千冬「本日は調理実習を行う」(55)

千冬「ISに乗っているとなにが起こるかわからない。無人島に墜落することもあるだろう」

千冬「そんな時、魚の一匹や二匹捌けないようでは困る」

千冬「というわけで今日の授業はこの鯵を調理し、どんな状況でも生き残れるスキルを身につけろ」

千冬「ちなみにこの鯵は山田先生が調達してくれた。ありがたく使うように」

山田「まさか朝の4時から一人で底引き網漁をやるとは思いませんでした。ISって便利ですね」

千冬「料理が完成した者からわたしのところに持ってこい」

千冬「他の者に調理法を聞くことは禁止だ。だが見て真似ることは構わない。ここにある食材、調理器具は好きに使え。なにか質問は?」

ラウラ「よろしいでしょうか!」ビッ

千冬「なんだ」

ラウラ「サバイバル訓練ならば、水や食料を自ら確保するところから始めるべきかと」

千冬「そんなことをしていたら日が暮れるだろう。わたしを待たせるつもりなのか?」

ラウラ「わ、わたしならばすぐに」

千冬「無駄口を叩いている暇があるなら手を動かせ。始め!」


ガラッ

鈴「失礼します!」

千冬「なんだ?」

鈴「あたしも参加させて下さい!料理には自信があります!」

千冬「残念だが参加を認めるわけにはいかない」

鈴「どうしてですか!?あたしなら美味しい中華料理を作れるのに」

千冬「それは知っている。お前の家にはわたしも何度かいったことがあるからな」

鈴「じゃあなんで!」

千冬「今は授業中で、お前は2組だからだ」

「そりゃそうだ」
「2組だもんね」
「2組じゃあね」

鈴「うぅ・・・うあああああああああ!!一夏の馬鹿ぁあああ!!」ダダダダッ

一夏「なんで俺!?」


千冬「ボサッとしてないでとっととしろ。空腹は最高のスパイスだぞ?遅くなってわたしの腹がいっぱいになれば点数も低くなるだろうな」



セシリア「シャルロットさん」

シャル「なに?」

セシリア「お魚、泳いでいますわね」

シャル「活きがいいね」

セシリア「これを料理するんですの?」

シャル「そうみたいだね」

セシリア「こんな水槽どこにあったんでしょう」

シャル「不思議だね」

ラウラ「ふんっ」ガッ

鯵「ぐわっ」ビチビチ

ラウラ「しっ!」ゴキッ

鯵「げはっ!」ビクッ

ラウラ「あとは焼くだけだな。これでわたしが1番のりだ」

シャル「・・・」

セシリア「・・・」


箒「出来ました」

ラウラ「なにっ!?」

千冬「ほう、早いな」

箒「鯵が新鮮なのでシンプルに刺身にしました。それと刺身だけだと寂しいので、ナメロウです」

千冬「なるほど。ではさっそく」ヒョイッ

千冬「むぐむぐ・・・うむ」

箒「ど、どうでしょうか」

千冬「山田先生、酔鯨を」

山田「ありません」

千冬「では久保田を」

山田「授業中です」

箒「えっと、どうですか」

千冬「刃の入れ方はまだ甘いところがあるが、うむ。合格だ」

箒「よかった・・・ありがとうございます」

千冬「これならいつうちに嫁に来ても構わんぞ」

箒「なっ!?」

「「「「「「っ!?」」」」」」

ザワ………ザワ………

一夏「やるなー箒」

箒「その、少し多めに作ったんだ。一夏も食べるか?」

一夏「いいのか?」

箒「ほ、ほら、あーん」スッ

セシリア「!」

一夏「あーん・・・うまい!」

箒「ふふっ」

「みた?」

「うん」

「あーん・・・」

「美味しい料理を作れば織斑先生に認められたうえ」

セシリア「一夏さんにあーん・・・」

ザワ………ザワ………

((((((負けられない!))))))

ラウラ「出来ました!」

「やられたぁー!」

「早いさすがドイツ人」

セシリア「くぅー!わたくしはまだお魚を捕まえることすら出来ませんのに!」


ラウラ「お願いします!」

千冬「焦げているな」

ラウラ「十分熱してあるので寄生虫等の心配はありません!」

千冬「内臓は処理したか?」

ラウラ「していません!」

千冬「塩は振ったか」

ラウラ「振っていません!」

千冬「よし合格」

シャル「なんで!?」

こうして乙女達の戦いは続きました


終わり

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