P「最強のアイドルは誰だ!スポーツマンNo1決定戦!」(142)

765プロと876プロのアイドルが筋肉サバイバルバトルに参加した様です!

前スレ
P「最強のアイドルは誰だ!スポーツマンNo1決定戦」 - SSまとめ速報
(ttp://www.logsoku.com/thread/hayabusa.2ch.net/news4vip/1333378934/)

数日前にやっていたものの続きです。
落として&遅くなってしまいスミマセン。
最終種目の最初から書いて行きます。

ここまでの種目別No1

BEACH FLAGS No1我那覇響
MONSTER BOX No1星井美希
QUICK MUSCLE No1如月千早
THIRTY No1水谷絵理
POWER FORCE No1四条貴音
WORK OUT GUYS No1菊地真
TALE IMPOSSIBLE No1如月千早

第七種目終了時の獲得ポイント

1位如月千早 350p
2位菊地 真 340p
3位我那覇響 310p
4位秋月 涼 275p
5位日高 愛 200p
6位星井美希 185p

最終種目 SHOT-GUN-TOUCH

ナレ「この競技は9メートルから15メートルまでの距離からボタンを押し」

ナレ「10メートル上から降って来るバレーボールにダイビングしてタッチする。地面に触れる前に触れればクリア」

ナレ「申告距離は自己申告で試技は3回。ポイントは距離の長さに応じて与えられる」

ナレ「ここで、優勝賞品の紹介が行う」(あのBGM)

ナレ「6位の賞品は賞金10万円と○○ツアーズからの提供の温泉旅行券、5位は~

やよい「えー!この番組賞品が出るんですかぁ!?」

伊織「これだけ体張って、優勝賞品が200万と日産の車っていうのもしょぼい気もするけどね」

亜美「いやいやwじゅーぶん嬉しいでしょw」

真美「2位の車はあの軽自動車だって。伊織ん2位に入ってればいつでも練習出来る様になったのにw」

伊織「二度とやらないわよあんな事!」

伊織「普段トラックでやってるから、軽自動車ならいけるっしょっていうスタッフのテキトーな判断が腹立つわ…!」

真「さーて、とうとう最終種目だね」

響「…真、今迄どこに行ってたんだ?さっきの第二ラウンドが終わってから姿を見なかったけど」

真「ん?ちょっとトイレに行ってただけだよ」

響「…………そうか。なら、良いんだ」

響(あの時は自分の事で精一杯で流してたけど、今思えば真が第二ラウンドなんかで落ちるのはおかしい)

響(確かに真は自分と同じで、瞬発力タイプだからスタミナはそれほどある訳じゃないけど)

響(それでも一般人に遅れを取る真じゃない。最後10メートルも真はスパートをかけなかった)

響(それが意味するのは…)

真「…………」グッグッグッ(足を揉む)

響(言わないし言えないんだな?なら、聞けないし聞かないぞ?)

響「真、これが最後だ。お互い全力を尽くそう」

真「あぁ。言われるまでも無いよ。決着だ、響」

響(真を救けてやれるのは、自分だけだ)

美希「…相変わらずあの二人の周りだけ、ヘンな空気が流れてるの」

千早「ふふふ、まぁ番組に真面目に取り組むのは良い事よ」

美希「でも千早さんはやっぱり凄いの!二種目も一番を取って、今も暫定1位なんて!」

千早「競技との相性が良かっただけよ。我那覇さんと真が消耗してたのもあるしね」

千早「でも、ここまで来た以上は負けたくないわ。総合No1、獲ってみせる」

愛「いよいよ最後ですね、涼さん!」

涼「うん、新人アイドルの私達が、ここまで残れた事を嬉しく思うよ」

愛「絵理さんの分まで、876魂を見せつけてやりましょうね!」

涼「狙うは総合ナンバーワン!だね」

古館「さて本日は長く熱い一日でしたが、とうとう最終種目となりました」

古館「最終種目はお馴染みショットガンタッチ。数々の逆転とドラマを産んで来たこの競技で」

古館「果たしてどんな一ページがコロッセオに新たに刻まれるのでしょうか」

池谷「いや~アイドルだけでやるって聞いた時は、低レベルなお遊びみたいな感じになると思ってたんやけど」

池谷「それは失礼な話でしたね。ヘタしたら俺達以上に真剣に取り組んでて、頭が下がりますわ」

ケイン「ソウデスネ。脱落したミナサンからも、ヒッシさが伝わって来マシタ」

ケイン「ドンナジャンルでもプロのカタは、プロという事デスネ」

古館「さぁ最初に挑戦するのは暫定6位の星井選手!モンスターボックスでは素晴らしいバネを見せてくれましたが」

古館「このショットガンタッチではどうなのか?申告距離は…11メートル!」

※距離の申告は紙に書いて、試技前に全員が箱の中に入れておく

P「11メートルというと、63pか。結構な勝負に来たな美希」

亜美「今回は申告制なんだね」

真美「プロスポーツマンの時は、モンスターボックスみたいに」

真美「皆が同じ距離を挑戦して、失敗したら脱落で、どんどん距離が伸びて行く感じだもんね」

P「あぁ。でも俺はこっちの方式の方が好きだな。競技者同士の駆け引きも楽しめるし」

P「申告距離で、どんな作戦でいくのかも見えるしな」

春香「そりゃあ自分のギリギリの距離を三回するのがベストですけど」

春香「それでミスったらポイント無しですもんね」

P「難しい距離を成功させて、後続にプレッシャーを与えるなんて要素もあるしな」

真美「そういう意味ではこのミキミキの選択はどっちなんだろうね。冒険か堅実か」

伊織「色んな意味で、この美希の試技が基準になるわね」

美希「ふううっ……行くの!」

ダッ!バンッ! ダダダダダダダダッ!

美希「はぁっ!」 バッ!バンッ 

古館「白旗!星井選手11メートルを見事決めました!」

美希「やったの!」

暫定6位→暫定5位星井美希 248p

春香「掌でしっかり受けたね」

伊織「でもまぁ結構ギリギリ。こういう線を見極めるのは上手いわねぇ美希」

P「自分の限界がどこかを見極めるのも、この競技の大事な要素だからな」

続いての挑戦者は暫定5位の日高愛。申告距離は11メートル10センチ」

涼(どれ位が良いのか分かんないから、絵理ちゃんの番号を続けたポイントの距離にするって言ってたけど)

涼(これは意外と悪く無い選択のハズ…決めちゃえ愛ちゃん!)

愛「ふぅー……たああああっ!」

ダッ!バンッ! ダダダダダダダッ!

愛「あああああっ!!!」

バッ! チッ

古館「指先に掠っている!日高選手11メートル10センチをクリアー!」

愛「やりましたぁっ!」ピョンッ

暫定6位→暫定5位日高愛266p

涼(両手を前に出して、ボールを全く見ないでの飛び込み…リスキーだし効率は悪いかもだけど)

涼(それが愛ちゃんらしい、か)

次に挑戦した涼は、同じく11メートル10センチを申告。

涼「らあああっ!」 カッ

指先でしっかりボールを捉えて成功。66ポイントを加算した。

暫定4位→暫定2位秋月涼 341p

P「涼さんもここで優勝争いに割って入って来たか」

亜美「涼お姉ちゃんって地味に好成績残してたもんね→」

真美「なんか地味な印象はぬぐえないけどねw」

春香「さぁ次はこの種目No1大本命の響だね」

伊織「ここまでは皆11メートル付近。どこまで攻めるのかしら」

古館「我那覇選手、一回目の試技の申告距離は…12メートル!」

亜美「12ってw1メートルも上いったよww」

春香「まぁ、響なら決めちゃいそうだけどね。今迄の競技の中でも一番得意そうだし」

貴音「しかし、いかに響といえど、ここまでの疲労が無いハズはありませんからね」

貴音「簡単に決めるという事も…また無いと思います」

古館「12メートル。成功すれば93ポイントが入ります。しかしこの距離は一流アスリートでも簡単ではありません」

響「…………はっ!」ヒュバッ!バンッ! ダダダダダダダッ!

響「…………」ヒュバッ!ボムッ!

古館「ボ、ボールを上へ跳ねあげたー!我那覇選手!まるでバレーのレシーブの様に見事に跳ね上げました!」

響「…よし」

暫定4位→暫定1位我那覇響 403p

春香「…今、手がグーだったよ」

伊織「とんでも無いとしか言い様が無いわね…」

やよい「皆でバレーボールをやるのも楽しそうですね!」

真美「その時は響んとまこちんはチーム分けないとねw」

古館「さぁ続いては現在暫定4位の菊地選手!」

古館「ここまでの競技でも素晴らしいスピードを見せていますが、ここはどんなパフォーマンスを見せるのか!」

古館「申告距離は…11メートル50センチ!」

春香「あれ?真にしては控えめだね」

伊織「まぁ…これで控えめって言うのもどうかと思うけど、響のを見ちゃうとね」

雪歩「…やっぱり、真ちゃん足の調子が悪いんじゃないのかな…」

春香「え?」

伊織「あぁ、あれ結局大した事無かったみたいよ。現にここまであんだけ元気に飛び跳ねてたじゃない」

雪歩「でも、足の運びに違和感があるし…さっきの持久走で痛みがぶり返したのかも…」

伊織「…………」

真「すーはー………行きます!」ダッ!バンッ!ダダダダダッ!

響(!出足が鈍い!)

真「うおおおおおっ!」バッ! ガッ!

古館「おぉっと!?これはどっちだ!赤旗と白旗の両方が上がっている!!これは審議です!」

真「……………」

真美「嘘っ!まこちんやっちゃった!?」

雪歩「やっぱり……」

古館「さぁスーパースローが出ます。どうでしょうか?この角度から見ると触っている様にも見えますが…」

古館「別角度から。これは……触っています!落下直前に指先をボールの下に潜り込ませている!11メートル50センチクリア!」

真「ふうっ危ない危ない」ほっ

暫定4位→暫定1位菊地真 428p

P「首の皮一枚ってトコだな」

雪歩「プロデューサー、真ちゃんは足に故障を抱えてます。棄権させるべきじゃ…」

P「…雪歩、それは俺が決められる事じゃない」

雪歩「え…?」

P「それを決める権利を持っているのは真自身と…これまで戦って来た者だけだ」

響「…………」

1巡目最後の登場となったのは、現在暫定3位の千早。
申告距離は10メートル80センチ。

千早「はっ!」 バンッ!

余裕を持って掌でボールを受け、一巡目は全員成功となった。

暫定3位→暫定2位如月千早 407p

伊織「堅実に来たわね、千早らしいわ」

春香「何か千早ちゃんってヘッドスライディングが似合うよねwこう、ズザザーッ!って感じでw」

1巡目終了時の総合ポイントランキング

第1位菊地 真 428p
第2位如月千早 407p
第3位我那覇響 403p
第4位秋月 涼 341p
第5位日高 愛 266p
第6位星井美希 248p

SHOT-GUN-TOUCH二巡目。
一巡目の手応えと、他の選手のプレーを合わせて考える駆け引きが要求される、勝負の結果を大きく左右する試技となる。
二巡目も最初に登場するのは暫定6位の星井美希。申告距離は1回目から20センチ伸ばしての11メートル20センチ

美希「……………ふぅ」

P「集中してるな、美希」

春香「美希はここ一番に強いですからね~」

律子「あの集中力をいつも出していてくれれば…」

美希「はああっ!」バッ! カスッ

古館「これも触れている!右手をいっぱいに伸ばして指先に掠らせました!」

美希「ふ~ギリギリだったの。危ない危ない」

暫定6位→暫定5位星井美希317p

亜美「点差的に、ミキミキは愛ぴょんに勝てるかどうかって感じだね」

真美「流石に上位に追いつくのは無理みたいだしね→」

伊織「走力に大きな差は無いから、どっちも全部成功すれば順位は変わらないだろうけど…」

愛「たああああっ!」バッ! ズザザーーッ!

春香「あ、愛ちゃんも決めたね。11メートル20センチ…あれ?」

やよい「赤い旗と白い旗が両方上がってますね。届いてる様に見えましたけど…」

絵理「…届いてますよね?尾崎さん」

尾崎「そう見えたけど…」

古館「スロー再生が出ます。距離は届いてる様に見えましたが…あ~これは」

池谷「ボールが手の脇に落ちてもうてるね」

ケイン「目をつぶってトんでマシタカラネ、ボールの落下イチがビミョウにズレたのが不運でしたね」

古館「赤旗が上がりました!日高選手11メートル20センチ失敗!」

愛「あぅ…ズレちゃいました」

涼「ドンマイ、愛ちゃん」

愛「でももう一回ありますもんね!次は絶対触ります!」フンス

涼「うん、その意気だ。私達は新人なんだから、どんどん攻めていかないとね!」

続く涼は11メートル40センチに挑戦。

尾崎「ちょっと伸ばし過ぎじゃないかしら?さっきもそれ程余裕があった訳じゃないし」

尾崎「涼ちゃんは上位がミスをすれば優勝の目もあるんだし、ここは慎重にいっても…」

絵理「…何となく、涼さんの気持ちは分かります」

絵理「ただミスを待ってるだけでは、良い流れを持ってくる事は出来ない」

絵理「良い結果が出るとは限らないけど…私達は挑戦者ですから」

尾崎「なるほど、ね」

涼「だああああっ!」バッ! チッ

愛「やったあ!!成功ですよ涼さんっ!!」

暫定4位→暫定2位秋月涼416p

P「お~ちょっと無理かと思ったけど、気合いで届かせたな」

律子「私の従弟ですからね。あれ位はやってくれないと」フフン

響(後2回で全部が決まる。1位の真との差は25p)

響「はっ、そんな算数はどうでも良いさー。ただ自分の限界に挑戦するだけだ!」

古館「我那覇選手、2回目の申告距離は…12メートル50センチ!これは物凄いギャンブルに出ましたっ!」

真美「えええっ!?さ、流石に響んそれはやり過ぎじゃ…」

律子「真のあの様子を見れば、さっき余裕で成功した12メートルを後2回続ければ、楽に勝てるでしょうけどね」

春香「私ならそうしますけどねっw」

雪歩「響ちゃん……」

響(見てろ、真。この距離を決めて教えてやる。自分には絶対敵わないって事を)

響(それなら、もうそんな脚で全力で走る必要は無いだろ?)

古館「さぁ大一番。間違い無くこの成否がショットガンタッチの…総合No1を決める分水嶺となるでしょう!」

響「…………」

響が集中力を高める。この競技は距離が10センチ離れただけで難易度がハネ上がる。
12メートルは余裕があったとはいえ、この距離は十分に失敗の可能性がある事を響は理解していた。

響(…自分の脚だって、ここまでよく持ってくれたって思う)

響(頼むぞ…後二回。あの白いボールが落ちるまでに自分を赤い落下点に運んでくれ!)

響「ふううぅぅぅ…」

スタート位置からボタンの位置までは約1メートル程。
その短い距離でトップスピードに乗り、ボタンを出来るだけ距離を稼いで押さなければ、成功は無いと響は思う。

キィィィィィィン

全身に力を漲らせて

響「覇あっ!」 シュバッ!…バンッ!

轟っ!と雷光の如きスタートを切った。

ヒュッ

ボタンを押すと同時にボールが落下してくる。
自分とボールの、ボールと地面の、残りの距離。
間に合うか間に合わないか、無意識に計算しようとするのを理性で止め、響は飛ぶ。
出来る出来ないじゃない、やるんだと意志を込めて

響「さあああああっ!!!」ヒュバッ!!!

チッ

その決断は、成功という形で報われる事となる。

響「しゃああああああっ!!!」グッ!(ガッツポーズ)

暫定4位→暫定1位我那覇響 521p

古館「我那覇選手吠えたあっ!12メートル50センチをクリアーッ!!!懸命に伸ばした右手中指で捉えました!」

春香「や、やりおったであの子…」

亜美「なんで関西弁なのwまぁ驚くのは分かるけどさw」

P「完璧としか言い様が無いな。体が小さいっていうハンデを回転の速さで完全に補った」

律子「速いのは勿論ですけど、それ以上に無駄が無いのが響の強みですね」

律子「荒々しい様に見えますけど、スピードを一切殺さないダイブを自然にやってますから」

>>45訂正
P「完璧としか言い様が無いな。体が小さいっていうハンデを回転の速さで完全に凌駕した」

真美「521pで暫定1位…これはもう響んに決まった様なものかな?」

伊織「12メートルからポイントの上がり幅も上がるみたいだしね。まず間違い無いでしょ」

春香「何気にテールインポッシブルでの3位が効いてるよね~優勝賞金でご飯奢って貰おっとw」

雪歩「まだ…分からないよ」

貴音「雪歩…?」

雪歩「真ちゃんの試技が、まだ2回残ってるんだから」

響の快挙に沸いた余韻の残る中行われた、千早の2回目の試技。
申告距離は11メートル10センチ。これを確実に決め、千早は66pを加算した。

暫定4位→暫定2位如月千早 473p

春香「う~ん手堅いねぇ千早ちゃん」

P「千早の立場で見れば、ギャンブルをして多少ポイントが取れても大きな意味は無いからな」

P「これもこれで真剣さが伝わって来る良い選択だ。勇気と蛮勇は別物だからな」

千早(私と我那覇さんの差は48pこれはもう次での我那覇さんの失敗を祈るしかない)

千早(我那覇さんがミスをするとは思えないけど…次の真次第では、最終申告もリスクのある距離を選ぶかもしれない)

千早(…優勝の可能性が完全に潰えるまでは、諦めない)

響「真、見てたか?自分のダイブ」

真「あぁ。凄かったよ、流石響だ」

響「だろ?ははは何せ自分はカンペキだからな!」

響「……だから、真は自分には勝てないよ」

真「!…………」

響「こんな事、本当は言いたくないから一度しか言わないぞ?」

響「棄権しろ、真。その脚で自分に勝つのは、100パーセント無理だ」

真「………良いね、そういう台詞を聞くと、余計に燃えて来るよ」ニコッ

響「今は冗談を言ってる場合じゃない!モンスターボックスの時とはヤバさが違うんだ」

響「そんな事は真が一番分かってるハズだろ!」

真「分かってるさ。テールインポッシブルの第一ラウンドの途中だったかな?」

真「脚が悲鳴を上げたのが分かったよ。それ位の、痛みだった」

響「だったら止めろ!踊れ無くなったらどうするんだ!アイドル生命に関わるぞ!」

響「こんな…たかがバラエティー番組で、大事な足を壊す気か!」

真「所詮人生なんて死ぬまでの暇潰し…なら、こんな遊びに人生を懸けるのも面白い」

真「ボクはそう思うよ」

スタッフ「菊地選手―!スタート位置にお願いします!」

真「あ、はーい!」スクッ

響「………馬鹿がっ!」

真「お互い様だろ?立場が逆なら響だってこうしただろうさ」

響「それは……」

真「大丈夫、後2回が終われば病院でも何でも連れてって貰うから」

真「だから…今だけは戦場(ここ)に居させてくれ」スッ(響とすれ違う)

響「…ちょっと待つさ!」

古館「さぁ2巡目ラストに登場するのは現在暫定3位の菊地選手!」

古館「今入った情報によると、足に故障を抱えているという事なのですが、本人の強い希望での試技となりました!」

古館「足には新たにテーピングを巻き直した跡もあり、まさに満身創痍での挑戦となります!」

響(速筋を補強するテーピングに変えて、気休め程度だけど疲労の抜けるツボを押した)

響(これならさっきの距離程度なら、どうにかクリア出来るはずさー)

古館「1回目の試技ではあわや失敗かというダイブでしたが、2回目ではどの距離を選ぶのか」

古館「菊地選手の申告距離……!じゅ、12メートル50センチ!!!」

響「なっ!?」

伊織「バ、バカじゃないのアイツ!?いや、バカなのは知ってるけど!」

千早「11メートル50がギリギリだったのに、それに1メートル上乗せ…?」

美希「せ、成功すればそりゃあNo1にぐぐぐっと近づくけど、今の真クンにそんなの出来る訳無いの!」

響「ど、どういうつもりなんだ真!」

真「…どう言うって、響がここで攻めて来るのは分かってたからね」

真「だからそれに負けない様に、ボクも挑戦する事にしただけだよ。まさか同じ距離とは思わなかったけどね」

響「な………!」

医者「……………」

~回想・第二ラウンド終了後の医務室~

医者「…これはまた随分無茶をしたものね。今日一日くらい持つと思ってたけど」ぐっ

真「あいたたたたたっ!も、もっと優しくやって下さいよ!」

医者「これでそんなに痛がるって事が、ヤバいって証明なのよ。自分で分かってるでしょ?」

真「あの…」

医者「『そんな言葉を聞きに来たんじゃない。痛み止めをくれ』でしょ?」

真「う…」

医者「無駄よ。ここまで筋肉が痛んでると、痛み止めなんて気休めにもならないわ」

真「あ、後一競技なんです!どうしてもそれにボクは出なきゃならない、お願いします、何とかして下さい!」ペコッ

医者「…まぁ、そう言うだろうと思ったけどね。良いわ、でも条件がある」

真「条件…?」

医者「最後はショットガンタッチだったわよね?それで全力疾走して良いのは、一回まで」

医者「それを破ったら、またステージに上がれる様になるっていう保証は出来ないわ」

真「一回…ですか」

医者「えぇ、と言っても貴方に手加減して走れと言っても無理でしょうから」

医者「私がストッパーをかけてあげる。私、針治療もかじってるのよね。えいっ」プスッ

真「い``っ!!」

医者「これでどうにか3回走る位の事は出来るハズよ。といっても2回はセーブした走りになるけどね」

医者「この回は全力で走りたいっていう時があれば、私の所に来なさい」

医者「また針をうって、ストッパーを解除してあげるから」

真「…ごめんなさい、苦労をおかけしてしまって」

医者「謝る位なら競技に出ないで欲しいわね、医者としては」

真「それは出来ません。じゃあ…ありがとうございます」

医者「そっちなら受け取ってあげるわ。ま、私がこういうのも何だけど…頑張ってね」

真「ハイッ!!!」

~回想終わり~

医者(そして菊地さんは一回目の試技の終わりに私の所に来た)

医者(響は優しいからここで勝負に来る。それに応えたい、と言って)

医者(…ここでこの距離を決めれば、最終試技も我那覇さんより後にする事が出来る)

医者(それなら、我那覇さんも遠慮無くベストなパフォーマンスを見せるハズだ、みたいな事なんでしょうね)

医者(全く、呆れるくらいに実直な子だわ)

真(…一発勝負。ボクが全力を出せるのはここしか無い)

真(どうせなら、後10センチ足して単独種目別No1を狙っても良かったけど)

真(それは望み過ぎか。それに、響と同点優勝というのも悪く無い。総合では譲らないけどね)スタッ

古館「菊地選手、スタート位置に足を掛けました」

古館「11メートル50が間一髪だったにも関わらず、12メートル50への挑戦。これは無謀か蛮勇か」

古館「はたまた、勝算があっての決断なのでしょうか!その答えはもうすぐ見られる事になるでしょう」

コロッセオ中の人間が真の一挙手一投足に注目する。
その視線を感じながらも、真は自分の世界へと没入していった。

真(イメージするんだ、あの白いボールが黒いマットと交わる寸前に)

真(ボクのこの指先が割って入るイメージ)

真(響でもギリギリだったんだ。ほんの数瞬の躊躇も許されない…無心で走る)

真(やる事はシンプル。ボタンを押して走って飛ぶだけだ。頭を使う必要は無い)

真(それなら…得意分野だ)

古館「――――っ!―――――!!」

雪歩「―――――!!!」

実況の声も、仲間の声援も今の真へは届かない。
不必要な感覚を全て遮断して、真が一歩目を踏み出す。

ダッ!!!ダンッ!

響「―――っ!」

真「だあああああああっ!!!!!」

真の目に写るのは前のみ。落下するボールを視認する事すら惜しいと思い、ただ全力で駆け、飛んだ。
必死に、一切の曇りも無い、ただ勝ちたいという想いを漲らせて腕を、指先を伸ばした。


―――しかし、その指先に白球が触れる事は………無かった。

ザザーーッ!!!

手が空を切った事を理解し、顔を歪ませた真が黒いマットに沈む。

P「……………」

響「……………」

雪歩「……………」

その様子を見ていた全員が、絶句する。
真が触れる事を夢見ていた白球は、真の挑戦前と同じく、微塵も動かずに天井に設置されたままだった。
暫定3位菊地真。二回目の試技、失敗。

古館「…これが神の下した裁定だとすれば、なんと非情な神なのでしょう」

古館「満身創痍、脚に爆弾を抱えながらの激走。見る者の胸を打つ素晴らしい走りでしたが」

古館「その時にはもう、この試技の失敗は決まっていました。…リプレイが出ます」

律子「…リスクを追い過ぎたわね。出来るだけ体を前に出して、手を後ろにして押すのはセオリーだけど」

春香「押した場所は、僅かに赤いボタンの脇…こんな事もあるんですね」

P「恐らくは『速過ぎた』んだろうな。自分の予想していた以上のスタートが出来て、その分だけズレてしまった」

P「不運というか…無情な話だな」

伊織「もしきちんとボタンを押せていたら…」

P「たらればの話をしても仕方ないよ。…真もそう思っているだろう」

真「……………」ウズクマリ

古館「菊地選手、立ちあがれません。その胸中にはどの様な想いが回っているのでしょうか…」

真「…あははははっ!」スタッ

真「いや~カッコ悪いなぁ。あんな大見得切ったのに、こんな問題外の大失敗だなんて!」あはは

真「白けさせてしまってスミマセンっ!」ペコッ

響「…………」

パチパチパチパチ

真「え…?」

雪歩「…………ぐすっ」パチパチパチパチ

真(雪歩………)

春香「雪歩……うん」パチパチパチパチ

真美「良くやったぞ→!まこちんー!」パチパチパチ

美希「真クーン!凄い走りだったのー!」パチパチパチ

パチパチパチパチ マコトー! スゴカッタヨー! サイコウノハシリダッター!

       ワアアアアアアッ

真「皆……。ありがとう、本当にありがとうっ!」ぐすっ

古館「…………」

ケイン「ナニカ言わナインデスカ?フルタチさん」

古館「えぇ。…この光景を実況する事は、出来そうも無いですからね」

2巡目終了時の総合ポイントランキング

第1位我那覇響 521p
第2位如月千早 473p
第3位菊地 真 428p
第4位秋月 涼 416p
第5位星井美希 317p
第6位日高 愛 266p

真「さて、医者さんの所に行かないとね」スタスタ

真「………っと!」ヨロッ

ガシッ

真「あ、ありがとう…響」

響「まったく、無茶し過ぎだぞ。誰がそんな脚で自分の記録に並びに来ると思うんだ」

真「へへっイケると思ったんだけどな。まさかボタンを押し逃すなんてね。情けない限りだよ」

響「…そんな事は無いぞ」

響「ケガを恐れずに全力を出した結果だ。どんな失敗よりも…成功よりも尊い失敗だったって思う」

真「…そ、そんな風に言われると照れちゃうな」ポリポリ

響「失敗は成功の母って言うだろ?自分が…それを証明してみせるぞ」

真「?うん、楽しみにしてるよ」

愛「いきますよーっ!!!」

SHOT-GUN-TOUCHの3巡目。この一回がスポーツマンNo1決定戦の最後の試技となる。
それの先頭を切るのは暫定6位の日高愛。
申告距離はさっき失敗した11メートル20センチを20センチ上回る、11メートル40センチ。

涼「愛ちゃんファイトー!」

絵理「あ、愛ちゃーん!がんばれー!!」

絵理「…げっほげっほ!」ぜぇぜぇ

尾崎「頑張ったわね、絵理」さすりさすり

愛「ハイッ涼さん絵理さん!最後ですからね!残ってる力絞りつくします!」ぴょんっ

春香「最後の試技は、試技前に距離を口頭で言うんですね」

P「あぁ、だから後から申告出来る上位が有利になるな」

やよい「これを成功させると愛ちゃんは何ポイントになるの?伊織ちゃん」

伊織「75pが加算されて、341pね。美希が317pだから、無理をする意味はあまり無いと思うけど…」

律子「美希のミス待ちなら、10メートル70センチでも美希のポイントを上回れるからね」

春香「まっそんなのは愛ちゃんらしくないですよ」

春香「誰よりもパワフルでまっすぐなのが、愛ちゃんの良い所ですから」

P「お前達もうかうかしてられないな」ニヤッ

愛「すーーーーっ!はああああーーーっ!」

愛「たああああっ!!!」

ダッ!!バンッ! ダダダダダダダッ!!!

涼「行っけえええ!愛ちゃんっ!!」

絵理「飛んじゃえーっ!!」

愛「とりゃあああああーーーっ!!!」バッ!

     ビッ!

古館「触れたぁーーーっ!!!今度はしっかりと両中指でボールに触れました!!」

愛「やりましたぁーーーっ!!!」ゴロゴロゴロッ ぱあああっ!

暫定6位→暫定5位日高愛 341pで全競技終了

真美「お→っ!綺麗に決めたね!」

亜美「ここ一番でベストの走りをするとはやりますなぁw」

伊織「それで、次は美希ね。4位の涼とは99pも差があるから抜くのは無理だとして」

律子「日高さんとの差は24p。それを抜くだけなら9メートル80で十分だけど…どうするかしら」

千早「次は美希の番ね。距離はどうするの?」

美希「うーん、楽に勝てるならその方が良いけど」

美希「センパイとして、後輩の挑戦から逃げる訳にはいかないって思うな」ニヤッ

古館「星井選手、距離はどうされますか?」

美希「愛には負けないの!11メートル50で勝負なの!」
 
律子「…へぇ」

P「意外…って事も無いか、美希なら。良い啖呵だ」

美希「………ふぅ」

古館「星井選手がスタート位置に着きました」

古館「さぁこの獅子が金色の髪を振り乱して、三度獲物が地に着く前に捉える事が出来るのでしょうか!」

>>91修正
古館「さぁこの獅子が金色の髪を振り乱して、三度獲物を捕らえる事が出来るのでしょうか!」

美希「……………」ピリピリピリ カッ!(目を開ける)

美希「行くのっ!」

ダッ!!バンッ! ダダダダダダダッ!!

美希「とどくの―――っ!!!」バッ! チッ 

古館「これはどうだ!?審議です、スロー再生が出ます」

古館「金獅子の爪が獲物を掴み取っているのかどうか……これは!触れている触れているーーっ!!」

美希「やったのーーーっ!!!!!」グッ

春香「ここで決めちゃうのが美希って感じだね~」

愛「くはぁ~流石美希センパイです!完敗ですっ!」

暫定6位→5位星井美希 395pで全競技終了

古館「続いての試技は、暫定4位の秋月選手」

尾崎「これが876プロの最後の試技って事になるのね。ホントに皆、良く頑張ったわ」

絵理「尾崎さん、その言葉は涼さんの試技が終わってからお受けします」じっ(涼を見る)

尾崎「!…そうね。今は涼ちゃんを応援しないとね」

涼(1位の響さんとの差は105p。距離にして12メートル30センチ分の差)

涼(出来るとは思わない。けど、挑戦しなければ始まらないよね!)

涼「12メートル30センチでお願いします!」

絵理「!…涼さん頑張れーっ!!」

愛「大逆転優勝を見せてやりましょう涼さんっ!!」

涼「うおおおおおっ!!」バッ!

涼の最終試技は、惜しくも届かず失敗。総合順位は4位で終わる。
しかしマットの上で仰向けになる涼の顔は笑顔で、愛と絵理はその挑戦を拍手で讃えた。

春香「いよいよこれで残るは3人かぁ…」

伊織「長かった様な、長かった様なって感じね…」

亜美「長いだけじゃんww」

貴音「人が死力を尽くして戦う姿というものは、形容しようも無く美しきものですね」

あずさ「皆本当に凄いと思うわ~私も頑張らないとって、思わせてくれるわね~」

古館「さぁ次の試技は、暫定3位の菊地選手ですが…」

古館「先程の試技の終わった後に、よろけている様子も見られました」

古館「最終試技の棄権が心配されておりますが…!菊地選手がスタート位置現れました!」

真「遅くなってスミマセン。申告距離は……」

~数分前~

真「それじゃあ、ストッパーをお願いします」

医者「…意外ね。菊池君の事だから、私の所に来ずに最終試技に望むのかと思ったわ」

真「あはは、ちょっとそれも考えたんですけどね」

真「でも医者さんに嘘を吐くのは嫌だなって思ったので、それに…」

真「ボクの事を心配してくれてる人が、居ますから。これ以上の無理は、しません」

医者「そっ。やっとその事に気付けたのね。えいっ」プスッ

真「いだぁっ!!」

医者「ラスト1回、決めて来なさい」バンッ!

真「ハイッ!」

~回想終わり~

真「12メートル10センチでお願いします」

P「12メートル10センチか。成功すれば93pでギリギリ響を越えるな」

伊織「まぁ予想はしてたけど、あの様子じゃ無理でしょうね」

伊織「2回目の時の反動も大きいだろうし、千早を越える程度の距離にしておけば…」

律子「それでも厳しい、とも思うけどね。1回目の時よりも確実に限界に近付いているハズだから」

律子「いや、ある意味ではとっくに限界とも言えるけど」

雪歩「…どんな結果だったとしても、拍手で迎えてあげたいと思います」

雪歩「真ちゃん、今日はずっといつも以上に一生懸命でしたから」

雪歩「お疲れ様、頑張ったねって言ってあげたいです」

古館「さぁ菊地選手がスタート位置へと立ちました」

古館「今日の激戦を戦い抜いて来た、満身創痍と言うのも生温いその体で」

古館「この12メートル10センチという距離を制する事が出来るのか…注目しましょう!」

響「…頑張れ、真」

真(…これがラストランだ。悔いの残らない様に、ただ全力で走る)

真(今のボクじゃ、全然届いていない、みっとも無い試技になるかもしれないけど)

真(それでもボクは、響が最後の試技をする前に、最終結果が決まってしまうなんていうのは阻止したい)

真「だってそんなの、つまんないだろ?」ニヤッ

真(ボクは最後まで響と勝負をしたい)

真(だからストッパーが掛かっていようともこの距離…決める!)スッ

真がスタートの構えを取る。
自分を見る者の殆どの予想。それを覆さんと力を溜める。

真「…………」

    ピーン

精神を統一し、その気迫によって張り詰めた空気の中

真「…………」シュダッ!!タンッ

静かに、真がスタートを切った。

響(!これは……)

亜美「今度はボタンを押した!」

真美「でもやっぱりスタートが鈍い!これじゃ…!

言い終わる前に、真美が気付く。ほぼ同時に他の皆も。
真が笑っている事に。
この緊迫した場面で笑顔ー?と疑問を持つと同時に、思う。

雪歩「速い!」

誰も予想していなかったスピードで真は走り、そしてこれ以上無いタイミングで飛ぶ。

    シュッ

ボールが地に落ちたのと、真の指先がボールと擦れたのはほぼ同時、いや全くの同時で言って良い程で
その確認にウルトラスロー6000をもってして、十数度の再生を要した。
そして下された裁定は

>>105訂正
7行目の「え」削除

古館「白旗が上がりました!成功!成功です!!菊地選手最終試技を見事クリアしましたっ!!!」

ドワアアアアアーーッ! スゴイスゴーイッ!!! カッコイイー!! マコトチャンサイコーーッ!!!

真「よしっ!」グッ

自身の成功に確信があった真は、裁定を聞いた時は小さく拳を握るに留めた。

響(何てヤツだ…)

響「ははははっさすが、流石だな真っ!!」ブルッ

絶対不可能だと思っていた事を成功させた好敵手を見て、響が身震いをする。
そして響は、自らの最終試技の申告距離を決めた。

暫定3位→暫定1位菊地真 526p

伊織「それにしても…何で成功出来たのかしら?」

伊織「また思ったより大したケガでも無かったみたいな話?」

P「いや…今も医者さんに処置をして貰っているし、それは無いだろう」

P「あるとすれば、体力が限界だった事で無駄な力が抜けて、最適な力配分での走りが出来た…とかか?」

伊織「…何か随分無理矢理な説明ね」

P「仕方ないだろう、俺だって驚いてるんだから」

雪歩「多分、理屈じゃ無いんだと思うな」

伊織「どういう事?雪歩」

雪歩「精神が肉体を凌駕するって言うのかな?真ちゃんの勝ちたいって気持ちと、勝負が楽しいっていう気持ちが」

雪歩「ボロボロの体を、前に動かしたんだよ。きっと」

貴音「勝利への渇望が、執念が肉体を動かしたという事ですね。…分かる気がします」

春香「貴音さんが言うと説得力がありますねw」

P「ま、とにかくこれで真が暫定1位。最終結果は残る2人次第だな」

千早「凄いわね、真。もう凄いとしか言えないわ」

美希「意地だけで無理矢理届かせたみたいに見えたの…人の想いの力って凄いって思うな」

千早(そこまで事をして得た暫定1位の座を、私がすぐに奪ってしまうのは心苦しいけど)

千早(仕方が無い事、悪く思わないでね真)

千早(私が真を上回るのに必要なのは54p以上。距離にすると10メートル70センチ以上)

千早(10メートル70ならまず確実に決められる…けど)

千早(それを決めて、次の我那覇さんがミスをして私がNo1になった時に、私はそれで胸を張れる?)

>>111訂正
千早(そこまでの事をして得た暫定1位の座を、私がすぐに奪ってしまうのは心苦しいけど)

千早(最終試技は皆、自分の限界に挑戦していた。私も…)

古館「如月選手、申告距離はどうされますか?」

千早(11メートル10センチの時、何とか決めたけど余裕は殆ど無かった)

千早(そこから更に増やすのは危険かもしれない。でも、やる!)

千早「11メートル30センチでお願いします」

P「11メートル30か…かなり攻めたな」

P「尤も千早が身体能力を完璧に活かしきれば60-70はいけると思うが」

P「一発勝負でそれを出す事は困難。恐らくはこのあたりが千早のベストの平均だろう」

伊織「ベストの平均って、よく分かんない日本語ね」

P「つまり、ミスの恐れも十分あるって事さ」

春香(…あれ?11メートル30って…)

千早(この距離は、スタートやダイブでミスがあれば失敗してしまう距離)

千早(だから心を落ち着けて、集中して望む必要がある)スーハー

千早(少しの動揺が命取り、よくイメージをして…)

古館「11メートル30という事は72pが加算されますね」

千早(!?)

春香「やっぱりwwwうわははははっwww」

※その後心を乱したちーちゃんは、11メートル30センチを僅かに届かず失敗しました。

やよい「千早さん惜しかったですね。もうちょっとだったのに」

春香「まぁあれは自滅みたいなものだけどねww」

真美「よくこれまで11メートル30をやった人が居なかったよね→ww」

亜美「狙い目の距離なのにねw地味に奇跡ww」

P「暫定2位だった千早が終わって、残す所は響だけか」

律子「響の試技が終われば、遂に全競技が終了ですね」

P「あぁ。もう順位はほぼ確定してるけどな。響は9メートル10でもNo1だ」

あずさ「それ位なら私でも触れるかもしれませんね~」

伊織「ま、殆ど消化試合みたいなもの――

響「13メートルでお願いするぞ」

伊織「…へ?」

古館「が…我那覇選手、今何とおっしゃいました?」

響「13メートルだ。自分の最終試技は、13メートルに挑戦する」

エエエエエエーーーーーーッ!? ざわざわざわざわ どよどよどよどよ

真美「ど、どういう事!?響ん今じゅうさんメートルって言わなかった!?」

亜美「ま、真美もそう聞こえた!?」

貴音「13メートルならば、143ぽいんとが入る故、響は664ぽいんとでとっぷになりますね」

真美「いやいやお姫ちん!さっき兄ちゃんが言ってたじゃん!」

亜美「そーだよ!響んは9メートル10でも勝てるんだよ?なのに何でこんな事を…」

P「最後を守りの申告で終えたく無いという気持ちは分かるが、さっきあの完璧な走りで12メートル50がギリギリだったんだぞ?」

P「これは流石に無謀過ぎる…」

真(響………)

伊織「…これが怪我をした真に気を遣っての選択だとしたらとんだ的外れね、侮辱と言っても良いわ」

伊織「これで響が失敗して、真がNo1になっても真が喜ぶ訳無いじゃないの」

伊織「たった5p差しかないのに、こんな無謀なギャンブルに出る必要がどこにあるのよ」

響(―――みたいな事を言われてるんだろうな)

響(でも、それは間違いさー自分と真のポイント差は少なくとも123pはある)

響(あのボタンが押されていれば、真は確実に成功して118ポイントを加算していた)

響(…真がボタンを押せなかったのは、ひょっとしたら自分が余計な事をした所為かもしれない)

響(…だから自分は勝たなくちゃいけない。真にあのミスが無ければ勝てていたなんて後悔をさせない様に)

響(今の真のポイントじゃなくて、全力の真のポイントを自分は上回りたい)

響(…絶対に決める。それでこそ、自分は心から誇れるNo1になれるんだ!)

真(って考えてるんだろうな。へへっ響らしいよ)

真(ミスも怪我も込みで実力だから、言い訳するつもりは無かったけど)

真(響のその気持ちが、嬉しいよ)

真(いいよ響。だったら越えてみなよ、僕を。…これが最後の勝負だ)

古館「さぁ13メートル!この位置にスタート台が設置されました!」

古館「11メートル12メートルとは次元が違う、選ばれた者しか越える事の出来ない高い壁」

古館「それをアイドルの身で越える事が出来るのでありましょうか!これが本当に最後の試技となります!」

池谷「はぁ~盛り上がる展開ではあるけど、予想外よなぁ。ケインはどう見る?」

ケイン「難しいキョリですが、ガナハさんはナニカのカンガエがアッテこのキョリニシタのでショウ」

ケイン「それなら成否をワケルノハ、ハートデショウネ」

ケイン「…ゼッタイニNo1ニナルト言う」

響「すーーーはーーーーっ!」

響(そして13メートルを選んだ理由はもう一つ)

響(2回目の、全力の真の走り。あれは間違いなくボールが降って来ていたなら)

響(12メートル90でもクリアしていた)

響(だから自分は、それを越える。大丈夫、そのヒントは真が見せてくれた)

響(失敗を活かせ、自分の限界を……越える!!!)

響「……………」キィィィィン!

呼吸を整え、集中力を極限まで高め、真の走りを頭の中に入れ
イメージする。新たな走法を、自分の限界だと思っていた12メートル50のその先に手を伸ばす自分を。

響「覇ああああっ!!!」

最後には頭を無にして、響がスタート台を蹴ってボタンを押す。
スポーツマンNo1決定戦の決着が着いたのは、それから数秒後の事だった。

ナレ「第6位341p日高愛」

ナレ「第5位395p星井美希」

ナレ「第4位416p秋月涼」

ナレ「第3位473p如月千早」

ナレ「第2位526p菊地真」

ナレ「そして、栄えある総合No1に輝いたのは」


古館「664ポイント!!我那覇響選手っ!!!!!」


パンパンッ! ワアアアアアアアアアーーッ!!! パチパチパチパチーッ

響「やったぞーーーっ!!!」ぐすっ

~回想~

響「さああああーーーーっ!!!」シュバッ!!!グッ! ザザザーーーッ!!

真「―――っ!!」

古館「これはどうだ!?触れているか触れていないかは微妙だ!」

古館「我那覇選手は腕を突き上げている!手応えがあったのか!?スロー再生が出ます!!」


           シュッ


古館「小指が触れているーーーーっ!!!!!」

響「うおおおおおーーーーーっ!!!!!」

古館「響の雄叫びがコロッセオ中に轟いたぁ!!!ショットガンタッチNo1は我那覇響選手に決まりましたっ!!!」

真「…おめでとう、響」パチパチパチパチ

古館「我那覇さん、貴方が栄えある初代アイドルNo1となりましたが、お気持ちはいかがですか?」

響「…ま、まだいぢばんっでいう、実感は無いげど…ぐすっ…す、凄く光栄だし」

響「うれじいって気持ちで胸がいっぱいだぞ…」ぐすぐす

古館「今、どなたにその気持ちを伝えたいですか?」

響「…自分をそだでてぐれた、沖縄の家族と…ひっく…No1になれる体を作ってぐれた大自然と…」

響「ぞじて何より…今日一日たたがって来た皆に、ありがとうっで言いたいぞ…」

響「皆が真剣に戦ってくれだから…こんな達成感で満ちた気持ちになれてるって、思うから…」

響「今日は本当に…ありがとうございましたっ!」ペコッ

ワアアアアーーーッ オメデトウヒビキーーッ! ヒービーキッ!ヒービーキッ!

古館「素晴らしいコメントでした。総合No1の我那覇響選手でしたーっ!」

古館「その手に栄冠という名のフラッグを掴んだのは、我那覇響ー!!!」

古館「跳んだぁーーっ!金色の天使がここに降臨したーっ!!」

古館「腹筋の場外乱闘を制したのは如月千早ーーーっ!!!」

古館「水谷絵理が30の数字を支配しましたーっ!!」

古館「コングラッチュレーショーン!!!勝ったのは四条貴音選手!!」

古館「ゴール!!!圧倒的勝利!!菊地選手、44秒13という驚異的タイムを叩きだしましたっ!」

古館「今如月選手がゴールテープを切った!圧巻のスタミナで二冠を成しましたぁ!」

古館「小指が触れているーーーーっ!!!!!」

ナレ「アイドルに不可能と限界の文字は無し」

ナレ「コロッセオにまた新たな真理が、刻まれる」

P「最強のアイドルは誰だ!スポーツマンNo1決定戦」END

終わりです。やーーーーーっと終えられた…。
正直出オチのネタSSのノリで書き始めたので、こんな事になるとは夢にも思って無かったです。

876の三人は、自分の中でのマンネリ打破みたいな意味で出してみましたが
思った以上によく動いてくれて、助かりましたね。
そこまでしっかりキャラを把握して無かったので、違和感があったらスミマセン。
本当に長時間お付き合い頂き、ありがとうございました。

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