向日葵「あらあら、櫻子」櫻子「は?なに?」(235)

一年教室・給食時間

向日葵「いえ、口にご飯粒を付けてよく平気な顔でいられるなと思っただけですわ」

櫻子「……あっそ。ご忠告どーも」

向日葵「ご忠告? こちらが見ていて恥ずかしかっただけですわよ?」

櫻子「……はぁ?なんで向日葵が恥ずかしがる必要があるの?」


あかり&ちなつ「…」

あかり&ちなつ(……険悪ムード……)

向日葵「…」

櫻子「ねぇ?なんで向日葵が恥ずかしがる必要があるの?」

向日葵「……いえ、別に……ただ、とっても恥ずかしいから気をつけた方がいいですわよ?」

櫻子「あ、そう。理由も説明できないんだー」

向日葵「……バカには理解できませんからね……」ボソッ

櫻子「……向日葵?」

向日葵「なんですの?もう話は終わったでしょう?」

櫻子「今なんか言わなかった?言ったよね?」

向日葵「……え?私、何か言いまして?」

櫻子「言ったよね。私のことバカって言ったよね。私がギリギリ聞こえるぐらいの声で」

向日葵「櫻子…被害妄想ですの?」

櫻子「……!」

向日葵「まったく……言いがかりは困りますの」

櫻子「……言いがかり……!?」

向日葵「だって、言ってませんもの」

櫻子「…ねぇ、あかりちゃん!聞こえたよね!?ちなつちゃんだって!」

あかり&ちなつ「え」

あかり(き、聞こえたけどぉ…どうしよぅ…)

ちなつ(…うー…めんどくさいなぁ…)

向日葵「あらあら、二人を巻き込むのはどうかと思いますわ」

櫻子「だって、被害妄想じゃないし!証してやるし!」

向日葵「ワガママですわねぇ……はぁ~あ……」

櫻子「ちなつちゃん!あかりちゃん!どうだった!?正直に!!」

ちなつ(……ここは、言わない方が治まるのが早い…かな?)

ちなつ(てゆーか、櫻子ちゃんも空気読めばいいのに…ますます険悪になるよ…)

あかり(しょ、正直に言った方がいいよね…悪口は良くないよぉ…)


ちなつ「えーっとね…」

ちなつ「私は聞こえなかったけど?櫻子ちゃん、敏感になりすぎじゃない?」

あかり&櫻子「!?」

向日葵「……そういうことですわ。言いがかりでしたわね、櫻子?」

櫻子「……ぜ、絶対言ったんだってぇ……なんだよ、ちなつちゃん……」

ちなつ「ごめん。でも、ウソはよくn」


あかり「ちょ、ちょっと待って!」

あかり「あ、あかりは聞こえたよ!向日葵ちゃん、バカって言ってた!」

向日葵「な……!!」

ちなつ(……)

櫻子「だ…だよね!?言ってたよね!?」

あかり「う、うん…向日葵ちゃん、謝った方がいいと思うよ…?」

向日葵「………」

ちなつ「あのさぁ、あかりちゃん……」

あかり「な、なに?」

ちなつ「……はぁ。なんでもない」

あかり「……?」

櫻子「ほら、私に謝ってよ向日葵」

向日葵「ごちそうさま」

櫻子「おい」

向日葵「はぁ……まったく……」ブツブツ

櫻子「あ、謝ってよ」

向日葵「……」

櫻子「はやく!悪いのは向日葵でしょ!?」

あかり(さ、櫻子ちゃん怖い…)

ちなつ(だから言わない方がよかったのに…)

向日葵「……ふぅ。次は…体育でしたわね……」ゴソゴソ

櫻子「……謝れってば」

キーンコーンカーンコーン

向日葵「あっ。チャイムですわ。赤座さん、吉川さん。着替えましょう」ガタンッ

ちなつ「いいよー」ガタンッ

あかり「えっ?えっ?」オロオロ

櫻子「うわ、逃げるの?」

向日葵「……」ゴソゴソ

ちなつ「……あっ、向日葵ちゃんシャンプー変えた?」

向日葵「ええ。よく気づきましたわね」

ちなつ「いい匂いだねー」


櫻子「……」ワナワナ

あかり「さ、櫻子ちゃん……落ち着いて」

櫻子「あかりちゃん…私達は向こうで着替えよっ。二人は、ほっといてさ!」

あかり「えっ……」

櫻子「だって、向日葵はバカにしてきたし、ちなつちゃんはウソついてきたし」

櫻子「謝るまで許さないもーん」

あかり「そ、そうだね。謝るまで……」

櫻子「そーだよ。私達は悪くないし!」

あかり「あ、あはは……」

体育館

「えー、バスケのパス練習をするので、2人組作ってー」

向日葵「吉川さん、やりませんか?」

あかり「ちなつちゃーん」

ちなつ「あ、向日葵ちゃん。やろっか」

あかり「えっ……」

向日葵「ええ。向こうでやりましょうか」スタスタ

ちなつ「うん」スタスタ

あかり(あ、あれ…いつもはちなつちゃんと私なのに…)

櫻子「あかりちゃーん。あの二人はほっといて私とやろうよー」

あかり「あ、うん……」

授業終わって教室

向日葵「ふぅ。疲れましたわー」

ちなつ「午後の体育はしんどいねー」


櫻子「いやー疲れた。着替えよっかあかりちゃん」

あかり「うん……」

櫻子「ん?元気ないよあかりちゃん?体育の時からずーっと」

あかり「……そう、かな……」


ちなつ「えぇーホント?」

向日葵「本当ですわ。困ったものですよね」

ちなつ「向日葵ちゃん意外と苦労人なんだ」

櫻子「うん、元気ないよ!どうしたの?」

あかり「……ケンカ中、だから……寂しいな……なんて」



向日葵「昨日も突然、櫻子が家に来て…カレーを作るはめに」

ちなつ「うわーホント?櫻子ちゃんのために?」

向日葵「そうしないと帰りませんもの…困ったものですわ」

ちなて「ホントだねー」


櫻子「……チッ。全部聞こえてるんだけど……」

あかり「ひっ」

櫻子「あ、ごめんごめん。なんて言った?」

あかり「あ、あかりは仲直りしたいなっ」

櫻子「……仲直り?誰と?」

あかり「え?そ、それはもちろん、ちなつちゃんと向日葵ちゃんだよぉ」

櫻子「ふーん……でも、いいの?」

あかり「ど、どういうこと?」

櫻子「あの二人、いっつも私達の陰口叩いてるんだよ?知ってた?」

あかり「……か、陰口……?そ、そんなのウソだよぉ…」



向日葵「それで注意しても反省しないし…こちらの身にもなって欲しいですわ」

ちなつ「しかも、苦労かけてるのに櫻子ちゃんは向日葵ちゃんの陰口叩くしね」

向日葵「えっ?私の陰口を櫻子が?」

ちなつ「え?向日葵ちゃん、知らなかったの?」

櫻子「そうだよ!ちなつちゃんは、私達は空気読めないって向日葵にグチってるし」

櫻子「向日葵は、いっつもバカにしてくるし!じわじわ嫌いになってたんだよねー」

あかり「ち、ちなつちゃんが…?それ、ホント……?」

櫻子「いや、さっきみたいな事があったら、全部正直に言うところが気に入らないみたいでさ」

あかり「そ、そんな……」シュン



向日葵「まぁ、別に傷つきませんけど。どうでもいいですし」

ちなつ「にしても、さっきの給食の時の二人、空気読めなさすぎだよね。全部バカ正直に言えば上手くいくってワケじゃないのにね」

向日葵「櫻子はいつまでも引っ張るし、赤座さんは治まりかけたところで言ってきて…」

ちなつ「ねー。楽しく給食が食べたいだけなのにねー」

あかり「うぅ……正直に言っただけなのにヒドイよぉ……」シュン

櫻子「ねっ!正直に言うことの何が悪いんだよって感じだよね!」

あかり「うん……」

櫻子「あの二人、よく分からないし。難しく考えすぎって感じじゃない?」

あかり「そうだね……」

櫻子「ぶっちゃけ私達とは合わないよねー」

あかり「うん…さすがにヒドイよ……二人とも……」



向日葵「まぁ、考えの違い、ですわね。ムリして合わせる必要もないですわ」

ちなつ「うん、確かに。どちらが悪いかって言ったら向こうだけどね」

向日葵「ええ。櫻子はただのバカ、赤座さんはバカ正直ですものね」

ちなつ「実は私も普段からあかりちゃんのことフォローしまくりでさ。私が居なかったら、クラス中に嫌われてるんじゃないかな?」

向日葵「あら、吉川さんも苦労人ですのね」

あかり「なんで…ヒドイ…」

櫻子「お、ようやくあかりちゃんも気づいた?二人のヒドさに」

あかり「……嫌いにはならないけど、ちょっと合わないかなぁ……」

櫻子「だよねー。分かってくれて何よりだっ!」



ちなつ「前だって、黙っておけばバレないのに、まだ掃除は終わってません!だって。先生に怒られたあと、また掃除させられちゃった」

向日葵「私が当番じゃない時にそんなことが……」

ちなつ「で、私が率先して掃除を始めて事なきを得たんだ。陰口叩かれる前に空気変えなきゃなーって思って」

向日葵「ふふ、吉川さんも優しい所あるんですのね」

ちなつ「まぁね。あかりちゃんは気づかずに掃除してたけど」


キーンコーンカーンコーン

櫻子「あ、次の授業か。座らないとっ」ガタンッ

あかり「うん…」ガタンッ


ちなつ「あーダルいなぁ……」

向日葵「もう少しお喋りしたかったですけど…続きは、また後で」ガタンッ

ちなつ「うん…」ガタンッ

授業中

「えー、次の例題は……」


あかり(……なんで。なんで、あかりは……嫌われちゃったんだろう……分からないよぉ……)

櫻子(うし。とりあえず、あかりちゃんは私のモノ。これで学校生活は大丈夫だ)

向日葵(吉川さんとのお喋りは本当に楽しいですわ……分かってますものね、色々と。話が早くて助かりますわ)

ちなつ(向日葵ちゃんと話すの楽しーな…あかりちゃんも櫻子ちゃんも嫌いじゃないんだけど…正直……)


キーンコーンカーンコーン

放課後

向日葵「えぇ、分かりますわ。こっちの立場にもなって欲しいですわよね」

ちなつ「そうそう!フォローするのが誰だk」

櫻子「向日葵っ!!生徒会行くよ!!!」

あかり「ち、ちなつちゃん……部活行こうよ……」



向日葵&ちなつ「…………」

向日葵&ちなつ(……話の邪魔……)

櫻子「向日葵ー?聞いてるー?」

向日葵「…はぁ~……はいはい。行きます、行きますわよ」

櫻子「……早くしてよ」


あかり「ちなつちゃん…」

ちなつ「ん」

あかり「……ん……?」

ちなつ「行くから。準備終わるまで待ってて」

あかり「あ、あぁ…そういうことかぁ……」

・・・・・・
・・・・


向日葵「……はぁ」

櫻子「……なに?文句あるなら目の前で正々堂々と言ってくれない?」

向日葵「いーえ、別に……疲れただけですわよ」

櫻子「あっそ」

向日葵「……」テクテク

櫻子「……」テクテク

向日葵&櫻子(……早く生徒会室に……)

向日葵「……」テクテク

櫻子「……」テクテク




櫻子「……すんませーん。ちょっと遅れちゃいましたー」ガラッ

~~~~~

ちなつ「……」テクテク

あかり「……」テクテク


あかり「ち、ちなつちゃんっ」

ちなつ「……」テクテク

あかり「あれ……ちなつちゃんっ」

ちなつ「ん?……あ、ごめん。ボーッと歩いてた」

あかり「あ、別にいいよ、別に……」

ちなつ「……」テクテク

あかり「……」テクテク

あかり「……ちなつちゃん?」

ちなつ「なに?」

あかり「ちなつちゃんは……あかりのこと、嫌い……?」

ちなつ(……また、こういうこと聞くし……)

あかり「ど、どうなのかな……はっきり言ってくれていいんだけど……」

ちなつ(嫌いだとしても、言えるワケないでしょーが…もしかして分かってやってるのかな……?)

あかり「……」ジッ

ちなつ「全然嫌いじゃないよ。友達だし」

あかり「ほ、ホント……?」

ちなつ「ホントだけど」

あかり「そ、そっかぁ……えへへ」

ちなつ(……………………)

ちなつ「……」テクテク

あかり「あっ待ってー!」

生徒会室

櫻子「遅れましたー……って、あれ?」

向日葵「……センパイ方、居ないですわね……」

櫻子「あ、置き手紙」

櫻子「……今日は町のゴミ拾いのボランティアに行ってくるので、書類の整理をお願いするわ……だってさ」

向日葵「はぁ……仕方ないですわね。やりましょうか」

櫻子「りょーかい……」

向日葵「……」

櫻子「……」

向日葵「……」

櫻子「……」

ごらく部

ガラッ

ちなつ「どうもー」

あかり「遅れてごめんね~」


ちなつ「……って、居ない…」

あかり「置き手紙だ……私達は綾乃達の手伝いに行ってくるね……だって」

ちなつ「何の手伝いだろ?」

あかり「さぁ…分からないよぉ」

ちなつ「……ま、とにかく今日は二人ってことだよね」

あかり「そっ、そうだね」

ちなつ「……ふぅ」ドタッ

あかり「……」ソワソワ

生徒会室

櫻子(……これ、向日葵に聞かないと分かんかいなぁ……)チラッ

向日葵「……」サッサッ

櫻子「……」

向日葵「……あら、櫻子。手が止まっているようですけど」

櫻子「!」

向日葵「どうしたんですの?」

櫻子「……べ、べっつに?」

向日葵「……ちょっと見せてみなさい」パッ

櫻子「あ……か、返せよ!」

向日葵「……ふむ……」ジッ

櫻子「……」

向日葵「簡単な書類ですわね」

櫻子「っ……!」

向日葵「まぁ、まさか分からないなんてこと無いでしょうし。取り上げてごめんなさい、返しますわ」スッ

櫻子「お、おうよ……」

向日葵「……」テキパキ

櫻子(ど、どうしよう……)

向日葵「……」トントン

向日葵「私の分の書類は終わりましたわ。先に帰りますわね」

櫻子「えっ……」

向日葵「じゃあ、また明日」ガタンッ

櫻子「……」

ガラガラ…バタンッ



櫻子「…えー…どうすんだよこれ……」

ごらく部

ちなつ「……」

あかり「……」ソワソワ

ちなつ「……いつまで立ってるつもり?」

あかり「えっ!?……あ、ごめん……」トスッ

ちなつ「別に謝らなくてもいいけど」

あかり「うん……ごめん」

ちなつ「だから謝らなくていいってば」

あかり「……うん」

ちなつ「……」ペラッ

あかり「……ち、ちなつちゃん。何を読んでるの?」

ちなつ「雑誌」

あかり「……そっか」

ちなつ「……」

あかり「……」


あかり(気まずい……)



ちなつ「私、帰るね」

あかり「えっ?」

ちなつ「それじゃあ、また明日ね」

あかり「あ…うん…また、明日……」



ガラッ…バタンッ

あかり「……」ポツン

あかり「……」

あかり「……ぅ…」グスッ

あかり「ひぐっ……うっ……ぅぅ……ちなつちゃぁん……向日葵ちゃん……」ポロポロ


あかり「……うわああああん!!」ポロポロ


櫻子「……ごめんくださーい……」ガラッ

あかり「うわぁぁぁぁん!!!」ポロポロ

櫻子「うわ!?」ビクッ


あかり「あ…櫻子ちゃん……?」フキフキ

櫻子「ど、どうしたあかりちゃん。てゆーか、ちなつちゃんもセンパイ方も居ないけど……?」

あかり「えぐっ……ちょ、ちょっと待ってね……っ」フキフキ

櫻子「あ…ごめん」

あかり「……えっと、京子ちゃんと結衣ちゃんはもとから居なくて、ちなつちゃんは途中で帰っちゃって……」

櫻子「……帰っちゃったの?なんで?」

あかり「た、多分……あかりが嫌われてるから……だと思う……」

櫻子「……」

櫻子「ま、別にいいんじゃない?分かってたことだし」

あかり「で、でも……やっぱり、悲しいよ……」

櫻子「……」

あかり「櫻子ちゃんは、嫌じゃないの?このままでいいの……?」

櫻子「……別に、いいじゃん。向こうも望んでることだと思う」

あかり「そ、そんな……」

櫻子「陰口叩かれてまで、ムリに一緒に居る必要ないと思うけどなぁ」

あかり「……櫻子ちゃんだって……嫌だって思ってるよね……このままは……嫌だって……」

櫻子「……」

あかり「本当にどうでもよかったら、あんなに熱くならないと思うんだ……」

櫻子「……そりゃ、仲良く出来るのが1番……だけど……さ」

櫻子「嫌味を言われて、陰口叩かれて……そんなの許せないじゃん…謝って欲しいじゃん……」

あかり「でも、櫻子ちゃんだって陰口も言ったし、ヒドいことも言ってるよ?」

櫻子「……だって、だって……!!最近になって突然……冷たくなって……!!」

櫻子「どんだけ私が傷ついたか……向日葵は分かってないよ……っ!謝ってもらうまで許さねーし……っ!!」グスッ

あかり「そ、そんな……」

櫻子「……そりゃ、困るよ。いきなり変わっちゃうんだからさ……私はバカだから…何でか分からないし……」

あかり「……」

櫻子「……」グスッ

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