魔王『勇者よ、よくここまできたな。ここは素直に誉めておいてやろう』
勇者『……』
魔王『確かにこの吾が輩さえ倒せば、人間界侵略は撤退となるだろう。みごとクーデター成功というわけだ』
勇者『……』
魔王『だが、お前では吾が輩を倒すことはできない』
『なぜなら吾が輩には、数億年単位でこの地を支配するべく、不死の魔法が掛けられているからだ』
勇者『……』
魔王『人ながらに魔力を有するとは珍しい。貴様に興味が湧いた、今忠誠を誓えば我が配下にしてやろう』
勇者『いいえ』
魔王『……少し冷静になるがいい勇者よ。貴様が配下になるということは、人間への支配を、貴様がある程度和らげることができるということだぞ?』
勇者『いいえ』
魔王『……なら、仕方あるまいな。わかりやすいだけの正義に殉ずることだけが望みだと言うならば、惨めにここで犬死にするがいい』スッ
勇者『……』
魔王「……!」
女「だからそれはテレビっていって」
魔王「その自慢は昨日聞きました。別にそんなことに驚いた訳ではないのです」
女(テレビにコンプレックスでもあるのかコイツ)
魔王「この写真です。この公園の写真」
女「荒れてるねぇ。なんか最近、この辺りで爆弾魔が出るんだってさ」
女「夜は気をつけないと、特に私みたいな可愛い女の子は」
魔王「跡が、似ている」
女「え?」
魔王「勇者の使った魔法の跡と、さっきの公園にあった窪みの型が」
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