アリス「帰り道で」 (113)

きんいろモザイクの連作短編SSです

とはいっても帰り道のシーンから始まること以外共通してませんが


SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1382016291

<雨宿り>


帰り道

綾「なんだか空が暗くなってきたわね」

陽子「一雨くるかもしれないな」

カレン「私カサ持ってないデス」

アリス「私もー」

忍「朝は晴れてましたからね」

綾「私は折りたたみ持ってるけど、一本しかないから……」

陽子「じゃあさ、もし降り出したら途中まで傘入れて?」

綾「へっ!?そ、それは、その」///

忍「今にも降り出しそうですね」

ポツ……

アリス「あっ!」

忍「どうかしましたか?」

アリス「いまポツって!降ってきたよ!」

忍「それは大変です!急いで帰りましょう!」

アリス「うん!走るよ、シノ!」

タタタ……

2分後

ザアアアアア

忍「ほっ、ほっ、ほっ」タッタッタッ

アリス「シノ……待って……」

アリス「私、もう走れないよ……」

忍「でも雨も本降りになってきちゃいましたから急いだ方が」

アリス「でも……」フラフラ

アリス「もう、限界……」

忍「そうですよね……ちっちゃいアリスが雨の中家まで走り続けるなんて」

忍「そんな大変なことをさせるわけにはいきませんね」

忍「どこかで雨宿りしていきましょう」

忍「とりあえずこの木の下にいれば雨宿りできそうです」

アリス「うん」

アリス「雨、いつ止むかな」

忍「待っていればすぐに止みますよ」

アリス「そうだね……」ブルッ

忍「……寒いですか?」

アリス「うん、ちょっと」

忍「びしょ濡れですもんね」
アリス「シノは寒くないの?」

忍「私は平気です」

忍「アリスの金髪を見ていると心が温かくなってきますから」

アリス(本当に大丈夫かなぁ……)

忍「でもアリスが寒そうにしてるのを見るのは辛いです」

アリス「ごめんねシノ、私のせいで」

忍「でもどうしましょう、着替えなんてないですし……」

忍「あっ、こういうのはどうでしょう?」

忍「アリス、じっとしてて下さいね」

アリス「?」

忍「それじゃ……」

チュ

アリス「!?」カオマッカ

忍「あったまりましたか?」

アリス「キ、キスとか、おでことはいえ」

アリス「ここ外だよ!?」

忍「こんな雨の中、外を出歩いてるのは私たちくらいですよ」

アリス「そうかもだけど……」

忍「じゃあ、もう一度……」

アリス「えっ!?」

忍「だって真っ赤になるアリスがとても可愛かったので」

アリス「もう、ダメだって!いつ人来るかわかんないでしょ!?」

忍「じゃあ家ならいいんですか?」

アリス「そ、それは……」///

忍「無事に帰れたら、お風呂を沸かしましょう」

アリス「そうだね!あったかいお風呂、楽しみだよ」

忍「はい、一緒に入りましょう!」

アリス「えっ」

アリス(シノと一緒にお風呂……ちょっと恥ずかしいんだけど)

忍「きっと心も体もぽかぽかです♪」

アリス(シノだって寒いはずだし、すぐ入りたいよね)

アリス「そうだね、今日は二人で、って、シノ?」

忍「アリスと一緒に……お風呂……」ハァハァ

アリス「……」

ポタッ

アリス「っ!」

忍「アリス、どうしましたか?」

アリス「ううん、葉っぱから雫が垂れてきただけ」

忍「そうですか……アリスがこれ以上濡れちゃったら大変です」

忍「こうなったら奥の手です!」ギュ

アリス「シノ?」

忍「こうすればアリスは濡れずに済みます」

アリス「でも、それじゃあシノが……」

アリス(それに、濡れた服が密着して余計寒いよ……)

忍「私のことはいいんです……」

忍「アリスが寒い思いをしないことが私にとって一番大事なんです!!」

アリス(でも、やめてとは言い出せない……)

忍「アリス……」ギュウ

アリス「シ、シノ?私ずぶ濡れだから、その」

アリス「こんな格好だと、二人とも寒いでしょ、だから」

忍「!」

忍「そうですよね……」

忍「ごめんなさいアリス、私が間違っていました……」

アリス(よかった、気付いてくれたみたい)

忍「濡れた服をそのままにすると体が冷えてしまうと何かで聞きました」

忍「さあアリス、服を脱ぎましょう!」

アリス「シノ、落ち着いてー!」

忍「あれっ、雨、弱くなってきましたね」

アリス「ホントだ!みてみて、もうあっちの空明るいよ」

忍「もう少しで雨、上がりますね」

アリス「うん、ようやく帰れるよ」

忍「でも、アリスとこうやって二人で雨宿りするのも楽しかったですよ」

アリス「そうだねー」

アリス(寒いのさえなければ……)

忍「それに、雨が上がって人通りが増えたら、こうやって……」

チュ

アリス「!!」

忍「アリスのおでこにキスできなくなっちゃいます」

アリス「もう……」///

アリス「あっ、虹だよ!シノ!」

忍「わあ、綺麗です」

アリス「こんな綺麗な虹、初めて見るよ」

忍「そうだ!お姉ちゃんにカメラを借りていました」

忍「アリスと虹の写真撮りましょう!」

アリス「雨で壊れたりしてないよね?」

忍「大丈夫です、カバンの中身はあまり濡れていないので」

アリス「よかったー」ホッ

忍「……あっ」

アリス「どうしたの?」

忍「カバンに折り畳み傘入ってるの、忘れてました」


雨宿り おわり

眠る前に、の人かな?

しのアリ可愛い

>>15
そうですよー

前作『アリス「眠る前に」』も併せて楽しんでもらえれば嬉しいです
アリス「眠る前に」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1379940814/)

<内緒話>


カレン「ふぃー、今日はちょっと暑いデスネ」パタパタ

綾「カレン、それちょっとはしたないわよ、まるで陽子みたい」

陽子「ちょっとそれどういう意味だよ!」

アリス「ヨーコは豪快だもんね!」

陽子「アリス……それは誉めてないんだぞ……」

綾「にしてもカレンはだらしなさすぎよ」

綾「ボタンなんて2つも開けてるし……あら?」

カレン「何デース?」

綾「これ……ネックレス?」

アリス「学校にネックレスなんてしてきちゃダメだよ、カレン」

カレン「バレなければ大丈夫デス!」

綾「でもすっごく素敵……!これ、どこで買ったの?」

カレン「これはデスネー、イギリス

ガシッ

忍「カ、カレン!詳しくこれについて話してください!!」ハァハァ

カレン「Oh,今から話すところデス」

カレン(凄い剣幕デース……)

忍「これはいくらぐらいなんですか?いつ頃作られたものなんですか?」

カレン「シノ、ちょっと落ち着くデース」

忍「イギリスのどのあたりで作られたんでしょう?とりあえず触らせてください!」

カレン「触るのはもちろんいいデスヨ」

忍「はぁ……」ギュム

忍「イギリスが溢れ出てくるようです」

カレン(意味が分からないデス)


アリス「シノの興奮が止まらないよ……」

陽子「完全に二人の世界だなー、ありゃ」

忍「!?」

忍「もしかして、このヘアピンは!?」

カレン「これもイギリスで作られたものデスヨ」

忍「素敵すぎます……」

カレン「あとは、この靴もイギリスから

忍「カレンっ!愛してますっ!!」ダキッ

アリス「シノっ!?」

忍「はっ!?カレンから何やらいい匂いが……」

カレン「これはperfumeデスネ」

忍「ぱ……?」

カレン「香水のことデス」

カレン「学校ではさすがにつけてませんデシタガ」

忍「まさかこれもイギリスの……」

カレン「そうデス!」

忍「イギリスの小物を身に着け、イギリスの香りのする金髪少女……!!」

忍「何と素晴らしいことでしょう!!」

忍「何で今日のカレンはこんなにイギリスのものばかり……?」

アリス「そうだよカレン、わざわざネックレスとか香水とか用意するなんて変だよ!」

カレン「んーとデスネ……」

カレン(なんて答えまショウ)

カレン「……最近は日本の生活にも慣れてきたノデ」

カレン「逆にイギリスのものに凝ってるのデス」

カレン「たまにはこういうのも悪くないとおもいマシテ」

カレン「なんて……」

忍「たまにといわず毎日でもいいんですよ!?」ハァハァ

カレン「Wow,シノがそういうならそーするデス!」

アリス「シノがー……シノがカレンに取られちゃうよー……」グス

綾「大丈夫よ、カレンのはいつもの気まぐれよ」

陽子「それにしののアレはいつものことだろ?」

アリス「うう……」

陽子「そういえば、カレンって帰り道、こっちじゃないんじゃ……」

忍「カレンは私の家に連れて帰ります!!」

陽子「いや、単に遊びに来てもらうってだけだろ!?」

分かれ道

綾「それじゃ、また明日」

陽子「じゃあなー!」

カレン「アヤヤ、ヨーコ、また明日デース!」

アリス「ばいばーい」

忍「これが……これが真のブリティッシュガール……」

陽子「おーいしの、聞いてるかー?」

忍「まさに天使です……」

綾「……聞こえてないわね、帰りましょ」

大宮家

アリス「ねえシノ、見て?」

忍「なんですか?」

アリス「ほら、私の盆栽、ちょっと育ってきたんだよ!」

忍「よかったですねアリス、それでカレン、この香水は……」

カレン「これはイギリスで一番有名なブランドのなんデス」

アリス「ねえ、シノ」

忍「このリボンもイギリス製なんですか?」

忍「私にも触らせてもらっていいですか!?」

カレン「OKデス!」

忍「はぁ……」パァァァ

アリス「……」ムーッ

アリス「ちょっとシノ!」

忍「はい?」

アリス「さっきからカレンばっかりで、何で私とは話してくれないの!?」

アリス「シノは私よりイギリスのほうが好きなの!?」

忍「えっ……?」

忍「そんなこと言われましても、確かに私はイギリスの物は大好きですが」アセアセ

忍「でも、アリスのことだって何にも代えられないくらい大好きですよ」

アリス「シノ……」グスン

忍「私は、いつだってアリスが大好きです」

アリス「シノー!」ギュム

忍「もう、アリスったら」

忍「ごめんなさいアリス、ちょっと取り乱してしまってましたね」

アリス「私のほうこそごめんね、シノ」グス

アリス「……2年生になってクラス別々になっちゃったし」

アリス「シノといっぱい話したいことあったの」

アリス「だから……」

忍「大丈夫ですよ、お喋りする時間はいっぱいあります」ナデナデ

カレン「……」

アリス「あ、私ちょっとトイレ行ってくるね」

パタン

カレン「アリスもゴキゲン直したみたいデス」

忍「そうですね、よかったです♪」

忍「そ、それじゃあ、続きを……」ハァハァ

カレン「またアリスがヘソ曲げちゃうデスヨ?」

忍「今はトイレに行ってるので大丈夫ですよ」

忍「それで、このカレンの靴は……」

忍「にしてもカレンがイギリスに凝り始めるなんて素敵です」

カレン「……そうじゃないんデス」

忍「?」

カレン「私が……」

カレン「私が今日、こうやってイギリスのものばっかり持ってきたのは」

カレン「シノに喜んで欲しかったからデスヨ」

忍「私にですか?」

カレン「そうデス」

カレン「いつもアリスの方ばっかりみてるシノに……」ボソ

忍「?」

タタタ…

カレン(アリスの足音が聞こえマス)

カレン(やっぱりアリスには敵わないデス)

カレン「アリス、戻ってきたデスネ」

忍「そうみたいですねー」

カレン「……今の話、アリスには内緒デス!」

タタタ…

カレン(アリスの足音が聞こえマス)

カレン(やっぱりアリスには敵わないデス)

カレン「アリス、戻ってきたデスネ」

忍「そうみたいですねー」

カレン「……今の話、アリスには内緒デス!」


内緒話 おわり

<a fairy tale>


帰り道

綾「さっきのしのは目がおかしかったわね……」

陽子「しのは外国のこととなると見境ないからな」


綾「にしてもなんでカレンはあんなにイギリスグッズで固めてたのかしら」

陽子「なー、しのじゃあるまいし、どうしちゃったんだろう」

綾「って、あら……?」

陽子「ん?どした?」

綾「こんなところに、路地あったかしら?」

陽子「いやー分かんないけど」

陽子「まあ、あったんじゃないの?」

綾「……なんとなく、不思議な感じがしない?」

陽子「そうか?」

綾「なんというか、こう、ここを抜けていくとお伽の国に行けるような……」

綾「そんな気がしない!?」キラキラ

陽子(いや、別にフツーのほっそい路地にしか見えないんだけど……)

綾「……」ジィー

陽子(またメルヘンなことでも考えてんのかな)

陽子「……よしっ!」

陽子「じゃあ、行ってみるか!」

綾「えっ?」

陽子「時間あるだろ?ちょっと行って帰ってくるだけなんだし」

綾「あ、ちょ、腕引っ張らないでよ!」

陽子「狭いな」テクテク

綾「そうね」テクテク

陽子「まあでも、こんな路地にしては結構綺麗だし」

陽子「確かに不思議な感じはするかもな」

陽子「中ボスでてきそうな?」

綾「陽子のはRPGのやりすぎよ」

陽子「この道、ちょっと曲がってるんだな、全然先見えないや」

綾「私からはどっちにしろ陽子の背中しか見えないけど」

陽子「あー、黙って俺についてこい的な?」

綾「っ!?な、なな何言ってるの!」///

陽子「おとぎの国かー」

陽子「綾はおとぎ話とかファンタジーとか、そういうの好きだよな」

綾「わ、悪い?」

陽子「行きたいの?」

綾「へ?」

陽子「おとぎの国」

綾「そうね……」

綾(この道が知らない場所に続いていて)

綾(陽子と二人っきりの世界に行けたら、なんて……)

陽子「あ」

綾「どうかした?」

陽子「路地、もう抜けられるみたいだけど」

陽子「……この道、学校の前の通りじゃない?」

綾「あ、ホントだ……」

陽子「こんなところに繋がってたんだなー」

陽子「まあでも、探検みたいで面白かったな」

陽子「近道に使えるかもしれないし」

綾(……まあ、そんな訳ないわよね)

陽子「ま、現実的なオチだったな!」

綾「そりゃ、お伽話みたいに上手くはいかないわよ」

綾(でも、陽子と二人、っていうのは叶った気がする……)

綾「ほら、もう戻りましょ!」ギュ

陽子「え、あ、そうだな」

陽子(珍しいな、綾が手つないでくるなんて)

綾「……」///

陽子(顔赤いけど)

綾「陽子」

綾「……お伽話みたいね」ボソッ

陽子「ん?何か言った?」

綾「……何でもないわよっ!」///

陽子「?」

綾(何てことのないいつもの帰り道でも)

綾(陽子と一緒にいさえすれば)

綾(こうやって手をつないでいれば)

綾(まるでお伽話のヒロインみたい、なんて……)


a fairy tale おわり

<好きって気持ち>


穂乃花(松原穂乃花です)

穂乃花(2年A組で、テニス部に所属しています)

穂乃花(……あまり上手くはないですが)

穂乃花(1年生の時はカレンちゃんと隣の席でした)

穂乃花(誰にも言えませんが、私、好きな人がいます)

キーンコーンカーンコーン

穂乃花「……」ソワソワ

穂乃花「あ、あの、カレンちゃん」

カレン「Oh, ホノカ、今日は部活無いデース?」

穂乃花「うん、それでね、カレンちゃん」

カレン「なんデスカ?」

穂乃花「その……一緒に……」

忍「カレン、アリスたちが来ましたよー」

アリス「カレーン、早く帰ろう?」

穂乃花「あ、じゃ、じゃあまた明日、カレンちゃん」

カレン「……See you! また明日デス!」

穂乃花「……」

穂乃花(しょうがない、よね)

穂乃花(カレンちゃんにはすっごく仲良しの友達がいるし)

穂乃花(それに皆に好かれてるし)

穂乃花「……私も帰ろうかな」

カレン「むー……」

アリス「どうしたのカレン、考え事?」

忍「きっとカレンは故郷のイギリスを想っているのですよ」

アリス「シノすごい!カレンのことも何だって分かるんだね!」

忍「だって、遠いイギリスに思いを馳せる金髪少女なんて最っ高じゃないですか」パァァァ

綾「……」

陽子「……」

綾「でも、カレン、本当になにか悩みがあるなら」

綾「いつでも相談に乗るわよ」

綾「陽子が」

陽子「って自分で乗れよ!」

陽子「とはいえ、カレンが元気ないのは珍しいな」

アリス「もしかしておなか痛いの?」

カレン「そんなことないデス」

カレン「たまには大人の女らしい落ち着きも見せた方がいいかと思っただけデスヨ」ニコ

陽子「?」

カレン(ホノカ……)

カレン(さっき、何か言おうとしてたデス?)

カレン「……」

忍「でしたらカレン、せっかくですので家に来てください!」

忍「今日のカレンにぴったりの大人っぽいドレスがあるんです!」

カレン「……ちょっと私、学校戻るデス」

アリス「えっ、忘れ物?」

カレン「そうデス」

カレン「それはそれは大切なものを忘れてきたデス!!」

穂乃花(カレンちゃんと一緒に帰れたらきっと楽しいだろうな……)

カレン「あっ、ホノカー!!」

穂乃花「カレンちゃん!?さっき大宮さん達と帰ったんじゃ?」

カレン「はぁ……はぁ……」

カレン「やっと見つけたデス!」

穂乃花「見つけたって……えっ?」

穂乃花「カレンちゃん、私のこと探してたの?」

カレン「ホノカ、一緒に帰るデス!!」

穂乃花「もしかして、わざわざ戻ってきた?」

カレン「大したキョリではござらんデス」

カレン「ホノカとは帰る機会があまりないデスカラ」

カレン「たまには一緒に帰りたかったデス!」

穂乃花「……ふふっ」

カレン「何かおかしいデース?」

穂乃花「やっぱりカレンちゃんはかっこいいな、って」

カレン「そんなそんな、おだててもジュースくらいしか出ないデスヨ?」

穂乃花「あはは、ジュースは出るんだ」

カレン「ちょっと寄り道していくデス?」

公園のベンチ

カレン「カンパーイ!」

穂乃花「あはは、乾杯」


カレン「ゴクゴク……ぷはーっ!しみるデース!」

穂乃花「カレンちゃん、これおしるこだよ……?」

穂乃花(ていうか缶おしるこのアイスって初めて見た)

カレン「細かいことは気にしちゃダメデスよ?」

カレン「今日は風が気持ちいいデスネ」」

穂乃花「そうだねー」

穂乃花(それに、カレンちゃんの髪が風になびいて)

穂乃花(すっごく綺麗……!)

カレン「?」

カレン「どうかしまシタカ?」

穂乃花「ううん、カレンちゃんの髪、ほんとに綺麗だなあ、って思って」

カレン「ホノカの髪もさらさらで綺麗デスヨ?」

カレン「ホノカは背も高くてスタイルいいデスし」

カレン「いつも優しくて頼りになりマス」

穂乃花「そうかなあ……」ドキドキ

カレン「ホノカはおだてると何が出るデース?」

穂乃花「何だー、おだててくれてただけ?」

カレン「でも、今のは私の本心デス」

穂乃花(やっぱり、カレンちゃん、かっこいいな……)

穂乃花「私をおだてて出るのは……」

穂乃花「……カレンちゃんのことが好きって気持ち、くらいかな?」


好きって気持ち おわり

<恋の話>


2年A組 教室

アリス「シノー、帰ろう」ガラッ

綾「あ、アリス」

アリス「あれ、アヤしかいないの?」

綾「ええ、しのは烏丸先生に呼ばれていったわよ、補習が何とかかんとか、って」

綾「……それで、その、陽子は」

アリス「ヨーコも補習って言ってたよ」

アリス「だから先に帰ってて、って」

綾「まったく二人とも、普段から勉強してないからこうなるんだわ」

アリス「カレンは?」

綾「カレンならさっきまでその辺にいたんだけど……」キョロキョロ

綾「……帰ろっか?」

アリス「そうだね」

帰り道

綾「……」テクテク

アリス「……」テクテク

綾(いつもは陽子やしのやカレンがいるからいいけど)

綾(アリスと二人だと何話せばいいかわからないわね……)

綾「……アリスと二人っきりって新鮮な気がするわ」

アリス「アヤはいっつもヨーコと一緒にいるもんね!」

綾「なっ……」///

綾「あ、アリスだって、いつもしのとべったりじゃない!」

アリス「そうかな」テレテレ

綾「そうよ」

綾「わざわざイギリスから追いかけてきたほどだもの」

綾「あれ?」

アリス「アヤ?どうかした?」

綾「ここ……」

アリス「あっ、ここずっと工事中だったのに、カフェになってる! 」

綾「本日オープン……開店記念にドーナッツ半額!?」

アリス「おいしそう!」

綾「明日みんなで寄り道する?あ、でも半額は今日だけみたい……」

アリス「じゃあ、今行こうよ!」

綾(アリスと二人……ちょっと緊張するけど)

綾「そうね、寄り道していくのも悪くないわね」

アリス「ちょうど、アヤに話したいことがあったの」

カフェ

綾「お洒落なお店だわ」

アリス「ほんとだー」

綾(もし、こういうお店にデートとかで来られたら……)

綾(……)///

アリス「……ヨーコのこと考えてる?」

綾「なっ!?」

アリス「やっぱり!アヤはヨーコのこと考えてると赤くなるよ」

綾(バレてる……)

綾「そっそれで、私に話したいことって?」

アリス「……ねえ、私、アヤに聞きたいことがあるの」

アリス「アヤはヨーコのこと、好きなんだよね?」

綾「えっ、そ、その、」

アリス「違うの?」

綾「それは……」///

綾「や、やっぱり変かしら」

アリス「ううん、そうじゃなくって」

アリス「私ね、シノのこと、好きなの」

綾「……それは、恋愛として、ってこと?」

アリス「……うん」

アリス「ねえアヤ、イギリスで同性婚が認められたの、知ってる?」

綾「そうなの?知らなかった……」

綾(イギリスね……良いことを聞いたわ)

アリス「だからね、ゆくゆくは、シノにプロポーズして、イギリスで結婚できたらなって」

アリス「付き合っても無いうちにこんなこと言っても取らぬ狸の何とやらだけど……」

アリス「こんなこと人に言ったら変に思われるかもしれないけど」

アリス「アヤになら話せるから」

綾「すごいわね、アリスは」

綾「私なんて目先のことでいっぱいいっぱいなのに」

綾「そんな先のことまでしっかり考えてるなんて」

綾(小さいのに……と思ったけど、そういえば同い年だったわ)

アリス「えへへ、そうかな」

綾「それで、何で私にそんなことを?」

アリス「シノは私のことどう思ってるのかなって、ちょっと相談したくて」

綾「うーん……」

綾「確かにしのは普段から何考えてるのか分からないこともあるけど」

綾「でも、しのがアリスのことを大切に思ってることは間違いないわ」

アリス「本当……?」

綾「ええ」

綾「アリスが本当に好きって気持ちを伝えられたら」

綾「しのもきっと応えてくれると思うの」

綾「素直になれるんだったら、それが一番よ」

アリス「やっぱり、そう思う?」

綾「ええ」

綾(分かってはいるんだけどね……)

アリガトウゴザイマシター

アリス「ドーナツ、美味しかったね」

綾「そうね、またみんなで来ましょう?」

アリス「じゃあ明日また来ようよ!」

綾「明日……」

綾「まあ、それもいいかもしれないわね」

綾「今日、ここであんな話したなんて言えないものね」

アリス「あははは、そうだね」

アリス「アヤに相談してよかった」

アリス「私、なんだか勇気が出てきたよ」

綾「ううん、大した役に立てなくてごめんなさい」

綾「でも、アリスを見てると応援したくなっちゃうわ」

綾「なんだか可愛い妹ができたみたい」

アリス「アヤはいつもしっかりしててお姉ちゃんみたいだよー」

綾「そうかしら」

アリス「もし……もし、さ」

アリス「告白、だめだったら……」

アリス「そのときは、慰めてね、お姉ちゃん」キュ

綾(やっぱりアリスも不安なのね)

綾(こんなに強く手を握ってきて……)

綾「きっと大丈夫よ、アリス」ギュ

アリス「えへへ、ありがとう、アヤ」

忍「あ、可愛い金髪少女がいるなーと思ったらアリスでした」

アリス「!?」

忍「こんなところで会うなんて偶然ですね」

綾「しの!?陽子!?」

綾「い、いつからここに!?」

陽子「いつからって、私らは今通りかかっただけだけど」

陽子「あ、もしかして二人でどっか寄り道してた?」

アリス「え、ソ、ソウダケド」

陽子(何でカタコト……?)

綾「陽子、補習は終わったの?」

陽子「今日は小テストだけで、明日みっちり補習だってさ」

綾「え……」ガーン

忍「それにしても、綾ちゃんとアリスが手をつないでるなんて珍しいですね」

綾アリス「!?」バッ

陽子「?」

忍「?」

綾「陽子!」

アリス「シノ!」

綾アリス「こっ、これは違うの!」


恋の話 おわり

今更ながら、>>2>>3の間が抜けてたことに気づいた
さほど話には関係ないところだけど


陽子「んじゃ、また明日なー」

カレン「さよならデース!」

忍「はい、また明日」

綾(雨、早く降らないかしら)

アリス「アヤ?」

忍「さあ、アリス、帰りましょう?」



補って読んでもらえたら幸いです

<帰り道で>


飛行機内

カレン「mmm……」

アリス「カレン?よだれたれてるよ?」

カレン「……」

アリス「起きないや……」

アリス(夏休みを利用して、私とカレンはイギリスに帰省していました)

アリス(懐かしいイギリスの地で家族に会えたことは嬉しかったけど)

アリス(シノがいないのは寂しかった)

アリス(そして今は、日本に“帰る”飛行機の中)

アリス(シノにもうすぐ会えると思うと、凄くドキドキするよ)

大宮家

陽子「しのー?」

忍「も、もうちょっとだけ待ってください!」

陽子「しのの奴、何してんの?」

綾「さあ……」

忍「どうしましょう、手袋が見当たりません」

忍「となるとこのドレスはやめて、別のに着替えなくては……」

忍「ですが時間が……あっ!」

忍「よかった、ありました」

忍(夏休みを利用して、アリスとカレンはイギリスに帰省していました)

忍(陽子ちゃんや綾ちゃんがいるので決してひとりではなかったのですが)

忍(アリスがいないのは寂しかったです)

忍(そして今日、アリスは日本に“帰って”きます)

忍(早くアリスに会いたいです)

飛行機内

カレン「......Good Morning, Alice......」

アリス「おはようカレン、もうすぐ日本に着くんだからずっと英語じゃだめだよ?」

カレン「Got it......」

アリス「とりあえずよだれ拭いて?」

カレン「わかったデース……」ゴシゴシ

カレン「あとどれくらいで着くデスカ?」

アリス「あと1時間ちょっとかな」

電車内

忍「アリスの到着には間に合うんですか?」

綾「えーと、アリスとカレンの乗ってる飛行機が4時成田着で」

綾「この電車は12分着だから……」

忍「間に合わないじゃないですか!」

陽子「誰のせいだっ!」

綾「まあ、入国とかに時間かかるかもしれないし、微妙なところね」

綾(海外行ったことないからよく知らないけど)

陽子「へー、やっぱりそういう手続きって時間かかるものなの?」

綾「さあ……」

忍「どうなんでしょうね?」

陽子「いや、しのは経験者だろ?」

飛行機内

Ladies and gentlemen, we have started to decend...

アリス(もうすぐ到着だ)

カレン「アリス、あんまり寝てなかったデスカ?」

アリス「うん」

アリス「だってもうすぐシノと会えるんだよ!」

アリス「そう思ったら、何だか嬉しいような緊張するようなで……」

カレン「やっぱり緊張してたんデスネ」

カレン「なんてったってアリスはシノに……フフフ」

空港ロビー

陽子「アリスたち、まだ着いてないかな?」

綾「まだメールは来てないけど」

忍「空港に着いたらカレンが連絡くれるんですよね?」

綾「……まさかとは思うけど、カレンが忘れてるって可能性は」

陽子「……」

忍「……」

陽子「ま、まあ、きっとまだなんだよ、不安なら飛行機着いてるか聞いてこようか?」

綾「だといいんだけど……」

空港

カレン「久々の日本デース!」

カレン「ちょっと飛行機遅れたデスネ」

アリス「……」ソワソワ

カレン「あれ、アリス、どうかしたデース?」

アリス「ねえ、シノに電話しようよ!」

アリス「早くシノの声が聞きたいよ!」

カレン「電話デスカ?今から帰るのに」

カレン「……っと、危うく忘れるところデシタ」

カレン「空港に着いたらアヤにメールするようにキツく言われてマシタ」

アリス(アヤにメール?何でだろう?)

空港ロビー

ヴヴヴヴヴ

綾「あ、メールだわ」

陽子「カレンから?」

綾「ええ」

 
カレン『今空港に着いたところデス!』

 
綾「今着いたみたいね」

陽子(メールでもこの口調なのか……)

忍「やっとアリスに会えるんですね……ワクワクします」

カレン「あっ、いまシタ」

アリス「えっ?」

アリス「……あっ!」ダッ

アリス「シノー!!」

忍「アリス!!」

アリス「シノ!迎えに来てくれたの?」ギュ

忍「はい」

陽子「私らは完全に無視かー」

綾「そうみたいね」

忍「おかえりなさい、アリス」

アリス「ただいま、シノ」

アリス「……じゃあ、シノが空港まで迎えに行こうって提案してくれたんだ」

忍「だってアリスが帰ってくるんですから、いてもたってもいられなかったので」

アリス「うれしいよ、シノ」

アリス「カレンは知ってたの?」

カレン「もちろんデス」

カレン「アリスをびっくりさせようと思って黙ってマシタ」

陽子「だからアリスはあんなに喜んでたんだな」

綾「……アリス、ちょっと」ボソ

アリス「なに?」

綾「しのに、いつ告白するの?」

アリス「ちょ、え?な、なんで……」

綾「聞いたわよ、カレンから」

綾「言ったんでしょ、イギリスで」

綾「日本に帰ったら絶対しのに告白する、って」

アリス「……うん」

アリス「でも、いつ告白するかなんて」

綾「今しかないと思うわ」

アリス「で、でも……」

綾「何かきっかけがないと、なかなか勇気出せないわよ」

綾「私みたいに、ね……」ボソッ

アリス「……そうだね」

アリス「シノと離れて過ごして」

アリス「シノにこんなに気持ちを伝えたいと思って」

アリス「シノが私にとってどれだけ大切かが分かった今じゃないと」

アリス「言えないかもしれない」

綾「アリス……」

アリス「決めた。私、伝えるよ」

忍「アリスと綾ちゃん、なに話してるんでしょうね?」

陽子「なー?」

カレン「ほほう、気になりマスカ?」

陽子「え、何喋ってるのか分かるのか?」

カレン「さっぱりデース」

カレン(アリス、決意したみたいデスネ)

カレン(よかったデス)

陽子「綾」

綾「何?」

陽子「さっきアリスと何話してたの?なんか大事そうな話してたじゃん」

綾「えっ……と」

綾(なんて答えるのが正解かしら)

綾(さすがにあのこと、勝手に喋るのは良くないわよね)

陽子「なあ綾、もしかしてなんだけど……」

陽子「しのの告白の話となんか関係ある?」

綾「えっ!?陽子、なんでそれを……って」

綾「しの“に”じゃなくて、しの“の”!?」

綾「えええええええええ!?」

陽子「あれ?知らなかった?」

陽子「いや、しのから昨日電話着てさ、綾にも話してたかと思ったんだけど」

陽子「って、これあんまりベラベラ喋らない方がいいか」

陽子「もう遅いけど」

陽子「ていうかさ、しの“に”って、どういうこと?」

綾「っ!」

綾(要らないことをつい喋ってしまったわ)

綾「それは……そういうことよ」

陽子「そういうことか……」

陽子「カレンは知ってんの?」

綾「イギリスで話してたみたいよ」

陽子「なんだよー、私だけのけものみたいじゃん」

陽子「……まあでも、応援、してあげたい、よな」

綾「ええ」

途中ですが今日はここまでです
続きはたぶん明日投下します

分かれ道

忍「みなさんこのあとどうしますか?」

忍「せっかくだから私の家に寄っていきますか?」

アリス「うん、そうしてくれると」

綾「あ、えっと、集まるのはまた明日でもいいんじゃないかしら?」

忍「そうですか?でもイギリスの話とか……」

陽子「ほら、長旅でアリスとカレンも疲れてるだろうからさ」

アリス「別に私は大丈夫だけど……」

カレン「私はホノカにおみやげ渡しに行かなきゃいけないから、ここで失礼しマス」

忍「そうですか……」

綾「それじゃあ、また明日ね、アリス、しの」

陽子「気を付けて帰れよー」

カレン「Bye!」

カレン「……2人とも、世話が焼けマスネ」

カレン「ホノカに電話するデス」

ヴヴヴヴヴ

穂乃花「あ、電話だ」

穂乃花「カレンちゃんから?」

カレン「Hi, ホノカ!」

穂乃花「カレンちゃん?どうしたの?」

カレン「ちょっくらイギリスに帰ってたノデ、おみやげがあるデス」

穂乃花「わあ、本当!?」

カレン「今、暇デスカ?」

穂乃花「ちょうど学校から帰るとこだよ」

カレン「じゃあ、あの公園で待ち合わせデス!」

穂乃花「うん!」

綾「バレてないかしら?」テクテク

陽子「大丈夫だろ、アリスはなんか緊張してるし、しのは……しのだし」テクテク

綾「そうね」

陽子「……じゃ、私らも帰るか」

綾(アリスは凄いわね……素直に自分の気持ちをさらけ出せて)

綾(それに、ちゃんと勇気を出してしのと向き合った)

綾(……私は、やっぱり怖いわ)

綾(……駄目よ綾、あの日から決めてたことじゃない)

綾(アリスがしのに告白したら、私も勇気を出してみようって)

綾(“妹”に偉そうなこと言っておいて、私がこのままじゃ)

綾(絶対に、駄目、よね)

綾「待って!」

陽子「?」

綾「その……」

綾「よ、陽子は、ドーナツとか、好きかしら?」

陽子「はぁ?まあ、好きだけど、それが何?」

綾「えっと、最近できたカフェがあってね」

綾「そこのドーナツがおいしい、じゃなくて、おいしそうで、それで」

綾「だから、その、」

綾「ちょっと寄り道していかない?」///

陽子「おーいいね。ちょうど私お腹すいちゃったし」

綾「……ちょうど、陽子に話したいことがあったの」

忍「……アリス?」

アリス「な、何?」ビクッ

忍「さっきから、様子がおかしいですよ」

アリス「な、何でもないよ」

忍「そうですか?」

アリス「ソウダヨー」

忍「……アリスとの帰り道もなんだか久しぶりな気がします」

忍「たった1週間でも、私にとっては長かったですから」

アリス「私もだよ、シノ」

アリス「シノに話したいことが、いっぱい……」

アリス(シノに話したいこと)

アリス(いっぱいある話したいことの中で、一番大切なこと)

アリス(私はシノを愛している、ということ)

忍「アリス」

アリス「……?」

忍「アリスと2人っきりになったら、話さないといけないと思ってたことがあるんです」

忍「いつ言おうか迷っていたんですが」

忍「みんなが帰ってしまったので」

忍「うちに帰ったらお姉ちゃんもいますし……」

アリス(もしかしてみんな、私とシノを2人っきりにしてくれたのかな)

アリス(アヤもカレンも、それにヨーコもあの様子だと……)

アリス(私の背中を押してくれたのかも)

アリス「私も……」

アリス「シノに、言わなきゃいけないこと、あるの」

アリス「……」キョロキョロ

アリス(よし、今なら誰もいないよ!)

アリス「シノ!」

忍「はい」

アリス「あのね、ずっとシノに言いたかったこと、言うよ」

忍「はい」

アリス「私……」

忍「あ、もしかして愛の告白だったりしますか?」

アリス「!?」

アリス「え、えと、その」

忍「さっきからアリス、ずっとそわそわしてたので、もしかしたらって思ってたんですが」

忍「やっぱりそうだったんですかー」

アリス「な、なんで先に言っちゃうの!?」

忍「はい?」

アリス「もおー!せっかく勇気を出してシノに告白しようと……」

忍「大丈夫です。アリスの勇気はちゃんと届いてますから」

アリス「……じゃあ、シノの話って?」

忍「私の話ですか?」

忍「もちろん愛の告白ですよ?」

アリス「!?」

忍「私はアリスが大好きです」

忍「アリスとお付き合いしたいし、アリスと結婚したいんです」

忍「……アリスも、同じ気持ちでいてくれますか?」

アリス「シノ!」ギュ

アリス「私とシノの気持ちはいつだって一緒だよ……」

忍「暗くなってきましたね」

アリス「うん」

アリス「シノ、手、つなご?」

忍「はい」

アリス「私ね、シノと2人で帰る時間が大好きなんだよ」

アリス「もちろんみんなといるときも楽しいけど」

アリス「シノと2人でいると」

忍「普段の帰り道がいつもと違って見えますか?」

アリス「なんで分かったの!?」

忍「アリスのことならなんでもお見通しです」

忍「なんて……」

忍「私もずっとそう思っていたからですよ」

忍「アリスが日本に来てから、ずっと」

アリス「……シノ、遠回りして帰らない?」

忍「遠回り、ですか?どこか寄りたいところがあるんですか?」

アリス「ううん」

アリス「もうちょっとだけ、シノと2人っきりでいたいの」

忍「でしたら向こうの大通りから路地を抜けて帰りましょうか」

アリス「ねえ、シノ」

忍「なんですか?」

アリス「これからは、どこから帰る時も」

アリス「2人一緒だよ」


帰り道で おわり

これでこの連作短編SSは完結です。
読んでくださった方、ありがとうございました。

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