男「あんだよこの煙草、メードインチャイナじゃねえかよ」 (13)

男「でもいいか。とりあえず吸ってみよ」ボッ

?「呼ばれて飛び出てジャジャジャーン!」

男「」

?「火をつけていただいたという事は!誰か思いの女性でも!?」

男「誰だあんた」

束子「たばこです!」

男「ヤニカスってことか」

束子「いえ違います!」

男「じゃあ何だ」

束子「煙草の精みたいなものです!」

男「女が飲んだら嫌がられる煙草が女の子の精ね」

束子「あ、信じてませんね!」

男「そりゃそうでしょ」

束子「しかしこれには谷よりも深く、悲しいがあるのです!」

男「どんなだよ」

束子「これを聞いたら貴方も号泣間違いなし!」

束子「それどころか貴方は安易な気持ちで煙草を飲むことをやめ、心から煙草を愛するようになるでしょう!」

男「どっちだよ」

束子「聞きたいですか?聞きたいですか?」

男「とりあえず落ち着いてから話せ」

束子「ワンス・ア・ポンア・タイム・イン・チャイナの話」

束子「当時の山東省に二人のカップルがいました」

男「煙草の話だよな?」

束子「取り敢えず聞いてください!女の方の名前は葉々といいました」

男「男は?」

束子「某としておきましょう」

男「忘れたのね」

束子「二人は相思相愛、おしどり夫婦となるはずでした」

束子「しかし、当時は身分制のまかり通る封建社会です。子供の婚約は親同士が取り決めていました」

束子「その毒牙は二人の仲をも不遇のものにしてしまいます」

束子「彼ら同士の結婚も当然許されませんでした。二人の仲を社会が引き裂いてしまいます」

男「メシウマ」

束子「塞ぎこんだ葉々はそのまま病気にかかり、死んでしまいます」

男「病は気からっていう奴か」

束子「某は気が狂ったように葉々の体を抱きしめたのです」

束子「するとどうでしょう。葉々の体は生き返り、某は神の助けだと泣いて喜びます」

男「ほうほう」

束子「しかし、結局は一度死んだ身です。葉々は3日でまた死んでしまいます」

束子「今度ばかりは某の抱擁も聞きませんでした。某は彼女の死後も、ずっと彼女の事を思い続けていました」

男「流石に可哀想だなあ」

束子「幾星霜経ち、ある日の事です。葉々の墓前に一本の草が生えているのを某が見つけました」

束子「その丈は人並み程あり、葉は手のひら程の大きさをしていたそうです」

束子「薄紅色の花を咲かせ、麻のような種をつけるその植物を」

束子「某は彼女の生まれ変わりと信じ、家へ持って帰りました。当然すぐに枯れてしまいます」

束子「冬になり、某はボロボロになった葉を火にくべてしまったのです」

束子「するとどうでしょう!燃えた煙からいい香りがするではありませんか」

男「それがまさか」

束子「御名答!私でーす!」

束子「その噂を聞きつけた村の人達は、彼からその植物の種を貰い、栽培して嗜んだそうです」

束子「どうですか!?凄いでしょ!?」

男「お前は元カレの名前を忘れた薄情者という事だ」

束子「え?私は葉々じゃありませんよ!その子孫ではありますが!」

男「という事は」

束子「中国人です」

男「尖閣は日本の領土です」

束子「いえ中国の領土です」

男「俺と意見を異にする女はお帰りください。ましてや言葉通りヤニじゃねえか」

束子「え!?いやいや冗談ですよ!私ら煙草にそんな事関係ないですよ」

束子「正直、生えることができたらぶっちゃけどこでもいいです」

男「そうか」

束子「で、飲もうとしていらっしゃった」

男「はい」

束子「思いを寄せる人でもいるんですね!?」

男「いねーって」

束子「はっ!まさか私をご指名だと///」テレッ

男「日本全土の何処をを探しても、煙草が美少女に変わると信じている奴はいない」

束子「美少女!私には身に余る言葉ですよ///」テレッ

男「違うって」

束子「私で良ければ夜の御伴も致しますよ///」

男(!?)

束子「しかし、男さんがいいならですけど///」

男(何だと……!?)

束子「あそこにヤニくさくなるかも知れないですけど///」

男「あ、結構です」

束子「えー。ヤニと一つや二つ、我慢しましょうよー。どうせ肺に溜まりまくってるくせに」

男「翌々考えるとヤニ女とするとか頭どうかしてるわ」

束子「でも私達、クンニされるのが仕事なんですけど///」

男「!?……てフィルター越しじゃねえかよ」

束子「クソッ」

男「今クソって言ったよな」

束子「まあ今日の所は取り敢えず勘弁しましょう。というわけでお休みなさい」

男「おい」

束子「はい?」

男「何故に俺の蒲団で寝ようとする」

束子「やだなあ、私の恰好が見えないんですか?どっからどう見ても人間女の子じゃないですか」

男「だがしかし……」

束子「女の子にソファで寝ろっていうんですか?」

男「……分かった。布団で寝ていい」

束子「わーい!」

男「五月蠅い!その替わりだ、風呂に入ってこい」

束子「………フゥ」

男「なんで鼻で笑われなければならんのだ」

束子「よく考えても見てください。私の原材料は煙草100%ですよ?」

束子「ちなみにこの服はフィルターと巻紙ですよ?」

束子「風呂になんか入ったら、正しく伸びてしまいますよ」

男「クソッ」

束子「私は今日貴方が帰宅後に開封した煙草。汚いわけがないでしょう」

束子「というわけでお休みなさーい」

男「なぜに俺がソファで寝なきゃならんのだ」

束子「一夜明かすなら話は別ですけど?///」

男「お休み」

誰か続きお願い。もう書けない

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