──時々思い出すことがある
男『幼ー、もう進路は決めた?』
幼『私は実家を継ぐって決めてるから』
『男君は?』
男『俺は東京の大学に行くよ』
幼『ふーん…』
──あの時の輝かしい日々を
男『今度さ一緒勉強しない?』
幼『良いよ』
男『俺が英語を教えて、幼が数学を教えるってのはどう?』
幼『良いけど、男君とそんなに変わらないよ数学』
男『でも得意だろ?』
幼『まあね』
男『幼ってさ…』
幼『んー…?』
男『好きなやついるの?』
幼『んー…秘密』ニコ
男『ふーん…』
幼『男君は?』
男『俺はね…』
──結局最後まで言えなかった、本当の気持ちを
男『俺さ、大学に行ってもたまに幼に会いに来るよ』
幼『…うん』
男『だからさ、どこにも行くなよ』
幼『うん』
──そして現実は非情だった
男『幼の家が…』
男母『幼ちゃんの家、経営が良くなかったみたいでね』
『半月くらい前にはもう』
男『そう…』
男母『あんた連絡先くらい聞いてないの?』
男『あいつ携帯持ってなかったから…』
男「あー…講義疲れたー!」
女「お疲れー、男」
「ほい、これ」パス
男「お、サンキュー」
女「今日は夕飯どうするー?」
男「んー…金無いから俺の家で」
女「オッケー」
男「この缶コーヒー飲んだら行くから」
女「はいよー」
男(あー…そろそろ就活やらねえとな)グビグビ
「めんどくせー」
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