夏希「牡丹センパイと仲良くなりたい?」 朱雀「……うん」 (95)

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桜「夏希ちゃんに告白しようと思います!」夏希「!?」
桜「夏希ちゃんに告白しようと思います!」夏希「!?」 - SSまとめ速報
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クレア「花梨さんを妹にするわ」夏希「」
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桜「部長としての威厳を取り戻したい!」夏希「……」
桜「部長としての威厳を取り戻したい!」夏希「……」 - SSまとめ速報
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桜「夏希ちゃんへの告白を阻止します!」
桜「夏希ちゃんへの告白を阻止します!」 - SSまとめ速報
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──某日 花火大会会場──

夏希「こんな時期に花火大会なんてあったんですね……何か季節外れな気がしますけど」

花梨「確かにもう秋……」

花梨「ううん、私たちが二学期デビューしてから結構経つもんね!」ニコニコ

夏希「何で言い直したの今!? それに二学期デビューしたのはアタシの夢の中だけだからね」ハァ

牡丹「うむ、何故この時期に突然花火大会が開催されるのか」

クレア「それには重大な理由があったのよ……!」

夏希「何か語りが始まった……?」

──数日前、部室──

クレア(九重クレアです)

クレア(アニメ最終回が終わってしまっても、私たち帰宅部は通常運転)

クレア(でも今日は夏希さんと花梨さんがHRでまだ来ていないの)

クレア(1年生の二人が居ないと、部室ってこんなに静かだったかしら)

桜 「えへへへへ……うえへへへへ……」ザッシペラリ

牡丹「うううううっ……!こんな泣ける話があったなんて……!」スマホミナガラ ダバーッ

クレア(と思ったら別に静かじゃなかったわ)

クレア「気持ち悪い笑い声上げてる桜さんは何の雑誌を見ているの?……”浴衣女子の魅力であの人のハートをゲット”?」

桜 「えへへへ……なるほどぉ、アップにしたうなじや裾から見える白い足が、いつもと違う色っぽさで、思わず惚れ直しちゃう! かぁ……」ニヘニヘ

桜 「ってうわっ!? クレアちゃんいいいつの間に?」ビクッ バサッ

クレア「……なるほど。いつもは活動的なイメージの桜さんが、一転して清楚な和風の出で立ちに……そのギャップで夏希さんにアピールしようという魂胆かしら」フムフム

桜 「なななな何の事かなっ!? 夏服を生かせなかった分多少季節遅れでもいいからここら辺で取り返そうなんて全然思ってないよ?」アセアセ

クレア「それとも、浴衣姿の夏希さんの綺麗な脚を下からの目線で堪能しつつ、下駄で思い切り踏みにじってほしいという倒錯的な願望を抱いているとか……」

桜 「ほぇ……そ、それもいいなぁ……じゃなくて!」///

桜 「ことあるごとに私がドMみたいな風潮を流行らそうとすんのやめてよー!!」

クレア(もう手遅れだと思うわ)

クレア「桜さんは、どうやら重大な思い違いをしているようね」ウデグミ

桜 「へ?」

クレア「確かに慣れない浴衣姿でちょっと恥ずかしげにもじもじする夏希さんは素敵だと思うわ。袖から覗く白い二の腕を、思わずペロペロしたくなってしまっても仕方がないかもしれないわね」

桜 「おおっ! 気が合うねクレアちゃん!」パァァ

クレア「でも、それも花梨さんの浴衣姿には敵わないわ」

クレア「可愛らしさという概念を凝縮して昇華したような存在である花梨さんが、更に女子力大幅UPアイテムである浴衣を纏ってしまったら!」

クレア「それはもう、一種の最終兵器。言葉などでは表しつくせない、可憐さと美しさの極み!」

クレア「私だけじゃない、全世界に対する刺客と言える存在になってしまうのよ!」

桜 「むぅぅぅぅ……確かに花梨ちゃんの浴衣姿も可愛いと思うけどさぁ……」

桜 「夏希ちゃんだって、負けないぐらい……いや、当社比10倍ぐらい可愛いよ!」グッ

クレア「何ですって……聞き捨てならないわね……!」ムゥ

桜 「こうなったら」

クレア「白黒はっきり」

桜・クレア「させるしかない(わ)ね!」メラメラ…!

牡丹「おまえたち、煩悩の炎で室温を上げるなよ」

牡丹「全く、人がせっかくVIPな掲示板の”【ちょっといい話】号泣したら腹筋”スレで感動しているところなのに」フゥ

桜 「じゃあクレアちゃんは、袂に手を差し込まれて控えめな胸をまさぐられて弱々しく抵抗しながらも最終的にはデレてなすがままになっちゃう夏希ちゃんが見たくないっていうの!?」ギャーギャー

クレア「桜さんこそ、野外で魅力的なお尻を撫で擦られて周りの人に見つかっちゃうんじゃないかという背徳感と羞恥に顔を真っ赤にする花梨さんが見たくないの!?」キー!

牡丹(……私の親友二人が犯罪者予備軍なわけがない)


◇◇

アザラシ「人生相談があるの、セクハラ相談窓口に」

◇◇

牡丹「ええい、少しは頭を冷やすんだ、二人とも……!」

【空気清浄物語(エア・リフレッシュ・クロニクル)!】


”ないたあかおに”

あかおに「人間どもがワイをハブってくる件www ワロタwww ワロタ……」

あおおに「八百長作戦考えたwww 俺天才www」

おろかな人間ども「あかおにぐう聖www あおおにぐう畜プギャーwww」

あおおに「ミッションコンプリートwww 俺ヒキニートに戻るわwww」

あかおに「ちょおまwww」

桜 「あ、あおおに……! 何ていい奴なのー! でもかわいそうすぎるよー」グスグス

クレア「ちょっと現代風にアレンジされてても、良いお話というのは変わらないものなのね……」ウルウル

牡丹「ありがとう、VIPな板のスレ……ありがとうあおおに……おかげで二人の邪悪な煩悩を鎮めることができたぞっ……お礼にIDの数だけ腹筋するからな!」ダバー

牡丹「と思ったら0回だったな」

牡丹「というわけだ」

クレア「そして私は花梨さんと夏希さんの浴衣を見たいがために、九重グループ傘下のイベント会社に花火大会を急きょ開催させたというわけなの」

花梨「クレア先輩、すごいですぅ」ソンケイノメ!

夏希「結局煩悩鎮まってないだろソレ! 私利私欲で花火大会開いちゃったのかよこの人スケール無駄にでかいよ! 大体今の前振り全然意味無いし!? 後良い話アレンジしすぎだよ! もう怒られるレベルでしょこれぇ!」ゼェゼェ

桜 「久々の連続ツッコミで息切らしてる場合じゃないよ夏希ちゃん……」ゴゴゴゴ

夏希「え?」

桜 「そういうわけで、楽しみにしてたのに……してたのに……」

桜 「何で夏希ちゃんだけ浴衣着てないのさぁぁ!?」

夏希「……あー」

桜 「全員浴衣着用で集まる事ってメールに書いたのに! 書いたのにぃ……」

夏希「だって持ってないですしレンタルもめんどくさかったし」

桜 「夏希ちゃんのうなじがぁ! 裾から覗くふとももがぁー!」ウワーン

夏希「公共の場で欲望ダダ漏れさせんな! ……センパイたちが無駄に張り合ってた事情は分かりましたけど、それに付き合う義務は無いです」プイッ

クレア「花梨さんの白地に朝顔柄の浴衣、思った通りとっても似合ってるわ♪ 思わず抱きしめたくなっちゃうぐらい♪」ギュウ

花梨「あんっ、クレア先輩のあやめ模様の浴衣もシックで素敵ですぅ……」ギュ

桜 「見てよあの二人のイチャイチャっぷり! それに比べて何なのこの落差!」

夏希「花梨とクレア先輩がイチャついてるのはいつものことでしょう……」ハァ

桜 「やだやだー! 浴衣着てくんなきゃヤダヤダー!」ジタバタ

夏希「ちょっ……その格好で足バタバタさせないでください見える見えちゃう! 大体浴衣までミニだし! 何でいつもそんなに攻めちゃうんですかっ」///

桜 「裾がはだけそうなのを気にしながら内またで歩く夏希ちゃんが見たいんだよー! それが無くて何のための花火大会なのー!?」ジタバタジタバタ!

夏希「えーいスーパーでお菓子ねだる子供か! うっとうしいわ!」クワッ

桜 「もーいいもん! 夏希ちゃんなんかいらない! 一人で屋台とか楽しんでやるー!」ダダッ カラコロカラ…!

牡丹「お、おい桜!?」

夏希(行っちゃった……最近どんどんワガママになってくなぁあの人……)ヤレヤレ

牡丹「仕方がないな……ヤケになって周りに迷惑かけないか見張ってくる」ビュン!

夏希「……牡丹センパイもすぐそうやって甘やかすし……」ムゥ

クレア「まあまあ夏希さん。桜さん、本当にあなたの浴衣姿楽しみにしてたのよ?」

クレア「今からでも、リクエストに応えてあげてもらえないかしら」

花梨「私もなっちゃんの浴衣見たいなー」ニコニコ

夏希「……///」

夏希「でもこれからじゃ、レンタルだって間に合わないし……」

クレア「大丈夫よ」

クレア「こんなこともあろうかと、夏希さんの家に浴衣と着付け師を送るように手配しておいたわ♪」

夏希「手回し良すぎ!?」ガーン

夏希「しょうがないですね……じゃあちょっと行ってきます」タタッ

花梨「早く戻ってきてね~」フリフリ

クレア「じゃあそれまでの間、二人で屋台でも回ってましょうか♪」

花梨「はい♪」

クレア(計画通り……! これで花梨さんと二人きりになれたわ)フフッ…


◇◇

着付けアザラシ「アザラシが30分でやってくれました」

◇◇

──30分後──

夏希「センパイたちどこかな……打ち上げまではまだ時間あるハズだけど」カランコロン

夏希「とりあえずメールでも……」

「おい、そこのおまえ」

夏希「?……あ、あなたは!」

残虐の「よー、また会ったな」カラコロ

夏希「萩調流四天王の、詩天使(しえる)さん!」

詩天使(笑)「残虐の朱雀だよ!! せっかくアニメでカットされてたのに実名ネタ蒸し返してんじゃねーよチクショー!!」///

夏希「アハハ、そうでした……すみません」ペコリ

朱雀「まあいい。そ、そんなことより……よ。オマエが来てるってことは、その……アイツも来てんのかよ?」ソワソワ

夏希「アイツって……牡丹センパイですか? 多分会場内にいると思いますけど……」

朱雀「そそそそそ、そうか? う、うちの流派に狙われてるクセに優雅に花火見物とか……緊張感の無いヤツだな!」

夏希「いや、明らかに朱雀さんも見物に来てますよね? 浴衣姿だし」

朱雀「ばっ……! ち、違ぇーよ! これはただの……その、ただの偵察だよ!」

夏希(ピンク地に蝶柄の模様……華やかで似合ってる)

夏希(アタシも最初から浴衣にすれば良かったかな)

朱雀「……オマエらいつも仲いいよな」

夏希「うーん……まあ、そうですかね。最近は遊ぶときはいつも一緒かも」

朱雀「……」ハァ

夏希「……あの、良かったら私達と一緒に花火見ます?」

朱雀「!?……なっ、なっ、なーにバカな事言ってんだオマエ!? アタシは牡丹の敵だぞ敵! 一緒にそんな、夜空にしか咲かないヒマワリ見たりなんかしたりなんかしたら……!」

◇◇

ドドーン  パラパラパラ……

朱雀「綺麗だな……」

牡丹「ああ、暗闇をキャンバスにしちゃうところがいいな。でも……」

朱雀「?」

牡丹「おまえの方がもっと綺麗だぞ、朱雀」アゴクイッ

朱雀「あ……あ……///」

 チュッ

◇◇

朱雀「なんてことになんてことになったらどうすんだよ! 責任取ってくれんのか!?///」プシュー!

夏希(うわっ、この人の妄想、ベタ過ぎ……?)

朱雀「と、とにかくっ! あたしはそんな……敵と慣れ合う気なんか無いからな!」プイ

夏希(それに分かりやすいツンデレだなぁ……どう見ても牡丹センパイのこと大好きなのに)

夏希(少しは素直になっても……あ)

◇◇

「センパイたちが無駄に張り合ってた事情は分かりましたけど、それに付き合う義務は無いです」プイッ

◇◇

夏希(それを言うならアタシもか……もしかしたらこの人、アタシと少し似てるのかも)

夏希「いいじゃないですか」

朱雀「何がだよ」

夏希「お祭りの時ぐらい、流派の事なんて忘れて、一緒に遊んだって」

夏希「それとも、嫌いなんですか? 牡丹センパイのこと」

朱雀「……嫌いな、訳無いだろ」

朱雀「……本当は、仲良くなりたいって、ずっと思ってた」

夏希「じゃあ……!」

朱雀「でもダメなんだよ」

朱雀「アイツは……萩月流継承者の大萩牡丹は、萩調流のアタシらのことなんか……対等な敵にすら見てくれない」

朱雀「見ただろ、この前の出稽古の時。実力が違いすぎるんだよ」

夏希(確かにクマ四天王の方をライバル視してたしなぁ……とても言えないけど……)

朱雀「昔からそうだった」

朱雀「あたしらがいくら修行しても……牡丹はいつもその遥か先を行く」

朱雀「最初はムカついてた。反発もした。それがいつの間にか、憧れになって……」

朱雀「敵同士でも、ただの稽古だけでも、会えるのが嬉しかった。コロッケTシャツ選んでもらった時があたしの人生のピークだった」

夏希(ううう……それがピークなんて悲しすぎる)

朱雀「でも最近はあんまり稽古にも来てくれない。それよりもショックだったのは……」

朱雀「牡丹は……おまえらと一緒にいるようになって、昔よりずっとずっと楽しそうだ」

朱雀「知らなかった。アイツ、あんな笑顔もできるんだって……何て言うか、おまえらが羨ましいっていうより、自分がみじめになったんだ」

朱雀「あたしはアイツにとって何なんだろう? ただのちょっと鬱陶しい雑魚キャラとか、そんなんなのかな?」ハァァ…

夏希「朱雀さん……」

朱雀「あ、あはは、あたし何言ってんだ? いきなり年下のおまえにグチったりして、みっともねーよなー! 忘れてくれ……」ハハハ…

夏希「……」ゴソゴソ ピッ

朱雀「?」

夏希「あー、桜センパイ? すぐ来てもらえます? 牡丹センパイには内緒で」

朱雀「誰に電話したんだ?」キョトン

夏希「牡丹センパイを変えた人ですよ」

夏希「いつもは頼りないし子供っぽいしバカな事ばっかりするけど……きっと今の朱雀さんの力になってくれると思います」

桜 「夏希ちゃぁぁーん!」カラコロ

夏希「あ、こっちです」フリフリ

桜 「ゴメンねゴメンね夏希ちゃん! もうワガママ言ったりしないから謝るから、怒んないで!」ハァハァ

桜 「って、浴衣着てくれたんだぁぁ!? うわーい、紺に金魚柄が可愛い! 嬉しいー!」ガバッ

夏希「うあっ!? ちょ、ちょっと、いきなり抱きつかないで……!」

桜 「はぁぁ、このちょっと控えめだけど柔らかい感触が最高だよー! あ、コロン付けたの?」スリスリクンカクンカ

朱雀「うわぁ……」ドンビキ

夏希「もぉぉ……話を聞け!///」ゴスッ

桜 「いったぁぁ……物理でツッコミなんてひどいよ夏希ちゃん……」ナミダメ

夏希「公共の場でセクハラすんのやめてくださいよ」

桜 「公共じゃなかったらいいの!?」

夏希「よくないわ」

朱雀「おまえら本当に仲いいよな……」

桜 「とにかく、事情はわかりました」

桜 「朱雀ちゃんが牡丹ちゃんと仲良くなる手伝いをすればいいんだね!」

夏希「そういうことです」

朱雀「ちょっ、おまえら何勝手に……」アセ

桜 「でもさぁ、普通に友達になりたいって言うんじゃダメなの?」

朱雀「む、無理に決まってんだろ! 今まで散々敵だとか返り討ちにしてやるとか言ってきちゃったのに今更!」

夏希「要するに、印象を変えるきっかけが必要ってことですね」

桜 「私の場合は、同じ花の名前って共通点があったんだけど……」

詩天使(笑)「名前……」ズーン

夏希「ほ、他の方法でお願いします!!」アタフタ

桜 「うーん、じゃあ……牡丹ちゃんが興味もちそうな話題で合わせてみる、とかかなぁ……?」

夏希「牡丹センパイの興味……ゲームとかですかね」

桜 「でも狩りのゲームすらソロプレイしちゃうような子だからなぁ……基本ぼっち体質でコミュ障なんだよね、難しいなぁ」

夏希「まあ確かにそうですね」

朱雀(こいつら仲良いくせにコメント容赦無いな……)

桜 「後は武術だけど」

朱雀「それはいつもやってる。そしていつも一蹴されて終わってる……」orz

桜 「正面からぶつかるからダメなんじゃない? 牡丹ちゃんに反撃されないような方法を……」

夏希「いやいや目的違ってるって! 倒すんじゃなくて、仲良くなる方法考えてくださいよ!」ビシ

桜 「そ、そうだったね」ゴメンゴメン

朱雀(今更だけどこいつらに任せて大丈夫なのかな……)

桜 「ん? ……いや、それ使えるかも!」ピコーン

夏希・朱雀「?」

桜 「そう……正面からぶつかったら、牡丹ちゃんのチート能力で瞬殺されちゃう。だから反撃されないような方法でアピールすればいいんだよ!」

桜 「名付けて、”ないたあかおに”作戦っっ!」ドォーン

◇◇

──ないたあかおに作戦 シミュレーション──

不審者桜「おい牡丹ちゃん! この夏希ちゃんの命が惜しければ、大人しく投降するんだね!」

夏希「ぼ、牡丹センパイっ、ごめんなさい!……突然現れたこのいかにも不審者めいた何者かに、凶器を突き付けられてしまって……!」

牡丹「くぅっ……夏希を人質に取られてしかも電動歯ブラシを首元に突き付けられているという状況では、さすがに萩月流古武術を極めた私でも抵抗できないっ……誰か、誰か救いの手を差し伸べてはくれないのかっ……」orz

「そこまでだ! そこのどうみても不審者まっしぐらのツインテール!」ザンッ

不審者桜「な、何ぃ? 何者だ!?」ニンジャ? コワイ!

朱雀「あたしの名は! 萩調流継承者配下の四天王が一人、残虐の朱雀!  悪党め、観念してハイクを詠め……唸れ、炎の舞!」ゴォォォォッ!

不審者桜「アイエエエ! サヨナラー!」ケシズミ!

夏希「突然現れた牡丹センパイの4才からの幼馴染でありかつ強敵と書いて友と読むべき存在の朱雀さんのおかげで危ない所を救われました!」カンシャ

牡丹「ありがとう、朱雀……おまえの事を誤解していたよ……本当は良い奴だったんだな! 私の親友(マイベストフレンド)になってくれ!」テヲギュッ

朱雀「ま、まあ、牡丹がそこまで言うんならなってあげても別にいいんだからね?」ツンデレッ

◇◇

朱雀「か、完璧な計画じゃないか……おまえ天才か? 天才なのか!?」カンドウ

桜 「あははは、まーね! もっと褒めてくれてもいいんだよ?」テレテレ

夏希「いや最初から最後まで雑すぎて逆にツッコミようが無いんですけど」

桜 「こんなこともあろうかと不審者セット持参しといて良かったよ。じゃあ早速、作戦開始!」

桜 「あ……本番ではもうちょっと手加減してね?」アセ


◇◇

忍者アザラシ「Wasshoi!」

◇◇

──会場内──

牡丹「桜のやつ、一体どこに行ったんだ……そろそろ打ち上げが始まってしまうというのに」キョロキョロ

 ガサッ

「ぼ、牡丹センパーイ……」

牡丹「その声は夏希か? って、な、何だ?」

不審者桜「お、おい牡丹ちゃんっ……! ここの夏希ちゃんのいい命がおお惜しければ、大人しくとこっ……とことっ……とうこうするんだね!(震え声)」

夏希「きゃー助けてくださーい(棒)」

牡丹「……夏希が謎の不審者? に捕まっている? だと?」ハテ

夏希(ちょっとちょっと真面目にやってくださいよ! 何ですかその震え声! 最近は中の人も成長したはずだったのに!)ボソボソ

桜 (だ、だって緊張して……! ていうかそういう自分こそなんなのその棒読み! 夏希ちゃんの中の人は演技上手いはずでしょ?)ボソボソ

牡丹「どこかで聞いたような声だな……特にその震えっぷり……」ンン?

桜 (マズイよこのままじゃバレちゃうよ!)

夏希(というより何でまだバレてないんですか……あの人の目も大概フシアナだな!)


朱雀(何やってんだよあいつら……)ヤキモキ

桜 (何とかもっと自然に……自然に……)
 
 ホワァ……

桜 (と思ったら、後ろから羽交い絞めにしてるから、アップにしてるうなじのあたりから夏希ちゃんのコロンのいい匂いが……)スンスン

桜 「……ぐへへ♪」ペロッ

夏希「ひゃあっ!? い、いきなり首筋に舌這わせないでください!」ゾクッ

桜 「ほらほらあ、さっさと投降しないと、夏希ちゃんに衆人環視の中でいろいろと性的なイタズラしちゃうぞ~」スルッ モニュモニュ

夏希「やっ……! 胸元から手差し込まないでっ……」ビクン

牡丹「な、何という破廉恥な不審者だ……! 一瞬聞き覚えのある声のような気がしたが、私の知り合いにこんな異常性欲者がいるはずがないな!」///


朱雀(後ろからだとよく分かんないけど、上手くごまかせてるみたいだな……!)

桜 (ん? 夏希ちゃんてばブラジャーしてるの? 和服の時は下着着けちゃダメなんだよ~)ゴソゴソ パチッ

夏希(それは俗説ですって……って何ホック外してんですか!)///

桜 (あれぇ? もうここんとこ固くなってるよ? もしかして人に見られながらされて、感じちゃってるの?)クリクリ

夏希「んひっ!? そ、そんなことあるわけ……」ビク

桜 (やっと牡丹ちゃんが騙されてくれそうなとこなんだから、抵抗しないで合わせて合わせて♪)ボソ

夏希(だ、だからって……ここまでしなくてもぉ……///)

桜 (上の方がこんななら、下の方も大変なことになっちゃってたりするのかなぁ♪)ゴソゴソ

夏希(!?)

桜 (せっかくだから電動歯ブラシも使ってみよっと)ウィーン

夏希「ふわぁぁぁぁっ!」ガクガク

──同時刻 少し離れた場所──

クレア「ああ、りんご飴を頬張る花梨さんも素敵だわ……♪」パシャパシャ

花梨「クレア先輩……どうしてさっきから私の食べてるとこばっかり写真撮るんですか?」

クレア「次はチョコバナナをお願いね! あ、すぐ囓るんじゃなくて、先端のとこを舐める所からお願い!」メガマジ

花梨「こ、こうですか?」ペロ

クレア「いいわねいいわね! 今度はお口いっぱいで頬張って……」パシャパシャ…ピーッ

クレア「はっ! 我を忘れて花梨さんのちょっとインモラルチックなショットの撮影に没頭していたら、高性能デジカメの充電が……!」ガガーン

クレア「すぐにバッテリーを代えてくるわ! ちょっと待っててね花梨さん」カラコロ…!

花梨「あっ! 先輩!……行っちゃった……」シュン

花梨「写真なんかなくても、先輩と一緒に居られればそれでいいのにぃ……」プクゥ

 キャーキャー

花梨「あれ? なんあっちの方からなっちゃんの声が聞こえたような……」カラコロ

桜 「あれあれー? パンツの上からなのに、何だか湿った音がしてきたよ?」ニヤニヤ

夏希「そ、そんなの押し付けないでくださいっ……///」ウィーン チュプチュプ

牡丹「や、やめろぉ! もう降参するからいかがわしい薄い本のネタになるような行為は止めてくれぇ!」///

桜 「はぁ? せっかくいいところなのにこんな中途半端でやめられるわけないでしょー、そんなに叩かれたいの牡丹ちゃん?」カチッ ヴィィィィィ!

夏希「ふきゃぁぁぁぁッ!! こ、この人完全に最初の目的見失ってるよぉ!///」ビクビク

夏希「いやぁぁぁー! へ、変質者に犯されるーー(迫真)!」


花梨(な、なっちゃんが……)

花梨(謎のツインテールの不審者の人に何かされて苦しがってる!?)ガガーン

花梨(牡丹先輩は手出しができないみたいだし……!)

花梨(た、助けないと……クレア先輩~!)カラコロカラ…!

朱雀(す、すごい! 距離が離れてるからよく分からないけど迫真の演技で牡丹が完全に萎縮してる!)

朱雀(そろそろあたしの出番だな)ゴクリ

桜 「このままじゃ汚れちゃうし、パンツずらして直接当ててあげるね?」クイッ

夏希「ひぃぃっ!?」ビクゥ!

夏希「い……い……いい加減にしろぉぉぉ!///」アシバライ!

桜 「ふにゃっ?」ドスン

夏希「からの……キャメルクラッチ!」ギリリ!

桜 「みぎゃぁぁぁぁ!? か、完全に首が極まって、ぐ、ぐるぢぃ……」ギブギブ!

牡丹「おおっ! 見事だぞ夏希! ヒロインとしては失格な開脚っぷりだがフォームは完璧だ!」

夏希「調子に乗ってんじゃないですよこのヘタレビッチ」ギリギリ……!

桜 「ず、ずいまぜん私調子に乗ってまじだぁぁ……」ジタバタ

桜 「は、早く助けに来てー!」ギブギブギブギブ…!



朱雀「」

朱雀「どっちをだよ!?」ガーン

朱雀「そこまでだ!」ザンッ

牡丹「お、おまえは!」

朱雀「……その、完全に首が締まってるからそろそろ勘弁してやってくれ……」フシンシャセット カイジョ!

桜 「あうっ」パサ

牡丹「な……なん……だと?」

牡丹「謎の変質者の正体が……桜だった……なんて……」ガガガーン!

夏希「ホントに今まで気づいてなかったんですか……」

牡丹「いっいや、もちろん最初から気づいてたぞ!? おまえたちの魂胆が分からなかったから、様子を見ていたんだ!」

牡丹「長い付き合いの親友の顔を、ちょっと変装したぐらいで見間違えるわけないだろう!?」

牡丹「あっでも、割と最近出会ったばかりで、それも小学生なのにめちゃくちゃ大人っぽくなってたりしたら……見間違えても仕方ないとは思うけどな!」

夏希「突然何を擁護しだしてんですか」


◇◇

ド田舎あざらし「にゃんぱすー」

◇◇

牡丹「ごほん、そんな事より……一体どういうことなんだ、これは。説明してくれ」ウデグミ

桜 「サ、サーセン……」セイザ

夏希(パンツ替えたい)

桜 「えっとぉ……ちょーっと牡丹ちゃんを驚かせてみよっかな、なーんて思って……」ユビサキモジモジ

牡丹「おまえという奴は……」ギリ

牡丹「精神的に」【S!】

牡丹「向上心の無い者は」【K!】

牡丹「馬鹿だ!」【B!】

──桜 失格!──

桜 「」シロメ

夏希「ここでSKB!?」

牡丹「私を驚かせるのはまあいい」

牡丹「だが、そのために可愛い後輩を辱めるなど、言語道断!」

牡丹「おまけに朱雀まで巻き込んで……」チラ

朱雀(うっ……)

桜 「ほんとーにサーセンでしたぁぁ……」シクシク

朱雀「ちょ、ちょっと待ってくれ!」バッ

朱雀「こいつらは悪くない! あたしのためにしてくれたことなんだ!」

牡丹「……何だと?」ハテ

夏希「す、朱雀さん!」アセ

朱雀「その……あたしとおまえが仲良くできるようにって、一芝居打ってくれたんだよ」

朱雀「やり方はその……何かヘンタイチックだったけど……全部あたしの責任なんだ! だから怒らないであげて……この通り!」ドゲザ!

牡丹「お、おいいきなりどうしたんだ!? 私とおまえが仲良くって……話が良く分からないんだが……」オロオロ

朱雀(そもそも、あたしが素直じゃなかったせいで、こんな事になったんだよね)

朱雀(こいつらの仲にひびが入るような事、絶対にさせられないよ)

朱雀(勇気を出せあたし……残虐の朱雀、萩調流四天王の名が泣くぞ!)

朱雀「牡丹……聞いてくれる?」

朱雀「あたしは子供の頃萩調流に入門した時から、おまえの事を倒すべき敵だって教えられてきた」

朱雀「一門の期待には逆らえないって、ずっと縛られてたんだ」

朱雀「でも、本当の気持ちは違う! 例え裏切り者って言われても、あたしはおまえと仲良くなりたい!」

朱雀「だから、その……あたしと、友達になってもらえませんか……?」

桜・夏希「!!」

牡丹「……はぁ?」

牡丹「おまえ今更何言ってんだ」カタスクメ

朱雀「……そ、そうだよな……本当に今更だよ……」シュンッ… ウルル…

朱雀「ゴメン! もう帰るから……今のは忘れて! でも、お願い、こいつらのことは許してやって……」ダッ

牡丹「待てって」グイ

朱雀「きゃっ!?」

牡丹「本当に何言ってるのかよく分からないんだが……私とおまえは、とっくの昔に友達だろう?」

朱雀「えっ……?」

牡丹「それはもちろん、流派の違い、勝負をつけるべき相手であることには違いないが……」

牡丹「それはそれ、これはこれ!」ドーン

牡丹「私が高校で帰宅部に入るまでは、私を恐れずに会話してくれる相手はおまえたちだけだった」

牡丹「一緒に買い物に行くなんてイベントが発生したのも、おまえとだけだ……私が割れたガラスの様に周囲を傷つけないで済んだのも、おまえや他の萩調流の連中のおかげかもな」

牡丹「だから……本当に感謝しているんだぞ」

朱雀「ぼ、牡丹っ……ほ、本当に?」グスッ…

牡丹「何で泣くんだ、バカな奴だな……せっかくの可愛い顔が台無しだぞ」ハンカチデフキフキ

朱雀「あ……///」ドキン!

牡丹「それに、この騒ぎのおかげで言い損ねてたが……浴衣、すごく似合ってる。可愛いぞ」ニコッ

朱雀「!!」キューンキューンキューン!

桜 (何か途中脱線しかけたけど……計画通り上手くいったみたいだよ!!)パァァ

夏希(こ、この人天然の女たらしだ……)

夏希(でも、とにかく良かったですね、朱雀さん)

夏希(原作で花梨がフォローしてくれてたのもポイント高かったかも)


◇◇

花梨「クレア先輩! 大変ですぅ~!」カクカクシカジカ

クレア「なな何ですって!? 百歩譲って桜さんならまだしも、どこぞの変態ツインテールなんかに夏希さんをペロペロさせるなんて……」

クレア「絶対に許すわけにはいかないわ」マグロメ

花梨「?」アレ?

◇◇

朱雀「……///」ポーッ

牡丹「桜も首大丈夫か? SKBしたりして悪かったな」テサシノベ

桜 「あ、あはは……私こそゴメンゴメン」タチアガリ

牡丹「おまえが優しいのは知っているが、いつも行動が斜め上を行くからな……あまり冷や冷やさせるなよ」カタスクメ

桜 「何なに? 心配してくれてんの?」ニヤニヤ

牡丹「当たり前だろう……おまえは私に光を、笑顔をくれたんだ。そんなおまえに何かあったら、私はとても平気じゃいられない」ナデナデ

牡丹「それぐらいのこと、いい加減分かってくれよな……」キラン!!

桜 「ぼ、牡丹ちゃんっ……! ///」キュンキュン!

朱雀・夏希「」

朱雀「いいいつまで見つめ合ってんだよ! そろそろ花火始まっちゃうだろ! 早く行くぞ!」グイグイ

牡丹「お、おいおまえはクレアが取ってくれた見物場所知らないだろ……」

桜 「あ……」チョットザンネン

夏希「アタシたちも行きましょっか、ちょっと見つめられたぐらいでコロッと行きそうになる浮気体質の道明寺センパイ」ウシロカラ…

桜 「ひぃぃ!?」ゾワワワ!

桜 「ちち違うんだよ夏希ちゃん! 牡丹ちゃんの綺麗な瞳で見つめられてあんな天然な台詞吐かれたら……誰だってちょっとはドキッてしちゃうって!」アセアセ

夏希「分かってますよ、何慌ててるんですかもう」ニコ

桜 (よ、良かった……危うく夏希ちゃんがまたドSモードに入っちゃうとこだった……)ホッ

夏希「フリですよね?」

桜 「へ?」

夏希「アタシを怒らせて、それをネタにお仕置きしてほしいっていう、前振りなんですよね? 桜センパイの事は全部分かってるんですから」クス…

夏希「心配しなくても、後でたっぷりいじめてあげます……二度と笑ったり泣いたりボケたりできなくしてあげますから、楽しみにしててください」ニコニコ

桜 (な、夏希ちゃんが……ただのドSから何か違う存在にクラスチェンジしちゃってるぅぅ!?)

◇◇
シャッフルあざらし「空鍋ぐるぐる~」
◇◇

朱雀(まったくもう、こいつは……!)ズンズン カラコロ

牡丹「お、おい待て朱雀、慣れない下駄でそんなに走ると……」

朱雀「きゃっ!?」コケッ

牡丹「!」ガバッ

 ドサッ

朱雀(っ……い、痛く、ない?)メヲアケ

牡丹「全く、だから気を付けろと言おうとしたのに……しょうがない奴だな」

朱雀(牡丹が庇ってくれたんだ……って、な、何よこれ!? 倒れた拍子に、ぼ、牡丹を、押し倒したみたくなってる!?)

桜 「ちょっとちょっと二人とも大丈夫ー?」

夏希「何だこのTOLOVEる的シチュエーション……」

◇◇

難聴鈍感あざらし「あざらしプロジェクト」

◇◇

朱雀(牡丹ってあんなに鍛えてるのに、身体は柔らかいんだ……///)

牡丹「おい、朱雀? どこか打ったのか?」

朱雀(ああ、あたしを心配してくれてる声が……こんな状況なのに嬉しい……離れたくないよ……)

「そこまでよ、この変質者!!」ドン!

桜「クレアちゃん!?」

クレア「夏希さんに飽き足らず今度は牡丹さんまで襲うだなんて……どこまで節操が無いのこのツインテール!」ビシ

花梨(あれ? あの人もツインテールだけど……さっきの人と髪の色が違うような気が……?)

花梨(気のせいかな)ウン

夏希「って、花梨も何してんの?」

花梨「あっ、なっちゃーん! 大丈夫だった?」ホッ

牡丹「おいクレア、これはただ転んだだけで……」

クレア「大丈夫よ牡丹さん、そこの女が夏希さんに不埒な振る舞いに及んだのは確認済みなの。脅されているのよね?」

クレア「今すぐ助けてあげるわ……準備を!」

九重グループSP「ウィー!」

 ガチャガチャン

桜「何その巨大かつ近未来チックな大砲みたいなの!?」

クレア「うちのグループのとある部署に製作させた、”超電磁砲(レールガン)”よ」

クレア「ターゲットロック」ピピピ

朱雀(砲身がこっちを向いた?)

花梨「だ、ダメですよそんなので撃ったら、不審者さんが大けがしちゃいますぅ! それに牡丹センパイも……!」

クレア「大丈夫、この超電磁砲はロックしたターゲットと自動販売機以外には絶対に被害を及ぼさない設定なの。それに殺傷能力も無いわ」



クレア「”命中した相手をレズからノンケに戻す”効果があるだけよ」

花梨「なぁんだぁ、それなら平気ですね!」ニコニコ

桜 「ぜぜ全然平気じゃないんだけど! 下手したらこのスレのraison d'etreが崩壊しかねないじゃん! 何て恐ろしい兵器を作るんだ九重グループ……!」ゴクリ…

夏希「存在理由をフランス語で綴ってる辺りまだ余裕ありますね……じゃなくて!」

夏希「アタシにはその臆面も無いネーミングの方がずっと恐ろしいよ! せめてもうちょっとひねれなかったの!?」オオイ!

◇◇

ジャッジメントあざらし「あざらしですの」

◇◇

朱雀「ま、待てよ! あたしはべつにそんなんじゃ……」フリフリ

クレア「犯罪者の弁明に耳を貸す気は無いわ……たしか、牡丹さんの知り合いの朱雀さん、だったわよね」

クレア「脈絡も無く四天王の他の誰かあたりとくっついて、百合ファンにボコボコに叩かれてから反省しなさい」

朱雀「せめて玄武だけは勘弁してぇぇ!?」


◇◇

──会場の別の場所──

残酷の青龍「なんか向こうの方が騒がしいな」

残忍の白虎「朱雀どこ行っちまったんだ? 男だけで花火なんてつまんねーなー、牡丹ちゃんと回りたかったなー」

残塁のデブ「うっ、今理不尽な悪寒が……って、名前表記間違ってるよ!」ガーン

デブ「面倒くさくなってよりヒドイ方に略しやがったぁぁ!?」ガーンガーン

◇◇

牡丹「落ち着けクレア! 誤解だ!」

クレア「早く帰って花梨さんの写真でハァハァする作業に戻りたいからさっさと済ませましょう」

花梨「はぁはぁ?」ホエ?

桜 「ダメだ、マグロ目になったクレアちゃんにはどんな説得も通じないよ!」

クレア「発射」

 シュゴォォォ…!

朱雀「くっ……何てエネルギーだ、これじゃあたしの力じゃ防げな……!」

超電磁砲「ちぇいさー(発射音)!!」

 ゴォンッ!

夏希「す、朱雀さーんっっ!!」

牡丹「詩天使!」バッ

 キュィンッ!

 シュォォォ……

桜 「な、何がどうなったの!? 爆風で何も見えな……」

 シュゥ…シュゥ……

牡丹「ふっ……なかなかやるじゃないか、九重グループ」

牡丹「だが、私の萩月流古武術の前では、まだまだ力不足……too weakだな」

クレア「なっ……み、右腕一本で……」

花梨「幻想的な威力をぶち殺したというのかっ……!」ヌゥッ!


後ろにあった自販機「アッ──!」プシュゥゥ

朱雀「ぼ、牡丹……またあたしを庇ってくれたの……?」

朱雀「大丈夫!? ノンケに戻ってない!?」ガバッ

牡丹「心配するな」シュゥゥ…

牡丹「私は3才の頃から被弾すらできない……ニワカは相手にならんよ!」ドヤッ

朱雀「ぼ、牡丹っ……!」カッコイイ…!

夏希「感動してるとこ悪いんですけど、その決め台詞ほとんど他の人のパクリですよね……」ハァ


◇◇

ニワカあざらし「お見せしよう……王者のあざりゃしを!」

◇◇

クレア「九重グループの粋を集めた最終兵器でも、牡丹さんにはかなわなかったというの……」orz

花梨「クレア先輩っ……惜しかったですよっ……」

夏希「いや牡丹センパイを倒すのが目的だったみたくなってんですけど」

桜 「ねえ話を聞いてよクレアちゃん!」カクカクシカジカ!

ドドーン……パラパラパラ……

牡丹「やれやれ、騒いでる間に花火が始まってしまったな……」

朱雀「な、何であたしなんかをまた庇って……危ないじゃない、バカッ!」グスッ

牡丹「おいおい、この私があんな中二全開な兵器ごときにやられるわけないだろう?」

朱雀「でもでも……あっ、袖が少し焦げてるじゃない!」アワワ

牡丹「おっと……まあ、身体には影響ないから心配するな。そういうおまえこそ、被弾してないだろうな?」

朱雀「本当にバカっ……あたしなんかを心配して……あたし、あたし、自分のせいであんたに何かあったりしたら……」シクシク

牡丹「なんだよ、また泣いたりして……意外に泣き虫だったんだな、おまえ」クスッ ナデナデ

朱雀「違うわよっ……これは……これは……」

朱雀「花火が綺麗すぎて……まばたきするのを忘れちゃっただけなんだから……」

ドドーン……

桜 (そういうわけで、何とかクレアちゃんの誤解を解くこともできて)

桜 (私達は6人で残りの花火を楽しみました)

桜 (被弾しちゃった自販機も九重グループの人が責任持って回収して直すそうです)

九重SP「ウィー」エッホエッホ

自販機「ウホッ!?」

桜 (花梨ちゃんとクレアちゃんは)

花梨「先輩ってば、写真ばっかり撮ってないでちゃんと私を見てくださいっ」プク

クレア「ああ、ごめんなさい……そうよね、生で見る花梨さんに勝るものなんて無いわよね……私も今しかできないことがしたいわ!」ギュゥ

花梨「えへへ……」

桜 (相変わらずいちゃいちゃしてます)

桜(牡丹ちゃんと朱雀ちゃんは)

牡丹「なあ詩天使、メルアド交換しないか?」

詩天使「え、い、いいの!? って、何で名前で呼ぶんだよからかってるのか!?」ガーン

牡丹「何だ、自分の名前が嫌いなのか?」

詩天使「そりゃそうだよ……牡丹だってDQNネームだと思ってるんだろ……」

牡丹「前はからかったりして悪かったよ、ごめん。でも、私はいい名前だと思うぞ?」

詩天使「え……?」

牡丹「響きもいいし、詩的で……おまえの天使のように美しい瞳に、よく似合っている」グイッ ジィ……

詩天使「え、あ、え……///」

詩天使(あ、あたし……牡丹に腰抱かれて……牡丹の綺麗な顔が、こんな近くにっ……///)

詩天使(妄想よりもすごいことになっちゃってるぅぅー!?)

詩天使「」プシュルルル バターン!

オ、オイシエルー!?

ド、ドシタノ?

マタコノテンカイカヨ-!? ワーワー

桜(そして、私と夏希ちゃんは……)

桜 「やれやれ、大騒ぎだったねぇ……何とか花火見れて良かったよ」フゥ

夏希「例によって大部分桜センパイのせいでしたけど……」

夏希「まあでも、朱雀さんのために頑張ってくれて、ありがとうございます」ペコリ

桜 「えっ? そ、そんなぁ……夏希ちゃんが言いだしてくれたからだよ」

夏希「いや、別に私はそんな……何もしてないですし」

桜 「ううん、やっぱり夏希ちゃんって何だかんだ言って優しいよね♪」スリスリ

夏希「もう……///」

夏希「えっと……桜センパイ。今日アタシの家、家族誰もいないんですよくあるご都合主義的に」

夏希「だから頑張ってくれたご褒美に……今夜はお泊りに来てくれませんか?///」モジモジ

桜 (ふ、二人っきりでお泊りイベント来たぁぁー!?)

桜 (と、思ったのに)

桜 「な、何で私いきなりベッドに縛られてんの!?」ギシギシッ

夏希「暴れたってムダですよ……今夜は桜センパイのお願いは一切聞いてあげません。それがご褒美です」クスッ

桜 「な、何言ってるの夏希ちゃん……」ゾクッ

夏希「言ったでしょ、もう二度と泣いたり笑ったりボケたりできないようにしてあげますって」

桜 (あ、アレその場だけのネタじゃなかったの!?)ガビン

夏希「じゃあ脱がしますよ」バサッ

夏希「……和服では下着着ちゃいけないとか言ってたくせに、自分もちゃっかり着けてるじゃないですか」

夏希「とりあえず没収しますね」シャキシャキンッ パラリ…

桜 「い、いつの間に私のハサミを!? ああうっ……私のブラとパンツがぁ……///」

夏希「ちゃんとアタシの言う事を聞けたら、後でアタシの下着を貸してあげます」

桜 「き、聞かなかったら……?」

夏希「桜センパイがちゃんと浴衣の着付け、自分でできるといいんですけどね……」フフッ

桜 (ヤバイこれ上の服も貸してくれない気だよ……)

夏希「センパイこれ自分で使ったことあります?」

桜 「で、電動歯ブラシ……!?」

夏希「すごいんですよ、パンツの上からでも腰がガクガクなるぐらいの刺激」

夏希「直接当てたらどうなっちゃうんでしょうねー?」ヴィーン……

桜 「ひいっ!? ちょっ待っうぁぁぁぁぁッ!!」ビクッ!

夏希「ダメです、腰を逃がそうったってそうはさせませんよ?」フトモモオサエ ヴヴヴヴッ

桜 「きゃぁぁぁぁッ!!」ビクン!ビクン!

夏希「あはは、可愛い……世界でアタシだけが聞けるセンパイの声、最高です♪」ヴィィィィィ……

桜 (これっ……ホントに刺激が強すぎて……おかしくなっちゃうっ……!)

桜 「はぁ、はぁ……はひぃ……」ガクガク

夏希「ホントにすごかったですね、センパイ♪ 今何回イッちゃいました?」

桜 「はふぅ……う、あ……」

夏希「アタシの質問にはちゃんと答えなさい」ギリッ

桜 「いつッ! そ、そこつねったらダメぇ……わ、分かりません……」ナミダメ

夏希「だらしないですねー、次はちゃんと答えられるようにしといてくださいね?」

夏希「これも悪くないけど、やっぱり道具は邪道かな」ポイッ

夏希「直接桜センパイを味わいたいですし……」ギシッ

夏希「こんなにぐちゃぐちゃにして、ヒクヒクして……やらしい眺めになってますよ?」ジィィ

桜 「あうううっ……そ、そんなに見ちゃダメぇっ……///」

夏希「イヤですか? じゃあ舐めてあげますね」レロンッ……

桜 「ひゃうぅっ!?」ゾクゥ

夏希「んちゅっ……じゅるっ……センパイの、どんどん溢れてきてますよ? おいしー♪」

桜 (な、夏希ちゃんが、私の……飲んでるぅ……///)

夏希「れろっ……指も使ってあげます……」クチュクリッ

桜 「ふぇぇっ……うぁぁぁっ……」ビクビク

夏希「センパイの恥ずかしい音がしてるの、聞こえてます?」ジュプッジュプッ

桜 「……///」フルフルフル

夏希「返事」カリッ!

桜 「いぎっ! き、聞こえますっ……夏希ちゃんにいじめられてぐちゅぐちゅいってる私のいやらしい音がぁ、はっきりぃ……///」

夏希「んー、まぁまぁの返事ですね。赤点は許してあげます」クス

桜 「んんんっ……くぁぁぁっ……!」ギシギシ

夏希「んちゅぱ……ぺろっ……あれ、ピクンピクンッってなってきましたけど……もしかしてもうイクんですか?」

桜 「うぁぁ……はいぃッ……もうイッちゃいそうですっ……」ピクッピクッ

夏希「ホントにだらしないですねぇ……我慢できないダメなセンパイは、イッても休ませてあげませんからね」ジュプッジュプッ

桜 「んっふぁぁぁっ! くぁぁぁぁっ!」ビクビクンッ プシュッ!

夏希「わぷっ! 勢い良すぎですよ、かかっちゃったじゃないですかもうっ……お仕置きです!」クチュクチュクチュ!

桜 「ひぃぃっ……!! そ、そんなぁ、またイク、イッちゃうよぉっ……!」ガクガク

桜 「はぁーっ、はぁーっ……」ビクッ…ビクッ…

夏希「今、何回イキました?」

桜 「あ……よ、4回ぐらい……かな?」

夏希「残念、外れです♪ 正解は6回」クチュッ!

桜 「きゃぁぅっ…! も、もう連続は無理ぃっ……おかしくなっちゃうからぁ……!」

夏希「まだおかしくなってないんじゃ、ダメですね」クチュクチュ……!

夏希「今日は、桜センパイが他の女に浮気心持てなくなるまで徹底的にするのが目的ですから」クリュクリュ

夏希「アタシ以外の事は何にも考えられないダメ人間にしてあげます……嬉しいでしょ?」ボソ

桜 「あっ……うぁぁ……」ゾクゾクッ

夏希「返事」グリュッ!

桜 「ひぃぃっ! うっ嬉しいですーっ……!」ビクビク

夏希「でも少しは休ませてあげないとかわいそうかなー」

夏希「じゃあ、特別にイク時にアタシの名前を呼んでくれたら、休ませてあげることにしましょっか」

桜 「ほ……ホントに……?」ハァハァ

夏希「アタシは嘘ついたりしませんよ……じゃあ、頑張ってイッてきてください♪」レロォ…ズンッ

桜 「くぁぁぁぁッ! なっなつっ……んぁぁッ!」ビクゥッ プチュッ!

夏希「あらら、言えませんでしたね~。じゃあ残念だけど、続けないとだな~」チュゥゥ……ジュプッ

桜 (ひぃぃぃ……ほ、ホントにこのままじゃ、おかしくなっちゃうよぉ……)

──30分後──

桜「ふぁぁぁっ……な、なつきちゃんんっ……!」ビクビクンッ プシュッ

夏希「学習能力の低い桜センパイも、ようやく覚えてくれたみたいですね」ニコニコ

夏希「この調子で、センパイがアタシの名前を呼ぶだけで気持ち良くなっちゃう体質になるまでしますからね今日は」

桜(そ、それって、パブロフの犬状態ってことぉ?)ブルブル

夏希「あ、それから」キュッ

桜「あうっ……太ももに何したの……?」

夏希「イッちゃった数の分だけ、正の字書いてあげます。油性マーカーで」ニヤ

桜「そ……そんな……///」

夏希「少しは頑張って我慢しないと、センパイのスカート丈じゃ学校行くときに見えちゃいますねー」クスクス

桜 「ダ、ダメだよ、学校行けなくなっちゃうからぁ……お願い許してぇ……」ガクガク

夏希「そんなこと言って、センパイのアタシに負けず劣らず控えめな胸のてっぺんとこ、こんなに固くなってますよ?」クリクリ

桜 「んんっ!」ビク

夏希「膨らんでて苦しそうだから、ここも舐めてあげますね……れろっ……」コロコロ

桜 「ひゃうっ!」

夏希「んちゅっ……あ、ちょっと噛んでみてもいいですか?」

桜 「えっ……だ、ダメダメぇ!」フルフル

夏希「わかりましたよ……じゃあ」

夏希「反対側にしますね」カリッ!

桜 「痛ぁっ! っくぅぅ……」ボロボロ

夏希「ああもう、泣かないでくださいよ」ペロッ

桜 「ううう……夏希ちゃんが痛くするからだよぉ……」グス

夏希「アタシは桜センパイに辛い思いをさせたいわけじゃないんですよ?」

夏希「ただ、身も心もアタシのものになってくれればそれでいいんです」

桜 (ううう……嬉しいような辛いような……)

夏希「だから痛いのはやめますね」チュッ…チュッ…チュウッ……

桜 「あう……何してんの夏希ちゃん?」

夏希「キスマークを付けてるんです、センパイの全身に、余すとこなく」チュッ

桜 「そ、そんなことしたら、みんなの前で着替えられなくなっちゃうよ……!」ゾクゥ

夏希「センパイの裸を見ていいのはアタシだけなんです……」チュッチュッ

桜 「あうあああ……///」

夏希「明日は休みですし、ご都合主義的に家族も帰ってこないですから」

夏希「1日中たっぷり楽しみましょうね♪」

桜 「」

桜(というわけで、私と夏希ちゃんは越えてはいけない一線を越えまくることになってしまいました)

桜(主に一方的に夏希ちゃんのせいだけど……)

桜(で、私と夏希ちゃんがただれた時間を過ごしている間、他のみんなはどうだったかというと)

◇◇

──クレア自室──

花梨「えへへへ……クレア先輩~~お菓子おいしいです~~」Zzz…

クレア「あ……ああああ……」

クレア(花梨さんに抱き着かれた状態でなんて、眠れるわけがないわ……!///)
 
クレア(まるで天使のような寝顔……可愛すぎる……)

クレア(思わず襲ってしまいたくなるけど……で、でも女の子同士ってこういう時どうしたらいいのかしら……)

クレア(ヤホー掲示板で聞いてもググレカスって言われるし……)

クレア(あああああ! 花梨さんとの一線が越えられないわ……!)

◇◇

◇◇

──朱雀自室──

朱雀「ぼ、牡丹とメルアド交換しちゃった……///」

朱雀「め、メールしてみようかな……で、でも交換したばっかりですぐメールしたら、うざいって思われないかな?」ドキドキ

 ピローン

朱雀「ひゃあっ!?」ビクゥ!

朱雀「あ……あ……牡丹の方から、先にメールが来ちゃった……!?」ガクガク

朱雀「な、何て書いてあるんだろ……」ドキドキ

【今日は大変だったな、うちの部員がいろいろ迷惑かけてゴメン。お詫びに今度二人で買い物にでもいかないか? 少しならおごってやるぞ 牡丹】

朱雀「」

朱雀(こ、こ、これって……)

朱雀(でででデートってこと!? こんな急に一線越えちゃっていいのー!?)キャー! ゴロゴロ!

◇◇

◇◇

──牡丹自室──

牡丹「ふぅ…送信完了っと」

 ピローン

牡丹「お、返信帰ってくるの早いな!」

【そこまで言うんだったらおごられてあげてもいいわよ 朱雀】

【P.S. 後、今日はかばってくれてありがとう】

牡丹「ふふっ……」ピッ

牡丹「今度は、もっと似合う服を選んでやるかな」クス

◇◇


◇◇

アザラシ「ファイナルデッドアザラシ」

◇◇

おわり

遅くまで支援ありがとう、特にさるくらった時は助かりました

それではおやすみなさい

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