綾乃「生徒会から全校生徒にお知らせする事があります」(69)

~お昼休み~

~2-5教室~


結衣「お、綾乃の放送はじまったね」

京子「ああ、例の遅刻撲滅週間の放送だっけ?綾乃も頑張るなあ」

千歳「生徒会のみんなで持ち回りで放送するんよ~」

京子「お昼ご飯とかどうするの?」

千歳「んー、お昼休みが終わる5分前にもう一回放送せなあかんし」

千歳「放送室で食べることになるやろね」

京子「ふーん」

結衣「ほら、綾乃の放送聞いてあげようよ」

『最近、授業に遅刻する生徒が多くなったと先生方から注意を受けています』

『その状況を踏まえ、今週は遅刻撲滅週間とすることにしました』

『お昼休みは1時までですが、5分前には注意を促す放送を流しますので』

『それまでには教室へ戻るようにしておきましょう』

『生徒会からのお知らせでした』

『それではみなさん、良い昼食を』



ガタンガタンッ


結衣「へー、さすが綾乃、しっかりとした放送するなあ」

京子「へへへーん」

結衣「……え、なんでお前が得意げなの?」

京子「だって私のライバルだもんね~♪」

千歳「……ふふふ」ホンノリ


『ふぅ……何とか無事に終わったけど、緊張したわ』


京子「……ん?」

結衣「あれ……?」

『お昼ご飯どうしよう……緊張してるせいか、あんまりお腹すいてないのよね』

『こんな調子だと、2回目の放送で失敗しちゃうかも……』


結衣「……京子、これって」

京子「うん、放送切り忘れてるみたいだね~」

千歳「綾乃ちゃん、おっちょこちょいやなあ……」

結衣「はぁ……どうする?今から放送室に行って綾乃に教えてあげる?」

京子「うん、このままじゃ綾乃可哀そうだし」

千歳「じゃあ、うちが……」


『そうだ、アレをしてリラックスしよっと……』ゴソゴソ



『えっ、と、歳納京子、どうしてここにっ!?』


京子「……え」

結衣「え……」

京子「わ、私まだ教室にいるのに……え?」


『へへへー、綾乃が頑張ってるから応援に来ちゃった!』

『そ、そんなの、必要ないわよっ!』

『ふーん、ほんとに?』

『ちょ、と、歳納京子……顔が近いわ……』

『本当は、緊張してガチガチだったんじゃない?』

『そ、それは……』

結衣「こ、これ、両方綾乃の声だよね?」

京子「な、なにやってるの、綾乃っ///」


『……大丈夫だよ、綾乃、私が緊張の解けるおまじないしてあげるから』

『……と、歳納京子……何を……』

『綾乃の可愛い唇に……おまじないしてあげるの……』

『あっ……』

『……ほら、顔をあげて』

『……としのう、きょうこ……』ンッ

『……』

『……』

『……』チュ


結衣「な、なにこの沈黙」

~1年教室~

『どう?緊張解けた?』

『え、ええ……あ、ありがと』

『ふふふ、キスされた時の綾乃の顔、可愛かったよ……』

『そ、そんな……わたし、可愛くなんて……何時も、怒ってるし』

『……なら、笑ってよ、綾乃、私の為だけに……』

『としのうきょうこのためだけに……?』

『……うん、いいでしょ?』

『も、もちろんよ……だから、だから、もう一回……』

『もう、綾乃は甘えん坊だなあ』

『……』ンッ

『……』

『……』チュッ


向日葵「///」プルプル

ちなつ「///」プルプル

あかり「///」プルプル

櫻子「す、杉浦先輩、すげえ///」

櫻子「ね、ねえ、向日葵、私たちも、ああいう事やんないといけないのかな!?」

向日葵「え、な、なに言ってるんですのっ///」

~科学室~


『……ふぅ』

『そんな展開になってくれれば苦労しないんだけどね……』ハァ

『緊張は解けたけど……歳納京子のお人形相手にこんな事をしても、むなしいだけよね……』ポイッ

『……』

『……こんなに歳納京子の事が好きなのに』

『……』

『どうして気づいてくれないんだろ……』


西垣「ははは、杉浦、なかなかやるなあ」

りせ「///」

~2-5教室~


『はぁ……今頃、歳納京子は船見さん達と楽しく食事してるんだろうなあ……』

『……私も、船見さんみたいに歳納京子を甘やかせてあげたい……』

『お家に泊めてあげて、ご飯作ってあげて、一緒にお風呂入って、一緒の布団で寝て』

『そうやって、新婚さんみたいに2人っきりで過ごせたらなあ……』


クラス「「「…………」」」ジー


結衣「ち、違う、新婚さんとかじゃ無いからっ!」

結衣「きょ、京子からも何か言ってよっ!」

結衣「って、あれ、京子?」

『何時も自分勝手で、周りに迷惑をかけて……』

『けど……周りの子が本当に困ってると、ちゃんと優しくしてくれる……』

『頭が良くて、明るくて、元気で、笑顔が可愛い……』

『歳納京子……』

『それに引き換え、私は、何時も怒ってるし、素直になれないし、成績だってずっと勝てないし』

『私なんかのことを、好きになってくれる可能性なんて無いわよね……』

『……はぁ』

~放送室~


バーンッ


京子「あやの!」

綾乃「ふえ!?と、歳納京子!?」

京子「……」トテトテ

綾乃「な、何しに来たの?お昼ごはんは?」

京子「……綾乃」

綾乃「な、な、な、なによ、顔が、ち、近いわよ///」

京子「私ね、綾乃」ジッ

綾乃「は、はいっ///」

京子「何時も、頑張ってる綾乃が好き」

綾乃「……え」

京子「目標に向けて、一生懸命努力してる綾乃が好き」

綾乃「と、としのう……」

京子「私が忘れ物をするとさり気無くフォローしてくれる綾乃が好き」

綾乃「……きょうこ?」

京子「生徒会で皆の手本になろうとしてる綾乃を見て、格好いいなと思ってた」

京子「綺麗なポニテも好き、ずっと触りたいと思ってた」

京子「怒ってる顔も好き」

京子「たまに向けてくれる笑ってくれてる顔も大好き」

京子「注意してくれてる厳しい声が、最後は優しい声になるのも大好き」

京子「でも、綾乃は生徒会副会長だし……」

京子「私なんかとは、釣り合わないかなと思ってた」

京子「けど、けど、大好きな綾乃ともっと一緒に居る時間を増やしたくて、それで……」

京子「プリントとか、わざと忘れて、綾乃に迷惑かけちゃってたの……ごめん……」

綾乃「と、歳納京子が……私のことを……」

京子「うん、全部、ぜーんぶ、好き」

京子「だーーーいすき!」

綾乃「……!」

綾乃「あ、わ、わたしも、わたしも歳納京子のこと……す、す、す///」

京子「綾乃」ギュ

綾乃「あっ……」

京子「綾乃の気持ちは、もう知ってるの……」

綾乃「ふえ、わ、私の気持ちを……?」

京子「うん……」

綾乃「私が……あの、歳納京子の事が好きだって、事を?」

京子「……うん」

綾乃「ど、どうして……」

京子「え、だって……放送で流れてるし」

綾乃「……は?」

京子「だから、さっきから全校放送で全部流れてるし」

綾乃「……あの、歳納京子、ごめんなさい、何を言ってるのか、意味が……」

京子「綾乃が架空の私といちゃいちゃしてる様子とかも全部流れてたよ?」

綾乃「な、な、な……」

~2-5教室~


『なん!』


クラス「「「///」」」

結衣「///」

千歳「……」ドクドク

~1年教室~


『です!』


あかり「///」

ちなつ「///」

向日葵「///」

櫻子「///」

~科学室~


『ってー!』


西垣「うん、シメサバうまい」

りせ「///」

~放送室~


京子「綾乃、落ち着いて、どうどう」

綾乃「こ、これが、落ち着いてられますかっ///」

綾乃「う、うそでしょ、わたしの、わたしの秘密の楽しみが全校放送でっ///」

京子「まあ、いいじゃない、綾乃だけじゃかわいそうだったから私も付き合ってあげたんだし」

綾乃「え?」

京子「私の愛の告白も、放送されちゃってるから、ね?」

綾乃「あ……」

京子「だから、今日から私達は、公然のカップルだよ」

綾乃「え、け、けど、私、生徒会副会長だし、そのっ、そ、そんなっ……///」モジモジ

京子「綾乃は、私とカップルになるの、イヤ?」

綾乃「え、そ、そんな……い、いやじゃないわよっ///」

京子「じゃ、いいよね……」

綾乃「ちょ、だから、歳納京子、顔が……」

京子「ね?」

綾乃「近い……わ……」


チュッ


~2-5教室~

『んっ、ちゅっ、あっ……としのうきょうこっ』


クラス「「「//////」」」

結衣「//////」

千歳「……」ドクドクドクドク

~1年教室~


『綾乃、可愛い……ちゅっ』


あかり「//////」

ちなつ「//////」

向日葵「//////」

櫻子「//////」

~科学室~

『だ、だめっ、やっ、くすぐったいわ、としのうきょうこっ』



西垣「ん?松本、羨ましいのか?」

りせ「//////」ブンブンブンッ

西垣「あははは、松本は照れ屋だなあ」

京子「だって、私ずっと綾乃の髪に顔をうずめたかったんだもん……」スリスリ

綾乃「も、もう、しょうがないわねっ///」

京子「あのね、綾乃」

綾乃「……なあに、歳納京子」ナデナデ

京子「これからはプリントとか忘れないようにするよ……だから……」

綾乃「じゃあ、私は、歳納京子がプリント忘れてなくても会いに行くことにするわ……」

京子「うん、ありがと……」スリスリ

綾乃「私の方こそ……来てくれて、ありがとう、歳納京子……」ナデナデ




その日の放課後、京子ちゃんと綾乃ちゃんは生徒指導室で一杯怒られました


~翌日~


京子「いやあ、昨日は大変だったよね~」

結衣「ああ、千歳も病院に担ぎ込まれたりしてたしね……」

結衣「というか、良く怒られるだけで済んだなあ……」

京子「うん、西垣ちゃんや会長さん、それに他の生徒の子達も応援してくれたしね」

結衣「そっか……」

あかり(うう、思い出しちゃうから京子ちゃんの顔まともに見れないよ///)

ちなつ(京子先輩、大人!大人ですっ///)

綾乃「としのーきょーこー!」バンッ

京子「ありゃ、綾乃、どったの」

綾乃「……」トテトテ

京子「ん?」

綾乃「もう、放課後は生徒会室に来てくれるって言ったじゃないっ」ペタッ

京子「あっ……」

綾乃「忘れちゃったの?」ギュ

京子「あ、綾乃、あの、皆見てるし、その、抱きつくのは、ね?」

綾乃「何言ってるのよ、あんな放送流れたんだから、今さら照れること無いわよ」ムギュー

結衣「///」

あかり「///」

ちなつ「///」

綾乃「歳納京子の髪、今日もいい匂いがするわ……」スリスリ

京子「わ、判ったから、綾乃、生徒会室に行こ、ね///」

綾乃「ええ、一緒の椅子を2人で使いましょ?そうすれば仕事しながらぎゅって出来るし」

京子「え、え、生徒会室にはひまっちゃんとか櫻子ちゃんとかいるんだよね!?」

綾乃「え、そりゃあ居るわよ、生徒会室だもの」

京子「う、うう///」

綾乃「歳納京子は、私にぎゅっとされるの、嫌?」

京子「い、いやじゃないけど///」

綾乃「私のこと、大好き?」

京子「う、うん、大好き///」

綾乃「私も、私も歳納京子のこと、大好き……!」ギュー

こうして、色々ふっきれた綾乃ちゃんから超絶スキンシップを受けた京子ちゃんは

毎日毎日、いっぱい愛されて

綾乃ちゃんがいないと暮らしていけない身体にされましたとさ

めでたし、めでたし

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