ハルヒ「キョン、転校生の名前花山薫って言うらしいわよ!」 (14)

キョン「花山薫ね、ずいぶんと高貴そうな名前だな。どこかのお嬢様か?」

ハルヒ「知らないわよ。後で紹介するって岡部も名前しか教えてくれなかったのよ」

キョン「ふーん」

ハルヒ「なにニヤけてんのよエロキョン。まだ女の子って決まったわけじゃないでしょ」

キョン「期待を膨らませるなって方が無理な話だ。男の転校生なぞ何の得にもならん」

ハルヒ「ふん。あっ、来たいみたいよ」

キョン「(女の子女の子女の子女の子女の子女の子)」

岡部「ええ、もう知ってるやつもいるかもしれないが、さっそく転校生を紹介するぞ」

キョン「(来い!)」

岡部「転校生の花山薫君だ」

花山「・・・」

キョン「」

何だ?何が起こっている。今俺たちが目にしている転校生とやらは本当に高校生なのか?
というか同じ人類なのだろうか。

岡部「えー、花山薫君は家庭の事情で先日この街に引っ越してきたばかりだ。みんな仲良くしてやってくれ」

花山「よろしく」

あんな転校生なぞいてたまるのものか!なぜ誰も疑問を抱かない。
ハルヒだけはこれでもかというくらいに眼を輝かせているが。鬱陶しい。

岡部「でだ。花山君の席だが・・・」

うむ、とにかく関わり合いにはならない方が賢明な気がする。俺以外のその他大勢の級友に任せてみようじゃないか。

ハルヒ「ここが空いてるわ!」

何を言っているんだこのバカは。

大体、ここってお前の近くの席はみんな埋まって・・・俺の隣のやつはどこに消えた。
何が起こっている。確かに今までいたはずだぞ。名前は・・・そうだ!思い出せん。

キョン「どうなってやがる」

花山「よろしく」

キョン「!!」

そうこうしている間に俺の隣の席に着く花山薫。椅子は大丈夫なのだろうか。

ハルヒ「何してるのよキョン。あいさつしなさいよ」ボソボソ

キョン「あ、ああよろしく」

何だこれは。

ハルヒ「へー、あんたあのデカイ屋敷に住んでるんだ。すごいわね」

花山「・・・」

HRが終わり、一限が始まる間のわずかな時間に、さっそく自らの好奇心を存分に満たそうとする団長様。
これほどこいつの行動力に感心したことはあっただろうか。この巨漢と称しても余りある男に平然と話しかけている。

キョン「・・・」

ハルヒ「キョン。あんたもせっかく隣になったんだから花山君と話したら?」

横目で見ながらこいつらの話に聞き耳を立てていると、俺に話を振ってくるハルヒ。
俺を巻き込んでくれるな!

キョン「あ、ああそうだな。花山君は・・・」

花山「・・・」

顔の傷怖えよ!

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