小鞠「夏海が死んだ……?」 (7)
私が都会の高校に入った年の夏、村をダムに沈める計画があることを知った。
この計画が最初に出たのは2年前、つまり私がまだ中学生で村にいた頃だ。村総出で反対運動をしてて夏海も参加してたみたい。
どうやら夏海が私にはこのことを教えるなって皆に言ってたらしい。妹の癖に生意気だ。
おかげで私は今の今まで何の事情も知らずにのほほんと村を出て行ったお間抜けさんじゃないか。
雪子「ごめんなさい」
お母さんと久しぶりの電話。最近テスト勉強とかであんまり電話に出られなかったからいっぱい話したい事あったのに何を話そうとしてたのか忘れちゃった。
それとなんだよ、ごめんなさいって。謝るくらいなら最初からするなよ。
それもこれも全部夏海が口止めしてたせいだ。せっかくの良い機会だ、お姉さんらしく説教してやる。
小鞠「お母さん! 電話夏海と代わってよ!」
雪子「……」
小鞠「お母さん?」
この時、私の頭の中である疑問が湧いていた。なんで今ダム計画の事を私に話したんだろう。
話す機会ならいくらでもあったと思うけど、それは夏美が口止めしてたせいで私にこの事が届く前に止められていた。
夏海のせいで、夏美がいたから、私には教えられなかった……。それが今になって教えられてるって事は……。
携帯の向こうからお母さんのすすり泣く声が聞こえた。この時点で私はもう気づいていたのかも知れない。
だけど私は何も知らない子供のようにすっとぼけて、頭の中を駆け巡るある予想を必死に否定していた。
雪子「小鞠、気をしっかり持って聞きなさい」
雪子「夏美が――――」
ソVvミヘ/Wv彡vV/ ミ∠ミ::
ミミ _ ミ:::
ミ 二__, --、r'"___、 ヾ ト、::ヽ
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