コナン「光彦が犯人……?」 (15)

灰原「いや、ちょっと待って工藤くん。流石にそれは……円谷くんが人殺しなんて……」

コナン「ああ、分かってるって……もう一度、再検討し直そう、うん」

灰原「そうね。どういう推理でそんな結論になったのかしら? 探偵さん」

コナン「……まず、現場に、血文字でこう書き残されてたんだ」

『光彦が殺った』

コナン「……流石に、このダイイング・メッセージが被害者が書き残したものではないってことは分かり切ってる」

灰原「博士は騙されてたみたいだったけど」

コナン「まあ、それはしゃーない。ともかく、これは犯人による偽造だ」

コナン「理由は二つ。一つは、この字が綺麗に書かれすぎている」

コナン「被害者はナイフで深く胸を刺されてたんだから、仮に死ぬ直前まで意識があったとしても、こんな綺麗に書ける筈がない」

コナン「二つ目。被害者と光彦には一切の面識がない」

コナン「被害者グループとこちらが顔を合わせたのは死体が見つかってからだ」

コナン「それまでは、一切の接触がなかったわけだから、被害者が光彦の名前を書き残せるわけがない」

灰原「けど、そうなると問題が一つ出てくるわね」

コナン「ああ……この論理でいくと、犯人は光彦のことを知っていた人物……つまり……」

灰原「私、あなた、博士、円谷くん、小嶋くん、吉田さんの誰か……」

コナン「ここに来るまでの道が土砂崩れで通れなくなってるからな……」

コナン「容疑者になるのはこのペンションAに泊っている俺らとあちらの……殺人現場となったペンションBに泊っている彼らのみなんだ」

灰原「とにかく、話を進めましょうか」

コナン「そうだな。さて、そうなると、俺らの誰に犯行が可能だったかということだが……」

灰原「私と吉田さんは除外されるんだったわね。私達の部屋から外に出るには、あなた達が夜通し騒いでいたリビングを通り抜けなきゃならないから」

コナン「お前らの部屋にある窓ははめ殺しだから、あのドア以外からは外に出られないもんな」

灰原「ええ。それに、私と吉田さんで寝ている時以外はアリバイを保証しあっている」

コナン「……俺らも、基本的にはアリバイを保証しあっているわけだが……」

灰原「円谷くんだけ、途中で一回、外へ抜け出したのよね?」

コナン「……」コクリ

コナン「リュックサックを抱えて、外へ出て行って、三十分くらいしてから帰ってきたんだ……」

灰原「で、帰ってきた時、何故か服を着替えていた、と……」

コナン「……」コクリ

灰原「……真っ黒ね。ダイイング・メッセージは裏の裏を突いた偽造ってことかしら」

コナン「バーロー! み、光彦が、しょ、小学生が大の大人を殺しただなんて!」

灰原「そ、そうよね。うん、そんな……」

コナン「とにかく、考えなおしだ

元太「大変だー!」ガチャ

コナン、灰原「!?」

元太「ま、また人が、殺されたんだあ! あっちのペンションで!」

コナン「な、何だと、元太! 誰が!」

元太「……みんな」

灰原「みんな……?」

元太「ぜ、全員、死んでたんだよおおお! 今朝、死んでた姉ちゃん以外の四人が、皆!」

コナン、灰原「!?」

元太「も、もう、俺、どうしたら……」

コナン「落ち着け、元太! 博士と光彦はあっちにいるんだな?」

元太「は、博士はいるけどよぉ……」

コナン「……とりあえず、俺は現場に行く! お前は灰原と一緒に、歩美が寝ている隣の部屋にいろ!」

コナン「頼むぞ、灰原!」ダッ

灰原「え、ええ……」

コナン「博士、どういうことだ!」

阿笠「お、おう……新一か……み、見れば分かる……」

コナン「……!?」

コナン「こ、これは……お、斧か何か、か? 皆、首を切られて……」

阿笠「く、首も、体も、ちゃんと四人分あるぞい……それに……」

コナン「それに?」

阿笠「こ、これを見てくれ……」

『光彦が殺った』

コナン「……」

阿笠「……」

コナン「いや、ねーよ……」

阿笠「で、でも、新一……」

コナン「……博士が書いたんじゃねーよな?」

阿笠「ど、どうしてワシが!」

コナン「いや、分かってるけど……」

光彦「あ、博士とコナンくんじゃないですかー! まだ捜査してるんですかー?」

コナン、博士「!?」

光彦「どうしたんですか? そんな凄い顔して……」

光彦「うわっ」

光彦「そ、それはもしかして、し、死体ですか……!」

コナン「光彦……」

光彦「なんですか? こんなところで……」

コナン「それ、何だ?」

光彦「それ?」

コナン「お前の袖についている血だよ!」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2018年02月12日 (月) 11:06:59   ID: nCjkZLOV

光彦最低だな

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