勇者「戦士、盗賊、商人、僧侶はクビな」(330)

戦士「えっ、そりゃあ無えよ勇者様!」

盗賊「あっし達、今までずっと一緒だったじゃねえですか!」

商人「どうして突然そんな事を言い出すんですか、勇者様」

僧侶「なぜでしょう?理由を聞かせて欲しいのですが」

勇者「えー…だってさあ」

勇者「お前ら全員男ってのが一番の理由だけどさぁ…」

戦士「えっ…?」

勇者「まず戦士、お前臭すぎるんだよ。汗、フケ、垢…おまけにモンスターの血まで付いてる」

戦士「それは仕方が無いだろう。体を拭くための布は黒ずんでしまったし、水浴びをするための水源だってこの辺りには無いし…」

勇者「それはわかってるけどさぁ…お前はこの中で特に臭いんだよね。まあいいや次、盗賊」

盗賊「あっしは戦士ほど臭く無えですけど…」

勇者「盗賊はさあ、お前犯罪者じゃん」

盗賊「まあ、そうですけど…」

勇者「お前みたいな元犯罪者が王の命令を受けた高貴な勇者様のパーティーに居ると、問題なんだよね」

勇者「だからお前もクビ」

盗賊「そりゃ困りますよ!明日から何を食べて行けばいいんですか!」

勇者「俺の知った事か。次は商人」

商人「私は戦士のように臭く無く、盗賊のように悪さをした事が無いですが…」

勇者「お前はさ、金を持っているくせに一度も俺にくれたことないだろ」

商人「いや、だってこのお金は自分で儲けたものですし、勇者様に渡すと娼婦や賭け場に使ってしまうし…」

勇者「勇者様だって、たまには娯楽したいじゃん。なのにお前は貸してすらくれない。そーいうの、嫌なんだよね。だからクビ」

商人「そんなぁ…めちゃくちゃですよ」

勇者「最後、僧侶」

僧侶「私は…」

勇者「お前はさ、女顔だし、小柄だから女の代わりとしてパーティーに入れたけど」

勇者「ぶっちゃけ今じゃ女魔法使い居るし、お前はエロいことしてくれないしさ」

僧侶「だ、だって男同士ですし」

勇者「お前、どっからどう見ても女じゃん。お前にゃ男僧侶の服より、シスターの服の方が向いてるよ」

僧侶「何ですって…あぁ、なんという侮辱だ!もう怒りました、私は言われる通り出て行きましょう」

勇者「おうおう、とっとと出てけよ」

僧侶「また私を頼っても、知りませんからね!」

勇者「消えろ消えろ」

戦士「…なら俺も出てくよ、あばよ。勇者様」

商人「金策に困っても、知りませんからね」

勇者「…お前も出てけよ」

盗賊「あ、あっしは」

戦士「ほら盗賊!お前も行くぞ!」グイッ

盗賊「うひゃあっ」ズルズル


勇者「はぁ…これでやっと二人っきりになれたな、女魔法使い」

魔法使い「そうですねぇ…勇者様」


僧侶「何て男だ、あんな男には神の罰がいつか当たります!」

盗賊「でも…あっしたちこれからどうすればいいですよ…」

戦士「そりゃあ決まってるだろ、元の職業に戻るんだよ」

盗賊「元の職業?」

商人「元の職業ですよ。酒場であの男と会う前にやっていた」

商人「私はギルドの知り合いを伝いに、東の国への隊商に参加するつもりです」

商人「戦士さんは?」

戦士「俺は傭兵をまたやるつもりだ。あんな男に仕えるよりずっと略奪やらで大金が得られるしな」

僧侶「私は昔居たホスピスで巡礼者の世話をやりますよ。変に冒険心なんて起こさないで、ずっどそこに居れば良かったんだ」

僧侶「盗賊さんは?」

盗賊「あっしは…あっしは…」

盗賊「…」

戦士「…まあ、何とかなるよ」

商人「そ、そういえば今ごろ勇者は何をやっているんだろうな」

僧侶「たぶん今ごろ、あの女魔法使いと快楽に塗れた悪魔のような婚前交渉をやっていますよ」

僧侶「ズッコンバッコンズッコンバッコンズッコンバッコンって…キィー!」

戦士「お、おい!落ちつけよ!」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~
その頃、勇者と女魔法使いは


女魔法使い「野外でなんてやぁよ…せめて馬車の中でやりましょうよぉ…」

勇者「外でやるから興奮するんだろ?ほら、早くローブを脱いで」ファサファサ

女魔法使い「キャッ!ちょ、ちょっと待ってよ勇者ぁ…そこに触っちゃ…」

勇者「ほらほらほらほら」ファサファサファサ

女魔法使い「いやぁ…やぁ…//」モジモジモジ

盗賊「あっしは僧侶さんに寄生します」ブチュ

僧侶「ん、ちょ、ぁん・・・」ぬちょぬちょ

魔法使い「…こんなところ、僧侶さんに見られたら大変よね」

勇者「まったくだなぁ…あいつが見たら杖で百回ぐらい殴られてたろうな」

魔法使い「んふふ、僧侶を怒らせたときの勇者、とってもカッコ良かったよぉ…」ギュウウウ

勇者「たく…今ごろあいつら、俺から追い出されてピーピー泣いてるぜ?」

魔法使い「ねぇ…明日はどうする?」

勇者「そーだな…酒場で新しい仲間でも拾うか」

魔法使い「女の子は嫌だよぉ…?」

勇者「ったりめーだろ、男だよ。それも気弱そうな奴」

魔法使い「盗賊くんみたいな?」

勇者「ぷはっははは!あいつは残しといても良かったかもな、行くとこないだろうしな!」

盗賊「へっくち!」

僧侶「と、盗賊さん大丈夫…?」

盗賊「へぇ、大丈夫でさ」

僧侶「まったく…体は大事なんだから、気をつけないと」ナデナデ

盗賊「すんませんねぇ…僧侶さん」

商人「…やっと街に着きましたね」

戦士「じゃあここでお別れってことにするか?」

商人「そうですねえ…寂しいですけど、そうしましょう」

僧侶「また会えるといいですね」

戦士「そうだなあ…」

盗賊「…」

盗賊「あ、あっしはこれからどうしよう…」

盗賊「金もねぇし…また盗賊か」

盗賊「そうはいかねえよな、もうあんな事はいやだ…」

盗賊「とりあえず、前みたいに酒場で誰か雇ってくれるまで入り浸るしかねえなぁ…」



酒場

盗賊「ヒック…エールもう一杯…」

酒場主「金は?」

盗賊「金…あぁ、もうねえや」

酒場主「じゃあ出てった出てった、金の無い人は要らないよ!」グイグイ

盗賊「へぇ…そんなぁ…ヒック」

「おい、その人にエールをもう一杯、奢ってあげて」

盗賊「へぇ?」

酒場主「えっ…あっ、はい」

「ほら、その人にだよ。早くしな」

酒場主「わ、わかりました!」

盗賊「い、一体あんた誰だい?何であっしに酒をおごってくれるんだい?」

「フフフ…」

盗賊「ど、どうしたんだい?」

山賊「久しぶりだな盗賊。俺だよ、昔入ってた盗賊団で一緒だった山賊だよ」

盗賊「えっ、あの山賊かい?いつもヘマばっかりしてた俺を助けてくれた」

山賊「ハッハッハ、あん時から変わってねえなあ」

盗賊「はぁー…で、今でもやってるのかい?盗賊は」

山賊「ああ、あれならもうやってねえよ。今はもっと実入りのいい仕事があるんだ」

海賊「俺と一緒にグランドライン目指そうぜ」 ドン!

盗賊・山賊「!」

盗賊「何の仕事だい?」

山賊「商人だよ」

盗賊「商人?これまたまっとうな…」

山賊「ただ、ちょっと売り物が特殊でね。一日一度の食事と、水を与えなければいけないんだ」

盗賊「ああ、なるほど。家畜商人かぁ」

山賊「ちょっと違う。家畜は四本脚がついてるけど、この商品は二本しか足がついてない」

盗賊「それってまさか…」

山賊「まさかだよ、俺は今奴隷商人をやってるのさ」

盗賊「な、なんて恐ろしい…」

山賊「盗賊も知っているだろう?街で犯罪を犯して、城塞の外に追い出されて行き場の失った人間を」

盗賊「ああ、狼人間とか言われている人たちでさ」

山賊「そういう人間をこん棒でぶん殴って気絶させて、とっ捕まえて…役に立たなそうなやつはモンスターの餌にでもして」

山賊「港に行って船の漕ぎ手として売り飛ばすのもよし、貴族の召使いとして売り飛ばすのもよし、時には闘技場に闘士として売り飛ばすのもよしだ」

盗賊「…」

山賊「随分と儲かるぞぉ、一人当たり100Gぐらいで…十人集めれば1000G、百人集めれば…想像してみろ」

盗賊「ちょっと考えさせておくれ…」

山賊「いつでも待ってるからな。その気になったら声をかけてくれ」

盗賊「…」

盗賊(結局あっしはそういう仕事しかねえのかな…)

盗賊(確かに儲かりそうだけど、嫌な仕事だよなぁ…)

盗賊(皆はまっとうな仕事をやっているのに、俺だけこんな汚れ仕事…かぁ)

盗賊(今ごろ、僧侶や戦士や商人は何をやってんだろうなあ)


その頃、戦士は


戦士「えっ、魔王軍側の傭兵になるって」

傭兵「あの連中、人間の王よりずっと沢山金をくれるって言うんだ。飛びつかねえわけにはいかねえだろ」

戦士「でも俺達…人間だぞ?」

傭兵「金のためならなんでもする、それが傭兵ってもんだろ。今すぐ武器を整えろよ。王国軍の城を攻撃するって話だぞ。明日には出発だ」

戦士「…」

次の日、農村で


農民「傭兵様、この村は貧しいんですだ!これ以上取るものなんてねえです!」

傭兵「うるせえ、藁に…牛に…人間だって居るじゃねえか」

農婦「いやぁっ!」

傭兵「へっへっへ、田舎臭えけど可愛いなあ…ん?」

農婦「やめて…お願い…」

傭兵「よしお前ら、あるもの全てかっぱらって、魔王様の城に向けて出発だ!」

傭兵s「おーっ!」

戦士「…」

ミス
魔王様→魔王様の軍勢

戦士「確かにこのご時世、仕方がないけどさ」

戦士「これでいいのかなあ…他の連中は、もっとまっとうに暮らしているだろうに」

戦士「商人に盗賊、僧侶はどうしてんのかねぇ…はぁ」

その頃商人は

商人「明日出発か…東の国…楽しみだなあ」

商売人「おい!大変だ!」

商人「どうしたんだ?」

商売人「手工業ギルドの連中が俺達にビロードを売ってくれないんだってよ!」

商人「な、なんでだ!それじゃあ出発が出来ないじゃないか!」

商売人「商人ギルドが市政運営を独占していることに、手工業ギルドが文句をつけているらしいんだ」

商人「そ、それじゃあ明日どころか当分の間出発出来ないじゃないか」

商売人「そうだよ…ビロードは値が変動しやすいのに…」

商人「困ったなあ…」

商売人「…そうだ」

商人「ん?」

商売人「いい事を考えたぞ、こっち来い」ゴニョゴニョ

商人「な、なんだって!?」

商人「倉庫からビロードを盗むだって!?」

商売人「シー!」

商人「そ、そんな!それじゃ空き巣と変わらないじゃないか!」

商売人「しかたないだろう、連中が売ってくれないんだから」

商人「でもだぞ、もし見つかったら俺達…」

商売人「見つからないようにすれば大丈夫さ。たぶん…」

商人「…仕方が無い、商売の為だ」

夜 倉庫

商売人「連中こんな沢山隠してたんだな」

商人「…金は置いてくか?」

商売人「東の国から帰ってきたときに、倍にして払えばいいだろう。それでも利益は出る」

商人「…よいしょ」

商売人「よし、これくらいでいいか。じゃあ馬車に…」

衛兵「おい、お前!」

商売人「しまった…衛兵だ」

衛兵「そこで手を上げて、抵抗するな!」

商人「どうする…?」

商売人「どうするもこうするも…手を上げるしかないだろう」

商人「くそぉ…」

商人「こんなコソ泥みたいな事をして…俺って奴は…」

商人「他の連中は今ごろ真面目に働いているだろうに…」

商人「戦士、僧侶、盗賊…」


その頃、僧侶は

僧侶「お体は大丈夫ですか?」

病人「ああ、悪いねえ…長い巡礼の旅は体が痛むからねえ」

僧侶「治るまで、ここで安静にしているんですよ」

病人「ごめんねえ…」


病人「あの僧侶さん、女の子みたいで可愛いねえ…」ゴニョゴニョ

病人2「シスターよりも可愛いんじゃないかねぇ、へへ」ゴニョゴニョ

僧侶「…」

僧侶「私は女じゃない…男なのに…」

僧侶「なんで誰もが私を女のようだと直喩するのだろうか…」

僧侶「困ったものだ…」ブツブツブツ

神父「どうしたのかね?悩んでいる様子だけど」

僧侶「ああ、神父様」

神父「何か嫌な事でも、あったのかね?」

僧侶「ええ、神父様。会う人会う人誰もが私の事を、女のようだと言うのです」

神父「ふぅむ」

僧侶「私はどうすればいいのでしょうか…?」

神父「ふむ…それは困ったものだね」

僧侶「神父様、どうか巡礼者の方々に言ってくれないでしょうか。私は男だと、女じゃないと」

神父「ふむふむ…そうか、ちょっと付いてきなさい」

僧侶「…?」

神父「こんな所で話す事じゃない、私の部屋で話そう」

僧侶「はい、神父様」

神父「…」ニヤ

神父「…」バタン ガチャ

僧侶「…?」

神父「さて、話の続きだが」

僧侶「は、はい。だから私を女のようだと言うのを、やめて欲しいと巡礼者の方々に」

神父「人に頼みごとをする時は…」ヌガセ

僧侶「…えっ」

神父「自分の体を張るものだよ…」ヌガセヌガセ

僧侶「やっ…やめてください!」

神父「ふふふ…巡礼者に聞かれちゃうぞ?僧侶ちゃん」

僧侶「やっ…やめてください!私は男で…むぐっ」

神父「うるさいなあ…これでも咥えてなさい」

僧侶(気持ち悪い…何なの…この棒は…)

神父「はぁ…それじゃあ、舌で舐めなさい」

僧侶「!?」

神父「早く」

僧侶「…」ブンブン

神父「…この界隈に居られないようにしてやろうか」ボソッ

僧侶「!」

神父「…」

僧侶「ん…ちゅぱ…んちゅ…」ペロペロ

神父「くっ…いいぞ…はぁ…もっとだ…」

僧侶「う…」カリ

神父「イタッ…噛むな…噛んだら…消すぞ」

僧侶「っ…」

神父「うっ…くっ…出すぞ、僧侶…!」ドピュッ

僧侶「ひっ…!」

神父「…ふぅ」ヌポン

僧侶「う…うぇぇ…何この液…」

神父「さて、じゃあ次はお前の番だな。今すぐ下着を脱げ」

僧侶「ダメです、聖職者とあろうものが快楽を得ては…禁欲でな…やめっ!」

神父「たく…君も気持ちさせ良くしてあげるというんだ、ほら」ビリビリ

僧侶「やあっ!」

神父「…!」

僧侶「やめてぇ…」

神父「どういうことだ…」

僧侶「…?」

神父「なぜ肉棒が無い?まさか、お前」

僧侶「はい…?」

神父「男じゃなくて…女だったのか!」

神父「ああ、何という事だ…私ということが女とやってしまった…美少年だと思っていたのに」

僧侶「私は…おと」

神父「今すぐ出て行け!この性別を騙る悪魔め!ローブは返す!金もいくらかやる!だからこの建物から出て行け!二度と顔を見せるな!」

おれは神父の肩を持つことに決めた

神父「女とやるなど…これでは、私は聖職者として失格ではないか…」

神父「ああ、主よお許しください…」ブツブツブツ


僧侶「どういう事なのだろう…?」

僧侶「まあいい、もうこんな事はごめんだ…どこか遠くに逃げよう」

僧侶「あの気持ちの悪い男から逃げられるならどこでもいい…」

酒場

盗賊「…」ツンツン

山賊「おっ、盗賊じゃないか。決めたか」

盗賊「あぁ…」

山賊「良かった良かった、それじゃあついて来い。今から仕事のやり方を教えてやる」

盗賊「おうよ…」



山賊「ほら、馬に乗れ。武器は持ってるか?」

盗賊「ナイフなら…」

山賊「ナイフか…まあいいだろう、ついて来い」

盗賊「…」ゴクリ

山賊「まずは、馬に乗って街の周りの森や、丘を探し回る。そこに居る人間なんて、大抵は犯罪者か盗賊だからな」

盗賊「へぇ」

山賊「お、いい所でカモが居たぞ…」

おっさん「…」キョロキョロ

山賊「おいあんた、俺達は親切な旅人だ。お困りのようだけど、どうしたんだい?」

おっさん「ああ、オラはその…街でちょっと…しちまって、追い出されちまったんだ」

山賊「はぁ、そりゃあ可哀想に。どうだ、うちの馬車に乗って、どこか見知らぬ場所に行くかい?ここは危険だろうしさ」

おっさん「おお、そりゃあありがてえ!乗せてくれ!」

山賊「ようし、乗れ乗れ…」

おっさん「ははは…なあに、隣町に連れて言ってくれればいいさ。そこで降ろしてくれたら」

山賊「…」

おっさん「いいなって、ん?どうしたんだ、こん棒なんか持って、えっ…」

山賊「おらあっ」ボコッ

おっさん「かはっ…」

山賊「ははは、世話ないな。おい、そのロープで手と足を縛れ」

盗賊「…へぇ」シバシバ

山賊「よおし、じゃあ次の獲物を探すぞ」

夕方

山賊「ひい、ふう、みぃ…ざっと十五人くらいか。1500Gの実入りってとこだな」

盗賊「えぇ…」

山賊「まあそう暗い顔するなって、今日は美味いぶどう酒でも奢ってやるから」

盗賊「喜べませんよ…」

山賊「たく…」

山賊「まあいい、ほら着いて来い。こいつらを売りに行くから」

盗賊「すぐ売るんですか?」

山賊「管理が大変なんだ、脱走したり、反乱をおこしたりされると大変だからな」



船長「へっへっへ、毎度感謝しますぜ、山賊さん」

山賊「煮るなり焼くなり使ってやってください。金さえくれりゃ後はええんで」

船長「どうもどうも…おい、お前ら!とっとと船に入れ!漕ぎ方ってもんを教えてやる!」バシッ

おっさん「ひぃっ!」

奴隷「うわあっ!」

盗賊「哀れな…」

酒場

山賊「どうだい、大体イロハはわかったろ?」

盗賊「ええ、分かってっけどさ…なんというか…」

山賊「ん?」

盗賊「俺には向いてねえかなって…」

山賊「はぁ…それだからいかんのよ、盗賊は」

山賊「こんな戦争やら略奪やらの世界で、残酷だとか哀れだとか言ってられんよ。特に俺達みたいな下層の人間はな」

盗賊「まあそうでけど…」

山賊「ここで断ってどうするんだい。さっきの奴隷どもみたいに、ガレー船の漕ぎ手でもやるか?それともまた盗賊でもやるのか?」

盗賊「…」

山賊「今のお前にはこの仕事しかないんだ、そこらへんを理解しな」

ちょっと時間を遡って、その日の朝の商人は…


商人「結局、街から追い出されちまった…」

商売人「すまんなあ、俺が下手な事言ったばかりに」

商人「いいんだ、いいんだ…乗った俺も悪かったんだ」

商売人「本当にすまんよ…」

商人「これから、どうする?」

商売人「盗賊にでも落ちぶれるか…見知らぬ街まで歩いていくか」

商人「後者にしようじゃないか、そこで一からまた始めよう」

商売人「でも俺達、ギルドから締め出されちまったし…」

商人「なんとかなるさ、なんとかな…」

商売人「ん?おい、あそこに人居ないか?」

商人「人…?本当だ、たぶん俺たちの仲間だろう。声をかけて…あっ」


おっさん「……!」

「……!」


商売人「運のいい奴だ…冒険者の馬車に乗せてもらっているぞ。俺たちも」

商人「待て、嫌な予感がする…」ガシッ

商売人「なんだよ…」

商人「いいから隠れて…」

商売人「ど、どうしたんだよ!行っちまったぞ!」

商人「追放者を親切に拾う冒険者なんて居るはずが無い…あいつらは…」

商売人「?」

商人「奴隷狩りだ…クソ勇者と旅をしていたときに、何回か見た…」

商売人「な、なんちゅうことだ…じゃああのおっさんは」

商人「今ごろ殴られて気絶してるだろうよ…」

商売人「おっそろしいなあ…ああやって、騙すのか」

商人「それが奴らの手口さ」

商売人「…」

ガサガサ ガサガサ

商人「!?」

商売人「だ、誰だ!」

その頃、戦士は

魔王軍隊長「攻城塔を押せ!押せ!」

傭兵s「よーいしょ!よーいしょ!」

魔王軍隊長「もっと早くだ!」

傭兵s「よーいしょ!よーいしょ!」

太った傭兵「うぎゃあっ!」

戦士「太った傭兵!くそっ、弓が刺さってる!」

戦士「今助けてやるからな…」

魔王軍隊長「お前!何をやってる!押せ!」

弓が刺さるとかただ事じゃないな…

>>103
ああああああ恥ずかしい!
弓→矢

「撃て―!」ドカーン

傭兵「あっ…あれは王国軍の最新式の大砲…」

痩せた傭兵「に、逃げろお!攻城塔が倒されちゃうぞ!」

骨と皮の傭兵「逃げろ―!」

魔王軍隊長「お、お前ら!逃げるな!」

魔王軍隊長「おい、こいつらを止めろ!」

キラーマシン「ヘイ」ヒュン

ボロ着を着た傭兵「わあっ」

裸同然の傭兵「な、何仲間にクロスボウを撃っているんだ!お前!」

キラーマシン「テッタイスルナ、タタカエ」

ほほがこけた傭兵「戦えって…攻城塔は…」

キラーマシン「ミロ、マダカタチハノコッテル」

腹がへこんだ傭兵「もう倒れる寸前じゃないか…」

キラーマシン「イイカラタタカエ!ヨウヘイダロ!」ヒュン

頭の小さな傭兵「うぎゃあっ!」

傭兵「も、戻れ!押すぞ!」

傭兵s「ちきしょう!よーいしょ!よーいしょ!」

グラグラグラ

戦士「た、倒れちまう…」

グラグラグラ

傭兵「なんまいだぶ…」

グラ…グシャアアアアアッ!

傭兵「わあっ!」

戦士「ひぇっ!」


魔王軍隊長「…また新しい傭兵を雇わんといかんな」

キラーマシン「ソウデスネ、タイチョウドノ」

戦士「…おい、生きてるか」ユサユサ

目のくぼんだ傭兵「」

戦士「クソッ…おい、生きてるか」

耳たぶの大きい傭兵「」

戦士「殆ど全滅…クソッ」

「お…戦士…」

戦士「!?」

傭兵「ぐはっ…ああ、足が…足が…潰れて…」

戦士「傭兵!良かった、今助けてやるからな!」

傭兵「片足が潰れて…あああああっ…」

魔王軍陣営のテント

傭兵「うぅぅぅぅぅっ!」

戦士「薬草を潰して塗るだけじゃ殺菌にすらなりやしない…」

戦士「そもそもおかしいと思っていたんだ、回復魔法を使える魔法使いどころか、ホイミスライムさえいやしない」

戦士「最悪だ…」



魔王軍隊長「傭兵で五体満足なのは君だけのようだね」

戦士「はっ」

魔王軍隊長「それは良かった、また明日の攻撃に参加してもらおうと思っていたんだ」

戦士「それは構いません。ですが隊長殿、意見があるのですが」

魔王軍隊長「…なんだね?」

戦士「どうか、医療行為の出来る人間…回復魔法の使える魔法使いでもホイミスライムでも、いっそのこと理髪屋でもいいです。どうか雇ってもらいたいのですが」

魔王軍隊長「駄目だ、と言ったら?」

戦士「この通りです!傭兵とはいえ、戦力の一部でしょう!」

魔王軍隊長「ふむ…まあ考えておこう…」

戦士「ありがとうございます!隊長殿!」

スライムナイト「先ほどの男の話、いかがなさいます?」

魔王軍隊長「確か傭兵を使い捨てるのは、コストがかかるかもしれん」

魔王軍隊長「何回の会戦に耐えうる戦力にすべきだった」

スライムナイト「と、なると医療の学がある者を雇うと?」

魔王軍隊長「ああ、そうしよう。その代り、出来るだけ安価な者を探せ」

スライムナイト「はっ」

数日後

僧侶「あれから…結局仕事も見つからず…はぁ」

僧侶「来るのは男娼の誘いぐらいなもの…私は元聖職者だというのに」

僧侶「どうしてこうも仕事が無いものか…」

「へいへい、そこのあんた」

僧侶「なんだね?」

「仕事を探しているのかい?」

僧侶「ああ、なんだ…まだ男娼の誘いか」

「男娼!あんた、女じゃなかったのかい?」

僧侶「失礼な!私は男だ!」

「ああ、これは失礼失礼…」

僧侶「まったくだ、じゃあ私はこれで…」

「待ってくれ、私はそういった職業のスカウトじゃない。もっとまともな職業だよ」

いや・・・ssだからこそエンターテイメントとして細心の注意を払わなければいけないだろう
一応自分もssライターの端くれとして言わせてもらうが

>>125
ググっても出てこないってことはコピペじゃないのか、これ

僧侶「?」

「あんた、戦場に行ってみないか?」

僧侶「戦場?」

「そうさ、あんた見た所だと、僧侶かそれに近い類だろ?」

僧侶「もちろんだ、立派な男の僧侶さ」

「実は我々は、兵士たちのケガを治療出来る人間を探していたんだ」

僧侶「しかしな、殺人行為の扶助など…」

「しかし、君が助けた人は生き残れる。君が居ないと、生き残れない」

「どうだい?人殺しの扶助にもなるけど、その分人助けにもなるんだ」

僧侶(戦場は男が行くもの…男が行くものは、戦場…)

僧侶(…なら)

僧侶「わかった、やろう。その代り、私は絶対に戦闘には参加しないぞ」

「オーケー。じゃあ、行こうか」

僧侶「戦場…私は男だから、一度は行かないとな」

商人は…

商人「な、あんたは…」

商売人「なんだ?知り合いか?」

「あ…商人久しぶり…」

商人「一体何があったのですか…御二方」

勇者「は…はは…色々あってね…」

女魔法使い「…」

商人「なぜ、二人とも裸なのですか…」

勇者「実はな…」

勇者と他の仲間が別れた夜

勇者「魔法使い…魔法使い…!」ズッコン

女魔法使い「勇者様ぁ…」バッコン

勇者「はぁ…はぁ…」

女魔法使い「あぁん…そこはだめぇ…」


林族「へっ、マヌケが…馬車ほっぽり出してズッコンバッコンやってるぜ」

林族「へーい!進め進め!」パシーン

ヒヒーン パッカラパッカラ

女魔法使い「勇者様ぁ…あれ?」

勇者「ん?」

勇者「な…馬車が…追いかけろ!」

女魔法使い「ま、魔法を使って止めましょう!あっ!」

勇者「どうした?」

女魔法使い「大変!魔法の杖や、お洋服は全部馬車の中に入れていたんだったわ!」

勇者「なんんだって!」

女魔法使い「それどころか、勇者様の剣もお金も金銀財宝も何もかも馬車の中…」

勇者「」

女魔法使い「一文無しになっちゃった…」

商人「それで…裸のままこの辺りを彷徨っていたわけですか」

勇者「はい…」

女魔法使い「ええ…」

商人「ぷっはははははっ!ざまあみなさい、だから言ったでしょう」

商売人「でも俺たちも馬鹿には出来ないぞ…」

商人「そうだ、この連中と一緒だったんだ…はぁ」

勇者「で、どうするよ」

商人「とりあえず、今日はここで野宿しましょう」

女魔法使い「もう裸はいやだよぅ…」

次の日 酒場

山賊「さて、今日も狩りに行くぞ」

盗賊「へい…」

山賊「元気ないな…まあいい、馬に乗れ」


パッカラパッカラ

山賊「いいか、よく目を凝らして探せ。追放者どもは腐るほど居るんだから、一日に五人は最低でも見つかる」

盗賊「おぅ…」

山賊「カモ…カモ…」キョロキョロ

山賊「反抗してきたら、そのナイフの出番だ。そいつで腹でも一突きしたら、もう抵抗しなくなる」

盗賊「わかってるさ…盗賊やっていたんだから」

山賊「お前、怖がってて戦った事なかったじゃないか。だからだよ」

盗賊「まあな…」

山賊「ん…待て、あの森、誰か居るぞ」

盗賊「…そうかい?」

山賊「ああ、一人…二人…ざっと四人は居るな」

盗賊「どうするんでさ」

山賊「とっ捕まえるに決まっているだろう。ほら、行くぞ」

商人「…しまった、奴隷狩りがこっちに向かって来ている」

勇者「奴隷狩りってまさかあの…」

商人「あんたが裸のせいで、目立ったんだよ!くそぅ…」

勇者「悪かったな」

商売人「で、どうするんだい。逃げるか?」

商人「もう見つかっちまったら仕方無い。無抵抗にして、なんとか脱走するチャンスを見つけよう」

勇者「やい!このどれ…ふぎゃっ」ゲシッ

商人「静かにしてなさい」ボソッ

山賊「おお可哀想に。その方々は、追剥にでもあってしまったのですか?」

商人「まあそのようなものです。我々は近くの村の農民で、街に農作物を売りに行った帰りなのですが」

山賊「はぁ、それは大変だ。どうです?村まで馬車で送って行ってあげましょうか」

商人「遠くに村があるのならお願いしたいところですが、生憎村はすぐ近くなので」

山賊「いや、せっかくだしいいじゃないですか」

商人「いえいえ…」

山賊「…」ボカッ

女魔法使い「きゃあっ!」

勇者「魔法使い!」

商人「な、何のおつもりですか!」

山賊「とぼけても無駄だ、この追放者どもめ。この近くに村は無い!」

山賊「おい、盗賊!出てこい!新鮮な肉だぞ!」

盗賊「…」ガクガクブルブル

山賊「たくっ…」ボカッボカッボカッ

商人商売人勇者「ぎゃっ」

その頃、戦士は…

戦士「隊長殿、この前頼んだことなのですが…」

魔王軍隊長「ああ、それなら一人、いいのが見つかった」

魔王軍隊長「"仕出し女"だとさ、良かったな。女だぞ」

戦士「医術の腕はいかがなものでしょうか…」

魔王軍隊長「知らん、これでいいだろう。とっととテントに戻れ」

戦士「はっ…」

傭兵「あぁぁぁぁ…」

戦士「良かったなあ、戦士。女だとさ…」

傭兵「うへへぇ…」

戦士「もっと早く来ればよかったのに…くそったれ」

戦士「仕出し女なんかに何が出来るって言うんだ。僧侶でも雇ってくれれば良かったのに」

>>42
今さらだけど山賊別に盗賊のこと誘ってなくね?

>>155
七行と八行の間にこの行を追加します

山賊「どうだ、お前も仲間にならないか?」

僧侶「まさか、悪しき魔王軍の仲間にされるとは、何という事だ」

僧侶「まあ仕方が無い。人助けはどんな者にでもすべきだからな。おや、あれが私の患者が居るテントか」

僧侶「おじゃまします…」

戦士「ああ、来たか…ってあれ」

僧侶「あっ…なんということ」

戦士「あああっ!僧侶、お前だったのか!」

僧侶「ああっ、妙な所で再会するものですね!」

戦士「久しぶりだなあ…」

僧侶「ええ、まったく…!」

戦士「じゃあさっそく、この男を直してくれ。お前なら、この程度簡単に直せるだろう?」

僧侶「もちろんですよ、戦士様」

僧侶「ベホマ!」ポワワワワワ

傭兵「あぁ…めがみさまぁ…」

僧侶「…」ムッ

戦士「…頼むよ」

僧侶「はぁ…」

傭兵「そのやわ肌…可愛らしい目…天使が俺の所に来たのだなぁ…」

僧侶「…」イライライラ

モデムが勝手に電源切れたみたいで、ID変わったけど>>1です


戦士「ありがとよぅ…ずっと昔っからの仲間だったんだ」

僧侶「どういたしまして」

戦士「なんで怒ってんだ?」

僧侶「なんでもありませんよ、ではこれで」

戦士「どこへ行くんだい?」

僧侶「テントですけど…」

戦士「あんたのテントは、ここだけど…」

僧侶「えっ」

傭兵「うへへぇ…女神さまぁ…」スリスリ

僧侶「や、やめてください!私は神ではないし、もちろん女でもありません!」

傭兵「いい…匂いだあ…」クンカクンカ

僧侶「ずっと体を洗って無いし、香水も付けていないのに、いい匂いがするはずないでしょう!」

傭兵「うひひひぃ…」

戦士「ごめんなあ、こいつちょっとおかしくなっちまって…」

僧侶「おかしくなりすぎですよ!男の私にすり寄るなんて!」

戦士(あんた、外見は女にしか見えんけどな…)

僧侶「まったく…」ナデナデ

傭兵「め…がみさま…Zzzz....」

僧侶「やっと寝ましたか…はぁ」

戦士「なあ、僧侶」

僧侶「なんですか?」

戦士「他の連中…盗賊や、商人…あと勇者のことだけどさ、今まで再会できたりしたか?」

僧侶「いえ、残念ながらあなたが初めてですよ。勇者にはもう二度と、会いたくないですがね」

戦士「そうかぁ…あいつら、今何やってんだろな」

僧侶「何やっているんでしょうね…」

そのころ盗賊は

山賊「おい盗賊、お前昼に手伝わなかったんだから、連中を一晩中監視しとけよ」

盗賊「へい」

山賊「たく…お前が協力してくれなかったせいで、今日は四人しか捕まえられなかったんだからな」

盗賊「ごめんな…」

山賊「じゃ、頼むぞ」

「結局逃げられなかったじゃないか!」

「しかたねえだろ…気絶させられたんだから…」

盗賊「…」チラッ

女魔法使い「せめてお洋服ぐらい支給してほしいわ…」

商人「そんなもん無理に決まっているだろ…なんたって、奴隷にされたんだから」

勇者「勇者様が奴隷なんて最悪だぜ…」

盗賊「ん、んな馬鹿な」

盗賊「まさか奴隷が商人に、勇者さんに女魔法使いだったとは…あともう一人は知らないけど」

勇者「ん…ちょっと待て…おい、お前!盗賊だろ!」

盗賊「!」

商人「盗賊、お前奴隷商人になってたのか!」

盗賊「あ、あっしは…」

女魔法使い「盗賊君が奴隷商人になるなんて…」

盗賊「…」

商売人「なんだ、知り合いか?」

商人「いや、前に魔王を倒す勇者一行として、旅してた仲間だった男だよ。まさかなぁ」

盗賊「あっしは…」

勇者「やい盗賊!ここから出せ!出さないtと…ひどいぞ!」

盗賊「…」

勇者「だーせ!だーせ!」ガタガタガタ

盗賊「…黙れ!」

勇者「だーせ!だ…え?」

盗賊「黙れ!くそったれ奴隷ども!お前らは明日海の上でガレー船の漕ぎ手になっているんだ。そんなやかましくしてると、漕ぐための体力を失っちまうぞ!」

商人「盗賊…」

勇者「えっ…何、えっ」

盗賊「少しでも喋ったらぶん殴るからな!」

勇者「あ、あの盗賊君?」

盗賊「黙れ!」

勇者「…はい」

商人(まったく、相変わらずこの勇者は間抜けだよ)

商売人(知り合いなら、おだてれば出してくれたかもしれないのに)

女魔法使い(寒いわ…勇者と温まりたい…この二人が邪魔ね)

やだ、この魔法使いビッチだわ

山賊「よぉし、やっと役に立ったか。じゃあ売りに行こうか」

盗賊「へい…」

山賊「へっへっへ、この女は高く売れそうだな」

女魔法使い「…」ブルブル

盗賊「…」




山賊「なんだって!近くの海に凶悪なモンスターが集まって、当分の間出港出来ないって?」

船長「悪いな、奴隷は当分の間買えんよ。モンスターが消えるまでな」

山賊「まあいい、次は貴族の家に行くぞ」

貴族の家

貴族「悪いが、うちは間に合ってるよ」

貴族「こんなどこの馬の骨ともわからない者どもを家に迎え入れるのは嫌だからね」

勇者「なんだと!俺はゆう…ふげっ」ボカッ

山賊「そうですか、それは残念です」


闘技場

主催者「ふぅむ…この男は使えそうだが」

女魔法使い「勇者と離れたくない!」ギュッ

勇者「女魔法使い…」

主催者「ああ、女が居るのか。こりゃだめだ」

山賊「なぜです?」

主催者「なんたって、闘士は女の子の憧れの的だからね。女の子にいい顔して貰わないと、売れないからね」

山賊「そうですか、それは残念…」

山賊「運が悪いなあ、盗賊」

盗賊「そうですねぇ」

盗賊(良かったのか、悪かったのか…)


奴隷の牢

商人「運が良かったのか、今日は助かりましたね」

商売人「明日はどうだかね…」

女魔法使い「勇者ぁ…怖いよぉ…」ギュウ

勇者「俺もこええよ…盗賊さんこええよ…」ガタガタ


盗賊「…」

か…烏賊

その頃、戦士は


戦士「なんだって!傭兵も戦場に出すですって!」

魔王軍隊長「ああ、そうだが何か」

戦士「だって、あいつは片足が無くなっちまったんですよ…そんなんじゃ、攻城塔も押せないし戦えません!」

魔王軍隊長「だが、弾ぐらいにはなるだろう?」

戦士「まさか…投石機に乗せて城に飛ばすつもりじゃ…」

魔王軍隊長「ああ、そのつもだが」

戦士「そんな!めちゃくちゃです!あまりにむごい…!」

魔王軍隊長「それも戦術のうちだ、相手の士気はだだ下がりするだろう」

戦士「そんな…そんな…!」

テント

僧侶「なんと非人道的な!それは流石に…いくら傭兵さんだって…!」

傭兵「飛ぶのか…俺空、飛ぶのか…うへへへぇ」

戦士「まったく…だがどうしようものか、拒否は出来ないからな」

僧侶「うーん…」

傭兵「うへへ、うへへへへ…」

僧侶「じゃあ、逃げちゃいましょうか」

戦士「えっ…?」

僧侶「元々私は騙されてきたようなものですよ、魔王軍で…しかも、男なのに女として連れてこられて…」

戦士「でも、前金も貰ってるし…」

僧侶「そんなの踏み倒せばいいじゃないですか、どうせ魔王軍だ、王国の敵ですし」

戦士「しかし傭兵としての信用が…」

僧侶「街に帰れば何か仕事が見つかるかもしれない、少なくとも戦士さんが居れば仕事の選択肢は増えますよ!」

僧侶「そうですよ!街に帰って、何か事業でも始めればいいんだ!」

戦士「だがなぁ…」

傭兵「へへへ…」

戦士「こいつの為だ、仕方が無いか…」

僧侶「じゃあ早く荷物や武器をまとめて…馬はあります?」

戦士「馬…ああ、荷馬ならなんとか」

僧侶「それは良かった。傭兵さんを運ぶのは嫌ですからね」

戦士「じゃあ…こっちだ。出来るだけ静かに行こう」



パッカラパッカラ

戦士「何とか魔王軍の陣地から逃げだせたけど…」

僧侶「幸運ですね、この調子で街までひとっ飛びですよ」

戦士「何か上手くいきすぎてるような…」

パッカラパッカラ

戦士「待てよ…いや待て、あれってまさか」

僧侶「どうやら魔王軍、では無いようですけど…」

戦士「あれは王国軍の斥候部隊じゃ…」

僧侶「なんですって…」

戦士「どうする?」

僧侶「どうするって、馬の姿勢を低くして、隠れるしかないでしょう」

パッカラパッカラ

戦士「…」

僧侶「…」

傭兵「ふぁ…ふぁ…」

戦士「やべ…」

傭兵「ふぁ…ふぁっくしょい!」

斥候隊員「ん?」

送料「あぁ…しまった…」

送料って何だ…送料→僧侶

斥候隊員「おい、誰か来てくれ!不審者が居るぞ」

戦士「まずった…」

僧侶「このオバカ!」ポコッ

傭兵「うへへ」


斥候隊長「ふぅむ…見た所、魔王軍から脱走してきた傭兵だな」

戦士「え、えへへ」

斥候隊長「役に立たなそうだが…まあいい、連れてけ!」

斥候隊員「はっ」

僧侶「どうなるんでしょう…私達」

やばい腹痛いケツ熱いうんこ止まらない、ちょっと失礼します

王国軍隊長「なるほど、魔王軍側についた傭兵か…脱走兵と」

斥候隊長「どう処理しましょう」

王国軍隊長「ふむ、とりあえず魔王軍の情報を聞き出そう。処理はその後だ」

斥候隊長「はっ」

>237
ビオフェルミン飲んだから大丈夫だよ、ありがとう



斥候隊長「それで…魔王軍の数は、兵士は…」

戦士「数は数千…キラーマシン部隊数百基…スライムナイト騎兵数十騎…」

斥候隊長「ふむ、なるほど…なるほど…」


斥候隊員「何でもベラベラ喋りますな、流石は傭兵といったところか」

斥候隊員2「あんな傭兵を雇った魔王軍も間抜けだよなぁ」


斥候隊長「それで、女と片足の男は…」

戦士「彼らは片方は、従軍僧侶で…もう一人は傭兵の仲間で…」

斥候隊長「なるほど…以上で尋問終わりだ。御苦労さま」バタン

戦士「…」


斥候隊長「まったく、拷問器具も必要無かったようだ。なんて男だ」

斥候隊員「あんなペラペラ喋るなんてねぇ」



戦士「これで連中、解放してくれるといいけどさねtん」

僧侶「大丈夫ですよ、協力したのだから、彼らは私達の期待に沿う待遇をしてくれるでしょう」

戦士「だといいんだけどなあ…」

傭兵「だよなぁだよなぁ」

王国軍隊長「ふむ、君の斥候記録とこの情報は一致している」

王国軍隊長「どうやら、本当の話のようだな」

斥候隊長「それは良かった」

王国軍隊長「で、彼らの処遇についての話だが…」

斥候隊長「いかがしましょうか」

王国軍隊長「あの男が何でもベラベラ喋る人間という事は、このまま解放したらわが軍の事も見た事聞いた事全て喋ってしまうだろう」

王国軍隊長「後はわかるな?」

斥候隊長「…なるほど、わかりました」

斥候隊長「要するに、殺すか誰からも話を聞いてもらえない仕事に就かせてしまえばいい、ということですね」

王国軍隊長「そういうことだよ、君」

斥候隊長「では、失礼します」



斥候隊長「諸君らの処遇が決まった、今すぐ馬車に乗って貰おうか」

戦士「やっとかぁ、待ちくたびれたよ」

僧侶「街に連れて行って貰えるのですか?」

斥候隊長「もちろん。さあ、早く乗りたまえ」

傭兵「うへへ…」

斥候隊長「この男は…」

戦士「ほら、お前も…よいしょ」

斥候隊長「いいだろう、早くしろ」

戦士「…ああ、本当に良かった良かった」

僧侶「まったくです…」

戦士「ちょっとひと眠りしよう、昨日寝てないからな」

僧侶「そうですね、これからが大変なのですから…」

戦士「Zzz...」

僧侶「すや…すや…」

傭兵「ごぉぉぉぉ…がぁぁぁぁぁ」


斥候隊長「…寝たか?」

斥候隊員「どうやら…」

斥候隊長「よし、手と足を縛れ。特にこのごつい男は念入りにな」

斥候隊員「はっ」

戦士「…!」

戦士「お、おい僧侶…!」

僧侶「ん…あれ、なぜ手と足が縛られているのですか…?」

戦士「嫌な予感がする…」



斥候隊長「元傭兵の屈強な男一人、男だと思い込んでいる女一人、あと片足の気がおかしくなった男一人だ」

山賊「ふん、ふん…見せてもらいましょうか」

斥候隊長「よし、馬車の幌を開けろ」

斥候隊員「はっ」


戦士「おい、どういう事だ!約束と違う!」

斥候隊長「何でも喋る男を野に放つと、大変に危険なのでね。後の二人はおまけだがね」

僧侶「何て男なのでしょう…」

山賊「ふむ、この男は高く売れそうだ…女もかなりの上物…この男は駄目だな、食肉にでもなってもらおう」

僧侶「し、失礼な!私は男です!」

斥候隊長「では、幾らで買い取ってくれるかね?」

山賊「三人合わせて、130Gでどうでしょうか」

斥候隊長「150じゃだめかね?」

山賊「じゃあ間をとって、140でいかがでしょうか」ジャリ

斥候隊長「よし、じゃあ140でいい。ははは、いい小遣いになったよ」

山賊「奴隷の提供、感謝いたしますぜ旦那」

山賊「ほら、入れ!」ゲシッ

戦士「うわあっ!」

僧侶「きゃあっ!」

商人「…おい、ちょっと待って。お前ら戦士じゃないか!」

僧侶「あ、貴方達は…」

勇者「げっ…!」

僧侶「あっ…勇者!」

勇者「いや、この前は悪かったよ…ごめんな、あんな事言って」

僧侶「黙らっしゃい!よくもあんな事を!」クビシメ

勇者「ぎぇっ…」バタバタ

女魔法使い「私の勇者様を苛めないで!」

僧侶「チッ…」

戦士「それで、あんたらはどうしてここに?」

商売人「ああ、それなら…」

(略)

商売人「というわけですよ」

戦士「はぁ、さんざんだなあ」

商人「それで、盗賊があそこに」

戦士「あそこ?」

商人「あそこですよ、あの男奴隷商人になったんですよ」

戦士「な、なんだって…」

戦士「お、おい盗賊!お前どうしちまったんだ!」

盗賊「…なっ、戦士さん!なぜここに」

戦士「お前みたいな根はいい奴が奴隷商人になるなんて、滅多にある事じゃない!一体何が…」

盗賊「し、知りませんよ!いいから黙ってくだせえ、山賊さん呼びますぜ!」

僧侶「盗賊さん、貴方一体…」

盗賊「僧侶さんまで…」

僧侶「貴方はそんな人じゃないはずだ。話してみなさい」

盗賊「…いや、だから山賊さんに誘われて…それで…」

(略)

僧侶「なるほど、半ば無理やりに入れられたのですね」

盗賊「違いますぜ…あっしが自分で入ったんです…」

戦士「山賊とやらは、その…他に仕事は無いから奴隷商人になれって言ったんだろ?」

盗賊「まあ、そうですけど…」

戦士「なら別に仕事があるなら、やめる権利はあるってわけさ」

盗賊「仕事って!仕事なんてありやしないっすよ」

戦士「仕事なら、あるさ」

盗賊「ありもしない物をあるなんて言わないでくだせえ!」」

戦士「ここに運よく、勇者に盗賊、商人に戦士が揃っているじゃないか」

戦士「これで新しく、パーティーを組もう」

盗賊「とんでもない!また勇者にこき使われ…」

勇者「盗賊さん怖えよぉ…」ガタガタ

戦士「どうした?」

盗賊「で、でも…金が無いし…」

戦士「金ならあるぞ、ちょっと待ってろ」ゴソゴソ

戦士「ほら、靴の底に隠しておいた100G硬貨だ。傭兵代の前金だよ」

盗賊「なっ、あんたなんでそんな所に」

戦士「前に、ラリホーをかけられて金を盗まれた事があってね、それから給料は靴底に隠すようにしてたんだ」

戦士「これでこのアホと、女魔法使いの服…馬車は買えないけど、荷馬ぐらいなら買える」

盗賊「…」

僧侶「どう?悪い話じゃないでしょう?魔王を倒すための旅を再開しましょうよ」

盗賊「…」

盗賊「分かった、鍵を開けましょう。ただ開けたら皆でリンチするなんて、事はしないでくだせえよ」

戦士「はっはっは、するわけがないじゃないか」

商人「あとついでに、この傭兵と商人の足枷も外してやってくれ」

盗賊「もちろんでさ…」カチャカチャ

傭兵「ありがとよぉ…うへへ」

商売人「やれやれ、どうなるかと思ったよ」

盗賊「じゃあ…」ガチャガチャガチャ ガチャン


戦士「よし、逃げるぞ!」

商人「待て、その前に…」

戦士「何だ?」

山賊「Zzz...Zzz....」

商人「このクソッタレ野郎、拘束費貰ってくぞ」ジャラジャラ

僧侶「まあ、なんて悪い人なんでしょう」

戦士「なあに、人を売って得た金だ。こっちのものだよ」

数日後 遠くの街で

商売人「この男の世話代は、あんたが払ってくれるんだな?」

傭兵「へへへ…」

戦士「ああ、いつか帰ってくるから、それまでよろしく頼んだぞ」

商売人「あんたが金を送ってくれる限りは世話しといてやるよ」

戦士「悪いな…」



僧侶「じゃあ、また始めましょうか」

戦士「おう、長い旅になるだろうけど」

盗賊「あっし達の旅…」

女魔法使い「ちょっとあんたたち!勇者様がボスなんだからね!主人公面しないで!」

勇者「あっ、盗賊さん荷物持ちましょうか?」

女魔法使い「…」

僧侶「とりあえず、これからどこへ行きます?」

戦士「そうだな…王国軍とはかなり険悪になったし、連中の軍勢から出来るだけ離れるために、遠回りして行こう」

勇者「それならあのぅ…カジノのあるオラクルベリーが一番いいと思うんだけどぉ…」

僧侶「…」ジトー

勇者「あっ、すいません」

戦士「まあいか、息抜きも大事だ、オラルクベリーもいいかもな」

盗賊「賭けごとなんて久しぶりですぜ!」

女魔法使い「盗賊さん、頑張ってね!」

勇者「えっ…女魔法使い…あれ…あの、僕は…?」


終わり


結局僧侶は「自分を男だと思い込んでいる女の子」なのか?

ごめんなさい、ちょっとパンツに付いた付着物を早く洗いたいので

>>311
うん

                          刀、           , ヘ
                  /´ ̄`ヽ /: : : \_____/: : : : ヽ、
              ,. -‐┴─‐- <^ヽ、: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : }
               /: : : : : : : : : : : : : :`.ヽl____: : : : : : : : : : : : : : : : : : /
     ,. -──「`: : : : : : : : : :ヽ: : : : : : : : :\ `ヽ ̄ ̄ ̄ フ: : : : :/

    /: :.,.-ァ: : : |: : : : : : : : :    :\: : : : :: : : :ヽ  \   /: : : :/
    ̄ ̄/: : : : ヽ: : : . . . . . . . . . . .、 \=--: : : :.i  / /: : : : :/
     /: :     ∧: \: : : : : : : : : : ヽ: :\: : : 〃}/  /: : : : :/         、
.    /: : /  . : : :! ヽ: : l\_\/: : : : :\: ヽ彡: : |  /: : : : :/            |\
   /: : ィ: : : : :.i: : |   \!___/ ヽ:: : : : : : :\|:.:.:.:/:!  ,': : : : /              |: : \
   / / !: : : : :.ト‐|-    ヽ    \: : : : : l::::__:' :/  i: : : : :{              |: : : :.ヽ
   l/   |: : :!: : .l: :|            \: : : l´r. Y   {: : : : :丶_______.ノ: : : : : :}
      l: : :l: : :ト、|         、___,ィ ヽ: :| ゝ ノ    '.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : /
      |: : :ト、: |: :ヽ ___,彡     ´ ̄´   ヽl-‐'     \: : : : : : : : : : : : : : : : : : イ
        !: :从ヽ!ヽ.ハ=≠' , ///// ///u /           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      V  ヽ|    }///  r‐'⌒ヽ  イ〉、
              ヽ、______ー‐‐' ィ´ /:/:7rt‐---、       こ、これは>>1乙じゃなくて
                  ィ幵ノ ./:/:./:.! !: : : : :!`ヽ     ただのIDなんだから

              r‐'T¨「 |: | !:.∨:/:./: :| |: : : : .l: : : :\   変な勘違いしないでよね!
               /: : .|: :| !:.!ィ¨¨ヾ、:.:/ !: : : : l: : : : : :.\

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