雪ノ下「今日から私とあなたは許嫁よ。よろしくね比企谷君」 (103)

八幡「いきなり正装させられて、親にこんな高そうなところに連れてこられたと思ったらお前とその親がいて」

八幡「で、そんなことを言われてもいきなりすぎだろ」

雪ノ下「そう。でもこれは決まったことよ。私も、あなたと将来結婚するだなんて、身の毛もよだつけれど、仕方ないわ」

八幡「ちょっとは抵抗しろよ」

雪ノ下「……嫌なの?」

八幡「は?」

雪ノ下「私が許嫁では……嫌なのかしら」

八幡「……別に」

雪ノ下「なら、しばらくはこのままでいいのではないかしら」

雪ノ下「お互い、他に好きな相手ができてから、破棄するようにしましょう」

雪ノ下「今拒否しようにも、それなら他に相手がいるのかと言われるだけよ」

雪ノ下「それに、たかが許嫁になったくらい、今までと別に変わりもないでしょう」

八幡「まあ、お前がいいなら、それでも構わないけどな」

雪ノ下「あと、この話は言いふらしたりしないように」

八幡「言うかよ。目立ちたくないしな」

雪ノ下「あなたような底辺の泥が私と許嫁になったんだもの、舞い上がってどこでなにを言うかわからないでしょう?」

八幡「そもそも言う相手がいない」

雪ノ下「……由比ヶ浜さんたちがいるじゃない」

八幡「ああ。でも、言わない。あいつに言ったら、面白がってすぐ広まりそうだしな」

雪ノ下「面白がることはないと思うけれど」

雪ノ下「とにかく、言うつもりがないのなら、それで構わないわ」

八幡(雪ノ下が許嫁ねえ。人生わからんもんだな)

八幡(つまり、このまま何事もなければ雪ノ下と結婚か)

八幡「……」

八幡(結婚しても、形式上だけとか言われそうだな)

小町「お兄ちゃーん」

八幡「なんだー」

小町「雪乃さん来たよー」

八幡「は?なにしにだよ」

雪乃「今日から一緒に住むことになったの。よろしくね」

八幡「マジで」

雪乃「お互い許嫁として早くなれるようにだそうよ」

八幡「ああ。そう」

雪ノ下「あまり驚いてないのかしら」

八幡「なんかもう、予想できてた気がする」

小町「私がびっくりだよ!二人が許嫁!?」

雪ノ下「そうよ。よろしくね、小町さん」

小町「は、はい!ふつつかな兄ですがよろしくって、え、ほんとなのお兄ちゃん!」

八幡「マジだよ。お互いの親も顔合わせしたし」

小町「ふえー、いきなりすぎて小町ついていけないよ」

八幡「俺もついていけてない」

雪ノ下「ついていく必要はないんじゃないかしら、そうなったという事実があるだけ」

八幡「お前は冷静すぎだ」

八幡(まあ、俺と婚約したくらい、毛ほども気にしてないくらいがらしいがな)

雪ノ下「小町さん。お夕食の準備はこれからなのかしら?」

小町「あ、はい。そうです」

雪ノ下「じゃあ、一緒に作りましょう」

雪ノ下「居候させてもらうのだし、これからは私と手分けして家事を行うことにしましょう」

小町「うわぁ、助かりますー」

雪ノ下「それと比企谷君」

八幡「なんだよ」

雪ノ下「あなたも少しは手伝ってね」

八幡「善処します……」


小町「雪乃さん、これおいしい!」

雪ノ下「小町さんが作ったのだってとてもおいしいわ」

八幡「……」

小町「もう!お兄ちゃんも感想は?」

八幡「うーまーいーぞー」

許嫁制度ってまだあんのかな?

雪ノ下「ふざけているのかしら」

八幡「俺なりの賛辞だよ」

雪ノ下「バカにされたようにしか思えないのだけれど」

小町「もう、二人とも、いきなり夫婦喧嘩はダメだよ」

八幡「まだ夫婦にはなってない」

雪ノ下「……まだね」

雪ノ下「ねえ比企谷君」

八幡「なんだよ」

雪ノ下「あなた、専業主夫志望でしょう。いずれあなたが作ることになるのだから」

雪ノ下「あなたの料理も食べてみたいのだけれど」

八幡「専業主夫オッケーなのかよ」

雪ノ下「ええ。どう考えてもあなたより私が外で働いたほうが向いているもの」

八幡「はいはい、便りにしてますわ」

小町(あれ、これ夫婦喧嘩っていうより、もうのろけなんじゃ)

八幡「とりあえずこの部屋使えとさ」

雪ノ下「よかった……」

八幡「なんとなく予想できるが一応聞いておく。なにが」

雪ノ下「もちろん、あなたと同じ部屋ではなかったことがよ」

雪ノ下「婚前妊娠だなんて冗談じゃないもの」

八幡「自分で言うのもなんだが、俺にそんな度胸あるわけないだろ」

雪ノ下「あなたの下劣な視線で妊娠させられるかもしれないでしょう」

八幡「たとえそんな能力があっても、お前をそんな目で見ないから安心しろ」

雪ノ下「……じゃあ、確かめてみましょうか」

八幡「は?」

id変わった

雪ノ下「今夜一晩だけだけど、お世話になるわね」

八幡「お、おう」

雪ノ下「……」チラッ

八幡「あんま見ないでくれる」

雪ノ下「そうね。どこに卑猥なものがさらけ出されているとも限らないことだし」

八幡「俺の部屋に猥褻物があるって決めつけてるんじゃねえよ」

雪ノ下「あら、ないのかしら。枯れてるの?」

八幡「高二男子の部屋だぞ。ないわけないだろ。言わせんな恥ずかしい」

八幡「まあ、そんな簡単には見つけられないようにしてあるだけだ。デスノ並にな」

雪ノ下「つまりあるということでしょう。そんなところで一晩明かさなければならないなんて」

雪ノ下「屈辱だわ」

八幡「嫌ならさっきの部屋で寝ろよ」

雪ノ下「……そもそも、この部屋のどこで私は寝ればいいのかしら」

雪ノ下「まさか、あのベッドであなたと……」

八幡「小町が今来客用の布団を出してきてくれてるよ」

八幡「いくら許嫁になったからって、いきなり同衾なんてありえないだろ。普通に考えて」

雪ノ下「……」ムッ

雪ノ下「今の発言、いきなりじゃなく、そのうち一緒に寝るつもりといった口ぶりに聞こえるけれど」

雪ノ下「怖いわ。無理矢理教われたらどうしましょう」

八幡「だからしないっつうの」

雪ノ下「口ではなんとでも言えるでしょう」

小町「布団持ってきましたよーって、また」

八幡「おう、悪いな小町」

雪ノ下「あとは私がやるから、そこに置いておいてくれるかしら」

小町「結構息ぴったりだよね、二人って」

雪ノ下「比企谷くんと息がぴったりなんて……肺からすべての空気を吐き出したいくらいだわ」

八幡「死ぬぞ」

雪ノ下「死んだ方がましということよ」

小町「あのー、ところでお風呂の準備ができたんで、雪乃さん入っちゃってください」

雪ノ下「私はご厄介になっているのだから、一番最後でも構わないのだけど」

雪ノ下「それに、比企谷君の前にお風呂になって入ったら、その後残り湯でなにをされるか」

八幡「そんな特殊な性癖までカバーしてないから」

小町「あ、じゃあ一緒に入れば」

八幡「なんでそうなる」

雪ノ下「じゃあ、お言葉に甘えて先にいただくわね」

落とさなきゃ(使命感)

雪ノ下「……」

雪ノ下「落ち着かなくては……」

雪ノ下「……あ」


コンコン

八幡「はーい」

コンコン

八幡「勝手には入れよ」

「比企谷君……お願いがあるのだけれど」

八幡「なんだよ」

「私の荷物を、扉を開けても私を見ないようにして、渡してくれないかしら……」

八幡「それって」

「さっきあなたと騒いでいていたせいで、着替えを持っていかないままお風呂に入ってしまったのよ……」

八幡「お前にしては珍しいミスだな」

「自分自身、なんて愚かなミスをしたのだと思うわ……」

「よりにもよって、あなたの部屋に着替えがある時にこんなミスをするなんて、一生の不覚よ」

くそたろーゆきのん脱糞展開はよ

八幡「仕方ないな」

「言っておくけれど、くれぐれもこちらを見たりしないように」

「一応タオルで隠してはいるけど、あなたの視線は犯罪なのだから」

八幡「思いっきり扉開けてやろうか」

「や、やれるものならやりなさい。どうせ、あなたにはできないくせに」

八幡(まあそうなんですけどね)

八幡「開けるぞ」

「……」

八幡「ほれ」

「……ありがとう」

八幡「とっとと着替えてこいよ」

「ええ……」


雪ノ下「……はぁ」

落ちたな(確信)

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2015年07月24日 (金) 23:05:42   ID: Zp0-BG7s

続けて欲しい

2 :  SS好きの774さん   2017年07月17日 (月) 18:48:50   ID: Ly0_e7BO

続きは?

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