答えは決まってる、ってことだな」

主人公「……」コクリ

ハルオミ「ふっ。もちろん、俺にだって考えはある。そしてそれはきっと、お前の求めるところと一致しているはずだ」

ハルオミ「だって俺たち……仲間だろ?」グッ

主人公「……」グッ

ハルオミ「じゃあ、答え合わせといこうか。せーのでいくぞ」

主人公「……せーの」




「「バスト!」」




主人公「……」

ハルオミ「そう、その通りなんだ。その通りなんだよ」

ハルオミ「円環の旅路の果てに約束の地へと辿り着いた俺たちには、今さらよそ行きの、飾り立てた答えなんて必要ない」

主人公「青かろうがなんだろうが、いいものは、いい」

ハルオミ「恥じることなど、何一つないんだ……(遠い目)」



フラン「そこで恥じらいを抱けないのは人間としてどうなんでしょう」

ソーマ「なんていうか……原始的だよな、あいつら。いろいろと」


ハルオミ「聞こうか同志。シエル・アランソンの胸部装甲が有するエナジィ、その眼目とは」

主人公「上質なシルクのブラウスに覆い包まれた膨らみの、貞淑さを体現したかのような秘匿性」

主人公「自由の扉を開かんとする双丘の、籠の中の鳥にも似た、ある種限定された躍動感」

主人公「そして、その相反する二点が醸し出す、矛盾撞着の悩ましさ」

ハルオミ「閉じ込められているからこその躍動感、飛び出そうともがくからこその閉塞感、か……胸部装甲そのものの質は?」

主人公「彼女の性格そのままに、緊張感あふれる張りの良さ」

主人公「それでいて時折、見るものの気持ちを和ませるような柔らかさを窺わせる、そのアンバランス」

ハルオミ「見た目は大和の峰々を思わせる豊潤な美巨乳……」

ハルオミ「しかしてその白肌の下には、親しくなった者にしかわからない雪解けの手触りが広がっている――というわけか」

主人公「……」

ハルオミ「……悪くない。実に、悪くない」グッ

主人公「……それが嫌いな人は、認められない」グッ

ハルオミ「だな。では次のステップに進もうか」

あ、だめだこれねむい
続きはまた明日
シエル直覚が便利だから毎回連れてってるけどぼくはおっぱい星人じゃありません(迫真)




「「「「…………」」」」



ナナ「あれ、そろそろ止めるべきじゃないかなー?」

ロミオ「ウチの副隊長まで査問会行きになったら、正直シャレになんないよな」

ギル「じゃあロミオ、お前止めてこい」

ロミオ「なんで俺!? お前行けよ、お前の身内だろ!?」

ギル「俺はまだ死にたくないんだよ……社会的に」

ロミオ「ハルさんもう社会的に死んでんの!? 副隊長も!?」ガーン

ナナ「肉体的、精神的には不死身っぽいけどねー。ギャグ補正入ってるし」


アリサ「何が怖いって、直接触ったことがあるかのようなあの口振りですよ」

エリナ「いや、いくら先輩でもそれは……それは…………それは………………」

カノン「ないとは言い切れないあたり、また恐ろしいんですよね……」

エミール「ふうむ。話の意味はよくわからないが、肝心のシエル嬢は今どこにいるのかね?」

フラン「リッカさんの要請を受けて、リンドウさんの神機に適合する新型バレットの試射及び監修に出ています」

フラン「ヒバリさんの話では、お帰りはしばらく先になるとか」

コウタ「もしかしてあの人、それでこんな話を切り出したのか」

ソーマ「本人を目の前にした程度で、臆するタマとも思えんがな……ん? 誰か来たな」


ガシャン


ムツミ「あ、いらっしゃいませー」ペコリ


ハルオミ「するとやはり、あのコルセットが要か? ガンホルスターよりかは……」

主人公「しかし更なる解放感を求めるなら……」

ハルオミ「いや待て、その場合ボトムスの選定からやり直しになるぜ」

主人公「やり直すだけの価値はある」

ハルオミ「……! 確かにお前の言うとおりだ。日和ってたのは俺の方だったか」フッ

主人公「(その目は優しかった)」

ハルオミ「ははっ、また一つお前に教えられちまったな」

主人公「……」

ハルオミ「……よし! これで決まりだ。今回の聖なる探求では、シエルのお」




??「お待ちなさい」

(例のBGM、ストップ)



ハルオミ「! 誰だ!」

主人公(この声は……)


ジュリウス「……何をやっているんですか、ハルオミ隊長。副隊長まで一緒になって」

主人公「……」

ハルオミ「誰かと思えばブラッドの隊長さんじゃないか。それに、今しがた聞こえた鈴の音は……」



ラケル「……うふふ」ニコニコ



ハルオミ「これは、ラケル・クラウディウス博士ではありませんか。お久しぶりです、相変わらずお美しい」

ラケル「あら? 私、貴方と面識がありましたでしょうか?」

ハルオミ「以前、ふとした折にご挨拶させていただいたのですが。ご記憶にない?」

ラケル「ええ、まったく」ニコニコ

ハルオミ「はっはは、これは手厳しい」


ジュリウス「ハルオミ隊長」

ハルオミ「おやおや、どうしたんだい怖い顔して?」

ジュリウス「我が部隊の副隊長を引きずりこんだ上で、私の部下に関して不埒な考究を推し進めているものと見受けましたが」イライラ

ハルオミ「え? 不埒って、どのへんが?」キョトン

主人公「??」キョトン

ジュリウス「とぼけないでいただきたい! シエル・アランソンのきょ……胸囲に関して、人目も憚らずのたまっていたでしょうが!!」

ジュリウス「いい大人のすることですか、それが!!」ギロッ

ハルオミ「いい大人だからこそ……人目も憚らず、こんな話ができるんだぜ?」キラッ

主人公「」キラッ

ジュリウス「その不愉快なキメ顔をやめろ! 副隊長お前もだ!!」


ハルオミ「まあまあそう青筋立てなさんなって(笑)」

主人公「(笑)」

ジュリウス「」ピキピキ

ラケル「ジュリウス、少しいいかしら?」ニコニコ

ジュリウス「……どうされましたか、ラケル先生?」

ラケル「よろしければ私からも、お二人に申し上げたい儀があるのですが」ニコニコ

ハルオミ「ほ?」

主人公「?」

ジュリウス「せ、先生が?」


ラケル「聞けば貴方方は、女性の身体的な特徴を捉えて学術的な研究を進めているそうですね」

ジュリウス(学術……的……?)

ハルオミ「ええもちろんです。ゆくゆくは学会への発表も視野に入れてます」

主人公「……」コクリ

ジュリウス「えっマジで?」

ラケル「なるほど。貴方方は真剣なようですね」

ハルオミ「ええ。この上なく真剣ですよ、俺たちは」

主人公「……であるからこその、聖なる探求」

ラケル「しかし、いかに真剣で、大真面目であったとしても」

ラケル「貴方方の行いが持つところの意味は――紛れもなく、女性という種への冒涜なのです」ニッコリ

ハルオミ「なっ……!?」

主人公「!?」

ジュリウス(……え? ここ笑うとこ?)


ラケル「考えてもごらんなさい。貴方方が推進する女性研究、その方法論からは、ある一つの重大なファクターが抜け落ちているではないですか」

ハルオミ「そ、それは一体?」

ラケル「『意志』です」

主人公「!!」

ハルオミ「意志……?」

ラケル「そう、意志。私の主要な研究テーマでもあります、『意志の力』。人を人足らしめる指向性、と言い換えてもよいでしょう」

ラケル「極みを論ずれば貴方方が追究する女性美とは、タンパク質をはじめとする雑多な元素がいかな形で結合するのか、その結果でしかありません」

ラケル「ではなぜ、我々はそこに造形美を見出すことができるのでしょうか。それはタンパク質の塊が『意志』を有しているからに他ならないのです」

ラケル「人は、人であるからこそ美しいのです。貴方方は女性に、彫刻の美しさを求めているのですか? そうではないでしょう?」

ラケル「だのに貴方たちは、人の意志を跨ぎ越して、形のみの美しさに囚われている。それが私には許せないのです。だから貴方方の行いは冒涜だというのです」

ラケル「……私の言いたいことは、理解していただけましたでしょうか?」ニッコリ


ハルオミ「……」

主人公「……」

ジュリウス(さ、さすがはラケル先生。この二人をあっさりと黙らせてしまった)

ラケル「そう、ですから例えば、先ほど貴方方が引き合いに出していたシエル」

ジュリウス(それに引き換え、俺は情けないな。部下の奇行を御することも満足にできないとは)

ラケル「あの子を語るに際して、確かにあの胸囲は捨て置けないでしょう。しかしそれだけでは不完全なのです」

ジュリウス(いや、弱音を吐いている暇はない。今やブラッドは、俺にとって家族のようなものだ)

ラケル「あの子の内面を推し量って初めて、貴方たちの探求は次なるステージへと昇華する」

ジュリウス(誰一人欠けることなく、この残酷な世界を生き抜いていくためにも)

ラケル「そう、例えば……私ならば本研究に次のような命題を考究クルーとして追加し、この究明にまずは全力を注ぎます。即ち――」

ジュリウス(俺が、俺がもっと強くならねば――)






「『シエル・アランソンはクーデレなのか、あるいは素直クールなのか?』」

(例のBGM、スタート)





主人公「!」ガタッ

ハルオミ「!」ガタッ

ジュリウス「」


ハルオミ「そうか、『属性』……ッ!」

ラケル「人を人足らしめる上で外せない、余りにも巨大なファクター。外見(キャラデザ)と双璧を成すもう一つの柱。それが」

主人公「『属性』……」

ラケル「そう、例えば……私のこよなく愛してやまない極東アニメーションに、佐○杏子というキャラクターが登場します」

ラケル「もちろん彼女はその見目麗しさのみでも十二分に愛らしい。ぶっちゃけ一目惚れでした」

ラケル「しかし、何より私の心を捉えて離さなかったのは、彼女の意志の力(意味深)だったのです」

ラケル「高い戦闘能力を有しながらも、他者と馴れ合うを良しとしない孤高の戦士。杏子はぁはぁ」

ラケル「その仮面の奥に、ふとした折に覗かせる捨て犬を思わせる表情が、私の心臓の内側を羽毛でくすぐるかのように刺激し、とめどない愛を囁いてくる」

ラケル「私が身寄りのない子どもたちを引き取るようになったのも、今にして思えば、杏子ちゃんの面影を求めてのことだったのかもしれませんね……(遠い目)」

ジュリウス「!?」

ラケル「あら、私としたことが、随分と話が逸れてしまいましたね。シエルのふかふかおっぱいに話を戻しましょう」

ジュリウス「ちょ、ラケル先生、今何か聞き捨てならないことを」


ハルオミ「シエルの胸部装甲は、ただ胸部装甲のみをもって完結するわけではない、と?」

主人公「……」

ラケル「ええ、ええ。そういうことなのです」ニコニコ

ラケル「たとえ同じふかふか胸部装甲だとしても、その持ち主が女王様なのか引っ込み思案なのかツンデレなのかによって、持ち得る意味は千差万別」

ハルオミ「『クーデレ』と『素直クール』か……昨今では混同されがちなところもあるが……」

ラケル「副隊長、両者の定義を簡潔に述べなさい」

主人公「一般にクーデレは、クール形態とデレ形態を切り替える」

主人公「対して素直クールは、クールな表層を維持したまま行動面においてデレる」

ラケル「……パーフェクトです、副隊長」ニッコリ

ハルオミ「俺たち神機使いからしてみれば、刀身と制御ユニットほどの違いがあるってわけか」

ハルオミ「この差異を解釈することで聖なる探求にもたらされるフィードバックは、とてつもなくでかいぞ……!」


ラケル「目を瞑って、心を落ち着けて、想像してごらんなさい」

ラケル「クーデレおっぱいと、素直クールおっぱい」

ラケル「ほら。言霊として口に出してみるだけでも、両者の違いは歴然でしょう?」ニッコリ

ハルオミ「おお……!」

主人公「……!」コクコク



ジュリウス「あ……あ……?」ガクガク

ロミオ「助けて先生! ジュリウスが息してないの!」

ギル「息してないのは主にその先生のせいだけどな……」

ナナ「とりあえず避難させとこっか、うんしょっと」ズルズル


ハルオミ「それで、実際のところどうなんだ? シエルは」

主人公「……クーデレというには、『クール』の時期が短すぎるかと」

ハルオミ「ほう。つまりお前は素直クール派ってことか」

主人公「……」

ラケル「私から補足しておきますと、シエルがブラッドに入隊してからデレる(BA覚醒)までおよそ7ミッションほどでしたわ」

ハルオミ「もうデレたのか!」

主人公「来た! デレ来た! メインデレ来た!」

ラケル「これで勝つる! という程度には早かったようですね」



ソーマ「……想像以上にチョロいな、あの娘」

コウタ「誰かさんを彷彿とさせるよな……」

アリサ「わ、私のデレはもう少し段階を踏みましたよ!?」

フラン「語るに落ちています、アリサさん」


ハルオミ「しかし……素直クールだとすると、それはそれで問題が発生しないか?」

主人公「……」

ラケル「改めて素直クールの要諦に触れますが、ストレートすぎる愛情表現と一切ぶれないクールな表情」

ラケル「二つの要素間に生ずるギャップにその萌えが凝縮されていることは、火を見るよりも明らかですわ」

ハルオミ「そこにいくとシエルは……」

主人公「……」

ラケル「表情の起伏もそれほど豊かではありませんし、紛れもなく素直な子ではあるのですが……」

ハルオミ「愛情表現がど直球かつ、恥じらいを表に出さないタイプなのかと言われると、疑問符を付けざるを得ないな」

主人公「……」



エミール「ふむ、時にエリナよ。今さらだが彼らは何を、そしていったい何故、あんなにも真剣な表情で討論を交わしているのだろう?」

エリナ「……ほんっっっっっっとうに」ハァ

カノン「今さらですね……」ハァ


ラケル「やはりあの子はクーデレなのではないかしら?」

主人公「……」

ラケル「ふかふか柔らかクーデレシエルっぱい。ほら、耽美な響きでしょう?」ニッコリ

主人公「しかしそれではクール成分が欠乏していることとの整合性が……!」

ハルオミ「いや待て、思考に枷を嵌めては偏見のもとだ。ここはあえて、第三勢力『天然真面目』を議論の俎上にのせても」

ラケル「なるほど……シエルは真面目すぎるほどに真面目な子、その真面目さが空回り気味なところに萌えを見出すというのですね」

主人公「確かにシエルは真面目ですが、天然というほど常識を弁えていないわけでも」

ハルオミ「じゃあ単なる『真面目ちゃん』か?」

ラケル「そもそも真面目とクールの差別化が不十分なのでは?」

主人公「だったらそもそも……」


アーダコーダ アーデモナイコーデモナイ


コウタ「平和だな……」

ロミオ「平和っすね、コウタさん……」

エミール「ははは、平和なことは何よりだぞ、諸君!」

ソーマ「お前の頭も相当に平和な部類に入ると思うがな……ん、女どもはどうした」キョロキョロ

ギル「付き合いきれなくなったか、それじゃなきゃ通報でもしにいったんじゃないですか(適当)」

ソーマ「そうか……」

コウタ「お前死ぬほどどうでもよさそうだな……」

ソーマ「死ぬほどどうでもいいからな……」

ギル「俺たちにとっちゃ死活問題なんですけど」

ロミオ「副隊長と上役が同時に査問会行きとか、部隊解散ものの不祥事だろ……なあジュリウス……あれ、ジュリウス?」


ハルオミ「結論は出たな」

主人公「……」コクリ

ラケル「『真面目よりのクール』38%、『天然気味のデレ』62%を含有する、変則クーデレシエルっぱい」

ハルオミ「……いい」

ラケル「ええ……実にいい」

主人公「……」

ハルオミ「はは、感動のあまり言葉にならないか」

ラケル「無理からぬことです……これほどまでに実りある討議は、私としても久々でしたもの」ウフフ

ジュリウス「……」

ラケル「あらジュリウス、おかえりなさい」

ジュリウス「ラケル先生……フライアに帰りましょう」


ラケル「……」

ジュリウス「先生は疲れているんです。研究に没頭するだけの日々が、知らず知らずのうちに先生の心を蝕んでしまったんです」

ラケル「……」

ジュリウス「だから、先生。もうこんな、人間の底辺どもと馴れ合うのはやめてください」

ラケル「……」

ジュリウス「腐ったみかんの群れに正常なみかんを放り込めば、時を待たずして腐り果てるのが必定」



ハルオミ「地味にかなり酷いこと言われてるなー」アッハッハ

主人公「……」

ソーマ(正論だぞ、底辺の腐ったみかんども)


ジュリウス「ですから、もうこんな」

ラケル「…………………………くすっ」

ジュリウス「? 先生?」

ラケル「く、すっ。ふふ。ふふ、ふふふふふ」

ハルオミ「おや、ラケルはかせのようすが……?」

ラケル「ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ腐ふふふふふふふふふふふふふふ」



エミール「ふむ、何やら黒幕チックな微笑が」

ギル「割と初期からやらかしそうな雰囲気はあったけどな」

ロミオ「あー、わかるわかる。多分ラスボスか、それに準ずる立ち位置なんだろうなー、とは薄々察してた」

コウタ「いや、察してたなら止めろよ」


ジュリウス「せん、せい?」

ラケル「ふふ、ふふふふふっ。ごめんなさい、貴方の勘違いがおかしくて、つい」クスクス

ジュリウス「……俺がいったい、何を勘違いしていると?」

ラケル「ジュリウス。何がそうなのかと聞かれれば……」

ラケル「貴方は、私という人間について、勘違いをしているのです……ふふっ」

ジュリウス「なっ」

ラケル「ねえ、私の可愛いジュリウス」

ジュリウス「……」

ラケル「私は、わたくしは。私は本当は」

ジュリウス「……」ゴクリ







「私は本当は――最初から、腐っているのですよ?」






ジュリウス「えっ」

主人公「あっ……」

ハルオミ「あっ……」

ロミオ「あっ……」

ギル「あっ……」

コウタ「あっ……」

ソーマ「あっ……」

エミール「?」


ラケル「ああジュリウス、貴方はどうしてジュリウスなの?」

ラケル「貴方こそは私が長年追い求めた、『王』たる資質を持つ唯一無二」

ラケル「全ての偏食因子を受け入れる神の子……!」

ジュリウス「は、はあ」

ラケル「全てを受け入れる資質……そう、言い換えればそれは、天才的総受けの資質」

ジュリウス「えっ、えっ………………えっ?」

ラケル「そう、例えば……ジュリウスとロミオのパーソナリティを数値化してシミュレートを行うと、二人の絡みは高確率でジュリウス受けに収束します」

ジュリウス「待ってください先生」

ラケル「そう、要するに……最近の私のムーヴメントは……」

ジュリウス「おい待てっつってんだろラケ」








「零號神機兵×ジュリウスのジュリウス誘い受け、です」ニッコリ

(例のBGM、スタート)







ジュリウス「ラケルゥゥゥ貴様ぁぁぁぁ!!!!」


後日


シエル「えっ、次のミッションで衣装を?」

主人公「……」

シエル「もしかしてまた、あの晴れ着ですか……?」モジモジ

主人公「……」

シエル「でも、確かにナナさんは肌色面積が減りましたが、でもでも、私の場合はむしろ増えていますし」モジモジ

主人公「……」

シエル「え、違う? 晴れ着じゃない?」

主人公「……」

シエル「はあ、『一見クールだけど意気込みが空回り生徒にからかわれがちで涙目な教育実習生のお姉さん』風戦闘服、ですか……」

主人公「……」グッ


シエル「……失礼ですが、その。この衣装の着用は、戦術上いかなる効果を本作戦に及ぼすのでしょうか」

主人公「……」

シエル「あ、いえ! もちろん、君のことを疑っているわけではないんです」

主人公「……」

シエル「副隊長の仰ることですから、必ずや何か深い意義があるのだと、その点は理解しています」

主人公「……」

シエル「ただ、その……えっと……」モジモジ

主人公「……」

シエル「あの……」モジモジ

主人公「……」

シエル「うう……」モジモジ


シエル「う、うう……そんな目で見ないでください……わかりました、着ます、着ますから……///」モジモジ

主人公「……」グッ



ハルオミ(チョロい)グッ

ラケル(チョロい)グッ




後半ラケル先生無双でごめんなさい
私はハルさんと彼のテーマ曲が大好きです
でもレア先生の方がもっと好きです
ではさようなら

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