あかり「ソードアート・オンライン?」(150)

京子「そう!巷で話題の人気ゲーム!一万本の購入枠に見事入りましたー!
しかも4つ!」

結衣「どんだけ運がいいんだお前は」

ちなつ「でもそれって確か、ネット環境がないと遊べないんじゃ?」

京子「心配ご無用!実はこっそり部室に回線をつなげておいた!」

結衣「いつの間に……」

京子「はい!じゃあみんなナーヴギア被って……リンクスタート!」

----第一層 はじまりの街----


京子「よっしゃー!ついに来たぞこの世界に!」

ちなつ「……京子先輩。その格好、完全にミラクるんじゃないですか」

京子「そういうちなつちゃんは、なんで男?」

ちなつ「えっ、だって……異性同士じゃないと、結衣先輩と結婚できないし」

結衣「結婚!?」

ちなつ「ヒヒヒ……《倫理コード解除設定》で、あんなことや
こんなことも……」

京子「(なぜそこまで知っている……)」

あかり「あ、あの……あかりもいるんだけど……」

京子「あっ、すっかり忘れてたよ」

あかり「ひどい!?」

ちなつ「……あかりちゃん、なんでそんな地味な顔にしたの?」

結衣「あかり……ゲームの中でくらい、存在感のあるキャラになっても
いいんだぞ?」

あかり「そ、そんなぁ……」

リンゴーン、リンゴーン


あかり「?」

結衣「あれ……中央広場にどんどん人が」

京子「おっ、もしかして私のミラクるんを一目見に!?」

結衣「んなわけあるか」


【Warning】
【System Announcement】


ちなつ「キャー!結衣せんぱ~い!怖いですぅ」

結衣「こ、こら!」

京子「(あざとい……)」

『プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ』


ちなつ「ギャアアアアアアアア!?顔がない!お化けですよ先輩!」

結衣「ち……ちなつちゃん……く、苦しい……」


『私の名前は茅場晶彦。今やこの世界をコントロールできる唯一の人間だ』

キリト「大丈夫か君たち!」

4人「やだこの人かっこいい//」ジュン

~演説終了後~


京子「あぁ……私の渾身のミラクるんがぁ……」

結衣「いや、そこじゃないだろ」

あかり「ふぇぇぇっ!あかり達、帰れなくなっちゃったよぉ!」

ちなつ「……考えようによってはチャンスかも」

あかり「ふえぇっ……?」

ちなつ「これでずーっと結衣先輩と一緒です!」

結衣「お前ら……」








仮想世界、アインクラッドに囚われてしまったあかり達。
彼女たちはこのデスゲームをクリアし、元の世界に戻れるのか?


彼女たちの冒険はつづく……

~ およそ一年後 ~


----第三十五層 迷いの森----


シリカ「ピナ!ピナああっ!」

ピナ「きゅる……」


ガシャーン


シリカ「ピナあああああっ!」

ドランクエイプ「グオオッ!」

シリカ「あ……」

京子「とうっ!」


バシュッ!


ドランクエイプ「グオッ!?」

シリカ「……!?」

結衣「てやあっ!」

ちなつ「たあっ!」

ドランクエイプ「グオオオオオオオ!!」


ガシャーン
ガシャーン
ガシャーン


シリカ「……!」

結衣「……ごめん。君の友達、助けられなかった……」

シリカ「……いいえ……あたしが……バカだったんです……。
ありがとうございます……助けてくれて……」

京子「ふっふ~ん、いいってことよ!」

結衣「調子に乗るな」

シリカ「……でも……ピナが……」

結衣「大丈夫。まだチャンスはあるよ」

シリカ「えっ……」

結衣「使い魔の心が残っていれば、四十七層の《思い出の丘》
にあるアイテムで生き返らせられるって聞いたから」

シリカ「……四十七層……」

京子「今レベルはいくつ?」

シリカ「……44です」

京子「私たちもそんくらいだからさ、皆で行けば何とかなるって!」

シリカ「えっ……」

ちなつ「私たちね、このへんでレベル上げしてたの。
どうせ暇だったし、いいですよね先輩」

結衣「うん」

シリカ「あ、ありがとう……あたし、シリカっていいます」

結衣「私はユイ」

京子「キョーコだよん」

ちなつ「チーナで~す☆」

シリカ「よろしく……へへ、なんだか嬉しいな」

京子「……あれ?」

結衣「ん?どうしたの?」

京子「……なんか、一人忘れてるような……」










ドランクエイプ「グオオオオオオオッ!!」

あかり「いやあああああ!みんなー、どこーーー!?」

----第四十七層 フローリア----


シリカ「うわあ……!」

あかり「わぁい!あかりお花大好き!」

結衣「この層はフロア全体が花畑なんだって。それに……」

ちなつ「きゃー!ここ、有名なデートスポットですよね結衣先輩!」

結衣「……う、うん。そうみたいだね」

シリカ「あ、あの……」

結衣「ん?」

シリカ「みなさんはその……現実世界でもお友達だったんですか?」

京子「そうだよー。同じ学校のねー」

結衣「同じ部活のメンバーだったんだ。ギルド名の《ごらく部》っていうのも、
部活の名前から取ってるんだよ」

シリカ「そうなんですか……いいな……」

京子「え?」

シリカ「あたしは……そういうのなかったから……」

結衣「……」

シリカ「ピナに出会うまではずっと一人で……
近い歳のプレイヤーも、全然いなくて……」

ちなつ「シリカちゃん……」

がしっ


京子「……よし!今日から君はごらく部の新入部員だ!」

シリカ「えっ……」

ちなつ「シリカちゃんはもう私たちの友達!だからもう一人じゃないよ」

結衣「こんなギルドでよかったらさ、好きなだけ居ていいからね」

シリカ「……みんな……ありがとう……」

京子「よしっ!そうと決まれば、さっそく《思い出の丘》にしゅっぱーつ!」

----第四十七層 思い出の丘----


ちなつ「ふぅ……なんとか無事に入手できましたねぇ」

京子「ふぃ~!しんどかった~!」

シリカ「これで……ピナを生き返らせられるんですね……」

結衣「うん。でもここらへんは強いモンスターが多いから、
街に帰ってからにしようね」

シリカ「はい!」

あかり「えへへ……あかり、ピナちゃんに会うの楽しみだよぉ」

「かかれ!」


あかり「えっ……」


がしっ!


京子「~~~!?~~~!!」

ちなつ「ちょ……な、なんですかあなた達!」

ロザリア「あなた達が来るのをずっと待ってたの。その様子だと、
首尾よく《プネウマの花》をゲットできたみたいね」

シリカ「ろ……ロザリアさん……!?」

ロザリア「じゃ、さっそくその花を渡してちょうだい」

結衣「……知り合い?」

シリカ「は、はい……つい最近までパーティーを組んでて……」

ロザリア「そうよォ。戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷり
お金が貯まって、 おいしくなるのを待ってたの」

シリカ「……!!」

ちなつ「この人たち、その人を除いてほとんどオレンジですよ!」

結衣「犯罪者ギルド……やられたね」

ロザリア「ホラ!さっさと《プネウマの花》と持ち金を全て出しな!」

シリカ「イ、イヤ……この花だけは……」

ロザリア「渡さないっていうのかい?だったら死ね!」


ヒュン!


ちなつ「シリカちゃん!」

京子「やめろーーー!!」

結衣「くっ……」

バシーン!


ロザリア「……!?誰……」


バシーン!バシ!バシーン!


手下1「なっ……お、女!?」

手下2「……!ろ、ロザリアさん!こいつ確か《攻略組》ですよ!」

ロザリア「なっ……」


ギロッ


手下3「ひ、ひぃ!」

手下4「お……お助けををををを!」

ロザリア「あ、あんたら何やってんだ!逃げるんじゃないよ!」

ザッザッザッ ……


ロザリア「ふ、ふん。やりたきゃやってみな。
グリーンのアタシに傷をつけたら、今度はあんたがオレンジに……」


ジャキン!


ロザリア「……っ」

あかね「……言っておきますけどね」

あかね「私の妹を傷つける奴は誰だって容赦しませんよ」


あかり「お……お姉ちゃん!?」

結衣・京子・ちなつ「「「えーーーっ!?」」」

ロザリア「ぐっ……お、覚えてなさい!」


ダッダッダッダッダッダッ……




あかね「……ふぅ」

あかり「お姉ちゃん……?お姉ちゃんだよね?」

あかね「うふふ、そうよ」

あかり「お姉ちゃんもこのゲーム買ってたの?」

あかね「ううん。でもなんだか嫌な予感がしてね……」

あかね「友達が買ったナーヴギアを無理やり被らせてもらったの」

京子「…………」

あかね「実を言うとね……このゲームが始まったときから、
お姉ちゃんはずっとあかりを見守ってたのよ」

あかり「えっ、そうなの!?」

あかね「うふふ……お姉ちゃんったら、ハイディングスキルや追跡スキル、
聞き耳スキルまでマスターしちゃった」

あかり「わぁ!お姉ちゃんすごーい!」

結衣「(……追跡スキル?)」

ちなつ「(き、聞き耳……?)」

あかり「あっ、紹介するね!こちら、《ビーストテイマー》のシリカちゃん」

シリカ「さ、さっきは助けていただいて……ありがとうございました」

あかね「あかりの新しいお友達?」

あかり「うん!」

シリカ「よろしくお願いします」

あかね「ふふ、こちらこそよろしく。とりあえず、積もる話は
街に着いてからにしましょうか」

----第三十五層 風見鶏亭----


シリカ「みなさん……行っちゃうんですか……?」

結衣「うん。色々考えたけど、あかりのお姉さんと一緒になって、
私たちも《攻略組》を目指すことにしたんだ」

シリカ「……そう、ですか……」

ちなつ「シリカちゃん……本当に来ないの?」

シリカ「……はい……これ以上、ピナを危険には晒せませんし……」

あかね「そうね……最前線で戦うとなると、そのピナちゃんって子には
かなりキツイでしょうね」

シリカ「…………あ……あたし……」


がしっ


京子「大丈夫!」

シリカ「え……?」

京子「その判断は間違ってないよ。たとえピナちゃんが仮想世界の存在でも、
シリカちゃんがそれを想う気持ちは本物だから」

シリカ「キョーコさん……」

京子「そう……たとえミラクるんが二次元の存在でも、
それを想う私の心が本物なように!」

ちなつ「……最後の一言がなければカンペキだったのに……」

あかね「うふふ……でも、その通りね」

シリカ「……?」

あかね「レベルなんてただの数字よ。そんなものより
もっと大事なものがあるわ」

結衣「うん。だからシリカちゃん、今度は現実世界で会おう。
そうしたら、また同じように友達になれるよ」

京子「ひっひっひー……あっちに帰ったら絶対にシリカちゃん見つけ出して、
またごらく部に誘うからね!」

シリカ「みんな……」

ちなつ「さ、早くピナちゃんを呼び戻してあげよ!」

シリカ「はい!」




ポタン…

シリカ「ピナ……いっぱい、いっぱいお話ししてあげるからね」

シリカ「今日のすごい冒険の話を……」

シリカ「ピナを助けてくれた、私の友だち……
ユイさん、キョーコさん、チーナさん、アカネさんの話を」

あかり「あかりも忘れないでーーー!!?」









シリカの想いを背負い、《攻略組》を目指すあかり達。
彼女たちの冒険はもう少しだけつづく……

それからあかり達は、寝る間も惜しんでレベルアップに励んだ。

あかねのサポートもあり、彼女たちのレベルはみるみる上昇していく。
やがて《ごらく部》の名前は《攻略組》からも一目置かれはじめた。


そして……








----第七十五層 迷宮区----


京子「ついに来たあああ!この時が!」

結衣「まさか最強ギルドの《血盟騎士団》からお声がかかるとはね」

あかり「えひひ、あかり達初のボス戦だよぉ」

アスナ「……大丈夫だよ。キリト君は、わたしが守る」

アスナ「……だから、キリト君はわたしを守ってね」

キリト「ああ……必ず」




京子「……」チラッ

ちなつ「……何ですか、ジロジロ見て」

京子「……べっつに~」


あかね「……」チラッ

あかり「? どうしたのお姉ちゃん?」

あかね「なっ……なんでもないのよ!」

ヒースクリフ「では行こうか――戦闘、開始!」


攻略組「「「「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」」」」




ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド




あかね「……私たちも行くわよ」

ごらく部「「「「……」」」」 コクッ

ガチャン……




結衣「……」

京子「……」

ちなつ「……」

あかね「……」

キリト「……」

アスナ「……」

ヒースクリフ「……」




アスナ「上よ!!」

シャァァァァァァ……


ちなつ「ひっ……!」

ヒースクリフ「固まるな!距離を取れ!!」


フォン!

攻略組「うぐっ……」

攻略組「……ッ」

攻略組「ぐわあああああっ!!」


ガシャーン
ガシャーン
ガシャーン


結衣「……!?」

京子「ウソ……一撃……?」

キリト「……っ」

アスナ「こんなの……無茶苦茶だわ……」

ギロッ


ちなつ「ひィッ!?」


ギギギギギ……


ちなつ「……!!」

結衣「ちなつちゃん!」


フォン!


ちなつ「ぁ……ぁ……」

ごめん、飯食ってくる

食い終わった。もうちょい待って

ガキィィン!!


ちなつ「……?」

京子「ぐっ……!」

ちなつ「きょ、京子先輩!?」

京子「ぐぬぬぬぬ……!!」

結衣「京子!」

あかり「京子ちゃん!」


ギギ……


京子「……だ、ダメだ……もう……もたな……」

バシーン!!


京子「……!?」

キリト「大鎌は俺たちが食い止める!!みんなは側面から攻撃してくれ!」

京子「……ぁ……ありがとう……」

アスナ「早く行って!」

京子「う、うん……」

結衣「京子!ちなつちゃん!」

京子「おわっ!? ゆ、結衣……」

ちなつ「結衣先輩!」

結衣「バカ……無茶するなよ……」

京子「……ご、ごめん……」

あかね「……みんな、無事を喜ぶのは早いわよ」

結衣「……!」

あかね「行きましょう、私たちも」

ごらく部「「「「はい!!」」」」

第七十五層のボス《The Skullreaper》との戦いは一時間にも及んだ。

《攻略組》が十四人死亡した中、ついに《ごらく部》は一人の犠牲者も出さず、
その激闘をくぐり抜けた。









京子「も、もうダメ……死ぬ……」

結衣「……本当に死にそうだな」

あかり「み、みんな……無事……?」

ちなつ「なんとか……」

あかね「ふふ……みんな、本当に強くなったわね」

あかり「お姉ちゃん……」

ちなつ「……京子先輩」

京子「ん……?」

ちなつ「さっきは……その……ありがとうございました。助けてくれて……」

京子「……!」

京子「……へっへー!可愛いちなつちゃんの為なら、この歳納京子、
命だって捧げちゃうよん」

ちなつ「……もう、京子先輩ったら」

キリト「……!」

アスナ「キリト君……?」


ダッ


ヒースクリフ「!」


ガンッ!


【Immortal Object】


アスナ「……!」

京子「へ?」

結衣「え……」

ちなつ「えっ」

アスナ「システム的不死…?…って…どういうことですか…団長…?」

キリト「これが伝説の正体だ。この男のHPはどうあろうとイエローにまで
落ちないようシステムに保護されているのさ」

ヒースクリフ「……」

キリト「……そうだろう、茅場晶彦」




結衣・京子・ちなつ「「「えーーーっ!?」」」




アスナ「団長……本当……なんですか……?」

ヒースクリフ「――確かに私は茅場晶彦だ。付け加えれば、
最上層で君たちを待つはずだったこのゲームの最終ボスでもある」

あかね「!」

ちなつ「ギャアアアアアアアア!?あのときのお化けですよ結衣先輩!」

結衣「ち……ちなつちゃん……く、苦しい……」

ヒースクリフ「……最終的に私の前に立つのは君かアカネ君だと予想していた。
君は《二刀流》スキルの、アカネ君は《がちゆり》スキルの使い手として……」

あかり「お姉ちゃん、《がちゆり》スキルって?」

あかね「なっ……なんでもないのよ!」

ヒースクリフ「こうなってしまっては致し方ない。予定を早めて、
私は最上層の《紅玉宮》にて君たちの訪れを待つことにするよ」

キリト「……」

ヒースクリフ「だが……その前に……」

ビリリッ


結衣「……!?」

京子「へ……?」

ちなつ「なっ……」

アスナ「あ……キリト君……っ」


ドサッ


あかね「麻痺……!?」

キリト「……どうするつもりだ」

ヒースクリフ「キリト君、チャンスをあげよう。今この場で私と
一対一で戦うチャンスを」

キリト「……!」

ヒースクリフ「無論不死属性は解除する」

ヒースクリフ「私に勝てばゲームはクリアされ、全プレイヤーが
この世界からログアウトできる。……どうかな?」

キリト「いいだろう。決着をつけよう」

アスナ「キリト君っ…!」

キリト「ごめんな。ここで逃げるわけには……いかないんだ……」


エギル「キリト! やめろ……っ!」

クライン「キリトーッ!」

キリト「エギル」

エギル「……!」

キリト「今まで、剣士クラスのサポート、サンキューな」

キリト「知ってたぜ、お前が儲けのほとんど全部、
中層ゾーンのプレイヤーの育成につぎ込んでたこと」

エギル「……っ!!」

キリト「クライン」

クライン「……!」

キリト「…………あの時、お前を……置いていって、悪かった。
ずっと、後悔していた」

クライン「て……てめえ! キリト! 謝ってんじゃねえ!
今謝るんじゃねえよ!!」

キリト「……アカネさん」

あかね「……!」

キリト「……俺にも妹がいるんだ。俺の分まで、妹さんのこと……
大事にしてやってください」

あかね「キリト君……」

キリト「一度でいいから会ってみたかったな……アカネさんの自慢の妹に」

あかり「あかりここにいるよーーー!!?」

キリト「……悪いが、一つだけ頼みがある」

ヒースクリフ「何かな?」

キリト「簡単に負けるつもりはないが、もし俺が死んだらーー
しばらくでいい、アスナが自殺できないように計らってほしい」

ヒースクリフ「良かろう。彼女はセルムブルグから
出られないように設定する」

アスナ「キリト君、だめだよーっ!!そんなの、
そんなのないよーーっ!!」




【changed into mortal object】




キリト「殺す……っ!!」

皆が見守るボス部屋の中、二人の戦いは繰り広げられた。

しかしキリトはヒースクリフに圧倒され、ついに致命的な隙を作ってしまう。








ヒースクリフ「さらばだーーキリト君」

京子「キリトさん!」

あかね「キリト君!」

ちなつ「いやああああっ!」

キリト「ごめんーーアスナ……。せめて君だけはーー生きてーー」

バシュゥゥッ! !


アスナ「……っ」

結衣「えっ……」



バタッ


京子「!!」

アスナ「……」

キリト「うそだろ……アスナ……こんな……こんなの……」

アスナ「……ごめんね」

アスナ「……さよなら」

ガシャーン




ヒースクリフ「これは驚いた。麻痺から回復する手段は
なかったはずだがな……。こんなことも起きるものかな」

キリト「……」

ヒースクリフ「……やれやれ」


ドスッ


キリト「……っ」




【You are dead】




ヒースクリフ「私の……勝ちだ」

ドスッ!!




ヒースクリフ「……!?」


ズブブ……


ヒースクリフ「……ば、馬鹿な……」

ヒースクリフ「すでに死は決まっていたはず……」


ズブブ……


ヒースクリフ「……いや……これは……」

ヒースクリフ「後ろから……!?」

あかり「……っ!」

ヒースクリフ「なっ……いつの間に……」


結衣「あ……あかり!?」

京子「あかり!」

ちなつ「あかりちゃん!」

あかね「……!」


ヒースクリフ「ぐおっ……」

ちなつ「で、でもどうして……麻痺にかかってたはずなのに……」

京子「……そうか!」

結衣「えっ」

京子「なんでアスナさんが麻痺から解けたのかはわからないけど……
あかりの場合、アスナさんとはまた違うんだよ!」

ちなつ「ど、どういうことですか……?」

京子「ズバリ!存在感がなさすぎたせいで、ヒースクリフが
麻痺をかけ忘れたんだ!」

結衣「ぇ……」

京子「しかもあかりは、デュエル終了直後……第三者が干渉できて、
かつ相手がもっとも油断した瞬間を狙ったんだよ!」

ヒースクリフ「ぐっ……こ、この……!」

あかり「ひやああああああ!こっち見ないでーー!!」


ズブブッ!!


ヒースクリフ「ぅおっ……!」


エギル「そうだ……行け!お嬢ちゃん!」

クライン「いけええええええ!キリトの仇ーーー!!」

結衣「あかり!!」

京子「あかりーー!!いけーーー!!」

ちなつ「あかりちゃん!!」

あかね「あかりーー!!」


攻略組「「「「うおおおおおおおおおおお!!!あかりいいいいいいい!!!」」」」

ヒースクリフ「う……ぁ……」




ガシャーン








『アインクラッド標準時 十一月 七日 十四時 五十五分』

『ゲームは、クリアされました。』

『ゲームは、クリアされました。』

『ゲームは、クリアされました。』

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あかり「う……うう……ん」

あかり「ここは……?」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……




あかり「あっ……」

あかり「アインクラッドが……」

茅場「なかなかに絶景だな」


あかり「!」

キリト「あれは、どうなってるんだ?」

茅場「現在、アーガス本社地下五階に設置されたSAOメインフレームの
全記憶装置でデータの完全消去作業を行っている」

茅場「あと十分ほどでこの世界の何もかもが消滅するだろう」

アスナ「あそこにいた人たちは……どうなったの?」

茅場「心配には及ばない。先ほどーー」

茅場「生き残った全プレイヤー、六一四七人のログアウトが完了した」

キリト「……」

アスナ「……」

茅場「……言い忘れていたな。ゲームクリアおめでとう。
キリト君、アスナ君」


茅場「……そして、アカリ君」


あかり「えっ……」

茅場「あの世界で最大の不確定因子はキリト君だと思っていたが……
……どうやら違ったようだね」

あかり「あ、あの……」

茅場「完敗だ。私はそろそろ行くよ」

キリト「……お別れだな」

アスナ「ううん、お別れじゃないよ」

アスナ「わたしたちはひとつになって消えていく。だから、いつまでも一緒」

キリト「……」

アスナ「ね、最後に名前を教えて。本当の名前」

キリト「桐ヶ谷……桐ヶ谷和人。多分先月で十六歳」

アスナ「年下だったのかー。……わたしはね、
結城……明日菜。十七歳です」

あかり「えひひ……私は、赤座あか」

キリト「ごめん……君を……あの世界に……還すって……
……約束したのに……」

アスナ「いいの……いいんだよ」

あかり「…………あ、あの」

アスナ「わたし、幸せだった。和人君と出会えて、今まで生きてきて
一番幸せだったよ」

アスナ「ありがとう……愛しています……」




あかり「……あの……あかりもいるんですけど……」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~




あかり「う……うう……ん」

あかり「今度は……なに……?」




ちなつ「ゆ、結衣先輩!」

ちなつ「あかりちゃんが……あかりちゃんが!」

あかり「ぇ……」

結衣「あかり!」

京子「あかり!」

ちなつ「あかりちゃん!」


ギュッ


あかり「み、みんな……?」

結衣「よかった……本当によかった……」

京子「あかりだけ……目を覚まさなかったから……
……もう、帰ってこないのかと……思った……」

あかり「えっ……」

ちなつ「あかりちゃん!」

あかり「ちなつちゃん……」

向日葵「赤座さん!」

櫻子「あかりちゃん!」

あかり「向日葵ちゃん……櫻子ちゃん……」

綾乃「よかった……よかった……」

千歳「赤座さん、ようやったなぁ」

あかり「杉浦先輩……池田先輩……」

あかね「あかり」

あかり「……!」

あかね「やっぱりあなたは、私の自慢の妹だわ」

あかり「お姉ちゃん……」

京子「あかり……」




「「「「「「「「おかえりなさい!」」」」」」」」




あかり「うん……ただいま、みんな!」


ー完ー

ALO編は書く予定ある?

>>141
ALO編はまだ読んでない……
気が向いたらまた立てるよ



>>1は↓の続き書いたってことでおk?

>>148
おk

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