杏子「寒くて寒くて死にそうだよ!!」(221)
杏子「ちくしょう… ちくしょう…」
杏子「すきま風で死にそうだよ…」
ーコンビニー
杏子「(寒くはないけどあったかくもねえ… 考えやがって…)」
肉まん
杏子「(食いてえ… どんな味がするんだろ)」
リンゴ
杏子「……」シャクッシャクシャクッ
杏子「……」シャクシャク
杏子「……」
杏子「畜生!!」ガッ
杏子「こんなん食っても食っても体が冷えるばっかりじゃねえか!」
まどか「二度と私たちに近づかないでね、野良犬」
マミ「…畜生」
自販機
杏子「(ココア……コーヒー…)」
杏子「ちくしょう…」
ピュウウーー
杏子「ううっ…」
教会
杏子「寒い寒い寒い寒い寒い」
杏子「寒い寒い寒い寒い寒い」
杏子「建物の中にいるのに寒い」
杏子「なまじ部屋の中にいると体動かさねえから余計寒いんだ」
ー表通りー
ピュウウーー
杏子「………」トボトボトボトボ
杏子「(畜生寒いよ寒いよ寒いよ寒いよ)」
杏子「(寒いよ寒いよ寒いよ寒いよ)」
ピュウウーー
杏子「(死んじゃう死んじゃう死んじゃう死んじゃう)」
杏子「(寒くて死んじまうよ…)」
杏子「あーもう寒い!」
杏子「寒いよー!!寒いってばーーもう!!」ダッ
タッタッタッタッタッタ
杏子「(あそこだけは行きたくねえけど)」タッタッタッタッ
杏子「(背に腹は代えられねえ!)」タッタッタッタッ
ピュウウーー
杏子「(寒いーー!!)」
ほむら家
ドンドンドンドンドンドン
杏子「おーーーーーーーーい!!!!」
ドンドンドンドンドンドン
杏子「寒い寒い寒い寒い寒い!!!!」
ドンドンドンドンドンドン
杏子「おーーーーーーーーい!!!!」
ほむほむエロゲー片付け中
ほむら「…インターホンっていう発想はないのね」
杏子「あー寒い寒い寒い寒い寒い寒かったーーー」ゴロン
杏子「寒かった寒かった寒かった寒かった寒かったよーー」ガタガタガタ
杏子「あああったけえ暖ったけえ暖ったけえ暖ったけえじゃんかよちくしょー」グス
杏子「暖ったけえよちくしょー」グスン
ほむら「………」
ほむら「待ってなさい今お風呂入れるから…」
杏子「ありがとうありがとうありがとうありがとう」ブルブルブルブル
杏子「本当にありがとうなありがとうなありがとうな」グスグスグスグス
ほむら「………」
ほむら「(寒さは人を素直にするのね…)」
パチン ブゥーン
杏子「あれっ?何だよ急に暗く」
ほむら「停電みたいね」
3時間後
杏子「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い」ガタガタガタガタガタガタ
ほむら「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」ガチガチガチガチガチガチ
杏子「助けて助けて助けて助けて助けて」
ほむら「死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ」
杏子「ガスはガスはガスはガスはガスはガスはガスは」ブルブルブルブルブルブル
ほむら「オール電化オール電化オール電化オール電化オール電化オール電化」ガチガチガチガチガチガチ
杏子「バカじゃねえのかバカじゃねえのかバカじゃねえのかバカじゃねえのかバカじゃねえのか」ガタガタガタガタガタ
ほむら「あなたが来るからあなたが来るからあなたが来るからあなたが来るから」カチカチカチカチカチカチ
杏子「寒い寒い寒い寒い寒い(もう本当に死にそうだよ…胴震いしてきやがった)」ガタガタガタガタガタ
ほむら「佐倉さん佐倉さん佐倉さん佐倉さん佐倉さん」ガチガチガチ
ほむら「行きましょう行きましょう行きましょう行きましょう」ガタガタガタ
杏子「どこにだよどこにだよどこにだよ…(もう嫌だ…寒いよ…)」カタカタカタカタカタ
ほむら「デブの家デブの家デブの家デブの家」ブルブルブルブル
ほむら「そそそそれじゃそれじゃそれじゃあああ、開けるわよ開けるわよ」ガタガタガタ
杏子「(玄関寒い…もう…寒い…寒い)」カタカタカタカタカタカタ
ほむら「開けるわよ開けるわよ開けるわよ」ガチャ
杏・ほむ「(雪降ってる…)」
トボトボトボトボトボトボ
二人「………………」カタカタカタカタカタカタカタカタ
トボトボトボトボトボトボ
二人「………………」カタカタカタカタカタカタカタカタ
ピュウウウーーー
二人「(わああああああーーーーっ!!)」
トボトボトボトボトボトボ
ほむら「ももももっとつつ強く抱いて頂戴さささ佐倉さん佐倉さん佐倉さん」カタカタカタカタカタカタ
杏子「おおおおお前こそかかか体が冷たいんだよああああたしを抱けよあたしをあたしを」カタカタカタカタカタカタ
ピュウウウーーー
杏・ほむ「寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い寒い!!!」
ほむら「ももももう動けないわね動けないわね動けないわね動けないわね」ガタガタガタ
杏子「(抱き合ってても寒い抱き合ってても寒い抱き合ってても寒い)」ガタガタガタ
ギュウウーッ
杏子「(いいい痛えほむら抱きつきすぎて痛え でも寒い)」ガタガタガタ
杏子「(もうホントに駄目なのか…)」ガタガタガタ
ブロロロローーーー
杏子「(く、車…)」
ブロロローーー
キキィッ
二人「ううっ!!(車が近寄る風で寒い)」
杏子「(く、車が止まったぞ…中に乗ってるのは)」
ほむら「ま、まどかぁ!!」
二人「まどかぁ!まどかまどかぁ!」
まどか「(ガラスの向こうから)………」パクパク
まどか「………」ニコニコ
杏子「(何言ってるかわかんねえよまどかぁ…)」
ほむら「まどかァ!!」
二人「まどかぁ!まどかまどかぁ!」
杏子「(なんとかしてくれよォまどかぁ…)」
まどか「………」パクパク
まどか「………(考える風)」
まどか「………」ゴソゴソ
ブーンブーン
「あ、もしもし?ほむらちゃん?」
ほむら「まどかァ!!まどかァ!!まどかァ!!」
「ちょ、ちょっとおちついてよほむらちゃん」
「今日寒いよねーこんな時間に二人でお出かけ?」
杏子「ちょ、ちょっと携帯貸せほむら!乗せて、乗せてくれよまどかぁ!!寒い!」
「めずらしいよねーほむらちゃんと杏子ちゃんが二人なんて」
「でさあ、」
「道の真ん中で2人で抱き合って何してんの//////ティヒヒwwww」
「あ、ごめんねーわたしこれからパパとご飯食べに行くの」
「ホントは窓開けてお話したいんだけど、ほら、外ちょっと寒いしwww」
「じゃあねー」ブツ
まどか「(ガラスの向こうから手を振る)……」ニコニコニコ
ブロロロロローーー
それからの事でとくに話すことはない。
風に吹き晒される寒空の下、雪までかぶってどこまでも遠い道のりを
歩くなんて事は、人間が味わえる中でも指折りの辛さってことはたしかだ。
けど、あたしも不思議だったのは、人間ってのはもう本当に駄目だな、って
思っても案外それからもまだまだ先に進めること。
そして、いったんあったかい目的地に着いちまえば、それまでの冷たい道のりの
苦労なんてあっという間に忘れちまうことだ。
--千葉県松戸市
セイヤッ ハッ
バシン
杏子「(あったけえ。そこまでもあったけえ…)」
ほむら「(生き返るようだわ…)」
『二人とも、体は温まったかい?』
ほむら「はい、勿論です!ありがとうございました大関!」
杏子「しっかしほむらにこんな知り合いがいたとはね」
稀勢の里『けど中学生の女の子が雪の中歩いてくるなんて無茶だ。もう二度としちゃいけない。』
ほむら「はい、すみませんでした!」
杏子「やっぱ相撲部屋はあったけえなーちゃんこもうめえ」
ほむら「やっぱり暖を取るには人気が多い所に限るわ。それが運動量の多い相撲取りなら尚更ね。」
ほむら「つてがあってよかったわ…本当に助かった…」
杏子「ちゃんこうめえ…温まる…」
稀勢の里『いつまでもゆっくりしていっていいからね』
稀勢の里『じゃあ、俺は稽古の続きがあるから』
杏子「でけえよなーまだ若そうなのにもう大関かよ」
ほむら「これだって遅すぎたくらいなのよ。稀勢の里の素質はまどか並。なんたって朝青龍に寄り切りで勝ってたのよ。」
ほむら「ホントに、横綱になってもらわないと困るのよ…」
『さあハギ、いいかげん土俵に戻りなさい!!』
稀勢の里『稽古お願いシャス!』
マミ「来年こそは今までの遅れを取り戻さないとね!ドンとぶつかって来なさい!」
稀勢の里『チャス!』
バァーン
杏子「まあその立会いを受け止めてるマミが何がって一番凄いけどな」
終
このSSまとめへのコメント
いきなりぶっ飛んだかと思ったら、ちゃんと行き先あってたんだ
まぁ、稀勢の里は2015年現在でもよこry
デブの家で巴部屋だと思った!