絶望先生「世の中は鴨フラージュで溢れているのです」 (25)

俺たち嘘のバカス組

風浦「みなさん、お昼の時間です」

日塔「うわあ、この千里ちゃんが作ったテリーヌ美味しい!!」

木津「今朝早起きして腕によりをかけて、きっちり作ったのよ。そのテリーヌは車エビを使って~」

絶望「これまた豪華なお弁当ですね。もうおせちじゃないですか」

木津「どうぞ先生も召し上がってください」

絶望「そうですか。それでは、まずはこのテリーヌから・・・ん!?」

絶倫「お兄様、これは車エビではなくきっとブラックタイガーですよ」

木津「そんな!!騙された」

絶望「木津さん、普通一目でわかります」

木津「とんでもない百貨店ね。ちょっと根絶やしにしてくるわ。キエエェ~!!」ガラガラ

日塔「ひいいいい」

絶望「行ってしまいましたね。とりあえず放っておきましょう」


絶望「昨今、無知な人間を狙った詐欺まがいの商法が増えています」

風浦「そうですね。純粋な人間が犠牲になるなんて、とても残念です」

ファッションの人?

絶望「みなさんに言っておきます。騙す方も悪いですが、騙される方も悪いんです!!」

日塔「そんな~理不尽な」

絶望「気を付けてください。世の中は馬鹿を騙す鴨フラージュで溢れているのです!!」

鴨「ハロー、ヨビマシタカ?」

日塔「うわあああ、何か変なの来た!!」

鴨「ワタシ、鴨フラージュデース。イタリア人ト日本人ノハーフデース」

日塔「・・・うわぁ」

絶倫「どうみてもフィリピン人」

>>5
違う絶望先生SS書くのは初めて

JK「カッコイイー!!」

鴨「オ家ニオイデヨ。英語教エテアゲルヨ」

JK「キャー行く行く!!」

常月「どうして騙されるのかしら」

絶望「いたんですか?」

常月「ええ、クローゼットの中にずっと」

絶望「みなさん、鴨フラージュには十分気を付けてください!!」

・名○ホテルがロブスターを伊勢海老と誤った表示
・一千万受け取ってくださいという親切なメール
・オスプレイに反対する見知らぬ地元住人
・ヤ○オクで人気漫画家のサイン色紙
・楽○セールで激安デスクPC
・某掲示板のスレタイ
・AVのパッケージ
・選挙公約

絶望「絶望した!!日本の偽装社会に絶望した!!

風浦「偽装じゃありません。代替です」

絶望「代替?」

風浦「そうです。日本は何にでも代えが利く、柔軟な社会なんです」

日塔「じゃあ、これは車エビをブラックタイガーで代替したってこと?」

風浦「この時代、突然のリスクを回避するために代替品を準備しておくのは当然のことです」

常月「そうね。総理大臣ですら幾らでも代えが利いてるわね」

風浦「先生は代替品をちゃんと準備していますか?」チラッ

絶望「・・・はい?」

風浦「ちゃんと準備してないと駄目じゃないですか」ニヤニヤ

絶望「ひいいいい、私に代替品は必要ありませ~ん!!」ガラガラ

絶望「はあ、はあ、・・・ずいぶん遠くまで来てしまいました。この木陰で休みましょう」

常月「先生、この木変ですよ。上を見てください」

絶望「うわああああ、何ですかこれは、変な形をした実が一杯!?」

風浦「代替の木です。色んな代替品が果実として実るんです。試しに一つ捥いでみましょう」ブチッ

絶望「えらくゴツゴツした果実ですね」

常月「あ、変形し始めた」

絶望「・・・大きいダイヤですか」

常月「綺麗」

風浦「ダイヤじゃありません。ジルコンです。先生もどうです」

絶望「じゃあ私はこの人型の実を」ブチッ

??「やあ、みんな久しぶり」

絶望「・・・誰ですか?」

常月「さあ?」

??「分かりませんか?僕です。僕ですよ。忘れちゃったんですか?」

絶望「こんなイケメン知りませんね」

風浦「クラスメイトの臼井くんですよ」

綺麗な臼井「そう、僕は臼井影朗」キリッ!!

絶望「はて、臼井なんて名前の生徒、私のクラスにいましたっけ?」

常月「私も初耳です」

風浦「時に代替品の方が優れていることもあるんです」

・原子力発電よりクリーンで安全な自然エネルギー発電
・ガソリン車より燃費の良いハイブリットカー
・先発医薬品より安価なジェネリック医薬品
・人気連載漫画より面白い浮世絵漫画
・三次元より理想的な二次元
・セックスよりオナニー

常月「では、私も一つ」ブチッ

小森「・・・あれ、糸色先生。こんにちは」

絶望「籠っていないだけで、何も変わりありませんね。・・・外でも毛布なんですね」

風浦「もう一つ」ブチッ

木村「Ooops!!」チラッ

絶望「かなりネイティブになりましたね。それでは私ももう一つ」ブチッ

加賀「ひっ!!すいません」ガクガク、ブルブル

絶望「加賀さん、私です。先生です。大丈夫ですか?」

加賀「ひぃ、殴らないでください!!すいません、すいません」

常守「被害妄想すぎるみたいですね」

小森「いつもと変わらない」

風浦「先生、大変です。誰かが代替の実を市場に流したみたいです」

常守「代替の実を食べた能力者、ダイタイ人間が町中に蔓延ってます」

絶望「ダイタイ人間って何ですか!?」

フツメン「あれ、俺って向井理に似てね?っていうか俺が向井理じゃね」

ブス「私ぃ蒼井優に似てるって言われるんですぅ。向こうが私に似てるって言ってほしぃ」

元俳優「政治家は駄目。福島の現状が分かってない!!あれ、俺が政治家になればよくね」

絶望「なんですかこの人たちは」

小森「凄い勘違いっぷり」

常守「大まかな自己評価で、自分自身が優れた代替品だと勘違いしたダイタイ人間です」

絶望「ただの痛い人たちじゃないですか!!」

風浦「痛い人なんかじゃありません。自信家なんです」

絶望「風浦さん、それはあまり上手な言いかえに感じませんね」

風浦「代替社会で生きていくためにはプリンシプルを持つことは大事なことです」

小森「先生みたいな自虐家より少しくらいナルシストの方が良いよ」

絶望「・・・そうですか」

風浦「先生も代替の実を食べましょう」

絶望「やっぱりそういうことですか!!」モグモグ

常守「先生、大丈夫ですか?」

絶望「・・・やられたらやり返す倍返しだ!!」

教室にて

日塔「このハンバーグ美味しそう・・・あれ?」

絶倫「豆腐のようじゃ」モグモグ

日塔「豆腐かぁ~」

木津「あなた、私の作った豆腐バーグにケチをつけるの?」ゴオオオオオオオ!!

~完~

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