さやか「さやかクロース」(171)
さやか「ついにこの日がやってきた!」
さやか「12月25日!クリスマスだね」
さやか「クリスマスと言えばサンタさん」
さやか「サンタさんといえばさやかちゃん」
杏子「はぁ?」
さやか「サンタさんと言えば真っ赤な髪の毛のあんこちゃんだね」
杏子「誰があんこだ」
さやか「えへへ、間違えちゃった」テヘッ
杏子「か、可愛くなんかないぞ!」
さやか「はいはい、まぁいいじゃん」
杏子「よくねぇよ!」
さやか「と、それは置いといて…」
杏子「置くな!拾えー!」
さやか「今日は私がみんなにプレゼントをしてあげるのだ」
杏子「あげるのだ、って」
さやか「サンタクロースかと思った?残念、さやかクロースでした!」
杏子「てか、さっきから何独り言言ってんだよ?あたししかいないだろ?」
さやか「細かいことは気にしない、ほら杏子行くよ」
杏子「あたしは手伝えばいいんだろ?」
さやか「うん、まずはまどかの家に行くよ」
杏子「しかたないな、もう」
まどホーム
まどか「むにゃむにゃ…」
さやか「よし、寝てるね」
さやか「えっと?杏子、その辺に願い事書いた紙ない?」
杏子「ん?えーと…あった」
さやか「おっ、見せて見せて」
杏子「ほら…ってか今からプレゼント確認すんのかよ?」
杏子「それじゃ時間足りなくないか?」
さやか「いーのいーの、なんとかなるって」
杏子「もう…どうなっても知らねーぞ?」
さやか「どれどれ…」
「ほむらちゃんに名前で呼んでほしいです。まどか」
さやか「ふむ…これがまどかの願い事か」
さやか「もっとこう…ぬいぐるみが欲しいとか言うと思ったんだけどなぁ」
杏子「つーか、それってプレゼントできんのか?」
さやか「さあ?」
杏子「さあ?ってさやか…一応サンタさんなんだろ?」
さやか「サンタさんじゃないよ、さやかクロースだってば」
杏子「いや…まあいいや」
杏子「で、どうすんのさ?まどかの願い事叶えられるのか?」
さやか「うーん…とりあえず、ほむらの家に行ってみようか」
杏子「んー、わかった」
さやか「まどか、待っててね」
まどか「むにゃむにゃ…ほむらちゃん…」
ほむホーム
さやか「着いた着いた、ほむホーム」
杏子「なんだそりゃ?」
ほむら「ほむ…ほむ…」
さやか「…寝言だよね?まあいいや」
杏子「無視かよ?」
さやか「えーと?ほむらの願い事は…?」
杏子「おーい」
さやか「あった…なになに?」
「私に勇気をください。暁美ほむら」
杏子「ほむらの願い事は何なんだ?」
さやか「私に勇気をください。だってさ」
杏子「えっ?勇気?」
さやか「うーん…どういうことだ、おい?」
杏子「パクんな!…それにしても勇気かぁ」
さやか「なかなか難しいね、ほむほむは無理難題を仰る」
杏子「でも願い事を叶えるのがさやかクロースだろ?頑張れよ」
さやか「うん、わかってるって」
さやか「でも、勇気ねぇ…勇気…勇気…」
杏子「最近のほむらってどんな感じなんだ?」
さやか「えっ?どんな感じ?」
杏子「ああ、最近何かあったんじゃないか?」
杏子「勇気がいることがあったとかさ」
さやか「なるほど、そうだね…えーと」
さやか「最近あったことと言えば…」
さやか(さやかちゃんの回想始まり)
さやか「掃除めんどくさー…」
ほむら「…」オロオロ
さやか「ん?ほむらのやつ何やってんだろ」
ほむら「あ、あの…」
まどか「ほむらちゃん、どうしたの?」
ほむら「ま…」
まどか「ま?」
ほむら「ま…まど…まど…」
まどか「あっ!」
さやか「何言ってんだろ…?」
ほむら「まど…」
まどか「ほむらちゃん、がんばって!」
ほむら「…まど……か」
まどか「!」
ほむら「わ、私、窓拭いてくるね!」タタッ
まどか「…え?」
まどか「なんだ…私の勘違いかぁ…」シュン
さやか「?」
さやか(さやかちゃんの回想終わり)
さやか「うーん…あれはよく分かんなかったんだよねぇ」
杏子「いやいや!それじゃんか!」
杏子「ほむらはまどかを名前で呼びたいけど、勇気がなくて言えなかったんだろ?」
さやか「えっ?そうなの?」
杏子「そうなの!」
さやか「なるほど…ってか、何であたしの回想が分かったの?」
杏子「えっ?あー…き、気にすんな」
杏子「奇跡も魔法もあるんだろ?」
さやか「ふーん?わかった」
杏子「それよりもさ、まどかとほむらの願い事って一緒じゃないのか?」
さやか「と言うと?」
杏子「だからさ、まどかの願い事は『ほむらに名前で呼ばれたい』だろ?」
さやか「うん」
杏子「で、ほむらの願い事は『勇気がほしい』じゃんか」
さやか「ならまどかの願い事と違うよ?」
杏子「いやいや、『勇気がほしい』ってことは『まどかを名前で呼ぶ勇気』ってことじゃん?」
さやか「あー、なるほど!」
杏子「うん、だからあたしらでほむらを勇気付けて」
さやか「まどかの名前を呼ばせれば…」
杏子「2人の願い事は叶うってわけさ」
さやか「よし、じゃあ早速そうしよう!」
杏子「…それが難しいんだよな」
さやか「あー…そうかも」
杏子「どうする?ほむらを起こすか?」
さやか「んー、それでもいいんだけどさぁ、どうせならもっとこう…」
さやか「ちゃちゃっとやる感じでやらない?」
杏子「はぁ?どういう意味さ?」
さやか「こーゆーこと」
さやか「それー」
まどか「むにゃむにゃ…」
杏子「うわっ?ま、まどか?」
さやか「あたしが召喚したの」
杏子「召喚したのって…はぁ?どうやって?」
さやか「さやかクロースには奇跡も魔法もあるんだよ!」
杏子「よ、よくわかんねーけど凄いな…」
さやか「えへへ」
まどか「むにゃむにゃ…」
ほむら「ほむ…ほむ…」
さやさや
杏子「…で、どうすんの?2人ともまだ寝てるぞ?」
さやか「うーん…考えてなかった、てへっ」
杏子「…」ジトー
さやか「も、もう!なんとかするわよ!」
さやか「杏子、あんたは隠れてて」
杏子「えっ?何でだよ」
さやか「いいから、ほら隠れた隠れた」
杏子「あーもう、わかったよ」コソコソ
さやか「さて…と」
まどか「むにゃむにゃ…」
ほむら「ほむ…ほむ…」
さやか「こほん、起きたまえ」
まどか「ん…むにゃ…」
ほむら「ほむぅ…」
さやか「おっきろー!」
まどか「ん…んん…」
ほむら「ほむ…?」
さやか「目が覚めたかい?」
まどか「あれ…さやかちゃん…?」
ほむら「美樹さん…?」
さやか「あれっ?」
まどか「それに、ほむらちゃんも?」
ほむら「か、鹿目さん…?」
さやか「あたし美樹さやか違う、さやかクロースね」
杏子(なんで片言?ってかサンタさんって言えよ!)
まどか「あっ!サンタさんなんだぁ!」
ほむら「この人が…サンタさん…」
さやか「んん?」
杏子(…寝ぼけてんのか知らないけど、2人がバカでよかった)
杏子(とりあえず、さやかとはバレてないみたいだな)
さやか「サンタさん違う、さやかクロースね」
杏子(もっとバカがいたー!?)
まどか「えっ?じゃあやっぱりさやかちゃん?」
ほむら「美樹さん…」
杏子(ほら、バレてるじゃんか!)
さやか「ち、違う、さやかクロース」
さやか「またの名を…えぇと?んー…そう!」
さやか「さやかダブルツインマークツーセカンドと言う」
杏子「2がいっぱいだー!」
まどか「えっ?杏子ちゃん?」
杏子「あっ…」
杏子(思わず突っ込んじまった)
さやか「ば、バカ!隠れててって言ったでしょ?」
杏子「おまえが意味不明なこと言うからだろ?」
さやか「あれで良かったのよ!」
杏子「よくねーよ!」
さやか「なにをー!」
ほむら「あ、あの…美樹さん、佐倉さん…私の部屋で何を…?」
ほむら「それに、鹿目さんも…」
まどか「あっ…そ、そうだね…なんでかな?」
まどか「私は目が覚めたらここに…」
ほむら「…?」
杏子「どうすんだよ?グダグダじゃねぇか」
さやか「あーもう!杏子、あたしの言うことに合わせて!」
さやか「絶対に突っ込まないでよ?」
杏子「仕方ないな、乗りきれるならそれでいいよ」
さやか「よーし…こほん」
さやか「まどかちゃん、ほむらちゃん、あたしは美樹さやかじゃない」
さやか「さやかクロース、オーケー?」
まどか「えっ?でもやっぱり…ねぇ?」
ほむら「うん…美樹さんだよね?」
さやか「オーケー?オーケー?」
まどか「…お、おっけー」
ほむら「…うん」
杏子(いやいやダメだろ…)
さやか「よしよし、それでこっちはトナカイのあんこちゃん」
杏子「えぇっ?」
さやか「ほら、トナカイのふりして」ボソッ
杏子「そんなのできるわけないだろ?」ボソッ
さやか「大丈夫、杏子ならやれる」
杏子「できないって、見たことねーし」
さやか「その辺は適当にでいいからさ」
まどか「トナカイのあんこちゃん…?」
さやか「ほら、早く早く」
杏子「ったく…仕方ねぇな…」
杏子「あ、あたしはトナカイのあんこだトナ!」
さやか「トナって…」
杏子「う、うっせー///」
ほむら「あはは…」
杏子「こ、これ以上グダグダにしてどうすんだよ、早く本題にいけって」
さやか「わかってるって、まぁそう焦らない焦らない」
杏子「だってさぁ」
さやか「こほん。えー…まどかちゃん、ほむらちゃん」
まどか「な、なに?」
ほむら「その…何を…?」
さやか「実はね、さやかクロースから君たちにプレゼントがあるのだ」
まどか「えっ?プレゼント?」
さやか「そうそう、プレゼント」
まどか「えへへ、よく分からないけど嬉しいなぁ」
まどか「ねっ?ほむらちゃん」
ほむら「う、うん…でも、み…さやかクロースさんは何も持ってないよ?」
まどか「あっ、ほんとだ」
さやか「だいじょーぶ、プレゼントはもうあるよ」
杏子「…一応、な」
まどか「プレゼントってなにかな?」
さやか「それは…ね」ポン
ほむら「え?私がなにか…?」
さやか「まどかへのプレゼントはこれだよ」
まどか「えっ?」
ほむら「えっ?えぇ…?わ、私?」
杏子「なんか違うだろ?誤解されるぞ?」
さやか「ん?あー…そうかも」
杏子「もう!あたしに任せなって」
杏子「ほむら、えーと…その、あのな?」
ほむら「あ、あの…?」
まどか「…どういうことなの?さやかちゃん」
さやか「うーん、まぁ見てなって」
さやか「…って、あたしはさやかクロースだからね?」
まどか「あっ、そうだったね」
杏子「まどかにさ、『まどか』って言ってやってくれないか?」
ほむら「…本当はね?私もそうしたいの…でもできないよっ…」
杏子「恥ずかしいから…だろ?」
ほむら「…うん」
杏子「大丈夫さ、ほんのちょっぴりでいい、勇気を出せば言えるよ」
ほむら「その勇気が私にはないから…だから…」
杏子「勇気が欲しいんだな?」
ほむら「うん…勇気が欲しい」
さやか「なに話してんだろうね?」
まどか「聞こえないよ」
杏子「でも、あたし達はほむらに勇気をプレゼントできないよ」
ほむら「うぅ…」
杏子「勇気は誰かから貰うもんじゃない、だってもう持ってるんだからな」
ほむら「持ってる…私も…?」
ほむら「私も勇気を持ってるの?」
杏子「ああ、そうさ」
ほむら「でも、そんなこと言われても…無理だよ」
ほむら「恥ずかしいよ…言えないよ…」
杏子「心配すんなって、絶対に大丈夫だからさ」
杏子「それに、まどかは凄く喜んでくれるよ」
ほむら「…ほんと?」
杏子「ああ、だから言ってみようぜ?『まどか』ってさ」
ほむら「…うん」
ほむら「あ、あのっ」
まどか「えっ?私かな?」
ほむら「うんっ…」
さやか「大丈夫なの?」
杏子「心配いらないよ、大丈夫さ」
ほむら「あの…えっと…えっとね?」
まどか「うん」
ほむら「ま…ま…」
ほむら(がんばれ私…がんばれっ)
まどか「あっ」
まどか(もしかして…?)
ほむら「ま、まど…」
まどか「ほむらちゃん」ギュッ
ほむら「えっ?」
まどか「えへへ、がんばろ?」
ほむら「…うん!」
さやか「あたし達がいなくても大丈夫そうだね」
杏子「うん、そうだな」
さやか「じゃああたし達は帰りますか?」
杏子「ああ」
ほむら「まど…」
まどか「うん」
ほむら「まどか…!」
まどか「てへへ、ほむらちゃん、やっと名前で呼んでくれたね?」
ほむら「…うんっ」
まどか「ありがと、とっても嬉しいなぁ」
ほむら「まどか…うん、私も嬉しい」
ほむら「やっと名前で呼べたよっ」
まどか「ありがとう、ほむらちゃんっ!」
まどか「私ね?ずっと前から名前で呼んでほしかったの」
まどか「だから、今すっごく嬉しいんだよ?」
ほむら「まどか…えへへ、そんなに喜んでくれるなんて」
ほむら「佐倉さん、ありがとう」
ほむら「私、ちゃんと名前で呼べたよ」
まどか「さやかちゃんにも一応感謝しなきゃね?」
ほむら「ふふ、そうだね」
まどか「…えーと、ここはほむらちゃんの部屋だよね?」
ほむら「うん、そうだよ?」
まどか「んっと…今は夜中だから…あはは、どうやって帰ろっかな?」
ほむら「あっ…そ、そうだよね」
まどか「歩いて帰るのは怖いかも…」
ほむら「あ、あのっ…まどか」
さやさや
まどか「うん?」
ほむら「良かったら…良かったらでいいんだけど」
ほむら「そのっ、わ…私の部屋に…」
まどか「あっ!」
ほむら「んと…その…」
まどか「えへへ、ありがと、ほむらちゃん」
ほむら「えっ?」
まどか「お言葉に甘えて、お泊まりしてもいいかな?」
ほむら「…うんっ!」
ほむら「じゃ、じゃあその…狭いけど…」
ほむら「あっ、いや…やっぱり私は床で寝るから…」
まどか「えー?それじゃあほむらちゃんが風邪引いちゃうよ?」
ほむら「でも…ベッドは1つしかないから…」
まどか「じゃあさ、一緒に寝ちゃおうよ?」
ほむら「えっ?」
まどか「てへへ、ダメかな」
ほむら「う、ううん…ダメじゃないよ」
さやかとかあんこちゃんみたいな体育系はサンタよりトナカイが似合うと思うんだ
まどか「ありがと、ほむらちゃん」
ほむら「うんっ」
ほむら「その…狭いけど、どうぞ」
まどか「てへへ、なんだか修学旅行みたいだね?」
ほむら「うん」
まどか「来月は修学旅行だし、一緒に楽しもうね?ほむらちゃん!」
ほむら「うんっ!」
まどか「てへへ、おやすみなさい」
ほむら「おやすみなさい」
ほむら「…えへ」
ほむ
さやか「うーん!いい仕事したなぁ」
杏子「さやかは殆ど突っ立ってただけじゃんか」
さやか「あたしはまどかを召喚したからそれでいいのー」
杏子「まあそうだけど…ってあれ?」
さやか「んー?」
杏子「まどかは帰さなくてもいいのか?」
さやか「うん」
杏子「えっ?でもさ…」
さやか「ああすれば、2人はもっと仲良くなれるわけよ」
杏子「どういうことさ?」
さやか「この夜中にまどか1人を帰すわけにはいかないでしょ?」
さやか「だから、ほむらの部屋に泊まることになる」
さやか「イコール2人の仲はもっとよくなるってわけ!」
さやか「我ながら冴えるね、さーすがさやかちゃん」
杏子「…うーん、そういうもんかな」
さやか「そういうもんなの!」
さやか「んじゃ次行ってみよー」
杏子「あんま時間ないし、次でラストな?」
さやか「はいはい、次はマミさんだよ」
杏子「おっ、マミか」
さやか「どんな願い事だろうね?」
杏子「さぁ?わかんないや」
さやか「んじゃ気になるし、早速しゅっぱーつ」
マミホーム
さやか「ついたついたマミホーム」
杏子「だからそれは何なんだよ?」
さやか「分かりやすいでしょ?」
杏子「んー…」
さやか「そんなことより、マミさんは…と」
マミ「すぅー…」
さやか「いたいた、よく寝てるね」
さやか「しかもサンタさんの帽子被ってるし」
さやか「こうして見ると幼く見えるね」
杏子「願い事はこの靴下の中か?…あった」
さやか「なんて書いてある?」
杏子「つーかサンタさん信じてるのか、意外だな…」
さやか「いいじゃん、かわいいし」
さやか「で、なんて書いてあるの?」
杏子「えーと…ま、マミ…あんた…」
さやか「んー?」
「サンタさんへ。親友が欲しいです。マミ」
さやか「…」
杏子「…」
マミ「すぅー…んっ…」
さやか「よっし!杏子、これはもう私たちがやるしかないよね!」
杏子「あ、ああ!そうだな!」
杏子(マミ…あんた…)
さやか「マミさーん?起きてくださーい」
マミ「んん…あれ?美樹さん?」
さやか「うん、そうだよ」
マミ「えーと…?」ボーッ
マミ「はっ!あっ…ごめんね?寝ちゃってて」
さやか「いや、あたし達が急に来ちゃっただけですし」
杏子「だから気にすんなよな?」
マミ「佐倉さんまで…待ってて?今紅茶の準備をしてくるから」
さやか「あっ、いいですよ、大丈夫」
マミ「でも」
杏子「いいっていいって」
マミ「…そう」
マミ「それで…どうして私の家に?」
さやか「あはは!いやぁー急にマミさんの顔が見たくなっちゃって」
マミ「えっ?そ、そうなの?」
さやか「そうそう、そうなんですよー」
さやか「ねー?杏子」
杏子「ああ、マミのやつ元気にしてるかなーって」
マミ「ふふ、ありがとう」
メガほむペロペロ(^ω^)
マミ「でもダメよ?こんな夜中に来ちゃ」
さやか「あはは、すんません」
マミ「あ、でも嬉しいんだけどね?」
マミ「でも…そう言うのは…」
マミ(もっと仲の良い人同士でないといけないわよね?)
マミ(仲の良い人…美樹さんや佐倉さんにとって、私はなんなんだろう…?)
マミ(ただの先輩…なのかしら…?)
マミ(お友だちって思ってたりは…してないわよね?)
マミ(美樹さんや佐倉さん…もっと仲良くなるにはどうすればいいのかな?)
マミ(私は…そういうのが苦手だから、分からないの…)
マミ(仲良くしたいって思ってるのに…自分から距離を作っちゃって…)
マミ(ダメだな、私…こんなんじゃいけないのに)
さやか「ね、マミさん?」
マミ「…どうしたの?」
さやか(マミさん…あたし達のこと、少なくとも親友とは思ってないんだよね?)
さやか(たしかに、親友と言える程の仲じゃないかもしれないけど)
さやか(あたしにとってマミさんは、大切な先輩で)
さやか(大切な友達なんだから)
さやか(だったら、マミさんに親友って思われる仲になりたい)
さやか(マミさんの為にも、あたしの為にもね!)
さやか「マミさん、もう冬休みじゃないですか」
マミ「ええ、そうだけど…それが何か…?」
マミ(冬休み…今年もひとりぼっちで年明けするのかしら…)
マミ(みんな、家族や友達、恋人と冬休みを過ごすのよね?)
マミ(でも、私は家族も恋人もいないし…友達はいるけど、そこまでの仲は…)
マミ(羨ましいなぁ…私もそんな冬休みを過ごしてみたい…)
マミ(みんなと一緒に)
さやか「冬休みは、あたしと一緒に遊びませんか?」
マミ「…えっ?」
さやか「いやぁ、ほんとはクリスマスとかも恭介…じゃなくて、えと…」
さやか「と、とにかく!あたし冬休み暇なんだよねー」
さやか「杏子、あんたも暇でしょ?」
杏子「ん?まああたしは何時でも暇だけどさ」
さやか「だからさ、3人で遊ぼうよ、マミさん!」
さやか「あたし達3人で…いや、まどかとほむらも誘って5人でさ!」
マミ「美樹さん…でもいいの?」
さやか「えっ?」
マミ「私なんかと過ごすより、他の友達と過ごした方が楽しいと思うわ」
マミ(…まただ、私のバカ)
マミ(せっかく美樹さんが誘ってくれたのに…なんでこんなこと言っちゃうんだろ)
さやか「えー?そんなことないですよ!」
さやか「あたし達の仲じゃないですか、ね?杏子もそうでしょ?」
杏子「ああ!」
マミ「私の仲?」
マミ(ただの先輩と後輩じゃ…)
マミ(もしかして、私を友達だって思ってくれてるの?)
杏子「なんだよ?それてもあたし達と遊ぶのは嫌かい?」
マミ「そ、そんな!嬉しいわ!」
さやか「えへへ、やっぱり嬉しいんじゃないですか」
マミ「あっ…」
杏子「なーに遠慮してんのさ?あたし達の仲じゃんか」
マミ「私の…仲…」
さやか「そうそう!私にとってはマミさんも杏子も大切な友達なんだからね!」
マミ「えっ?」
杏子「えっ?」
さやか「えっ?」
マミ「み、美樹さん…ほんと?ほんとに私のことを大切な友達って思ってくれてるの?」
さやか「…うん、もちろん」
さやか(そうだけど…なんで杏子も驚いてんのさ?)
杏子「さやか…」
杏子(さやか…あたしのこと友達だって思ってくれてたのか?)
杏子(…マジかよ?)
さやか「杏子?どうかした?」
杏子「えっ?あっ?いや、なにも?」
さやか「?」
杏子(そっか…さやかのやつ、あたしのこと友達って思っててくれたんだな)
杏子「ははっ」
さやか(杏子がなんか変だな…どうしたんだろ?)
マミ「美樹さん…ありがとう!」
さやか「マミさん?」
マミ「私…やっぱりダメな子よ…美樹さんは私のこと友達だって思っててくれたのに」
マミ「私は…美樹さんのこと友達って心から思えてなかったの…」
さやか「へっ?」
さやか(えっ?なにそれ?もしかして嫌われてんの?)
さやか「マミさん、それってどういう…」
マミ「私は…ずっと、あなた達と友達になりたいって思ってたの」
さやか「あっ…」
マミ「でも、なかなか友達になってだなんて言えなくて…」
マミ「私は、美樹さん達にとってただの先輩なんだろうなって」
マミ「そう思ってたの…」
杏子「マミ…」
杏子(あたしもそうかもな…)
杏子(あたしも、さやかからしてみれば仲間程度で)
杏子(友達だとは思ってないって…そう考えてたからな)
杏子(だからマミ、分かるよあたしもその気持ちがささ)
さやか「…マミさんはちょっと頭が硬いかもね」
マミ「えっ?」
さやか「友達なんて、そんな難しいもんじゃないでしょ?」
さやか「いちいち友達になってなんて言うやつそうそう居ないっての」
さが一個多かった
マミ「でも…」
さやか「それに、友達じゃない人と一緒に帰ったり」
さやか「一緒にケーキ食べたりしないでしょ?」
マミ「それは…」
さやか「それは、あたし達が友達だからなんですよ、マミさん」
マミ「友達…」
さやか「それに、あたしにとっちゃマミさんと杏子は大切な友達だからね!」
マミ「美樹さん…!」
杏子「さやか…!」
さやか(なんで一々杏子が反応するんだろ?)
さやか(なんかさっきから妙におとなしいし)
マミ「あはは…そっか…そうだよね」
マミ「私…やっぱりダメだ…おバカさんよ…」
さやか「あはは、大丈夫!マミさんはダメでもおバカさんでもないって」
さやか「マミさんは、大切な友達で大切な先輩」
さやか「あたし、これでもマミさんのこと尊敬してるんですからね?」
マミ「美樹さん、ありがとう…」
さやか「えへへ、わかってくれましたか?」
マミ「…うんっ」
さやか「よーし、ならいっそのこと、もっと仲良くなってみませんか?」
マミ「もっと仲良く?」
さやか「そう、例えば…親友とか?」
マミ「!?」
さやか「親友…うん、いいねぇ」
さやか「どう?悪くないでしょ?」
マミ「み、美樹さん…でも私なんかでいいの?」
さやか「そんなの関係ないって、自分が親友と思えば相手は親友なんですよ」
さやか「私はまどかの親友だって思ってるしね、まどかがどう思ってるかは知らないけど」
マミ「…」
さやか「だからさ、なっちゃおうよ、親友にさ!」
さやか「杏子、あんたも一緒にだよ?」
杏子「えっ?えっ?あ、あたしがか?」
杏子「あたしがその…親友になっていいのか?」
さやか「?」
さやか「何言ってんのよ、あんたもなるんだよ?マミさんの親友に」
杏子「いや、マミはわかるけど…その…」
さやか「ん?」
杏子「さやかの親友にも…?」
さやか「え?今さら?」
杏子「へっ?」
さやか「何言ってんのかわかんないけど、とにかくマミさんともっと仲良くなるの!」
杏子「あ…ああ…」
マミ「…美樹さん?」
さやか「はい?」
マミ「その…無理しなくていいのよ?無理して私なんかと仲良くしなくても…」
マミ「…そう言ってくれただけで、私は嬉しいから」
さやか「なに言ってんすか、そんなんじゃダメだって」
マミ「でも…」
マミ(私…なんでこんな事言ってるんだろう…)
さやか「じゃあ、明日から一緒に遊びましょうよ」
さやか「時間はたっぷりあるんだしさ」
マミ「ほんとにいいの?他の予定は?他の友達は?」
マミ(バカ…私のバカ…なんで素直になれないの…?)
さやか「もー!あたしがマミさんと遊びたいって言ってるんじゃないですか!」
さやか「だから、あたしの予定はマミさんと遊ぶことなの!」
さやか「それとも、あたしと遊ぶのは嫌ですか?」
マミ「そんな!すっごく嬉しいわ!でも…」
マミ「でもっ…」
さやか「うーん…どうもマミさんは遠慮がちだなぁ」
さやか「…そうだ!名前だよ名前!」
マミ「名前?」
さやか「あたしのこと、美樹さんじゃなくて、さやかって呼んでくださいよ?」
マミ「えっ?」
さやか「年下にさんなんて付けなくていいですし、名前で呼ばれた方があたしも嬉しいし」
マミ「私は…」
マミ(私も…美樹さん達のこと名前で呼びたいって思ってたわ)
マミ(でも…勇気が足りなくて、そう言えなかった…)
マミ(暁美さんが私に相談しに来てくれて…2人で頑張ろうって約束したのに…)
マミ(結局、私は何もできなかったのよ…)
さやか「実はさっき、ほむらがやっと名前で呼んだんですよね」
さやか(見てはないけど、絶対言ったはずだよ)
マミ「えっ?」
さやか「まどかのことを『鹿目さん』じゃなくて『まどか』ってね」
マミ「暁美さんが…?」
さやか「まどかは名前で呼ばれて絶対喜んでた」
さやか「だって名前で呼ばれた方が嬉しいもんね」
さやか「だから、マミさんも呼んでくださいよ」
マミ「…」
さやか「『さやか』『杏子』ってね」
杏子「あっ…」
さやか「杏子、いつまで黙ってんのよ?あんたも一緒なんだからね?」
杏子「えっ?あ、うん、わかった」
さやか「?」
さやか(杏子のやつ、さっきからどうしたの?)
杏子「マミ、あたし達は…友達!そう友達なんだからさ!」
マミ「佐倉さん…」
杏子「その、『佐倉さん』ってのやめて、『杏子』って呼んでくれよ」
杏子「なっ?」
さやか「そうそう、あたしも『さやか』ってね!」
マミ「…!」
マミ(暁美さんも勇気をだして名前で呼べたのよね)
マミ(なら…先輩の私も負けてられないわ)
マミ(それに…親友になってくれるって言ってくれてるのよ?)
マミ(こんなに嬉しいことはないわ…!)
マミ(だから…頑張るのよ!巴マミ!)
マミ「…」ゴクッ
マミ「…さやか、杏子」
さやか「おっ!」
杏子「!」
マミ「その…明日から一緒に遊びましょう?」
マミ「だって私たちは…」
マミ(頑張れ私…っ!)
マミ「し、親友になるんだから!」
さやか「はい!よろしく!」
杏子「ああ、頑張ろうな!」
杏子(あたしも頑張って、さやかとマミの親友になってやる!)
マミ(てへへ、やったぁ!)
マミ(やっと…やっと素直になれたわ!)
さやか「よーし!明日はまどかとほむらも誘って、遊びに出掛けよう!」
マミ「ええ!」
杏子「わかった!」
さやか「あははっ、これで冬休みの予定は決まったね!」
さやか「この冬休みはとことん遊ぶよ!」
マミ「そうしましょう」
杏子「へへっ!」
マミ「今日はありがとう、サンタさん」
さやか「へっ?」
マミ「ふふ、だって私が欲しかったものをくれたんだもの」
さやか「あぁ…でもちょっと違うんだよね」
さやか「サンタクロースかと思った?残念!さやかクロースでした!」
さやか「で、こっちがトナカイのあんこだトナ!」
杏子「う、うるせー!」
マミ「ふふっ、じゃあありがとう」
マミ「さやかクロースとあんこちゃん」
杏子「なっ、マミまで!」
さやか「いいじゃん、こうやって冗談言うのが楽しいんだからね」
マミ「ええ、そうね」
杏子「…まぁ、そうだな」
さやか「よし、じゃあ私たちはここらで一旦帰りますわ」
さやか「あと一人行かなきゃいけないんで」
杏子「えっ?」
マミ「そう、わかったわ」
さやか「じゃあ明日は4人でマミさんの家に行くから待っててくださいね」
マミ「うん、楽しみに待ってるわね?」
さやか「えへへ、それじゃ」
マミ「またねー」
杏子「またな」
さやか「いやー、明日から忙しくなるね」
杏子「ああ、でもさ」
さやか「んー?」
杏子「あと一人行かなきゃいけないってなんだよ?マミでラストじゃないのか?」
さやか「あぁ、実はそれ嘘」
杏子「はぁ?嘘ってどういうことだよ!」
さやか「あと一人ってのはさ、杏子」
さやか「あんただよ」
杏子「…え?」
さやか「さやかクロースは杏子の願い事も叶えてあげる!」
杏子「さやか…ありがとな」
さやか「何でも言ってくれたまえ?」
杏子「でも、あたしはもう大丈夫だよ」
さやか「えー?なんで?」
杏子「なあ…さやか」
さやか「なに?」
杏子「あたし達って…と、友達だよな」
さやか「え?違うよ」
杏子「…え?」
杏子「な…あたしとさやかは友達じゃないのか…?」
杏子「なんだよそれ…」
さやか「友達じゃないって言うかさ」
杏子「…」ウルウル
さやか「ちょっ!なに涙目になってんのさ?」
杏子「うるさいっ!」
さやか「あぁーごめん、言い方悪かったわ」
杏子「え…?」
さやか「あたしとあんたは友達じゃくって親友」
杏子「えっ?」
杏子「あたしとさやかが親友?」
さやか「うん、だからこうやって今も2人でいるんじゃん」
さやか「杏子がいなかったら、あたしは1人でやらなくちゃいけなかったんだし」
さやか「なんだかんだで、あんたには感謝してるよ?」
杏子「さやか…」
さやか「ん?」
杏子「あっ、いや…そ、そうだよな!そうなんだもんな!」
さやか「うん、今日はありがと」
杏子「へへっ…!」
さやか「だからさ、そのお礼も含めて杏子の願い事を叶えてあげるって言ってんのよ」
杏子「ありがとな、でもやっぱり大丈夫だよ」
さやか「遠慮しなくていいよ?」
杏子「そうじゃないんだ、あたしの願い事はもう叶ったんだよ」
さやか「え?そうなの?」
杏子「ああ!」
杏子(だってさ、あたしの願い事は…)
杏子(さやかと仲良くなりたい、だからな)
杏子(友達どころか親友だなんてな…へへっ)
杏子「さやか!」
さやか「ん?」
杏子「ありがとな、あたしのサンタさん」
杏子「いや、さやかクロース!」
おわり
乙乙ペロペロ(^ω^)
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